JP2017177699A - 多層フィルム及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記要件(b−1)〜(b−3)を満たすプロピレン系重合体(B)と、下記要件(c−1)を満たすエチレン系重合体(C)とを含む層[2]と、
を含む積層体フィルムであって、
前記層[1]と前記層[2]とが直接接しており、
前記層[2]に含まれる、前記プロピレン系重合体(B)と前記エチレン系重合体(C)との質量比((B)/(C))が、99/1〜50/50であり、
前記層[1]の厚さと前記層[2]の厚さとの比(層[1]/層[2])が、1/14〜1/3である積層体フィルム。
要件(a−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−2):メルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)が1.0〜12.0g/10分である。
要件(b−1):プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。
要件(b−2):メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜20.0g/10分である。
要件(b−3):JIS K7112に準じて測定される密度が890〜911kg/m3である。
要件(c−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−3):GPCによって得られる分子量分布曲線において、全量に対して分子量が100万以上である成分の含有量が0.7質量%以下である。
要件(b−4):GPCによって得られる分子量分布曲線において、全量に対して分子量が150万以上である成分の含有量が0.7質量%以下である。
下記要件(b−1)〜(b−3)を満たすプロピレン系重合体(B)と、下記要件(c−1)を満たすエチレン系重合体(C)とを含む層[2]’と、
を含む積層体を共押出した後、二軸延伸する工程を含む積層体フィルムの製造方法であって、
前記層[1]’と前記層[2]’とが直接接しており、
前記層[2]’に含まれる、前記プロピレン系重合体(B)と前記エチレン系重合体(C)との質量比((B)/(C))が、99/1〜50/50であり、
前記積層体フィルムにおける、前記層[1]’由来の層[1]の厚さと、前記層[2]’由来の層[2]の厚さとの比(層[1]/層[2])が、1/14〜1/3である積層体フィルムの製造方法。
要件(a−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−2):メルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)が1.0〜12.0g/10分である。
要件(b−1):プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。
要件(b−2):メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜20.0g/10分である。
要件(b−3):JIS K7112に準じて測定される密度が890〜911kg/m3である。
要件(c−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−2):メルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)が1.0〜12.0g/10分である。
要件(b−1):プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。
要件(b−2):メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜20.0g/10分である。
要件(b−3):JIS K7112に準じて測定される密度が890〜911kg/m3である。
要件(c−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、前記要件(a−1)及び(a−2)を満たし、エチレン単位と少なくとも1種以上の炭素数3〜10のα−オレフィン単位とを含む。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、さらに下記要件(a−3)、(a−4)を満たすことが好ましい。なお、本発明においてエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレン単位を50質量%以上含む共重合体を示す。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む組成物であってもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の、JIS K6922に準じて測定される密度は、880〜930kg/m3であり、885〜925kg/m3が好ましく、890〜920kg/m3がより好ましく、900〜915kg/m3がさらに好ましい。該密度が880kg/m3未満である場合、縦延伸時にフィルムがロールに抱きつき、成形できない。また、該密度が930kg/m3を超える場合、延伸時にフィルムが破断する。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)(以下、MFR(190℃)とも示す)は、1.0〜12.0g/分であり、1.5〜10.0g/10分が好ましく、2.0〜8.0g/10分がより好ましく、2.5〜5.0g/10分がさらに好ましい。MFR(190℃)が前記範囲外の場合、成形時の安定性が低い。なお、該MFR(190℃)はASTM D1238に準じて190℃、2.16kg荷重の条件下で測定される値である。
