JP2017159620A - 立体造形物を造形する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱処理空間内で立体造形を行うときに処理空間内の温度が低下するのを抑制しながら立体造形物を取り出す方法の提供。【解決手段】断熱壁3A〜3Fによって囲まれた処理空間30を形成するチャンバ3と、チャンバ3内に配置され、層状造形物301が積層されて立体造形物300が造形される造形ステージ4と、造形ステージ4に向けて造形材料を付与する造形ヘッド10とを備え、造形ステージ4は層状造形物301の積層方向(Z方向)と直交する方向に移動可能に配置されたベルト部材41を有してより、立体造形物300を断熱扉33を開け、取り出し室35へ移動し、断熱扉33を閉め、外装扉36より立体造形物300を取り出す手段を有する立体造形物300を造形する装置1。【選択図】図6

Description

本発明は立体造形物を造形する装置に関する。
立体造形物(三次元造形物)を造形する装置として、例えば熱溶解積層法(FDM)などのように予め加熱された処理空間内で造形するものがある。
例えば、立体造形物を造形するときに加熱するチャンバ、チャンバ中に配置されるステージ、チャンバの内側にヘッド、およびヘッドとステージとの間で三次元の相対運動を発生させるためにヘッド及びステージに結合するx−y−z駆動機構を備え、x−y−z駆動機構がチャンバの外に配置され、そして変形可能な断熱材によりチャンバから分離されている装置がある(特許文献1)。
特許第3995933号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている装置にあっては、立体造形物を造形が完了しても、チャンバ内が高温になっているため、チャンバ内が立体造形物を取り出し可能な温度に降温するまでに長い時間がかかり、その間は立体造形物を取出すことができないという課題がある。
しかも、いったん降温するために、再度、立体造形物の造形を開始するためには、チャンバ内を再度加熱しなければならず、タクトタイムが長くなるという課題もある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、チャンバ内の降温を抑制しながら立体造形物を取り出せるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る立体造形物を造形する装置は、
断熱壁によって囲まれた処理空間を形成するチャンバと、
前記チャンバ内に配置され、層状造形物が積層されて立体造形物が造形される造形ステージと、
前記造形ステージに向けて造形材料を付与する造形材付与手段と、を備え、
前記造形ステージは、前記層状造形物の積層方向と直交する方向に移動可能である
構成とした。
本発明によれば、チャンバ内の降温を抑制しながら立体造形物を取り出せるようにすることができる。
本発明の第1実施形態に係る装置の外観斜視説明図である。 同装置の正面説明図である。 同装置の側面説明図である。 同装置の制御部の概要のブロック説明図である。d 同実施形態の作用説明に供する造形開始時の側面説明図である。 同じく造形中の側面説明図である。 同じく造形完了後の立体造形物の移送中の側面説明図である。 同じく造形完了後の立体造形物の排出中の側面説明図である。 同じく造形完了後の立体造形物の収容後の側面説明図である。 発明の第2実施形態に係る装置の側面説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る装置について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同装置の外観斜視説明図、図2は同装置の正面説明図、図3は同装置の側面説明図である。
この立体造形物を造形する装置(立体造形装置という。)1は、本体フレーム(外装)2内にチャンバ3と、チャンバ3内に配置され、層状造形物301が積層されて立体造形物300が造形される(図6参照)造形ステージ4と、造形材付与手段である造形ヘッド10を備えている。
チャンバ3の内部は、立体造形物を造形するための処理空間30となっている。チャンバ3内の処理空間30を囲っている壁部は、その大部分又はその全部が断熱機能を有する断熱壁で構成されている。
チャンバ3の天井壁部3Aは、例えばX方向に移動可能なスライド断熱部材によって構成された断熱壁である。チャンバ3の装置左右方向(図2の左右方向=X方向)の側壁部3B、3C、底壁部3D、装置前後方向(図3のY方向)の後壁部3E及び前壁部3Fは、例えば、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁で構成されている。
チャンバ3内の処理空間30に、処理空間30を加熱する処理空間加熱手段としてのチャンバ用ヒータ7が設けられている。また、チャンバ3の外側であって装置1の本体フレーム2内には、本体フレーム2内を冷却する装置内冷却装置8が配置されている。
造形ステージ4は、チャンバ3の底壁部3D上に配置され、層状造形物301が積層される無端状のベルト部材41を有している。
ベルト部材41は、駆動ローラ42と従動ローラ43との間に、Y方向に周回移動及び往復移動可能に掛け回されている。駆動ローラ42及び従動ローラ43は、チャンバ3の底壁部3D上に設けられたベルト支持部材45に回転可能に保持されている。なお、駆動ローラ42及び従動ローラ43にはテンションスプリング44が設けられている。
