JP2017154217A - 先端ツール及び移動ロボット - Google Patents

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成敏 塩谷
Shigetoshi Shiotani
成敏 塩谷
山田 弘之
Hiroyuki Yamada
弘之 山田
高西 淳夫
Atsuo Takanishi
淳夫 高西
健二 橋本
Kenji Hashimoto
健二 橋本
和寛 瓜生
Kazuhiro Uryu
和寛 瓜生
知峰 寺町
Tomotaka Teramachi
知峰 寺町
貴司 松澤
Takashi Matsuzawa
貴司 松澤
文紀 小泉
Fuminori Koizumi
文紀 小泉
伸也 濱元
Shinya Hamamoto
伸也 濱元
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Abstract

【課題】移動ロボットの動力を低減しつつ、はしご昇降を好適に行うことができる先端ツール等を提供する。【解決手段】胴体ユニットと、胴体ユニットに基端部が接続される複数の肢体ユニットと、を備える移動を行う移動ロボットの各肢体ユニットの先端部に接続される先端ツール13aにおいて、各肢体ユニットに接続される側の部位を甲側部位45とし、甲側部位45の反対側の部位を裏側部位46とすると、甲側部位45には、棒状部材に引っ掛けられる鈎溝55が設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、先端ツール及び移動ロボットに関するものである。
従来、移動ロボットとして、はしごを昇降するはしご昇降ロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このはしご昇降ロボットは、はしごの踏桟を把持可能な複数のグリッパを備えている。グリッパは、2つのグリッパ片が開閉することで、はしごの踏桟を把持する。
特開昭61−75074号公報
ところで、移動ロボットとしては、移動環境に応じて、複数種の異なる移動形態を有するものがある。移動形態としては、例えば、四足歩行、二足歩行、及びはしごの昇降等がある。このような移動ロボットは、先端ツールを手または足として機能させる必要がある。特許文献1は、はしご昇降ロボットであることから、グリッパは、四足歩行または二足歩行に適した形状となっていない。また、複数種の異なる移動形態を有する移動ロボットがはしご昇降を行う場合、移動ロボットの動作を小さな動作とすることで、移動ロボットの動力を抑制することが望ましく、動力の低減を図ることが可能な先端ツールが要求されている。
そこで、本発明は、移動ロボットの動力を低減しつつ、はしご昇降を好適に行うことができる先端ツール及び移動ロボットを提供することを課題とする。
本発明の先端ツールは、胴体ユニットと、前記胴体ユニットに基端部が接続される複数の肢体ユニットと、を備える移動を行う移動ロボットのそれぞれの前記肢体ユニットの先端部に接続される先端ツールにおいて、前記肢体ユニットに接続される側の部位を甲側部位とし、前記甲側部位の反対側の部位を裏側部位とすると、前記甲側部位には、棒状部材に引っ掛けられる鈎溝が設けられることを特徴とする。
この構成によれば、甲側部位に鈎溝を設けることで、鈎溝が裏側部位に設けられる場合に比べて、鈎溝を棒状部材に引っ掛けるまでの移動ロボット(特に肢体ユニット)の可動を小さいものとすることができる。具体的に、棒状部材が水平方向に沿って設けられ、裏側部位が上方を向いており、甲側部位が下方を向いている場合について説明する。鈎溝が裏側部位に設けられる場合、裏側部位の鈎溝は上方を向いていることから、鈎溝を棒状部材に引っ掛けるためには、裏側部位を下方に向ける必要があるため、肢体ユニットの可動が大きいものとなる。これに対して、鈎溝が甲側部位に設けられる場合、鈎溝はすでに下方を向いていることから、鈎溝を棒状部材に引っ掛けるためには、裏側部位を下方に向ける必要がないため、肢体ユニットの可動が小さいものとなる。このように、鈎溝を棒状部材に引っ掛けるまでの肢体ユニットの可動を小さいものとすることができるため、移動ロボットの動力を低減することができる。なお、この鈎溝は、肢体ユニットが移動ロボットの腕部として用いられるときに使用される。
