JP2017169366A - 電池装置、セルバランス装置およびセルバランス方法 - Google Patents

電池装置、セルバランス装置およびセルバランス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池モジュールが充放電されていても正確なセルバランス処理を実行できる電池装置、セルバランス装置およびセルバランス方法を提供する。【解決手段】直列接続された複数の二次電池(セル21A,21B,21C)を含む電池モジュール20と、複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温部14と、複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を計温部によって計測された温度に基づいて設定し、電池モジュールの充放電時において上限値以下となるように複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する制御部10と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電池モジュールの劣化を抑止する電池装置、セルバランス装置およびセルバランス方法に関する。
自動車等の車両には、リチャージャブル・バッテリ(二次電池)が搭載されることが多い。このような二次電池は、例えばエンジン等から伝達される機械的運動エネルギーをオルタネーターで変換して得られる電気エネルギーを蓄積(充電)し、車両を駆動するためのモータへ電気エネルギーを供給(放電)する。
二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池は、高温になるほど劣化しやすく、また、充電率が高いほど劣化しやすい特性がある。複数のリチウムイオン二次電池のセルを直列に接続した電池モジュールにおいて、充放電が繰り返されると、各セルの充電率(充電量)に差が生じることがある。また、リチウムイオン二次電池では使用環境によって各セルに温度差が生じ得る。このような充電率や温度のばらつきによって一部のセルの劣化が促進されるとリチウムイオン二次電池の寿命が短くなるおそれがある。
例えば、特許文献1には、温度の高いリチウムイオン二次電池ほど充電率を小さくする制御を実行することで、セル間の劣化のばらつきを少なくして、電池モジュールの長寿命化を図る技術が記載されている。
特開2014−171323号公報
特許文献1の技術では、各セルの充電率および温度を測定して、それらを相対的に比較した上でセルバランス処理を実行する。ここで、セルバランス処理とは、電池モジュールの長寿命化を図るために、電池モジュールの各電池セルの充電率を調整する処理をいう。このセルバランス処理の実行中に電池モジュールの充放電が行われると、各セルの充電率が変動してしまうため、これらの比較結果に変動が生じて正しい結果が得られない。そこで、特許文献1の技術では、電池モジュールが使用されていない状況(例えば、車両のキースイッチがオフとなって一定時間が経過した場合)でのみセルバランス処理を実行する。これに対して、電池モジュールが充放電されていても正確なセルバランス処理を実行できる技術が求められていた。
前記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、電池モジュールが充放電されていても正確なセルバランス処理を実行できる電池装置、セルバランス装置およびセルバランス方法を提供することにある。
前記課題を解決するために第1の観点に係る電池装置は、直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと、前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温部と、前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温部によって計測された温度に基づいて設定し、前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する制御部と、を備える。
また、第2の観点に係る電池装置は、第1の観点の電池装置において、前記制御部が、前記計温部によって計測された温度が高い二次電池ほど、前記上限値が小さくなるように設定する。
また、第3の観点に係る電池装置は、第1または第2の観点の電池装置において、前記複数の二次電池のそれぞれについて製造からの経過時間を計測する計時部を備え、前記制御部が、前記計時部によって計測された経過時間が所定の時間を過ぎた二次電池の前記上限値を調整する。
