JP2017171987A - マスキング材およびマスキング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性に優れ着脱が容易なマスキング材およびマスキング方法を提供する。【解決手段】マスキング材100は、金属部材10に設けられた雌ねじ13に取り付けられて金属部材を覆うマスキング材であって、軸部110および軸部の一端に一体的に形成された基部120を有する。軸部は、基部とともに樹脂によって形成されており、雌ねじの内径D1以上の直径dを有する平滑な外周面111で雌ねじに螺合自在である。基部は、軸部の一端の周方向全体に亘って軸部の径方向に張り出しており、リング形状を有するパッキン130を軸部のまわりで保持している。【選択図】図6

Description

本発明は、マスキング材およびマスキング方法に関する。
従来、自動車製造を始めとする様々な分野において、防錆等を目的として金属部材の表面に塗膜を形成する電着塗装が行われている。このような電着塗装では、アース端子を設けるために金属部材の表面の一部を露出させた露出部がしばしば形成される。
電着塗装後、金属部材の表面に形成された塗膜の一部を削ることによって、または電着塗装に先立って金属部材の表面の一部をマスキングすることによって、露出部を形成できる。
塗膜の一部を削って露出部を形成する場合、塗膜の屑や塗膜とともに削られた金属部材の屑を除去しなければならず、作業効率低下につながる。金属部材の屑が残ったままであると錆びの要因になる虞があるため好ましくない。また、作業者がエアードリル等の電動工具からの振動を受けつつ無理な姿勢で塗膜の除去作業を行えば、作業者への負担が大きい。一方、マスキングによれば、それらを抑制しつつ露出部を形成できる。
電着塗装では、塗膜の形成対象となる金属部材が電解液内に浸けられ、電解液が接した金属部材表面での電着作用によって塗膜が形成される。このため、マスキングによって露出部を形成する場合、液が侵入しないようにマスキング箇所を覆い、マスキング箇所の金属部材表面に電解液が接しないようにしなければならない。
例えば特許文献1に記載の発明では、被塗装物に形成された雌ねじにワッシャを介してボルトを締結し、ボルトの頭部およびワッシャによってマスキング箇所を覆うことによって、マスキング箇所に液が侵入しないようにしている。
特開平5−287592号公報
しかしながら、上記従来のマスキング材によれば、ボルトの締結が弱いとマスキング箇所への液の侵入が生じる虞があり、従って液の侵入を防止するためにはボルトを何回も回して強く締結しなければならず、マスキング材の取り付けに手間がかかる。
また、マスキング材が強く締結される結果、マスキング材は取り外し難くなり、塗膜形成後のマスキング材の取り外し作業の手間も増える。
本発明は、それら従来の課題に鑑みてなされたものであり、シール性に優れ着脱が容易なマスキング材およびマスキング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のマスキング材は、金属部材に設けられた雌ねじに取り付けられて前記金属部材を覆うマスキング材であって、軸部および当該軸部の一端に一体的に形成された基部を有する。前記軸部は、前記基部とともに樹脂によって形成されており、前記雌ねじの内径以上の直径を有する平滑な外周面で前記雌ねじに螺合自在である。前記基部は、前記軸部の一端の周方向全体に亘って前記軸部の径方向に張り出しており、リング形状を有するパッキンを前記軸部のまわりで保持している。
上記目的を達成するための本発明のマスキング方法は、雌ねじが設けられた金属部材をマスキング材によって覆うマスキング方法である。本発明のマスキング方法は、前記マスキング材に備えられ樹脂によって形成された軸部を、前記雌ねじの内径以上の直径を有する前記軸部の平滑な外周面で前記雌ねじに螺合させつつ、前記軸部の一端に前記樹脂によって一体的に形成されて周方向全体で前記軸部の径方向に張り出す基部を、当該基部で前記軸部のまわりに保持されたリング形状を有するパッキンとともに前記金属部材に近接させていき、前記基部および前記パッキンによって前記雌ねじのまわりを密封する。
上記構成を有するマスキング材およびマスキング方法では、上記従来技術のようにワッシャではなく、リング形状を有するパッキンを介してマスキング材が金属部材に締結され、ワッシャに比べてシール幅が狭い。このため、マスキング材が金属部材に締結されていくと、パッキン内側の空間内の空気がマスキング材によって押圧されて外部に押し出され、その空間内が負圧になって吸盤のような吸着力が生じる。軸部による締結力に加え、吸着力が作用してマスキング材がしっかりと金属部材に密着するため、本発明によれば優れたシール性を発揮できる。また、吸盤のような吸着力によって密着性が高まり、従来のように強く締結しなくて済むため、マスキング材の着脱が容易である。
