JP2017147866A - 通信回路の保護回路 - Google Patents

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Naoya Kobayashi
尚弥 小林
岸上 友久
Tomohisa Kishigami
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Abstract

【課題】1つの素子が短絡故障しても通信を継続させることが可能な、通信回路の保護回路を提供する。
【解決手段】差動伝送方式により他の装置と通信する通信装置としてのECU1において、トランシーバ6を過電圧から保護するための保護回路7は、3つの素子として、バリスタ21〜23を備える。第1バリスタ21の一方の端子は、第1通信線11に接続され、第2バリスタ22の一方の端子は、第2通信線12に接続されている。そして、第1バリスタ21の他方の端子と、第2バリスタ22の他方の端子と、第3バリスタ23の一方の端子とが、共通接続されている。更に、第3バリスタの他方の端子は、グランドラインに接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信回路を過大な電圧から保護するための保護回路に関する。
車載ネットワークとして、複数のノードが差動伝送方式により通信するものがある。差動伝送方式は、2本の通信線の電位差によって信号を伝送する方式である。そして、例えば特許文献1には、差動伝送方式のノードにおいて、2本の通信線に接続された通信回路を各通信線から入力される過電圧から保護するための、過電圧保護回路を設けることが記載されている。尚、ここで言う過電圧とは、通信回路の破壊や性能劣化を招くような過大な電圧のことである。
特許文献1に記載の過電圧保護回路は、カソード同士が接続された2つ1組のツェナーダイオードを2組備え、各通信線とグランドラインとの間に、その2つ1組のツェナーダイオードをそれぞれ接続したものである。
ここで、2つ1組のツェナーダイオードのうち、グランドラインにアノードが接続された方のツェナーダイオードを、グランド側ツェナーダイオードといい、通信線にカソードが接続された方のツェナーダイオードを、線側ツェナーダイオードという。そして、グランド側ツェナーダイオードのツェナー電圧を、Vzgとし、線側ツェナーダイオードの順方向電圧を、Vfsとする。
上記過電圧保護回路では、2本の通信線のうち、例えば一方の通信線の電圧がサージや静電気等により「Vzg+Vfs」以上になったとすると、その一方の通信線からグランドラインへ、その一方の通信線に接続された1組のツェナーダイオードを介して電流が流れる。このため、その一方の通信線から通信回路に過電圧が入力されてしまうことが、防止される。他方の通信線についても同様である。
特開2014−104937号公報
上記従来の過電圧保護回路では、2つ1組のツェナーダイオードのうち、グランド側ツェナーダイオードが短絡故障すると、その短絡故障したグランド側ツェナーダイオードに対応する方の通信線がグランドラインにショートした状態になってしまう。よって、正常な通信が不能になるという問題が生じる。また例えば、2つ1組のツェナーダイオードに代えて、1つのバリスタを用いることも考えられるが、そのバリスタが短絡故障した場合にも、同様の問題が生じる。
そこで、本発明は、1つの素子が短絡故障しても通信を継続させることが可能な、通信回路の保護回路を提供すること、を目的としている。
本発明の通信装置の保護回路(7,9)は、2本の通信線(11,12)の電位差によって信号を伝送する差動伝送方式により、他の装置と通信する通信装置(1,10)に備えられる。この保護回路は、2本の通信線に接続された通信回路(6)を各通信線から入
力される過大な電圧から保護するための回路であり、第1素子(21)と、第2素子(22)と、第3素子(23,43)との、3つの素子を備える。
3つの素子は、2つの端子を有すると共に、その2つの端子間に所定電圧が印加された場合に該2つの端子間に電流を流し始める素子である。そして、3つの素子のうち、第1素子の一方の端子が、2本の通信線のうちの一方である第1通信線(11)に接続され、第2素子の一方の端子が、2本の通信線のうちの他方である第2通信線(12)に接続されている。更に、第1素子の他方の端子と、第2素子の他方の端子と、第3素子の一方の端子とが、共通接続されており、第3素子の他方の端子が、グランドラインに接続されている。
ここで、第1素子の上記所定電圧をV1とし、第2素子の上記所定電圧をV2とし、第3素子の上記所定電圧をV3とする。
本発明の保護回路では、第1通信線の電圧がサージや静電気等により「V1+V3」以上になったとすると、その第1通信線からグランドラインへ、第1素子及び第3素子を介して電流が流れる。このため、第1通信線から通信回路に、「V1+V3」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。同様に、第2通信線の電圧がサージや静電気等により「V2+V3」以上になったとすると、その第2通信線からグランドラインへ、第2素子及び第3素子を介して電流が流れる。このため、第2通信線から通信回路に、「V2+V3」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。
