JP2017179116A - ストライプ模様状自己吸着性発泡シート - Google Patents

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真資 芦田
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Abstract

【課題】ガラス板等の透明な被着体側から視認されるストライプ模様が鮮明で意匠性に優れ、且つエア抜け性に優れるストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法の提供。【解決手段】ガラス転移温度が−10℃以下の(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部、を含む色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する着色発泡性樹脂組成物作製工程と、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、2種以上の着色発泡混合物を得る発泡工程と、2種以上の着色発泡混合物を2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成する工程と、ストライプ模様状キャスト膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行う工程と、をこの順に有する、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ストライプ模様状自己吸着性発泡シート、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート、及び、これらの製造方法に関する。
近年、窓ガラス等の平滑な被着体に貼り付けて使用する貼着シートとして、微細な空孔を多数有する発泡材料からなり、自己吸着性を有するシート状の部材(以下、「自己吸着性発泡シート」という。)が利用されている。自己吸着性発泡シートの接着様式は糊接着ではなく、微細な空孔を利用した被着体への吸着であるため、糊残りがなく貼り直しが容易であり、壁紙等の室内装飾材料をはじめとする建築用装飾材料、ポスターやステッカー等の広告宣伝用貼付材料等、種々の用途に好適に使用される。これらの用途に用いるため、通常、自己吸着性発泡シートには樹脂フィルム等の基材が積層され、該基材に印刷等の装飾が施される。以下、自己吸着性発泡シートからなる吸着層と、基材からなる支持体層と、を有する積層シートを「自己吸着性発泡積層シート」という。
自己吸着性発泡積層シートとして、例えば特許文献1には、分子中にN−メチロール基を有しない(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、及び、オキサゾリン架橋剤を含有してなる樹脂組成物の発泡体を、基材上にコーティングし、次いで加熱乾燥することにより発泡体を固化させて得られるシートが開示されている。
特開2006−176693号公報 特許第4392277号公報
自己吸着性発泡積層シートを窓ガラス等の透明な被着体に貼り付けて使用する場合、自己吸着性発泡積層シートには、印刷等の装飾が施される基材側の面だけでなく、被着体を透過させて視認される被着体側の面にも意匠性が求められることがある。
例えば、自己吸着性発泡積層シートの被着体側の面にストライプ模様の意匠性を付与する場合、特許文献1に記載のシートでは、基材の被着体側の面にストライプ模様の印刷を施すことにより、被着体側から吸着層を透過させてストライプ模様を視認させていた。しかしながら、このような従来のシートでは、発泡体である吸着層を透過させているため、被着体側から視認されるストライプ模様が不鮮明となり、意匠性に劣るという問題があった。また、吸着層の被着体側表面に直接印刷を施すという方法もあり得るが、吸着層表面は微細な凹凸を有するため、印刷されるストライプ模様自体が不鮮明になるという問題があった。
一方、吸着層に代えて糊接着様式の透明粘着層を備えるシートを用いれば、被着体側から視認されるストライプ模様状はより鮮明となるが、エア溜まりが発生し易く、糊残りし易いために貼り直しも困難という問題があった。
そこで本発明は、ガラス板等の透明な被着体側から視認されるストライプ模様が鮮明で意匠性に優れ、且つ、エア抜け性に優れるストライプ模様状自己吸着性発泡シート、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート、及び、これらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、自己吸着性発泡シートの材料を混合した色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を発泡させて得られる色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を2以上の帯状に、且つ隣接する帯が密接した状態になるように同時にキャスト製膜し、その後架橋反応を行って固化させることにより、ストライプ模様状の自己吸着性発泡積層シートを作製することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する着色発泡性樹脂組成物作製工程と、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得る発泡工程と、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成するストライプ模様状キャスト製膜工程と、ストライプ模様状キャスト膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行う架橋工程と、をこの順に有する、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法である。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル、及び/又は、メタクリル」を意味する。
本発明の第2の態様は、ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する着色発泡性樹脂組成物作製工程と、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得る発泡工程と、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物をそれぞれ基材上に2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成するストライプ模様状キャスト製膜工程と、ストライプ模様状キャスト膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行うことにより、基材からなる支持体層にストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層を積層する架橋工程と、をこの順に有する、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法である。
本発明の第3の態様は、ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物をそれぞれ発泡させた着色発泡混合物が、2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜されたストライプ模様状キャスト膜において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応が行われてなる、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートである。
本発明の第4の態様は、上記本発明の第3の態様に係るストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層と、基材からなる支持体層と、を有するストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートである。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がN−メチロール基を有することが好ましい。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率が70%以下であることが好ましい。
本発明において、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの表面又はストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの吸着層側表面における、色彩が異なる少なくとも1組の帯間のL表色系における色差ΔEが1.2以上であることが好ましい。