また、前記甲側部位から突出して形成される一方の把持片と、前記一方の把持片の基端部から突出して形成され、前記一方の把持片と対向して設けられる他方の把持片とからなる一対の把持片を有し、前記鈎溝は、前記一対の把持片によって形成されることが好ましい。
この構成によれば、鈎溝が裏側部位に形成される場合に比べて、鈎溝の形状に制約を受けることなく、鈎溝を形成することができる。つまり、裏側部位は、移動ロボットの移動時において地面に接地されることから、鈎溝の形状に制約を受ける。一方で、甲側部位は、移動ロボットの移動時において地面に接地することがないことから、鈎溝に制約を受けることなく、一方の把持片を甲側部位から突出して形成することで、鈎溝を大きく形成することが可能となる。
また、前記鈎溝は、前記一対の把持片が相互に対向する対向面によって形成されるV溝であり、前記鈎溝が延在する方向に直交する面で切った断面において、前記一方の把持片に形成される前記対向面と、前記他方の把持片に形成される前記対向面とは、面対称に形成され、前記鈎溝が延在する方向に亘って同じ形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、一対の対向面が面対称となり、また、鈎溝が延在する方向に同じ形状となるV溝となることから、V溝の加工を容易に行うことができる。
また、前記一対の把持片の一対の前記対向面は、突出方向の基端部側の面が、前記突出方向の先端部に向かうにつれて広がるように形成され、前記突出方向の先端部側の面が、前記突出方向の基端部側の面に比して広がりが小さくなるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、鈎溝の形状を、鈎溝に引っ掛けられた棒状部材が鈎溝から逸脱し難い形状とすることができる。
また、前記一対の把持片には、肉抜き部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、軽量化を図ることができる。
また、前記裏側部位には、水平方向に伸びる棒状部材に係止可能な係止溝が複数並べて形成され、前記鈎溝が延在する方向と、前記各係止溝が延在する方向とは、平行となっていることが好ましい。
この構成によれば、肢体ユニットが移動ロボットの脚部として用いられる場合、裏側部位に係止溝を設けることで、水平方向に伸びる棒状部材に、係止溝を好適に引っ掛けることができる。つまり、肢体ユニットが脚部として用いられる場合、裏側部位が下方を向いており、甲側部位が上方を向いていることから、係止溝はすでに下方を向いているため、移動ロボットは、棒状部材に係止溝を好適に引っ掛けることができる。
また、前記鈎溝と複数の前記係止溝とは、V溝であり、前記係止溝の溝角度は、前記鈎溝の溝角度に比して大きい角度となっていることが好ましい。
この構成によれば、係止溝の溝角度を、鈎溝に比して大きくすることで、係止溝が鈎溝に比して小さく形成される場合であっても、係止溝により棒状部材を好適に捉えることが可能となる。
本発明の移動ロボットは、胴体ユニットと、前記胴体ユニットに、基端部が接続される複数の肢体ユニットと、それぞれの前記肢体ユニットの先端部に接続される、上記の先端ツールと、前記胴体ユニット及び複数の前記肢体ユニットの動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、先端ツールの鈎溝を、はしごの横桟及び支柱等の棒状部材に引っ掛けることで、転倒時に発生するモーメントを打ち消すことができ、移動ロボットの転倒の可能性を低くすることができる。
また、複数の前記肢体ユニットのうち、脚部として機能する複数の前記肢体ユニットに接続される前記先端ツールは、複数の係止溝を有する先端ツールであり、前記先端ツールは、前記肢体ユニットに接続される接続部と、前記接続部を挟んで一方側に設けられるつま先部と、前記接続部を挟んで他方側に設けられるかかと部と、を有し、複数の前記係止溝は、接地側の部位に、前記つま先部から前記接続部まで並べて形成され、前記制御部は、複数の前記肢体ユニットを制御して、支柱及び横桟を有するはしごを昇降させるはしご昇降制御を実行しており、前記はしご昇降制御において、前記はしごの前記横桟同士の間隔が狭く、前記接続部側の前記係止溝を使用することで前記肢体ユニットが前記はしごに干渉する第1の条件である場合、前記つま先部側の前記係止溝を使用して、前記はしごを昇降する第1はしご昇降モードを実行し、前記はしごの前記横桟同士の間隔が前記第1の条件に比して広く、前記接続部側の前記係止溝を使用することで前記肢体ユニットが前記はしごに干渉しない第2の条件である場合、前記接続部側の前記係止溝を使用する第2はしご昇降モードを実行することが好ましい。