実施形態のマスキング材の斜視図である。 実施形態の金属部材をマスキング材とともに示す図である。 マスキング材の軸部および金属部材の雌ねじを拡大して示す図である。 金属部材へのマスキング材の取り付けを示す図である。 軸部の外周面に形成される雄ねじと金属部材の雌ねじとの螺合を示す図である。 金属部材がマスキングされた状態を示す図である。 プッシュプルゲージを用いたマスキング材の取り付け・取り外しにかかる力の測定を示す図である。 冷熱サイクルの回数とマスキング材の取り付け・取り外しにかかる力との関係を示すグラフである。 変形例のマスキング材を金属部材に取り付けられた状態で示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる。
図1に示すように、実施形態のマスキング材100は、軸部110、基部120、Oリング130(リング形状を有するパッキン)、およびつまみ140を有する。マスキング材100は、電着塗装で用いられる。
軸部110、基部120、およびつまみ140は、樹脂によって一体的に形成されている。軸部110、基部120、およびつまみ140は、電気絶縁性を有する。軸部110、基部120、およびつまみ140を形成している樹脂は、例えば、テフロン(登録商標)、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイト等の耐熱性樹脂であるが、これらに限定されない。
軸部110は平滑な外周面111を有する。基部120は、軸部110の先端と反対側の端部(軸部の一端)に一体的に形成されており、その端部で周方向全体に亘って軸部110の径方向に張り出している。基部120は、軸部110のまわりでOリング130を保持している。軸部110のまわりに延在する環状の溝121が基部120に形成されており、Oリング130は溝121に嵌っている。
基部120は、溝121の側面に凸部122を有する。凸部122は、溝121の側面から突出してOリング130に当接している。本実施形態では、凸部122は、Oリング130の環状形状に沿う周方向において複数個所に設けられており、それら複数個所のそれぞれで、Oリング130を挟むように溝121の対向する側面から突出している。Oリング130の環状形状に沿う周方向のどの箇所に凸部122を設けるかは特に限定されず、また、溝121の対向する側面のうちの一方だけに凸部122を設けてもよい。
Oリング130は、円形断面の外周の一部で溝121に嵌っており、円形断面の外周のその他の部分は、軸部110の先端側に突出するように溝121からはみ出している。
Oリング130は、耐熱性および電気絶縁性を有する材料によって形成されている。Oリング130の形成材料は、例えば、パーフルオロゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等、耐熱性に優れたゴムであるが、これに限定されない。
つまみ140は、基部120に対して軸部110と反対側に設けられている。つまみ140は、軸部110と同軸上に配置されており、板形状を有するが、つまみ140の配置および形状はこれらに限定されない。例えば、つまみ140の形状を本実施形態と異なり軸状にしてもよい。
図2に示すように、マスキング材100は、例えば金属部材10に対して取り付けられる。金属部材10には電着塗装が施され、表面に塗膜が形成される。マスキング材100は、金属部材10に電着塗装が施される前に金属部材10に取り付けられる。
金属部材10は、板材11と、ナット12とを有する。ナット12は、板材11の一方の面に例えば溶接によって接合されている。板材11およびナット12を形成する金属材料は、電着塗装可能なものであればよく、例えば鋼であるが、これに限定されない。金属部材10では、板材11およびナット12を貫通するように雌ねじ13が設けられている。
図3に示すように、軸部110の直径dは、雌ねじ13の内径D1以上である(d≧D1)。ここで雌ねじ13の内径D1とは、雌ねじ13の山の頂に接する仮想的な円筒の直径である。
軸部110の直径dの上限値は、軸部110が雌ねじ13に取り付け可能であれば特に限定されないが、例えば、雌ねじ13の谷の径D2以下である(d≦D2)。ここで雌ねじ13の谷の径D2とは、雌ねじ13の谷底に接する仮想的な円筒の直径である。
次に、マスキング方法について述べる。
図4に示すように、作業者は、軸部110の先端を雌ねじ13に位置合わせし、その状態で軸部110を回転させながら押し込んで雌ねじ13に螺合させていく。作業者は、つまみ140を手で回転させることによって、軸部110を回転させる。作業者は、軸部110を回転させて雌ねじ13に螺合させつつ、基部120およびOリング130を金属部材10へと近接させていく。
図5に示すように、軸部110は、雌ねじ13の内径D1以上の直径dを有し、且つ金属部材10に比べて硬さの小さい(柔らかい)樹脂によって形成されているため、軸部110の回転にともない、外周面111が雌ねじ13によって部分的に削られていく。その結果、外周面111に雄ねじ112が形成される。軸部110は、雄ねじ112によって雌ねじ13と液密に螺合する。
