JP2017164046A - 静脈可視化装置および静脈可視化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体内の静脈への適切な穿刺を促すことを可能とする静脈可視化装置および静脈可視化方法を提供すること。【解決手段】実施形態によれば、静脈可視化装置1は、撮像部2および画像出力部である投射部3および表示部5を備える。撮像部2は、生体からの第1の波長域の反射光の検出により第1の画像を撮像する。撮像部2は、生体からの第2の波長域の反射光の検出により第2の画像を撮像する。撮像部2は、第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサであるイメージセンサ15,16、第1の波長選択部および第2の波長選択部を備える。第1の波長選択部は、第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサへ第1の波長域の光を選択的に進行させる。第2の波長選択部は、第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサへ第2の波長域の光を選択的に進行させる。【選択図】図2
Description
本実施形態は、静脈可視化装置および静脈可視化方法に関する。
従来、生体内の静脈が可視化された画像を表示する静脈可視化装置が知られている。針の穿刺に適した部位を画像から確認可能とすることで、静脈可視化装置は、静脈への穿刺を支援する。静脈可視化装置は、より適切な穿刺を促すことが求められている。
一つの実施形態は、生体内の静脈への適切な穿刺を促すことを可能とする静脈可視化装置および静脈可視化方法を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、静脈可視化装置は、撮像部および画像出力部を備える。撮像部は、生体からの第1の波長域の反射光の検出により第1の画像を撮像する。撮像部は、生体からの第2の波長域の反射光の検出により第2の画像を撮像する。撮像部は、第1のイメージセンサ、第2のイメージセンサ、第1の波長選択部および第2の波長選択部を備える。第1の波長選択部は、第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサへ第1の波長域の光を選択的に進行させる。第2の波長選択部は、第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサへ第2の波長域の光を選択的に進行させる。
以下に図面を参照して、実施形態にかかる静脈可視化装置および静脈可視化方法を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態にかかる静脈可視化装置1の構成を模式的に示す図である。静脈可視化装置1は、撮像部2、投射部3、照明部4および表示部5を備える。
図1は、実施形態にかかる静脈可視化装置1の構成を模式的に示す図である。静脈可視化装置1は、撮像部2、投射部3、照明部4および表示部5を備える。
照明部4は、被験者Hの穿刺される部位へ向けて照明光を照射する。撮像部2は、被験者Hからの反射光を検出し、画像を撮像する。撮像部2は、いわゆる二眼カメラである。
画像出力部としての投射部3および表示部5は、撮像された画像を基に生成された表示画像を出力する。投射部3は、画像信号に応じて変調された光を投射するプロジェクタである。投射部3は、被験者Hの穿刺される部位へ向けて光を投射する。表示部5は、表示画像を表示するディスプレイである。
図1に示す静脈可視化装置1において、撮像部2、投射部3、照明部4および表示部5は、任意の位置に配置可能であるものとする。撮像部2、投射部3および照明部4の間の光路中には、光路の分岐あるいは合成のための光学素子が配置されても良い。
図2は、静脈可視化装置1のブロック図である。静脈可視化装置1は、図1に示す撮像部2、投射部3、照明部4および表示部5と、画像処理部6および制御部7を備える。
