JP2017180092A - 圧縮機 - Google Patents

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友哉 服部
Yuya Hattori
友哉 服部
宏樹 永野
Hiroki Nagano
宏樹 永野
邦久 松田
Kunihisa Matsuda
邦久 松田
達志 森
Tatsushi Mori
達志 森
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Abstract

【課題】リード弁体を弁孔形成面から剥がれ易くするとともに、リード弁体の信頼性を向上させることが可能な圧縮機の提供にある。
【解決手段】シリンダブロック46は、吐出リード弁63が固定される弁固定面73と、弁固定面73に対して俯角をなして延在し、吐出ポート62を有する弁孔形成面74と、を備え、シリンダブロック46はさらに、弁固定面73と弁孔形成面74にわたって形成された凹部75を有し、凹部75は、固定ボルト65と吐出ポート62との間に配置されており、吐出リード弁63は、弁固定面73から吐出ポート62へ向けて凹部75を跨いで延在するとともに、凹部75により、吐出リード弁63の開閉時に、固定ボルト65と吐出ポート62との間で、前記シリンダブロック46と当接しない部分が形成された。
【選択図】 図3

Description

この発明は、圧縮機に関し、特に、弁孔を開閉するリード弁を備えた圧縮機に関する。
従来の圧縮機としては、例えば、特許文献1に開示された気体圧縮機が知られている。特許文献1に開示された気体圧縮機では、吐出孔に取り付けられているリードバルブ取付面が吐出孔シール面より高い位置に設けられている。したがって、リードバルブと吐出孔シール面との間には、リードバルブ取付面と吐出孔シール面の高さの差に相当する大きさの隙間が形成される。
特許文献1に開示された気体圧縮機によれば、リードバルブ面と吐出孔シール面とがその高さの差で与えられた角度をもって斜めに接触し、リードバルブ面と吐出孔シール面との面同士の直接衝突が回避される。また、リードバルブが吐出孔シール面に接触するときの速度が遅くなる。このことから、リードバルブと吐出孔シール面との接触音が小さくなり、気体圧縮機全体の騒音の低減を図ることができるとしている。
また、吐出孔シール面の法線方向に対してリードバルブの弾性回復力の作用線がずれるため、リードバルブが開きやすく、リードバルブの貼り付け現象が防止され、吐出孔から高圧室への冷媒ガスの吐き出し性が向上する。このため、吐出開始直前の圧縮室内の圧力がリードバルブの開直前に瞬間的に高くなることによる冷媒ガスの過圧縮を回避できるとしている。
特許文献1に開示された気体圧縮機と、同様な従来技術としては、例えば、特許文献2に開示された気体圧縮機の開閉弁、及び気体圧縮機が存在する。
特開2000−249067号公報 特開2004−308428号公報
しかしながら、特許文献1に開示された気体圧縮機は、リードバルブが吐出孔をシールした状態では、リードバルブは複雑に湾曲する。すなわち、リードバルブの長手方向において2箇所にて湾曲し、湾曲する方向が互いに異なっている。リードバルブが複雑に湾曲する場合、リードバルブに対する負荷が大きくなり、リードバルブの信頼性が損なわれるという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、リード弁体を弁孔形成面から剥がれ易くするとともに、リード弁体の信頼性を向上させることが可能な圧縮機の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、弁孔を有するハウジングと、前記弁孔を開閉するリード弁体と、前記リード弁体の開度を規定するリテーナと、前記リード弁体および前記リテーナを前記ハウジングに固定する固定ボルトと、を備えた圧縮機において、前記ハウジングは、前記リード弁体が固定される弁固定面と、前記弁固定面に対して俯角をなして延在し、前記弁孔を有する弁孔形成面と、を備え、前記ハウジングはさらに、前記弁固定面と前記弁孔形成面にわたって形成された凹部を有し、該凹部は、前記固定ボルトと前記弁孔との間に配置されており、前記リード弁体は、前記弁固定面から前記弁孔へ向けて前記凹部を跨いで延在するとともに、前記凹部により、前記リード弁体の開閉時に、前記固定ボルトと前記弁孔との間で、前記ハウジングと当接しない部分が形成されていることを特徴とする。
