JP2017167162A - 電池制御ic及びコンピュータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することが可能な電池制御ICを提供すること。
【解決手段】一実施の形態によれば、電池制御IC11は、通常電流モードの場合に、組電池を構成する複数の二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値を測定し、短時間大電流モードの場合に、通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの電圧値を測定する電圧測定部113と、通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する演算部116と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】一実施の形態によれば、電池制御IC11は、通常電流モードの場合に、組電池を構成する複数の二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値を測定し、短時間大電流モードの場合に、通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの電圧値を測定する電圧測定部113と、通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する演算部116と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は電池制御IC及びコンピュータシステムに関する。
PC(Personal Computer)に搭載されるCPU(Central Processing Unit)の中には、消費電力、演算性能及び信頼性(寿命)のバランスをとるために、可変周波数機能を有するものがある。可変周波数機能を有するCPUは、通常動作時には、クロック周波数を低くすることにより、消費電力の増大を抑制したり、CPUの温度を低く保って信頼性の低下を防いだりする。一方、アプリケーションからのリソース要求が大きくなってくると、可変周波数機能を有するCPUは、クロック周波数を高くすることにより、演算性能を向上させる。ただし、クロック周波数を長時間高くすると、消費電力が増大したり、CPUの温度が上昇して信頼性が低下したりするため、クロック周波数を高くする期間は例えば10ms程度に短く設定される。
なお、可変周波数機能を有するCPUは、複数の二次電池セルを組み合わせた組電池(バッテリー)からの電力によって駆動されている場合、当該組電池の余裕電力に基づいて、高速動作時のクロック周波数を決定している(より具体的には、高速動作時のクロック周波数を通常動作時のクロック周波数からどの程度上昇させるかを決定している)。ここで、組電池の余裕電力値を算出する電池制御用半導体集積回路装置(以下、電池制御ICと称す)は、高速動作が実施される短い期間内に、速やかに組電池の余裕電力値を算出することが求められている。
ところで、特許文献1には、放電過電流の検出電流値を高精度に測定する評価装置が開示されている。また、特許文献2には、過充放電を防止するとともに、電池の使用可能容量範囲を簡素な構成で拡大して小型軽量化を実現した車載組電池制御装置が開示されている。また、特許文献3には、電池の使用状態に応じた電池の残容量を外部に出力することが可能で、かつ、充電電池の使用効率を向上させることができる内部回路を有する充電電池が開示されている。
上述のように、電池制御IC(電池制御用半導体集積回路装置)は、CPU又はそれを搭載したシステムの高速動作が実施される短い期間内に、速やかに組電池の余裕電力値を算出することが求められている。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、電池制御ICは、組電池を構成する複数の単位電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける前記組電池の余裕電力値を算出する演算部を備える。
また、一実施の形態によれば、電池制御ICの制御方法は、組電池を構成する複数の単位電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける前記組電池の余裕電力値を算出する。
また、一実施の形態によれば、電池制御ICの制御方法は、短時間大電流モードの期間が含まれる測定周期において測定された前記単位電池セルの電圧値と、短時間大電流モードの期間が含まれない測定周期において測定された前記単位電池セルの電圧値と、の差分に基づいて、前記組電池の余裕電力値を算出する。
前記一実施の形態によれば、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することが可能な電池制御ICを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる電池制御用半導体集積回路装置(以下、電池制御ICと称す)を搭載したコンピュータシステムを示すブロック図である。電池制御ICは、特に制限されないが、シリコンのような1つの単結晶シリコンの半導体基板上に、公知のCMOS製造プロセスを用いることによって形成されている。本実施の形態にかかる電池制御ICは、組電池を構成する複数の二次電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した二次電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する。それにより、本実施の形態にかかる電池制御ICは、回路規模を増大させることなく、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することができる。以下、具体的に説明する。