照明部4は、近赤外(NIR)光源21および白色光源22を備える。NIR光源21は、近赤外領域(第2の波長領域)の光として、例えば750〜950nmの波長の光を出射する。白色光源22は、可視領域全般における波長の光を含む白色光を出射する。白色光源22は、可視領域(第1の波長領域)の光として、例えば400〜700nmの光を出射する。NIR光源21および白色光源22は、光を出射させるいずれの光源であっても良く、例えばレーザ光源あるいは発光ダイオードである。
撮像部2は、撮像レンズ11、フィルタ部13およびイメージセンサ15を備えた第1サブカメラモジュールと、撮像レンズ12、フィルタ部14およびイメージセンサ16を備えた第2サブカメラモジュールとを備える。
第1サブカメラモジュールの撮像レンズ11は、被写体からの反射光を取り込み、被写体像を結像させる。フィルタ部13は、撮像レンズ11によって取り込まれた光から、所定の波長域の光を選択的に透過させる。イメージセンサ15は、光を信号電荷へ変換する。第2サブカメラモジュールは、第1サブカメラモジュールと同様に構成されている。イメージセンサ15およびイメージセンサ16は、互いに異なる視点の画像を撮像する。
撮像処理回路17は、イメージセンサ15およびイメージセンサ16からの画像を処理する。また、撮像処理回路17は、撮像部2内の各部を制御する。レンズ駆動部18は、撮像処理回路17からの信号に応じて撮像レンズ11,12を移動させ、撮像レンズ11,12の焦点を調節する。例えば、撮像部2は、被写体に焦点が合うようにレンズ駆動部18を制御させるオートフォーカス機能を備える。フィルタ駆動部19は、撮像処理回路17からの制御に応じてフィルタ部13,14を動作させる。撮像処理回路17は、制御部7からの信号に応じてフィルタ駆動部19を制御する。
画像処理部6は、撮像部2からの画像を処理し、表示画像を生成する。画像処理部6は、例えば、画像処理用のハードウェア要素を備えるIC(Integrated Circuit)を含む。画像処理部6は、生成された表示画像を表示部5および投射部3へ出力する。
制御部7は、静脈可視化装置1内の各部を制御する。制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置とROM(Read Only Memory)等の記憶装置とを備えるマイクロコンピュータユニットである。演算装置は、記憶装置に記憶されたプログラム等を実行することにより制御部7の機能を実現する。制御部7は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であっても良い。
図3は、フィルタ部13の平面図である。フィルタ部13は、2つのフィルタ31,32およびホルダ33を備える。ホルダ33は、円板をなす。フィルタ31,32は、それぞれホルダ33に形成された開口に嵌め込まれている。フィルタ駆動部19は、円の中心点を軸としてホルダ33を回転させる。
第1の波長選択部としてのフィルタ31は、可視領域の光を透過させ、他の波長域の光を遮蔽する。フィルタ部13のフィルタ31は、可視領域の光を選択的にイメージセンサ15へ進行させる。第2の波長選択部としてのフィルタ32は、近赤外領域の光を透過させ、他の波長域の光を遮蔽する。フィルタ部13のフィルタ32は、近赤外領域の光を選択的にイメージセンサ15へ進行させる。
フィルタ部14は、フィルタ部13と同様に構成されている。フィルタ部14のフィルタ31は、可視領域の光を選択的にイメージセンサ16へ進行させる。フィルタ部14のフィルタ32は、近赤外領域の光を選択的にイメージセンサ16へ進行させる。フィルタ駆動部19は、撮像処理回路17を介する制御部7の制御に応じて、フィルタ部13,14を回転動作させる。
撮像部2は、白色光源22から被験者Hにて反射した可視光および環境光を検出することで、イメージセンサ15,16のそれぞれにおいて可視画像(第1の画像)を撮像する。撮像部2は、NIR光源21から被験者Hにて反射した近赤外光を検出することで、イメージセンサ15,16のそれぞれにおいて近赤外画像(第2の画像)を撮像する。
