JP2017162593A - 光学部材、照明カバー及び照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過性及び光拡散性に優れた光学部材、並びにこれを用いた照明カバー及び照明器具を提供すること。【解決手段】光学部材11は、透光性樹脂基材12と、屈折率が1.49以下の透光性樹脂13と、シリコーン14に複数の無機粒子15が内包された無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有し、透光性樹脂基材12の表面に設けられる光拡散層17と、を備える。また、照明カバー40は光学部材11を用いる。さらに、照明器具100は光源部30と、光源部30を覆う照明カバー40とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材、照明カバー及び照明器具に関する。さらに詳細には、本発明は、光透過性及び光拡散性に優れる光学部材、並びに当該光学部材を用いた照明カバー及び照明器具に関する。
照明器具は、一般的に、光源部を覆う照明カバーを備えている。この照明カバーは、通常、光透過性及び光拡散性を有する光学部材を用いて形成されている。このような光透過性及び光拡散性を有する照明カバーを用いることで、照明カバーの透光面の全面に、光源から照射された光を拡散させることが可能となる。その結果、透光面の全面における単位面積あたりの光透過量を均一にすることができ、透光面に明暗のむらができてしまうのを抑制することができる。また、単位面積あたりの光透過量を均一にすることにより、光源のイメージを隠蔽して照明器具の品格を高めることもできる。
一般的に、光透過性及び光拡散性を有する光学部材は、白色顔料を含む樹脂シートを成形することで製造されている。この白色顔料としては、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、雲母、酸化マグネシウム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の白色無機顔料が用いられている。そして、白色顔料の添加量を増やすことで、光学部材に対して優れた光拡散性を付与することができる。しかしながら、これらの顔料は光を拡散させる効果はあるものの、添加量に比例して光透過性が低下してしまうという問題がある。そのため、優れた光拡散性を有する光学部材を得ようとすると、光透過性が低下してしまうという問題があった。また、白色顔料として用いた無機粒子が光学部材の表面を劣化させるため、光学部材の表面にチョーキングが生じてしまうおそれもあった。
そこで、例えば特許文献1では、アクリル樹脂と、フッ素樹脂と、光拡散性粒子とを含む光拡散性塗料組成物を光拡散部材として用いることが提案されている。特許文献1の光拡散性塗料組成物は、100質量部のアクリル樹脂に対してフッ素樹脂が0.3〜20質量部含有され、100質量部のアクリル樹脂に対して光拡散性粒子が0.3〜20質量部含有されている。
特開2012−208424号公報
しかしながら、省エネルギー化の観点より近年注目されている発光ダイオード(LED)照明器具は、少ない消費電力で光を効率よく取り出す必要があるため、さらに高い光透過性を有する光学部材が望まれている。一方、LED光源は指向性が強いため、光学部材に光拡散性を付与し、LED照明の光源が点光源であることを認識させ難くする必要もある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、光透過性及び光拡散性に優れた光学部材、並びにこれを用いた照明カバー及び照明器具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る光学部材は透光性樹脂基材と、透光性樹脂基材の表面に設けられる光拡散層と、を備える。光拡散層は、屈折率が1.49以下の透光性樹脂と、シリコーンに複数の無機粒子が内包された無機粒子内包シリコーン粒子とを含有する。
上記課題を解決するために、本発明の第二の態様に係る照明カバーは、第一の態様における光学部材を用いる。
本発明の第三の態様に係る照明器具は、光源部と、光源部を覆う第二の態様における照明カバーと、を備える。
本発明によれば、光透過性及び光拡散性に優れた光学部材、並びに当該光学部材を用いた照明カバー及び照明器具を提供することができる。
本実施形態に係る光学部材の一例を示す断面図である。 本実施形態の光拡散層表面における光の挙動を示す概略図である。 本実施形態の無機粒子内包シリコーン粒子表面における光の挙動を示す概略図である。 本実施形態に係る照明カバー及び照明器具の一例を示す断面図である。
以下、本実施形態に係る光学部材、並びに当該光学部材を用いた照明カバー、及び照明器具について詳細に説明する。
[光学部材]
図1に本実施形態に係る光学部材の一例を示す。本実施形態に係る光学部材11は、透光性樹脂基材12と透光性樹脂基材12の表面に設けられる光拡散層17とを備える。光拡散層17は、屈折率が1.49以下の透光性樹脂13と、シリコーン14に複数の無機粒子15が内包された無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有する。
