JP2017148400A - 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム - Google Patents

放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2017148400A
JP2017148400A JP2016035756A JP2016035756A JP2017148400A JP 2017148400 A JP2017148400 A JP 2017148400A JP 2016035756 A JP2016035756 A JP 2016035756A JP 2016035756 A JP2016035756 A JP 2016035756A JP 2017148400 A JP2017148400 A JP 2017148400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image data
offset
switching
mode
radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016035756A
Other languages
English (en)
Inventor
聡太 鳥居
Sota Torii
聡太 鳥居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016035756A priority Critical patent/JP2017148400A/ja
Publication of JP2017148400A publication Critical patent/JP2017148400A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】 本発明によれば、撮影モードの切り替えにより発生するオフセット信号の経時的な減衰特性に基づいて、オフセット画像データの減衰成分を算出することで、オフセット信号の過渡特性を少ない記憶領域で簡易かつ適切に補正することが可能となる。【解決手段】 本発明の放射線撮影装置は、所定の撮影モードにより撮影された放射線画像データ及びオフセット画像データを取得する画像取得手段と、前記撮影モードを切り替える切替手段と、前記撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、前記オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する推定手段と、前記オフセット成分に基づいて前記放射線画像データを補正する補正手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、撮影モード切り換え後の撮影画像を補正する放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラムに関する。
近年、アモルファスシリコンや単結晶シリコンからなる固体撮像素子を二次元状に配列して構成し、放射線画像の撮影を行う放射線撮影装置が広く実用化されている。このような放射線撮影装置では、放射線を照射しない状態で撮影した場合においても、撮像素子の暗電流などに起因したオフセット信号が発生するという特徴がある。
このため、撮影時に被写体信号に重畳したオフセット信号の影響を低減させるための補正処理が行われている。一般的には、放射線を照射しない状態で撮影(「ダーク撮影」と称する)を行い、オフセット信号を取得し、被写体画像からオフセット信号を減算するオフセット補正処理が用いられる。
オフセット信号は、動作温度の変動による暗電流の増減、フレームレート、及びビニングの切り換えなどの影響によって変化する。特に、フレームレートやビニングの切り換え時は、オフセット信号が過渡的に変動するため、適切なオフセット補正を行うには、その変動成分を補正するためのオフセット信号を取得し、オフセット補正を行う必要がある。
特許文献1では、事前にビニング切り換え時のオフセット信号が安定するまでの期間のオフセット信号を取得しておき、ビニング切り換えを行った後に撮影した画像データから対応するオフセット信号を減算することで、適切なオフセット補正を図っている。
特開2014−108284号
しかしながら、長期間にわたってオフセット信号が過渡的に変化する場合、オフセット信号が過渡的に変化している長期間の補正用画像データを保持するために、大きな記憶領域が確保されなければならないという問題があった。
本発明の放射線撮影装置は、所定の撮影モードにより撮影された放射線画像データ及びオフセット画像データを取得する画像取得手段と、前記撮影モードを切り替える切替手段と、前記撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、前記オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する推定手段と、前記オフセット成分に基づいて前記放射線画像データを補正する補正手段とを備える。
本発明によれば、撮影モードの切り替えにより発生するオフセット信号の経時的な減衰特性に基づいて、オフセット画像データの減衰成分を算出することで、オフセット信号の過渡特性を少ない記憶領域で簡易かつ適切に補正することが可能となる。
本発明に係る放射線撮影装置及び放射線撮影システムの構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるオフセットデータ生成処理の詳細を示すフローチャートである。 オフセット成分の減衰特性を示すグラフである。 オフセット補正前後のオフセット信号を比較するグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における定常状態のオフセット画像データ取得処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態として、放射線の一種であるX線を用いて被写体のX線画像データを撮影するX線撮影装置(放射線撮影装置)について説明する。また、本発明は、X線撮影装置に限らず、他の放射線(例えば、α線、β線、γ線など)を用いて被写体の放射線画像データを撮影する放射線撮影装置に適用することも可能である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置及び放射線撮影システムの構成を示す図である。本実施形態に係るX線撮影装置100は、特に医療用として使用される。図1に示すように、X線撮影装置100は、X線照射部(放射線発生部)101、X線検出部(放射線検出部)102、線量制御部103、撮影条件設定部104、撮影制御部105、画像取得部106、補正データ生成部107、推定部108、補正部109、及び画像表示部110を備える。
X線照射部101は、X線(放射線)を発生させて被写体PにX線を照射する。X線照射部101は、X線を発生するX線発生部(管球)と、X線発生部において発生したX線のビーム広がり角を規定するコリメータとを含む。
X線検出部102は、被写体Pを透過して入射するX線(放射線)を検出し、X線画像データ(放射線画像データ)を生成する。つまり、X線検出部102は、X線を照射した状態で撮影された放射線画像データを生成する。また、X線検出部102は、X線を照射しない状態で撮影されたオフセット画像データを生成する。線量制御部103は、X線照射部101から照射されるX線の線量を制御する。
撮影条件設定部104は、被写体Pに照射されるX線の線量、フレームレート、及びビニングなどの撮影条件を設定し、X線撮影装置100の撮影モードを設定する。撮影制御部105は、撮影条件設定部104から出力される信号に基づいて、X線検出部102及び線量制御部103を制御する。撮影制御部105は、切替部115を備える。切替部115は、X線撮影装置100の撮影モードを切り替える。
画像取得部106は、所定の撮影モードにより撮影されたX線画像データ(放射線画像データ)及びオフセット画像データをX線検出部102から取得する。