照明部4は、少なくともNIR光源21を備えていれば良く、白色光源22を備えていなくても良い。白色光源22を備えていない場合、撮像部2は、環境光を検出することで可視画像を撮像する。
図4は、可視画像を撮像するときの撮像レンズ11,12、フィルタ部13,14およびイメージセンサ15,16を示す図である。可視画像を撮像するとき、フィルタ駆動部19は、光路中にフィルタ31が入る状態となるように、フィルタ部13,14をそれぞれ回転させる。フィルタ部13のフィルタ31は、撮像レンズ11およびイメージセンサ15の間の光路に挿入される。フィルタ部14のフィルタ31は、撮像レンズ12およびイメージセンサ16の間の光路に挿入される。イメージセンサ15,16には、それぞれフィルタ31を透過した可視光が入射する。レンズ駆動部18は、被験者Hの皮膚表面に焦点が合うように、撮像レンズ11,12を動作させる。
白色光源22から被験者Hへ向けて出射された可視光および環境光は、被験者Hの皮膚表面で反射する。その反射光は、撮像レンズ11,12およびフィルタ31を経て、イメージセンサ15,16へ入射する。イメージセンサ15,16は、皮膚表面の像が写された可視画像をそれぞれ撮像する。撮像処理回路17は、互いに視点が異なる2つの可視画像を出力する。
画像処理部6は、例えば、2つの可視画像を用いて、皮膚表面を示す表示画像を生成する。表示画像は、平面画像および立体視画像のいずれであっても良い。画像処理部6は、2つの可視画像の視差量を基に、撮像レンズ11,12から皮膚表面までの距離である第1被写体距離を推定する。
図5は、近赤外画像を撮像するときの撮像レンズ11,12、フィルタ部13,14およびイメージセンサ15,16を示す図である。可視画像の撮像に次いで近赤外画像を撮像するとき、フィルタ駆動部19は、フィルタ部13,14をそれぞれ180度回転させることで、フィルタ31に代えて光路中にフィルタ32を入れる。フィルタ部13のフィルタ32は、撮像レンズ11およびイメージセンサ15の間の光路に挿入される。フィルタ部14のフィルタ32は、撮像レンズ12およびイメージセンサ16の間の光路に挿入される。イメージセンサ15,16には、それぞれフィルタ32を透過した近赤外光が入射する。レンズ駆動部18は、被験者Hの皮膚表面下の静脈上部に焦点が合うように、撮像レンズ11,12を動作させる。
NIR光源21から被験者Hへ向けて出射された近赤外光は、皮膚表面を通過して、被験者Hの体内へ進入する。体内の組織にて反射した光は、撮像レンズ11,12およびフィルタ32を経て、イメージセンサ15,16へ入射する。
体内へ進入した近赤外光のうち静脈へ到達した近赤外光は、静脈を流れる血液中のヘモグロビンへ吸収される。静脈へ到達した近赤外光の一部が吸収されることで、静脈からの反射光の強度は、静脈の周辺の組織からの反射光の強度に比べて低くなる。近赤外画像において静脈の像は、周辺組織とは異なる階調の部分として写し出される。イメージセンサ15,16は、静脈の像が写された近赤外画像をそれぞれ撮像する。撮像処理回路17は、互いに視点が異なる2つの近赤外画像を出力する。
画像処理部6は、例えば、2つの近赤外画像を用いて、静脈を示す表示画像を生成する。表示画像は、平面画像および立体視画像のいずれであっても良い。画像処理部6は、可視画像から得られた表示画像と近赤外画像から得られた表示画像との合成画像を生成しても良い。静脈可視化装置1は、表示部5にて合成画像を表示する。
画像処理部6は、2つの近赤外画像の視差量を基に、撮像レンズ11,12から静脈上部までの距離である第2被写体距離を推定する。画像処理部6は、第2被写体距離から第1被写体距離を差し引いた差分を、静脈の皮下深度の推定結果としても良い。これにより、静脈可視化装置1は、穿刺により針先端を到達させる適切な深度を提示することができる。
フィルタ部13,14は、ホルダ33の回転によってフィルタ31,32を切り換えるものに限られず、往復移動などの動作によってフィルタ31,32を切り換えても良い。フィルタ部13,14は、電圧印加に応じて波長特性が可変とされた液晶素子を備えるものでも良い。フィルタ部13の液晶素子は、撮像レンズ11およびイメージセンサ15の間の光路に設けられている。フィルタ部14の液晶素子は、撮像レンズ12およびイメージセンサ16の間の光路に設けられている。
