JP2017146105A - マルチラインセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイトパターンの影響を受けた場合でも、監視システムの機能が損なわれないようにすると共に、狭いフレネルゾーンによる不感地帯をなくし、また外来波の影響を受け易いダイオード検波を用いることなく、誤報等をなくすことができるようにする。【解決手段】異なる高さに設けられ、互いに異なる周波数を使用するセンサ部F1 〜F5 (グループA)と、異なる高さに設けられ、互いに異なる周波数を使用するセンサ部F6 〜F10(グループB)を有し、センサ部F1 〜F5 は、対向するF6 とF10と同一ラインに配置される。センサ部F1 〜F5 は、正方向の送信をする送信機と逆方向の受信をする受信機を備え、センサ部F6 〜F10は、逆方向の送信をする送信機と正方向の受信をする受信機を備える。各センサ部の受信では、受信信号とイメージ信号を区別するためのライン毎の設定周波数範囲Fkが設けられ、グループ間には、オフセット周波数Fofが設定される。【選択図】図1

Description

本発明はマルチラインセンサ、特にマイクロ波を用いて送信機−受信機間の監視をするための対向型ラインセンサに関する。
従来の対向型ラインセンサは、送信機と受信機を所定距離だけ離して対向させた電波送受ラインを構築し、受信機側の受信電力の低下等を検出することにより、送信機−受信機間に人や車等のマイクロ波を減衰させる物体が入る等、送受信ラインを遮断する状態を判定するものである。
通常、この種のラインセンサは、マイクロ波を発生し送信する装置及びそれを受信する装置で構成されており、電波にASK(Amplitude−Shift keying)変調波を用いる場合が多い。また、マイクロ波の周波数帯としては、10GHz帯が海外では主流であるが、国内電波法では10GHz帯は屋外での使用が認められていないため、24GHz帯を用いる必要がある。
受信機での送信波レベル検出方法としては、周波数検波器を用いる方法や受信信号をFFT(高速フーリエ変換)処理して受信電力値の変化を検出する方法等がある。
特開2009−99020号公報
ところで、従来のラインセンサには、以下の問題がある。
1.設置環境、例えば降雪、落ち葉や雑草の状況等により、ハイトパターンの影響を受け易く、長期的な性能維持が難しい。上記ハイトパターンとは、直接アンテナに届く電波と地面などで反射しアンテナに届く電波による位相の打ち消しや重畳等により受信電力が変動する現象である。
図10(A)に、ラインセンサの構成が示されており、例えば数mから数100mの間隔を以って送信機51と受信機52が配置されるが、設置時の地面位置がE0 であったのに対し、降雨、降雪、落ち葉、雑草の生育等の環境で地面位置がE1 になると、相対地上高が変わると共に、送信電波の地面からの反射は、実線から点線の状態に変化する。
この現象を回避させるためには、アンテナの放射角度を狭くするか、設置の地上高を高くすることが必要となるが、アンテナの放射角度を狭くする場合は、アンテナが大きくなり外形の大型化やコスト的な問題が生じる。また、地上高を高くする場合、検知しないエリア(不感地帯)が増えてセンサとしての機能を得ることが難しくなる。
2.受信機の方式が広帯域なダイオード検波であるため、外来波の影響を受け誤報の原因となると共に電波干渉の影響避けられない。また複数周波数の同時使用ができない。
3.使用周波数として24GHz帯を用いた場合、電波のフレネルゾーンが狭いため、監視範囲が狭くなる。上記フレネルゾーン(Fresnel zone)とは、送信機(送信アンテナ)、受信機(受信アンテナ)間を直線で結ぶラインで電力損失が少ない領域のことである。
図10(B)に、フレネルゾーンが示されており、このフレネルゾーンは送受間の中間部が一番太く、送信機(アンテナ)51、受信機(アンテナ)52に近づくに連れて細くなる傾向があり、太さdは周波数で異なり搬送波の周波数が低い程大きくなる。例えば、24GHz帯では、この太さdは、送受間距離100mの場合、図示のように中心付近で直径約1m(半径約0.5m)になり、50mの場合、中心付近では、直径約0.8m(半径約0.4m)となる。