本実施形態に係る光学部材11は、透光性樹脂基材12と光拡散層17とを備える。光拡散層17は透光性樹脂基材12の表面に設けられる。具体的には後述するように、例えば、光学部材11を照明器具100として用いた場合に、光拡散層17が透光性樹脂基材12に対して光源側となるように光拡散層17を透光性樹脂基材12の表面に設けることができる。
透光性樹脂基材12は光透過性を有する樹脂であれば特に限定されないが、全光線透過率が90%以上であるものが好ましい。なお、全光線透過率は、例えば、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製NDH2000)などを用いて、日本工業規格JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)により測定することができる。
透光性樹脂基材12としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びスチレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種で形成されたものを用いることができる。なかでもアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂は光透過率が高い。そのため、透光性樹脂基材12は、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくともいずれか一方で形成されていることが好ましい。
アクリル樹脂は、アクリレート又はメタクリレートの少なくともいずれか一方を含有するモノマーを重合して得られる樹脂である。アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。メタクリレートとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
アクリル樹脂は、アクリレート又はメタクリレートの少なくともいずれか一方を含有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有するモノマーとの共重合体であってもよい。炭素−炭素二重結合を有するモノマーとしては、スチレン系モノマー、オレフィン系モノマー、及びビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。また、スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレンなどが挙げられる。オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン及びプロピレンなどが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、例えば、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどが挙げられる。上記のモノマー成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂は、主鎖にカーボネート結合を有する重合体である。ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールとホスゲン、又はビスフェノールとジフェニルカーボネート等を反応して得られる重合体を用いることができる。
透光性樹脂基材12は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。なお、本実施形態に係る光学部材11を得た後に加工する場合、所定の形状に合わせて延伸成型できるため、透光性樹脂基材12は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
透光性樹脂基材12の厚さは特に限定されないが、例えば0.1mm〜3mmであることが好ましい。成型性や強度を考慮すると、透光性樹脂基材12の厚さは1mm〜2mmであることがより好ましい。なお、透光性樹脂基材12は、ガラスキャスト製法、連続キャスト製法、押出し製法等のシート成型方法により得たものを使用することができる。
光拡散層17は、屈折率が1.49以下の透光性樹脂13と、無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有する。すなわち、透光性樹脂13と、無機粒子内包シリコーン粒子16を構成するシリコーン14の屈折率は、いずれも小さい。そのため、空気層と光拡散層17との屈折率差が小さくなる。その結果、図2の矢印で示すように、フレネル反射した光F1の量が少なくなり、屈折光R1の量が多くなるため、光拡散層17の光透過性が高くなる。また、光拡散層17に進入した屈折光R1は、後述するように、無機粒子内包シリコーン粒子16により拡散される。したがって、本実施形態における光学部材11は、光透過性及び光拡散性に優れている。なお、無機粒子内包シリコーン粒子16に代えて単なる無機粒子を用いた場合は、無機粒子の屈折率が高く、一般的な透光性樹脂との屈折率差が大きくなりすぎてしまう。そのため、このような光拡散層は光拡散性が高くなるものの、光透過性が低下してしまう。また、無機粒子内包シリコーン粒子16に代えて単なる無機粒子を用いた場合は、無機粒子の比重が大きいため、無機粒子を安定して分散させることが難しく、光拡散層にムラが生じやすくなってしまう。一方、無機粒子内包シリコーン粒子16に代えて単なるシリコーン粒子を用いた場合は、シリコーン粒子より高い屈折率を有する透光性樹脂を用いなければ、十分な光拡散性が得られない。十分な光透過性及び光拡散性を達成させるには、樹脂と粒子との屈折率差を0.1以上とすることが好ましいが、1.42の屈折率を有するシリコーン粒子を用いた場合、屈折率差を0.1とするには、1.52の屈折率を有する透光性樹脂を用いることとなる。しかし、このような透光性樹脂を用いた場合は、光拡散層表面においてフレネル反射する光の量が多くなり、光透過性が低下してしまう。そのため、本実施形態では、屈折率が1.49以下の透光性樹脂13と、無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有する光拡散層17を用いている。
