JP2017153635A - 血管クランプ - Google Patents

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鶴井 孝文
Takafumi Tsurui
孝文 鶴井
理 板野
Osamu Itano
理 板野
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Abstract

【課題】腹腔鏡下手術において、血流を間欠的かつ段階的に遮断することができる血管クランプを提供する。
【解決手段】血管クランプは、直線状の第1及び第2の棒体と、これらの棒体の近位端がヒンジ機構を介して連結された連結部とから成り、これらの棒体が連結部をヒンジとし、相互に当接して血管を挟持して血流を遮断する。第1の棒体は、遠位端にフック部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凹部又は凸部が当接面上に設けられる。第2の棒体は、遠位端に係止部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凸部又は凹部であって、第1の棒体の凹部又は凸部と嵌合する凸部又は凹部が当接面上に設けられる。第1及び第2の棒体の長手方向を横切る断面幅であって、棒体、フック部、係止部及び連結部の断面幅は、腹腔鏡用ポートの内径より小さく形成される。凸部は遠位端近傍と近位端近傍よりも中央部の高さが大きく形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、腹腔鏡下での手術において、肝十二指腸間膜などの組織を挟持し、血流を間欠的に遮断する血管クランプに関するものである。
近年、多くの開腹手術がより低侵襲な腹腔鏡下での手術に移行しつつあり、肝切除術についても、開腹肝切除術に比べ、腹腔鏡下肝切除術の件数が多くなってきている。しかしながら、肝臓は出血しやすい臓器であるため、出血をコントロールする必要があり、これまで様々な工夫がなされてきた。
その中で最も普及している方法が、肝十二指腸間膜を一括にクランプし、間欠的に肝血流を遮断するPringle法(間欠的肝十二指腸間膜遮断法)である。Pringle 法を行うには、切断したネラトンカテーテルの中に細い固縛用テープを通したターニケットを用いるターニケット法がある。しかし、既製品のほとんどは開腹手術用に作られており、腹腔鏡下手術用の場合は、ほとんどの医療施設では自作した物を使用しているのが現状である。
また、ターニケットを腹腔内で使用するには、腹腔内に鉗子を挿入するための腹腔ポートを患者腹部に追加造設する必要がある。
一方で、着脱式腸鉗子で肝十二指腸間膜を直接クランプする鉗子法という方法がある。かかる鉗子法では加圧力が弱く、十分な肝血流の遮断が期待できないという問題がある。また、鉗子法の場合、加圧力を増すと肝十二指腸間膜内に通る脈管(肝動脈、総胆管、門脈)を傷害し、致死的な合併症(大量出血)を起こすなどの問題もある。
上述のターニケット法や鉗子法の場合、血流の遮断圧の微調整は、術者の感覚に頼っているのが現状である。
この他、血流の遮断を目的とするものではないが、手術時の腸管の挟締を容易にする腸管挟締器が知られている(特許文献1を参照)。しかしながら、腹腔鏡下肝切除術においては、肝十二指腸間膜の血流を間欠的に遮断する血管クランプが求められるところ、特許文献1に開示された腸管挟締器は、腹腔鏡下で腸管の挟締を容易にすることを目的として設計されているため、血流を完全に遮断したり、完全に解放したりすることはできるが、血流を一定程度抑えるといった微調整が難しいという問題がある。
また、2枚の細長い薄片でクランプする胃の仕切り用クランプが知られている(特許文献2を参照)。これによれば、逆戻り性がない手術が可能となるが、ワイヤを巻き付けて固定する等、構造が複雑であり、操作がしづらいという問題がある。また、複数の部品を用いるため、手術中に部品が脱落する恐れもある。
また、自由状態と作動状態との間で移動できるクランプを有する手術用クランプ装置が知られている(特許文献3を参照)。しかしながら、特許文献3に開示された手術用クランプ装置も、複数の部品を用いるため、手術中に部品が脱落する恐れがあるという問題があった。また、構造が複雑であり、製造コストが高くなるという問題もあった。
特開2006−87671号公報 特開2002−85414号公報 特表平9−507397号公報
現在の医療分野において、患者に対して低侵襲であり、多くの医療施術者の技量が認められてきた腹腔鏡下手術の拡大性、応用性は、これからも非常に大きくなることが推測される。しかしながら、上記のように、腹腔鏡下手術において、臓器に血流を送る血管の間欠的遮断を安全かつ確実に行い、しかも低侵襲性を実現するような把持器具はこれまでは無かった。
かかる状況に鑑みて、本発明は、腹腔鏡下手術において、簡単な操作で、血流を間欠的かつ段階的に遮断することができる血管クランプを提供することを目的とする。
