JP2017167060A - ひび割れ試験体製作装置及びひび割れ試験体製作方法 - Google Patents

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慶祐 藤岡
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健 渡辺
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Abstract

【課題】鉄筋コンクリートに任意の形状のひび割れを生じさせた試験体を製作することが可能な試験体製作装置を提供する。【解決手段】鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作装置1である。そして、直方体状に成形されるコンクリート体2と、コンクリート体の内部の上側に両端が突出された状態で埋設される上段鉄筋3と、上段鉄筋と略平行であるとともにコンクリート体の内部の下側に両端が突出された状態で埋設される下段鉄筋4と、コンクリート体から突出された上段鉄筋及び下段鉄筋の両端を緊張可能な状態で固定させる載荷フレーム5とを備えている。また、コンクリート体の略中央には、軸直交方向の両側にスリット21,21がそれぞれ設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作装置、及びそれを使用したひび割れ試験体製作方法に関するものである。
特許文献1に開示されているように、鉄筋コンクリート構造物にひび割れが発生すると、内部に埋設された鉄筋の腐食が進行することが知られている。その進行の程度は、ひび割れ幅に依存すると考えられている。
鉄筋の腐食が進行すると、鉄筋の断面欠損やコンクリートとの付着の低下が起こり、かぶりコンクリートの剥落や構造性能の低下を引き起こす。特許文献2には、剥離や剥落が発生する時期を的確に予測するための載荷試験装置が開示されている。
特開2011−257245号公報 特開2012−172975号公報
しかしながら、ひび割れ形状を模擬させた試験体を使った鉄筋腐食試験は、従来行われていない。ひび割れ幅だけでなく、ひび割れ形状(深さ方向の幅の分布要素を含むもの)も鉄筋の腐食の進行に影響を及ぼすものと考えられる。
そこで、本発明は、鉄筋コンクリートに任意の形状のひび割れを生じさせた試験体を製作することが可能な試験体製作装置、及びそれを使用したひび割れ試験体製作方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のひび割れ試験体製作装置は、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作装置であって、直方体状に成形されるコンクリート体と、前記コンクリート体の内部の上側に両端が突出された状態で埋設される第1鉄筋と、前記第1鉄筋と略平行であるとともに前記コンクリート体の内部の下側に両端が突出された状態で埋設される第2鉄筋と、前記コンクリート体を内空に収容させるとともに、前記コンクリート体から突出された前記第1鉄筋及び第2鉄筋の両端を緊張可能な状態で固定させる載荷フレームとを備え、前記第1鉄筋の軸方向における前記コンクリート体の略中央には、前記軸直交方向の両側にスリットがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
ここで、前記第1鉄筋及び第2鉄筋の前記コンクリート体の端部付近は、防錆処理が施されている構成とすることができる。
また、ひび割れ試験体製作方法の発明は、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作方法であって、上記いずれかのひび割れ試験体製作装置を使用して、前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを緊張することで、所望する形状のひび割れを形成する工程と、前記スリットに固化材を充填することで、前記ひび割れの形状を保持させる工程と、前記第1鉄筋及び第2鉄筋の緊張を開放して前記載荷フレームを撤去する工程とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記コンクリート体の側面及び底面を封緘処理する工程を備えた構成とすることができる。
このように構成された本発明のひび割れ試験体製作装置は、コンクリート体の内部の上側に両端が突出された状態で埋設される第1鉄筋と、それと略平行に下側に埋設される第2鉄筋と、それらの鉄筋の両端を緊張可能な状態で固定させる載荷フレームとを備えている。