補正データ生成部107は、X線を照射しない状態でX線検出部102において撮影されたオフセット画像データに基づいて、オフセット補正に用いるデータ(オフセット補正データ)を生成する。推定部108は、撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する。推定部108は、補正データ生成部107で生成されたオフセット補正データとモード切り替え後からの経時情報とX線検出部(放射線検出部)102の動作温度に基づいて、撮影モード切り替えによって変化するオフセット信号を推定する。
補正部109は、オフセット成分に基づいてX線画像データ(放射線画像データ)を補正(オフセット補正)する。画像表示部110は、補正部109でオフセット補正されたX線画像データをモニタなどに出力する。
次に、図2を参照しながら、被写体Pの撮影からX線画像データを表示するまでの処理について説明する。ここでは、操作者が撮影モードとしてフレームレートを1fpsモードと30fpsモードとで切り替えた場合について説明する。ステップS101において、撮影条件設定部104は、操作者の操作に応じて、撮影モード、照射線量、及び、X線照射部101の管電圧などの被写体撮影時の撮影条件を設定する。設定された撮影条件は、撮影制御部105に出力される。
ステップS102において、オフセットデータが生成される。
図3は、ステップS102の詳細を示すフローチャートである。ステップS201において、X線検出部102は、撮影モードが30fpsモードでダーク撮影を行う。ただし、ここで撮影された30fpsモードのオフセット画像データは、画像取得部106には出力されない(空読み)。
ステップS202において、撮影制御部105(切替部115)は、撮影モードを30fpsモードから1fpsモードに切り替える(30fpsモードから1fpsモードへの第1の切り替え)。このとき、X線検出部(放射線検出部)102は、撮影モードの第1の切り替え時のX線検出部102の動作温度t1_1fpsを推定部108に出力する。
ステップS203において、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え直後(又は、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_1fpsを撮影する。本実施形態では、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え後の1枚目のフレーム(N=1)の過渡オフセット画像データT_1fpsを撮影する。
ステップS204で、X線検出部102は、過渡オフセット画像データT_1fpsの撮影後、モード切り替えによるオフセット信号の過渡応答がなくなった定常状態の32枚のオフセット画像Fk_1fpsを撮影し、画像取得部106及び補正データ生成部107に出力する。
ステップS205において、補正データ生成部107は、30fpsモードから1fpsモードへの撮影モードの切り替えによるオフセットデータを生成する。
ここで、ステップS205におけるオフセットデータの生成処理について詳細に説明する。まず、補正データ生成部107は、定常オフセット画像データを生成する。定常オフセット画像データは、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間経過後に取得された(定常状態で取得された)オフセット画像データに基づいて生成される。定常オフセット画像データは、定常状態における1つのオフセット画像データでもよいし、定常状態における複数のオフセット画像データの平均画像データであってもよい。
本実施形態では、式(1)に示すように、定常状態における32枚のオフセット画像データの平均画像データFave(i, j)_1fpsが、定常オフセット画像データとして算出される。ここで、(i,j)は座標であり、kは定常状態のオフセット画像データのフレーム数である。
次に、補正データ生成部107は、式(2)に示すように、過渡オフセット画像データT_1fpsにおける各画素値から、定常オフセット画像データFave(i, j)_1fpsにおける各画素値を減算する。以上により、オフセットデータTC(i, j)_1fpsが生成される。なお、オフセットデータTC(i, j)_1fpsは、30fpsモードから1fpsモードへの撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データの例であり、撮影モードの切り替えから経時的に減衰する。
ステップS206において、撮影制御部105(切替部115)は、撮影モードを1fpsモードから30fpsモードに切り替える(1fpsモードから30fpsモードへの第1の切り替え)。このとき、X線検出部(放射線検出部)102は、撮影モードの第1の切り替え時のX線検出部102の動作温度t1_30fpsを推定部108に出力する。
ステップS207において、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え直後(又は、撮影モードの切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データT_30fpsを撮影する。本実施形態では、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え後の1枚目のフレーム(N=1)の過渡オフセット画像データT_30fpsを撮影する。
ステップS208で、X線検出部102は、過渡オフセット画像データT_30fpsの撮影後、モード切り替えによるオフセット信号の過渡応答がなくなった定常状態の32枚のオフセット画像Fk_30fpsを撮影し、画像取得部106及び補正データ生成部107に出力する。ステップS209において、補正データ生成部107は、1fpsモードから30fpsモードへの撮影モードの切り替えによるオフセットデータを生成する。
ここで、ステップS209におけるオフセットデータの生成処理について詳細に説明する。まず、補正データ生成部107は、定常オフセット画像データを生成する。定常オフセット画像データは、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間経過後に取得された(定常状態で取得された)オフセット画像データに基づいて生成される。定常オフセット画像データは、定常状態における1つのオフセット画像データでもよいし、定常状態における複数のオフセット画像データの平均画像データであってもよい。
本実施形態では、式(3)に示すように、定常状態における32枚のオフセット画像データの平均画像データFave(i, j)_30fpsが、定常オフセット画像データとして算出される。ここで、(i,j)は座標であり、kは定常状態のオフセット画像データのフレーム数である。
次に、補正データ生成部107は、式(4)に示すように、過渡オフセット画像データT_30fpsにおける各画素値から、定常オフセット画像データFave(i, j)_30fpsにおける画素値を減算する。以上により、オフセットデータTC(i, j)_30fpsが生成される。なお、オフセットデータTC(i, j)_30fpsは、1fpsモードから30fpsモードへの撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データの例であり、撮影モードの切り替えから経時的に減衰する。
ステップS103において、撮影制御部105(切替部115)は、30fpsモードから1fpsモードに撮影モードを切り替える(30fpsモードから1fpsモードへの第2の切り替え)。このとき、X線検出部(放射線検出部)102は、撮影モードの第2の切り替え時のX線検出部102の動作温度t2_1fpsを推定部108に出力する。
このように、切替部115は、ステップS202で30fpsモード(第1の撮影モード)から1fpsモード(第2の撮影モード)への第1の切り替えを行う。その後、切替部115は、ステップS103で30fpsモード(第1の撮影モード)から1fpsモード(第2の撮影モード)への第2の切り替えを行う。
ステップS104において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに初期値1をセットする(N=1)。ステップS105において、撮影制御部105は、ステップS101で設定された撮影条件に基づいて、線量制御信号を線量制御部103に対して出力する。線量制御部103は、線量制御信号に基づいてX線信号をX線照射部101に対して出力する。X線照射部101は、X線照射信号を受けて、被写体PにX線を照射する。同時に、撮影制御部105は、1fpsモードの画像データ取得信号をX線検出部102に対して出力する。