この構成によれば、はしごの横桟同士の間隔が狭く、肢体ユニットがはしごに干渉し易い場合、制御部は、つま先部側の係止溝を使用することで、はしごの横桟から肢体ユニットを遠ざけることができる。このため、制御部は、肢体ユニットを干渉させることなく、移動ロボットをはしご昇降させることができる。一方で、はしごの横桟同士の間隔が広く、肢体ユニットがはしごに干渉し難い場合、制御部は、接続部側の係止溝を使用することで、はしごの横桟に肢体ユニットを近づけることができる。肢体ユニットをはしごの横桟に近づけると、肢体ユニットに設けられるアクチュエータをはしごの横桟に近づけることができることから、はしごと先端ツールとの接点と、アクチュエータとの間の長さを短くでき、アクチュエータ周りのモーメントを小さくすることができる。このため、制御部は、肢体ユニットのアクチュエータの駆動トルクを小さくできるため、移動ロボットの動力を低減することができる。
また、前記制御部は、複数の前記肢体ユニットを制御して、支柱及び横桟を有するはしごを昇降させるはしご昇降制御を実行しており、前記はしご昇降制御時において、複数の前記肢体ユニットのうち、腕部として機能する複数の前記肢体ユニットに接続される前記先端ツールの前記鈎溝を、前記支柱に引っ掛け、前記支柱に沿って前記先端ツールを移動させることが好ましい。
この構成によれば、先端ツールの鈎溝を支柱に引っ掛け、支柱に沿って先端ツールを移動させることで、先端ツールをはしごから離すことなく、移動ロボットをはしご昇降させることができる。このため、先端ツールがはしごから逸脱することを抑制できることから、移動ロボットの転倒の可能性を低くすることができる。
図1は、本実施形態の移動ロボットの外観斜視図である。 図2は、本実施形態の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの一例を示す外観斜視図である。 図3は、本実施形態の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの一例を示す外観斜視図である。 図4は、従来の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの動作に関する説明図である。 図5は、本実施形態の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの動作に関する説明図である。 図6は、本実施形態の移動ロボットのはしご昇降に関する動作の一例を示す説明図である。 図7は、本実施形態の移動ロボットのはしご昇降に関する動作の一例を示す説明図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態]
図1は、本実施形態の移動ロボットの外観斜視図である。図2及び図3は、本実施形態の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの一例を示す外観斜視図である。図4は、従来の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの動作に関する説明図である。図5は、本実施形態の移動ロボットに取り付けられる先端ツールの動作に関する説明図である。図6及び図7は、本実施形態の移動ロボットのはしご昇降に関する動作の一例を示す説明図である。
図1に示す移動ロボット1は、複数種の異なる移動形態を有するロボットであり、移動形態としては、例えば、二足歩行、三足歩行、四足歩行、はしご昇降及び腹這い歩行等が実行可能となっている。この移動ロボット1は、移動環境に応じた移動形態で、予め指定された移動先に移動する。
図1に示すように、移動ロボット1は、胴体ユニット11と、4つの肢体ユニット12と、4つの先端ツール13とを備えている。また、移動ロボット1は、胴体ユニット11及び4つの肢体ユニット12の動作を制御する制御部14を備えている。