GPCによって得られる分子量分布曲線において、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)全量に対して分子量が100万以上である成分の含有量は、0.7質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。なお、該含有量は少ない方が好ましく、0.0質量%であることが特に好ましい。該含有量が0.7質量%以下であることにより、ヒートシール界面形成を阻害する高分子量成分(高粘度成分)が少なくなり、最高ヒートシール強度が向上する。なお、該含有量が0.7質量%を超えると、層[1]と層[2]との界面接着強度が低下する場合がある。この理由については、必ずしも定かではないが、分子量100万以上の成分が層[1]と層[2]との間の界面近傍での分子鎖の拡散を阻害、すなわち界面形成を阻害するためと推察される。該含有量は具体的には後述する方法により測定される値である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の、示差走査熱量測定(DSC)で測定される融点は、50〜130℃が好ましく、80〜125℃がより好ましく、100〜120℃がさらに好ましい。該融点が50℃以上であることにより、縦延伸時にフィルムがロールに抱きつきにくくなる。また、該融点が130℃以下であることにより、延伸時のフィルムの破断を防止できる。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、前記要件(b−1)〜(b−3)を満たす。また、プロピレン系重合体(B)は、さらに下記要件(b−4)、(b−5)を満たすことが好ましい。なお、本発明においてプロピレン系重合体(B)は、プロピレン単位を50質量%以上含む重合体を示す。また、プロピレン系重合体(B)は、2種類以上のプロピレン系重合体を含む組成物であってもよい。
プロピレン系重合体(B)は、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。このようなプロピレン系重合体(B)としては、例えばプロピレン単独重合体であるホモポリプロピレン(ホモPP)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(ランダムPP)、いわゆるブロックポリプロピレン(ブロックPP)等が挙げられる。
プロピレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)(以下、MFR(230℃)とも示す)は、1.0〜20.0g/10分であり、1.5〜15.0g/10分が好ましく、2.0〜10.0g/10分がより好ましく、2.5〜5.0g/10分がさらに好ましい。MFR(230℃)が前記範囲外である場合、延伸性が低下し、成形時の安定性が低い。なお、該MFR(230℃)はJIS K7210−1およびJIS K7210−2に準じて、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定される値である。
プロピレン系重合体(B)の、JIS K7112に準じて測定される密度は、890〜911kg/m3であり、893〜910kg/m3が好ましく、895〜909kg/m3がより好ましく、900〜908kg/m3がさらに好ましい。該密度が890kg/m3未満である場合、フィルム剛性が劣る。また、該密度が911kg/m3を超える場合、延伸性が低下しフィルム成形が困難となる。
GPCによって得られる分子量分布曲線において、プロピレン系重合体(B)全量に対して分子量が150万以上である成分の含有量は、0.7質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。なお、該含有量は少ない方が好ましく、0.0質量%であることが特に好ましい。該含有量が0.7質量%以下であることにより、ヒートシール界面形成を阻害する高分子量成分(高粘度成分)が少なくなり、最高ヒートシール強度が向上する。なお、該含有量は具体的には後述する方法により測定される値である。
プロピレン系重合体(B)の、示差走査熱量測定(DSC)で測定される融点は、110〜170℃が好ましく、120〜165℃がより好ましい。該融点が110℃以上であることにより、フィルム剛性が優れる。また、該融点が170℃以下であることにより、延伸性が向上しフィルム成形が容易となる。
本発明において層[2]は、最高ヒートシール強度を向上させる観点から、プロピレン系重合体(B)以外にさらにエチレン系重合体(C)を含む。エチレン系重合体(C)は、前記要件(c−1)を満たす。また、エチレン系重合体(C)は、さらに下記要件(c−2)を満たすことが好ましい。なお、本発明においてエチレン系重合体(C)は、エチレン単位を50質量%以上含む重合体を示す。また、エチレン系重合体(C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)であってもよい。また、エチレン系重合体(C)は、2種類以上のエチレン系重合体(C)を含む組成物であってもよい。
エチレン系重合体(C)のJIS K6922に準じて測定される密度は、880〜930kg/m3であり、885〜925kg/m3が好ましく、890〜920kg/m3がより好ましく、900〜915kg/m3がさらに好ましい。該密度が880kg/m3未満である場合、フィルム剛性が劣る。また、該密度が930kg/m3を超える場合、延伸性が低下しフィルム成形が困難となる。
