JP2017149146A - 固定具及び固定具の設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率及びワークフローを向上させる固定具と、航空機又は宇宙機の構造物に上記固定具を設置する方法とを提供すること。【解決手段】この方法は、固定具(1)の3Dデジタルモデル(M)を提供又は生成し、胴体構造物内、胴体構造物上又は胴体構造物付近に付加製造装置(7)のヘッド(6)を配置し、固定具(1)の3Dデジタルモデル(M)に基づいて、付加製造装置(7)のヘッド(6)により、胴体構造物(F)内又は胴体構造物(F)上にその場で固定具(1)を形成することを含む。上記固定具(1)は、上記固定具(1)が形成されるとき、上記胴体構造物に接着又は融着されることにより胴体構造物(F)内又は胴体構造物(F)上に設置される。その場で固定具(1)を形成するステップは、構造物(F)に非可動に固定された、固定具(1)の固着部(8)を形成し、固着部(8)に対して移動可能な、固定具(1)の操作部(9)を形成することを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の本体構造物上に、特に航空機又は宇宙機の本体又は胴体構造物上に、当該構造物に対して一つ以上のアイテム又はシステムを実装又は取り付けるための、ブラケットのような固定具を設置する方法に関する。また、本発明は、車両、特に航空機若しくは宇宙機内又は航空機若しくは宇宙機上に設置されたブラケットのような固定具、またそのような固定具を内蔵する車両そのものに関する。なお、本明細書で使用される「宇宙機」という用語は、ロケット、ロケットモジュール、宇宙船又はその部品だけでなく、衛星及び宇宙ステーションモジュールも含む。
航海、航空又は自動車の分野でアイテム及び/又はシステム(例えば、導管及びケーブルを有する電気系統)を設置する場合、典型的には、構造物(例えば、車体又は外殻構造物)にしっかりと固定される必要のある取り付け固定具又はブラケットを使用してこれらのシステムを支持することが必要となる。従来、これらの固定具は、リベット、クリップ若しくはネジのような締め付け具又は接着剤を介して構造物にしっかりと固定されていた。
欧州特許出願公開第2813432号
リベット及びネジのような機械的な締め付け具のデメリットとしては、固定具やブラケットが当該締め付け具用の穴を必要とすること、固定具はこれらの穴に対して位置付けられる必要があること、当該締め付け具を締め付けてしっかりと固定する作業を必要とすること等がある。特定の用途によっては、固定具やブラケットはこれらの締め付け具及び穴を囲んで封止される必要もあるかもしれない。これらのステップは当然ながら加工費を必要とする。接着剤による取り付けのデメリットとしては、固定具又はブラケットと取り付け面との両方が粗面処理及び/又は脱脂処理のような前処理を必要とするかもしれないこと、接着剤の塗布作業と、その後に続く固定具又はブラケットを加圧しながら位置付け実装する作業とを必要とすること等がある。これらのステップもまた加工費を必要とする。
従って、本発明の目的は、上述の問題の一つ以上の点を解消するための新規で改良された方法又は技術を提供することにある。特に、より高速又はより経済的な手順を実現させる、航空機又は宇宙機の構造物に固定具又はブラケットを設置する新規の方法を提供することは有効である。欧州特許出願公開第2813432号明細書に記載されているように、本出願人により上記の点に関して重要な進歩が遂げられた。しかしながら、このような技術をさらに発展させ最適化することは依然として目標のままである。
航空機又は宇宙機の構造物内又は構造物上に、生産効率及びワークフローを向上させる、新規で改良された固定具又はブラケットを提供することも有効である。航空機又は宇宙機の構造物内又は構造物上に、このような固定具又はブラケットを設置するための新規で改良された装置を提供することはさらに望ましい。
本発明によれば、請求項1に記載の固定具を設置する方法と、請求項9に記載の当該固定具とは、特に航海、航空又は自動車の分野でアイテム又はシステムを構造物に対して実装又は取り付けるために提供される。また、本発明によれば、請求項15に記載の車両、例えば、航空機又は宇宙機も提供される。好ましい特徴は従属する請求項に記載される。
従って、本発明の一態様によれば、航空機又は宇宙機の本体又は胴体構造物のような、車両の構造物内又は構造物上に、ブラケットのような固定具を設置する方法が提供される。上記方法は、付加製造装置のヘッドを上記構造物内、上記構造物上又は上記構造物付近に配置し、上記固定具の3Dデジタルモデルに基づいて、上記付加製造装置の上記ヘッドにより又は上記ヘッドを介して、上記構造物にその場で上記固定具を形成することを含む。上記固定具は、上記固定具が形成されるとき、上記構造物に(例えば、機械的に又は接着若しくは融着により)接続されることにより上記構造物内又は上記構造物上に設置される。その場で上記固定具を形成するステップは、上記構造物に非可動に固定された、上記固定具の固着部を形成し、上記固着部に対して移動可能な、上記固定具の操作部を形成することを含む。
このようにして、上記固定具の設置は、基本的には上記固定具そのものの形成とともに自動的に行われてもよい。このように、上記方法により、胴体組み立て手順は最大限の柔軟性を付与され、個々の固定具又はブラケットを独立して又は外部から製造する必要はなくなる。上記固定具は、設置の際に3Dデジタルモデルから直接作成されるため、スペア部品の在庫も必要ない。同様に、例えば、硬化プロセスではブラケットを構造物に固定するために必要であるがその後取り除かれる非飛散部品も不要となる。更に、上記固定具の設計は様々な変形例を含み、設計パラメータの変更に容易に適応可能である。
好ましい実施形態では、上記構造物内又は上記構造物上にその場で上記固定具を形成するステップは、上記付加製造装置の上記ヘッドを介して上記固定具の複数の層を連続的に生成且つ/又は積層することにより上記固定具を作ることを含む。これに関して、上記固定具が上記3Dデジタルモデルに基づいてこれらの複数の層から最終的な3D形状に積層されることが可能なように、上記固定具の複数の層は上記構造物上に連続的に積層されてもよい。これに応じて、好ましい実施形態では、上記固定具を上記本体又は上記構造物に接続するステップは、上記固定具の複数の層のうち一つ以上の層が、車両構造物上に生成され且つ/又は積層されるときに上記胴体構造物に接着又は融着されることを含む。あるいは又は加えて、上記固定具の一つ以上の層は、当該複数の層が車両構造物上に生成され且つ/又は積層された後に続く硬化ステップにおいて、上記胴体構造物に接着又は融着されてもよい。