また、第4の観点に係る電池装置は、第1から第3のいずれか一つの観点の電池装置において、前記制御部が、前記電池モジュールの充電時に、前記上限値が放電時よりも小さくなるように調整する。
また、第5の観点に係る電池装置は、第1から第4のいずれか一つの観点の電池装置において、前記複数の二次電池のそれぞれに並列に接続され、相互に直列接続されたスイッチと抵抗とを有するセルバランス回路を備え、前記制御部は、前記セルバランス回路のスイッチのそれぞれを切り替えることによって前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する。
また、第6の観点に係るセルバランス装置は、直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと接続されるセルバランス装置であって、前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温部と、前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温部によって計測された温度に基づいて設定し、前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する制御部と、を備える。
また、第7の観点に係るセルバランス方法は、直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと接続されるセルバランス装置が実行するセルバランス方法であって、前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温ステップと、前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温ステップにおいて計測された温度に基づいて設定するステップと、前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整するステップと、を含む。
第1の観点に係る電池装置によれば、制御部は複数の二次電池について動作時の温度に基づいて充電率の上限値を設定する。そして、制御部は複数の二次電池のそれぞれの充電率について上限値以下となるように調整するセルバランス処理を実行する。制御部は各セルの充電率を既知の(上記設定済みの)上限値と比較すればよいため、電池モジュールの充放電が行われている間でもセルバランス処理を実行できる。つまり、相対的に各セルの充電率を比較する場合のような結果変動が生じることはない。本観点に係る電池装置は、電池モジュールが充放電されていても正確なセルバランス処理を実行できる。
また、第2の観点に係る電池装置によれば、計測された温度が高い二次電池ほど、上限値が小さくなるように設定する。本観点に係る電池装置は、二次電池間での劣化のばらつきがより少なくなり、電池モジュールの長寿命化の効果を高められる。
また、第3の観点に係る電池装置によれば、二次電池のそれぞれについて製造からの経過時間が所定の時間を過ぎた場合に上限値を調整する。本観点に係る電池装置は、二次電池の経年劣化を反映するセルバランス処理を実行できる。
また、第4の観点に係る電池装置によれば、電池モジュールの充電時に、上限値が放電時よりも小さくなるように調整する。例えば、充電によって増加すると見込まれる充電率の最大増加量を最初の上限値(第1上限値)から減じた上限値(第2上限値)を調整後の上限値としてもよい。このとき、制御部は、調整後の上限値以下となるように二次電池の充電率を調整する。本観点に係る電池装置は、充電による二次電池の充電率変動を考慮したより慎重なセルバランス処理を実行することができる。
また、第5の観点に係る電池装置によれば、二次電池に並列に接続される直列接続されたスイッチと抵抗とを有するセルバランス回路を備える。本観点に係る電池装置は、このスイッチのオンとオフとを切り替えることにより、効率的に充電率を調整できる。
また、第6の観点に係るセルバランス装置によれば、制御部は複数の二次電池について動作時の温度に基づいて充電率の上限値を設定する。そして、制御部は複数の二次電池のそれぞれの充電率について上限値以下となるように調整する。本観点に係るセルバランス装置は、電池モジュールが充放電されていても正確に二次電池の充電率を調整することができる。
また、第7の観点に係るセルバランス方法によれば、複数の二次電池について動作時の温度に基づいて充電率の上限値を設定するステップと、複数の二次電池のそれぞれの充電率について上限値以下となるように調整するステップと、を含む。本観点に係るセルバランス方法は、電池モジュールが充放電されていても正確に二次電池の充電率を調整することができる。