エチレン系重合体(C)の、示差走査熱量測定(DSC)で測定される融点は、50〜130℃が好ましく、80〜125℃がより好ましく、100〜120℃がさらに好ましい。該融点が50℃以上であることにより、最高ヒートシール強度が向上する。また、該融点が130℃以下であることにより、延伸性が向上しフィルム成形が容易となる。
本発明において層[1]は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)以外に、さらに融解熱量が40J/g以下のプロピレン系共重合体(D)を含むことが好ましい。層[1]がプロピレン系共重合体(D)を含むことにより、最高ヒートシール強度が向上する。なお、本発明においてプロピレン系共重合体(D)は、プロピレン単位を50質量%以上含む共重合体を示す。また、プロピレン系共重合体(D)は前述したプロピレン系重合体(B)であってもよい。また、プロピレン系共重合体(D)は、2種類以上のプロピレン系共重合体(D)を含む組成物であってもよい。
層[1]は前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含む。層[1]は前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を50〜100質量%含むことが好ましく、55〜90質量%含むことがより好ましく、60〜80質量%含むことがさらに好ましい。
層[2]は前記プロピレン系樹脂(B)と、前記エチレン系重合体(C)とを含む。層[2]は前記プロピレン系樹脂(B)を50〜99質量%含むことが好ましく、55〜90質量%含むことがより好ましく、60〜80質量%含むことがさらに好ましい。また、層[2]は前記エチレン系重合体(C)を1〜50質量%含むことが好ましく、10〜45質量%含むことがより好ましく、20〜40質量%含むことがさらに好ましい。
本発明に係る積層体フィルムは、前記層[1]と、前記層[2]とを含む。該積層体フィルムは、前記層[1]と、前記層[2]とからなってもよい。該積層体フィルムは、少なくとも一層の層[1]と、少なくとも一層の層[2]とを備えていればよいが、層[1]および/または層[2]を複数層備えてもよい。
本発明に係る積層体フィルムの製造方法は、前記要件(a−1)及び(a−2)を満たす、エチレン単位と少なくとも1種以上の炭素数3〜10のα−オレフィン単位とを含むエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含む層[1]’と、前記要件(b−1)〜(b−3)を満たすプロピレン系重合体(B)と、前記要件(c−1)を満たすエチレン系重合体(C)とを含む層[2]’と、を含む積層体を共押出した後、二軸延伸する工程を含む。前記層[1]’と前記層[2]’とは直接接している。前記層[2]’に含まれる、前記プロピレン系重合体(B)と前記エチレン系重合体(C)との質量比((B)/(C))は、99/1〜50/50である。前記積層体フィルムにおける、前記層[1]’由来の層[1]の厚さと、前記層[2]’由来の層[2]の厚さとの比(層[1]/層[2])は、1/14〜1/3である。該方法によれば、本発明に係る積層体フィルムを容易に製造することができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、ASTM D1238に準じて、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。プロピレン系重合体のMFRは、JIS K7210−1およびJIS K7210−2に準じて、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、JIS K6922に従い、サンプルを100℃で30分間加熱した後、23℃で1時間保持し、密度勾配管法によって測定した。プロピレン系重合体の密度は、JIS K7112に準じて測定した。
エチレン・α−オレフィン共重合体における分子量が100万以上の成分の含有量、及びプロピレン系重合体における分子量が150万以上の成分の含有量は、以下の方法により測定した。エチレン・α−オレフィン共重合体及びプロピレン系重合体の分子量分布曲線を、GPC2000(商品名、ウォーターズ社製)又はHLC−8321GPC/HT(商品名、東ソー社製)を用い、以下の条件で測定した。分析カラムには、TSKgelGMH6−HT(商品名、東ソー社製)と、TSKgelGMH6−HTL(商品名、東ソー社製)を2本ずつ計4本使用した。カラム温度は140℃とした。移動相にはo−ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)0.33g/Lを用い、移動相を1.0mL/分で移動させた。試料濃度は1.5mg/mLとした。検出器としては示差屈折計を用いた。東ソー(株)製の標準ポリスチレンを用い、汎用校正法により、エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量はポリエチレン換算値、プロピレン系重合体の分子量はポリプロピレン換算値として計算した。
エチレン・α−オレフィン共重合体及びプロピレン系重合体の融点および融解熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した。測定はDSC8500(商品名、パーキンエルマー社製)を用いて行った。吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm)は、以下の方法により求めた。厚み約300μmのプレスシートから切り出した試料約5mgを、底が平らなアルミパンに詰めた。これを、窒素雰囲気下(窒素:20ml/min)で、230℃で5分間保持した。その後、230℃から10℃/minで30℃まで降温し、30℃で1分間保持し、30℃から230℃まで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より、Tmを求めた。