好ましい実施形態では、上記固定具を上記構造物に接着するステップは、上記固定具が接続される上記構造物に、接着剤の一つ以上の層又は領域を積層することを含む。上記接着剤の(複数の)層又は(複数の)領域を積層することは、上記固定具の複数の層を上記構造物上に生成し積層する前に行うことが好ましい。上記接着剤の一つ以上の層又は領域は、少なくとも上記固定具の上記固着部の領域に、任意には上記固定具の上記固着部の領域のみに積層される。このようにして、上記接着剤は、上記固着部が構造物に非可動に固定されることを保証するように作用してもよい。
別の好ましい実施形態では、上記固定具を上記構造物に接続するステップは、上記構造物の一部と機械的に適合若しくは機械的に係合又は接続するように上記固定具を形成することを含んでもよい。実際、上記固定具を上記構造物に接続するステップは、機械的な係合又は接続とともに、接着又は融着を組み合わせてもよい。
上記方法の好ましい実施形態では、上記固定具の上記固着部は、上記構造物に実装されるシステムの一つ以上のアイテム又は要素を支持するためのホルダ又は保持具を形成する。これに関連して、上記固定具の上記操作部は、上記一つ以上のアイテム又は要素を上記ホルダにしっかりと固定するための締め付け具を具備してもよい。例えば、上記操作部は可動であり、ストラップ又はひものように上記一つ以上のアイテム又は要素を巻き込み又は包み、上記アイテム/要素を拘束してホルダにしっかりと固定するように構成されてもよい。更に、上記固定具は、上記操作部を上記固着部に対して締め付け、特に調整可能に締め付けて、上記アイテム又は要素を拘束又はしっかりと固定する手段を備えてもよい。
好ましい実施形態では、上記操作部は、上記構造物に部分的に取り付けて形成される。上記操作部は、上記固着部に対して移動するように、好ましくは上記部分取り付け部を剥離又は破断することにより、上記構造物から分離可能に構成されることが望ましい。このようにして、上記固定具の上記操作部は、作業不能位置に上記構造物に部分的に取り付けられて設置されてもよい。例えば、本発明の取付け固定具を使って導管及びケーブルを有する電気系統を設置する作業の担当者は、導管及びケーブルを固着部に固定又はしっかりと固定させるための作業位置に上記固定具の操作部を移動させるため、上記操作部の上記部分取り付け部を破断するか分離してもよい。
好ましい実施形態では、上記方法は、複合材料、特にガラス繊維強化ポリマー(GFRP:glass fibre-reinforced polymer)複合材料又は炭素繊維強化ポリマー(CFRP:carbon fibre-reinforced polymer)複合材料のような繊維強化ポリマー複合材料からなる構造物とともに使用されるように設計又は応用される。このように、上記付加製造装置は、構造物に繊維強化ポリマーで融着又は接着するような材料から上記固定具を生成又は形成するように構成されてもよい。しかしながら、従来の機体及び胴体構造物では典型的であるが、上記付加製造装置が金属製の構造物と融着又は接着することができる材料から上記固定具を生成又は形成するように、上記方法は、金属からなる本体構造物を使って実行されてもよい。本方法によって生じる融着又は接着による接続に加えて、上記固定具は、リベット、ネジ、ボルト等の補足的な機械的締め付け具によってしっかりと固定されてもよく、そのような付加的な締め付け具は、上記固定具の車両構造物への接続を向上させるために使用することができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、上記付加製造装置により上記固定具を形成又は作成するステップは、熱溶解積層法(FDM:fused deposition modelling)、レーザ焼結(LS:laser sintering)、選択的加熱焼結(SHS:selective heat sintering)及びステレオリソグラフィー(SLA:stereo-lithography)のいずれか一つ以上を含む。これらの技術は、一般的には3D印刷ともいう。ステレオリソグラフィー(SLA)の場合、上記固定具は典型的には紫外線硬化ポリマー又は紫外線感応ポリマーのようなフォトポリマー材料から形成される。熱溶解積層法(FDM)の場合、上記固定具はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS:acrylonitrile butadiene styrene)又は高密度ポリエチレン(HDPE:high-density poly-ethylene)のような硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから形成されてもよく、あるいは共晶金属のような金属から形成されてもよい。選択的加熱焼結(SHS)又はレーザ焼結(LS)の場合、上記固定具は典型的には粉末状又は粒状で提供される類似するいずれの金属合金から形成されてもよいが、粉末状又は粒状の様々なポリマーから形成されてもよい。本発明の方法により固定具を連続生産する場合に好適であると思われるポリマーの例として、DSM社製Somos(登録商標)製品のNanoTool(登録商標)、NanoForm(登録商標)及びProtoTherm(登録商標)が挙げられる。これらのポリマーは、上記固定具の最終形状に積層された後に紫外線の照射によって硬化するような紫外線硬化ポリマーである。これに関して、これらのDSM社製Somos(登録商標)ポリマーは、典型的には、紫外線硬化後に79〜121N/mmの曲げ剛性及び62〜78N/mmの引張剛性を有する。他の好適なポリマーとしては、ナイロン(東レSQ133)のような脂肪族又は半芳香族ポリアミドが含まれる。
特に好ましい実施形態では、上記固定具の3Dデジタルモデルは、上記構造物内又は上記構造物上の、上記固定具の特定又は所望の位置に関するデータを含む。このように、その場で上記固定具を形成するステップは、好ましくは、上記3Dデジタルモデルに含まれる上記特定又は所望の位置に関するデータに基づいて、上記付加製造装置の上記ヘッドを上記構造物内又は上記構造物上に位置付けることを含む。このために、上記本体又は胴体構造物は、上記固定具の上記3Dデジタルモデルに含まれる複数の基準点との空間相関を提供するための一つ以上の基準マーカを有してもよい。上記基準マーカを検出し識別した後、検出され識別された基準マーカに基づいて上記付加製造装置のヘッドを位置付けるための、一つ以上のセンサが設けられてもよい。
