次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前方へ開口するよう形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される基体11,12と、前記基体11,12の前側開口を覆うよう当該基体11,12に対して開閉可能に支持されて遊技機前面を形成する前面部材13とを備えており、当該基体11,12や前面部材13を設置基材として各種部材を設置することで遊技機が構成されるようになっている。具体的に、パチンコ機10の基体は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、本体枠としての中枠12を開閉および着脱可能に組み付けて構成されており、当該中枠12に遊技盤20が着脱可能に配設されている。また、前記遊技盤20の後側には、所定の始動条件の成立(後述する各始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。なお、実施例では、前記表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、実施例では、後述する各種のエラーが発生した際に、該エラーが発生したことを示すエラー報知を実行する報知手段として表示装置17が機能するよう構成される。
そして、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された前記前面部材としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板13bが窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。図1に示す如く、前記前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様に演出実行手段としての機能を有している。また、ランプ装置18やスピーカ19は、エラーが発生した際にエラー報知を実行し得るよう構成されており、該ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様にエラー報知を実行する報知手段としての機能を有している。
前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球(遊技媒体)を貯留可能な球受け皿(貯留部)14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
前記パチンコ機10(実施例では前枠13)の前面右下部位置には、打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下経路21a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路21b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、操作レバー16aを操作してパチンコ球を遊技領域21に打ち出すことで、当該パチンコ球が後述する各種の入球部に入球等することで所定の遊技が行われるようになっている。
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の後側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール23によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域21が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域21内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、該遊技盤20との間に収容空間を画成する設置部材(図示せず)が配設されており、収容空間には、発光により演出を行う発光演出装置や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段が設置されている。なお、前記表示装置17は、設置部材の後側に取り付けられて、後述するように設置部材に設けた開口部(可視部)および枠状装飾体25(後述)の開口部25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域21内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に開口するアウト口22が開設されており、遊技領域21に打ち出されてアウト口22に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘24が設けられると共に、後述する枠状装飾体25の左側方に、遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材29が回転自在に支持されており、遊技釘24や回転案内部材29との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材29は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材29の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例の前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記案内レール23で囲まれた遊技領域21の略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の開口部25aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記設置部材は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の後面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材とがネジにより固定される。また、前記設置部材の背面板には、前記枠状装飾体25の開口部25aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部が前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の後側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部を介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体25は、図2に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域21と表示装置17の表示部17aとを区切って該遊技領域21の内周を画成する庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部25cとを備える。そして、前記枠状基部を装着口に挿入すると共に台板部25cを遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部25bは、枠状装飾体25の開口部25aを囲繞するように連続して延在するように設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)したり、前記遊技釘24に接触して跳ねたパチンコ球が開口部側に進入するのを規制している。また庇状部25bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部25b上で滞ることなく枠状装飾体25の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体25の外側に画成される遊技領域21は、図2に示す如く、該枠状装飾体25の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路21aおよび枠状装飾体25の右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路21bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域21内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1球流下経路21aまたは第2球流下経路21bの何れかを流下するよう構成される。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する場合に較べて後述する始動入賞部30,31、特別入賞部36,39およびゲート部48にパチンコ球が入賞(入球)する可能性が高くなるよう構成される。より具体的には、第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合は、始動入賞部30,31、特別入賞部36,39およびゲート部48にパチンコ球が入賞(入球)する確率は0%に設定されている。
(入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、第1特別入賞部36、第2特別入賞部39、ゲート部48、普通入賞部45)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、第1特別入賞部36、第2特別入賞部39およびゲート部48が前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bに位置するよう入球部としての普通入賞部45が夫々配置されており、各球流下経路21a,21bを流下するパチンコ球が対応する普通入賞部45に入賞し得るようになっている。
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25の下方位置に、遊技領域21に臨んで該遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞部30が配設されると共に、該第1始動入賞部30の下方に第2始動入賞部31が配設されている。また、枠状装飾体25の左側部に、遊技領域21(第1球流下経路21a)に臨んで該遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が配設されている。また、枠状装飾体25の上部左寄りの位置に、遊技領域21(第1球流下経路21a)に臨んで第1特別入賞部36が配設されると共に、該枠状装飾体25の左側部に、遊技領域21(第1球流下経路21a)に臨んで第2特別入賞部39が配設されている。
(始動入賞部30,31について)
前記第1および第2始動入賞部(入球部)30,31は、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(入球口)30a,31aが設けられる。ここで、第1始動入賞部30は、第1始動入賞口30aが遊技領域21に常時開放する常時開放型の入賞部とされ、第2始動入賞部31は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口31aが始動用開閉部材(開閉手段)31bにより開閉される開閉型の入賞部とされている。なお、第2始動入賞部31は、始動用開閉部材31bを開閉作動する始動入賞ソレノイド32(図3参照)を備え、該始動入賞ソレノイド32がパチンコ機10の後側に配置されたメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御されるよう構成される。
前記第1および第2始動入賞部30,31は、該第1および第2始動入賞口30a,31aに入賞したパチンコ球を検知する始動入賞検知手段(第1検知手段,第2検知手段,球検知手段)としての始動入賞検知センサ34,35(図3参照)が設けられている。前記始動入賞検知センサ34,35は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、始動入賞検知センサ34,35からの検知信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、始動入賞検知センサ34,35からの検知信号の入力を賞球の払出条件として払出制御基板90に制御信号を出力して球払出装置(払出手段)91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。また、第1および第2始動入賞検知センサ34,35によるパチンコ球の検知(すなわち第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件(遊技開始条件,始動条件)として、該開始条件の成立を契機として前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が各種入賞情報(大当り判定用乱数等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出を実行するように、該表示装置17を後述するサブ制御基板65,70が制御するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、始動入賞検知センサ34,35がパチンコ球を検知したことを特定条件の成立として、該特定条件の成立を契機としてメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が当り判定を行うよう構成されている。
また、前記表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17に所定の当り表示(予め定められた特定表示)となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で図柄(飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技という)が付与され、大当り遊技の発生に伴って第1特別入賞部36の第1特別入賞口36aや第2特別入賞部39の第2特別入賞口39aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、実施例では、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられる大当り遊技が、遊技者に有利な有利状態となっている。
(第1特別入賞部36について)
前記第1特別入賞部(特別入賞部,入球部)36は、遊技領域21(第1球流下経路21a)に開口する第1特別入賞口(特別入賞口)36aを開閉自在に閉成する第1特別用開閉部材(開閉手段)36bを備えており、駆動手段としての第1特別入賞ソレノイド37(図3参照)の駆動に伴って第1特別用開閉部材36bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記第1特別入賞部36には、前記第1特別入賞口36aに入賞したパチンコ球を検知する特別入賞検知手段(第1検知手段,第2検知手段,球検知手段)としての第1特別入賞検知センサ38(図3参照)が設けられている。第1特別入賞検知センサ38は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、第1特別入賞検知センサ38がパチンコ球を検知(すなわち第1特別入賞口36aへのパチンコ球の入賞による検知条件の成立)すると、検知信号をメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に出力し、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、第1特別入賞検知センサ38からの検知信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置(払出手段)91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記第1特別入賞ソレノイド37は、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞を契機として第1特別入賞口36aを開閉する大当り遊技が付与される場合(特定条件判定手段での判定結果が肯定の場合)に、前記表示装置17による図柄変動演出の終了後にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御される。実施例のパチンコ機10では、第1特別用開閉部材36bの開閉態様が異なる複数種類の大当り遊技が設定されており、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技の種類に応じた開閉条件に従って第1特別入賞ソレノイド37を駆動制御するよう構成される。実施例のパチンコ機10では、第1特別入賞ソレノイド37が駆動制御されて第1特別入賞口36aが開放した状態(第1特別入賞ソレノイド37の作動中)が有効状態として設定されている。
(第2特別入賞部39について)
前記第2特別入賞部(特別入賞部,入球部)39は、遊技領域21(第1球流下経路21a)に開口する第2特別入賞口(特別入賞口)39aを開閉自在に閉成する第2特別用開閉部材(開閉手段)39bを備えており、駆動手段としての第2特別入賞ソレノイド40(図3参照)の駆動に伴って第2特別用開閉部材39bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記第2特別入賞部39には、前記第2特別入賞口39aに入賞したパチンコ球を検知する特別入賞検知手段(第1検知手段,第2検知手段,球検知手段)としての第2特別入賞検知センサ41(図3参照)が設けられている。第2特別入賞検知センサ41は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、第2特別入賞検知センサ41がパチンコ球を検知(すなわち第2特別入賞口39aへのパチンコ球の入賞による検知条件の成立)すると、検知信号をメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に出力し、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、第2特別入賞検知センサ41からの検知信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、第2特別入賞ソレノイド40は、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、メイン制御基板60における大当り抽選の結果として大当りが発生した場合に、当該大当り遊技中における所定のタイミングで第2特別用開閉部材39bを開閉作動して第2特別入賞口39aへのパチンコ球の入賞を許容し得るよう構成される。
前記第2特別入賞部39は、前記第2特別入賞口39aに連通する入賞通路と、該入賞通路から分岐する分岐通路とを備えている。また第2特別入賞部39は、入賞通路に対する分岐通路の分岐位置に、当該入賞通路を流下するパチンコ球を分岐通路に案内し得る案内体が設けられると共に、当該案内体を作動する駆動手段としての切替えソレノイドを備えている。前記案内体は、前記入賞通路を開放する一方で分岐通路の球入口を閉鎖する第1姿勢と、分岐通路の球入口を開放する一方で入賞通路を閉鎖する第2姿勢とに変位し得るよう設けられており、切替えソレノイドの駆動に伴って案内体を第1姿勢から第2姿勢に姿勢変位することで、入賞通路を流下するパチンコ球を分岐通路に分岐させ得るようになっている。ここで、前記第2特別入賞部39は、常には案内体が第1姿勢に保持され、大当り遊技の当選に伴って特定ラウンドにおいて案内体を第1姿勢から第2姿勢に姿勢変位するよう切替えソレノイドが駆動制御される。
前記第2特別入賞検知センサ41は、前記入賞通路における分岐通路の分岐位置より下流側に配設されている。また、前記第2特別入賞部39は、分岐通路を通過するパチンコ球を検知する特定領域入球検知手段としての特定領域入球検知センサ42が設けられている。特定領域入球検知センサ42は、第2特別入賞検知センサ41と同様に前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図3参照)、特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知すると、検知信号をメイン制御基板60に出力するよう構成される。なお、第2特別入賞部39は、第2特別用開閉部材39bにより第2特別入賞口39aを常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、大当り遊技(当り遊技)中の所定のタイミング(特定ラウンド)で第2特別入賞口39aを開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。また、第2特別入賞部39では、大当り遊技の特定ラウンドにおいて第1姿勢から第2姿勢に姿勢変位された案内体を、前記特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知したことを条件として第2姿勢から第1姿勢に姿勢変位するよう切替えソレノイドが駆動制御される。
