JP2017165759A - 抗菌性組成物 - Google Patents

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Golding Stephen
ハープ,ジョン,ロバート
Robert Harp John
ストット,イアン,ピーター
Peter Stott Ian
トンプソン,キャサリン,メアリー
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トルスロー,キャロル,リン
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Abstract

【課題】皮膚および口腔などの人体の表面等に、速やかで相乗作用性抗菌作用を示す組成物の提供。【解決手段】i)0.001から5重量%のチモール、ii)0.001〜5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、及び、iii)界面活性剤等の担体を含有し、前記1つ以上の抗菌性アルコールが下式で表される構造を有する、抗菌性組成物。[aは単結合又は二重結合;R1及びR2はメチル又は水素、但し、R1及びR2のうちの少なくとも1つはメチル]【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌性組成物、および抗菌性組成物を含む消毒方法に関する。本発明は特に
、パーソナルクリーニング、口腔ケアまたは硬質表面清浄化適用のための抗菌性組成物に
関する。
殺菌および消毒用石けんまたは清浄化組成物は、適切な使用により、個人が暴露される
微生物および病原体の数を一般的に低減し得るので、個人にとって非常に有用である。し
たがって、このような組成物は、例えば感染症の発生および拡大を減少させるのに重要な
役割を果たし得る。
トリクロサンなどの塩素系抗菌剤を含有する殺菌および消毒用石けん組成物が公知であ
る。このような組成物は、有効な抗菌作用を与えるためにかなり長い接触時間を必要とす
る。実際には、使用者、特に小児は、洗浄に長い時間を費やさず、結果としてこのような
組成物を用いた清浄化は、表面もしくは局所感染からの十分な予防または疾患に対する十
分な保護を提供しない。使用者は、手を洗浄したにもかかわらず、一般に皮膚からの細菌
除去が比較的不十分なままで終わる可能性がある。そのため、さらなる生物および/また
は無生物表面の汚染を引き起こし、病原体およびその結果としての疾患の伝播に寄与し得
る。使用者一般、特に、汚染された手を食事の前に、遅効性抗菌性組成物によって比較的
短時間で洗浄する小児は、疾患にかかる危険性がある。
同様に、硬質表面清浄化、例えば床、テーブル面または調理器具の清浄化の分野では、
組成物中の抗菌活性物質は基質と数分未満しか接触せず、その後表面は拭き取られるかま
たは水で洗い流される。このような製品において一般に使用される最もよく知られた抗菌
剤は、所望の微生物死滅を与えるのに数分から数時間を要するので、これらの短時間規模
での清浄化作用は所望の利益を提供する上では効果がない。
そのため、適用時、比較的短い清浄化時間、好ましくは約30秒以下の間に比較的より
有効な抗菌作用を与える組成物を提供することが求められている。
確立されたクラスの抗菌活性化合物は、フェノール化合物である[P A Godda
rd and K A McCue in「Disinfection,Sterili
sation and Preservation」,ed.S S Block,5
edition,Lippincott,Williams and Wilkin
s,Philadelphia,2001 pp.255−282]。しかし、すべての
フェノール化合物が抗菌剤として適切であるとは限らない。さらに、多くのフェノールは
、これらが抗菌活性である場合でも、ヒトまたは動物の皮膚に適用したとき、腐食性、悪
臭および刺激または感作作用などの望ましくない副作用を示し得る。
チモールの特有の問題は、一般に、そのにおい特性のため、製剤中に存在することがは
っきりわかることである。におい特性は、少なくともある程度まで、特定の香料組成物中
で認識され得るが、迅速な消毒において有効な濃度で適用された場合、一部の使用者には
強すぎるとみなされる。加えて、チモールを含む臭気化合物のより低い濃度、またはより
臭気性でないもしくは無臭の抗菌性化合物が利用可能であることは、製造者に、より低い
用量で組成物に代替的な香りを与えるうえでより大きな柔軟性をもたらす。したがって、
好ましくはより低い濃度のチモールしか必要としないおよび/またはより受け入れられる
感覚プロフィールを有する、代替的な抗菌性組成物および方法を提供する必要がある。
国際公開第2010/046238号は、病原細菌の迅速な死滅をもたらす、0.01
から5重量%のチモール、0.01から5重量%のテルピネオールおよび担体を含有する
有効な抗菌性組成物について記載する。国際公開第2010/046238号も、上記組
成物を表面に適用する段階を含む、表面の消毒方法を開示する。
英国特許第2 354 771号は、アニオン性、カチオン性、非アニオン性または両
性界面活性剤と1、2または3種の殺菌剤との組合せを開示する。その実施例は、5−ク
ロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール、4−ヒドロキシ−プロピルエ
ステル安息香酸、およびトランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オー
ルを含む組合せを開示している。
国際公開第01/67868号はダニ駆除薬を対象とする。これはまた、中でも特にカ
ルベオールおよびチモールを含んだ、ケノポディウム・アブロシオイデス(Chenop
odium abrosioides)から抽出された油についても開示する。
国際公開第2009/083521号は、少なくとも1つの抗生物質(例えばフロルフ
ェニコール)と共に芳香族アルコール(例えばチモール)またはビグアニドポリマーを含
有する相乗作用性抗菌性組成物を対象とする。
国際公開第2010/046238号 英国特許第2 354 771号明細書 国際公開第01/67868号 国際公開第2009/083521号
P A Goddard and K A McCue in「Disinfection,Sterilisation and Preservation」,ed.S S Block,5th edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia,2001 pp.255−282
抗菌性化合物および組成物が一般的に利用可能であるにもかかわらず、このような組成
物における使用に適した代替的な抗菌性組成物および活性化合物を見出すことの必要性が
引き続き存在する。特に、迅速な抗菌作用を提供する代替的な組成物は、現在の消費者習
慣を考慮すると依然として極めて望ましい。このような代替物は、現在の原材料への依存
性を低減し得る。さらに、抗菌剤の分野において、代替物が利用可能であることは、微生
物の、特定の抗菌性化合物に対する耐性または非感受性の発現の危険性を低減し得る。
加えて、かかる抗菌性組成物において必要とされる有効成分の総量を低減する必要性が
引き続き存在する。このような組成物は、特に発展途上国に関連するので、この必要性は
、例えばコスト効率に対する要求によって後押しされ得る。さらに、量を低減することは
環境的な理由からも有益であり得る。
上記で認められた問題および先行技術の欠点を考慮して、代替的な抗菌性組成物を提供
することが本発明の1つの目的である。
より低い用量の抗菌性組成物しか必要としない、このような組成物を提供することが本
発明の特定の目的である。
同様に、抗菌活性化合物の嗅覚的関与が低減されているか、または活性化合物が消費者
に受け入れられるか、さらには消費者に好まれる香りを与えることに寄与する、抗菌性組
成物を提供することが本発明の1つの目的である。
表面の消毒方法において必要な接触時間を短縮することに寄与する抗菌性組成物を提供
することは、本発明のもう1つの特定の目的である。
特に、皮膚および口腔などの人体の表面の清浄化の間に改善された消毒を与える抗菌性
組成物を提供することが本発明の1つの目的である。
殺菌および/または消毒、特に表面の殺菌および/または消毒の代替方法を提供するこ
とが本発明のさらにもう1つの目的である。
短縮された消毒時間での消毒方法を提供することは、本発明のさらなる目的である。よ
り詳細には、消毒時間が300秒未満、好ましくは120秒未満、より好ましくは60秒
未満、さらにより好ましくは15秒未満である方法を提供することが本発明の1つの目的
である。
特に、表面、中でも硬質表面、または皮膚および口腔などの人体の表面の清浄化の間に
改善された消毒を与える消毒方法を提供することが本発明の1つの目的である。
本発明者らは今や、上記目的の1つ以上が本発明によって達成されることを見出した。
したがって、本発明者らは、選択した抗菌性アルコールおよびチモールを含有する組成物
が相乗的な抗菌作用を提供することを見出した。このような組成物は、チモールおよびα
−テルピネオールと比較した場合、同様のまたはより低い濃度で、同様のまたはより有効
な抗菌作用を提供する。特に、本発明者らは、本発明による選択した抗菌性アルコールと
チモールとの組合せが非常に速やかな抗菌作用を示すことができることを見出した。例え
ば、本発明者らは、本発明に従う組成物を用いてわずか15秒の接触時間後に完全な微生
物の不活性化が達成できることを見出した。
チモールと選択された抗菌性アルコールとの増強された抗菌効果によって、チモールの
必要量の低減はまた、より多量のチモールの存在に関連する嗅覚上の難点の減少にも好都
合に寄与する。
したがって、第1の態様では、本発明は、
i.0.001から5重量%のチモール、
ii.0.001から5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、および
iii.担体
を含有し;当該1つ以上の抗菌性アルコールが以下の構造:
Figure 2017165759

