JP2017169676A - 医療用クリップおよびその位置特定器 - Google Patents
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Abstract
【課題】消化器官病変部切除手術における病変部位を正確に特定し、患者の負担を増大させることなく迅速に行うことができ、手術の信頼性を向上させることができる医療用クリップおよびその位置特定器を提供する。【解決手段】医療用クリップ50は、磁化した強磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性部材から形成されたクリップ体51と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉するものである。また、位置特定器は、医療用クリップが発生する磁界の大きさおよび該方向から、該医療用クリップの位置を特定する。【選択図】図1
Description
本発明は、消化器管内の病変部をマーキングする医療用クリップおよびそのマーキング位置を消化器官外から特定する位置特定器に関する。
一般的に、胃、或いは大腸などの消化器官の腫瘍切除手術、或いは切除手術を必要とするその他の消化器官の手術において、消化器官外から病変部の位置を視覚的にも触覚的にも確認することが困難であると予想される場合には、手術前に予め内視鏡を消化器官に挿入し病変部或いはその近傍(以下、病変部付近と総称することがある)に染料やクリップなどで目印を付け、手術の際に、その目印を利用して視覚的或いは触覚的に病変部位を確認し、切除部位の決定を行っている。
しかしながら、この一般的な方法では手術の際に病変部位を確認できないことが多かった。このような場合には、再度内視鏡を挿入して病変部位を探し、内視鏡先端からの照明光を消化器官外から視認することによって、或いはX線透視によりクリップの位置を確認することによって、切除部位を決定していた。このような病変部位の決定では手術時間が長くなり、患者負担の増大や衛生面などの問題があった。
従来技術の欠点を改善するものとして、消化器官病変部付近に取付けるクリップと発光体を合体させ、消化器官外より光るクリップを見て病変部を確認する技術(特許文献1)があるが、消化器官壁を介して視認するため、明瞭な位置確認は困難であった。
また、消化器官に挿入された内視鏡と、体腔内に挿入された消化器官外の処置具と、内視鏡と処置具との相対的な位置を検出する手段(例えば、永久磁石と磁気センサ)と、を設けた技術(特許文献2)がある。この技術は、手術直前に消化器官に内視鏡を挿入し、さらに内視鏡を挿入した状態で手術を行うことにおいて、前記の再度内視鏡を挿入し内視鏡先端からの照明光を視認する方法と同様に、手術時間が長くなる、患者の負担が大幅に増大する、手術中の視野が悪くなるなどの問題があり、実用上は実施困難であった。
さらに、内視鏡を消化器官に挿入し病変部を探す工程と、探した病変部或いはその近傍に磁石を取付ける工程と、取付けた磁石を病変部の目印として残して内視鏡を消化器官から引抜く工程と、消化器官外から磁気センサで磁石取付け部位を同定する工程とを含み、同定した磁石取付け部位を消化器官病変部位とした消化器官病変部位同定システム(特許文献3)がある。
上記の特許文献2および特許文献3のように磁石と磁気センサを用いる場合、磁石の向きならびに磁気センサの向きにより、磁気センサで測定される磁界の大きさが変化して、正確に位置を特定することが困難であった。言い換えれば、磁石が発生する磁界は、ただ単に大きさのみを表わすスカラー量でなく、該方向と大きさを表すベクトル量(磁界をベクトル量で表した場合、すなわち、磁界ベクトルの長さは磁界の大きさを、磁界ベクトルの方向は磁界の方向を表わす)であるので、磁気センサで測定される磁界の大きさは磁界の方向によって変化する。したがって、磁石と磁気センサとを用いる方法において、従来方法は、病変部位の位置を迅速かつ正確に特定できないという課題があった。
本発明は、上述の状況に鑑み、消化器官病変部切除手術における病変部位を正確に特定し、患者の負担を増大させることなく迅速に行うことができ、手術の信頼性を向上させることができる医療用クリップおよびその位置特定器を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、請求項1の位置特定器は、前記磁界の大きさおよび該方向から、前記医療用クリップの位置を特定することを特徴としている。医療用クリップが発生する磁界の大きさと該方向から、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定するので、患者の負担を増大させることなく、手術の信頼性を向上させることができる。
また、請求項2の位置特定器は、少なくとも2つ以上の磁気センサを備えたことを特徴としている。位置特定器は2つ以上の磁気センサを備えているので、例えば、2つの磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルをある平面に投影した磁界の大きさおよび該方向を測定でき、3つ以上の磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルそのもの(磁界の大きさおよび該方向)を測定することができるので、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項3の磁気センサは、ホール素子あるいは磁気抵抗素子であることを特徴としている。