ここで、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技後の遊技状態として、遊技者に有利な特典である後述する確変状態を付与するか否かを、特定の種類の大当り遊技(特定大当り遊技)における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞部39における第2特別入賞口39aを開放させて、当該特定ラウンド中に該第2特別入賞口39aに入ったパチンコ球が前記特定領域入球検知センサ42で検知されるか否か(特定領域にパチンコ球が入球したか否か)により決定するよう構成されている。すなわち、特定大当り遊技における特定ラウンド(例えば5回目のラウンド)において、第2特別入賞部39の特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知した場合(すなわち特定領域にパチンコ球が入球した場合)に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定するよう構成されている。また特定大当り遊技における特定ラウンドにおいて、第2特別入賞部39の特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知しない場合(すなわち特定領域にパチンコ球が入球しなかった場合)は、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定しない(非確変状態の付与を決定する)よう構成されている。すなわち、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技における特定ラウンド中に特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知した場合に、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定する特定状態付与決定手段としての機能を有している。また、実施例の第2特別入賞部39における分岐通路は、特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知することで確変状態(特定状態)を付与する特定領域として機能している。
(ゲート部48について)
前記ゲート部48には、該ゲート部48をパチンコ球が通過したことを検知する検知手段(第1検知手段,第2検知手段,球検知手段)としてのゲートセンサ49(図3参照)が配設される。ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)への検知信号の入力、すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過による検知条件の成立)に伴って各種通過検知情報(乱数等の遊技情報)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果、第2始動入賞口31aを開閉する普図当り遊技が付与される場合に、前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動用開閉部材31bが開閉動作するようになっている。
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記普通入賞部(入賞部,入球部)45は、前記遊技領域21の左下部位置(第1球流下経路21a)および右下部位置(第2球流下経路21b)において、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口45aが上方に常時開放するよう前記遊技盤20に設けられており、第1球流下経路21aまたは第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口45aに入賞し得るようになっている。普通入賞部45は、普通入賞口45aに入賞したパチンコ球を検知する入賞検知手段(第1検知手段,第2検知手段,球検知手段)としての普通入賞検知センサ47(図3参照)が設けられている。前記普通入賞検知センサ47は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、普通入賞検知センサ47からの検知信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。
実施例のパチンコ機10は、複数種類のエラーの夫々を個別に検知可能な複数のエラー検知手段(検知手段)を備えている。エラー検知手段として、振動を検知する振動検知センサ200、電波を検知する電波検知センサ201、磁気を検知する磁気検知センサ202、パチンコ球が貯留される貯留部の満杯状態を検知する満杯検知センサ203、前記中枠(基体)12に対して前枠(前面部材)13が開放していることを検知する開放検知センサ204等を、実施例のパチンコ機10は備えている。なお、エラー検知手段の内、振動検知センサ200、電波検知センサ201および磁気検知センサ202は、パチンコ機10に対する不正行為を検知するための不正検知センサ(不正検知手段)である。以下に、振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202、満杯検知センサ203、開放検知センサ204について説明する。また、エラー検知手段としては、その他の種類のエラーを検知可能な各種のセンサを備えることができる。
(振動検知センサ200)
実施例のパチンコ機10は、遊技盤20の振動を検知可能な振動検知センサ(振動検知手段,第1検知手段,第2検知手段,不正検知手段)200を備えている(図3参照)。この振動検知センサ200は、例えば所定の周波数の衝撃を検知すると2つの状態系のバランスが変化するマルチバイブレータ回路を備えており、遊技者が当該パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いた場合に、これによる振動を検知してメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)へ検知信号を出力するようになっている。これにより、パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いて遊技盤20に衝撃を与えることで、各種入賞口30a,31a,36a,39a,45aに入賞したパチンコ球が対応する検知センサ34,35,38,42,47で検知される際にチャタリング等を発生させて複数個のパチンコ球が入賞した(検知した)ものとする不正行為等を認識することが可能となっている。また、振動検知センサ200からの検知信号(振動検知信号,検知信号,不正検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は振動検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
(電波検知センサ201)
実施例のパチンコ機10は、電波出力機器から出力された電波を検知可能な電波検知センサ(電波検知手段,第1検知手段,第2検知手段,不正検知手段)201を備えている(図3参照)。この電波検知センサ201は、前記始動入賞検知センサ34,35が、遊技盤20の前側において電波出力機器から出力された電波を検知可能な場合に該電波を検知可能な姿勢、位置に配設されており、電波を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号を出力する。従って、電波出力機器を使用した始動入賞検知センサ34,35に対する不正行為を、電波検知センサ201により認識することが可能となっている。また、電波検知センサ201からの検知信号(電波検知信号,検知信号,不正検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は電波検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
(磁気検知センサ202)
実施例のパチンコ機10は、磁気発生機器から出力された磁気を検知可能な磁気検知センサ(磁気検知手段,第1検知手段,第2検知手段,不正検知手段)202を備えている(図3参照)。この磁気検知センサ202は、遊技盤20の前側において磁気発生機器から発生した磁気を、前述した各入賞検知センサ34,35,38,42,47が検知可能な場合に該磁気を検知可能な姿勢、位置に配設されており、磁気を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号を出力する。従って、磁気発生機器を使用した各入賞検知センサ34,35,38,42,47に対する不正行為を、磁気検知センサ202により認識することが可能となっている。また、磁気検知センサ202からの検知信号(磁気検知信号,検知信号,不正検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は磁気検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
ここで、前記振動検知センサ200、電波検知センサ201および磁気検知センサ202等の不正検知センサは、検知対象となる振動、電波および磁気を検出する値(検出値)が変動した(具体的には予め設定された閾値より検出値が高くなった)場合に、検知信号を出力するよう構成されている。言い替えると、不正検知センサは、パチンコ機10に対して振動、電波および磁気等によって不正行為が行われた際に変動した検出値に基づいて検知信号(不正検知信号)を出力するようになっている。
(満杯検知センサ203)
実施例のパチンコ機10は、前記上下の球受け皿14,15に貯留されたパチンコ球が所定量に達したか否か(満杯)を検知する満杯検知センサ(満杯検知手段,第1検知手段,第2検知手段)203を備えている(図3参照)。この満杯検知センサ203は、球払出装置91から払い出されたパチンコ球を上下の球受け皿14,15に案内する球通路に設けられており、上下の球受け皿14,15がパチンコ球で満杯となって球通路までパチンコ球が貯留されることで満杯検知センサ203が満杯状態を検知するよう構成される。満杯検知センサ203は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該満杯検知センサ203が満杯状態を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号(満杯検知信号)を出力する。そして、満杯検知センサ203からの検知信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は満杯状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。なお、実施例では、満杯検知センサ203として機械式のセンサが用いられており、該センサがON状態となったときに検知信号を出力して満杯状態を検知し、該センサがOFF状態となることで満杯状態を検知しなくなるよう構成されている。実施例では、上下の球受け皿14,15および球通路が、パチンコ球を貯留する貯留部とされる。
(開放検知センサ204)
実施例のパチンコ機10は、前記中枠12に対して前枠13が開放されたか否か(開放状態)を検知する開放検知センサ(開放検知手段,第1検知手段,第2検知手段)204を備えている(図3参照)。この開放検知センサ204は、中枠12に設けられており、中枠12に対して前枠13が開放されることで検知状態が変化して開放状態を検知するよう構成される。開放検知センサ204は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該開放検知センサ204が開放状態を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号(開放検知信号)を出力する。そして、開放検知センサ204からの検知信号(開放検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は開放状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。実施例では、前枠13の開放により開放検知センサ204がON状態となったときに検知信号を出力して開放状態を検知し、該開放検知センサ204がOFF状態となることで開放状態を検知しなくなる(閉成状態を検知する)よう構成されている。なお、開放検知センサ204としては、光学式、磁気式、機械式等の各種形態のセンサを用いることができる。
(センサの信号出力について)
ここで、実施例のパチンコ機10において第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、第1特別入賞部36、第2特別入賞部39、普通入賞部45およびゲート部48等の各種の入球部においてパチンコ球を検知するセンサとして用いられる第1始動入賞検知センサ34、第2始動入賞検知センサ35、第1特別入賞検知センサ38、第2特別入賞検知センサ41、特定領域入球検知センサ42、普通入賞検知センサ47およびゲートセンサ49について、総称する場合は球検知センサ(球検知手段)と指称する場合がある。また、パチンコ機10において不正行為を検知するために用いられる振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202について、総称する場合は不正検知センサ(不正検知手段)と指称する場合がある。
前記球検知センサ34,35,38,41,42,47,49では、パチンコ球の非検知状態でLo信号(Low信号)を出力し、パチンコ球の検知状態でHi信号(High信号)を出力し(図9参照)、前記メイン制御CPU60aは、該球検知センサ34,35,38,41,42,47,49からのHi信号の入力(受信)によってパチンコ球の検知を認識するよう構成されている。また、メイン制御CPU60aは、球検知センサ34,35,38,41,42,47,49からのLo信号の入力(受信)によって、当該球検知センサ34,35,38,41,42,47,49がパチンコ球を正常に検知可能な状態(故障や断線等による異常状態でない正常状態)であることを認識するようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、球検知センサである第2始動入賞検知センサ35、第1特別入賞検知センサ41について、後述する特定の条件が成立していない状態で該検知センサ35,41から検知信号(Hi信号)が出力されてエラー条件(第1エラー条件、第2エラー条件)が満たされた場合に、後述する特別電動役物不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラーが発生したとメイン制御CPU60aが判定するよう構成されている。
また、前記不正検知センサ200,201,202では、当該不正検知センサ200,201,202の検知対象となる振動、電波、磁気等の非検知状態でLo信号(Low信号)を出力し、検知対象の検知状態でHi信号(High信号)を出力し(図9参照)、前記メイン制御CPU60aは、該不正検知センサ200,201,202からのHi信号の入力(受信)に基づいて不正行為が行われたことを認識するよう構成されている。また、メイン制御CPU60aは、不正検知センサ200,201,202からのLo信号の入力(受信)によって、当該不正検知センサ200,201,202が検知対象を正常に検知可能な状態(故障や断線等による異常状態でない正常状態)であることを認識するようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、不正検知センサである振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202から検知信号(Hi信号)が出力された場合に、後述する振動検知センサエラー、電波検知センサエラー、磁気検知センサエラーが発生したとメイン制御CPU60aが判定するよう構成されている。すなわち、振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202から出力されるHi信号が不正検知信号であり、該不正検知信号の出力に基づいてメイン制御CPU60aが対応するエラーが発生したと判定する。なお、不正検知センサ200,201,202の非検知状態とは、検知対象となる振動、電波、磁気等を全く検知していない状態のみでなく、前述したように予め設定された閾値より検知した振動、電波、磁気等の値が低い場合も含んでいる。
前記パチンコ機10が備える前記満杯検知センサ203では、上下の球受け皿14,15の満杯状態の非検知状態でLo信号(Low信号)を出力し、上下の球受け皿14,15の満杯状態の検知状態でHi信号(High信号)を出力し(図9参照)、前記メイン制御CPU60aは、該満杯検知センサ203からのHi信号の入力(受信)によって上下の球受け皿14,15の満杯検知を認識するよう構成されている。また、前記開放検知センサ204では、前記前枠13が開放されたことの非検知状態(閉成状態の検知状態)でLo信号(Low信号)を出力し、前枠13が開放されたことの検知状態でHi信号(High信号)を出力し(図9参照)、前記メイン制御CPU60aは、該開放検知センサ204からのHi信号の入力(受信)によって前枠13の開放検知を認識するよう構成されている。そして、メイン制御CPU60aは、満杯検知センサ203から検知信号(Hi信号)が出力された場合に満杯エラーが発生したと判定し、開放検知センサ204から検知信号(Hi信号)が出力された場合に開放エラーが発生したと判定するよう構成されている。また、メイン制御CPU60aは、満杯検知センサ203および開放検知センサ204からのLo信号の入力(受信)によって、当該満杯検知センサ203が満杯状態を正常に検知可能状態(故障や断線等による異常状態でない正常状態)および開放検知センサ204が前枠13の開放を正常に検知可能な状態(故障や断線等による異常状態でない正常状態)であることを認識するようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、各検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204は、何れも検知状態が変化する前と後とで出力する信号が異なり(実施例では出力レベルが異なるLo信号とHi信号)、非検知状態から検知状態となったときに出力される検知信号(検知状態が変化した後に出力されるHi信号)に基づいて、メイン制御CPU60aが対応する種類のエラーが発生したと判定するよう構成される。また、各検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204は、非検知状態(パチンコ球の非検知状態、不正対象の非検知状態)において、当該検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204が正常状態であることを示すLo信号を出力するよう設定されており、実施例では非検知状態で出力されるLo信号が基準信号となっている。なお、各検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204において、非検知状態でHi信号を出力し、検知状態でLo信号(検知信号,不正検知信号)を出力するようにしてもよく、この場合はHi信号が基準信号となる。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記パチンコ機10には、前記第1始動入賞口30aおよび第2始動入賞口31aへの入賞を契機として行われる特図当り抽選(大当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(特別表示部)50A,50Bが設けられている(図3参照)。特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30aへの入賞(第1始動入賞検知センサ34による検知)を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31aへの入賞(第2始動入賞検知センサ35による検知)を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。また、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。
各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(普図表示部55について)
前記パチンコ機10には、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り抽選(普図当り判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する普図表示部55が設けられている(図3参照)。普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。そして、普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
(表示装置17について)
前記表示装置17には、図2に示すように、演出図柄としての前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aへの入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置(図柄が確定停止表示される確定停止表示領域)27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(演出図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(演出図柄)を有効停止位置27に確定停止するよう構成される。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図(演出図柄)の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図(演出図柄)からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の表示装置17には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。
