JP2017147414A - インプリント装置および物品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インプリント装置の設計上の制約を緩和しつつ基板および/または型の破損やパターンの転写不良を低減するために有利な技術を提供する。【解決手段】インプリント装置は、基板の上のインプリント材に型を接触させた状態で該インプリント材を硬化させる。インプリント装置は、前記基板と前記型との相対位置関係を調整する調整機構と、前記調整機構を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記基板の上のインプリント材に前記型を接触させる動作において必要な前記基板と前記型との間の相対駆動量を前記調整機構が有する駆動誤差に基づいて補正することによって補正駆動量を決定し、前記補正駆動量に従って前記調整機構を動作させる。【選択図】図2
Description
本発明は、インプリント装置および物品製造方法に関する。
半導体デバイスやMEMSなどの物品を製造するための新たなリソグラフィ技術として、インプリント技術が注目されている。インプリント技術は、基板の上のインプリント材に型(モールドまたはテンプレートとも呼ばれる)を接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板の上に硬化したインプリント材のパターンを形成する技術である。インプリント技術によれば、例えば、基板の上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。
インプリント装置では、基板の上のインプリント材に型を接触させる際に、基板と型との相対位置関係を正確に調整することが望まれる。この調整が不正確であると、基板と型とが衝突して基板および/または型が破損したり、パターンの転写不良が起こったりしうる。
特許文献1には、基板にテンプレート(型)を押し付ける際に、テンプレートの傾きまたはテンプレートと基板との間隔を計測し、この計測結果に基づいて、基板にテンプレートを押し付ける力を調節することが記載されている。特許文献2には、基板の上の被転写物にモールド(型)を接触させた状態でモールドの傾きを計測し、この計測結果に基づいてモールドと基板との位置合わせを行うことが記載されている。特許文献3には、基板の上のインプリント材に型を接触させる際に、型の高さ、傾きおよび水平方向の位置を検出し、この検出結果に基づいて基板と型との位置合わせを制御することが記載されている。
特許文献1−3に記載された装置は、基板の上のインプリント材に型を接触させる際に型の傾き等をリアルタイムに計測しフィードバック制御によって基板と型との位置合わせを行うものであると理解される。しかしながら、型の周囲には、例えば、型を変形させる機構および/またはパージガスを噴射する機構などの様々な機構が配置されうる。したがって、基板の上のインプリント材に型を接触させる際に型の傾きをリアルタイムで計測することができるように計測器を配置することには設計上の制約(機構と計測器との干渉など)が伴いうるし、インプリント装置の複雑化をもたらしうる。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、インプリント装置の設計上の制約を緩和しつつ基板および/または型の破損やパターンの転写不良を低減するために有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板の上のインプリント材に型を接触させた状態で該インプリント材を硬化させるインプリント装置に係り、前記インプリント装置は、前記基板と前記型との相対位置関係を調整する調整機構と、前記調整機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記基板の上のインプリント材に前記型を接触させる動作において必要な前記基板と前記型との間の相対駆動量を前記調整機構が有する駆動誤差に基づいて補正することによって補正駆動量を決定し、前記補正駆動量に従って前記調整機構を動作させる。
本発明によれば、インプリント装置の設計上の制約を緩和しつつ基板および/または型の破損やパターンの転写不良を低減するために有利な技術を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の1つの実施形態のインプリント装置1の構成が模式的に示されている。インプリント装置1は、基板13の上のインプリント材IMに型7を接触させた状態でインプリント材IMを硬化させることによって、基板13の上に硬化したインプリント材IMのパターンを形成する。インプリント材IMは、それを硬化させるエネルギーが与えられることによって硬化する硬化性組成物である。インプリント材IMは、硬化した状態を意味する場合もあるし、未硬化の状態を意味する場合もある。硬化用のエネルギーとしては、例えば、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光(例えば、赤外線、可視光線、紫外線)でありうる。硬化性組成物は、典型的には、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。これらのうち光により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物および光重合開始剤を含有しうる。また、光硬化性組成物は、付加的に非重合性化合物または溶剤を含有しうる。非重合性化合物は、例えば、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種でありうる。
本明細書および添付図面では、基板13の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。基板13および型7の傾きを表現する場合には、チルトという表現が便利であるので、θY軸をチルトXとも表現し、θX軸をチルトYとも表現する。