第1実施形態に係る電池装置を示すブロック図である。 図2(A)は充電率の上限値を設定する処理を示す図である。図2(B)は充電率の上限値を更新する処理を示す図である。 第1実施形態に係る電池装置で実行されるセルの充電率の調整処理を示す図である。 図4(A)は比較例のセルの経年劣化を例示する図である。図4(B)は第1実施形態に係る電池装置のセルの経年劣化を例示する図である。 第2実施形態に係る電池装置で実行されるセルの充電率の調整処理を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
(全体構成)
まず、第1実施形態に係る電池装置1の全体構成を、図1を参照しながら説明する。電池装置1は、電池モジュール20と、セルバランス装置2とを備える。
電池モジュール20は、直列接続されたセル21A,21B,21Cを備える。セル21A,21B,21Cはリチウムイオン二次電池である。本実施形態において、電池モジュール20は自動車等の車両に搭載されている。電池モジュール20を充電器によって充電する場合には、車両のシステムによってスイッチ100が図1のa側に接続される。車両の走行時には、車両のシステムによってスイッチ100が図1のb側に接続されて、電池モジュール20は放電して電気負荷(例えば車両の駆動モータ等)へ電気エネルギーを供給する。なお、本実施形態において、電池モジュール20は3つのセル21A,21B,21Cを備えるが複数であれば特に限定されない。また、セル21A,21B,21Cは二次電池であれば特にリチウムイオン電池に限定されず、他の種類の電池(例えばリチウムポリマー電池等)であってもよい。また、電池モジュール20は、車両の走行時に放電するだけでなく、車両の機械的運動エネルギーをオルタネーターで変換して得られる電気エネルギーを充電してもよい。
セルバランス装置2は、制御部10と、計時部12と、計温部14と、記憶部16と、電圧センサ18と、セルバランス回路30と、を備える。セルバランス装置2は、電池モジュール20と接続されてセル21A,21B,21Cの充電率を調整するセルバランス処理を実行し、電池モジュール20の長寿命化を図る装置である。
セルバランス回路30は、相互に接続された抵抗31A,31B,31Cと、スイッチ32A,32B,32Cと、を備える。図1に示されるように、セルバランス回路30は、抵抗31A,31B,31Cとスイッチ32A,32B,32Cとが交互に直列接続された構成を有する。そして、抵抗31Aとスイッチ32Aとはセル21Aに並列に接続される。同様に、抵抗31Bとスイッチ32Bとはセル21Bに並列に接続され、抵抗31Cとスイッチ32Cとはセル21Cに並列に接続される。スイッチ32A,32B,32Cは個別に制御部10によってオン(電気的な接続状態)またはオフ(電気的な切断状態)に設定される。例えばスイッチ32Aがオンになるとセル21Aの電力が抵抗31Aによって熱に変換されるので、セル21Aの充電率を調整する(下げる)ことができる。同様に、スイッチ32B,32Cがそれぞれオンになることで、セル21B,21Cのそれぞれの充電率を調整することができる。つまり、本実施形態に係る電池装置1では、セルバランス回路30のスイッチ32A,32B,32Cのオンとオフとを切り替えることにより、効率的に、セル21A,21B,21Cの充電率を調整できる。
計温部14は、セル21A,21B,21Cのそれぞれの動作時の温度を計測する。計温部14が計測したセル21A,21B,21Cの温度は、制御部10に出力されて、制御部10によって記憶部16に記憶される。ここで、動作時の温度とはセル21A,21B,21Cが使用される状況での温度をいう。本実施形態でセル21A,21B,21Cが使用される状況とは、例えば、電池モジュール20が搭載されている車両のエンジンが動いており、移動のために走行、停車等している場合である。
電圧センサ18は、セル21A,21B,21Cのそれぞれの電圧を計測する。電圧センサ18が計測したセル21A,21B,21Cの電圧は制御部10に出力される。セル21A,21B,21Cの電圧の情報は制御部10によって記憶部16に記憶されてもよい。セル21A,21B,21Cの充電率は電圧と対応づけられるため、公知の手法で電圧から充電率を算出可能である。