X線検出部102は、1fpsモードの画像データ取得信号に基づいて、1fpsモードのX線画像データを取得する。1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)は、画像取得部106及び補正部109に対して出力される。画像取得部106及び補正部109は、1fpsモードの撮影モードで撮影されたフレーム数N=nのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_1fpsをX線検出部102から取得する。
ステップS106において、推定部108は、オフセット画像データ及び経時情報に基づいてオフセット成分を推定する。ここで、経時情報は、撮影モードの切り替えから放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間、撮影モードの切り替えからオフセット画像データの取得までのフレーム数又は時間、及びオフセット画像データの取得から放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間の少なくとも1つを含む。
本実施形態では、推定部108は、式(5)及び式(6)により、撮影モードの第2の切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する。オフセット成分は、オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分A及びオフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分Eの少なくとも1つを含む。
ここで、T(i, j)_1fps_aveはオフセット画像データT(i, j)_1fpsの画素値平均である。aは、撮影モードの第1の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t1_1fpsと撮影モードの第2の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t2_1fpsとの差によって発生する画素値平均の比例定数である。bは、撮影モードの第1の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t1_1fpsと撮影モードの第2の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t2_1fpsとの差によって発生するアーチファクトの比例定数である。
αは、オフセット画像データの画素値平均の減衰係数(第1の減衰係数)であり、X線検出部(放射線検出部)102固有のものである。βは、オフセット画像データのアーチファクトの減衰係数(第2の減衰係数)であり、X線検出部(放射線検出部)102固有のものである。
式(5)に示すように、第1のオフセット成分Aは、経時情報(n−1)に第1の減衰係数αをべき乗した値を、画素値平均T(i, j)_1fps_aveに乗算した項を含む。また、式(6)に示すように、第2のオフセット成分Eは、経時情報(n−1)に第2の減衰係数βをべき乗した値を、オフセット画像データT(i, j)_1fpsから画素値平均T(i, j)_1fps_ave及び定常状態の定常オフセット画像データFave(i, j)_1fpsを減算した値に乗算した項を含む。
経時情報(n−1)は、撮影モードの切り替え(第2の切り替え)から放射線画像データの取得までのフレーム数(N=n)と撮影モードの切り替え(第1の切り替え)からオフセット画像データT(i, j)_1fpsの取得までのフレーム数(N=1)との差である。
また、第1のオフセット成分A及び第2のオフセット成分Eは、撮影モードの第1の切り替えにおけるX線検出部(放射線検出部)102の動作温度t1_1fps及び撮影モードの第2の切り替えにおけるX線検出部(放射線検出部)102の動作温度t2_1fpsの項を含む。
このように、推定部108は、撮影モードの第1の切り替えにおけるオフセット画像データT(i, j)_1fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。なお、推定に用いられるオフセット画像データは、オフセット画像データT(i, j)_1fpsから生成されるオフセットデータTC(i, j)_1fps及び画素値平均T(i, j)_1fps_aveを含む。
また、推定部108は、撮影モードの第1の切り替えにおける放射線検出部の動作温度t1_1fps及び撮影モードの第2の切り替えにおける放射線検出部の動作温度t2_1fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。
次に、撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分の減衰特性について説明する。図4はオフセット成分の減衰特性を示すグラフである。横軸は、撮影モード切り替え後のフレーム数Nを表し、縦軸は、1枚目のフレーム(N=1)におけるオフセット成分を1として正規化されたオフセット成分yを表している。なお、図4のグラフは、横軸及び縦軸が対数で表されている両対数グラフである。
図4に示すように、オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分Aは、第1の減衰係数αに従って経時的に減衰する減衰特性を有する。また、オフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分Eは、第2の減衰係数βに従って経時的に減衰する減衰特性を有する。このように、撮影モードの切り替え後からのオフセット成分の減衰は、累乗近似で近似される。
ステップS107で、補正部109は、式(7)に示すように、ステップS105で取得された1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_1fpsからオフセット成分A,Eを減算することにより、放射線画像データを補正(オフセット補正)する。この場合、推定部108は、ステップS106で生成された1fpsモードのオフセット成分A,Eを、補正部109に対して出力する。
これにより、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号を簡易かつ適切に補正することが可能となる。特に、長期間にわたってオフセット信号が過渡的に変化する場合、オフセット信号が過渡的に変化している長期間の補正用画像データを保持する必要がなくなり、大きな記憶領域を確保する必要がなくなる。
ステップS108において、画像表示部110は、ステップS107でオフセット補正された1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)XCn_1fpsを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された1fpsモードのX線画像データXCn_1fpsを確認することができる。画像表示部110は、X線画像データ(放射線画像データ)を画像として出力でき、例えば、液晶ディスプレイなどを含む。
ステップS109において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=n+1)、フレーム数を更新する。ステップS110において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部110に表示されたX線画像データを確認した上で、1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行ってもよい。
1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS105に移行する。一方、1fpsモードの撮影モードでの撮影を終了する場合、処理はステップS111に移行する。