[式中、
・結合(a)は単結合または二重結合であり、且つ、
・RおよびRはメチルおよび水素から選択され、ただし、RおよびRのうちの
少なくとも1つはメチルである]
を有する、抗菌性組成物を提供する。
本発明の第2の態様によれば、表面の消毒方法であって、
a.本発明に従う組成物を当該表面に適用する工程、および
b.当該組成物を当該表面から除去する工程
を含む方法が提供される。
第3の態様では、本発明は、改善された衛生状態のための、本発明に従う組成物の使用
を提供する。
疑わしさを回避するため、本発明の1つの態様の任意の特徴は、本発明の任意の他の態
様において利用し得る。「含む(comprising)」の語は、「包含する(including)」を
意味するが、必ずしも「から成る(consisting of)」または「から構成される(compose
d of)」を意味しないことが意図されている。したがって、「含む(comprising)」の語
は、その後に記述される要素に限定することを意図するものではなく、むしろ大きなまた
は小さな機能的重要性を有する、特定されない要素を任意に包含することが意図される。
言い換えると、列挙される工程または選択肢は網羅的である必要はない。「含有する(in
cluding)」または「有する(having)」という語が使用される場合は常に、これらの用
語は上記で定義された「含む(comprising)」と等価であることが意図される。以下の説
明において提供される例は、本発明を明確にするためのものであり、本発明を、それらの
例自体に限定することを意図しないことは留意すべきである。
実施例中を除き、または別段の明確な指示がない限り、材料の量または反応条件、材料
の物理的特性および/または使用を示す、本説明中におけるすべての数は、「約」という
語によって修飾されていると理解されるべきである。特に指定がない限り、「xからyま
で」という形式で表現される数値範囲は、xおよびyを含むと解される。特定の特徴に関
して複数の好ましい範囲が「xからyまで」という形式で記述される場合、異なる終点を
組み合わせたすべての範囲も企図されていると解される。
本説明全体を通して、消毒の語は、物理的または化学的手段によって所与の媒質中また
は所与の表面上の生存微生物の数の減少を指す。典型的には、消毒は、前記微生物の破壊
または不活性化を含む。生物および無生物の両方の媒質および表面が企図される。
「殺微生物剤」の語は、ある場所で微生物を死滅させる、微生物の増殖を阻害するまた
は増殖を制御することができる化合物を指し;殺微生物剤には、殺細菌剤、殺真菌剤およ
び殺藻剤が含まれる。「微生物」の語は、例えば真菌(酵母およびカビなど)、細菌およ
び藻類を含む。
抗菌性組成物は、チモールと、1つ以上の抗菌性アルコールと、担体とを含有する。抗
菌性組成物の種々の成分を以下で説明する。
本発明の組成物は、非治療的使用に好ましく、特には、皮膚、毛髪もしくは口腔を含む
人体の表面の清浄化における使用または硬質表面清浄化適用のために好ましい。
選択された抗菌性アルコール
本発明に従う抗菌性組成物は、1つ以上の抗菌性アルコールを0.001から5重量%
含有する。当該組成物は、当該1つ以上の抗菌性アルコールを、好ましくは0.005か
ら4.5重量%、より好ましくは0.01から4重量%、さらにより好ましくは0.02
から3重量%、なお一層好ましくは0.03から2重量%、さらに一層好ましくは0.0
4から1重量%、なお一層好ましくは0.05から0.75重量%、さらに一層好ましく
は0.1から0.5重量%含有する。適用前に希釈することが意図される組成物では、1
つ以上の抗菌性アルコールの好ましい最小濃度はより高くなり得る。例えば、水と本発明
に従う組成物とで手を洗う場合、生成される石けんの泡は、典型的にはもとの組成物の5
0重量%希釈である。同様に、身体を洗う状況では、棒状石けんまたは液体石けんは、典
型的には水中で約8重量%石けんまで希釈され、これは製品の約10倍希釈に相当する。
そのため、使用時の希釈を意図されている本発明に従う組成物は、当該1つ以上の抗菌性
アルコールを、好ましくは0.05から4.5重量%、より好ましくは0.1から4重量
%、さらにより好ましくは0.2から3重量%、なお一層好ましくは0.4から1重量%
、さらに一層好ましくは0.5から1重量%含有する。したがって、抗菌性組成物中の当
該1つ以上の抗菌性アルコールの濃度は、好ましくは、組成物が使用の間に適切な媒質で
希釈または溶解される場合、希釈または溶解された混合物中の濃度が、抗菌的に有効であ
るのにまだ十分な濃度である。
選択した抗菌性アルコールは、単一化合物であってよいか、または以下で詳述するよう
な抗菌性アルコールの混合物であってもよい。特定の好ましい実施形態では、抗菌性アル
コールの混合物は、より広範囲の微生物に対して高い抗菌活性を示し得るので好ましい。
他方では、例えば製剤の管理を含む理由から、本発明に従う組成物がこのような抗菌性ア
ルコールの混合物を含有する場合は、混合物が、抗菌性アルコールの総重量に対して、少
なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、さらにより好ましくは少な
くとも70重量%、なお一層好ましくは少なくとも90重量%の1つの抗菌性アルコール
を含むことが好ましい。
下限濃度未満の選択した抗菌性アルコールの濃度範囲では、チモールとの組み合わせに
おける所望の即効性抗菌動態は達成されない。選択した抗菌性アルコールの好ましい高濃
度よりも高い濃度では、チモールと組み合わせた場合、作用動態は低下しないが、本発明
者らは、感覚的な側面が重要ではない治療/農薬/除草剤適用とは異なり、好ましくはパ
ーソナルクリーニング、口腔ケアまたは硬質表面清浄化適用に関連し、製品が手、口また
は他の身体部分と接触する本発明においては、臭いおよび皮膚感触を含む感覚的側面が損
なわれることを見出した。
1つ以上の抗菌性アルコールは、以下の構造:
Figure 2017165759

[式中、
・結合(a)は単結合または二重結合であり、且つ、
・RおよびRはメチルおよび水素から選択され、ただし、RおよびRのうちの
少なくとも1つはメチルである]
を有する。
したがって、1つ以上の抗菌性アルコールは、(2,4,6−トリメチルシクロヘキス
−3−エン−1−イル)メタノール、(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−
イル)メタノール、(2,4−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イル)メタノール
、(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)メタノール、および(2,4−ジメチルシ
クロヘキシル)メタノールから成る群より選択される。
本発明による1つ以上の選択した抗菌性アルコールの構造の例を表1に提示する。
Figure 2017165759

本発明に従う抗菌性アルコールのすべての立体異性体が企図される。例えば、本発明に
従う抗菌性アルコールが正確に1つの立体中心を含む場合、両方のエナンチオマーが企図
される。同様に、本発明に従う抗菌性アルコールが、例えば正確に2つの立体中心を含む
場合、2つのエナンチオマーの2セットが存在し、そのため、一方のセットの成員は他方
のセットの成員のジアステレオマーである。これらの立体異性の4つすべてが企図される
。したがって、エナンチオマー的に純粋な化合物、ラセミ混合物および種々の立体異性体
の他の混合物を含む組成物は、以下に特別に規定されない限り、等しく好ましい。
好ましくは、1つ以上の抗菌性アルコールは、(2,4,6−トリメチルシクロヘキス
−3−エン−1−イル)メタノール、(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−
イル)メタノール、(2,4−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イル)メタノール
、および(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)メタノールから成る群より選択され
る。
より好ましくは、抗菌性アルコールは、(2,4,6−トリメチルシクロヘキス−3−
エン−1−イル)メタノールおよび(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イ
ル)メタノールから成る群より選択される。さらにより好ましくは、1つ以上の抗菌性ア
ルコールは、イソシクロゲラニオール、フロラロールおよびジヒドロフロラロールから成
る群より選択される。なお一層好ましくは、1つ以上の抗菌性アルコールは、イソシクロ
ゲラニオールおよびフロラロールから成る群より選択される。
イソシクロゲラニオールは、(2,4,6−トリメチルシクロヘキス−3−エン−1−
イル)メタノールである。イソシクロゲラニオールは、(2,4,6−トリメチルシクロ
ヘキス−3−エン−1−イル)メタノールの純粋な立体異性体両方と、かかる立体異性体
の混合物とを包含する。
フロラロールは、(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イル)メタノール
を指す。抗菌性アルコールがフロラロールである場合、これは、好ましくは、(1R,6
R)−(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イル)メタノール、(1S,6
S)−(4,6−ジメチルシクロヘキス−3−エン−1−イル)メタノールおよびこれら
の混合物から選択される。
ジヒドロフロラロールは、(2,4−ジメチルシクロヘキシル)メタノールを指す。ジ
ヒドロフロラロールは、(2,4−ジメチルシクロヘキシル)メタノールの純粋な立体異
性体のすべてと、かかる立体異性体の混合物とを包含する。
抗菌性アルコールはイソシクロゲラニオールであることが特に好ましい。
あるいは、抗菌性アルコールは、フロラロールおよびジヒドロフロラロールから成る群
より選択されることが好ましい。この選択は、以下で詳述する1つ以上の界面活性剤も同
時に含有する組成物中で使用される場合に特に好ましい。
好都合には、本発明に従う化合物の一部は、本発明に従う組成物に有効レベルで組み込
まれた場合、テルピネオールのにおいまたは消費者により感知され得るにおいと比較して
、より弱いにおいを有する。この利点は、例えばイソシクロゲラニオールおよびフロラロ
ールに特に当てはまる。
本発明に従う好ましい抗菌性アルコールの混合物もまた好ましい。
理論に拘束されることを望むものではないが、チモールと組み合わせた本発明に従う抗
菌性アルコールの相乗的な抗菌作用機序は、異なるそれぞれの抗菌性アルコールについて
も同様であると考えられる。
本発明に従う適切な抗菌性アルコールは、商業的に調達し得るかまたは合成化学的方法
によって入手し得る。このような方法は、一般に当業者に周知である。
チモール
チモールは以下の構造:
Figure 2017165759

