JP2017164691A - ハニカムフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高気孔率でありながら煤の捕集効率の高いハニカムフィルタを提供する。【解決手段】ハニカムフィルタは、複数の流路を有するハニカム壁と、前記複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、を備える。ハニカム壁はセラミック部及びセラミック部以外の細孔部を有し、ハニカム壁に占める前記細孔部の体積割合εが0.5以上であり、セラミック部の3Dモデルを細線化処理して分岐した多数の枝を有するネットワークを得た場合にハニカム壁の1mm3中の枝の長さの総和が2200mm以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。
従来より、内燃機関の排ガス中の煤を捕集するセラミック製のハニカムフィルタが知られている。
特開2005−270755号公報
このようなハニカムフィルタにおいて、低圧力損失の観点からは高気孔率が求められるが、高気孔率になると煤の捕集効率が低下するという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高気孔率でありながら煤の捕集効率の高いハニカムフィルタを提供することを目的とする。
本発明に係るハニカムフィルタは、複数の流路を有するハニカム壁と、前記複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、を備えるハニカムフィルタである。そして、前記ハニカム壁はセラミック部及び細孔部を有し、前記細孔部は前記ハニカム壁における前記セラミック部以外の部分であり、前記ハニカム壁に占める前記細孔部の体積割合εが0.5以上であり、前記セラミック部の3Dモデルを細線化処理して分岐した多数の枝を有する第1ネットワークを得た場合に、前記ハニカム壁の1mm中の前記枝の長さの総和が2200mm以上である。
ここで、前記ネットワークの各枝を中心軸としたときに前記各枝の各点毎に定義される前記セラミック部の3Dモデルの直径の平均値が10〜20μmであることができる。
また、前記細孔部の3Dモデルをくびれ部で互いに分離して細孔要素群を生成した場合に、1mmの前記ハニカム壁に含まれる細孔要素の個数Nが以下の式を満たすことができる。
N/ε≧60000(個/mm
上記ハニカムフィルタは、さらに、触媒を有することができる。
本発明に係るハニカムフィルタの製造方法は、アルミニウム源粉末、チタン源粉末、マグネシウム源粉末、造孔材、及び、バインダを含む原料を成形してグリーンハニカム壁を得る工程と、前記グリーンハニカム壁を焼成する工程と、を備え、前記マグネシウム源粉末は、マグネシアスピネル粉末を含む。
本発明によれば、上述のハニカムフィルタを好適に得ることができる。
本発明によれば、高気孔率でありながら煤の捕集効率の高いハニカムフィルタが提供される。
図1は、一実施形態に係るハニカムフィルタの断面図である。 図2は、図1のハニカムフィルタのハニカム壁の拡大断面図である。 図3は、セラミック部の3Dモデルの一例の斜視図である。 図4は、セラミック部の3DモデルM、及び、枝Bを有するネットワークNEを単純化した概略図である。 図5は、3Dモデル及びネットワークの一例の斜視図である。白線が分岐する多数の枝を有するネットワーク、グレー部がセラミック部の3Dモデルである。 図6の(a)は、細孔部の3Dモデルの断面図の一例であり、図6の(b)は、(a)の細孔部の3Dモデルをそのくびれ部Cで互いに分離した細孔要素Sの群を示す断面図である。
図面を参照して本発明の1実施形態に係るハニカムフィルタ100を説明する。
ハニカムフィルタ100は、柱形状を有し、入口端面(一端面)100a及び出口端面(他端面)100bを有する。ハニカムフィルタ100は、多孔質でセラミック製のハニカム壁120及びセラミック製の複数の封口部130を有する。ハニカム壁120は、複数の入口流路(複数の第1流路)110a及び複数の出口流路(複数の第2流路)110bを形成する。入口流路110a及び出口流路110bの断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形、六角形、八角形であることができる。ハニカム壁120は、互いに隣接する入口流路110a及び出口流路110bをそれぞれ隔てる隔壁として機能する。
各入口流路110aは、入口端面100aにおいて開口され、出口端面100bにおいて封口部130により封口されている。また、各出口流路110bは、出口端面100bにおいて開口され、入口端面100aにおいて封口部130により封口されている。なお、図1では、封口部130はプラグ形状であるが、封口部130は、ハニカム壁120の一部を変形することによって形成したもの(例えば円錐形状部)であってもよい。
ハニカム壁120及び封口部130のセラミックの例は、チタン酸アルミニウム系セラミック、炭化ケイ素系セラミック、コージェライト系セラミックである。チタン酸アルミニウム系セラミックは、マグネシウムやケイ素などを含むことができる。セラミックは、原料由来の微量成分又は製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
