JP2017179199A - 樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、封止材及び封止構造体 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、封止材及び封止構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化後のクラックの発生を抑制することが可能な樹脂組成物の提供。【解決手段】熱硬化性成分と、無機充填剤と、酸無水物基を有するシラン化合物とを含有する樹脂組成物又は熱硬化性成分と、酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理された無機充填剤とを含有する樹脂組成物。熱硬化性成分にエポキシ樹脂を含み、前記エポキシ樹脂が25℃で液状であるエポキシ樹脂である樹脂組成物。シラン化合物が式(1)で表される化合物を含む樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、封止材及び封止構造体に関する。
電子機器の軽薄短小化に伴って、半導体装置の小型化及び薄型化が進んでいる。半導体素子とほぼ同じ大きさの半導体装置を用いる形態、又は、半導体装置の上に半導体装置を積む実装形態(パッケージ・オン・パッケージ)が盛んに行われており、今後、半導体装置の小型化及び薄型化が一段と進むと予想される。
半導体素子の微細化が進展し、端子数が増加してくると、半導体素子上にすべての外部接続端子(外部接続用の端子)を設けることが難しくなる。例えば、無理に外部接続端子を半導体素子上に設けた場合、端子間のピッチが狭くなると共に端子高さが低くなり、半導体装置を実装した後の接続信頼性の確保が難しくなる。そこで、半導体装置の小型化及び薄型化を実現するために、新たな実装方法が多々提案されている。
例えば、半導体ウエハを個片化して作製された半導体素子を、適度な間隔を有するように再配置した後、液状又は固形の樹脂組成物を用いて半導体素子を封止し、半導体素子を封止する封止部上に外部接続端子を更に設ける実装方法、及び、当該実装方法を用いて作製される半導体装置が提案されている(例えば、下記特許文献1〜4参照)。
特許第3616615号公報 特開2001−244372号公報 特開2001−127095号公報 米国特許出願公開第2007/205513号明細書
しかしながら、従来の樹脂組成物を用いて被封止体を前記樹脂組成物の硬化物により封止した場合、硬化物にクラック(割れ)が発生することがある。そのため、被封止体を封止するための樹脂組成物に対しては、硬化後のクラックの発生を抑制することが求められている。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、硬化後のクラックの発生を抑制することが可能な樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記樹脂組成物又は前記硬化物を含む樹脂フィルム、並びに、当該樹脂フィルムを備える封止材を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記樹脂組成物、前記硬化物又は前記樹脂フィルムを含む封止部を備える封止構造体を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態に係る樹脂組成物は、熱硬化性成分と、無機充填剤と、酸無水物基を有するシラン化合物と、を含有する。
本発明の第2実施形態に係る樹脂組成物は、熱硬化性成分と、酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理された無機充填剤と、を含有する。
本発明に係る樹脂組成物によれば、硬化後のクラックの発生を抑制することが可能であり、樹脂組成物を用いて被封止体を封止して得られた封止構造体にクラックが発生することを抑制することができる。
被封止体(電子部品等)の封止には、液状又は固形の樹脂組成物を金型で成形するモールド成形が行われる場合がある。例えば、ペレット状の樹脂組成物を溶融させ、金型内に樹脂組成物を流し込むことで封止するトランスファーモールド成形が使用される場合がある。しかしながら、トランスファーモールド成形では、溶融させた樹脂組成物を流し込んで成形するため、大面積を封止しようとする場合、未充填部が発生する可能性がある。そこで、近年、予め金型又は被封止体(電子部品等)に樹脂組成物を供給してから成形を行うコンプレッションモールド成形が使用され始めている。コンプレッションモールド成形では、樹脂組成物を金型又は被封止体に直接供給するため、大面積の封止でも未充填部が発生しにくい利点がある。コンプレッションモールド成形では、トランスファーモールド成形と同様に、液状又は固形の樹脂組成物が用いられる。
これに対し、近年、液状又は固形の樹脂組成物に代えて樹脂フィルム(フィルム状の樹脂封止材)を用いることにより、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)により被封止体を封止することが検討されている。しかしながら、従来の樹脂フィルムを用いて被封止体を封止して封止構造体を得た場合に、封止構造体にクラックが発生する場合がある。一方、本発明に係る樹脂組成物によれば、硬化後のクラックの発生を抑制することが可能な樹脂フィルムを得ることが可能であり、当該樹脂フィルムを用いて被封止体を封止して得られた封止構造体にクラックが発生することを抑制することができる。
また、従来の樹脂フィルムを用いて被封止体を封止する場合、取扱い時に樹脂フィルムが破損して封止を行うことが困難であることがある。一方、本発明に係る樹脂組成物によれば、優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ることが可能であり、取扱い時に樹脂フィルムが破損することを容易に抑制することができる。
前記熱硬化性成分は、エポキシ樹脂を含んでいてもよい。この場合、成形性及び接着性を更に向上させることができる。
前記熱硬化性成分は、25℃で液状であるエポキシ樹脂を含むことが好ましい。この場合、樹脂フィルムに柔軟性を付与することが可能であることにより樹脂フィルムの取扱性(屈曲性等)を更に向上させることができる。
前記シラン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。この場合、混合時の無機充填剤の分散性を更に向上させることができる。
Figure 2017179199

[式中、Rは、単結合又は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を示し、kは、1〜3の整数であり、lは、0〜2の整数であり、mは、1〜3の整数であり、k+l+m=4である。]
前記シラン化合物は、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を含むことが好ましい。この場合、無機充填剤と樹脂との分散性を更に向上させることができる。
前記無機充填剤の平均粒径は、0.01〜50μmであってもよい。この場合、無機充填剤の凝集が容易に抑制されて無機充填剤を容易に分散させることができると共に、樹脂フィルムの作製においてワニス中での無機充填剤の沈降を容易に抑制できる。
本発明に係る樹脂組成物は、電子部品の封止に用いられてもよい。
本発明に係る硬化物は、前記樹脂組成物の硬化物である。
本発明に係る樹脂フィルムは、前記樹脂組成物又は前記硬化物を含む。
本発明に係る封止材は、支持体と、前記樹脂フィルムと、を備え、前記樹脂フィルムが前記支持体上に配置されている。
本発明に係る封止構造体は、被封止体と、当該被封止体を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、前記樹脂組成物、前記硬化物又は前記樹脂フィルムを含む。本発明に係る封止構造体において前記被封止体は、電子部品であってもよい。