を有する。チモールは、2−イソプロピル−5−メチルフェノールとしても知られる。
本発明に従う抗菌性組成物は、チモールを0.001から5重量%含有する。組成物は
、好ましくは0.005から4.5重量%、より好ましくは0.01から4重量%、さら
により好ましくは0.02から3重量%、なお一層好ましくは0.03から2重量%、さ
らに一層好ましくは0.04から1重量%、なお一層好ましくは0.05から0.75重
量%、さらに一層好ましくは0.1から0.5重量%のチモールを含む。適用前に希釈す
ることが意図される組成物では、本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコールの場合と同じ
理由で、チモールの好ましい最小濃度はより高くなり得る。そのため、使用時の希釈が意
図される本発明に従う組成物は、チモールを、好ましくは0.05から4.5重量%、よ
り好ましくは0.1から4重量%、さらにより好ましくは0.2から3重量%、なお一層
好ましくは0.4から1重量%、さらに一層好ましくは0.5から1重量%含む。チモー
ルについての濃度範囲のいずれかを、好ましくは上記で特定した1つ以上の抗菌性アルコ
ールについての濃度範囲のいずれかと組み合わせる。そのため、本発明に従う抗菌性組成
物は、例えば
a.0.01から0.4重量%のチモール、および
b.0.05から1重量%の1つ以上の抗菌性アルコール
を含む。
チモールの好ましい濃度範囲は、パーソナルクリーニング、口腔ケアまたは硬質表面清
浄化適用のための製品において使用される場合、感覚的に不快でないのと同時に、所望の
即効性抗菌動態を達成するうえで、本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコールの好ましい
濃度範囲と同じ理由から重要である。
チモールは精製形態で抗菌性組成物に添加し得る。しかし、チモールは多くの植物種で
天然に存在する化合物である。そのため、また、チモールが本発明の組成物中に所望の濃
度で存在することを確保しつつ、かかるチモール含有植物種由来の植物油または植物抽出
物を、抗菌性組成物に添加することができる。例えば、タイム油またはタイム抽出物はチ
モールを天然に含む。タイム油またはタイム抽出物は、タイム植物から得られる。タイム
植物は、ティムス属(genus Thymus)に属する植物を指し、以下の種:ティ
ムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、ティムス・ジギス(Thymu
s zygis)、ティムス・サツレオイデス(Thymus satureoides
)、ティムス・マスティキナ(Thymus mastichina)、ティムス・ブル
ソネテッティ(Thymus broussonetti)、ティムス・マロカヌス(T
hymus maroccanus)、ティムス・パリダス(Thymus palli
dus)、ティムス・アルゲリエンシス(Thymus algeriensis)、テ
ィムス・セルピルム(Thymus serpyllum)、ティムス・プレゴイデ(T
hymus pulegoide)、およびティムス・シトリオドラス(Thymus
citriodorus)が含まれるが、これらに限定されない。
担体
本発明に従う抗菌性組成物は担体を含有する。担体は、好ましくは水、油、溶媒、無機
粒子材料、デンプン、空気およびこれらの混合物から成る群より選択される。担体は、好
ましくは組成物の0.1から99重量%である。抗菌性組成物は、固体、液体、ゲル、ペ
ーストまたは軟質固体の形態であってよく、担体は、抗菌性組成物の様式に応じて当業者
によって選択され得る。
無機粒子材料の例には、粘土、タルク、方解石、ドロマイト、シリカおよびアルミノシ
リケートが含まれる。油の例には、鉱油、生物起源の油(例えば植物油)、ならびに石油
由来の油およびワックスが含まれる。生物起源の油は、好ましくはトリグリセリドベース
である。好ましくは、担体の油は香油ではない。したがって、担体油は、好ましくは組成
物のにおいに実質的には寄与せず、より好ましくは組成物のにおいに全く寄与しない。溶
媒の例には、アルコール、エーテルおよびアセトンが含まれる。デンプンは、食用穀物か
ら得られる天然デンプンであってよいか、または加工デンプンであってもよい。
特定の好ましい実施形態では、適切な溶媒には、例えば、水;グリコール、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール;グリコールエーテル;ア
ルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、フェネチルアルコールおよび
フェノキシプロパノール;ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン;エステル
、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、クエン酸トリアセチルおよびグリセロールトリアセテ
ート;カーボネート、例えばプロピレンカーボネートおよびジメチルカーボネート;なら
びにこれらの混合物が含まれる。溶媒は、水、グリコール、グリコールエーテル、エステ
ルおよびこれらの混合物から選択されることが好ましい。あるいは、担体は、水、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコールまたはこれらの混合物を含むことが好ましい。特定の好ましい実施
形態では、適切な固体担体には、例えばシクロデキストリン、シリカ、珪藻土、ワックス
、セルロース材料、アルカリおよびアルカリ土類(例えばナトリウム、マグネシウム、カ
リウム)金属塩(例えば塩化物、硝酸塩、臭化物、硫酸塩)ならびに木炭が含まれる。
空気は、例えば、本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコールおよび/またはチモールを
噴霧化するか、または霧状ミストとして分散させる場合に担体として使用することができ
る。
特に好ましい担体は水または油/溶媒であり、水と油との混合物である担体はさらに一
層好ましい。したがって、パーソナルケア/洗浄、口腔ケアおよび硬質表面清浄化のよう
な想定される適用の多くにおいて、抗菌性組成物は水性基剤または油/溶媒基剤のいずれ
かと共に製剤化され得る。水性基剤(水が担体である)を有する組成物はまた、例えばゲ
ル形態の製品であってもよい。純粋な油/溶媒基剤を有する組成物は、例えば無水スティ
ック形態の製品または噴射剤含有製品であり得る。
したがって、抗菌性組成物は、例えば、好ましくは純粋な油/溶媒基剤での抗菌性無水
スティックパーソナルケア組成物であってもよく、組成物は0.01重量%未満の水分含
量を有し、且つ、組成物は、好ましくは水を含まない。あるいは、抗菌性組成物は、例え
ば、好ましくは、噴射剤も含有する抗菌性噴射剤駆動性パーソナルケア組成物であり得る
。空気は、例えば圧縮空気または液化空気の形態で噴射剤として使用することもできる。
しかし、最も好ましい製品様式は、エマルション基剤(水および/または油が担体であ
る)を有するか、または希釈時にエマルションを形成することができ、例えば手洗い、洗
顔、身体洗浄または剃毛適用のための液体、固体、ローションまたは半固体形態の石けん
製品;口腔ケア適用のための練り歯磨き/歯磨き剤、または棒状もしくは液体形態の硬質
表面清浄化のための製品である。製品がエマルション基剤を含む場合、製品は好ましくは
、以下で述べる1つ以上の界面活性剤も含有する。
界面活性剤
本発明に従う抗菌性組成物は、好ましくは、1つ以上の界面活性剤を1から80重量%
含有する。界面活性剤は、例えば組成物の清浄化効果または製剤安定性に好都合に寄与し
得る。
したがって、本発明に従う抗菌性組成物は、好ましくは、
a.0.001から5重量%のチモール、
b.0.001から5重量%の本発明による1つ以上の抗菌性アルコール、
c.担体、および
d.1から80重量%の1つ以上の界面活性剤
を含有する。
抗菌性組成物は、上記で特定したより好ましい濃度の1つ以上の抗菌性アルコールおよ
びチモールと組み合わせて1から80重量%の1つ以上の界面活性剤を含有することが特
に好ましい。
一般に、界面活性剤は、「Surface Active Agents」Vol.1
,by Schwartz & Perry,Interscience 1949,V
ol.2 by Schwartz,Perry & Berch,Interscie
nce 1958、および/またはthe current edition of「M
cCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」p
ublished by Manufacturing Confectioners
Companyまたは「Tenside−Taschenbuch」,H.Stache
,2nd Edn.,Carl Hauser Verlag,1981;「Handb
ook of Industrial Surfactants」(4th Edn.)
by Michael Ash and Irene Ash;Synapse Inf
ormation Resources,2008のような周知のテキストに記載されて
いる界面活性剤から選択し得る。任意のタイプの界面活性剤、すなわちアニオン性、カチ
オン性、非イオン性、双性イオン性または両性の界面活性剤を使用することができる。好
ましくは、1つ以上の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、またはアニオン性界面活
性剤と非イオン性界面活性剤との組合せである。より好ましくは、1つ以上の界面活性剤
はアニオン性である。
特に好ましい界面活性剤は石けんである。石けんは、本発明の抗菌性組成物の身体洗浄
適用に適した界面活性剤である。石けんは、好ましくはC−C24石けん、より好まし
くはC10−C20石けん、最も好ましくはC12−C16石けんである。石けんは、1
つ以上の炭素−炭素二重結合または三重結合を有してもよく、または有していなくてもよ
い。石けんのカチオンは、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムで
あり得る。好ましくは、石けんのカチオンは、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム
から選択される。より好ましくは、石けんのカチオンはナトリウムまたはカリウムである
石けんは、脂肪および/または脂肪酸をけん化することによって入手し得る。脂肪また
は油は、石けんの製造において一般的に使用される脂肪または油、例えば獣脂、獣脂ステ
アリン、パーム油、パームステアリン、ダイズ油、魚油、ヒマシ油、コメヌカ油、ヒマワ
リ油、ヤシ油、ババス油、パーム核油その他であってよい。上記工程において、脂肪酸は
、ヤシ、コメヌカ、ラッカセイ、獣脂、パーム、パーム核、綿実、ダイズ、ヒマ等から選
択される油/脂肪に由来する。脂肪酸石けんはまた、合成によって(例えば、石油の酸化
またはフィッシャー・トロプシュ法による一酸化炭素の水素化によって)調製することも
できる。トール油中に存在するもののような樹脂酸も使用し得る。ナフテン酸も適切であ
る。
獣脂脂肪酸は様々な動物供給源に由来し得る。他の同様の混合物、例えばパーム油に由
来するもの、ならびに様々な動物の獣脂および豚脂に由来するものも含まれる。
典型的な脂肪酸ブレンドは、5から30重量%のヤシ脂肪酸と70から95重量%の硬
化コメヌカ油由来の脂肪酸とから成る。ラッカセイ、ダイズ、獣脂、パーム、パーム核等
のような他の適切な油/脂肪に由来する脂肪酸も、他の所望の割合で使用し得る。石けん
は、本発明の固体形態中に存在する場合、好ましくは組成物の30から80重量%、より
好ましくは50から80重量%、さらにより好ましくは55から75重量%の量で存在す
る。石けんは、液体形態の組成物中に存在する場合、好ましくは組成物の0.5から20
重量%、より好ましくは1から10重量%存在する。
他の好ましい界面活性剤は、脂肪酸グリシネートおよび脂肪族両性カルボキシレートで
ある。脂肪酸グリシネートは、例えばココイルグリシン酸ナトリウムを含む、グリシンの
塩の脂肪酸アミドである。脂肪族両性カルボキシレートは、例えばラウロアンホ酢酸ナト
リウム(すなわちナトリウム2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ウンデシル−4
,5−ジヒドロイミダゾール−1−イウム−1−イル]アセテート)を含む両性界面活性
剤である。適切な界面活性剤のさらに別の例は、アシルイセチオネートを含む、イセチオ
ネートの誘導体である。
本発明の抗菌性組成物はまた、硬質表面清浄化適用においても有用である。このような
適用において、好ましい界面活性剤は、製品が液体形態である場合は、1から8個のエチ
レンオキシド基を含む、C−C22、好ましくはC−C16脂肪族アルコールエトキ
シレートなどの非イオン性界面活性剤である。硬質表面清浄化適用のための製品が固体形
態である場合は、界面活性剤は、好ましくは第一級アルキルスルフェート、第二級アルキ
ルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルキルスルフェートま
たはアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤から選択される。組成物は、アニオ
ン性界面活性剤、例えばアルキルエーテルスルフェート、好ましくは、天然もしくは合成
供給源および/またはスルホン酸のいずれかに由来する、1から3個のエチレンオキシド
基を有するものをさらに含有し得る。特に好ましいのは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ムである。アルキルポリグルコシドも組成物中に存在してよく、好ましくはC6からC1
6の炭素鎖長を有するものであり得る。有用な界面活性剤の他のクラスには、長鎖第四級
アンモニウム化合物などのカチオン性界面活性剤ならびにベタインおよびアルキルジメチ
ルアミンオキシドなどの両性界面活性剤が含まれる。硬質表面清浄化適用の液体形態にお
ける適切な界面活性剤濃度は、一般に組成物の約0.5から10重量%、好ましくは1か
ら5重量%である。固体組成物では、界面活性剤は、好ましくは組成物の5から40重量
%、好ましくは10から30重量%存在する。
本発明の抗菌性組成物は、口腔ケア組成物、例えば歯磨き剤/練り歯磨きまたは口腔リ
ンス製品において有用である。このような適用において、好ましい界面活性剤は、アニオ
ン性、非イオン性または両性であり、好ましくはアニオン性または両性である。アニオン
性界面活性剤は、好ましくはアルカリ金属アルキルスルフェート、より好ましくはラウリ
ル硫酸ナトリウム(SLS)である。アニオン性界面活性剤の混合物も使用し得る。両性
界面活性剤は、好ましくはベタイン、より好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン(
アルキル基はC10−C18直鎖である)、最も好ましくはココアミドプロピルベタイン
(CAPB)である。両性界面活性剤の混合物も使用し得る。口腔ケア適用における適切
な界面活性剤濃度は、一般に組成物全体の約2重量%から約15重量%、好ましくは約2
.2重量%から約10重量%、より好ましくは約2.5重量%から約5重量%である。
したがって、抗菌性組成物は、界面活性剤として石けん、アルキルスルフェートまたは
直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含むことが極めて好ましい。より好ましくは、1つ
以上の界面活性剤は、石けん、アルキルスルフェートおよび直鎖アルキルベンゼンスルホ
ネートから成る群より選択される。
液体および固体組成物
抗菌性組成物は、固体、液体、ゲルまたはペーストの形態であり得る。当業者は、1つ
以上の担体材料および/または界面活性剤を選択することによって様々な様式の組成物を
調製することができる。本発明の抗菌性組成物は、洗浄およびケア、特に皮膚洗浄および
皮膚ケアのために有用である。抗菌性組成物は、そのまま残す製品または洗い流し製品と
して、好ましくは洗い流し製品として使用できると想定される。本発明の抗菌性組成物は
また、ガラス、金属、プラスチック等のような硬質表面の洗浄およびケアにも使用するこ
とができる。
特に好ましい担体は水である。水が存在する場合、水は、好ましくは組成物の少なくと
も1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、さらにより好ましくは少なくとも5重
量%存在する。水が担体である場合、液体組成物および固体組成物の両方が可能である。
製品の様式に依存して種々の量の水が好ましいこともある。水が担体である場合、本発明
に従う好ましい液体抗菌性組成物は、
a.0.01から5重量%のチモール、
b.0.05から5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、
c.10から99.9重量%の水、および
d.1から30重量%の1つ以上の界面活性剤
を含有する。
液体抗菌性組成物は、皮膚の洗浄、特に手洗いまたは洗顔に有用である。