ステップS111において、撮影制御部105(切替部115)は、1fpsモードから30fpsモードに撮影モードを切り替える(1fpsモードから30fpsモードへの第2の切り替え)。このとき、X線検出部(放射線検出部)102は、撮影モードの第2の切り替え時のX線検出部102の動作温度t2_30fpsを推定部108に出力する。
このように、切替部115は、ステップS206で1fpsモード(第1の撮影モード)から30fpsモード(第2の撮影モード)への第1の切り替えを行う。その後、切替部115は、ステップS111で1fpsモード(第1の撮影モード)から30fpsモード(第2の撮影モード)への第2の切り替えを行う。
ステップS112において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに初期値1をセットする(N=1)。ステップS113において、X線検出部102は、ステップS105と同様のプロセスにより、30fpsモードのX線画像データを取得する。30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)は、画像取得部106及び補正部109に対して出力される。画像取得部106及び補正部109は、30fpsモードの撮影モードにより撮影されたフレーム数N=nのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_30fpsをX線検出部102から取得する。
ステップS114において、推定部108は、オフセット画像データ及び経時情報に基づいてオフセット成分を推定する。本実施形態では、推定部108は、式(8)及び式(9)により、撮影モードの第2の切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する。オフセット成分は、オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分A及びオフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分Eの少なくとも1つを含む。
ここで、T(i, j)_30fps_aveはオフセット画像データT(i, j)_30fpsの画素値平均である。aは、撮影モードの第1の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t1_30fpsと撮影モードの第2の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t2_30fpsとの差によって発生する画素値平均の比例定数である。bは、撮影モードの第1の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t1_30fpsと撮影モードの第2の切り替え時におけるX線検出部102の動作温度t2_30fpsとの差によって発生するアーチファクトの比例定数である。
αは、オフセット画像データの画素値平均の減衰係数(第1の減衰係数)であり、X線検出部(放射線検出部)102固有のものである。βは、オフセット画像データのアーチファクトの減衰係数(第2の減衰係数)であり、X線検出部(放射線検出部)102固有のものである。
式(8)に示すように、第1のオフセット成分Aは、経時情報(n−1)に第1の減衰係数αをべき乗した値を、画素値平均T(i, j)_30fps_aveに乗算した項を含む。式(9)に示すように、第2のオフセット成分Eは、経時情報(n−1)に第2の減衰係数βをべき乗した値を、オフセット画像データT(i, j)_30fpsから画素値平均T(i, j)_30fps_ave及び定常状態の定常オフセット画像データFave(i, j)_30fpsを減算した値に乗算した項を含む。
経時情報(n−1)は、撮影モードの切り替え(第2の切り替え)から放射線画像データの取得までのフレーム数(N=n)と撮影モードの切り替え(第1の切り替え)からオフセット画像データT(i, j)_30fpsの取得までのフレーム数(N=1)との差である。
また、第1のオフセット成分A及び第2のオフセット成分Eは、撮影モードの第1の切り替えにおけるX線検出部(放射線検出部)102の動作温度t1_30fps及び撮影モードの第2の切り替えにおけるX線検出部(放射線検出部)102の動作温度t2_30fpsの項を含む。
このように、推定部108は、撮影モードの第1の切り替えにおけるオフセット画像データT(i, j)_30fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。なお、推定に用いられるオフセット画像データは、オフセット画像データT(i, j)_30fpsから生成されるオフセットデータTC(i, j)_30fps及び画素値平均T(i, j)_30fps_aveを含む。
また、推定部108は、撮影モードの第1の切り替えにおける放射線検出部の動作温度t1_30fps及び撮影モードの第2の切り替えにおける放射線検出部の動作温度t2_30fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。
ステップS115で、補正部109は、式(10)に示すように、ステップS113で取得された30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_30fpsからオフセット成分A,Eを減算することにより、放射線画像データを補正(オフセット補正)する。この場合、推定部108は、ステップS114で生成された30fpsモードのオフセット成分A,Eを、補正部109に対して出力する。
これにより、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号を簡易かつ適切に補正することが可能となる。特に、長期間にわたってオフセット信号が過渡的に変化する場合、オフセット信号が過渡的に変化している長期間の補正用画像データを保持する必要がなくなり、大きな記憶領域を確保する必要がなくなる。
ステップS116において、画像表示部110は、ステップS115でオフセット補正された30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)XCn_30fpsを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された30fpsモードのX線画像データXCn_30fpsを確認することができる。
ステップS117において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=n+1)、フレーム数を更新する。ステップS118において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部110に表示されたX線画像データを確認した上で、30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行ってもよい。30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS113に移行する。一方、30fpsモードの撮影モードでの撮影を終了する場合、処理は終了する。
本実施形態によれば、撮影モードの切り替えに応じて生じるオフセット信号の過渡特性を、少ない記憶領域で簡易かつ適切に補正することが可能となる。図5は、本実施形態によるオフセット補正前後のオフセット信号を比較するグラフである。図5に示すように、オフセット補正前のオフセット信号は、撮影モードの切り替えにより発生し、過渡的に減衰する過渡特性を有している。一方、オフセット補正後のオフセット信号の過渡特性は低減されており、適切に補正されていることが分かる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、撮影モードの第1の切り替え時に取得されたオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_1fps,T_30fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替え時に取得された放射線画像データXn_1fps,Xn_30fpsが補正される。