透光性樹脂13に対する無機粒子内包シリコーン粒子16の含有量は特に限定されないが、光拡散層17において、無機粒子内包シリコーン粒子16の含有量は、100質量部の透光性樹脂13に対して66〜150質量部であることが好ましい。無機粒子内包シリコーン粒子16の含有量が66質量部以上であることにより、透光性樹脂13と無機粒子内包シリコーン粒子16との屈折率差による光拡散効果が向上するため、光拡散性に優れた光学部材11を得ることができる。また、透光性樹脂13の含有量が66質量部以上の場合、光拡散層17の表面に無機粒子内包シリコーン粒子16が露出しやすくなる。露出した無機粒子内包シリコーン粒子16は光拡散層17表面に、図3のような半球レンズ状の凸部を形成する。この凸部により、空気層から光拡散層17に直接進入した屈折光R2だけでなく、気体層と光拡散層17との界面でフレネル反射した光F2も、屈折光R3として隣り合った凸部に進入するため、光取込効果が向上する。すなわち、光取込効果が向上するため、光透過性が向上する。また、無機粒子内包シリコーン粒子16の含有量が150質量部以下であることにより、チョーキングを抑制することができ、外観の優れた光学部材11を得ることができる。なお、無機粒子内包シリコーン粒子16の含有量は、100質量部の透光性樹脂13に対して80〜150質量部であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、光透過性及び光拡散性により優れた光学部材11を得ることができるためである。
光拡散層17の厚さは、特に限定されないが、5μm以上20μm以下であることが好ましい。光拡散層17の厚さが5μm以上である場合、光拡散層17がより高い光拡散効果を発揮することができる。また、光拡散層17の厚さが20μm以下である場合、光拡散層17の表面に無機粒子内包シリコーン粒子16に由来する凸部が生じやすくなる。この凸部により、上述のような光拡散層17の光取込効果が向上するため、光学部材11の光透過性が向上する。また、光拡散層17の厚さは7μm以上15μm以下であることがより好ましい。光拡散層17の厚さがこのような範囲である場合、より高い光透過性及び光拡散性を有する光学部材11を得ることができる。なお、光拡散層17の表面に凸部を形成するという観点から、光拡散層17の厚さは無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径を考慮して調整することが好ましい。
光拡散層17は、例えば、透光性樹脂基材12に透光性樹脂13と無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有する塗料組成物を塗布することにより形成することができる。塗料組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法を好適に利用することができる。そして、塗料組成物が有機溶媒を含有する場合には、加熱等により有機溶媒を除去することにより、透光性樹脂基材12の表面に光拡散層17を形成することができる。
透光性樹脂13は、光透過性を有する樹脂であれば特に限定されないが、全光線透過率が90%以上であるものが好ましい。なお、全光線透過率は、例えば、ヘーズメーターなどを用いて、JIS K7361−1により測定することができる。
透光性樹脂13は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。なお、本実施形態に係る光学部材11を得た後に加工する場合、所定の形状に合わせて延伸成型できるため、透光性樹脂13は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
透光性樹脂13としては、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びスチレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種で形成されたものを用いることができる。これらの中でも、フッ素樹脂は光透過性が高く、屈折率も低い。そのため、透光性樹脂13はフッ素樹脂を含有することが好ましい。
フッ素樹脂は、少なくともフッ素を含有するモノマーを重合して得られる樹脂とすることができる。フッ素を含有するモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビニルフルオライド、フルオロビニルエーテル及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