計時部12は、セル21A,21B,21Cのそれぞれについて製造からの経過時間を計測する。計時部12は、時間を計測するカウンタ回路を備えていてもよいし、他のシステム(例えば車両のシステム等)から時間情報を取得してもよい。セル21A,21B,21Cのそれぞれの製造時刻は記憶部16に記憶されている。計時部12は、記憶部16から取得した製造時刻と現在時刻との差を演算で求めることで、セル21A,21B,21Cの製造からの経過時間を計測して制御部10に出力する。
記憶部16は、制御部10がセルバランス処理で用いる情報(例えばセル21A,21B,21Cの動作時の温度、電圧、製造時刻等)を記憶する。記憶部16は例えば各種のメモリやハードディスク等であってもよい。記憶部16に記憶された情報は、制御部10および計時部12によって読み出されて、制御部10によって更新される。また、制御部10がプログラムを読み込むことによりセルバランス装置2のセルバランス処理が実行される場合には、記憶部16はプログラムの格納場所であってもよい。
制御部10は、セルバランス装置2を制御してセルバランス処理を実行する。制御部10は、例えば特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUである。制御部10は、セル21A,21B,21Cについて動作時の温度に基づいて充電率の上限値を設定する。そして、制御部10はセル21A,21B,21Cのそれぞれの充電率が上限値以下となるように調整する。また、制御部10は、セル21A,21B,21Cが製造から所定の時間が経過した場合に上限値を調整する。セルバランス処理の詳細については後述する。
(セルバランス処理)
以下に、本実施形態に係る電池装置1のセルバランス装置2が実行するセルバランス処理(すなわち、セルバランス方法)について説明する。セルバランス処理は、セル21A,21B,21Cの上限値を設定する処理(第1の処理)、必要に応じて上限値を更新する処理(第2の処理)、およびセル21A,21B,21Cの充電率を調整する処理(第3の処理)を実行する。ここで、セルバランス処理の用語は、狭義には第3の処理だけを指すものとして使用されるが、本明細書においては第1〜第3の処理を含むものとしてセルバランス処理の言葉を用いる。
(第1の処理)
図2(A)は充電率の上限値を設定する処理(第1の処理)を示す図である。第1の処理は、例えば電池モジュール20が車両に搭載されて初めて使用されるときに1回実行されればよい。
制御部10は、計温部14が計測したセル21A,21B,21Cのそれぞれの動作時の温度を取得する(ステップS1)。そして、制御部10は温度の情報をセル21A,21B,21Cと対応付けて記憶部16に記憶させる。
制御部10は、温度の高さに応じてセル21A,21B,21Cの充電率の上限値を設定する(ステップS2)。このとき、制御部10は、セル21A,21B,21Cのうち計測された温度が高いものほど、上限値が小さくなるように設定する。一般に電池の劣化は温度、電圧、および時間(製造からの経過時間)に依存し、動作時の温度が高い電池ほど経年劣化の度合いが大きい。そこで、温度が高いものほど上限値を小さくして、劣化を抑制する効果を高めることによって、セル21A,21B,21Cでの劣化のばらつきを少なくする。このことにより、電池モジュール20の長寿命化の効果を高めることができる。制御部10は、設定した上限値をセル21A,21B,21Cと対応付けて記憶部16に記憶させる。なお、上限値の具体例については後述する。
(第2の処理)
図2(B)は充電率の上限値を更新する処理(第2の処理)を示す図である。第2の処理は、経年劣化の影響をセル21A,21B,21Cの上限値に適切に反映するための処理であり、所定の条件が満たされた場合に、または、定期的に実行されてもよい。所定の条件は、例えば「電池モジュール20の10回の使用毎」、「車両のキースイッチがオフとなって一定時間が経過」等である。また、定期的とは、例えば数日毎、数か月毎、1年毎等である。
制御部10は、セル21A,21B,21Cの製造からの経過時間を計時部12から取得する(ステップS10)。ここで、経過時間は、計時部12が記憶部16から取得した製造時刻と現在時刻との差を求めることで算出される。セル21A,21B,21Cのそれぞれの製造時刻は、例えば第1の処理が実行される際に制御部10によって記憶部16に記憶される。
制御部10は、セル21A,21B,21Cのうち、製造からの経過時間が所定の時間を過ぎたものがあるかを判定する。所定の時間は、例えば1年、3年、10年である。製造からの経過時間が所定の時間を過ぎたセルがなければ(ステップS11のNo)、制御部10は第2の処理を終了する。もし、製造からの経過時間が所定の時間を過ぎたセルがあれば(ステップS11のYes)、制御部10は所定の時間を過ぎたセルの上限値を更新する(ステップS12)。具体的には制御部10は、所定の時間を過ぎたセルの上限値を低くする。第2の処理によって、セルバランス処理にセル21A,21B,21Cの経年劣化が反映される。