ホール素子および磁気抵抗素子は、該素子の面方位を表わす単位ベクトルと磁界ベクトルとのスカラー積を出力するので、2つの磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルをある平面に投影した磁界の大きさおよび該方向を測定でき、3つ以上の磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルそのもの(磁界の大きさおよび該方向)を測定することができるので、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項4の医療用クリップは、磁化した強磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉することを特徴としている。この医療用クリップは、円環体が発生する磁界の方向とクリップ体の長手方向との方位関係が定まっているので、請求項1〜3の位置特定器によって、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項5の医療用クリップの円環体は、該中心軸方向に磁化されたことを特徴としている。この医療用クリップが発生する磁界の方向は、該クリップ体の長手方向であるので、請求項1〜3の位置特定器によって、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項6の医療用クリップは、非磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性を持ち磁化した強磁性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉することを特徴としている。この医療用クリップは、クリップ体が発生する磁界の方向とクリップ体の長手方向との方位関係が定まっているので、請求項1〜3の位置特定器によって、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項7の医療用クリップのクリップ体は、該長手方向に磁化されたことを特徴としている。この医療用クリップが発生する磁界の方向は、該クリップ体の長手方向であるので、請求項1〜3の位置特定器によって、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
本発明の医療用クリップおよび該位置特定器を以下に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。まず、本発明の医療用クリップについて説明する。
<医療用クリップ>
本発明に係る医療用クリップは、生体の消化器官に挿入し、病変部の目印として消化器官内に取付けるものであり、人体との親和性に配慮することが重要な課題の一つである。このため、本発明の医療用クリップは、人体との親和性のある部材で構成する必要がある。人体との親和性が劣る永久磁石などは、チタンで表面処理すれば人体との親和性が改善される。
本発明に係る医療用クリップは、生体の消化器官に挿入し、病変部の目印として消化器官内に取付けるものであり、人体との親和性に配慮することが重要な課題の一つである。このため、本発明の医療用クリップは、人体との親和性のある部材で構成する必要がある。人体との親和性が劣る永久磁石などは、チタンで表面処理すれば人体との親和性が改善される。
図1は、本発明の医療用クリップ50の実施例を示す概略構成図である。医療用クリップ50は、クリップ体51と、円環体52と、を備える。クリップ体51は、円環体52を貫通可能にして、弾性部材から形成されている。クリップ体51は、円環体52をクリップ体51の長手方向に沿って移動すると、クリップ体51の挟み口が開閉するものである。円環体52をクリップ体51の後方に移動したとき、図1(a)に示すようにクリップ体51の挟み口は開く。一方、円環体52をクリップ体51の前方に移動したとき、図1(b)に示すようにクリップ体51の挟み口は閉じる。医療用クリップ50が消化器官用内視鏡の鉗子孔を通過するためには、クリップ体51が閉じたときの短手寸法および円環体52の直径は、3mm以下が好ましい。
医療用クリップの磁化に関する実施の形態について以下に説明する。
[第1の実施の形態]
この実施の形態では、円環体52は磁化した強磁性体、例えば、永久磁石によって形成され、クリップ体51は非磁性体によって形成されている。円環体52の磁化方向は、円環体52の中心軸方向に平行なものと円環体52の中心軸方向に垂直なものとがある。中心軸方向に垂直に磁化した円環体52よりも、中心軸方向に平行に磁化した円環体52がより好適である。
[第1の実施の形態]
この実施の形態では、円環体52は磁化した強磁性体、例えば、永久磁石によって形成され、クリップ体51は非磁性体によって形成されている。円環体52の磁化方向は、円環体52の中心軸方向に平行なものと円環体52の中心軸方向に垂直なものとがある。中心軸方向に垂直に磁化した円環体52よりも、中心軸方向に平行に磁化した円環体52がより好適である。
図2は、中心軸方向に平行に磁化した円環体52が発生する磁力線(磁界の中の曲線で、その上の各点での接線が、その点の磁界ベクトルの向きと一致するもの)を示す。この円環体52にクリップ体51を挿入した医療用クリップ50がその近傍で発生する磁界の方向は、その長手方向に沿ったものとなる。したがって、医療用クリップ50の近傍で、それが発生する磁界の大きさと該方向は一様となる。後述する位置特定器10を用いれば、医療用クリップ50の位置を迅速かつ正確に特定することができる。また、医療用クリップ50の姿勢も迅速かつ正確に特定することができる。