例えば、液晶素子は、電圧が印加される間、可視領域の光を透過させ、かつ他の波長域の光を遮蔽する。電圧が印加されるときの液晶素子は、第1の波長選択部として機能する。液晶素子は、電圧印加が停止される間、近赤外領域の光を透過させ、かつ他の波長域の光を遮蔽する。電圧印加が停止されるときの液晶素子は、第2の波長選択部として機能する。フィルタ駆動部19は、フィルタ部13,14の液晶素子へ印加される電圧のONおよびOFFを切り換えることで、それぞれイメージセンサ15,16への光路にて第1の波長選択部と第2の波長選択部とを切り換える。
図6は、撮像部2における可視画像および近赤外画像の撮像と、画像出力部における表示画像の出力とのタイミングについて説明する図である。撮像部2は、イメージセンサ15,16での可視画像(VL)の撮像と、イメージセンサ15,16での近赤外画像(NI)の撮像とを交互に行う。図6には、可視画像の撮像および近赤外画像の撮像による各フレームタイミングと、皮下深度の情報を含む表示画像の出力タイミングとを示している。
撮像部2がイメージセンサ15,16にてそれぞれ120fpsの撮像を行うとする。画像処理部6は、時間t(=約8.3ms)の可視画像の撮像により、皮膚表面までの第1被写体距離の情報を取得する。画像処理部6は、次の時間tにおける近赤外画像の撮像により、静脈上部までの第2被写体距離の情報を取得する。画像処理部6は、時間2t(=約16.7ms)における可視画像および近赤外画像の撮像により、皮下深度の情報を含む表示画像を生成する。画像出力部は、生成された表示画像を出力する。表示画像は時間2tにて生成されるほか、生成に要する時間に応じて時間2tより長い時間にて生成されることとしても良い。
図7は、イメージセンサ15,16で得られた画像からの被写体距離の推定について説明する図である。撮像レンズ11および撮像レンズ12の間のあらかじめ定められた距離に対して、図7に例示するような視差量と被写体との関係が設定されている。画像処理部6は、視差量と被写体との関係から、例えば視差量200μmに対応する被写体距離0.3mを算出する。画像処理部6は、2つの可視画像の視差量を基に、第1被写体距離を求める。画像処理部6は、2つの近赤外画像の視差量を基に、第2被写体距離を求める。
次に、画像処理部6にて実行される処理の例を説明する。図8は、静脈の深度方向におけるヘモグロビンの濃度の分布を説明する図である。グラフの縦軸は、静脈である血管の深度方向(Z方向とする)に存在するヘモグロビンの濃度を表す。横軸は、血管のうちZ方向および血流方向に垂直な水平幅方向(X方向とする)における位置を表す。図8には、血管ごとのヘモグロビン濃度分布の例として、血管Aについての濃度分布グラフ(CA)と、血管Bについての濃度分布のグラフ(CB)とを示している。
Z方向におけるヘモグロビンの量が多いほど反射光の強度が低くなることから、血管におけるヘモグロビン濃度分布は、近赤外画像に写された血管の像から推定できる。画像処理部6は、例えばCAがピークとなるX方向の位置を、X方向における血管Aの中心位置と推定する。画像処理部6は、血管ごとに、血管の水平幅方向における中心位置を推定できる。画像処理部6は、中心位置の情報を含めた表示画像を生成しても良い。これにより、静脈可視化装置1は、血管のうち穿刺に適した中心位置を提示することができる。
画像処理部6は、1本の血管の複数の箇所における中心位置を求めても良く、中心位置同士を繋ぐことで血管の中心線を求めても良い。画像処理部6は、血管の実際の水平幅と血管の像を表す信号値の分布とについてあらかじめ求められている関係を基に、血管の像から血管の水平幅を推定しても良い。画像処理部6は、これらの推定可能ないずれの情報を表示画像に含めても良い。
CAおよびCBは、同じX方向範囲の濃度分布である一方、CBのピークはCAのピークより低い。画像処理部6は、ヘモグロビン濃度分布におけるピークの高さから血管の深度幅を推定できる。