積層体フィルムから長さ方向がフィルムの流れ方向(MD)、幅方向(TD)となるように15mm幅、200mm長さの短冊状の試験片を切出した。該試験片について、テンシロンRT1225型(商品名、オリエンテック社製)を使用して、JIS K7127に準拠して破断点強度、破断点伸び、およびヤング率を測定した。
軽荷重引裂試験機(東洋精機製作所製:振り子の左端に容量ウェイトB:79gを取り付け)を使用し、積層体フィルムから引裂き方向に長さ63.5mm(長辺)及び引裂き方向と垂直の方向に幅50mm(短辺)の長方形の試験片を複数枚切出し、短辺の中央に端から12.7mmの切り込みを入れた。試験機の指針(置き針)が20〜80の範囲に収まるように、該試験片を複数枚重ねて予備テストを行い、測定に用いる試験片の枚数を調整した。その後、引裂試験を行い、以下の式によりMD方向、TD方向における引裂強度(N/cm)を求めた。また、引裂バランス(MD方向における引裂強度/TD方向における引裂強度)を算出した。なお、試験機の測定レンジ(R)は200とした。
T:引裂強度(N/cm)
A:指針の指した値(g)
t:重ねた試験片の合計厚み(cm)。
ゲルボフレックス装置(テスター産業製)にて、ASTM F392:93 可撓性バリア材料の耐屈曲性標準試験法に基づいて、積層体フィルムを3000回屈曲させた。その後、ピンホール検出器(ウエッジ株式会社製)にてピンホール数を測定した。
15mm巾に裁断した積層体フィルム2枚を、層[1](外層−1)同士が接するように重ねた。これに対し、熱盤式ヒートシーラー(東洋精機社製)にてシール圧力:0.1MPa、シール時間:1.0秒でヒートシールを行った。得られたサンプルについて、引張試験機にて200mm/分でヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が2N/15mmとなる温度をヒートシール開始温度とした。
40℃から200℃まで10℃刻みで設定したヒートシール温度において、前記「ヒートシール開始温度」と同様にしてヒートシール強度を測定し、測定した全てのデータ中で最も高いヒートシール強度を最高ヒートシール強度とした。
Tダイ成形時に、ダイから押し出され冷却された溶融膜が安定に積層体へ成形可能かどうかを目視および積層体の断面観察により外観および層比から確認した。
良好:安定に積層体を成形できる。
不良:面荒れが発生し、層比も安定していないため、安定に積層体を成形できない。
積層体を延伸した時に、破断するか否かを確認した。
良好:積層体を延伸した時に破断しなかった。
不良:積層体を延伸した時に破断した。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)としてのSP1540を含む層[1]’と、プロピレン系重合体(B)としてのF−300SPを70質量%、エチレン系重合体(C)としてのSP1540を30質量%含む層[2]’とを含む積層体を、二軸延伸フィルム成形機を用いて溶融押出し、Tダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷した。その後、これを110℃に加熱し、フィルムの流れ方向(MD方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したフィルムを150℃に加熱し、流れ方向に対して直交する方向(TD方向)に8倍延伸して、厚さ20μmの積層体フィルムを得た。該積層体フィルムについて、上記評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、各層に含まれる樹脂の種類、各層の厚みの比、及び積層体フィルムの厚み等を表2〜4のように変更した以外は、実施例1と同様に積層体フィルムを作製し、評価した。結果を表2〜4に示す。なお、比較例7及び10では、外層−1、中間層及び外層−2からなる3層構造を有する積層体フィルムを作製した。また、比較例8においては、成形不良のため上記評価を行うことができなかった。
SP3020をTダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷し、厚さ約1.2mmのシートを得た。該シートを100℃に加熱し、フィルムの流れ方向(MD方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したフィルムを125℃に加熱し、流れ方向に対して直交する方向(TD方向)に8倍延伸し、厚さ30μmの二軸延伸フィルム(1)を得た。次いで、該二軸延伸フィルム(1)に、ドライラミ用接着剤を塗布した後、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:OP U−1、三井化学東セロ社製)を貼り合わせて積層体フィルムを得た。なお、該ドライラミ用接着剤としては、タケラックA−969VおよびタケネートA−5(以上商品名、三井化学製)を混合したものを使用した。該積層体フィルムについて、上記評価を行った。結果を表4に示す。
前記二軸延伸フィルム(1)上にアンカー剤を塗布した後、該アンカー剤上に押出しラミネート機を用いて11Pを溶融押出した。該11P上に、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:OP U−1、三井化学東セロ社製)を積層し、積層体フィルムを得た。なお、前記アンカー剤には、コロネートL、ニッポラン1100(以上商品名、日本ポリウレタン工業)、および溶剤としての酢酸エチル(広島和光純薬製)を混合したものを使用した。また、11Pを含む層の厚みは20μmであった。該積層体フィルムについて、上記評価を行った。結果を表4に示す。