[第2の実施の形態]
この実施の形態では、円環体52は非磁性体によって形成され、クリップ体51は磁化した強磁性体によって形成されている。クリップ体51は、クリップ体51の長手方向に沿って磁化されている。例えば、クリップ体51の前方部(挟み口の部分)はN極、後方部はS極に磁化されている。
この実施の形態では、円環体52は非磁性体によって形成され、クリップ体51は磁化した強磁性体によって形成されている。クリップ体51は、クリップ体51の長手方向に沿って磁化されている。例えば、クリップ体51の前方部(挟み口の部分)はN極、後方部はS極に磁化されている。
図3は、クリップ体51の挟み口が閉じた状態において発生する磁力線(磁界の中の曲線で、その上の各点での接線が、その点の磁界ベクトルの向きと一致するもの)を示す。このクリップ体51を円環体52に挿入した医療用クリップ50がその近傍で発生する磁界の方向は、その長手方向に沿ったものとなる。したがって、医療用クリップ50の近傍で、それが発生する磁界の大きさと該方向は一様となる。後述する位置特定器10を用いれば、医療用クリップ50の位置を迅速かつ正確に特定することができる。また、医療用クリップ50の姿勢も迅速かつ正確に特定することができる。
<位置特定器>
次に、本発明の位置特定器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、本発明の位置特定器の実施例を示す概略構成図である。位置特定器10は、予め消化器官内の病変部付近に取付けた医療用クリップ50を目印とし、手術に際し、この医療用クリップ50が発生する磁界の大きさと該方向とを測定することで、該医療用クリップ50の位置を消化器官外から特定するものである。位置特定器10は、プローブ部20と、表示部30と、を備える。
次に、本発明の位置特定器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、本発明の位置特定器の実施例を示す概略構成図である。位置特定器10は、予め消化器官内の病変部付近に取付けた医療用クリップ50を目印とし、手術に際し、この医療用クリップ50が発生する磁界の大きさと該方向とを測定することで、該医療用クリップ50の位置を消化器官外から特定するものである。位置特定器10は、プローブ部20と、表示部30と、を備える。
プローブ部20は、体外からトロッカーを介して体内に挿入できる円筒形状の円管21と、フレキシブルケーブル25とを備える。円管21の一端の先端部は密閉され、該先端部中にホール素子22,23,24を備える。ホール素子22,23,24は、それぞれ、電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24b、および、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dを備える。ホール素子22は、その電流端子22a,22bに所定の電流を流して磁界中に置くと、そのホール端子22c,22dの両端に、そのホール素子20の面方位に平行な単位ベクトルと磁界ベクトルのスカラー積に比例したホール電圧を発生する。フレキシブルケーブル25の複数のワイヤーの一端は、円管21を通して、それぞれ、電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24b、および、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dに接続されている。フレキシブルケーブル25の複数のワイヤーの他端には、コネクタ26が接続され、該コネクタ26を介して、表示部30に接続される。
図5に示すように、直交XYZ座標において、ホール素子22,23,24の各面方位を、それぞれ、XYZ軸に平行に配置すれば、各ホール素子22,23,24に発生するホール電圧は、磁界ベクトルのXYZ軸との方向余弦成分となる。これらの方向余弦成分から、磁界ベクトルの大きさと該方向は容易に算出することができる。本実施例では、3つのホール素子を用いる場合を説明したが、2つのホール素子、あるいは、3つ以上のホール素子を用いても良い。また、ホール素子に限らず磁気抵抗素子を用いても良い。
表示部30は、表示演算処理手段31と、磁界ベクトルの大きさ表示器32と、磁界ベクトルの方向表示器33と、これらを収納する筐体34と、を備える。表示部30は、コネクタ26を介して、プローブ部20のフレキシブルケーブル25に接続されるが、プローブ部20と一体にして構成したものであってもよい。
表示演算処理手段31は、コネクタ26およびフレキシブルケーブル25を介して、ホール素子22,23,24の電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24b、および、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dに接続される。表示演算処理手段31は、ホール素子22,23,24の電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24bに定電流を供給する機能を備える。また、表示演算処理手段31は、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dからのホール電圧から、すなわち、磁界ベクトルのXYZ軸との方向余弦成分から、磁界ベクトルの大きさと該方向を演算する機能を備える。さらに、表示演算処理手段31は、演算した磁界ベクトルの大きさと該方向を磁界ベクトルの大きさ表示器32と磁界ベクトルの方向表示器33とに出力する機能を備える。上述した表示演算処理手段31の機能は、アナログデジタル変換器、ROM、RAM、MPU、デジタルアナログ変換器などの個別ICで構成しても良いし、これらの機能を集積したワンチップマイコンで構成することができる。上の説明では、表示演算処理手段31が表示部30中に備えてられていたが、表示演算処理手段31の一部の機能を、プローブ部20中に備えたものであっても良い。