水が担体である場合、本発明に従う好ましい固体抗菌性組成物は、
a.0.05から5重量%のチモール、
b.0.05から5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、
c.5から30重量%の水、および
d.30から80重量%の界面活性剤
を含有する。
固体抗菌性組成物は、好ましくは成形固体、より好ましくは棒の形態である。固体抗菌
性組成物は、皮膚の洗浄、中でも手洗いまたは洗顔に特に有用である。
このような棒形状の固体抗菌性組成物は、例えば棒状石けんであり得る。棒状石けんは
周知であり、以下を含有する非限定的な例示組成物と類似であり得る:75.6重量%の
無水ナトリウム石けん、1.0重量%のグリセリン、0.5重量%の炭酸ナトリウム、0
.2重量%のEHDP(エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジスホスホネート)酸、0.
04重量%のEDTA(エチレンジアミン四酢酸)四ナトリウム塩、8.5重量%の含水
ケイ酸マグネシウム(タルク)、0.7重量%の塩化ナトリウム、0.05重量%の染料
、0.75重量%の香料、0.05から10重量%の、本発明に従う抗菌性アルコールお
よびチモールを含む抗菌剤、ならびに最高100重量%までの水。
あるいは、無機粒子材料も適切な担体である。無機粒子材料が担体である場合、抗菌性
組成物は固体形態である。好ましくは、無機粒子材料はタルクである。無機粒子材料がタ
ルクである場合、固体抗菌性組成物は、顔または身体に適用するためのタルカムパウダー
として特に有用である。
別の代替法によれば、水とは異なる溶媒が、好ましい担体である。任意の溶媒を使用で
きるが、アルコールが好ましい溶媒である。短鎖アルコール、特にエタノール、プロパノ
ールおよびイソプロパノールは、抗菌ワイプまたは手の抗菌消毒組成物のための担体とし
て特に好ましい。
エタノールおよびイソプロパノールのような溶媒は、一般にこれら自体が抗菌効果を示
す。しかし、これらは揮発性でもあり、組成物の適用の間に容易に蒸発し得る。したがっ
て、処理される表面上のこれらのレベルは、消毒に必要とされる最小期間が経過する前に
、抗菌作用のために必要な最小レベル未満まで低下することさえあり得る。これに対し、
本発明に従うチモールおよび抗菌性アルコールははるかに揮発性が低く、そのため皮膚に
適用した後長時間の抗菌作用をもたらし得る。
付加的な成分
組成物は、当業者に公知の様々な付加的成分をさらに含有し得る。かかる付加的な成分
には、香料、色素、防腐剤、皮膚軟化薬、日焼け止め剤、乳化剤、ゲル化剤、増粘剤、湿
潤剤(例えばグリセリン、ソルビトール)、金属イオン封鎖剤(例えばEDTA)または
ポリマー(例えばメチルセルロースなどの構造化のためのセルロース誘導体)が含まれる
が、これらに限定されない。
本発明に従うチモールと抗菌性アルコールの一部とはどちらも、組成物のにおい特性に
寄与し得る。これらの化合物の一部は、例えば香料組成物中に適用され得るが、本発明は
抗菌性組成物を対象とする。そのため、他の香料成分は存在し得るが、組成物は、好まし
くは香料組成物ではない。ここで、香料組成物は、複数のにおい成分を含有し、調和の取
れた香りを提供することだけを意図された組成物と定義される。
本発明の相乗作用効果
本発明者らは、驚くべきことに、本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコール単独または
チモール単独では、個々には迅速な抗菌動態作用を提供しないが、選択的濃度での1つ以
上の抗菌性アルコールとチモールとの組合せが、抗菌性活性物質と表面との接触時間が短
い、すなわちほぼ5分未満程度、好ましくは2分未満、さらにより好ましくは1分未満、
多くの場合15秒未満程度である洗い流しプロセスにおいて特に重要な相乗的抗菌作用を
提供することを見出した。
抗菌性アルコールとチモールとの相乗作用的組合せ
2つ以上の活性化合物の抗菌作用は、組み合わせた作用が、単に個々の成分が単独で有
する作用の加算から生じる場合は相加的とみなされる。これに対し、2つ以上の活性化合
物の組み合わせた作用が相加性の仮定に基づいて予想されるよりも強い場合、2つ以上の
化合物の抗菌作用は相乗的であるとみなされる。理論に拘束されることを望むものではな
いが、一方の化合物の抗菌作用は他方の化合物の作用によって増強され得、且つ、逆もま
た同様であると考えられる。このような増強は、例えば分子レベルでの抗菌作用機構間の
協力的相互作用から生じ得る。このような増強された抗菌作用は、例えば完全な微生物死
滅を得るためにより低濃度の活性化合物しか必要としないか、あるいは同程度の微生物死
滅がより短時間で達成されるという事実によって示され得る。
2つ以上の活性化合物を含有する抗菌性組成物が相乗作用性抗菌作用を示すことができ
るどうかは、例えば以下の実施例1で概説する手順に従い、且つ、その判定基準を用いて
決定し得る。典型的には、相乗作用性抗菌作用の証拠は、個別に摂取した場合の各々の成
分の最小殺生物濃度より低い濃度で提供され得る。しかし、一般に、1つ以上の活性化合
物の濃度をその最小殺生物濃度(個別に摂取した場合の)よりも上昇させた場合にも、ま
だ相乗作用が起こり得ると考えられる。
本発明に従う抗菌性組成物は、好ましくは本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコールお
よびチモールを、これらが相乗作用性抗菌作用を示すことができる濃度で含有する。した
がって、抗菌性組成物中の1つ以上の抗菌性アルコールおよびチモールの濃度は、好まし
くは、組成物が使用の間に適切な媒質で希釈または溶解される場合(例えば水と本発明に
従う組成物とで手を洗う場合)、希釈または溶解された混合物中の濃度が抗菌的に有効で
あるのにまだ十分な濃度である。すなわち、相乗作用性抗菌作用を有することができるた
めには、組成物中の1つ以上の抗菌性アルコールおよびチモールの濃度(それぞれCco
mp,alcおよびCcomp,thymol)は、好ましくは、適用したとき、適用媒
質中の1つ以上の抗菌性アルコールの所与の濃度(Cmed,alc))で、チモールが
少なくとも最小媒質濃度(Cmed,thymol)で利用可能であるかまたはこの逆も
同様である(すなわち所与のCmed,thymolで、最小Cmed,alcが利用可
能であり、相乗作用性抗菌作用を提供するのに十分である)濃度である。ここで、適用媒
質とは、望ましくは抗菌作用が生ずる媒質を意味する。例えば、手洗いのようなパーソナ
ルケア適用において、組成物は固体棒状石けんであり得る。この場合、Ccompは棒状
石けん中の成分の濃度を指し、Cmedは石けんの泡中の濃度を指す。最小および最適濃
度は、例えば実施例1について述べるプロトコルによって、または以下で詳述する基準の
1つによって決定し得る。一般に、本発明に従う組成物中の1つ以上の抗菌性アルコール
およびチモールの濃度は、多くの典型的な適用において、組成物は純粋な状態で使用され
るかまたは適用媒質を形成するように希釈されるので、適用媒質中の最適濃度に等しいか
またはこれより高い。
驚くべきことに、本発明に従う組成物中の抗菌性アルコールとチモールとの相乗作用は
、広範囲の濃度および濃度比率にわたって生ずる。抗菌性組成物のタイプ、意図される適
用(例えば硬質表面清浄化剤、皮膚洗浄剤または手の殺菌剤)を含む因子に依存して、種
々の濃度範囲および比率が好ましい。
したがって、例えば大腸菌(E.Coli)に対する抗菌作用が望まれる場合は、実施
例1のデータを使用して好ましい媒質濃度Cmedを決定し得る。例えば、実施例1の特
定の媒質中で完全な微生物不活性化が望まれ、抗菌性アルコールがイソシクロゲラニオー
ルであり、且つ、Cmed,alcが0.0112%(w/v)に選択される場合、C
ed,thymolは、好ましくは少なくとも0.025%(w/v)であり、逆もまた
同様である。
あるいは、所望の抗菌作用は、1つ以上の抗菌性アルコールおよびチモールのそれぞれ
の濃度の比率を選択することによって得られ得る。意図される抗菌効果および、例えば感
覚特性、溶解度、経済的考察を含む他の考慮すべき事柄に関する上述した留意事項を考慮
して、抗菌性アルコールに対するチモールの1より大きい濃度比率が一部の適用では好ま
しく、また別の適用では抗菌性アルコールに対するチモールの1より小さい濃度比率が好
ましく、濃度は重量%で表される。
したがって、抗菌性アルコールに対するチモールの1より小さい濃度比率が望まれる場
合、本発明に従う抗菌性組成物は、好ましくは1つ以上の抗菌性アルコールおよびチモー
ルを、1:2から1:12の間の濃度比率(チモール:抗菌性アルコール)で含有し、濃
度は重量パーセントとして表される。
あるいは、抗菌性アルコールに対するチモールの1より大きい濃度比率が望まれる場合
、本発明に従う抗菌性組成物は、好ましくは1つ以上のメンタジエンアルコールおよびチ
モールを以下で特定する濃度比率で含有する。
本発明の好ましい実施形態では、相乗作用性抗菌性組成物は、チモールおよびイソシク
ロゲラニオールを含有する。好ましくは、チモール対イソシクロゲラニオールの重量比は
1/0.13から1/3.75、より好ましくは1/0.13から1/0.17または1
/0.25から1/3.75、さらにより好ましくは1/0.25から1/3.75であ
る。
本発明のさらなる付加的な利点は、1つ以上の抗菌性アルコールおよびチモールを含有
する本発明による組成物を用いた表面の処理が、驚くべきことに、その後実質的な期間に
わたって微生物の増殖に対する表面の持続的な保護を可能にすることが観察されることで
ある。
界面活性剤を含有することの影響
好都合には、上述した洗い流しプロセスに適した組成物は、清浄化作用のための界面活
性剤を含む。本発明者らがさらに驚いたことには、界面活性剤単独では、洗い流しプロセ
スで存在する濃度では速やかな微生物死滅をもたらさないが、1つ以上の抗菌性アルコー
ル、チモールおよび付加的な界面活性剤を含有する組成物で表面を洗浄した場合、短期間
で表面の生存微生物数の減少の程度のさらなる改善を提供する。したがって、界面活性剤
が、汚れを洗い流し、且つ、組成物中で使用される抗菌活性物質も洗い流す原因であるこ
とは一般に公知であるが、本発明においては、界面活性剤は、本発明による1つ以上の抗
菌性アルコールとチモールの組合せだけを含有する組成物において生存微生物数の減少を
増強するという極めて有用な付加的恩恵を提供する。
しかし、驚くべきことに、特定の界面活性剤は抗菌剤の活性を低下させ得ることが見出
された。これは、例えばココイルグリシネートおよびラウロアンホアセテートに関して起
こり得る。一般に、界面活性剤は、良好な清浄化結果を得るために清浄化組成物において
必要である。抗菌性清浄化組成物を提供することが特に本発明の目的であるので、このよ
うな界面活性剤の存在下でチモールと組み合わせた場合に増強された抗菌作用を示すこと
ができる抗菌性アルコールを提供することも本発明の目的である。特にイソシクロゲラニ
オール、フロラロールおよびジヒドロフロラロールは、チモールとの組み合わせにおいて
高い抗菌作用を示すことが見出された。そのため本発明に従う組成物は、好ましくはイソ
シクロゲラニオール、フロラロールおよびジヒドロフロラロールから選択される1つ以上
の抗菌性アルコールを含有する。より詳細には、本発明による組成物がココイルグリシネ
ートおよびラウロアンホアセテートから選択される界面活性剤を含有する場合、抗菌性ア
ルコールはイソシクロゲラニオール、フロラロールおよびジヒドロフロラロールから選択
されることが好ましく、より好ましくは、フロラロールおよびジヒドロフロラロールから
選択されることが好ましい。
本発明に従う方法
第2の態様によれば、本発明は、表面の消毒方法であって、
a.本発明に従う組成物を当該表面に適用する工程、および
b.当該組成物を表面から除去する工程
を含む方法に関する。
好ましくは、当該表面は皮膚である。したがって、例えば、手、顔、身体または口腔の
ような表面を本発明の組成物と接触させる。表面がヒトまたは動物の身体の表面である場
合、当該方法は好ましくは、表面を消毒する非治療的方法である。あるいは、当該表面は
任意の硬質表面である。典型的には、このような硬質表面は、一般に清浄化を必要とし、
且つ、好ましくは殺菌または消毒も必要とする表面である。このような表面は、多くの家
庭または工業環境において見出すことができ、例えば台所および浴室の表面、テーブル面
、床、壁、窓、調理器具、刃物類ならびに陶器類が含まれ得る。このような表面は、例え
ばプラスチック、木材、金属、セラミック、ガラス、コンクリート、大理石および塗装面
を含む多くの種々の材料から作られ得る。
組成物は、当業者に既知の任意の適切な手段によって表面に適用し得る。例えば、適切
な手段は、液体組成物の場合は注入、滴下、噴霧またはワイピングであり得る。
好ましくは、前記方法は、組成物を表面に適用する前または適用している間に、組成物
を適切な溶媒、好ましくは水で希釈または溶解することを含む。このような溶解は、組成
物が固体組成物である場合に特に好ましい。あるいは、固体組成物はまた、例えば粉末の
形態で、直接塗布し得るか、擦り込み得るか、または噴霧し得る。
本発明の第2の態様に従う方法はまた、組成物を表面から除去する工程も含む。ここで
、組成物を除去することは、微量の組成物が表面に残存し得るので、組成物を部分的に除
去することも包含する。皮膚の洗浄または硬質表面の清浄化を含む多くの典型的な状況に
おいて、組成物の一部、特に特定の有効成分が表面に残存することは受け入れられるか、
さらには時として望ましい。そのため、工程bは、好ましくは組成物の少なくとも5重量
%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも25重量%
、なお一層好ましくは少なくとも50重量%、さらに一層好ましくは少なくとも75重量
%を除去することを含む。好ましくは、組成物を除去する工程は、表面を適切な溶媒で洗
い流すこと、または適切なワイプで表面を拭き取ることを含み、より好ましくは、この工
程は、表面を適切な溶媒で洗い流すこと、または表面を適切なワイプで拭き取ることから
成る。あるいは、例えば組成物が揮発性成分、例えば溶媒を含有する場合、除去工程は、
組成物の一部の蒸発も含み得る。
表面を洗い流すための適切な媒質は水であるが、例えば水とアルコールとの混合物であ
ってもよい。次に、好ましくは、組成物の、視認可能な又は知覚による残留物を除去する
ための所定の時間後に十分な量の水で洗い流す。あるいは、アルコールワイプまたは水/
アルコール含浸ワイプを使用して、目に見える抗菌性組成物がなくなるまで表面を拭き取
ってもよい。組成物を除去する工程(例えば表面を洗い流すまたは拭き取ることによる)
は、本発明に従う組成物の驚くほど速い抗菌作用のために、好ましくは組成物を表面に適
用する工程の開始後5分以内、より好ましくは2分以内、さらにより好ましくは1分以内
、なお一層好ましくは30秒以内、さらに一層好ましくは20秒以内に開始する。部分的
な微生物死滅は本発明に従う組成物の適用後ほとんど瞬時であり得るが、最適の抗菌作用
を達成するべく、組成物を表面から除去する工程は、組成物を表面に適用する工程の開始
から少なくとも5秒後、好ましくは少なくとも10秒後、より好ましくは少なくとも15
秒後に始めることが好ましい。これらの時間を時間間隔に組み合わせることも好ましい。
そのため、組成物を表面から除去する工程(すなわち工程b)は、組成物を表面に適用す
る工程(すなわち工程a)の開始後2分から5秒の間、より好ましくは1分から10秒の
間、さらにより好ましくは30秒から10秒の間、なお一層好ましくは20秒から15秒
の間に開始されることが特に好ましい。
消毒時間
組成物の適用と洗い流しまたは拭き取りとの間のこれらの時間は、表面の最適な洗浄お
よび殺菌を確実にするべく、好ましくは消毒時間に関連する。そのため本発明は、好まし
くは、前記方法の消毒時間Tが300秒未満、好ましくは120秒未満、より好ましくは
60秒未満、さらにより好ましくは15秒未満であり;Tが、組成物を微生物培養物に添
加する瞬間から、培養物の単位容積当たりの微生物数が100,000倍減少するまでに
経過する時間と定義され;微生物の初期数が、好ましくは約100,000,000微生
物/mlを上回り、且つ、組成物が、好ましくは液体組成物である方法に関する。
当該方法の消毒作用(消毒時間Tに関して表され得る)は、好ましくは以下で述べる実
施例1のプロトコルに従って決定される。この試験は、微生物培養物が懸濁液中に保持さ
れている標準化された試験環境に関する。同様に適切な試験は、欧州規格EN1276に
記載されている標準懸濁液法であり、ただし、当業者に明らかなように消毒時間は上記基
準に合わせて適合される。あるいは、国際公開第2010/046238号に記載されて
いる試験方法の1つを、例えば消毒作用を確認するために適用し得る。
このような試験方法はまた好ましくは、本発明に従う抗菌性組成物中の1つ以上の抗菌
性アルコールおよびチモールの最適濃度を決定するために当業者によって使用され得る。
あるいは、この方法は表面消毒を対象とするので、消毒時間は、表面を含む試験方法に