本発明の第2及び第4の態様において、基材が樹脂フィルムであることが好ましい。
本発明によれば、ガラス板等の透明な被着体側から視認されるストライプ模様が鮮明で意匠性に優れ、且つ、エア抜け性に優れるストライプ模様状自己吸着性発泡シート、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート、及び、これらの製造方法を提供することができる。
本発明に係るストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
1.ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法
以下、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法について説明する。図1は、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法S10(以下、「本製造方法S10」と略記することがある。)を説明するフローチャートである。図1に示すように本製造方法S10は、着色発泡性樹脂組成物作製工程S1と、発泡工程S2と、ストライプ模様状キャスト製膜工程S3と、架橋工程S4とをこの順に有する。以下、各工程について説明する。
1.1.着色発泡性樹脂組成物作製工程S1
着色発泡性樹脂組成物作製工程S1は、ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する工程である。
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂>
本発明に用いる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、そのガラス転移温度が−10℃以下である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度は−10℃以下であり、−13℃以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度を上記上限値以下とすることによって、後述する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率を所定の上限値以下とし易くなり、結果として適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れたストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを作製し易くなる。特に下限はないが−40℃以上であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位50質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位50質量%以下とからなり、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位70質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位30質量%以下とからなることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位80質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位20質量%以下とからなることがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位85質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位15質量%以下とからなることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位の含有量を上記範囲内とすることによって、適度な粘着性を付与することが可能となる。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、N−メチロール基を有することが好ましい。かかる形態において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が有するN−メチロール基は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体単位に含まれることが好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位に含まれていてもよい。
本発明に用いることができる(メタ)アクリル酸エステル単量体は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度を−10℃以下にし易くする観点から、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位を含有することが好ましい。
上記ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体は特に限定されないが、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸n−プロピル(同−37℃)、アクリル酸n−ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec−ブチル(同−22℃)、アクリル酸n−ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸n−ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸n−オクチル(同−65℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(同−50℃)、メタクリル酸n−オクチル(同−25℃)、メタクリル酸n−デシル(同−49℃)などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3−メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3−メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸エトキシメチル(同−50℃)などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;などを挙げることができる。中でも、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度を−10℃以下に調整可能であれば、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸n−プロピル(同25℃)、メタクリル酸n−ブチル(同20℃)などを用いてもよい。
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体(以下、「共重合用単量体」という。)には、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のN−メチロール基を有する単量体を使用することが好ましい。N−メチロール基を有する単量体を使用することにより、後述するゲル分率を所定の上限値以下とし易くなり、結果として適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れたストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを作製し易くなる。かかる観点から、N−メチロール基を有する単量体の使用割合は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を100質量%として、N−メチロール基を有する単量体から導入される単量体単位が、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
共重合用単量体には、上記N−メチロール基を有する単量体に代えて、又はN−メチロール基を有する単量体に加えて、他の単量体を使用してもよい。N−メチロール基を有する単量体以外に使用される単量体は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度を−10℃以下にできるものであれば特に限定されないが、その具体例として、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル、アルケニル芳香族単量体、シアン化ビニル単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体、その他官能基を有する単量体などを挙げることができる。これらの単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチルなどを挙げることができる。