(第3の処理)
図3はセル21A,21B,21Cの充電率の調整処理(第3の処理)を示す図である。第3の処理は、例えばいつでも実行され得る処理であり、例えば車両のキースイッチがオンとなった場合に実行されてもよい。
制御部10は、充電率の調整対象としてセル21A,21B,21Cのうちの一つを選択する(ステップS31)。ここでは、制御部10がセル21Aを選択したとして説明する。
制御部10は、電圧センサ18が計測したセル21Aの電圧を取得する(ステップS32)。そして、制御部10は電圧からセル21Aの充電率を算出する。充電率の算出には公知の手法を用いることができる。
制御部10は、記憶部16からセル21Aの充電率の上限値を読み出し、上限値と算出したセル21Aの充電率とを比較する。制御部10は、セル21Aの充電率が上限値を超えない場合には(ステップS33のNo)、ステップS35の処理に進む。制御部10は、セル21Aの充電率が上限値を超える場合には(ステップS33のYes)、セルバランス回路30のスイッチ32Aをオンにしてセル21Aを放電させる(ステップS34)。制御部10は、セル21Aの充電率が上限値以下となるまで、スイッチ32Aをオンにし続ける。例えば、制御部10は、新たに電圧センサ18が計測したセル21Aの電圧を取得して、上限値と新たに算出したセル21Aの充電率とを比較してスイッチ32Aをオフにするタイミングを決定してもよい。また、制御部10は、ステップS33においてセル21Aの充電率と上限値との差を求めて、その差に基づいてスイッチ32Aをオンにし続ける時間(例えば1秒)を決定してもよい。
そして、制御部10は、充電率の調整対象としてセル21Bおよびセル21Cが残っているので(ステップS35のYes)、ステップS31の処理に戻る。そして、制御部10は、セル21Bおよびセル21Cの充電率の調整を終えると(ステップS35のNo)、第3の処理を終了する。
(電池容量の変化例)
以下では、本実施形態に係る電池装置1のセルバランス処理の利点を明確にするために、当該セルバランス処理を実行しない場合と、実行する場合の電池容量の変化例を示す。
直列接続された複数の二次電池(セル21A,21B,21C)を含む電池モジュール20では、内部の二次電池(セル21B)は周囲の二次電池(セル21A,21C)の発熱の影響をうけて温度が上がりやすいため、周囲の二次電池に比べて劣化が進みやすい。さらに、内部の二次電池(セル21B)は劣化によって内部抵抗が増加する傾向があり、内部抵抗の発熱の影響でさらに温度が上がりやすい。
図4(A)は、セルバランス処理を実行しない比較例の二次電池の電池容量の経年劣化を例示する図である。図4(A)に示されるように、セル21A,21B,21Cの初期の電池容量は100[Ah]である。そして、直列接続されたセル21A,21B,21Cのうち両端のセル21A,21Cの電池容量は、1年後に95[Ah]、3年後に90[Ah]、10年後に85[Ah]と経年劣化する。一方、内部のセル21Bは劣化が進みやすく、セル21Bの電池容量は、1年後に90[Ah]、3年後に80[Ah]、10年後に70[Ah]と経年劣化する。ここで、図4(A)の例では、セル21Bの温度は、セル21Aおよびセル21Cに比べて15度高いとしている。一般的に、温度が15度高くなるとリチウムイオン二次電池の劣化の進行は2倍速くなる。また、電池モジュール20の電池容量は、最も容量の小さい二次電池(セル21B)によって制限されることになる。特定の二次電池(最も劣化するセル、この例ではセル21B)の劣化を抑えることができれば、電池モジュール20の電池容量の低下を抑えて長寿命化を図ることができる。
図4(B)は、本実施形態に係る電池装置1のセルバランス処理を実行した場合の二次電池の電池容量の経年劣化を例示する図である。温度条件については図4(A)と同じである。また、両端のセル21A,21Cの初期の電池容量および電池容量の経年劣化は図4(A)の場合と同じである。図4(B)で、内部のセル21Bは、初期の電池容量が97[Ah]となっている。これは、本実施形態に係る電池装置1のセルバランス処理によって、上限値を97[Ah]として充電率を調整しているからである。つまり、内部のセル21Bについても初期の電池容量を100[Ah]とできるが、敢えて97[Ah]を上限値として内部のセル21Bの劣化速度を緩やかにしている。このことにより、内部のセル21Bの電池容量の経年劣化は、1年後に92[Ah]、3年後に87[Ah]、10年後に82[Ah]と抑えられている。つまり、電池モジュール20の電池容量の低下は抑制されており長寿命化している。