よって決定してもよい。そのため本発明は、好ましくは、本発明に従う方法に関し、前記
方法の表面消毒時間T2は60秒未満、好ましくは15秒未満であり、T2が、消毒され
る表面への組成物の適用の瞬間から始まって、その後単位面積当たりの微生物数が100
00倍減少する(すなわち4対数減少)までの時間と定義され、微生物の初期数は、好ま
しくは10、より好ましくは10、さらにより好ましくは10微生物/cmを上
回る、本発明による方法に関する。このような試験は、例えば国際公開第2010/04
6238号に記載されているように、または欧州規格EN 13697:2001および
EN 1500:1997に記載されているように実施し得る。
本発明に従う使用
本発明は、好ましくは非治療的利益を提供する。したがって、例えば、本発明は、生存
微生物数のより迅速な減少のための、本発明に従う抗菌性組成物の使用に関する。
したがって、本発明の第3の態様によれば、改善された衛生状態のための、本発明に従
う組成物の使用が提供される。このような使用は、例えば生存微生物数の減少、好ましく
は生存微生物数の迅速な減少のための、1つ以上の抗菌性アルコール、チモールおよび担
体を含有する抗菌性組成物の使用に関する。したがって、このような使用は、好ましくは
消毒方法における使用である。そのため、生存微生物数の迅速な減少は好ましくは、消毒
時間が300秒未満、好ましくは120秒未満、より好ましくは60秒未満、さらにより
好ましくは15秒未満である消毒のための使用に関する。ここで、消毒は、好ましくは上
述した消毒時間TおよびT2と同様に定義される。
したがって、人体の表面の改善された衛生状態のための本発明に従う組成物の使用が提
供される。このような表面には、例えば皮膚、手および口腔が含まれる。好ましい態様に
よれば、本発明は、改善された手の衛生状態のための、本発明に従う組成物の使用に関す
る。別の好ましい態様によれば、本発明は、改善された口腔衛生状態のための、本発明に
従う組成物の使用に関する。
本発明の殺微生物組成物は、攻撃を受ける場所の上、中またはその場所において殺微生
物有効量の組成物を導入することにより微生物の増殖を阻害するために使用することがで
きる。例えば、施設および工業適用の分野では、適切な場所には、例えば以下が含まれる
:電着塗装システム、冷却塔および空気洗浄器を含む工業用水;ガス洗浄器;廃水処理;
装飾用噴水;逆浸透ろ過;限外ろ過;バラスト水;蒸発凝縮器および熱交換器;パルプお
よび紙加工液および添加剤;鉱物スラリー;デンプン;プラスチック;エマルション;分
散液;塗料;ラテックス;ワニスなどの被覆剤;マスチック樹脂、コーキング材およびシ
ーラントなどの建築資材;セラミック接着剤、カーペット裏地接着剤およびラミネート用
接着剤などの建築用接着剤;工業用または消費者用接着剤;写真用化学薬品;印刷流体;
洗浄剤、殺菌剤および消毒剤、ワイプ、石けん、洗剤、床磨き剤および洗濯すすぎ水を含
む、レストラン、医療機関、学校、食品加工施設および農場で使用される家庭用および工
業用製品;化粧品;洗面用品;シャンプー:金属加工油剤;コンベヤー潤滑剤;作動液;
皮革および皮革加工製品;繊維製品;織物および織物製品;合板、ボール紙、人造壁板、
フレークボード、積層梁、オリエンティドストランドボード、ハードボードおよびパーテ
ィクルボードなどの木材および木材加工製品;注入流体、破砕流体、掘削泥水、随伴水な
どの油およびガス加工流体;燃料輸送および貯蔵システム;農業助剤保存剤;界面活性剤
保存剤;医療装置;診断試薬保存剤:プラスチックまたは紙食品ラップなどの食品保存剤
;食品、飲料および工業プロセス低温殺菌装置;便器;親水施設;プールおよび温泉。
好ましくは、本発明の殺微生物組成物は、鉱物スラリー、パルプおよび紙加工液および
添加剤、デンプン、エマルション、分散液、塗料、ラテックス、被覆剤、建築用接着剤(
セラミック接着剤など)、カーペット裏地接着剤、写真用化学薬品、印刷流体、洗浄剤、
殺菌剤、消毒剤、ワイプ、化粧品、洗面用品、シャンプー、石けん、洗剤、床磨き剤、洗
濯すすぎ水などの家庭用および施設用製品、金属加工油剤、織物製品、木材および木材製
品、農業助剤保存剤、界面活性剤保存剤、診断試薬保存剤、食品保存剤、食品、飲料およ
び工業プロセス低温殺菌装置、ならびに油およびガス加工流体の1つ以上から選択される
場所で、微生物の増殖を阻害するために使用される。
使用の分野
本発明に従う組成物は、上記を考慮して消毒、生存微生物数の減少または改善された衛
生状態のために、特に表面に適用することができる。好ましい実施形態では、組成物は皮
膚への適用に特に適する。例えば、手、顔、身体または口腔のような表面を本発明の組成
物と適切に接触させることができる。他の好ましい実施形態では、表面は任意の硬質表面
である。典型的には、このような硬質表面は、一般に清浄化を必要とし、しばしば殺菌ま
たは消毒をも必要とする表面である。このような表面は、多くの家庭または工業環境にお
いて見出すことができ、例えば台所および浴室表面、テーブル面、床、壁、窓、調理器具
、刃物類ならびに陶器類が含まれ得る。このような表面は多くの異なる材料、例えばプラ
スチック、木材、金属、セラミック、ガラス、コンクリート、大理石および塗装面から作
られ得る。他の好ましい実施形態では、組成物は、前述した表面以外の場所で、このよう
な消毒、生存微生物数の減少または改善された衛生状態のために使用することができる。
好ましい実施形態では、本発明は、ホームケア製品およびパーソナルケア製品としての
使用または前記製品への組込みのための、本発明に従う組成物に関する。より好ましくは
、本発明のこの実施形態は、ホームケア製品またはパーソナルケア製品である、本発明に
従う組成物に関する。
「ホームケア製品」は、住まいまたはその中にある任意のものの処理、清浄化、手入れ
または調整のための製品である。前記には、衣類、織物および/または布繊維などの住ま
いおよび家庭内にあるものの表面、備品および雰囲気の処理、清浄化、洗浄、手入れまた
は調整、ならびに前記製品すべての製造における使用もしくは適用に関するまたは使用も
しくは適用を有する組成物、製品またはこれらの組合せが含まれるが、これらに限定され
ない。「パーソナルケア製品」は、人体の処理、清浄化、手入れまたは調整のための製品
である。前記には、人体(特に皮膚、毛髪および口腔を含む)の処理、清浄化、洗浄また
は調整、ならびに前記すべての製造における使用もしくは適用に関するまたは使用もしく
は適用を有する化学物質、組成物、製品またはこれらの組合せが含まれるが、これらに限
定されない。ホームケア製品およびパーソナルケア製品は、例えば大衆市場ブランドの下
で市販されている製品であり、非限定的な例は棒状石けん、脱臭剤、シャンプーおよび家
庭用表面殺菌剤/消毒剤である。
本発明の別の好ましい実施形態は、工業および/または施設用製品としての使用または
前記製品への組込みのための、本発明に従う組成物に関する。より好ましくは、本発明の
この実施形態は、工業および/または施設用製品である、本発明に従う組成物に関する。
工業および施設用製品は、例えば専門ブランドの下で市販されている製品であり、非限定
的な例は、工業、施設、清掃業務および医療清浄化、定置洗浄、食品サービス、動物用お
よび農業用製品である。工業および/または施設用製品はまた、診療所、病院および/ま
たは他の施設に関する人員の清浄化のための製品(手の殺菌剤など)も包含する。
別の好ましい実施形態では、本発明はまた、ホームケア製品またはパーソナルケア製品
に関わる、本発明に従う方法または使用に関する。例えば、本発明による組成物の工程a
における適用を含む、本発明に従う方法は、組成物が、上述したホームケア製品およびパ
ーソナルケア製品としての使用またはこれらへの組込みのための組成物である方法であり
得る。同様に、別の好ましい実施形態では、本発明はまた、工業および/または施設用製
品に関わる本発明に従う方法または使用に関する。例えば、工程aにおける本発明による
組成物の適用を含む、本発明に従う方法は、組成物が、上述した工業および/または施設
用製品としての使用またはこれらへの組込みのための組成物である方法であり得る。
ホームケアまたはパーソナルケア分野における使用のための製品および/または方法は
、一般に工業および/または施設分野における使用のための製品および/または方法とは
異なる。したがって、例えば、ホームまたはパーソナルケア製品として市販されている製
品は、一般に工業および/または施設使用のための製品としては市販されず、逆もまた同
様である。そのため、本発明の特定の実施形態は、今後実施される場合、一方の分野に関
わるが、他方の分野には関係しない。
[実施例]
本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
[実施例1]
抗菌効果の評価
実験材料
イソシクロゲラニオールは、International Flavors and
Fragrances(IFF)から入手した。
チモールは、純度99.5%の精製化学製品グレードとして購入した(Sigma A
ldrichから)。
約88重量%の(S)−α−テルピネオールおよび12重量%のγ−テルピネオールを
含有するテルピネオール混合物をSigma Aldrichから購入し、これを以下で
は、特に明記されない限りα−テルピネオールまたはテルピネオールと称する。
抗菌相乗作用の評価のための一般的方法
抗菌剤の有効性は、最小殺生物濃度(MBC)を決定することによって有効に比較でき
る。MBCは、完全な死滅(ゼロ細菌増殖)をもたらす特定の活性物質の絶対最小濃度と
定義される。
単離物および混合物における阻害性抗菌剤の異なる挙動は、分画濃度および分画阻害濃
度(FIC)の概念を用いて、広く検討されてきた。例えばJRW Lambert a
nd R Lambert,J.Appl.Microbiol 95,734(200
3);T.Jadavji,CG Prober and R Cheung,Anti
microbial Agents and Chemotherapy 26,91(
1984)および国際公開第2004/006876号参照。これらのパラメータは以下
のように定義することができる:
FC(成分a)=混合物における試験した成分aの濃度/MIC(単一活性物質として
試験した成分a)
FIC(成分a)=MIC(混合物中における試験した成分a)/MIC(単一活性物
質として試験した成分a)
類推により、分画殺生物濃度(FBC)は以下によって与えられる:
FBC(成分a)=MBC(混合物中における試験した成分a)/MBC(単一活性物質
として試験した成分a)
抗菌剤間の相互作用は、組合せの効果が、単独で試験した場合の個々の成分の同じ合計
濃度に関して得られた効果に等しいか、より大きいか、またはより小さいかどうかに依存
して、相加的、相乗作用的または場合により拮抗的であり得る。
これらの関係は、混合物中に存在するすべての成分についての分画MBC値を合計して
、「分画殺生物指数」:
ΣFBC=FBC(成分1)+FBC(成分2)+FBC(成分3)+…等
を得ることによって数学的に表すことができ、
ΣFBC≧1は、相加的または拮抗的殺菌活性に対応し、
ΣFBC<1は、相乗作用的殺菌活性に対応する。
実験方法
抗菌効果を、代表的な病原細菌であるグラム陰性大腸菌(Escherichia c
oli)に対して試験する。活性物質の濃度は、実施例1を通じて重量/容量パーセント
(%w/v)の単位で表す。
細菌ストック
大腸菌(10536株)の一晩培養物を総容量50mlのTSBブロス中で調製し、3
7℃で約18時間増殖させて、150rpmで振とうした。この一晩大腸菌培養物1ml
を新鮮TSBブロス50mlに移し、150rpm、37℃で約4時間インキュベートし
た。この培養物を等しい容量に分け、4000rpmで15分間遠心分離して、滅菌生理
食塩水(0.85%NaCl)で洗浄し、もう一度遠心分離して、生理食塩水中に再懸濁
し、この特定微生物について約10細胞/mlに等しい0.8OD620の最終濃度を
得た。ここで、OD620は、620nmの波長で1.0cm経路長のキュベット中での
試料の吸光度を示す。この細菌ストックを抗菌活性物質に対して(三重に)検定するため
に使用した。
プロトコル
以下のアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)の半分にわたる、
6つの希釈を用いた8つの材料の試験を述べる。このアプローチを用いて、この設定をプ
レートの列、1〜6と7〜12に2等分して反復し、1つの完全希釈プレートを用いて1
6の活性物質(複製なし)を検定することが可能である。
試験活性物質の1M溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製した。所望最終
濃度の1.11倍の活性物質の保存溶液を、DMSO溶液を水に希釈することによって調
製し、例えば、以下で述べるように、細菌懸濁液を添加する場合に活性物質のさらなる希
釈を可能にするため(270μlから300μlへの希釈)、0.8%w/vの所望の「
試験」濃度のために0.89%w/v溶液を調製した。
最終濃度の1.11倍の材料のアリコート(270μl)を1つの列(A1〜H1)に
沿ってMTPのウェルに分配した。このMTPを「スクリーニングプレート」とラベル表
示した。
「希釈プレート」とラベル表示した別のMTPにおいて、DIFCO Composi
tionからのD/E中和溶液270μlを列1に添加した。中和溶液の組成物は以下の
とおりであった:カゼインの膵臓消化物、5.0g/L;酵母抽出物、2.5g/L;デ
キストロース、10g/L、チオグリコール酸ナトリウム、1.0g/L、チオ硫酸ナト
リウム、6.0g/L;重亜硫酸ナトリウム、2.5g/L;ポリソルベート80、5.
0g/L;レシチン、7.0g/L;ブロモクレゾールパープル、7.6±0.2の範囲
のpHで0.02g/L。
トリプトン希釈溶液270μlを希釈MTPの残りのウェルすべて(列2〜6)に添加
した。
次に、同じ容量の細菌ストックを吸引し、横列A〜Hの8ウェルに並行して分配するた
めに、8つのチップを有するマルチチャンネルピペットを使用して、細菌ストック(30
μl)を、スクリーニングプレート中の調製した活性物質の溶液270μlに添加し、混
合した。15秒の接触時間の後、30μl容量の混合物を、吸引混合を用いて、調製した
希釈プレート中のD/E中和溶液270μlに移すことによって混合物をクエンチングし
た。D/E中和溶液中で正確に5分後、30μl容量を希釈MTPの列1から列2に移し
、混合した後、さらなる30μl容量を列2から列3に移した。この工程を連続的に反復
して、プレートを横切って列6まで細菌を希釈した。
希釈MTPの各ウェルからの30μl容量を、最小細菌濃度(最高希釈、列6)から出
発して最大細菌濃度(列1)まで、トリプトンダイズ寒天(TSA)プレートのあらかじ
めラベル表示した区域に移した。30μlの接種物スポットを乾燥させることができるよ
うにTSAプレートを約2時間放置し、次にプレートを裏返して、37℃で一晩インキュ
ベートした後、ラベル表示された希釈での細菌コロニーを計数し、細菌増殖への活性物質
の作用を測定した。
結果の計算
最初に、細菌コロニー数を数えることができるTSAプレートの区域を決定することに
より、平均細菌生存数NMBS(対数CFU/mlで表す)を得る。この区域におけるコ
ロニー数から、NMBSを以下の式:
MBS=対数{Ncol・10DF・100/3}
によって計算する。ここで、Ncolはコロニー数であり、且つ、DFは、TSAプレー
ト区域に対応するMTPウェルから得られる希釈係数である(すなわちDFは、クエンチ
についての1から、最高希釈についての6までの範囲にわたり得る)。係数100/3は
、接種物スポットの容量から1ミリリットルへの変換係数である。
すべてのアッセイ試験は三重に実施した。報告される平均細菌生存率結果はこのような
三重試験の平均であり、誤差は対応する標準偏差である。
したがって、約7のNMBS値は、5番目の希釈ウェルからの、すなわちDF=5での
約3コロニーの計数に対応する。このような約7の計数は、細菌が非殺生物物質に暴露さ
れた場合に一般的に認められる。TSAプレートのいずれの区域においても生存コロニー
が認められない場合、これは完全な死滅と解釈され、NMBS=0の値が報告される。
検証
すべての試験アッセイを、同じMTP上で4つの対照実験と並行して実施することによ
り、すべての試験結果を検証した。すべての対照実験は、上記プロトコルに正確に従うが
、以下の有効成分を用いて実施する:
A 0.025%(w/v)チモール
B 0.15%(w/v)α−テルピネオール
C 0.025%(w/v)チモール+0.15%(w/v)α−テルピネオール
D 活性成分なし。
対照実験A、BおよびDは、細菌死滅を示さないことによって試験アッセイを検証し、
国際公開第2010/046238号によるチモールとα−テルピネオールとの相乗作用
的組合せを含む対照実験Cは、完全な細菌死滅を示すことによって試験アッセイを検証す
る。
上記プロトコルに従うが、活性成分を含まない参照実験は、表2に見られるように、D
MSOが、このプロトコルにおいて試験溶液中に存在する濃度(<5%(w/v))では
細菌増殖に影響を及ぼさないことを示した。
Figure 2017165759