本発明では、リード弁体が弁孔を閉じる状態では湾曲するが、湾曲箇所は1箇所で、緩やかに膨出しており、凹部に位置する。このため、リード弁体に対する負荷は、湾曲箇所が複雑な場合と比べて軽減される。また、弁孔形成面が弁固定面に対して俯角となるように傾斜していることから、弁孔を開く際には弁孔形成面からリード弁体が剥がれ易くなり、リード弁体の弁孔形成面への張り付きによる過圧縮を抑制することができる。
また、上記の圧縮機において、前記ハウジングはシリンダブロックである構成としてもよい。
また、上記の圧縮機において、前記弁孔形成面は平坦面である構成としてもよい。
この場合、リード弁体における弁孔形成面に当接する部位は湾曲せず、リード弁体に対する負荷が軽減される。
また、上記の圧縮機において、前記弁孔形成面は前記リード弁体の長手方向に曲がる曲面である構成としてもよい。
この場合、リード弁体における弁孔形成面に当接する部位は湾曲するため、リード弁体は湾曲による弾性変形の復元力により弁孔形成面からより剥がれ易い。
本発明によれば、リード弁体を弁孔形成面から剥がれ易くするとともに、リード弁体の信頼性を向上させることが可能な圧縮機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る圧縮機の概要を示す斜視図である。 図1のA−A線における矢視図である。 (a)は吐出ポートを閉じた状態の吐出リード弁を示す要部の断面図であり、(b)は吐出ポートを開いた状態の吐出リード弁を示す要部の断面図である。 吐出ポートを閉じた状態の吐出リード弁を示す要部の平面図である。 比較例に係る吐出ポートを閉じた状態の吐出リード弁を示す要部の断面図である。 第2の実施形態に係る圧縮機の吐出ポートを閉じた状態の吐出リード弁を示す要部の断面図である。 変形例に係る圧縮機の吐出ポートを閉じた状態の吐出リード弁を示す要部の断面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る圧縮機について図面を参照して説明する。本実施形態の圧縮機は車載用のベーン型圧縮機である。図1に示すベーン型圧縮機(以下、単に「圧縮機」と表記する)の左方は前方であり、圧縮機の右方は後方である。図1に示す圧縮機は、フロントハウジング11とフロントハウジング11の後端に接合される有底筒状のリヤハウジング12を備えている。フロントハウジング11およびリヤハウジング12は圧縮機のハウジングに相当する。
フロントハウジング11は、前後に貫通する軸孔14を有している。フロントハウジング11の後端は開口されており、リヤハウジング12と接合される後端部15を有している。フロントハウジング11の内部には冷媒が吸入される吸入室16が形成されている。フロントハウジング11には、フロントハウジング11の外部と吸入室16とを連通する吸入口17が形成されている。吸入口17は、図示しない外部冷媒回路の配管に接続されている。
軸孔14には、回転軸29が挿通されている。回転軸29の前端はフロントハウジングから突出しており、回転軸29の後端はリヤハウジング12内に位置する。回転軸29とフロントハウジング11との間にはシール部材18が設けられている。シール部材18は吸入室16の冷媒が軸孔14を通じて外部に漏洩することを防止する。回転軸29の前端部は、エンジン等の外部駆動源の駆動力を回転軸29に伝達する駆動力伝達機構(図示せず)と接続されている。駆動力伝達機構は、例えば、プーリや伝動ベルトにより構成される。回転軸29の軸心P方向は前後方向である。
フロントハウジング11の後端に接合されるリヤハウジング12は、図示されない複数のボルトによってフロントハウジング11に固定されている。リヤハウジング12は、前後に延在する筒状の胴部30を有している。胴部30の前端は開口されており、フロントハウジング11の後端部15と接合される前端部31を有している。胴部30の後端は胴部30と一体形成された底壁部32により閉塞されている。リヤハウジング12の内部に圧縮機構33が収容される。リヤハウジング12には、リヤハウジング12の外部と内部とを連通する吐出口34が形成されている。