磁界ベクトルの大きさ表示器32および磁界ベクトルの方向表示器33は、7セグメントLED表示器などの視覚的に表示するものであっても良いし、磁界ベクトルの大きさや該方向が予め決められた磁界ベクトルの大きさや該方向を超えたときにブザーやランプの点滅などで警告するものであっても良い。
10 位置特定器
20 プローブ部
21 円管
22,23,24 ホール素子
22a,22b,23a,23b,24a,24b 電流端子
22c,22d,23c,23d,24c,24d ホール端子
25 フレキシブルケーブル
26 コネクタ
30 表示部
32 磁界ベクトルの大きさ表示器
33 磁界ベクトルの方向表示器
34 筐体
50 医療用クリップ
51 クリップ体
52 円環体
20 プローブ部
21 円管
22,23,24 ホール素子
22a,22b,23a,23b,24a,24b 電流端子
22c,22d,23c,23d,24c,24d ホール端子
25 フレキシブルケーブル
26 コネクタ
30 表示部
32 磁界ベクトルの大きさ表示器
33 磁界ベクトルの方向表示器
34 筐体
50 医療用クリップ
51 クリップ体
52 円環体
上記の特許文献2および特許文献3のように磁石と磁気センサを用いる場合、磁石の向きならびに磁気センサの向きにより、磁気センサで測定される磁界の大きさが変化して、正確に位置を特定することが困難であった。言い換えれば、磁石が発生する磁界は、ただ単に大きさのみを表わすスカラー量でなく、方向と大きさを表すベクトル量(磁界をベクトル量で表した場合、磁界ベクトルの長さは磁界の大きさを、磁界ベクトルの方向は磁界の方向を表わす)であるので、磁気センサで測定される磁界の大きさは磁界の方向によって変化する。したがって、磁石と磁気センサとを用いる方法において、従来方法は、病変部位の位置を迅速かつ正確に特定できないという課題があった。
前記の目的を達成するため、請求項1の位置特定器は、磁界を発生する医療用クリップの位置を特定する位置特定器であって、該位置特定器は、2つ以上の磁気センサと、表示演算処理手段と、を有し、前記磁気センサは、前記磁界の磁界ベクトルの特定の方向の成分のみを測定し、2つ以上の前記磁気センサが測定する前記磁界ベクトルの特定の方向の成分はそれぞれ互いに異なる方向の成分であり、前記表示演算処理手段は、2つ以上の前記磁気センサがそれぞれ測定した前記磁界ベクトルの特定の方向の成分から前記磁界ベクトルの大きさおよび方向を演算し、前記磁界ベクトルの大きさおよび方向から、前記医療用クリップの位置を特定することを特徴としている。医療用クリップが発生する磁界ベクトルの大きさと方向から、該医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定するので、患者の負担を増大させることなく、手術の信頼性を向上させることができる。
また、請求項1の位置特定器は、2つ以上の磁気センサを備えているので、例えば、2つの磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルをある平面に投影した磁界ベクトルの大きさおよび方向を測定でき、3つ以上の磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルの大きさおよび方向そのものを測定することができるので、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項3の位置特定器は、磁気センサがホール素子あるいは磁気抵抗素子であることを特徴としている。ホール素子および磁気抵抗素子は、該ホール素子および磁気抵抗素子の面方位を表す単位ベクトルと磁界ベクトルとのスカラー積を出力するので、2つの磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルをある平面に投影した磁界ベクトルの大きさおよび方向を測定でき、3つ以上の磁気センサを備えている場合、磁界ベクトルの大きさおよび方向そのものを測定することができるので、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定することができる。
また、請求項4の病変位置特定システムは、磁化した強磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉する医療用クリップと、請求項1ないし3の位置特定器と、を備えたことを特徴としている。この病変位置特定システムにおける医療用クリップは、円環体が発生する磁界の方向とクリップ体の長手方向との方位関係が定まっているので、請求項1ないし3の位置特定器を用いれば、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定する病変位置特定システムを提供できる。