そして、3つの素子のうち、何れか1つが短絡故障したとしても、各通信線とグランドラインとの間には、所定電圧が印加されないと電流を流さない正常な他の素子が1つ以上存在することとなる。このため、2本の通信線の何れも、グランドラインにショートした状態にはならない。よって、1つの素子が短絡故障しても通信を継続させることが可能となり、延いては、通信ネットワークの信頼性を向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の通信装置の構成を表す構成図である。 第2実施形態の通信装置の構成を表す構成図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
〈構成〉
図1に示す第1実施形態のECU1は、車載通信ネットワークにおける通信装置(すなわち、ノード)であり、CANプロトコルに則って他のECU3と通信する。通信相手のECU3は、1つ以上であり、図1では1つだけ図示している。なお、ECUは、「Electronic Control Unit」の略であり、すなわち電子制御装置の略である。CANは、「Controller Area Network」の略である。また、CANは、登録商標である。
図1に示すように、ECU1は、当該ECU1の動作を司る制御部としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコン)5と、通信回路としてのトランシーバ6と、を備える。
CANでは、各ノードが差動伝送方式によって通信するため、通信バスは、2本の通信線11,12を有した差動伝送路である。
通信線11は、いわゆる「CAN−H」の通信線であり、通信線12は、いわゆる「CAN−L」の通信線である。以下では、通信線11を第1通信線11とし、通信線12を第2通信線12とする。
トランシーバ6は、通信線11,12に接続されている。そして、トランシーバ6は、通信線11,12の電位差を受信データに変換し、その受信データをマイコン5に出力する。また、トランシーバ6は、マイコン5から入力される送信データに応じて、通信線11,12の電位差を変化させることにより、その送信データを通信線11,12に送出する。
更に、ECU1には、トランシーバ6を通信線11,12から入力される過電圧から保護するための保護回路7が備えられている。前述したように、過電圧とは、トランシーバ6の破壊や性能劣化を招くような過大な電圧のことである。
保護回路7は、3つのバリスタ21〜23を備える。バリスタ21〜23は、2つの端子を有する素子であり、その2つの端子間に所定のバリスタ電圧が印加された場合に、その2つの端子間に電流を流し始める。以下では、バリスタ21を第1バリスタ21とし、バリスタ22を第2バリスタ22とし、バリスタ23を第3バリスタ23とする。
保護回路7では、第1バリスタ21の一方の端子が、第1通信線11に接続され、第2バリスタの一方の端子が、第2通信線12に接続されている。そして、第1バリスタ21の他方の端子と、第2バリスタ22の他方の端子と、第3バリスタ23の一方の端子とが、共通接続されている。更に、第3バリスタ23の他方の端子が、ECU1におけるグランドラインに接続されている。
具体的には、ECU1では、第1通信線11が、ECU1の端子31に接続され、第2通信線12が、ECU1の端子32に接続される。そして、トランシーバ6は、端子31,32の各々と、ECU1内の各信号線L1,L2を介して接続されることにより、各通信線11,12に接続されている。このため、第1バリスタ21は信号線L1に接続されることで、第1通信線11に接続され、同様に、第2バリスタ22は、信号線L2に接続されることで、第2通信線12に接続されている。
一方、ECU1は、車両のバッテリ4のプラス端子に接続される電源端子33と、バッテリ4のマイナス端子に接続されるグランド端子34と、を備える。そして、電源端子33は、ECU1における電源ラインに接続され、グランド端子34は、ECU1におけるグランドラインに接続されている。このため、ECU1の内部には、バッテリ4から、電源端子33及びグランド端子34を介して電源電圧VDが供給される。つまり、ECU1の電源電圧VDは、バッテリ4の電圧である。そして、ECU1では、電源回路8が、電源電圧VDからマイコン5やトランシーバ6を動作させるための一定の動作用電圧を生成する。
〈保護回路の作用〉
第1バリスタ21のバリスタ電圧をVb1とし、第2バリスタ22のバリスタ電圧をVb2とし、第3バリスタ23のバリスタ電圧をVb3とする。
保護回路7では、第1通信線11の電圧がサージや静電気等により「Vb1+Vb3」以上になったとすると、第1通信線11からグランドラインへ、第1バリスタ21及び第3バリスタ23を介して電流が流れる。このため、第1通信線11からトランシーバ6に、「Vb1+Vb3」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。
