JP2017152499A - ダイシング用粘着テープおよび半導体ウェハのフルカットダイシング方法 - Google Patents

ダイシング用粘着テープおよび半導体ウェハのフルカットダイシング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェハ等のダイシング時に発生するダイシング屑を低減でき、かつエキスパンド性に優れたダイシング用粘着テープ及び半導体ウェハのフルカットダイシング方法を提供する。【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を有し、基材フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂からなり、かつ基材フィルムのゲル分率が30〜50%であり、該ダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)のJIS K 7128−1のトラウザー引裂法による引裂強度が、いずれも5〜12N/mmであるダイシング用粘着テープ及び半導体ウェハのフルカットダイシング方法。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウェハや半導体パッケージ等を切断する際に使用するダイシング用粘着テープおよび半導体ウェハのフルカットダイシング方法に関する。
半導体ウェハなどを半導体チップに加工し、電子機器に実装するに至る工程は、例えば、半導体ウェハのパターン表面に半導体ウェハ表面保護テープを貼り付ける工程、半導体ウェハの裏面を研削し、厚みを薄くする工程、ダイシングテープ(ダイシング用粘着テープ)へ、前記工程で研削して厚みを薄くした半導体ウェハをマウントする工程、半導体ウェハから前記の半導体ウェハ加工用粘着テープを剥離する工程、ダイシングにより半導体ウェハを分割する工程、分割された半導体チップをリードフレームへ接合するダイボンディング工程を経た後、半導体チップを外部保護のために樹脂で封止するモールド工程等により構成されている。
この一連の工程において、ダイシングテープは、少なくともダイシング工程からピックアップ工程に至る工程で使用され、半導体ウェハなどの被切断物は、ダイシングテープが貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンド、ピックアップ、マウントの各工程が行われる。
ここで、エキスパンドとは、ダイシング、洗浄、乾燥後に、ダイシングテープを引き伸ばし、半導体ウェハおよびダイボンディングフィルムを分割予定ラインに沿って半導体チップに分割し、半導体チップの間隔を広げる操作のことである。
ダイシング工程におけるダイシング方法は、ブレードダイシング、レーザアブレーション、ステルスダイシングが知られている。ブレードダイシングは、高速回転するダイヤモンドブレードを半導体ウェハに押し当てながら切削加工を行うダイシング方法であり、レーザアブレーションは、対象材料に吸収される波長のレーザ光を用いて、半導体ウェハを表面層から溶融/蒸散させながら溝穴を掘り進んでいく レーザ加工方法で、ステルスダイシングは、対象材料を透過する波長のレーザ光を半導体ウェハ内部に集光して、ステルスダイシング層(SD層)と呼ばれる分断の起点となる層を選択的に形成し、テープエキスパンドなどの外力を加えることで、SD層から伸びる亀裂を表裏面に進展させ分割を行うダイシング方法である。
ここで、ブレードダイシングでは、以前は半導体ウェハの厚みの2/3程を切削するハーフカットが主流であったが、半導体ウェハのサイズの大径化に伴い、テープマウントの上で半導体ウェハを全部切り込むフルカットが主流になってきている。
ブレードダイシングは、従来から最も広く行われているダイシング方法であるが、接触式であるため、物理的ストレスが加わり、表裏面にチッピングが生じ、また、切削加工時には大きな接触摩擦熱が生じるため、冷却水が必要となり、さらには、切削によって生じた汚水の処理も必要となる。
しかも、上記に加え、半導体ウェハなどの被切断物を完全に切断すると同時に、ダイシングテープの粘着剤層や基材フィルムの一部もカットされることがある。この際、基材フィルムの一部がダイシングブレードとの摩擦熱により溶融し、さらに延伸されることによって、ダイシングライン上に糸状のダイシング屑が発生することがある。この糸状の屑には粘着剤が付着しており、このような糸状の屑が多くチップに付着したままで封止すると、封止の熱で糸状の屑が熱分解し、半導体パッケージを破壊したり、動作不良の原因となる。糸状の屑に粘着剤が付着していれば、洗浄により除去することが困難であるため極めて歩留まりが低下する。
近年では半導体ウェハの薄膜化が進み、ダイシング後の半導体ウェハの表面にダイシング屑が露出し、糸状のダイシング屑の発生を防止することが強く求められている。
このような課題の解決のために、ダイシングテープの基材フィルムを構成する樹脂の架橋度を高めることを目的に、1〜50Mradの電子線を照射し、ゲル分率が65%以上となるように架橋されたエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−033059号公報
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂では、架橋度は増すものの、逆に、電子線の照射により、基材フィルムの弾性、強度が低下してしまうことがあった。すなわち、糸状のダイシング屑の発生を防止するためには、一定量以上の電子線の照射を行う必要があるが、この電子線照射による架橋のために樹脂の硬化が不必要なまでに進行し、弾性が低下し、脆くなってしまうことがあった。
しかも、近年では半導体チップの小型化が進んでおり、エキスパンド工程において半導体チップ間距離を十分に保つために、従来よりも高いエキスパンド性能が求められるようになった。
