JP2017176046A - 閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法 - Google Patents

閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】飼育水槽の飼育水中のアンモニアを分解処理する際に、飼育水槽内の養殖水に水位変動を抑制しつつ効果的にアンモニアを分解処理とともにオキシダントの発生を抑制することができる閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】魚介類を飼育する飼育水槽2とアンモニア処理部4とを有し、前記飼育水槽2と前記アンモニア処理部4との間で連続的に養殖水を循環させて前記養殖水中のアンモニアを分解処理する閉鎖型陸上養殖システム1において、前記アンモニア処理部4は複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成され、前記養殖水中のアンモニア濃度に応じて並列配置された前記アンモニア処理ユニットのうち、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニットの数を増減させる閉鎖型陸上養殖システム1とその制御方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、魚介類を飼育する養殖水中に含まれるアンモニアを連続式処理により分解処理する閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法に関する。
養殖場、蓄養場や水族館の養殖水では、魚介類から出た排泄物中に含まれるアンモニアや残餌などが水中で微生物により分解されることで水中にアンモニアが残留し、このアンモニアは時間の経過とともに蓄積する。アンモニアは生物毒性が高く魚介類には有害であるため、この対策として、例えば、微生物を利用した生物分解による除去方法によってアンモニアを除去することが知られている。しかし、このような生物処理を用いてアンモニアを除去する養殖方法では、生物処理槽として広い敷地が必要であったり、曝気用ポンプの動力が大きくなってコスト増につながったり、アンモニア分解処理性能が温度や負荷量の影響を受けて不安定であるなどの問題がある。
そのため、近年では効率よく養殖水中のアンモニアを分解処理する方法として、オゾンを用いた方法が提案されている。オゾンを用いた分解処理では、分解処理を行うに従いオキシダントと呼ばれる魚介類に有害な酸化性物質が発生し易くなるため、このオキシダントの発生を抑制したり、オキシダントを除去したりしながらアンモニアを分解除去する処理方法が必要となる。
本発明者等は、オゾンを用いて養殖水中のアンモニアを分解処理するに当たり、魚介類に有害なオキシダントの発生を抑制しつつ効果的にアンモニアを分解することができる分解処理方法の実用化に向け、様々な検討及び実験を行ってきた。
その結果、養殖水中のアンモニアをオゾン処理する過程には、養殖水に含まれる有機物が主に分解される「有機物分解ステージ」、有機物の分解が完了した後に専らアンモニアが分解される「アンモニア分解ステージ」、及びアンモニアの分解が完了した後に臭素酸が発生する「臭素酸生成ステージ」の3段階が存在すること、アンモニアの分解処理がこれらステージのどの段階であるのかは、オゾン処理される養殖水のORP値の変化を示すORP曲線から読み取ることができることの知見を得た。
これらの知見に基づき、本発明者等は、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORP値の変化を測定し、「臭素酸生成段階ステージ」が始まる時点でのORPを求める第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対し、ORPが第1ステップで求めた値に上昇するまでオゾン処理を行うとともに、「臭素酸発生ステージ」に移行する以前にオゾン処理を停止することにより、臭素酸の発生を回避することができるアンモニアの除去方法等(以下、単に「ORP制御法という。」)を提案している(特許文献1)。
このORP制御法では、飼育水槽から養殖水の一部を抜き出し、抜出した養殖水毎にオゾン処理時の養殖水中のアンモニアの分解状況をORP値の変化から把握し、養殖水のORP値が臭素酸の発生が始まる値に達する前にオゾン供給を停止して飼育水槽に返送するバッチ式(回分式)処理を行うので、アンモニアが略分解処理され、かつ魚介類にとって有害な臭素酸等のオキシダントを含まない安全な養殖水を飼育水槽に返送することができ、このバッチ処理を繰り返すことによって飼育水槽内の養殖水中のアンモニアを順次分解除去していくことができる。
また、実際に使用する装置又は同一構成の装置において、オゾナイザや次亜塩素酸供給器の能力、オゾン又は次亜塩素酸の混合方法、処理ユニットの容積等の処理部の装置要件が一定であれば、オゾン又は次亜塩素酸によるアンモニアの分解能力が影響を受けることないとの知見を得た。
この知見に基づき、本発明者等は、予め養殖水をオゾン又は次亜塩素酸により処理するときのアンモニア分解速度を求め、分解処理後の目標アンモニア残存量を設定する第1ステップ、養殖水中のアンモニア量を求め、目標アンモニア残存量への低減までに必要な処理時間をアンモニア分解速度から演算する第2ステップ、第2ステップで演算した処理時間で養殖水をオゾン又は次亜塩素酸により処理して養殖水中のアンモニアを分解処理する第3ステップ、第3ステップで分解処理した養殖水を養殖槽に戻す第4ステップを有する循環型養殖方法(以下、単に「時間制御法」という。)を提案している(特許文献2)。