なお、本明細書で“クランプする”とは、2本の棒体で対象物を挟んだ状態を保持する挟持を意味で用いている。
上記課題を解決すべく、本発明の血管クランプは、直線状の第1及び第2の棒体と、第1及び第2の棒体の近位端がヒンジ機構を介して連結される連結部とから成り、第1及び第2の棒体が連結部をヒンジとし、相互に当接して血管を挟持して血流を遮断する血管クランプであって、以下の構成を備える。
1)第1の棒体は、遠位端にフック部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凹部又は凸部が当接面上に設けられる。
2)第2の棒体は、遠位端に係止部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凸部又は凹部であって、第1の棒体の凹部又は凸部と嵌合する凸部又は凹部が当接面上に設けられる。
3)第1及び第2の棒体の長手方向を横切る断面積であって、棒体、フック部、係止部及び連結部の断面幅は、腹腔鏡用ポートの内径より小さく形成されている。
4)凸部は、遠位端近傍と近位端近傍よりも中央部の高さが大きく形成されている。
5)血管クランプは、第1の棒体と第2の棒体がヒンジ機構を介して一直線状に開かれた状態において、腹腔鏡用ポートに挿通可能である。
本発明の血管クランプによれば、既に開けられた腹腔ポートの内腔を通して、血管クランプ本体を分解することなくそのまま挿通して腹腔空間内で使用できることから、患者に腹腔ポートを別に追設する必要が無く、患者に余分な傷を付けることも無いことから低侵襲性を実現できる。
なお、第1の棒体の遠位端、或は、第2の棒体の遠位端には、挿入時やクランプ時に引っ張るための、帯や紐などが設けられてもよい。これにより、クランプの操作性を高めることができる。また、第1の棒体および第2の棒体の一部又は全体には、使用時に体内を傷つけないためのゴム等によるコーティングが施されていてもよい。これにより、さらに使用時の安全性を高めることができる。
本発明の血管クランプは、第1及び第2の棒体のそれぞれの胴部が、円柱または楕円柱を面で切り取った形状に形成され、当該面が当接面とされたことが好ましい。第1及び第2の棒体が、角張っていないことから、腹腔空間内での使用においてより安全性が確保できる。
本発明の血管クランプの凸部は、近位端から遠位端の輪郭がR形状に形成されたことが好ましい。近位端から遠位端の輪郭がR形状に形成されることにより、血管組織をクランプした際に、血管組織の反発力(抗力)によって第1及び第2の棒体が撓んだ場合でも、血液の漏れが発生することをし難くでき、また、血管をしっかりと挟持するクランプ力が安定して得られる。
なお、血管クランプの棒体の材料の強度が十分であって、棒体が撓みにくい場合は、近位端から遠位端の輪郭がR形状でなくても構わない。
本発明の血管クランプの係止部には、少なくとも2つの爪部が設けられたことが好ましい。少なくとも2つの爪部が設けられることで、段階的にフック部を係止することが可能であり、血流の微調整が可能となり、血流の間欠的かつ段階的な遮断を容易にする。
本発明の血管クランプのフック部には、摘み部と少なくとも1つの爪部が設けられたことが好ましい。かかる構成により、鉗子などで摘み部を掴んで、フック部の爪部が係止部の係り部から外れるようにでき、また、複数の爪部によって血管組織に対して段階的なクランプ力が得られるようにでき、簡単な操作で柔軟にクランプ力の調整が可能である。
本発明の血管クランプにおいて、第1及び第2の棒体の外側遠位端には、把持部として凹部が形成されたことが好ましい。ここで、把持部とは、鉗子等の腹腔鏡下手技で用いる器具により、本発明の血管クランプを把持する部位を意味する。鉗子等で凹部を把持することにより、鉗子等が凹部に収まることで滑り難くなり、血管クランプの操作性が高まる。
本発明の血管クランプにおいて、第1及び第2の棒体の外側遠位端には、把持部として貫通孔が形成されたことでもよい。把持部として貫通孔が形成されることで、貫通孔に鉗子等を挿通して血管クランプを操作することが可能になり、より安定した操作が可能となる。
本発明の血管クランプは、第1及び第2の棒体と連結部が一体成形されていることが好ましい。一体成形されることで、脱落部品が無くなり、手術の安全性を高めることができる。また、部品点数や材料を減らすことが可能であり、製造コストを抑えることができる。
本発明の血管クランプにおいて、凸部と凹部は、それぞれ2本〜4本の並行線条であり、それぞれ互いに嵌合し得ることでもよい。凸部と凹部がそれぞれ複数設けられることで、より確実に血流を遮断することができる。なお、凸部と凹部の設け方としては、断面形状が波形状や台形状となるものでもよい。なお、血管クランプ自体のサイズの制約から、5本以上の並行線条は実現が困難である。
