以下に、本発明に係る遊技機の一例であるパチスロ機について図面に基づいて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示したように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図7参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
ただし、MB(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)遊技状態では、複数のストップボタンのうち、少なくとも1つのストップボタンが押されたときから規定時間である75ms内に、該当リールの回転を停止する制御が行われる。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の成立又は不成立を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、演出実行手段(ドット表示器100や前面パネル110)により行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、その他の抽籤処理、例えば後述するRT1遊技状態中のモード移行抽籤等に用いられる乱数値や、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。
演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。
このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知るあるいは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
特に、パチスロ機1では、複数のLEDからなるドット表示器100と、このドット表示器100の前面に配置された前面パネル110と、を用いて様々な演出を行う。ここで、前面パネル110は、遊技者側に任意のデザインが施され、ドット表示器100のLEDからの光を前面パネル110の一部又は全部において透過可能に構成されている。
パチスロ機1では、所定のプログラムに沿って演出制御手段(後述のサブCPU81)がドット表示器100(LED)の点灯制御(点灯、点滅、消灯)を行い、前面パネル110に施されたデザインを照明することで、様々な演出を行う。
なお、パチスロ機1では、ドット表示器100の前面に配置された前面パネル110を変更するとともに、ドット表示器100を制御するための制御データを変更するだけで、筐体を変更することなく全く異なる演出を行うことも可能である。
[パチスロの構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2〜図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の保護パネル5を外した状態の正面図である。
このパチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ機1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2とを備える。この前面ドア2正面最上部には、リール上部表示器101が設けられている。また、前面ドア2正面の略中央には、透明の保護パネル5が設けられ、この保護パネル5の左右には、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104が設けられている。
また、保護パネル5の内部には、図3に示すように、略中央上部に複数の発光ダイオード(LED)が横長矩形形状に配列されたドット表示器100が設けられている。ドット表示器100と保護パネル5との間には、図4に示す横長矩形形状の前面パネル110が配置される。
図4に示すように、前面パネル110は、その一部又は全部においてドット表示器100のLEDからの光を透過可能に構成され、パネル前面側に一対のハイビスカス絵柄を模したデザインが施されている。
このハイビスカス図柄は、所定の色彩が施され、ドット表示器100から照明されることにより、透明の保護パネル5を介して遊技者に所定の情報を告知する告知部111を構成する。
この告知部111において告知される所定の情報には、後述するART当籤状態中に「ボーナスリプ1」あるいは「ボーナスリプ2」に当籤したときに、ロック(例えば、後述する開始時ロック)を行うことが決定された旨のART当籤告知(以下、単に「当籤告知」ともいう)が含まれる。このように、告知部111は、後述するサブCPU81と協働して告知手段を構成する。
例えば、告知部111は、遊技者に後述するARTが作動可能状態にあることを告知する。つまり、告知部111は、遊技者に対して後述するART当籤告知を行うためのものである。
なお、図4に示す前面パネル110のデザインは一例であり、前面パネル110のデザインは、適宜変更可能である。前面パネル110のデザインを変更することで、全く異なる情報を遊技者に報知することが可能になり、また、多種多様な演出を行うことが可能になる。
また、本実施形態では、ドット表示器100を用いた演出に、ドット表示器100と保護パネル5との間に配置した前面パネル110を用いることとしているが、これに限られず、粘着性のあるシートに所定のデザインを施し、当該シートを前面パネル110の前面(又は背面)に貼り付けることで、ドット表示器100を用いた演出を行うこととしてもよい。
図3に戻り、ドット表示器100は、複数のLEDが前面パネル110の形状と略同一の横長矩形形状に等間隔で配列され構成される。ドット表示器100は、任意の箇所のLEDを点灯(点滅)させることで、前面パネル110に施されたデザインの任意の箇所(本実施の形態ではハイビスカス絵柄の告知部111)を背面から照明する。
ドット表示器100の下方には、リール照明器102が設けられている。本実施形態では、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104に発光ダイオード(LED)を用いて発光させているが、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を用いることができる。
リール照明器102の下方には、図柄表示手段を構成する縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、右上り斜めのクロスアップライン8a、上段のトップライン8b、中段のセンターライン8c、下段のボトムライン8d及び右下がり斜めのクロスダウンライン8eが表示されている。
本実施の形態では、これらライン8a〜8eのうち、中段のセンターライン8cのみが入賞ラインであり、それ以外のライン8a、8b、8d、8eは、役に係る図柄の組合せが表示されても入賞とみなされない単なる表示ラインである。
したがって、センターライン8cを入賞ライン8cともいい、それ以外のライン8a、8b、8d、8eをそれぞれ表示ライン8a、8b、8d、8eともいう。入賞ライン8cは、後述のベットボタン11を操作すること(以下「BET操作」という)、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。
キャビネット60には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4L、4C、4Rを通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
図5に示すように、複数のリール3L、3C、3Rを収容するリールユニットには、表示窓4L、4C、4Rに表示された図柄を背面からそれぞれ照らすためのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rc(以下、総称して「バックランプ106」ともいう)が設けられている。各バックランプ106は、少なくとも1つのLEDや電球等の光源によって構成されている。
図3において、表示窓4L、4C、4Rの下方には、パチスロ機1における遊技に関する情報を表示するリール下部表示器105が設けられている。リール下部表示器105には、3つのデジタル表示部105L、105C、105Rが設けられている。
これらデジタル表示部105L、105C、105Rは、各リール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられ、対応するリールを停止操作する順番を報知するものである。このように、リール下部表示器105は、後述するサブCPU81と協働して停止操作報知手段を構成する。
例えば、図6に示す例では、リール3Cを第1停止操作し、リール3Rを第2停止操作し、かつリール3Lを第3停止操作する旨が報知されている。遊技者は、例えば後述するART遊技状態中にリール下部表示器105に報知された停止操作の順にストップボタンを操作することで特定の小役(例えば、中段ベル=9枚)を入賞させることができる。
また、リール下部表示器105の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、略中央には主にメダル枚数に関する情報を表示する情報表示器13が設けられ、左側にはベットボタン11が設けられる。ベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED108(図7参照)が設けられている。
このベットボタン11を押下操作することで、1単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数のメダルが投入され、前述の通り、入賞ライン8cが有効化される。ベットボタン11の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
情報表示器13には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器13には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
さらに、情報表示器13は、デジタル表示器(図示せず)において、パチスロ機1の動作に関するエラーを示すエラーコード、設定値等をデジタル表示する。また、情報表示器13には、再遊技の図柄が表示された時に点灯するLED(図示せず)や、リール3L、3C、3Rが作動可能な時や、メダル投入受付可能な時に点灯するLED(図示せず)が設けられている。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払い出しを押しボタン操作で切り換える精算ボタン12が設けられている。この精算ボタン12の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン12の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C,4R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(1単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
前面ドア2下部の正面には、左右に効果音や音声等の音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。前面ドア2最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、前面ドア2下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図7〜図9を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図7は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御回路71の構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、図63等に示すメインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(図12〜図25、図36〜図54参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(図27〜図34参照)が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L、49C、49R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リール3L、3C、3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L、3C、3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
通常、パチスロ機1は、後述するウェイト時間を考慮しないと、スタートレバー6が操作されてからリール3L、3C、3Rが通常回転し始めるまでの時間(以下、単に「リール作動時間」という)は、ほぼ0秒である。
本実施の形態において、メインCPU31は、通常時より長いリール作動時間(例えば、約12秒)をとるロングフリーズ処理、通常時より長くロングフリーズ処理時より短いリール作動時間(例えば、約2秒)をとるミドルフリーズ処理、及び通常時より長くミドルフリーズ処理時より短いリール作動時間(例えば、約0.3秒)をとるショートフリーズ処理を実行するようになっている。以下、ロングフリーズ処理、ミドルフリーズ処理、及びショートフリーズ処理を総称し、単に「フリーズ」ともいう。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(表示器等)
さらに、マイクロコンピュータ30には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数に関する情報を表示する情報表示器13とが接続されている。
(外部集中端子板)
図8に示すように、主制御回路71の出力端子71aには、外部集中端子板73が複数の電気ケーブルを介して接続されている。この外部集中端子板73は、主制御回路71からのメダルの投入/払い出し枚数、遊技回数、ART(BB、RB)の作動有無情報等の信号が入力端子73aを介して入力されるとともに、それらの信号を出力端子73bから遊技回数やART作動回数等を表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やART作動と連動して表示を更新したり、ランプ等によりART作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
外部信号1は、後述するBBリプが表示され、ART中であることを外部から認識可能とする信号であって、BB開始フラグのオン後に発生する後述する開始時ロックが行われた後に出力される。
外部信号2は、後述するRBリプが表示され、ART中であることを外部から認識可能とする信号であって、RB開始フラグのオン後に発生する後述する開始時ロックが行われた後に出力される。
外部信号3、4は、RWMエラー(つまり、電源投入時にバックアップが正常でない場合)を認識可能とする信号であって、電源投入時の初期化処理時に出力される。セキュリティー信号は、エラー発生(例えば、メダル詰まり等)時や、ドア開放時、設定変更時等を認識可能とする信号であって、各事象の発生時に出力される。
<副制御回路>
図9は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。
副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、図86等に示すサブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。
サブRAM83には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、バックランプ106、ベットボタンLED108及び発光部330による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L、9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、データ記憶領域は、ドット表示器100の点灯、点滅制御するためのLEDデータを備えている。LEDデータに従い、副制御回路72がドット表示器100を制御することで、ドット表示器100のLEDのうち任意の箇所のLEDが点灯制御される。LEDデータは、前面パネル110に施されたデザインに併せて設計者により任意に設計される。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、バックランプ106、ベットボタンLED108と、発光部330及びスピーカ9L、9Rが接続されている。
サブCPU81、DSP84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L、9Rにより出力する。
また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、バックランプ106及び発光部330の点灯及び消灯を行う。
例えば、サブCPU81は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、発光部330に設けられたバックランプ部上段LED、バックランプ部中段LED、バックランプ部下段LED、左サイド発光部上段LED、左サイド発光部中段、左サイド発光部下段LED、右サイド発光部上段LED、右サイド発光部中段LED、右サイド発光部下段LEDやドット表示器100等の点灯、点滅及び消灯の制御を行う。
[主遊技状態変移]
図10に示すように、パチスロ機1には、主制御回路71において制御される主制御側の主遊技状態として、一般遊技状態(RT0遊技状態)、RT1遊技状態、及びMB遊技状態がある。
RT0遊技状態は、パチスロ機1の出荷時の初期状態である。主遊技状態は、MB遊技状態が終了したときにRT0遊技状態に移行する。RT0遊技状態は、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図17参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態であり、再遊技役であるリプレイ役の当籤確率が低いリプレイ低確率状態である。
主遊技状態は、RT0遊技状態でMBに当籤したときにRT1遊技状態に移行する。RT1遊技状態は、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル(図18参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態であり、RT0遊技状態よりリプレイ役の当籤確率が高いリプレイ高確率状態である。
ここで、RT1遊技状態は、ゲーム数によって管理されるRTではなく、MBの作動役が入賞しない限り継続する。その意味において、RT1遊技状態は無限RTである。
主遊技状態は、RT1遊技状態でMBの作動役が入賞したときに、MB遊技状態に移行する。MB遊技状態は、全ての小役が内部当籤する遊技状態であり、払出枚数が予め定められた払出枚数(本実施の形態においては、30枚)を超えたときに終了する。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態におけるパチスロ機1は、RT0遊技状態において高確率でMBに当籤し、かつ、RT1遊技状態においてMBの作動役を入賞させ難いようになっているため、主遊技状態として、ほぼRT1遊技状態をとる。
[ART遊技状態変移]
図11に示すように、パチスロ機1には、主制御回路71において制御されるART遊技状態として、通常遊技状態、ART当籤状態、ART開始待ち状態、及びART状態がある。
なお、「ART遊技状態」は、厳密にいえば「AT遊技状態」であるが、上述したように、パチスロ機1は、主遊技状態として、ほぼリプレイ高確率状態(RT1遊技状態)をとるため、本実施の形態において「AT遊技状態」は、「ART遊技状態」という。
メインCPU31は、1単位遊技が終了したときに、後述する特定の内部当籤役の入賞時に遊技者による遊技操作を所定の期間無効化するロックを選択的に実行可能になっている。例えば、遊技者による遊技操作は、BET操作、メダルの投入、及び再遊技時のレバー操作等次の単位遊技を開始させる操作を含む。
ART遊技状態は、設定変更後、又はART状態で規定ゲーム数が消化された後に、通常遊技状態に移行する。通常遊技状態は、ロックが制限された状態であり、主に、解除抽籤テーブル(図51参照)及び解除ゲーム数抽籤テーブル(図45〜図50参照)に基づいて、ロックの解除条件の成立が抽籤される遊技状態である。
ここで、上記解除条件には、後述する複数の特殊役のうち、いずれかの特殊役が内部当籤役として決定されたときに解除抽籤テーブル(図51参照)に基づく確率でロックの解除に当籤する場合と、複数の役のうち特殊役を除く役が内部当籤役として決定されたとき(その他)に解除抽籤テーブルに基づく確率でロックの解除に当籤する場合と、解除ゲーム数抽籤テーブル(図45〜図50参照)に基づき決定されたゲーム数に遊技回数が達した場合とが含まれる。
ART遊技状態は、通常遊技状態においてロックの解除条件が成立したときに、すなわちロックを行うことが決定されたときに、ART当籤状態(ロックの当籤状態)に移行する。ART当籤状態は、ロックが解除されてARTに当籤した状態であり、主に、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル(図18参照)に基づいて、特定の内部当籤役に内部当籤したときに、ART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブル(図54参照)に基づいて、ロックを行うことが決定された旨、すなわちARTに当籤した旨を表すART当籤告知の実行条件の成立が抽籤される遊技状態である。
ART遊技状態は、ART当籤状態においてART当籤告知の実行条件が成立したときに、ART開始待ち状態に移行する。ART開始待ち状態は、副制御回路72側でART当籤告知が行われるとともに、特定の内部当籤役の入賞のさせ方(入賞態様)が報知される遊技状態である。
ART遊技状態は、ART開始待ち状態において、特定の内部当籤役が入賞したときにロック(以下、「開始時ロック」という)が実行され、ART状態に移行する。ART状態は、主に、副制御回路72側で内部当籤役の有利な入賞のさせ方が報知される遊技状態である。換言すれば、ART状態は、予め定められた遊技回数の間、メダルの付与に関する有利な停止操作の情報を報知する遊技状態である。
主制御回路71側では、ART状態における消化ゲーム数が規定ゲーム数(本実施の形態においては、70ゲーム又は20ゲーム)となったときにロック(以下、「終了時ロック」という)が実行され、ART遊技状態は、通常遊技状態に移る。
[主制御側の各種のデータテーブル]
図12〜図25は、メインROM32に記憶されている各種のデータテーブルを示している。
<図柄配置テーブル>
図12に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「BAR」、「チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「スイカC」、「ベル」、「リプレイ」、「ブランクA」、及び「ブランクB」を含んでいる。
ここで、「スイカA」、「スイカB」、及び「スイカC」は、パチスロ機1が内部的に異なる図柄であると識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄と遊技者が認識できる図柄とする。同様に、「ブランクA」及び「ブランクB」も、パチスロ機1が内部的に異なる図柄であると識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄と遊技者が認識できる図柄とする。
図12に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄(表示窓の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4L、4C、4Rの中段を基準にすることで、表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
図13に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図13に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「BAR」、「チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「スイカC」、「ベル」、「リプレイ」、「ブランクA」、及び「ブランクB」の10種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「BAR」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チェリー」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「スイカA」、「スイカB」、「スイカC」、「ベル」、「リプレイ」、「ブランクA」、及び「ブランクB」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図柄組合せテーブルは、図14に示すボーナス用の図柄組合せテーブルと、図15に示すリプレイ用の図柄組合せテーブルと、図16に示す小役用の図柄組合せテーブルに分けて説明するが、何れの図柄組合せテーブルにおいても、図柄の組合せに対して、入賞作動フラグ及び払出枚数が対応付けられている。
本実施の形態のパチスロ機1では、有効化された入賞ライン8cに沿って並んだ図柄組合せが、入賞や作動のための判断の対象となる。すなわち、有効化された入賞ライン8c(図2参照)に沿って並んだ図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せと一致するか否か判断される。
この予め定められた所定の図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄組合せである。有効化された入賞ライン8cに沿って並んだ図柄の組合せが、所定の図柄の組合せと一致する場合には、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動又は遊技状態の移行等が行われる。