この場合、過渡オフセット画像データを撮影モードの第1の切り替え時に取得する必要があるため、撮影モードの切り替えパターンが多くなると、過渡オフセットデータの量が多くなり、過渡オフセットデータの取得時間が膨大になってしまう。
本実施形態では、撮影モードの第1の切り替え時に取得された定常状態のオフセット画像データ及び撮影モードの第2の切り替え時に取得されたオフセット画像データに基づいて、撮影モードの第2の切り替え時に取得された放射線画像データが補正される。つまり、本実施形態に係るX線撮影装置(放射線撮影装置)は、事前(第1の切り替え時)に過渡オフセットデータを取得しなくても、オフセット信号の過渡特性を適切に補正するものである。
さらに、本実施形態では、撮影モードの第2の切り替え直後のダーク撮影による画像データを過渡オフセット画像データとするため、X線検出部102の動作温度はオフセット成分の推定に不要となる。なお、第2の実施形態に係るX線撮影装置は、図1に示した構成と同様の構成であるため、以下の説明においても、図1の符号を流用するものとする。そのほか、上記の実施形態と同様の構成、機能、及び動作についての説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明する。
図6を参照しながら、被写体Pの撮影からX線画像データを表示するまでの処理について説明する。ここでは、操作者が撮影モードとしてフレームレートを1fpsモードと30fpsモードとで切り替えた場合について説明する。ステップS301において、撮影条件設定部104は、操作者の操作に応じて、撮影モード、照射線量、及び、X線照射部101の管電圧などの被写体撮影時の撮影条件を設定する。設定された撮影条件は、撮影制御部105に出力される。
ステップS302において、定常状態のオフセット画像データが取得される。図7は、ステップS302の詳細を示すフローチャートである。ステップS401において、X線検出部102は、30fpsモードでダーク撮影をする。ただし、ここで撮影された30fpsモードのオフセット画像データは画像取得部106には出力されない(空読み)。ステップS402において、撮影制御部105(切替部115)は、30fpsモードから1fpsモードに撮影モードを切り替える(30fpsモードから1fpsモードへの第1の切り替え)。
ステップS403において、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え直後(又は、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_1fpsを撮影する。ただし、ここで撮影されたオフセット画像データは画像取得部106には出力されない(空読み)。
ステップS404で、X線検出部102は、過渡オフセット画像データT_1fpsの撮影後、モード切り替えによるオフセット信号の過渡応答がなくなった定常状態の32枚のオフセット画像Fk_1fpsを撮影し、画像取得部106及び補正データ生成部107に出力する。ステップS405において、撮影制御部105(切替部115)は、1fpsモードから30fpsモードに撮影モードを切り替える(1fpsモードから30fpsモードへの第1の切り替え)。
ステップS406において、X線検出部102は、撮影モードの第1の切り替え直後(又は、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_30fpsを撮影する。ただし、ここで撮影されたオフセット画像データは画像取得部106には出力されない(空読み)。
ステップS407で、X線検出部102は、過渡オフセット画像データT_30fpsの撮影後、モード切り替えによるオフセット信号の過渡応答がなくなった定常状態の32枚のオフセット画像Fk_30fpsを撮影し、画像取得部106及び補正データ生成部107に出力する。
ステップS303において、撮影制御部105(切替部115)は、30fpsモードから1fpsモードに撮影モードを切り替える(30fpsモードから1fpsモードへの第2の切り替え)。このように、切替部115は、ステップS402において30fpsモード(第1の撮影モード)から1fpsモード(第2の撮影モード)への第1の切り替えを行う。その後、切替部115は、ステップS303において30fpsモード(第1の撮影モード)から1fpsモード(第2の撮影モード)への第2の切り替えを行う。
ステップS304において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに初期値1をセットする(N=1)。ステップS305において、X線検出部102は、撮影モードの第2の切り替え直後(又は、撮影モードの第2の切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_1fpsを撮影する。
ステップS306において、補正データ生成部107は、定常オフセット画像データを生成する。定常オフセット画像データは、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間経過後に取得された(定常状態で取得された)オフセット画像データに基づいて生成される。定常オフセット画像データは、定常状態における1つのオフセット画像データでもよいし、定常状態における複数のオフセット画像データの平均画像データであってもよい。
本実施形態では、式(11)に示すように、定常状態における32枚のオフセット画像データの平均画像データFave(i, j)_1fpsが、定常オフセット画像データとして算出される。ここで、(i,j)は座標であり、kは定常状態のオフセット画像データのフレーム数である。
次に、補正データ生成部107は、式(12)に示すように、過渡オフセット画像データT_1fpsにおける各画素値から、定常オフセット画像データFave(i, j)_1fpsにおける画素値を減算する。以上により、オフセットデータTC(i, j)_1fpsが生成される。なお、オフセットデータTC(i, j)_1fpsは、30fpsモードから1fpsモードへの撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データの例であり、撮影モードの切り替えから経時的に減衰する。
ステップS307において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=2)、フレーム数を更新する。
ステップS308において、撮影制御部105は、ステップS301で設定された撮影条件に基づいて、線量制御信号を線量制御部103に対して出力する。線量制御部103は、線量制御信号に基づいてX線信号をX線照射部101に対して出力する。X線照射部101は、X線照射信号を受けて、被写体PにX線を照射する。同時に、撮影制御部105は、1fpsモードの画像データ取得信号をX線検出部102に対して出力する。
X線検出部102は、1fpsモードの画像データ取得信号に基づいて、1fpsモードのX線画像データを取得する。1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)は、画像取得部106及び補正部109に対して出力される。画像取得部106及び補正部109は、1fpsモードの撮影モードで撮影されたフレーム数N=nのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_1fpsをX線検出部102から取得する。
ステップS309において、推定部108は、オフセット画像データ及び経時情報に基づいてオフセット成分を推定する。ここで、経時情報は、撮影モードの切り替えから放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間、撮影モードの切り替えからオフセット画像データの取得までのフレーム数又は時間、及びオフセット画像データの取得から放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間の少なくとも1つを含む。
本実施形態では、推定部108は、式(13)及び式(14)により、撮影モードの第2の切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する。オフセット成分は、オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分A及びオフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分Eの少なくとも1つを含む。