本発明によれば、優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ることが可能であると共に、硬化後のクラックの発生を抑制することが可能な樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。また、本発明によれば、前記樹脂組成物又は前記硬化物を含む樹脂フィルム、並びに、当該樹脂フィルムを備える封止材を提供することができる。さらに、本発明によれば、前記樹脂組成物、前記硬化物又は前記樹脂フィルムを含む封止部を備える封止構造体を提供することができる。
本発明は、電子部品(半導体デバイス等)の封止(例えば、プリント配線基板に配置された電子部品の埋め込み等を含む)に好適に用いることができる。また、本発明は、モールド成形に好適に用いることができることに加え、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)に好適に用いることができる。
本発明によれば、被封止体の封止への樹脂組成物、樹脂フィルム又は封止材の応用を提供することができる。本発明によれば、電子部品の封止への樹脂組成物、樹脂フィルム又は封止材の応用を提供することができる。本発明によれば、プリント配線基板に配置された電子部品の埋め込みへの樹脂組成物、樹脂フィルム又は封止材の応用を提供することができる。本発明によれば、モールド成形への樹脂組成物、樹脂フィルム又は封止材の応用を提供することができる。本発明によれば、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)への樹脂組成物、樹脂フィルム又は封止材の応用を提供することができる。
割れ耐性の評価用サンプルの作製に用いた試験片を示す平面図である。 割れ耐性の評価方法を示す図である。 破断エネルギーとシラン化合物のSP値との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書中において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書中に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書中において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<樹脂組成物>
本実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)に係る樹脂組成物は、(A)熱硬化性成分と、(B)無機充填剤とを含有する。第1実施形態に係る樹脂組成物は、(C)酸無水物基を有するシラン化合物を更に含有する。第2実施形態に係る樹脂組成物おいて前記(B)成分は、(C)酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理された無機充填剤である。本実施形態において、樹脂組成物が(C)酸無水物基を有するシラン化合物を更に含み、且つ、(B)無機充填剤が、(C)酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理されていてもよい。
(B)無機充填剤を表面処理する(C)酸無水物基を有するシラン化合物は、(B)無機充填剤の表面において、表面処理前の状態を維持していてもよく、(B)無機充填剤との反応により変性していてもよい。(C)酸無水物基を有するシラン化合物は、(B)無機充填剤と接触することなく樹脂組成物中に含まれていてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ることができると共に、硬化後のクラックの発生を抑制することができる。シラン化合物が酸無水物基を有していることに伴い、無機充填剤を含有する樹脂組成物において、熱硬化性成分と、酸無水物基を有するシラン化合物との親和性が高いことに基づき前記効果が得られると推察される。
本実施形態に係る樹脂組成物の形体としては、フィルム状、液状、固形(顆粒、粉体等)などが挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、モールド成形による封止、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)による封止などに用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、電子部品の封止に用いることができる。電子部品としては、半導体素子;半導体ウエハ;集積回路;半導体デバイス;SAWフィルタ等のフィルタ;センサ等の受動部品などが挙げられる。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の構成成分等について説明する。
((A)成分:熱硬化性成分)
(A)成分としては、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤(硬化剤に該当する化合物を除く)等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、熱硬化性ポリイミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。(A)成分は、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂など);ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の、アルコール類のグリシジルエーテル;カルボン酸類(フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)のグリシジルエステル(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換した化合物などの、グリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られる、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサンなどの脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酸(過酢酸等)で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;ジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アラルキル型フェノール樹脂(フェノール・アラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等)のエポキシ化物;硫黄原子含有エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール類及びナフトール類からなる群より選ばれる少なくとも1種と、アルデヒド基を有する化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化して得られる樹脂が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。ナフトール類としては、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。アルデヒド基を有する化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、樹脂フィルムに柔軟性を付与することが可能であることにより樹脂フィルムの取扱性(屈曲性等)が更に向上する観点から、25℃で液状であるエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という)を少なくとも1種含むことが好ましい。ここで、「25℃で液状であるエポキシ樹脂」とは、25℃に保持された当該エポキシ樹脂の粘度をE型粘度計又はB型粘度計を用いて測定した値が400Pa・s以下であるエポキシ樹脂を示す。