従って、24GHz帯のラインセンサで、送受信機を地上高1mに設置した場合、図10(B)に示されるように、フレネルゾーンに対して0.5mの不感地帯Gが生じ、この不感地帯Gは更に送受アンテナ端に近づくに連れて大きくなる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイトパターンの影響を受けた場合でも、監視システムの機能が損なわれないようにすると共に、狭いフレネルゾーンによる不感地帯をなくし、また外来波の影響を受け易いダイオード検波を用いることなく、誤報等をなくすことができるマルチラインセンサを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係るマルチラインセンサは、送信機と受信機が対向する複数対の送受信機を備え、この複数対の送受信機のそれぞれを高さの異なるライン上に配置すると共に、この各対の送受信機はそれぞれ異なる周波数の信号を送受信し、上記複数対の送受信機間で送信される信号を遮断する物体を監視することを特徴とする。
請求項2の発明は、同一高さのラインの上記送受信機に、送受信方向が逆となるもう1対の送受信機を配置し、この正逆各対の送受信機においても異なる周波数の信号を送受信することを特徴とする。
請求項3の発明は、上記各対の送受信機において、受信信号とイメージ信号を区別するためライン毎に設定周波数範囲を設けることを特徴とする。
請求項4の発明は、基準周波数を発振する発振器と、この発振器の出力に基づき各対の送受信機に使用する周波数信号を出力するPLL回路と、上記受信機からの受信信号と上記PLL回路に基づいて得られた局部発振信号とを混合するミキサと、このミキサの出力から受信周波数を解析する周波数解析回路とを備え、上記正方向送受信機の使用周波数と上記逆方向送受信機の使用周波数との間に、イメージ信号が上記ライン毎の設定周波数範囲に入らないようにするためのオフセット周波数を設定することを特徴とする。
請求項5の発明は、各対の送受信機では、上記周波数解析回路から得られた受信周波数を確認し、周波数のずれが生じた場合は、補正データを上記PLL回路へ出力することにより、各対の送受信機の送信周波数を補正・更新することを特徴とする。
以上の構成によれば、送信機と受信機を対向配置したものを1対として、複数対の送受信機が高さの異なるライン上に配置され、これら各対の送受信機では、互いに異なる周波数を送受信するように構成され、このような複数のラインの配置により面監視が可能となる。更に、上記送受信機による送受方向を正方向とすると、逆方向に送受信する送受信機を同一高さのラインに配置し、正逆の全ての送受信機において異なる周波数の信号を用いるようにすれば、監視ラインを更に増やすことができる。
また、例えば各対の送受信機の受信においては、それぞれで設定されたライン毎の設定周波数範囲(Fk)により受信信号の判定が行われ、更に正方向送受信機グループの使用周波数と逆方向送受信機グループの使用周波数との間には、イメージ信号がライン毎の設定周波数範囲に入らないようにするためのオフセット周波数(Fof)が設定される。
更に、上述のように、複数対の送受信機のそれぞれで異なる周波数を用いて監視を行う場合、送受周波数の安定度によっては、外来波等の影響を受け易くなり、複数ラインの監視が困難となることが生じる。そこで、各対の送受信機の受信においては、それぞれの受信周波数を確認し、周波数のずれが生じている場合には、補正データをPLL回路へ出力することで、各対の送受信機の送信周波数を補正・更新している。
本発明によれば、高さの異なる複数ラインの送受信により、ハイトパターンの影響を受けた場合でも、監視システムの機能が損なわれず、狭いフレネルゾーンによる不感地帯をなくすことが可能となり、また外来波の影響を受け易いダイオード検波を用いることなく、誤報、失報等をなくすことができる。
また、受信信号を判定するためのライン毎の設定周波数範囲、そして正方向送受信機グループの使用周波数と逆方向送受信機グループの使用周波数との間におけるオフセット周波数を設定することにより、イメージ信号の影響を排除することが可能となる。
更に、各対の送受信機で受信周波数を確認し、周波数ずれを補正することにより、温度条件、設置環境、経年変化で使用周波数が変動した場合でも、各対の送受信機で使用される周波数を設定通りとし、検出感度を良好に維持することができる。