上記付加製造装置の位置決めと移動は、コンピュータ制御されることが好ましい。例えば、上記付加製造装置又はそのヘッドはロボットアセンブリ又はロボットアームに設けられてもよい。当該ロボットアセンブリ又はロボットアームは、上記固定具の3Dデジタルモデルに基づいて上記装置のヘッドを移動し位置付けるように制御可能である。このようにして、本体構造物内又は本体構造物上に固定具又はブラケットを非常に正確に位置決めすることが可能であり、高水準の再現性も得られる。
航空機又は宇宙機のような車両に具体的に言及して本発明の方法を説明したが、本発明は車両ではない構造物にも適用可能であることは当業者により理解される。例えば、本発明は、例えば、風力タービンのマスト若しくはアンテナのタワー(例えば、通信又はTV用アンテナ)、ビルディング又はその他の構造物のような固定された構造物に、ブラケットのような固定具を設置する方法も提供する。更に、上記固定具は、構造物そのものの製造時に本発明の方法により設置されてもよいが、マスト、タワー、ビルディング又は宇宙ステーションの場合には、例えば、上昇運動又はほふく運動をするロボットアセンブリを介してその場で続けて設置されてもよい。
このように、さらに別の態様によれば、本発明は、本体又は構造物上にブラケットのような固定具を設置する方法を提供する。当該方法は、上記固定具の3Dデジタルモデルを提供又は作成し、上記構造物上又は上記構造物付近に付加製造装置のヘッドを配置し、上記固定具の3Dデジタルモデルに基づいて、上記付加製造装置の上記ヘッドにより又は上記ヘッドを介して、上記構造物にその場で上記固定具を形成することを含む。上記固定具は、上記固定具が形成されるとき、上記構造物に接続されることにより上記構造物上に設置される。その場で上記固定具を形成するステップは、上記構造物に非可動に固定された上記固定具の固着部を形成し、上記固着部に対して移動可能な、上記固定具の操作部を形成することを含む。
本発明に記載の文脈において、上記固定具を「形成する」ステップ又はそのいずれか一部を「形成する」ステップは、当該固定具又はその一部を製造するという意味で理解されてもよい。
例えば、軌道上の宇宙ステーションの外殻構造又は外側で修理や設置作業を行うために付加製造装置又は3Dプリンタを内蔵するロボットアセンブリを介して宇宙空間で上記方法を採用することにより、宇宙飛行士は宇宙遊泳の必要性やそれに伴うリスクを回避することができる。言い換えれば、上記固定具は、本発明の方法により、宇宙環境でスムーズにほぼリスクなく作動するロボットを介して設置されてもよい。このように、上昇運動又はほふく運動をするロボットのような移動可能なロボットデバイスを使用して、本発明の方法を実施することができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、上記固定具のための3Dデジタルモデルは、設置過程で作成され且つ/又は変更されてもよい。例えば、上記構造物の一部を修理するために上記方法が実行されている場合、まず、必要とされる固定具の正確な形状及び/又はサイズを確認する前に、修理すべき部分を点検且つ/又は評価する必要があるかもしれない。このために、本発明の方法は、構造物の一部を検査し、必要とされる固定具の表面形状及び/又は寸法を評価且つ/又は決定し、その検査結果に基づいて上記固定具の3Dデジタルモデルを提供又は作成するステップを含んでもよい。ロボットアセンブリは、従って、検査機器、例えば構造物の対象部分を点検且つ/又は検査するカメラ及び/又は一つ以上のセンサを備えてもよい。
上記概念を広げると、例えば、ロボットにセットされた又は設けられた上記付加製造装置又は3Dプリンタが、構造物(例えば、宇宙ステーションの外殻構造)に設置される構造固定具又は要素を生成又は形成する可能性もある。このような固定具又は要素は、ロボットそのものの移動や進行に影響を与えたり、その移動や進行を決定したりする走路又はレールの形で設けられてもよい。これらの要素を、例えば、ロボットの進路を修理の必要がある特定の場所へ方向付けたり規定したりするように設計することができる。
別の態様によれば、本発明は、3Dデジタルモデルに基づいて、構造物内又は構造物上、特に航空機又は宇宙機の機体又は胴体のような車両本体構造物内又は車両本体構造物上にその場で生成される、ブラケットのような固定具を提供する。上記固定具が形成されるとき、上記固定具は上記構造物に接続され、好ましくは接着剤により接着且つ/又は融着される。上記固定具は、上記構造物に非可動に固定された固着部と、上記固着部に対して移動可能な操作部とを具備する。
上述したように、上記固定具は、形成されるときに上記構造物に接着且つ/又は融着されることが好ましい。あるいは又は加えて、上記固定具は、形成されるときに上記構造物に機械的に接続されてもよい。
特に好ましい実施形態では、上記固定具の上記固着部は、上記構造物に実装されるシステムの一つ以上の要素又はアイテムを支持するためのホルダ又は保持具を具備する。一方で、上記固定具の上記操作部は、上記一つ以上の要素又はアイテムを上記ホルダにしっかりと固定するための締め付け具を具備することが好ましい。これに関して、例えば、上記操作部は、一つ以上の要素又はアイテム(例えば、上記構造物に実装されるシステムのアイテム)を上記固定具にしっかりと固定するためのストラップ又はひもを具備してもよい。更に、上記固定具は、好ましくは、所望の位置に上記一つ以上の要素又はアイテムをしっかりと保持するために、上記固着部に対して上記操作部を拘束又は締め付ける手段を有してもよい。
好ましい実施形態では、上記操作部は、部分取り付け部を有して上記構造物に設置される。これに関して、上記部分取り付け部は、上記操作部を上記固着部に対して移動させるように、特に剥離、破断又は切断することにより、分離可能に構成される。従って、最初に設置された状態では、上記固定具の操作部は作業不能位置に設置されていてもよい。本発明の文脈での「固定具」の好ましい形状はブラケット又はそのような類似の取り付け具であるが、本発明の文脈での「固定具」はブラケット又はそのような取り付け具に限らず、キャビンの内張りパネル若しくは外殻又は構造物若しくは車両の内装被覆材を含んでもよいことを理解されたい。