このため、上下の鉄筋の緊張量を調整することによって、コンクリート体に任意の形状のひび割れ(深度方向において異なる幅とすることが可能なひび割れ)を生じさせた試験体を製作することができる。
また、第1鉄筋及び第2鉄筋のコンクリート体の端部付近に防錆処理が施されていれば、ひび割れに起因した鉄筋の腐食を適切に評価することができるようになる。
さらに、ひび割れ試験体製作装置を使用することで形成されたひび割れの形状を、スリットに固化材を充填することで保持させる方法であれば、載荷フレームを撤去して、長期間、曝露試験などを行うことができる。また、劣化因子の浸透試験も、障害となる載荷フレームが無い方が実施しやすくなる。
さらに、ひび割れを生じさせたコンクリート体の側面及び底面に対して封緘処理を行うことで、劣化因子が浸入する面を特定した試験を行うことができるようになる。
本実施の形態のひび割れ試験体製作装置の構成を説明する斜視図である。 コンクリート体と上段鉄筋との関係を説明する横断面図である。 コンクリート体と上段鉄筋及び下段鉄筋との関係を説明する縦断面図である。 ひび割れ試験体製作装置を使用してひび割れ部を形成する工程を説明する平面図である。 ひび割れ試験体製作装置を使用してひび割れ部を形成する工程を説明する側面図である。 ひび割れ試験体製作装置を使用して形成される複数種類のひび割れ部の形状を例示した説明図である。 封緘状態の試験体の構成を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のひび割れ試験体製作装置1の概略の全体構成を説明する斜視図である。
本発明の実施の形態のひび割れ試験体製作装置1は、鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するための装置である。ここで、「ひび割れ形状の模擬」とは、深度方向において異なる幅であっても再現されたひび割れを指す。
ひび割れの形状を模擬させた試験体11(図7参照)を使って鉄筋腐食試験などを行えば、形状を模擬させない場合と比べて、精度よく鉄筋の腐食速度や腐食量を予測することができるようになる。
任意の形状のひび割れを生成させるコンクリート体2は、図1−図3に示すように、コンクリートによって直方体状に成形される。このコンクリート体2の長手方向の略中央には、長手方向に直交する方向の両側面24,24にスリット21,21がそれぞれ設けられる。
このスリット21は、図2に示すように、例えば断面略長方形(正方形を含む)に形成される。また、スリット21は、図3に示すように、コンクリート体2の上面23から底面25にかけて、連続して直方体状に設けられる。
ここで、スリット21の断面形状は、略長方形に限定されるものではない。スリット21,21間にひび割れが生じるように制御できるようになればよく、断面略三角形、断面略半円形など様々な形状に成形することができる。
そして、コンクリート体2の長手方向の両方の端面22,22からは、鉄筋の両端を突出させる。コンクリート体2の内部に埋設させる鉄筋には、上側の第1鉄筋としての上段鉄筋3と、下側の第2鉄筋としての下段鉄筋4とがある。
上段鉄筋3及び下段鉄筋4は、コンクリート体2の長手方向に軸方向を一致させて配置される。また、図2に示すように、コンクリート体2の長手方向に直交する方向の略中央に配置される。
上段鉄筋3は、想定する鉄筋のかぶり厚さに合わせた深さ位置に配置される。すなわち図3に示す上面23と上段鉄筋3表面との距離が、試験体11の鉄筋のかぶり厚さとなる。
上段鉄筋3には、鉄筋コンクリート構造物に配筋された腐食状態の計測対象となる鉄筋としての役割と、任意のひび割れ部12の形状に調整するための緊張材としての役割の両方がある。
一方、上段鉄筋3と略平行にその下方に埋設される下段鉄筋4は、任意のひび割れ部12の形状に調整するための緊張材としての役割のみである。このため、上段鉄筋3には、計測対象として模擬させたい鉄筋の直径及び断面形状に合わせた材料が選択されるが、下段鉄筋4は緊張材としての機能を満たすものであれば、特に限定されない。
上段鉄筋3及び下段鉄筋4には、コンクリート体2の端部付近(端面22の両側)に、図2,3に示すように、防錆処理部31,41が設けられる。防錆処理部31,41は、樹脂などの防錆処理剤を鉄筋の表面に塗布するなどして形成することができる。