この時間制御法では、飼育水槽から養殖水の一部を抜き出し、予め求めておいたた殖水をオゾン又は次亜塩素酸により処理するときのアンモニア分解速度を基づいて、抜出した養殖水毎に目標アンモニア残存量への低減までに必要な処理時間だけオゾン又は次亜塩素酸により処理して養殖水中のアンモニアを分解処理した後、飼育水槽に返送するバッチ式(回分式)処理を行うので、アンモニアが略分解処理され、かつ魚介類にとって有害な臭素酸等のオキシダントを含まない安全な養殖水を飼育水槽に返送することができ、このバッチ処理を繰り返すことにより、飼育水槽内の養殖水中のアンモニアを順次分解除去していくことができる。
特開2015−19647号公報 特許第5822972号公報
特許文献1に記載されたORP制御法によっても、特許文献2に記載された時間制御法によっても、飼育水槽から養殖水の一部を抜き出し、抜出した養殖水毎にオゾン処理するバッチ式処理により、養殖水中のアンモニアを略完全に分解処理することができるとともに、魚介類にとって有害な臭素酸等のオキシダントの発生を防止することができる。
しかしながら、飼育水槽の養殖水をバッチ式により処理すると、飼育水槽から養殖水の一部を抜き出した際に飼育水槽内の貯水量が一時的に減少するとともに飼育水槽の水面が下がり、処理後の養殖水を飼育水槽に戻すと飼育水槽の水面が上がって養殖水を抜き出す前の状態に復する。このように、飼育水槽内の貯水量が一時的に減少すると、水槽内の魚の飼育密度が高くなり、魚同士が接触し易くなるとともに、飼育水槽の水面が上下すると、水面が上下する範囲の飼育槽内側の壁面に水垢や生物由来の有機物が付着するなどの飼育上の不具合が発生するため、これらの改善が求められていた。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、飼育水槽の飼育水中のアンモニアを分解処理する際に、飼育水槽内の養殖水に水位変動を抑制しつつ効果的にアンモニアを分解処理とともにオキシダントの発生を抑制することができる閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、魚介類を飼育する飼育水槽とアンモニア処理部とを有し、前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させて前記養殖水中のアンモニアを分解処理する閉鎖型陸上養殖システムにおいて、前記アンモニア処理部は複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成され、前記養殖水中のアンモニア濃度に応じて並列配置された前記アンモニア処理ユニットのうち、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニットの数を増減させる閉鎖型陸上養殖システムである。
請求項2に係る発明は、前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で、常に略一定量の養殖水を循環させる請求項1に記載の閉鎖循環型陸上養殖システムである。
請求項3に係る発明は、前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モードと脱色殺菌モードに切り替える閉鎖循環型陸上養殖システムである。
請求項4に係る発明は、前記アンモニア処理ユニットでのオゾン出力がアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードの何れの場合においても、常に略一定量の養殖水を前記アンモニア処理ユニットに通水させる閉鎖循環型陸上養殖システムである。
請求項5に係る発明は、前記養殖水が前記アンモニア処理部を通過した後であって、かつ前記飼育水槽に戻る前の位置にアンモニア計測器を配し、そのアンモニア計測器でアンモニア処理後の養殖水中のアンモニア濃度を測定する閉鎖循環型陸上養殖システムである。
請求項6に係る発明は、魚介類を飼育する飼育水槽とアンモニア処理部とを有し、前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させて養殖水中のアンモニアを分解処理する閉鎖型陸上養殖システムの制御方法であって、循環する養殖水中のアンモニア濃度に応じ、複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成されたアンモニア処理部において、並列配置された前記アンモニア処理ユニットのうち、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニットの数を増減させてアンモニア処理能力を調節する閉鎖型陸上養殖システムの制御方法である。
請求項7に係る発明は、予め、前記アンモニア処理ユニット毎に脱色殺菌モードからアンモニア分解モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度、及びアンモニア分解モードから脱色殺菌モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度を設定しておき、循環する前記養殖水中のアンモニア濃度に応じて、前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替える閉鎖循環型陸上養殖システムの制御方法である。
請求項8に係る発明は、前記養殖水が前記アンモニア処理部を通過した後、かつ前記飼育水槽に戻る前にアンモニア計測器で前記養殖水中のアンモニア濃度を測定し、その測定値により前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替える閉鎖循環型陸上養殖システムの制御方法である。