また、前記表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に確定停止表示されるようになっている。飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、各始動入賞検知センサ34,35の検知に基づく図柄変動演出(特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定されている。
ここで、第1特図表示部50Aと表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。
前記表示装置17は、画像を表示可能な複数のレイヤを積層表示することで、任意の画像を表示し得るよう構成されている。すなわち、表示する画像を複数層のレイヤに分けて積層表示し、背景等を表示する不透明なレイヤの前側のレイヤに遊技者に視認させたい画像を表示すると共に、遊技者に視認させたくない画像を不透明なレイヤの後側のレイヤに表示することで、遊技者に視認させたい画像のみを表示部17aに視認可能に表示することができる。なお、このようなレイヤを用いた画像処理においては、不透明なレイヤの後側のレイヤに表示される画像は、遊技者には視認不能な状態となっていることから、遊技者にとっては実行されていないことに等しい状態となる。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(例えば8ラウンドまたは15ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞部36,39の特別用開閉部材36b,39bが開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口36a,39aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別用開閉部材36b,39bが閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記特別用開閉部材36b,39bが各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞部36,39の特別用開閉部材36b,39bの開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を連続的に発射する条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作で構成されている。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている大当りフラグが「1」となっている場合に、大当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、大当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の種類は、大当り遊技の終了後に後述する確変状態を付与可能な特定大当り遊技と、大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない非特定大当り遊技とに大別される。
(特定大当り遊技について)
特定大当り遊技は、当該特定大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第1特別入賞部36の第1特別用開閉部材36bおよび第2特別入賞部39の第2特別用開閉部材39bを長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。また、第2特別入賞部39の第2特別用開閉部材39bを開放する特定ラウンド(例えば5ラウンド)では、前記案内体が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変位するよう設定されている。すなわち、特定大当り遊技は、特定ラウンドにおいて案内体を第2姿勢に姿勢変位することで前記特定領域にパチンコ球が入賞可能であることから、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技である。また、特定大当り遊技では、特定ラウンド(5ラウンド)において前記特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知して確変状態を付与することを決定した場合には、大当り遊技終了後に、次回大当りまでの間、確変状態が継続して付与され得るようになっている。なお、特定大当り遊技では、特定ラウンドにおいて特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知しないことを条件に確変状態を付与することを決定しないように設定されている。
(非特定大当り遊技について)
非特定大当り遊技は、当該非特定大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第1特別入賞部36の第1特別用開閉部材36bのみを長時間開放動作させるか、または前記第1特別入賞部36の第1特別用開閉部材36bおよび第2特別入賞部39の第2特別用開閉部材39bを長時間開放動作させるが第2特別入賞部39の第2特別用開閉部材39bを開放する特定ラウンド(5ラウンド)では、前記案内体が第1姿勢に保持されるよう設定される大当り遊技として設定される。すなわち、非特定大当り遊技は、第2特別入賞部39の第2特別用開閉部材39bを開放動作しないか、または第2特別用開閉部材39bを開放動作しても前記案内体が第1姿勢に保持されるよう設定されており、該非特定大当り遊技は、前記特定領域にパチンコ球が入賞不能であることから、大当り遊技の終了後に確変状態が付与され得ない大当り遊技である。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、大当り遊技中における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞部39の特定領域入球検知センサ42によるパチンコ球の検知(特定領域へのパチンコ球の入球)を条件として、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(例えば、1/262.144)から高確率(例えば、1/73.885)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また大当り遊技終了後の確変回数を有限の数(例えば100回)に設定することもできる。
ここで、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31aを開放する始動用開閉部材31bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称する。また、メイン制御CPU60aは、変短状態が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される変短フラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている変短フラグが「1」となっている場合に、変短状態中であることを認識し得るようになっている。なお、変短状態の終了条件が成立すると、メイン制御CPU60aは、変短フラグに「0」を設定する。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検知センサ(検知手段)からの検知信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄組合せ演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出(図柄組合せ演出)の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御する。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図3に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動入賞検知センサ34、第2始動入賞検知センサ35、第1特別入賞検知センサ38、第2特別入賞検知センサ41、特定領域入球検知センサ42、賞普通入賞検知センサ47、ゲートセンサ49、振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202、満杯検知センサ203、開放検知センサ204等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31aを開閉する始動用開閉部材31bに連繋する始動入賞ソレノイド32、第1特別入賞口36aを開閉する第1特別用開閉部材36bに連繋する第1特別入賞ソレノイド37および第2特別入賞口39aを開閉する第2特別用開閉部材39bに連繋する第2特別入賞ソレノイド40が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,37,40を駆動させることで、対応する開閉部材31b,36b,39bが開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別開閉部材36b,39bが開閉するよう前記特別入賞ソレノイド37,40を駆動制御するよう構成されると共に、前記普図当り抽選に当選した場合には予め定められた開閉態様で始動用開閉部材31bが開閉するよう前記始動入賞ソレノイド32を駆動制御するよう構成される。また、メイン制御CPU60aには前記切替えソレノイドが接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて切替えソレノイドを駆動させることで、案内体を切替え作動するようになっている。
前記メイン制御CPU60aは、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1および第2始動入賞検知センサ34,35がパチンコ球を検知したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)を行い、該特図当り抽選に当選した場合は、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるよう構成される。また、メイン制御CPU60aは、前記ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検知したこと)を契機として通過検知情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて普図当り抽選(普図当り判定)を行い、該普図当り抽選に当選した場合は、普図当り遊技を付与するよう構成される。なお、メイン制御CPU60aは、普図当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される普図当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図当りフラグが「1」となっている場合に、普図当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、普図当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、普図当りフラグに「0」を設定する。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、大当り遊技が付与されていることを示す大当り情報(大当りフラグ)、普図当り遊技が付与されていることを示す普図当り情報(普図当りフラグ)、確変状態が付与されていることを示す確変情報(確変フラグ)、変短状態が付与されていることを示す変短情報(変短フラグ)等の遊技の進行に係る各種の遊技情報や後述するエラー情報がメイン制御RAM60cに書き換え可能に記憶される。すなわち、メイン制御RAM60cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
(特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図3に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。すなわち、演出制御RAM65cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するよう構成されている。
前記演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図3に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
ここで、前記表示制御ROM70bには、画像データとして、後述する各種エラー(報知)表示の画像データが記憶されている。具体的には、「メイン基板エラー」に対応する「メイン基板エラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「磁気検知センサエラー」に対応する「磁気検知センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「電波検知センサエラー」に対応する「電波検知センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「振動検知センサエラー」に対応する「振動検知センサエラー」の文字を表示する画像データ、「センサエラー」に対応する「センサエラー」の文字を表示する画像データ、「開放エラー」に対応する「扉が開いています」の文字を表示する画像データ、「満杯エラー」に対応する「球を抜いて下さい」の文字を表示する画像データの夫々が表示制御ROM70bに記憶されている(図6,図7参照)。また、表示制御ROM70bには、後述する電源断後の復電時において復電処理が実行された旨を示す復電処理実行報知に対応する画像データとして、「復電処理が実行されました」の文字を表示する画像データが記憶されている(図8参照)。
(払出制御基板90について)
図3に示す如く、前記払出制御基板90には、外部端子板92が接続されていると共に、該外部端子板92に設けられた出力端子(外部出力端子)にホールコンピュータHCが接続されるようになっている。そして、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、払出制御基板90および外部端子板92の出力端子を介してホールコンピュータHCに対して、パチンコ機10の動作状態やエラー情報等の各種の情報を出力可能に構成されている。
(電源基板100について)
前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板100が配設されている。この電源基板100には、図3に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ101と、制御RAM60c,65cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ102が設けられている。また電源基板100には、前記電源スイッチ101に接続し、該電源スイッチ101のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路103が設けられると共に、前記クリアスイッチ102に接続するクリアスイッチ回路104が設けられている。実施例では、クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60、演出制御基板65がメイン制御RAM60c、演出制御RAM65cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ101、クリアスイッチ回路104およびクリアスイッチ102からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路104とクリアスイッチ102とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ102をON操作したときにクリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力する構成を採用し得る。また、以後の説明において、クリア処理が実行されることを、「RAMクリア」と指称する場合がある。
ここで、前記クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作することで電力供給が開始(電源投入)されてから、クリア処理が可能となるまでに所定のタイムラグ(数秒)があり、実施例では、エラーの1種類として設定された「RAMクリア」が発生した場合に、該「RAMクリア」が発生したことを報知する後述するRAMクリア報知は、前記タイムラグの経過後から予め設定された時間(実施例では30秒)の間継続するよう構成されている。なお、RAMクリア報知の開始を、電源投入時とすることができる。
図3に示す如く、前記電源基板100には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電気部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)105が設けられている。電源回路105には、各制御基板60,65,70,90が接続されており、該電源回路105は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70,90に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧(電力)を対応する制御基板60,65,70,90に供給するよう構成される。なお、電源回路105から各制御基板60,65,70,90に供給された電源電圧が、各制御基板60,65,70,90に配線接続される各種の電気機器に供給される。
前記電源基板100には、前記電源回路105に接続する前記電源断監視回路103が設けられ、該電源断監視回路103は、電源回路105に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路103は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電気部品(例えば、検知センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電気部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板100には、前記電源断監視回路103に接続するリセット信号回路106が設けられている。電源断監視回路103は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、演出制御基板65およびリセット信号回路106に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路106は、電力供給の開始時(電源投入時や停電解消による復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および払出制御基板90に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および球払出装置91の動作を規制するようになっている。
前記電源基板100には、コンデンサ等のバックアップ電源107が設けられ、パチンコ機10の主電源が切断されて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ101のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路103からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源107は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
(復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。このバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグや変短フラグ)等の遊技状態を特定可能な遊技情報やエラー情報等の各種情報(制御情報)が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶されるようになっている。また、バックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
また、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をバックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。実施例では、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cが、電源回路105からの電力供給が遮断されるときの遊技情報を記憶して電力供給の遮断後も保持するバックアップ手段としての機能を有している。