本発明の血管クランプによれば、腹腔鏡下手術において、既に開けられた腹腔ポートの内腔を通して、血管クランプ本体を分解することなくそのまま挿通して腹腔空間内で使用できるといった効果がある。また、血管組織の血流を、間欠的かつ段階的にしっかりと遮断することができるといった効果がある。
実施例1の血管クランプの全体構造図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の正面図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の背面図 実施例1の第2の棒体の正面図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の左側面図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の右側面図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の平面図 実施例1の血管クランプのポート挿入時の底面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の正面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の背面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の左側面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の右側面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の平面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の底面図 実施例1の血管クランプのクランプ時の断面図 血管クランプの腹腔鏡用ポートへの挿入例 実施例2の血管クランプのポート挿入時の正面図 実施例2の血管クランプのクランプ時の正面図 実施例2の血管クランプのクランプ時の拡大図 実施例2の血管クランプのクランプ時の断面図 実施例3の血管クランプのクランプ時の断面図 実施例1の血管クランプの斜視図 実施例2の血管クランプの斜視図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、実施例1の血管クランプの全体構造図を示している。図1に示すように、血管クランプ3は、第1の棒体1、第2の棒体2および連結部4から成る。第1の棒体1と第2の棒体2は、直線状の棒体であり、第1の棒体1の近位端と第2の棒体2の近位端において、連結部4によって連結されている。使用時には、連結部4を支点として第1の棒体1の当接面1cと第2の棒体2の当接面2cとが当接し、肝十二指腸間膜8を挟持し、血流を遮断する。
第1の棒体1の遠位端には、フック部5および把持部7aが設けられており、フック部5は、フック本体5a、摘み部5bおよび爪部5cから成る。第2の棒体2の遠位端には、係止部6および把持部7bが設けられ、係止部6は、係止部本体6aおよび爪部(6b,6c)から成る。鉗子等を用いて把持部7aと把持部7bを把持することで、爪部(6b,6c)に爪部5cが係止され、クランプされる構造である。
第1の棒体1、第2の棒体2および連結部4は、ナイロン樹脂で一体成形されており、また、成形する材料には、X線マーカ材料が混練されている。なお、X線マーカ材料は、混練ではなく、印刷であっても良い。一体成形されているため、脱落する部品は無く、安全に手術を行うことができる。但し、フック部は使用中に破損する恐れがあるため、成形する材料にX線マーカ材料を混練し、万が一、破損してもX線透視装置で欠落部品を探索できるようにしたものである。
フック本体5aの厚みは、0.6〜1.5mmであることが好ましい。かかる範囲であれば、クランプ時に安定して係止状態を維持することができ、かつ、摘み部5bの操作を容易に行うことができる。本実施例において、フック本体5aの厚みは1.2mmとなっている。
上述の通り、血管クランプの材料は、ナイロン樹脂で一体成形されているが、ポリプロピレンなど他の樹脂で作製しても構わない。生体内で使用可能な材料であれば、特に材料が限定されるものではない。また、血管への愛護性が確保できるならば、樹脂以外の金属材料であっても採用することができる。
図16は、血管クランプの腹腔鏡用ポートへの挿入例を示している。なお、血管クランプ3は、説明の便宜上、形状をデフォルメしている。
血管クランプ3は、腹腔鏡用ポート9に設けられた内腔孔9aに挿し込むことで、体腔内へと送り込まれる。そのため、血管クランプの径は、内腔孔9aの径よりも小さいことが求められる。内腔孔9aの径は12mmであり、円筒状となっている。
図2は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の正面図を示している。図2に示すように、血管クランプ3は、図1に示す血管クランプ3を一直線状に開いた状態となっている。第1の棒体1と第2の棒体2は、連結部4によって連結されている。連結部4は、柔軟性のあるナイロン樹脂で形成されているので、ヒンジとして、繰り返し折り曲げて使用することが可能である。