(図柄組合せ)
図柄組合せは、各リール3L、3C、3Rの中段の図柄の組合せからなる。入賞判定の対象となる役(表示役)としては、ボーナス役、リプレイ役及び小役がある。また、小役は、チェリー役、ベル役及びスイカ役を含み、リプレイ役及びボーナス役は、作動役に含まれる。
図14に示すように、本実施の形態におけるボーナス役は、MBの作動役としての「MB」からなる。「MB」は、入賞ライン8cに沿ってMB1移行図柄を構成する「ブランクA−BAR−ブランクA」が並んだ場合に入賞判定されるものであり、「MB」が表示されることによって、主遊技状態は、前述したMB遊技状態に移行させられる。
図15に示すように、リプレイ役は、遊技を行うために投入したメダルと同数のメダルでの遊技を、新たなメダルの投入を行うことなく行える再遊技の作動役であり、入賞時の払出枚数は0枚である。リプレイ役は、「BBリプ1」、「BBリプ2」、「RBリプ」、「特殊リプ1」〜「特殊リプ11」及び「通常リプ」を含んでいる。
「BBリプ1」は、入賞ライン8cに沿って「赤7−赤7−赤7」が並んだ場合に入賞判定されるリプレイである。「BBリプ1」は、上述したART開始待ち状態において入賞判定された場合に、規定ゲーム数が70ゲームのART状態に移行させるリプレイである。
「BBリプ2」は、入賞ライン8cに沿って「ブランクA−赤7−BAR」が並んだ場合に入賞判定されるリプレイである。「BBリプ2」は、「BBリプ1」と同様、ART開始待ち状態において入賞判定された場合に、規定ゲーム数が70ゲームのART状態に移行させるリプレイである。
「RBリプ」は、入賞ライン8cに沿って「赤7−赤7−BAR」が並んだ場合に入賞判定されるリプレイである。なお、「RBリプ」は、「BBリプ1」及び「BBリプ2」と異なり、上述したART開始待ち状態において入賞判定された場合に、規定ゲーム数が20ゲームのART状態に移行させるリプレイである。
「特殊リプ1」は、入賞ライン8cに沿って「ベル−赤7−赤7」が並んだ場合に入賞判定され、主制御側においては、後述する「通常リプ」と同様に通常リプレイである。「特殊リプ2」〜「特殊リプ11」は、入賞ライン8cに沿って並ぶ図柄が「特殊リプ1」と異なるのみで、「特殊リプ1」と同様、通常リプレイである。
「通常リプ」は、入賞ライン8cに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される通常リプレイである。
図16に示すように、チェリー役は、「特殊チェリー」、「チェリー1」〜「チェリー11」、「中段チェリー1」〜「中段チェリー5」を含んでおり、いずれのチェリー役もメダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が1枚である。
ここで、「特殊チェリー」は、入賞ライン8cに沿って「BAR−BAR−ANY(いずれかの図柄)」が並んだ場合に入賞判定される。「チェリー1」〜「チェリー11」及び「中段チェリー1」〜「中段チェリー5」は、入賞ライン8cに沿って図16においてそれぞれ対応する図柄の組合せが並んだ場合に入賞判定される。
「特殊小役1」は、入賞ライン8cに沿って「ブランクA−スイカA−赤7」が並んだ場合に入賞判定される。「特殊小役2」〜「特殊小役4」は、入賞ライン8cに沿って図16においてそれぞれ対応する図柄の組合せが並んだ場合に入賞判定される。これら特殊小役は、いずれもメダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が1枚である。
「スイカ1」は、入賞ライン8cに沿って「ベル−スイカA−赤7」が並んだ場合に入賞判定される。「スイカ2」〜「スイカ4」は、入賞ライン8cに沿って図16においてそれぞれ対応する図柄の組合せが並んだ場合に入賞判定される。これらスイカは、いずれもメダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が4枚である。
ベル役は、メダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が9枚の「中段ベル」と、メダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が3枚の「下段ベル1」〜「下段ベル3」と、メダルの投入枚数が3枚のときに入賞したときの払出枚数が1枚の「特殊ベル1」〜「特殊ベル40」とを含んでいる。
「中段ベル」は、入賞ライン8cに沿って「ベル−ベル−ベル」が並んだ場合に入賞判定される。「下段ベル1」〜「下段ベル3」は、入賞ライン8cに沿って「スイカA−ベル−リプレイ」、「スイカB−ベル−リプレイ」、「スイカC−ベル−リプレイ」が並んだ場合にそれぞれ入賞判定される。
「特殊ベル1」は、入賞ライン8cに沿って「リプレイ−スイカA−BAR」が並んだ場合に入賞判定される。「特殊ベル2」〜「特殊ベル40」は、入賞ライン8cに沿って図16においてそれぞれ対応する図柄の組合せが並んだ場合に入賞判定される。
(入賞作動フラグ)
図14〜図16における入賞作動フラグは、表示役を示すために固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データ及び格納領域種別を含んでいる。格納領域種別は、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに関するデータを含んでいる。各図柄の組合せ(表示役)は、格納領域種別と1バイトデータとによって区別される。
本実施の形態においては、図14〜図16に示すように、図柄の組合せは8種類を超えているため、入賞作動フラグを構成する1バイト(8ビット)のデータのみでは、全ての図柄の組合せを特定したり識別したりすることができない。
このため、本実施の形態においては、格納領域種別1〜12を用いて1バイトデータを区別する。このようにすることで、1バイトデータの値が同一であっても、格納領域種別1〜12のうちのいずれか1つを指定することによって、8種類を超える図柄の組合せを異なる図柄の組合せとして扱うことができる。
例えば、「MB」に対しては、格納領域種別1が割り当てられている。また、「BBリプ1」、「BBリプ2」、「RBリプ」、「特殊リプ1」〜「特殊リプ5」に対しては、格納領域種別2が割り当てられている。
また、「特殊リプ6」〜「特殊リプ11」、「通常リプ」に対しては、格納領域種別3が割り当てられている。また、「特殊チェリー」、「チェリー1」〜「チェリー7」に対しては、格納領域種別4が割り当てられている。
また、「チェリー8」〜「チェリー11」、「中段チェリー1」〜「中段チェリー4」に対しては、格納領域種別5が割り当てられている。また、「中段チェリー5」、「特殊小役1」〜「特殊小役4」、「スイカ1」〜「スイカ3」に対しては、格納領域種別6が割り当てられている。
また、「スイカ4」、「中段ベル」、「下段ベル1」〜「下段ベル3」、「特殊ベル1」〜「特殊ベル3」に対しては、格納領域種別7が割り当てられている。このように、以下、「特殊ベル4」〜「特殊ベル40」と「エンコード」とが、格納領域種別8〜格納領域種別12のそれぞれに割り当てられている。
1バイトデータに関しては、割り当てられた格納領域種別について、各表示役に対応するビットが「1」とされ、残りのビットが「0」とされる。
例えば、格納領域種別の値を「2」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000001」とすることで、表示役「BBリプ1」を指定することができ、格納領域種別の値を「7」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000010」とすることで、表示役「中段ベル」を指定することができる。
(払出枚数)
図14〜図16における払出枚数は、図柄の組合せの各々に対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。入賞ライン8cに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー40の駆動によるメダルの払い出しや、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタの加算が行われる。
リプレイ役の払出枚数は0枚である。チェリー役及び特殊小役の払出枚数は投入枚数が3枚のときに1枚であり、スイカ役の払出枚数は投入枚数が3枚のときに4枚である。また、ベル役のうち、「中段ベル」の払出枚数は投入枚数が3枚のときに9枚であり、「下段ベル1」〜「下段ベル3」の払出枚数は投入枚数が3枚のときに3枚であり、「特殊ベル1」〜「特殊ベル40」の払出枚数は投入枚数が3枚のときに1枚である。なお、投入枚数が2枚(MB遊技状態)のとき、チェリー役、スイカ役、特殊小役、スイカ役及びベル役の払出枚数はいずれも2枚である。
<一般遊技状態用内部抽籤テーブル>
図17に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、主遊技状態が一般遊技状態(RT0遊技状態)であるときの当籤番号に対して、設定値ごとの抽籤値及びデータポインタが対応付けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、デークポインタ)が決定される確率が高い。すなわち、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
ここで、減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、当籤番号の数を超えたときには、内部抽籤処理の結果は「ハズレ」とするが、本実施の形態においては、減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、当籤番号の数を超えないように設定されている。
データポインタは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述する内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。
すなわち、データポインタは、図19に示す小役リプレイ用当籤役決定テーブル及び図20に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、複数の当籤番号の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
図17に示すように、一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号「1」、「2」には当籤しないように抽籤値として「0」が対応付けられ、当籤番号「3」、「31」〜「35」には、設定値「1」〜「6」で共通の抽選値が対応付けられ、当籤番号「4」〜「30」、「36」には、設定値が高くなるにつれて小さくなるように抽選値が対応付けられている。
小役・リプレイ用データポインタは、当籤番号「1」〜「35」に対しては、当籤番号に一致した値が対応付けられ、当籤番号「36」に対しては、「0」が対応付けられている。一方、ボーナス用データポインタについては、当籤番号「1」〜「35」に対しては、「0」が対応付けられ、当籤番号「36」に対しては、「1」が対応付けられている。
<RT1遊技状態用内部抽籤テーブル>
図18に示すRT1遊技状態用内部抽籤テーブルでは、主遊技状態がRT1遊技状態であるときの当籤番号に対して、設定値ごとの抽籤値及びデータポインタが対応付けられている。
RT1遊技状態用内部抽籤テーブルは、図17に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様に構成されているため、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルについては、一般遊技状態用内部抽籤テーブルとの差異を説明し、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同一な部分については、図示も含め説明を省略する。
RT1遊技状態用内部抽籤テーブルは、主遊技状態がRT1遊技状態であるときは、MBに当籤し作動していないMBの持ち越し状態であるため、MBの当籤番号に対応する当籤番号「36」がない。
RT1遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号「1」、「2」には、設定値が高くなるにつれて小さくなるように抽選値が対応付けられ、当籤番号「3」には当籤しないように抽籤値として「0」が対応付けられている。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図19に示す小役リプレイ用内部当籤役決定テーブルでは、小役・リプレイ用データポインタに対して、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(小役)、及び再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(リプレイ役)が対応付けられている。内部当籤役の内容は、小役・リプレイ用データポインタ「1」〜「35」に応じて決定される。
小役・リプレイ用データポインタは、リプレイ役に対応する「1」〜「3」、ベル役に対応する「4」〜「30」、スイカ役に対応する「31」、チェリー役に対応する「32」〜「34」、及び特殊小役に対応する「35」が、12個の1バイトデータに対応している。
小役・リプレイ用データポインタが「1」の場合には、「BBリプ1」及び「BBリプ2」と「RBリプ」と「特殊リプ1」〜「特殊リプ9」と「通常リプ」とが重複して内部当籤していることになる。
このような内部当籤役が重複した役(重複役)を便宜上、「ボーナスリプ1」ともいう。また、「BBリプ1」、「BBリプ2」及び「RBリプ」は、上述した特定の内部当籤役に相当するものである。
小役・リプレイ用データポインタが「2」の場合には、「BBリプ1」及び「BBリプ2」と「RBリプ」と「特殊リプ1」〜「特殊リプ10」と「通常リプ」とが重複して内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「ボーナスリプ2」ともいう。小役・リプレイ用データポインタが「3」の場合には、「通常リプ」に内部当籤していることになる。
小役・リプレイ用データポインタが「4」の場合には、「下段ベル1〜3」と「特殊ベル1〜3」とに重複して内部当籤していることになる。この重複役が当籤したときは、ストップボタン7L、7C、7Rのうち、第1停止操作としてストップボタン7Cあるいは7Rを押下したときに押下順序が正解となり、下段ベル1〜3が入賞可能となる。この重複役を便宜上、「中右1stベル1」ともいう。
同様に、小役・リプレイ用データポインタが「5」の場合には、「下段ベル1〜3」と「特殊ベル4〜6、10〜12」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「6」の場合には、「下段ベル1〜3」と「特殊ベル7〜9」とに重複して内部当籤していることになる。
小役・リプレイ用データポインタが「7」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル1、7、13、17、18、20〜22」とに重複して内部当籤していることになる。
この重複役が当籤したときは、第1停止操作としてストップボタン7C、第2停止操作としてストップボタン7L、第3停止操作としてストップボタン7Rを押下したときに押下順序が正解となり、中段ベルが入賞可能となる。この重複役を便宜上、「中左右ベル1」ともいう。
同様に、小役・リプレイ用データポインタが「8」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル2、8、14〜16、19、23、24」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「9」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル3、9、13、17、18、20〜22」とに重複して内部当籤していることになる。
また、小役・リプレイ用データポインタが「10」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル4、10、14〜16、19、23、24」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「11」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル5、11、13、17、18、20〜22」とに重複して内部当籤していることになる。
さらに、小役・リプレイ用データポインタが「12」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル6、12、14〜16、19、23、24」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「13」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル1、7、13、14、16、18、19、21、23、24」とに重複して内部当籤していることになる。
この重複役が当籤したときは、第1停止操作としてストップボタン7C、第2停止操作としてストップボタン7R、第3停止操作としてストップボタン7Lを押下したときに押下順序が正解となり、中段ベルが入賞可能となる。この重複役を便宜上、「中右左ベル1」ともいう。
同様に、小役・リプレイ用データポインタが「14」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル2、8、13、15、17、18、20〜23」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「15」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル3、9、14〜17、19、20、22、24」とに重複して内部当籤していることになる。
また、小役・リプレイ用データポインタが「16」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル4、10、13、14、16、18、19、21、23、24」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「17」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル5、11、13、15、17、18、20〜23」とに重複して内部当籤していることになる。
さらに、小役・リプレイ用データポインタが「18」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル6、12、14〜17、19、20、22、24」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「19」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル1、7、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになる。
この重複役が当籤したときは、第1停止操作としてストップボタン7R、第2停止操作としてストップボタン7L、第3停止操作としてストップボタン7Cを押下したときに押下順序が正解となり、中段ベルが入賞可能となる。この重複役を便宜上、「右左中ベル1」ともいう。
同様に、小役・リプレイ用データポインタが「20」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル2、8、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「21」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル3、9、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになる。
また、小役・リプレイ用データポインタが「22」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル4、10、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「23」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル5、11、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになる。
さらに、小役・リプレイ用データポインタが「24」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル6、12、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「25」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル1、7、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになる。
この重複役が当籤したときは、第1停止操作としてストップボタン7R、第2停止操作としてストップボタン7C、第3停止操作としてストップボタン7Lを押下したときに押下順序が正解となり、中段ベルが入賞可能となる。この重複役を便宜上、「右中左ベル1」ともいう。
同様に、小役・リプレイ用データポインタが「26」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル2、8、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「27」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル3、9、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになる。
また、小役・リプレイ用データポインタが「28」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル4、10、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「29」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル5、11、26、28、29、31、33、35、38、40」とに重複して内部当籤していることになり、小役・リプレイ用データポインタが「30」の場合には、「中段ベル」と「特殊ベル6、12、25、27、30、32、34、36、37、39」とに重複して内部当籤していることになる。
小役・リプレイ用データポインタが「31」の場合には、「スイカ1〜4」が内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「スイカ」ともいう。
小役・リプレイ用データポインタが「32」の場合には、「特殊チェリー」と「チェリー1〜9」とが重複して内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「角チェリー」ともいう。
小役・リプレイ用データポインタが「33」の場合には、「特殊チェリー」と「チェリー1〜11」とが重複して内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「確定チェリー」ともいう。
小役・リプレイ用データポインタが「34」の場合には、「特殊チェリー」と「チェリー1〜11」と「中段チェリー1〜5」とが重複して内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「中段チェリー」ともいう。
小役・リプレイ用データポインタが「35」の場合には、「特殊小役1〜4」が内部当籤していることになる。この重複役を便宜上、「確定小役」ともいう。
<ボーナス用内部当籤役決定テーブル>
図20に示したボーナス用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタに対して、ボーナスの作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が対応付けられている。
ボーナス用データポインタは、ハズレに対応する「0」、「MB」に対応する「1」が、12個の1バイトデータに対応している。ボーナス用データポインタが「1」の場合には、「MB」に内部当籤していることになる。
<リール停止初期設定テーブル>
図21に示すリール停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対して、引込優先順位テーブル選択データ又は引込優先順位テーブル番号と、停止テーブル選択データ群とが対応付けられている。これらの各種のデータは、1単位遊技の進行の状況に応じてリール3L、3C、3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
引込優先順位テーブル選択データは、後述する図22に示す引込優先順位テーブル選択テーブルを選択するための番号である。「引込優先順位テーブル番号」は、後述する図23に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。
「停止テーブル選択データ郡」については、詳細を省略するが、リール押下位置と滑り駒数とを対応付けて記憶する停止テーブルなどを選択するための番号である。これらの番号は、1単位遊技の進行の状況に応じて、「滑り駒数決定データ」の決定、すなわち、3つのリール3L、3C、3Rを停止する位置をそれぞれ決定するために用いるデータである。
リール停止初期設定テーブルでは、停止操作の順序により異なる停止制御が行われるデータポインタに対応する回胴停止用番号に対しては、引込優先順位テーブル選択データが対応付けられ、停止操作の順序に関わらず停止制御が変わらないデータポインタに対応する回胴停止用番号に対しては、引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル選択テーブル>