図1は、実施の形態1にかかる電池制御用半導体集積回路装置(以下、電池制御ICと称す)を搭載したコンピュータシステムを示すブロック図である。電池制御ICは、特に制限されないが、シリコンのような1つの単結晶シリコンの半導体基板上に、公知のCMOS製造プロセスを用いることによって形成されている。本実施の形態にかかる電池制御ICは、組電池を構成する複数の二次電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した二次電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する。それにより、本実施の形態にかかる電池制御ICは、回路規模を増大させることなく、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することができる。以下、具体的に説明する。
図1に示すコンピュータシステムは、バッテリーパック(Battery Pack)1と、システムボード(System Board)2と、により構成される。
システムボード2は、バッテリーパック1の電力が供給される負荷Ldと、この負荷Ldへの寄生抵抗Rsysと、必要に応じて外部電源が接続され外部電力が供給される外部電源接続端子と、を備える。なお、負荷Ldの高電位側電源端子に在るノードNminの電圧は、負荷Ldの動作を保障する最低電圧Vminを規定する。システムボード2は、ノードNminの電圧が最低電圧Vmin以上で正常に動作する。そのため、システムボード2は、外部電源およびバッテリーパック1にこの条件を満たすように要求する。または、バッテリーパック1からの情報により、この条件を満たすように負荷Ld自身の動作を制御する。
外部電源は、例えば、ACアダプタ等である。また、負荷Ldは、一つ以上の半導体部品によって構成されている。例えば、負荷Ldは、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Disk)等によって構成されている。
負荷Ldは、通常動作モードでは、クロック周波数を低くすることにより、消費電力の増大を抑制したり、温度を低く保って信頼性の低下を防いだりする。一方、アプリケーションからのリソース要求が大きくなってくると、負荷Ldは、クロック周波数を高くすることにより演算性能を向上させる。ただし、クロック周波数を長時間高くすると、消費電力が増大したり、温度が上昇して信頼性が低下したりするため、クロック周波数を高くする期間は例えば10ms程度に短く設定される。
以下の説明では、基本的にはクロック周波数によって負荷Ldの消費電力が決まり、負荷Ldの処理内容によって消費電力は大きく変動しないものとする。したがって、クロック周波数が低い通常動作モードでは、負荷Ldの消費電力は低く、クロック周波数が高い高速動作モードでは、負荷Ldの消費電力は高い。先程挙げたように、主たる電力消費部品が半導体、特にCMOS半導体である負荷Ldは、この条件を満たす。なお、負荷Ldの通常動作モードは、組電池の放電電流が少ないため、通常電流モードとも言うことができる。また、負荷Ldの高速動作モードは、組電池の放電電流が多く短時間のため、短時間大電流モードとも言うことができる。
システムボード2は、バッテリーパック1に搭載された組電池を電源(又は電源の一部)にして動作する。換言すると、システムボード2は、組電池からの放電電流が供給されることにより動作する。その他、システムボード2は、外部電源接続端子にACアダプタ等の外部電源が接続されている場合、外部電源から組電池に対して充電電流を供給することにより当該組電池を充電する。
バッテリーパック1は、組電池を構成するM個(Mは2以上の整数)の二次電池セル(単位電池セル)C_1〜C_Mと、充電制御回路12と、放電制御回路13と、電流測定用の抵抗素子Riと、これらと接続される電池制御IC11と、組電池の電流パス上の寄生抵抗Rbatと、を備える。
充電制御回路12は、例えば、組電池の電流パス上に並列に設けられたダイオード及びMOSトランジスタを有する。放電制御回路13は、例えば、組電池の電流パス上に並列に設けられたダイオード及びMOSトランジスタを有する。
例えば、組電池を充電する場合、電池制御IC11からの制御信号により、充電制御回路12のMOSトランジスタはオンし、放電制御回路13のMOSトランジスタはオフする。それにより、システムボード2からの充電電流が、充電制御回路12のMOSトランジスタ及び放電制御回路13のダイオードを介して組電池に供給される。一方、組電池が放電する場合、電池制御IC11からの制御信号により、充電制御回路12のMOSトランジスタはオフし、放電制御回路13のMOSトランジスタはオンする。それにより、組電池からの放電電流が、放電制御回路13のMOSトランジスタ及び充電制御回路12のダイオードを介してシステムボード2内の負荷Ldに供給される。なお、寄生抵抗Rbatは、充電制御回路12及び放電制御回路13内のそれぞれのMOSトランジスタのオン抵抗を含む。
組電池を構成する二次電池セルC_1〜C_Mは、それぞれ、二次電池B_1〜B_Mと、二次電池B_1〜B_Mに直列接続された寄生抵抗R_1〜R_Mと、を有する。電流測定用の抵抗素子Riは、組電池の電流パス上に直列に設けられる。
電池制御IC11は、レジスタ(記憶部)112と、電圧測定部113と、電流測定部114と、演算部116と、制御部111と、を備える。
レジスタ112は、各種パラメータを記憶する。電圧測定部113は、組電池を構成する二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧を測定する。具体的には、電圧測定部113は、二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの両端の電位差を測定する。電流測定部114は、組電池の電流パスに流れる電流を測定する。具体的には、電流測定部114は、組電池の電流パス上に直列に設けられた抵抗素子Riの両端の電位差を測定することにより、当該電流パスに流れる電流を測定する。