好ましい実施形態では、上記固定具は、本体又は上記胴体構造物に接着又は融着された、連続的に生成又は積層された複数の層を具備する。上述したように、上記固定具は、紫外線硬化ポリマー又は熱可塑性ポリマーのようなポリマー材料、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)又は高密度ポリエチレン(HDPE)から形成されてもよく、一種類以上の金属粉末を含む、共晶金属のような金属から形成されてもよい。更に、本発明の特に好ましい実施形態では、胴体構造物における上記固定具の位置は、3Dデジタルモデルに基づいている。
さらに別の態様によれば、本発明は、上述の実施形態のいずれか一つに係る少なくとも一つ、好ましくは複数の固定具を内蔵する本体又は胴体構造物を有する、航空機又は宇宙機のような車両を提供する。これに関して、本発明の車両は、様々な公知の輸送手段のいずれかであってよく、電車、乗用車、トラック、バス、船、ボート、飛行船、ヘリコプタ及び/又は宇宙船を含むがこれらに限定されるものではない。当該車両の本体構造物は、このように、車両の筐体やフレームであってよい。
別の態様によれば、本発明は、航空機又は宇宙機の構造物、特に胴体構造物内又は胴体構造物上にブラケットのような固定具を形成且つ/又は設置するための装置、特に付加製造装置を提供する。当該装置は上記構造物内、上記構造物上又は上記構造物付近に位置付けられるように構成され、特に上記構造物上に上記固定具の複数の層を生成且つ積層することにより、連続的に上記固定具を作るためのヘッドを具備する。上記固定具の複数の層は、上記ヘッドにより連続的に構造物上に積層される。
好ましい実施形態では、上記装置のヘッドは、上記構造物に接着剤を、特に層状又はフィラメント状に供給且つ/又は塗布するために構成されたノズル部を備える。更に、上記ノズル部はまた、構造物に、上記固定具の層又はフィラメントを生成且つ積層するための充填材からなる一つ以上の層を供給且つ/又は塗布するために構成される。これに関して、上記ノズル部は、2つ(又はそれ以上)の独立したノズル供給口を有して構成されてもよい。ノズル供給口のうち、一つは接着剤を供給且つ/又は塗布するようになっており、もう一方は上記固定具の充填材を供給且つ/又は塗布するようになっている。このようにして、一つのノズル部が接着剤と充填材の両方を塗布するように作動し、上記固定具を生成することができる。上記2つ(又はそれ以上)のノズル供給口は、異なる寸法で設計され異なる材料に適応させてもよく、また異なる温度で作動させて接着剤と充填材のそれぞれの性質に適応させてもよい。2つのノズル供給口を有する一つのヘッドの概念により、高速生産プロセスにおける接着剤の使用が可能になる。
好ましい実施形態では、上記装置のヘッドは、上記固定具が形成される構造物に対してヘッドの位置や間隔を測定又は感知するための少なくとも一つの距離センサ、より好ましくは複数の距離センサ及び/又は接触センサを備える。高水準の位置決め精度を有する付加製造装置(例えば、3Dプリンタ)のヘッドは、層間ピッチの精細度にとって重要である。このことは、ロボットアームの位置決めだけでなく、構造物(例えば、胴体)に対するヘッドの相対精度も意味する。これに関して、3つ又は4つの触覚センサ又は距離センサを備える添加層製造(ALM:additive layer manufacturing)ヘッドを使用することで、上記(胴体)構造物付近のロボットアームの端部において3Dプリンタヘッドの位置決め精度を保証することができる。ロボットアームのヘッドが記憶された設置位置に接近するにつれて、3Dプリンタヘッドの移動を減速させ、触覚/距離センサを介して相対位置を調整してもよい。
好ましい実施形態では、上記装置のヘッドは、少なくとも一つの軸、より好ましくは二つの軸を中心に回動又は回転することができる。言い換えれば、上記装置のヘッドは、少なくとも一つの回動ジョイント、好ましくは二つの回動ジョイントを介して回動又は回転移動するように多関節連結されていてもよい。二つの回動ジョイントが設けられる場合、それぞれの回動軸は、例えば、縦軸と横軸のように互いに垂直であることが好ましい。このようにして、ロボットアームに設けられた上記ALM装置のヘッドは、極めて操作しやすく、非常に狭い空間において及び/又は上記固定具が構造部材の両側から形成されるような場合において固定具の設置に役立つ。これに関して、固定具は構造部材に設けられた一つ以上の穴部又は開口部を介して構造物に機械的に接続されてもよい。従来の穴部や航空機の要素の寸法を使って、その形状によって接着剤を使用せずにブラケットを固定してもよい。垂直面(外面やフレーム)に対して、多関節連結ヘッドは、3Dプリンタヘッドが構造物に干渉することを避けるのに役立ち、当該ヘッドは様々な角度から設置位置に接近することができる。
以上のように、本発明によれば、生産効率及びワークフローを向上させる固定具と、航空機又は宇宙機の構造物に上記固定具を設置する方法とを提供することができる。
本発明の一実施形態により固定具又はブラケットが設置された航空機の胴体又は外殻構造物の一部分の概略側面図である。 本発明の一実施形態により上記固定具又はブラケットが設置された図1の上記胴体又は外殻構造物の4つの概略側面図(a)〜(d)である。 特定の実施形態に係る、上記固定具又はブラケットの設置方法又は設置技術の3つのステージ(i)〜(iii)を示す概略図である。 本発明の好ましい実施形態に係る固定具又はブラケットの概略斜視図である。 一実施形態に係る固定具又はブラケットの、胴体又は外殻構造物上に設置され使用中の状態を示す概略斜視図である。 一実施形態に係る固定具又はブラケットの、胴体又は外殻構造物上に設置され使用中の状態を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る固定具を設置するためのロボットアームに設けられた付加製造装置のヘッドの概略部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る付加製造装置のヘッドに設けられたノズル部の概略側面図である。 図7に示す上記ノズル部の概略斜視図(a)(b)である。 本発明の一実施形態に係る固定具を設置するためのロボットアームに設けられた付加製造装置のヘッドの概略斜視図である。 図9Aに示す上記付加製造装置のヘッドの概略側面図である。 好ましい実施形態に係る方法を概略的に示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る一つ以上のブラケットが設置された航空機の概略図である。 本発明の一実施形態に係る固定具又は要素が設置されている宇宙ステーションの概略図である。
本発明とその利点をより一層理解するため、添付の図面を参照し、以下に本発明の例示的な実施形態をより詳細に記載する。以下、同様の参照文字は同様の部材を指す。