液状エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型及びビフェニル型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。液状エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、市販品を用いてもよい。液状エポキシ樹脂の市販品としては、三菱化学株式会社製の商品名「jER825」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:175)、三菱化学株式会社製の商品名「jER806」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:160)、DIC株式会社製の商品名「HP−4032D」(2官能ナフタレン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。その他のエポキシ樹脂の市販品としては、DIC株式会社製の商品名「HP−4750」及び「HP−4710」;日本化薬株式会社製の商品名「EPPN−500」シリーズ等が挙げられる。
エポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)のSP値は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、8以上であってもよく、9以上であってもよく、10以上であってもよい。エポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)のSP値は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、12以下であってもよく、11以下であってもよい。なお、本明細書において「SP値」とは、Fedorsが考案した計算方法により算出される理論溶解度パラメータを意味し、「日本接着協会誌」(1986,Vol.22,No.10,566〜567頁)に記載の方法で求めることができる。SP値の単位は、(cal/cm0.5である。
エポキシ樹脂の含有量は、樹脂フィルムの取扱性に優れる観点から、(A)成分の全質量を基準として、40質量%以上であってもよく、45質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよい。エポキシ樹脂の含有量は、保護フィルムを備える封止材(封止シート)において保護フィルムの剥離性が良好になる観点から、(A)成分の全質量を基準として、70質量%以下であってもよく、65質量%以下であってもよく、63質量%以下であってもよい。これらの観点から、エポキシ樹脂の含有量は、(A)成分の全質量を基準として、40〜70質量%であってもよく、45〜65質量%であってもよい。
液状エポキシ樹脂の含有量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を得る観点から、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤の合計量を基準として、32質量%以上であってもよく、35質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよく、45質量%以上であってもよい。液状エポキシ樹脂の含有量は、保護層を備える封止材を用いる場合に保護層の剥離性が良好である観点から、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤の合計量を基準として、60質量%以下であってもよく、55質量%以下であってもよい。これらの観点から、液状エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤の合計量を基準として、32〜60質量%であってもよく、35〜55質量%であってもよい。
液状エポキシ樹脂の含有量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を得る観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、32質量%以上であってもよく、35質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよく、45質量%以上であってもよい。液状エポキシ樹脂の含有量は、保護層を備える封止材を用いる場合に保護層の剥離性が良好である観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、60質量%以下であってもよく、55質量%以下であってもよい。これらの観点から、液状エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、32〜60質量%であってもよく、35〜55質量%であってもよい。
液状エポキシ樹脂の含有量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を得る観点から、エポキシ樹脂の全質量を基準として、60質量%以上であってもよく、65質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。液状エポキシ樹脂の含有量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を得る観点から、エポキシ樹脂の全質量を基準として、100質量%以下であってもよく、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。これらの観点から、液状エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂の全質量を基準として、60〜100質量%であってもよく、65〜95質量%であってもよく、70〜90質量%であってもよい。
[硬化剤]
硬化剤としては、特に限定されないが、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、活性エステル系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、ノボラック型硬化剤、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル型硬化剤、ナフトール型硬化剤、ナフタレン型硬化剤、ジシクロペンタジエン型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤等が挙げられる。
フェノール系硬化剤の市販品としては、旭有機材工業株式会社製の商品名「PAPS−PN2」(ノボラック型フェノール樹脂);エア・ウォーター株式会社製の商品名「SKレジンHE200C−7」(ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂)及び商品名「HE910−10」(トリスフェニルメタン型フェノール樹脂);明和化成株式会社製の「MEH−7000」、「DL−92」、「H−4」及び「HF−1M」(いずれも商品名);群栄化学工業株式会社製の「LVR−8210DL」、「ELPシリーズ」及び「NCシリーズ」(いずれも商品名);新日鉄住金化学株式会社製の「SN−180」、「SN−395」、「SN−475」及び「SN−485」(いずれも商品名);DIC株式会社製の「LA3018」、「LA7052」、「LA7054」及び「LA1356」(トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤、いずれも商品名);日立化成株式会社製の商品名「HPM−J3」等が挙げられる。フェノール系硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸無水物系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等のモノマー型の酸無水物;ポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物などが挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型等)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型等)シアネートエステル系硬化剤、及び、これらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