このように、基材フィルムの弾性や強度が低下すると、ダイシング後に行われるエキスパンド工程において基材フィルムが破断してしまうことになり、ダイシング屑の発生の防止との両立の点で課題があった。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、半導体ウェハや半導体パッケージなどを切断する際に使用するダイシング用粘着テープにおいて、ダイシング時に発生するダイシング屑を低減でき、かつエキスパンド性に優れたダイシング用粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、改めて、ダイシング屑が生じる原因、すなわち、i)ダイシング用粘着テープが貼着された半導体ウェハをダイシングする際、ダイシングブレードの摩擦熱で基材フィルムの温度が上昇し高温になること、ii)高温になり柔らかくなった基材フィルムの一部がダイシングブレードにより引伸ばされること、iii)引伸ばされた基材フィルムがダイシング時の冷却水で再固化しダイシング屑として残ること、を詳細に考慮、検討した。
これに基づき、基材フィルムの樹脂を種々検討した結果、ダイシング用粘着テープの基材フィルムに所定のゲル分率値を有する特定の樹脂を用いることにより、基材フィルムがブレードにより引伸ばされにくくなり、しかも、仮に引伸ばされたとしても、所定の引裂強度の値を有することで、ダイシング屑が長い糸状に成長する途中で千切れて、ダイシング時の冷却水で流されることで、半導体ウェハの表面にダイシング屑が露出するのを防止でき、かつエキスパンド時のダイシング用粘着テープの破断防止もでき、これらの防止がとも両立できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって達成された。
<1>基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を有するダイシング用粘着テープであって、
前記基材フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂からなり、かつ該基材フィルムのゲル分率が30〜50%であり、
前記ダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)のJIS K 7128−1のトラウザー引裂法による引裂強度が、いずれも5〜12N/mmであることを特徴とするダイシング用粘着テープ。
<2>前記粘着剤層が、側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する重合体を成分とする放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする<1>に記載のダイシング用粘着テープ。
<3>前記<1>または<2>に記載のダイシング用粘着テープを使用し、該ダイシング用粘着テープの基材フィルムにダイシングブレードを切り込むことを特徴とする半導体ウェハのフルカットダイシング方法。
本発明により、半導体ウェハや半導体パッケージなどを切断する際に、ダイシング時に発生するダイシング屑を低減でき、かつエキスパンド性に優れたダイシング用粘着テープを提供することが可能となった。
これにより、従来、困難と思われていた、ダイシング工程におけるダイシング屑の発生防止と、エキスパンド工程におけるダイシング用粘着テープのテープ破断防止の両立が可能となった。
<<ダイシング用粘着テープ>>
本発明のダイシング用粘着テープは、基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を有し、該基材フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂からなり、かつ該基材フィルムのゲル分率が30〜50%であり、ダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)のJIS K 7128−1のトラウザー引裂法による引裂強度が5〜12N/mmである。
以下、基材フィルムから順に、詳細に説明する。
<基材フィルム>
基材フィルムは、単層であっても複数の層が積層した積層体であってもよいが、本発明では、単層の基材フィルムである。
本発明では、基材フィルムは、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂からなる。
ここで、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂とは、少なくとも、エチレンおよび(メタ)アクリル酸を重合体の構成成分とする共重合体を金属イオンで架橋した樹脂である。なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味するものであり、いずれか一方でも、これらの混合物でもよい。また、他の類似用語についても同様である。
アイオノマー樹脂に使用可能な金属イオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン等が挙げられるが、この中で、亜鉛イオン(Zn2+)は、架橋構造を安定化させ、それにより、ダイシング屑を出難くするという点で好ましい。なお、共重合体のカルボキシ基における陽イオンによる中和度は、好ましくは40〜75mol%である。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂における共重合体のエチレン成分の含有量は、10〜98質量%が好ましく、30〜98質量%がより好ましく、50〜98質量%がさらに好ましく、60〜98質量%が特に好ましい。
本発明では、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂における共重合体は、エチレンおよび(メタ)アクリル酸以外に、他の共重合モノマーからなる3元共重合体もしくは4元以上の共重合体であっても構わないが、2元または3元共重合体が好ましく、エチレンおよび(メタ)アクリル酸の2元共重合体がより好ましい。
エチレンおよび(メタ)アクリル酸以外の共重合モノマーとしては、エチレン性二重結合を有する化合物であれば、どのような化合物でも構わない。
例えば、α−オレフィン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ノルボルネン、アセチレン、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、プロピオル酸、アセチレンなどが挙げられる。
