JP2017163189A - アンテナ装置および電子機器 - Google Patents

アンテナ装置および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2017163189A
JP2017163189A JP2016043168A JP2016043168A JP2017163189A JP 2017163189 A JP2017163189 A JP 2017163189A JP 2016043168 A JP2016043168 A JP 2016043168A JP 2016043168 A JP2016043168 A JP 2016043168A JP 2017163189 A JP2017163189 A JP 2017163189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulator
coil
frequency band
coupling conductor
antenna device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016043168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6724429B2 (ja
Inventor
賢太郎 三川
Kentaro Mikawa
賢太郎 三川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2016043168A priority Critical patent/JP6724429B2/ja
Publication of JP2017163189A publication Critical patent/JP2017163189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6724429B2 publication Critical patent/JP6724429B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

【課題】周波数が離れた2つの周波数帯で放射素子を兼用する場合に、その放射素子にトランスやバランが接続されることによる悪影響を生じ難くしたアンテナ装置およびそれを備える電子機器を提供する。【解決手段】第1絶縁体と、この第1絶縁体に固定され、実効透磁率が第1絶縁体より高い第2絶縁体と、第1絶縁体に形成され、第1周波数帯の第1給電回路および放射素子に接続される第1結合導体31と、第2絶縁体に形成され、第1結合導体31と結合し、第1周波数帯の周波数より低い第2周波数帯の第2給電回路82に接続される第2結合導体32と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は周波数帯の異なる通信信号を用いる通信システムで兼用されるアンテナ装置およびそのアンテナ装置を備える電子機器に関する。
近年の通信機器の高機能化に伴い、例えば携帯電話端末やいわゆるスマートフォンは、基地局との通信用のアンテナだけではなく、NFC(Near field communication)などの近距離通信も必要になってきている。
例えば、特許文献1には、周波数帯の異なる複数のシステムで兼用される小型のアンテナ装置が開示されている。このアンテナ装置は、放射素子と、その放射素子に接続された第1周波数帯の給電回路と、放射素子に対向配置されたグランド導体と、放射素子とグランド導体との間を接続するリアクタンス素子と、給電コイルと、給電コイルに接続された第2周波数帯の給電回路とを備える。上記放射素子は、例えば、第1周波数帯では基地局との通信のための電界放射型アンテナとして作用し、第2周波数帯ではNFC用のアンテナの一部として作用する。
国際公開第2014/098024号
例えばUHF/SHF帯である第1周波数帯で電磁波放射型アンテナ(遠方界伝送用アンテナ)として作用する放射素子を、例えばHF帯である第2周波数帯で磁界放射型アンテナ(磁界結合型の近傍界伝送用アンテナ)の一部に兼用するためには、インピーダンス整合を図り、第2周波数帯の給電回路から磁界放射型アンテナに対して充分に給電できるように構成することが重要である。そのため、インピーダンス変換を行うとともに、第2周波数帯の給電回路と磁界放射型アンテナとを強く結合させる巻線トランスを設けることが有効である。
または、上記第2周波数帯を利用するNFC用給電回路は、実用上の出力を高めるため、コイルアンテナを接続する出力部は差動回路(平衡回路)で構成されることが多い。一方、上記第1周波数帯を利用する、例えば基地局との通信のための放射素子は、モノポール型アンテナを変形させたものが多く、等価回路上は不平衡回路である。そのため、NFC用給電回路を放射素子に接続すると、平衡回路と不平衡回路との間で不要なリーク電流が流れる等の問題が生じる。そのため、平衡・不平衡変換回路(バラン)を設けて、この平衡・不平衡変換回路を介して、放射素子とNFC用給電回路との間を電気的に接続することが有効である。
しかし、第1周波数帯と第2周波数帯とは周波数が大きく異なるので、アンテナ装置を電磁波放射型アンテナとして作用させる場合と磁界放射型アンテナとして作用させる場合とでは、トランスに必要とされる損失等の特性が大きく異なる。そのため、兼用される放射素子が電磁波放射型アンテナとして用いられる場合も、磁界放射型アンテナとして用いられる場合も、トランスやバランによる悪影響が生じやすい。
上述のことは、一つの放射素子を、周波数帯の異なる二つの通信に兼用する場合に限らず、互いに異なる周波数帯で、一つの放射素子を通信とワイヤレス電力伝送とに兼用する場合にも同様に生じる。
そこで、本発明の目的は、周波数が離れた2つの周波数帯で放射素子を兼用する場合に、その放射素子を2つの周波数帯で有効に利用できるようにしたアンテナ装置およびそれを備える電子機器を提供することにある。
(1)本発明のアンテナ装置は、
第1絶縁体と、
前記第1絶縁体に固定され、透磁率が前記第1絶縁体より高い第2絶縁体と、
前記第1絶縁体に形成され、第1周波数帯の第1給電回路および放射素子に接続される第1結合導体と、
前記第2絶縁体に形成され、前記第1結合導体と結合し、前記第1周波数帯の周波数より低い第2周波数帯の第2給電回路に接続される第2結合導体と、
を備える。