硬化剤の含有量は、耐熱性に優れる観点から、(A)成分の全質量を基準として、17〜50質量%であってもよく、20〜45質量%であってもよく、20〜42質量%であってもよい。
エポキシ樹脂のグリシジル基の当量(エポキシ当量)の、硬化剤のグリシジル基と反応する官能基(例えばフェノール性水酸基)の当量(例えば水酸基当量)に対する比率(エポキシ樹脂のグリシジル基の当量/硬化剤のグリシジル基と反応する官能基の当量)は、未反応の硬化剤の残存量を少なくする観点から、0.7以上であってもよく、0.8以上であってもよく、0.9以上であってもよい。前記比率は、未反応のエポキシ樹脂の残存量を少なくする観点から、2.0以下であってもよく、1.8以下であってもよく、1.7以下であってもよい。これらの観点から、前記比率は、0.7〜2.0であってもよく、0.8〜1.8であってもよく、0.9〜1.7であってもよい。
[硬化促進剤]
硬化促進剤としては、特に制限されるものではない。硬化促進剤は、例えば、アミン系の硬化促進剤、イミダゾール系の硬化促進剤、尿素系の硬化促進剤、及び、リン系の硬化促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。アミン系の硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。イミダゾール系の硬化促進剤としては、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。尿素系の硬化促進剤としては、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等が挙げられる。リン系の硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン及びその付加反応物、(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
硬化促進剤は、誘導体の種類が豊富であり、所望の活性温度を得やすい観点から、イミダゾール系の硬化促進剤であってもよい。イミダゾール系の硬化促進剤としては、市販品を用いてもよい。イミダゾール系の硬化促進剤の市販品としては、四国化成工業株式会社製の商品名「キュアゾール 2PHZ−PW」及び「キュアゾール 2P4MZ」等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の含有量は、充分な硬化促進効果を容易に得ることができる観点から、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び硬化剤の合計量を基準として、0.01質量%以上であってもよく、0.1質量%以上であってもよく、0.3質量%以上であってもよい。前記硬化促進剤の含有量は、樹脂フィルムを作製する際の工程(例えば塗工工程及び乾燥工程)中、又は、樹脂フィルムの保管中に硬化が進行することを抑制できると共に、樹脂フィルムの割れ、及び、溶融粘度の上昇に伴う成形不良を防止しやすい観点から、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び硬化剤の合計量を基準として、5質量%以下であってもよく、3質量%以下であってもよく、1.5質量%以下であってもよい。これらの観点から、前記硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び硬化剤の合計量を基準として、0.01〜5質量%であってもよく、0.1〜3質量%であってもよく、0.3〜1.5質量%であってもよい。
(A)成分の含有量は、樹脂フィルムに柔軟性を付与する観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、14質量%以上であってもよく、15質量%以上であってもよく、16質量%以上であってもよい。(A)成分の含有量は、耐熱性に優れる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、22質量%以下であってもよく、21質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよい。これらの観点から、(A)成分の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、14〜22質量%であってもよく、15〜21質量%であってもよく、16〜20質量%であってもよい。(A)成分の含有量は、熱硬化性樹脂、硬化剤及び硬化促進剤等の熱硬化性成分の合計量である。
((B)成分:無機充填剤)
無機充填剤としては、従来公知の無機充填剤を使用でき、特に限定されない。無機充填剤としては、シリカ類(無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、合成シリカ、中空シリカ等)、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。表面改質(例えば、シラン化合物による表面処理)等により、樹脂組成物中での分散性の向上効果、及び、ワニス中での沈降抑制効果が得られやすい観点、並びに、比較的小さい熱膨張率を有するために所望の硬化膜特性が得られやすい観点から、シリカ類が好ましい。高い熱伝導性が得られる観点から、アルミナが好ましい。無機充填剤の市販品としては、株式会社アドマテックス製の商品名「SO−C2」等が挙げられる。無機充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、(C)成分により表面処理された無機充填剤を含んでいてもよい。(B)成分は、(C)成分由来の基を表面に有していてもよい。(C)成分由来の基とは、例えば、(C)成分の官能基(アルコキシ基等)が加水分解した後に無機充填剤の表面の官能基(水酸基等)と縮合反応することにより得られる基が挙げられる。
また、(B)成分は、表面処理されていない無機充填剤、(C)成分以外の成分により表面された無機充填剤等を含んでいてもよい。無機充填剤を表面処理するための(C)成分以外の成分としては、公知のカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。
無機充填剤の表面処理では、例えば、無機充填剤の一部又は全部の表面に表面処理剤((C)成分、前記カップリング剤等)が化学反応又は吸着により固定されることができる。表面処理方法としては、表面処理剤と無機充填剤との混合物を、混合装置(高速ミキサー、ボールミル、ミックスロータ等)を用いて数十分〜数日間混合する方法などが挙げられる。表面処理剤は、水、アルコール等の適当な溶剤に溶解又は分散させた状態で無機充填剤と混合することができる。
(B)成分の平均粒径は、無機充填剤の凝集が容易に抑制されて無機充填剤が容易に分散される観点から、0.01μm以上であってもよく、0.1μm以上であってもよく、0.3μm以上であってもよい。(B)成分の平均粒径は、樹脂フィルムの作製においてワニス中での無機充填剤の沈降を容易に抑制される観点から、50μm以下であってもよく、25μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。これらの観点から、(B)成分の平均粒径は、0.01〜50μmであってもよく、0.1〜25μmであってもよく、0.3〜10μmであってもよい。