α−オレフィンとは、炭素−炭素二重結合がα位にある、すなわち末端にあるアルケンである。α−オレフィンとしては、炭素数3〜24が好ましく、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、アルコール部の炭素数が1〜24が好ましく、1〜8がより好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸1,2−ジメチルブチル等が挙げられる。
これらの共重合モノマーのうち、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
共重合モノマー成分の含有量は、3元共重合体の質量に基づき、1〜20質量%が好ましく、この場合、(メタ)アクリル酸成分の含有量は、3元共重合体の質量に基づき、1〜20質量%が好ましい。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂の質量平均分子量は、1,000〜5,000,000が好ましく、10,000〜4,000,000がより好ましい。
なお、本発明において、質量平均分子量は、常法によるポリスチレン換算の質量平均分子量である。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂は、1種であっても、2種以上を併用してもよい。
基材フィルムの厚さは、通常50〜200μmであるが、本発明では、70〜180μ mが好ましい。基材フィルムがこのような厚さであれば、ダイシングブレードの切込み深さを十分に確保できる。
本発明では、基材フィルムのゲル分率は30〜50%である。
基材フィルムのゲル分率は、樹脂の架橋の程度を示すものであり、基材フィルムのゲル分率は35〜50%が好ましく、40〜50%がより好ましい。
ゲル分率が高くなると、ダイシング屑の発生防止の効果が高いが、基材フィルムの弾性や強度が低下してしまい、エキスパンド工程において基材フィルムが破断しやすくなる。また、ゲル分率が低くなると、ダイシング屑が多数発生してしまい、弾性や強度とエキスパンド性の両立が困難となる。
基材フィルムのゲル分率は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂の構成により調整される。エチレンとアクリル酸ベースの共重合体に、亜鉛やナトリウムなどの金属イオンを作用させることで架橋するため、アクリル酸の含有量と金属の種類を変化させることによりゲル分率の調整が可能である。
ゲル分率は、特定の溶剤で基材フィルムを溶かしたときに、溶かされずに残存している部分をゲル(架橋部分はゲルとして残る)とし、このゲル部分の質量と溶剤で溶かす前の基材フィルム質量との比(百分率)である。
ゲル分率は、具体的には、以下のようにして求めることができる。
(1)ステンレス製メッシュ(例えば、400番、日本金網商工(株)製、質量測定済み)に包み、120℃のキシレン溶液に24時間浸漬する。
(2)2時間、風通しの良い場所に室温(25℃)で放置する。
(3)16時間80℃にて、10Pa(7.5×10−2torr)以下で真空乾燥を行った後、残った基材フィルムと金網の合計質量を測定する。
(4)次式に従い、ゲル分率を求める。
ゲル分率(%)=
{(キシレン浸漬後の基材フィルムと金網の合計質量)−(金網の質量)}÷(キシレン浸漬前の基材フィルム質量)×100
ゲル分率は、基材フィルムを構成する樹脂の種類、架橋度や粘着剤の種類などによって調整できる。
<粘着剤層>
粘着剤層に用いる粘着剤としては、特に制限はないが、ベースポリマーが(メタ)アクリル系共重合体のアクリル系粘着剤が好ましい。本発明において粘着剤は、エキスパンド時において半導体ウェハとの剥離を生じない程度の保持性や、ピックアップ時において半導体チップとの剥離が容易となる特性を有するものであれば、これに限定されることはなく、種々の粘着剤により粘着剤層が形成され得る。このような粘着剤としては、例えばゴム系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等をベースポリマーとした粘着剤を用いることも可能である。
これらのベースポリマーに凝集力を付加するために架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、ベースポリマーに対応して、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン樹脂などが挙げられる。さらに粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
粘着剤として、放射線硬化型、加熱発泡型または感圧型の粘着剤を用いることができる。放射線硬化型の粘着剤としては、紫外線、電子線等で硬化し、剥離時には剥離しやすくなる粘着剤を使用することができる。加熱発泡型の粘着剤としては、加熱により発泡剤や膨張剤により剥離しやすくなる粘着剤を使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、例えば特公平1−56112号公報、特開平7−135189号公報等に記載のものが好ましく使用されるがこれらに限定されることはない。
(放射線硬化型粘着剤)
本発明においては、放射線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。
放射線硬化型粘着剤は、放射線により硬化し三次元網状化する性質を有すればよく、大きく分けて、1)側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合(エチレン性二重結合)を有するベース樹脂(重合体)からなる粘着剤と、2)通常のゴム系あるいは(メタ)アクリル系の感圧性ベース樹脂(ポリマー)に対して、分子中に少なくとも2個の放射線重合性炭素−炭素二重結合(エチレン性二重結合)を有する低分子量化合物(以下、放射線重合性低分子量化合物という)および光重合開始剤を配合する粘着剤に分類される。
本発明では、ダイシング用粘着テープが低分子量化合物を多量に含んでいると、ダイシング用粘着テープを半導体ウェハに貼付した後、放射線照射やピックアップ工程までの期間が長いと、低分子量成分が、ダイシング用粘着テープと半導体チップの界面に移行することにより、密着性の上昇が著しくなり、ピックアップ時のダイシング用粘着テープと半導体チップの間の剥離が重くなる現象が見られる。このため、側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合(エチレン性二重結合)を有するベース樹脂(重合体)からなる粘着剤が好ましい。