血管クランプ3は、図2に示すように、フック部5の高さHと係止部6の高さHが最も高く設けられているが、高さHと高さHは、何れも11mmとなっており、内腔孔9aに挿入することが可能な形状となっている。
第1の棒体1の当接面1cには、凹部11が設けられている。第2の棒体2の当接面2c上には、凸部12が設けられている。クランプ時には、凸部12と凹部11が嵌合することで効果的に血流を遮断することができる。
図4は、実施例1の第2の棒体の正面図を示している。図4に示すように、凸部12において、近位端から遠位端の輪郭は、R形状となっており、中央部12bの高さHは端部(12a,12c)の高さHよりも高く設けられている。血管クランプ3は柔軟性のある素材で一体成形されているため、第1の棒体1および第2の棒体2には、クランプ時に撓みが発生する恐れがある。そこで、上記のように、凸部12における近位端から遠位端の輪郭をR形状とすることで、クランプ時の棒体の撓みの発生による液漏れを防止することができる。凸部12の高さは、1.5〜3.5mmであることが好ましく、狭持する患者の肝十二指腸間膜の厚みによって、凸部12の厚みを調製することが可能である。本実施例では、凸部12の中央部12bの高さは2.8mm、端部(12a,12c)の高さは2.3mmとなっている。
図2に示す凹部11の深さは、2.5〜4.0mmであることが好ましく、狭持する患者の肝十二指腸間膜の厚みによって、凹部11の厚みを調製することが可能である。なお、第1の棒体1の当接面1c上に設けられた凹部11の長手方向に平行な面は、平坦な形状となっている。
図6は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の右側面図を示している。図6に示すように、第2の棒体2は、端部に設けられた係止部6を含めて、その径φは11mmとなっている。これは、血管クランプ3を体腔内へ挿入するための腹腔鏡用ポート9の内腔孔9aの径が12mmであることから、挿入を可能としつつも、より厚みを持たせ、強度を維持するためである。
図5は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の左側面図を示している。図5に示すように、第1の棒体1は、端部に設けられたフック部5を含めて、その径φは11mmとなっている。これは、血管クランプ3を体腔内へ挿入するための腹腔鏡用ポート9の内径が12mmであることから、挿入を可能としつつも、より厚みを持たせ、強度を維持するためである。
図9は、実施例1の血管クランプのクランプ時の正面図を示している。前述のように、連結部4は柔軟性のあるナイロン樹脂で形成されているので、図9に示すように、血管クランプ3は、連結部4をヒンジとして、折り曲げて使用することが可能である。
また、爪部5cの先端は、やや下向きに設けられており、爪部(6b,6c)の先端は、やや上向きに設けられている。これにより、クランプ時に安定して係止状態を保つことができる。
クランプする際には、鉗子等を用いて把持部7aと把持部7bを把持することで、爪部5cが爪部(6b,6c)に順に係止される。血流を完全には遮断しない場合は、爪部5cを爪部6bに係止する。これに対して、血流を完全に遮断する場合には、爪部5cを爪部6cに係止する。また、Pringle法を行う際には、血流を遮断するだけではなく、間欠的に血流を遮断解除し、さらには再遮断する必要がある。そこで、一旦血流を完全に遮断した場合でも、摘み部5bを操作して、爪部5bを爪部6bに係止することで、2本の棒体で血管組織を挟み込むクランプ力を調整することが可能である。また、クランプした状態の解除は、摘み部5bを操作して行う。本実施例では、爪部5cが爪部6cに係止され、完全にクランプされている。
第1の棒体1の遠位端の外側には、把持部7aが設けられている。また、第2の棒体2の遠位端の外側には、把持部7bが設けられている。把持部(7a,7b)は、何れも、棒体の外側遠位端上に凹部を設ける形で形成されており、血管クランプ3を鉗子等で把持した際に、血管クランプ3が滑り落ちないようにする役目を果たしている。
血管クランプ3のクランプ時における長さは30〜120mmであることが好ましい。
図15は、実施例1の血管クランプのクランプ時の断面図を示している。具体的には、図9に示すA−A’の断面図を示している。図15に示すように、凸部12の長手方向に垂直な面の端部は、R形状となっている。凹部11の長手方向に垂直な面についても同様である。また、その他のエッジ部分についても角部が生じないように、丸みを帯びた形状に成形されている。