インプリント装置1は、硬化部2、調整機構30、ディスペンサ(供給部)5、アライメントスコープ18、計測部16、17、パージ部22および制御部6を備えうる。硬化部2は、基板13の上のインプリント材IMを硬化させるエネルギーとしての光(例えば、紫外線)8をインプリント材IMに照射することによってインプリント材IMを硬化させる。あるいは、硬化部2は、基板13の上のインプリント材IMを硬化させるエネルギーとしての熱をインプリント材IMに照射することによってインプリント材IMを硬化させる。以下では、説明の簡略化のために、硬化部2がインプリント材IMに光8を照射する例についてのみ言及するが、これは1つの実施形態に過ぎない。
型7は、基板13の上のインプリント材IMに転写すべきパターンを含むパターン領域を有するメサ部(凸部)7aと、メサ部7aの外側に位置する周辺部7bとを含む。メサ部7aは、周辺部7bよりも突出した部分である。型7は、光8を透過させる材料(例えば、石英)で構成されうる。型7は、光8の入射面側に空洞7cを有しうる。メサ部7aのサイズ(XY平面に平行な面におけるサイズ)は、例えば、26×33mmであり、メサ部7aの表面(パターン領域)と周辺部7bの表面との間の段差は、例えば、30μmである。メサ部7aの表面(パターン領域)には、インプリント材IMの付着(残留)を防止するために、例えばフッ素系の材料からなる離型剤が塗布されうる。メサ部7aのパターン領域には、基板13の上のインプリント材IMに転写すべきパターンとして、回路パターン等のデバイスパターンの他、アライメントマークが形成されうる。アライメントマークの個数は任意であるが、デバイスパターンが形成された領域の4つの角のそれぞれに配置されることが好ましい。
調整機構30は、基板13と型7との相対位置関係が調整されるように基板13および型7の少なくとも一方を駆動する。調整機構30は、例えば、基板13を駆動するための基板駆動機構19、および、型7を駆動するための型駆動機構3を含みうる。基板駆動機構19は、基板13を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸)について駆動する。基板駆動機構19は、基板13を保持する基板保持部(基板ステージ)4と、複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸)について基板保持部4を駆動することによって基板13を駆動する基板駆動部15とを含みうる。基板駆動部15は、例えば、リニアモータおよび/または平面モータ等のアクチュエータを含みうる。
型駆動機構3は、型7を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動する。型駆動機構3は、型7を保持する型保持部10と、複数の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について型保持部10を駆動することによって型7を駆動する型駆動部11とを含みうる。型駆動部11は、例えば、リニアモータおよび/またはエアシリンダ等のアクチュエータを含みうる。調整機構30は、X軸、Y軸、θX軸、θY軸およびθZ軸に関して基板13と型7との相対位置関係を調整するほか、Z軸に関しても基板13と型7との相対位置関係を調整する。Z軸に関する基板13と型7との相対位置関係の調整は、基板13の上のインプリント材IMと型7との接触および分離の動作を含む。一例において、基板13の上のインプリント材IMと型7との接触および分離は、型駆動機構3によって型7を駆動することによってなされうる。
型駆動部11は、硬化部2からの光8を通過させる通過部12を有する。型保持部10は、硬化部2からの光8を通過させる窓部(光透過部)Wを有しうる。窓部Wによって型7の空洞7cが密閉空間とされる。インプリント装置には、空洞7cの圧力を調整する圧力調整機構が備えられうる。基板13の上のインプリント材IMに型7を接触させる際には、該圧力調整機構によって空洞7c内の圧力が外部空間の圧力より高くされ、メサ部7aおよび周辺部7bが基板13に向かって凸形状になるように制御されうる。これにより、メサ部7aのパターン領域の中央部分が最初に基板13の上のインプリント材IMに接触し、その後に接触部分が徐々に広がり、最終的にパターン領域の全体がインプリント材に接触しうる。これにより、パターン領域とインプリント材IMとの間に気体が閉じ込められることを抑えることができる。型駆動機構3は、型7の側面7dに力を加えることによって型7を変形させる型変形機構21を含みうる。型変形機構21によって型7を変形させることによってメサ部7aのパターン領域の形状を変更することができる。
型駆動部11の通過部12には、アライメントスコープ18が配置されうる。アライメントスコープ18は、型7のアライメントマークと基板13のアライメントマークとの相対位置を計測するように構成されうる。基板保持部4には、型7の位置および姿勢を計測する計測部(第2計測部)16が配置されうる。計測部16は、例えば、基準位置から型7までの距離を計測するセンサを含みうる。距離の計測方法は、任意であるが、例えば、計測対象面に斜めに光を入射させ、該計測対象面で反射された光が形成するスポットの位置に基づいて基準位置から計測対象面までの距離(高さ)を計測することができる。あるいは、干渉を利用して基準位置(基準面)から計測対象面までの距離を計測してもよい。型7の複数の計測対象個所の高さ(基準位置から型7までの距離)を計測することによって型7の位置および姿勢(形状)を計測することができる。型7の複数の計測対象個所の高さの計測は、各計測対象箇所の高さを計測部16によって計測可能なように基板駆動機構19によって計測部16の位置を変更することによってなされうる。
