JP2017178875A - γδT細胞遊走促進剤およびそれを含む医薬 - Google Patents

γδT細胞遊走促進剤およびそれを含む医薬 Download PDF

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Hisaaki Nishimura
壽晃 西村
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Abstract

【課題】γδT細胞を標的組織に効率よく遊走させることのできる薬剤を提供すること、およびそれを用いた骨破壊疾患治療薬などの医薬を提供すること。【解決手段】CCL3、CCL5、CCL7、CCL8およびCCL26からなる群より選択される2種類以上のケモカインを有効成分とするγδT細胞遊走促進剤および該γδT細胞遊走促進剤を含む骨破壊疾患治療薬などの医薬。【選択図】図3−3

Description

本発明はγδT細胞遊走促進剤およびそれを含む骨破壊疾患治療薬などの医薬に関する。
γδT細胞は、γδ鎖のT細胞受容体(TCR)を発現しているT細胞であり、末梢血中
に含まれるTリンパ球の数%を占める。γδT細胞はMHC分子の拘束は受けず、直接タ
ーゲット抗原を認識するという特徴を有し、IFN-γ、IL-4、IL-17などのサイトカインを
産生して感染防御などに関わっていることが知られている。
また、γδT細胞は腫瘍細胞に対して優れた認識性と攻撃性を有していることから、肺癌や多発性骨髄腫などの治療に応用されている。
また、特許文献1ではMEP経路の中間体を用いることでγδT細胞を活性化させることが
開示されており、喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、慢性気管支炎、自己免疫疾患、アレルギーおよび骨疾患に使用し得ることが開示されている。
さらに、γδT細胞の遊走に関する検討もなされており、特許文献2や3ではリンパ球が産生するケモカインCCL-21によりγδT細胞が誘引されることが開示され、非特許文献1では、別名RANTESとも呼ばれるCCL5によりγδT細胞が誘引されることが開示されている。
特表2004-531264号公報 特開2011-250711号公報 特表2008-509683号公報
The Journal of Immunology, 2002, 168: 4920-4929
上記の通り、γδT細胞は様々な疾患に対して治療効果が期待されるが、生体内での存在量は少なく、γδT細胞を末梢血から回収しインビトロで増殖させることは可能であるが、治療に必要な量の細胞を得るための培養に長期間を要するという問題があった。また、γδT細胞の遊走を促進させるという研究もなされてはいたが、末梢血などに含まれるγδT細胞を標的組織に遊走させ、治療効果を発揮させるには不十分であった。
そこで、本発明は、γδT細胞を効率よく標的組織に遊走させ、標的組織において治療効果を発揮させるための薬剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、特定のケモカインの組み合わせによりγδT細胞を効率よく遊走させることができることを見出し、これにより、骨破壊疾患などの治療にも効果を発揮させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)CCL3、CCL5、CCL7、CCL8およびCCL26からなる群より選択される2種類以上のケモカインを有効成分とする、γδT細胞遊走促進剤。
(2)前記2種類以上のケモカインが、CCL3とCCL5、CCL5とCCL8、CCL5とCCL26、CCL7とCCL8、またはCCL8とCCL26である、(1)に記載のγδT細胞遊走促進剤。
(3)(1)または(2)に記載のγδT細胞遊走促進剤を含む、医薬。
(4)骨破壊疾患の治療薬である、(3)に記載の医薬。
(5)骨破壊疾患が歯周病である、(4)に記載の医薬。
本発明により、ケモカインの投与により、局所にγδT細胞を効率よく遊走させることが可能となった。これにより、γδT細胞をインビトロで増殖させる作業が必須ではなくなり、早期の治療効果が期待できる。また、インビトロで増殖させたγδT細胞を用いる場合でも高効率に組織へ遊走させることが可能となる。
本発明のγδT細胞遊走促進剤はγδT細胞が標的とし得る様々な疾患の治療に使用できるが、歯周病などの骨破壊疾患の治療に好適に使用し得る。歯周病の治療は化学療法が中心であり、耐性菌が問題になりうるが、本発明のγδT細胞遊走促進剤を用いる場合は耐性菌を生じさせないという利点がある。また、骨粗鬆症もターゲットとなる可能性が有り、ビスホスホネートによる顎骨壊死などの副作用を予防できるという利点がある。