図12は、実施例1の血管クランプのクランプ時の右側面図を示している。図12に示すように、第1の棒体1および第2の棒体2は、連結部4によって連結されている。また、前述のように、第1の棒体1および第2の棒体2は、腹腔鏡用ポート9への挿入時には、血管クランプ3を一直線状に開いた状態で、腹腔鏡用ポート9に設けられた内腔孔9aに挿し込むため、最大径が、内腔孔9aの径よりも小さく設けられる必要がある。また、クランプ時に棒体が撓み、液漏れが発生することを防止する必要もある。
このように、棒体の強度を高めつつ、ポートへの挿入を可能とするためには、ポートに挿入可能な範囲で、より太い径の円柱形状であることが好ましいこととなる。しかしながら、第1の棒体および第2の棒体を円柱形状とすると、当接面の面積が狭く、十分なクランプ力を維持できない。そのため、第1の棒体1および第2の棒体2の中央部は、円柱を軸方向に面で切り取った形状となっている。これにより、クランプ力と強度のバランスを図った設計となっている。
なお、連結部4の厚みは0.2〜1.2mmであることが好ましく、患者の肝十二指腸間膜の厚みによって、連結部4の厚みを調製することが可能である。
また、図3は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の背面図、図7は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の平面図、図8は、実施例1の血管クランプのポート挿入時の底面図、図10は、実施例1の血管クランプのクランプ時の背面図、図11は、実施例1の血管クランプのクランプ時の左側面図、図13は、実施例1の血管クランプのクランプ時の平面図、図14は、実施例1の血管クランプのクランプ時の底面図、図22は、実施例1の血管クランプの斜視図をそれぞれ示している。
なお、実施例1の血管クランプでは、第1の棒体1の遠位端にフック部5が設けられ、第2の棒体2の遠位端に係止部6が設けられる構造であったが、第1の棒体1の遠位端に係止部6が設けられ、第2の棒体2の遠位端にフック部5が設けられる構造であっても構わない。
図17は、実施例2の血管クランプのポート挿入時の正面図を示している。図17に示すように、血管クランプ30は、第1の棒体10、第2の棒体20および連結部40から成る。第1の棒体10と第2の棒体20は、直線状の棒体であり、第1の棒体10の近位端と第2の棒体20の近位端において、連結部40によって連結されている。第1の棒体10の当接面10c上には、凸部120が設けられている。第2の棒体20の当接面20c上には、凹部110が設けられている。使用時には、連結部40を支点として第1の棒体10の当接面10cと第2の棒体20の当接面20cとが当接し、肝十二指腸間膜8をクランプし、血流を遮断する。また、図23は、実施例1の血管クランプの斜視図を示している。
第1の棒体10の遠位端10bには、フック部50および把持部70aが設けられており、フック部50は、バネ性を有するフック本体50a、摘み部50bおよび爪部(50c,50d,50e)から成る。第2の棒体20の遠位端20bには、係止部60および把持部70bが設けられ、係止部60は、係止部本体60aおよび爪部(60b,60c,60d)から成る。
図18は、実施例2の血管クランプのクランプ時の正面図を示している。図18に示すように、把持部(70a,70b)は、貫通孔になっており、当該貫通孔に鉗子等を挿入して血管クランプ30を把持する構造であるため、滑りにくく、正確に血管クランプ30を鉗子等で把持することができる。かかる把持部(70a,70b)を把持して、係止部60にフック部50を係止することで、第1の棒体10と第2の棒体20が連結部40をヒンジとして閉じ、第1の棒体10と第2の棒体20の間に挟まれた血管組織を確実にクランプする。
なお、第1の棒体10の当接面10c上に設けられた凸部120の形状は、実施例1と同様に、中央部が高い形状となっている。
図19は、実施例2の血管クランプのクランプ時の拡大図を示している。
実施例1では、フック部5に設けられた爪部は爪部5cのみであったが、図19に示すように、本実施例では、フック部50には、爪部(50c,50d,50e)が設けられている。また、実施例1では、係止部6に設けられた爪部は爪部(6b,6c)の2つであったが、本実施例では、係止部60には、爪部(60b,60c,60d)が設けられている。したがって、血流を遮断する場合は、爪部60bに爪部50eを係止させ、爪部60cに爪部50dを係止させ、爪部60dcに爪部50cを係止させる。これに対して、間欠的に血流を遮断解除する場合は、爪部60bに爪部50dを係止させ、爪部60cに爪部50cを係止させる、或は、爪部60bに爪部50cを係止させる。
このように、フック部50と係止部60の何れにもそれぞれ3つの爪部が設けられることにより、間欠的に血流を遮断解除する場合に、遮断解除の程度を段階的に調整することが可能である。