本発明の実施例のマルチラインセンサの全体の構成を示す側面図である。 図1のマルチラインセンサの上側2ラインの構成を示す側面図である。 実施例のマルチラインセンサにおける送受信の状態を説明するための図である。 実施例のマルチラインセンサの回路構成を示すブロック図である。 実施例のマルチラインセンサを構成する各対の送受信機で設定される周波数を示す説明図である。 実施例のマルチラインセンサで設定されるライン毎の設定周波数範囲、周波数オフセット等を説明するための図である。 実施例での周波数調整の動作を示すフローチャート図である。 実施例で監視システムを増やすときの構成を示す側面図である。 実施例の各システムで行われる周波数調整を説明するための図である。 従来の対向型ラインセンサにおける送受信の状態を説明するための図である。
図1及び図2に、実施例のマルチラインセンサ(マルチライン監視装置)の構成が示されており、図1に示されるように、マルチラインセンサは、グループAとして、周波数f1 の信号を送信するセンサ部F1 、周波数f2 の信号を送信するセンサ部F2 、周波数f3 の信号を送信するセンサ部F3 、周波数f4 の信号を送信するセンサ部F4 、周波数f5 の信号を送信するセンサ部F5 、グループBとして、周波数f6 の信号を送信するセンサ部F6 、周波数f7 の信号を送信するセンサ部F7 、周波数f8 の信号を送信するセンサ部F8 、周波数f9 の信号を送信するセンサ部F9 、周波数f10の信号を送信するセンサ部F10を設ける。上記センサ部のF1 とF6 、F2 とF7 、F3 とF8 、F4 とF9 、F5 とF10 のそれぞれは、同一高さのラインに配置される。また、各センサ部F1 〜F10には、上記信号を送信する送信機と共に、送信方向とは反対の方向の受信をする受信機を備える。即ち、グループAのセンサ部F1 〜F5 のそれぞれは、図の左から右へ向け(正方向とする)送信を行う送信機と共に、図の右から左方向(逆方向とする)への信号の受信を行う受信機を備え、グループBのセンサ部F6 〜F10のそれぞれは、逆方向の送信を行う送信機と共に、正方向の受信を行う受信機を備える。
図2は、上側2ラインの構成を示したもので、図示されるように、センサ部F1 には、周波数f1 を送信する送信機1tと周波数f6 を受信するための受信機6rが設けられ、同一ラインにあるセンサ部F6 には、周波数f1 を受信するための受信機1rと周波数f6 を送信する送信機6tが設けられ、その下のラインにあるセンサ部F2 には、周波数f2 を送信する送信機2tと周波数f7 を受信するための受信機7rが設けられ、同一ラインにあるセンサ部F7 には、周波数f2 を受信するための受信機と2r周波数f7 を送信する送信機7tが設けられる。そして、上記送信機1t,2tと受信機1r,2rは、正方向の送受信を行い、上記送信機6t,7tと受信機6r,7rは、逆方向の送受信をする。
図3には、高さの異なる2ラインの送受信機での送受信の状態が示されており、高さの異なるラインに送受信機を設けた場合、図3(A)に示されるように、降雨、降雪、落ち葉、雑草の生育等の環境で地面位置がE0 からE1 になり、送受信機2t,2rでの受信がハイトパターンの影響を受けたとしても、送受信機1t,1rではその影響がなく、送受信機間の物体(人や車等)の検出が可能となる。周波数が24GHz帯の場合、数cm程度の違いで影響度は大きく異なるが、異なる高さの複数ラインに送受信機を設置すれば、ハイトパターンの影響により物体検知(物体の遮断状態)ができないということがない。
また、図3(B)と図10(B)の比較で分かるように、複数のラインで面での監視をすることで、不感地帯Gを少なくすることが可能となる。即ち、人や車等の物体をいずれか1ラインではなく、複数ラインで同時の遮断により感知するので、物体の有無を確実に検出することができる。
図4に、実施例の回路ブロックが示されており、図の符号4は安定度の高い温度補償型水晶発振器(TCXO)、5はPLL(Phase Locked Loop:位相同期発振器)部で、6はVCO(電圧制御発振器)であり、実施例は、分数分周PLL(Fractional PLL)方式を用いている。また、7はアンプ、8は分配器、9a,9bはアンプ、10はLPF(ローパスフィルタ)、12aは送信アンテナ(TX)、12bは受信アンテナ(RX)、13はアンプ、14はアンプ9b出力のLO信号(ローカル信号)とアンプ13出力のRF信号を混合し、I信号及びQ信号を得るミキサ(例えばイメージリジェクションミキサ)、15a,15bはIF(中間周波数)アンプ、17a,17bはEVR(電子ボリューム)、18a,18bはIFアンプ、20はA/D変換部、FFT(高速フーリエ変換)処理部、判定処理部を有する信号処理部(マイクロコントロールユニット)である。