請求項1に係る発明によると、複数のアンモニア処理ユニットを並列配置してアンモニア処理部を構成しているので、アンモニア処理ユニット毎のアンモニア処理能力を高くする必要がない。そのため、単一のアンモニア処理ユニットで全ての処理をまかなおうとした場合に比べて、オゾン供給量の微調整が可能となり、その結果、処理すべきアンモニア量に応じた適正なオゾン供給を行うことが可能となる。
また、養殖水中のアンモニア濃度に応じて、並列配置されてアンモニア処理部を構成しているアンモニア処理ユニットうち、アンモニアの分解処理を行うアンモニア処理ユニットの数を増減させるので、アンモニア処理部のアンモニア処理能力を簡単に変化させることができる。
本発明では、アンモニア処理部でアンモニアを分解処理しながら飼育水槽とアンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させているので(連続式)、一度に多量の養殖水を飼育水槽から抜出す必要がなく、飼育水槽内の水位変動を抑制することができる。また、バッチ式処理の場合、飼育水槽から一定量の養殖水を抜き出し、それを飼育水槽に戻す度に送水や排水、それらのためのバルブ開閉いった時間を要するが、本発明のような連続式処理の場合、常に一定量の養殖水を循環させているため、その様な時間を省略することができ、結果として時間当たりの処理水量を増加させることができる。さらに、前述のように、連続式処理の場合、飼育水槽内の水位変動を抑制することができるので、飼育水槽の貯水レベルを常時監視する必要がなく、レベルセンサー等の設置を省略できる他、バッチ式処理のような送排水のための大容量ポンプを用いる必要がないなど、機機の省力化を図ることもできる。
請求項2に係る発明によると、飼育水槽とアンモニア処理部との間で常に略一定量の養殖水を循環させて養殖水中のアンモニアの分解処理等を行っているので、飼育水槽内の養殖水の保有水量が略一定に保たれ、飼育水槽内の水面が上下することがない。
請求項3に係る発明によると、アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モードと脱色殺菌モードに切り替えるので、アンモニア分解モードでは、アンモニアを分解処理するために必要な量のオゾンを供給してアンモニア処理ユニットを通過する養殖水に含まれるアンモニアを分解処理することができ、脱色殺菌モードでは、アンモニア分解を目的としない程度の少量のオゾンを供給してアンモニア処理ユニットを通過する養殖水の殺菌と脱色殺菌をすることができる。
請求項4に係る発明によると、アンモニア処理ユニットでのオゾン出力がアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードの何れの場合においても、常に略一定量の養殖水を前記アンモニア処理ユニットに通水させているので、複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成したアンモニア処理部を通過する養殖水が常に略一定量となるため、飼育水槽内の養殖水の保有水量が略一定に保たれ、飼育水槽内の水面が上下することがない。
また、脱色殺菌モードのアンモニア処理ユニットにも常に略一定量の養殖水を通水させているので、養殖水の殺菌と脱色殺菌を継続的に行って、養殖水の水質を維持することができる。
請求項5に係る発明によると、養殖水がアンモニア処理部を通過した後であって、かつ飼育水槽に戻る前の位置にアンモニア計測器を配して養殖水中のアンモニア濃度を測定しているので、オゾンによるアンモニアの分解処理が行われた直後に養殖水中のアンモニア濃度をアンモニア計測器で測定することができるため、養殖水中に含まれているとアンモニア計測器の測定結果に影響を与えることがある還元剤の影響を排してアンモニア濃度を測定することができる。
請求項6に係る発明によると、養殖水中のアンモニア濃度に応じ、並列配置されてアンモニア処理部を構成しているアンモニア処理ユニットうち、アンモニアの分解処理を行うアンモニア処理ユニットの数を増減させるので、アンモニア処理部のアンモニア処理能力の増減を簡単に制御することができる。
請求項7に係る発明によると、予め、アンモニア処理ユニット毎に脱色殺菌モードからアンモニア分解モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度、及びアンモニア分解モードから脱色殺菌モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度を設定しておき、循環する養殖水中のアンモニア濃度に応じて、アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替えるので、養殖水中のアンモニア濃度を計測するだけで、アンモニア濃度が高い場合にはアンモニア処理部のアンモニア処理能力を高め、アンモニア濃度が低い場合には養殖水の殺菌、脱色殺菌に切り替える制御を簡単に行うことができる。
請求項8に係る発明によると、養殖水がアンモニア処理部を通過した後であって、かつ飼育水槽に戻る前の位置にアンモニア計測器を配して養殖水中のアンモニア濃度を測定し、アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替えているので、オゾンによるアンモニアの分解処理が行われた直後に養殖水中のアンモニア濃度をアンモニア計測器で測定することができるため、養殖水中に含まれているとアンモニア計測器の測定結果に影響を与えることがある還元剤の影響を排してアンモニア濃度を測定し、正確な測定値に基づいてアンモニア処理ユニットのモード切り替えを制御することができる。