図22に示す引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択データごとに、停止操作の順序を示す停止操作種別に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択データ「01」では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号「09」が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択データ「01」では、第2停止操作時に第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」である場合(図中「左→中」)には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられ、第2停止操作時に第1停止操作が「右」、第2停止操作が「左」である場合(図中「右→左」)には、引込優先順位テーブル番号「03」が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル>
図23に示す引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄(内部当籤役として決定されている役に対応する図柄)が複数ある場合に、どの図柄を優先して引込むかを表している。なお、図23では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せの引込みの優先順位を示す引込データが表されている。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
ここで、「引込み」とは、最大の滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞ライン8cに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、入賞作動フラグ「通常リプ」と入賞作動フラグ「特殊リプ」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「特殊リプ」より「通常リプ」の方が優先順位が高いため、「通常リプ」を優先して引込むようにリール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
<優先順序テーブル>
図24に示す優先順序テーブルは、主遊技状態がMB遊技状態以外にあるときの滑り駒数の優先順序を規定したものである。優先順序テーブルは、滑り駒数として予め定められた滑り駒数決定データの数値の範囲(すなわち、0〜4)の中から適用可能な数値を優先的に適用する順序(以下、優先順序)を規定する。
<MB遊技状態用優先順序テーブル>
図25に示すMB遊技状態用優先順序テーブルは、主遊技状態がMB遊技状態にあるときの滑り駒数の優先順序を規定したものである。MB遊技状態用優先順序テーブルは、滑り駒数として予め定められた滑り駒数決定データの数値の範囲(すなわち、0あるいは1)の中から適用可能な数値の優先順序を規定する。
これら優先順序テーブル及びMB遊技状態用優先順序テーブルでは、優先順序が上位(1)から下位(5)までの順に各数値の検索を行い、検索の結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用される。優先順序テーブルは、引込優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられており、優先順序がより上位である滑り駒数が適用される。
本実施の形態における優先順序テーブル及びMB遊技状態用優先順序テーブルは、滑り駒数決定データに基づいて優先順序を規定している。つまり、滑り駒数決定データに該当する数値が最も上位となるように優先順序が規定されている。この結果、滑り駒数決定データは他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、停止テーブルの開発の際に意図されていた図柄の表示が優先される。
<当籤役と停止操作順序の別による入賞役との関係図>
本実施の形態では、以上に説明した各種テーブルを用いることにより内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rの停止操作順序の別による入賞役との関係は図26の通りとなる。
例えば、当籤番号1の内部当籤役が抽出された場合には、第1停止操作が「左」、すなわちストップボタン7Lが第1停止操作されると「通常リプ」が入賞する。
また、当籤番号1の内部当籤役が抽出された場合に第1停止操作が「中」、すなわちストップボタン7Cが第1停止操作されると、押下位置正解で「BBリプ1」又は「BBリプ2」が入賞し、押下位置不正解で「通常リプ」が入賞する。
ここで、押下位置正解とは、遊技者がストップボタン7L、7C、7Rを押下した際の有効ライン(本実施の形態ではセンターライン8c)の図柄位置から最大滑り駒数(4駒)の範囲内に、対象となる内部当籤役に係る図柄組合せを構成する図柄があり、その図柄を有効ラインに停止可能であることをいう。
なお、本実施の形態では、押下位置正解時の「BBリプ1」又は「BBリプ2」の優先順位が「中左右」、「中右左」の停止操作順序ごとに異なっており、例えば「中左右」の停止操作順序の場合は「BBリプ2」よりも「BBリプ1」の優先順位が高くなっている。
また、当籤番号1の内部当籤役が抽出された場合に第1停止操作が「右」、すなわちストップボタン7Rが第1停止操作されると、押下位置正解で「RBリプ」が入賞し、押下位置不正解で「通常リプ」が入賞する。
また、当籤番号2の内部当籤役が抽出された場合は、上述した当籤番号1の場合とは逆の態様となり、第1停止操作が「右」の場合に押下位置正解で「BBリプ1」又は「BBリプ2」が入賞し、押下位置不正解で「通常リプ」が入賞する。また、第1停止操作が「中」の場合に押下位置正解で「RBリプ」が入賞し、押下位置不正解で「通常リプ」が入賞する。
このように、本実施の形態では、当籤番号1、2に対応する「ボーナスリプ1、2」の入賞態様として、「BBリプ1」又は「BBリプ2」と、「RBリプ」とがある。ここで、「BBリプ1」及び「BBリプ2」は第1の入賞態様とされ、「RBリプ」は第2の入賞態様とされる。
また、本実施の形態では、図26に示す通り、「ボーナスリプ1」と「ボーナスリプ2」とは、停止操作順序により「BBリプ1」又は「BBリプ2」及び「RBリプ」のどちらが入賞するかの入賞パターンがそれぞれ異なる。
つまり、「ボーナスリプ1」の停止操作順序による入賞パターン(第1の入賞パターン)は、押下位置正解を前提として、第1停止操作が「中」の場合に「BBリプ1」又は「BBリプ2」が入賞するとともに、第1停止操作が「右」の場合に「RBリプ」が入賞するようになっている。
ここで、第1停止操作が「中」の場合は、「BBリプ1」又は「BBリプ2」を入賞させるための第1の停止操作順序に相当する。また、第1停止操作が「右」の場合は、「RBリプ」を入賞させるための第2の停止操作順序に相当する。
一方、「ボーナスリプ2」の停止操作順序による入賞パターン(第2の入賞パターン)は、押下位置正解を前提として、第1停止操作が「中」の場合に「RBリプ」が入賞するとともに、第1停止操作が「右」の場合に「BBリプ1」又は「BBリプ2」が入賞するようになっている。
ここで、第1停止操作が「右」の場合は、「BBリプ1」又は「BBリプ2」を入賞させるための第1の停止操作順序に相当する。また、第1停止操作が「中」の場合は、「RBリプ」を入賞させるための第2の停止操作順序に相当する。
また、「下段ベル1〜3」と「中段ベル」とは、いずれも第1停止操作が「左」以外の停止操作順序のときに入賞可能となっている。つまり、これら「下段ベル1〜3」及び「中段ベル」は、第1停止操作が「左」となる、主遊技状態が一般遊技状態であるときは通常入賞しないようになっている。
また、当籤番号4〜30に係る内部当籤役のうち、「下段ベル1〜3」及び「中段ベル」入賞時以外のときは、いずれかの押下位置正解で当籤している「特殊ベル1〜40」のいずれかが入賞する。
さらに、当籤番号31〜36に係る各内部当籤役は、いずれも押下位置正解で対応する内部当籤役(例えば、スイカ1〜4や特殊チェリー等)が入賞する。なお、当籤番号34の内部当籤役が抽出された場合であって第1停止操作が「左」の場合には、「特殊チェリー」及び「チェリー1〜11」よりも「中段チェリー1〜5」の優先順位が高くなっている。
[主制御側の各種の格納領域]
図27〜図34は、メインRAM33に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
<内部当籤役格納領域>
図27に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜12の12個の格納領域によって構成される。これらの内部当籤役格納領域1〜12の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、内部当籤役格納領域1〜12の全体の大きさは12バイトである。内部当籤役格納領域1〜12には、図19に示す小役リプレイ用内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域1のビット0は「MB」に対応し、ビット1〜ビット7はそれぞれ未使用になっている。
同様に、内部当籤役格納領域12のビット0〜ビット4は、それぞれ「特殊ベル36」、「特殊ベル37」、「特殊ベル38」、「特殊ベル39」、「特殊ベル40」に対応し、ビット5〜ビット7は、それぞれ未使用になっている。
<表示役格納領域>
図28に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1〜18の18個の格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1〜18の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、表示役格納領域1〜18の全体の大きさは18バイトである。表示役格納領域1〜18には、図14〜図16に示す各図柄組合せテーブル(ボーナス、リプレイ、小役)が規定する表示役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。表示役格納領域の値は、リール3L、3C、3Rの全てが停止した後に、メインCPU31が表示役を識別するために用いられる。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0は「MB」に対応し、ビット1〜ビット7はそれぞれ未使用になっている。
同様に、表示役格納領域18のビット0〜ビット4は、それぞれ「特殊ベル36」、「特殊ベル37」、「特殊ベル38」、「特殊ベル39」、「特殊ベル40」に対応し、ビット5〜ビット7は、それぞれ未使用になっている。
<図柄コード格納領域>
図29に示した図柄コード格納領域は、図28に示した表示役格納領域と同様に構成される。したがって、詳細な説明は省略する。
図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて入賞可能な役を示すデータが格納される。例えば、リール3L、3C、3Rの全てが回転中の場合には、全ての役が入賞可能であるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左のリール3Lが停止(リール3C、3Rは回転)した場合には、左のリール3Lの停止に伴い入賞不可能となった役に対応するビットが「0」に更新される。
図16を参照して、例えば、左のリール3Lにおいて「ブランクA」図柄が停止した場合には、左のリール3Lの図柄が「スイカA」図柄である特殊ベル33〜36に対応するビットは「0」に更新される一方で、左のリール3Lの図柄が「ブランクA」図柄であるチェリー6や特殊小役1〜4に対応するビットは「1」のまま維持される。
<作動ストップボタン格納領域>
図30に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン7L、7C、7R、すなわち有効なストップボタン7L、7C、7Rを示す格納領域である。
ビット0〜ビット2は、有効なストップボタン7L、7C、7Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン7L、7C、7Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン7Lに対応する。左ストップボタン7Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン7Cに対応する。中ストップボタン7Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン7Rに対応する。右ストップボタン7Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン7Lに対応する。左ストップボタン7Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン7Cに対応する。中ストップボタン7Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン7Rに対応する。
右ストップボタン7Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン7L、7C、7Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン7L、7C、7Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図31に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン7L、7C、7Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜ビット5が使用され、ビット6及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
<持越役格納領域>
図32に示した持越役格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0は「MB」に対応し、ビット1〜ビット7は未使用になっている。内部抽籤処理の結果、内部当籤役「MB」が決定されたときには持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。
持越役格納領域のビット0に「1」を格納することで「MB」に当籤している状態であることを判断できる。持越役格納領域のビット0に「1」が格納された状態は、「MB」に対応する図柄の組合せが入賞ライン8cに表示されるまで保持される。
すなわち、「MB」に当籤したときには、これらのボーナスの図柄の組合せが表示役として入賞ライン8cに表示されるまでの少なくとも1回の単位遊技において、持越役格納領域のビット0に「1」が格納された状態が保持される。ボーナスに当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで、ビット0に「1」を格納した状態を維持することを、いわゆる「持ち越し」と称する。持越役格納領域に格納される「MB」を「持越役」と称する。
遊技者によって停止操作が行われ、リール3L、3C、3Rの回転のそれぞれが停止したときには、内部当籤役格納領域は初期化されるが、持越役格納領域は初期化されない。このようにすることで、「持ち越し」の状態を保つことができる。
<遊技状態フラグ格納領域>
図33に示した遊技状態フラグ格納領域は、主遊技状態がボーナス遊技状態又はRT1遊技状態であるか、及びART遊技状態がART当籤状態、ART開始待ち状態、ART状態のいずれかであるかを示すためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。
遊技状態フラグ格納領域のビット0及びビット1は、ボーナス遊技状態に関するものであり、ビット2は、主遊技状態に関するものである。また、遊技状態フラグ格納領域のビット4〜ビット6は、ART遊技状態に関するものである。本実施の形態では、遊技状態フラグ格納領域のビット3及びビット7は未使用になっている。
ボーナス遊技状態である場合には、MB遊技状態では遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」(オン)とされ、CB遊技状態では遊技状態フラグ格納領域のビット1が「1」(オン)とされる。
主遊技状態がRT1遊技状態であるときは、遊技状態フラグ格納領域のビット2が「1」(オン)とされる。
また、ART遊技状態が、ART当籤状態であるときは遊技状態フラグ格納領域のビット4が「1」(オン)とされ、ART開始待ち状態であるときは遊技状態フラグ格納領域のビット5が「1」(オン)とされ、ART状態であるときは遊技状態フラグ格納領域のビット6が「1」(オン)とされる。
<引込優先順位データ格納領域>
図34に示した引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。
なお、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データ(図12参照)のそれぞれについて、引込優先順位データを格納可能である。例えば図柄位置データ0に対しては、図23の優先順位1〜5に規定する役(0FEH〜000Hのいずれか1つ)が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役及び他のリール3C、3Rに停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データが格納される。これにより、左リール3Lは、当籤役に対応する図柄を入賞ライン8cに停止させ又は停止させないように制御される。
なお、図柄位置データ1〜20についても同様に、優先順位に規定する役がそれぞれ規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役及び他のリール3L、3C(3R)に停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データを格納する。
<各モードの概要>
図35に示した各モードの概要は、ART遊技状態における複数の滞在モードそれぞれの概要を示すものである。
本実施の形態では、ART遊技状態中はモード1〜9のいずれかのモードに滞在し、所定の抽籤契機に基づき、これらモード間の移行がメインCPU31によって行われる。このように、メインCPU31はモード移行制御手段を構成する。
また、本実施の形態では、解除ゲーム数や、いわゆるレア役と称される特殊小役成立時の解除抽籤確率等が各モード別に異なる。なお、モード9に関しては、設定変更時にのみ移行するモードである。
具体的には、モード1は、通常モードAとも称され、解除ゲーム数及び解除抽籤ともに遊技者にとって不利だが、解除後は遊技者にとって有利なモード6、7に移行するモードである。
モード2は、通常モードBとも称され、モード1、4、6、7以外のモードから移行する可能性があり、またモード2、3、8、9からの移行時には他のモードよりも移行確率が高くなっている。したがって、モード2は、遊技中、最も多く滞在するモードとなっている。
モード3は、引戻しモードとも称され、モード6、7の終了時、あるいはモード2、8で確定役当籤時に移行するモードであり、解除ゲーム数及び解除抽籤ともに遊技者にとって有利となっている。
モード4は、連チャン準備モードとも称され、次回モード4〜7のいずれかのみに移行するモードであり、特に次回、モード5〜7の遊技者にとって有利な上位モードへの移行が期待されるモードである。つまり、モード4は、次回モード5〜7に移行しやすいモードとなっている。
モード5〜7は、それぞれ連チャンモードA、B、Cとも称され、ART状態が連続して発生する、いわゆる連チャンが発生しやすいモードである。このモード5〜7は、解除ゲーム数及び解除抽籤ともに有利なモードであり、特に解除ゲーム数に関して言えば後述するように31ゲーム以内に解除することが確定されている。
モード8は、設定変更後高確モードとも称され、設定変更時に滞在するモード9からのみ移行するモードであり、解除ゲーム数及び解除抽籤ともに遊技者にとって有利となっている。
モード9は、設定変更時モードとも称され、設定変更時に移行するモードである。つまり、このモード9には、設定変更がなされない限り移行することはない。また、本実施の形態では、このモード9のみに次回のモード移行先としてモード8が設けられている。
[ART関連の各種のデータテーブル]
図36〜図55は、メインROM32に記憶されているARTに関連する各種のデータテーブルを示している。
<モード移行抽籤テーブル>
図36〜図44に示したモード移行抽籤テーブルは、各モード滞在時の抽籤契機と、その抽籤契機に移行可能なモードを示したものである。
抽籤契機としては、通常解除時、スイカ解除時、角チェリー解除時、確定役による解除時、中段チェリーによる解除時及びロングフリーズによる解除時がある。ここで、通常解除とは、解除ゲーム数到達による解除、又は解除抽籤テーブル(図51参照)に基づき「その他」で解除当籤したときの解除を示している。また、確定役とは、図19に示した「確定チェリー」および「確定小役」を指す。
また、スイカ解除及び角チェリー解除とは、スイカあるいは角チェリーの重複役当籤時に後述する解除抽籤テーブル(図51参照)を用いて所定の確率で解除当籤したときの解除をいう。
また、確定役、中段チェリーは、ともに対応する内部当籤役に重複して当籤した時点で解除が確定する(図51参照)。したがって、確定役、中段チェリーによる解除とは、対応する重複役の当籤による解除をいう。さらに、ロングフリーズによる解除とは、遊技開始時にロングフリーズ予約によるロングフリーズを伴う場合の解除をいう。
なお、本実施の形態では、後述するようにART当籤状態移行時、あるいはART状態中にART当籤状態移行時ロングフリーズ予約抽籤テーブル(図53参照)、ART状態中ロングフリーズ予約抽籤テーブル(図55参照)に応じた当籤確率でロングフリーズ予約の抽籤が行われる。また、本実施の形態では、ロングフリーズが発生した時点で、上記いずれの解除によるものかを問わず解除が確定する。
図36に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード1である場合には、設定値が1〜6の共通で、ロングフリーズを伴う解除を除いてモード6あるいはモード7に移行するようになっている。また、モード1では、モード7よりもモード6への移行確率が高く設定されている。
一方、ロングフリーズを伴う解除の場合は、モード7のみに移行するようになっている。このようなロングフリーズを伴う解除の場合は、モード1に限らずモード9を除く他のモード2〜8においても必ずモード7にのみ移行するようになっている。
図37に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード2である場合には、モード1〜7のいずれかに移行するようになっている。このモード2は、設定値ごとに各モード移行先の移行確率が異なっており、特に通常解除、スイカ解除及び角チェリー解除において設定値が高くなるほどモード4、5への移行確率が高くなるよう設定されている。
図38に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード3である場合には、モード1、2、4〜7のいずれかに移行するようになっている。このモード3は、設定値ごとに各モード移行先の移行確率が異なっており、特に通常解除、スイカ解除及び角チェリー解除において設定値が高くなるほどモード4、5への移行確率が高くなるよう設定されている。
図39に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード4である場合には、モード1、4〜7のいずれかに移行するようになっている。このモード4は、設定値ごとに各モード移行先の移行確率が異なっており、特に通常解除、スイカ解除及び角チェリー解除において設定値が高くなるほどモード5への移行確率が高くなるよう設定されている。
図40に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード5である場合には、モード1、2、4〜7のいずれかに移行するようになっている。このモード5は、通常解除時における各モード移行先への移行確率が設定値ごとに異なっており、設定値が高くなるほどモード2、4への移行確率が高くなる一方で、モード5への移行確率が低くなるよう設定されている。
図41に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード6である場合には、モード3、6、7のいずれかに移行するようになっている。このモード6は、通常解除時における各モード移行先への移行確率が設定値1〜4、6と設定値5とで異なっており、設定値5のときのみモード7への移行確率が他の設定値よりも高くなる一方で、モード6への移行確率が低くなるよう設定されている。
図42に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード7である場合には、設定値が1〜6の共通で、モード3、7のいずれかに移行するようになっている。このモード7は、通常解除時にのみモード3に移行するよう設定されている。
図43に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード8である場合には、モード1〜7のいずれかに移行するようになっている。このモード8は、設定値ごとに各モード移行先の移行確率が異なっており、特に通常解除、スイカ解除及び角チェリー解除において設定値が高くなるほどモード4、5への移行確率が高くなるよう設定されている。
図44に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード9である場合には、モード1、2、4、8のいずれかに移行するようになっている。このモード9の抽籤契機は、設定変更時であり、設定変更後の設定値に応じて各モード移行先の移行確率が異なっている。例えば、設定変更後の設定値が高くなるほどモード8への移行確率が高くなるよう設定されている。
<解除ゲーム数抽籤テーブル>
図45〜図50に示した解除ゲーム数抽籤テーブルは、各モード滞在時の解除ゲーム数の振り分けを示したものである。
解除ゲーム数とは、ART遊技状態において、ART状態終了後、つまり図80に示すBB終了フラグあるいはRB終了フラグがオフとなった次のゲームからART当籤状態に移行するまでに行われる遊技回数(ゲーム数)を予め規定したものである。