フッ素樹脂は、フッ素を含有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有するモノマーとの共重合体であってもよい。炭素−炭素二重結合を有するモノマーとしては、スチレン系モノマー、オレフィン系モノマー、ビニル系モノマー、及びアクリル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレンなどが挙げられる。オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン及びプロピレンなどが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、例えば、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどが挙げられる。アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリレート及びメタクリレートなどが挙げられる。上記のモノマー成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
フッ素樹脂の具体的な例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)系樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系樹脂、ポリビニルフルオライド(PVF)系樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)系共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン(FEP)系共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)系共重合体及びエチレン・クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)系共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。これらの中でも、フッ素樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂を用いることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂は、フッ素樹脂の中でも屈折率が低いため、光拡散層17の表面におけるフレネル反射を抑制し、光透過性により優れた光学部材11を得ることができる。なお、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂は、テトラフルオロエチレンモノマーの単独重合体であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)としてもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂は、テトラフルオロエチレンモノマー以外のモノマーを30mol%程度まで含有するポリテトラフルオロエチレンモノマーとの共重合体としてもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂は、未変性のポリテトラフルオロエチレン系樹脂であってもよく、変性されたポリテトラフルオロエチレン系樹脂であってもよい。
透光性樹脂13の屈折率は1.49以下であれば特に限定されない。透光性樹脂13の屈折率を1.49以下とすることにより、光拡散層17の表面で生じるフレネル反射を抑制し、光透過性の高い光学部材11を得ることができる。また、透光性樹脂13の屈折率は、特に限定されないが、1.32以上1.47以下であることが好ましく、1.32以上1.44以下であることがより好ましい。透光性樹脂13の屈折率がこのような範囲にあることで、光拡散層17のフレネル反射を抑制し、光透過性を高くすることができる。なお、屈折率はアッベ屈折計で測定される、NaD線(589nm)における値である。
無機粒子内包シリコーン粒子16は、シリコーン14に複数の無機粒子15が内包されていれば特に限定されない。シリコーン14が複数の無機粒子15を内包することで、無機粒子内包シリコーン粒子16に進入した光がシリコーン14と無機粒子15の屈折率差により拡散されるため、光拡散性に優れた光学部材11を得ることができる。また、複数の無機粒子15がシリコーン14で内包されているため、空気層と光拡散層17との屈折率差も小さくなり、光学部材11の光透過性を向上させることができる。