リヤハウジング12の前端部31側の開口を塞ぐように、第1サイドプレート35がリヤハウジング12に固定されている。第1サイドプレート35は略円板状の板部材である。第1サイドプレート35の板面は軸心Pと直交する。第1サイドプレート35の中心付近には、回転軸29を挿通する軸孔36が形成されている。軸孔36の孔壁には、回転軸29を好適に摺動させる図示しないめっきが形成されている。回転軸29の中間部は、軸孔36において第1サイドプレート35により回転可能に支持されている。第1サイドプレート35の外周面とリヤハウジング12の内周面との間には、Oリング37が設けられている。第1サイドプレート35の後面には、環状溝38が軸心Pを中心にして円環状に凹設されている。第1サイドプレート35には、貫通孔としての吸入孔39が設けられている。吸入孔39は、吸入室16と後述する圧縮室70とを連通するように形成される。
リヤハウジング12内には、第1サイドプレート35と間隔を空けて第2サイドプレート40が配置されている。第2サイドプレート40は略円板状の板部材である。第2サイドプレート40の板面が軸心Pと直交するように、第2サイドプレート40は配置されている。第2サイドプレート40の中心付近には、回転軸29を挿通する軸孔41が形成されている。軸孔41の孔壁には、回転軸29を好適に摺動させる図示しないめっきが形成されている。回転軸29の後端部は、軸孔41において第2サイドプレート40により回転可能に支持されている。従って、回転軸29は、フロントハウジング11、第1サイドプレート35および第2サイドプレート40により支持されている。第2サイドプレート40の外周面とリヤハウジング12の内周面との間には、Oリング42が設けられている。
第2サイドプレート40の前面には、環状溝43が軸心Pを中心にして円環状に凹設されている。第2サイドプレート40には、通路44が形成されている。通路44は、リヤハウジング12内に第1サイドプレート35と第2サイドプレート40により区画される後述する吐出空間61と、第2サイドプレート40と底壁部32により区画される後述する吐出室45と、を連通するように形成された貫通孔である。通路44は第2サイドプレート40の板面に対して斜めに貫通している。
リヤハウジング12の胴部30、底壁部32および第2サイドプレート40により区画される空間は吐出室45に相当する。リヤハウジング12、第1サイドプレート35および第2サイドプレート40により区画される空間には、シリンダブロック46が収容される。
第2サイドプレート40の後面には、カバー体47がボルト(図示せず)により取り付けられている。カバー体47は、軸心Pと直交する径方向に延在する。カバー体47には、円柱状をなして軸直角方向に延びる油分離室48が形成されている。油分離室48内には、円筒状の筒部材49が固定されている。筒部材49の上端は、吐出室45に開いている。油分離室48の下端には、吐出室45に開く油排出口50が形成されている。また、カバー体47には通路51が形成されている。通路51は、通路44と連通することにより、油分離室48と吐出室45とを連通する。油分離室48および筒部材49は、オイルセパレータを構成する。
第2サイドプレート40とカバー体47との間には中間圧室52が形成されている。中間圧室52は、連通路53によって環状溝43と連通している。中間圧室52の気密性は、第2サイドプレート40とカバー体47との間に介在されたガスケット(図示せず)によって気密性が確保されている。
第2サイドプレート40には、油流路54が形成されている。油流路54の下端は、油排出口50よりも鉛直方向の下方となる位置で吐出室45の底部に開口している。油流路54によって、吐出室45と中間圧室52とが連通している。油分離室48内で冷媒から分離された潤滑油は、油流路54によって吐出室45から中間圧室52に導かれるようになっている。この際、油流路54は絞り流路として機能し、中間圧室52内が吐出室45内よりも低圧、かつ吸入室16内よりも高圧となるように、潤滑油を中間圧室52内に導くようになっている。
第1サイドプレート35と第2サイドプレート40との間には、筒状のシリンダブロック46が配置されている。シリンダブロック46は、フロントハウジング11およびリヤハウジング12とともに圧縮機のハウジングを構成する。第1サイドプレート35、シリンダブロック46および第2サイドプレート40は、図2に示す複数のボルト56により締結されている。したがって、シリンダブロック46は、第1サイドプレート35と第2サイドプレート40とに前後から挟まれている。シリンダブロック46の前端面は第1サイドプレート35の後面と当接する。シリンダブロック46の後端面は第2サイドプレート40の前端面と当接する。シリンダブロック46、第1サイドプレート35および第2サイドプレート40は、シリンダブロック46の内部にシリンダ室57を形成している。図2に示すように、シリンダ室57の内周面58の断面形状は、軸心Pに対して偏心する円形である。