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、及びビニルトルエンなどを挙げることができる。
シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。
カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどを挙げることができる。
共重合用単量体には、共重合体内部間又は共重合体間の架橋を効率的に行わせることを目的として、官能基を有する単量体を使用してもよい。
ここでいう官能基としては、有機酸基、水酸基、アミノ基、アミド基、メルカプト基、エポキシ基等を挙げることができる。
有機酸基を有する単量体は特に限定されないが、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基などの有機酸基を有する単量体を挙げることができる。また、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基などを含有する単量体も使用することができる。
カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の他、イタコン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルなどを挙げることができる。また、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの、加水分解などによりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのα,β−不飽和スルホン酸、及び、これらの塩を挙げることができる。
有機酸基を有する単量体を使用する場合、それから導かれる単量体単位が(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を100質量%として、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下となるような量で重合に供する。有機酸基を有する単量体の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になり、また、共重合体の架橋が過度に進行してストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの自己吸着性が損なわれることを防止し易くなる。
なお、有機酸基を有する単量体単位は、有機酸基を有する単量体の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂生成後に、公知の高分子反応により、有機酸基を導入してもよい。
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどを挙げることができる。
アミノ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレンなどを挙げることができる。
アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体などを挙げることができる。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体を使用する場合、それから導かれる単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を100質量%として、10質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。有機酸基以外の官能基の使用量が10質量%以下であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になり、また、共重合体の架橋が過度に進行してストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの自己吸着性が損なわれることを防止し易くなる。
また、共重合用単量体として、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体を併用してもよい。多官能性単量体は、該不飽和結合を末端に有することが好ましい。このような多官能性単量体を用いることによって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂に分子内及び/又は分子間架橋を導入し、凝集力を高めることができる。
多官能性単量体としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチレン−5−トリアジンなどの置換トリアジンの他、4−アクリルオキシベンゾフェノンのようなモノエチレン系不飽和芳香族ケトンなどを用いることができる。多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートがより好ましい。多官能性単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合用単量体とを共重合することによって得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を得る際の重合方法は特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などのいずれであってもよく、これら以外の方法でもよい。重合に用いる重合開始剤、乳化剤、分散剤等の種類や量にも特に制限はない。重合に際して、単量体、重合開始剤、乳化剤、分散剤等の添加方法にも特に制限はない。また、重合温度や圧力、撹拌条件等にも制限はない。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の性状は、固体状であっても分散体状であってもよいが、乳化重合や分散重合でエマルション又はディスパージョンとして得たものをそのまま使用すると、架橋剤や導電性化合物と混合する上で操作が容易であり、また、得られたエマルション又はディスパージョンを発泡させるにも都合がよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率は70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましい。ゲル分率が上記範囲であることにより、適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れたストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを作製し易くなる。
本発明におけるゲル分率とは、アクリル酸エステル共重合体樹脂のサンプル500mgを酢酸エチル100ml中に常温で3日間浸漬した後、不溶分を80メッシュの金網で濾過し、15時間常温下で風乾し、その後100℃で2時間乾燥させ、不溶解分の乾燥質量を測定し、次式により求められる値である。
ゲル分率(質量%)=((酢酸エチル浸漬後の不溶解分の乾燥質量)/(酢酸エチル浸漬前のサンプル質量))×100
<カルボジイミド系架橋剤>
本発明に用いるカルボジイミド系架橋剤は、特に限定されないが、2以上のカルボジイミド基を一分子内に有する化合物が好ましく用いられる。このような化合物としては、公知のカルボジイミド化合物を用いることができる。
上記公知のカルボジイミド化合物は、合成してもよく、市販品を使用してもよい。市販品のカルボジイミド化合物としては、例えば、DIC社製の「DICNAL HX」、日清紡ケミカル社製の「カルボジライト(登録商標)」などが挙げられる。カルボジイミド化合物を合成する場合には、例えば、カルボジイミド化触媒の存在下、ポリイソシアネートを脱炭酸縮合反応によりカルボジイミド化したポリカルボジイミド化合物を使用することができる。
原料ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,12−ジイソシアネートデカン(DDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、及び2,4−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン(OCDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(TIDI)、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)などが使用でき、0〜200℃の範囲内で不活性気体の気流下または、バブリング下、任意の時間攪拌、混合しておき、その後カルボジイミド化触媒とともに加え、攪拌、混合することにより合成することができる。