演算部116は、電圧測定部113及び電流測定部114のそれぞれの測定結果に基づいて、組電池の余裕電力値Pmaxを出力する。なお、余裕電力値Pmaxとは、負荷Ldが正常動作するための最低電圧Vmin以上の電圧が負荷Ldの電源端子(ノードNmin)に供給されることを条件にして、短時間大電流モード時に負荷に供給可能な組電池の電力値のことである。この余裕電力値Pmaxの情報は、システムボード2に供給される。
制御部111は、これらの構成要素の動作を制御したり、組電池の充放電の切り替えを制御したり、組電池が正常に動作するように充放電量を制御したりする。
(電池制御IC11の動作)
続いて、図2を参照して、電池制御IC11の動作について詳細に説明する。図2は、電池制御IC11の動作を示すフローチャートである。なお、実線は処理の流れを表し、破線はデータの流れを表す。
続いて、図2を参照して、電池制御IC11の動作について詳細に説明する。図2は、電池制御IC11の動作を示すフローチャートである。なお、実線は処理の流れを表し、破線はデータの流れを表す。
図2に示すように、電池制御IC11では、まず、初期設定が行われる(ステップS101)。初期設定では、例えば、モードの判定基準となる規定値(閾値)が設定される。初期設定の詳細については、後述する。
なお、各種パラメータ等のデータ記憶場所としてレジスタ112が用いられる。例えば、レジスタ112は、モードの判定基準となる規定値(閾値)、通常電流モードにて測定された電流値I_a、短時間大電流モードにて測定された電流値I_b、及び、通常電流モードにて測定された二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値Vcell_a_1〜Vcell_a_M(これら電圧値をまとめてVcell_aとも称する)等を記憶する。なお、モードの判定基準となる規定値の情報は、初期設定時(ステップS101)にシステムボード2から供給される。これらパラメータを含む各種パラメータの詳細についても、後述する。
次に、電圧測定処理、電流測定処理、及び、電力積分処理に分けて処理が行われる。電圧測定処理及び電流測定処理は並列に実行される。そして、電力積分処理では、電圧測定処理及び電流測定処理でのそれぞれの処理結果に基づいて、二次電池セルC_1〜C_Mの累積電力量(いわゆる電池残量)が算出される。
まず、電流測定処理について説明する。電流測定処理では、電流測定部114が、抵抗素子Riの両端の電位差を測定することで組電池の電流パスに流れる電流値Iを測定する(ステップS104)。
次に、電圧測定処理について説明する。電圧測定処理は、モード判定処理(ステップS102)、処理選択処理(ステップS103)、通常電流モード処理(ステップS110)、及び、短時間大電流モード処理(ステップS120)からなる。
電圧測定処理では、まず、モード判定処理が行われる(ステップS102)。モード判定処理では、例えば、制御部111が、電流測定部114により測定された電流値Iに基づいてモード判定を行う。具体的には、制御部111は、電流値Iが規定値以下である場合、通常電流モードであると判定し、電流値Iが規定値を超えている場合、短時間大電流モードであると判定する。なお、通常電流モードと判定されたときの電流値Iは、電流値I_aとしてレジスタ112に記憶され、短時間大電流モードと判定されたときの電流値Iは、電流値I_bとしてレジスタ112に記憶される。
その後、モード判定結果に基づいて処理選択が行われる(ステップS103)。具体的には、通常電流モードと判定された場合(ステップS103のYES)、通常電流モード処理(ステップS110)に移行し、短時間大電流モードと判定された場合(ステップS103のNO)、短時間大電流モード処理(ステップS120)に移行する。なお、通常動作モード処理(ステップS110)及び短時間大電流モード処理(ステップS120)の何れの場合も、処理が完了すると、モード判定処理(ステップS102)に戻る。
次に、電力積分処理について説明する。電力積分処理では、電池制御ICの基本機能の1つである組電池の累積電力量、いわゆる電池残量の計算を行う。通常電流モード処理(ステップS110)または短時間大電流モード処理(ステップS120)で測定し計算した、組電池の電圧と、その時の電流測定処理(ステップS104)で測定した電流値との積から消費電力値を計算する。その消費電力値を一定の間隔で求めて電力量とし、組電池全体の残電力量から減算することで、組電池の電池残量を求める。このフローでは組電池の放電モードの説明をしているが、組電池の充電モードの場合は電池残量に充電電力量を加算して組電池の電池残量を計算する。
(電池制御IC11のさらに詳細な動作)
続いて、図3を参照して、電池制御IC11のさらに詳細な動作について説明する。図3は、電池制御IC11の余裕電力値Pmaxの算出動作を示すフローチャートである。
続いて、図3を参照して、電池制御IC11のさらに詳細な動作について説明する。図3は、電池制御IC11の余裕電力値Pmaxの算出動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、電池制御IC11では、まず、初期設定が行われる(ステップS101)。具体的には、初期設定では、通常電流モードでの各二次電池セルの寄生抵抗値、電流測定用の抵抗素子Riの抵抗値、寄生抵抗Rbatの抵抗値、充電制御回路12及び放電制御回路13内のそれぞれのMOSトランジスタのオン抵抗及びダイオードの順方向降下電圧VF、システムボード2の寄生抵抗Rsysの抵抗値、ノードNminの最低電圧Vmin、及び、モードの判定基準となる規定値(閾値)が設定される。これらのパラメータは、システムボード2から外部パラメータとして供給され、レジスタ112に記憶される。
また、初期設定では、内部パラメータである変数N,MinNが初期値0に設定される。さらに、初期設定では、内部パラメータであるVCmin、M、Vcell_a_1〜Vcell_a_M、Vcell_b、Vbat_b等も設定される。これらの内部パラメータは、上記した外部パラメータとともに、レジスタ112に記憶される。