計測部(第1計測部)17は、例えば、基準位置から基板13までの距離を計測するセンサを含みうる。距離の計測方法は、任意であるが、例えば、計測対象面に斜めに光を入射させ、該計測対象面で反射された光が形成するスポットの位置に基づいて基準位置から計測対象面までの距離(高さ)を計測することができる。あるいは、干渉を利用して基準位置(基準面)から計測対象面までの距離を計測してもよい。基板13の複数の計測対象個所の高さ(基準位置から基板13までの距離)を計測することによって基板13の位置および姿勢(形状)を計測することができる。基板13の複数の計測対象個所の高さの計測は、各計測対象箇所の高さを計測部17によって計測可能なように基板駆動機構19によって計測部17の位置を変更することによってなされうる。
ディスペンサ5は、型駆動機構3の近傍に配置され、基板13の上に未硬化のインプリント材IMを供給する。ディスペンサ5は、例えば、吐出口5aからインプリント材IMを吐出することによって基板13の上にインプリント材IMを供給する。ディスペンサ5は、例えば、インプリント材IMからなる複数のドロップレットが基板13の上に配置されるように基板13の上にインプリント材IMを供給しうる。
パージ部22は、基板13と型7との間の空間にパージガスを供給する。パージ部22は、型7または型保持部10の側方に配置されうる。パージガスとしては、インプリント材の硬化を阻害しないガス、例えば、ヘリウムガス、窒素ガスおよび凝縮性ガス(例えば、ペンタフルオロプロパン(PFP))の少なくとも1つを含むガスが使用されうる。
制御部6は、硬化部2、調整機構30、ディスペンサ5、アライメントスコープ18、計測部16、17、パージ部22を制御したり、それらから得られる情報を処理したりしうる。制御部6は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
次に、インプリント装置1によって基板13の上にパターンを形成する動作を概略的に説明する。まず、制御部6は、不図示の基板搬送機構を制御することによって基板保持部4の上に基板13を載置させ、基板保持部4に基板13を保持させる。次いで、制御部6は、基板13のインプリント対象のショット領域がディスペンサ5によるインプリント材IMの供給位置に位置決めされるように基板駆動機構19を制御する。次いで、制御部6は、基板13のインプリント対象のショット領域に未硬化のインプリント材IMが配置されるようにディスペンサ5を制御する。次いで、制御部6は、基板13の上のインプリント材IMに型7のメサ部7aのパターン領域が接触するように調整機構30を制御する。インプリント材IMにパターン領域が接触することによって、パターン領域のパターンを構成する凹部にインプリント材IMが充填される。次いで、制御部6は、基板13の上のインプリント材IMに型7を介して光8が照射されるように硬化部2を制御する。これによって未硬化のインプリント材IMが硬化して、硬化したインプリント材IMからなるパターンが形成される。次いで、制御部6は、硬化したインプリント材IMから型7が分離されるように調整機構30を制御する。以上の処理により、基板13の1つのショット領域に対するパターンの形成が完了する。この処理は、複数のショット領域に対して実行される。
以下、図2を参照しながらインプリント装置1のより具体的な動作を説明する。工程S100では、制御部6は、不図示の型搬送機構を制御することにより型7(キャリブレーションのための型、または、物品製造用の型)を型保持部10に搬送させ、型保持部10に型を保持させる。型7は、インプリント装置1の外部から型保持部10に直接に搬送されてもよいし、インプリント装置1内の格納部(不図示)に格納された後に格納部から型保持部10に搬送されてもよい。
工程S101は、キャリブレーション工程であり、工程S101では、制御部6は、調整機構30の駆動誤差を計測し、この計測結果に基づいて補正係数を決定するキャリブレーションを実行する。調整機構30の駆動誤差は、基板13と型7との相対位置関係を調整機構30によって調整した際に基板13および型7との相対位置関係に生じる誤差(目標とする相対位置関係からの誤差)である。基板13の上のインプリント材IMと型7との接触(押印)およびインプリント材IMと型7との分離(離型)を基板駆動機構19および型駆動機構3のうち型駆動機構3のみによって行う場合は、調整機構30の駆動誤差は、型駆動機構3の駆動誤差である。以下、説明の簡単化のために、基板13の上のインプリント材IMと型7との接触およびインプリント材IMと型7との分離を基板駆動機構19および型駆動機構3のうち型駆動機構3のみによって行う例を説明するが、これは例示に過ぎない。
以下、工程S101(キャリブレーション工程)の詳細について説明する。制御部6は、図5の(a−1)に模式的に示されるように、型7をθY軸(チルトX)について駆動するように型駆動機構3の型駆動部11に指令値(駆動目標値Z=Z1、TiltX=TiltX1、TiltY=0)を与えて位置決めする。そして、この状態で、制御部6は、型7の複数の計測対象箇所の位置(高さ)を計測部16に計測させる。このような計測は、グローバルチルト計測と呼ばれる。このグローバルチルト計測の結果として、Z軸、θX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)についての位置(高さ)および姿勢(傾き)の情報(計測値)が得られる。この計測において、型7の複数の計測対象箇所の位置(高さ)を計測するために、基板駆動機構19は、複数の計測対象箇所に対応する複数の位置に基板保持部4(計測部16)を順次に駆動する。図6には、複数の計測対象箇所が丸印によって例示されている。図6に示すように、少数の計測対象箇所で精度良く傾きを求めるには周辺部7bを計測することが好ましいが(各計測点の距離が遠い方が良い)、メサ部7aを計測対象箇所に設定して傾きを求めてもよい。メサ部7aを計測対処箇所に設定する場合は、計測点数を多くするのが良い。