図9は、ヘモグロビン濃度分布と血管の断面形状との関係について説明する図である。VAおよびVBは、それぞれ血管Aおよび血管BのXZ断面形状を示している。
血管AについてのCAのピークに比べて血管BについてのCBのピークが低いことは、血管Bの中心位置におけるヘモグロビン濃度が、血管Aの中心位置におけるヘモグロビン濃度より低いことを表す。血管Aおよび血管Bのこのような関係が近赤外画像から得られた場合に、画像処理部6は、血管Bの中心位置における深度幅が、血管Aの中心位置における深度幅に比べて狭いものと推定する。例えば、VAの断面が略円形をなしているのに対し、VBの断面はZ方向において扁平した楕円形をなしている。画像処理部6は、血管同士の深度幅の比較結果を含めた表示画像を生成しても良い。
画像処理部6は、血管の実際の深度幅とその深度幅に対する撮像部2の検出結果である信号値との関係をあらかじめ求めておき、その関係を基に、血管の深度幅を推定しても良い。画像処理部6は、1本の血管の複数の箇所における深度幅を求めても良い。画像処理部6は、推定された水平幅および深度幅を基に、血管の断面形状を推定しても良い。画像処理部6は、これらの推定可能ないずれの情報を表示画像に含めても良い。これにより、静脈可視化装置1は、静脈の像の表示とともに、適切な穿刺を促すための情報を提示することができる。
画像処理部6は、血管の像を基に、血管の皮下深度を推定しても良い。皮下深度は、皮膚表面Sから、血管のうち皮膚表面S側の最上部までの深度とする。
図10は、血管の皮下深度と視差量との関係例を示す図である。図10に示すグラフは、血管の実際の皮下深度と、その皮下深度の血管をイメージセンサ15,16で撮像して得られた視差量との関係を表している。かかる関係は、あらかじめ求められたものとする。グラフの縦軸は視差量を表す。横軸は皮下深度を表す。図10に示す血管の実際の皮下深度は、例えば超音波エコーの手法を用いて検出される。
例えば、イメージセンサ15,16で撮像された近赤外画像からある血管について30画素に相当する視差量が検出された場合に、画像処理部6は、図10に示す関係を基に、視差量30画素に対応する皮下深度0.5mmを算出する。画像処理部6は、推定された皮下深度の情報を含めた表示画像を生成しても良い。
制御部7は、皮下深度が推定された以降の近赤外画像の撮像において、その皮下深度の位置に焦点が合うようにレンズ駆動部18を制御しても良い。これにより、撮像部2は、静脈の最上部に焦点を合わせて近赤外画像を撮像できる。
図11は、画像出力部から出力される表示画像の第1例を示す図である。第1例の表示画像は、例えば投射部3から被験者Hの穿刺部位へ投射される。第1例の表示画像では、画像処理部6において推定された血管の水平幅の情報を基に、穿刺し易さによる推奨順位が色分けによって示されている。
例えば、表示画像に表されたV1,V2およびV3は、それぞれ近赤外画像から得られた血管の像とする。画像処理部6は、かかる3つの血管の水平幅の推定結果同士を比較して、水平幅が広い血管を上位とする順位付けを行う。画像処理部6は、かかる順位付けに応じて、血管の各像に着色を施す。
例えば、V1,V2,V3の順序の順位付けがされた場合に、画像処理部6は、穿刺に最も適することを示す赤の着色、その次に適することを示す橙の着色、最も適さないことを示す青の着色を、それぞれV1,V2およびV3に施す。これにより、静脈可視化装置1は、穿刺に適する血管であるか否かの情報を提示することができる。
画像処理部6は、血管の深度幅の推定結果あるいは皮下深度の推定結果に基づいて、推奨順位を決定しても良い。画像処理部6は、深度幅が広い血管を上位とする順位付け、あるいは皮下深度が浅い血管を上位とする順位付けを行う。画像処理部6は、水平幅、深度幅および皮下深度の二以上から穿刺し易さを評価して、推奨順位を決定しても良い。第1例の表示画像は、表示部5に表示されるものとしても良い。
図12は、画像出力部から出力される表示画像の第2例を示す図である。第2例の表示画像は、例えば表示部5に表示される。第2例の表示画像では、1つの血管における所定の箇所における皮下深度の情報が付加されている。皮下深度の情報は、例えば第1例にて水平幅の情報を基に推奨順位が1位と評価された血管の像に付加される。