同様に、第2通信線12の電圧がサージや静電気等により「Vb2+Vb3」以上になったとすると、第2通信線12からグランドラインへ、第2バリスタ22及び第3バリスタ23を介して電流が流れる。このため、第2通信線12からトランシーバ6に、「Vb2+Vb3」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。
〈バリスタの選定条件〉
バリスタ21〜23としては、下記の条件a〜cを満たすものを選定している。
《条件a》トランシーバ6の第1通信線11に対する耐電圧を、Vw1とし、トランシーバ6の第2通信線12に対する耐電圧を、Vw2とすると、下記の式1及び式2の関係を満たす。
(Vb1+Vb3)≦Vw1 …式1
(Vb2+Vb3)≦Vw2 …式2
なお、Vw1は、換言すると、トランシーバ6が破壊や性能劣化することなく第1通信線11から入力可能な最大の電圧である。同様に、Vw2は、換言すると、トランシーバ6が破壊や性能劣化することなく第2通信線12から入力可能な最大の電圧である。
この条件aが満たされていれば、通信線11,12からトランシーバ6への入力電圧が耐電圧Vw1,Vw2を超えてしまうことが防止される。よって、トランシーバ6を過電圧から保護することができる。
《条件b》各通信線11,12に流れる正常な通信信号の最大電圧をVsmとすると、各バリスタ21〜23の最大許容回路電圧は、Vsm以上である。
なお、最大許容回路電圧は、バリスタに連続的に印加できる最大の電圧である。つまり、最大許容回路電圧は、バリスタ電圧よりは小さいが、この最大許容回路電圧を超える電圧がかかり続けるとバリスタの性能劣化を招く、という電圧である。バリスタが性能劣化すると、そのバリスタの端子間で電流がリークする、といった不具合が起こり得る。
この条件bが満たされていれば、バリスタ21〜23のうちの何れか1つが短絡故障しても、他の正常なバリスタに最大許容回路電圧を超える電圧がかかり続けることが、回避される。よって、正常なバリスタの性能劣化を招くことがなく、延いては、通信に悪影響を及ぼすことがない。例えば、バリスタ21又はバリスタ22が短絡故障した場合、バリスタ23には、通信信号の電圧がかかり続けることとなり、また、バリスタ23が短絡故障した場合、バリスタ21とバリスタ22には、通信信号の電圧がかかり続けることとなる。何れの場合でも、条件bが満たされていれば、短絡故障していない正常なバリスタに、最大許容回路電圧を超える電圧がかかり続けることはない。
《条件c》下記の式3及び式4の関係を満たす。なお、式3及び式4におけるVDは、電源電圧VDである。
(Vb1+Vb3)>VD …式3
(Vb2+Vb3)>VD …式4
ECU1のグランド端子34が外れたとすると、ECU1内のグランドラインの電圧は、最高で電源電圧VDまで上昇する可能性がある。ECU1において、電源端子33とグランドラインは、例えば電源回路8等のインピーダンス成分を介してつながっているからである。ここで、条件cが満たされていれば、グランドラインの電圧が電源電圧VDまで上昇したとしても、そのグランドラインから通信線11,12へ電流が回り込んでしまうことが、防止される。よって、他のECU間の通信に悪影響を及ぼすことがない。
〈バリスタの選定例〉
例えば、「Vw1=Vw2=40V」、「Vsm=4V」、「VD=14V」であると
する。また、バリスタ21〜23は、バリスタ電圧が同じものとする。なお、バリスタのバリスタ電圧が同じとは、完全一致を意味しているわけではなく、製品の仕様として同じ、という意味である。
この例の場合、上記条件a〜cを踏まえると、バリスタ21〜23としては、バリスタ電圧が20V以下で且つ7Vよりも大きく、最大許容回路電圧が4V以上のバリスタを用いることができる。なお、これらの数値は一例であり、バリスタ21〜23は、条件a〜cを満たす範囲で適宜選定することができる。
〈効果〉
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)保護回路7を構成する3つのバリスタ21〜23のうち、何れか1つが短絡故障したとしても、各通信線11,12とグランドラインとの間には、正常な他のバリスタが1つ以上存在することとなる。このため、2本の通信線11,12の何れも、グランドラインにショートした状態にはならない。よって、バリスタ21〜23のうちの1つが短絡故障しても通信を継続させることが可能となり、延いては、通信ネットワークの信頼性を向上させることができる。
(1b)保護回路7を構成する3つの素子として、全てバリスタを用いている。このため、保護回路7を比較的安価に構成することができる。
(1c)条件a〜cを満たすように、バリスタ21〜23を選定している。このため、条件a〜cの各々を満たすことによる前述の各効果が得られる。