なお、設定変更が行われた場合には、上述した解除ゲーム数の始期は設定変更後の次ゲームとなる。したがって、本実施の形態では、ART状態終了後あるいは設定変更後、規定の解除ゲーム数が消化されると、すなわち予め規定された解除ゲーム数に相当する遊技回数が行われると、強制的にART遊技状態が通常遊技状態からART当籤状態に移行する。
また、本実施の形態において、解除ゲーム数は、0〜1051の間で、ある特定のゲーム数(例えば0ゲームや31ゲームなど)及び所定のゲーム数間(例えば32ゲーム〜63ゲームなど)に振り分けられる。
こうした解除ゲーム数の振り分け確率は、滞在モードや設定値によりそれぞれ異なる。なお、解除ゲーム数は、任意に設定可能であり、上述したゲーム数に限定されるものではなく、また振り分け範囲なども適宜変更可能である。
図45に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード1である場合には、設定値1〜6の共通で解除ゲーム数が951ゲーム以上に振り分けられており、950ゲーム以下の解除ゲーム数に振り分けられることはない。
図46に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード2である場合には、解除ゲーム数が比較的短いゲーム数から比較的長いゲーム数まで図46に示す振り分け率に基づき振り分けられている。
また、このモード2は、設定値ごとに解除ゲーム数の振り分け率が若干異なっており、例えば設定値が高くなるほど本モードにおける最長の解除ゲーム数(801ゲーム〜900ゲーム)の振り分け率が小さくなるよう設定されている。
図47に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード3である場合には、設定値1〜6の共通で解除ゲーム数が31ゲームに振り分けられており、31ゲーム以外の解除ゲーム数に振り分けられることはない。
図48に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード4である場合には、解除ゲーム数が比較的短いゲーム数から比較的長いゲーム数まで図48に示す振り分け率に基づき振り分けられている。
また、このモード4は、設定値ごとに解除ゲーム数の振り分け率が若干異なっており、例えば設定値が高くなるほど本モードにおける最長の解除ゲーム数(951ゲーム〜1050ゲーム)の振り分け率が小さくなるよう設定されている。
図49に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード5〜7である場合には、設定値1〜6の共通で解除ゲーム数が0ゲームあるいは31ゲームに振り分けられており、0ゲームあるいは31ゲーム以外の解除ゲーム数に振り分けられることはない。
ここで、このモード5〜7においては、31ゲームの振り分け率が0ゲームの振り分け率よりも高くなるよう設定されている。
図50に示すように、現在のモード(滞在モード)がモード8である場合には、設定値1〜6の共通で解除ゲーム数が32ゲーム〜95ゲームに振り分けられており、32ゲーム〜95ゲーム以外の解除ゲーム数に振り分けられることはない。
ここで、このモード8においては、64ゲーム〜95ゲームの振り分け率が32ゲーム〜63ゲームの振り分け率よりも高くなるよう設定されている。
<解除抽籤テーブル>
図51に示した解除抽籤テーブルは、各モード(モード1〜8)別に内部当籤役ごとの解除確率を示したものである。なお、解除確率とは、図51において解除に当籤する確率をいう。
図51に示すように、本実施の形態において解除に当籤する可能性のある内部当籤役として特殊役(スイカ、角チェリー、確定役及び中段チェリー)ならびに複数の役のうち特殊役を除く役(その他)が挙げられている。ここで、確定役及び中段チェリーは、モード1〜8のいずれのモード及びいずれの設定値においても内部当籤役として抽出された時点で解除が確定する。
また、その他の内部当籤役に関しては、モード1〜8の各モード別にそれぞれ解除確率が異なるように設定されている。例えば、モード1では、スイカ、角チェリー、その他の順に解除確率が低くなるように設定される一方で、モード7では、その他、スイカ、角チェリーの順に解除確率が低くなるように設定されている。なお、解除に係るその他の内部当籤役とは、スイカ、角チェリー、確定役、中段チェリー以外に解除に当籤する可能性のある内部当籤役をいう。
<ART当籤状態移行時ショートフリーズ抽籤テーブル>
図52に示したART当籤状態移行時ショートフリーズ抽籤テーブルは、ART遊技状態において通常遊技状態からART当籤状態に移行する際に、ショートフリーズを行うか否かを決定するために参照されるテーブルである。
このART当籤状態移行時ショートフリーズ抽籤テーブルでは、ゲーム数解除、スイカ解除、角チェリー解除、確定役解除、中段チェリー解除及びその他解除のうち、いずれの解除契機によりART当籤状態に移行したかによって、ショートフリーズを行うと決定される確率が異なる。
例えば、ショートフリーズを行う確率は、角チェリー解除による場合が最も高く、スイカ解除による場合が最も低くなるように設定されている。
<ART当籤状態移行時ロングフリーズ予約抽籤テーブル>
図53に示したART当籤状態移行時ロングフリーズ予約抽籤テーブルは、ART遊技状態において通常遊技状態からART当籤状態に移行する際に、ロングフリーズを予約するか否かを決定するために参照されるテーブルである。
このART当籤状態移行時ロングフリーズ予約抽籤テーブルでは、ゲーム数解除、スイカ解除、角チェリー解除、確定役解除、中段チェリー解除及びその他解除のうち、いずれの解除契機によりART当籤状態に移行したかによって、ロングフリーズの予約を行うと決定される確率が異なる。
例えば、ロングフリーズの予約を行う確率は、中段チェリー解除による場合が最も高く、ゲーム数解除及びその他解除による場合が最も低くなるように設定されている。
<ART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブル>
図54に示したART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブルは、ART遊技状態において通常遊技状態からART当籤状態に移行する際に、告知モードを告知モード1〜3のいずれとするかを決定するために参照されるテーブルである。
上述の告知モードとは、ART当籤状態中にボーナスリプ1、2のいずれかに内部当籤したときに、前面パネル110に設けられたハイビスカス図柄を模した告知部111(図4参照)による告知を行うか否かの決定に関するモードである。
具体的には、告知モード1は、ART当籤状態中にボーナスリプ1、2のいずれかに内部当籤したときに、100%の確率で告知部111による告知を行うモードとされる。
告知モード2は、ART当籤状態中にボーナスリプ1、2のいずれかに内部当籤したときに、50%の確率で告知部111による告知を行うモードとされる。
また、告知モード3は、ART当籤状態中にボーナスリプ1、2のいずれかに内部当籤したときに、25%の確率で告知部111による告知を行うモードとされる。このように、本実施の形態では、告知部111による告知を行う確率(告知確率)を各モード別に異ならせている。
ART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブルでは、告知モードの抽籤契機としてゲーム数解除時、スイカ解除時、角チェリー解除時、確定役解除時、中段チェリー解除時、その他解除時及びロングフリーズを伴う解除時が挙げられている。
このART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブルでは、抽籤契機によって各告知モードの振り分け率が異なっており、例えばスイカ解除とその他解除以外の場合は100%の確率で告知モード1に振り分けられるように設定されている。
また、その他解除の場合には、告知モード1と告知モード2とが同一の確率で振り分けられるよう設定されている。さらに、角チェリー解除の場合には、告知モード1の振り分け率が最も高く、次いで告知モード2と告知モード3とが同一の確率で振り分けられる。
<ART中ロングフリーズ予約抽籤テーブル>
図55に示したART中ロングフリーズ予約抽籤テーブルは、ART状態中にスイカ、角チェリー、確定役及び中段チェリーのうち、いずれかの重複役に当籤したときに、次回のART状態移行時のロングフリーズを予約するか否かを決定するために参照されるテーブルである。
このART中ロングフリーズ予約抽籤テーブルにおいて、次回のART状態移行時のロングフリーズの予約を行う確率は、中段チェリーに内部当籤したときが最も高く、角チェリーに内部当籤したときが最も低くなるように設定されている。
<バックランプ演出抽籤テーブル>
図56に示したバックランプ演出抽籤テーブルは、ART遊技状態が通常遊技状態にあるなかで、「通常リプ」が入賞したときの各モード(モード1〜8)における演出態様振分確率を示したものである。
ここで、バックランプ106による演出は、サブCPU81によって実行される。すなわち、サブCPU81は、バックランプ演出実行手段及びバックランプ演出終了手段を構成する。また、バックランプ106による演出の態様としては、複数の異なる演出態様があり、本実施の形態においては、4つの演出態様A〜Dがあるものとする。
また、演出態様振分確率とは、再遊技の作動役のうち特定の作動役が入賞したときの各モードにおける各演出態様の出現頻度に該当し、本実施の形態においては、ART遊技状態が通常遊技状態にあるなかで、「通常リプ」が入賞したときの各モードにおける各演出態様の出現頻度に該当する。
例えば、図57に示すように演出態様Aでは、全てのリール3L、3C、3Rが停止した段階1において、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯している。
なお、図中、空白の領域は、該当するバックランプが点灯している状態を表し、斜線で埋められている領域は、該当するバックランプが消灯している状態を表している。
次いで、段階2において、各バックランプ106La〜106Lcが消灯する。次いで、段階3において、各バックランプ106Ca〜106Ccが消灯する。次いで、段階4において、各バックランプ106Ra〜106Rcが消灯する。
このように、当該演出が終了されない限り、段階1〜段階4が一度又は規定回数実行され、実行完了後又は当該演出が終了されたときに、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯する状態に戻る。
図58に示すように、演出態様Bでは、全てのリール3L、3C、3Rが停止した段階1において、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯している。
次いで、段階2において、バックランプ106Lb及び106Rbが消灯する。次いで、段階3において、バックランプ106Laが消灯すると共に、バックランプ106Lb及び106Rbが点灯する。
次いで、段階4において、バックランプ106Ca及び106Ccが消灯すると共に、バックランプ106Laが点灯する。次いで、段階5において、バックランプ106Lc及び106Raが消灯すると共に、バックランプ106Ca及び106Ccが点灯する。
次いで、段階6において、バックランプ106Lb及び106Rbが消灯すると共に、バックランプ106Lc及び106Raが点灯する。
このように、当該演出が終了されない限り、段階1〜段階6が一度又は規定回数実行され、実行完了後又は当該演出が終了されたときに、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯する状態に戻る。
図59に示すように、演出態様Cでは、全てのリール3L、3C、3Rが停止した段階1において、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯している。
次いで、段階2において、バックランプ106Lbが消灯する。次いで、段階3において、バックランプ106Caが消灯すると共に、バックランプ106Lbが点灯する。次いで、段階4において、バックランプ106Ccが消灯すると共に、バックランプ106Caが点灯する。
次いで、段階5において、バックランプ106Rbが消灯すると共に、バックランプ106Ccが点灯する。このように、当該演出が終了されない限り、段階1〜段階5が一度又は規定回数実行され、実行完了後又は当該演出が終了されたときに、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯する状態に戻る。
図60に示すように、演出態様Dでは、全てのリール3L、3C、3Rが停止した段階1において、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯している。
次いで、段階2において、バックランプ106Ccが消灯する。次いで、段階3において、バックランプ106Cbが消灯すると共に、バックランプ106Ccが点灯する。次いで、段階4において、バックランプ106Caが消灯すると共に、バックランプ106Ccが点灯する。
このように、当該演出が終了されない限り、段階1〜段階4が一度又は規定回数実行され、実行完了後又は当該演出が終了されたときに、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯する状態に戻る。
なお、上述した各演出態様A〜Dにおいて、当該演出が終了されるまで各段階が繰り返し実行されてもよく、当該演出が終了されたときに、全てのバックランプ106La〜106Lc、106Ca〜106Cc、及び106Ra〜106Rcが点灯する状態に戻るようにしてもよい。
[副制御側の各種のデータテーブル]
図61〜図63は、サブROM82に記憶されている各種のデータテーブルである。
<ART種別報知振分抽籤テーブル>
図61に示したART種別報知振分抽籤テーブルは、ART遊技状態においてART当籤状態からART開始待ち状態に移行する際に参照されるテーブルであり、ART開始待ち状態中にボーナスリプ1又は2に内部当籤したときに停止操作順序を報知することでBBリプ又はRBリプのいずれを入賞させるかの報知振分を決定するためのテーブルである。
また、このART種別報知振分抽籤テーブルでは、抽籤契機と現在のモード(滞在モード)とに基づき、BBリプ及びRBリプの振り分け率が異なるように設定されている。ここでの抽籤契機は、ART遊技状態における通常遊技状態からART当籤状態への移行時の解除種別に応じて複数あり、(0以外)解除、0ゲーム解除、スイカ解除、角チェリー解除、確定役解除、中段チェリー解除及びその他解除がある。
詳細には、ART遊技状態における通常遊技状態からART当籤状態への移行がゲーム数(0以外)解除、0ゲーム解除、スイカ解除、角チェリー解除、確定役解除、中段チェリー解除及びその他解除のいずれの解除によって行われたか否かによって、BBリプ及びRBリプの振り分け率が異なる。例えば、抽籤契機が0ゲーム解除、確定役解除、中段チェリー解除の場合には、100%の確率でBBリプを入賞させるための停止操作順序が報知される。
また、上述したように、滞在モード別にBBリプ及びRBリプの振り分け率が異なっており、例えば滞在モードがモード4であって抽籤契機がゲーム数(0以外)解除、スイカ解除、角チェリー解除、その他解除である場合には、BBリプよりもRBリプの振り分け率が高くなるよう設定されている。
<通常ナビ抽籤テーブル>
図62に示した通常ナビ抽籤テーブルは、図95に示すスタートコマンド受信時処理においてBB誤作動フラグがオフのときに、内部当籤役に基づきART状態中のART中ナビデータを決定する際に参照されるテーブルである。
ART中ナビデータとは、遊技者にとって有利なストップボタン7L、7C、7Rの押下順序、すなわち停止操作順序の報知用のデータであり、ART中ナビデータの種別として「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」がある。また、このART中ナビデータには、「報知なし」が含まれる。
通常ナビ抽籤テーブルは、例えば当籤番号4〜6に対応する内部当籤役(下段ベル)の場合にはART中ナビデータとして「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の停止操作順序がそれぞれ同一の確率で振り分けられるように設定されている。
ここで、当籤番号4〜6に対応する内部当籤役(下段ベル)は、図19に示した通り、第1停止操作としてストップボタン7Cあるいは7Rを押下したときに押下順序が正解となる。したがって、この通常ナビ抽籤テーブルでは、ART中ナビデータとして当該内部当籤役(下段ベル)の停止操作順序不正解の停止操作順序(「左中右」と「左右中」)に振り分けられることがないこととなっている。
また、当籤番号7〜12、13〜18、19〜24、25〜30に対応する内部当籤役(中段ベル)の場合には、それぞれART中ナビデータとして停止操作順序正解となる停止操作順序に100%の確率で振り分けられるように設定されている。
例えば、当籤番号7〜12に対応する内部当籤役(中段ベル)では、図19に示した通り「中左右」の停止操作順序が正解となるので、これに対応する停止操作順序に100%の確率で振り分けられることとなる。
<特殊ナビ抽籤テーブル>
図63に示した特殊ナビ抽籤テーブルは、図95に示すスタートコマンド受信時処理においてBB誤作動フラグがオンのときに、内部当籤役に基づきART状態中のART中ナビデータを決定する際に参照されるテーブルである。
特殊ナビ抽籤テーブルは、通常ナビ抽籤テーブルと異なり、例えば当籤番号4〜6に対応する内部当籤役(下段ベル)の場合にはART中ナビデータとして「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」に加えて「左中右」の停止操作順序がそれぞれ所定の確率で振り分けられるように設定されている。
したがって、この特殊ナビ抽籤テーブルでは、ART中ナビデータとして当該内部当籤役(下段ベル)の停止操作順序不正解の停止操作順序(「左中右」)に振り分けられることがあるものとなっている。これにより、本来RBを作動させるべきところを誤って、あるいは故意にBB1又はBB2に入賞させたときに遊技者に付与される利益(ここではARTによるメダルの獲得枚数)が調整される。
同様に、当籤番号7〜12、13〜18、19〜24、25〜30に対応する内部当籤役(中段ベル)の場合にも、それぞれ停止操作順序正解となる停止操作順序以外に停止操作不正解の停止操作順序にも所定の確率で振り分けられるように設定されている。
例えば、当籤番号7〜12に対応する内部当籤役(中段ベル)では、図19に示した通り「中左右」の停止操作順序が正解となるが、この特殊ナビ抽籤テーブルでは停止操作順序不正解の「中右左」、「右左中」及び「右中左」の停止操作順序にも所定の確率で振り分けられることとなる。
ただし、この場合であっても、本来入賞されるべきであったRBによる利益を最低限遊技者に与える必要があることから、停止順序不正解の「中右左」、「右左中」及び「右中左」の停止操作順序に振り分けられる確率よりも停止操作順序正解となる「中左右」の停止操作順序に振り分けられる確率が相対的に高くなるように設定されている。当籤番号4〜6、13〜30に対応する内部当籤役についても同様である。
[主制御処理]
主制御回路71のメインCPU31は、図64〜図96に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<メイン制御処理>
図64は、メイン制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明するメイン制御処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときにスタートする。
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、図65に示す電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU31は、一のゲーム(1単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時に初期化するように予め指定された格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM33の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域などに格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU31は、図66に示すメダル受付・スタートチェック処理を実行する(S12)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、及び開始操作を検出する処理が実行される。
次に、メインCPU31は、3つの乱数値(乱数値1〜3)を抽出し、メインRAM33に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(S13)。ここで、乱数値1は、内部抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、0〜65535の中から抽出される。
また、乱数値2、3は、その他の抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、それぞれ0〜65535及び0〜255の中から抽出される。なお、メインCPU31は、ステップS13で乱数値2、3を抽出する必要はなく、各乱数値2、3を使用するときに抽出するようにしてもよい。
次に、メインCPU31は、図67に示す内部抽籤処理を実行する(S14)。この内部抽籤処理を実行するメインCPU31は、内部当籤役決定手段を構成する。
次に、メインCPU31は、図68に示すART遊技状態抽籤処理を実行する(S15)。このART遊技状態抽籤処理には、ART遊技状態の変移に関する抽籤処理、及び各ART遊技状態において参照されるフラグをオンにセットするか否かの抽籤処理等が含まれる。
次に、メインCPU31は、図72に示すリール停止初期設定処理を実行する(S16)。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リールの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)がメインRAM33の該当領域に格納される。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するスタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S17)。
スタートコマンドデータは、例えば、遊技状態フラグの種別、ボーナス終了枚数カウンタの値、内部当籤役の種別、ロック等に係るフラグの種別、及び演出用のタイマの値等を表す。
次に、メインCPU31は、図73に示す遊技開始時フリーズ処理を実行する(S18)。この遊技開始時フリーズ処理では、各ART遊技状態において参照される各種フラグに基づいて、フリーズが実行される。
次に、メインCPU31は、ウェイト処理を実行する(S19)。このウェイト処理では、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かが判断され、所定時間を経過していないと判断された場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間が消化される。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU31は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリール3L、3C、3Rを回転させるリール回転処理を実行する(S20)。このリール回転開始処理に伴って、作動ストップボタン格納領域(図30参照)に「01110000」が格納される。また、リール回転開始処理は、図83に示す割込処理によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ms)で実行される処理である。
この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rの回転が開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達するまで加速される。
さらに、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するリール回転開始コマンドデータを生成し、生成したリール回転開始コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S21)。
このリール回転開始コマンドデータを受信することにより、副制御回路72は、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行する(S22)。この引込優先順位格納処理では、図76に示す引込優先順位テーブル選択処理が実行され、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。すなわち、引込優先順位格納処理では、内部当籤役に基づいて、回転中の各リールの図柄位置ごとに、停止情報が引込優先順位データ格納領域に格納される。
例えば、各リール3L、3C、3Rの各図柄に対して、該当図柄が停止許可の場合には、優先順位テーブルに基づいてその引込優先順位データが引込優先順位データ格納領域に格納され、停止不許可の場合(例えば、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、引込優先順位データ格納領域に停止禁止を表すデータが格納される。
次に、メインCPU31は、図77に示すリール停止制御処理を実行する(S23)。この処理によって、リール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。次に、メインCPU31は、入賞検索処理を実行する(S24)。
この入賞検索処理では、全てのリール3L、3C、3Rが停止した後に、入賞ライン8cに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとが照合されて、入賞ライン8cに表示された図柄組合せが判断される。