ここで、上記カルボジイミド化触媒としては有機リン系化合物が好ましく、特に活性の面からホスホレンオキシド類が好ましい。具体的には3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体などが挙げられる。
カルボジイミド系架橋剤は、それが有するカルボジイミド基と上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中の官能基との反応により、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子内又は分子間に架橋構造を形成する。カルボジイミド系架橋剤は、特に低温での架橋効果に優れ、強度や自己吸着性に優れたストライプ模様状自己吸着性発泡シートを形成することができるので好ましい。
従来、強度を高める目的で、N−メチロール基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂とメラミン系架橋剤とを併用することが多かった。しかしながら、N−メチロール基を有するアクリル酸エステル共重合とメラミン系架橋剤とを併用する場合、架橋反応時に多量のホルムアルデヒドが発生し、自己吸着性発泡シートにも残留するため、自己吸着性発泡シートの使用時に、ホルムアルデヒドが発生する原因となっていた。本発明によれば、カルボジイミド系架橋剤を用いることにより、N−メチロール基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を用いる場合でも、優れた強度を発現させるとともに、使用時のホルムアルデヒドの発生量を極めて少なくすることが可能である。
カルボジイミド系架橋剤とカルボジイミド系架橋剤以外の架橋剤(例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAポリグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂;アルデヒドやアクロレイン等のエチレンイミン誘導体等のアジリジン系化合物;トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネート等の多官能性イソシアネート系架橋剤;オキサゾリン系架橋剤;金属塩系架橋剤;金属キレート系架橋剤;過酸化物系架橋剤;等)を併用することもできる。但し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂等のアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒドを発生する原因となる架橋剤は使用しないことが好ましい。
カルボジイミド系架橋剤の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部に対して、固形分として、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、2質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。カルボジイミド系架橋剤の使用量が上記範囲内であることにより、適度な自着力を有し、且つ、架橋後の樹脂強度を高めることができる。
<着色剤>
着色発泡性樹脂組成物作製工程S1において、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を作製するためには、種々の着色剤を使用することができる。着色発泡性樹脂組成物の各々は異なる色の着色剤を1種ずつ含んでいても良く、2種以上の着色剤を含んでいてもよい。また、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物の少なくとも1種には着色剤を添加せず、透明色、半透明色又は不透明色の着色発泡性樹脂組成物を作製してもよい。添加する着色剤の種類及び量により、本発明の効果を損なわない範囲で自着力が低下することがあるが、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートが着色剤を添加していない着色発泡性樹脂組成物を材料とする帯を有することにより、十分な自着力を担保することができる。
本発明に用いる着色剤は、木目調の色調を補正できるものであれば、特に制限はない。添加着色剤としては、染料、顔料等が挙げられる。顔料としては、白色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料又は黒色顔料がある。染料としては、動物染料、植物染料、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料又は塩基性染料がある。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、硫酸バリウム、胡粉、石膏、滑石粉、珪酸カルシウム、鉛白、鉛亜鉛華、リトポン、硫化亜鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、アンチモン白、酸化ジルコン、酸化錫、メタホウ酸バリウム又はこれらの混合物を使用することができる。灰色顔料としては、亜鉛末、亜酸化鉛、硫化鉛、炭化珪素又はスレート粉があり、赤色顔料としては、弁柄、キナクリドン、鉛丹、朱、カドミウム赤、モリブデン赤、アンチモン赤、クロム・錫赤、コバルト・マグネシヤ赤、クロム赤、コバルト赤、亜酸化銅又は赤群青がある。また、茶色顔料としては、アンバー、酸化鉄粉、プロシャ茶、バンダイク茶、銅茶又はコバルト茶があり、黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄土、カドミウム黄、カドモポン、バリウム黄、ストロンチウム黄、黄酸化鉄、クロム・チタン黄、アンチモン黄若しくはチタン黄がある。さらに、緑色顔料としては、クロム緑、亜鉛緑、酸化クロム、ギネー緑、コバルト緑、エメラルド緑、緑土、コバルトクロム緑、若しくはマンガン緑があり、青色顔料としては、群青、紺青、コバルト青、タングステン青、モリブデン青、又はセルリアンがある。紫色顔料としては、マルス紫、濃口コバルト紫,淡口コバルト紫又はマンガン紫があり、黒色顔料としては、カーボン黒、骨炭、黒土、シリカ黒、クロム黒又はクロム酸銅がある。
着色発泡性樹脂組成物の各々が着色剤を1種ずつ含む場合、各着色剤間のL表色系における色差ΔEが1.2以上であることが好ましく、3.2以上であることがより好ましい。各着色剤間のL表色系における色差ΔEが上記下限値以上であることにより、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートのストライプ模様を鮮明なものとすることができる。
(その他の添加剤)
着色発泡性樹脂組成物作製工程S1により作製される着色発泡性樹脂組成物は、ホルムアルデヒド捕捉剤を含有することなく、製造されるストライプ模様状自己吸着性発泡シートの使用時のホルムアルデヒドの発生量を極めて少なくすることができるが、さらにホルムアルデヒド捕捉剤を含有していてもよい。
本発明で使用し得るホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒドを物理的に吸着し又はホルムアルデヒドと化学的に反応し得る化合物であれば特に限定されず、無機化合物であっても、重合体をも含む有機化合物であってもよい。
ホルムアルデヒド捕捉剤の具体例としては、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、酢酸アンモニウム、尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂、トリアジン化合物、ヒドラジド化合物等の含窒素化合物;安定化二酸化塩素等のハロゲン酸化物;リン酸水素二ナトリウム、硫酸亜鉛、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩;等が挙げられる。これらのうち、入手容易性、取扱い性及びホルムアルヒド捕捉性の観点から、含窒素化合物が好ましく、硫酸ヒドロキシルアミンが特に好ましい。
これらのホルムアルデヒド捕捉剤は1種類を単独で使用し、又は2種類以上を併用することができる。