上記の構成により、相対的に高周波帯である第1周波数帯の信号が、例えば非磁性フェライトのように透磁率が相対的に低い第1絶縁体に形成された第1結合導体に印加(通電)されるので、第1絶縁体に生じるヒステリシス損は小さい。また、相対的に低周波帯である第2周波数帯の信号は、磁性フェライトのように透磁率の高い第2絶縁体に形成された第2結合導体に、印加(通電)されるので、少なくとも磁界を介して強く結合する。さらに、第2絶縁体の高い透磁率により、所定のインダクタンスを得るために要する第2結合導体は短くて済むので、第2結合導体による導体損は小さい。これらの作用により、周波数が離れた2つの周波数帯で放射素子を兼用する場合に、その放射素子にトランスやバランが接続されることによる悪影響が軽減される。
(2)前記第1結合導体はコイル状であり、前記第2結合導体はコイル状であり、前記第1結合導体と前記第2結合導体とは、同じ巻回軸周りに巻回され、前記第1結合導体、前記第2結合導体、前記第1絶縁体および前記第2絶縁体が一つの素子として構成されることが好ましい。そのことにより、第1絶縁体と第2絶縁体との位置関係、および第1結合導体と第2結合導体との位置関係が一定になるので、第1給電回路および第2給電回路から視た放射素子の特性が安定化される。
(3)上記(1)または(2)において、前記第2結合導体は少なくとも一部が前記第2絶縁体から露出していてもよい。そのことにより、第2結合導体は第2周波数帯の放射素子の一部として利用できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記第1絶縁体および前記第2絶縁体は一体焼結されたセラミックスであることが好ましい。これにより、第1絶縁体と第2絶縁体とは容易に一体化される。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第2結合導体のインダクタンスは前記第1結合導体のインダクタンスよりも大きいことが好ましい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1周波数帯はUHF帯またはSHF帯であり、前記第1周波数帯はHF帯であることが好ましい。
(7)本発明の電子機器は、
第1周波数帯の第1給電回路と、前記第1周波数帯の周波数より低い第2周波数帯の第2給電回路と、アンテナ装置とを備え、
前記アンテナ装置は、
第1絶縁体と、
前記第1絶縁体に固定され、透磁率が前記第1絶縁体より高い第2絶縁体と、
前記第1絶縁体に形成され、前記第1給電回路および放射素子に接続される第1結合導体と、
前記第2絶縁体に形成され、前記第1結合導体と結合し、前記第2給電回路に接続される第2結合導体と、
を備えることを特徴とする。
上記の構成により、第1周波数帯を使用する通信時または電力伝送時の損失が低減され、放射素子を兼用することで小型化されるとともに低損失化が図れる。
(8)上記(7)において、前記放射素子を少なくとも一部に含む筐体を備えることが好ましい。
本発明によれば、周波数が離れた2つの周波数帯で放射素子を兼用する場合に、その放射素子を2つの周波数帯で有効に利用できるようにしたアンテナ装置およびそれを備える電子機器が得られる。
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の平面図であり、図1(B)は、図1(A)におけるA−A断面図であり、図1(C)は、図1(A)におけるB−B断面図である。 図2はアンテナ装置101を備える、例えばスマートフォン等の電子機器の金属筐体部を示す斜視図である。 図3はアンテナ装置101の回路図である。 図4はバラン3の分解斜視図である。 図5は、図4におけるC−C部分での、バラン3の断面図である。 図6はアンテナ装置101の、集中定数素子による等価回路図である。 図7(A)はUHF帯またはSHF帯でのアンテナ装置101の等価回路図であり、図7(B)はHF帯でのアンテナ装置101の等価回路図である。 図8は第2の実施形態に係るバラン3の断面図である。 図9は、第3の実施形態に係るアンテナ装置103の主要部を回路図として表した図であり、特に、トランス2に対する回路の接続関係を示す図である。 図10は第4の実施形態に係るアンテナ装置104の、集中定数素子による等価回路図である。
各実施形態に示す「アンテナ装置」は、信号(または電力)の送信(送電)側、受信(受電)側のいずれにも適用できる。この「アンテナ装置」を、磁束を放射するアンテナとして説明する場合でも、そのアンテナ装置が磁束の発生源であることに限るものではない。伝送相手側アンテナ装置が発生した磁束を受ける(鎖交する)場合にも、すなわち各実施形態に示す「アンテナ装置」と通信相手側アンテナ装置との送受の関係が逆であっても、各実施形態に示す「アンテナ装置」は同様の作用効果を奏する。
以降に示す各実施形態に示す「アンテナ装置」は、通信相手側アンテナ装置と磁界結合を用いた近傍界通信のために用いられるアンテナ装置、または電力伝送相手側アンテナ装置と磁界結合を用いた近傍界での電力伝送のために用いられるアンテナ装置である。通信の場合には、例えばNFC(Near field communication)等の通信システムに適用される。電力伝送の場合には、例えば電磁誘導方式や磁界共鳴方式等の電力伝送システムに適用される。
各実施形態に示す第2周波数帯は、例えばHF帯、特に13.56MHz、6.78MHzまたはそれらの近傍の周波数帯である。第2周波数帯におけるアンテナ装置の大きさは、第2周波数帯の波長λ2に比べて十分に小さく、使用周波数帯においては電磁波の放射効率は低い。アンテナ装置の大きさはλ2/10以下である。各実施形態に示す第1周波数帯は、例えばUHF帯またはSHF帯またはそれ以上高い周波数帯である。第1周波数帯におけるアンテナ装置の大きさは、第1周波数帯の波長λ1と同程度またはそれより大きく、使用周波数帯においては電磁波の放射効率は高い。アンテナ装置の大きさはλ1/10以上である。また、第2周波数帯は第1周波数帯の1/10以下の周波数である。なお、ここでいう波長とは、コイルアンテナ導体が形成される基材の誘電性や透磁性による波長短縮効果を考慮した実効的な波長である。
各実施形態において、「電子機器」とは、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話端末、スマートウォッチやスマートグラス等のウェアラブル端末、ノートPCやタブレットPC等の携帯PC、カメラ、ゲーム機、玩具等の情報機器、ICタグ、SDカード、SIMカード、ICカード等の情報媒体等、様々な電子機器を指す。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の平面図であり、図1(B)は、図1(A)におけるA−A断面図であり、図1(C)は、図1(A)におけるB−B断面図である。図2はアンテナ装置101を備える、例えばスマートフォン等の電子機器の金属筐体部を示す斜視図である。図3はアンテナ装置101の回路図である。