なお、変数Mは、二次電池セルの個数を示す。変数Nは、初期状態では0を示し、動作開始後では1〜Mの何れかの整数を示す。変数Vcell_a_1〜Vcell_a_Mは、通常電流モードにて測定された二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値を示す。変数VCminは、通常電流モードにて測定された二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値のうちの最小電圧値を示す。変数MinNは、通常電流モードにて最小電圧値を示した二次電池セルC_MinNの情報(N値)を示す。変数MinNは、1からMの間の整数値を取る。変数Vcell_bは、短時間大電流モードにて測定された二次電池セルC_MinNの電圧値を示す。変数Vbat_bは、短時間大電流モードでの組電池の最低電圧値を示す。
次に、電圧測定処理、電流測定処理、及び、電力積分処理に分けて処理が行われる。電流測定処理及び電力積分処理については、図2で説明した内容と同じであるため、図示及びその説明を省略する。
以下、電圧測定処理について説明する。電圧測定処理は、モード判定処理(ステップS102)、処理選択処理(ステップS103)、通常電流モード処理(ステップS110)、及び、短時間大電流モード処理(ステップS120)からなる。モード判定処理(ステップS102)及び処理選択処理(ステップS103)については、図2で説明した内容と同じである。したがって、以下では、主として、通常電流モード処理(ステップS110)、及び、短時間大電流モード処理(ステップS120)について説明する。
まず、通常電流モード処理(ステップS110)について説明する。
通常電流モード処理では、まず、変数Nが初期値0から1だけインクリメント(++N又はN=N+1)される(ステップS111)。なお、インクリメントが繰り返されることにより変数Nの値が二次電池セルの数Mより大きくなると、変数Nは再び1に設定される(ステップS111)。そのため、変数Nは、初期状態では0を示し、動作開始後では1〜Mの整数を順に繰り返し示すこととなる。
通常電流モード処理では、まず、変数Nが初期値0から1だけインクリメント(++N又はN=N+1)される(ステップS111)。なお、インクリメントが繰り返されることにより変数Nの値が二次電池セルの数Mより大きくなると、変数Nは再び1に設定される(ステップS111)。そのため、変数Nは、初期状態では0を示し、動作開始後では1〜Mの整数を順に繰り返し示すこととなる。
次に、電圧測定部113によって二次電池セルC_Nの電圧値Vcell_a_Nの測定が行われる(ステップS112)。なお、上記したように、変数Nは、動作開始後では1〜Mの整数を順に繰り返し示す。そのため、電圧測定部113は、二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値Vcell_a_1〜Vcell_a_Mを順に繰り返し測定することとなる。
次に、変数MinN,VCminへの代入処理が行われる(ステップS113)。
例えば、変数MinNの値が初期値0を示す場合、変数MinNには、電圧測定時の変数Nの値(通常は1)がそのまま代入される。同時に、変数VCminには、このとき測定された電圧値Vcell_a_Nがそのまま代入される。
例えば、変数MinNの値が初期値0を示す場合、変数MinNには、電圧測定時の変数Nの値(通常は1)がそのまま代入される。同時に、変数VCminには、このとき測定された電圧値Vcell_a_Nがそのまま代入される。
その他、測定された電圧値Vcell_a_Nが変数VCminより小さい場合、変数VCminには当該電圧値Vcell_a_Nが代入される。同時に、変数MinNには、この電圧測定時の変数Nの値が代入される。この処理が繰り返されることで、変数VCminには、二次電池セルC_1〜C_Mのそれぞれの電圧値のうちの最小電圧値が代入され、変数MinNには、その最小電圧値を示す二次電池セルの情報(値N)が代入される。
続いて、短時間大電流モード処理(ステップS120)について説明する。
短時間大電流モード処理では、まず、電圧測定部113が、通常電流モードにて最小電圧値を示した二次電池セルC_MinNの短時間大電流モードでの電圧値Vcell_bを測定する(ステップS121)。
短時間大電流モード処理では、まず、電圧測定部113が、通常電流モードにて最小電圧値を示した二次電池セルC_MinNの短時間大電流モードでの電圧値Vcell_bを測定する(ステップS121)。
次に、余裕電力値Pmax算出処理が行われる(ステップS122)。
まず、演算部116は、電圧値Vcell_bに二次電池セルの数Mを乗じて変数Vbat_bに代入する(Vbat_b=Vcell_b×M)。したがって、変数Vbat_bは、短時間大電流モードでの組電池の最低電圧を示す、ということができる。
まず、演算部116は、電圧値Vcell_bに二次電池セルの数Mを乗じて変数Vbat_bに代入する(Vbat_b=Vcell_b×M)。したがって、変数Vbat_bは、短時間大電流モードでの組電池の最低電圧を示す、ということができる。
次に、演算部116は、以下の式(1)に基づき、通常電流モードから短時間大電流モードに切り替わったことによる組電池の総寄生抵抗(Rcell)を算出する。
Rcell=|(Vbat_b−VCmin×M)|/|(I_b−I_a)|
・・・(1)
・・・(1)
次に、演算部116は、以下の式(2)に基づき、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する。