特に限定されないが、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径(D50)は、1μm以上20μm以下であることが好ましい。無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径が1μm以上であることにより、光が無機粒子内包シリコーン粒子16に衝突しやすくなるため、光拡散性を向上させることができる。また、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径が1μm以上であることにより、光拡散層17表面に十分な割合の凸部を形成することができる。この凸部により、上述のような光拡散層17の光取込効果が向上するため、光学部材11の光透過性が向上する。また、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径が20μm以下であることにより、光拡散層17内における無機粒子内包シリコーン粒子16の分散性が良好になるため、光学部材11の光透過性を高くすることができる。また、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径は2μm以上であることがより好ましい。このような範囲の場合、光学部材11の光透過性及び光拡散性がさらに高くなる。また、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径は10μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましい。このような範囲の場合、光学部材11の光透過性がより高くなる。なお、無機粒子内包シリコーン粒子16の平均粒子径(D50)はレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法により求めることができる。
シリコーン14はシロキサン結合よる主骨格を持つポリマーである。シリコーン14は、例えば、オルガノハロシランやオルガノアルコキシシランを原料として生成することができる。オルガノハロシランとしては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリエチルクロロシランからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。また、オルガノアルコキシシランとしては、例えば、オルガノモノアルコキシシラン、オルガノジアルコキシシラン及びオルガノトリアルコキシシランからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
シリコーン14は室温において固体状であり、光透過性を有する樹脂であれば特に限定されないが、全光線透過率が90%以上であるものが好ましい。なお、全光線透過率は、例えば、ヘーズメーターなどを用いて、JIS K7361−1により測定することができる。
シリコーン14の屈折率は特に限定されないが、1.40以上1.43以下であることが好ましい。シリコーン14の屈折率の下限を上記の範囲とすることにより、空気層と光拡散層17の界面における屈折率差を小さくし、光透過性に優れた光学部材11を得ることができる。また、シリコーン14の屈折率の上限を上記の範囲とすることにより、透光性樹脂13との界面における屈折率差が生じるため、光拡散性に優れた光学部材11を得ることができる。なお、屈折率はアッベ屈折計で測定される、NaD線(589nm)における値である。
無機粒子15としては、特に限定されないが、白色無機粒子を用いることができる。無機粒子15としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、硫酸カルシウム、雲母、酸化マグネシウム、タルク、水酸化アルミニウム等からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。なかでも酸化アルミニウム、二酸化チタンは供給安定性が高く、安価である。そのため、無機粒子15は酸化アルミニウム及び酸化チタンの少なくともいずれか一方を含有することが好ましい。
無機粒子15は光透過性を有する樹脂であれば特に限定されないが、全光線透過率が90%以上であるものが好ましい。なお、全光線透過率は、例えば、ヘーズメーターなどを用いて、JIS K7361−1により測定することができる。
無機粒子15の平均粒子径(D50)は特に限定されないが、0.01μm以上2μm以下が好ましい。無機粒子15の平均粒子径が上記の範囲内にあることにより、シリコーン14に複数の無機粒子15が内包され、無機粒子内包シリコーン粒子16の光拡散効果を向上させることができる。また、無機粒子15の平均粒子径(D50)は0.2μm以上0.7μm以下であることがより好ましい。このような範囲にあることにより、無機粒子内包シリコーン粒子16内に複数の無機粒子15を内包することができるため、無機粒子内包シリコーン粒子16の光拡散効果を向上させることができる。なお、無機粒子15の平均粒子径(D50)はレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法により求めることができる。
特に限定されないが、無機粒子15の屈折率は1.7〜2.5であることが好ましい。無機粒子15の屈折率の上記の範囲とすることにより、シリコーン14と無機粒子15の界面における屈折率差を生じさせ、光拡散性に優れた光学部材11を得ることができる。なお、屈折率はアッベ屈折計で測定される、NaD線(589nm)における値である。
このように、本実施形態に係る光学部材11は、透光性樹脂基材12と、透光性樹脂基材12の表面に設けられる光拡散層17とを備える。光拡散層17は、屈折率が1.49以下の透光性樹脂13と、シリコーン14に複数の無機粒子15が内包された無機粒子内包シリコーン粒子16とを含有する。そのため、高い光透過性及び光拡散性を有する光学部材11を得ることができる。
[照明カバー]