アンテナ装置101は、放射素子1、基板6A,6B、バッテリーパック8、キャパシタC1、第1給電回路81、第2給電回路82、バラン3、リアクタンス素子61,62およびキャパシタC41,C42,C43,C44を備える。電子機器の筐体は、第1給電回路81、第2給電回路82、その他の回路およびその他の部品を収納する。
放射素子1は、平面形状が矩形であって、導電性を有する平板である。放射素子1は、長手方向が横方向(図1(A)におけるX方向)に一致しており、長手方向の両端に第1端部E1および第2端部E2を有する。この放射素子1は、図2に示すように、電子機器の金属筐体の一部である。すなわち、電子機器の筐体は放射素子1を一部に含む。放射素子1は、放射素子1の任意の2点間の放射素子1の表面または内部のみを経由した最短の長さのうち、最長となる長さが、後述の第1周波数帯の波長をλ1で表したときのλ1/10以上、後述の第2周波数帯の波長をλ2で表したときのλ2/10以下である。
なお、電子機器の筐体のうち放射素子を兼ねる部分は金属に限らず、グラファイト等でもよく、導電性を有すればよい。
基板6A,6Bは、平面形状が矩形である絶縁体の平板である。基板6Aは内部に平板状のグランド導体4を備える。基板6A,6Bは、バッテリーパック8を挟んで縦方向(図1(A)におけるY方向)に並べて配置され、且つ、同一平面上に配置される。基板6Aおよび基板6Bは、図示しない同軸ケーブル等によって接続される。
キャパシタC1、第1給電回路81、第2給電回路82、バラン3、リアクタンス素子61,62およびキャパシタC41〜C44は、基板6Aの一方主面(図1(A)における基板6Aの表側の面)に実装される。バラン3の構成については後に詳述する。キャパシタC1,C41〜C44は例えばチップキャパシタ等の電子部品である。チョークインダクタCHCは例えばチップコイル等の電子部品である。
図3は、図1(A)に示したアンテナ装置101の主要部を回路図として表した図であり、特に、バラン3に対する回路の接続関係を示す図である。
バラン3の第1コイル(「第1結合導体」)31は、放射素子1とグランド導体4との間に接続される(図1(A)(B)(C)、図3参照)。具体的には、バラン3の端子P22は、接続導体71Aおよび接続ピン7を介して放射素子1の第1端部E1付近に接続され、バラン3の端子P21は、接続導体72Aおよび層間接続導体52Aを介してグランド導体4に接続される。バラン3の第2コイル(「第2結合導体」)32の接続については後述する。
接続導体71A,72Aは、基板6Aの一方主面に形成された線状の導体パターンである。接続ピン7は例えば可動型プローブピンであり、層間接続導体52Aは例えばビア導体である。
キャパシタC1は、放射素子1とグランド導体4との間に接続される。具体的には、キャパシタC1の一端は、接続導体73Aおよび接続ピン7を介して放射素子1の第2端部E2付近に接続され、キャパシタC1の他端は、接続導体74Aおよび層間接続導体(図示省略)を介してグランド導体4に接続される。接続導体73A,74Aは、基板6Aの一方主面に形成された線状の導体パターンである。
したがって、図1(A)に示すように、放射素子1、グランド導体4、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1を含むループが構成される。
第1給電回路81は、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)用ICである。第1給電回路81の入出力部は、基板6Aの一方主面に形成された接続導体、接続ピン7およびリアクタンス素子61を介して、放射素子1の長手方向の第2端部E2付近に接続される。リアクタンス素子61は例えばチップキャパシタ等の電子部品であり、第1給電回路81は例えば2.4GHz帯の無線LANの通信システムの給電回路である。
リアクタンス素子62を含めた放射素子1とグランド導体4との接続部は、放射素子1を含むアンテナと第1給電回路81とのマッチング用に設けるスタブであり、リアクタンス素子62が基板6Aの一方主面に形成された接続導体および接続ピン7を介して、放射素子1の第2端部E2付近に接続される。リアクタンス素子62は例えばチップキャパシタ等の電子部品である。なお、リアクタンス素子62は必要に応じて複数備える構成であってもよい。但し、リアクタンス素子62は必須の構成ではなく、スタブを設けない構成でもよい。また、接続部はリアクタンス素子62を介さずに、放射素子1とグランド導体4とを直接接続してもよい。
第2給電回路82は、平衡入出力型のHF帯(第2周波数帯)ICである。第2給電回路82の入出力部は、キャパシタC41〜C44を介してバラン3の第2コイル(「第2結合導体」)32に接続されている(図3参照)。バラン3の第2コイル32にはキャパシタC41,C42の直列回路が並列に接続されており、バラン3の第2コイル32とキャパシタC41,C42とによってLC共振回路が構成されている。第2給電回路82はキャパシタC43,C44を介して上記LC共振回路にHF帯(第2周波数帯)の通信信号を給電する。第2給電回路82は例えば13.56MHzのRFID用のRFIC素子である。
上記バラン3の第2コイル32は、放射素子1、グランド導体4、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1を含むループと、磁界結合または電磁界結合(磁界結合および電界結合)する。
図4は上記バラン3の分解斜視図である。図5は、図4におけるC−C部分での、バラン3の断面図である。
バラン3は、コイルパターン32a,32b,32c,32dが形成された基材層S1,S2,S3,S4、コイルパターン31a,31b,31c,31dが形成された基材層S5,S6,S7,S8、コイルパターン32e,32f,32g,32hが形成された基材層S9,S10,S11,S12を備える。
コイルパターン31a,31b,31c,31dによって矩形ヘリカル状の第1コイル31が構成される。また、コイルパターン32a,32b,32c,32dによって矩形ヘリカル状のコイル32Aが構成され、コイルパターン32e,32f,32g,32hによって矩形ヘリカル状のコイル32Bが構成される。このコイル32A,32Bによって第2コイル32が構成される。第1コイル31と第2コイル32は、第1コイル31の巻回軸方向または第2コイル32の巻回軸方向に平面視したとき、第1コイル31のコイル開口と第2コイル32のコイル開口とは重なる。さらには、第1コイル31と第2コイル32とは同軸である。すなわち、第1コイル31と第2コイル32は同じ巻回軸周りに巻回されている。基材層S1〜S12の積層体の外面には入出力端子P11,P12,P21,P22が形成されるが、図4では図示を省略している。