式(13)に示すように、第1のオフセット成分Aは、経時情報(n−1)に第1の減衰係数αをべき乗した値を、画素値平均T(i, j)_1fps_aveに乗算した項を含む。式(14)に示すように、第2のオフセット成分Eは、経時情報(n−1)に第2の減衰係数βをべき乗した値を、オフセット画像データT(i, j)_1fpsから画素値平均T(i, j)_1fps_ave及び定常状態の定常オフセット画像データFave(i, j)_1fpsを減算した値に乗算した項を含む。
経時情報(n−1)は、撮影モードの切り替え(第2の切り替え)から放射線画像データの取得までのフレーム数(N=n)と撮影モードの切り替え(第2の切り替え)からオフセット画像データT(i, j)_1fpsの取得までのフレーム数(N=1)との差である。つまり、オフセット画像データの取得から放射線画像データの取得までのフレーム数である。
このように、推定部108は、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット画像データT(i, j)_1fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。なお、推定に用いられるオフセット画像データは、オフセット画像データT(i, j)_1fpsから生成されるオフセットデータTC(i, j)_1fps及び画素値平均T(i, j)_1fps_aveを含む。
また、推定部108は、ステップS404で取得された定常状態のオフセット画像データFk_1fps(第1の切り替えから所定の時間経過後に取得されたオフセット画像データ)に基づいて、オフセット成分Eを推定する。
ステップS310で、補正部109は、式(15)に示すように、ステップS308で取得された1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_1fpsからオフセット成分A,Eを減算することにより、放射線画像データを補正(オフセット補正)する。この場合、推定部108は、ステップS309で生成された1fpsモードのオフセット成分A,Eを、補正部109に対して出力する。
これにより、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号を簡易かつ適切に補正することが可能となる。特に、長期間にわたってオフセット信号が過渡的に変化する場合、オフセット信号が過渡的に変化している長期間の補正用画像データを保持する必要がなくなり、大きな記憶領域を確保する必要がなくなる。
また、事前に過渡オフセットデータを取得しなくても、オフセット信号の過渡特性を適切に補正することができ、過渡オフセットデータの取得時間を低減することができる。
ステップS311において、画像表示部110は、ステップS107でオフセット補正された1fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)XCn_1fpsを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された1fpsモードのX線画像データXCn_1fpsを確認することができる。
ステップS312において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=n+1)、フレーム数を更新する。ステップS313において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部110に表示されたX線画像データを確認した上で、1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行ってもよい。
1fpsモードの撮影モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS308に移行する。一方、1fpsモードの撮影モードでの撮影を終了する場合、処理はステップS314に移行する。
ステップS314において、撮影制御部105(切替部115)は、1fpsモードから30fpsモードに撮影モードを切り替える(1fpsモードから30fpsモードへの第2の切り替え)。
このように、切替部115は、ステップS405で1fpsモード(第1の撮影モード)から30fpsモード(第2の撮影モード)への第1の切り替えを行う。その後、切替部115は、ステップS314で1fpsモード(第1の撮影モード)から30fpsモード(第2の撮影モード)への第2の切り替えを行う。
ステップS315において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに初期値1をセットする(N=1)。ステップS316において、X線検出部102は、撮影モードの第2の切り替え直後(又は、撮影モードの第2の切り替えから所定の時間内)のオフセット画像データ(過渡オフセット画像データ)T_30fpsを撮影する。
ステップS317において、補正データ生成部107は、定常オフセット画像データを生成する。定常オフセット画像データは、撮影モードの第1の切り替えから所定の時間経過後に取得された(定常状態で取得された)オフセット画像データに基づいて生成される。本実施形態では、式(16)に示すように、定常状態における32枚のオフセット画像データの平均画像データFave(i, j)_30fpsが、定常オフセット画像データとして算出される。ここで、(i,j)は座標であり、kは定常状態のオフセット画像データのフレーム数である。
次に、補正データ生成部107は、式(17)に示すように、過渡オフセット画像データT_30fpsにおける各画素値から、定常オフセット画像データFave(i, j)_30fpsにおける画素値を減算する。以上により、オフセットデータTC(i, j)_30fpsが生成される。なお、オフセットデータTC(i, j)_30fpsは、1fpsモードから30fpsモードへの撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データの例であり、撮影モードの切り替えから経時的に減衰する。
ステップS318において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=2)、フレーム数を更新する。
ステップS319において、X線検出部102は、ステップS308と同様のプロセスにより、30fpsモードの画像データ取得信号に基づいて、30fpsモードのX線画像データを取得する。30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)は、画像取得部106及び補正部109に対して出力される。画像取得部106及び補正部109は、30fpsモードの撮影モードで撮影されたフレーム数N=nのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_30fpsをX線検出部102から取得する。
ステップS320において、推定部108は、オフセット画像データ及び経時情報に基づいてオフセット成分を推定する。本実施形態では、推定部108は、式(18)及び式(19)により、撮影モードの第2の切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する。オフセット成分は、オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分A及びオフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分Eの少なくとも1つを含む。
式(18)に示すように、第1のオフセット成分Aは、経時情報(n−1)に第1の減衰係数αをべき乗した値を、画素値平均T(i, j)_30fps_aveに乗算した項を含む。式(19)に示すように、第2のオフセット成分Eは、経時情報(n−1)に第2の減衰係数βをべき乗した値を、オフセット画像データT(i, j)_30fpsから画素値平均T(i, j)_30fps_ave及び定常状態の定常オフセット画像データFave(i, j)_30fpsを減算した値に乗算した項を含む。