これにより、造形ステージ4のベルト部材41は、駆動ローラ42は駆動軸42aを介してY軸駆動機構22によって、層状造形物の積層方向(Z方向)と直交するY方向に、往復移動或いは周回移動可能である。このY方向は、造形ヘッド10の移動方向であるX方向とも直交する方向である。
また、ベルト部材41の内側にはベルト加熱部5が配置され、造形中において、ベルト部材41を加熱する。なお、ベルト部材41は、造形中の加熱に耐えられる材質であればよく、ここではスチールベルトを使用している。
また、ベルト部材41は、後述するように、立体造形物300の剥離を容易にするため、ポリイミドでコーティングされている構成とすることもできる。
さらに、ベルト部材41の端部には立体造形物300を剥離するための剥離部材46が配置されている。
チャンバ3の底壁部3Dは、側壁部3B,3C、後壁部3E及び前壁部3Fに対して移動可能に設けられ、造形ステージ4を保持した状態で造形ステージ4を伴って層状造形物の積層方向(Z方向)に移動(昇降)可能である。
この底壁部3Dは、Z軸駆動機構23によってZ方向に昇降移動される。
一方、チャンバ3の天井壁部3Aには、造形材付与手段としての造形ヘッド10がX方向に移動可能に配置されている。
造形ヘッド10は、下部に造形材料であるフィラメントを射出する射出ノズル11を有する。造形ヘッド10は、複数の射出ノズル11と、各射出ノズル11に供給されるフィラメントを加熱する造形材料加熱手段としてのヘッド加熱部12を備えている。
造形材料であるフィラメントは、細長いワイヤ形状であり、巻き回された状態で装置1にセットされており、フィラメント供給部6により造形ヘッド10上の各射出ノズル11にそれぞれ供給される。
造形ヘッド10は、フィラメント供給部6により供給されるフィラメントをヘッド加熱部12で加熱溶融し、溶融状態のフィラメントを所定の射出ノズル11から押し出すようにして射出する。
造形ヘッド10は、ガイド部材25にてX方向に移動可能に保持され、X軸駆動機構21によってX方向に往復移動される。
また、チャンバ3内には造形ヘッド10の射出ノズル11を清掃するノズル清掃部9が配置されている。
チャンバ3の側部である前壁部3Fの一部には、造形された立体造形物を排出する排出口部32が設けられ、排出口部32を開閉する開閉可能な開閉扉である断熱扉33を備えている。断熱扉33は、上端部が軸34で回転可能に保持されており、後述する扉開閉機構530によって開閉される。
ここで、造形ステージ4のベルト部材41は、断熱扉33の内側まで延びて配置されている。これにより、ベルト部材41は、造形中のY方向移動だけでなく、造形後の立体造形物300を排出口部32に向けて移送することができ、排出口部32から立体造形物300をチャンバ3の外側に排出することができるようになる。つまり、造形ステージ4は立体造形物300を排出口部32に向けて移送する手段を兼ねている。
また、排出口部32の外側には、立体造形物を冷却するための取り出し室35が配置されている。取り出し室35の周壁も耐熱壁(断熱壁)で構成している。
この取り出し室35に対応して、装置1の本体フレーム(外装)2の前面には開閉扉である外装扉36が開閉可能に設けられている。
次に、この装置の制御部の概要について図4のブロック説明図を参照して説明する。
制御部500は、外部から造形データ(スライスデータ)を入力し、装置1の各部を制御する主制御部501を備えている。
主制御部501は、ステージ加熱部5、フィラメント供給部6、チャンバ用ヒータ7、装置内冷却装置8、ヘッド加熱部12、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22、Z軸駆動機構23などの制御を司る。また、主制御部501は、扉開閉機構530を駆動制御して、排出口部32の断熱扉33の開閉、外装扉36の開閉を行う制御もする。
また、主制御部501には、X軸ポジション検知機構524から検知結果、Y軸ポジション検知機構525から検知結果、Z軸ポジション検知機構526から検知結果が入力される。主制御部501はこれらの検知結果に基づいて、造形ヘッド10のX方向への移動、造形ステージ4のベルト部材41のY方向への移動、底壁部3Dすなわち造形ステージ4のZ方向への移動を制御する。
次に、このように構成した実施形態の作用について図5ないし図9も参照して説明する。図5ないし図9は同作用説明に供する側面説明図である。
まず、図3に示す初期状態からZ軸駆動機構23によって底壁部3DをZ方向に上昇させ、図5に示すように、造形ステージ4を第1層の層状造形物301を造形する位置まで上昇させる。
そして、図6に示すように、造形ステージ4のベルト部材41をY方向に往復移動させ、造形ヘッド10をX方向に往復移動させて、1層の所要形状の層状造形物301を造形する。その後、造形ステージ4を1層分Z方向に下降させる。この動作を繰り返して、層状造形物301を所要総数分積層して、立体造形物300を造形する。
このようにして立体造形物300の造形が完了した後、図7に示すように、造形ステージ4を初期位置までZ方向に下降させた後、造形ステージ4のベルト部材41を矢印Y1方向に移動させて立体造形物300を排出口部32側に移送する。この移送中に立体造形物300は損傷しない程度に結晶化が進む。