上記複数の基材層のうち、基材層S1,S2,S3,S9,S10,S11は磁性フェライトの層であり、基材層S4,S5,S6,S7,S8,S12は非磁性フェライトの層である。基材層S4,S5,S6,S7,S8は、本発明に係る「第1絶縁体」に相当し、基材層S1,S2,S3,S9,S10,S11は、本発明に係る「第2絶縁体」に相当する。すなわち、第1コイル31は、実効透磁率が相対的に低い第1絶縁体に形成され、第2コイル32は実効透磁率の高い第2絶縁体に形成される。より具体的には、第1コイル31は、コイル導体に沿った長さ(コイル導体に流れる電流の電流経路の長さ)において、第2絶縁体よりも第1絶縁体に形成されている長さの割合が高く、第2コイル32は、コイル導体に沿った長さ(コイル導体に流れる電流の電流経路の長さ)において、第1絶縁体よりも第2絶縁体に形成されている長さの割合が高くなるように形成されている。
バラン3は、磁性フェライトグリーンシートおよび非磁性フェライトグリーンシートに所定のコイルパターンが印刷形成され、積層圧着され、個片に分離され、それぞれ焼成されることで製造される。すなわち、「第2絶縁体」は「第1絶縁体」に固定され、両者は一体となっている。
このようにして、第1コイル31と第2コイル32とは、同じ巻回軸周りに巻回され、第1コイル31(第1結合導体)、第2コイル32(第2結合導体)、非磁性体層(第1絶縁体)および磁性体層(第2絶縁体)が一つの素子として構成される。そのことにより、非磁性体層と磁性体層との位置関係、および第1コイル31と第2コイル32との位置関係が一定になる。
図4・図5に表れているように、第2コイル32は、第2コイル32の巻回軸と垂直な平面において、磁性体(第2絶縁体)から露出している(磁性体内に埋設されていない)ので、また、磁性体層は第2コイル32に関する閉磁路を構成せず、第2コイル32に流れる電流により生じる磁束はバラン3の外部に拡がる。そのため、第2コイル32は第2周波数帯の放射素子の一部としても利用できる。さらに、磁性体層は第2コイル32に関する閉磁路を構成しないため、第2コイル32に流れる電流により生じる磁束は第1コイル31と鎖交しやすくなり、第1コイル31と第2コイル32との間の結合係数が高まり、第1コイル31と第2コイル32との間で伝送の効率が高まる。
図6はアンテナ装置101の、集中定数素子による等価回路図である。図6において、放射素子1をインダクタL0で表し、バラン3の第1コイル31をインダクタL1で表し、バラン3の第2コイル32をインダクタL2で表している。また、図6では、第2コイル32と放射素子1との間の相互インダクタンスをM02で表し、第1コイル31と第2コイル32との間の相互インダクタンスをM12で表している。第2コイル32と放射素子1との磁界結合は、上述のとおり、バラン3の第2コイルの磁路が開磁路であることに起因する。
なお、第2コイル32を構成する導体と放射素子1を構成する導体とが磁界結合する必要はなく、第2給電回路82が電気的に接続される第2コイル32と、放射素子1を含むループに含まれる第1コイル31とが少なくとも磁界結合により電気的に接続されればよい。
図7(A)はUHF帯またはSHF帯でのアンテナ装置101の等価回路図であり、図7(B)はHF帯でのアンテナ装置101の等価回路図である。図7(A)において、リアクタンス素子61,62をキャパシタC61,C62で表している。
UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)では、キャパシタC1は低インピーダンスであり、等価的にショート状態となる。そのため、図7(A)において接地端SPで示すとおり、放射素子1は所定の位置で接地される。チョークインダクタCHCとバラン3の第1コイル31との直列回路は、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)では高インピーダンスであり、等価的にオープン状態となる。そのため、図7(A)において開放端OPで示すとおり、放射素子1の一端は開放される。
第1給電回路81は放射素子1の接続点を給電点として電圧給電する。UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)では、放射素子1の開放端OPが電流強度ゼロ、接地端SPが電圧強度ゼロとなるように共振する。言い換えると、UHF帯またはSHF帯で共振するように、放射素子1の長さ等が定められている。ただし、この放射素子1は700MHz〜2.4GHzの周波数帯域のうちローバンドでは基本モードで共振し、ハイバンドでは高次モードで共振する。したがって、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)では、図6において実線の矢印で示す領域に電流が流れる。
なお、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)において、共振回路とはせずにキャパシタC1単独で用いる場合は、キャパシタC1は完全にはショート状態にはならないので、放射素子1の接地端SPに多少の電圧強度が生じる。同様に、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)において、反共振回路とはせずに第1コイル31単独で用いる場合は、チョークインダクタCHCとバラン3の第1コイル31との直列回路は完全にはオープン状態にはならないので、放射素子1の開放端OPに多少の電流強度が生じる。
このようにして、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)において、放射素子1に電流強度および電圧強度の定在波が生じ、放射素子1は逆F型アンテナとして作用する。なお、ここでは逆F型アンテナを例示しているが、モノポールアンテナ、1波長ループアンテナ、逆L型アンテナ、板状逆Fアンテナ(PIFA)等のパッチアンテナ、スロットアンテナ、ノッチアンテナ等の、放射素子上に共振による電流強度および電圧強度の定在波が生じる他の定在波型アンテナでも同様に適用できる。