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、対応する制御RAM60c,65cに記憶された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。前記電源断監視回路103は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aおよびリセット信号回路106に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるもとで、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。次に、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路106は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、演出制御CPU65aに対してリセット信号を継続出力する。メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理では、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定し、否定の場合は対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また、電源投入処理において前記クリアスイッチ102が操作されていると判定された場合は、各制御RAM60c,65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。電力供給の遮断前の状態に復帰した演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aから入力された制御コマンドに基づいて表示装置17の表示内容を制御する。
前記電源投入処理プログラムに基づき実行される電源投入処理について、図5に基づき説明する。電源投入処理では、電力供給が開始(電源スイッチ101のON操作および停電解消による電力供給の再開)された場合(ステップA10)、制御CPU60a,65aは、ステップA11でクリアスイッチ102がONか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が肯定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去(初期化)し(ステップA12)、電源投入処理を終了する。一方、ステップA11の判定結果が否定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作されていない場合には、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させ(ステップA13)、電源投入処理を終了する。言い替えると、電源スイッチ101のON操作や停電からの復電時に外部電源からの電力供給が開始されて、電源断監視回路103から出力された電源ON信号のみが制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報(バックアップデータ)に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる一方で、前記クリアスイッチ回路104から出力されたクリア信号が制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去する初期化処理を実行する。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記「RAMクリア」でない電源投入処理(復電処理)では、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに記憶保持されている大当り情報、確変情報、変短情報等の遊技の進行に係る遊技情報を保持したままエラー情報のみが初期化される。すなわち、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知(第1エラー報知、第2エラー報知等)が実行されている状態で、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに対する前記電源回路105からの電力供給が遮断し、その後の復電時に前記電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cにおいて電力供給の遮断時(前)に発生していたエラーに関する遊技情報は初期化されるようになっている。
(エラーについて)
前記パチンコ機10に発生するエラーについて説明する。実施例では、図4に示す如く、10種類のエラーを挙げて説明するが、該エラーの数や種類はこれに限られるものではない。図4に示す如く、各エラーには、該エラーが発生した場合に、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19等のエラー報知手段(報知手段)によりエラーが発生したことを報知する優先順位(優先度)が1,2,3,…8と設定されている。実施例では、優先順位1として「RAMクリア」が設定され、優先順位2として「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」が設定され、優先順位3として「振動検知センサエラー」が設定され、優先順位4として「特別電動役物不正入賞エラー」が設定され、優先順位5として「普通電動役物不正入賞エラー」が設定され、優先順位6として「センサエラー」が設定され、優先順位7として「開放エラー」が設定され、優先順位8として「満杯エラー」が設定されている。そして、優先順位が異なる複数のエラーが重複して発生した場合は、優先順位が上位(数値が小さいもの)のエラーが発生したことを示すエラー表示(報知)が優先して実行される。
例えば、優先順位2の「磁気検知センサエラー」と優先順位8の「満杯エラー」とが同時期に発生した場合には、優先順位2の「磁気検知センサエラー」に対応するエラー報知が優先して実行される。そして、優先順位2の「磁気検知センサエラー」の報知が解除された際に、まだ優先順位8の「満杯エラー」が解除(解消)されていない場合には、優先順位8の「満杯エラー」のエラー報知が実行される。また、優先順位8の「満杯エラー」のエラー報知が実行されているときに優先順位2の「磁気検知センサエラー」が発生すれば、優先順位2の「磁気検知センサエラー」のエラー報知が優先して報知される。また、優先順位2の「磁気検知センサエラー」のエラー報知が実行されているときに優先順位8の「満杯エラー」が発生した場合は、優先順位2の「磁気検知センサエラー」のエラー報知を継続したまま、優先順位8の「満杯エラー」のエラー報知は実行しないようになっている。但し、実施例のパチンコ機10では、後述するようにエラー報知手段としての表示装置17で同時に(並行して)エラー報知を実行可能な種類のエラーについては、エラーが重複して発生した場合には優先順位に関係なく表示装置17に各エラー報知を並行して実行可能になっている。なお、エラー報知手段17,18,19で実行されるエラー報知に関し、表示装置17で実行されるエラー報知についてはエラー表示と指称して区別し、表示装置17および他のエラー報知手段(ランプ装置18、スピーカ19)を含んでエラー報知が実行されることをいう場合にはエラー報知と指称する場合がある。
なお、実施例におけるエラーとは、正常な動作が行われていない状態に限らず、正常な動作が行われている状態であっても、パチンコ機10のセキュリティに関する脅威が存在するおそれのある状態も含まれる。
(RAMクリアについて)
優先順位1の「RAMクリア」は、遊技の進行に係る遊技情報を記憶している記憶手段(メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等)の記憶情報を消去(クリア)する初期化処理を実行するために、RAMクリア操作(クリアスイッチ102を押しながら電源スイッチ101をONする操作)が行われたことを条件としてメイン制御CPU60aが発生したと判定するエラーである。メイン制御CPU60aにより「RAMクリア」が発生したと判定された場合、メイン制御CPU60aは、該「RAMクリア」が発生したことを特定するRAMクリア指定コマンド(エラー情報)を出力する。そして、演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、入力されたRAMクリア指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73に出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73はRAMクリア指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してRAMクリア報知(エラー報知)を実行させる。具体的には、パチンコ機10の前枠正面に設けられたランプ装置18を全点灯し、スピーカ19からは、「RAMクリア」を特定可能に予め設定されたRAMクリア音が出力される。このRAMクリア音は、電源を切断(OFF)にでもしない限り30秒間に亘り継続して出力される。その間、表示装置17の表示部17aには、特に「RAMクリア」を特定する画像等は表示されず、パチンコ機10に設定される初期画像(初期図柄)が表示される。但し、「RAMクリア」が発生した場合は、表示装置17の表示部17aに初期画像(初期図柄)が前記有効停止位置27に表示されることから、当該初期画像(初期図柄)を表示することが、表示装置17によるRAMクリア報知と言える。そして、報知開始から所定時間(例えば30秒)が経過すると「RAMクリア」の報知は解除される。すなわち、RAMクリア報知の解除条件は、報知開始(RAMクリアの検知)からの経過時間となっている。
ここで、「RAMクリア」が発生した場合は、前述したように、表示装置17の表示部17aに初期画像(初期図柄)が表示されることから、当該初期画像(初期図柄)を表示することが、表示装置17によるRAMクリア表示(エラー報知)と言える。すなわち、実施例では、表示部17aに表示される初期画像(初期図柄)が、初期化処理の実行を示す初期化処理表示(初期化処理報知)となる。また、表示部17aに表示される初期画像では、初期図柄(初期飾図)は前記有効停止位置27に停止表示されるように設定されており、該有効停止位置(確定停止表示領域)27が、初期化処理表示の表示領域として設定されている。また、有効停止位置27に停止表示される初期図柄は、後述する振動エラー用表示領域205、センサエラー用表示領域206、満杯エラー用表示領域207と重ならないよう構成される(図7参照)。
(メイン基板エラーについて)
優先順位2の「メイン基板エラー」は、メイン制御基板60が備えるメイン制御CPU60aに異常が発生した場合のエラーである。具体的には、メイン制御CPU60aが備える乱数回路が乱数確認信号を正常に出力しているか否かをメイン制御CPU60aが監視し、乱数確認信号が正常に出力されていない場合にメイン制御CPU60aが「メイン基板エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「メイン基板エラー」が発生したと判定した場合は、「メイン基板エラー」が発生したことを示すメイン基板エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、メイン基板エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73にメイン基板エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73はメイン基板エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してメイン基板エラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17によるメイン基板エラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、図6(a)に示す如く、「メイン基板エラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、メイン基板エラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全てメイン基板エラー表示の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18によるメイン基板エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19によるメイン基板エラー報知は、「メイン基板に異常を検知しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19によるメイン基板エラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、メイン基板エラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
(磁気検知センサエラーについて)
優先順位2の「磁気検知センサエラー」は、前記磁気検知センサ(不正検知手段)202が磁気を検知した場合のエラーである。具体的には、磁気検知センサ202が磁気を所定時間(例えば、300ms)の間連続して検知した場合に、メイン制御CPU60aが「磁気検知センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「磁気検知センサエラー」が発生したと判定した場合は、「磁気検知センサエラー」が発生したことを示す磁気エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、磁気エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に磁気エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は磁気エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して磁気検知センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による磁気検知センサエラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、図6(b)に示す如く、「磁気検知センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、磁気検知センサエラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全て磁気検知センサエラー表示の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による磁気検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を黄色で点灯する。更に、スピーカ19による磁気検知センサエラー報知は、「磁気検知センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による磁気検知センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、磁気検知センサエラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
(電波検知センサエラーについて)
優先順位2の「電波検知センサエラー」は、前記電波検知センサ(不正検知手段)201が電波を検知した場合のエラーである。具体的には、電波検知センサ201が電波を所定時間の間に所定回数(例えば、10回)検知した場合に、メイン制御CPU60aが「電波検知センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「電波検知センサエラー」が発生したと判定した場合は、「電波検知センサエラー」が発生したことを示す電波エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、電波エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に電波エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は電波エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して電波検知センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による電波検知センサエラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、図6(c)に示す如く、「電波検知センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、電波検知センサエラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全て電波検知センサエラー表示の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による電波検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。更に、スピーカ19による電波検知センサエラー報知は、「異常を検知しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による電波検知センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、電波検知センサエラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
ここで、優先順位2(同じ優先順位)に設定(分類)されている「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」および「電波検知センサエラー」が発生した場合に表示装置17で実行されるエラー表示は、何れも表示部17aの全画面を用いて表示されるものであって、「全画面エラー」または「同一順位エラー」と指称する場合もある。また、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aがエラー発生と判定する条件が異なる複数のエラーを同一順位エラーに分類している。そして、実施例のパチンコ機10では、優先順位が異なる複数のエラーが重複して発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、優先順位が上位(数値が小さいもの)のエラーが発生したことを示すエラー報知をエラー報知手段17,18,19で優先して実行させる一方で、同一順位エラーが重複して発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、後に発生した同一順位エラーのエラー報知をエラー報知手段17,18,19で実行させるよう構成されている。例えば、エラー報知手段17,18,19でメイン基板エラー報知の実行中に、「磁気検知センサエラー」または「電波検知センサエラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、演出制御CPU65aの制御下にエラー報知手段17,18,19で磁気検知センサエラー報知または電波検知センサエラー報知を実行させるようになっている。同様に、エラー報知手段17,18,19で磁気検知センサエラー報知の実行中に、「メイン基板エラー」または「電波検知センサエラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、演出制御CPU65aの制御下にエラー報知手段17,18,19でメイン基板エラー報知または電波検知センサエラー報知を実行させるようになっている。具体的に、メイン制御CPU60aは、エラーが発生したと判定した場合には、前述したように発生したエラーを特定するエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御CPU65aに出力しており、演出制御CPU65aは、入力された同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドに基づいてエラー報知を実行中に、新たに同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドが入力された場合(メイン制御CPU60aが同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドを出力した場合)に、後から入力された同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドに基づくエラー報知をエラー報知手段17,18,19で優先して実行させるよう構成されている。
(振動検知センサエラーについて)