画像処理部6は、図12の(a)に示す表示画像にて、1位の血管の像V1に、血管の所定の2箇所における断面形状と皮下深度の情報を付加する。画像処理部6は、例えば、血管の複数の箇所から穿刺し易さを評価した結果を基に、これらの情報が付加される箇所を決定しても良い。例えば、画像処理部6は、表示画面に示される範囲内で最も穿刺し易いと評価した箇所と、最も穿刺しにくいと評価した箇所とに、情報を付加する。画像処理部6は、血管の箇所ごとに推定された断面形状および皮下深度を基に、穿刺し易さを評価する。
例えば、V1のある箇所には、断面形状を示す円とともに皮下深度を示す「5mm」の表示が付加される。V1のその他の箇所には、断面形状を示す楕円とともに皮下深度を示す「3mm」の表示が付加される。これにより、静脈可視化装置1は、穿刺に適する箇所であるか否かの情報を提示することができる。
図12の(b)および(c)は、皮下深度の情報の付加についての変形例を示している。画像処理部6は、図12の(b)に示す表示画像において、V1の所定の箇所に、矢印とともに皮下深度の情報を付加する。画像処理部6は、図12の(c)に示す表示画像において、V1の所定の箇所に、丸印とともに皮下深度の情報を付加する。
図13は、実施形態の変形例にかかる静脈可視化装置1の撮像および表示画像の出力タイミングについて説明する図である。変形例の静脈可視化装置1は、撮像部2として2つの二眼カメラを搭載している。
撮像部2は、可視画像を撮像する第1および第2サブカメラモジュール(可視用サブカメラモジュール)と、近赤外画像を撮像する第1および第2サブカメラモジュール(赤外用サブカメラモジュール)とを備える。撮像部2は、可視用サブカメラモジュールによる可視画像(VL)の撮像と、赤外用サブカメラモジュールによる近赤外画像(NI)の撮像とを同時に行う。
可視用サブカメラモジュールは、第1の波長選択部としてのフィルタ31を備える。フィルタ31は、可視用サブカメラモジュールの撮像レンズ11,12およびイメージセンサ15,16の間の光路に配置される。赤外用サブカメラモジュールは、第2の波長選択部としてのフィルタ32を備える。フィルタ32は、赤外用サブカメラモジュールの撮像レンズ11,12およびイメージセンサ15,16の間の光路に配置される。
可視用サブカメラモジュールおよび赤外用サブカメラモジュールがそれぞれ60fpsの撮像を行うとする。画像処理部6は、時間t(=約16.7ms)の可視画像の撮像により、皮膚表面までの第1被写体距離の情報を取得する。また、画像処理部6は、時間tの近赤外画像の撮像により、静脈上部までの第2被写体距離の情報を取得する。画像処理部6は、時間tにおける可視画像および近赤外画像の撮像により、皮下深度の情報を含む表示画像を生成する。画像出力部は、生成された表示画像を出力する。表示画像は時間tにて生成されるほか、生成に要する時間に応じて時間tより長い時間にて生成されることとしても良い。
静脈可視化装置1は、静脈可視化方法の実行のための専用の電子機器であっても良く、静脈可視化の機能が備えられたその他の電子機器であっても良い。実施形態にかかる静脈可視化方法は、いずれの電子機器で実現しても良い。静脈可視化装置1は、実施形態にかかる静脈可視化方法を実現可能なアプリケーションがインストールされたコンピュータあるいは携帯機器等を備えても良い。静脈可視化装置1の構成要素は、アプリケーションがインストールされた電子機器に備えられたものであっても良い。例えば、撮像部2は携帯機器のカメラであっても良く、表示部5は携帯機器のディスプレイあるいはパーソナルコンピュータのディスプレイであっても良い。静脈可視化装置1は、画像出力部としての投射部3および表示部5の少なくとも一方を含むものであれば良い。