一方、HF帯(第2周波数帯)では、図7(B)に示すように、放射素子1(インダクタL1)、グランド導体4、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1を含んだループが、LC共振回路を構成する。バラン3の第2コイル32は、上述のとおり、LC共振回路を構成するループと主に磁界結合する。
上記ループはHF帯でLC共振し、共振電流が流れる。言い換えると、HF帯で共振するように、放射素子1の長さ、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1のリアクタンス成分等の回路定数が定められている。したがって、HF帯(第2周波数帯)では、図6において破線の矢印で示す領域に電流が流れる。
このようにして、HF帯(第2周波数帯)では、放射素子1、グランド導体4、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1を含んだループが磁界放射に寄与する磁界放射型アンテナとして作用する。ここで、HF帯(第2周波数帯)ではループの長さは波長に対して十分に短いため、ループは磁界結合による通信のための微小ループアンテナとなっている。
なお、リアクタンス素子61,62は、HF帯(第2周波数帯)では高インピーダンスとなって、第1給電回路81が等価的に接続されていない状態となるので、第1給電回路81はHF帯の通信に影響を与えない。また、バラン3の第1コイル31は、UHF帯またはSHF帯(第1周波数帯)では、高インピーダンスとなって、バラン3の第1コイル31が等価的に接続されていない状態となる。したがって、バラン3の第1コイル31を含んだループはオープン状態となるため、第2給電回路82にUHF帯またはSHF帯の通信信号が流れることがなく、第2給電回路82はUHF帯またはSHF帯の通信に影響を与えない。
本実施形態によれば次のような作用効果を奏する。
(1)UHF・SHF帯(第1周波数帯)の信号が、非磁性体(実効透磁率が相対的に低い第1絶縁体)に形成された第1コイル(第1結合導体)31に印加(通電)されるが、第1絶縁体では、同じ磁界強度に対するヒステリシスループは小さいので、周波数が高くなるほど顕著に現れるヒステリシス損は抑えられる。また、HF帯(第2周波数帯)の信号は、磁性体(実効透磁率の高い第2絶縁体)に形成された第2コイル(第2結合導体)32に、印加(通電)されるので、少なくとも磁界を介して強く結合する。さらに、磁性体(第2絶縁体)32の高い実効透磁率により、所定のインダクタンスを得るために要する第2コイル(第2結合導体)32は短くてよいので、第2コイル32による導体損は小さい。これらの作用により、周波数が離れた2つの周波数帯で放射素子を兼用する場合に、その放射素子にバランが接続されることによる悪影響が軽減される。すなわち、第1周波数帯を使用する通信または電力伝送時および第2周波数帯を使用する通信または電力伝送時の損失が低減され、放射素子を兼用することで小型化されるとともに低損失化が図れる。
(2)非磁性体層と磁性体層との位置関係、および第1コイル31と第2コイル32との位置関係が一定になるので、第1給電回路81および第2給電回路82から視た放射素子1の特性(電界放射型アンテナとしての特性)、およびバラン3の第2コイル32は、放射素子1、グランド導体4、バラン3の第1コイル31およびキャパシタC1を含んだループ(磁界放射型アンテナ)としての特性が安定化される。
(3)第2コイル32は磁性体(第2絶縁体)から露出している(磁性体に埋設されていない)ので、第2コイル32は第2周波数帯の放射素子の一部としても利用できる。
(4)第2コイル32は磁性体(第2絶縁体)から露出している(磁性体に埋設されていない)ので、第2コイル32に流れる電流により生じる磁束は第1コイル31と鎖交しやすくなり、第1コイル31と第2コイル32との間の結合係数が高まる。
(5)第1絶縁体および第2絶縁体は一体焼結されたセラミックスであるので、第1絶縁体と第2絶縁体とは容易に一体化される。
(6)第2絶縁体の実効透磁率は高いので、(第1絶縁体の実効透磁率との比較では第1絶縁体の実効透磁率より高いので)、第2コイル32の自己インダクタンスは容易に大きくできる。このように、第2コイル32の自己インダクタンスは大きいことで、第2コイル32に流れる電流を抑えることができる。よって、大きなヒステリシス損を生じさせる第2コイル32で、UHF・SHF帯(第1周波数帯)の信号の電力が消費されるのを抑えることができる。
(7)第1絶縁体の実効透磁率は低いので、(第2絶縁体の実効透磁率との比較では第2絶縁体の実効透磁率より低いので)、第1コイル31の自己インダクタンスは容易に小さくできる。このように、第1コイル31の自己インダクタンスが小さければ、本実施形態のアンテナ装置における伝送相手側アンテナ装置と磁界結合または電磁界結合するループの漏れインダクタンスが抑えられる。
(8)第1絶縁体の、いわゆるスタインメッツの実験式におけるヒステリシス係数は小さくできる(第2絶縁体との比較では第2絶縁体より第1絶縁体のヒステリシス係数を小さくできる)。このように、第1絶縁体の、上記ヒステリシス係数が小さいことにより、第1絶縁体でのヒステリシス損をさらに抑えることができる。
(9)第1絶縁体の電気絶縁性は高くできる(第2絶縁体との比較では第2絶縁体より電気絶縁性を高くできる)。このように、第1絶縁体の電気絶縁性が高いことにより、第1絶縁体での渦電流損(渦電流損は周波数が高くなるほど顕著に現れる。)を抑えることができる。
なお、本実施形態では、電子機器の筐体の一部に放射素子1を含む例を示したが、電子機器の筐体の全部が放射素子であってもよく、同様の作用効果を奏する。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、磁性体層、非磁性体層、第1コイル、および第2コイルの位置関係が第1の実施形態のバランとは異なるバランについて示す。
図8は第2の実施形態に係るバラン3の断面図である。このバラン3は、基材層S0〜S12を備え、基材層S5,S6,S7,S8に矩形ヘリカル状の第2コイル32が形成されている。また、基材層S1,S2,S3,S4に矩形ヘリカル状のコイル31A、基材層S9,S10,S11,S12に矩形ヘリカル状のコイル31B、がそれぞれ形成されている。このコイル31A,31Bによって第1コイル31が構成される。第1コイル31と第2コイル32は、第1コイル31の巻回軸方向または第2コイル32の巻回軸方向に平面視したとき、第1コイル31のコイル開口と第2コイル32のコイル開口は重なる。さらには、第1コイル31と第2コイル32は同軸である。すなわち、第1コイル31と第2コイル32は同じ巻回軸周りに巻回されている。基材層S0〜S12の積層体の外面には入出力端子が形成されている。