次いで、制御部6は、図5の(a−2)に模式的に示されるように、型7をθY軸(チルトX)について駆動するように型駆動機構3の型駆動部11に他の指令値(駆動目標値Z=Z1、TiltX=TiltX2、TiltY=0)を与えて位置決めする。そして、この状態で、制御部6は、計測部16を使ってグローバルチルト計測を行う。このグローバルチルト計測の結果として、他の指令値の下でのZ軸、θX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)についての位置(高さ)および姿勢(傾き)の情報(計測値)が得られる。このような処理を複数の指令値について行うことによって、θY軸(チルトX)について、複数の指令値にそれぞれ対応する駆動誤差を得ることができる。この時のZ1は、例えば、基板13とメサ部7aとの距離が200ミクロンとなるように、つまり、基板13とメサ部7aとが接近した状態に設定されうる。
同様に、複数の指令値のそれぞれについて型7をθX軸(チルトY)について駆動しグローバルチルト計測を行うことによって、θX軸(チルトY)について、複数の指令値にそれぞれ対応する駆動誤差を得ることができる。θY軸(チルトX)およびθX軸(チルトY)の駆動誤差の計測において、型7の計測対象箇所は同じであることが好ましい。これは、θY軸(チルトX)およびθX軸(チルトY)の駆動誤差の計測において計測対象箇所を変更すると、それが誤差要因になるからである。
上記の例では、型7を用いてグローバルチルト計測を行ったが、型保持部10に複数の計測対象箇所を設けて、これを計測してもよい。この場合には、型7が型保持部10に装着される前にキャリブレーション工程が行われる。
上記の指令値(目標駆動値)とグローバルチルト計測によって得られた計測値との差分が駆動誤差である。θY軸(チルトX)の駆動によるθY軸(チルトX)、θX軸(チルトY)、Z軸の駆動誤差ΔTiltX、ΔTiltY、ΔZは、次の式で表現される。
ΔTiltX = 駆動目標位置TiltX− グローバルチルトTiltX
ΔTiltY = 駆動目標位置TiltY− グローバルチルトTiltY
ΔZ = 駆動目標位置Z − グローバルチルトZ
ΔTiltXは、駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、大きな値となりうる。それに対し、ΔTiltY、ΔZは、非駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、小さな値となりうる。駆動誤差ΔTiltX、ΔTiltY、ΔZを代表的に駆動誤差Δとして記載すると、駆動誤差Δは、駆動目標値によって値が異なり、例えば、駆動目標値が原点位置(0位置)から離れるほど駆動誤差Δが大きくなる傾向を持つ。
ΔTiltY = 駆動目標位置TiltY− グローバルチルトTiltY
ΔZ = 駆動目標位置Z − グローバルチルトZ
ΔTiltXは、駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、大きな値となりうる。それに対し、ΔTiltY、ΔZは、非駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、小さな値となりうる。駆動誤差ΔTiltX、ΔTiltY、ΔZを代表的に駆動誤差Δとして記載すると、駆動誤差Δは、駆動目標値によって値が異なり、例えば、駆動目標値が原点位置(0位置)から離れるほど駆動誤差Δが大きくなる傾向を持つ。
図7は、駆動目標値を横軸にとり、駆動誤差Δを縦軸にとった時の、駆動誤差Δの傾向を示したものである。図5の(a−1)と(a−2)で示した型駆動機構3の型駆動部11によるθY軸(チルトX)の駆動による駆動誤差Δの傾向は、(7−1)、(7−2)、(7−3)のグラフによって例示される。グラフ中の丸で示した箇所が各駆動目標値に対する駆動誤差Δである。複数の駆動目標値のそれぞれに対する駆動誤差Δを、例えば、最小自乗法を用いて1次式で近似すると、その近似式の1次の係数が駆動誤差の傾向として求まる。なお、図7では1次式で近似した場合を例示したが、2次以上の次数の式で近似してもよいし、近似するのではなく駆動誤差プロファイルで持ち各位置の駆動誤差を記憶してもよい。
型駆動機構3の型駆動部11によるθY軸(チルトX)の駆動と同様に、型駆動機構3の型駆動部11によるθX軸(チルトY)の駆動による駆動誤差Δを求めることができる。型駆動機構3の型駆動部11によるθX軸(チルトY)の駆動による駆動誤差Δの傾向は、(7−4)、(7−5)、(7−6)のグラフによって例示される。
型駆動機構3の型駆動部11によるZ軸の駆動による駆動誤差Δについても説明する。制御部6は、図5の(b−1)に模式的に示されるように、型7をZ軸について駆動するように型駆動機構3の型駆動部11に指令値(駆動目標値Z=Z2、TiltX=0、TiltY=0)を与えて位置決めする。そして、この状態で、制御部6は、計測部16を使ってグローバルチルト計測を行う。このグローバルチルト計測の結果として、Z軸、θX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)についての位置(高さ)および姿勢(傾き)の情報(計測値)が得られる。
次いで、制御部6は、図5の(b−2)に模式的に示されるように、型7をZ軸について駆動するように型駆動機構3の型駆動部11に他の指令値(駆動目標値Z=Z3、TiltX=0、TiltY=0)を与えて位置決めする。そして、この状態で、制御部6は、計測部16を使ってグローバルチルト計測を行う。このグローバルチルト計測の結果として、他の指令値の下でのZ軸、θX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)についての位置(高さ)および姿勢(傾き)の情報(計測値)が得られる。このような処理を複数の指令値について行うことによって、Z軸について、複数の指令値にそれぞれ対応する駆動誤差を得ることができる。