経時情報(n−1)は、撮影モードの切り替え(第2の切り替え)から放射線画像データの取得までのフレーム数(N=n)と撮影モードの切り替え(第2の切り替え)からオフセット画像データT(i, j)_30fpsの取得までのフレーム数(N=1)との差である。つまり、オフセット画像データの取得から放射線画像データの取得までのフレーム数である。
このように、推定部108は、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット画像データT(i, j)_30fpsに基づいて、撮影モードの第2の切り替えにおけるオフセット成分A,Eを推定する。なお、推定に用いられるオフセット画像データは、オフセット画像データT(i, j)_30fpsから生成されるオフセットデータTC(i, j)_30fps及び画素値平均T(i, j)_30fps_aveを含む。
また、推定部108は、ステップS407で取得された定常状態のオフセット画像データFk_30fps(第1の切り替えから所定の時間経過後に取得されたオフセット画像データ)に基づいて、オフセット成分Eを推定する。
ステップS321で、補正部109は、式(20)に示すように、ステップS319で取得された30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)Xn_30fpsからオフセット成分A,Eを減算することにより、放射線画像データを補正(オフセット補正)する。この場合、推定部108は、ステップS320で生成された30fpsモードのオフセット成分A,Eを、補正部109に対して出力する。
これにより、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号を簡易かつ適切に補正することが可能となる。特に、長期間にわたってオフセット信号が過渡的に変化する場合、オフセット信号が過渡的に変化している長期間の補正用画像データを保持する必要がなくなり、大きな記憶領域を確保する必要がなくなる。
また、事前に過渡オフセットデータを取得しなくても、オフセット信号の過渡特性を適切に補正することができ、過渡オフセットデータの取得時間を低減することができる。
ステップS322において、画像表示部110は、ステップS321でオフセット補正された30fpsモードのX線画像データ(放射線画像データ)XCn_30fpsを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された30fpsモードのX線画像データXCn_30fpsを確認することができる。
ステップS323において、撮影制御部105は、撮影フレーム数Nに1を加算し(N=n+1)、フレーム数を更新する。ステップS313において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部110に表示されたX線画像データを確認した上で、30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行ってもよい。30fpsモードの撮影モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS319に移行する。一方、30fpsモードの撮影モードでの撮影を終了する場合、処理は終了する。
本実施形態によれば、撮影モードの切り替えに応じて生じるオフセット信号の過渡特性を、少ない記憶領域で簡易かつ適切に補正することが可能となる。また、事前に過渡オフセット画像データを取得する必要がないため、オフセット信号の過渡特性を、より少ない記憶領域で簡易かつ適切に補正することが可能となる。
以上、本発明にかかる実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
第1の実施形態及び第2の実施形態は、それぞれの特徴によって選択的に実施可能である。例えば、第1の実施例では事前に過渡オフセット画像データが取得されているため、撮影モード切り替え直後のフレームからX線画像データを確認したい場合は、第1の実施形態が選択されてもよい。一方、撮影モード切り替えからX線画像データの撮影までに時間的猶予があるならば、第2の実施形態が選択されてもよい。
また、撮影モードの第1の切り替えと第2の切り替えは、第1の撮影モードから第2の撮影モードへの切り替えであれば、任意の切り替えが選択されてもよい。例えば、フレームレート1fpsから30fpsへ3回以上切り替わる場合、1回目の撮影モードの切り替えを第1の切り替えとし、3回目以降の撮影モードの切り替えを第2の切り替えとしてもよい。
また、経時情報として、(n−1)の代わりに、撮影モードの切り替えから放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間と撮影モードの切り替えからオフセット画像データの取得までのフレーム数又は時間との比が用いられてもよい。
また、推定部108は、撮影モードの切り替え前後における撮影条件の変化が所定の閾値以内である場合、オフセット成分の推定を行わなくてもよい。例えば、撮影モードとしてフレームレートを1fpsと5fpsとで切り替えた場合、所定の閾値が10fpsであれば、オフセット成分の過渡的な変化を無視することができるため、推定部108は、上記の実施形態のようなオフセット成分の推定を行わない。
また、上記の実施形態では、撮影モードとしてフレームレートが用いられたが、ビニングなどの他の撮影条件が切り替えられた場合にも、本発明は適用可能である。
また、補正部109は、オフセット補正後のX線画像データを生成する際、画素毎の感度ばらつきを補正してもよいし、ダイナミックレンジ圧縮又はエッジ強調などの画像処理を加えてもよい。
本発明は、上記の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、システム又は装置のコンピュータ(CPUやMPUなど)がプログラムを読み出すことにより実行されてもよい。また、本発明は、システム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能であり、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 X線撮影装置(放射線撮影装置)
101 X線照射部(放射線発生部)
102 X線検出部(放射線検出部)
103 線量制御部
104 撮影条件設定部
105 撮影制御部
106 画像取得部
107 補正データ生成部
108 推定部
109 補正部
110 画像表示部
115 切替部

Claims (13)

  1. 所定の撮影モードにより撮影された放射線画像データ及びオフセット画像データを取得する画像取得手段と、
    前記撮影モードを切り替える切替手段と、
    前記撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、前記オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する推定手段と、
    前記オフセット成分に基づいて前記放射線画像データを補正する補正手段と
    を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 前記推定手段は、前記オフセット画像データ及び経時情報に基づいて前記オフセット成分を推定し、
