JP2017170662A - 感圧記録紙用減感インキの印刷方法 - Google Patents

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秀美 花田
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Abstract

【課題】感圧記録紙の減感に用いる減感インキの印刷において、塗布量を印刷機上で、迅速かつ簡便に測定し、最適な塗布量に制御する感圧記録紙用減感インキの印刷方法に関するものである。【解決手段】本発明は、走行中の印刷物の表面の鏡面光沢度を測定できる鏡面光沢度測定ユニットを2ユニット以上備え、その少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ印刷部位の鏡面光沢度を測定し、他方の少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度を測定し、それらの鏡面光沢度測定ユニットから得られた、減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分を求め、一定範囲内に該差分を保持するようにすることを特徴とする、感圧記録紙用減感インキの印刷方法により達成される。【選択図】図3

Description

本発明は、感圧記録紙の減感に用いる減感インキの印刷において、塗布量を印刷機上で、迅速かつ簡便に測定し、最適な塗布量に制御する感圧記録紙用減感インキの印刷方法に関するものである。
電子供与性の又はプロトン受容性の無色の有機化合物(以下、発色剤と称する)と電子受容性またはプロトン放出性の化合物(以下、顕色剤と称する)との反応にて発色像を得ることは古くから知られている。この現象を具体的に利用したものとして、感圧記録紙(例えば、米国特許第2505470号明細書、同2505489号明細書、同2550471号明細書、同2548366号明細書、同2712507号明細書、同2730456号明細書、同2730457号明細書、同3418250号明細書、同3672935号明細書)、感熱記録紙(例えば、特公昭43−4160号公報、同43−7600号公報、同45−14039号公報、米国特許第2939009号明細書)等が挙げられる。更に、顕色剤を塗布したシートに発色剤を含むインキを供給して着色像を得る印刷方法も知られている(ドイツ特許出願(OLS)1939962号)。
顕色剤とは、上記に定義された性質を有するもので、クレー類、フェノール樹脂類、芳香族カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
一般に感圧記録紙においては、発色像を得るのに前記の発色剤を含んだマイクロカプセル含有層と顕色剤との組合せが用いられ、これを接触させ、筆圧、タイプ圧等によってマイクロカプセルを破壊させ、発色剤と顕色剤を接触させることによって行われる。
一般に、これらの顕色剤は、支持体の全面に均一に塗布された顕色剤シートとして用いられるか、あるいはマイクロカプセル含有層と接触させて、支持体の同一面に塗布され、1枚で感圧記録可能なシートとして用いられるが、感圧記録紙の使用目的によっては、記録不要部分を有することがあり、このような場合には減感剤を含む減感インキを印刷機等によって顕色剤を含むシートの記録不要部分に塗布して減感する方法が採られている。
このような目的で用いられる減感インキについては、例えば米国特許第2777805号明細書、特公昭44−27255号公報、同45−21448号公報、同46−22651号公報、同46−29546号公報、特開昭47−32915号公報、特公昭47−38201号公報、同48−4050号公報、特開昭48−6805号公報、特公昭49−4484号公報、同49−19647号公報、同49−23008号公報、同49−23850号公報、特開昭49−43708号公報、同49−72009号公報、同49−77709号公報、同49−77710号公報、同49−15513号公報、同49−83509号公報、ドイツ特許出願(OLS)2343800号、同23590759号、同2361856号、特公昭58−38119号公報、等に詳述されている。
上記目的で使用される感圧記録紙用減感インキ(以下、単に減感インキと称することもある)は、一定塗布量以上塗設されないと減感効果は充分発現せず、また不要に塗布量が多過ぎるとセットオフ(減感インキの転写汚れ)、減感インキの抜け等、重大な問題を引き起こす。