1)側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂からなる粘着剤
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する粘着剤は、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましく、ベース樹脂が(メタ)アクリル系重合体もしくは(メタ)アクリル系重合体を主成分として含むものが特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリル系重合体を主成分とするとは、(メタ)アクリル系重合体成分が少なくとも50質量%以上であり、好ましくは80質量%以上(100質量%以下)である。
(メタ)アクリル系重合体は、少なくとも側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合(エチレン性二重結合)を有することで放射線照射による硬化が可能となり、さらにエポキシ基やカルボキシ基などの官能基を有してもよい。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリル重合体は、どのようにして製造されたものでもよいが、例えば、側鎖に官能基(α)を有する(メタ)アクリル系重合体と、(メタ)アクリルロイル基、(メタ)アクリルロイルオキシ基などの放射線重合性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、この(メタ)アクリル系重合体の側鎖の官能基(α)と反応し得る官能基(β)をもつ化合物とを反応させて得たものが好ましい。
放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する基は、非芳香族性のエチレン性二重結合を有すればどのような基でも構わないが、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、アリル基、1−プロペニル基、ビニル基(スチレンもしくは置換スチレンを含む)が好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましい。
官能基(α)、(β)としては、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基(−N=C=O)等が挙げられる。
ここで、官能基(α)と官能基(β)のうちの一方の官能基が、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、または環状酸無水基である場合には、他方の官能基は、エポキシ基、イソシアネート基が挙げられ、一方の官能基が環状酸無水基の場合、他方の官能基はカルボキシ基、水酸基、アミノ基、メルカプト基が挙げられる。なお、一方の官能基が、エポキシ基である場合は、他方の官能基はエポキシ基であってもよい。
官能基(α)としては、カルボキシ基、水酸基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
側鎖に官能基(α)を有する(メタ)アクリル系重合体は、官能基(α)を有する(メタ)アクリル系モノマー、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル〔(特に、アルコール部に官能基(α)を有するもの〕をモノマー成分に使用することで得ることができる。
側鎖に官能基(α)を有する(メタ)アクリル系重合体は、共重合体である場合が好ましく、この共重合成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、なかでもアルコール部に官能基(α)や放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する基が置換していない(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレートヘキシルアクリレート、およびこれらに対応するメタクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは1種でも2種以上でも構わないが、アルコール部の炭素数が5以下のものと炭素数が6〜12のものを併用することが好ましい。
なお、アルコール部の炭素数の大きなモノマーを使用するほどガラス転移点(Tg)は低くなるので、所望のガラス転移点のものを得ることができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも好ましく、この場合、これらのモノマー成分の含有量は5質量%以下の範囲内が好ましい。
官能基(α)を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシ基および光重合性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどが挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類がより好ましく、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類がさらに好ましい。
放射線重合性炭素−炭素二重結合と官能基(β)を有する化合物における官能基(β)としては、イソシアネート基が好ましく、例えば、アルコール部にイソシアネート(−N=C=O)基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、なかでもイソシアネート(−N=C=O)基で置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。このようなモノマーとしては、例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート等が挙げられる。