(B)成分の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、(B)成分の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とする方法で測定することができる。測定サンプルは、(B)成分を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、日機装株式会社製の「MT3300EX II」を使用することができる。
(B)成分の含有量は、被封止体(半導体素子等の電子部品など)と封止部との熱膨張率の差によって封止構造体(例えば、半導体装置等の電子部品装置)の反りが大きくなることを容易に防止できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50質量%以上であってもよく、55質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。(B)成分の含有量は、樹脂フィルムの溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなる不具合を容易に抑制できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、95質量%以下であってもよく、93質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。これらの観点から、(B)成分の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50〜95質量%であってもよく、55〜93質量%であってもよく、60〜90質量%であってもよい。
(C)成分により表面処理された無機充填剤の含有量は、樹脂フィルムの作製の際の乾燥工程において樹脂フィルムの割れを容易に抑制できる観点、及び、樹脂フィルムの溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなる不具合を容易に抑制できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50質量%以上であってもよく、55質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。(C)成分により表面処理された無機充填剤の含有量は、樹脂フィルムの作製の際の乾燥工程において樹脂フィルムの割れを容易に抑制できる観点、及び、樹脂フィルムの溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなる不具合を容易に抑制できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。これらの観点から、(C)成分により表面処理された無機充填剤の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50質量%以上であってもよく、55〜95質量%であってもよく、60〜90質量%であってもよい。
(C)成分により表面処理されていない無機充填剤の含有量は、被封止体(半導体素子等の電子部品など)と封止部との熱膨張率の差によって封止構造体(例えば、半導体装置等の電子部品装置)の反りが大きくなることを容易に防止できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50質量%以上であってもよく、55質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。(C)成分により表面処理されていない無機充填剤の含有量は、樹脂フィルムの溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなる不具合を容易に抑制できる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。これらの観点から、(C)成分により表面処理されていない無機充填剤の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、50質量%以上であってもよく、55〜95質量%であってもよく、60〜90質量%であってもよい。
((C)成分:酸無水物基を有するシラン化合物)
本実施形態に係る樹脂組成物において、(C)成分は、(B)成分の表面に吸着していてもよく、(B)成分に吸着することなく樹脂組成物中に含まれていてもよい。
(C)成分は、特に制限されないが、酸無水物基を有するアルコキシシラン化合物を含むことが好ましい。その中でも、(C)成分は、下記一般式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2017179199

[式中、Rは、単結合又は炭素数1〜18の炭化水素基を示す。R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を示す。kは、1〜3の整数であり、lは、0〜2の整数であり、mは、1〜3の整数であり、k+l+m=4である。R、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、互いに同一でも異なっていてもよい。]
における炭化水素基の炭素数は、1〜18であり、1〜10であってもよく、1〜5であってもよい。前記炭化水素基は、置換又は非置換の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、飽和又は不飽和の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基としては、アルキレン基等が挙げられる。
及びRにおける炭化水素基の炭素数は、1〜18であり、1〜5であってもよく、1〜3であってもよい。前記炭化水素基は、置換又は非置換の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、飽和又は不飽和の炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基としては、アルキル基等が挙げられる。
式(1)で表される化合物としては、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。(C)成分は、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を含むことが好ましい。3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物は、下記式(2)で表される化合物である。式(2)で表される化合物の市販品としては、信越化学工業株式会社製の商品名「X−12−967C」等が挙げられる。
Figure 2017179199
(C)成分のSP値は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、8.0以上であってもよく、9.0以上であってもよく、9.5以上であってもよい。(C)成分のSP値は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、11.0以下であってもよく、10.8以下であってもよく、10.5以下であってもよい。
本発明者は、無機充填剤を含有する樹脂組成物の構成成分として、互いにSP値の差が小さいエポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)及び(C)成分を用いることにより、樹脂組成物の硬化物の破断エネルギーが向上しやすく、硬化後のクラックの発生を更に抑制することができることを見出した。エポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)及び(C)成分のSP値の差が小さいことによりエポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)と(C)成分との更に高い親和性が得られることに基づき硬化後のクラックの発生を更に抑制することができると推察される。エポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂等)及び(C)成分のSP値の差は、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、1.2以下であってもよく、0.9以下であってもよい。