優先順位3の「振動検知センサエラー」は、前記振動検知センサ(不正検知手段)200が振動を検知した場合のエラーである。具体的には、特定の条件下において振動検知センサ200が振動を所定時間(例えば、200ms)の間連続して検知した場合に、メイン制御CPU60aが「振動検知センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「振動検知センサエラー」が発生したと判定した場合は、「振動検知センサエラー」が発生したことを示す振動エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、振動エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に振動エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は振動エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して振動検知センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による振動検知センサエラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな振動エラー用表示領域205に、図7(a)に示す如く、「振動検知センサエラー」の文字を表示する。この振動エラー用表示領域205は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図が振動検知センサエラー表示の表示によって隠れることがないよう構成される。なお、表示装置17による振動検知センサエラー表示では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「振動検知センサエラー」の文字画像が表示される。また、ランプ装置18による振動検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を白色で点灯する。更に、スピーカ19による振動検知センサエラー報知は、「振動検知センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による振動検知センサエラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、振動検知センサエラー報知の解除条件は、報知開始(振動検知センサエラーの発生)からの経過時間となっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aが前記「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」および「振動検知センサエラー」等の不正行為に関するエラーが発生したと判定した場合は、判定以後における各球検知センサ34,35,38,41,47による球検知を契機とした前記払出装置91による賞球の払い出しをさせないよう構成されている。
(特別電動役物不正入賞エラーについて)
優先順位4の「特別電動役物不正入賞エラー」は、大当り遊技が付与されている場合にのみ作動する前記第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態で前記第1特別入賞検知センサ38がパチンコ球を検知した場合の特別エラーである。この「特別電動役物不正入賞エラー」は、第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから第1特別入賞検知センサ38に対して駆動信号が出力されていない状態、第1特別入賞ソレノイド37の非励磁状態)で、第1特別入賞検知センサ38がパチンコ球を検知した場合に、メイン制御CPU60aが「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。すなわち実施例では、第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態で第1特別入賞検知センサ38がパチンコ球を検知することで第2エラー条件(エラー条件)が満たされて、メイン制御CPU60aが「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラー情報,特別エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力(送信)するよう構成される。実施例では、特別入賞検知センサ38とメイン制御CPU60aとから、「特別電動役物不正入賞エラー」を検知する特別エラー検知手段(エラー検知手段)が構成される。また、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aが「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、判定以後における各球検知センサ34,35,38,41,47による球検知を契機とした前記払出装置91による賞球の払い出しをさせないよう構成されている。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドが入力されると、ランプ制御基板72、音制御基板73に特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを出力し、該ランプ制御基板72、音制御基板73は特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づいてランプ装置18、スピーカ19を制御して特別電動役物不正入賞エラー報知(エラー報知,特別エラー報知,特別エラー表示)を実行させる。ランプ装置18による特別電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、特別電動役物不正入賞エラーを特定可能なエラー音(例えば、ブーブーという音)を連続で出力する。そして、ランプ装置18およびスピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、特別電動役物不正入賞エラー報知の解除条件は、報知開始(特別電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。また、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生時には、表示装置17ではエラー表示(エラー報知)を行わないよう構成されている。なお、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生時に、該「特別電動役物不正入賞エラー」を特定可能な「特別電動役物不正入賞エラー」の文字画像を表示装置17に表示して、該表示装置17でも特別電動役物不正入賞エラー表示を実行するようにしてもよい。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前述したように、2つの特別入賞部36,39を備えていることから、特別エラーとして、大当り遊技が付与されている場合にのみ作動する前記第2特別入賞ソレノイド40が作動中でない状態で前記第2特別入賞検知センサ(特別入賞検知手段)41がパチンコ球を検知した場合に、前述した「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定して、特別電動役物不正入賞エラー報知をエラー報知手段で実行させるようにしてもよい。この場合に、第1特別入賞部36に起因する「特別電動役物不正入賞エラー」を「第1特別電動役物不正入賞エラー」とし、第2特別入賞部39に起因する「特別電動役物不正入賞エラー」を「第2特別電動役物不正入賞エラー」とし、「第1特別電動役物不正入賞エラー」が発生した場合には第1特別電動役物不正入賞エラー報知をエラー報知手段で実行すると共に、「第2特別電動役物不正入賞エラー」が発生した場合には第2特別電動役物不正入賞エラー報知をエラー報知手段で実行して両エラーを区別するようにすれば、エラーの発生源を特定することができる。また、第2特別入賞部39が備える切替えソレノイドは、大当り遊技の特定ラウンドにおいてのみ作動して分岐通路へのパチンコ球の通入が許容されるように設定されているので、切替えソレノイドの非作動状態または特定ラウンド以外において前記特定領域入球検知センサ42がパチンコ球を検知した場合に、「特定領域入球不正入賞エラー」が発生したと判定して、特定領域入球不正入賞エラー報知をエラー報知手段で実行させるようにしてもよい。
(普通電動役物不正入賞エラーについて)
優先順位5の「普通電動役物不正入賞エラー」は、普図当り遊技が付与されている場合にのみ作動する始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で前記第2始動入賞検知センサ35がパチンコ球を検知した場合のエラーである。この「普通電動役物不正入賞エラー」は、始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから始動入賞ソレノイド32に対して駆動信号が出力されていない状態、始動入賞ソレノイド32の非励磁状態)で、第2始動入賞検知センサ35が規定個数以上のパチンコ球を検知した場合に、メイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。すなわち実施例では、始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で第2始動入賞検知センサ35の球検知が規定数に達することで第1エラー条件(エラー条件)が満たされて、メイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。実施例では、第2始動入賞検知センサ35とメイン制御CPU60aとから、「普通電動役物不正入賞エラー」を検知するエラー検知手段が構成される。また、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、判定以後における各球検知センサ34,35,38,41,47による球検知を契機とした前記払出装置91による賞球の払い出しをさせないよう構成されている。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが入力されると、ランプ制御基板72に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを出力し、該ランプ制御基板72は普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づいてランプ装置18を制御して普通電動役物不正入賞エラー報知(エラー報知)を実行させる。ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。そして、ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、普通電動役物不正入賞エラー報知の解除条件は、報知開始(普通電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。また、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生時には、表示装置17およびスピーカ19ではエラー報知を行わないよう構成されている。なお、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生時に、該「普通電動役物不正入賞エラー」を特定可能な「普通電動役物不正入賞エラー」の文字画像を表示装置17に表示したり、「普通電動役物不正入賞エラー」を特定可能なエラー音をスピーカ19から出力するようにして、該表示装置17やスピーカ19でも普通電動役物不正入賞エラー報知を実行するようにしてもよい。
(開放エラーについて)
優先順位7の「開放エラー」は、前記開放検知センサ(エラー検知手段)204が前記前枠13の開放状態を検知した場合のエラーである。具体的には、開放検知センサ204がON状態となり、該開放検知センサ204からの検知信号(開放検知信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aが「開放エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「開放エラー」が発生したと判定した場合は、「開放エラー」が発生したことを示す開放エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、開放エラー指定コマンドが入力されると、ランプ制御基板72、音制御基板73に開放エラー指定コマンドを出力し、該ランプ制御基板72、音制御基板73は開放エラー指定コマンドに基づいてランプ装置18、スピーカ19を制御して開放エラー報知(エラー報知,開放エラー報知)を実行させる。ランプ装置18による開放エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点滅する。更に、スピーカ19による開放エラー報知は、「扉が開いています」の音声を出力する。そして、ランプ装置18およびスピーカ19による開放エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、開放エラー報知の解除条件は、報知開始(開放エラーの発生)からの経過時間となっている。また、「開放エラー」の発生時には、表示装置17ではエラー表示(エラー報知)を行わないよう構成されている。なお、「開放エラー」の発生時に、該「開放エラー」を特定可能な「扉が開いています」の文字画像を表示装置17に表示して、該表示装置17でも開放エラー表示を実行するようにしてもよい。
なお、「開放エラー」については、外枠11を基体とすると共に中枠12を前面部材とし、外枠11に対して中枠12の開放状態を検知する開放検知センサ(開放検知手段)を外枠11または中枠12に設け、該開放検知センサからの検知信号(開放検知信号)に基づいてメイン制御CPU60aが「開放エラー」が発生したと判定する構成であってもよい。また、外枠11に対する中枠12の開放、および中枠12に対する前枠13の開放を別々に検知する開放検知センサを設ける構成を採用可能である。
(満杯エラーについて)
優先順位8の「満杯エラー」は、前記満杯検知センサ(エラー検知手段)203が上下の球受け皿14,15の満杯状態を検知した場合のエラーである。具体的には、満杯検知センサ203がON状態となり、該満杯検知センサ203からの検知信号(満杯検知信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aが「満杯エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「満杯エラー」が発生したと判定した場合は、「満杯エラー」が発生したことを示す満杯エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、満杯エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、音制御基板73に満杯エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、音制御基板73は満杯エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、スピーカ19を制御して満杯エラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による満杯エラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな満杯エラー用表示領域207に、図7(c)に示す如く、「球を抜いて下さい」の文字を表示する。この満杯エラー用表示領域207は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図が満杯エラー報知の表示によって隠れることがないよう構成される。また、満杯エラー用表示領域207は、前記振動エラー用表示領域205とも重ならない位置に設定されており、前記「振動検知センサエラー」および「満杯エラー」が重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では両エラーのエラー表示を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17による満杯エラー報知では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「球を抜いて下さい」の文字画像が表示される。また、スピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」の音声を出力する。そして、表示装置17による満杯エラー表示は、満杯エラーが解消(解除)されること(すなわち満杯検知センサ203がOFF状態となること)を条件として解除される。なお、実施例でのスピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」の音声を1回のみ出力することで終了するよう設定されている。また、満杯エラーの発生時には、ランプ装置18ではエラー報知を行わないよう構成されている。なお、「満杯エラー」の発生時に、該「満杯エラー」を特定可能な発光態様でランプ装置18を点灯または点滅させるようにして、該ランプ装置18でも満杯エラー報知を実行するようにしてもよい。
(センサエラーについて)
優先順位6の「センサエラー」は、パチンコ機10が備える各種検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204に異状が発生した際に検知されるエラーである。すなわち、検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204とメイン制御基板60とを接続する信号線の断線、信号線を接続するコネクタの接続不良、検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204自体の破損等によって、検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204からの信号をメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)で受信し得ない状況が発生した場合のエラーであって、当該「センサエラー」は、複数の検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204に関連して共通に発生する種類のエラー(複数の検知センサに関連する異常である第3エラー)である。例えば、前記不正検知手段としての磁気検知センサ202を挙げて説明すると、該磁気検知センサ202からのLo信号およびHi信号の何れの信号もメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が受信できなくなった場合に、メイン制御CPU60aが「センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「センサエラー」が発生したと判定した場合は、「センサエラー」が発生したことを示すセンサエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。また、例えば前記球検知手段としての第1特別入賞検知センサ38の場合も同様に、該第1特別入賞検知センサ38からのLo信号およびHi信号の何れの信号もメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が受信できなくなった場合に、メイン制御CPU60aが「センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「センサエラー」が発生したと判定した場合は、「センサエラー」が発生したことを示すセンサエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10が備える振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202等の不正行為を検知するための不正検知手段から入力されるはずのLo信号およびHi信号が入力されなくなった場合や、実施例のパチンコ機10が備える第1始動入賞検知センサ34、第2始動入賞検知センサ35、第1特別入賞検知センサ38、第2特別入賞検知センサ41、特定領域入球検知センサ42、普通入賞検知センサ47、ゲートセンサ49等のパチンコ球を検知するための球検知手段から入力されるはずのLo信号およびHi信号が入力されなくなった場合の何れにおいても、メイン制御CPU60aは「センサエラー」が発生したと判定する。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、センサエラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73にセンサエラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73はセンサエラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してセンサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17によるセンサエラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さなセンサエラー用表示領域206に、図7(b)に示す如く、「センサエラー」の文字を表示する。このセンサエラー用表示領域206は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図がセンサエラー報知の表示によって隠れることがないよう構成される。また、センサエラー用表示領域206は、前記振動エラー用表示領域205や満杯エラー用表示領域207とも重ならない位置に設定されており、「振動検知センサエラー」、「満杯エラー」および「センサエラー」が重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では全てのエラーのエラー表示を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17によるセンサエラー表示では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「センサエラー」の文字画像が表示される。