結果
本発明に従う抗菌性アルコールの抗菌効果を評価するために上記方法を適用した。表3
は、単独およびチモールとの組合せの両方で、抗菌性アルコールの抗菌活性を示す。
Figure 2017165759

比較実施例
本発明に従う組成物の相乗作用性抗菌作用の尺度として用いる、パラメータΣFBCの
決定は、最初に関連活性物質の最小殺生物濃度(MBC)の決定を必要とする。上述した
ように、活性物質についてのMBCは、特定の培地中でゼロ細菌細菌生存率を与える活性
物質の最小濃度と定義することができる。実施例(1:1)から(1:3)についてのデ
ータは、チモールについてのMBC値が0.05%(w/v)であることを明らかにする
。α−テルピネオールについては、組成物(1:4)から(1:7)は、MBCが0.4
%w/vであることを示す。同じ分析を、イソシクロゲラニオールに関して実施し、以下
の表4に要約する。これらのMBC値は、これらの実施例で使用した特定の培地中でのそ
れぞれのMBCの上限境界を構成する。
Figure 2017165759

イソシクロゲラニオールが有効な抗菌性化合物であることが、表4のデータから明らか
である。
相乗作用的相互作用
チモールとイソシクロゲラニオールとの試験した組合せは、実施例(1:10)におい
て完全な細菌死滅を提供する。上記表4に列挙したMBC値を用いて、相加的な殺生物作
用ではなく、相乗作用の証拠を提供する組合せを識別するべく、これらの混合物中に存在
する成分についての分画MBC値および組成物の実験的ΣFBCを計算することができる
。この分析からの結果を表5に示す。
Figure 2017165759