Z軸の駆動によるθY軸(チルトX)、θX軸(チルトY)、Z軸の駆動誤差ΔTiltX、ΔTiltY、ΔZについても、上記と同様の式で表現される。Z軸の駆動を行った場合は、ΔZは、駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、大きな値となりうる。それに対し、ΔTiltX、ΔTiltYは、非駆動軸方向の駆動誤差であるために、一般的には、小さな値となりうる。型駆動機構3の型駆動部11によるZ軸の駆動による駆動誤差Δの傾向は、(7−7)、(7−8)、(7−9)のグラフによって例示される。以上の傾向(7−1)〜(7−9)は、駆動目標値と駆動誤差Δとの関係を示す関数である。
以上の傾向(7−1)〜(7−9)に基づいて、制御部6は、9個の補正係数Gxp、Nyp、Jx、Gyp、Nxp、Jy、Mag−Z、Pitching−Tx、Pitching−Tyを決定する。これらは、(7−1)〜(7−9)における傾きを示すパラメータであり、駆動目標値と駆動誤差Δとの関係を示す関数を特定する情報であると言える。制御部6は、前記補正係数を格納するメモリ60を備え、メモリ60に格納された補正係数に基づいて駆動誤差Δを特定するように構成されうる。Gxpは、θY軸(チルトX)の駆動を行ったときのθY軸(チルトX)の駆動誤差ΔTiltXの傾向を示す、Nypは、θY軸(チルトX)の駆動を行ったときのθX軸(チルトY)の駆動誤差ΔTiltYの傾向を示す。Jxは、θY軸(チルトX)の駆動を行った時のZ軸の駆動誤差の傾向を示す。Gypは、θX軸(チルトY)の駆動を行ったときのθX軸(チルトY)の駆動誤差の傾向を示す。Nxpは、θX軸(チルトY)の駆動を行ったときのθY軸(チルトY)の駆動誤差の傾向を示す。Jyは、θX軸(チルトY)の駆動を行ったときのZ軸の駆動誤差の傾向を示す。Mag−Xは、Z軸の駆動を行ったときのZ軸の駆動誤差の傾向を示す。Pitching−Txは、Z軸の駆動を行ったときのθY軸(チルトX)の駆動誤差の傾向を示す。Pitching−Tyは、Z軸の駆動を行ったときのθX軸(チルトY)の駆動誤差の傾向を示す。以上の補正係数Gxp、Nyp、Jx、Gyp、Nxp、Jy、Mag−Z、Pitching−Tx、Pitching−Tyは、工程S107において使用される。
以下、参照先を図2に戻して説明を続ける。次の工程S102は、工程S100で型保持部10に保持させる型7がキャリブレーションのための型である場合に実施される工程であり、工程S100で型保持部10に保持させる型7が物品の製造用の型である場合には実施されない。工程S102では、型保持部10によって保持されたキャリブレーションのための型7が物品の製造用の型7に交換される。
工程S103では、制御部6は、型7のメサ部7aの表面(パターン領域)の複数の計測対象個所の位置(高さ)を計測部16に計測させることによって型7のメサ部7aの位置(高さ)および姿勢(傾き)を計測する。図3には、計測部16によってメサ部7aの表面の位置(高さ)を計測する様子が模式的に示されている。制御部6は、計測部16によってメサ部7aの計測対象箇所が計測部16の計測エリアに入るように基板駆動機構19を制御する。この状態で、制御部6は、計測部16に計測対象箇所の位置(高さ)を計測させる。このような動作が複数の計測対象個所の全てについて実施される。この動作は、各計測対象箇所について、基板駆動機構19による基板保持部4(計測部16)のステップ移動と計測部16による計測を行うステップ・アンド・リピート方式でなされうる。あるいは、この動作は、基板駆動機構19によって基板保持部4(計測部16)をスキャン駆動しながら計測部16によって計測を行うスキャン方式でなされてもよい。制御部6は、例えば、複数の計測対象箇所のそれぞれについての計測値を最小自乗近似により1次平面に近似し、この1次平面を示す式における1次の係数をメサ部7aの傾きとして求めることができる。また、制御部6は、前記式における0次の定数項を基準位置からメサ部7aまでの距離として求めることができる。
工程S104では、制御部6は、不図示の基板搬送機構を制御することによって基板保持部4の上に基板13を載置させ、基板保持部4に基板13を保持させる。基板13は、インプリント装置1の外部から型保持部10に直接に搬送されてもよいし、インプリント装置1内の格納部(不図示)に格納された後に格納部から基板保持部4に搬送されてもよい。
工程S105では、制御部6は、基板13の表面の複数の計測対象箇所の位置(高さ)を計測部17に計測させることによって基板13の位置(厚さ)および姿勢(傾き)を計測する。図3には、計測部17よって基板13の表面の位置(高さ)を計測する様子が模式的に示されている。このような方法による基板13の傾きの計測は、グローバルチルト計測と呼ばれる。グローバルチルト計測では、最も少ない計測点数として、同一直線状にはない3点の計測対処箇所の位置(高さ)を計測することによって傾きを計測することができる。制御部6は、例えば、複数の計測対象箇所のそれぞれについての計測値を最小自乗近似により1次平面に近似し、この1次平面を示す式における1次の係数を基板13の傾きとして求めることができる。また、制御部6は、前記式における0次の定数項を基準位置から基板13までの距離(位置(高さ))として求めることができる。