また、官能基(β)がイソシアネート基以外の場合の好ましい化合物は、官能基(α)を有する(メタ)アクリル系モノマーで例示した化合物が挙げられる。
放射線重合性炭素−炭素二重結合と官能基(β)を有する化合物は、側鎖に官能基(α)を有する(メタ)アクリル系重合体に加えて重合体の側鎖の官能基(α)、好ましくは水酸基と反応することで共重合体に重合性基を組み込むことができ、放射線照射後の粘着力を低下させることができる。
(メタ)アクリル系共重合体の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般に(メタ)アクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましい。重合開始剤としては、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の(メタ)アクリル系共重合体を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素等の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂〔好ましくは(メタ)アクリル系共重合体〕の質量平均分子量は、20万〜100万程度が好ましい。
質量平均分子量が100万を越えると、放射線照射した場合に、放射線照射後の粘着剤の可撓性がなく、脆くなっているため、剥離時に半導体チップ面に糊残りを生じる。質量平均分子量が20万未満では、放射線照射前の凝集力が小さく、粘着力が弱いため、ダイシング時に十分に半導体チップを保持することができず、チップ飛びが生じるおそれがある。また、放射線照射後も硬化が不十分で、剥離時に半導体チップ面に糊残りを生じる。これらを極力防止するためには、質量平均分子量が20万以上であることが好ましい。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂の放射線重合性炭素−炭素二重結合の導入量は、ヨウ素価〔ベース樹脂100gに付加するヨウ素(I)のg数〕で0.5〜20が好ましく、5〜15がより好ましい。ヨウ素価が0.5未満では、放射線照射後の粘着力の低減効果が小さくなるため粘着剤の硬化が不十分で、糊残りの原因となり、ヨウ素価が20を越えると、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分ではなく、粘着剤が脆くなっており、剥離時に硬化した粘着剤がちぎれて糊残りが生じてしまうほか、側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂そのものの安定性に欠け、製造が困難になる。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂のガラス転移点は、−70〜−35℃が好ましく、−70〜−40℃がより好ましい。ガラス転移点が−70℃より低いと、粘着剤の流動性が高く糊残りの原因となってしまい、−35℃より高いと流動性が不十分で半導体ウェハの裏面になじみにくく、エキスパンド時に半導体ウェハと剥がれる原因となってしまう。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂の酸価〔ベース樹脂1g中に存在する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数〕は、0.5〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂の水酸基価〔ベース樹脂1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数〕は、5〜100が好ましく、10〜80がより好ましい。
このようにすることで、さらにダイシング用粘着テープ剥離時の糊残り防止効果に優れる。
なお、酸価や水酸基価の調製は、側鎖に官能基(α)を有する(メタ)アクリル系重合体と、放射線重合性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、この(メタ)アクリル系重合体の側鎖の官能基(α)と反応し得る官能基(β)をもつ化合物とを反応させる段階で、未反応の官能基を残すことにより所望のものに調製することができる。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂を放射線照射によって硬化させる場合には、必要に応じて、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。
これら光重合開始剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。配合量が少なすぎると反応が不十分であり、配合量が多すぎると低分子成分が増加することで汚染性に影響を与えることになる。
側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂からなる粘着剤は、架橋剤を含有することが好ましい。
このような架橋剤は、どのようなものでも構わないが、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂の群から選択される架橋剤が好ましい。
このなかでも、本発明では、ポリイソシアネート類が好ましい。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)等を用いることができる。
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、ニカラックMX−45(三和ケミカル株式会社製、商品名)、メラン(日立化成工業株式会社製、商品名)等を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製、商品名)等を用いることができる。
架橋剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
粘着剤塗布後に、架橋剤により、ベース樹脂が架橋構造を形成し、粘着剤の凝集力を向上させることができる。