実施形態によれば、静脈可視化装置1は、第1の波長選択部から進行した第1の波長域の光の検出により第1の画像を撮像し、第2の波長選択部から進行した第2の波長域の光の検出により第2の画像を撮像する。静脈可視化装置1は、第1および第2イメージセンサを使用して、第1の画像の被写体距離の情報と第2の画像の被写体距離の情報とを得る。静脈可視化装置1は、生体表面の像が写された画像と生体内部の静脈が写された画像から、静脈の皮下深度の情報を得ることができる。その結果、静脈可視化装置1は、生体内の静脈への適切な穿刺を促すための情報を提供することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 静脈可視化装置、2 撮像部、3 投射部、4 照明部、5 表示部、6 画像処理部、15,16 イメージセンサ、31,32 フィルタ。
Claims (7)
- 生体からの第1の波長域の反射光の検出により第1の画像を撮像し、前記生体からの第2の波長域の反射光の検出により第2の画像を撮像する撮像部と、
前記第1の画像および前記第2の画像に基づく表示画像を出力する画像出力部と、
を備え、
前記撮像部は、
第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサと、
前記第1のイメージセンサおよび前記第2のイメージセンサへ前記第1の波長域の光を選択的に進行させる第1の波長選択部と、
前記第1のイメージセンサおよび前記第2のイメージセンサへ前記第2の波長域の光を選択的に進行させる第2の波長選択部と、
を備えることを特徴とする静脈可視化装置。 - 前記第1のイメージセンサへの光路および前記第2のイメージセンサへの光路にて前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部とを切り換える切り換え部を備えることを特徴とする請求項1に記載の静脈可視化装置。
- 撮像された前記第1の画像および前記第2の画像を処理する画像処理部を備え、
前記画像処理部は、前記第1のイメージセンサおよび前記第2のイメージセンサにて得られた前記第1の画像を基に第1被写体距離を推定し、前記第1のイメージセンサおよび前記第2のイメージセンサにて得られた前記第2の画像を基に第2被写体距離を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の静脈可視化装置。 - 前記画像出力部は、前記生体へ前記表示画像を投射する投射部と、前記表示画像を表示する表示部との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の静脈可視化装置。
- 前記画像出力部は、前記生体内の静脈上部までの皮下深度を推定した結果を含む表示画像を出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の静脈可視化装置。
- 前記第1の波長域および前記第2の波長域はそれぞれ可視領域および赤外領域であって、
少なくとも前記赤外領域の照明光を照射させる照明部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の静脈可視化装置。 - 生体からの第1の波長域の反射光および第2の波長域の反射光を取り込み、
第1の波長選択部を通過した前記第1の波長域の反射光を第1のイメージセンサおよび第2のイメージセンサで検出することにより第1の画像を撮像し、
前記第1のイメージセンサへの光路および前記第2のイメージセンサへの光路の前記第1の波長選択部を第2の波長選択部に切り換え、
前記第2の波長選択部を通過した前記第2の波長域の反射光を前記第1のイメージセンサおよび前記第2のイメージセンサで検出することにより第2の画像を撮像し、
前記第1の画像および前記第2の画像に基づく表示画像を出力する
ことを特徴とする静脈可視化方法。
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WO2020230408A1 (ja) * | 2019-05-15 | 2020-11-19 | 株式会社日本マイクロニクス | 血管特定装置及び血管特定方法 |
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