胴体ユニット11は、正面、背面、上面、下面、左側面及び右側面を有する略長方体形状に形成されている。ここで、胴体ユニット11の正面及び背面が対向する方向を厚さ方向とする。また、厚さ方向に直交すると共に胴体ユニット11の上面及び下面が対向する方向を長さ方向とする。さらに、厚さ方向及び長さ方向に直交する方向を幅方向とする。この胴体ユニット11は、長さ方向において並べて設けられる2つの胴体フレーム21と、2つの胴体フレーム21の間に設けられる胴体側駆動軸22と、を有している。
各胴体フレーム21は、左側面及び右側面にそれぞれ1つの肢体ユニット12が接続されている。また、各胴体フレーム21は、ほぼ同一の構成となっている。
胴体側駆動軸22は、胴体ユニット11の長さ方向周りに回転すると共に、胴体ユニット11の幅方向周りに回転する。このため、胴体側駆動軸22は、胴体ユニット11を捻るように駆動すると共に、胴体ユニット11を折り曲げるように駆動する。
4つの肢体ユニット12は、胴体ユニット11の左側面及び右側面に対して、2つの肢体ユニット12がそれぞれ取り付けられている。具体的には、上記のように、2つの肢体ユニット12が、一方の胴体フレーム21の左側面及び右側面に接続され、残りの2つの肢体ユニット12が、他方の胴体フレーム21の左側面及び右側面に接続されている。この4つの肢体ユニット12は、同一の構成となっている。
次に、各肢体ユニット12について説明する。なお、4つの肢体ユニット12は、同一の構成となっていることから、下記の説明では、1つの肢体ユニット12について説明し、残りの3つの肢体ユニット12については説明を省略する。また、実施形態1では、4つの肢体ユニット12を用いたが、複数の肢体ユニット12であればよく、個数は特に限定されない。
肢体ユニット12は、その基端部が胴体ユニット11に取り付けられ、その先端部に先端ツール13が取り付けられている。このため、肢体ユニット12は、その先端側が地面に接地する側となっている。この肢体ユニット12は、複数の肢体側駆動軸32を有しており、所定の自由度を持って、腕部または脚部としての動作を行うことが可能となっている。
4つの先端ツール13は、4つの肢体ユニット12に対して、着脱自在となっており、使用環境に応じて複数種用意されている。4つの先端ツール13は、腕部として機能する肢体ユニット12に取り付けられるものと、脚部として機能する肢体ユニット12に取り付けられるものとが、同一の構成となっていることから、下記の説明では、腕部の先端ツール13aと、脚部の先端ツール13bとについてそれぞれ説明する。なお、この先端ツール13は、エンドエフェクタとも呼称されている。図2では、腕部の先端ツール13aを説明し、図3では、脚部の先端ツール13bを説明する。
図2に示す先端ツール13aは、移動ロボット1が二足歩行、または、はしごを昇降する際に、手として機能する。先端ツール13aは、肢体ユニット12に着脱自在に取り付けられ、肢体ユニット12に接続される側が甲側部位45となっており、甲側部位45の反対側で地面に接地される部位が裏側部位46となっている。つまり、先端ツール13aの甲側部位45が、手の甲側となり、先端ツール13aの裏側部位46が、手のひら側となっている。なお、甲側部位45と裏側部位46とが対向する方向を厚さ方向とする。この先端ツール13aは、ツール本体50と、ツール本体50から突出して設けられる一対の把持片51とを有している。
ツール本体50は、所定の方向が長辺方向となる長方体形状に形成されている。ツール本体50は、肢体ユニット12に着脱自在に取り付けられる接続部50aと、接続部50aの長辺方向の一方側(図2の左側)に設けられるつま先部50bと、を有する。つまり、移動ロボット1の四足歩行時において、先端ツール13aの長辺方向の一方側がつま先部50bとして機能する。
一対の把持片51は、ツール本体50の接続部50aを挟んで、接続部50aの長辺方向の他方側(図2の右側)に設けられるかかと部53として機能している。つまり、移動ロボット1の四足歩行時において、先端ツール13aの長辺方向の他方側がかかと部53として機能する。
一対の把持片51は、一方の把持片51aが、先端ツール13aの甲側部位45から、裏側部位46とは反対側となる厚さ方向に突出して設けられ、他方の把持片51bが、一方の把持片51aの基端部から長辺方向の他方側に突出して設けられている。そして、一方の把持片51aと他方の把持片51bとは、対向して設けられている。