前記アンカー剤を塗布しなかったこと以外は、比較例13と同様に積層体フィルムを作製し、評価した。結果を表4に示す。なお、本比較例では11Pを含む層と二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの間で剥離が生じ、上記評価を行うことができなかった。
前記二軸延伸フィルム(1)に代えて、厚さ80μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(商品名:T.U.X FCD、三井化学東セロ社製)を用いた以外は、比較例12と同様に積層体フィルムを作製した。該積層体フィルムについて、上記評価を行った。結果を表4に示す。
Claims (8)
- 下記要件(a−1)及び(a−2)を満たす、エチレン単位と少なくとも1種以上の炭素数3〜10のα−オレフィン単位とを含むエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含む層[1]と、
下記要件(b−1)〜(b−3)を満たすプロピレン系重合体(B)と、下記要件(c−1)を満たすエチレン系重合体(C)とを含む層[2]と、
を含む積層体フィルムであって、
前記層[1]と前記層[2]とが直接接しており、
前記層[2]に含まれる、前記プロピレン系重合体(B)と前記エチレン系重合体(C)との質量比((B)/(C))が、99/1〜50/50であり、
前記層[1]の厚さと前記層[2]の厚さとの比(層[1]/層[2])が、1/14〜1/3である積層体フィルム。
要件(a−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−2):メルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)が1.0〜12.0g/10分である。
要件(b−1):プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。
要件(b−2):メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜20.0g/10分である。
要件(b−3):JIS K7112に準じて測定される密度が890〜911kg/m3である。
要件(c−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。 - 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、さらに下記要件(a−3)を満たす請求項1に記載の積層体フィルム。
要件(a−3):GPCによって得られる分子量分布曲線において、全量に対して分子量が100万以上である成分の含有量が0.7質量%以下である。 - 前記プロピレン系重合体(B)が、さらに下記要件(b−4)を満たす請求項1または2に記載の積層体フィルム。
要件(b−4):GPCによって得られる分子量分布曲線において、全量に対して分子量が150万以上である成分の含有量が0.7質量%以下である。 - 二軸延伸フィルムである請求項1から3のいずれか1項に記載の積層体フィルム。
- 前記エチレン系重合体(C)が直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体フィルム。
- 前記層[1]が、さらに融解熱量が40J/g以下のプロピレン系共重合体(D)を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体フィルム。
- 前記層[1]に含まれる、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と前記プロピレン系共重合体(D)との質量比((A)/(D))が、99/1〜50/50である請求項6に記載の積層体フィルム。
- 下記要件(a−1)及び(a−2)を満たす、エチレン単位と少なくとも1種以上の炭素数3〜10のα−オレフィン単位とを含むエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含む層[1]’と、
下記要件(b−1)〜(b−3)を満たすプロピレン系重合体(B)と、下記要件(c−1)を満たすエチレン系重合体(C)とを含む層[2]’と、
を含む積層体を共押出した後、二軸延伸する工程を含む積層体フィルムの製造方法であって、
前記層[1]’と前記層[2]’とが直接接しており、
前記層[2]’に含まれる、前記プロピレン系重合体(B)と前記エチレン系重合体(C)との質量比((B)/(C))が、99/1〜50/50であり、
前記積層体フィルムにおける、前記層[1]’由来の層[1]の厚さと、前記層[2]’由来の層[2]の厚さとの比(層[1]/層[2])が、1/14〜1/3である積層体フィルムの製造方法。
要件(a−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
要件(a−2):メルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)が1.0〜12.0g/10分である。
要件(b−1):プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である。
要件(b−2):メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜20.0g/10分である。
要件(b−3):JIS K7112に準じて測定される密度が890〜911kg/m3である。
要件(c−1):JIS K6922に準じて測定される密度が880〜930kg/m3である。
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