シリンダブロック46には、第1サイドプレート35の吸入孔39と連通する吸入通路59が形成されている。吸入通路59は、シリンダブロック46に凹設された吸入ポート60によってシリンダ室57に連通している。
シリンダブロック46には、外周側に開く吐出空間61が設けられている。吐出空間61は、シリンダブロック46を貫通する弁孔としての吐出ポート62によってシリンダ室57と連通する。吐出空間61内では、吐出ポート62を開閉する吐出リード弁63と、吐出リード弁63の開度を規制するリテーナ64とが固定ボルト65によってシリンダブロック46に固定されている。リテーナ64には図3に示すように湾曲の起点となる湾曲開始点Qが存在する。吐出空間61は第2サイドプレート40の通路44と連通する。吐出ポート62は弁孔に相当し、吐出リード弁63はリード弁体に相当する。
図1に示すように、シリンダ室57にはロータ66が収容されている。回転軸29がロータ66の中心を貫通するように回転軸29がロータ66に圧入されている。ロータ66はシリンダ室57にて回転軸29と一体回転する。図2に示すように、ロータ66の外周面67の断面形状は、軸心Pを中心とする真円である。本実施形態では、ロータ66の回転方向Rは、図2の紙面に向かって反時計方向である。
図2に示すように、ロータ66には、3つのベーン溝68が形成されている。これらのベーン溝68は、周方向においてそれぞれ等間隔に配置されている。ベーン溝68はロータ66のロータ66の外周側から回転軸29に近づくように径方向に延在する。
各ベーン溝68には、ベーン69が出没可能に設けられている。ベーン69は平板形状をなしている。なお、シリンダ室57を臨む第1サイドプレート35の後面、シリンダ室57の内周面58およびシリンダ室を臨む第2サイドプレート40の前面の他、ベーン69には、ロータ66と好適に摺動させるために図示しないめっきが形成されている。シリンダ室57、ロータ66およびベーン69は圧縮機構33を構成する。
この圧縮機では、第1サイドプレート35、シリンダ室57の内周面58、第2サイドプレート40、ロータ66の外周面67およびベーン69によって、圧縮室70が形成されている。本実施形態では、3個のベーン69を備えるため、3つの圧縮室70が形成される。図2に示すように、ベーン69の底面とベーン溝68との間の空間は背圧室71である。背圧室71は、図1に示す環状溝43および連通路53を介して中間圧室52と連通している。ベーン69は、背圧室71内の潤滑油によって外周方向に押圧されており、その先端部がシリンダ室57の内周面58に当接している。ロータ66の回転に伴って、ベーン69は、ベーン溝68に対して出没しつつ、シリンダ室57の内周面に摺接する。
ところで、本実施形態の圧縮機では、吐出リード弁63が吐出ポート62を開く際にシリンダブロック46から剥がれ易くするとともに、吐出リード弁63の信頼性を向上するための工夫が凝らされている。図3(a)、図3(b)に示すように、シリンダブロック46には、固定ボルト65が螺入されるボルト孔72を備えている。ボルト孔72の周囲には弁固定面73が形成されている。弁固定面73は、平坦面であり、吐出リード弁63の開閉状態に関わらず、吐出リード弁63の一部が密着する面である。弁固定面73は吐出リード弁63の先端へ向けて延在する。なお、図3(a)、図3(b)における一点鎖線F1は弁固定面73の延長した面を示す線である。図3(a)、図3(b)では、説明の便宜上、弁固定面73を水平にして示す。