次に、本実施形態の照明カバー40について説明する。本実施形態の照明カバー40は光学部材11を用いる。すなわち、本実施形態の照明カバー40は光学部材11を備える。
照明カバー40の形状は特に限定されないが、例えば、光源部30としてのランプを覆うように装着されるものであることが好ましい。このとき、ランプの発光部を全部覆って装着されても、ランプの発光部の一部を覆って装着されてもよい。照明カバー40は平板状でもよいが、ランプを覆う形状にするために、押圧して延伸することにより成型することもできる。
このような照明カバー40は、各種照明器具に用いることができる。例えばシーリングライト、ペンダント型ライト、流し元灯、浴室灯、シャンデリア、スタンド、ブラケット、行燈のカバー等に好適に用いることができる。また、ガレージライト、軒下灯、門柱灯、ポーチライト、ガーデンライト、エントランスライト、足元灯、階段灯、誘導灯、防犯灯、ダウンライト、ベースライト、電飾看板、サイン灯等用のカバー等に好適に用いることができる。さらに、自動車、自動二輪車等を初めとする車両用灯具向けのカバー等に好適に用いることができる。特に、後述するように、照明カバー40が器具本体20に挟持される構造を有するシーリングライト等に好適に用いることができる。
このように、本実施形態に係る照明カバー40は光学部材11を用いる。そのため、高い光透過性及び光拡散性を有する照明カバー40を得ることができる。
[照明器具]
次に、本実施形態の照明器具100について説明する。本実施形態に係る照明器具100は光源部30と光源部30を覆う照明カバー40とを備える。照明器具100は、開口部21を有する器具本体20と、器具本体20に設けられる光源部30と、開口部21を覆う照明カバー40と、を備えることもできる。
本実施形態に係る照明器具100は器具本体20と光源部30と照明カバー40とを備えることができる。図4に照明器具100の一例を示す。この照明器具100は、円形状のシーリング型ライトである。図4では、円形状のシーリング型ライトを挙げて説明しているが、照明器具100は、多角形状のシーリング型ライトとすることもできる。
器具本体20は、例えば、基体部22と、被係合部23と、支持部24とを備える。基体部22は、用途に応じ、天井50などの設置面に設置することができる。被係合部23は照明カバー40の係合部41と係合する。図4の形態では、被係合部23は器具本体の外側に向かって突出して形成されている。支持部24は、照明カバー40が位置ずれしたり、がたついたりしないように、照明カバー40を外側から支持する。支持部24は、被係合部23よりも器具本体20の外側よりの位置で、下方に向かって突出して形成されている。被係合部23及び支持部24は、器具本体20の全周に亘って設けられていても、一部に設けられていてもよい。なお、器具本体20は図4のように天井50に設置することもできるし、上述したような行燈など、用途に応じた設置場所に設置することもできる。
器具本体20は開口部21を有することができる。開口部21の形状や大きさは特に限定されず、開口部21は照明カバー40で覆うことができる。開口部21は、図4のように、基体部22の設置面と反対側に設けることができる。開口部21は、図4のように、支持部24により囲まれるように形成されていてもよい。
光源部30は器具本体20に設けることができる。光源部30は器具本体20の開口部21の内側に設けることもできる。光源部30に用いられる光源は、点光源、線光源、面光源など特に限定されない。また、光源部30に用いられる光源としては、特に限定されないが、発光ダイオード(LED)光源、蛍光灯、白熱灯、高輝度放電灯(HID)などを用いることができる。なお、本実施形態に係る器具本体20は、高い光透過性及び光拡散性を有することから、LED光源に用いた場合に、省エネルギー化に貢献できるため好ましい。なお、単一の光源を光源部30とすることもできるし、複数の光源を光源部30とすることもできる。
照明カバー40の上端部には、器具本体20に引っ掛けるための係合部41を設けることができる。図示の形態では、係合部41は器具本体20の内側に向かって突出して形成されている。この係合部41は、照明カバー40の全周に亘って設けられていても、一部に設けられていてもよい。
照明カバー40は開口部21を覆うことができる。例えば図4に示すように、断面が略C状に形成された照明カバー40を、光源部30を覆って器具本体20に下方から取り付けることができる。この時、光拡散層17は透光性樹脂基材12よりも光源部30側に配置されることが好ましい。このようにすることで、光拡散層17表面の凸部により、光透過性の高い照明器具100が得られる。
このように、本実施形態に係る照明器具100は光源部30と光源部30を覆う照明カバー40とを備える。そのため、例えば、LED光源などの指向性の高い光源を用いた場合であっても、高い光透過性及び光拡散性を有する照明器具100を提供することができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
透光性樹脂の固形分100質量部に対し、無機粒子内包シリコーン粒子を100質量部添加した。透光性樹脂として、関東電化工業株式会社製のエフクリア(登録商標)KD200を使用した。なお、エフクリア(登録商標)KD200はポリフルオロオレフィン共重合体を含有し、屈折率は1.42である。また、無機粒子内包シリコーン粒子として、日興リカ株式会社製のMSP−AS02を使用した。なお、MSP−AS02はアルミナ微粒子をシリコーンで内包しており、アルミナ微粒子の屈折率は1.76、アルミナ微粒子の平均粒子径は0.2〜0.7μmである。また、MSP−AS02の平均粒子径は2μmである。シリコーンの屈折率は1.42である。