γδT細胞でのケモカイン受容体発現をreal-time PCRで調べた結果を示す図。 αβT細胞とγδT細胞の細胞表面におけるケモカイン受容体の発現をフローサイトメトリーで調べた結果を示す図。(A)αβT細胞におけるCCR1とCCR3の発現。(B) γδT細胞におけるCCR1とCCR3の発現。 (C)αβT細胞におけるCCR4とCCR5の発現。(D)γδT細胞におけるCCR4とCCR5の発現。(E)αβT細胞におけるCCR6とCCR8の発現。(F)γδT細胞におけるCCR6とCCR8の発現。(G)αβT細胞におけるCCR9とCXCR1の発現。(H)γδT細胞におけるCCR9とCXCR1の発現。(I) αβT細胞におけるCXCR7の発現。(J)γδT細胞におけるCXCR7の発現。 T細胞の遊走アッセイ系を示す模式図。 全T細胞の遊走に対する各ケモカインの影響を示す図。 αβT細胞またはγδT細胞の遊走に対する各ケモカインの影響を示す図。 野生型マウスまたはT細胞受容体δ鎖ノックアウトマウス(γδT細胞欠損マウス)由来の破骨細胞の分化に対するγδT細胞の影響を示す図(写真)。 野生型マウス、γδT細胞欠損マウスまたはγδT細胞を移植されたγδT細胞欠損マウスの大腿骨の海綿骨μCT画像(写真)。
本発明のγδT細胞遊走促進剤は、CCL3、CCL5、CCL7、CCL8およびCCL26からなる群より
選択される2種類以上のケモカインを有効成分とする。有効成分のケモカインは3種類以上でもよい。より好ましいケモカインの組み合わせとしては、CCL3とCCL5、CCL5とCCL8、CCL5とCCL26、CCL7とCCL8、またはCCL8とCCL26が挙げられる。2種類のケモカインの組み合わせを投与する場合、ケモカインのモル比は、遊走促進効果の高いモル比を適宜定めればよいが、例えば、1:9〜9:1とすることができ、さらには、4:6〜6:4とすることができ、1:1としてもよい。
γδT細胞は、本発明のケモカインの組み合わせによって標的組織に遊走するものであれば特にその由来や種類は限定されないが、哺乳動物由来の細胞が好ましく、ヒト由来の細胞がより好ましく、ヒト末梢血の大部分を占めるVγ9/Vδ2 T細胞がより好ましい。γδT細胞は生体内に存在する細胞でもよいし、インビトロで培養された細胞でもよい。後者の場合、標的組織にケモカインを投与すると同時、または、ケモカイン投与後、遅滞なく
インビトロで培養されたγδT細胞を投与することで、インビトロで培養されたγδT細胞が標的組織に対し、効率よく遊走する。
上記ケモカインとしては、遊走させるγδT細胞と同じ哺乳動物由来のものが好ましく、ヒト由来のものがより好ましい。ケモカインは、公知のアミノ酸配列を有するケモカインを使用することができるが、γδT細胞を遊走させることができる限り、公知の配列に対し、1または数個、例えば、1〜5個または1〜2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたアミノ酸配列を有するものでもよい。ケモカインは化学合成されたものでもよいし、組み換え生産されたものでもよいし、生体や細胞から精製されたものでもよい。
γδT細胞のケモカイン受容体(CCR3、CCR5など)が上記ケモカインを標的とし、ケモカインの存在する部位に遊走する。ケモカインがγδT細胞の遊走を促進させることは、例えば、Boyden chamber assayのようなアッセイ系を用いて確認することができる。
上記2種類以上のケモカインを標的組織に投与することにより、γδT細胞は標的組織に遊走し、標的組織に対し、治療効果をもたらす。したがって、本発明のγδT細胞遊走促進剤は、γδT細胞を標的組織に遊走させてγδT細胞の活性により疾患を治療するための医薬として使用することができる。対象疾患としては、γδT細胞が治療効果を発揮することのできる疾患であれば特に制限されないが、例えば、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患および骨疾患などが挙げられる。特に、骨破壊疾患が好ましく、癌の骨転移、骨粗鬆症、関節リウマチ、歯周病、骨ページェット病などが挙げられる。
上記2種類以上のケモカインは直接、標的組織に投与してもよいが、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の形態で投与されることが好ましい。「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
上記2種類以上のケモカインを有効成分とする医薬は、経口あるいは非経口的に投与することができるが、標的組織に局所投与されることが好ましく、例えば、標的組織に注射によって投与される。注射剤の場合には、生理食塩水又は市販の注射用蒸留水等の薬学的に許容される担体中に溶解または懸濁することにより製造することができる。
また、上記2種類以上のケモカインを有効成分とする医薬はケモカインの生体内の安定性を高めたり、特定の臓器、組織又は細胞へケモカインを効率的に輸送したり、徐放性を持たせたりするために、生体適合性ポリマーのマトリクスやリポソームなどの小胞に内包させて投与させてもよい。例えば、ポリエチレングリコール、高分子複合体、高分子凝集体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、水中油系の乳化剤、ミセル、混合ミセル、リポソームなどを用いる製剤が例示される。なお、生体適合性ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ハイドロゲル、ポリヒドロキシ酪酸、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリ乳酸などが挙げられる。