添付の図面は本発明をさらに理解するためのものであり、本明細書に含まれその一部を構成する。図面は本発明の特定の実施形態を図示し、本明細書の記述とともに本発明の原理を説明するものである。本発明のその他の実施形態と、本発明に付随する利点の多くは、以下の詳細な記述を参照して深く理解されるにつれて容易に認識されるものである。
実施形態の図をより簡潔にするため、商業的に実現可能な実施形態において有益又は必要であるような、一般的によく理解されている要素は必ずしも描写されていないことを理解されたい。図面の要素は、必ずしもそれぞれに対して正確な尺度で図示されていない。さらに、方法についての一実施形態では、ある作用及び/又はステップはそれらの特定の発生順で記載又は描写されてもよく、当業者はシーケンスに対するそのような限定性は必ずしも必要ではないことを理解しているものである。また、本明細書で使用される用語及び表現は、具体的な意味が本明細書中で明記されている場合を除き、それぞれ対応する調査研究分野についての用語及び表現が有する通常の意味で使用される。
まず、図1は、本発明の方法に係る、航空機の機体又は胴体構造物F上に固定具1(ここではブラケットの形状を有する)を設置するためのシステムを概略的に示す。本実施形態における航空機の機体又は胴体構造物Fは、曲線状の外殻部を具備する。当該外殻部は炭素繊維強化ポリマー複合材料からなり、この場合、縦に延びる支持フレームSから横に延びる留め具要素Bによって支持されている。図1はまた、ロボットアセンブリ2を示す。ロボットアセンブリ2は、複数の多関節連結ジョイント4を有するロボットアーム3を備える。複数の多関節連結ジョイント4のそれぞれは少なくとも一つ、好ましくは自由度数で駆動可能である。ロボットアセンブリ2は、図1の紙面に垂直な方向に、レール部材5に沿ってそれ自身が並進運動するように実装される。
ロボットアーム3の先端部領域には、付加製造装置7のヘッド6が実装されている。当該付加製造装置7は、一般的に理解されているもの又は3Dプリンタデバイスであってよい。この付加製造装置7は、熱溶解積層法(FDM:fused deposition modelling)、レーザ焼結(LS:laser sintering)及びステレオリソグラフィー(SLA:stereo-lithography)のような公知の3D印刷技術のいずれか一つを行うものであってよい。本実施形態において特に好ましいのは熱溶解積層法(FDM)装置7である。多関節連結ジョイント4を介したロボットアセンブリ2の、特にロボットアーム3の動きと、レール部材5に沿ったその位置は、コンピュータプロセッサP(ここでは概略的に示し、図3を参照して後述する)を介してコンピュータ制御される。コンピュータプロセッサPは、上記付加製造装置7の動作も制御する。本発明の方法に係る新規の固定具又はブラケット1を設置するにあたり、上記付加製造装置7のヘッド6を、図1に示す矢印の方向にロボットアーム3により胴体構造物Fの所定の位置Zへ移動させる。
図2(a)〜(d)を参照すると、胴体構造物Fに上記固定具又はブラケット1を形成又は作成するステップが一連の4図(a)〜(d)に概略的に示されている。図2(a)では、ロボットアーム3の先端部領域に配置されている上記FDM装置7のヘッド6が、位置Zで航空機の胴体構造物Fの面に近接している。上記固定具又はブラケット1の3次元(3D)デジタルモデルMはコンピュータプロセッサPで提供又は生成される。コンピュータプロセッサPは、ブラケット1の上記3DデジタルモデルMのデータに基づいて、上記FDM装置7のヘッド6がCFRP(carbonfibre-reinforced polymer;炭素繊維強化ポリマー)胴体構造物Fの面に沿って図2(a)の矢印の方向に移動するにつれて、上記FDM装置7のヘッド6を制御して上記胴体構造物F上にポリマー材料からなる複数の層を積層させる。そして、図2(b)では、所定の位置Zでブラケット1の一つ以上の層L1を胴体構造物F上に積層させ、当該層をCFRP胴体構造物Fに接着又は融着させる。
そして、上記FDM装置7のヘッド6を、上記胴体構造物Fから図2(b)の矢印の方向にわずかに離す。そして、図2(c)に示すように、ヘッド6は、ポリマー材料からなる一つ以上の新しい層L2の積層を始めてもよい。当該層L2が先の層L1上に作られることで、固定具又はブラケット1の3次元形状が作られる。この手順は、図2(d)に示すように、ブラケット1の最終的な3D形状が完成するまで続けられる。
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る上記方法の3つのステージ(i)〜(iii)を示す。例えば、図3(i)は、コンピュータプロセッサPのワークステーションWにおける作業者Oを示す。当該コンピュータプロセッサPは、本実施形態の上記方法により設置される固定具又はブラケット1の3DデジタルモデルMを提供且つ/又は生成する作業に使用される。作業者Oが作業するコンピュータプロセッサPは、図1〜2に示す上述のロボットアセンブリ2及び付加製造装置7の、コンピュータ制御される動作にも関与している。
図3(ii)は、ブラケット1が形成且つ設置される胴体構造物Fに対してロボットアセンブリ2を位置決めするステップを概略的に示す。これに関して、ロボットアセンブリ2は、筒状の胴体構造物F内の一つ以上のレール部材5、好ましくは、例えば胴体構造物F内のそれぞれの高さ又はそれぞれの床面においてそれぞれ独立した複数のレール部材5のうちの一つに沿って、移動可能である。これに関して、胴体構造物Fは、図1に示す外殻部ではなく、図3(ii)に見られるように筒状の外殻であってよい。また、ロボットアセンブリ2は、例えば、異なる位置に複数の固定具又はブラケット1を同時に作り設置するために、胴体構造物F内の様々な異なる位置Zで同時に作業を行うための複数のロボットアーム3を備えてもよい。
ロボットアセンブリ2の位置決めに関し、上記固定具又はブラケット1の3DデジタルモデルMは、特定のブラケット1のための、胴体構造物F上の具体的な所望の又は所定の位置Zに関するデータを含んでいてもよい。このデータは、胴体構造物Fに設けられる複数の基準マーカRとともに使用することができる。これらの基準マーカRは、センサ(図示しない)により検出可能であり識別可能であることが好ましい。これらのセンサはロボットアセンブリ2に設けられ、3DデジタルモデルMのデータに基づき胴体構造物Fに対してロボットアーム3を、特に付加製造装置7のヘッド6を、特定のブラケット1を形成し設置するための正しい位置Zに移動させるための空間相関を提供する。
