JP2017183155A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の燃料電池セル7夫々の燃料極7aから排出される燃料極排ガスと酸素極7cから排出される酸素極排ガスとが混合された電池排ガスと、反応用空気供給手段8によりセルスタック9に供給される反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を予熱する電池排ガス用熱交換器16と、改質器3を加熱した後の改質器バーナ6の燃焼排ガスと、電池排ガス用熱交換器16で予熱された反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を追予熱するバーナ排ガス用熱交換器19と、電池排ガス用熱交換器16にて抜熱後の電池排ガスを燃焼させて、被加熱部17を加熱する被加熱部加熱用バーナ18とが設けられている。
【選択図】図1
Description
複数の燃料電池セル夫々の燃料極から排出される燃料極排ガスや、酸素極から排出される酸素極排ガスは多量の熱を保有しており、しかも、燃料極排ガスには可燃成分である水素ガスが残存しているので、燃料電池システムのエネルギー効率を向上するには、燃料極排ガス及び酸素極排ガスの取り扱いが重要となる。
つまり、セルスタックから排出された燃料極排ガスの一部の保有熱と、セルスタックから排出された酸素極排ガスの保有熱を回収して、反応用空気を予熱していた。
ちなみに、再生器において反応用空気との熱交換により抜熱した酸素極排ガスは、大気中に放出させていた(例えば、特許文献1参照。)。
ガス燃料供給源から供給されるガス燃料を燃焼用空気供給手段により供給される燃焼用空気にて燃焼させて、その燃焼熱により前記改質器を改質反応可能に加熱する改質器バーナと、
燃料極及び酸素極を有する複数の燃料電池セルを備えて、前記改質器から供給される改質ガスを各燃料電池セルの燃料極に分配可能で且つ反応用空気供給手段により供給される反応用空気を各燃料電池セルの酸素極に分配可能に構成されたセルスタックとを備えた燃料電池システムであって、その特徴構成は、
前記複数の燃料電池セル夫々の前記燃料極から排出される燃料極排ガスと前記酸素極から排出される酸素極排ガスとが混合された電池排ガスと、前記反応用空気供給手段により前記セルスタックに供給される反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を予熱する電池排ガス用熱交換器と、
前記改質器を加熱した後の前記改質器バーナの燃焼排ガスと、前記電池排ガス用熱交換器で予熱された反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を追予熱するバーナ排ガス用熱交換器と、
前記電池排ガス用熱交換器にて抜熱後の電池排ガスを燃焼させて、被加熱部を加熱する被加熱部加熱用バーナとが設けられている点にある。
従って、エネルギー効率を向上し得る燃料電池システムを提供することができる。
前記ガス分離器にて分離された水素含有排ガスが、前記被加熱部加熱用バーナに供給される点にある。
つまり、電池排ガスを被加熱部加熱用バーナに供給して燃焼させるにしても、ガス分離器において二酸化炭素ガスを含む二酸化炭素含有排ガスを分離することにより、被加熱部加熱用バーナには、可燃成分の比率を高めた水素含有排ガスを供給するので、被加熱部加熱用バーナの燃焼が不安定になるのを軽減することができる。
そこで、電池排ガスを被加熱部加熱用バーナに供給するにしても、ガス分離器にて不燃成分を分離することにより、被加熱部加熱用バーナに供給されるガス燃料中の不燃成分の比率を十分に小さくすることができるので、被加熱部加熱用バーナとして、従来から用いられているものを用いることが可能であり、又、改造が必要な場合でも、軽微な改造で済ますことが可能である。
従って、燃料電池システムの低価格化を図ることができる。
つまり、アルカリ性廃液を中和処理するための二酸化炭素ガスを、電池排ガス中に含有される二酸化炭素ガスにて賄うことができる。
従って、アルカリ性廃液が発生する施設(例えば、メッキ工場等)に燃料電池システムを設置する場合は、アルカリ性廃液を中和処理するためのコストを軽減することができるので、アルカリ性廃液の処理コストを含めた総合効率を向上することができる。
従って、エネルギー効率を向上することにより、エネルギーコストを低減するにしても、特に、蒸気を生成するためのエネルギーコストを低減することができる。
図1に示すように、燃料電池システムは、原燃料ガス供給源1から供給される炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気生成器2から供給される水蒸気により改質反応させて、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む改質ガスを生成する改質器3と、ガス燃料供給源4から供給されるガス燃料を燃焼用空気ブロア5(燃焼用空気供給手段の一例)により供給される燃焼用空気にて燃焼させて、その燃焼熱により改質器3を改質反応可能に加熱する改質器バーナ6と、燃料極7a及び酸素極7cを有する複数の燃料電池セル7を備えて、改質器3から供給される改質ガスを各燃料電池セル7の燃料極7aに分配可能で且つ反応用空気ブロア8(反応用空気供給手段の一例)により供給される反応用空気を各燃料電池セル7の酸素極7cに分配可能に構成されたセルスタック9等を備えて構成されている。