また、実施例1においては、フック本体5aの厚みは1.2mmであったが、フック本体50aは、0.8mmとなっている、このように、フック本体50aが薄く形成されたことにより、摘み部50bを弱い力で操作することが可能となり、鉗子等での操作を容易にする。
図20は、実施例2の血管クランプのクランプ時の断面図を示している。具体的には、図18に示すB−B’の断面図を示している。図20に示すように、血管クランプ30は、実施例1と異なり、クランプ時においては、略直方体の形状を呈している。したがって、鉗子等で把持部以外の箇所を把持した際に、円柱形状の場合に比べて、滑りにくく、扱いが容易である。
図21は、実施例3の血管クランプのクランプ時の断面図を示している。図21に示すように、血管クランプ31において、第1の棒体31aおよび第2の棒体31bの長手方向に垂直な面の当接面(31c,31d)は、波形状に設けられているが、台形状のものであってもよい。このように、複数の凹凸部を設けることで、血流遮断効果を高めることができる。
(その他の実施例)
(1)第1の棒体の遠位端、或は、第2の棒体の遠位端には、挿入時やクランプ時に引っ張るための、帯や紐などが設けられてもよい。
(2)第1の棒体および第2の棒体の一部又は全体には、使用時に体内を傷つけないためのゴム等によるコーティングが施されていてもよい。
本発明は、腹腔鏡下での血管クランプの医療器具に有用である。
1,10,31a,32a 第1の棒体
1c,10c,31c,31d,32c,32d 当接面
2,20,31b,32b 第2の棒体
2a,20a 近位端
2b,20b 遠位端
2c,20c 当接面
3,30,31 血管クランプ
4,40 連結部
5,50フック部
5a,50a フック本体
5b,50b 摘み部
5c,6b,6c,50c〜50e,60b〜60e 爪部
6,60 係止部
6a,60a 係止部本体
7a,7b,70a,70b 把持部
8 肝十二指腸間膜
9 腹腔鏡用ポート
9a 内腔孔
11,110 凹部
12,120 凸部
12a,12c 端部
12b 中央部

Claims (9)

  1. 直線状の第1及び第2の棒体と、第1及び第2の棒体の近位端がヒンジ機構を介して連結される連結部とから成り、第1及び第2の棒体が前記連結部をヒンジとし、相互に当接して血管を挟持して血流を遮断する血管クランプにおいて、
    第1の棒体は、遠位端にフック部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凹部又は凸部が当接面上に設けられ、
    第2の棒体は、遠位端に係止部が設けられ、かつ、近位端から遠位端まで長手方向に伸びる凸部又は凹部であって、第1の棒体の凹部又は凸部と嵌合する凸部又は凹部が当接面上に設けられ、
    第1及び第2の棒体の長手方向を横切る断面幅であって、前記棒体、前記フック部、前記係止部及び前記連結部の断面幅は、腹腔鏡用ポートの内径より小さく形成され、
    前記凸部は、遠位端近傍と近位端近傍よりも中央部の高さが大きく形成され、
    前記血管クランプは、第1の棒体と第2の棒体が前記ヒンジ機構を介して一直線状に開かれた状態において、腹腔鏡用ポートに挿通し得ることを特徴とする血管クランプ。
  2. 第1及び第2の棒体のそれぞれの胴部が、円柱または楕円柱を面で切り取った形状に形成され、当該面が前記当接面とされたことを特徴とする請求項1に記載の血管クランプ。
  3. 前記凸部において、近位端から遠位端の輪郭がR形状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の血管クランプ。
  4. 前記係止部には、少なくとも2つの爪部が設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の血管クランプ。
  5. 前記フック部は、摘み部と、少なくとも1つの爪部が設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の血管クランプ。
  6. 第1及び第2の棒体の外側遠位端には、把持部として凹部が形成されたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の血管クランプ。
  7. 第1及び第2の棒体の外側遠位端には、把持部として貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の血管クランプ。
  8. 第1及び第2の棒体と前記連結部が一体成形されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の血管クランプ。
  9. 前記凸部と前記凹部は、それぞれ2本乃至4本の並行線条であり、それぞれ互いに嵌合し得ることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の血管クランプ。
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