減感インキの塗布量を知る方法として、感圧記録紙の減感インキ塗布部分と、電子供与性有機発色剤の含有濃度の異なる溶液を接触させて、該発色剤の発色臨界濃度を検出し、この検出値を予め作成している減感インキ塗布量と発色臨界濃度との相関曲線によって減感剤の塗布量を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、支持体上に単位面積当たり塗布されている発色剤及び/または塗布されている発色剤種が異なる2ヶ所以上の部位が設けられている減感インキ塗設量チェック用紙が知られている(例えば、特許文献2参照)。更に、支持体上に塗布されている発色剤と顕色剤の量及び/または比が異なる2ヶ所以上の部位が設けられている減感インキの塗布量の塗設量チェック用紙が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの技術によって減感インキの塗布量は知り得ても、例えば減感インキを印刷装置により印刷する場合等では、一度印刷機を停止して試料を採取しなければならず、印刷中の減感インキの塗布量の変動には対応できなかった。
特開昭58−36483号公報 実開昭61−175468号公報 実開昭61−175469号公報
本発明の目的は、感圧記録紙の減感に用いる減感インキの印刷において、塗布量を印刷機上で、迅速かつ簡便に測定し、最適な塗布量に制御する感圧記録紙用減感インキの印刷方法に関するものである。
本発明者らは、印刷機上で、減感印刷直後の減感インキ塗布部位である減感インキ印刷部位の鏡面光沢度及び減感インキが印刷されていない減感インキ非塗布部位である減感インキ非印刷部の鏡面光沢度との差分を求め、一定範囲内に該差分を保持するようにすることにより、該インキの塗布量を制御する印刷方法を発明するに至った。
すなわち、本発明は、走行中の印刷物の表面の鏡面光沢度を測定できる鏡面光沢度測定ユニットを2ユニット以上備え、その少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ印刷部位の鏡面光沢度を測定し、他方の少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度を測定し、それらの鏡面光沢度測定ユニットから得られた、減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分を求め、一定範囲内に該差分を保持するようにすることを特徴とする、感圧記録紙の減感インキ印刷方法により達成される。
本発明により、感圧記録紙の減感に用いる減感インキの塗布量を、印刷機上で迅速かつ簡便に測定することにより、充分な減感効果が得られ、かつセットオフのない感圧記録紙の減感インキ印刷方法を提供することができる。
また、従来の減感インキの塗布量の検知方法では、一度印刷機を停止して試料を採取しなければならないという欠点があったが、本発明によれば、印刷中においても減感インキの塗布量の測定が可能となり、鏡面光沢度の差分の増減(すなわち、該差分から求められる減感インキの塗布量の増減)に対応して、印刷機における減感インキの塗布量を調整することにより、印刷中でありながら減感インキの塗布量の変動に対応でき、印刷機停止によるロス及び損紙の低減も可能となる秀逸な効果を有する。
減感インキ塗布量と鏡面光沢度の関係を表す図。 本発明による減感インキ塗布量測定の模式図。 本発明による減感インキ塗布量測定に係る装置の構成を示す概略図。
本発明者らは、減感インキの塗布量を変化させて印刷した際に、減感インキの塗布量に比例して減感インキ印刷部位の鏡面光沢度が上昇するという点に着目し、鋭意研究の結果、鏡面光沢度とインキ塗布量の関係を見出した。
図1に、減感インキ塗布量と鏡面光沢度の関係を示す。減感インキは、一般に、減感剤とビヒクルと顔料で構成され、そのうちの減感剤が感圧記録紙の顕色剤層2に浸透することにより顕色剤としての機能を失わせ、すなわち減感効果が得られる。減感インキの塗布量が少ない場合(3a)は、これら減感剤およびビヒクルが浸透し、感圧記録紙の表面の鏡面光沢度は高くならないが、減感インキの塗布量が多くなるほど(3b)、感圧記録紙の表面を覆う減感インキ層が厚くなり、鏡面光沢度が高くなる現象が観測される。
しかしながら、この減感インキ層の鏡面光沢度は、感圧記録紙の初期光沢値(減感インキを印刷していない場合の顕色剤層表面の光沢値)に依存するものであるため、感圧記録紙の種類・紙厚等により、同じ減感インキの塗布量でも必ずしも鏡面光沢度が同じにはならない。この感圧記録紙自体の依存性を取り除くために、減感インキの印刷部と非印刷部の鏡面光沢度を同時に測定し、その鏡面光沢度の差(差分)を求めて、減感インキ塗布量と相関のある値にする。