工程S106では、制御部6は、工程S103および工程S105で得た情報に基づいて、基板13の上のインプリント材IMに型7(のメサ部7a)を接触させる動作において必要な基板13と型7との間の相対駆動量として型7の目標駆動値を決定する。ここで、基板13を静止させた状態で型7を駆動する場合は、相対駆動量は、型7の駆動量である。相対駆動量は、相対的な傾きの補正のための相対駆動量と、Z軸方向の相対駆動量とを含みうる。具体的には、制御部6は、工程S103で求めた型7のメサ部7aの姿勢(傾き)と工程S105で求めた基板13の姿勢(傾き)とに基づいて、相対的な傾きの補正のための相対駆動量を求めうる。また、制御部6は、工程S103で求めた型7のメサ部7aの位置(高さ)と工程S105で求めた基板13の位置(高さ)とに基づいてZ軸方向の相対駆動量を求めうる。なお、計測部16における計測のための基準位置と計測部17における計測のための基準位置とは既知であり、したがって、両者の差も既知である。
仮に、調整機構30が駆動誤差を有しない場合には、工程S106で求めた相対駆動量に従って基板13と型7との相対位置関係を調整すれば、基板13と型7との相対位置関係が目標通りになる。しかし、実際には、調整機構30が駆動誤差を有することは避けられない。特に、基板13と型7との相対位置関係がフィードバック制御系によって保証されない場合には、基板13と型7との相対位置関係は調整機構30の駆動誤差に強く依存する。
調整機構30および制御部6は、少なくとも基板13と型7との距離が所定距離以下になるまでは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸およびθZ軸について、基板13と型7との相対的な位置関係をフィードフォワード制御するように構成されうる。換言すると、調整機構30および制御部6は、少なくとも基板13と型7との距離が所定距離以下になるまでは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸およびθZ軸について、基板13と型7との相対的な位置関係をフィードバック制御しないように構成されうる。ここで、所定距離は、例えば、基板13と型との相対位置関係をアライメントスコープ18によって検出可能な距離である。この場合、調整機構30および制御部6は、少なくとも基板13と型7との距離が所定距離以下になるまでは、基板13と型7との相対位置関係が調整機構30の駆動誤差に強く依存する。このような駆動誤差により、基板13と型7とが衝突して基板13および/または型7が破損したり、パターンの転写不良が起こったりしうる。本実施形態は、このような構成において、調整機構30の駆動誤差の影響を低減し、基板13と型7との相対位置関係を精度よく調整することによって、基板13および/または型7の破損や、パターンの転写不良を低減する。
調整機構30および制御部6は、基板13と型7との距離が所定距離以下になった後は、X軸、Y軸、θZ軸については、基板13と型との相対位置関係をアライメントスコープ18で検出し、検出結果に基づいて該相対位置関係を調整するように構成されうる。換言すると、調整機構30および制御部6は、基板13と型7との距離が前記所定距離以下になった後は、X軸、Y軸、θZ軸については、基板13と型との相対位置関係をフィードバック制御するように構成されうる。
典型的な例において、インプリント装置1は、Z軸、θX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)については、基板13と型7との距離に拘わらず、基板13と型7との相対位置関係をフィードバック制御するための計測器を有しない。これは、基板13の上のインプリント材IMと型7との接触およびインプリント材IMからの型7の分離において、基板13と型7との相対位置関係をZ軸、θX軸、θY軸について計測可能な計測部をインプリント装置1に組み込み難いことによる。より具体的には、型7の周囲には型変形機構21を配置することが求められ、型7の周囲が型変形機構21によって覆い隠されることから、型7の傾き、即ちθX軸(チルトY)、θY軸(チルトX)の回転を計測できるように計測器を配置することは難しい。また、基板13のショット領域と型7とが対向した状態で基板13と型7との距離を計測できるように計測器を配置することも難しい。よって、以下で説明するように、上記のような計測器を不要としながら基板13と型7との相対位置関係を高い精度で調整可能な構成は、インプリント装置の設計上の制約を緩和するために有用である。
工程S107では、制御部6は、工程S106で算出した相対駆動量(型7の目標駆動値)を前述の駆動誤差Δに基づいて補正することによって補正駆動量を決定する。基板13と型7との間の相対駆動量としての型7の目標駆動値は、(TargetZ、TargetTx、TargetTy)で与えられうる。TargetZは、Z軸についての目標駆動値、TargetTxは、θY軸(チルトX)についての目標駆動値、TargetTyは、θX軸(チルトY)についての目標駆動値である。駆動誤差Δに基づく目標駆動値の補正は、メモリ60に格納された補正係数に基づいて目標駆動値を補正することによってなされうる。補正駆動量としての補正駆動値は、(New TargetZ、New TargetTx、New TargetTy)で与えられうる。New TargetZは、Z軸についての補正駆動値、New TargetTxは、θY軸(チルトX)についての補正駆動値、New TargetTyは、θX軸(チルトY)についての補正駆動値である。補正駆動値(New TargetZ、New TargetTx、New TargetTy)は、以下の式で与えられうる。
New TargetZ
= (TargetZ + TargetZ*Mag−Z + TargetTx*Jx + TargetTy*Jy)/(1 − (Mag−Z)2)
New TargetTx
= (TargetTx + TargetTx*Gxp + TargetTy*Nxp + TargetZ*Pitching−Tx)/(1 − (Gxp)2)
New TargetTy
= (TargetTy + TargetTy*Gyp + TargetTx*Nyp + TargetZ*Pitching−Ty)/(1 − (Gyp)2)