なお、リポソームなどの小胞には、標的組織にターゲッティングするために、標的組織の表面で発現するマーカータンパク質に対する抗体を表面に結合させてもよい。
また、上記2種類以上のケモカインを有効成分とする医薬は、ケモカインを吸収または封入した膜、ハイドロゲル、スポンジ、多孔質体または他の適切な材料の埋込みにより局所投与することもできる。埋込みデバイスを用いる態様においては、デバイスを適切な組織または臓器内に移植することができる。ハイドロゲルを構成する材料としては、ハイドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、アルギン酸、アガロ
ース、デキストランなどの天然高分子の化学架橋体、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどの合成高分子の化学架橋体などが挙げられる。スポンジとしては、例えばセルロース、アガロース、キトサンやコラーゲンのスポンジが挙げられる。多孔質体を構成する材料としては、ゼラチン、シリコーン、アパタイトなどが挙げられる。
本発明のγδT細胞遊走促進剤およびそれを含む医薬の投与量は、有効成分である2種類以上のケモカインがγδT細胞を標的組織に遊走させ、治療効果を発揮させられる量であればよく、対象動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢、性別、体重及び症状、治療効果、治療部位の面積、投与方法、処理時間などに応じて適宜調節される。例えば、ケモカインの総量として、一回につき100μg〜5000mgの範囲で投与することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の態様に限定されない。
1.T細胞の回収
健常者の末梢血を回収し等量のPBSで希釈した後、ヒトリンパ球分離用Histopaque-1077(Sigma-Aldrich)にて遠心分離を行い、リンパ球に富む分画を回収した。その後、磁気ビー
ズ法であるTCRγ/δ+T Cellアイソレーションキット(Miltenyi Biotec)を使用してγδ
T細胞を回収した。同様に、磁気ビーズ法であるPan T CellアイソレーションキットとAnti-TCRγ/δ マイクロビーズキット (Miltenyi Biotec)を使用して抗体非標識のαβT
細胞を回収した。
2.real-time PCRによるγδT細胞ケモカイン受容体発現
回収したγδT細胞、αβT細胞それぞれからRNeasy Mini Kit(QIAGEN) を用いてプロトコールに従いRNAの抽出・精製を行った。その後、抽出したtotal RNAの純度と濃度を微量分光光度計NanoDrop(Thermo Scientific)で測定した。total RNAを鋳型とし、cDNAを合成した(iScript Advanced cDNA synthesis Kit for RT-qPCR BIO RAD)。real-time PCRはSsoAdvanced Univesal SYBR Green Supermix(BIO RAD)を用いてプロトコールに従い行った
。目的遺伝子はCC受容体(CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10)、CXC受容体(CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7)、XC受容体(XCR1)
、CX3C(CX3CR1)受容体とした。内在性コントロールとしてGAPDHを使用した。
3.フローサイトメトリーによるT細胞表面ケモカイン受容体発現
回収したヒトリンパ球を使用してγδT細胞、αβT細胞それぞれのケモカイン受容体の発現をフローサイトメトリーにより確認した。real-time PCRの結果に基づき、αβT細
胞よりγδT細胞の方が発現量が多く、T細胞の遊走に関わることが知られているケモカイン受容体を対象とした。解析にはPE/Cy7-αβTCR, PerCP/Cy5.5-γδTCR, Alexa Flour
488-CCR1, PE-CCR3、PE-CCR4、Alexa Flour 488-CCR5、Alexa Flour 488-CCR6、 PE-CCR8、PE-CCR9、FITC-CXCR1、PE-CXCR7 (Bio Legend) の各抗体を使用した。
4.T細胞走化性実験
Pan T Cellアイソレーションキットにて回収したT細胞を走化性実験に使用した。24wellの培養プレートにポアサイズ5μmの細胞培養用インサート(Merck)を装着し、上層には1×105個のT細胞を100μlの0.1%BSA含有RPMI1640培地に播種した(図3−1)。下層にはケモカインを組み合わせて培養液に添加し、2時間培養した(CCL5;10ng/ml、 CCL3; 50ng/ml、 CCL7;75mg/ml、CCL8; 100ng/ml、 CCL26; 200ng/ml)。その後、下層に移動した細胞
を回収し細胞数を測定した。陽性コントロールは10%FBS添加RPMI1640培地、陰性コントロ
ールは0.1%BSA添加RPMI1640培地とした。
結果1:αβT細胞とγδT細胞におけるケモカイン受容体のmRNA発現