図4(B)の例では、図4(A)に比べてセル21Bの劣化が半減している。例えば1年後から3年後までの劣化は5[Ah]に抑えられている。上記のように、一般に電池の劣化は温度、電圧、および時間(製造からの経過時間)に依存し、電圧については低いほど劣化が抑えられる。例えば4.2[V]までの電圧で使用可能な電池をX[V]で保管した場合、劣化比率Rは一例として以下の式で与えられる。ここで、劣化比率Rは、二次電池の劣化(容量の低下)の度合いを、使用可能な最大電圧(ここでは4.2[V])での劣化を基準として相対的に示すものである。
R=(X/4.2)11
劣化を半減させる場合、劣化比率Rは0.5であり、このときのXはおよそ3.94[V]である。ここで、4つのリチウムイオン二次電池を直列に接続するモジュールの例では、充電率の3%の変化は開放電圧の1[V]の変化(1つのリチウムイオン二次電池当たり0.25[V])に対応する。4.2[V]と3.94[V]の差は約0.25[V]であるため、充電率の上限値を3%低下させることで劣化比率Rが0.5程度になることが期待される。そこで、図4(B)の例ではセル21Bの初期の上限値を97[Ah]としている。ここで電池の劣化は温度にも依存する。仮に内部のセル21Bの温度が両端のセル21A,21Cより15℃より高い場合(例えば30℃の場合)には、充電率の上限値を3%よりも大きく低下させる。
以上のように、本実施形態に係る電池装置1によれば、制御部10は複数の二次電池(セル21A,21B,21C)について動作時の温度に基づいて充電率の上限値を設定する(第1の処理)。そして、制御部10は複数の二次電池のそれぞれの充電率について上限値以下となるように調整する(第3の処理)。本実施形態に係る電池装置1のセルバランス処理は、相対的に各セルの充電率を比較するものではない。そのため、電池モジュール20の充放電の間にセルバランス処理が実行されても従来技術のような結果変動が生じることはない。そのため、本実施形態に係る電池装置1は、電池モジュール20が充放電されていても正確なセルバランス処理を実行できる。
[第2実施形態]
以下に、第2実施形態に係る電池装置1のセルバランス処理について説明する。重複説明を回避するために、第1実施形態と異なる「第3の処理」についてのみ説明する。本実施形態において、第3の処理は第1上限値と第2上限値とを用いる。第1上限値は第1実施形態の上限値に対応する。第2上限値は、第1上限値から所定の値を減じて得られる上限値であり、電池モジュール20が充電中である場合に第1上限値に代わって用いられる。
図5は、本実施形態における、セル21A,21B,21Cの充電率の調整処理(第3の処理)を示す図である。ステップS31およびステップS32は、第1実施形態(図3)と同じであるため説明を省略する。
ステップS32の処理の後に、制御部10は電池モジュール20が充電中であるか否かを判定する(ステップS40)。本実施形態において、制御部10は車両のシステムによってスイッチ100が図1のa側とb側のどちらに接続されているかの情報を取得して電池モジュール20の動作を知ることができる。制御部10は、電池モジュール20が充電中でないと判定すると(ステップS40のNo)ステップS33の処理に進む。そして、制御部10は、電池モジュール20が充電中であると判定すると(ステップS40のYes)、上限値を調整するステップS41の処理に進む。
制御部10は、ステップS41において、第1の処理または第2の処理で設定された第1上限値に代えて、第2上限値を新たな上限値とする処理を行う。第2上限値は、第1上限値から所定の値を減じて得られる。所定の値は、例えば第3の処理の実行中に充電によって増加すると見込まれる充電率の最大増加量であるが、予め定められた固定値であってもよい。
制御部10は、記憶部16からセル21Aの充電率の上限値を読み出し、上限値と算出したセル21Aの充電率とを比較する(ステップS33)。このときの上限値は、電池モジュール20が充電中でない(例えば放電時)場合には最初の上限値(第1上限値)であるが、電池モジュール20が充電中であれば第1上限値よりも小さい第2上限値である。