先端ツール13aは、ツール本体50と他方の把持片51bとの裏側部位46が、地面に接する部位となっており、地面に接する部位は、平坦面が形成されている。この平坦面は、先端ツール13aのつま先部50bから接続部50aを経てかかと部53に亘って形成されている。
先端ツール13aのかかと部53における甲側部位45には、一対の把持片51により鈎溝55が形成されている。この鈎溝55は、棒状部材に引っ掛けられ、棒状部材としては、鉛直方向に沿って延びるはしご71の支柱72(図6及び図7参照)、及び水平方向に沿って延びるはしご71の横桟73(図4及び図5参照)がある。つまり、鈎溝55は、移動ロボット1のはしご昇降時において使用される。
鈎溝55は、一対の把持片51が相互に対向する一対の対向面56によって形成されるV溝である。この鈎溝55は、先端ツール13aの長辺方向及び先端ツール13aの厚さ方向に直交する短辺方向に亘って形成されている。短辺方向に直交する面で切った鈎溝55の断面において、一方の把持片51aに形成される対向面56aと、他方の把持片51aに形成される対向面56bとは、所定の面を挟んで、面対称に形成されている。また、対向面56a,56bは、短辺方向に亘って同じ形状となっている。
この一対の対向面56a,56bは、突出方向の基端部側における対向面56a,56bが、突出方向の先端部に向かうにつれて広がるように形成される。一方で、一対の対向面56a,56bは、突出方向の先端部側における対向面56a,56bが、突出方向の基端部側に比して広がりが小さくなるように形成されている。つまり、鈎溝55は、その先端側(溝の浅い側)が、基端側(溝の底側)に比して絞られた形状となっている。また、この鈎溝55は、基端側の溝角度、つまり、一対の対向面56a,56bが為す角度が、90°よりも小さい角度となっている。
また、一対の把持片51には、一対の肉抜き部57がそれぞれ形成されている。各肉抜き部57a,57bは、一対の把持片51a,51bの中央において矩形状に形成されている。なお、各肉抜き部57a,57bの形状は特に限定されるものではなく、一対の把持片51a,51bの剛性が、移動ロボット1の移動に耐え得る剛性であれば、いずれの形状であってもよい。
次に、図3に示す先端ツール13bについて説明する。図3に示す先端ツール13bは、移動ロボット1が二足歩行、または、はしごを昇降する際に、足として機能する。先端ツール13bは、先端ツール13aとほぼ同様の構成となっているため、先端ツール13aと異なる部位についてのみ説明し、先端ツール13aと同様の部位については、同じ符号を用いて説明する。先端ツール13bは、その甲側部位45が、足の甲側となり、その裏側部位46が、足の裏側となっている。
先端ツール13bのつま先部50bにおける裏側部位46には、複数の係止溝54が形成されている。この係止溝54は、棒状部材に引っ掛けられ、棒状部材としては、水平方向に沿って延びるはしご71の横桟73(図4及び図5参照)である。つまり、係止溝54は、移動ロボット1のはしご昇降時において使用される。
複数の係止溝54は、先端ツール13bの長辺方向に並べて設けられており、本実施形態では2本並べて設けられている。また、各係止溝54は、先端ツール13bの短辺方向に亘って形成されている。このため、複数の係止溝54と鈎溝55とは、平行に設けられている。2本の係止溝54のうち、その1本の係止溝54は、接続部50aに設けられ、その他の1本の係止溝54は、つま先部50bに設けられている。
各係止溝54は、短辺方向に直交する面で切った係止溝54の断面において、V字状となるV溝となっている。つまり、各係止溝54は、溝の底部から裏側部位46へ向かって広がる溝となっている。また、各係止溝54は、その溝角度、つまり、溝の底部における角度が、略90°となっている。このため、各係止溝54の溝角度は、鈎溝55の溝角度に比して大きい角度となっている。さらに、鈎溝55の大きさは、各係止溝54に比して大きく形成され、特に、鈎溝55の溝深さは、各係止溝54に比して深く形成されている。
次に、図4及び図5を参照して、従来の先端ツール100を用いたときの肢体ユニット12の動作と、本実施形態の先端ツール13aを用いたときの肢体ユニット12の動作との比較について説明する。