図2に減感インキ塗布量測定の模式図を示す。一般的に、減感インキによる印刷は、感圧記録紙の紙面の一部分のみを失活させることを目的とするから、減感インキの非印刷部位が存在する。そのため、減感インキの印刷部位5と、非印刷部位の鏡面光沢度を同時に測定(6a、6b)し、その値の差を求めれば感圧記録紙の種類・紙厚等による感圧記録紙固有の鏡面光沢度の違いが取り除かれるため、都合が良い。
次に、減感インキ印刷中における鏡面光沢度の測定方法を説明する。
減感インキを印刷する印刷機に、感圧記録紙表面(減感インキ印刷面)の鏡面光沢度を測定できる鏡面光沢度測定ユニットを2ユニット以上用意し、その少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ印刷部位の鏡面光沢度を測定でき、他方の少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度を測定できるように設置する。これらの鏡面光沢度測定ユニットは、走行中の印刷物の表面の鏡面光沢度を測定できるものである。
感圧記録紙における減感インキ印刷部位は、オーダーにより異なることから、少なくとも鏡面光沢度測定ユニットの1つが減感インキ印刷部位の鏡面光沢度を測定できるよう、少なくとも印刷機の印刷方向と直角方向(感圧記録紙の幅方向)に移動可能になっていることが好ましく、減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度を測定する鏡面光沢度測定ユニットも移動可能になっていることがより好ましい。また、減感インキ印刷部位及び減感インキ非印刷部位のそれぞれを測定する鏡面光沢度測定ユニットがそれぞれ2ユニット以上設けておけば、より正確な鏡面光沢度の測定が可能になるので更に好ましい。
本発明に係る鏡面光沢度測定ユニットとしては、JIS P8142:2005に規定する、75度鏡面光沢度に準じた投光器と受光器で構成されるセンサーが挙げられる。減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分は、例えば鏡面光沢度測定ユニットAにおいては減感印刷直後の減感インキ塗布部位に投光器から光源光を照射し、減感インキ塗布部位からの反射光を受光器で受光し、受光した反射光を電気的数値に変換した値と、鏡面光沢度測定ユニットBにおいて減感印刷直後の減感インキ非塗布部位に投光器から光源光を照射し、減感インキ非塗布部位からの反射光を受光器で受光し、受光した反射光を電気的数値に変換した値を求め、鏡面光沢度測定ユニットAで得られた値と、鏡面光沢度測定ユニットBで得られた値の差を計算することにより求めることができる。
本発明に係る鏡面光沢度測定ユニットにおいて、投光器の光源としては75度鏡面光沢度測定に一般的に用いられている光源を使用することができる。例えば、白熱電球、蛍光灯、ハロゲンランプ、半導体発光素子、レーザー発光素子等である。また、受光器としては75度鏡面光沢度測定に一般的に用いられている受光器を使用することができる。例えば、CCDカメラ、ラインCCDカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、光電子倍増管、CdS素子等である。
更に、本発明による減感インキ塗布量測定に係る装置の構成を、図3を参照しながら説明する。
給紙部301に配置されたロール紙(感圧記録紙)が、インフィード部302と折り機330を介して一定のテンション(張力)を与えられ、減感インキ印刷ユニットを通過して、減感印刷が行われる。図示していないが、減感印刷ユニットと同時に絵柄を印刷する目的で、印刷ユニットを配置する場合の、印刷ユニットの色の順番や数は任意である。
印刷ユニットは、印刷用紙を上下から挟む圧胴310とブランケット胴311と接触している版胴312と、インキ壷315からのインキを版胴312に伝えるとともに水舟313から版胴312に湿し水を伝える多数のインキローラー群314とからなる。図示していないが、インキ壷315には「インキキー」と呼ばれる、インキ供給量を調節する機構が設けられ、このキーの開度を調整することにより、版胴314に与えられるインキ供給量が調整される。インキキーはローラーの軸方向(紙面に垂直な方向)に沿って多数設けられており、絵柄を印刷物(ロール紙)の走行方向に沿った線で分割した細長いインキキーゾーン毎にインキ供給量を調整することが可能となっている。また、図示してはいないが、インキ壷315からインキローラー群314にインキを供給しているインキ呼び出しローラーは、インキ壷315のインキローラーと、インキローラー群314の間を往復する機構になっており、往復の時間的間隔を変化させることによってもインキ供給量は調整できる。従って、インキ供給量、言い換えると、インキ塗布量を調節する機構としては、「インキキー」と「インキ呼び出しローラー」とがある。