さらに、全体の固形分が20質量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した。希釈した溶液をディスパー(攪拌機)にて1500rpmで10分間攪拌し、塗料を得た。
膜厚が10μmとなるように、この塗料を透光性樹脂基材の表面にバーコーターで塗布し、溶剤を80℃で10分乾燥させることで、透光性樹脂基材の表面に光拡散層が形成された光学部材を得た。なお、透光性樹脂基材は、100mm角で厚さ2mmのアクリル板を用いた。なお、このアクリル板は住友化学株式会社製のスミペックス(登録商標)E000を用いた。このアクリル板のヘーズは0.2%であり、全光線透過率は92.5%である。
そして、得られた光学部材を照明カバーとし、光拡散層が光源側に配置されるように、パナソニック株式会社製の一体型LEDベースライトXL553PFV LE9に取り付け、照明器具を得た。
[実施例2]
透光性樹脂の固形分100質量部に対し、無機粒子内包シリコーン粒子を150質量部添加した以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。
[実施例3]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、日興リカ株式会社製のMSP−AS04を無機粒子内包シリコーン粒子として用いた。また、透光性樹脂の固形分100質量部に対し、無機粒子内包シリコーン粒子を150質量部添加した。それ以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、MSP−AS04はアルミナ微粒子を内包しており、アルミナ微粒子の屈折率は1.76、アルミナ微粒子の平均粒子径は0.2〜0.7μmである。また、MSP−AS04の平均粒子径は4μmである。シリコーンの屈折率は1.42である。
[実施例4]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、日興リカ株式会社製のMSP−TS04を無機粒子内包シリコーン粒子として用いた。また、透光性樹脂の固形分100質量部に対し、無機粒子内包シリコーン粒子を80質量部添加した。それ以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、MSP−TS04はチタニア微粒子を内包しており、チタニア微粒子の屈折率は2.4、チタニア微粒子の平均粒子径は0.2μmである。また、MSP−TS04の平均粒子径は4μmである。シリコーンの屈折率は1.42である。
[比較例1]
実施例1で用いたKD200に代えて、DIC株式会社製のポリライト(登録商標)RX−4800Mと三井化学株式会社製のタケネート(登録商標)D−103Hの硬化物を透光性樹脂として用いた以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、ポリライト(登録商標)RX−4800Mの主成分はポリエステルポリオールであり、タケネート(登録商標)D−103Hの主成分はトルエンジイソシアネートである。また、硬化後の透光性樹脂の屈折率は1.58であった。
[比較例2]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のトスパール(登録商標)120を用いた以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、トスパール(登録商標)120は無機粒子を内包しないシリコーン粒子である。なお、トスパール(登録商標)120の平均粒子径は2μmであり、屈折率は1.42である。
[比較例3]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、日興リカ株式会社製のMSP−TS04を無機粒子内包シリコーン粒子として用いた。また、実施例1で用いたKD200に代えて、DIC株式会社製のポリライト(登録商標)RX−4800Mと三井化学株式会社製のタケネート(登録商標)D−103Hの硬化物を透光性樹脂として用いた。それ以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、MSP−TS04はチタニア微粒子を内包しており、チタニア微粒子の屈折率は2.4、チタニア微粒子の平均粒子径は0.2μmである。また、MSP−TS04の平均粒子径は4μmである。なお、ポリライト(登録商標)RX−4800Mの主成分はポリエステルポリオールであり、タケネート(登録商標)D−103Hの主成分はトルエンジイソシアネートである。また、硬化後の透光性樹脂の屈折率は1.58であった。
[比較例4]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、住友化学株式会社製のAA−1.5を用いた以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、AA−1.5の主成分はアルミナであり、屈折率は1.76、平均粒子径は1.6μmである。また、AA−1.5のアルミナは、シリコーンに内包されない。