なお、例えば条件bを満たすことによる効果がなくても良いのであれば、バリスタ21〜23の選定において、条件bは考慮しなくても良い。また例えば条件cを満たすことによる効果がなくて良いのであれば、バリスタ21〜23の選定において、条件cは考慮しなくても良い。
(1d)3つのバリスタ21〜23として、バリスタ電圧が同じものを用いている。このため、バリスタ21〜23として、同じ品番のバリスタを用いることができ、ECU1を構成する部品の種類数を少なくすることができる。その結果、部品管理のしやすさや、同一品番部品の使用数量増加に伴う部品単価低減を図ることができる。
一方、変形例として、バリスタ21〜23のうち、バリスタ21,22のバリスタ電圧が同じで、バリスタ23だけバリスタ電圧が異なるものとしても良い。このようにしても、バリスタ21,22としては、同じ品番のバリスタを用いることができ、また、通信線11,12の各々について、グランドラインとの間における合計のバリスタ電圧を同じにすることができる。
また、前述のVw1とVw2が異なる値であれば、条件aから考えて、バリスタ21,22の各々としては、バリスタ電圧が異なるものを用いても良い。この場合、3つのバリスタ21〜23として、バリスタ電圧がそれぞれ異なるものを用いても良い。
なお、本実施形態では、3つのバリスタ21〜23が、3つの素子に相当し、バリスタ電圧が、所定電圧に相当する。そして、バリスタ21が、第1素子に相当し、バリスタ22が、第2素子に相当し、バリスタ23が、第3素子に相当する。
[第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の
構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
〈第1実施形態との相違点〉
図2に示す第2実施形態のECU10は、第1実施形態のECU1と比較すると、保護回路7に代えて、保護回路9を備える。
そして、図2に示すように、保護回路9は、第1実施形態の保護回路7と比較すると、バリスタ23に代わる第3素子として、ツェナーダイオード43を備える。
ツェナーダイオード43の一方の端子であるカソードは、バリスタ21,22の通信線11,12側とは反対側の端子に共通接続されている。そして、ツェナーダイオード43の他方の端子であるアノードは、ECU10におけるグランドラインに接続されている。ツェナーダイオード43は、カソードとアノードとの2つの端子間にカソードからアノードへの方向で所定のツェナー電圧が印加された場合に、その方向に電流を流し始める素子である。
〈保護回路の作用〉
保護回路9では、ツェナーダイオード43が、第1実施形態の第3バリスタ23と同様の役割を果たす。ツェナーダイオード43のツェナー電圧をVzとする。
第1通信線11の電圧がサージや静電気等により「Vb1+Vz」以上になったとすると、第1通信線11からグランドラインへ、第1バリスタ21及びツェナーダイオード43を介して電流が流れる。このため、第1通信線11からトランシーバ6に、「Vb1+Vz」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。
同様に、第2通信線12の電圧がサージや静電気等により「Vb2+Vz」以上になったとすると、第2通信線12からグランドラインへ、第2バリスタ22及びツェナーダイオード43を介して電流が流れる。このため、第2通信線12からトランシーバ6に、「Vb2+Vz」を超える過大な電圧が入力されてしまうことが、防止される。
〈バリスタ及びツェナーダイオードの選定条件〉
バリスタ21,22及びツェナーダイオード43としては、下記の条件A〜Dを満たすものを選定している。
《条件A》下記の式5及び式6の関係を満たす。
(Vb1+Vz)≦Vw1 …式5
(Vb2+Vz)≦Vw2 …式6
この条件Aが満たされていれば、通信線11,12からトランシーバ6への入力電圧が耐電圧Vw1,Vw2を超えてしまうことが防止される。よって、トランシーバ6を過電圧から保護することができる。
《条件B》ツェナーダイオード43のツェナー電圧Vzは、Vsmよりも大きい。
この条件Bが満たされていれば、バリスタ21又はバリスタ22が短絡故障して、ツェナーダイオード43に通信信号の電圧がかかるようになっても、その電圧はツェナー電圧Vzよりも小さい。このため、通信線11,12のうち、バリスタが短絡故障した方の通信線からツェナーダイオード43を介してグランドラインへ電流がリークする、といった不具合が回避される。よって、通信に悪影響を及ぼすことがない。
《条件C》各バリスタ21,22の最大許容回路電圧は、Vsm以上である。
この条件Cが満たされていれば、ツェナーダイオード43が短絡故障しても、正常なバリスタ21,22に最大許容回路電圧を超える電圧がかかり続けることが、回避される。
よって、正常なバリスタ21,22の性能劣化を招くことがなく、延いては、通信に悪影響を及ぼすことがない。このことは、第1実施形態と同様である。
《条件D》各バリスタ21,22のバリスタ電圧Vb1,Vb2は、電源電圧VDよりも大きい。