セル密度は、例えば、35〜80cell/cmとすることができる。
そして、本実施形態において、ハニカム壁120は、図2に示すように、多孔質であって、セラミック部120A及びセラミック部120A以外の細孔部120Bを有する。細孔部120Bは中空でもよいが、細孔部120Bの一部に触媒部120Cが存在していることもできる。本明細書において、細孔部120Bとは、ハニカム壁120におけるセラミック部120A以外の部分であり、細孔部120B内に触媒部120Cが含まれる場合には、触媒部120Cを含む。
触媒部120Cは、触媒を含む。触媒の例は、Pt、Pd、Rh、銀、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅からなる群より選択される少なくとも1つの金属元素、又は、ゼオライト触媒の粒子である。触媒部120Cは、触媒を担持する触媒支持材を含んでもよい。触媒支持材の例は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、セリア、La、BaO、ゼオライト等の酸化物、あるいは、これらの内の1種以上を含む複合酸化物である。触媒支持材の粒径D50は例えば2〜5μmとすることができる。
ハニカム壁120に占める細孔部の体積割合(気孔率と呼ぶことがある)εは、ハニカム壁120の見かけ体積(即ち、細孔部120B(触媒部120Cも含む)及びセラミック部120Aの合計体積)に占める細孔部120B(触媒部120Cも含む)の割合であり、本実施形態では、0.5以上である。気孔率εは、0.5〜0.75であることができる。圧損性能の保持および触媒活性を向上させる上で、気孔率は0.55〜0.7であることが好ましく、0.55〜0.65であることがより好ましい。気孔率が0.75を超えるとハニカム壁120の強度が低下する場合がある。気孔率は水銀圧入法により測定できる。
さらに、本実施形態において、ハニカム壁120のセラミック部120Aの形状が以下の特徴を有している。すなわち、セラミック部120Aの3Dモデルを細線化処理して分岐した多数の枝を有する第1ネットワークを得た場合に、ハニカム壁120の1mm中の枝の長さの総和が2200mm以上である。
具体的には、第1ネットワークを得るための細線化は以下のようにして行うことができる。
まず、ハニカム壁120をX線CTで観察し、X線の吸収率に関する3D情報を取得し、適切な吸収率の閾値に基づいて細孔部120B(触媒部120Cを含む)を除いたハニカム壁120のセラミック部120Aの3Dモデルを取得する。3Dモデルの解像度は、例えば、1ピクセルの立方体の各辺の長さを1μmとすることができる。セラミック部120Aの3Dモデルの例を、図3に示す。必要に応じて、メディアンフィルターでセラミック部の3Dモデルのノイズ除去を行うことができる。
続いて、セラミック部120Aの3Dモデルの細線化処理をコンピュータ上で行い、分岐した多数の1画素の幅の枝Bが枝分かれした構造を有するネットワークNEを抽出する。図4に、セラミック部120Aの3DモデルM、及び、ネットワークNEの模式図を示す。セラミック部120Aの3Dモデルを細線化することによりえられるネットワークNEは、1ピクセルの多数の枝Bからなる枝分かれ構造を有し、3DモデルMの中心線となる。セラミック部120Aの3DモデルM及びネットワークNEの実際の例を図5に示す。白い部分がネットワークNE、グレーの部分がセラミック部120Aの3Dモデルである。
ネットワークNEに関して、ハニカム壁120の1mm中の枝Bの長さの総和を計算することができる。本実施形態では、ハニカム壁120の1mm中の枝Bの長さの総和が2200mm以上である。
さらに、本実施形態においては、図4に示すように、ネットワークNEの各枝Bを中心軸としたときに各枝Bの各点毎にセラミック部120Aの3DモデルMの短径(thickness)及び長径(Length)を得ることができ、さらに、(短径(thickness)+長径(Length))/2に基づいて枝Bの各点において3DモデルMの直径を得ることができる。そして、本実施形態において、全枝Bに関するこの直径の平均値が10〜20μmであることができる。
上述のように、本実施形態において、セラミック部120Aの構造を、分岐した枝Bを有するネットワークNE、及び、各枝Bを中心線とする直径で規定している。
さらに、本実施形態においては、細孔部120B(触媒部120Cを含む)の細孔部の3Dモデルをくびれ部で互いに分離して細孔要素の群を生成した場合に、1mmの前記ハニカム壁に含まれる細孔要素の個数Nが以下の式を満たすことができる。
N/ε≧60000(個/mm
具体的には、まず、X線の吸収率に関する3D情報から、適切な吸収率の閾値に基づいてセラミック部120Aを除いた細孔部120B(触媒部120Cを含む)の3Dモデルを得る。細孔部120Bの3Dモデル120BMの模式図を図6の(a)に示す。
続いて、図6の(b)に示すように、細孔部120Bの3Dモデル120BMのくびれ部Cで互いに分離して多数の細孔要素Sを得る操作を行う。分離後の細孔部の3Dモデル120BM’においては、細孔が分離されており、細孔要素Sの群を有する。その後、細孔要素Sの数を数えてNを得ることができる。