図4に示す従来の先端ツール100は、鈎溝101が、ツール本体のつま先部における裏側部位に形成されたものである。この先端ツール100は、腕部として機能する肢体ユニット12の肢体側駆動軸32を中心に可動させられることで、鈎溝101をはしごの横桟73に引っ掛けられる。ここで、図4において、先端ツール100の裏側部位が鉛直方向の上方を向いており、この状態から、先端ツール100を肢体側駆動軸32を中心に可動させて、横桟73に先端ツール100の鈎溝101を引っ掛ける場合、肢体側駆動軸32の可動角θaは、90°よりも大きい可動角となる。これは、鈎溝101が裏側部位に設けられる場合、裏側部位の鈎溝101は上方を向いていることから、鈎溝101をはしごの横桟73に引っ掛けるためには、裏側部位を下方に向ける必要があるからである。
これに対し、図5に示す本実施形態の先端ツール13aは、腕部として機能する肢体ユニット12の肢体側駆動軸32を中心に可動させられることで、鈎溝55をはしごの横桟73に引っ掛けられる。ここで、図5において、先端ツール13aの裏側部位46が鉛直方向の上方を向いており、この状態から、先端ツール13aを肢体側駆動軸32を中心に可動させて、横桟73に先端ツール13aの鈎溝55を引っ掛ける場合、肢体側駆動軸32の可動角θbは、90°よりも小さい可動角となる。これは、鈎溝55が甲側部位45に設けられる場合、鈎溝55はすでに下方を向いていることから、鈎溝55をはしごの横桟73に引っ掛けるためには、裏側部位46を下方に向ける必要がないからである。
次に、図6及び図7を参照して、脚部として機能する肢体ユニット12に、図3に示す先端ツール13bを取り付けたときの移動ロボット1のはしご昇降動作に関する制御について説明する。
制御部14は、胴体ユニット11の胴体側駆動軸22、及び各肢体ユニット12の肢体側駆動軸32を制御することで、胴体ユニット11及び各肢体ユニット12の動作を制御している。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等の集積回路と、作業領域となるメモリとを含み、これらのハードウェア資源を用いて移動ロボット1の動作に関するプログラムを実行することによって、移動ロボット1の動作を制御している。
この制御部14は、移動ロボット1の動作として、はしごを昇降させるはしご昇降制御を実行している。制御部14は、はしご昇降制御の実行時において、4つの肢体ユニット12のうち、上面側の2つの肢体ユニット12を腕部として機能させ、下面側の2つの肢体ユニット12を脚部として機能させる。また、制御部14は、はしご昇降制御の実行時において、脚部として機能させる2つの肢体ユニット12を、所定の条件に基づいて、図6に示す第1はしご昇降モードまたは図7に示す第2はしご昇降モードで動作させている。
図6の第1はしご昇降モードは、はしご71の横桟73同士の間隔Laが狭く、接続部50a側の係止溝54bを使用することで肢体ユニット12がはしご71に干渉する第1の条件である場合に実行される。一方で、図7の第2はしご昇降モードは、はしご71の横桟73同士の間隔Lbが第1の条件に比して広く、接続部50a側の係止溝54bを使用することで肢体ユニット12がはしご71に干渉しない第2の条件である場合に実行される。より具体的に、制御部14は、はしご71の横桟73の間隔に基づいて、第1の条件であるか、第2の条件であるかを判定している。つまり、第1の条件または第2の条件を判定するためのしきい値が予め設定されており、制御部14は、はしご昇降を行うはしごの横桟73の間隔が、しきい値以上である場合、第2の条件であるとして、第2はしご昇降モードを実行する。一方で、制御部14は、はしご昇降を行うはしごの横桟73の間隔が、しきい値未満である場合、第1の条件であるとして、第1はしご昇降モードを実行する。
制御部14は、第1はしご昇降モードではしご昇降制御を実行すると、はしご71の横桟73の間隔が狭い場合であっても、肢体ユニット12をはしご71に干渉させることなく、移動ロボット1にはしご昇降を行わせることが可能となる。また、制御部14は、第2はしご昇降モードではしご昇降制御を実行すると、はしご71の横桟73に肢体ユニット12を近づけることができるため、肢体ユニット12に設けられる肢体側駆動軸32をはしご71の横桟73に近づけることができる。この場合、はしご71と先端ツール13bとの接点と、肢体側駆動軸32との間の長さを短くでき、肢体側駆動軸32周りのモーメントを小さくすることができる。このため、制御部14は、肢体ユニット12の肢体側駆動軸32の駆動トルクを小さくできるため、移動ロボット1の動力を低減することができる。