又、燃料電池システムには、原燃料ガス供給源1から供給される原燃料ガスを脱硫する脱硫器11が設けられ、その脱硫器11で脱硫された原燃料ガスが改質器3に供給されるように構成されている。
又、廃液供給源Sからアルカリ性廃液が供給されると共に、ガス分離器20にて分離された二酸化炭素含有排ガスが供給されて、アルカリ性廃液を二酸化炭素含有排ガス中の二酸化炭素ガスを用いて中和する廃液中和装置21が設けられている。
廃液供給源Sの具体例としては、例えば、メッキ工場等がある。
燃料電池セル7及びセルスタック9は周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して、簡単に説明する。
燃料電池セル7は、燃料極7aと空気極7cとの間に固体電解質層(図示省略)を備えた固体酸化物型に構成されている。ちなみに、固体電解質層としては、例えば酸化ジルコニウムが用いられる。
各燃料電池セル7の燃料極7aは、面方向に沿って改質ガスを通流させることが可能に構成され、燃料極7aの互いに対向する一対の端縁部の一方に、改質ガスを導入するガス導入口(図示省略)が備えられ、他方に、発電反応に用いられた後の燃料極排ガスを排出するガス排出口(図示省略)が備えられている。又、各燃料電池セル7の酸素極7cは、面方向に沿って反応用空気を通流させることが可能に構成され、酸素極7cの互いに対向する一対の端縁部の一方に、反応用空気を導入するガス導入口(図示省略)が備えられ、他方に、発電反応に用いられた後の酸素極排ガスを排出するガス排出口(図示省略)が備えられている。
この燃料電池セル7の積層体における燃料極7a及び酸素極7c夫々のガス導入口が開口する側面部には、各燃料電池セル7の燃料極7aのガス導入口に連通する燃料極マニホールド22、及び、各燃料電池セル7の酸素極7cのガス導入口に連通する酸素極マニホールド23が設けられている。
又、燃料電池セル7の積層体における燃料極7a及び酸素極7c夫々のガス排出口が開口する側面部には、電池排ガス用熱交換器16が、その授熱側通流部16gを各燃料電池セル7の燃料極7a及び酸素極7c夫々のガス排出口に連通させる状態で、燃料電池セル7の積層体に隣接配置されて、その授熱側通流部16gに、複数の燃料電池セル7の燃料極7aから燃料極排ガスが、複数の燃料電池セル7の酸素極7cから酸素極排ガスが、夫々、直接導入されて混合されるように構成されている。
原燃料ガス流路24には、原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス用電磁弁26、及び、原燃料ガスの供給量を調整する原燃料ガス用比例弁27が設けられている。
図1中において太実線にて示すように、都市ガス供給管10からの都市ガスをガス燃料として導く改質器バーナ用のガス燃料流路34が、改質器バーナ6に接続され、図1中において破線で示すように、燃焼用空気ブロア5から送出される燃焼用空気を導く燃焼用空気流路33が、改質器バーナ6に接続されている。
改質器バーナ6に接続されたガス燃料流路34には、改質器バーナ6へのガス燃料の供給を断続するガス燃料用電磁弁36、及び、改質器バーナ6へのガス燃料の供給量を調整するガス燃料用比例弁37が設けられている。
CH4+H2O→CO+3H2
そして、反応用空気ブロア8から送出される反応用空気の温度を、例えば20℃とすると、その反応用空気は、電池排ガス用熱交換器16において、例えば60℃程度に予熱され、更に、バーナ排ガス用熱交換器19において、例えば80℃程度に追予熱される。
H2+O2-→H2O+2e-
〔化3〕
CO+O2-→CO2+2e-
〔化4〕
1/2O2+2e-→O2-
電池排ガス用熱交換器16においては、燃料極排ガスと酸素極排ガスとが混合されて、水蒸気、二酸化炭素ガス、水素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガス及び酸素ガス等が含まれる電池排ガスと、反応用空気ブロア8から送出される反応用空気とが熱交換されて、反応用空気が予熱され、抜熱後の電池排ガスがガス分離器20に供給される。
この実施形態では、PSA式のガス分離器20は、供給される電池排ガスを、水素ガス、一酸化炭素ガスを含む水素含有排ガスと、二酸化炭素ガス、水蒸気、窒素ガスを含む二酸化炭素含有排ガスとに分離するように構成されている。
又、図1中において一点鎖線にて示すように、ガス分離器20で分離された水素含有排ガスと二酸化炭素含有排ガスのうち、水素含有排ガスを導く水素含有排ガス流路45がボイラ加熱用バーナ18に接続され、二酸化炭素含有排ガスを導く二酸化炭素含有排ガス流路46が廃液中和装置21に接続されている。