また、ランプ装置18によるセンサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を紫色で点灯する。更に、スピーカ19によるセンサエラー報知は、「センサに異常を検知しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19によるセンサエラー報知は、エラーが解除されるまで継続するよう構成される。すなわち、センサエラー報知の解除条件は、エラーの解除(解消)となっている。
ここで、前記メイン制御RAM60c、演出制御RAM65cには、メイン制御CPU60aが各種のエラーが発生したと判定した場合に、判定された種類のエラーを特定するエラー情報(エラー指定コマンド)が記憶され、当該エラーが解除(解消)された条件で各制御RAM60c,65cに記憶されていたエラー情報が消去されるよう構成されている。
前述したように優先順位1の「RAMクリア」は、前記メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等の記憶手段に記憶されている遊技情報を、クリア手段101,102,104による初期化処理によって消去するものであって、パチンコ機10では当該「RAMクリア」は最優先で報知されるよう設定されている。すなわち、前記優先順位2〜8までの各エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「センサエラー」、「開放エラー」、「満杯エラー」)の発生によってエラー報知が対応するエラー報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行中において、RAMクリア操作によって初期化処理が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、RAMクリア(初期化処理)が実行された旨のRAMクリア報知(初期化処理報知)を他のエラー報知に優先してエラー報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行させるよう構成される。実施例では、RAMクリア報知は、主にランプ装置18およびスピーカ19で実行されることから、RAMクリア(初期化処理)が実行された場合は、ランプ装置18およびスピーカ19で他のエラー報知を実行中であっても、ランプ装置18が全点灯すると共にスピーカ19からRAMクリア音が出力される。また、表示装置17では、各種のエラー表示の画像に替えて、初期画像を優先して表示する。
実施例のパチンコ機10では、前記同一順位エラーに対応するエラー報知は、何れも電源を切断(OFF)することで強制的に解除されるようになっており、パチンコ機10の電源を切断する電源スイッチ101を含むクリア手段101,102,104が、エラー報知手段17,18,19によるエラー報知を強制停止させる第1の報知停止手段としての機能を備えている。また、電源投入時(停電からの復電時も含む)においてクリア手段101,102,104からのクリア信号に基づく初期化処理によって、メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等の記憶手段に記憶されている遊技情報(記憶情報)が消去(初期化)される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第1の報知停止手段としてのクリア手段101,102,104が、該クリア手段101,102,104からの信号(クリア信号)によって記憶手段(制御RAM60c,65c)に記憶されているエラー情報および遊技の進行に係る遊技情報を初期化する初期化用報知停止手段としての機能を有している。また、実施例のパチンコ機10は、エラー報知を強制的に解除する電源スイッチ101をON操作することで前記電源断監視回路103から出力される電源ON信号に基づく電源投入処理では、前記遊技の進行に係る遊技情報を初期化する初期化処理は行われないようになっている。但し、電源スイッチ101をOFF操作して電力供給を停止した後に該電源スイッチ101をON操作した場合および停電等により電力供給が停止した後に電力供給が再開した場合等の復電時には、記憶手段(制御RAM60c,65c)に記憶されているエラー情報は消去されるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、電源スイッチ101と電源断監視回路103とから第2の報知停止手段が構成され、該第2の報知停止手段を構成する電源断監視回路103からの信号(電源ON信号)のみがメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに入力された場合は、該制御CPU60a,65aは記憶手段(制御RAM60c,65c)に記憶されている遊技情報を保持したまま(初期化することなく)エラー情報を初期化するよう構成されている。このように、実施例のパチンコ機10は、エラー報知手段17,18,19によるエラー報知を強制停止させる報知停止手段として、記憶手段(制御RAM60c,65c)に記憶されているエラー情報および遊技情報を初期化する初期化用報知停止手段(クリア手段101,102,104)と、記憶手段(制御RAM60c,65c)に記憶されている遊技情報を保持したままエラー情報を初期化する非初期化用報知停止手段(電源スイッチ101、電源断監視回路103)との2種類の報知停止手段を備えている。
また、実施例のパチンコ機10では、前記優先順位2〜8までの各エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「センサエラー」、「開放エラー」、「満杯エラー」)の発生によってエラー報知が対応するエラー報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行中において、前記電源回路105からの電力供給が遮断し、その後の復電時に前記復電処理が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、該復電処理が実行された旨の復電処理実行報知をエラー報知に優先してエラー報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行させるよう構成される。すなわち、実施例では、表示装置17の表示部17aに各種のエラー表示の画像が表示されている状態で、復電処理が実行された場合は、表示部17aに「復電処理が実行されました」の文字の画像が表示される(図8参照)。なお、復電処理実行報知は、予め設定された報知時間(例えば5秒)の間継続して終了する。
ここで、前記「振動検知センサエラー」および「満杯エラー」のように、該エラーが発生した場合に前記表示装置17において表示部17aの一部分の領域205,207を用いてエラー表示を表示する場合に、前記演出制御CPU65aは、エラーが発生していない状態と、エラーが発生して表示部17aにエラー表示が表示されている状態とで、表示装置17で実行される図柄変動演出における飾図(図柄)の表示態様を異ならせるよう構成される。すなわち、前記振動エラー用表示領域205、満杯エラー用表示領域207を除く領域において飾図を変動表示するよう構成されて、エラー表示および図柄変動演出の両方を好適に視認し得るようになっている。言い替えると、表示装置17では、メイン制御CPU60aからエラー指定コマンド(エラー情報)が出力された後と前とでは、異なる態様で飾図を変動表示するよう構成される。
前記表示装置17において異なる態様で飾図を変動表示する手法としては、一例としてレイヤ処理が挙げられる。このレイヤ処理は、表示装置17の表示部17aに画像を表示可能な複数のレイヤを重ねて表示することで特定の画像を表示する画像処理であって、背景を表示するレイヤの前側のレイヤに飾図を表示し、更に飾図を表示するレイヤの前側のレイヤにエラー表示の画像を表示することで、表示部17aに図柄変動演出の画像を表示しつつエラー表示の画像を並行して表示することができる。すなわち、エラーが発生していない場合は、エラー表示の画像を表示するレイヤの画像を非表示とすることで、表示部17aには図柄変動演出の画像のみが遊技者に視認可能に表示され、エラー表示の画像を表示するレイヤの画像を表示することで、表示部17aには図柄変動演出の画像とエラー表示の画像とが重なった状態で遊技者に視認可能に表示される。これにより、表示部17aには、エラーの発生前と後とでは、異なる態様で飾図が変動表示されたように見える。
ここで、実施例のパチンコ機10で発生する前記各種エラーは、エラーが発生した際にメイン制御CPU60aがエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する際に、同時にエラー発生を示すセキュリティ信号(異常発生信号)を前記外部端子板92に設けられた出力端子(外部出力端子)を介してホールコンピュータHP(外部)に出力する第1種エラーと、セキュリティ信号(異常発生信号)をホールコンピュータHPに出力しない第2種エラーとに区分されている。実施例では、前記優先順位1〜6に設定されている「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」および「センサエラー」が第1種エラーに区分され、優先順位7〜8に設定されている「開放エラー」および「満杯エラー」が第2種エラーに区分されている(図4参照)。すなわち、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aがエラー発生を判定した際にセキュリティ信号を出力しない第2種エラーである「開放エラー」および「満杯エラー」が特定エラーであり、該「開放エラー」および「満杯エラー」を特定する開放エラー報知および満杯エラー報知が特定エラー報知である。そして、特定エラーである「開放エラー」および「満杯エラー」は、前記「センサエラー」より優先順位は低く設定されており、該「開放エラー」または「満杯エラー」が発生中(開放エラー報知または満杯エラー報知の実行中)に「センサエラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、センサエラー報知を前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で優先して実行するよう構成される。なお、実施例の表示装置17では、満杯エラー報知は、センサエラー報知と並行して実行(表示)可能に構成されているので(図7参照)、「満杯エラー」の発生中に「センサエラー」が発生した場合は、表示装置17では満杯エラー報知とセンサエラー報知とが並行して表示される。また、開放エラー報知についてもセンサエラー報知と並行して実行(表示)可能に構成することで、「開放エラー」または「満杯エラー」の発生中に「センサエラー」が発生した場合は、表示装置17では開放エラー報知または満杯エラー報知とセンサエラー報知とが並行して表示することができる。
(エラー報知処理について)
次に、前述したようにパチンコ機10でエラーが発生した場合(メイン制御CPU60aがエラーの発生を判定した場合)に実行されるエラー報知処理について、図10に基づき説明する。エラー報知処理では、メイン制御CPU60aは、エラーの発生を判定した場合(ステップB10)、対応するエラー指定コマンドを出力して演出制御CPU65aの制御下に対応するエラー報知をエラー報知手段(表示装置17,ランプ装置18,スピーカ19)で実行させる(ステップB11)。そして、ステップB12で実行中のエラー報知の解除条件(電源の切断、報知時間の経過、エラーの解除等)が成立したか否かを判定し、該ステップB12の判定結果が肯定の場合は、エラー報知処理を終了する。また、ステップB12の判定結果が否定の場合は、ステップB13に移行して新たなエラーが発生したか否かを判定し、判定結果が否定の場合はステップB12に戻って処理を繰り返す。
前記ステップB13の判定結果が肯定の場合、すなわちエラー報知の実行中に新たにエラーが重複して発生した場合は、ステップB14に移行して、新たに発生したエラーの優先順位が、エラー報知の実行中のエラーの優先順位以上であるか否かを判定する。そして、ステップB14の判定結果が肯定の場合は、メイン制御CPU60aは新たに発生したエラーに対応するエラー指定コマンドを出力して演出制御CPU65aの制御下に対応するエラー報知をエラー報知手段(表示装置17,ランプ装置18,スピーカ19)で実行させる(ステップB15)。すなわち、エラー報知の実行中のエラーと新たに発生したエラーとが何れも同一順位エラーであれば、新たに発生したエラー(後に発生したエラー)のエラー報知をエラー報知手段で実行させ、また新たに発生したエラーの優先順位がエラー報知の実行中のエラーの優先順位より高い場合は新たに発生したエラーのエラー報知をエラー報知手段で実行させる。そして、ステップB16に移行し、実行中のエラー報知の解除条件が成立したか否かを判定し、該ステップB16の判定結果が肯定の場合は、エラー報知処理を終了する。なお、ステップB16の判定結果が否定の場合は、当該ステップB16の処理を繰り返す。
次に、前記ステップB14の判定結果が否定の場合、すなわちエラー報知の実行中に発生したエラーの優先順位が、エラー報知の実行中のエラーの優先順位より低い場合は、ステップB17に移行して、当該新たに発生したエラーのエラー報知が、実行中のエラー報知と同時に実行可能であるか否かを判定する。そして、ステップB17の判定結果が肯定の場合は、ステップB17に移行して新たに発生したエラー報知を実行させる。この場合は、複数のエラー報知が並行して実行される。具体的には、優先順位3の「振動検知センサエラー」に対応する振動検知センサエラー表示が表示装置17の表示部17aに表示中に、優先順位8の「満杯エラー」が発生した場合は、該表示部17aに「振動検知センサエラー」および「球を抜いて下さい」のエラー表示が同時に表示される。ここで、複数のエラー報知を同時に報知可能となる対象は、表示装置17で実行されるエラー報知であって、ランプ装置18やスピーカ19で実行されるエラー報知は除いている。
すなわち、始動入賞検知手段としての始動入賞検知センサ34,35の球検知(始動入賞口30a,31aへの入賞)を契機として当り遊技を生起させるか否かの当り判定する当り判定手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。すなわち、パチンコ機10は、始動入賞検知手段としての始動入賞検知センサ34,35による球検知を契機として当り判定手段としてのメイン制御CPU60aが当りと判定した場合には、該メイン制御CPU60aが決定した種類の当り遊技に基づいて開閉手段としての特別用開閉部材36b,39bが特別入賞口36a,39aを開放する当り遊技を実行するよう構成される。メイン制御CPU60aは、始動入賞検知手段としての始動入賞検知センサ34,35の球検知を契機として、前記表示手段(特図表示部50A,50B、表示装置17)で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を、記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。
また、メイン制御CPU60aは、パチンコ機10が備える各種検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204から出力された検知信号(第1検知信号、第2検知信号、不正検知信号)に基づいて、対応するエラー(第1エラー、第2エラー)が発生したと判定する判定手段(エラー判定手段)としての機能を備えている。なお、メイン制御CPU60aは、始動入賞検知手段としての第2始動入賞検知センサ35が球検知した際に第1エラー条件が満たされた場合に第1エラーが発生したと判定すると共に、特別入賞検知手段としての第1特別入賞検知センサ38が球検知した際に第2エラー条件が満たされた場合に第2エラーが発生したと判定する機能を備える。また、判定手段としてのメイン制御CPU60aは、各種検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204からの信号(Lo信号(基準信号)およびHi信号の何れおも)受信できない場合に、複数の検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204に関連して発生する種類(異常)の第3エラーであるセンサエラーが発生したと判定するよう構成されている。
前記表示装置17は、判定手段としてのメイン制御CPU60aがエラーが発生したと判定した場合に、判定した種類のエラー(第1エラー、第2エラー、第3エラー)を特定可能なエラー報知を実行可能な報知手段(エラー報知手段)としての機能を備えている。また、前記演出制御CPU65aは、判定手段としてのメイン制御CPU60aがエラーが発生したと判定した場合に、判定した種類のエラー(第1エラー、第2エラー、第3エラー)を特定可能なエラー報知を、報知手段としての表示装置17で実行させるように該表示装置17を制御する報知制御手段としての機能を有している。またパチンコ機10は、報知手段としての表示装置17において複数の検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204に関連する第3エラーであるセンサエラーを特定するセンサエラー(第3エラー報知)を実行中に、センサエラーの発生に関連していない(第3エラーの発生源でない)検知センサ34,35,38,41,42,47,49,200,201,202,203,204からの検知信号に基づいて判定手段としてのメイン制御CPU60aが発生したと判定したエラー(センサエラー以外のエラー)に対応するエラー報知を、表示装置17で認識可能な態様で実行させ得るよう構成されている。
前記演出制御CPU65aは、報知手段としての表示装置17によるエラー表示の実行中に優先順位が異なるエラーが発生したことを判定手段としてのメイン制御CPU60aが判定した場合には、優先順位の高いエラーのエラー表示を実行するように表示装置17を制御するよう構成される。更に、演出制御CPU65aは、報知手段としての表示装置17によるエラー表示の実行中に、該エラー表示の実行中のエラーと同じ優先順位に分類された同一順位エラーが発生したことを判定手段としてのメイン制御CPU60aが判定した場合には、後に発生した同一順位エラーのエラー表示を実行するように表示装置17を制御するよう構成されている。
前記演出制御CPU65aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU60aの判定結果に基づいて前記表示装置17に停止表示させる飾り図柄を決定する飾り図柄決定手段として機能すると共に、決定された飾り図柄を停止表示させるよう表示装置17を制御する演出表示制御手段として機能している。また、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aによる入賞情報の取得(特定条件の成立)を契機として、表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。なお、ランプ装置18およびスピーカ19は、判定手段としてのメイン制御CPU60aから出力されたエラー情報に基づいて、複数種類のエラーを夫々特定するエラー報知を実行する報知手段(エラー報知手段)としての機能を備える。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技領域21内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域21の第1球流下経路21aまたは第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する。そして、球流下経路21a,21bを流下するパチンコ球が、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aに入賞すると、前記第1始動入賞検知センサ34または第2始動入賞検知センサ35による球検知を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて大当り判定が行われる。
前記大当り判定が当りの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。また、メイン制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果の場合には前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定する。そして、メイン制御CPU60aは、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、特図変動パターンに定められた変動時間が経過すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められた大当りの特図が停止表示されると共に表示装置17の表示部17aにおける有効停止位置27に飾図が当り表示で確定停止表示される。そして、表示装置17の表示部17aに当り表示が表示されると、大当り遊技が開始される。
前記大当り遊技では、前記特別入賞部36,39の特別用開閉部材36b,39bを開放するラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行され、各ラウンド遊技中に特別入賞口36a,39aにパチンコ球が入賞することで多くの賞球を獲得することができる。そして、ラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行されると、大当り遊技が終了する。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了に伴って前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「0」を設定する。