着色発泡性樹脂組成物作製工程S1により作製される着色発泡性樹脂組成物には、必要により、ストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造工程における加工性向上や、得られるストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの性能向上のために、各種添加剤を含有させることができる。
添加剤の例としては、整泡剤、発泡助剤、増粘剤、充填材、防腐剤、防かび剤、ゲル化剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、粘着付与剤、導電性化合物等を挙げることができる。
整泡剤としては、ステアリン酸アンモニウム等の脂肪酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート等のスルホン酸型アニオン界面活性剤、四級アルキルアンモニウムクロライド、アルキルベタイン両性化物、脂肪酸アルカノールアミン等が使用できる。
発泡助剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等が使用できる。
増粘剤としては、アクリル系ポリマー粒子、微粒シリカ等の無機化合物微粒子、酸化マグネシウム等のような反応性無機化合物を使用することできる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、クレー、カオリン、ガラス粉等を使用することができる。
防腐剤、防かび剤としては、例えばジヒドロキシジクロロフェニルメタン、ナトリウムペンタクロロフェネート、2,3,4,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ビス(トリブチル錫)オキサイド、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、銀錯体、亜鉛錯体等が使用できる。
ゲル化剤としては、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シリコーン系感熱化剤等が使用できる。
難燃剤としては、リン酸エステル系化合物、ハロゲンリン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、錫化合物、有機リン系化合物、赤リン系化合物、シリコーン系難燃剤等が使用できる。
酸化防止剤としては、ポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤を使用することができる。
粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジン・グリセリンエステル、水添ロジン・グリセリンエステル等のロジン系樹脂;テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等の石油系樹脂;クマロンインデン樹脂;テルペンフェノール系樹脂;フェノール系樹脂;水添ロジンエステル;不均化ロジンエステル;キシレン樹脂等から選ばれる化合物が使用できる。
着色発泡性樹脂組成物作製工程S1において、上述した必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂及びカルボジイミド系架橋剤、並びに、所望により用いられるその他の成分を、任意の方法で混合することにより、着色発泡性樹脂組成物を作製することができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が、エマルション又はディスパージョンである場合には、これに、カルボジイミド系架橋剤、その他の成分を、水分散体、水溶液等の状態で、撹拌下に添加するだけで、容易に混合することができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が固体状の場合も、混合の方法に特に限定はなく、例えば、ロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いて混合すればよい。混合は、バッチ式でも連続式でもよい。
バッチ式混合機としては、擂潰機、ニーダー、インターナルミキサー、プラネタリーミキサー等の高粘度原料用混練機や攪拌機が挙げられる。連続式混合機としては、ローターとスクリューを組み合わせたファレル型連続混練機等やスクリュー式の特殊な構造の混練機が挙げられる。また、押出し加工に使用されている単軸押出機や二軸押出機が挙げられる。これらの押出機や混練機は、二種類以上組み合わせてもよいし、同型の機械を複数連結して使用してもよい。
着色発泡性樹脂組成物の形態は、特に限定されないが、エマルション又はディスパージョンの形態であると、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートを得るのに好都合である。
エマルション又はディスパージョンの粘度は、2,000〜10,000mPa・sとするのが好ましく、3,500〜5,500mPa・sとするのがより好ましい。
1.2.発泡工程S2
発泡工程S2は、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得る工程である。
発泡工程S2において、着色発泡性樹脂組成物作製工程S1で作製した色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させることにより、未固化状態の、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得ることができる。着色発泡性樹脂組成物がエマルション又はディスパージョンの形態である場合には、発泡エマルション又は発泡ディスパージョンが得られる。
発泡の方法としては、通常、機械発泡を採用する。発泡倍率は、適宜、調整すればよいが、通常1.2〜5倍、好ましくは1.5〜4倍である。機械発泡の方法は、特に限定されないが、着色発泡性樹脂組成物のエマルジョン中に一定量の空気を混入しオークスミキサー、ホイッパー等により連続的又はバッチ式に撹拌することにより行うことができる。こうして得られた発泡エマルジョンはクリーム状になる。
なお、上記機械発泡の代わりに、例えば塩化ビニリデン共重合体等の適当な合成樹脂を殻壁とし、低沸点炭化水素系化合物を内包する熱膨張性マイクロカプセルを、アクリル樹脂エマルジョンやブタジエン系合成ゴムエマルジョンに添加する方法等により、着色発泡混合物を調製することもできる。
後述するストライプ模様状キャスト製膜工程S3において、密着して隣接する帯を構成する着色発泡混合物同士が混ざり合うことを防止し、隣接する帯間の境界が明確なストライプ模様状自己吸着性発泡シートを得る観点から、隣接する帯を構成する着色発泡混合物同士間の粘度差は3000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下であることがより好ましい。
1.3.ストライプ模様状キャスト製膜工程S3
ストライプ模様状キャスト製膜工程S3は、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成する工程である。
ストライプ模様状キャスト製膜工程S3を行う方法は特に限定されないが、ロールナイフコーター、リバースロールコーター、スクリーンコーター、ドクターナイフコーター、コンマナイフコーターなどの塗工機の幅方向に、形成する帯の数に応じた仕切り板を設け、仕切り板で仕切られた空間にそれぞれの着色発泡混合物を充填させ、その着色発泡混合物の下に工程フィルムを送り込み、工程フィルムと塗工機の隙間に着色発泡混合物を送り出し、一定の厚みのキャスト膜を形成することができる。ここで、工程フィルムは、連続したものを使用し、連続的に送り出すことが好ましい。
具体的には、例えば、特許文献2に記載の装置を用いて行うことができる。即ち、ロールナイフコーターとバッキングロールに密接させて仕切り板が取り付けられており、仕切り板で仕切られた2つ以上の空間に上記2種以上の着色発泡混合物をそれぞれ充填させ、その着色発泡混合物の下に工程フィルムを送り込み、工程フィルムとロールナイフコーターとの隙間から着色発泡混合物を送り出し、一定の厚みのキャスト膜を形成する装置であって、該仕切り板の工程フィルムの送り出し方向の先端部は、芯部が飛び出ており、該芯部は、ロールナイフコーターの刃先と工程フィルムとの隙間に差し込まれるように取り付けられている構造を有する仕切り板である同時キャスト製膜装置を用いて、色の異なる着色発泡混合物の2種以上を、それぞれ工程フィルム上に2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜することにより、異なる色彩を有する2本以上の帯からなるストライプ模様状キャスト膜を形成することができる。
ここで、ストライプ模様状キャスト膜を構成する異なる色彩を有する2本以上の帯のうち、少なくとも一組の帯間の色彩が異なっていれば、隣接しない離れた帯又は隣接する帯が同一の色彩を有していてもよい。