上記複数の基材層のうち、基材層S0〜S4,S8〜S12は非磁性フェライトの層であり、基材層S5〜S7は磁性フェライトの層である。上記非磁性フェライトの層は本発明に係る「第1絶縁体」に相当し、上記磁性フェライトの層は本発明に係る「第2絶縁体」に相当する。
本実施形態のバラン3は、図5に示したバランとは逆に、第2コイル32が第1コイル31A,31Bで積層方向に挟まれた構造である。また、磁性体層が非磁性体層で挟まれた構造である。
本実施形態で示したバランを有するアンテナ装置およびそれを備える電子機器においても第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、第1給電回路、第2給電回路のいずれも不平衡給電する場合について示す。
図9は、第3の実施形態に係るアンテナ装置103の主要部を回路図として表した図であり、特に、トランス2に対する回路の接続関係を示す。第1の実施形態で図3に示した回路と比較すると明らかなように、第2給電回路82は第2周波数帯の給電回路であり、トランス2の第2コイル22に不平衡給電する。トランス2の第1コイル21は放射素子1とグランド導体との間に接続される。第1コイル21は実効透磁率が低い第1絶縁体に形成され、第2コイル22は実効透磁率が高い第2絶縁体に形成される。第1絶縁体、第2絶縁体の構成は、図4、図5、図8等に示したとおりである。
放射素子1、グランド導体、トランス2の第1コイル21およびキャパシタC1を含んだループが構成される。このループが磁界放射型アンテナとして作用する。放射素子1に対する第1給電回路81の接続構造は第1の実施形態と同じである。
本実施形態によれば、放射素子1を含む磁界放射型アンテナと第2給電回路82とが、トランス2によりインピーダンス整合される。また、第2給電回路82と磁界放射型アンテナとの結合を高めることができ、第2給電回路82から磁界放射型アンテナに対して高効率で給電できる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、平衡型の給電回路で磁界放射型アンテナに不平衡給電する例を示す。
図10は第4の実施形態に係るアンテナ装置104の、集中定数素子による等価回路図である。このアンテナ装置104はバラン3およびトランス2を備える。バラン3の第1コイル33はトランス2の第2コイル22に、キャパシタC3を介して接続され、トランス2の第1コイル21は、磁界放射型アンテナのループの一部として接続されている。その他の構成は第1の実施形態で示したアンテナ装置101と同じである。
バラン3の第1コイル33、トランス2の第2コイル22およびキャパシタC3によってLC共振回路が構成されている。第2給電回路82はバラン3の第2コイル34に平衡給電する。この信号(電力)は上記LC共振回路を介してトランス2の第1コイル21を含む上記磁界放射型アンテナのループに不平衡給電される。
第3の実施形態で示したアンテナ装置103と同様に、トランス2の第1コイル21は、実効透磁率の低い絶縁体に形成され、トランス2の第2コイル22は、実効透磁率の高い絶縁体に形成される。
本実施形態においては、バラン3の第1コイル33、第2コイル34のいずれにも、第1給電回路81から給電される第1周波数帯の信号電流は流れないので、バラン3の第1コイル33、第2コイル34のいずれも実効透磁率の高い絶縁体に形成される。従って、本実施形態によれば、第1コイル33と第2コイル34とは実効透磁率の高い絶縁体を介して磁界結合するので、第1コイル33と第2コイル34との間の結合係数が高まり、第1コイル33と第2コイル34との間で伝送効率が高まる。
《他の実施形態》
図5、図8に示したバランでは、第2コイルが第1コイルで積層方向に挟まれた構造、または第1コイルが第2コイルで積層方向に挟まれた構造を示したが、このようなサンドイッチ構造ではなく、第1コイル31と第2コイル32が単に積層された構造であってもよい。更には、第1コイル31と第2コイル32とが交互に繰り返し配置される構造であってもよい。このことはバランに限らず、トランスについても同様である。
また、バランやトランスの磁芯または空芯に相当する部分は、磁性体層と非磁性体層とが直線状に配置された構造に限らず、全体がトロイダル状であってもよい。例えば、C字状のように一部にギャップを有する磁性体と、そのギャップ位置に配置された非磁性体とで構成され、非磁性体部分に第1コイルが形成され、磁性体部分に第2コイルが形成されてもよい。
また、本発明に係るバランやトランスは、基材の積層体に構成されるのではなく、非磁性体および磁性体で構成されるボビンに第1コイルおよび第2コイルが巻回されることによって構成されてもよい。
また、図5、図8に示したバランでは、磁性フェライトの層と非磁性フェライトの層を積層した例を示したが、透磁率が相対的に低い第1絶縁体に第1結合導体が形成され、透磁率が相対的に高い第2絶縁体に第2結合導体が形成されればよい。
また、第1コイルが形成される基材層が直ちに第1絶縁体に対応する必要はなく、基材の積層状態で、第1コイルの近傍に非磁性体が存在し、第2コイルの近傍に磁性体が存在すればよい。
また、或る層内での透磁率が不均一であってもよい。例えば第2コイルのコイル開口内に磁性体、第2コイルのコイルパターンの外側が非磁性体であってもよい。
また、第1絶縁体と第2絶縁体との境が、非磁性体と磁性体との明確な境界面である必要はない。第1絶縁体、第2絶縁体の一方または両方が磁性体と非磁性体との混合体であってもよい。また、磁性体と非磁性体との割合が偏在していて、透磁率に勾配があってもよい。
また、第1結合導体(第1コイル)、第2結合導体(第2コイル)は、巻回軸から視て矩形に限らず、円形、楕円形、その他の形状であってもよい。
また、第1結合導体、第2結合導体は、第2結合導体が第1結合導体に対して、磁界結合または電磁界結合(磁界結合および電界結合)するものであれば、巻回軸から視て周回していなくてもよい。すなわち、例えば第1結合導体、第2結合導体は、直線状であってもよい。
なお、上述の実施形態では、主にNFC等の磁界結合を利用した通信システムにおけるアンテナ装置および電子機器を説明したが、上述の実施形態におけるアンテナ装置および電子機器は、磁界結合を利用した非接触電力伝送システム(電磁誘導方式、磁界共鳴方式等)でも同様に用いることができる。例えば、上述の実施形態におけるアンテナ装置は、HF帯、特に6.78MHzまたは6.78MHz近傍の周波数で使用される磁界共鳴方式の非接触電力伝送システムの受電装置に受電アンテナ装置として適用できる。この場合でも、アンテナ装置は受電アンテナ装置として機能する。非接触電力伝送システムにおいては、上述の実施形態で示した「給電回路」は受電回路または送電回路に相当する。受電回路である場合は、受電アンテナ装置に接続され、負荷(例えば、二次電池)に電力を給電する。また、送電回路である場合は、送電アンテナ装置に接続され、送電アンテナ装置に電力を給電する。