また、制御部14は、はしご昇降制御時において、腕部として機能させる2つの肢体ユニット12に接続される先端ツール13aの鈎溝55を、はしご71の支柱72に引っ掛け、支柱72に沿って先端ツール13aを鉛直方向に移動させている。
以上のように、本実施形態によれば、先端ツール13の甲側部位45に鈎溝55を設けることで、鈎溝55が裏側部位46に設けられる場合に比べて、鈎溝55をはしご71の横桟73に引っ掛けるまでの移動ロボット1の肢体ユニット12の可動を小さいものとすることができる。このため、移動ロボット1の動力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、鈎溝55を甲側部位45に設けることで、鈎溝55が裏側部位46に設けられる場合に比べて、鈎溝55の形状に制約を受けることなく、係止溝54に比して鈎溝55を大きく形成することができる。特に、一方の把持片51aを甲側部位45から突出して形成することで、鈎溝55を大きく形成することが可能となる。
また、本実施形態によれば、鈎溝55の先端側の形状を絞るように形成したため、鈎溝55の形状を、引っ掛けられた支柱72または横桟73から逸脱し難い形状とすることができる。
また、本実施形態によれば、一対の把持片51に肉抜き部57を形成することで、先端ツール13の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、肢体ユニット12が移動ロボット1の脚部として用いられる場合、裏側部位46に係止溝54を設けることで、はしご71の横桟73に、係止溝54を好適に引っ掛けることができる。
また、本実施形態によれば、係止溝54の溝角度を、鈎溝55に比して大きくすることで、係止溝54が鈎溝55に比して小さく形成される場合であっても、係止溝54によりはしご71の横桟73を好適に捉えることが可能となる。
また、本実施形態によれば、先端ツール13aの鈎溝55を、はしご71の横桟73及び支柱72に引っ掛けることで、移動ロボット1の転倒時に発生するモーメントを打ち消すことができるため、移動ロボット1の転倒の可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、制御部14は、第1はしご昇降モード及び第2はしご昇降モードを選択的に実行することで、肢体ユニット12をはしご71に干渉させることなく、また、移動ロボット1の動力の低減を図りつつ、移動ロボット1をはしご昇降させることができる。
また、本実施形態によれば、制御部14は、先端ツール13aの鈎溝55を支柱72に引っ掛け、支柱72に沿って先端ツール13aを移動させることで、先端ツール13aをはしご71から離すことなく、移動ロボット1をはしご昇降させることができる。このため、先端ツール13aがはしご71から逸脱することを抑制できることから、移動ロボット1の転倒の可能性を低くすることができる。
なお、本実施形態において、制御部14は、はしご昇降制御において、はしご71の最上段の横桟73から降りる登り切り時において、第2はしご昇降モードを実行してもよい。つまり、はしご71の登り切り時には、肢体ユニット12に干渉するはしご71の横桟73がないため、第2はしご昇降モードを実行することで、移動ロボット1の動力の低減をさらに図ることができる。
1 移動ロボット
11 胴体ユニット
12 肢体ユニット
13 先端ツール
14 制御部
21 胴体フレーム
22 胴体側駆動軸
32 肢体側駆動軸
45 甲側部位
46 裏側部位
50 ツール本体
50a 接続部
50b つま先部
51 把持片
53 かかと部
54 係止溝
55 鈎溝
56 対向面
57 肉抜き部

Claims (10)

  1. 胴体ユニットと、前記胴体ユニットに基端部が接続される複数の肢体ユニットと、を備える移動を行う移動ロボットのそれぞれの前記肢体ユニットの先端部に接続される先端ツールにおいて、
    前記肢体ユニットに接続される側の部位を甲側部位とし、前記甲側部位の反対側の部位を裏側部位とすると、
    前記甲側部位には、棒状部材に引っ掛けられる鈎溝が設けられることを特徴とする先端ツール。
  2. 前記甲側部位から突出して形成される一方の把持片と、前記一方の把持片の基端部から突出して形成され、前記一方の把持片と対向して設けられる他方の把持片とからなる一対の把持片を有し、