(C)成分の含有量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、無機充填剤100質量部に対して、0.02質量部以上であってもよく、0.05質量部以上であってもよく、0.2質量部以上であってもよい。(C)成分の含有量は、充分な硬化性が得られやすい観点から、無機充填剤100質量部に対して、5.0質量部以下であってもよく、3.0質量部以下であってもよく、1.0質量部以下であってもよい。これらの観点から、(C)成分の含有量は、無機充填剤100質量部に対して、0.02〜5.0質量部であってもよく、0.05〜3.0質量部であってもよく、0.2〜1.0質量部であってもよい。なお、前記(C)成分の含有量は、(B)成分の表面に固定されている(C)成分の量を含む。
(C)成分の配合方法としては、特に制限はなく、例えば、そのまま他の構成材料と混合するインテグラルブレンド法;予め無機充填剤と混ぜ合わせてから他の構成材料と混合する乾式処理法;湿式処理法;予め熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び/又は硬化剤と混ぜ合わせてから他の構成材料と混合するマスターバッチ法;無機充填剤に対し予め表面処理を施す前処理法が挙げられる。
無機充填剤を(C)成分により表面処理する際に使用する(C)成分の使用量は、更に優れた取扱性(屈曲性等)を有する樹脂フィルムを得ると共に、硬化後のクラックの発生を更に抑制する観点から、無機充填剤100質量部に対して、0.02質量部以上であってもよく、0.05質量部以上であってもよく、0.2質量部以上であってもよい。前記(C)成分の使用量は、充分な硬化性が得られやすい観点から、無機充填剤100質量部に対して、5.0質量部以下であってもよく、3.0質量部以下であってもよく、1.0質量部以下であってもよい。これらの観点から、前記(C)成分の使用量は、無機充填剤100質量部に対して、0.02〜5.0質量部であってもよく、0.05〜3.0質量部であってもよく、0.2〜1.0質量部であってもよい。
(有機溶剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては、従来公知の有機溶剤を使用できる。有機溶剤としては、(B)成分以外の成分を溶解できる溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、テルペン類、ハロゲン類、エステル類、ケトン類、アルコール類、アルデヒド類等が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、環境負荷が小さい観点、並びに、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び硬化剤を溶解しやすい観点から、エステル類、ケトン類及びアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。有機溶剤としては、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)及び硬化剤を特に溶解しやすい観点から、ケトン類であってもよい。有機溶剤としては、室温(25℃)での揮発が少なく、乾燥時に除去しやすい観点から、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、他の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、顔料、染料、離型剤、酸化防止剤、応力緩和剤、カップリング剤((C)成分を除く)、表面張力調整剤、イオン交換体、着色剤、難燃剤等を挙げることができる。但し、添加剤はこれらに限定されるものではなく、本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含有していてもよい。
前記カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
<硬化物、樹脂フィルム及び封止材>
本実施形態に係る硬化物は、前記樹脂組成物の硬化物である。本実施形態に係る樹脂フィルムは、本実施形態に係る樹脂組成物又は硬化物を含む。本実施形態に係る封止材(封止シート)は、支持体と、本実施形態に係る樹脂フィルムと、を備え、前記樹脂フィルムが前記支持体上に配置されている。本実施形態に係る樹脂フィルム及び封止材は、モールド成形による封止、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)による封止などに用いることができる。
本実施形態に係る樹脂フィルム及び封止材によれば、被封止体が大型化した場合であっても、液状又は固形(顆粒、粉体等)の樹脂組成物と比較して、被封止体上へ樹脂組成物を均一に供給することが可能であり、被封止体を容易に良好に封止することができる。また、顆粒又は粉体の樹脂組成物を用いた場合には、樹脂組成物が発塵源となり、装置又はクリーンルームが汚染されることがあるのに対し、本実施形態に係る樹脂フィルム及び封止材によれば、発塵の問題を低減しつつ封止成形体を大型化することができる。
モールド成形では、樹脂組成物を金型内で成形するため、封止構造体を大型化するには、金型の大型化が必要となる。しかしながら、金型の大型化は、高い金型精度が求められることから技術面での難易度が上がると共に、金型の製造コストが大幅に増加する場合がある。これに対し、本実施形態に係る樹脂フィルム及び封止材は、従来の封止成形方法であるモールド成形のみならず、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)にも好適に用いることができる。
樹脂フィルムの厚さは、樹脂フィルムが割れることを防ぎやすい観点から、25μm以上であってもよく、50μm以上であってもよい。樹脂フィルムの厚さは、樹脂フィルムの作製時における厚さのばらつきを抑えやすい観点から、500μm以下であってもよく、300μm以下であってもよい。
本実施形態に係る樹脂フィルムは、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物をフィルム状に成形することにより得ることができる。本実施形態に係る封止材は、樹脂フィルムを支持体上に配置することにより得ることができる。
樹脂フィルムの製造方法は、ワニス塗工法であってもよく、例えば、(A)成分、(B)成分等を含有するワニス(ワニス状樹脂組成物)を用いて塗膜を支持体上に形成する工程と、前記塗膜を加熱乾燥して樹脂フィルムを得る工程と、を備える方法であってもよい。また、樹脂フィルムの製造方法は、(A)成分、(B)成分等を含有する固形の樹脂組成物をシート状に成形して樹脂フィルムを得る工程を備える方法であってもよい。樹脂フィルムの厚さを簡便に制御できる観点から、前記ワニス塗工法であってもよい。
本実施形態に係る樹脂フィルムは、例えば、必須成分((A)成分、(B)成分等)と、必要に応じて用いられる各種任意成分と、を混合することにより作製することができる。混合方法としては、各配合成分が分散混合できれば特に限定されないが、ミル、ミキサー、撹拌羽根等が使用できる。必要に応じて、各配合成分を有機溶剤等に溶解して得られるワニスを用いるワニス塗工法により製膜することができる。また、本実施形態に係る樹脂フィルムは、ニーダー、二本ロール、連続混練装置等で各配合成分を混練することにより作製した固形の樹脂組成物をシート状に押し出して製膜することにより得ることもできる。