この条件Dが満たされていれば、ECU10のグランド端子34が外れて、グランドラインの電圧が電源電圧VDまで上昇したとしても、そのグランドラインから通信線11,12へ電流が回り込んでしまうことが、防止される。よって、他のECU間の通信に悪影響を及ぼすことがない。このことは、第1実施形態と同様である。
〈バリスタ及びツェナーダイオードの選定例〉
例えば、「Vw1=Vw2=40V」、「Vsm=4V」、「VD=14V」であるとする。また、バリスタ21,22は、バリスタ電圧が同じものとする。
この例の場合、上記条件A〜Dを踏まえると、ツェナーダイオード43としては、ツェナー電圧Vzが4Vよりも大きく、且つ、40Vよりは小さいものを用いることができる。そして、例えばツェナー電圧Vzが10Vであるとすると、バリスタ21,22としては、バリスタ電圧が30V以下で且つ14Vよりも大きく、最大許容回路電圧が4V以上のバリスタを用いることができる。30Vという値は、40Vからツェナー電圧Vzを減じた値である。なお、これらの数値は一例であり、バリスタ21,22及びツェナーダイオード43は、条件A〜Dを満たす範囲で適宜選定することができる。
〈効果〉
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)と同じ効果が得られる。
つまり、保護回路9を構成するバリスタ21,22及びツェナーダイオード43のうち、例えばツェナーダイオード43が短絡故障したとしても、各通信線11,12とグランドラインとの間には、正常なバリスタ21,22が存在することとなる。また、バリスタ21,22の何れかが短絡故障したとしても、各通信線11,12とグランドラインとの間には、少なくとも正常なツェナーダイオード43が存在することとなる。このため、2本の通信線11,12の何れも、グランドラインにショートした状態にはならない。よって、バリスタ21,22及びツェナーダイオード43のうちの1つが短絡故障しても通信を継続させることが可能となり、延いては、通信ネットワークの信頼性を向上させることができる。
また、ツェナーダイオード43は、バリスタに比べると、急峻な降伏特性を有するため、過電圧保護性能を向上させることができる。
また、条件A〜Dを満たすように、バリスタ21,22及びツェナーダイオード43を選定している。このため、条件A〜Dの各々を満たすことによる前述の各効果が得られる。
なお、例えば条件Cを満たすことによる効果がなくても良いのであれば、バリスタ21,22の選定において、条件Cは考慮しなくても良い。また例えば条件Dを満たすことによる効果がなくて良いのであれば、バリスタ21,22の選定において、条件Dは考慮しなくても良い。
また、2つのバリスタ21,22として、バリスタ電圧が同じものを用いている。このため、バリスタ21,22として、同じ品番のバリスタを用いることができ、ECU1を構成する部品の種類数を少なくすることができる。
一方、変形例として、前述のVw1とVw2が異なる値であれば、条件Aから考えて、バリスタ21,22の各々としては、バリスタ電圧が異なるものを用いても良い。
なお、本実施形態では、バリスタ21,22とツェナーダイオード43が、3つの素子に相当する。そして、ツェナーダイオード43については、ツェナー電圧Vzが、所定電圧に相当する。
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、通信プロトコルは、CANに限らず、差動伝送方式を採用するものであれば他の通信プロトコルでも良い。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしても良い。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしても良い。また、上記実施形態の構成の一部を省略しても良い。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換しても良い。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。また、上述した保護回路7,9の他、当該保護回路7,9を構成要素とする通信装置、その通信装置を備える通信ネットワーク、通信回路の過電圧保護方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
1,10…ECU、6…トランシーバ、7,9…保護回路、11…第1通信線、12…第2通信線、21〜23…バリスタ、43…ツェナーダイオード

Claims (13)

  1. 2本の通信線(11,12)の電位差によって信号を伝送する差動伝送方式により、他の装置と通信する通信装置(1,10)に備えられ、前記2本の通信線に接続された通信回路(6)を前記各通信線から入力される過大な電圧から保護するための、通信回路の保護回路(7,9)であって、
    第1素子(21)と、第2素子(22)と、第3素子(23,43)との、3つの素子を備え、
    前記3つの素子は、2つの端子を有すると共に、その2つの端子間に所定電圧が印加された場合に該2つの端子間に電流を流し始める素子であり、