ここで、第1実施形態において、第3の処理の実行中に電池モジュール20が充電中であれば、制御部10がステップS33において充電率が上限値(第1上限値)を超えないと判定した後に、増加した充電率が上限値(第1上限値)を超える可能性があった。本実施形態においては、電池モジュール20が充電中であれば予め充電による増加分を減じた上限値(第2上限値)を用いるので、第3の処理の実行中に判定結果の相違が生じることはない。ここで、制御部10はステップS33の判定を実行した後に、上限値を最初の上限値(第1上限値)に戻す。ステップS34およびステップS35は、第1実施形態(図3)と同じであるため説明を省略する。
本実施形態に係る電池装置1によれば、第1実施形態で説明した効果に加えて、充電による二次電池の充電率変動を考慮したより慎重なセルバランス処理を実行できるという効果を奏する。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段及びステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段及びステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば電池装置1は、制御部10が計時部12を含む構成であってもよいし、計時部12の機能を制御部10が実行して独立の計時部12が省略された構成であってもよい。
1 電池装置
2 セルバランス装置
10 制御部
12 計時部
14 計温部
16 記憶部
18 電圧センサ
20 電池モジュール
21A,21B,21C セル
30 セルバランス回路
31A,31B,31C 抵抗
32A,32B,32C,100 スイッチ

Claims (7)

  1. 直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと、
    前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温部と、
    前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温部によって計測された温度に基づいて設定し、前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する制御部と、を備える電池装置。
  2. 前記制御部は、
    前記計温部によって計測された温度が高い二次電池ほど、前記上限値が小さくなるように設定する、請求項1に記載の電池装置。
  3. 前記複数の二次電池のそれぞれについて製造からの経過時間を計測する計時部を備え、
    前記制御部は、
    前記計時部によって計測された経過時間が所定の時間を過ぎた二次電池の前記上限値を調整する、請求項1または2に記載の電池装置。
  4. 前記制御部は、
    前記電池モジュールの充電時に、前記上限値が放電時よりも小さくなるように調整する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池装置。
  5. 前記複数の二次電池のそれぞれに並列に接続され、相互に直列接続されたスイッチと抵抗とを有するセルバランス回路を備え、
    前記制御部は、
    前記セルバランス回路のスイッチのそれぞれを切り替えることによって前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池装置。
  6. 直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと接続されるセルバランス装置であって、
    前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温部と、
    前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温部によって計測された温度に基づいて設定し、前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整する制御部と、を備えるセルバランス装置。
  7. 直列接続された複数の二次電池を含む電池モジュールと接続されるセルバランス装置が実行するセルバランス方法であって、
    前記複数の二次電池のそれぞれの動作時の温度を計測する計温ステップと、
    前記複数の二次電池のそれぞれの充電率の上限値を前記計温ステップにおいて計測された温度に基づいて設定するステップと、
    前記電池モジュールの充放電時において前記上限値以下となるように前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を調整するステップと、を含むセルバランス方法。
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