実施例(1:10)に関して、ΣFBCは1未満であり、したがって設定した基準によ
れば、相乗作用的相互作用の証拠を提供する。そのため、これらの実施例は、チモールお
よび本発明に従う抗菌性アルコールの抗菌効果が、これらを一緒に適用した場合にどのよ
うにして増強されるかを示す。このような相乗作用は、完全な死滅を達成するのに必要な
抗菌剤の濃度の低減を可能にする。例えば単独で試験した場合には、完全な細菌死滅を達
成するのに0.05%w/vチモールが必要であるが、0.112%w/vのイソシクロ
ゲラニオールと組み合わせて使用した場合は、これを0.025%w/vまで2倍低減す
ることができる。
比較実施例
比較実施例(1:11)から(1:13)は、チモールと、本発明に従う化合物ではな
いいくつかの化合物とを、本発明に従う実施例での濃度と同等の濃度で含有する組成物が
、迅速な抗菌作用を生じさせないことを示す。
[実施例2]
この実施例では、様々な濃度のチモールの存在下でイソシクロゲラニオールの高分解能
MBCアッセイを実施することにより、化学物質の広範囲の組合せを試験した。材料は実
施例1と同様にして入手した。35%ジプロピレングリコール(DPG)を含有するリン
酸緩衝液による標準的なマイクロタイタープレートアッセイを用いて相乗作用試験を実施
した。高分解能MBCは、様々な量の殺微生物剤をマイクロタイタープレートの1つの列
に添加し、その後自動液体ハンドリングシステムを用いて10倍希釈を行い、試験化合物
の0.002%から1%の範囲にわたる一連のエンドポイントを得ることによって決定し
た。MBCプレートは、1つの列に試験微生物を一度に接種した。接種したウェルのアリ
コートを15秒目に中和剤(D/E中和ブロス)を含むプレートに移し、混合して、5分
間保持した後、トリプチカーゼダイズブロス(TSB)を含む増殖プレートに移した。T
SBプレートを37℃でインキュベートし、24時間目に増殖の有無を読み取った。15
秒で試験微生物の完全死滅をもたらす試験した最小レベル(マイクロタイタープレートで
の増殖の欠如によって実証される)を、実施例2を通じて最小殺生物濃度(MBC)と定
義する。
本発明の組合せの相乗作用を、実施例1と同じ細菌、大腸菌(E.coli−ATCC
番号10536)に対して、約1×10細菌/mLの濃度で測定した。この微生物は、
多くの消費者および工業適用における自然汚染物質を代表する。37℃で24時間のイン
キュベーション時間後に、プレートを微生物増殖(混濁度)に関して目視評価して、MB
Cを決定した。
本発明の組合せの相乗作用を証明するための試験結果を以下の表6に示す。表は、2つ
の成分の特定の組合せ;試験した微生物に対する結果;第一成分単独(チモール、MBC
)、第二成分単独(イソシクロゲラニオール、MBC)、混合物中の第一成分(C
)および混合物中の第二成分(C)についてMBCによって測定した重量%でのエンド
ポイント活性;計算したΣFBC値;ならびに特定の微生物に対する試験した各々の組合
せについての相乗作用比率(第一成分対第二成分またはA/B)の範囲を示す。
以下の表中のデータは、相乗作用性であると認められた比率の範囲を含む。(相乗作用
範囲外で収集されたデータは報告していない。)これらのデータは、チモールとイソシク
ロゲラニオール成分との特定の組合せが、当該組合せが相乗作用的ではなく相加的である
場合に予想されるよりも増強された微生物に対する防除を示すことを明らかにする。
Figure 2017165759