なお、以上に述べた「実効透磁率」とは、結合導体に実効的に影響を与える透磁率という意味での表現である。例えば、第1絶縁体の実効透磁率は、第1結合導体に影響を与える第1絶縁体の透磁率であり、第2絶縁体の実効透磁率は、第2結合導体に影響を与える第2絶縁体の透磁率である。また、透磁率が磁界強度によって変化する場合には、UHF・SHF帯(第1周波数帯)の信号において、電流1周期あたりの時間平均の透磁率が実効透磁率である。さらに、第1絶縁体と第2絶縁体の少なくとも何れかが、不均質性または異方性を有する場合は、第1絶縁体を含めた第1結合導体に生じるインダクタンスを、第1結合導体の導体形状のみにより定まるインダクタンスで割った値が第1絶縁体の実効透磁率である。同様に、第2絶縁体を含めた第2結合導体に生じるインダクタンスを、第2結合導体の導体形状のみにより定まるインダクタンスで割った値が第2絶縁体の実効透磁率である。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
C1,C3…キャパシタ
C41,C42,C43,C44…キャパシタ
C61,C62…キャパシタ
CHC…チョークインダクタ
E1…第1端部
E2…第2端部
L0,L1,L2…インダクタ
OP…開放端
P11,P12,P21,P22…入出力端子
S0〜S12…基材層
SP…接地端
1…放射素子
2…トランス
3…バラン
4…グランド導体
6A,6B…基板
7…接続ピン
8…バッテリーパック
21…第1コイル
22…第2コイル
31…第1コイル(第1結合導体)
31A,31B…第1コイル
31a〜31d…コイルパターン
32…第2コイル(第2結合導体)
32A,32B…コイル
32a〜32h…コイルパターン
33…第1コイル
34…第2コイル
52A…層間接続導体
61,62…リアクタンス素子
71A,72A…接続導体
73A,74A…接続導体
81…第1給電回路
82…第2給電回路
101,103,104…アンテナ装置

Claims (8)

  1. 第1絶縁体と、
    前記第1絶縁体に固定され、透磁率が前記第1絶縁体より高い第2絶縁体と、
    前記第1絶縁体に形成され、第1周波数帯の第1給電回路および放射素子に接続される第1結合導体と、
    前記第2絶縁体に形成され、前記第1結合導体と少なくとも磁界結合し、前記第1周波数帯の周波数より低い第2周波数帯の第2給電回路に接続される第2結合導体と、
    を備えるアンテナ装置。
  2. 前記第1結合導体はコイル状であり、前記第2結合導体はコイル状であり、前記第1結合導体と前記第2結合導体とは、一方の巻回軸から平面視したとき、それぞれのコイル開口が重なり、前記第1結合導体、前記第2結合導体、前記第1絶縁体および前記第2絶縁体が一つの素子として構成された、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第2結合導体は少なくとも一部が前記第2絶縁体から露出している、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1絶縁体および前記第2絶縁体は一体焼結されたセラミックスである、請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記第2結合導体のインダクタンスは前記第1結合導体のインダクタンスよりも大きい、請求項1から4の何れかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1周波数帯はUHF帯またはSHF帯であり、前記第1周波数帯はHF帯である、請求項1から5の何れかに記載のアンテナ装置。
  7. 第1周波数帯の第1給電回路と、前記第1周波数帯の周波数より低い第2周波数帯の第2給電回路と、アンテナ装置とを備える電子機器であり、
    前記アンテナ装置は、
    第1絶縁体と、
    前記第1絶縁体に固定され、透磁率が前記第1絶縁体より高い第2絶縁体と、
    前記第1絶縁体に形成され、前記第1給電回路および放射素子に接続される第1結合導体と、
    前記第2絶縁体に形成され、前記第1結合導体と結合し、前記第2給電回路に接続される第2結合導体と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  8. 前記放射素子を少なくとも一部に含む筐体を備える、請求項7に記載の電子機器。
JP2016043168A 2016-03-07 2016-03-07 アンテナ装置および電子機器 Active JP6724429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016043168A JP6724429B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 アンテナ装置および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016043168A JP6724429B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 アンテナ装置および電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017163189A true JP2017163189A (ja) 2017-09-14
JP6724429B2 JP6724429B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=59858126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016043168A Active JP6724429B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 アンテナ装置および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6724429B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009164482A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Sony Corp バラン共振器、半導体装置および受信装置