金属部材10および軸部110の硬さは、例えばビッカース硬さによって規定できるが、他の方法によって規定してもよい。
図6に示すように、作業者は、Oリング130が金属部材10に接するまで軸部110を雌ねじ13に螺合させる。また、作業者は、そこからさらに軸部110を回転させながら押し込んで雌ねじ13に螺合させる。これにともなって、基部120は、金属部材10側へとさらに移動し、Oリング130および基部120によって囲まれる空間131を押圧する。
本実施形態と異なり、Oリング130に代えて従来技術のようにワッシャを介してマスキング材100を締結したとすると、ワッシャが金属部材10および基部120に面接触して広範囲に接するため、基部120によって空間131が押圧されたとしても空間131内の空気が外部に逃げ難い。
一方、本実施形態では、マスキング材100はOリング130を介して締結され、金属部材10および基部120はOリング130と線接触する。そのため、それらの接触範囲であるシール幅が従来に比べて狭く、基部120によって空間131が押圧された際、空間131内の空気が外部へと押し出され易い。空気が外部に押し出されると空間131内は負圧となる。その結果、吸盤のような吸着力が生じてマスキング材100は金属部材10に密着し、基部120およびOリング130によって雌ねじ13のまわりが密封される。
吸着力が生じてマスキング材100が金属部材10に密着するため、本実施形態では、Oリング130が金属部材10に接した後、軸部110を何回も回転させてマスキング材100を強く締結しなくて済む。例えば、作業者は、Oリング130が金属部材10に接した後、軸部110を1/4回転〜1回転させる。
マスキング材100が金属部材10に密着するように取り付けられた後、作業者はその状態で金属部材10を電解液に浸して電着塗装を行う。電着塗装自体は、従来公知であるため、ここでの説明は省略する。
電着塗装によって、マスキング箇所を除く金属部材10の表面、より具体的には、基部120およびOリング130によって囲まれる空間131の範囲、ならびに軸部110が螺合した雌ねじ13の表面を除く金属部材10の表面に、例えば防錆層または装飾層等の塗膜が形成される。
マスキング箇所には電解液が侵入しないため、塗膜が形成されず、金属表面が露出したまま維持される。また、軸部110、基部120、つまみ140、およびOリング130は電気絶縁性を有するため、電着塗装によってこれらに塗膜は形成されない。
電着塗装後、作業者は、金属部材10を電解液から取り出し、マスキング材100が取り付けられたままの状態で乾燥炉内に所定の時間置き、塗膜を乾燥させる。乾燥炉内の温度は、例えば塗膜の種類や厚み等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、例えば150℃〜180℃である。
マスキング材100を使い捨てではなく複数回使用することを想定した場合、マスキング材100が乾燥炉内の高温雰囲気に置かれても変形変質することなく機能を維持できるよう、軸部110、基部120、Oリング130、およびつまみ140の耐熱温度は、好ましくは、150℃〜300℃である。ここで耐熱温度は連続使用温度である。
塗膜の乾燥後、作業者は金属部材10からマスキング材100を外す。作業者は、軸部110を締結時と反対方向に回転させて弛め、マスキング材100を金属部材10から外す。
Oリング130のシール幅はワッシャに比べて狭く、軸部110の締結が弛められるのにともなって空間131内に外部から空気が入り易いため、マスキング材100の吸着は、軸部110の締結が弛められるのにともなって容易に解除できる。
塗膜の乾燥後、マスキング材100を外すことなく取り付けたまま更に電着塗装を行い、先に形成された塗膜の上に他の塗膜を積層するように形成してもよい。このように複数の塗膜を形成する場合、電着塗装と塗膜の乾燥とを繰り返して所定の層数の塗膜が形成された後、作業者はマスキング材100を外す。
マスキング材100が取り外された後、金属表面が露出して導電性を有する雌ねじ13に、例えばアース端子が締結され、雌ねじ13とアース端子とが電気的に接続する。
取り外されたマスキング材100は、未塗装の別の金属部材10に取り付けられる、または金属部材10と異なる他の種類の金属部材に取り付けられてもよく、複数回の使用が可能である。
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
本実施形態によれば、マスキング材100は、軸部110による締結力に加え、吸盤のような吸着力が作用して金属部材10にしっかりと密着する。このため、本実施形態によれば優れたシール性を発揮できる。また、吸着力が作用することによって密着性が高まり、マスキング材100を強く締結しなくて済むため、マスキング材100の着脱が容易である。