    前記第1素子の一方の端子が、前記2本の通信線のうちの一方である第1通信線(11)に接続され、
    前記第2素子の一方の端子が、前記2本の通信線のうちの他方である第2通信線(12)に接続され、
    前記第1素子の他方の端子と、前記第2素子の他方の端子と、前記第3素子の一方の端子とが、共通接続され、
    前記第3素子の他方の端子が、グランドラインに接続されている、通信回路の保護回路。
  2. 請求項1に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記3つの素子(21〜23)がバリスタ(21〜23)である、通信回路の保護回路。
  3. 請求項1に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第1素子(21)と前記第2素子(22)は、バリスタ(21,22)であり、
    前記第3素子(43)は、前記他方の端子としてのアノードが前記グランドラインに接続されたツェナーダイオード(43)である、通信回路の保護回路。
  4. 請求項2に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第1素子としてのバリスタである第1バリスタ(21)のバリスタ電圧をVb1とし、
    前記第2素子としてのバリスタである第2バリスタ(22)のバリスタ電圧をVb2とし、
    前記第3素子としてのバリスタである第3バリスタ(23)のバリスタ電圧をVb3とし、
    前記通信回路の前記第1通信線に対する耐電圧をVw1とし、
    前記通信回路の前記第2通信線に対する耐電圧をVw2とすると、
    前記各バリスタは、下記の式1及び式2の条件を満たすバリスタである、通信回路の保護回路。
    (Vb1+Vb3)≦Vw1 …式1
    (Vb2+Vb3)≦Vw2 …式2
  5. 請求項4に記載の通信回路の保護回路であって、
    更に、前記各通信線に流れる正常な通信信号の最大電圧をVsmとすると、前記各バリスタは、当該バリスタの最大許容回路電圧がVsm以上のバリスタである、通信回路の保護回路。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の通信回路の保護回路であって、
    更に、前記通信装置の電源電圧をVDとすると、前記各バリスタは、下記の式3及び式4の条件も満たすバリスタである、通信回路の保護回路。
    (Vb1+Vb3)>VD …式3
    (Vb2+Vb3)>VD …式4
  7. 請求項4ないし請求項6の何れか1項に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第1バリスタと前記第2バリスタは、バリスタ電圧が同じバリスタである、通信回路の保護回路。
  8. 請求項7に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第3バリスタも、前記第1バリスタ及び前記第2バリスタとバリスタ電圧が同じバリスタである、通信回路の保護回路。
  9. 請求項3に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第1素子としてのバリスタである第1バリスタ(21)のバリスタ電圧をVb1とし、
    前記第2素子としてのバリスタである第2バリスタ(22)のバリスタ電圧をVb2とし、
    前記第3素子としてのツェナーダイオード(43)のツェナー電圧をVzとし、
    前記通信回路の前記第1通信線に対する耐電圧をVw1とし、
    前記通信回路の前記第2通信線に対する耐電圧をVw2とすると、
    前記各バリスタと前記ツェナーダイオードは、下記の式5及び式6の条件を満たすものである、通信回路の保護回路。
    (Vb1+Vz)≦Vw1 …式5
    (Vb2+Vz)≦Vw2 …式6
  10. 請求項9に記載の通信回路の保護回路であって、
    更に、前記各通信線に流れる正常な通信信号の最大電圧をVsmとすると、前記ツェナーダイオードは、ツェナー電圧がVsmよりも大きいツェナーダイオードである、通信回路の保護回路。
  11. 請求項10に記載の通信回路の保護回路であって、
    更に、前記各バリスタは、当該バリスタの最大許容回路電圧がVsm以上のバリスタである、通信回路の保護回路。
  12. 請求項9ないし請求項11の何れか1項に記載の通信回路の保護回路であって、
    更に、前記通信装置の電源電圧をVDとすると、前記各バリスタは、バリスタ電圧がVDよりも大きいバリスタである、通信回路の保護回路。
  13. 請求項9ないし請求項12の何れか1項に記載の通信回路の保護回路であって、
    前記第1バリスタと前記第2バリスタは、バリスタ電圧が同じバリスタである、通信回路の保護回路。
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