弁固定面73により吐出リード弁63の先端側であって、吐出ポート62の周囲には弁孔形成面74が形成されている。吐出リード弁63が弁固定面73から吐出ポート62へ向けて延在するように、弁孔形成面74は吐出ポート62を有している。弁固定面73と弁孔形成面74は接続されている。弁孔形成面74は弁固定面73に対して俯角となるように傾斜しており、吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じるとき、吐出リード弁63の一部が当接して密着する当接面を含んでいる。図3(a)、図3(b)における一点鎖線F2は弁孔形成面74の延長した面を示す線である。本実施形態では、弁固定面73を基準にしてロータ66側に傾斜する角度を俯角とし、リテーナ64側へ傾斜する角度を仰角とする。弁孔形成面74は弁固定面73に対して俯角をなして延在していることにより、吐出リード弁63は吐出ポート62を閉じる状態では湾曲して弾性変形することになる。そして、吐出ポート62を開くときには、吐出リード弁63は弾性変形からの復元力によって弁孔形成面74から剥がれ易くなる。なお、図3(a)、図3(b)における弁固定面73に対する弁孔形成面74の俯角は、説明の便宜上、誇張して図示しており、実際の俯角は0°より大きく10°以下の範囲にて設定される。
シリンダブロック46には、弁固定面73と弁孔形成面74にわたって凹部75が形成されている。凹部75は、固定ボルト65と吐出ポート62との間に配置されている。凹部75はシリンダブロック46を切削加工することにより形成されている。図4に示すように、凹部75は平面視では矩形状であり、凹部75の幅は吐出リード弁63の幅よりも大きい。本実施形態では、シリンダブロック46において凹部75を除く部位では、弁固定面73と弁孔形成面74とは直線状の交線を有する。なお、図4では、説明の便宜上、リテーナ64を省略して図示している。凹部75の固定ボルト65側の縁部76は弁固定面73と隣接し、吐出ポート62側の縁部77は弁孔形成面74と隣接する。吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じる状態では、吐出リード弁63は凹部75を跨いでいる。したがって、吐出リード弁63において凹部75に対応する部位(部分)は、吐出リード弁63が閉じた状態でも開いた状態でもシリンダブロック46と当接しない。吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じる状態では、吐出リード弁63の湾曲箇所Wは1つであり、凹部75に対応する位置に存在する。
凹部75により、吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じたときに、互いに異なる方向へ湾曲する2箇所の湾曲部を生じない。また、凹部75により、吐出リード弁63とシリンダブロック46とが接触する接触面積が減るため、吐出リード弁63とシリンダブロック46間の潤滑油により密着し難く、吐出リード弁63がシリンダブロック46から剥がれ易い。例えば、図5に示すように、凹部75が設けられない比較例の場合では、弁固定面101と弁孔形成面102との交線Xが形成される。シリンダブロックにおいて角部を形成する交線Xは、吐出リード弁63の自由な湾曲を妨げる。このため、比較例では、吐出リード弁63は吐出ポート62を閉じたとき、互いに異なる方向へ湾曲する2箇所の湾曲部W1、W2を生じる。図5では、説明の便宜上、弁固定面101と弁孔形成面102以外の実施形態と共通の構成ついては、同じ符号を使用した。
本実施形態では、交線Xに相当する位置は凹部75を設けたために切削されているが、図3(a)、図3(b)に示すように、一点鎖線F1、F2の交点が仮想交線Yを示すことになる。吐出リード弁63の長手方向において仮想交線Yが凹部75に対応する位置にある。図3(a)に示すように、吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じたときの湾曲箇所Wは1箇所となる。
図3(b)に示すように、リテーナ64は吐出リード弁63の最大開度を規定する。リテーナ64の湾曲開始点Qは、固定側の端部78と固定側の端部78の反対側の端部79との間に存在する。リテーナ64において湾曲開始点Qよりも端部78側の部位は湾曲しない。リテーナ64において湾曲開始点Qよりも端部79側の部位は徐々に仰角となるように湾曲する。本実施形態では、弁固定面73から弁孔形成面74へ向けて、縁部76、湾曲開始点Q、仮想交線Yが順に位置する。なお、湾曲開始点Q、仮想交線Yは吐出リード弁63の長手方向において同じ位置に存在してもよいし、弁固定面73から弁孔形成面74へ向けて、仮想交線Y、湾曲開始点Qの順に位置してもよい。