端面22を境にしてその前後の鉄筋(3,4)の表面が防錆処理部31,41によって被覆されていれば、端面22付近からの鉄筋の腐食を防ぐことができる。
この防錆処理部31,41が設けられた箇所は、試験の適用範囲外となるため、スリット21に対応する部分及びスリット21を挟んだ両側は、防錆処理剤などを塗布することなく、鉄筋の表面が露出された状態にしておく。
コンクリート体2は、防錆処理部31,31,41,41が設けられた上段鉄筋3及び下段鉄筋4が配筋された直方体状の型枠(図示省略)の中に、コンリートを流し込むことによって成形することができる。
この際、型枠の内側に、スリット21,21が形成される箇所に四角柱状の突出部を設けておくことで、コンクリート硬化後に型枠を外せば、突出部の部分にスリット21,21が形成されることになる。
例えばコンクリート体2は、上面23が100mm×200mmの長方形、高さが200mmの直方体となるように形成することができる。また、この際のスリット21は、例えば平面が20mm×20mmの正方形で、高さを200mmとする。そして、上段鉄筋3においては、スリット21を挟んで100mm程度(換言するとスリット21を中心に左右50mm程度)の範囲が、未処理部分として防錆処理部31,31間に露出される。
このようにして成形されたコンクリート体2は、図1に示すように、載荷フレーム5の内空に収容される。載荷フレーム5は、板状の定着壁部51、固定壁部52及び接続壁部53,53に囲まれた四角筒状に形成される。
平行に配置される一対の接続壁部53,53は、定着壁部51と固定壁部52との間に介在される。このため、定着壁部51と固定壁部52とが近づく方向に大きな力が作用しても、接続壁部53,53の圧縮耐力によって耐え得ることができる。また、定着壁部51及び固定壁部52にも、導入された緊張力によって破損しない剛性が求められる。
定着壁部51には、コンクリート体2の一方の端面22から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4を貫通させる。貫通させた上段鉄筋3及び下段鉄筋4は、緊張させた後に定着ナット61,61を締め付けることによって、定着壁部51に緊張状態で固定させることができる。
固定壁部52には、コンクリート体2のもう一方の端面22から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4を貫通させる。貫通させた上段鉄筋3及び下段鉄筋4には、固定ナット62,62が装着され、固定壁部52に固定される。
次に、本実施の形態のひび割れ試験体製作装置1を使用したひび割れ試験体製作方法、並びにひび割れ試験体製作装置1及びそれを使用したひび割れ試験体製作方法の作用について説明する。
まず防錆処理部31,31が設けられた上段鉄筋3と、防錆処理部41,41が設けられた下段鉄筋4とを準備する。続いて、図2,3に示されたコンクリート体2の外形が形成されるように組み立てられた型枠(図示省略)の内部に、上段鉄筋3及び下段鉄筋4を配筋する。
この際、上段鉄筋3を配置する高さ(上面23との距離)は、試験対象として想定するコンクリート構造物のかぶり厚さに基づいて設定される。下段鉄筋4については、底面25との距離が上段鉄筋3と上面23との距離にほぼ等しくなるように配置する。そして、型枠にコンクリートを充填して、硬化させる。
コンクリートが硬化した後に型枠を撤去すると、両側面にスリット21,21が設けられるとともに、両端面22,22から上段鉄筋3及び下段鉄筋4の両端部が突出されたコンクリート体2が現れる。
このコンクリート体2から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4の端部に対して、定着壁部51と固定壁部52とを装着し、定着壁部51と固定壁部52との間に一対の接続壁部53,53を介在させることで、図1に示すような四角筒状に載荷フレーム5を組み立てる。
また、固定壁部52から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4の端部に対しては固定ナット62,62をねじ込み、定着壁部51から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4の端部に対しては定着ナット61,61をねじ込む。
さらに、定着壁部51から突出された上段鉄筋3及び下段鉄筋4の端部には、図4,5に示すように、センターホールジャッキなどの緊張用のジャッキ6,6をそれぞれ装着する。