減感インキ印刷ユニット303から出た印刷物は、ミシン目装置などを設置した加工部320、折り機330へと導かれ、最終印刷物とされる。この減感インキ印刷ユニット303と折り機330との間の印刷物の走行路に鏡面光沢度測定ユニットA(322)と鏡面光沢度測定ユニットB(323)が設けられる。鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBは、非接触で減感インキ印刷部位及び非印刷部位の75度正反射光の量を測定する。ただし、鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBと印刷物の表面との間隔が大きいと、外乱光の影響を受けるので、正確な反射光の量が得られないため、遮光などの配慮を行うことが望ましい。
絵柄は周期的に連続して印刷されるので、測定を絵柄の領域と同期させるために、印刷物の走行状態を把握するロータリーエンコーダー321が、印刷ユニット内の版胴312、折り機330の胴、ウェブパスローラーの何れかに取り付けられる。ロータリーエンコーダー321は鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBの設置部位の直近のローラーに取り付けることが好ましい。
ロータリーエンコーダー321は、印刷物の走行に同期するローラーの所定回転毎にパルスを発生する。測定データー処理部324では、ロータリーエンコーダー321の出力パルスに応じて鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBで得られた測定値を演算する。その演算値は、測定値演算部および測定結果モニター325に伝えられる。
上述したように、減感インキの塗布量を調節する機構としては、インキキーの開度とインキ呼び出しローラーとがあるが、それぞれの機構からインキキーは主に印刷幅方向のインキ塗布量の調節に向き、インキ呼び出しローラーは主に全体のインキ塗布量の調整に向くので、減感インキのインキ塗布量の調整は、インキキーの開度とインキ呼び出しローラーの呼び出し量とを適宜変えることにより行われる。
例えば、減感インキ印刷部位の減感インキの塗布量が、感熱記録紙の幅方向で偏りがあると思われる場合には、当該部位の幅方向に鏡面光沢度測定ユニットAを移動させ、鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBの値の差分が、予め求められた所定の差の範囲を超えた場合、測定値演算部および測定結果モニター325のモニターにより、印刷作業者に警告を与え、印刷作業者はその指示に従いインキ呼び出しローラーを操作し減感インキ塗布量を調整する方法や、インキキーのそれぞれの開度とインキ呼び出しローラーの呼び出し量との適宜をコンピュータにより判断し、モニターにより適宜の警告を与える方法等が挙げられる。
また、鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBの値の差分は、減感インキの塗布量と線形であるから、予め求められた所定の差分の範囲というのは、減感効果が充分に発現する鏡面光沢度の差分を下限、セットオフを誘発する鏡面光沢度の差分を上限とする範囲である。所定の差分内に減感インキの塗布量、すなわち鏡面光沢度の差分を調整できれば、本発明の目的は達せられるが、塗布量の変動は緩やかであるし、塗布量を変化させても版胴上でのインキ量が変化するまでに時間がかかるので、該変化を見越して各々幾分か内側に範囲を設定することが好ましく、上記の上限下限の中心値付近に設定することがより好ましい。
鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBは、減感インキの印刷部位と非印刷部位を測定するようにする必要があるため、印刷する図柄が変更になった時のことを考え、横方向に手動で動かし、固定する機構を付けることが望ましい。
また、鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBは、適宜校正されることが望ましいが、その方法に関してはJIS P8142:2005の5.2に示される方法が望ましい。
測定対象印刷物として、全ての印刷物を測定すれば、減感インキの塗布量の変動に直ぐに対処できるが、塗布量の変動は緩やかであるし、塗布量を変化させても版胴上でのインキ量が変化するまでに時間がかかるので、測定は数十サンプル毎でも構わない。