1.4.架橋工程S4
架橋工程S4は、ストライプ模様状キャスト膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行う工程である。
ストライプ模様状キャスト膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行うことにより、工程フィルム上に、シート状のストライプ模様状キャスト膜が固化してなるストライプ模様状自己吸着性発泡シートを形成することができる。このとき、工程フィルムとして剥離性を有するものを使用していれば、工程フィルムからストライプ模様状自己吸着性発泡シートを容易に分離することができる。
架橋工程S5において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行う際には、加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥の方法としては、工程フィルム上にコーティングされたストライプ模様状キャスト膜を乾燥、架橋させることができる方法であれば特に限定されず、通常の熱風循環型のオーブン、熱油循環熱風チャンバー、遠赤外線ヒーターチャンバー等を使用することができる。乾燥温度は60℃〜180℃が適当であり、ストライプ模様状キャスト膜の性質、塗布量、塗布厚み等により乾燥の条件を適宜選定することができる。乾燥を一定温度で実施するのではなく、初期には低温で内部から乾燥させ、後期に、より高温で十分乾燥させるような多段階乾燥を行うことが好ましい。
得られるストライプ模様状自己吸着性発泡シートの密度、厚さ、硬度等は、気泡の混入比率、着色発泡性樹脂組成物の組成、固形分濃度、加熱乾燥固化の条件等により調整する。ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの厚みは、0.03〜3mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1mm、特に好ましくは0.05〜0.5mmである。厚みが0.03mmより薄いと、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シートを物品保持材料や物品表面保護材料として用いる場合に、衝撃吸収性に劣り、物品保持力や物品表面保護機能が十分でなく、3mmより厚いとストライプ模様状自己吸着性発泡シートの強度に劣るので、やはり好ましくない。ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの密度は、特に限定されるものではないが、衝撃吸収性の観点から0.1〜1.0g/cmが好ましい。
架橋工程S5により得られたストライプ模様状自己吸着性発泡シート又はストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、通常、自己吸着性を有する面にセパレーターフィルムが貼られた後、巻取機によって巻き取られ、プレス裁断、スリッター等により裁断されて使いやすいサイズに加工される。
2.ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法
ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを製造する場合には、ストライプ模様状キャスト製膜工程S3において、工程フィルムとして基材を用いることにより、架橋工程S4において、基材上にストライプ模様状自己吸着性発泡シートを形成することができ、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層と、基材からなる支持体層と、を有するストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを製造することができる。
ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートに用いる基材の具体例としては、例えば、紙基材、合成紙、プラスチックシート等を用いることができる。
ここで、紙基材としては、例えば上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。合成紙は、熱可塑性樹脂と無機充填剤との組み合わせにより表層を紙化したものである。
一方、プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを用いることができる。
基材からなる支持体層の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜200μmである。
基材として、剥離性を有するものを用いれば、後述するようにして基材上にストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層を形成後、基材を剥離して、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートとして使用することができる。
3.ストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート
本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シートは、ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物をそれぞれ発泡させた着色発泡混合物が、2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜されたストライプ模様状キャスト膜において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応が行われてなるものである。
また、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層と、基材からなる支持体層と、を有するものである。
ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの表面、及び、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの吸着層側表面はストライプ模様を有し、少なくとも以下の条件を満たす。
すなわち、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの表面又はストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの吸着層側表面において、色彩が異なる少なくとも1組の帯間のL表色系における色差ΔEが1.2以上であることが好ましい。かかる条件を満たすことにより、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートのストライプ模様を鮮明なものとすることができる。
4.用途
本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、その基材面に、たとえば、オフセット印刷、シール印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、レーザープリンター、熱転写プリンター、インクジェットプリンター等による印刷を施すことができる。
基材面に印刷を施したストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、建築用装飾材料、広告宣伝用貼付材料、文具又は玩具用材料としての使用が可能である。例えば、販売促進カード、いわゆるPOPカード(ポスター、ステッカー、ディスプレイ等)、下敷き(ランチマット、テーブルマット、文房具用等)、ハンバーガー、寿司、焼ソバ等のファースト・フード店のメニュー、カタログ、パネル、プレート(金属板の代替え)、ブロマイド、店頭価格表、案内板(売り場案内、方向・行き先案内、お菓子・食品等)、園芸用POP(差しラベル等)、ロード・サイン(葬式・住宅展示場所等)、表示板(立ち入り禁止、林道作業等の)、カレンダー(画像入り)、簡易ホワイトボード、マウスパッド、コースター、ラベルライターの代替え印刷物、粘着ラベル等として利用することが可能である。
また、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、剥離性に優れているので、その一部が、剥離後に被保護物品の側に残るようなことがない。従って、各種光学部品、精密部品等を対象とする物品表面保護材料や物品保持材料として好適に使用できる。