本実施形態では、軸部110は平滑な外周面111を有しており、その平滑な外周面111が所定の直径で樹脂によって形成されている。このため、金属製の雌ねじへの軸部110の取り付けとともに、その雌ねじに合った雄ねじが外周面111に適宜形成されていく。
従って、例えばピッチが相違するような異なる雌ねじを有する複数種の金属部材をマスキングする場合でも、それらに合う雄ねじを備えた複数種のマスキング材を準備しなくてもよい。すなわち、本実施形態によれば、一種のマスキング材100で複数種の金属部材に対応可能であり、汎用性が高い。
本実施形態では、軸部110、基部120、およびつまみ140が樹脂によって形成されており、金属部材10に比べて硬さが小さい(柔らかい)ため、マスキング材100が金属部材10に接触しても金属部材10が傷付き難い。
また、軸部110、基部120、およびつまみ140を形成している樹脂が耐熱性樹脂であるとともに、Oリング130が耐熱性を有しており、これらは高温雰囲気に晒されても変形変質し難い。このため、マスキング材100は、高温乾燥およびその前後の温度の低下した状態を経ても、着脱性およびシール性を維持できる。これに関し、本発明者らはマスキング材100を試作して検証を行った。
本発明者らは、マスキング材100が金属部材10に取り付けられた状態で、これらに対し、室温の電解液への1分間の浸漬、190℃雰囲気中での40分間の放置、および室温での10分間の放置をこの順で行い、これらを1つの冷熱サイクルとして、サイクル数を変えていった。そして、本発明者らは、異なるサイクル数のそれぞれの後、マスキング材100の着脱に要する力を調べ、また、いくつかのサイクル数について、マスキング箇所への電解液の侵入の有無を調べた。
図7に示すように、本発明者らは、プッシュプルゲージ20をマスキング材100に接続し、プッシュプルゲージ20によってマスキング材100の着脱に要する力を測定した。
具体的に、本発明者らは、プッシュプルゲージ20によってマスキング材100を押圧し、軸部110を雌ねじ13に押し込んだときに測定される取り付け時の力と、プッシュプルゲージ20を引っ張り、軸部110を雌ねじ13から引き抜いたときに測定される取り外し時の力とを測定した。
図8に示すように、検証の結果、取り付け時の力、および取り外し時の力のいずれもサイクル数によってあまり変化せず、加熱および冷却を経てもマスキング材100の着脱性は維持されることが確認できた。
また、本発明者らは、サイクル回数が0回、20回、50回の場合のそれぞれで、マスキング箇所への液の侵入の有無を確認したところ、いずれの場合も液は侵入していなかった。このことから、加熱および冷却を経てもマスキング材100は良好なシール性を発揮することが分かった。
上の検証実験では、厳しい条件下でのマスキング材100の性能を評価するため、高温乾燥の温度が190℃に設定されたが、電着塗装後の乾燥で想定される一般的な温度は、例えば150〜180℃である。
従って、軸部110、基部120、およびつまみ140を形成している樹脂、およびOリング130の融点が180℃以上であれば、熱による変形が抑制されるため、それらの機能を維持しつつマスキング材100を繰り返し使用できる。
本実施形態と異なりOリング130を用いず、従来のようにマスキング材100とは別に用意されたワッシャを介して金属部材10にマスキング材100を締結しようとすると、作業者は、ワッシャの中央に形成された孔に軸部110を通し、それらを一体にする作業を行った後、マスキングを行わなければならない。
一方、本実施形態では、基部120がOリング130を保持しているため、そのような手間がかからず、マスキング作業に迅速に取り掛かることができる。
また、本実施形態では、溝121の側面に凸部122が形成されているため、Oリング130の保持性が高く、Oリング130が基部120から外れ難い。
これに関し、本発明者らは、1mの高さからマスキング材100の試作品を10回落下させ、Oリング130が基部120から外れるかどうか試験を行った。その結果、Oリング130は1回も外れなかった。また、同試作品に5分間振動を加え続ける振動試験を行ったが、Oリング130は外れなかった。
マスキング材100はつまみ140を有し、軸部110を回転させ易いため、金属部材10へのマスキング材100の取り付け作業が楽である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
例えば、図9に示すように、上記実施形態と異なる軸部210を有するマスキング材200を本発明は含む。軸部210以外の構成については、マスキング材200は上記実施形態と同様である。
軸部210は、径方向に突出したストッパー212を先端に有する。また、軸部210には、先端から基部120側へと延在する隙間214が形成されている。マスキング材200の着脱の際には、作業者は、ストッパー212同士を径方向に近づけて隙間214を狭め、軸部210を細くすることによって雌ねじ13に通す。