本発明による閉鎖循環型陸上養殖システムの一実施例を示す模式図である。 図1の閉鎖循環型陸上養殖システムのアンモニア処理部の構成を説明する模式図である。 アンモニア分解ユニットの構成を説明する模式図である。 図1の閉鎖循環型陸上養殖システムの制御方法を説明する図であり、(a)はアンモニア処理部を循環する養殖水のアンモニア濃度の変化を示す図であり、(b)はその時の各アンモニア分解ユニットの動作モードを説明する図である。
以下に、本発明における閉鎖循環型陸上養殖システムの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、閉鎖循環型陸上養殖システムの一実施形態の模式図を示している。図1に示すように、閉鎖循環型陸上養殖システム1は、魚介類を養殖する飼育水槽2と、飼育水槽2から連続的に流出する養殖水を受け止める受水槽3と、養殖水をオゾン処理してアンモニアを分解除去するアンモニア処理部4と、アンモニア処理部4等の動作を制御する制御装置5を備えるとともに、飼育水槽2と受水槽3の間は管路6で、受水槽3とアンモニア処理部3との間は管路7で、アンモニア処理部3と飼育水槽2との間は管路8で連結されており、また、管路7には受水槽3に受け止めた養殖水をアンモニア処理部3に送水するための循環ポンプ9が設けられ、管路8には養殖水中のアンモニア濃度を計測するアンモニア計10と紫外線ランプ(UV)11が設けられており、所謂ワンパス式に構成されている。
飼育水槽2は、本実施例では、槽内の養殖水の水位が一定値を超えると養殖水がオーバーフローする様に構成されており、またこのオーバーフローした養殖水を集める図示しない集水部と、この集水部に集めた養殖水を集水部から取り出すための図示しない取出口が設けられている。なお、飼育水槽2からの養殖水の取出しは、本実施例のオーバーフロー方式に限れることなく、飼育水槽の底に取出し口を設けて取り出す方式とすることもできる。
飼育水槽2の集水部に設けた図示しない前記取出口と受水槽3との間は管路6で連結されており、飼育水槽2と受水槽3は高低差を設けて設置されているので、飼育水槽2からオーバーフローした養殖水を重力により動力を用いることなく受水槽3に落とし込むことができる。
受水槽3の上部にはドラムフィルタ12を設け、管路6と受水槽3をこのドラムフィルタ12を介して接続し、このドラムフィルタ12により、飼育水槽2から管路6を通って受水槽3に落とし込まれてくる養殖水に含まれているゴミを除去している。
アンモニア処理部4は、図2に示すように、複数のアンモニア処理ユニット14を並列配置して構成するが、本実施例の場合、4本のアンモニア処理ユニット14を並列配置してアンモニア処理部4を構成している。管路7と連結孔15を介して接続されたアンモニア処理部4の内部配管16は、並列配置した4つのアンモニア処理ユニット14に等しく養殖水を供給するため、分岐点17で分岐配管16a、分岐配管16b、分岐配管16c、分岐配管16dの4系統に分岐した後、夫々がアンモニア処理ユニット14に接続され、並列配置したアンモニア処理ユニット14、14,14、14に養殖水を供給している。分岐配管16a、16b、16c、16dは、並列配置したアンモニア処理ユニット14、14、14、14の2次側の合流点18で再び合流して内部配管15となった後、連結孔19を介してアンモニア処理部4と受水槽3とを連結する管路8に接続されている。
なお、並列配置したアンモニア処理ユニット14、14、14、14には等しい流量の養殖水を供給する必要があるが、分岐点17で配管16を分岐させただけでは分岐配管16a、16b、16c、16dの流量が略等しくならない場合には、分岐配管16a、16b、16c、16dに図示しない流量計と流量調整弁を設け、この流量調整弁により分岐配管16a、16b、16c、16dを流れる養殖水の流量が略等しくなるように調整することもできる。
アンモニア処理ユニット14は、養殖水をオゾン処理する際のオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替えることができる。図3に示すように、アンモニア処理ユニット14は、オゾン散気筒21と、オゾナイザ22と、ORP計23と、活性炭槽24とを備え、これらを流路25で連結している。また、流路25には活性炭槽24をバイパスするバイパス流路26が形成されており、バイパス流路26はバルブ27、28、流路25の活性炭槽24の1次側にはバルブ29、流路25の活性炭槽24の2次側にはバルブ30が設けられている。
オゾン散気筒21は、オゾナイザ22から供給されるオゾンを養殖水と接触させ、養殖水中のアンモニアの分解処理(除去)、細菌及びウイルスの殺菌、並びに有機物の分解を行う。養殖水中の有機物が分解されることにより、脱色されて養殖水の濁りが透明になるとともに、養殖水中に溶解している餌に含まれている還元剤(例えばアスコルビン酸)等が分解される。
養殖水とオゾンとの接触は、オゾン散気筒21内に下部から流入した養殖水が上部から流出する間に行われる。養殖水と接触してもアンモニアの分解処理等に使用されなかったオゾンはオゾン散気筒21の上部からは排出されるが、オゾンをそのまま排出することを避けるため、オゾン散気筒21の上部に排出されるオゾンを分解する熱触媒を設けることが好ましい。
オゾナイザ22は原料ガス(空気、酸素)からオゾンを発生させてオゾン散気筒21にオゾンを供給するが、この際、オゾナイザ22は制御装置5の制御を受け、アンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替えてオゾンを供給する。
アンモニア分解モードは、養殖水中のアンモニアを分解処理するために必要な量のオゾンをオゾン散気筒21に供給する動作モードであり、養殖水中のアンモニアの分解処理、細菌及びウイルスの殺菌、有機物の分解が行われる。なお、アンモニア分解モードにおける魚介類に有毒なオキシダントの発生を極力抑制するため、オゾン供給量は控え目に設定することが好ましい。