イソシクロゲラニオールに対するチモールの試験した比率は1/0.025から1/3
50の範囲にわたった。イソシクロゲラニオールに対するチモールの相乗作用的比率は1
/0.013から1/3.75の範囲である。
実施例1および2の結果は、本発明に従う1つ以上の抗菌性アルコールとチモールとの
相乗作用性抗菌作用が広範囲の濃度および比率にわたって得られ得ることを明らかにする

[実施例3]
抗菌性アルコール(フロラロールおよびジヒドロフロラロール−IFFより)ならびに
チモールを含有する、本発明に従う組成物の抗菌効果を、実施例1について述べたのと同
じプロトコルに従って試験した。結果を表9に提示する。
Figure 2017165759

実施例1で述べたのと類似の推論により、表9のデータからフロラロールおよびジヒド
ロフロラロールに関してMBCを決定することができる(表10参照)。同様に、ΣFB
C値を計算した(実施例1のチモールのMBCを用いて)。ΣFBCのデータが表11に
示されている実施例は、チモールと組み合わせたフロラロールおよびジヒドロフロラロー
ルが相乗作用的に抗菌作用を提供できることを明らかにする。
Figure 2017165759
Figure 2017165759

[実施例4]
界面活性剤基剤における効果の自動評価
試料の調製
これらの実施例では、本発明のチモールと抗菌性アルコールの組合せの効果を、2.8
5%ココイルグリシン酸ナトリウムおよび1.85%ラウロアンホ酢酸ナトリウムを含有
する界面活性剤洗浄製剤において試験した。これは、手洗いの間に5.7%ココイルグリ
シネートおよび3.7%%ラウロアンホ酢酸ナトリウムを含有する典型的なニート製剤の
水による50%の使用時希釈に対応する。試験において細菌接種物による希釈を可能にす
るため、界面活性剤成分および試験活性物質の濃度が最終所望濃度の1.1倍であるよう
に溶液を調製した。周囲温度でpHメータを用いて測定して、溶液を、水酸化ナトリウム
溶液の滴下によって手操作でpH10.0に調製した。本発明のチモールおよび/または
抗菌性アルコールの溶液は、最大でも試験の24時間前に調製した。実施例1および3と
同じチモールおよび抗菌性アルコールを使用した。
試験方法
本発明の組合せの効果を実施例1と同じ細菌、大腸菌(E.coli−ATCC番号1
0536)に対して、約1×10細菌/mLの濃度で測定した。
試験は、自動液体ハンドリングシステムを使用して標準的なマイクロタイタープレート
アッセイを用いて実施した。界面活性剤試験溶液270μlをマイクロタイタープレート
(透明ポリスチレンのNunc F γ線照射96F未処理マイクロタイタープレート)
の各ウェルにピペットで分注し、次に細菌懸濁液30μlを添加した。細菌暴露の正確に
15秒後、30μl容量の細菌細胞を採取し、D/Eクエンチ溶液270μlに移した。
D/Eクエンチ中で5分後に、各プレートについて順番に2つの特定波長(450nmと
590nm)で光学密度(OD)を測定した。OD450の読み取りは、細菌増殖が認め
られる場合のD/Eクエンチの黄色に特異的であり、一方OD590は細菌増殖が認めら
れない場合に保持されるD/Eクエンチの最初の紫色に特異的であるので、これらは抗菌
活性の二重のチェックを提供する。ゼロ時点のOD測定後、プレートを37℃で一晩(1
6時間)インキュベートした後、OD測定を反復した。16時間目の時点のOD値からゼ
ロ時点での初期値を差し引くことによってδOD値を計算した。細菌増殖は、OD450
の上昇およびOD590の低下として認められる。抗菌的に有効な系(インキュベーショ
ン後に細菌増殖を評価可能に防止する)を同定するため、OD読み取り値の以下の閾値変
化を採用した:(1)インキュベーション後にOD450が0.2吸光度単位(AU)未
満上昇し、および(2)インキュベーション後にOD590が0.35AU未満低下する
。逆に、紫色から黄色への色の変化に対応して、インキュベーション後にOD450が0
.1AU以上上昇し、およびインキュベーション後にOD590が0.1AU以上低下す
る場合、試験系は細菌増殖を許容し、有効とはみなされない。同じプレートで4つの複製
測定を各試験系について実施した。細菌増殖を示すかまたは増殖を示さない複製ウェルの
数も、色の変化を観察することによって肉眼で容易に評価される。比較のためにチモール
およびテルピネオールを単独および組合せの両方で試験した。
溶液をさらなる界面活性剤溶液で連続希釈することによって個々の成分および固定濃度
比の活性物質の二元混合物に関する用量反応を生じさせ、本発明の0.2から0.05%
のチモールおよび0.5%から0.125%の抗菌性アルコールの範囲にわたる一連のエ
ンドポイントを得た。各々の場合に、二元混合物は1:2.5のチモール対抗菌性アルコ
ールの重量比で評価した。
Figure 2017165759

Figure 2017165759
Figure 2017165759

結果
使用した界面活性剤は、表12の実施例(4:1)の結果に示すように、これら自体で
は用いた濃度で大腸菌に対して抗菌活性ではない。したがって、抗菌効果は抗菌性アルコ
ールおよび/またはチモールに帰することができる。表13は、実施例1で述べたのと同
様にして決定したMBC値を提示する。チモールおよびイソシクロゲラニオールは、特定
する界面活性剤の存在下で、最高試験濃度よりも高いMBCを有する。
表12および13の結果は、イソシクロゲラニオール、フロラロールおよびジヒドロフ
ロラロールが、同じ界面活性剤製剤(ココイルグリシネートおよびラウロアンホアセテー
トを含有する)中でこれらのMBCより低い濃度でチモールと組み合わせて試験した場合
、大腸菌に対して15秒の殺菌効果(4つの複製物すべてにおいて完全な死滅)を示すこ
とを明らかにする。
したがって、本発明に従う抗菌性アルコール、特にイソシクロゲラニオール、フロラロ
ールおよびジヒドロフロラロールは、界面活性剤、特にココイルグリシネートおよびラウ
ロアンホアセテートの存在下でチモールと組み合わせると増強された抗菌作用を示すこと
が見出された。

Claims (15)

  1. i.0.001から5重量%のチモール、
    ii.0.001から5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、および
    iii.担体
    を含有し、前記1つ以上の抗菌性アルコールが以下の構造:
    Figure 2017165759

    [式中、
    ・結合(a)は単結合または二重結合であり、且つ、
    ・RおよびRはメチルおよび水素から選択され、ただし、RおよびRのうちの
    少なくとも1つはメチルである]
    を有する、抗菌性組成物。
  2. 前記1つ以上の抗菌性アルコールが、イソシクロゲラニオール、フロラロールおよびジ
    ヒドロフロラロールから成る群より選択される、請求項1に記載の抗菌性組成物。
  3. 前記1つ以上の抗菌性アルコールが、イソシクロゲラニオールおよびフロラロールから
    成る群より選択される、請求項2に記載の抗菌性組成物。
  4. 前記抗菌性アルコールがイソシクロゲラニオールである、請求項3に記載の抗菌性組成
    物。
  5. 前記チモールが0.01から0.4重量%の濃度で存在し、且つ、前記1つ以上の抗菌
    性アルコールが0.05から1重量%の濃度で存在する、請求項1から4のいずれか一項
    に記載の抗菌性組成物。
  6. 1から80重量%の1つ以上の界面活性剤を含有する、請求項1から5のいずれか一項
    に記載の抗菌性組成物。
  7. 前記1つ以上の界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、および
    アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組合せから選択される、請求項6に記
    載の抗菌性組成物。
  8. 前記1つ以上の界面活性剤が、石けん、アルキルスルフェートおよび直鎖アルキルベン
    ゼンスルホネートから成る群より選択されるアニオン性界面活性剤である、請求項6また
    は7に記載の抗菌性組成物。
  9. a.0.05から5重量%のチモール、
    b.0.05から5重量%の1つ以上の抗菌性アルコール、
    c.5から30重量%の水、および
    d.30から80重量%の1つ以上の界面活性剤
    を含有する、請求項6から8のいずれか一項に記載の固体抗菌性組成物。
  10. a.請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を表面に適用する工程、および
    b.前記組成物を前記表面から除去する工程
    を含む、表面の消毒方法。
  11. 前記表面が皮膚表面である、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(b)が、工程(a)の開始後2分から5秒の間、より好ましくは1分から10秒
    の間、さらにより好ましくは30秒から10秒の間、およびなお一層好ましくは20秒か
    ら15秒の間に開始される、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記方法の前記消毒時間Tが300秒未満、好ましくは60秒未満、さらにより好まし
    くは15秒未満であり、Tが、前記組成物を微生物培養物に添加する瞬間から、培養物の
    単位容積当たりの微生物数が100,000倍減少するまでに経過する時間と定義され、
    且つ、微生物の初期数が、好ましくは約100,000,000微生物/mlを上回り、
    前記組成物が、好ましくは液体組成物である、請求項10から12のいずれか一項に記載
    の方法。
  14. 改善された手の衛生のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  15. 改善された口腔衛生のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
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