JP2017154185A - 締結装置 - Google Patents

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恒貴 越智
Tsunetaka Ochi
恒貴 越智
由紀夫 小▲崎▼
Yukio Ozaki
由紀夫 小▲崎▼
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Abstract

【課題】締結部材の締め付けトルクよりも戻しトルクを大きくすることができる締結装置を提供する。【解決手段】締結装置1は、モータ駆動によって正転及び逆転駆動される駆動軸10と、駆動軸10に同軸に配置される第1トルク部材11,第2トルク部材12,第1駆動ギヤ13,第2駆動ギヤ14を備え、第1駆動ギヤ13を経由したトルクと第2駆動ギヤ14を経由したトルクが選択的に伝動される伝動ギヤ21と、伝動ギヤ21を介して伝動されたトルクによって駆動される作用部30を備え、第2トルク伝動部材12は、駆動軸10の逆転時のみ、駆動軸10のトルクを第2駆動ギヤ14に伝動し、第1トルク部材11が伝動できる制限トルクに対して第2トルク部材12が伝動できる制限トルクが大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、ねじなどの締結部材を締め付ける締結装置に関するものである。
ねじなどの締付部材を締め付けるモータ駆動の締結装置が知られている。下記特許文献1に記載された従来技術は、モータの回転方向を正逆切り換える切り換えスイッチを備え,ハンマの外周に一方向クラッチを介して予備ハンマを配置し、モータの回転を正逆切り換えることで、ハンマと予備ハンマとを連結したり、連結を解除したりして、ハンマ単独の慣性モーメントとハンマと予備ハンマとを連結したときの慣性モーメントの違いによって、発生トルクを異ならせるものである。
特開平7−52062号公報
ねじなどの締め付け・戻しトルクは、理論的には、一つのねじでは締め付けトルクに対して戻しトルクが小さいことが知られている。しかしながら、実際の締め付け・戻し作業では、締め付け時の締め付け部材や座面の変形、摩擦抵抗の方向性などによって、締め付けトルクに対して戻しトルクが大きくなってしまうことがある。このような場合には、締め付け・戻し作業を繰り返し行うことが必要な場合などに、良好な作業性が得られない問題がある。
このような問題は、回転軸の正転時と逆転時で発生トルクを異ならせることで解決可能である。しかしながら、従来技術のように、ハンマと予備ハンマを設ける構成では、装置コストが高くなる問題がある。また、回転軸を回転させた際の慣性モーメントの違いによって発生トルクを異ならせているので、締め付けトルクを大小させることは可能であっても、戻しトルクを大きくさせることは困難な構造になっている。
このような課題を解決するために、本発明による締結装置は、以下の構成を具備するものである。
モータ駆動によって正転及び逆転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に軸支される第1トルク伝動部材と、前記駆動軸に軸支されて前記第1トルク伝動部材に結合する第1駆動ギヤと、前記駆動軸に軸支される第2トルク伝動部材と、前記駆動軸に軸支されて前記第2トルク伝動部材に結合する第2駆動ギヤと、前記第1駆動ギヤを経由したトルクと前記第2駆動ギヤを経由したトルクが選択的に伝動される伝動ギヤと、前記伝動ギヤを介して伝動されたトルクによって駆動され、締結部材を回転する作用部とを備え、前記第2トルク伝動部材は、前記駆動軸の逆転時のみ、前記駆動軸のトルクを前記第2駆動ギヤに伝動し、前記第1トルク部材が伝動できる制限トルクに対して前記第2トルク部材が伝動できる制限トルクが大きいことを特徴とする締結装置。
本発明の実施形態に係る締結装置の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る締結装置の他の例を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る締結装置の一例を示している。締結装置1は、モータMによって正転及び逆転駆動される駆動軸10と、駆動軸10に同軸に軸支される第1トルク伝動部材11、第2トルク伝動部材12、第1駆動ギヤ13,第2駆動ギヤ14を備えている。
図示の例では、駆動軸10は、一端側がモータMの回転軸に結合され、他端側は軸受15に軸支されている。モータMは、フレームFに支持されており、軸受15は、フレームFの支持部F1に取り付けられている。
また、図示の例では、フレームFに伝動軸20が軸支されており、伝動軸20に伝動ギヤ21,22が取り付けられている。伝動軸20は、一端が軸受23を介してフレームFに軸支され、他端が軸受24を介してフレームFの支持部F2に軸支されている。
さらに、図示の例では、作用軸(作用部)30がフレームFに軸支されている。作用軸30には伝動ギヤ31が取り付けられ、作用軸30の中間部は軸受32を介してフレームFに軸支され、一端は、軸受33を介して支持部F1に軸支されている。この例では、駆動軸10と作用軸30が同軸上に配置されている。
ここで、駆動軸10に軸支される第1トルク伝動部材11は、第1駆動ギヤ13と結合しており、駆動軸10のトルクを制限トルクの範囲内で第1駆動ギヤ13に伝動するものであり、各種構造のトルクリミッタによって構成することができる。第1トルク伝動部材11は、駆動軸10の正転時と逆転時の両方で、駆動軸10のトルクを第1伝動ギヤ13に伝動する。
また、駆動軸10に軸支される第2トルク伝動部材12は、第2駆動ギヤ14と結合しており、駆動軸10の一方向回転のトルクのみを制限トルクの範囲内で第2駆動ギヤ14に伝動するものであり、ワンウェイクラッチを組み込んだトルクリミッタによって構成することができる。
伝動ギヤ21は、駆動軸10からのトルクが第1駆動ギヤ13を経由して伝動されるか、第2駆動ギヤ14を経由して伝動されるか選択できるように配置されている。ここでは、第1トルク伝動部材11と第2トルク伝動部材12の機能によってその選択がなされ、伝動ギヤ21は、近接配置された第1駆動ギヤ13と第2駆動ギヤ14に常時係合している。ここでの第1駆動ギヤ13と第2駆動ギヤ14は、同径同歯数で構成されている。
そして、締結装置1は、第1トルク伝動部材11が、駆動軸10の正転時と逆転時の両方で、駆動軸10のトルクを第1駆動ギヤ13に伝動し、第2トルク伝動部材12が、駆動軸10の逆転時のみ、駆動軸10のトルクを第2駆動ギヤ14に伝動するものであって、第1トルク部材11が伝動できる制限トルクに対して第2トルク部材12が伝動できる制限トルクを大きく設定している。
このような締結装置1を用いた締結部材の締め付け・戻し作業を説明する。ここでは、駆動軸10を正転駆動することで、締結部材の締め付けを行い、駆動軸10を逆転駆動することで、締結部材の戻し(緩め)を行う。締め付け作業を行う際には、モータMによって駆動軸10を正転駆動すると、駆動軸10のトルクは、第1トルク伝動部材11を介して第1駆動ギヤ13に伝動され、そこから伝動ギヤ21、伝動軸20、伝動ギヤ22、伝動ギヤ31を経由して、作用軸30に伝えられる。これにより、締結部材の締め付けトルクは、第1トルク伝動部材11の制限トルクになる。
これに対して、締め付け部材の戻し(緩め)作業を行う際には、モータMによって駆動軸10を逆転駆動すると、駆動軸10のトルクは、第2トルク伝動部材12を介して第2駆動ギャ14に伝動され、そこから伝動ギヤ21、伝動軸20、伝動ギヤ22、伝動ギヤ31を経由して、作用軸30に伝えられる。これにより、締結部材の戻しトルクは、第2トルク伝動部材12の制限トルクになる。締結装置1は、第1トルク部材11の制限トルクに対して第2トルク部材12の制限トルクを大きく設定しているので、締め付けトルクに対して戻しトルクが大きく設定される。
以上の説明では、駆動軸10の正転によって、作用軸30が締結部材を締め付け、駆動軸10の逆転によって、作業軸30が締結部材を緩めるように対応されているが、その逆に、駆動軸10の逆転によって、作用軸30が締結部材を締め付け、駆動軸10の正転によって、作業軸30が締結部材を緩めるように対応させることもできる。この場合には、締め付けトルクに対して戻しトルクを小さく設定することができる。
図2は、本発明の実施形態に係る締結装置の他の例を示している。前述した実施形態と同一部位には同一符号を付して重複説明を省略する。この例では、フレームFの支持部F3に、軸20Aを介して、第1駆動ギヤ13と第2駆動ギヤ14に常時係合する伝動ギヤ21Aが配置されている。伝動ギヤ21Aは、支持部F3に軸支される伝動ギヤ22Bに係合している。伝動ギヤ22Bを回転させることで、作用部30Aが回転して、被固定部材Lの位置決めを行う。
この例の締結装置1は、作用部30Aが一方向に回転すると、被固定部材Lの外周への締め付けがなされて、被固定部材Lが支持部F3に固定される。これに対して、作用部30Aが他方に回転すると、被固定部材Lの外周への締め付けが緩んで、被固定部材Lを支持部F3に対して位置調整できるようになる。
このような締結部材1においても、駆動軸10の正転時に作用部30Aの締め付けを行い、駆動軸10の逆転時に作用部30Aの戻し(緩め)を行うことで、作用部30Aの締め付けを緩める戻しトルクを、作用部30Aの締め付けトルクより大きくすることができる。これによって、繰り返し作用部30Aの締め付け・戻し作業を行って、被固定部材Lの位置決めを行う場合に、作業を円滑に行うことが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:締結装置,10:駆動軸,
11:第1トルク伝動部材,12:第2トルク伝動部材,
13:第1駆動ギヤ,14:第2駆動ギヤ,
15,23,24,32,33:軸受,20:伝動軸,20A:軸,
21,21A,22,22B,31:伝動ギヤ,
30:作用軸(作用部),30A:作用部,
M:モータ,F:フレーム,F1,F2,F3:支持部,L:被固定部材