具体的には、図柄コード格納領域(図29参照)に格納されたデータと、図柄組合せテーブル(図14〜図16参照)のデータとが照合され、その照合結果が表示役格納領域(図28参照)に格納される。
より具体的には、図柄コード格納領域のデータが表示役格納領域にそのまま複写される。その際に、図柄組合せテーブルが参照されて、払出枚数が求められる。この入賞検索処理によって、全てのリール3L、3C、3Rが停止したことで表示窓4L、4C、4Rに表示される図柄の組合せが特定される。
次に、メインCPU31は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払い出しを実行する(S25)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー駆動回路41の制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU31は、図79に示すART関連処理を実行する(S26)。このART関連処理には、ART遊技状態に関するゲーム数の管理、及び各ART遊技状態において参照されるフラグのセットを行う処理等が含まれる。
次に、メインCPU31は、図80に示す遊技終了時ロック処理を実行する(S27)。この遊技終了時ロック処理では、各ART遊技状態において参照される各種フラグに基づいて、ロックが実行される。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信する入賞作動コマンドデータを生成し、生成した入賞作動コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S28)。入賞作動コマンドデータは、例えば、表示役の種別、ロック等に係るフラグ、及びメダルの払出枚数等を表す。
次に、メインCPU31は、図81に示すボーナス終了チェック処理を実行する(S29)。このボーナス終了チェック処理によって、MBの終了条件を満たした場合にMBの作動を終了する処理が実行される。
次に、メインCPU31は、図82に示すボーナス作動チェック処理を実行する(S30)。このボーナス作動チェック処理によって、リール3L、3C、3Rにより表示された図柄の組合せに基づいてMBの作動を行う処理が実行される。メインCPU31は、ステップS30の処理を実行した後、ステップS11の処理を実行する。
<電源投入時処理>
図65は、図64に示したメイン制御処理のステップS10において実行される電源投入時処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否かを判断する(S40)。この判断処理では、チェックサム値を用いた誤り検出により、バックアップが正常であるか否かが判断される。
例えば、メインCPU31は、電源オフ時にパチスロ機1の設定値等及びその設定値等から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM33に格納しておき、電源投入時の当該判断処理(S40)において、メインRAM33に格納されている設定値等及びチェックサム値を読み出す。
そして、メインCPU31は、読み出された設定値等から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較し、比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU31は、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、バックアップされた設定値等をセットする(S41)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS41の処理を実行した後、又はステップS40においてバックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、パチスロ機1のキャビネット60内に設けられている設定変更スイッチがオンであるか否かを判断する(S42)。ここで、メインCPU31は、設定変更スイッチがオンであると判断すると(YES)、メインCPU31は、設定変更時の初期化処理を実行する(S43)。
この設定変更時の初期化処理では、例えば、メインRAM33の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域に格納されているデータがクリアされるとともに、設定値がクリアされる。
続いて、メインCPU31は、メインRAM33に格納された解除モードをモード9にセットし、メインRAM33に格納された解除ゲーム数を0にクリアする(S44)。次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S45)。初期化コマンドデータは、例えば、設定値変更の有無、及び設定値等を表す。
次に、メインCPU31は、設定値変更処理を実行する(S46)。この設定値変更処理では、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値が1〜6のうちから選択され、これに続いて操作されるスタートレバー6が操作されたときに選択されていた設定値が確定させる。
次に、メインCPU31は、設定変更スイッチがオン状態であるか否かを判断し(S47)、オン状態でない判断結果が得られるまでステップS47の処理を繰り返し実行する。
ここで、設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果が得られた場合には(NO)、設定値変更処理が完了したことを意味しているため、メインCPU31は、乱数値3を抽出するとともに、モード移行抽籤テーブル(図36〜図44参照)を参照し、現在の解除モードと、設定値と、抽籤契機と、乱数値3とに基づいて、移行先の解除モード、すなわち、移行先モードを決定する(S48)。
次に、メインCPU31は、解除ゲーム数抽籤テーブル(図45〜図50参照)を参照し、解除モードと、設定値と、乱数値3とに基づいて、解除ゲーム数を決定する(S49)。ここで、メインCPU31は、解除ゲーム数として「0〜31」といったように範囲で表されている解除ゲーム数を決定した場合には、この範囲のなかから無作為に1つの解除ゲーム数を決定する。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(S50)、電源投入時処理を終了する。
ステップS42において、メインCPU31は、設定変更スイッチがオンでないと判断した場合には(NO)、バックアップが正常であるか否かを判断する(S51)。ここで、バックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、電源投入時エラー処理を実行する(S52)。
電源投入時エラー処理において、メインCPU31は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。なお、メインCPU31は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ又はリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除するようになっている。
ステップS51において、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されているバックアップデータに基づいて、パチスロ機1の状態を電源断前の状態に復帰させ(S53)、電源投入時処理を終了する。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図66は、図64に示したメイン制御処理のステップS12において実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、メインRAM33に格納された通常再遊技ロックフラグがオンであるか否かを判断する(S60)。通常再遊技ロックフラグは、ART遊技状態が通常遊技状態で通常リプが入賞したことを契機としてセットされるフラグであり(図80のステップS297参照)、通常再遊技ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
通常再遊技ロックフラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判断する(S61)。
ここで、スタートスイッチ6Sがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS61の処理を実行する。このように、スタートスイッチ6Sがオンでないと判断した場合にステップS61の処理を繰り返すことにより、スタートレバー6が遊技者により操作される(開始操作が行われる)まで、開始操作以外の遊技操作が無効化される。すなわち、通常再遊技ロックが実行される。
一方、スタートスイッチ6Sがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、通常再遊技ロックフラグをオフにする(S62)。このように、メインCPU31は、通常再遊技ロック終了手段を構成する。
ここで、通常再遊技ロックフラグがオフにされたことを示す情報は、スタートコマンドデータ(図64のステップS17参照)として主制御回路71から副制御回路72へ送信される(図83のステップS323参照)。該情報を受信すると、副制御回路72では、図92のランプデータ決定処理(ステップS411)においてバックランプ106による演出の終了が決定され、サブCPU81は、バックランプ106による演出(図96のステップS475参照)の終了指示を行う。これにより、バックランプ106による演出(図57〜図60参照)が終了し、バックランプ106は、通常の点灯状態となる。
なお、通常再遊技ロックフラグがオフにされたことを示す情報は、スタートコマンドではなく、専用のコマンド(ロック終了コマンド)を設けて送信するようにしてもよい。この場合、所定時間が経過したこと(後述する図83のタイマ更新処理参照)による通常再遊技ロックの終了時に送信されるコマンドと同一のコマンドとしてもよい。また、コマンドデータとして、操作(開始操作)による通常再遊技ロックの終了であるか、時間経過による通常再遊技ロックの終了であるかを示すデータを含むようにしてもよい。
ステップS60において、通常再遊技ロックフラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、自動投入要求があるか否かを判断する(S63)。前回の単位遊技でリプレイ役に入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS63の判断処理では、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか否かを判断すればよい。
ステップS62を実行した後、又はステップS63において自動投入要求があると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する自動投入処理を実行する(S64)。具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
続いて、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S65)。ここで、メダル投入コマンドデータは、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタの値、及びクレジットカウンタの値等を表す。
ステップS63において、メインCPU31は、自動投入要求がないと判断した場合には(NO)、メダルの受け付けを許可する(S66)。例えば、メインCPU31は、図示しないセレクタのソレノイドを駆動し、メダル投入口22に投入されたメダルがセレクタ内を通過するように径路を形成させる。
なお、ステップS63において、メインCPU31は、自動投入要求があると判断した場合には(YES)、前回の単位遊技からメダルの受け付けが禁止されている状態になっているため、メダルの受け付けに関する処理は実行しない。
ステップS65又はS66の処理が実行された後、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値をセットする(S67)。本実施の形態において、主遊技状態がMB遊技状態以外の遊技状態では3枚をセットし、MB遊技状態では2枚をセットする。
次に、メインCPU31は、メダルの受け付けが許可されているか否かを判断する(S68)。ここで、メダルの受け付けが許可されていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、投入されたメダルの枚数をチェックするメダル投入チェック処理を実行する(S69)。このメダル投入チェック処理では、チェックされたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値が更新される。
続いて、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S70)。
次に、メインCPU31は、メダルの投入又はクレジットが可能か否かを判断する(S71)。本実施の形態において、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態以外の遊技状態では投入枚数が3枚、MB遊技状態では2枚であり、かつ、クレジットが50となっていること、又は、ステップS64の自動投入処理を実行したことを条件として、当該条件が成立したときにメダルの投入又はクレジットが可能でないと判断し、当該条件が成立しないときにメダルの投入又はクレジットが可能であると判断する。
ステップS71において、メダルの投入又はクレジットが可能でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、メダルの受け付けを禁止する(S72)。例えば、メインCPU31は、セレクタのソレノイドの駆動を行わずに、メダル投入口22に投入されたメダルがメダル払出口15から排出する径路を形成させる。
ステップS68において、メダルの受け付けが許可されていないと判断した場合(NO)、ステップS71において、メダルの投入又はクレジットが可能であると判断した場合(YES)、又はステップS72の処理を実行した後、メインCPU31は、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する(S73)。
すなわち、メインCPU31は、メダルの投入枚数が、単位遊技を開始できる枚数であるか否かを遊技状態に応じて判断する。本実施の形態において、メインCPU31は、主制御遊技状態がMB遊技状態以外の遊技状態では投入されたメダルが3枚であるか否かを判断し、MB遊技状態では投入されたメダルが2枚であるか否かを判断する。
ここで、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS68の処理を実行する。一方、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判断する(S74)。
ここで、スタートスイッチ6Sがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS68の処理を実行する。一方、スタートスイッチ6Sがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メダルの受け付けを禁止し(S75)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
なお、図66に示したメダル受付・スタートチェック処理において、メインCPU31は、通常再遊技ロックフラグがオンである場合には(S60)、スタートスイッチ6Sがオンされたときに(S61)、通常再遊技ロックフラグをオフにし(S62)、自動投入処理を実行し(S64)、ステップS65の処理を実行するものとして説明した。
しかしながら、メダル受付・スタートチェック処理において、メインCPU31は、通常再遊技ロックフラグがオンである場合には、自動投入処理を実行し、自動投入処理の実行が完了した後に、スタートスイッチ6Sがオンされたときに、通常再遊技ロックフラグをオフにし、以降の処理を実行するようにしてもよい。
<内部抽籤処理>
図67は、図64に示したメイン制御処理のステップS14において実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS80)。この判断処理は、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)を参照して、MB遊技状態に対応する遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」であるか否かに基づいて実行される。
すなわち、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態であると判断され、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「0」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断される。
ここで、メインCPU31は、遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合には(YES)、MB作動中処理を実行する(S81)。MB作動中処理では、内部当籤役格納領域(図27参照)の全ての小役に対応するビット、すなわち、内部当籤役格納領域4〜11の全ビット、及び内部当籤役格納領域12の0〜4ビットが全て「1」に更新される。MB作動中処理を実行すると、メインCPU31は、内部抽籤処理を終了する。
一方、ステップS80において、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断した場合には(NO)、主遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S82)。
なお、本実施の形態において、メインCPU31は、主遊技状態が一般遊技状態の場合には、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図17参照)をセットし、主遊技状態がRT1遊技状態の場合には、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル(図18参照)をセットする。
次に、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値1を取得する(S83)。次に、メインCPU31は、ステップS82でセットされた内部抽籤テーブルの所定領域を参照し、該当する設定値の各当籤番号(本実施の形態においては、1〜36)に対応付けられた抽籤値を1つずつ取得し、乱数値1から抽籤値を減算する(S84)。すなわち、メインCPU31は、内部当籤役を照合する。
次に、メインCPU31は、ステップS84の処理による減算結果が0より小さいか否かを判断する(S85)。ここで、メインCPU31は、減算結果が0より小さくないと判断した場合(NO)、すなわち、いわゆる桁借りが行われていないと判断した場合には、乱数値1及び当籤番号を更新する(S86)。
次に、メインCPU31は、使用している内部抽籤テーブルの全ての当籤番号をチェックしたか否かを判断し(S87)、全ての当籤番号をチェックしていないと判断した場合には(NO)、ステップS84の処理を実行する。
一方、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたと判断した場合には(YES)、データポインタの値として0をセットする(S88)。なお、本実施の形態において、一般遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT1遊技状態用内部抽籤テーブルは、メインCPU31が全ての当籤番号をチェックし終えた時点で減算結果が必ず0以上にならないように設定されているため、ステップS88が実行されることはない。
ステップS85において、メインCPU31は、減算結果が0より小さいと判断した場合(YES)、すなわち、いわゆる桁借りが行われたと判断した場合には、セットされている内部抽籤テーブルを参照して当籤番号から小役・リプレイ用データポインタの値とボーナス用データポインタの値とを取得する(S89)。
ステップS88又はS89の処理を実行した後、メインCPU31は、小役リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図19参照)を参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S90)。
このステップS90の処理では、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルが参照され、ステップS88又はS89の処理で取得された小役・リプレイ用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す12バイトのデータ値が決定される。
次に、メインCPU31は、ステップS90で取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域(図27参照)に格納する(S91)。このステップS91の処理では、ステップS90の処理で決定された内部当籤役を示す12バイトのデータ値が内部当籤役格納領域(格納領域1〜3)に格納される。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図32参照)の値が0であるか否かを判断する(S92)。本実施の形態において、この判断処理では、「MB」が持ち越していないか否かが判断される。
ステップS92において、メインCPU31は、持越役格納領域の値が0であると判断した場合には(YES)、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図20参照)を参照し、ボーナス用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S93)。
このステップS93の処理では、ボーナス用内部当籤役決定テーブルが参照され、ステップS88又はS89の処理で取得されたボーナス用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す12バイトのデータ値が決定される。
続いて、メインCPU31は、ステップS93で取得した内部当籤役を持越役格納領域(図32参照)に格納する(S94)。このステップS94の処理では、ステップS93において内部当籤役として「MB」が取得されたときに、持越格納領域の「MB」に対応するビット0が「1」にセットされる。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図32参照)の値が0であるか否かを判断する(S95)。この判断処理では、ステップS94において持越格納領域の「MB」に対応するビット0が「1」にセットされたか否かが判断される。
ステップS95において、持越役格納領域の値が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「RT1遊技状態」に対応するビット2を「1」にセットする(S96)。このステップS96の処理によって、主遊技状態は、RT1遊技状態になる。
ステップS92において持越役格納領域の値が0でないと判断した場合(NO)、ステップS95において持越役格納領域の値が0であると判断した場合(YES)、又はステップS96の処理を実行した後、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する(S97)。
このステップS97の処理では、持越役格納領域(図32参照)に格納されている内部当籤役の種類に基づいて、内部当籤役格納領域(図27参照)の12バイトのデータ値が更新される。ステップS97の処理を実行した後、メインCPU31は、内部抽選処理を終了する。
<ART遊技状態抽籤処理>
図68は、図64に示したメイン制御処理のステップS15において実行されるART遊技状態抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS100)。この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「MB遊技状態」に対応するビット0が「1」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態であると判断され、「0」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断され判断される。
ここで、主遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ART遊技状態抽籤処理を終了する。一方、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態がART状態であるか否かを判断する(S101)。
この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART状態」に対応するビット6が「1」である場合には、ART遊技状態がART状態であると判断され、「0」である場合には、ART遊技状態がART状態でないと判断される。
ここで、メインCPU31は、ART遊技状態がART状態であると判断した場合には(YES)、図69に示すART状態中処理を実行する(S102)。一方、ART遊技状態がART状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態がART当籤状態であるか否かを判断する(S103)。
この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART当籤状態」に対応するビット4が「1」である場合には、ART遊技状態がART当籤状態であると判断され、「0」である場合には、ART遊技状態がART当籤状態でないと判断される。
ここで、メインCPU31は、ART遊技状態がART当籤状態であると判断した場合には(YES)、図70に示すART当籤状態中処理を実行する(S104)。一方、ART遊技状態がART当籤状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態がART開始待ち状態であるか否かを判断する(S105)。