これらのジャッキ6,6は、所望するひび割れの形状をコンクリート体2に形成するために、調整して緊張される。図6に、例示として、模擬させたい3種類のひび割れ部12A−12Cの形状を示した。
図6の左端には、標準的なひび割れ形状として、均一幅のひび割れ部12Aを示した。ひび割れ部12Aの幅を均一にするためには、上段鉄筋3と下段鉄筋4とを、ジャッキ6,6によって同じ大きさの力で緊張する。
上段鉄筋3及び下段鉄筋4は、少なくとも防錆処理部31,41以外の外周面がコンクリート体2のセメントに付着している。このため、上段鉄筋3又は下段鉄筋4に緊張力が導入されると、コンクリート体2に引張力が伝達される。
この伝達された引張力がコンクリート体2の引張耐力を上回ると、ひび割れが生じることになる。コンクリート体2の中央には、両側がスリット21,21となる断面の狭隘部が存在するため、ひび割れ部12Aは弱部となるスリット21,21間に形成される。
ここで、コンクリート体2のスリット21,21間の断面が大きくなりすぎると、コンクリートの割裂引張破壊が起きる前に上段鉄筋3又は下段鉄筋4が降伏してしまうため、そのような事態にならないようにコンクリート体2の高さなどは調節されている。
また、上段鉄筋3と下段鉄筋4は、上下略対象の位置に配置されているため、これらを同じ大きさの力で緊張することによって、コンクリート体2の深度方向の全域に幅がほぼ均等のひび割れ部12を設けることができる。
図6の中央には、曲げ荷重(上側引張の曲げ)によって生じるひび割れ形状として、上面23側の幅の方が深部に比べて広くなるひび割れ部12Bを示した。上面23側のひび割れ部12Bの幅を広くするためには、上段鉄筋3をジャッキ6によって緊張する力を、下段鉄筋4をジャッキ6によって緊張する力よりも大きくする。
これに対して図6の右端には、セメントの水和反応によって生じるひび割れ形状として、上面23側の幅の方が深部に比べて狭くなるひび割れ部12Cを示した。
上面23側のひび割れ部12Cの幅を狭くするためには、上段鉄筋3をジャッキ6によって緊張する力を、下段鉄筋4をジャッキ6によって緊張する力よりも小さくする。
ジャッキ6によって緊張した状態で、定着ナット61を増し締めすることで、上段鉄筋3又は下段鉄筋4に緊張力が導入された状態を維持させることができる。すなわち、定着ナット61,61の締め付け後にジャッキ6,6を撤去しても、形成されたひび割れ部12(12A−12C)の形状は保持させることができる。
このようにして任意の形状のひび割れ部12が形成されたコンクリート体2を、そのまま曝露試験などの試験体として使用することもできる。すなわち、載荷フレーム5が取り付けられた状態のままで試験場所に設置すれば、上面23側のひび割れ部12の開口から浸入する劣化因子によって、上段鉄筋3がどのように変化していくかを観察することができる。
これに対して載荷フレーム5を撤去した試験体11を製作することもできる。その場合は、所望する形状のひび割れ部12の形成後に、載荷フレーム5にコンクリート体2がセットされたままの状態で、スリット21,21に圧縮強度の高い固化材7を充填して硬化させる。
固化材7には、コンクリート体2に使用されたコンクリートの圧縮強度以上の圧縮強度を有する、収縮量の小さい樹脂系材料やセメント系材料が使用できる。要するに、ひび割れ部12の両側縁のスリット21,21は、ひび割れ部12の形成後はその幅分だけ広がっているが、その状態が充填された固化材7,7によって保持されると、載荷フレーム5が撤去できるようになる。
載荷フレーム5の撤去後には、図7に示すように、コンクリート体2の側面24,24及び底面25に防水材などを塗布して、封緘処理部8を形成することができる。封緘処理部8は、劣化因子を浸入させたくない面に対して行われる。
このようにして製作された試験体11を、曝露試験地に設置すれば、上面23及びひび割れ部12からの劣化因子の浸入によって上段鉄筋3の中央部が受ける影響を、正確に把握することができる。
ここで、コンクリート体2の端面22には、封緘処理部8が設けられていないが、上段鉄筋3及び下段鉄筋4の端面22付近は、防錆処理部31,41が設けられており、端面22側から劣化因子の浸入による影響は無視することができる。なお、端面22にも封緘処理部8を設けることもできる。
このように構成された本実施の形態のひび割れ試験体製作装置1は、コンクリート体2の内部の上側に両端が突出された状態で埋設される上段鉄筋3と、それと略平行に下側に埋設される下段鉄筋4と、それらの鉄筋の両端を緊張可能な状態で固定させる載荷フレーム5とを備えている。