JP2010258913A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Murata Mfg Co Ltd 結合基板、電磁結合モジュール及び無線icデバイス
JP2011217204A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tokyo Keiki Inc 平面アンテナ
WO2013161608A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 株式会社村田製作所 コイルアンテナおよび通信端末装置
JP2014011853A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Panasonic Corp 携帯端末
JP2014017753A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Mitsubishi Materials Corp 積層チップ共振器及びこれを備えたアンテナ装置
JP2014239539A (ja) * 2012-12-21 2014-12-18 株式会社村田製作所 電子機器
US20150249292A1 (en) * 2014-03-03 2015-09-03 Apple Inc. Electronic Device With Shared Antenna Structures and Balun

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009164482A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Sony Corp バラン共振器、半導体装置および受信装置
JP2010258913A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Murata Mfg Co Ltd 結合基板、電磁結合モジュール及び無線icデバイス
JP2011217204A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tokyo Keiki Inc 平面アンテナ
WO2013161608A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 株式会社村田製作所 コイルアンテナおよび通信端末装置
JP2014011853A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Panasonic Corp 携帯端末
JP2014017753A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Mitsubishi Materials Corp 積層チップ共振器及びこれを備えたアンテナ装置
JP2014239539A (ja) * 2012-12-21 2014-12-18 株式会社村田製作所 電子機器
US20150116168A1 (en) * 2012-12-21 2015-04-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna device and electronic apparatus
US20150249292A1 (en) * 2014-03-03 2015-09-03 Apple Inc. Electronic Device With Shared Antenna Structures and Balun

Also Published As

Publication number Publication date
JP6724429B2 (ja) 2020-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9997834B1 (en) Antenna device and communication terminal apparatus
JP6614363B2 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP6465109B2 (ja) マルチアンテナ及びそれを備える無線装置
EP3125367B1 (en) Antenna device and electronic device
CN105552490B (zh) 天线装置及通信终端装置
JP5505581B1 (ja) アンテナ装置および通信端末装置
US10135152B2 (en) Antenna device and electronic device
JP2018011353A (ja) コイルアンテナおよびアンテナ装置
US10333198B2 (en) Antenna apparatus and communication terminal apparatus
JP6677361B1 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP6583599B1 (ja) アンテナ装置、通信システム、及び電子機器
JP6369666B1 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP6724429B2 (ja) アンテナ装置および電子機器
US10511350B2 (en) Antenna device and electronic device
JP2019169907A (ja) 複合アンテナ装置及び電子機器
WO2016186090A1 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP6627628B2 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP2021048530A (ja) コイルアンテナ、アンテナ装置及び電子機器
WO2017104245A1 (ja) アンテナ装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6724429

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150