Pmaxは、短時間大電流モードにおいて負荷Ldの電源端子(ノードNmin)から組電池を経由してグランドに至るまでの電流経路を流れる最大電流と、通常電流モードにおいて組電池に流れる電流と、の差分に対応する電流値Imaxと、負荷Ldの電源端子に供給される電圧と、を乗じることにより求められる。ここで、負荷Ldの電源端子には、負荷Ldが正常動作するための最低電圧Vmin以上の電圧が供給されることが条件となっている。そのため、Pmaxは、Imax×Vminで表される。なお、最大電流Imaxは、組電池の電圧VCmin×Mと、負荷Ldの電源端子に供給されるべき電圧Vminと、の電位差からダイオード等の電圧降下分を差し引いた値(VCmin×M−I_a×Rcell−VF−Vmin)を、上記電流経路上に設けられた総抵抗成分(Rcell+Rbat+Ri+Rsys)で除することにより求められる。
Pmaxは、短時間大電流モードにおいて負荷Ldの電源端子(ノードNmin)から組電池を経由してグランドに至るまでの電流経路を流れる最大電流と、通常電流モードにおいて組電池に流れる電流と、の差分に対応する電流値Imaxと、負荷Ldの電源端子に供給される電圧と、を乗じることにより求められる。ここで、負荷Ldの電源端子には、負荷Ldが正常動作するための最低電圧Vmin以上の電圧が供給されることが条件となっている。そのため、Pmaxは、Imax×Vminで表される。なお、最大電流Imaxは、組電池の電圧VCmin×Mと、負荷Ldの電源端子に供給されるべき電圧Vminと、の電位差からダイオード等の電圧降下分を差し引いた値(VCmin×M−I_a×Rcell−VF−Vmin)を、上記電流経路上に設けられた総抵抗成分(Rcell+Rbat+Ri+Rsys)で除することにより求められる。
Pmax=(VCmin×M−I_a×Rcell−VF−Vmin)/(Rcell+Rbat+Ri+Rsys)×Vmin ・・・(2)
なお、VFは、組電池の放電時に働く充電制御回路12内のダイオードの順方向降下電圧を示す。
その後、この余裕電力値Pmaxはシステムボード2に供給される(ステップS123)。システムボード2は、この余裕電力値Pmaxに基づいて、高速動作時のクロック周波数を決定する。
このように、本実施の形態にかかる電池制御ICは、組電池を構成する複数の二次電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した二次電池セルの短時間大電流モードにおける電圧値に基づいて、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxを算出する。それにより、本実施の形態にかかる電池制御ICは、回路規模を増大させることなく、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することができる。
本実施の形態にかかる電池制御IC11は、例えば、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxの情報を、随時(例えば1秒に1回)システムボード2に出力する。
なお、組電池の総寄生抵抗(インピーダンス)は、上記したように、組電池の放電電流の値(即ち、電流モード)によって変化するのが一般的である。そのため、短時間大電流モードにおける組電池の余裕電力値Pmaxは、当然ながら短時間大電流モードにて測定された二次電池セルの電圧値に基づいて算出された総寄生抵抗の差分Rcellに応じて算出されることが好ましい。しかし、短時間大電流モードに移行してからすべての二次電池セルの電圧値を測定する時間的余裕はない。他方、余裕電力値Pmaxの算出のためだけに意図的に短時間大電流モードにすることは、消費電力を増大させてしまうため好ましくない。そのため、電池制御ICは、短時間大電流モードになったときに、通常電流モードにて測定された各二次電池セルの電圧値を活用して、効果的に組電池セルの余裕電力値Pmaxを算出することが求められる。本実施の形態にかかる電池制御IC11は、このような要求を満たしているといえる。
(電池制御IC11の効果の説明)
以下、図4A〜図4Cを参照して、本実施の形態にかかる電池制御ICの効果についてさらに詳細に説明する。図4Aは、第1比較例にかかる電池制御IC51の一部の構成及びそのタイミングチャートを示す図である。図4Bは、第2比較例にかかる電池制御IC61の一部の構成及びそのタイミングチャートを示す図である。図4Cは、本実施の形態にかかる電池制御IC11の一部の構成例及びそのタイミングチャートを示す図である。
以下、図4A〜図4Cを参照して、本実施の形態にかかる電池制御ICの効果についてさらに詳細に説明する。図4Aは、第1比較例にかかる電池制御IC51の一部の構成及びそのタイミングチャートを示す図である。図4Bは、第2比較例にかかる電池制御IC61の一部の構成及びそのタイミングチャートを示す図である。図4Cは、本実施の形態にかかる電池制御IC11の一部の構成例及びそのタイミングチャートを示す図である。
以下では、組電池が3つの二次電池セルC_1〜C_3によって構成される場合を例に説明する。また、以下では、短時間大電流モード(大電流モード)の期間が10ms、二次電池セルの電圧測定時間が4msである場合を例に説明する。
(第1比較例にかかる電池制御IC51)
まず、図4Aを参照して、第1比較例にかかる電池制御IC51について説明する。
図4Aに示す電池制御IC51は、電圧測定部513と、電流測定部514と、演算部516と、を少なくとも備えている。なお、電圧測定部513、電流測定部514及び演算部516は、それぞれ、電圧測定部113、電流測定部114及び演算部116に対応する。
まず、図4Aを参照して、第1比較例にかかる電池制御IC51について説明する。
図4Aに示す電池制御IC51は、電圧測定部513と、電流測定部514と、演算部516と、を少なくとも備えている。なお、電圧測定部513、電流測定部514及び演算部516は、それぞれ、電圧測定部113、電流測定部114及び演算部116に対応する。