脱色殺菌モードは、養殖水中のアンモニアを殆んど分解処理されない程度の量のオゾンをオゾン散気筒21に供給する動作モードであり、養殖水中の細菌及びウイルスの殺菌、並びに有機物の分解が行われる。
アンモニア分解モードと脱色殺菌モードの違いは、散気筒21へのオゾン供給量の違いであり、オゾン注入量(g/hr)を変化させて切り替えている。なお、アンモニア分解モードと脱色殺菌モードにおけるオゾン注入量の設定は、実際に使用する養殖システムを使用して設定すればよい。
ORP計23は、オゾン散気筒21でオゾン処理した後の養殖水のOPR値を測定し、
測定データを連続的に制御装置5に送っている。このORP計23で測定したオゾン処理後の養殖水のORP値が所定の値(例えば、600mV)を超えていた場合には、オゾナイザ22のオゾン供給量に何らかの問題が生じたと判断し、オゾンの供給を止めることができる。
活性炭槽24は、アンモニア分解モードで養殖水をオゾン処理した際に、少量発生する可能性があるオキシダントを除去するものである。このため、殆んどアンモニアが分解処理されないためにオキシダントが発生するおそれがない脱色殺菌モードでは、オゾン処理後の養殖水が活性炭槽24を通過させる必要がないので、バイパス流路26を設け、活性炭槽24を迂回させている。
アンモニア分解モードで処理した養殖水を活性炭槽24を通過させる場合には、バイパス流路26を設けたバルブ27、28を閉止するとともに、活性炭槽24の1次側のバルブ29と2次側のバルブ30を開放すると。また、脱色殺菌モードで処理した養殖水を活性炭槽24を迂回させる場合には、活性炭槽24の1次側のバルブ29と2次側のバルブ30を閉止するとともに、バイパス流路26を設けたバルブ27、28を開放する。これらバルブ27、28、29、30の動作は、アンモニア処理ユニット14の動作モードに対応して、制御装置5により制御される。
アンモニア処理部4は、以上の様に構成されているアンモニア処理ユニット14を並列配置して構成しているので、アンモニア分解モードで動作するアンモニア処理ユニット14の数を増減させることにより、アンモニア処理部4のアンモニア処理能力を簡単に変化させることができる。
また、養殖水中のアンモニア濃度が低いため、アンモニア分解モードで動作していないアンモニア処理ユニット14であっても、脱色殺菌モードで動作して連続的に養殖水を通過させてオゾン処理しているため、養殖水中の細菌、ウイルスを殺菌することができるとともに、養殖水中の有機物を分解して養殖水を脱色することができるので、養殖水を浄化することができる。
アンモニア計10は、アンモニア処理部4を通過した後であって、かつ飼育水槽2に戻る前の養殖水アンモニア濃度を常時、一定時間間隔(例えば10分間隔)で測定し、測定値を制御装置5に送っている。このように、アンモニア計10を養殖水がアンモニア処理部4を通過した後であって、かつ飼育水槽2に戻る前の位置に設置した理由は次のとおりである。
本発明者等は、養殖水中に還元剤が含まれているとアンモニア計による計測値に影響を受ける場合があることが明らかにしたが、前述したように飼育水槽2で飼育中の魚介類に与える餌には保存剤としてアスコルビン酸が含まれており、このアスコルビン酸は還元剤であるため、飼育水槽2内の養殖水中のアンモニア濃度を計測すると、アスコルビン酸の影響により計測誤差が生じる可能性がある。さらに、この計測誤差がアンモニア濃度を過大に示す方向に発生すると、実際には略アンモニアの分解処理が完了しているにも係わらず、オゾン処理を継続し、養殖水中に臭素酸等の有害なオキシダントを発生させるおそれがある。
その一方で、養殖水がアンモニア処理部4を通過した後であって、かつ飼育水槽2に戻る前の位置にアンモニア計10を設置すれば、養殖水に含まれていた還元剤はアンモニア処理部4におけるオゾン処理により分解されているため、アンモニア計の測定値が還元剤の影響を受けることがなく、より正確にアンモニア濃度を測定することができる。
従って、養殖水中のアンモニア濃度をできるだけ正確に測定するためには、アンモニア処理部4を通過した後のように、還元剤の影響が少ない位置にアンモニア計を設置することが好ましい。
紫外線ランプ11は、アンモニア処理部4を通過した養殖水に紫外線を照射して残留するオゾンを分解除去する他、養殖水を殺菌するなどして、飼育水槽2内の魚介類にとって安全な養殖水とするためのものである。
制御装置5は、アンモニア処理ユニット14のORP計23、アンモニア計10から送られてくる測定値に基づいて、アンモニア処理ユニット14の動作モードの切り替えを制御する。また、管路7に設けた循環ポンプ9のON/OFFも制御し、閉鎖循環型陸上養殖システム1の動作を制御する。制御装置5内の記憶部には、予め、アンモニア処理部4に並列配置されたアンモニア処理ユニット毎に、脱色殺菌モードからアンモニア分解モードへ、またアンモニア分解モードから脱色殺菌モードへ切り替える養殖水中のアンモニア濃度が記憶されており、この記憶データとアンモニア計10から送られてくる養殖水中のアンモニア濃度の測定値に基づいて、アンモニア処理ユニット毎に動作モードの制御を行う。
循環ポンプ9は、飼育水槽2から連続的に流出して受水槽3が受け止めた養殖水をアンモニア処理部4に連続的に送水するポンプであり、制御装置5により制御される。この循環ポンプ9により、飼育水槽2の養殖水は連続的に飼育水槽2とアンモニア処理部4との間を循環し、アンモニアを分解処理することができる。
以上のように構成された閉鎖循環型陸上養殖システム1の動作を説明する。
先ず、制御装置5により循環ポンプ9をONにすると、受水槽3内に貯留されている養殖水が管路7によりアンモニア処理部4に送水される。アンモニア処理部4内に送水された養殖水は、内部配管15の分岐点17で分岐配管16a、16b、16c、16dの4系統に分岐した後、並列配置された4つのアンモニア処理ユニット14、14、14、14に流入する。