本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、吸着層(ストライプ模様状自己吸着性発泡シート)自体がストライプ模様を有することにより、ガラス板等の透明な被着体側から視認されるストライプ模様が鮮明で意匠性に優れる。よって上記例示した用途のうち、特に透明な被着体側に位置する視認者に対してストライプ模様を視認させたい場合に好ましく利用することができる。なお、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートを用いることにより、又は、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの基材として透明な基材を用いることにより、基材側に位置する視認者に対してストライプ模様を視認させることも可能である。
本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、ホルムアルデヒドを発生したとしても極く僅かであり着色発泡性樹脂組成物の組成を適切に設定することによって、ホルムアルデヒドの発生量を検出限界未満(例えば、0.1ppm未満)とすることもできる。従って、ホルムアルデヒドの発生が禁止されているか又は好ましくない場所、用途における使用に好適である。即ち、本発明のストライプ模様状自己吸着性発泡シート及びストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートは、建築用室内装飾材料や文具又は玩具用材料としての使用に好適である。
以下に、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、ここで用いる「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
[材料特性]
<アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
後に説明するようにして作製するストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート(以下、単に「シート」ということがある。)の材料として用いるアクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)を、以下の方法で測定した。アクリル酸エステル共重合体樹脂を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に250μmのアプリケーターで塗布し、常温下で24時間乾燥させて、樹脂フィルムを得た。このフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、測定温度−50℃〜160℃、昇温速度10℃/分、示差走査熱量分析計(SIIナノテクノロジー社製、DSC6220)を用いてガラス転移温度(℃)を測定した。
<アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率の測定>
後に説明するようにして作製するシートに用いるアクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率を、以下の方法で測定した。アクリル酸エステル共重合体樹脂を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に200μmのアプリケーターで塗布し、常温下で24時間乾燥させて、樹脂フィルムを得た。このフィルムをサンプルとして、所定量(X)(約500mg)を精秤し、これを酢酸エチル100ml中に常温で3日間浸漬した後、不溶分を80メッシュの金網で濾過し、15時間常温下で風乾し、その後100℃で2時間乾燥させ、常温下で冷却した後に試料の質量(Y)を測定した。X及びYを次式に代入することにより、ゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(Y)/(X)×100
[ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの作製]
(実施例1)
(白色発泡混合物の作製)
混合容器に、固形分換算で100部のN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)(組成:アクリル酸エチル43.8/アクリル酸ブチル44.8/アクリロニトリル9.6/N−メチロールアクリルアミド1.8の共重合体樹脂、ガラス転移温度:−15.3℃、ゲル分率:41.5%)、固形分換算で2.2部のカルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル社製、カルボジライト(登録商標)E−02)及び白色の着色剤として固形分換算で4.2部の酸化チタン水分散体(DIC社製、DISPERSE WHITE HG−701)を添加し、ディスパーで撹拌した。
次に撹拌を継続しながら、固形分換算で4.1部の整泡剤〔アルキルベタイン両性化物・脂肪酸アルカノールアミド混合物(DIC社製、DICNAL M−20)/スルホン酸型アニオン界面活性剤(DIC社製、DICNAL M−40)の1/1混合物〕、28%アンモニア水1.1部をこの順に添加し、150メッシュでろ過した。最後に、固形分換算で1.8部の増粘剤(カルボン酸変性アクリル酸エステル重合体。東亞合成社製、アロンB−300K)を添加して白色発泡性樹脂組成物を得た。
この白色発泡性樹脂組成物を泡立て器で撹拌し、発泡倍率が2倍になるように泡立て、更に撹拌速度を落として5分間撹拌を続行し、白色発泡混合物を得た。
(青色発泡混合物の作製)
上記の白色発泡混合物の作製と同様にして、表1に記載されている各成分を表1に記載されている配合量で混合して、青色発泡混合物を調製した。なお、青色の着色剤には、大日精化社製「ニューラクチミンBlue FLGB Conc.」を用い、青色着色剤は白色着色剤と同時に添加した。
(ストライプ模様状キャスト製膜)
ポリエチレン発泡体からなる芯部(長さ150mm、厚み3mm)の両面にテフロン(登録商標)製の支持板(長さ145mm、厚み5mm)が積層され貼り合わされた仕切り板6枚を、同時キャスト製膜を行うための装置に取り付け、バッキングロールの表面に工程フィルムロールから工程フィルムとして透明な基材(三菱ポリエステル社製、商品名「PET50T−100E」、表面をウレタン系樹脂で剥離処理したポリエチレンテレフタレート樹脂製フィルム、厚み50μm、幅1000mm)を送り込み、取り付けられた6枚の仕切り板と背板とロールナイフコーターと基材とで囲まれた5つの空間に、上記白色発泡混合物及び青色発泡混合物を、白色発泡混合物が両端部の空間に充填されるように交互に充填する。次いで、ロールナイフコーターの下から基材を工程フィルムロールから連続的に送り出して、基材とロールナイフコーターの刃先との隙間の距離を調整し、基材上に、幅が300mmで厚みが0.3mmの、2本の白色キャスト膜と3本の青色キャスト膜とからなるストライプ模様状キャスト膜を形成した。
(乾燥架橋)
このようにして得られた基材とストライプ模様状キャスト膜との積層体を乾燥炉に入れ、80℃で1.33分間、120℃で1.33分間、140℃で1.33分間保持して、乾燥架橋を行わせて基材上にストライプ模様状吸着層(ストライプ模様状自己吸着性発泡シート)を積層し、実施例1に係るストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートを得た。上記使用した材料をまとめたものを表1に示す。
(比較例1)
吸着層に白色発泡混合物のみを使用し、基材として2色帯状模様の基材(以下、「ストライプ模様状基材」という。)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るシートを作製した。使用した材料をまとめたものを表1に示す。
(比較例2)
固形分換算で100部の(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂(II)(組成:アクリル酸ブチル90/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8/アクリル酸2)に対して、固形分換算で7.5部のロジン系粘着付与樹脂(荒川化学社製、スーパーエステルE865−NT)を添加し、粘着組成物を得た。この粘着組成物を、比較例1で用いたストライプ模様状基材の上にアプリケーターを用いて乾燥後の塗膜の厚さが60μmになるように塗布し、乾燥炉に入れて100℃で4分間乾燥させ、ストライプ模様状基材上に透明な粘着層が積層された比較例2に係るシートを作製した。使用した材料をまとめたものを表1に示す。
[評価項目]
<表裏面の意匠性>
実施例1に係るシート及び比較例1、2に係るシートを作製後、それぞれ125mm×50mmのサイズに切り出した試験片を用意した。平滑な表面を有する厚み3mmのガラス板に試験片の吸着層又は粘着層側の面を貼り合わせ、試験片の上から2kgfの荷重ローラーで圧着し、23℃,50%RH環境下にて1時間放置した。その後、表裏面の意匠性を目視で確認し、以下の指標により評価した。