前記大当り判定がはずれの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。なお、大当り判定がはずれの判定結果の場合は、前記メイン制御RAM60cに記憶されている大当りフラグは「0」のままとなる。そして、メイン制御CPU60aは、前記大当り判定が当りの判定結果の場合と同様に、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、特図変動パターンに定められた変動時間が経過すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められたはずれの特図が停止表示されると共に、表示装置17の表示部17aにおける有効停止位置27に飾図がはずれ表示で確定停止表示される。
実施例のパチンコ機10において、図4に示す如く、当該パチンコ機10で発生する各種のエラーには報知する優先順位が設定されており、実施例では優先順位が3〜8に設定されたエラー(「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「センサエラー」、「開放エラー」、「満杯エラー」)が発生して前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において対応するエラー報知が実行されているときに、優先順位が1〜2に設定されたエラー(「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」)が発生した場合は、優先順位の高い「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」に対応するエラー報知が優先して表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行される。すなわち、複数のエラーが重複して発生した場合に、優先順位の高いエラーを優先して報知することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」および「電波検知センサエラー」を同じ優先順位に分類し、これら同一順位エラーが重複して発生した場合には、後から発生した同一順位エラーを報知するよう構成したので、遊技者や店員に最も新しい同一順位エラーを報知することができる。また、複数のエラーを同じ優先順位に分類することで、エラーの種類が増加しても優先順位の数を少なく抑えて制御負荷を低減し得る。
実施例のパチンコ機10では、前記「振動検知センサエラー」、「センサエラー」および「満杯エラー」については、前記表示装置17においてエラー表示が表示されるエラー用表示領域205,206,207が相互に重ならないよう設定されている(図7参照)。従って、これらのエラーが重複して発生した場合は、表示装置17において重複して発生した全てのエラー表示を同時に(並行して)表示することができ、エラーが重複して発生した場合にどのようなエラーが発生しているのかを確認することができる。また、「振動検知センサエラー」、「センサエラー」および「満杯エラー」に対応するエラー表示を、表示装置17の表示部17aで表示するエラー用表示領域205,206,207は、何れも該表示部17aにおいて飾図(図柄)を確定停止表示する有効停止位置27と重ならないよう設定しているので、エラー表示によって飾図(図柄)の視認性が低下するのを防止し得る。
ここで、優先順位が最も高い「RAMクリア」が発生した場合は、他の優先順位のエラーに対応するエラー報知が表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されていたとしても、これら他のエラーに優先して「RAMクリア」の発生を特定可能なRAMクリア報知が表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されるので、遊技者や店員に初期化処理が実行されたことを確実に報知することができる。また、実施例のパチンコ機10では、RAMクリア報知がランプ装置18やスピーカ19で実行されている場合であっても、表示装置17では「振動検知センサエラー」、「センサエラー」および「満杯エラー」等の特定低優先度エラー(低順位エラー)のエラー表示が実行可能になっている。すなわち、実行中のRAMクリア表示と特定低優先度エラーのエラー表示とを表示装置17で並行して実行することができ、複数のエラーの発生を確認し得る。
また、実施例のパチンコ機10では、RAMクリア報知が実行されているときに同一順位エラーが発生した場合は、RAMクリア報知が終了するまで同一順位エラーのエラー報知を待機させ、RAMクリア報知の終了後に同一順位エラーのエラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行するよう構成したので、パチンコ機において最も優先順位の高い「RAMクリア」の発生を確実に報知しつつ、RAMクリア報知の実行中に発生した同一順位エラーの発生を報知することができる。
(センサエラーの発生源の特定について)
次に、前記複数の検知センサに関連して共通して発生する種類である「センサエラー」が発生した場合に、該「センサエラー」の発生源を特定する作用について、「センサエラー」の発生源である可能性のある検知センサを2つとした場合で、検知センサの異なる組み合わせの具体例を複数種類挙げて、各具体例毎に説明する。
(第1の具体例)
第1の具体例では、2つの検知センサの内の一方(第1検知手段)を前記磁気検知センサ202とし、他方(第2検知手段)を前記電波検知センサ201とした例で説明する。なお、第1検知手段を電波検知センサ201とし、第2検知手段を磁気検知センサ202としてもよいことは勿論である。
前記磁気検知センサ202は、磁気を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、該磁気検知センサ202が正常状態であることを認識する。同様に、前記電波検知センサ201は、電波を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信したメイン制御CPU60aは、該電波検知センサ201が正常状態であることを認識する。
前記磁気検知センサ202が磁気を検知すると、該磁気検知センサ202は、前述したようにHi信号(不正検知信号,第1検知信号)を出力し、該Hi信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、Hi信号に基づいて(具体的にはHi信号が300秒続いた場合)に「磁気検知センサエラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、磁気エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において磁気検知センサエラー報知が実行される。すなわち、「磁気検知センサエラー」(第1エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「磁気検知センサエラー」であることを特定可能な磁気検知センサエラー報知(第1エラー報知)が実行される。また、前記電波検知センサ201が電波を検知すると、該電波検知センサ201は、前述したようにHi信号(不正検知信号,第2検知信号)を出力し、該Hi信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、Hi信号に基づいて(具体的にはHi信号を10回検知した場合)に「電波検知センサエラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、電波エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において電波検知センサエラー報知(第2エラー報知)が実行される。すなわち、「電波検知センサエラー」(第2エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「電波検知センサエラー」であることを特定可能な電波検知センサエラー報知(第2エラー報知)が実行される。
実施例のパチンコ機10では、前記「磁気検知センサエラー」および「電波検知センサエラー」は同一順位エラーに区分されているので、該「磁気検知センサエラー」と「電波検知センサエラー」とが重複して発生した場合には、後から発生した同一順位エラーが報知される。
前記磁気検知センサ202または電波検知センサ201からLo信号およびHi信号の何れの信号もメイン制御CPU60aが受信しなくなった場合は、該メイン制御CPU60aは「センサエラー」(第3エラー)が発生したと判定し、メイン制御CPU60aは、センサエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において「センサエラー」を特定可能なセンサエラー報知(第3エラー報知)が実行される。この場合に、磁気検知センサ202または電波検知センサ201の何れが「センサエラー」の発生源であるかは、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されるセンサエラー報知では判別できない。実施例のパチンコ機10では、前記「磁気検知センサエラー」および「電波検知センサエラー」は、何れも「センサエラー」より優先順位は高く、センサエラー報知の実行中であっても「磁気検知センサエラー」や「電波検知センサエラー」が発生した場合には、センサエラー報知に優先して磁気検知センサエラー報知や電波検知センサエラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で認識可能な態様で実行可能である。そこで、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、磁気検知センサ202の磁気検知範囲に磁石等の磁気発生機器を意図的に近づける。この場合に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で磁気検知センサエラー報知が実行されれば、磁気検知センサ202からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は電波検知センサ201であることが分かる。また、磁気検知センサ202の磁気検知範囲に磁石等の磁気発生機器を意図的に近づけても、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で磁気検知センサエラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は磁気検知センサ202であることが分かる。
なお、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、電波検知センサ201が正常状態か否かを知らべることでも、同様に「センサエラー」の発生源を知ることができる。すなわち、電波検知センサ201の電波検知範囲に電波発生機器を意図的に近づける。この場合に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で電波検知センサエラー報知が実行されれば、電波検知センサ201からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は磁気検知センサ202であることが分かる。また、電波検知センサ201の電波検知範囲に電波発生機器を意図的に近づけても、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で電波検知センサエラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は電波検知センサ201であることが分かる。すなわち、不正行為を検知する磁気検知センサ202および電波検知センサ201が「センサエラー」の発生源である可能性がある場合に、磁気発生機器や電波発生機器を用いて意図的に「磁気検知センサエラー」や「電波検知センサエラー」を発生させる状況を作ることで、「センサエラー」の発生源を特定して適切に対応することができる。
(第2の具体例)
第2の具体例では、「センサエラー」の発生源である可能性のある2つの検知センサの内の一方(第1検知手段)を前記第2始動入賞検知センサ35とし、他方(第2検知手段)を前記第1特別入賞検知センサ38とした例で説明する。なお、第1検知手段を第1特別入賞検知センサ38とし、第2検知手段を第2始動入賞検知センサ35としてもよいことは勿論である。
前記第2始動入賞検知センサ35は、パチンコ球を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、該第2始動入賞検知センサ35が正常状態であることを認識する。同様に、前記第1特別入賞検知センサ38は、パチンコ球を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信したメイン制御CPU60aは、該第1特別入賞検知センサ38が正常状態であることを認識する。
前記始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で、第2始動入賞検知センサ35からパチンコ球の検知信号であるHi信号(第1検知信号)が規定数だけメイン制御CPU60aに入力された場合(第1エラー条件が満たされた場合)に、メイン制御CPU60aは「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、ランプ装置18において普通電動役物不正入賞エラー報知が実行される。すなわち、「普通電動役物不正入賞エラー」(第1エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「普通電動役物不正入賞エラー」であることを特定可能な普通電動役物不正入賞エラー報知(第1エラー報知)が実行される。また、前記第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態で、第1特別入賞検知センサ38からパチンコ球の検知信号であるHi信号(第2検知信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合(第2エラー条件が満たされた場合)に、メイン制御CPU60aは「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、ランプ装置18およびスピーカ19において特別電動役物不正入賞エラー報知が実行される。すなわち、「特別電動役物不正入賞エラー」(第2エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「特別電動役物不正入賞エラー」であることを特定可能な特別電動役物不正入賞エラー報知(第2エラー報知)が実行される。
前記第2始動入賞検知センサ35または第1特別入賞検知センサ38からLo信号およびHi信号の何れの信号もメイン制御CPU60aが受信しなくなった場合は、該メイン制御CPU60aは「センサエラー」(第3エラー)が発生したと判定し、メイン制御CPU60aは、センサエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において「センサエラー」を特定可能なセンサエラー報知(第3エラー報知)が実行される。この場合に、第2始動入賞検知センサ35または第1特別入賞検知センサ38の何れが「センサエラー」の発生源であるかは、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されるセンサエラー報知では判別できない。実施例のパチンコ機10では、前記「普通電動役物不正入賞エラー」および「特別電動役物不正入賞エラー」は、何れも「センサエラー」より優先順位は高く、センサエラー報知の実行中であっても「普通電動役物不正入賞エラー」や「特別電動役物不正入賞エラー」が発生した場合には、センサエラー報知に優先して普通電動役物不正入賞エラー報知や特別電動役物不正入賞エラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で認識可能な態様で実行可能である。そこで、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、始動入賞ソレノイド32を作動させることなく前記第2始動入賞口31aに規定個数のパチンコ球を入賞させて、意図的に第1エラー条件を満たさせる。この場合に、ランプ装置18で普通電動役物不正入賞エラー報知が実行されれば、第2始動入賞検知センサ35からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は第1特別入賞検知センサ38であることが分かる。また、第1エラー条件を満たしても、ランプ装置18で普通電動役物不正入賞エラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は第2始動入賞検知センサ35であることが分かる。
なお、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、第1特別入賞検知センサ38が正常状態か否かを知らべることでも、同様に「センサエラー」の発生源を知ることができる。すなわち、第1特別入賞ソレノイド37を作動させることなく前記第1特別入賞口36aにパチンコ球を入賞させて、意図的に第2エラー条件を満たさせる。この場合に、ランプ装置18およびスピーカ19で特別電動役物不正入賞エラー報知が実行されれば、第1特別入賞検知センサ38からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は第2始動入賞検知センサ35であることが分かる。また、第2エラー条件を満たしても、ランプ装置18およびスピーカ19で特別電動役物不正入賞エラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は第1特別入賞検知センサ38であることが分かる。すなわち、遊技者の利益に大きく影響する第2始動入賞検知センサ35および第1特別入賞検知センサ38が「センサエラー」の発生源である可能性がある場合に、意図的に第1エラー条件や第2エラー条件を満たす状況を作ることで、「センサエラー」の発生源を特定して適切に対応することができる。
ここで、「センサエラー」の発生源である可能性のある検知センサが、第2始動入賞検知センサ35や第1特別入賞検知センサ38等のように該検知センサ35,38の球検知によって賞球が払い出される球検知センサである場合は、対応する第2始動入賞部31や第1特別入賞部36にパチンコ球を意図的に入賞させたときに、入賞が発生するか否かで「センサエラー」の発生源であるか否かを特定することは可能である。しかしながら、第2始動入賞検知センサ35や第1特別入賞検知センサ38でパチンコ球を検知させるためには、対応する開閉部材31b,36bを開放作動させて入賞口31a,36aを開放させる必要があるが、遊技中でない状況において前記始動入賞ソレノイド32や第1特別入賞ソレノイド37が作動する状態を意図的に作り出すことは困難であって現実的ではない。しかも、パチンコ機10では、前述したように、第1エラー条件や第2エラー条件が満たされてメイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」や「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、該第2始動入賞検知センサ35および第1特別入賞検知センサ38による球検知によって賞球が払い出されないよう前記払出装置91が制御されるようになっている。言い替えると、始動入賞ソレノイド32や第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態で入賞検知センサ35,38が球検知した場合に賞球を払い出さないように構成することで、不正行為者によって不正に多量の賞球が獲得されてしまうことを防止している。このように、パチンコ機10では、第2始動入賞部31や第1特別入賞部36にパチンコ球を意図的に入賞させたときに、入賞が発生するか否かで「センサエラー」の発生源であるか否かを特定できない。
そこで、実施例のパチンコ機10では、前述したように、意図的にエラーが発生する状態を作ることで、対応するエラー報知が実行されるか否かによって「センサエラー」の発生源を特定するようにしている。これにより、「普通電動役物不正入賞エラー」や「特別電動役物不正入賞エラー」の発生時に不要な賞球の払い出しを停止することで不正行為者によって不正に多量の賞球が獲得されてしまうことを防止しつつ、「センサエラー」の発生源を特定して、適切に対応することができる。
(第3の具体例)
第3の具体例では、「センサエラー」の発生源である可能性のある2つの検知センサの内の一方(第1検知手段)を前記第1特別入賞検知センサ38とし、他方(第2検知手段)を前記磁気検知センサ202とした例で説明する。なお、第1検知手段を磁気検知センサ202とし、第2検知手段を第1特別入賞検知センサ38としてもよいことは勿論である。
前記第1特別入賞検知センサ38は、パチンコ球を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信したメイン制御CPU60aは、該第1特別入賞検知センサ38が正常状態であることを認識する。同様に、前記磁気検知センサ202は、磁気を検知していない非検知状態では、前述したように、Lo信号(基準信号)を出力し、該Lo信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、該磁気検知センサ202が正常状態であることを認識する。