工程S108では、制御部6は、補正駆動値に基づいて、基板13の1または複数のショット領域に対するインプリント動作の実行を制御する。ここで、インプリント動作は、ディスペンサ5による基板13へのインプリント材IMの供給、基板13の上のインプリント材IMへの型7の接触、硬化部2によるインプリント材の硬化、硬化したインプリント材IMからの型7の分離を含みうる。また、インプリント動作は、インプリント材IMと型7との接触または近接させた際に、アライメントスコープ18を使って基板13と型7との相対位置(X軸、Y軸、θZ軸)を検出し、その結果に基づいて基板13と型7とを位置合わせする動作を含みうる。基板13上のインプリント材IMに型7を接触させる動作では、基板13と型7との相対位置関係の調整(型駆動部11による型7の駆動)は、工程S107で相対駆動量(型7の目標駆動値)を補正係数に基づいて補正して決定された補正駆動量に従って制御される。よって、調整機構30の駆動誤差(型駆動部11の駆動誤差)は、この補正によってキャンセル又は低減され、基板13と型7との相対位置関係が高い精度で制御される。図4には、補正駆動量に従って基板13と型7との相対位置関係を調整した例が模式的に示されている。本実施形態では、基板13の上のインプリント材IMに型7を接触させる動作の間は、計測部16、17による計測が行われない。
New TargetZ
= (TargetZ + TargetZ*Mag−Z + TargetTx*Jx + TargetTy*Jy)/(1 − (Mag−Z)2)
New TargetTx
= (TargetTx + TargetTx*Gxp + TargetTy*Nxp + TargetZ*Pitching−Tx)/(1 − (Gxp)2)
New TargetTy
= (TargetTy + TargetTy*Gyp + TargetTx*Nyp + TargetZ*Pitching−Ty)/(1 − (Gyp)2)
工程S108では、制御部6は、補正駆動値に基づいて、基板13の1または複数のショット領域に対するインプリント動作の実行を制御する。ここで、インプリント動作は、ディスペンサ5による基板13へのインプリント材IMの供給、基板13の上のインプリント材IMへの型7の接触、硬化部2によるインプリント材の硬化、硬化したインプリント材IMからの型7の分離を含みうる。また、インプリント動作は、インプリント材IMと型7との接触または近接させた際に、アライメントスコープ18を使って基板13と型7との相対位置(X軸、Y軸、θZ軸)を検出し、その結果に基づいて基板13と型7とを位置合わせする動作を含みうる。基板13上のインプリント材IMに型7を接触させる動作では、基板13と型7との相対位置関係の調整(型駆動部11による型7の駆動)は、工程S107で相対駆動量(型7の目標駆動値)を補正係数に基づいて補正して決定された補正駆動量に従って制御される。よって、調整機構30の駆動誤差(型駆動部11の駆動誤差)は、この補正によってキャンセル又は低減され、基板13と型7との相対位置関係が高い精度で制御される。図4には、補正駆動量に従って基板13と型7との相対位置関係を調整した例が模式的に示されている。本実施形態では、基板13の上のインプリント材IMに型7を接触させる動作の間は、計測部16、17による計測が行われない。
工程S109では、制御部6は、基板搬送機構を制御することにより、基板13のインプリント対象の全てのショット領域に対するインプリント動作が終了した基板13を基板保持部4からインプリント装置1の外部に搬送させる。工程S110では、制御部6は、ロットを構成する全ての基板13の処理が終了したかどうかを判断する。そして、制御部6は、未処理の基板13がある場合には、工程S104に戻って、次の基板13について工程S104〜S110を繰り返し、全ての基板13について処理が終了した場合には、工程S111に進む。工程S111では、制御部6は、次のロットがあるかどうかを判断し、次のロットがある場合には、工程S102に戻って、次のロットについて工程S102〜S110を繰り返し、次のロットがない場合には、図2の一連の処理を終了する。
図2に例示されたフローでは、ロット処理のループの外で補正係数を求めるが、これは例示に過ぎない。例えば、調整機構30(型駆動部11および/または基板駆動部15)の駆動誤差に経時変化があり、補正係数の最適値が時間の経過(あるいは型の駆動回数)とともに変わる場合は、ロット処理のループの中で補正係数を求めてもよい。即ち、通常のロット処理時における型7の交換(S102)の後のタイミングで補正係数を決定または更新してもよい。補正係数の更新は、ロットごとに実施してもよいし、複数ロットごとに実施してもよいし、定期的な周期で実施してもよい。
また、種々のキャリブレーションまたは検査において、基板または基板保持部の基準プレートに設けられた基板側マークと型のマークとの相対位置をアライメントスコープ18によって計測したい場合がある。この場合、型のメサ部をできる限り基板側マークに近接させた状態(狭ギャップ状態)で計測を行うことが好ましい。例えば、型と基板側マークとの間隔は、10〜20ミクロンの狭ギャップ状態にされうる。このとき、基板の表面と型のパターン領域とを平行にして、基板側マークと型のマークとを検出したい。その際に、調整機構30に駆動誤差があると、期待した狭ギャップ状態より離れてしまい計測精度が悪化したり、あるいは基板と型とが平行にならずに、基板と型とが衝突し、基板および/または型が破損したり、型が変形して計測誤差が発生したりしうる。上記の実施形態で説明された駆動目標量の補正は、このような用途にも有用である。