樹脂フィルムの製造に用いるワニスにおける有機溶剤の含有量は、当該ワニスの全質量を基準として、2〜30質量%であってもよく、5〜25質量%であってもよい。このような範囲であることにより、フィルムの割れ等の不具合を容易に防止できると共に、充分な最低溶融粘度が得られやすい。また、粘着性が強くなりすぎて取扱性が低下する不具合、及び、樹脂組成物の熱硬化時における有機溶剤の揮発に伴う発泡等の不具合を容易に防止することができる。
樹脂フィルムにおける有機溶剤の含有量は、樹脂組成物(有機溶剤等の溶剤を含む)の全質量を基準として、0.2〜1.5質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましい。有機溶剤の含有量が0.2質量%以上である場合、樹脂組成物が脆くなり樹脂の割れ等の不具合が生じること、及び、最低溶融粘度が高くなり被封止体の封止性(埋め込み性等)が低下することを防止できる。有機溶剤の含有量が1.5質量%以下である場合、樹脂組成物の粘着性が強くなりすぎて取扱い性が低下する不具合、及び、樹脂層の熱硬化時における有機溶剤の揮発に伴う発泡等の不具合を容易に防止できる。
ワニス塗工法においては、支持体にワニスを塗布して得られた塗膜を熱風吹き付け等によって加熱乾燥させることにより樹脂フィルムを作製することができる。塗布に使用するコーティング方法としては、特に限定されないが、ダイコート、コンマコート等が挙げられる。
支持体としては、特に限定されるものではないが、高分子フィルム、金属箔等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリカーボネートフィルム;アセチルセルロースフィルム;ポリイミドフィルム;ポリアミドフィルム;テトラフルオロエチレンフィルムなどが挙げられる。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されるものではないが、作業性及び乾燥性に優れる観点から、2〜200μmであってもよい。このような厚さであると、支持体が塗工時に切れる不具合、及び、ワニスの重さによって支持体が塗工時にたわむ不具合を容易に防止できる。また、乾燥時に塗工面及び裏面の両面から熱風が吹き付けられる乾燥機を用いる場合にワニス中の溶剤の乾燥が妨げられる不具合を容易に防止できる。
前記塗膜の加熱乾燥としては、全乾燥時間の25%以上の時間において、有機溶剤の沸点の±10℃の温度で塗膜を加熱することができる。加熱乾燥は、加熱温度が異なる2段階以上の工程で行うことができる。この場合、低い温度から加熱乾燥を行ってもよく、次段階の加熱温度は、前段階の加熱温度の+30℃以内に設定することができる。
本実施形態に係る封止材は、支持体上に設けられた樹脂フィルム上に、保護を目的とした保護層(例えば保護フィルム等)を備えていてもよい。すなわち、本実施形態に係る封止材は、樹脂フィルムにおける支持体とは反対側に保護層を備えていてもよい。保護層を用いることで、取扱性が更に向上し、巻き取りした場合において支持体の裏面に樹脂フィルムが張り付く不具合を容易に回避することができる。
保護層としては、特に限定されるものではないが、高分子フィルム、金属箔等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリカーボネートフィルム;アセチルセルロースフィルム;テトラフルオロエチレンフィルムなどが挙げられる。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。
保護層の厚さは、特に限定されるものではないが、充分な保護効果を得る観点、及び、樹脂フィルムをロール状に巻き取った際の厚さを低減する観点から、12〜100μmであってもよい。
<封止構造体>
本実施形態に係る封止構造体は、被封止体と、当該被封止体を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、本実施形態に係る樹脂組成物、硬化物又は樹脂フィルムを含む。本発明に係る封止構造体は、例えば、前記被封止体として電子部品を備える電子部品装置である。本実施形態に係る電子部品装置は、電子部品と、電子部品を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、本実施形態に係る樹脂組成物、硬化物又は樹脂フィルムを含む。電子部品装置としては、例えば、半導体素子を備える半導体装置が挙げられる。
本実施形態に係る封止構造体の製造方法は、本実施形態に係る樹脂組成物により被封止体を封止する封止工程と、前記樹脂組成物を硬化させて封止部を得る工程と、を備える。封止工程は、例えば、樹脂組成物を加熱下で押圧することにより、被封止体(例えば、基板上に設けられた被封止体)を封止する工程である。本実施形態に係る封止構造体の製造方法は、例えば、加熱下で樹脂フィルムを被封止体に押圧することにより、樹脂組成物により被封止体を封止する工程と、被封止体が封止された樹脂組成物を硬化させて封止部を得る工程と、を備える。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<樹脂フィルムの構成成分の準備>
樹脂フィルムの構成成分として、表1に示す成分を準備した。各成分の詳細を下記に示す。
((A)成分:熱硬化性成分)
[熱硬化性樹脂]
A11:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(25℃で液状であるエポキシ樹脂、エポキシ当量:160、三菱化学株式会社製、商品名「jER806」、SP値:10.8)
A12:3官能ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:182、DIC株式会社製、商品名「HP−4750」)
[硬化剤]
A21:下記式で表される化合物(水酸基当量:110、新日鉄住金化学株式会社製、商品名「SN−395」)
Figure 2017179199

[式中、n8は0〜10の整数を示す。]
A22:ノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量:104、旭有機材工業株式会社製、商品名「PAPS−PN2」)
[硬化促進剤]
A3:四国化成工業株式会社製、商品名「キュアゾール 2P4MZ」
((B)成分:無機充填剤)
[酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理された無機充填剤]
B11:球形シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、酸無水物基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−12−967C」、シラン化合物のSP値:9.98)0.6質量部により表面処理した無機充填剤。
B12:球形シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、酸無水物基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−12−967C」、シラン化合物のSP値:9.98)1.0質量部により表面処理した無機充填剤。
B13:球形シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、酸無水物基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−12−967C」、シラン化合物のSP値:9.98)1.5質量部により表面処理した無機充填剤。
[酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理されていない無機充填剤]
B21:球形シリカ(表面処理なし。株式会社アドマテックス製、商品名「SO−C2」、平均粒径0.5μm)。