[比較例5]
実施例1で用いたMSP−AS02に代えて、チタン工業株式会社製のST−750ECを用いた以外は実施例1と同様の手順で照明器具を作成した。なお、ST−750ECの主成分はチタニアであり、屈折率は2.4、平均粒子径は1.0μmである。また、ST−750ECのチタニアは、シリコーンに内包されない。
Figure 2017162593
Figure 2017162593
[評価]
実施例1乃至4、及び比較例1乃至5で得られた照明器具について、次の項目の評価を行った。各例の詳細と評価結果を表1に示す。
[器具効率]
各例で得られた照明器具の全光束を測定し、基準照明器具の全光束を100とした場合の各例の全光束比を算出した。なお、全光束はラブスフェア社製の165cm積分球により、同社製の測定システムを用いて測定した。また、基準照明器具の全光束は1800lmである。また、判定基準は以下の通りとした。
・判定基準
103%以上:○
100%以上103%未満:△
100%未満:×
[光均一性]
上述したLEDベースライトXL553PFV LE9は、LED光源間の距離が小さく、光均一性を測定するのに適していなかったため、3cm離して配置した2つのLEDを各例で得られた照明カバーで覆った場合の光均一性を評価した。LEDは日亜化学工業株式会社製のNSSW157Dを用いた。また、LEDより3cm離れた位置に、光拡散層がLED側となるように照明カバーを配置した。また、照明カバーよりさらに30cm離れた位置に株式会社トプコンテクノハウス社製の色彩輝度計BM−7を配置した。そして、2つのLEDを結ぶ線分上において、輝度が最大と最小になる値をそれぞれ測定した。光均一性は、{(輝度の最小値)/(輝度の最大値)}×100として算出している。また、判定基準は以下の通りとした。
・判定基準
70%以上:○
60以上70未満:△
60%未満:×
実施例1〜4では、光拡散層が、1.49以下の屈折率を有する透光性樹脂と、シリコーンに複数の無機粒子が内包された無機粒子内包シリコーン粒子とを含有する。そのため、実施例1〜4の光学部材は、器具効率と光均一性が所定の判定基準を満たしている。すなわち、実施例1〜4の光学部材は光透過性と光拡散性を両立することが確認できた。
これに対し、比較例1の光学部材は、透光性樹脂の屈折率が1.58である。そのため、器具効率が所定の判定基準を下回ってしまった。おそらく、空気層と光拡散層の界面におけるフレネル反射により、光透過性が低下したためと考えられる。
比較例2の光学部材は、シリコーンに複数の無機粒子が内包されていない。そのため、光均一性が所定の判定基準を下回ってしまった。おそらく、透光性樹脂とシリコーンとの屈折率差が小さく、無機粒子もシリコーンに内包されていないため、光拡散性が不十分であったと考えられる。
比較例3の光学部材は、透光性樹脂の屈折率が1.58である。そのため、器具効率が所定の判定基準を下回ってしまった。おそらく、空気層と光拡散層の界面におけるフレネル反射により、光透過性が低下したためと考えられる。また、内包粒子として高屈折率のTiOを用いたため、光拡散性は向上したが、その反面光透過性が低下してしまったと考えられる。
比較例4の光学部材は、シリコーンに内包されない酸化アルミニウムを用いている。そのため、器具効率及び光均一性が所定の判定基準を下回ってしまった。おそらく、フッ素樹脂と酸化アルミニウムの屈折率が大きすぎ、光透過性が低下したためと考えられる。また、酸化アルミニウムが塗装時に沈降及び凝集し、光拡散性が低下したためと考えられる。
比較例5の光学部材は、シリコーンに内包されない酸化チタンを用いている。そのため、器具効率が所定の判定基準を下回ってしまった。おそらく、フッ素樹脂と酸化チタンの屈折率差が大きすぎ、光透過性が低下したためと考えられる。
以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
11 光学部材
12 透光性樹脂基材
13 透光性樹脂
14 シリコーン
15 無機粒子
16 無機粒子内包シリコーン粒子
17 光拡散層
30 光源部
40 照明カバー
100 照明器具

Claims (7)

  1. 透光性樹脂基材と、
    屈折率が1.49以下の透光性樹脂と、シリコーンに複数の無機粒子が内包された無機粒子内包シリコーン粒子とを含有し、前記透光性樹脂基材の表面に設けられる光拡散層と、
    を備える光学部材。
  2. 前記無機粒子の屈折率が1.7〜2.5である請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記無機粒子が酸化アルミニウム及び酸化チタンの少なくともいずれか一方を含有する請求項1又は2に記載の光学部材。
  4. 前記光拡散層において、前記無機粒子内包シリコーン粒子の含有量は、100質量部の前記透光性樹脂に対して66〜150質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材を用いた照明カバー。
  6. 光源部と、
    前記光源部を覆う請求項5に記載の照明カバーと、
    を備える照明器具。
  7. 前記光拡散層は前記透光性樹脂基材よりも前記光源部側に配置される請求項6に記載の照明器具。
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