次に、本実施形態に係る圧縮機の作用について説明する。外部駆動源が駆動されると、駆動力伝達機構を介して回転軸29が回転され、ロータ66が回転する。ロータ66の回転に伴い、ベーン69がシリンダブロック46の内周面58に摺接しつつロータ66と共に回転する。シリンダ室57が軸心Pに対して偏心しているため、ロータ66の外周面67がシリンダ室57の内周面58と最も離れた位置では、ベーン69がロータ66の外周面67から最も突出する。ロータ66の外周面67がシリンダ室57の内周面58と最も近い位置では、ベーン69がロータ66の外周面67から突出する突出量は最小である。
冷媒はフロントハウジング11の吸入口17から吸入室16に吸入され、さらに、吸入孔39、吸入通路59、吸入ポート60を通じて圧縮室70に吸入される。ロータ66の回転によって圧縮室70の体積が減少して冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は吐出リード弁63が開かれることにより、吐出ポート62から吐出空間61へ吐出される。
吐出空間61へ吐出された冷媒は、通路44、51を通り油分離室48にて冷媒に含まれる潤滑油が分離され、吐出室45へ吐出され、さらに、吐出口から外部冷媒回路へ吐出される。分離された潤滑油は油排出口50を通じて排出され、リヤハウジング12内に貯留される。
ところで、吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じた状態では、吐出リード弁63は湾曲して弁孔形成面74に密着するが、吐出リード弁63の湾曲箇所Wは1つであり、凹部75に対応する位置に存在する。そして、吐出リード弁63は凹部75を跨ぐため、吐出リード弁63において凹部75に対応する部位は、シリンダブロック46と当接しない。吐出リード弁63の湾曲箇所が1箇所であるため、吐出リード弁63に対する負荷は小さい。吐出リード弁63が湾曲して吐出ポート62を閉じているため、吐出ポート62を開くときには、湾曲による弾性変形の復元力により、吐出リード弁63は弁孔形成面74から剥がれ易い。
吐出リード弁63が吐出ポート62を開いた状態では、吐出リード弁63の最大開度はリテーナ64によって規定されている。リテーナ64の湾曲開始点Qが凹部75の縁部76よりも端部79側に位置している。従って、リテーナ64の湾曲開始点Qが凹部75の縁部76よりも端部78側に位置する場合と比較すると、吐出リード弁63の最大開度からの自由状態への復元が行われ易い。
本実施形態の圧縮機は以下の作用効果を奏する。
(1)吐出リード弁63は、吐出ポート62を閉じる状態では湾曲するが、吐出リード弁63の湾曲箇所は1箇所であり、凹部75に位置し、シリンダブロック46に当接しない。このため、吐出リード弁63に対する負荷は、吐出リード弁63の湾曲箇所が2箇所になり、複雑に湾曲する従来の場合と比べて軽減される。また、弁孔形成面74が弁固定面73に対して俯角となるように傾斜していることから、吐出ポート62を開く際には弁孔形成面74から吐出リード弁63が剥がれ易くなり、吐出リード弁63の弁孔形成面74への張り付きによる過圧縮を抑制することができる。
(2)弁孔形成面74は平坦面であるため、吐出リード弁63における弁孔形成面74に当接する部位は湾曲せず、吐出リード弁63に対する負荷が軽減される。また、弁孔形成面74は平坦面であるため、弁孔形成面74の加工は比較的容易である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る圧縮機について説明する。本実施形態は弁孔形成面の構成が第1の実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、符号を共通して用いる。
図6に示すように、弁孔形成面81は吐出リード弁63の長手方向に曲がる緩やかな曲面である。弁孔形成面81が曲面であることから、弁固定面73に対する弁孔形成面81の俯角は、吐出リード弁63の固定端側から自由端側へ向かうにつれて緩やかに増大する。図6における弁固定面73に対する弁孔形成面81の俯角は、説明の便宜上、誇張して図示している。