以上説明したように、印刷機に鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBを取り付けることにより、それぞれの鏡面光沢度測定ユニットから得られた、減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分を、予め求めておいた該差分外になったときにインキ呼び出しローラー等を調整すれば、減感インキ量の調整を行うことができるので、大量の不良印刷物を発生することなく、印刷物の減感インキ量を揃えることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。上述の説明では、インキ塗布量は減感インキ塗布面と減感インキ非塗布面の反射光の差と定義されているが、鏡面光沢度測定ユニットAおよび鏡面光沢度測定ユニットBがJIS P8142:2005に準拠するものであれば、得られた値は75度鏡面反射度であるため、印刷機が複数台に渡る場合でも鏡面光沢度測定ユニットAと鏡面光沢度測定ユニットBの差が75度鏡面反射度の差で示すことができるため、管理が容易になる。
試験例として、感圧記録紙用減感インキを使用して印刷を行ったときの種々条件について、以下に示す。
<印刷速度>150m/min
<印刷に使用した用紙>三菱NCR紙N40下用紙 三菱製紙株式会社製
<減感インキ>三菱NCR紙スーパーオフセット減感インキTO−1 三菱製紙株式会社製
<給湿液>5%IPA−0.2%SEVENSTAR(大日精化社製)の混合液
<使用刷版>FNS−A 0.24mm(富士写真フイルム社製)
<印刷機>フォーム印刷機:MVF−18D(株式会社ミヤコシ製)
[減感インキの適正塗布量を知るための予備印刷例]
上記印刷機の加工部上に、光源およびカメラを光軸が75°になるように配置した。
<光源>LED光源:SPL−100A(中央精機社製)
<カメラ>16bit階調:Alta U260( Apogee社製)
LED光源からの出射光を、被測定物に照射し、反射した光をコリメータ光学系で平行光にしたものを、反射光量の分布としてCCDカメラにより測定し、その最大値を鏡面光沢度とした。出射角度、測定角度は、JIS P8142:2005に準じて各々75°とした。
なお、原紙面の光沢度は、予め上記用紙を印刷時の印刷速度と同じ速度で空通しし、ほぼ一定値であることを確認した。
印刷機のインキキー開度を45に設定の上、インキ呼び出しローラーの呼び出し量を2.0から8.0まで1.0刻みで変化させ、感圧記録用紙の顕色剤面に、減感インキを印刷した。得られた印刷物の、減感インキ印刷部に、三菱NCR紙N40中用紙の発色剤面を接触するように重ねてボールペンで筆記し、減感効果が充分であるか確認した。あわせて、減感インキ印刷部に、三菱NCR紙N40下用紙の顕色剤層が当たるように重ねて、10kgの荷重をかけ、3日後に三菱NCR紙スーパー用減感チェッカーを吹き付け、セットオフ(減感インキの転写汚れ)があるかを確認した。
あわせて、該減感インキには、顔料として酸化チタンが含有されていることを利用し、印刷物の減感インキ印刷部を波長分散小型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製Supermini200)にて酸化チタンの定量分析を行い、減感インキの塗布量を測定した(表1中の(キ))。
表1に、減感効果(イ)、セットオフの有無(ウ)、減感インキ印刷部の鏡面光沢度(エ)、非印刷部の鏡面光沢度(オ)、およびこれらの光沢度差(カ)、並びに減感インキ塗布量(キ)を示す。評価は、減感効果(イ)の場合、×:減感効果が充分でなく、ボールペンで書いた跡が発色するもの、△:減感効果が現れているが、まだ不充分でありボールペンで書いた跡がわずかに発色するもの、○:減感効果が充分で、ボールペンで書いた跡が発色しないもの、またセットオフ(ウ)の場合、○:セットオフがないもの、△:セットオフがわずかに視認できるもの、×:セットオフが確認できるものとしている。
Figure 2017170662
上記結果より、減感インキ塗布量(g/m2)=0.0012×(鏡面光沢度の差分)+0.3619となった。なお、相関係数rは0.984であり、減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分は、減感インキ塗布量と高い相関があるといえる。
また、表1より、減感効果が充分で、かつ、セットオフを起こさない減感インキの塗布量の範囲は、光沢度差では799〜858で示される。この範囲になるように光沢度差を管理すれば、最適な減感インキ塗布量が維持されるが、さらに830前後で管理するならば、最適な減感インキ塗布量の印刷物が得られる。