このため、上段鉄筋3と下段鉄筋4の緊張量を調整することによって、コンクリート体2に任意の形状のひび割れ部12を生じさせた試験体11を製作することができる。すなわち、ひび割れの発生原因によって異なるひび割れ部12の深度方向の幅の分布(ひび割れ形状)を、模擬させることができるようになる。
また、特定の形状のひび割れ部12がコンクリート体2に生じた場合に、上段鉄筋3に腐食が発生する時期及び状態や、進行状況を把握することができるようになる。そして、その試験結果は、コンクリート構造物にひび割れが発生した場合の鉄筋の腐食の予測に利用することができる。
特に、ひび割れ部12の形状(均等幅形状、上広がり形状、下広がり形状など。幅の広さの大小も含む。)によって、劣化因子の浸入のし易さや、浸入する量が変化すると考えられるため、ひび割れ部12の形状を特定して試験を行うことによって、より正確に鉄筋腐食のメカニズムを解明することができるようになる。その結果、ひび割れ性状が鉄筋腐食速度に及ぼす影響を明らかにすることができるようになる。
また、上段鉄筋3及び下段鉄筋4のコンクリート体2の端面22,22付近に防錆処理部31,41が施されていれば、ひび割れ部12に起因した上段鉄筋3の腐食を適切に評価することができるようになる。
さらに、ひび割れ試験体製作装置1を使用することで形成されたひび割れ部12の形状を、スリット21,21に固化材7を充填することで保持させるひび割れ試験体製作方法であれば、載荷フレーム5を撤去して、長期間、曝露試験などを行うことができる。
また、劣化因子の浸透試験も、障害となる載荷フレーム5が無い方が実施しやすくなる。さらに、ひび割れ部12を生じさせたコンクリート体2の側面24,24及び底面25に対して封緘処理部8を設けることで、劣化因子が浸入する面を上面23に特定した試験を行うことができるようになる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態では、上段鉄筋3と下段鉄筋4の2本の鉄筋がコンクリート体2の内部に埋設される場合について説明したが、これに限定されものではなく、3本以上の鉄筋をコンクリート体2の内部に埋設させることもできる。
1 ひび割れ試験体製作装置
11 試験体
12,12A−12C ひび割れ部
2 コンクリート体
21 スリット
22 端面
3 上段鉄筋(第1鉄筋)
31 防錆処理部
4 下段鉄筋(第2鉄筋)
41 防錆処理部
5 載荷フレーム
6 ジャッキ
7 固化材
8 封緘処理部

Claims (4)

  1. 鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作装置であって、
    直方体状に成形されるコンクリート体と、
    前記コンクリート体の内部の上側に両端が突出された状態で埋設される第1鉄筋と、
    前記第1鉄筋と略平行であるとともに前記コンクリート体の内部の下側に両端が突出された状態で埋設される第2鉄筋と、
    前記コンクリート体を内空に収容させるとともに、前記コンクリート体から突出された前記第1鉄筋及び第2鉄筋の両端を緊張可能な状態で固定させる載荷フレームとを備え、
    前記第1鉄筋の軸方向における前記コンクリート体の略中央には、軸直交方向の両側にスリットがそれぞれ設けられていることを特徴とするひび割れ試験体製作装置。
  2. 前記第1鉄筋及び第2鉄筋の前記コンクリート体の端部付近は、防錆処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のひび割れ試験体製作装置。
  3. 鉄筋コンクリートに生じるひび割れ形状を模擬させた試験体を製作するためのひび割れ試験体製作方法であって、
    請求項1又は2に記載のひび割れ試験体製作装置を使用して、前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを緊張することで、所望する形状のひび割れを形成する工程と、
    前記スリットに固化材を充填することで、前記ひび割れの形状を保持させる工程と、
    前記第1鉄筋及び第2鉄筋の緊張を開放して前記載荷フレームを撤去する工程とを備えたことを特徴とするひび割れ試験体製作方法。
  4. 前記コンクリート体の側面及び底面を封緘処理する工程を備えたことを特徴とする請求項3に記載のひび割れ試験体製作方法。
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