吐出リード弁63が吐出ポート62を閉じる状態では、吐出リード弁63における弁孔形成面81に当接する部位は曲面に沿って緩やかに湾曲する。吐出リード弁63に弁孔形成面81に当接する部位には緩やかな湾曲による弾性変形の復元力が生じている。この復元力は、弁孔形成面81から吐出リード弁63をさらに剥がれやすくする。従って、本実施形態では、第1の実施形態よりも弁孔形成面81から吐出リード弁63が剥がれ易くなり、吐出リード弁63の弁孔形成面81への張り付きによる過圧縮をより抑制することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、凹部がシリンダブロックの切削加工により形成されたが、このかぎりではない。例えば、変形例として、図7に示すように、弁孔形成面74をシリンダブロック46に形成しておき、シリンダブロック46に別部材である板部材91を取り付けて、凹部93を形成してもよい。板部材91は、弁固定面73に相当する弁固定面92を備えている。この場合、凹部93の固定ボルト65側の縁部94は板部材91の端部により形成され、吐出ポート62側の縁部95はシリンダブロック46に形成される。
○ 上記の実施形態では、シリンダブロックに吐出リード弁が設けられたが、この限りではない。吐出リード弁を設ける場所は、シリンダブロックのほか、圧縮室を区画する区画部材や弁板に設けてもよい。
○ 上記の実施形態では、吐出リード弁63の長手方向において凹部75の中心付近に仮想交線Yが位置したが、この限りではない。仮想交線Yを凹部75の縁部76、77のいずれかにより近い位置に設けてもよい。また、仮想交線Yの位置に応じて弁固定面73に対する弁孔形成面74の俯角を変更して設定してもよい。例えば、仮想交線Yを設定する位置を縁部76に近くにするにつれて弁固定面73に対する弁孔形成面74の俯角を小さくし、仮想交線Yを設定する位置を縁部77に近くにするにつれて弁固定面73に対する弁孔形成面74の俯角を大きくしてもよい。また、吐出リード弁63の長さに応じて、弁固定面73に対する弁孔形成面74の俯角を変更するようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、圧縮機としてベーン型圧縮機を例示したが、圧縮機はベーン型圧縮機に限定する趣旨ではない。圧縮機はベーン型圧縮機のほか、スクロール型圧縮機、斜板型圧縮機等、リード弁が用いられる圧縮機であれば、特に限定されない。また、圧縮機の駆動方式についても、外部駆動源によるベルト駆動に限らず、電動モータによる駆動方式としてもよい。
11 フロントハウジング
12 リヤハウジング
29 回転軸
33 圧縮機構
35 第1サイドプレート
40 第2サイドプレート
46 シリンダブロック
60 吸入ポート
61 吐出空間
62 吐出ポート(弁孔)
63 吐出リード弁(リード弁)
64 リテーナ
65 ボルト
66 ロータ
69 ベーン
70 圧縮室
73、92、101 弁固定面
74、81、102 弁孔形成面
75、93 凹部
91 板部材
Q 湾曲開始点
X 交線
Y 仮想交線
W、W1、W2 湾曲箇所

Claims (4)

  1. 弁孔を有するハウジングと、
    前記弁孔を開閉するリード弁体と、
    前記リード弁体の開度を規定するリテーナと、
    前記リード弁体および前記リテーナを前記ハウジングに固定する固定ボルトと、を備えた圧縮機において、
    前記ハウジングは、前記リード弁体が固定される弁固定面と、前記弁固定面に対して俯角をなして延在し、前記弁孔を有する弁孔形成面と、を備え、
    前記ハウジングはさらに、前記弁固定面と前記弁孔形成面にわたって形成された凹部を有し、該凹部は、前記固定ボルトと前記弁孔との間に配置されており、
    前記リード弁体は、前記弁固定面から前記弁孔へ向けて前記凹部を跨いで延在するとともに、前記凹部により、前記リード弁体の開閉時に、前記固定ボルトと前記弁孔との間で、前記ハウジングと当接しない部分が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記ハウジングはシリンダブロックであることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記弁孔形成面は平坦面であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  4. 前記弁孔形成面は前記リード弁体の長手方向に曲がる曲面であることを特徴とする請求項3記載の圧縮機。
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