この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART開始待ち状態」に対応するビット5が「1」である場合には、ART遊技状態がART当籤状態であると判断され、「0」である場合には、ART遊技状態がART当籤状態でないと判断される。
ここで、メインCPU31は、ART遊技状態がART当籤状態であると判断した場合には(YES)、ART遊技状態抽籤処理を終了する。一方、メインCPU31は、ART遊技状態がART当籤状態でないと判断した場合には(NO)、メインRAM33に格納されたペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(S106)。
ここで、ペナルティフラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたペナルティゲーム数から1を減算する(S107)。続いて、メインCPU31は、ペナルティゲーム数が0であるか否かを判断する(S107)。
ここで、ペナルティゲーム数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態抽籤処理を終了する。一方、ペナルティゲーム数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ペナルティフラグをオフにし(S108)、ART遊技状態抽籤処理を終了する。
ステップS106において、ペナルティフラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、解除抽籤テーブル(図51参照)を参照し、現在の解除モードと、設定値と、内部当籤役と、乱数値2とに基づいて、開始時ロックの解除抽籤に当籤したか否かを決定し(S110)、決定した結果に基づいて、開始時ロックの解除抽籤に当籤したか否かを判断する(S111)。
ここで、メインCPU31は、開始時ロックの解除抽籤に当籤しなかったと判断した場合には(NO)、解除ゲーム数から1を減算する(S112)。続いて、メインCPU31は、解除ゲーム数が0であるか否かを判断し(S113)、解除ゲーム数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態抽籤処理を終了する。
ステップS111において、開始時ロックの解除抽籤に当籤したと判断した場合(YES)、又はステップS113において、解除ゲーム数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ART遊技状態としてART当籤状態をセットする(S114)。
このステップS114の処理は、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART当籤状態」に対応するビット4を「1」にセットする処理である。このような処理を実行するメインCPU31は、遊技状態移行手段を構成する。
続いて、メインCPU31は、図71に示すART当籤状態移行時処理を実行する(S115)。このART当籤状態移行時処理は、移行先モード、次回の解除ゲーム数、ショートフリーズを行うか否か、及び告知モード等をそれぞれ決定する処理を含む。ART当籤状態移行時処理を実行すると、メインCPU31は、ART遊技状態抽籤処理を終了する。
<ART状態中処理>
図69は、図68に示したART遊技状態抽籤処理のステップS102において実行されるART遊技中処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、図55に示すART中ロングフリーズ予約抽籤テーブルを参照し、内部当籤役と乱数値2とに基づいて、ロングフリーズの予約に当籤したか否かを決定し(S120)、決定した結果に基づいて、ロングフリーズの予約に当籤したか否かを判断する(S121)。
ここで、ロングフリーズの予約に当籤しなかったと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART状態中処理を終了する。一方、ロングフリーズの予約に当籤したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたロングフリーズ予約フラグをオンにセットする(S122)。
続いて、メインCPU31は、モード移行抽籤テーブル(図36〜図44参照)を参照し、現在の解除モードと、抽籤契機と、乱数値3とに基づいて、移行先モードを決定し(S123)、ART状態中処理を終了する。
<ART当籤状態中処理>
図70は、図68に示したART遊技状態抽籤処理のステップS104において実行されるART当籤状態中処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(S130)。ここで、ペナルティフラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたペナルティゲーム数から1を減算する(S131)。
続いて、メインCPU31は、ペナルティゲーム数が0であるか否かを判断する(S132)。ここで、ペナルティゲーム数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART当籤状態中処理を終了する。一方、ペナルティゲーム数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ペナルティフラグをオフにし(S133)、ART遊技状態抽籤処理を終了する。
ステップS130において、ペナルティフラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナスリプ1又は2に内部当籤しているか否かを判断する(S134)。
ここで、ボーナスリプ1又は2に内部当籤していないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART当籤状態中処理を終了する。一方、ボーナスリプ1又は2に内部当籤していると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納された告知モードに基づいて、告知に当籤しているか否かを決定し(S135)、決定した結果に基づいて、告知に当籤しているか否かを判断する(S136)。
すなわち、メインCPU31は、ART当籤状態中の遊技においてボーナスリプ1又は2に内部当籤する度に、決定された告知モード(図71参照)における告知確率に基づき、ART当籤告知を実行するか否かを決定する。
図68のステップS110〜ステップS113の処理、及び、図70のステップS134〜ステップS136の処理を実行するメインCPU31は、ロック決定手段を構成する。なお、ART当籤告知を実行することが決定されると、サブCPU81側で実際にART当籤告知が実行される。
ここで、告知に当籤していないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART当籤状態中処理を終了する。一方、告知に当籤していると判断した場合には(YES)、ART遊技状態としてART開始待ち状態をセットする(S137)。
このステップS137の処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART当籤状態」に対応するビット4が「0」にリセットされ、「ART開始待ち状態」に対応するビット5が「1」にセットされる。
続いて、メインCPU31は、メインRAM33に格納された告知フラグをオンにする(S138)。告知フラグがオンにされたことを示す情報は、スタートコマンドデータ(図64のステップS17参照)として主制御回路71から副制御回路72へ送信される(図83のステップS323参照)。これにより、副制御回路72では、告知演出(図4参照)が実行されることとなる(図95のステップS455及びステップS456参照)。
ステップS138の処理を実行した後、メインCPU31は、ART当籤状態中処理を終了する。
<ART当籤状態移行時処理>
図71は、図68に示したART遊技状態抽籤処理のステップS115において実行されるART当籤状態移行時処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、モード移行抽籤テーブル(図36〜図44参照)を参照し、現在の解除モードと、設定値と、抽籤契機と、乱数値3とに基づいて移行先モードを決定する(S140)。
次に、メインCPU31は、解除ゲーム数抽籤テーブル(図45〜図50参照)を参照し、現在の解除モードと、設定値と、乱数値3とに基づいて、次回の解除ゲーム数を決定する(S141)。
次に、メインCPU31は、ART当籤状態移行時ショートフリーズ抽籤テーブル(図52参照)を参照し、解除契機と、乱数値3とに基づいて、ショートフリーズに当籤したか否かを決定し(S142)、決定した結果に基づいて、ショートフリーズに当籤したか否かを判断する(S143)。
ここで、ショートフリーズに当籤したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたショートフリーズフラグをオンにセットする(S144)。
ステップS143において、ショートフリーズに当籤していないと判断した場合(NO)、又はショートフリーズフラグをオンにした後、メインCPU31は、ロングフリーズ予約フラグがオンであるか否かを判断する(S145)。
ここで、ロングフリーズ予約フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART当籤状態移行時ロングフリーズ予約抽籤テーブル(図53参照)を参照し、解除契機と、乱数値2とに基づいて、ロングフリーズの予約に当籤したか否かを決定し(S146)、決定した結果に基づいて、ロングフリーズの予約に当籤したか否かを判断する(S147)。
ここで、ロングフリーズの予約に当籤したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ロングフリーズ予約フラグをオンにセットする(S148)。次に、メインCPU31は、モード移行抽籤テーブル(図36〜図44参照)を参照し、現在の解除モードと、設定値と、抽籤契機と、乱数値3とに基づいて、移行先モードを決定する(S149)。
ステップS145において、ロングフリーズ予約フラグがオンであると判断した場合(YES)、ステップS147において、ロングフリーズの予約に当籤しなかったと判断した場合(NO)、又はロングフリーズ予約フラグをオンにセットした後、メインCPU31は、ART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブルを参照し、抽籤契機と乱数値2とに基づいて、告知モードを決定する(S150)。
つまり、メインCPU31は、ART当籤告知を実行することが決定される告知確率が異なる告知モード1〜3のうち、いずれかの告知モードを決定する。このとき、メインCPU31は、図54に示したART当籤状態移行時告知モード抽籤テーブルで、解除条件ごとに対応付けられた告知モード振分確率で告知モードを決定する。
例えば、ゲーム数解除であるときは100%の確率で告知モード1に振り分けられ、またスイカ解除であるときは50%の確率で告知モード1又は告知モード2のいずれかに振り分けられる。このような処理を実行するメインCPU31は、告知モード決定手段を構成する。
<リール停止初期設定処理>
図72は、図64に示したメイン制御処理のステップS16において実行されるリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態か否かを判断する(S160)。ここで、主遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、回胴停止用番号として36をセットする(S161)。
一方、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、図67に示した内部抽選処理のステップS89の処理で取得した小役・リプレイ用データポインタと同一の値を回胴停止用番号としてセットする(S162)。
このように回胴停止用番号をセットすると、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブル(図21参照)を参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S163)。
ステップS163の処理において、メインCPU31は、例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リール3L、3C、3Rが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
停止テーブルには、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的又は間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、かつ、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図29参照)の各格納領域に回転中の識別子を格納し(S164)、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S165)、リール停止初期設定処理を終了する。
<遊技開始時フリーズ処理>
図73は、図64に示したメイン制御処理のステップS18において実行される遊技開始時フリーズ処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、ショートフリーズフラグがオンか否かを判断する(S170)。ここで、ショートフリーズフラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、演出用フリーズタイマに269(約0.3秒)をセットする(S171)。
一方、ショートフリーズフラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、告知フラグがオンであるか否かを判断する(S172)。ここで、告知フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、遊技開始時フリーズ処理を終了する。一方、告知フラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ロングフリーズ予約フラグがオンであるか否かを判断する(S173)。
ここで、ロングフリーズ予約フラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、演出用フリーズタイマに10742(約12秒)をセットする(S174)。一方、ロングフリーズ予約フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、演出用フリーズタイマに1791(約2秒)をセットする(S175)。
このように、ステップS171、S174及びS175において、演出用フリーズタイマに値がセットされると、メインCPU31は、演出用フリーズタイマの値が0になるのを待つ(S176)。
すなわち、演出用フリーズタイマの値が0になっていないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS176の処理を実行する。一方、演出用フリーズタイマの値が0になったと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、使用された各フラグをオフにクリアし(NO)、遊技開始時フリーズ処理を終了する。
<引込優先順位格納処理>
図74は、図64に示したメイン制御処理のステップS22及び図77に示すリール停止制御処理のステップS234において実行される引込優先順位格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数としてメインRAM33に格納する(S180)。次に、メインCPU31は、検索対象のリールを決定する検索対象リール決定処理を実行する。この処理では、回転中のリールのうち、例えば、より左側の1つのリールが検索対象のリールとして決定される。
次に、メインCPU31は、図76に示す引込優先順位テーブル選択処理を実行する(S181)。この引込優先順位テーブル選択処理は、引込優先順位テーブル(図23参照)のなかから1つの引込優先順位テーブル番号を選択する(S182)。
次に、メインCPU31は、メインRAM33にそれぞれ格納されている図柄チェック回数に21(各リールの図柄の数)をセットし、検索図柄位置に0をセットする(S183)。
次に、メインCPU31は、図75に示す図柄コード格納処理を実行する(S184)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した図柄コードと、図柄コード格納領域(図29参照)とに基づいて、表示役格納領域(図28参照)を更新する(S185)。次に、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を実行する(S186)。
この引込優先順位データ取得処理は、表示役格納領域で該当するビットが1となっていて、内部当籤役格納領域(図27参照)で該当するビットが1となっている役について、ステップS182で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
なお、引込優先順位データ取得処理は、停止させた場合に誤入賞となる図柄位置については、「停止禁止」(000H)をセットし、内部当籤していないが、停止させても誤入賞とならない図柄位置については、「停止可能」(001H)をセットする。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(S187)。次に、メインCPU31は、図柄チェック回数から1を減算し、検索図柄位置に1を加算する(S188)。
次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が0であるか否かを判断する(S189)。ここで、図柄チェック回数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS184の処理を実行する。
一方、図柄チェック回数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、検索回数分の検索を実行したか否かを判断する(S190)。ここで、検索回数分の検索を実行したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了する。一方、検索回数分の検索を実行したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ステップS184の処理を実行する。
<図柄コード格納処理>
図75は、図74に示した引込優先順位格納処理のステップS184において実行される図柄コード格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(S200)。なお、本実施の形態においては、1の有効ライン(中−中−中)がセットされる。
次に、メインCPU31は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(S201)。なお、本実施の形態においては、例えば、各リールに対して、中段の図柄位置がチェック用図柄位置データとしてセットされる。
次に、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(S202)、図柄コード格納処理を終了する。
<引込優先順位テーブル選択処理>
図76は、図74に示した引込優先順位格納処理のステップS182において実行される引込優先順位テーブル選択処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択データがセットされているか否かを判断する(S210)。ここで、引込優先順位テーブル選択データがセットされていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、押下順序格納領域(図31参照)、作動ストップボタン格納領域(図30参照)を参照し、引込優先順位テーブル選択テーブル(図23参照)から引込優先順位テーブル選択データに対応する引込優先順位テーブル番号をセットし(S211)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
一方、引込優先順位テーブル選択データがセットされていないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号に応じた引込優先順位テーブルをセットし(S212)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
<リール停止制御処理>
図77は、図64に示したメイン制御処理のステップS23において実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(S220)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判断した場合には(NO)、ステップS220の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判断した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図31参照)と、作動ストップボタン格納領域(図30参照)とを更新する(S221)。
ここで、メインCPU31は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、押下順序納領域(図31参照)に格納し、押下順序納領域を参照することで、ストップボタン7L、7C、7Rの押し順を判断することができる。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S222)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S223)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S224)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S225)。この滑り駒数決定処理は、リール停止初期設定テーブル(図21参照)から内部当籤役に基づいて選択される停止テーブル選択データ群に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、図78に示す優先引込制御処理を実行する(S226)。この優先引込制御処理は、ステップS225で取得した滑り駒数の図柄の引込優先順位データが、最大滑り駒数の範囲内で、より高い引込優先データに対応する図柄位置で停止するように滑り駒数を補正する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S227)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)等を表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S228)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S229)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理(図75参照)を実行する(S230)。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S231)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S232)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リール停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(S233)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理(図74参照)を実行し(S234)、ステップS220の処理を実行する。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<優先引込制御処理>
図78は、図77に示したリール停止制御処理のステップS226で実行される優先引込制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じた引込優先順位データ格納領域をセットする(S240)。次に、メインCPU31は、メインRAM33に格納された停止開始位置を取得する(S241)。
次に、メインCPU31は、MBが作動中であるか否かを判断する(S242)。この判断処理は、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)のビット0が「1」である場合には、MBが作動中であると判断し、「0」である場合には、MBが作動中でないと判断する。
ここで、MBが作動中であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、図77に示したリール停止制御処理のステップS223で決定した検索対象リールが左リール3Lであるか否かを判断する(S243)。
ステップS242において、MBが作動中でないと判断した場合(NO)、又はステップS243において、検索対象リールが左リール3Lでないと判断した場合(NO)には、メインCPU31は、リール停止制御処理のステップS225で決定した滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブル(図24参照)をセットする(S244)。
例えば、停止テーブル(停止データテーブル)によって決定された滑り駒数が4であれば、優先順序テーブルの滑り駒数決定データが4の行(アドレス)がセットされる。次に、メインCPU31は、優先順序の初期値及びチェック回数に5をセットする(S245)。すなわち、0駒〜4駒の5回分検索することが決定される。