架橋剤の配合量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でないため、粘着剤の流動性が高く糊残りの原因となってしまい、また粘着剤面と被着体面がずれやすくエキスパンド時に剥がれてしまう。架橋剤の配合量が10質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に架橋構造が急速に形成され、硬化反応が進行するため、作業性が損なわれる。また、粘着剤の柔軟性が損なわれ、エキスパンド時の剥がれの原因となってしまう。
2)放射線重合性低分子量化合物を含む粘着剤
放射線重合性低分子量化合物を含む粘着剤の主成分としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂〔(メタ)アクリル樹脂〕、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
この粘着剤としては、ベース樹脂としてのアクリル樹脂および放射線重合性低分子量化合物に加え、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製するのが好ましい。
放射線重合性低分子量化合物としては、放射線照射によって三次元網状化しうる分子内に放射線重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、オリゴエステル(メタ)アクリレート等が適用可能である。
また、上記のような(メタ)アクリレート系化合物のほかに、放射線重合性低分子量化合物として、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
なお、粘着剤には光重合開始剤を添加してもよい。
光重合開始剤として、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。
これら光重合開始剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。配合量が少なすぎると反応が不十分であり、配合量が多すぎると低分子成分が増加することで汚染性に影響を与えることになる。
粘着剤には架橋剤を含有することが好ましい。
このような架橋剤は、側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するベース樹脂からなる粘着剤で挙げた架橋剤が好ましい。
架橋剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
粘着剤の厚さは特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、本発明では、5〜30μmが好ましい。
本発明のダイシング用粘着テープは、使用前にはこの粘着剤層を保護するため、粘着剤層の上面に剥離フィルムを仮粘着しておくことが好ましい。
<ダイシング用粘着テープの特性>
本発明のダイシング用粘着テープは、縦方向(MD)および横方向(TD)のJIS K 7128−1のトラウザー引裂法による引裂強度が5〜12N/mmである。
引裂強度をこの範囲とすることで、5〜12N/mmでダイシング屑の発生が抑制される。引裂強度が12N/mmを超えるとなると基材フィルムがダイシングブレードにより引伸ばされる過程で千切れず、長い糸状のダイシング屑となりやすい。また、引裂強度が5N/mm未満であると、エキスパンド時にダイシング用粘着テープ上のダイシングラインを起点に破断が生じやすくなる。
<<ダイシング用粘着テープによる半導体ウェハのダイシング方法>>
本発明のダイシング用粘着テープを使用して行う半導体ウェハのダイシング方法自体は、通常の方法と同様にして行うことができるが、ダイシング用粘着テープの基材フィルムにダイシングブレードが切り込むフルカットダイシング方法が特に好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
最初に、下記の表1に示す基材フィルム1A〜1Iおよび粘着剤2A、2Bを調製した後、基材フィルム1A〜1I上に粘着剤2A、2Bの乾燥後の厚さが5μmになるように粘着剤2A、2Bを塗工し、110℃で3分間乾燥させて、下記の表2に示す実施例1〜5および比較例1〜5のダイシング用粘着テープを作製した。
(基材フィルム)
基材フィルム1A〜1Iとして、下記の表1に示す厚さ100〜150μmの基材フィルムを使用した。
Figure 2017152499
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂A
エチレン成分とメタクリル酸との共重合体で、金属イオンZn2+で架橋されたアイオノマー樹脂
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂B
エチレン成分とメタクリル酸との共重合体で、金属イオンZn2+で架橋されたアイオノマー樹脂
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂C
エチレン成分とアクリル酸との共重合体で、金属イオンZn2+で架橋されたアイオノマー樹脂
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂D
エチレン成分とメタクリル酸との共重合体で、金属イオンNaで架橋されたアイオノマー樹脂
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂E
エチレン成分とアクリル酸との共重合体で、金属イオンNaで架橋されたアイオノマー樹脂
・PP/エラストマー共重合体
ポリプロピレンにエチレン−プロピレンゴムを微量分散させた熱可塑性エラストマー
・エチレン−酢酸ビニル共重合体
エチレン成分と酢酸ビニルとの共重合体
・エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂Aの電子線照射品
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂Aに5Mradの電子線を照射して作製した。
(粘着剤の調製)
粘着剤2Aおよび2Bを以下のように調製した。
<粘着剤2A>
粘着剤2Aは、ベース樹脂として、側鎖に放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系粘着剤である。