前記第1特別入賞ソレノイド37が作動中でない状態で、第1特別入賞検知センサ38からパチンコ球の検知信号であるHi信号(第1検知信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合(エラー条件が満たされた場合)に、メイン制御CPU60aは「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、ランプ装置18およびスピーカ19において特別電動役物不正入賞エラー報知(第1エラー報知)が実行される。すなわち、「特別電動役物不正入賞エラー」(第1エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「特別電動役物不正入賞エラー」であることを特定可能な特別電動役物不正入賞エラー報知(第1エラー報知)が実行される。また、前記磁気検知センサ202が磁気を検知すると、該磁気検知センサ202は、前述したようにHi信号(不正検知信号,第2検知信号)を出力し、該Hi信号を受信(入力)したメイン制御CPU60aは、Hi信号に基づいて(具体的にはHi信号が300ms連続した場合)に「磁気検知センサエラー」が発生したと判定する。メイン制御CPU60aは、磁気エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において磁気検知センサエラー報知(第2エラー報知)が実行される。すなわち、「磁気検知センサエラー」(第2エラー)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、該「磁気検知センサエラー」であることを特定可能な磁気検知センサエラー報知(第2エラー報知)が実行される。
前記第1特別入賞検知センサ38または磁気検知センサ202からLo信号およびHi信号の何れの信号もメイン制御CPU60aが受信しなくなった場合は、該メイン制御CPU60aは「センサエラー」(第3エラー)が発生したと判定し、メイン制御CPU60aは、センサエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、該演出制御基板65の演出制御CPU65aの制御下に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において「センサエラー」を特定可能なセンサエラー報知(第3エラー報知)が実行される。この場合に、第1特別入賞検知センサ38または磁気検知センサ202の何れが「センサエラー」の発生源であるかは、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されるセンサエラー報知では判別できない。実施例のパチンコ機10では、前記「特別電動役物不正入賞エラー」および「磁気検知センサエラー」は、何れも「センサエラー」より優先順位は高く、センサエラー報知の実行中であっても「特別電動役物不正入賞エラー」や「磁気検知センサエラー」が発生した場合には、センサエラー報知に優先して特別電動役物不正入賞エラー報知や磁気検知センサエラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で認識可能な態様で実行可能である。そこで、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、第1特別入賞ソレノイド37を作動させることなく前記第1特別入賞口36aにパチンコ球を入賞させて、意図的にエラー条件を満たさせる。この場合に、ランプ装置18およびスピーカ19で特別電動役物不正入賞エラー報知が実行されれば、第1特別入賞検知センサ38からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は磁気検知センサ202であることが分かる。また、エラー条件を満たしても、ランプ装置18でおよびスピーカ19で特別電動役物不正入賞エラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は第1特別入賞検知センサ38であることが分かる。
なお、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でセンサエラー報知が実行されている状態で、磁気検知センサ202が正常状態か否かを知らべることでも、同様に「センサエラー」の発生源を知ることができる。すなわち、磁気検知センサ202の磁気検知範囲に磁気発生機器を意図的に近づける。この場合に、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で磁気検知センサエラー報知が実行されれば、磁気検知センサ202からのHi信号がメイン制御CPU60aで受信されており、「センサエラー」の発生源は第1特別入賞検知センサ38であることが分かる。また、磁気検知センサ202の磁気検知範囲に磁気発生機器を意図的に近づけても、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で磁気検知センサエラー報知が実行されない場合は、メイン制御CPU60aがHi信号を受信しておらず、「センサエラー」の発生源は磁気検知センサ202であることが分かる。すなわち、遊技者の利益に大きく影響する第1特別入賞検知センサ38および不正行為を検知する磁気検知センサ202が「センサエラー」の発生源である可能性がある場合に、エラー条件を意図的に満たして「特別電動役物不正入賞エラー」を発生させたり磁気発生機器を用いて意図的に「磁気検知センサエラー」を発生させる状況を作ることで、「センサエラー」の発生源を特定して適切に対応することができる。
このように、実施例のパチンコ機10では、複数の検知センサに関連する「センサエラー」が発生した場合に、センサエラー報知の実行中に意図的に対応する検知センサで検知されるエラーを発生させることで、「センサエラー」の発生源を特定することができ、適切に対応できる。
ここで、前述した第1〜第3の具体例における検知センサの種類の組み合わせは一例であって、当該パチンコ機10が備える複数種類の検知センサの種類の組み合わせが考えられる。また、「センサエラー」の発生源の可能性がある検知センサの数は2つである必要はなく、3つ以上であってもよい。そして、3つ以上の検知センサが「センサエラー」の発生源の可能性がある場合においても、各検知センサで個別に検知するエラーを意図的に発生させる検査を、各検知センサ毎に個々に実行することで、「センサエラー」の発生源を特定することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが前記同一順位エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」)および該同一順位エラーより優先順位が高いエラー(「RAMクリア」)が発生したと判定した場合に、該メイン制御CPU60aは対応するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力すると共にセキュリティ信号をホールコンピュータHPに出力する。前記複数のエラーが発生した場合にメイン制御CPU60aは、共通する出力端子を用いてセキュリティ信号を出力するので、構成を簡略化すると共に制御の簡素化を図ることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが、前記同一順位エラーより優先順位が低い「開放エラー」および「満杯エラー」が発生したと判定した場合には外部にセキュリティ信号を出力しないよう構成されているので、セキュリティ信号を過度に出力するのを抑制し得る。すなわち、複数種類のエラーについて、エラー発生時にセキュリティ信号を出力する信号出力エラーと、エラー発生時にセキュリティ信号を出力しない非信号出力エラーとに区分することで、セキュリティ信号を過度に出力することなく店側で対策を施す必要のある優先順位の高いエラーを店側に報知することができる。
実施例のパチンコ機10において、外部電源からの電力供給が遮断された場合は、前記電源断監視回路103からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電源断信号が入力され、該メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている電源断処理プログラムに基づき電源断処理を実行する。この電源断処理では、前記電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給され、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号回路106からのリセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制し、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
前記外部電源からの電力供給が遮断された後に、パチンコ機10への電力供給が開始されると、前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理において、前記クリアスイッチ102が操作されていない場合(「RAMクリア」でない場合)、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また電源投入処理が実行された場合は、、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、該復電処理が実行された旨の復電処理実行報知が表示装置17で実行される。すなわち、図8に示す如く、表示装置17の表示部17aに「復電処理が実行されました」の文字の画像が表示され、遊技者や店員に電源投入処理(復電処理)が実行されたことを報知できる。
ここで、前記「RAMクリア」でない電源投入処理(復電処理)では、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに記憶保持されている大当り情報、確変情報、変短情報等の遊技の進行に係る遊技情報を保持したままエラー情報のみが初期化される。すなわち、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知が実行されている状態で、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに対する前記電源回路105からの電力供給が遮断し、その後の復電時に前記電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cにおいて電力供給の遮断時(前)に発生していたエラーに関する情報は初期化される。そして、電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、電源投入処理(復電処理)が実行された旨の復電処理実行報知を表示装置17で実行させるよう構成されているので、電源投入処理(復電処理)が実行されたことを報知することができる。また、電源投入処理(復電処理)においてメイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに記憶保持されているエラー情報は初期化(消去)されるが、エラーの原因が解消されていない場合は、電力供給によりエラー検知手段がエラーを検知して、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知が実行されてしまい、電源投入処理(復電処理)が実行されたことを確実に認識し得なくなる場合がある。しかるに、実施例のパチンコ機10では、電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、電源投入処理(復電処理)が実行された旨の復電処理実行報知をエラー報知に優先して表示装置17で実行させるよう構成されているので、電源投入処理(復電処理)が実行されたことを確実に報知することができる。
実施例では、クリア手段101,102,104を構成する電源スイッチ101のOFF操作によってエラー報知を強制停止することができると共に、該クリア手段101,102,104を構成するクリアスイッチ回路104から出力されるクリア信号によって、前記制御RAM60c,65cを初期化するよう構成されているので、エラー報知を強制停止させる手段を別途設ける必要はなく、構成を簡略化し得る。
〔変更例について〕
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した各実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1) 実施例では、各種エラーに優先順位を設定し、複数のエラーが重複して発生した場合には優先順位が高いエラーのエラー報知を優先して実行するよう構成したが、例えば報知手段としての表示装置について、全てのエラー表示(報知)を同時に(並行して)表示可能に構成し、優先順位に関係なく重複して発生した全てのエラーを特定するエラー報知を並行して表示する構成を採用し得る。
(2) 実施例では、入球部に関するエラーとして、入賞口を開閉部材で開閉する構成の第1特別入賞部や第2始動入賞部を対象とした「特別電動役物不正入賞エラー」や「普通電動役物不正エラー」を挙げたが、入球部に関するエラーとしては、入賞口が常に遊技領域に開放する第1始動入賞部や普通入賞部、または入球口が常に遊技領域に開放するゲート部を対象とする異常入賞エラーを設定してもよい。このように入賞口や入球口が常に遊技領域に開放する入球部を対象とする異常入賞エラーについては、対応する球検知手段が、予め設定された単位時間内に規制数以上の球検知を行った場合(エラー条件が満たされた場合)に、判定手段が異常入賞エラーが判定したと判定して、報知手段で対応する異常入賞エラー報知を行うようにする。そして、異常入賞エラーの対象となる入球部の球検知手段および不正検知手段とが第3エラーの発生源の可能性がある場合においても、実施例で説明したと同様に意図的に異常入賞エラーや不正行為に関するエラーを発生させることで、第3エラーの発生源を特定することができる。
(3) 実施例では、同一順位エラーとして、対応するエラー表示(エラー報知)を表示部の全画面に表示するものを分類したが、表示部の一部に設定された表示領域にエラー表示(実施例の低優先度エラーに対応するエラー表示)を表示する複数種類のエラーを同一順位エラーとして分類することができる。このように、表示部の一部に設定された表示領域にエラー表示を表示する複数種類のエラーを同一順位エラーとした場合に、全ての同一順位エラーのエラー表示を共通する表示領域に表示するようにしてもよいし、または各同一順位エラーのエラー表示を表示する表示領域を相互に重ならない位置に設定してもよい。そして、同一順位エラーのエラー表示を表示する表示領域を相互に重ならない位置に設定した場合は、複数の同一順位エラーが重複して発生した場合に、複数の同一順位エラーのエラー表示を、何れも視認可能な状態で表示することができる。
(4) 実施例では、同一順位エラーのエラー報知の解除条件を同じ(電源の切断)としたが、異なる解除条件としてもよい。すなわち、電源の切断が解除条件のエラーと、報知開始(エラー発生)からの経過時間が解除条件のエラーとが混在していてもよい。
(5) 実施例では、エラー報知手段(報知手段)として図柄変動演出が実行される表示装置を挙げたが、表示装置とは別に設けたサブ表示装置にエラー表示(エラー報知)を表示させる構成を採用し得る。すなわち、表示装置で図柄変動演出を表示すると共に、サブ表示装置でエラー表示を表示するようにすれば、図柄変動演出中に発生したエラーに対応するエラー表示によって図柄変動演出の視認性が低下するのを防止し得るもとで、エラーの発生を確実に報知することができる。
(6) 実施例では、「RAMクリア」に対応するエラー報知として、表示装置では「RAMクリア」を特定するエラー表示を実行しない場合としたが、表示制御RAMに、「RAMクリア」を特定するRAMクリア表示の画像データとして、「RAMクリア」の文字を表示する画像データを記憶させて、「RAMクリア」が発生した場合には表示装置の表示部にRAMクリア表示の画像を有効停止位置(確定停止表示領域)に表示するようにしてもよい。また、RAMクリア表示の画像については、「RAMクリア」による初期化処理が開始されるタイミングで表示部に表示し、その後の初期化処理が終了するまでは実施例で説明したように初期画像(初期図柄)を表示するようにしてもよい。
(7) エラーが重複して発生した場合において優先順位が高いエラーのエラー報知を優先して実行する場合に、ランプ装置やスピーカ等のように同時または並行して異なるエラー報知を実行できない第1のエラー報知手段では優先順位の高いエラー報知を実行する一方で、表示装置のように同時または並行して異なるエラー報知を実行できる第2のエラー報知手段では優先順位に関わらず複数のエラー報知を実行する構成を採用し得る。例えば、満杯エラー報知が表示装置およびスピーカで実行中に、「振動検知センサエラー」が発生した場合に、表示装置では満杯エラー報知および振動検知センサエラー報知の画像を並行して表示しつつ、スピーカでは優先順位の高い「振動検知センサエラー」のエラー報知の音声を出力するようにする。この構成によれば、表示によって複数のエラーの発生を報知しつつ、音声によって優先順位の高いエラーの発生を報知することができる。
(8) 復電処理実行報知について、表示装置による報知のみに限らず、ランプ装置やスピーカで報知するようにしてもよい。
(9) 実施例では、同一順位エラーが重複して発生した場合は、後に発生した同一順位エラーのエラー表示を視認可能な状態で表示装置に表示するよう構成したが、先に発生した同一順位エラーのエラー表示を視認可能な状態で維持するようにしてもよい。先に発生した同一順位エラーのエラー表示を視認可能な状態に維持する構成としては、メイン制御手段(メイン制御CPU)が同一順位エラーの発生中であると判定している状態では、同一順位エラーを検知するエラー検知手段からの新たな検知信号をキャンセルする構成や、後に発生した同一順位エラーのエラー表示を、先に発生した同一順位エラーのエラー表示が表示されているレイヤの後側のレイヤに隠れるように表示することで、先に発生した同一順位エラーのエラー表示を視認可能な状態に維持する構成を採用し得る。
(10) 実施例では、復電時には記憶手段(制御RAM)に記憶されているエラー情報を初期化するよう構成したが、第2の報知停止手段を構成する電源断監視回路からの信号(電源ON信号)のみによっては記憶手段(制御RAM)に記憶されているエラー情報を初期化しないようにすることもできる。そして、電源断監視回路からの信号のみによっては記憶手段に記憶されているエラー情報を初期化しない構成を採用した場合は、次のような作用効果を奏する。すなわち、エラー報知を強制停止する機能を有する電源スイッチがON状態で発生した停電等によって電源がOFF(切断)となった後に停電の復旧により電力供給が開始された場合には、電源断監視回路から電源ON信号が出力されるが、該電源ON信号のみでは制御RAMは初期化されない。従って、エラー報知中に停電があっても、復電時にエラー情報が誤って初期化されることはなく、停電の復旧後においては制御RAMに記憶保持されているエラー情報に基づいてエラー対策を行うことができる。具体的には、エラー報知の解除条件が電源の切断でないエラーの発生中に停電があっても、復電後には停電により中断されたエラー報知を再開できる。より具体的には、振動検知センサエラー報知が表示装置、ランプ装置、スピーカで実行されている状態(報知の解除条件が成立していない状態、実施例では振動検知センサエラー報知の開始から30秒未満)で電力供給が遮断し、その後の復電時に前記電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、復電処理実行報知が表示装置で実行された後に、メイン制御RAMおよび演出制御RAMに記憶保持されているバックアップデータに基づいて振動検知センサエラー報知が表示装置、ランプ装置、スピーカで実行される。従って、表示装置、ランプ装置、スピーカで実行される振動検知センサエラー報知に基づいて、「振動検知センサエラー」に対する対策を行うことができる。
(11) 実施例では、各エラーに対応するエラー報知を、表示装置、ランプ装置、スピーカの複数のエラー報知手段のうちの複数を用いて実行するよう構成したが、エラーの種類に応じてエラー報知手段の組み合わせを変えたり、または何れか一つのエラー報知手段でのみエラー報知を実行するようにしてもよい。
(12) 表示装置においてエラー表示や演出図柄を非表示にするとは、表示部に画像を表示する制御を行っていない場合および表示部に画像を表示する制御は行っているが、レイヤ処理等によって結果として画像が前側から視認し得なくなる場合を含んでいる。
(13) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(14) 実施例においてメイン制御基板が備える機能の全部または一部を払出制御基板が備えるようにしてもよく、反対に払出制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、メイン制御基板と払出制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。
(15) また、実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(16) 実施例では、電源回路から各制御基板に電源電圧を供給するよう構成したが、電源回路から払出制御基板に供給された電源電圧を、該払出制御基板からその他の制御基板に供給する構成を採用し得る。すなわち、電源回路から1つの制御基板に供給された電源電圧を、該1つの制御基板から他の制御基板に供給するようにしてもよい。
(17) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機、パチンコ球やコイン等の遊技媒体を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。