real-time PCRによりケモカイン受容体のmRNA量を測定した。また、内在性コントロール
のGAPDHで各細胞におけるケモカイン受容体遺伝子の発現量を標準化した。その結果、図
1に示すように、CCR1、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR8、CCR9、CXCR1、CXCR7においてγδT細胞の方がαβT細胞より有意に遺伝子発現が多かった。
結果2:αβT細胞とγδT細胞の細胞表面におけるケモカイン受容体の発現
フローサイトメトリーの結果、図2に示すように、CCR3、CCR5においてγδT細胞の方がαβT細胞より受容体タンパク質の発現量が多かった。
CCR3およびCCR5結合ケモカイン
CCR3にはCCL5、CCL7、CCL11、CCL13、 CCL15、CCL24、CCL26が結合することが知られている。CCL5およびCCL7はリンパ球の走化性に関わっている。
CCL11、CCL 24およびCCL 26は好酸球活性化に関与している。またCCL26はリンパ球の走化性にも関わっている。CCL13の作用はCCL7に類似し、CCL15は主にCCR1に結合する。そこでCCR3結合ケモカインとしてCCL5、CCL7およびCCL26をケモタキシス候補のケモカインとし
た。
CCR5にはCCL3、CCL4、CCL5およびCCL8が結合することが知られているCCL3、CCL 4、CCL 5およびCCL 8はリンパ球の走化性に関わっている。そこでCCR5結合ケモカインとしてCCL3
、CCL4、CCL5およびCCL8をケモタキシス候補のケモカインとした。
これらのケモタキシス候補のケモカインおよびその組み合わせでγδT細胞の遊走能を確認した。
結果3
図3−1に示すように培養プレートを上下2層に分離上層にαβT細胞とγδT細胞の両方を含むT細胞を播種し下層にケモカイン添加培地を加え培養を行い、遊走した細胞を回収し、顕微鏡下にて測定した。図3−2は下層に遊走した全てのT細胞数に対するケモカインの影響を示し、図3−3は下層に遊走したαβT細胞またはγδT細胞に対するケモカインの影響を示す。
図3−2より、全T細胞(αβT細胞とγδT細胞)遊走に対するケモカインの影響については、CCL3+CCL5、CCL5+CCL8、CCL5+CCL26、CCL7+CCL8、CCL8+CCL26の組み合わせにおい
て全T細胞を効果的に遊走させることができることがわかった。
また、図3−3より、γδT細胞遊走に対するケモカインの影響については、CCL5を単独で添加した場合、γδT細胞の遊走能はコントロールに対して約3倍上昇するが、さらにCCL3を添加することで約6倍まで上昇する(CCL3+CCL5)ことがわかった。また、CCL5+CCL8の組み合わせにおいても約4.5倍上昇し、CCL8+CCL26の組み合わせにおいても約3.5倍上昇することがわかった。
参考例1:破骨細胞分化に対するγδT細胞の影響
野生型またはT細胞受容体δ鎖ノックアウトマウス(γδT細胞欠損マウス)の骨髄由来細胞(BM)を24wellの細胞培養用プレートに6×105 cells/wellの密度で播種し、20 ng/ml M-CSFと50 ng/ml sRANKL(オリエンタル酵母)を添加した10%FBS含有α-MEM中で培養し破骨細胞に分化させた。ここに、1×105 cells/wellの密度でγδT細胞を添加し、破骨
細胞分化に対する影響を検討した。破骨細胞への分化は破骨細胞マーカーTRAPで染色することにより評価した。
その結果、図4に示すように、野生型(WT)マウス、γδKOマウスいずれにおいても野生型由来のγδT細胞と共培養すると破骨細胞の分化が抑制された。(また、2×104cells/wellの密度で γδT細胞を添加しても同様の結果が得られている。)
このようにγδT細胞は破骨細胞への分化を抑制できるので、γδT細胞を骨破壊部位に遊走させることで、骨破壊疾患の治療の可能性を示すものである。
参考例2:骨密度に対するγδT細胞の影響
マウス大腿骨骨密度をμCTにて比較した結果、図5に示すように、γδT細胞欠損マウスでは大腿骨の海綿骨の骨密度がワイルドタイプマウスに比べ優位に低いが、γδT細胞欠損マウスにワイルドタイプマウス由来のγδT細胞を移植(1×106cells/mouse)すると
骨密度の回復が見られる。これはγδT細胞が骨密度のコントロールに関与していることを示しており、骨破壊疾患の治療の可能性を示すものである。

Claims (5)

  1. CCL3、CCL5、CCL7、CCL8およびCCL26からなる群より選択される2種類以上のケモカインを有効成分とする、γδT細胞遊走促進剤。
  2. 前記2種類以上のケモカインが、CCL3とCCL5、CCL5とCCL8、CCL5とCCL26、CCL7とCCL8、またはCCL8とCCL26である、請求項1に記載のγδT細胞遊走促進剤。
  3. 請求項1または2に記載のγδT細胞遊走促進剤を含む、医薬。
  4. 骨破壊疾患の治療薬である、請求項3に記載の医薬。
  5. 骨破壊疾患が歯周病である、請求項4に記載の医薬。
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