この時点では、各アンモニア処理ユニット14の動作モードは初期状態の脱色殺菌モードであるので、全てのアンモニア処理ユニットでは養殖水の脱色と殺菌が行われ、各アンモニア処理ユニット14を通過した養殖水は合流点18で合流してアンモニア処理部4から流出する。アンモニア処理部4から流出した養殖水は、アンモニア計10によりアンモニア濃度が測定され、紫外線ランプ11を経由して飼育水槽2に返送される。
飼育水槽2に養殖水が返送されると、飼育水槽2内に存在していた養殖水がオーバーフローして受水槽3に落とし込まれるが、このとき、循環ポンプ9は連続的に運転されているので、飼育水槽2には連続して養殖水が返送され、飼育水槽2内の養殖水が連続的にオーバーフローして受水槽3に落とし込まれる。このため、受水槽3からアンモニア処理部4に送水される養殖水は、育水槽2から連続的にオーバーフローしてくるアンモニア濃度が高い養殖水に切替わっていく。
アンモニア処理部4に送水される養殖水がアンモニア濃度の高い養殖水に切替わっても、当初、各アンモニア処理ユニット14は初期状態である脱色殺菌モードで動作しているため、アンモニア処理ユニット14を通過してもアンモニアの分解処理は行われない。この結果、アンモニア処理部4を通過後にアンモニア計10で測定した養殖水中のアンモニア濃度は高い値のままとなる。
この高いアンモニア濃度の測定値を検知した制御装置5は、予め設定しておいた基準に従い、所定の数のアンモニア処理ユニット14の動作モードを脱色殺菌モードからアンモニア処理モードに切り替える。
所定の数のアンモニア処理ユニット14の動作モードがアンモニア処理モードに切替わったことにより、アンモニア処理部4のアンモニア処理能力が増加するため、アンモニア処理部4を通過した養殖水のアンモニア濃度は低下する。養殖水は連続的に飼育水槽2とアンモニア処理部4との間を循環しながらアンモニアを分解処理されるので、アンモニア処理部4を通過する度に飼育水槽2内の養殖水のアンモニア濃度は徐々に低下する。
アンモニア処理部4を通過した後にアンモニア計10で測定する養殖水中のアンモニア濃度が所定の値を下回ると、制御装置5は予め設定しておいた基準に従い、所定の数のアンモニア処理ユニット14の動作モードをアンモニア処理モードから脱色殺菌モードに切り替える。
このように制御装置5により制御されることにより、養殖水中のアンモニア濃度が分解処理不要のレベルまで低下すると、制御装置5は全てのアンモニア処理ユニット14の動作モードを脱色殺菌モードに切り替える。全てのアンモニア処理ユニット14の動作モードが脱色殺菌モードに切り替えられても、循環ポンプ9は受水槽3からアンモニア処理部4へ養殖水を連続的に送水しているため、アンモニア処理ユニット14では、アンモニアがほとんど分解されない程度にオゾンを供給して養殖水中の細菌、ウイルスの殺菌と養殖水の脱色を行い、養殖水の浄化を継続する。
その後、飼育水槽2内の魚介類に給餌する等して養殖水中のアンモニア濃度が再び上昇すると、飼育水槽2からオーバーフローして受水槽3に落とし込まれる養殖水中のアンモニア濃度も上昇するため、以上のループが繰り返されてアンモニア処理部4で分解処理されるので、飼育水槽2内の養殖水中のアンモニア濃度は、一定の濃度を超えることがなく、かつ養殖水は継続的に浄化される。
以上のように構成された閉鎖循環型陸上養殖システム1は、飼育水槽2とアンモニア処理部4との間で連続的に養殖水を循環させる連続式処理により養殖水中のアンモニアを分解処理しているので、飼育水槽2内で養殖水の水面が上下することが極めて少ない。また、アンモニア処理ユニット14を並列配置してアンモニア処理部4を構成しているので、アンモニア処理部4のアンモニア処理能力はアンモニアユニット14のアンモニア処理能力の合計となり、アンモニア処理ユニット14毎のアンモニア処理能力を高く設定する必要がないため、アンモニア処理ユニット14へのオゾン供給量を控え、アンモニアの分解に伴うオキシダントの発生を抑制することができるとともに、養殖水中のアンモニア濃度に応じてアンモニア処理を行うアンモニア処理ユニット14の数を増減するだけでアンモニア処理部14のアンモニア処理能力を変化させることができる。
次に、本発明における閉鎖循環型陸上養殖システムの制御方法について説明する。
本発明における閉鎖循環型陸上養殖システムの制御方法は、循環する養殖水中のアンモニア濃度に応じ、複数のアンモニア処理ユニット14を並列配置して構成されたアンモニア処理部4において、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニット14の数を増減させ、養殖水中のアンモニアを分解処理している。
また、アンモニア処理部4においてアンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニット14の数の増減は、予め、アンモニア処理ユニット14毎に脱色殺菌モードからアンモニア分解モードに、またアンモニア分解モードから脱色殺菌モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度を設定しておき、養殖水がアンモニア処理部4を通過した後、かつ飼育水槽2に戻る前に位置に設置したアンモニア計測器10で養殖水中のアンモニア濃度を測定し、循環する養殖水中のアンモニア濃度に応じて、アンモニア処理ユニット14でのオゾン出力を制御し、アンモニア処理ユニット14の動作モードをアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替えることにより行っている。