2−エチルヘキシルアクリレート70mol%、2−ヒドロキシエチルアクリレート20mol%およびメチルメタクリレート10mol%を配合し、酢酸エチル溶液中で共重合させることにより(メタ)アクリル共重合体のポリマー溶液を得た。このポリマー100質量部に対して2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名、昭和電工株式会社製カレンズMOI)5.0質量部を加え、この溶液中で反応させてコポリマー側鎖のヒドロキシル基に前記イソシアネートに由来する二重結合含有基を付加させることで側鎖に二重結合含有基を有するアクリル共重合体ポリマーを合成した。
側鎖に二重結合含有基を有するアクリル共重合体ポリマーは、質量平均分子量60万、ガラス転移温度(Tg)−64℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.6meq/gであった。
この二重結合含有基を有するアクリル共重合体100質量部に対し、硬化剤としてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を1質量部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3質量配合し、粘着剤2Aの粘着剤組成物を得た。
<粘着剤2B>
粘着剤2Bは、放射線重合性低分子量化合物を含むアクリル系粘着剤である。
2−エチルヘキシルアクリレート25mol%、2−ヒドロキシエチルアクリレート55mol%およびメチルメタクリレート20mol%を配合し、酢酸エチル溶液中で共重合させることにより(メタ)アクリル共重合体のポリマー溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル共重合体は、質量平均分子量30万、ガラス転移温度(Tg)−30℃であった。
(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、放射線重合性低分子量化合物として、テトラメチロールメタンテトラアクリレート80質量部、硬化剤としてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を1質量部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5質量配合し、粘着剤2Bの粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤2A、2Bを基材フィルム1A〜1I上に、乾燥膜厚が5μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥させ、下記の表2に示す実施例1〜5および比較例1〜5のダイシング用粘着テープを作製した。
(評価試験)
実施例1〜5および比較例1〜5のダイシング用粘着テープにおいて、下記に示すように、引裂試験、ゲル分率、ダイシング屑発生数およびエキスパンド性の評価行った。
[引裂試験]
JIS K 7128−1のトラウザー引裂法により、ダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)の引裂強度を測定した。
[基材フィルムのゲル分率]
ゲル分率は以下の手順で測定した。
(1)質量を測定した基材フィルムをステンレス製メッシュ(400番、日本金網商工(株)製、重量測定済み)に包み、120℃のキシレン溶液に24時間浸漬した。
(2)2時間、風通しの良い箇所に室温で放置した。
(3)16時間80℃にて、10Pa(7.5×10−2torr)以下で真空乾燥を行った後、残った基材フィルムと金網の合計質量を測定した。
(4)次式で、ゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=
{(キシレン浸漬後の基材フィルムと金網の合計質量)−(金網の質量)}÷(キシレン浸漬前の基材フィルム質量)×100
[ダイシング屑発生数]
以下の条件でダイシング処理された半導体ウェハについて、半導体ウェハの表面側より半導体ウェハ上に露出しているダイシング屑を光学顕微鏡(100倍)で観察し、ダイシング屑の個数をカウントした。
(ダイシング条件)
ダイシング装置:(株)DISCO製 DAD−340
ダイシングブレード:(株)DISCO製 NBC−ZH2030−27HCDD
ダイシングブレード回転数:50,000rpm
切削速度:80mm/s
冷却水量:20ml/s
ダイシングサイズ:2mm角
ダイシング用粘着テープへのダイシングブレードの切込み深さ:40μm
[エキスパンド性]
以下の条件でダイシング処理された半導体ウェハについて、以下の条件でエキスパンド性評価を行い、ダイシング用粘着テープの破断が発生しなかった場合を「○」、破断が発生した場合を「×」とした。
(ダイシング条件)
ダイシング装置:(株)DISCO製 DAD−340
ダイシングブレード:(株)DISCO製 NBC−ZH2030−27HCDD
ダイシングブレード回転数:50,000rpm
切削速度:80mm/s
冷却水量:20ml/s
ダイシングサイズ:2mm角
ダイシング用粘着テープへのダイシングブレードの切込み深さ:40μm
(エキスパンド条件)
エキスパンド装置:キャノンマシナリー(株)製 CAP−300II
エキスパンド拡張量:10mm
得られた結果を、下記表2にまとめて示す。
Figure 2017152499
実施例1のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:5.5N/mm、TD:10.0N/mmと5〜12N/mmの範囲内であり、ゲル分率も42%で30〜50%の範囲内であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に1個しか発生が見られず良好であった。また、エキスパンド性も良好で破断の発生は見られなかった。
実施例2のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:7.3N/mm、TD:10.9N/mmと5〜12N/mmの範囲内であり、ゲル分率も44%で30〜50%の範囲内であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に3個しか発生が見られず良好であった。また、エキスパンド性も良好で破断の発生は見られなかった。