[印刷例]
試験例より、図3中の測定値演算部および測定結果モニター325に、光沢度差の範囲を800〜860にセットし、光沢度差が左記範囲外にある場合は警告を発するようにして印刷した他は、試験例と同様に印刷した。
[印刷例1]
印刷機のインキキー開度(ク)を45に設定の上、インキ呼び出しローラーの呼び出し量(ケ)を4.5にセットして印刷した。モニターに表示される光沢度差(コ)は828で、設定範囲内であった。
[印刷例2]
実施例1に引き続き、印刷機のインキキー開度(ク)を20に設定の上印刷した。モニターに表示される光沢度差(コ)は徐々に減少していき、313前後で安定した。この値は設定範囲外であり、印刷途中から測定結果モニター325から警告が発せられた。
[印刷例3]
実施例2に引き続き、インキ呼び出しローラーの呼び出し量(ケ)を設定範囲内に収まるようにインキ呼び出しローラーの呼び出し量(ケ)を上げた。測定結果モニター325からの警告が解除たされたときの光沢度差(コ)は810であり、インキ呼び出しローラーの呼び出し量は6.7であった。
[印刷例4]
実施例3に引き続き、印刷機のインキキー開度(ク)を60に設定の上印刷した。モニターに表示される光沢度差(コ)は徐々に上昇していき、1127前後で安定した。この値は設定範囲外であり、印刷途中から測定結果モニター325から警告が発せられた。
[印刷例5]
実施例4に引き続き、インキ呼び出しローラーの呼び出し量(ケ)を設定範囲内に収まるようにインキ呼び出しローラーの呼び出し量(ケ)を下げた。測定結果モニター325からの警告が解除たされたときの光沢度差(コ)は857であり、インキ呼び出しローラーの呼び出し量は3.2であった。
評価は、印刷例1〜5で得られた印刷物に対して、予備印刷例と同じく、減感効果(サ)の場合、×:減感効果が充分でなく、ボールペンで書いた跡が発色するもの、△:減感効果が現れているが、まだ不充分でありボールペンで書いた跡がわずかに発色するもの、○:減感効果が充分で、ボールペンで書いた跡が発色しないもの、またセットオフ(シ)の場合の場合、○:セットオフがないもの、△:セットオフがわずかに視認できるもの、×:セットオフが確認できるものとしている。
Figure 2017170662
表2の結果から、予備印刷例で求められた、適正範囲内であれば良好な印刷物を得ることができた。
以上説明したように、本発明によれば、減感インキの塗布量を測定する場合、一度印刷機を停止し試料を採取することなく、印刷中の減感インキの塗布量を連続的に測定することで、大量の不良印刷物を発生することなく、印刷物の減感インキ量を揃えることができる。
1 感圧記録紙の基材
2 感圧記録紙の顕色剤層
3a 塗布量が少ないときの減感インキ層
3b 塗布量が多いときの減感インキ層
4 感圧記録紙
5 減感インキの印刷部位
6a 減感インキ印刷部位の鏡面光沢度の測定点
6b 減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度の測定点
7 LED光源
8a、8b コリメーターレンズ
9 CCDカメラ
301 給紙部
302 インフィード部
303a、303b、303c、303d 印刷ユニット
310 圧胴
311 ブランケット胴
312 版胴
313 水舟
314 インキローラー群
315 インキ壷
320 加工部
321 ロータリーエンコーダー
322 鏡面光沢度測定ユニットA
323 鏡面光沢度測定ユニットB
324 測定データー処理部
325 測定値演算部および測定結果モニター
330 折り機

Claims (1)

  1. 印刷機を使用した印刷方法であって、走行中の印刷物の表面の鏡面光沢度を測定できる鏡面光沢度測定ユニットを2ユニット以上備えた印刷機で、その少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ印刷部位の鏡面光沢度を測定し、他方の少なくとも1つの鏡面光沢度測定ユニットが減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度を測定し、それらの鏡面光沢度測定ユニットから得られた、減感インキ印刷部位の鏡面光沢度と減感インキ非印刷部位の鏡面光沢度との差分を求め、一定範囲内に該差分を保持するようにすることを特徴とする、感圧記録紙用減感インキの印刷方法。
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