ここで、電圧測定部513は、3つの二次電池セルC_1〜C_3のそれぞれの電圧値を測定する3つのADコンバータ5131〜5133を有する。電圧測定部513は、二次電池セルC_1〜C_3のそれぞれの電圧値を同時に測定する。そのため、電池制御IC51は、短時間大電流モードに移行してから測定を開始しても、二次電池セルC_1〜C_3のそれぞれの電圧値を測定し終えることができる。つまり、電池制御IC51は、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値Pmaxを速やかに算出することができる。
しかしながら、電池制御IC51は、二次電池セルの数に応じた数のADコンバータを備える必要があるため、回路規模の増大を抑制することができないという問題がある。
(第2比較例にかかる電池制御IC61)
次に、図4Bを参照して、第2比較例にかかる電池制御IC61について説明する。
図4Bに示す電池制御IC61は、電圧測定部613と、電流測定部614と、演算部616と、を少なくとも備えている。なお、電圧測定部613、電流測定部614及び演算部616は、それぞれ、電圧測定部113、電流測定部114及び演算部116に対応する。
次に、図4Bを参照して、第2比較例にかかる電池制御IC61について説明する。
図4Bに示す電池制御IC61は、電圧測定部613と、電流測定部614と、演算部616と、を少なくとも備えている。なお、電圧測定部613、電流測定部614及び演算部616は、それぞれ、電圧測定部113、電流測定部114及び演算部116に対応する。
ここで、電圧測定部613は、選択部6131及び一つのADコンバータ6132を有する。なお、選択部6131は、電圧測定部613とは別に設けられていてもよい。制御部611は、選択部6131により3つの二次電池セルC_1〜C_3の電圧値を一つずつ順に選択する。ADコンバータ6132は、選択部6131によって選択された二次電池セルの電圧値を順に測定する。それにより、電池制御IC61は、二次電池セルの数に関わらず、一つのADコンバータで複数の二次電池セルの電圧値を測定することができる。つまり、電池制御IC61は、回路規模を増大させることなく、複数の二次電池セルの電圧値を測定することができる。
しかしながら、電池制御IC61は、二次電池セルC_1〜C_3のそれぞれの電圧値を順番に1つずつ測定するため、1つの電圧測定に例えば4msの時間がかかるとすると、短時間大電流モードの時間中(例えば10ms)に、二次電池セルC_1〜C_3のすべての電圧値を測定しようとしても、全ての電圧測定に(4ms+c)×3>10msの時間がかかってしまう。つまり、短時間大電流モードの時間内に、全ての二次電池セルC_1〜C_3の電圧値を測定し終えることができない。ここで時間cは、1つの電圧測定と次の電圧測定の間の準備に必要な時間である。つまり、電池制御IC61は、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値Pmaxを速やかに算出することができないという問題がある。
(本実施の形態にかかる電池制御IC11)
次に、図4Cを参照して、本実施の形態にかかる電池制御IC11について説明する。
図4Cに示す電池制御IC11は、図1に示す構成と同じであるが、電圧測定部113として選択部1131及びADコンバータ1132を備えている。なお、選択部1131は、電圧測定部113とは別に設けられてもよい。また、ADコンバータの数は、二次電池セルの数より少なければよい。
次に、図4Cを参照して、本実施の形態にかかる電池制御IC11について説明する。
図4Cに示す電池制御IC11は、図1に示す構成と同じであるが、電圧測定部113として選択部1131及びADコンバータ1132を備えている。なお、選択部1131は、電圧測定部113とは別に設けられてもよい。また、ADコンバータの数は、二次電池セルの数より少なければよい。
ここで、電圧測定部113は、短時間大電流モードの場合に、通常電流モードで最小電圧値を示した二次電池セルの電圧値のみを測定する。そのため、電池制御IC11は、回路規模を増大させることなく(少ない数のADコンバータを用いて)、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値Pmaxを速やかに算出することができる。
<実施の形態2>
図5は、実施の形態2にかかる電池制御ICを搭載したコンピュータシステムを示すブロック図である。図5に示す電池制御IC11は、図1に示す電池制御IC11と比較して、二次電池セル(換言すると、組電池)の温度を測定する温度測定部115をさらに備える。また、図5に示す電池制御IC11は、二次電池セルの状態に応じた組電池の余裕電力値が複数格納された初期値テーブルをレジスタ112にさらに記憶している。図5に示す電池制御IC11のその他の構成については、図1に示す電池制御IC11の場合と同様であるため、その説明を省略する。
図5は、実施の形態2にかかる電池制御ICを搭載したコンピュータシステムを示すブロック図である。図5に示す電池制御IC11は、図1に示す電池制御IC11と比較して、二次電池セル(換言すると、組電池)の温度を測定する温度測定部115をさらに備える。また、図5に示す電池制御IC11は、二次電池セルの状態に応じた組電池の余裕電力値が複数格納された初期値テーブルをレジスタ112にさらに記憶している。図5に示す電池制御IC11のその他の構成については、図1に示す電池制御IC11の場合と同様であるため、その説明を省略する。
図6Aは、本実施の形態にかかる電池制御ICによって参照される初期値テーブルの概念図である。また、図6Bは、当該初期値テーブルを説明するための図である。
図6A及び図6Bに示す初期値テーブルには、所定(例えば最小電圧値を示す)の二次電池セルの電圧値、区間平均電流値(累積電流量)及び温度に応じた組電池の余裕電力値Pmaxが格納されている。なお、横軸は、所定の二次電池セルの温度範囲(T−rate1,T−rate2等)を示し、縦軸は、所定の二次電池セルの電圧値範囲(V−range1,V−range2等)及び累積電流量(RSOC_range1,RSOC_range2等)を示す。