ステップS243において、検索対象リールが左リール3Lであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じたMB遊技状態用優先順序テーブル(図25参照)をセットする(S246)。続いて、メインCPU31は、優先順序の初期値に3をセットし、チェック回数に2をセットする(S247)。
ステップS245又はS246の処理を実行した後、メインCPU31は、滑り駒数決定データを滑り駒数としてセットする(S248)。次に、メインCPU31は、停止開始位置及び優先順序に基づいて停止検索位置を抽出する(S249)。
次に、メインCPU31は、停止検索位置の引込優先順位データを取得する(S250)。次に、メインCPU31は、S250の処理で取得した引込優先順位データが先に取得された引込優先順位データ以上であるか否かを判断する(S251)。
ここで、S250の処理で取得した引込優先順位データが先に取得された引込優先順位データ以上であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、滑り駒数を更新する(S252)。
ステップS251において、S250の処理で取得した引込優先順位データが先に取得された引込優先順位データ以上でないと判断した場合(NO)、又はS251の処理を実行した後、メインCPU31は、優先順序及びチェック回数からそれぞれ1を減算する(S253)。
次に、メインCPU31は、チェック回数が0であるか否かを判断する(S254)。ここで、チェック回数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、滑り駒数をセットし(S255)、優先引込制御処理を終了する。一方、チェック回数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、S249の処理を実行する。
<ART関連処理>
図79は、図64に示したメイン制御処理のステップS26において実行されるART関連処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、主遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(S260)。この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)のビット0が「1」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態であると判断され、「0」である場合には、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断される。
ここで、主遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ART関連処理を終了する。一方、主遊技状態がMB遊技状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態がART状態であるか否かを判断する(S261)。
この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット6が「1」である場合には、ART遊技状態がART状態であると判断され、「0」である場合には、ART遊技状態がART状態でないと判断される。
ここで、ART遊技状態がART状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたARTゲーム数から1を減算する(S262)。
次に、メインCPU31は、ARTゲーム数が0か否かを判断する(S263)。ここで、ARTゲーム数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART関連処理を終了する。
一方、ARTゲーム数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、BBリプ1又はBBリプ2の入賞により移行したART状態の終了時(以下、単に「BB終了時」と記す)であるか否かを判断する(S264)。
ここで、BB終了時であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたBB終了フラグを「1」にセットし(S265)、ART関連処理を終了する。
一方、BBリプ1又はBBリプ2の入賞により移行したART状態、すなわち、RBリプの入賞により移行したART状態の終了時でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたRB終了フラグを「1」にセットし(S266)、ART関連処理を終了する。
ステップS261において、ART遊技状態がART状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態がART開始待ち状態であるか否かを判断する(S267)。
この判断処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)のビット5が「1」である場合には、ART遊技状態がART開始待ち状態であると判断され、「0」である場合には、ART遊技状態がART開始待ち状態でないと判断される。
ここで、ART遊技状態がART開始待ち状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、BBリプ1又はBBリプ2の入賞時(以下、単に「BBリプ入賞時」と記す)であるか否かを判断する(S268)。
BBリプ入賞時であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたBB開始フラグを「1」にセットし(S269)、ARTゲーム数として例えば70ゲームをセットし(S270)、ART関連処理を終了する。
一方、BBリプ入賞時でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、RBリプの入賞時(以下、単に「RBリプ入賞時」と記す)であるか否かを判断する(S271)。ここで、RBリプ入賞時であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されたRB開始フラグを「1」にセットし(S272)、ARTゲーム数として例えば20ゲームをセットし(S273)、ART関連処理を終了する。
ステップS267において、ART遊技状態がART開始待ち状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、中段ベル又は下段ベルが入賞したか否かを判断する(S274)。
ここで、中段ベル又は下段ベルが入賞した場合には、第1停止操作が左ボタン7Lではないことが分かる。ART遊技状態が、通常遊技中又はART当籤状態にあるときに、第1停止操作が左ボタン7Lではない場合には、パチスロ機1は、各ART遊技状態においてペナルティを課すことになっている。
したがって、ステップS274において、中段ベル又は下段ベルが入賞したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ペナルティフラグをオンにし(S275)、ペナルティゲーム数として6をセットし(S276)、ART関連処理を終了する。一方、中段ベル又は下段ベルが入賞しなかったと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART関連処理を終了する。
<遊技終了時ロック処理>
図80は、図64に示したメイン制御処理のステップS27において実行される遊技終了時ロック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、BB開始フラグがオンである否かを判断する(S280)。ここで、BB開始フラグがオンであると判断した場合には、メインCPU31は、演出用ロックタイマに4476(約5秒)をセットし(S281)、外部信号1をオンにする(S282)。すなわち、メインCPU31は、開始時ロックが行われたことを条件に、遊技機の外部に向けて送信される外部信号1をオン(第1状態)にする。
一方、BB開始フラグがオンでないと判断した場合には、メインCPU31は、RB開始フラグがオンである否かを判断する(S283)。ここで、RB開始フラグがオンであると判断した場合には、メインCPU31は、演出用ロックタイマに1をセットし(S284)、外部信号2をオンにする(S285)。すなわち、メインCPU31は、開始時ロックが行われたことを条件に、遊技機の外部に向けて送信される外部信号2をオン(第1状態)にする。
ステップS282又はS285の処理を実行した後、メインCPU31は、ART遊技状態としてART状態をセットする(S286)。このステップS286の処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART開始待ち状態」に対応するビット5が「0」にリセットされ、「ART状態」に対応するビット6が「1」にセットされる。
ステップS283において、RB開始フラグがオンでないと判断した場合には、メインCPU31は、BB終了フラグがオンである否かを判断する(S287)。ここで、BB終了フラグがオンであると判断した場合には、メインCPU31は、演出用ロックタイマに3581(約4秒)をセットし(S288)、外部信号1をオフにする(S289)。すなわち、メインCPU31は、終了時ロックが行われたことを条件に、ステップS282でオンされた外部信号1をオフ(第2状態)にする。
一方、BB終了フラグがオンでないと判断した場合には、メインCPU31は、RB終了フラグがオンである否かを判断する(S290)。ここで、RB終了フラグがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、演出用ロックタイマに1をセットし(S284)、外部信号2をオフにする(S292)。すなわち、メインCPU31は、終了時ロックが行われたことを条件に、ステップS285でオンされた外部信号2をオフ(第2状態)にする。
ステップS289又はS292の処理を実行した後、メインCPU31は、ART遊技状態として通常遊技状態をセットする(S293)。このステップS293の処理では、遊技状態フラグ格納領域(図33参照)の「ART状態」に対応するビット6が「0」にリセットされる。
ステップS286又はS293の処理を実行した後、メインCPU31は、演出用ロックタイマの値が0になるのを待つ(S294)。すなわち、演出用フリーズタイマの値が0になっていないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS294の処理を実行する。
一方、演出用フリーズタイマの値が0になったと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、使用された各フラグをオフにクリアし(S295)、遊技終了時ロック処理を終了する。
ステップS290において、RB終了フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ART遊技状態が通常遊技状態で通常リプが入賞したか否かを判断する(S296)。
ここで、ART遊技状態が通常遊技状態でない、又は、通常リプが入賞していないと判断した場合には、メインCPU31は、遊技終了時ロック処理を終了する。
一方、ART遊技状態が通常遊技状態で通常リプが入賞したと判断した場合には、メインCPU31は、通常再遊技ロックフラグをオンにする(S297)。これにより、通常再遊技ロックが実行されることとなる(図66のステップS60及びステップS61参照)。
また、通常再遊技ロックフラグがオンにされたことを示す情報は、入賞作動コマンドデータ(図64のステップS28参照)として主制御回路71から副制御回路72へ送信される(図83のステップS323参照)。これにより、副制御回路72では、バックランプ106による演出(図57〜図60参照)が実行されることとなる(図96のステップS474及びステップS475参照)。
ステップS297の処理を実行した後、メインCPU31は、通常再遊技用ロックタイマに161118(約3分)をセットする(S298)。通常再遊技用ロックタイマは、図83のタイマ更新処理(ステップS322)により更新され、通常再遊技用ロックタイマが0になると、通常再遊技ロックフラグがオフにされる。
ステップS298の処理を実行した後、メインCPU31は、遊技終了時ロック処理を終了する。
このように、図79に示したART関連処理および図80に示した遊技終了時ロック処理を実行するメインCPU31は、外部信号制御手段、開始時ロック実行手段、終了時ロック実行手段及び通常再遊技ロック実行手段を構成する。
なお、本実施の形態において、メインCPU31は、BB開始フラグ又はRB開始フラグがオンである場合に外部信号1、2をそれぞれオンし、BB終了フラグ又はRB終了フラグがオンである場合に外部信号1、2をそれぞれオフするものとして説明した。
これに対し、メインCPU31は、BB開始フラグ又はRB開始フラグがオンである場合に外部信号1、2をそれぞれオフし、BB終了フラグ又はRB終了フラグがオンである場合に外部信号1、2をそれぞれオンするようにしてもよい。この場合、外部信号1、2がオンである状態がそれぞれ第1状態に相当し、オフである状態がそれぞれ第2状態に相当する。
<ボーナス終了チェック処理>
図81は、図64に示したメイン制御処理のステップS29において実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、MB作動中であるか否かを判断する(S300)。この処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」である場合には、MB作動中である判断され、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「0」である場合には、MB作動中でないと判断される。
ここで、MB作動中であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方、MB作動中であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、CB終了処理を実行する(S301)。このCB終了処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット1が「0」にリセットされる。
続いて、メインCPU31は、残りの払出枚数を表すボーナス終了枚数カウンタの更新を行い(S302)、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満か否かを判断する(S303)。
ここで、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満ではないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満であると判断した場合には、メインCPU31は、MB終了処理を行う(S304)。MB終了処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「0」にリセットされる。
続いて、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信するボーナス終了コマンドデータを生成し、生成したボーナス終了コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(S227)、ボーナス終了チェック処理を終了する。ここで、ボーナス終了コマンドデータは、例えば、ボーナスが終了した旨を表す。
<ボーナス作動チェック処理>
図82は、図64に示したメイン制御処理のステップS30において実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、MB作動中であるか否かを判断する(S310)。この処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」である場合には、MB作動中であると判断され、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「0」である場合には、MB作動中でないと判断される。
ここで、MB作動中であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、CB作動処理を実行し(S311)、ボーナス作動チェック処理を終了する。CB作動処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット1が「1」にセットされる。
一方、MB作動中でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、MBが入賞したか否かを判断する(S312)。ここで、MBが入賞したと判断した場合には、メインCPU31は、MB作動処理を実行する(S313)。
MB作動処理では、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」にセットされ、ボーナス終了枚数カウンタに例えば30がセットされ、遊技状態フラグ格納領域のビットが「1」にセットされる。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアし(S314)、主制御回路71から副制御回路72へ送信するボーナス開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス開始コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(S315)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
ステップS312において、MBが入賞しなかったと判断した場合には、メインCPU31は、リプレイ(「BBリプ1」、「BBリプ2」、「RBリプ」、「通常リプ」及び「特殊リプレイ1」〜「特殊リプレイ11」)が表示されたか否かを判断する(S316)。
ここで、リプレイが表示されなかったと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方、リプレイが表示されたと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S317)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図83は、メインCPU31の制御による割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒ごとに実行される。
まず、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S320)。次に、メインCPU31は、図84に示す入力ポートチェック処理を実行する(S321)。この処理では、メインCPU31は、副制御回路72に送信される信号の有無を確認する。
例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを含む各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報等を表す入力状態コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
次に、メインCPU31は、タイマ更新処理を実行する(S322)。通常再遊技用ロックタイマ(図80のステップS298参照)を更新することにより、更新後の通常再遊技用ロックタイマが0になった場合、メインCPU31は、通常再遊技ロックフラグ(図80のステップS297参照)をオフにする。これにより、通常再遊技ロックが終了されることとなる(図66のステップS60及びステップS61参照)。
また、通常再遊技ロックフラグがオフにされたことを示す情報は、コマンドデータとして主制御回路71から副制御回路72へ送信される(図83のステップS323参照)。該情報を受信すると、副制御回路72では、図92のランプデータ決定処理(ステップS411)においてバックランプ106による演出の終了が決定され、サブCPU81は、バックランプ106による演出(図96のステップS475参照)の終了指示を行う。これにより、約3分間継続したバックランプ106による演出(図57〜図60参照)が終了し、バックランプ106は、通常の点灯状態となる。なお、バックランプ106による演出が開始された後約3分間が経過するまでにスタートレバー6が遊技者により操作される(開始操作が行われる)と、バックランプ106による演出は、その時点で終了される(図66のステップS62参照)。
ここでは、開始操作が行われない場合、通常再遊技用ロックタイマにセットされた時間(約3分)が経過するまで、バックランプ106による演出が継続することとして説明しているが、本発明においては、開始操作が行われなくても、通常再遊技用ロックタイマにセットされた時間が経過する前にバックランプによる演出が終了されるように構成されていてもよい。例えば、副制御回路において、バックランプによる演出の開始時に、演出が継続する時間をタイマにセットし、該タイマが0になったときに演出を終了させる一方で、該タイマにセットされる値を通常再遊技用ロックタイマにセットされる値よりも小さな値としてもよい。
次に、メインCPU31は、図85に示す通信データ送信処理を実行する(S323)。この処理では、メインRAM33の通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを副制御回路72に送信する。
次に、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御するリール制御処理を実行する(S324)。より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、メインCPU31は、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
次に、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を実行する(S325)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。次に、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(S326)、定期的に発生する割込処理を終了する。
<入力ポートチェック処理>
図84は、メインCPU31の制御による割込処理のステップS321において実行される入力ポートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、各入力ポートの状態をチェックする(S330)。次に、メインCPU31は、前回の割り込み、すなわち、1割り込み前の入力ポートの状態をメインRAM33に格納し(S331)、現在の入力ポートの状態をメインRAM33に格納する(S332)。
このように、1割り込み前の入力ポートの状態と、現在の入力ポートの状態とを比較することができるようにすることにより、メインCPU31は、双方の入力ポートの状態を確認することができるようになり、入力ポートの状態に変化があったか、例えば、ベットボタン11が押されたか否か等をチェックしている。
次に、メインCPU31は、オンエッジの状態をメインRAM33に格納する(S333)。本実施の形態において、オンエッジは、ボタンが押されたままの状態のことをいい、オフエッジは、ボタンが放された状態のことをいう。
次に、メインCPU31は、主制御回路71から副制御回路72へ送信する入力状態コマンドデータを生成し、生成した入力状態コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(S334)、入力ポートチェック処理を終了する。
<通信データ送信処理>
図85は、メインCPU31の制御による割込処理のステップS323において実行される通信データ送信処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、通信データ送信タイマから1を減算する(S340)。次に、メインCPU31は、通信データ送信タイマが0であるか否かを判断する(S341)。
ここで、通信データ送信タイマが0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、通信データ送信処理を終了する。一方、通信データ送信タイマが0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、通信データ格納領域に未送信データがあるか否かを判断する(S342)。
ここで、通信データ格納領域に未送信データがないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、送信すべきデータがないことを表す無操作コマンドデータを生成し、生成した無操作コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S343)。
ステップS342において、通信データ格納領域に未送信データがあると判断した場合、又はステップS343の処理を実行した後、メインCPU31は、通信データ送信タイマに初期値として例えば14をセットする(S344)。
次に、メインCPU31は、通信データ格納領域に格納された通信データを副制御回路72に送信する(S345)。次に、メインCPU31は、通信データの送信が完了したか否かを判断する(S346)。
ここで、通信データの送信が完了していないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS345の処理を実行する。一方、通信データの送信が完了したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、通信データ格納領域をクリアするように更新し(S347)、通信データ送信処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路72のサブCPU81は、図86〜図96に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<電源投入処理>
図86は、電源投入時におけるサブCPU81の電源投入処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、初期化処理を実行する(S350)。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(VerticalSynchronization)割込同期のタスクグループである図89に示すマザータスクを含む。