B22:球形シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、ビニル基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−1003」、シラン化合物のSP値:7.49)1.0質量部により表面処理した無機充填剤。
B23:球形シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、エポキシ基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」、シラン化合物のSP値:8.49)1.0質量部により表面処理した無機充填剤。
B24:球形シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、アミノフェニル基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−573」、シラン化合物のSP値:9.15)1.0質量部により表面処理した無機充填剤。
B25:球形シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SO−C2」、平均粒径0.5μm)100質量部を、イソシアネート基を有するシラン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−9007」、シラン化合物のSP値:9.17)1.0質量部により表面処理した無機充填剤。
((C)成分:酸無水物基を有するシラン化合物)
C1:信越化学工業株式会社製、商品名「X−12−967C」
(有機溶剤)
D1:メチルエチルケトン(株式会社ゴードー製)
<樹脂フィルムの作製>
表1に示す配合量(単位:質量部)で各成分を1Lのポリエチレン製容器に仕込んだ後、3時間撹拌して分散及び混合することにより混合液を得た。この混合液をナイロン製の#200メッシュ(開口径:75μm)でろ過し、ろ液をワニス状樹脂組成物として採取した。次いで、塗工機を使用して、支持体(ポリエチレンテレフタレート、王子エフテックス株式会社製、厚さ:38μm)上に前記ワニス状樹脂組成物を塗布した後にワニス状樹脂組成物を乾燥させた。これにより、支持体上に積層された樹脂フィルムを有する積層体(全厚:188μm、樹脂フィルムからなる層の厚さ:150μm)を作製した。なお、ワニス状樹脂組成物の塗布及び乾燥の条件は下記のとおりである。
・塗布方法:コンマコート
・乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
<評価>
前記積層体を用いて以下の評価を行った。
(取扱性(屈曲性)の評価)
樹脂フィルムの取扱性を屈曲性により評価した。屈曲性は、屈曲試験機を用いて次の手順で評価した。試験機として、ヨシミツ精機株式会社製の屈曲試験機(JIS型タイプ1、円筒型マンドレル法)を準備した。前記積層体を5cm角にカットして試験片を準備した。直径2mmの円筒形マンドレルに試験片の支持体側を接触させ、試験片を180°曲げたときの樹脂フィルムの割れの有無を評価した。取扱性(屈曲性)の評価結果を表1に示す。割れが発生しない場合を屈曲性良好として、表中「A」と表記した。割れが発生した場合を屈曲性不良として、表中「B」と表記した。
(割れ耐性の評価)
[評価用サンプルの作製]
長さ200mm×幅200mm×厚さ0.5mmのニチアス株式会社製ナフロンシート(商品名:TOMBO 9000−S、「ナフロン」は登録商標)を準備した。ナフロンシートの中心部を長さ40mm×幅25mm×厚さ0.5mmに切り出して、図1に示すように、開口10aを有する試験片10を得た。次いで、厚さ150μmの4枚の樹脂フィルム(長さ50mm×幅35mmに切り出したフィルム)を、開口10aの全面が覆われるように重ねて試験片10上に配置した。4枚の樹脂フィルムと試験片10との積層体を真空下(0.1kPa)、温度110℃、圧力0.1MPaで5分間プレスした。次に、プレスの圧力を常圧に戻し、140℃のオーブンで2時間加熱して樹脂フィルムを硬化させた後、25℃まで自然冷却させた。その後、試験片10の開口10aに形成された樹脂組成物の硬化物(長さ40mm×幅25mm×厚さ0.5mm)を評価用サンプルとして得た。
[割れ耐性の評価]
前記評価用サンプルを用いて割れ耐性の評価を行った。図2を用いて評価方法を説明する。図2(a)は、評価用サンプルを示す図であり、図2(b)は、評価方法を説明するための図である。評価は、株式会社オリエンテック製テンシロン(形式RTM−100型)を用い、3点支持型の曲げ試験にて行った。具体的には、図2(b)に示すように、20mmの間隔をおいて配置した2つの支点Fにより評価用サンプルの一方面を支持し、評価用サンプルの他方面における2つの支点Fの間の中央の位置に荷重Wを加え、破断エネルギーを測定した。評価条件は下記のとおりである。評価結果を表1に示す。破断エネルギーが50N・mm以上の場合を割れ耐性良好として評価した。
・評価用サンプルのサイズ:長さ40mm×幅25mm×厚さ0.5mm
・テンシロンのヘッドスピード(荷重速度):1.0mm/分
・スパン(支点間距離):20mm
得られた破断エネルギーと、実施例2及び比較例2〜5で用いたシラン化合物のSP値との関係を図3に示す。図3の縦軸は、破断エネルギー(単位:N・mm)を示す。図3の横軸は、シラン化合物のSP値を示す。図3中、Aは実施例2を示し、Bは比較例4を示し、Cは比較例5を示し、Dは比較例3を示し、Eは比較例2を示す。
Figure 2017179199
表1の結果から、実施例の樹脂組成物は、取扱性及び割れ耐性のいずれも良好であった。これに対して、比較例では、取扱性及び割れ耐性が劣っていた。
10…試験片、10a…開口、F…支点、W…荷重。

Claims (13)

  1. 熱硬化性成分と、無機充填剤と、酸無水物基を有するシラン化合物と、を含有する、樹脂組成物。
  2. 熱硬化性成分と、酸無水物基を有するシラン化合物により表面処理された無機充填剤と、を含有する、樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性成分がエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱硬化性成分が、25℃で液状であるエポキシ樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記シラン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2017179199

    [式中、Rは、単結合又は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を示し、kは、1〜3の整数であり、lは、0〜2の整数であり、mは、1〜3の整数であり、k+l+m=4である。]
  6. 前記シラン化合物が3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記無機充填剤の平均粒径が0.01〜50μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 電子部品の封止に用いられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物、又は、請求項9に記載の硬化物を含む、樹脂フィルム。
  11. 支持体と、請求項10に記載の樹脂フィルムと、を備え、
    前記樹脂フィルムが前記支持体上に配置されている、封止材。
  12. 被封止体と、当該被封止体を封止する封止部と、を備え、
    前記封止部が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物、請求項9に記載の硬化物、又は、請求項10に記載の樹脂フィルムを含む、封止構造体。
  13. 前記被封止体が電子部品である、請求項12に記載の封止構造体。
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