この制御方法による閉鎖循環型陸上養殖システムの制御概要を図4に基づいて説明する。図4では、4つのアンモニア処理ユニットを並列配置してアンモニア処理部を構成した場合の各アンモニア処理ユニットの動作モードを示しているので、4つのアンモニア処理ユニットを区別するため、アンモニア処理ユニットを1号、2号、3号、4号で区別している(以下同じ。)。
予め、4つのアンモニア処理ユニット毎に、脱色殺菌モードからアンモニア処理モードに、またアンモニア処理モードから脱色殺菌モードに動作モードの切り替えを行うアンモニア濃度(mg−NH/L)を設定し、制御装置に入力する。このアンモニア処理ユニットの動作モードを切り替えるアンモニア濃度(以下、単に「切り替え濃度」という。)は、アンモニア処理部のアンモニア処理能力を段階的に増減させるため、アンモニア処理ユニット毎に差を設け、段階的に設定することが好ましい。
図4で説明する制御方法では、1号アンモニア処理ユニットの切り替え濃度を1.0(mg−NH/L)(以下、アンモニア濃度の単位を省略する。)、2号アンモニア処理ユニットの切り替え濃度を1.2に、3号アンモニア処理ユニットの切り替え濃度を1.4に、4号アンモニア処理ユニットの切り替え濃度を1.6に設定している。
図4(a)は、アンモニア計が測定した養殖水中のアンモニア濃度の変化を示し、図4(b)は、養殖水中のアンモニア濃度が図4(a)に示すように変化した場合において、上記のとおりに切り替え濃度を設定した各アンモニア処理ユニットの動作モードを示しており、実線はアンモニア分解モードで、破線は脱色殺菌モードで動作していることを示す。
図4(a)において、当初は養殖水中のアンモニア濃度は0.8であるため、全てのアンモニア処理ユニットが脱色殺菌モードで動作している。運転開始から1時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.0に増加すると、事前の設定に従って1号アンモニア処理ユニットの動作モードがアンモニア処理モードに切替わるが、他のアンモニア処理ユニットは脱色殺菌モードのままである。
運転開始から2時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.2に増加すると、2号アンモニア処理ユニットの動作モードがアンモニア処理モードに切替わり、1号と2号アンモニア処理ユニットがアンモニア処理モードで動作するが、3号と4号アンモニア処理ユニットは脱色殺菌モードのままである。
運転開始から3時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.4に増加すると、3号アンモニア処理ユニットの動作モードがアンモニア処理モードに切替わり、1号、2号、3号アンモニア処理ユニットがアンモニア処理モードで動作するが、4号アンモニア処理ユニットは脱色殺菌モードのままである。
運転開始から4時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.6に増加すると、4号アンモニア処理ユニットの動作モードもアンモニア処理モードに切替わり、全てのアンモニア処理ユニットがアンモニア処理モードで動作して養殖水中のアンモニアを分解する。
運転開始から5時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度がさらに増加し、1.8になると、全てのアンモニア処理ユニットがアンモニア処理モードでの動作を継続して、養殖水中のアンモニアの分解を継続する。
運転開始から7時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.2に低下すると、3号、4号アンモニア処理ユニットの動作モードが脱色殺菌モードに切替わり、1号、2号アンモニア処理ユニットはアンモニア処理モードで動作を続ける。
運転開始から8時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が1.0に低下すると、2号アンモニア処理ユニットの動作モードも脱色殺菌モードに切替わり、1号アンモニア処理ユニットのみがアンモニア処理モードで動作を続ける。
運転開始から9時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が再び1.6に上昇すると、2号、3号アンモニア処理ユニットの動作モードがアンモニア処理モードに切替わり、4号アンモニア処理ユニットのみが脱色殺菌モードで動作を続ける。
運転開始から10時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が再び1.4に減少しても、1号、2号、3号アンモニア処理ユニットはアンモニア処理モードでの動作を継続し、4号アンモニア処理ユニットは脱色殺菌モードで動作を続ける。
運転開始から11時間経過後、養殖水中のアンモニア濃度が0.8以下に減少すると、全てのアンモニア処理ユニットの動作モードが脱色殺菌モードに切替わり、養殖水を殺菌脱色して浄化する。
以上は、アンモニア計が測定した養殖水中のアンモニア濃度によってアンモニア処理ユニットの動作モードを切り替える制御方法について説明したが、この制御方法の他に、他のアンモニア処理ユニットの動作モード及び動作時間に基づき、アンモニア処理ユニットの動作モードの切り替えを制御する(時間制御)こともできる。