Claims (3)

  1. モータ駆動によって正転及び逆転駆動される駆動軸と、
    前記駆動軸に軸支される第1トルク伝動部材と、
    前記駆動軸に軸支されて前記第1トルク伝動部材に結合する第1駆動ギヤと、
    前記駆動軸に軸支される第2トルク伝動部材と、
    前記駆動軸に軸支されて前記第2トルク伝動部材に結合する第2駆動ギヤと、
    前記第1駆動ギヤを経由したトルクと前記第2駆動ギヤを経由したトルクが選択的に伝動される伝動ギヤと、
    前記伝動ギヤを介して伝動されたトルクによって駆動され、締結部材を回転する作用部とを備え、
    前記第2トルク伝動部材は、前記駆動軸の逆転時のみ、前記駆動軸のトルクを前記第2駆動ギヤに伝動し、
    前記第1トルク部材が伝動できる制限トルクに対して前記第2トルク部材が伝動できる制限トルクが大きいことを特徴とする締結装置。
  2. 前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤは、同径同歯数で近接配置され、前記伝動ギヤは、前記第1駆動ギヤ及び前記第2駆動ギヤに常時係合していることを特徴とする請求項1記載の締結装置。
  3. 前記作用部は、前記駆動軸の正転時に締結部材の締め付けを行い、前記駆動軸の逆転時に締結部材の戻しを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の締結装置。
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