マスキング材200は、ストッパー212が金属部材10に引っ掛かって外れ難いため、マスキングした状態をより確実に維持できる。
また、上記実施形態において凸部122のない形態を本発明は含む。この場合、例えば、Oリング130は、溝121に強固に嵌合することによって基部120に保持される。
また、つまみ140のない形態を本発明は含む。また、基部の形状は上記実施形態の基部120のような円盤形状に限定されず、例えば長方体のような形状を有してもよい。
リング形状を有するパッキンは、上記実施形態のようにOリングに限定されず、例えばXリングおよびDリング等、Oリングとは異なる断面形状を有するものを含む。
上記実施形態では、軸部110、基部120、およびつまみ140が例えばテフロン(登録商標)によって形成され、Oリング130が例えばパーフルオロゴムによって形成される。このような構成によれば、マスキング材100は、耐熱性および耐衝撃性に優れるため、高温雰囲気に何度も晒されたり、繰り返し使用される中で例えば金属部材10から取り外されて回収用の箱に投げ入れられる等、雑に扱われたりしても破損し難く、好ましい。しかしながら、本発明は、このようにマスキング材が繰り返し使用される形態に限定されず、使い捨ての形態を含む。
マスキング材は、マスキング箇所を液密に覆うことができ、かつ塗膜乾燥後に簡単に金属部材から取り外せるのであれば、耐熱性を有さず高温乾燥時の熱によって多少変形してもよい。使い捨てのマスキング材は、例えば、一の金属部材に対して取り付けられ、電着塗装およびその後の高温乾燥が済んだ後、金属部材から取り外されて廃棄される。
また、本発明が適用されるマスキング対象物は特に限定されず、例えば、自動車や電車等の車体を構成する金属部材であってもよいし、家電、パソコン、およびスマートフォン等の電気製品に用いられる金属部材であってもよい。
また、本発明は、金属部材にアース端子の接続箇所を設けるために適用されるだけでなく、他の様々な応用が可能である。例えば、表面に塗膜が形成される金属部材同士を溶接し易くするため、溶接個所となるそれらの表面の一部に対して本発明を適用してマスキングを行い、塗膜のない金属部材の露出部を形成してもよい。
10 金属部材、
11 板材、
12 ナット、
13 金属部材に設けられた雌ねじ、
20 プッシュプルゲージ、
100、200 マスキング材、
110、210 軸部、
111 軸部の平滑な外周面、
112 軸部の外周面に形成された雄ねじ、
120 基部、
121 環状の溝、
122 凸部、
130 Oリング(リング形状を有するパッキン)、
131 Oリングおよび基部によって囲まれる空間、
140 つまみ、
212 ストッパー、
214 隙間、
D1 雌ねじの内径、
D2 雌ねじの谷の径、
d 軸部の直径。

Claims (6)

  1. 金属部材に設けられた雌ねじに取り付けられて前記金属部材を覆うマスキング材であって、
    軸部および当該軸部の一端に一体的に形成された基部を有し、
    前記軸部は、前記基部とともに樹脂によって形成されており、前記雌ねじの内径以上の直径を有する平滑な外周面で前記雌ねじに螺合自在であり、
    前記基部は、前記軸部の一端の周方向全体に亘って前記軸部の径方向に張り出しており、リング形状を有するパッキンを前記軸部のまわりで保持している、マスキング材。
  2. 前記樹脂が耐熱性樹脂であるとともに、前記パッキンが耐熱性を有する、請求項1に記載のマスキング材。
  3. 前記樹脂および前記パッキンの融点は、180℃以上である、請求項2に記載のマスキング材。
  4. 前記パッキンは、前記基部において前記軸部のまわりに延在する環状の溝に嵌っており、前記基部は、前記溝の側面に凸部を有する、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載のマスキング材。
  5. 前記基部に対して前記軸部と反対側に板状のつまみを有する、請求項1〜請求項4のうちのいずれか1つに記載のマスキング材。
  6. 雌ねじが設けられた金属部材をマスキング材によって覆うマスキング方法であって、
    前記マスキング材に備えられ樹脂によって形成された軸部を、前記雌ねじの内径以上の直径を有する前記軸部の平滑な外周面で前記雌ねじに螺合させつつ、
    前記軸部の一端に前記樹脂によって一体的に形成されて周方向全体で前記軸部の径方向に張り出す基部を、当該基部で前記軸部のまわりに保持されたリング形状を有するパッキンとともに前記金属部材に近接させていき、
    前記基部および前記パッキンによって前記雌ねじのまわりを密封する、マスキング方法。
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CN113668042A (zh) * 2021-08-25 2021-11-19 维达力实业(深圳)有限公司 电镀产品与电镀遮蔽件自动分离装置

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