    前記補正手段は、前記放射線画像データから前記オフセット成分を減算することにより、前記放射線画像データを補正することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記オフセット成分は、前記オフセット画像データの画素値平均に関する第1のオフセット成分及び前記オフセット画像データのアーチファクトに関する第2のオフセット成分の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記第1のオフセット成分は、前記経時情報に第1の減衰係数をべき乗した値を、前記画素値平均に乗算した項を含むことを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記第2のオフセット成分は、前記経時情報に第2の減衰係数をべき乗した値を、前記オフセット画像データから前記画素値平均及び定常オフセット画像データを減算した値に乗算した項を含むことを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記経時情報は、前記撮影モードの切り替えから前記放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間、前記撮影モードの切り替えから前記オフセット画像データの取得までのフレーム数又は時間、及び前記オフセット画像データの取得から前記放射線画像データの取得までのフレーム数又は時間の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記定常オフセット画像データは、前記撮影モードの切り替えから所定の時間経過後に取得された前記オフセット画像データに基づいて生成されることを特徴とする請求項5に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記推定手段は、前記撮影モードの切り替え前後における撮影条件の変化が所定の閾値以内である場合、前記オフセット成分の推定を行わないことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記切替手段は、第1の撮影モードから第2の撮影モードへの第1の切り替えを行った後、前記第1の撮影モードから前記第2の撮影モードへの第2の切り替えを行い、
    前記推定手段は、前記第1の切り替えにおける前記オフセット画像データ、前記第1の切り替えにおける放射線検出部の動作温度、及び前記第2の切り替えにおける放射線検出部の動作温度に基づいて、前記第2の切り替えにおける前記オフセット成分を推定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記切替手段は、第1の撮影モードから第2の撮影モードへの第1の切り替えを行った後、前記第1の撮影モードから前記第2の撮影モードへの第2の切り替えを行い、
    前記推定手段は、前記第2の切り替えにおける前記オフセット画像データに基づいて、前記第2の切り替えにおける前記オフセット成分を推定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記推定手段は、前記第1の切り替えから所定の時間経過後に取得された前記オフセット画像データに基づいて、前記オフセット成分を推定することを特徴とする請求項10に記載の放射線撮影装置。
  12. 放射線を発生する放射線発生手段と、
    放射線画像データ及びオフセット画像データを生成する放射線検出手段と、
    所定の撮影モードにより撮影された前記放射線画像データ及び前記オフセット画像データを取得する画像取得手段と、
    前記撮影モードを切り替える切替手段と、
    前記撮影モードの切り替えから経時的に減衰するオフセット成分を、前記オフセット成分の減衰特性に基づいて推定する推定手段と、
    前記オフセット成分に基づいて前記放射線画像データを補正する補正手段と
    を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  13. コンピュータを請求項1乃至11の何れか1項に記載の放射線撮影装置の各手段として機能させるためのプログラム。

JP2016035756A 2016-02-26 2016-02-26 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム Pending JP2017148400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016035756A JP2017148400A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016035756A JP2017148400A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017148400A true JP2017148400A (ja) 2017-08-31

Family

ID=59738585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016035756A Pending JP2017148400A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017148400A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11828888B2 (en) * 2019-10-07 2023-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Radiation imaging apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11828888B2 (en) * 2019-10-07 2023-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Radiation imaging apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6049314B2 (ja) 放射線撮像装置及び画像処理方法
KR101961351B1 (ko) 방사선 촬영 시스템 및 방사선 촬영 방법
JP5405093B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
US9615811B2 (en) Radiation imaging apparatus and method for controlling the same
JP2010042150A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2004329932A (ja) 透視画像を処理するための方法及び装置
JPWO2007125691A1 (ja) X線画像診断装置
JP6491545B2 (ja) 画像処理装置、放射線撮影装置、画像処理方法、プログラム、および記憶媒体
JP2009268801A (ja) X線撮影装置及び線量指標値表示装置
JP6383186B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法、画像処理システム
JP2004201784A (ja) X線画像診断装置
US11426138B2 (en) Radiographing apparatus, radiographing system, and dose index management method
JP5627275B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2015232541A (ja) 放射線撮像装置、放射線照射判定方法およびプログラム
JP2017148400A (ja) 放射線撮影装置、放射線撮影システム、及びプログラム
JP2009201552A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2020081326A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、放射線撮影装置及びプログラム
US9959614B2 (en) Image processing device and method
JP2014108284A (ja) 放射線撮影装置、その制御方法及びプログラム
JP2014096639A (ja) 撮像装置及びその制御方法、並びに、撮像システム
JP5062312B2 (ja) X線透視装置
JP2015093013A (ja) 放射線画像処理装置、放射線撮影装置、それらの制御方法及びプログラム
JP2015144629A (ja) 情報処理装置、放射線撮影システム、情報処理方法、及びプログラム
JP2019198427A (ja) 撮影制御装置、放射線撮影システム、撮影制御方法及びプログラム
JP7271999B2 (ja) 画像処理装置、放射線撮影システム、プログラム