本実施の形態にかかる電池制御IC11は、図6A及び図6Bに示すような初期値テーブルの中から、測定された二次電池セルの電圧値、累積電流量及び温度に応じた余裕電力値Pmaxを抽出し、出力する。なお、所定の二次電池セルの電圧値、累積電流量及び温度の何れかが、初期値テーブルの範囲外である場合や境界部分にある場合には、線形補完されてもよい。
本実施の形態にかかる電池制御IC11は、非線形な領域等、簡単な計算式のみでは精度の高い余裕電力値Pmaxを算出できない場合でも、初期値テーブルの精度を高めておけば、精度の高い余裕電力値Pmaxを出力することができる。
さらに、本実施の形態にかかる電池制御IC11は、短時間大電流モードに一度も移行することなく通常電流モードを維持している状態でも、初期値テーブルの中から余裕電力値Pmaxを抽出して出力することができる。
<実施の形態3>
実施の形態3にかかる電池制御IC11は、実施の形態2にかかる電池制御IC11と比較して、初期値テーブルに設定されている余裕電力値Pmaxを、演算部116によって算出された余裕電力値Pmax(実測値)にあわせて自動的に補正する機能をさらに有する。
実施の形態3にかかる電池制御IC11は、実施の形態2にかかる電池制御IC11と比較して、初期値テーブルに設定されている余裕電力値Pmaxを、演算部116によって算出された余裕電力値Pmax(実測値)にあわせて自動的に補正する機能をさらに有する。
図7は、初期値テーブルの補正方法を説明するための図である。なお、図7中の実線は、ある温度範囲(T−rate3)における累積電流量と電圧値との関係を示している。図7中の●は、初期値テーブルに最初に設定されている余裕電力値Pmaxを示している。図7中の○は、実施の形態1等で測定された余裕電力値Pmax(実測値)を示している。図7中の△は、実測値(図7中の○)に基づいて線形補完された余裕電力値Pmaxを示している。
本実施の形態にかかる電池制御IC11は、初期値テーブルに設定されている複数の余裕電力値Pmax(図中の●)を、実測値(図中の○)又は実測値により線形補完された値(図中の△)に書き換える。それにより、二次電池セルの特性が変化(劣化)した場合でも、初期値テーブルの値と実測値との差を自動的に補正することができるため、経時変化が起きても精度良く余裕電力値Pmaxを出力し続けることができる。
<実施の形態4>
図8は、実施の形態4にかかる電池制御ICの動作を示すタイミングチャートである。図8に示すように、本実施の形態にかかる電池制御ICは、二次電池セルの電圧測定時間及び電圧測定周期を、短時間大電流モードの期間よりも大きくする。
図8は、実施の形態4にかかる電池制御ICの動作を示すタイミングチャートである。図8に示すように、本実施の形態にかかる電池制御ICは、二次電池セルの電圧測定時間及び電圧測定周期を、短時間大電流モードの期間よりも大きくする。
それにより、短時間大電流モードが含まれる電圧測定周期においては、測定される二次電池セルの電圧値が低くなり、それ以外の電圧測定周期においては、測定される二次電池セルの電圧値が高くなる。この電圧値の差分を検出することにより、短時間大電流モードでの二次電池セルの電圧値を測定することが可能となる。
例えば、短時間大電流モードの期間が10ms、電圧測定周期が25msとする。そして、短時間大電流モードにて二次電池セルの電圧値が10%低下したとする。このとき、短時間大電流モード全体が含まれる電圧測定周期では、それ以外の電圧測定周期の場合と比較して、4%(=10%×10ms/25ms)の電圧低下が観測される。言い換えると、ある電圧測定周期において他の電圧測定周期よりも4%の電圧低下が観測された場合には、短時間大電流モードにて二次電池セルの電圧値が10%低下したことがわかる。
実施の形態1〜3の電池制御ICでは、短時間大電流モードでの電圧を正確に求めようとすると、電圧測定時間及び電圧測定周期を短時間大電流モードの時間より十分に短くする必要がある。この場合、電圧測定部に高速かつ低ノイズのADコンバータ等を採用しなければならなくなる。また、動作時の消費電力も大きくなってしまう。一方、本実施の形態にかかる電池制御ICは、実用的な精度で、低消費電力で、短時間大電流モードでの二次電池セルの電圧値を測定することが可能になる。
なお、本実施の形態にかかる電池制御ICの構成は、実施の形態1〜3にかかる電池制御ICの構成に限られず、本実施の形態にて説明した動作を実現可能な他の構成であってもよい。
(関連技術との差異)
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示された構成は、不意に短期間のみ発生する短時間大電流モードでの電圧値測定を想定していない。したがって、これら関連技術の構成では、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することができない。また、これら関連技術の構成は、大掛かりな測定装置であるため、動作時にリアルタイムで組電池の電圧値を測定する電池制御ICにはそのまま適用できない。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示された構成は、不意に短期間のみ発生する短時間大電流モードでの電圧値測定を想定していない。したがって、これら関連技術の構成では、短時間大電流モードでの組電池の余裕電力値を速やかに算出することができない。また、これら関連技術の構成は、大掛かりな測定装置であるため、動作時にリアルタイムで組電池の電圧値を測定する電池制御ICにはそのまま適用できない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1 システムボード
2 バッテリーパック
11 電池制御IC
12 充電制御回路
13 放電制御回路
111 制御部
112 レジスタ
113 電圧測定部
114 電流測定部
115 温度測定部
116 演算部
B_1〜B_M 二次電池
C_1〜C_M 二次電池セル
Nmin ノード
R_1〜R_M 寄生抵抗