図3(iii)は、基本的に図2に対応し、胴体構造物F内の所望又は所定の位置Zに特定のブラケット1を連続積層且つ設置する様子を示す概略図である。当該ブラケット1は同時に胴体構造物Fの材料に接着又は融着される。
図4は、図2(a)〜(d)と図3(iii)に示された上記方法により設置される固定具又はブラケット1の一例を示す斜視図である。固定具又はブラケット1は、胴体構造物Fに非可動に固定された、くさび状又はブロック状の固着部8を具備する。加えて、上記固定具又はブラケット1は、固着部8に対して移動するように構成された操作部9を具備する。特に、ブラケット1の固着部8は、胴体構造物Fに実装する電気系統の要素又はアイテムD(例えば、ケーブル又は導管)を支持するための曲線状のホルダ10を具備する。一方、ブラケット1の操作部9は、ケーブル又は導管Dをブラケット1にしっかりと固定するためのストラップ又はひも11を具備する。これに関し、ブラケット1は、ホルダ10内の所望の位置にケーブル又は導管Dをしっかりと保持するために、固着部8に対してストラップ11を拘束又は締め付ける手段12を備える。このために、この拘束又は締め付け手段12は、ストラップ11に形成された穴部13を具備する。この穴部13は、くさび状又はブロック状の固着部8に形成されたスロット14及びピン15と協働するように構成される。この点において、図5A及び図5Bは、図4と比較して上記固定具又はブラケット1がわずかに変更された実施形態を示すが、その使用又は動作の一般的な原理を示している。
これに関連して、ストラップ又はひも11を具備する操作部9は、胴体構造物Fに軽く融着又は接着している部分取り付け部16を有して設置されてもよい。このように、この操作部9の部分取り付け部16は、例えばストラップ又はひも11を胴体構造物Fから剥離して操作部9を固着部8に対して移動させることにより、分離可能であってもよい。最初に設置された状態(例えば、図5Aの破線で示す)では、従って、ブラケット1の操作部9は作業不能位置にあってもよい。図5Bに示すように、穴部13のうちの一つがピン15を受けて係合し、ブラケット1上でケーブル又は導管Dがしっかりと締め付けられるように、ストラップ又はひも11がブラケット1のホルダ10上でケーブル又は導管Dのまわりに巻き付けられてスロット14に通された後、ストラップ又はひも11の突出している自由端の余分な長さを任意に切り落とし、その突出している端部を短くしてもよい。
本発明に係る固定具又はブラケット1を設置する上記方法では、ブラケット1の固着部8は胴体構造物Fに非可動に固定(例えば、固着)される。このためには、胴体構造物Fの一部と機械的に適合若しくは機械的に係合又は接続するようにブラケット1の固着部8を形成してもよい。しかしながら、ブラケット1の固着部は、胴体構造物F上に生成及び/又は積層されるとき、胴体構造物Fに接着していてもよい。このように、固着部8を胴体構造物Fに接着するステップは、ブラケット1が接続される接着フィラメントG(例えば、図4に示すような、線状の接着剤又は接着フィラメントG)の一つ以上の層又は領域を積層することを含むことが好ましい。これに関して、接着フィラメントGの一つ以上の層又は領域の積層は、ブラケット1の層L1、L2、特に固着部8を胴体構造物F上に生成又は積層する前に行われる。このために、塗布された接着フィラメントGの(複数の)層又は(複数の)領域は、少なくともブラケット1の固着部8の領域に対応し、望ましくはブラケット1の固着部8の領域にのみ対応する。このようにして、接着剤Gは、固着部8が胴体構造物Fに非可動に固定されることを保証するように作用する。
図6〜8は、航空機の胴体構造物F内又は胴体構造物F上にブラケット1のような固定具を形成且つ/又は設置するための、ロボットアセンブリ2のロボットアーム3に実装される付加製造装置7のヘッド6の詳細を概略的に示す。上述したように、当該ヘッド6は、特に胴体構造物Fに充填フィラメントからなる層L1、L2を積層することにより、連続的にブラケット1を作るために構成される。このために、ヘッド6は、充填フィラメントからなる層L1、L2を供給且つ塗布し、胴体構造物Fにブラケット1を生成又は積層するためのノズル部17を備える。充填材は、所望の作業温度に予熱された後、供給ライン18を介してノズル部17に供給される。付加製造装置7のヘッド6は、多数のセンサ19と位置調整機構20とをさらに備える。当該センサ19は例えば距離センサや接触センサであり、胴体構造物Fの、ブラケット1が形成される面に対するノズル部17の位置や間隔を測定又は検出する。位置調整機構20は、一般的に層L1、L2の精細度にとって重要である、上記装置のヘッド6(例えば、3Dプリンタヘッド)の高水準の位置決め精度を提供する。これに関して、これらのセンサ19は、コンピュータプロセッサPの制御部にデータを提供し、位置調整機構20の動作を制御する。位置調整機構20は複数のネジ棒21を備え、これらは制御部によって駆動され、胴体構造物Fの面に対しノズル部17の間隔を細かく調整してもよい。位置調整機構20はまた、図6の矢印によって示されるように、面を横切ってノズル部17を横方向に移動させるように駆動可能であってもよい。
ブラケット1を設置する上記方法において、ブラケット1の、特に固着部8の層L1、L2が胴体構造物F上に生成され積層される前に、接着フィラメントGの層又は領域を積層することにより固着部8を胴体構造物Fに接着することが必要である場合、上記装置のヘッド6のノズル部17が図7〜8に示すように構成されることが特に望ましい。本実施形態では、ノズル部17は2つの独立したノズル供給口22を有して構成される。ノズル供給口22のうち、一つは接着フィラメントGを供給且つ/又は塗布するようになっており、もう一方はブラケット1の充填材を供給且つ/又は塗布するようになっている。このようにして、一つのノズル部17が接着剤と充填材の両方を塗布するように作動し、ブラケット1を生成することができる。独立したノズル供給口22は、異なる寸法で設計され異なる材料に適応させる。また、異なる温度で作動させて接着剤と充填材のそれぞれの性質に適応させてもよい。2つのノズル供給口22を有する一つの装置ヘッド6の概念により、高速生産プロセスにおける接着剤の使用が最適化される。