次に、サブCPU81は、図88に示すランプ制御タスクを起動する(S351)。ランプ制御タスクは、サブCPU81が、サブCPU81に対して2ミリ秒ごとに送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU81は、図87に示すサウンド制御タスクを起動する(S352)。サウンド制御タスクでは、スピーカ9L、9Rからの出音状態がサブCPU81によって制御される。
次に、サブCPU81は、マザータスクを起動し(S353)、電源投入処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、ドット表示器100で1フレームの映像が表示されたときにドット表示器100から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<サウンド制御タスク>
図87は、図86に示した電源投入処理のステップS352において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、スピーカ9L、9Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S360)。次に、サブCPU81は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S361)。
次に、サブCPU81は、サウンドデータの解析処理を実行し(S362)、サウンド演出実行処理を行い(S363)、ステップS361の処理を実行する。
<ランプ制御タスク>
図88は、図86に示した電源投入処理のステップS351において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、タイマ割込初期化処理を実行する(S370)。次に、サブCPU81は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S371)。
次に、サブCPU81は、タイマ割込み待ちを実行する(S372)。この処理では、サブCPU81が2ミリ秒ごとにタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU81は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)等が挙げられる。
次に、サブCPU81は、図87に示したサウンド制御タスクを実行する(S373)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。
本実施の形態において、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS373では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS373では、図87に示したサウンド制御タスクのうち、ステップS362及びS363の処理が実行される。
次に、サブCPU81は、ランプデータ解析処理を実行し(S374)、ランプ演出実行処理を実行し(S375)、ステップS372の処理を実行する。
<マザータスク>
図89は、図86に示した電源投入処理のステップS353において起動されるマザータスクを示すフローチャートである。
マザータスクでは、サブCPU81は、メインタスクを起動し(S380)、主基板通信タスクを起動し(S381)、アニメタスクを起動する(S382)。
<メインタスク>
図90は、図89に示したマザータスクのステップS380において起動されるメインタスクを示すフローチャートである。
メインタスクにおいて、サブCPU81は、VSYNC割込初期化処理を実行し(S390)、VSYNC割込待ちを実行する(S391)。次に、サブCPU81は、描画処理を実行し(S392)、ステップS391の処理を実行する。
<主基板通信タスク>
図91は、図89に示したマザータスクのステップS381において起動される主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S400)、受信コマンドのチェックを実行する(S401)。
次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S402)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ステップS401の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM83に格納する(S403)。次に、サブCPU81は、図92に示すコマンド解析処理を実行し(S404)、ステップS401の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
図92は、図91に示した主基板通信タスクのステップS404において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、図93に示す演出内容決定処理を実行し(S410)、ランプデータ決定処理を実行し(S411)、サウンドデータ決定処理を実行し(S412)、決定された各データを登録し(S413)、コマンド解析処理を終了する。
<アニメタスク>
図93は、図89に示したマザータスクのステップS382において起動されるアニメタスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S420)。具体的には、サブCPU81は、図83に示したメインCPU31の制御による割込処理によって更新された現在の遊技情報が、前回までの割込処理においてサブRAM83に登録されている遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
次に、サブCPU81は、オブジェクト制御処理を実行する(S421)。具体的には、ステップS420で遊技情報が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU81は、当該遊技情報の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU81は、アニメタスク管理処理を実行する(S422)。具体的には、サブCPU81は、各種演出において表示される画像の順序等を管理する。サブCPU81は、アニメタスク管理処理を実行すると、ステップS420の処理を実行する。
<演出内容決定処理>
図94は、図92に示したコマンド解析処理のステップS410において実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、初期化コマンドを受信したか否かを判断する(S430)。ここで、初期化コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を実行し(S431)、演出内容決定処理を終了する。初期化コマンド受信時処理では、例えば、初期化コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、初期化コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(S432)。ここで、メダル投入コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(S313)、演出内容決定処理を終了する。メダル投入コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、メダル投入コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、スタートコマンドを受信したか否かを判断する(S434)。ここで、スタートコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図95に示すスタートコマンド受信時処理を実行し(S435)、演出内容決定処理を終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、スタートコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(S436)。ここで、リール回転開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S437)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール回転開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール停止コマンドを受信したか否かを判断する(S438)。ここで、リール停止コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(S439)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール停止コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入賞作動コマンドを受信したか否かを判断する(S440)。ここで、入賞作動コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図96に示す入賞作動コマンド受信時処理を実行し(S441)、演出内容決定処理を終了する。入賞作動コマンド受信時処理では、例えば、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、入賞作動コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判断する(S442)。ここで、ボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(S443)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判断する(S444)。ここで、ボーナス終了コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(S445)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入力状態コマンドを受信したか否かを判断する(S446)。ここで、入力状態コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、入力状態コマンド受信時処理を実行し(S447)、演出内容決定処理を終了する。
入力状態コマンド受信時処理では、例えば、メインCPU31は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかを送信する。一方、S446において、入力状態コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図95は、図94に示した演出内容決定処理のステップS435において実行されるスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、演出用乱数値を抽出し、抽出した演出用乱数値をサブRAM83の演出用乱数値格納領域に格納する(S450)。次に、サブCPU81は、ART遊技状態がART状態であるか否かを判断する(S451)。図94のステップS434で受信するスタートコマンドデータに、メインRAM33の遊技状態フラグ格納領域(図33参照)に格納されている遊技状態フラグを示す情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU81は、ART遊技状態を認識することができる。
ここで、ART状態であると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、サブRAM83に格納されたBB誤作動フラグがオンであるか否かを判断する(S452)。具体的には、サブCPU81は、「RBリプ」を入賞させるための第2の停止操作順序が報知されているにも関わらず、「BBリプ1」又は「BBリプ2」を入賞させるための第1の停止操作順序により「ボーナスリプ1又は2」が第1の入賞態様(BBリプ1又はBBリプ2)で入賞したか否かを判断する。
BB誤作動フラグは、第2の停止操作順序が報知されているにも関わらず、「ボーナスリプ1又は2」が第1の入賞態様(BBリプ1又はBBリプ2)で入賞した場合にオンとなる。
ここで、BB誤作動フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、特殊ナビ抽籤テーブル(図63参照)を参照し、当籤役と演出用乱数値とに基づいて、ART中ナビデータを決定し(S453)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
具体的には、サブCPU81は、特殊ナビ抽籤テーブルを参照することによって、第1の入賞態様により発生したARTゲーム数(70ゲーム)を変動させずに、第1の停止操作順序が報知された状態で「ボーナスリプ1又は2」を第1の入賞態様(BBリプ1又はBBリプ2)で入賞させたときよりも低い確率でメダルの付与に関する有利な停止操作の情報(停止操作順序)を報知する。
より好適には、サブCPU81は、遊技者の誤操作あるいは作為により第1の入賞態様(BBリプ1又はBBリプ2)で入賞した場合には、第2の入賞態様(RBリプ)で入賞させた場合に付与するメダルと同等な数のメダルを付与するような確率で停止操作順序を報知する。
一方、BB誤作動フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、通常ナビ抽籤テーブル(図62参照)を参照し、当籤役と演出用乱数値とに基づいて、ART中ナビデータを決定し(S454)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
ステップS451において、ART状態でないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、告知フラグがオンであるか否かを判断する(S455)。主制御回路71において告知フラグがオンにされると(図70のステップS138参照)、図94のステップS434で受信するスタートコマンドデータに、告知フラグがオンにされたことを示す情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU81は、告知フラグがオンであるか否かを認識することができる。
ここで、告知フラグがオンでないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を終了する。
一方、告知フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、告知用の演出データを決定する(S456)。この処理により、例えば、図88に示したランプ制御タスクのステップS375において、告知用の演出データに基づいた告知演出が行われる。本実施の形態における告知演出は、告知部111によって行われる(図4参照)。告知演出により、開始時ロックを行うことが決定された旨のART当籤告知(図11参照)が行われる。
なお、図87に示したサウンド制御タスクのS363において、告知用の演出データに基づいた告知演出が行われるようにしてもよい。また、図88に示したランプ制御タスクのステップS375及び、図87に示したサウンド制御タスクのS363の双方において、告知用の演出データに基づいた告知演出が行われるようにしてもよい。
続いて、サブCPU81は、ART種別報知振分抽籤テーブル(図61参照)を参照し、現在の解除モードと演出用乱数値と基づいて、報知振分を決定する(S457)。このように、サブCPU81は、入賞態様振分手段を構成する。
次に、サブCPU81は、決定した報知振分とボーナスリプの種別とに基づいて、ART開始時ナビデータを決定する(S458)。次に、サブCPU81は、報知振分がRBリプ報知であるか否かを判断する(S459)。
ここで、報知振分がRBリプ報知でないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を終了する。一方、報知振分がRBリプ報知であると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、サブRAM83に格納されたBB誤作動チェックフラグをオンにし(S460)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<入賞作動コマンド受信時処理>
図96は、図94に示した演出内容決定処理のステップS441において実行される入賞作動コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、BB誤作動チェックフラグがオンであるか否かを判断する(S470)。ここで、BB誤作動チェックフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、BBリプ1又はBBリプ2に入賞したか否かを判断する(S471)。
ここで、BBリプ1又はBBリプ2に入賞したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、BB誤作動チェックフラグをオフにし(S472)、BB誤作動フラグをオンにし(S473)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
ステップS470においてBB誤作動チェックフラグがオンでないと判断した場合(NO)、又はステップS471においてBBリプ1又はBBリプ2の何れにも入賞していないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいて通常再遊技ロックフラグがオンであるか否かを判断する(S474)。主制御回路71において通常再遊技ロックフラグがオンにされると(図80のステップS297参照)、図94のステップS440で受信する入賞作動コマンドデータに、通常再遊技ロックフラグがオンにされたことを示す情報が含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU81は、通常再遊技ロックフラグがオンであるか否かを認識することができる。
ここで、通常再遊技ロックフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、バックランプ演出抽籤テーブル(図56)を参照し、現在のモードと演出用乱数値とに基づいて、バックランプ106による演出態様を決定する(S475)。その結果、図57〜図60に示すようなバックランプ106による演出が行われることとなる。
ステップS474において、通常再遊技ロックフラグがオンでないと判断した場合(NO)又はステップS475の処理を実行した後、サブCPU81は、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係るパチスロ機1は、BBリプ又はRBリプに入賞し、かつ開始時ロックが実行されたときにART状態になる。
したがって、本実施の形態に係るパチスロ機1は、従来のように特定の遊技状態からしか有利な遊技状態に移行しないものと比較して、特定の遊技状態であるか否かに関わらず、ART状態への移行に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックの実行後、終了時ロックが実行されるまでART状態とすることにより、実質的に開始時及び終了時の各ロックを行う主制御回路71でART状態を管理することが可能となる。
このため、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路71側に過度な負担をかけることなく、必要最小限の構成でART状態を的確に管理することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技の演出等に関する制御を行う副制御回路72に対して不正な行為がなされた場合であっても、不正なART状態の発生を防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックから終了時ロックまでの間はART状態が保証されているので、ART状態の利益を遊技者に確実に享受させることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、BBリプ及びRBリプのどちらの態様で入賞させるかによって、遊技者に与えられるART状態の利益に差を持たせることができる。これにより、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技性に変化をもたらすことができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、「RBリプ」が報知されているにも関わらず「BBリプ1」又は「BBリプ2」で入賞した場合には、「BBリプ1」又は「BBリプ2」が報知された状態で「BBリプ1」又は「BBリプ2」を入賞させたときよりも低い確率でメダルの付与に関する有利な停止操作順序を報知する。
このため、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技者が誤操作あるいは作為により報知された停止操作順序と異なる停止操作順序で停止操作を行った場合であっても、遊技者に付与される利益を抑制することができる。
したがって、本実施の形態に係るパチスロ機1は、本来得るべき利益を違和感なく遊技者に享受させることができるとともに、遊技店側が不測の不利益を被ることを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、「RBリプ」が報知されているにも関わらず「BBリプ1」又は「BBリプ2」で入賞した場合には、「RBリプ」で入賞させた場合に付与するメダルと同等な数の遊技媒体を付与するような確率で停止操作順序を報知するので、遊技者が誤操作あるいは作為により報知された停止操作順序と異なる停止操作順序で停止操作を行った場合に、遊技者に付与される利益を、本来入賞されるべきであった「RBリプ」により得られる利益(例えば、メダルの払出枚数の期待値)と略同一の利益とすることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックが行われたことを条件に外部信号1あるいは外部信号2をオンにするとともに、終了時ロックが行われたことを条件にオンとされた外部信号1あるいは外部信号2をオフにするので、開始時ロックを始期とし終了時ロックを終期とするART状態の開始と終了とを適切に外部に伝達することができる。したがって、例えば遊技機外部に設置された外部表示器の表示とパチスロ機1の実際の挙動とが一致しないことにより遊技者が困惑してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックを行うことが決定された場合に、告知モード1〜3のうち、いずれかの告知モードを決定し、ART当籤状態中の遊技においてボーナスリプ1又は2に内部当籤する度に、決定された告知モードにおける告知確率に基づきART当籤告知を実行するか否かを決定する。
このため、本実施の形態に係るパチスロ機1は、ART遊技状態への期待感を抱かせる対象となる特殊役に当籤した場合に、ART遊技状態への移行判別を困難とすることにより遊技者の期待感を維持することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックを行うことが決定された場合に、解除条件ごとに対応付けられた告知モード振分確率で告知モードを決定するので、いずれの解除条件で開始時ロックを行うことが決定されたかによって遊技性を変化させることができる。したがって、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技性に幅を持たせることができる。
本実施の形態に係るパチスロ機1は、通常リプの入賞時に遊技者による遊技操作を無効化する通常再遊技ロックを実行してから終了されるまでの間、バックランプ106による演出を実行するため、遊技者がリール3L、3C、3Rから視点を移動しなくとも直感的に感得することができるバックランプ106による演出を通常リプに伴って発生させた場合であっても、当該演出を心おきなく遊技者に堪能させることができる。ここで、リールの図柄を背面から照らすバックランプによる演出は、遊技者がリールから視点を移動しなくとも直感的に感得することができるといった利点がある。しかしながら、従来の遊技機は、リール上部に設けられた液晶表示画面による演出については考慮されているものの、バックランプによる演出については、考慮されていなかった。これに対し、本実施の形態に係るパチスロ機1によれば、遊技者がリールから視点を移動しなくとも直感的に感得することができるバックランプによる演出を再遊技の作動役の入賞に伴って発生させた場合であっても、当該演出を心おきなく遊技者に堪能させることができる遊技機を提供することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)が検出された場合だけでなく、通常再遊技ロックの実行が開始された後所定時間(約3分)が経過した場合にも通常再遊技ロックを終了させ、これに基づいて、バックランプ106による演出を終了させる。そのため、長時間に亘って開始操作が行われない場合であっても、所定時間(約3分)が経過すればバックランプ106による演出を終了させることができ、遊技が行われていないにもかかわらず演出が継続してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、通常再遊技ロックの実行が開始された後所定時間(約3分)が経過する前であっても、バックランプ106による演出を終了させることが可能である。これにより、必要以上に長時間に亘ってバックランプ106による演出が継続してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、開始時ロックを行うことが決定される確率が異なる複数のモード間で、バックランプ106による各演出態様の出現頻度を異ならせるため、遊技者にモードを推測させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。