また、請求項5の病変位置特定システムは、非磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性を持ち磁化した強磁性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉する医療用クリップと、請求項1ないし3の位置特定器と、を備えたことを特徴としている。この病変位置特定システムにおける医療用クリップは、クリップ体が発生する磁界の方向とクリップ体の長手方向との方位関係が定まっているので、請求項1ないし3の位置特定器を用いれば、医療用クリップの位置を迅速かつ正確に特定する病変位置特定システムを提供できる。
図2は、中心軸方向に平行に磁化した円環体52が発生する磁力線(磁界の中の曲線で、その上の各点での接線が、その点の磁界ベクトルの向きと一致するもの)を示す。この円環体52にクリップ体51を挿入した医療用クリップ50がその近傍で発生する磁界の磁界ベクトルの方向は、その長手方向に沿ったものとなる。したがって、医療用クリップ50の近傍で、それが発生する磁界の磁界ベクトルの大きさと方向は一様となる。後述する位置特定器10を用いれば、医療用クリップ50の位置を迅速かつ正確に特定することができる。また、医療用クリップ50の姿勢も迅速かつ正確に特定することができる。
図3は、クリップ体51の挟み口が閉じた状態において発生する磁力線(磁界の中の曲線で、その上の各点での接線が、その点の磁界ベクトルの向きと一致するもの)を示す。このクリップ体51を円環体52に挿入した医療用クリップ50がその近傍で発生する磁界の方向は、その長手方向に沿ったものとなる。したがって、医療用クリップ50の近傍で、それが発生する磁界の磁界ベクトルの大きさと方向は一様となる。後述する位置特定器10を用いれば、医療用クリップ50の位置を迅速かつ正確に特定することができる。また、医療用クリップ50の姿勢も迅速かつ正確に特定することができる。
<位置特定器>
次に、本発明の位置特定器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、本発明の位置特定器の実施例を示す概略構成図である。位置特定器10は、予め消化器官内の病変部付近に取付けた医療用クリップ50を目印とし、手術に際し、この医療用クリップ50が発生する磁界の磁界ベクトルの大きさと方向とを測定することで、該医療用クリップ50の位置を消化器官外から特定するものである。位置特定器10は、プローブ部20と、表示部30と、を備える。
次に、本発明の位置特定器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、本発明の位置特定器の実施例を示す概略構成図である。位置特定器10は、予め消化器官内の病変部付近に取付けた医療用クリップ50を目印とし、手術に際し、この医療用クリップ50が発生する磁界の磁界ベクトルの大きさと方向とを測定することで、該医療用クリップ50の位置を消化器官外から特定するものである。位置特定器10は、プローブ部20と、表示部30と、を備える。
プローブ部20は、体外からトロッカーを介して体内に挿入できる円筒形状の円管21と、フレキシブルケーブル25とを備える。円管21の一端の先端部は密閉され、該先端部中にホール素子22,23,24を備える。ホール素子22,23,24は、それぞれ、電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24b、および、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dを備える。ホール素子22は、その電流端子22a,22bに所定の電流を流して磁界中に置くと、そのホール端子22c,22dの両端に、そのホール素子22の面方位に平行な単位ベクトルと磁界ベクトルのスカラー積に比例したホール電圧を発生する。フレキシブルケーブル25の複数のワイヤーの一端は、円管21を通して、それぞれ、電流端子22a,22b,23a,23b,24a,24b、および、ホール端子22c,22d,23c,23d,24c,24dに接続されている。フレキシブルケーブル25の複数のワイヤーの他端には、コネクタ26が接続され、該コネクタ26を介して、表示部30に接続される。
Claims (7)
- 磁界を発生する医療用クリップの位置を特定する位置特定器であって、前記磁界の大きさおよび該方向から、前記医療用クリップの位置を特定することを特徴とする位置特定器
- 請求項1において、前記位置特定器は少なくとも2つ以上の磁気センサを備えたことを特徴とする位置特定器
- 請求項2において、前記磁気センサは、ホール素子あるいは磁気抵抗素子であることを特徴とする位置特定器
- 磁界を発生する医療用クリップであって、該医療用クリップは、磁化した強磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉することを特徴とする医療用クリップ
- 請求項4において、前記円環体は、該中心軸方向に磁化されたことを特徴とする医療用クリップ
- 磁界を発生する医療用クリップであって、該医療用クリップは、非磁性部材から形成された円環体と、該円環体を貫通可能にして弾性を持ち磁化した強磁性部材から形成されたクリップ体と、を備え、該クリップ体の長手方向に沿った前記円環体の移動により該クリップ体の挟み口を開閉することを特徴とする医療用クリップ
- 請求項6において、前記クリップ体は、該長手方向に磁化されたことを特徴とする医療用クリップ
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Cited By (3)
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