本実施形態によれば、ハニカム壁120に占める細孔部120Bの体積割合εが0.5以上であり、かつ、セラミック部120Aの3Dモデルを細線化処理した第1ネットワークにおいて1mm中のハニカム壁120の枝の長さの総和が2200mm以上である。後者の特性は、ハニカム壁の形状が極めて複雑であることを意味している。このため、高気孔率であっても、煤捕集効率が高くなるものと考えられる。
また、セラミック部の3Dモデルの直径の平均値が10〜20μmであることは、ハニカム壁の形状がさらに複雑であることを意味していると考えられる。
また、N/ε≧60000(個/mm)であることは、煤が壁に多く衝突でき、煤捕集効率が高くなる事を意味する。
(ハニカムフィルタの製造方法)
次に、上述のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態について説明する。ハニカムフィルタの製造方法は、例えば、セラミックの構成元素を含む無機原料粉や添加剤を含むハニカム壁原料を調製する原料調製工程と、原料混合物を成形して複数の流路を有するグリーンハニカム壁を得る成形工程と、グリーンハニカム壁を焼成する焼成工程と、を備え、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に、各流路のいずれか端部を封口する工程と、を備える。
(原料調製工程)
原料調製工程では、セラミックの構成元素を含むセラミック原料粉と添加剤とを混合してハニカム壁原料を調製する。ここでは、チタン酸アルミニウムマグネシウム系のセラミックを製造する際の例について説明する。
チタン酸アルミニウムマグネシウム系セラミック用のハニカム壁原料は、チタン源、アルミニウム源、マグネシウム源等のセラミック原料粉、及び、添加剤を含む混合物である。セラミック原料粉は、さらに、ケイ素源を含んでいてもよい。
(チタン源)
チタン源の例は、例えば酸化チタン(チタニア)が挙げられる。酸化チタンとしては、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)等が挙げられ、なかでも酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。より好ましくは、アナターゼ型、ルチル型の酸化チタン(IV)である。
チタン源は、単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)となる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、チタン塩、チタンアルコキシド、水酸化チタン、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属等が挙げられる。
チタン塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン(IV)等が挙げられる。チタンアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)tert−ブトキシド、チタン(IV)n−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、および、これらのキレート化物等が挙げられる。硫化チタンとして具体的には、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)等が挙げられる。
チタン源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記のなかでも、チタン源としては、酸化チタンが好ましく用いられ、より好ましくは、酸化チタン(IV)である。
チタン源粉末の粒径は、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50または平均粒子径ということがある)が0.1〜25μmの範囲内であるものを用いることが好ましく、焼成時の収縮率を十分に低くするためには、D50が0.1〜5μmの範囲内であるチタン源粉末を用いることがより好ましい。
(アルミニウム源)
アルミニウム源の例は、アルミナ(Al)である。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。これらの混合物でも良い。なかでも、α型のアルミナが好ましく用いられる。
他のアルミニウム源の例は、カオリン(AlSi(OH))、及び、水酸化アルミニウム(Al(OH))である。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えばギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
さらに他のアルミニウム源の例は、空気中、単独で焼成することによりアルミナに導かれる化合物である。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、金属アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩として具体的には、例えば硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、例えばアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
アルミニウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
アルミニウム源の粒径は、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径が20〜60μmの範囲内であるものを用いることができる。
混合物中における、Al(アルミナ)を単位要素として計算された全アルミニウム成分のモル数と、TiO(チタニア)を単位要素として計算された全チタン成分のモル数との比は、35:65〜65:35とすることが好ましく、より好ましくは40:60〜60:40である。
(マグネシウム源)
本実施形態では、マグネシウム源として、マグネシアスピネルを含む。混合物中のマグネシウムの全モル数の内の75モル%以上を、マグネシアスピネル(MgAl)が占めることができる。マグネシウム源としてマグネシアスピネルを用いることにより、容易に上述の構造を有するハニカム壁を得ることができる。なお、マグネシアスピネルは、マグネシウム源だけでなくアルミニウム源としても作用する。
マグネシアスピネル以外の、マグネシウム源の例は、酸化マグネシウム、及び、タルク(MgSi10(OH))である。また、空気中、単独で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばマグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロりん酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
マグネシウム源、特に、マグネシアスピネルの粒径は、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径が1〜60μmの範囲内であることができる。
ハニカム壁原料におけるMgO(マグネシア)換算でのマグネシウム源の含有量は、TiO(チタニア)換算でのチタニウム源を1としたときに、モル比で、0.01〜0.2とすることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.15である。
(ケイ素源)
ケイ素源の例は、酸化ケイ素(石英、アモルファスシリカ)、タルク(MgSi10(OH))、カオリン(AlSi(OH))、ガラスフリットである。タルクはマグネシウム源としても機能し、カオリンはアルミニウム源としても機能する。また、空気中、単独で焼成することによりシリカに導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、例えばケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、ガラスフリットなどが挙げられる。
ケイ素源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ケイ素源の粒径は、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50または平均粒子径ということがある)が0.5〜30μmの範囲内であるものを用いることが好ましく、原料混合物のグリーン成形体への充填率をより向上させ、機械的強度のより高い焼成体を得るためには、D50が1〜20μmの範囲内であるケイ素源を用いることが好ましい。
グリーン成形体がケイ素源を含む場合、原料混合物中におけるケイ素源の含有量は、Al(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタニウム源との合計量100重量部に対して、SiO(シリカ)換算で、0.1重量部〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは5重量部以下である。また、原料混合物中におけるケイ素源の含有量は、グリーン成形体中に含まれる無機化合物源中、2重量%以上5重量%以下とすることがより好ましい。ケイ素源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
ハニカム壁原料が、チタン酸アルミニウム粉、チタン酸アルミニウムマグネシウム粉を含んでもよい。
添加剤の例は、造孔材(孔形成剤)、バインダ、及び溶媒であり、さらに、潤滑剤及び可塑剤が添加されてもよい。
造孔材としては、焼成工程において成形体を焼成する温度以下で消失する素材によって形成されたものを使用することができる。焼成において、造孔材を含有する成形体が加熱されると、造孔材は燃焼等によって消滅する。これにより、造孔材が存在した箇所に空間ができると共に、この空間同士の間に位置するセラミック原料粉末が焼成の際に収縮することにより、流体を流すことができる空隙部をハニカム壁内に形成することができる。
造孔材は、例えば、有機物粉、炭素粉、ドライアイス粉である。有機物粉の例は、トウモロコシ澱粉、大麦澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、豆澱粉、米澱粉、エンドウ澱粉、ポテト澱粉(馬鈴薯デンプン)である。樹脂粉の例は、ポリエチレン粉、中空樹脂粉(熱可塑性樹脂を外殻とし、その内部に該熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度でガス化し、かつ塩素、臭素を含有しないエーテル構造を有する化合物を発泡剤として含有する熱膨張性微小球)である。炭素粉の例は、黒鉛である。造孔材の含有量は、例えば、セラミック原料粉末100質量部に対して10〜50質量部であり、20〜40質量部が好ましい。