Ri 抵抗素子
Rbat 寄生抵抗
Rsys 寄生抵抗
2 バッテリーパック
11 電池制御IC
12 充電制御回路
13 放電制御回路
111 制御部
112 レジスタ
113 電圧測定部
114 電流測定部
115 温度測定部
116 演算部
B_1〜B_M 二次電池
C_1〜C_M 二次電池セル
Nmin ノード
R_1〜R_M 寄生抵抗
Ri 抵抗素子
Rbat 寄生抵抗
Rsys 寄生抵抗
Claims (7)
- バッテリーパックとシステムボードによって構成されるコンピュータシステムの前記バッテリーパックに設けられた電池制御ICであって、
前記システムボードは、前記バッテリーパックの電力が供給される負荷を備え、
前記バッテリーパックは、充放電可能な組電池と、前記組電池の充放電を制御する前記電池制御ICと、を備え、
前記電池制御ICは、
通常電流モードの場合に、前記組電池を構成するM(Mは2以上の整数)個の単位電池セルのそれぞれの電圧値を測定し、短時間大電流モードの場合に、通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの電圧値を測定する電圧測定部と、
通常電流モードの場合に、前記組電池に流れる電流値を測定し、短時間大電流モードの場合に、前記組電池に流れる電流値を測定する電流測定部と、
演算部と、を備え、
前記演算部は、
通常電流モードにおいて最小電圧値を示した前記単位電池セルの短時間大電流モードに おける電圧値に、前記単位電池セルの個数Mを乗じることにより、短時間大電流モードにおける前記組電池の最低電圧を算出し、
通常電流モードにおいて最小電圧値を示した前記単位電池セルの通常電流モードにおける電圧値に、前記単位電池セルの個数Mを乗じることにより、通常電流モードにおける前記組電池の最低電圧を算出し、
短時間大電流モードにおける前記組電池の最低電圧と、通常電流モードにおける前記組電池の最低電圧と、の差電圧を、短時間大電流モードにおける前記組電池に流れる電流と、通常電流モードにおける前記組電池に流れる電流と、の差電流で除することにより、前記組電池の総寄生抵抗を算出し、
前記負荷が正常動作するために当該負荷の電源端子に供給されるべき最低電圧と、短時間大電流モードにおいて前記組電池に流れる最大電流と通常電流モードにおいて前記組電池に流れる電流との差分に対応する値と、を乗じることにより、前記負荷が正常動作する ための最低電圧以上の電圧が当該負荷の電源端子に供給されることを条件にして、短時間大電流モードにおける前記組電池の余裕電力値を算出する、
電池制御IC。 - 前記電圧測定部は、短時間大電流モードの場合に、前記M個の単位電池セルのうち通常電流モードにおいて最小電圧値を示した単位電池セルの電圧値のみを測定する、請求項1に記載の電池制御IC。
- 前記電圧測定部は、一度に一つの単位電池セルの電圧値のみを測定することが可能な電圧測定回路を、前記M個の単位電池セルよりも少ない数有する、請求項1に記載の電池制御IC。
- 前記電圧測定部は、前記M個の単位電池セルよりも少ない数のADコンバータを有する、請求項1に記載の電池制御IC。
- 通常電流モードでの前記単位電池セルの電圧値、累積電流量及び温度に応じた短時間大電流モードでの前記組電池の余裕電力値が複数格納されたテーブルを記憶する記憶部をさらに有し、
前記テーブルの中から、前記電圧測定部によって測定された前記単位電池セルの電圧値、累積電流量及び温度に応じた前記組電池の余裕電力値が抽出される、請求項1に記載の電池制御IC。 - 前記テーブルに格納されている前記組電池の余裕電力値を、前記演算部によって算出された対応する前記組電池の余裕電力値に書き換える、請求項5に記載の電池制御IC。
- 複数の単位電池セルを組み合わせた組電池と、
前記組電池からの電力によって駆動される負荷を搭載したシステムボードと、
前記組電池の余裕電力値を前記システムボードに対して出力する請求項1に記載の電池制御ICと、を備えたコンピュータシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017111402A JP2017167162A (ja) | 2017-06-06 | 2017-06-06 | 電池制御ic及びコンピュータシステム |
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JP2012245554A Division JP6157088B2 (ja) | 2012-11-07 | 2012-11-07 | 電池制御ic及びその制御方法 |
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ID=59910163
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JP2017111402A Pending JP2017167162A (ja) | 2017-06-06 | 2017-06-06 | 電池制御ic及びコンピュータシステム |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000019233A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-01-21 | Nissan Motor Co Ltd | 電池の出力検出装置 |
JP2004266917A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Kobe Steel Ltd | ハイブリッド駆動型建設機械の電力制御装置 |
-
2017
- 2017-06-06 JP JP2017111402A patent/JP2017167162A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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