○:ストライプ模様が鮮明であり、良好な意匠性を有する。
△:ストライプ模様が不鮮明であり、意匠性にやや劣る。
×:ストライプ模様が認められず、意匠性に劣る。
試験を行った層の構成、及び、評価結果を、観察された様子の概略図とともに表2に示した。なお、表2に示す概略図は、観察された様子そのものを正確に描写したものではない。
<貼り付け時のエア抜け性>
実施例1に係るシート及び比較例1、2に係るシートを作製後、100mm×100mmの正方形にカットし、吸着層又は粘着層側の面が接するようにガラス板に載せ、支持体層側の面から荷重0.5gfのローラーを1往復させてガラス板に貼りつけた。このとき、下記により算出される面積が10mm以上となるエア溜まりが存在するか否かで評価した。下記により算出される面積が10mm以上となるエア溜まりが存在しない場合を「○」、存在する場合を「×」として、その結果を表2に示した。この評価が「○」であれば、噛み込まれるエアが少なく、エア抜け性に優れていると言える。
エア溜まりの面積の算出は、最も大きなエア溜まりを囲むことができる最も面積の小さい長方形を作図し、その長方形の面積を測定することにより算出した。
<色差ΔE>
実施例1に係るシートのストライプ模様状吸着層側の表面において、色彩が異なる帯間のL表色系における色差ΔEを、コニカミノルタセンシング(株)製色彩色差計CR−400を使用して測定した。具体的には、色彩が異なる各帯上の任意の5点間の色差ΔE(5×5=25通り)を上記色彩色差計で測定し、その最大値を実施例1に係るシートの色差ΔEとして採用した。また、比較例1、2に係るシートの作製工程においてストライプ模様状基材に代えて実施例1と同一の透明な基材を用いたシートを作製し、それぞれ吸着層又は粘着層側表面の任意の5点の色差ΔEを上記色彩色差計で測定し、その最大値を比較例1、2に係るシートの色差ΔEとして採用した。
表2に示したように、実施例1に係るシートはガラス板側から視認されるストライプ模様が鮮明で裏面の意匠性に優れ、且つ、エア抜け性に優れていた。一方、ストライプ模様状基材を用いた比較例1に係るシートは、ガラス板側から視認されるストライプ模様が不鮮明で裏面の意匠性に劣っていた。また、吸着層の代えて透明粘着層を有する比較例2に係るシートは、ガラス板側から視認されるストライプ模様がやや不鮮明で裏面の意匠性に劣り、エア抜け性にも劣っていた。

Claims (15)

  1. ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する着色発泡性樹脂組成物作製工程と、
    色彩の異なる2種以上の前記着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得る発泡工程と、
    色彩の異なる2種以上の前記着色発泡混合物を2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成するストライプ模様状キャスト製膜工程と、
    前記ストライプ模様状キャスト膜に含まれる前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行う架橋工程と、
    をこの順に有する、ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がN−メチロール基を有する、請求項1に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法。
  3. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率が70%以下である、請求項1又は2に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法。
  4. 前記ストライプ模様状自己吸着性発泡シートの表面における、色彩が異なる少なくとも1組の帯間のL表色系における色差ΔEが1.2以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シートの製造方法。
  5. ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む、色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物を別々に作製する着色発泡性樹脂組成物作製工程と、
    色彩の異なる2種以上の前記着色発泡性樹脂組成物を別々に発泡させ、色彩の異なる2種以上の着色発泡混合物を得る発泡工程と、
    色彩の異なる2種以上の前記着色発泡混合物をそれぞれ基材上に2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜してストライプ模様状キャスト膜を形成するストライプ模様状キャスト製膜工程と、
    前記ストライプ模様状キャスト膜に含まれる前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応を行うことにより、前記基材からなる支持体層にストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層を積層する架橋工程と、
    をこの順に有する、ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法。
  6. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がN−メチロール基を有する、請求項5に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法。
  7. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率が70%以下である、請求項5又は6に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法。
  8. 前記ストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの前記吸着層側表面における、色彩が異なる少なくとも1組の帯間のL表色系における色差ΔEが1.2以上である、請求項5〜7のいずれかに記載のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法。
  9. 前記基材が樹脂フィルムである、請求項5〜8のいずれかに記載のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シートの製造方法。
  10. ガラス転移温度が−10℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂100質量部と、カルボジイミド系架橋剤1〜20質量部と、を含む色彩の異なる2種以上の着色発泡性樹脂組成物をそれぞれ発泡させた着色発泡混合物が、2以上の帯状に、かつ隣接する帯が密接した状態になるように同時キャスト製膜されたストライプ模様状キャスト膜において、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の架橋反応が行われてなる、ストライプ模様状自己吸着性発泡シート。
  11. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がN−メチロール基を有する、請求項10に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シート。
  12. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率が70%以下である、請求項10又は11に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シート。
  13. 表面における、色彩が異なる少なくとも1組の帯間のL表色系における色差ΔEが1.2以上である、請求項10〜12のいずれかに記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シート。
  14. 請求項10〜13のいずれかに記載のストライプ模様状自己吸着性発泡シートからなる吸着層と、基材からなる支持体層と、を有するストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート。
  15. 前記基材が樹脂フィルムである、請求項14に記載のストライプ模様状自己吸着性発泡積層シート。
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