又、ボイラ加熱用バーナ18に接続されたガス燃料流路35には、ボイラ加熱用バーナ18へのガス燃料の供給を断続するガス燃料用電磁弁38、及び、ボイラ加熱用バーナ18へのガス燃料の供給量を調整するガス燃料用比例弁39が設けられている。
そして、図示を省略するが、廃液中和装置21は、内部に廃液貯留部を備えられ、廃液流路47から供給されるアルカリ性廃液を廃液貯留部に貯留し、その廃液貯留部に貯留されているアルカリ性廃液中に、二酸化炭素含有排ガス流路46にて供給される二酸化炭素含有排ガスをバブリングさせて、二酸化炭素含有排ガスに含まれる二酸化炭素ガスをアルカリ性廃液に溶存させることにより、アルカリ性廃液を中和させる。
そして、中和処理されて廃液貯留部からオーバーフロー状態で送出される中和処理液を処理液流路48にて導くように構成されている。
制御部は、セルスタック9の発電出力を所定の目標出力に調整すべく、インバータ12を制御すると共に、原燃料ガスの供給量、改質用水の供給量、反応用空気の供給量を、夫々、発電出力に応じた量に調整すべく、原燃料ガス用比例弁27、改質用水ポンプ31、反応用空気ブロア8を制御する。ちなみに、例えば、目標出力が、宅内系統14の負荷電力に追従させるように設定される場合は、セルスタック9の発電出力を負荷電力に追従させる、所謂負荷追従運転が実行されることになる。
そして、制御部は、ボイラ加熱用バーナ18の燃焼量が蒸気ボイラ17の加熱負荷を賄うための所定の燃焼量になるように、ガス燃料流路35にて供給されるガス燃料の供給量を調整すべく、ガス燃料用比例弁39を制御すると共に、その燃焼量に応じた量の燃焼用空気を供給すべく、ボイラ用の燃焼用空気ブロア40を制御する。
従って、燃料電池システムのエネルギー効率を向上することができる。
しかも、ボイラ加熱用バーナ18には、主燃料として、ガス燃料流路35を通してガス燃料を供給するので、ボイラ加熱用バーナ18に供給されるガス燃料中の不燃成分の比率が十分に小さくなり、ボイラ加熱用バーナ18の燃焼が不安定になるのを軽減することができる。
(A)被加熱部の具体例としては、上記の実施形態において例示した蒸気ボイラ17に限定されるものではなく、例えば、温水ボイラや各種の炉を適用することができる。
3 改質器
4 ガス燃料供給源
5 燃焼用空気ブロア(燃焼用空気供給手段)
6 改質器バーナ
7 燃料電池セル
7a 燃料極
7c 酸素極
8 反応用空気ブロア(反応用空気供給手段)
9 セルスタック
16 電池排ガス用熱交換器
17 蒸気ボイラ(被加熱部)
18 ボイラ加熱用バーナ(被加熱部加熱用バーナ)
19 バーナ排ガス用熱交換器
20 ガス分離器
21 廃液中和装置
S 廃液供給源
Claims (4)
- 原燃料ガス供給源から供給される炭化水素系の原燃料ガスを改質反応させて、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む改質ガスを生成する改質器と、
ガス燃料供給源から供給されるガス燃料を燃焼用空気供給手段により供給される燃焼用空気にて燃焼させて、その燃焼熱により前記改質器を改質反応可能に加熱する改質器バーナと、
燃料極及び酸素極を有する複数の燃料電池セルを備えて、前記改質器から供給される改質ガスを各燃料電池セルの燃料極に分配可能で且つ反応用空気供給手段により供給される反応用空気を各燃料電池セルの酸素極に分配可能に構成されたセルスタックとを備えた燃料電池システムであって、
前記複数の燃料電池セル夫々の前記燃料極から排出される燃料極排ガスと前記酸素極から排出される酸素極排ガスとが混合された電池排ガスと、前記反応用空気供給手段により前記セルスタックに供給される反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を予熱する電池排ガス用熱交換器と、
前記改質器を加熱した後の前記改質器バーナの燃焼排ガスと、前記電池排ガス用熱交換器で予熱された反応用空気とを熱交換させて、当該反応用空気を追予熱するバーナ排ガス用熱交換器と、
前記電池排ガス用熱交換器にて抜熱後の電池排ガスを燃焼させて、被加熱部を加熱する被加熱部加熱用バーナとが設けられている燃料電池システム。 - 前記電池排ガス用熱交換器にて抜熱後の電池排ガスを、水素ガスを含む水素含有排ガスと二酸化炭素ガスを含む二酸化炭素含有排ガスとに分離するガス分離器が設けられ、
前記ガス分離器にて分離された水素含有排ガスが、前記被加熱部加熱用バーナに供給される請求項1に記載の燃料電池システム。 - 廃液供給源からアルカリ性廃液が供給されると共に、前記ガス分離器にて分離された二酸化炭素含有排ガスが供給されて、アルカリ性廃液を二酸化炭素含有排ガス中の二酸化炭素ガスを用いて中和する廃液中和装置が設けられている請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記被加熱部が蒸気ボイラである請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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