以下、物品製造方法について説明する。物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の物品製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンが形成された基板を処理(例えば、エッチング)する工程を含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりに、パターンを形成された基板を加工する他の処理を含みうる。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも一つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:インプリント装置、2:硬化部、3:型駆動機構、4:基板保持部、5:ディスペンサ、6:制御部、7:型、8:光、10:型保持部、11:型駆動部、13:基板、15:基板駆動部、16、17:計測部、19:基板駆動機構、30:調整機構
Claims (14)
- 基板の上のインプリント材に型を接触させた状態で該インプリント材を硬化させるインプリント装置であって、
前記基板と前記型との相対位置関係を調整する調整機構と、
前記調整機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記基板の上のインプリント材に前記型を接触させる動作において必要な前記基板と前記型との間の相対駆動量を前記調整機構が有する駆動誤差に基づいて補正することによって補正駆動量を決定し、前記補正駆動量に従って前記調整機構を動作させる、
ことを特徴とするインプリント装置。 - 前記基板と前記型との相対位置関係を計測するための計測部を更に備え、
前記制御部は、前記基板の上のインプリント材に前記型を接触させる前の状態において前記計測部によって計測された結果に基づいて前記相対駆動量を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、キャリブレーション工程において、前記計測部を使って前記駆動誤差を計測するためのキャリブレーションを実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記キャリブレーション工程において、複数の駆動目標値のそれぞれに基づいて前記相対位置関係を前記調整機構に調整させ、各調整の度に前記計測部に計測を行わせ、前記計測部による計測の結果に基づいて、駆動目標値と駆動誤差との関係を示す関数を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記関数を特定する情報を格納するメモリを含み、前記メモリに格納された前記情報に基づいて、前記相対駆動量を補正するための前記駆動誤差を特定する、
ことを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。 - 前記基板の上のインプリント材と前記型と接触させる動作は、前記調整機構によってなされ、
前記動作の間は、前記計測部による前記相対位置関係の計測が行われない、
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記計測部は、前記基板の位置および姿勢を計測する第1計測部と、前記型の位置および姿勢を計測する第2計測部とを含む、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記型は、前記基板の上のインプリント材に転写すべきパターンを含むパターン領域を有するメサ部と、前記メサ部の外側に位置する周辺部とを含み、
前記第2計測部は、キャリブレーション工程において、前記駆動誤差を計測するために、前記周辺部または前記メサ部の複数の個所の高さを検出し、さらに、前記相対位置関係の計測の際に、前記型の位置および姿勢を計測するために、前記メサ部の複数の個所の高さを検出する
ことを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。 - 前記第1計測部は、前記基板の位置および姿勢を計測するために、前記基板の複数の個所の高さを検出する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のインプリント装置。 - 前記制御部による制御の下で前記調整機構によって行われる前記相対位置関係の調整は、前記制御部によって決定された前記補正駆動量を目標値とするフィードフォワード制御によってなされる、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記相対位置関係は、相対的な位置および相対的な傾きを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記型の側面に力を加えることによって前記型を変形させる型変形機構を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記基板と前記型との間の空間にパージガスを供給するパージ部を更に備え、
前記パージ部は、前記型の側方に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板の上にパターンを形成する工程と、
前記工程で前記パターンが形成された基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする物品製造方法。
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JP2016030265A JP2017147414A (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | インプリント装置および物品製造方法 |
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-
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