実施例3のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:5.7N/mm、TD:10.3N/mmと5〜12N/mmの範囲内であり、ゲル分率も42%で30〜50%の範囲内であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に2個しか発生が見られず良好であった。また、エキスパンド性も良好で破断の発生は見られなかった。
実施例4のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:5.0N/mm、TD:5.9N/mmと5〜12N/mmの範囲内であり、ゲル分率も50%で30〜50%の範囲内であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に発生が見られず良好であった。また、エキスパンド性も良好で破断の発生は見られなかった。
実施例5のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:10.2N/mm、TD:11.8N/mmと5〜12N/mmの範囲内であり、ゲル分率も35%で30〜50%の範囲内であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に9個しか発生が見られず良好であった。また、エキスパンド性も良好で破断の発生は見られなかった。
比較例1のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:22.0N/mm、TD:19.0N/mmと5〜12N/mmの範囲外であり、ゲル分率は16%で30〜50%の範囲外であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に67個と多数の発生が見られた。ただし、エキスパンド性は良好で破断の発生は見られなかった。
比較例2のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:15.3N/mm、TD:17.1N/mmと5〜12N/mmの範囲外であり、ゲル分率は28%で30〜50%の範囲外であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に31個と多数の発生が見られた。ただし、エキスパンド性は良好で破断の発生は見られなかった。
比較例3のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:96.7N/mm、TD:129.3N/mmと5〜12N/mmの範囲外であり、ゲル分率も5%と30〜50%の範囲外であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に97個と多数の発生が見られた。ただし、エキスパンド性は良好で破断の発生は見られなかった。
比較例4のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:70.1N/mm、TD:70.4N/mmと5〜12N/mmの範囲外であり、ゲル分率も5%と30〜50%の範囲外であるため、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に181個と多数の発生が見られた。ただし、エキスパンド性は良好で破断の発生は見られなかった。
比較例5のダイシング用粘着テープは引裂強度がMD:3.2N/mm、TD:4.8N/mmと5〜12N/mmの範囲外であり、ゲル分率も60%と30〜50%の範囲外であり、ダイシング屑は半導体ウェハ面上に0個であり発生は確認されなかったものの、エキスパンド性評価時にテープ破断が発生してしまった。
本発明の実施例1〜5のダイシング用粘着テープは、JIS K 7128−1のトラウザー引裂法によるダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)の引裂強度測定において、いずれも5〜12N/mmの範囲内にあること、および、ゲル分率測定における基材フィルムのゲル分率がいずれも30〜50%の範囲であることを満たしており、実施例1〜5の本実施例形態に係るダイシング用粘着テープを使用したときに、ダイシング屑の発生を防止できるとともに、エキスパンド工程におけるテープ破断を防止できることがわかった。
以上より、本発明のダイシング用粘着テープを使用することにより、ダイシング用粘着テープの生産性に優れる、すなわち、ダイシング屑の発生防止とエキスパンド性を両立することが可能である。
この結果、本発明のダイシング用粘着テープは、半導体ウェハをフルカットダイシング方法でダイシングするのに適したダイシング用粘着テープであることがわかる。

Claims (3)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を有するダイシング用粘着テープであって、
    前記基材フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂からなり、かつ該基材フィルムのゲル分率が30〜50%であり、
    前記ダイシング用粘着テープの縦方向(MD)および横方向(TD)のJIS K 7128−1のトラウザー引裂法による引裂強度が、いずれも5〜12N/mmであることを特徴とするダイシング用粘着テープ。
  2. 前記粘着剤層が、側鎖に放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する重合体を成分とする放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする請求項1に記載のダイシング用粘着テープ。
  3. 請求項1または2に記載のダイシング用粘着テープを使用し、該ダイシング用粘着テープの基材フィルムにダイシングブレードを切り込むことを特徴とする半導体ウェハのフルカットダイシング方法。
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