このとき、図8に示すように、扉開閉機構530によって排出口部32の断熱扉33を開放しておくことで、ベルト部材41で移送される立体造形物300がベルト部材41から分離されて排出口部32から取り出し室35内に排出されて収容される。このとき、取り出し室35も閉じた空間であるので、処理空間30内の温度低下が抑制される。
そこで、図9に示すように、扉開閉機構530によって排出口部32の断熱扉33を閉じる。
一方、取り出し室35内に収容された立体造形物300は自然放熱などによって冷やされ、所要のタイミングで外装扉36を開放することで、装置1外に取出すことができる。
このようにして、チャンバ内の温度低下(降温)を抑えながら立体造形物を取出すことができる。
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態に係る立体造形装置の側面説明図である。
本実施形態では、造形ステージ4とは別に、造形ステージ4から立体造形物300が移送され、移送された立体造形物300を排出口部32に向けて移送する移送手段50を備えている。
移送手段50は、ベルト部材51を駆動ローラ52と従動ローラ53間に掛け回して配置している。
このように構成すれば、造形ステージ4で立体造形物300を造形しながら、移送手段50で立体造形物300を排出口部32に向けて移送することができ、造形動作と移送動作を併行して行うことができる。
これにより、例えば結晶化に時間がかかる造形材料を使用したような場合でも、移送手段50側での移送速度を結晶化に十分な速度として立体造形物300を損傷なく取り出し室35に排出できる。そして、そのための造形動作の待ち時間がなくなり、造形動作のタクトタイムを短縮でき、効率的な造形を行うことができる。
1 装置
2 本体フレーム
3 チャンバ
3D 底壁部
4 造形ステージ
5 ステージ加熱部
6 フィラメント供給部
7 チャンバー用ヒータ
10 造形ヘッド
11 射出ノズル
12 ヘッド加熱部
30 処理空間
32 排出口部
33 断熱扉
35 取り出し室
36 外装扉
41 ベルト部材

Claims (12)

  1. 断熱壁によって囲まれた処理空間を形成するチャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、層状造形物が積層されて立体造形物が造形される造形ステージと、
    前記造形ステージに向けて造形材料を付与する造形材付与手段と、を備え、
    前記造形ステージは、前記層状造形物の積層方向と直交する方向に移動可能である
    ことを特徴とする立体造形物を造形する装置。
  2. 前記チャンバの底壁部は、前記層状造形物の積層方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体造形物を造形する装置。
  3. 前記チャンバの底壁部は、前記造形ステージを伴って前記層状造形物の積層方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項2に記載の立体造形物を造形する装置。
  4. 前記チャンバの側部には造形された前記立体造形物を排出する開閉可能な排出口部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の立体造形物を造形する装置。
  5. 前記造形ステージは、造形された前記立体造形物を前記排出口部に移送する手段を兼ねている
    ことを特徴とする請求項4に記載の立体造形物を造形する装置。
  6. 前記造形ステージで造形された前記立体造形物が移送され、前記移送された前記立体造形物を前記排出口部に移送する移送手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の立体造形物を造形する装置。
  7. 前記排出口部の外側には、排出された前記立体造形物を収容する取り出し室が配置されている
    ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の立体造形物を造形する装置。
  8. 装置の外装には、前記取り出し室に通じる開閉扉が設けられている
    ことを特徴とする請求項7に記載の立体造形物を造形する装置。
  9. 前記造形ステージは、前記層状造形物が積層されるベルト部材を含み、
    前記ベルト部材は周回及び往復移動可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の立体造形物を造形する装置。
  10. 前記ベルト部材は、スチールベルトである
    ことを特徴とする請求項9の記載の立体造形物を造形する装置。
  11. 前記ベルト部材は、ポリイミドでコーティングされている
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の立体造形物を造形する装置。
  12. 前記ベルト部材から前記立体造形物を剥離する剥離部材を備えている
    ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の立体造形物を造形する装置。
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