    前記鈎溝は、前記一対の把持片によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の先端ツール。
  3. 前記鈎溝は、前記一対の把持片が相互に対向する対向面によって形成されるV溝であり、
    前記鈎溝が延在する方向に直交する面で切った断面において、前記一方の把持片に形成される前記対向面と、前記他方の把持片に形成される前記対向面とは、同じ形状に形成され、前記鈎溝が延在する方向に亘って同じ形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の先端ツール。
  4. 前記一対の把持片の一対の前記対向面は、突出方向の基端部側の面が、前記突出方向の先端部に向かうにつれて広がるように形成され、前記突出方向の先端部側の面が、前記突出方向の基端部側の面に比して広がりが小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の先端ツール。
  5. 前記一対の把持片には、肉抜き部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の先端ツール。
  6. 前記裏側部位には、水平方向に伸びる棒状部材に係止可能な係止溝が複数並べて形成され、
    前記鈎溝が延在する方向と、前記各係止溝が延在する方向とは、平行となっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の先端ツール。
  7. 前記鈎溝と複数の前記係止溝とは、V溝であり、
    前記係止溝の溝角度は、前記鈎溝の溝角度に比して大きい角度となっていることを特徴とする請求項6に記載の先端ツール。
  8. 胴体ユニットと、
    前記胴体ユニットに、基端部が接続される複数の肢体ユニットと、
    それぞれの前記肢体ユニットの先端部に接続される、請求項1から7のいずれか1項に記載の先端ツールと、
    前記胴体ユニット及び複数の前記肢体ユニットの動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする移動ロボット。
  9. 複数の前記肢体ユニットのうち、脚部として機能する複数の前記肢体ユニットに接続される前記先端ツールは、請求項6または7に記載の先端ツールであり、
    前記先端ツールは、
    前記肢体ユニットに接続される接続部と、
    前記接続部を挟んで一方側に設けられるつま先部と、
    前記接続部を挟んで他方側に設けられるかかと部と、を有し、
    複数の前記係止溝は、接地側の部位に、前記つま先部から前記接続部まで並べて形成され、
    前記制御部は、複数の前記肢体ユニットを制御して、支柱及び横桟を有するはしごを昇降させるはしご昇降制御を実行しており、
    前記はしご昇降制御において、
    前記はしごの前記横桟同士の間隔が狭く、前記接続部側の前記係止溝を使用することで前記肢体ユニットが前記はしごに干渉する第1の条件である場合、前記つま先部側の前記係止溝を使用して、前記はしごを昇降する第1はしご昇降モードを実行し、
    前記はしごの前記横桟同士の間隔が前記第1の条件に比して広く、前記接続部側の前記係止溝を使用することで前記肢体ユニットが前記はしごに干渉しない第2の条件である場合、前記接続部側の前記係止溝を使用する第2はしご昇降モードを実行することを特徴とする請求項8に記載の移動ロボット。
  10. 前記制御部は、複数の前記肢体ユニットを制御して、支柱及び横桟を有するはしごを昇降させるはしご昇降制御を実行しており、前記はしご昇降制御時において、複数の前記肢体ユニットのうち、腕部として機能する複数の前記肢体ユニットに接続される前記先端ツールの前記鈎溝を、前記支柱に引っ掛け、前記支柱に沿って前記先端ツールを移動させることを特徴とする請求項8または9に記載の移動ロボット。
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CN108481301A (zh) * 2018-06-11 2018-09-04 东北大学 一种基于五自由度机械臂的真空检漏机器人
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