造孔材のD50は10〜60μmであることができる。
バインダは、例えば、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の塩;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックスである。ハニカム壁原料におけるバインダの含有量は、例えば、無機原料粉末100質量部に対して20質量部以下である。
潤滑剤または可塑剤は、例えばグリセリン等のアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸A1等の高級脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである。原料混合物における潤滑剤または可塑剤の含有量は、例えばセラミック原料粉末100質量部に対して10質量部以下である。
溶媒としては、例えば水やアルコールが挙げられる。水は不純物が少ない点で、イオン交換水が好ましい。原料混合物が溶媒を含有する場合、溶媒の含有率は、例えば、セラミック原料粉末100質量部に対して10〜100質量部である。
(成形工程)
成形工程では、上記ハニカム壁原料を用いて複数の流路を有したハニカム構造を備えるグリーンハニカム壁を得る。ハニカム壁原料を成形する工程には、例えば、通常用いられているものと同様の一軸プレス機、押出成形機などの成形装置を用いて、目的とするハニカム壁の形状に成形すればよい。
(焼成工程)
焼成工程では、成形工程において得られたグリーンハニカム壁を焼成して多孔質セラミック製のハニカム壁を得る。焼成工程では、成形体の焼成前に、成形体中(原料中)に含まれるバインダ等を除去するための仮焼(脱脂)が行われてもよい。成形体の焼成において、焼成温度は、通常1300℃以上であり、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常1550℃以下であり、好ましくは1500℃以下である。昇温速度は特に限定されるものではないが、通常1〜500℃/時間である。造孔材が、有機物粉及び炭素粉である場合には、焼成を酸素含有雰囲気で行うことが好ましい。焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、マイクロ波加熱炉、ロータリー炉、ローラーハース炉、ガス焼成炉などの通常の焼成炉を用いて行われる。焼成時間は、無機原料粉末がコージェライト系結晶に遷移するのに十分な時間であればよく、原料の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気等により異なるが、通常は5〜24時間である。
(封口工程)
封口工程は、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に行われる。成形工程と焼成工程の間に封口工程を行う場合、成形工程において得られたグリーンハニカム壁の各流路のいずれか一方の端部を封口材で封口した後、焼成工程においてグリーンハニカム壁と共に封口材を焼成することにより、複数の流路を有する多孔質のハニカム壁及び各流路のいずれか一方の端部を封口する封口部を備えたハニカムフィルタが得られる。焼成工程の後に封口工程を行う場合、焼成工程において得られた多孔質ハニカム壁の各流路のいずれか一方の端部を封口材で封口した後、多孔質ハニカム壁と共に封口材を焼成することにより、同様のハニカムハニカムフィルタが得られる。封口材としては、上記グリーンハニカム成形体を得るためのハニカム壁原料と同様の原料を用いることができる。
(触媒担持工程)
その後、公知の方法により必要に応じて触媒を担持することができる。1つの方法は、ハニカム壁の細孔表面に触媒支持材を担持させ、その後、触媒支持材上に触媒を担持させる方法である。また、他の方法は、触媒が支持された触媒支持材をハニカム壁の細孔表面に担持させる方法である。さらに他の方法は、触媒支持材を担持させずに、直接ハニカム壁の表面に触媒を担持させる方法である。
触媒支持材及び/又は触媒をハニカム壁の細孔表面に担持させるには、触媒支持材及び/又は触媒を含む水系スラリーを準備し、当該水系スラリー中にハニカムフィルタを浸漬させ、その後フィルタを加熱して水系スラリーを乾燥させればよい。以上のようにして、触媒を担持したハニカムフィルタを製造することができる。
本実施形態によれば、マグネシアスピネル粉を含むハニカム壁原料を使用しているため、上述の構造のハニカム壁を容易に得ることができる。
<実施例1〜3、比較例1>
表1に示す組成で粉末を混合し、さらに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを、溶媒として水、グリセリン等を混合してハニカム壁原料を得た。全マグネシウム源に占めるマグネシアスピネルのモル数の比率は75重量%であった。
使用した粒子の詳細を以下に示す。