図9A〜図9Bは、多関節連結装置のヘッド6の一実施形態を示す。これは、上記固定具又はブラケット1が、例えば、構造部材に設けられた一つ以上の穴部又は開口部を介して機械的に胴体構造物Fに接続される場合に特に実用的である。すなわち、構造部材の穴部又は開口部に機械的に接続して上記固定具又はブラケット1を形成することにより、ブラケット1の形状によってブラケットが接着剤を使用せずに固定されてもよい。このような場合、上記ヘッド6を様々な角度から設置位置Zに接近させるには、極めて操作しやすいヘッド6が望ましい。このために、本実施形態の上記付加製造装置7のヘッド6は多関節連結されており、二つの垂直軸y、zをそれぞれ規定する二つの回動ジョイント23、24を中心に回動又は回転する。このようにして、ロボットアーム3に設けられた添加層製造(ALM:additive layer manufacturing)装置7のヘッドは極めて操作しやすく、非常に狭い空間において及び/又はブラケット1が構造部材の両側から形成されるような場合においてブラケット1の設置に役立つ。
図10は、上記好ましい実施形態の方法における各ステップを再度概略的に示したフローチャートである。これに関して、図10の第1ブロックIは、ブラケット1の3DデジタルモデルMを提供又は生成するステップを表わす。当該3DデジタルモデルMは、付加製造装置7を支えるロボットアセンブリ2を操作制御するコンピュータプロセッサPにおいて利用可能である。第2ブロックIIは、上記3DデジタルモデルMの位置データに基づいて、胴体構造物F内の所定の位置Zに付加製造装置7のヘッド6を移動させるステップと、本実施形態の、胴体構造物Fに形成されるブラケット1を接着するための、接着剤Gの一つ以上の層又は領域を積層するステップを表わす。第3ブロックIIIは、コンピュータプロセッサPによるブラケット1の3DデジタルモデルMに基づいて、複数の層状に連続的にブラケット1を積層することにより、上記付加製造装置7のヘッド6で胴体構造物Fにその場でブラケット1を形成するステップを表わす。このステップでは、胴体構造物Fに非可動に固定された、ブラケット1の固着部8と、固着部8に対して移動可能な、ストラップ又はひも11のようなブラケット1の操作部9とが形成される。図10の最終ブロックIVは、ブラケット1が形成されるとき、接着剤Gを介して少なくとも固着部8をCFRP胴体構造物Fに接着又は融着することによりブラケット1を接続するステップを表わす。
上記方法、上記固定具又はブラケット1そのもの及び付加製造装置7についての上記記載に続き、図11は胴体構造物Fを内蔵する航空機Aを概略的に示す。そこでは、少なくとも一つの、好ましくは複数の固定具又はブラケット1が本発明の方法により設置されている。
一方、図12は他の実施形態を概略的に示す。本実施形態では、本発明の方法は現在軌道上にある宇宙ステーションTで実行されている。宇宙ステーションTは、太陽熱収集モジュールC、居住モジュールH及びアンテナモジュールIを備え、これらはすべて構造フレームXにより相互接続されている。この例では、上記方法はアンテナモジュールIの一部を修理するために使用される。この場合も、遠隔操作される多関節連結ジョイント4を有するロボットアーム3を備えたロボットアセンブリ2が使用され、宇宙飛行士は宇宙遊泳をする必要がない。構造フレームXは、ロボットアセンブリ2の移動をアンテナモジュールIへ案内するための一つ以上のレール部材5を備えていてもよい。また、付加製造装置7又は3Dプリンタデバイスのヘッド6は、ロボットアーム3の端部領域に実装されている。このようにして、図1〜9を参照して説明された上記方法は、宇宙ステーションTでロボットアセンブリ2により実施され、アンテナモジュールIを修理するための新規の要素又は固定具1を生成し設置することができる。構造フレームXにロボットアセンブリ2のためのレール部材5がない場合には、本発明の上記方法により付加製造装置7のヘッド6を使用して、宇宙ステーションTの構造フレームXに、アンテナモジュールIの修理部分にロボットアセンブリ2を案内するためのレール部材5を生成且つ設置してもよい。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、様々な代替及び/又は同等の実施形態があることは当業者には理解されるであろう。また、上記実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲、適用性又は構成を何らかの形で制限するものではないと理解されるはずである。むしろ、上述の詳細な説明は当業者に少なくとも一つの例示的な実施形態を実施するための適切な指針を提供し、添付の特許請求の範囲とその法律上の均等物から逸脱しない範囲で、例示的な実施形態に記載された要素の機能と配置を様々に変更してもよいことが理解される。概して、本出願は、本明細書に記載された具体的な実施形態のあらゆる改造又は変形を網羅している。
本明細書では、「具備する」、「具備している」、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」及びその他のこれらの変形を含む用語は包括的(例えば、非排他的)な意味で理解され、本明細書中に記載されたプロセス、方法、デバイス、装置又はシステムが、列挙された特徴、部品、要素又はステップに限られずに、明確に記載されていない若しくはそのようなプロセス、方法、物又は装置に固有のその他の要素、特徴、部品又はステップを含んでもよい。更に、本明細書中で使用される用語「一つの」は、明白に述べられていない限り「一つ以上」の意味として理解される。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は単なる名称にすぎず、対象物に数字上の要件を課すことやそれらに重要度の順位をつけたりすることを意図していない。
1…固定具又はブラケット
2…ロボットアセンブリ
3…ロボットアーム
4…ジョイント又は関節
5…レール部材
6…ヘッド
7…付加製造装置
8…固着部
9…操作部
10…ホルダ
11…ストラップ又はひも
12…締め付け具
13…穴部
14…スロット
15…ピン
16…部分取り付け部
17…ノズル部
18…供給ライン
19…センサ
20…位置調整機構
21…ネジ棒
22…ノズル供給口
23…回動ジョイント
24…回動ジョイント
F…胴体構造物又は外殻
B…留め具要素
S…支持フレーム
P…コンピュータプロセッサ
M…3Dデジタルモデル
Z…胴体構造物又は外殻上の設置位置
G…接着剤
L1…層
L2…層
R…基準マーカ
O…作業者
W…ワークステーション
D…ケーブル又は導管
A…航空機
T…宇宙ステーション
C…太陽熱収集モジュール
H…居住モジュール
I…アンテナモジュール
X…構造フレーム

Claims (15)