時間制御では、例えば、1号アンモニア処理ユニットの動作モード切り替え濃度を1.0に設定する。このように、設定することで養殖水中のアンモニア濃度が所定の値に上昇すると、直ちにアンモニア処理部においてアンモニアの分解処理を開始することができる。1号アンモニア処理ユニットがアンモニア分解モードで動作してもさらに養殖水中のアンモニア濃度が上昇する場合に備え、2号アンモニア処理ユニットの動作モード切り替え条件を1号アンモニア処理ユニットの動作モードが30分以内に脱色殺菌モードに切替わらない場合にアンモニア分解モードに切替わるように設定する。さらに、3号アンモニア処理ユニットの動作モード切り替え条件を2号アンモニア処理ユニットの動作モードが30分以内に脱色殺菌モードに切替わらない場合にアンモニア分解モードに切替わるように、4号アンモニア処理ユニットの動作モード切り替え条件を3号アンモニア処理ユニットの動作モードが30分以内に脱色殺菌モードに切替わらない場合にアンモニア分解モードに切替わるように設定する。
このように各アンモニア処理ユニットの動作モードを切り替える条件を他のアンモニア処理ユニットの動作モード及び動作時間で設定することによっても、循環する養殖水中のアンモニア濃度の増減に応じてアンモニア処理部のアモニア処理能力を変化させて対応することができる。
以上のとおり、本発明における閉鎖循環型陸上養殖システム及びその制御方法では、飼育水槽とアンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させる連続式処理により養殖水中のアンモニアを分解処理するので、飼育水槽内で養殖水の水面が上下することがない。また、アンモニア処理ユニットを並列配置してアンモニア処理部を構成しているので、アンモニア処理ユニット毎のアンモニア処理能力を高く設定する必要がないため、アンモニア処理ユニットへのオゾン供給量を控え、アンモニアの分解に伴うオキシダントの発生を抑制することができるとともに、養殖水中のアンモニア濃度に応じてアンモニアの分解処理を行うアンモニア処理ユニットの数を増減させてアンモニア処理能力を変化させることができる。
1 閉鎖循環型陸上養殖システム
2 飼育水槽
3 受水槽
4 アンモニア処理部
5 制御装置
6 循環ポンプ
10 アンモニア計
14 アンモニア処理ユニット
21 散気筒
22 オゾナイザ
23 ORP計
24 活性炭槽

Claims (8)

  1. 魚介類を飼育する飼育水槽とアンモニア処理部とを有し、前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させて前記養殖水中のアンモニアを分解処理する閉鎖型陸上養殖システムにおいて、前記アンモニア処理部は複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成され、前記養殖水中のアンモニア濃度に応じて並列配置された前記アンモニア処理ユニットのうち、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニットの数を増減させる閉鎖型陸上養殖システム。
  2. 前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で、常に略一定量の養殖水を循環させる請求項1に記載の閉鎖型陸上養殖システム。
  3. 前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モードと脱色殺菌モードに切り替える請求項1又は2に記載の閉鎖型陸上養殖システム。
  4. 前記アンモニア処理ユニットでのオゾン出力がアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードの何れの場合においても、常に略一定量の養殖水を前記アンモニア処理ユニットに通水させる請求項1乃至3の何れか1項に記載の閉鎖型陸上養殖システム。
  5. 前記養殖水が前記アンモニア処理部を通過した後であって、かつ前記飼育水槽に戻る前の位置にアンモニア計測器を配し、そのアンモニア計測器でアンモニア処理後の養殖水中のアンモニア濃度を測定する請求項1乃至4の何れか1項に記載の閉鎖型陸上養殖システム。
  6. 魚介類を飼育する飼育水槽とアンモニア処理部とを有し、前記飼育水槽と前記アンモニア処理部との間で連続的に養殖水を循環させて養殖水中のアンモニアを分解処理する閉鎖型陸上養殖システムの制御方法であって、循環する養殖水中のアンモニア濃度に応じ、複数のアンモニア処理ユニットを並列配置して構成されたアンモニア処理部において、並列配置された前記アンモニア処理ユニットのうち、アンモニアを分解処理するアンモニア処理ユニットの数を増減させてアンモニア処理能力を調節する閉鎖型陸上養殖システムの制御方法。
  7. 予め、前記アンモニア処理ユニット毎に脱色殺菌モードからアンモニア分解モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度、及びアンモニア分解モードから脱色殺菌モードに移行する養殖水中のアンモニア濃度を設定しておき、循環する前記養殖水中のアンモニア濃度に応じて、前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替える請求項6に記載の閉鎖型陸上養殖システムの制御方法。
  8. 前記養殖水が前記アンモニア処理部を通過した後、かつ前記飼育水槽に戻る前にアンモニア計測器で前記養殖水中のアンモニア濃度を測定し、その測定値により前記アンモニア処理ユニットのオゾン出力をアンモニア分解モード又は脱色殺菌モードに切り替える請求項6又は7に記載の閉鎖型陸上養殖システムの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019122374A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 トスレック株式会社 貝類の浄化方法および貝類の浄化システム

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