アルミナ:D50が44μmのα−アルミナ粉末
チタニア:D50が0.4μmのルチル型チタニア粉末
酸化マグネシウム:D50が3μm
マグネシアスピネルA:D50が10μm
マグネシアスピネルB:D50が45μm
ガラスフリット:D50が5μm
造孔材:D50が48μmの馬鈴薯澱粉
チタン酸アルミニウムマグネシウム:D50が25μm
得られたハニカム壁原料を用いてグリーンハニカム壁を成形し、乾燥した後、流路の一端を封口した。その後、封口したグリーンハニカム壁を最高温度1490℃で焼成し、ハニカムフィルタを得た。
その後、煤発生器から煤を含むガスをハニカムフィルタに供給し、フィルタから排出される煤の量を測定して、触媒担持前の煤捕集効率を測定した。
続いて、フィルタ内の煤を焼却した後、ハニカムフィルタにゼオライト(ZSM−5)をコートした。具体的には、ZSM―5を含むゼオライトコート液中にハニカムフィルタをディップし、ハニカムフィルタ上の液を乾燥させ、その後500℃で熱処理した。基材単位リットルあたりのゼオライトコート量は115gであった。
その後、再び触媒担持前と同様に触媒担持後の煤捕集効率を測定した。
さらに、フィルタ内の煤を焼却した後、フィルタのハニカム壁から、流路の流れ方向の長さ2〜3mm、流路の幅方向の長さ1mm、厚みはハニカム壁の厚みそのままの大きさのサンプルを切り出し、X線CT装置(Xradia社、MicroXCT−200)により、ハニカム壁の3Dモデルを取得した。X線CTの条件は、管電圧30kV、電力4W、露光時間20s、分解能1.03μm/ピクセルとした。
その後、得られたハニカム壁の3Dモデルの分解能を2.07μm/ピクセルに変換し、350×175×110ピクセルの範囲を解析対象とした。
得られた3Dモデルに対して、3×3のメディアンフィルターを作用させてノイズ除去を行った後、セラミック部の3Dモデルと、細孔部(触媒部を含む)の3Dモデルを取得した。
当該解析対象に占める細孔部の体積割合に基づいて、細孔部の体積割合即ち気孔率εを求めた。
さらに、セラミック部の3Dモデルの細線化処理、すなわち中心線の抽出を行い、図4に示すように、分岐した多数の枝を有するネットワークNEを得た。そして、各枝の総長さを測定し、解析対象の体積で除することにより、前記ハニカム壁の1mm中の前記枝の長さの総和を求めた。
さらに、ネットワークNEの各枝Bを中心軸としたときに各枝Bの各点毎に定義されるセラミック部の3Dモデルの直径((長径+短径)/2)の平均値を求めた。
さらに、細孔部の3Dモデルをくびれ部Cで互いに分離し、細孔要素Sの群(図6の(b)参照)を得た。そして、細孔要素の数Nを求め、解析対象の体積で除することにより、1mmのハニカム壁に含まれる細孔要素の個数Nを得た。そして、Nをεで除することにより、N/εを求めた。
3Dモデルの処理には、ラトックシステムエンジニアリング社製の定量解析ソフトTri/3D−BONおよびTri/3D−PRTを用いた。結果を表2に示す。
実施例の気孔率εは、比較例のそれと同等か高いにもかかわらず、煤捕集効率は比較例のそれを大きく上回った。
110a…入口流路(流路)、110b…出口流路(流路)、120…ハニカム壁、130…封口部、120A…セラミック部、120B…細孔部、120C…触媒部、B…枝、NE…ネットワーク、C…くびれ部、100…ハニカムフィルタ。

Claims (5)

  1. 複数の流路を有するハニカム壁と、
    前記複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、を備えるハニカムフィルタであって、
    前記ハニカム壁はセラミック部及び細孔部を有し、
    前記細孔部は前記ハニカム壁における前記セラミック部以外の部分であり、
    前記ハニカム壁に占める前記細孔部の体積割合εが0.5以上であり、
    前記セラミック部の3Dモデルを細線化処理して分岐した多数の枝を有するネットワークを得た場合に、前記ハニカム壁の1mm中の前記枝の長さの総和が2200mm以上である、ハニカムフィルタ。
  2. 前記ネットワークの各枝を中心軸としたときに前記各枝の各点毎に定義される前記セラミック部の3Dモデルの直径の平均値が10〜20μmである、請求項1記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記細孔部の3Dモデルをくびれ部で互いに分離して細孔要素群を生成した場合に、1mmの前記ハニカム壁に含まれる細孔要素の個数Nが以下の式を満たす、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
    N/ε≧60000(個/mm
  4. さらに、触媒を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の、ハニカムフィルタ。
  5. アルミニウム源粉末、チタン源粉末、マグネシウム源粉末、造孔材、及び、バインダを含む原料を成形してグリーンハニカム壁を得る工程と、
    前記グリーンハニカム壁を焼成する工程と、を備え、
    前記マグネシウム源粉末は、マグネシアスピネル粉末を含む、ハニカムフィルタの製造方法。
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