  1. 航空機又は宇宙機の構造物(F)内又は構造物(F)上に固定具(1)を設置する方法であって、
    前記方法は、
    付加製造装置(7)のヘッド(6)を前記構造物(F)内、前記構造物(F)上又は前記構造物(F)付近に配置し、
    前記固定具(1)の3Dデジタルモデル(M)に基づいて、前記付加製造装置(7)の前記ヘッド(6)により、前記構造物(F)にその場で前記固定具(1)を形成する
    ことを含み、
    前記固定具(1)は、前記固定具(1)が形成されるとき、前記構造物(F)に接続されることにより前記構造物(F)内又は前記構造物(F)上に設置され、
    その場で前記固定具(1)を形成するステップは、
    前記構造物(F)に非可動に固定された、前記固定具(1)の固着部(8)を形成し、
    前記固着部(8)に対して移動可能な、前記固定具(1)の操作部(9)を形成する
    ことを含む
    固定具の設置方法。
  2. 請求項1に記載の固定具の設置方法であって、
    その場で前記固定具(1)を形成するステップは、前記付加製造装置(7)の前記ヘッド(6)で連続的に、前記構造物(F)上に前記固定具(1)の複数の層を生成し積層することにより前記固定具(1)を形成することを含み、
    前記固定具(1)の前記複数の層は、連続的に前記構造物(F)に積層される
    固定具の設置方法。
  3. 請求項1又は2に記載の固定具の設置方法であって、
    前記固定具(1)を前記構造物(F)に接続するステップは、
    前記固定具(1)の前記複数の層が生成されるとき、前記複数の層のうち一つ以上の層を前記構造物(F)に接着又は融着し、
    前記構造物(F)の一部と機械的に適合又は機械的に係合するようにその場で前記固定具(1)を形成する
    ことを少なくとも一つ含む
    固定具の設置方法。
  4. 請求項3記載の固定具の設置方法であって、
    前記固定具(1)を前記構造物(F)に接着するステップは、前記固定具(1)の前記複数の層を前記構造物(F)に生成し積層する前に、接着剤(G)の一つ以上の層又は領域を前記構造物(F)に積層することを含み、
    前記接着剤(G)の一つ以上の層又は領域を、少なくとも前記固定具(1)の前記固着部(8)の領域に積層させる
    固定具の設置方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の固定具の設置方法であって、
    前記固定具(1)の前記固着部(8)は、前記構造物(F)に実装されるシステムの一つ以上の要素(D)を支持するためのホルダ(10)を形成し、
    前記固定具(1)の前記操作部(9)は、前記一つ以上の要素(D)を前記ホルダ(10)にしっかりと固定するための締め付け具を形成する
    固定具の設置方法。
  6. 請求項5記載の固定具の設置方法であって、
    前記操作部(9)は可動であり、ストラップ又はひも(11)のように前記一つ以上の要素(D)を巻き込む又は包むように構成される
    固定具の設置方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の固定具の設置方法であって、
    前記操作部(9)は、前記構造物(F)に部分的に取り付けて形成され、前記固着部(8)に対して移動するように、前記部分取り付け部を剥離又は破断することにより分離可能である
    固定具の設置方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の固定具の設置方法であって、
    前記固定具(1)の前記3Dデジタルモデル(M)は、前記構造物(F)内の、前記固定具(1)の所望の位置に関するデータを含み、
    その場で前記固定具(1)を形成するステップは、前記3Dデジタルモデル(M)に基づいて、前記付加製造装置(7)の前記ヘッド(6)を前記構造物(F)内又は前記構造物(F)付近に位置付けることを含み、前記構造物(F)は、前記固定具(1)の前記3Dデジタルモデル(M)に含まれる複数の基準点との空間相関のための複数の基準マーカ(R)を有する
    固定具の設置方法。
  9. 3Dデジタルモデル(M)に基づいて航空機又は宇宙機の構造物(F)内又は構造物(F)上にその場で生成される、固定具(1)であって、
    前記固定具(1)が形成されるとき、前記固定具(1)は前記構造物(F)に接続され、好ましくは接着又は融着され、
    前記固定具(1)は、
    前記構造物(F)に非可動に固定された固着部(8)と、
    前記固着部(8)に対して移動可能な操作部(9)と
    を具備する
    固定具(1)。
  10. 請求項9に記載の固定具であって、
    前記固定具(1)の前記固着部(8)は、前記構造物(F)に実装されるシステムの一つ以上の要素又はアイテム(D)を支持するためのホルダ(10)を具備し、
    前記固定具(1)の前記操作部(9)は、前記一つ以上の要素又はアイテム(D)を前記ホルダ(10)にしっかりと固定するための締め付け具を具備する
    固定具(1)。
  11. 請求項9又は10に記載の固定具であって、
    前記操作部(9)は、前記構造物(F)に実装されるシステムの一つ以上の要素(C)を前記固定具(1)にしっかりと固定するストラップ又はひも(11)を具備する
    固定具(1)。
  12. 請求項9から11のいずれか1項に記載の固定具であって、
    前記固定具(1)は、前記胴体構造物(F)に接着又は融着された、連続的に生成又は積層された複数の層を具備する
    固定具(1)。
  13. 請求項9から12のいずれか1項に記載の固定具であって、
    前記操作部(9)は前記構造物(F)に部分的に取り付けられた部分取り付け部を有し、
    前記部分取り付け部は、前記固着部(8)に対して前記操作部(9)を移動させるために前記構造物(F)から分離可能である、
    固定具(1)。
  14. 請求項9から13のいずれか1項に記載の固定具であって、
    前記固定具(1)は、紫外線硬化ポリマー又は熱可塑性ポリマーから、又は一種類以上の金属粉末を含む共晶金属から形成される
    固定具(1)。
  15. 車両、特に航空機(A)又は宇宙機(T)であって、
    請求項9から14のいずれか1項に記載の固定具(1)を一つ以上有する本体構造物(F)を具備する
    車両。
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