図5,図6には、上記センサ部F1 〜F10で割り当てられる周波数の関係が示されている。上記センサ部F1 〜F10で送信される信号は、上記の水晶発振器4からLPF10の回路で形成されて送信アンテナ12aから出力されるが、これらの周波数は、図5のようになっている。即ち、グループA(センサ部F1 〜F5 )の周波数f1 〜f5 とグループB(センサ部F6 〜F10)の周波数f6 〜f10は、それぞれチャンネル間隔(周波数)Fsを以って割り当てられると同時に、グループA,B間にオフセット周波数Fofが設定される。なお、上記チャンネル間隔Fsは、各センサ部に搭載されている発振器の性能から温度変動や経年変化の影響を受けた場合でも隣接するチャンネル周波数を越えない値とする。
図6(A)に示されるように、実施例では、送受信ライン毎に設定周波数範囲Fkが設けられる。複数の周波数を同時に受信する際には、イメージ信号や混変調等の不要な周波数が発生する場合があり、受信信号においてイメージ波と本来の受信波とを区別するために、受信信号周波数にライン毎の判定幅として上記設定周波数範囲Fkを設けている。
また、上記の設定周波数範囲Fkの範囲内に常に受信周波数を収め、複数の周波数の受信における混変調や予期せぬ外来波と本来の受信波を区別し性能を維持するために、周波数制御(AFC:Automatic frequency control)を行う必要があり、実施例では、その1つとして、グループA,B間にオフセット周波数Fofを設け、上記ミキサ14から生じるイメージ信号がライン毎の設定周波数範囲Fkに入らないようにする。
即ち、オフセット周波数Fofは、チャンネル間隔Fsよりも小さい値であり、図6(B)に示されるように、センサ部F3 とF8 の関係で説明すると、Fsの1/2と設定周波数範囲Fkを避けた範囲Wa,Wbに入る値にしている。数式にすると、オフセット周波数Fofは、Fof<Fsで、(Fs/2)+(Fk/2以上)を満足する値となる。
図6(C)には、受信機で受信されるイメージ信号が示されており、図示のように、ミキサ(イメージリジェクションミキサ)14によるイメージ信号は、DC(ゼロ)に対する正負の周波数の反対側に発生し、ミキサ14のIQ位相差や振幅差によりその大きさが異なる。
そこで、実施例では、グループ毎に周波数オフセットFofを与えることにより、受信機のIF帯域内におけるミキサ14よるイメージ信号が、各ラインの受信周波数(設定周波数範囲Fk)に重ならないようにしている。
以上の構成によれば、上記ミキサ14を用いることで、受信機の局部発信信号周波数Floに対して受信される周波数が同じ場合、受信機のIF出力信号はDC(ゼロ)となり、入力周波数が受信機のFloに対して高いと正方向(プラス側周波数)、低いと逆に負方向(マイナス側周波数)に出力される。
図5と図6(B)で説明すると、例えばセンサ部F8 からセンサF1 〜F4 を見た場合、周波数f1 ,f2 ,f3 が周波数f8 より低く(負の周波数)、周波数f4 ,f5 が周波数f8 より高く(正の周波数)なり、図6(B)のように、センサF8 →センサF1 のラインの周波数はFof+Fs+Fsであり、周波数f1 は、Floよりも低い周波数となり、マイナス側周波数に位置する。一方、センサF8 →センサF5 のラインの周波数はFs−Fof+Fsとなり、周波数f5 は、Floよりも高い周波数となり、プラス側周波数である。このような周波数関係は、各センサ部で得られたIF出力信号を信号処理回路20にてFFT変換し周波数分解することで容易に判定することができる。
上記実施例のように、監視のラインをより多くしたい場合、チャンネル間隔Fsは小さい方がよく、また送信機、受信機の周波数安定度があることが必要となる。一般的に、周波数安定度は経年変化、温度変動、初期偏差等の影響を受け、これらの影響はいかなる発振器を用いても避けることはできない。コストや装置規模を考慮するとIF周波数は数MHz以内に収めることが必要で、24GHz帯においてその周波数を維持し制御することは、周波数の割合から困難な課題となる。
また、上述のように実施例では、PLLの方式として分数分周PLLを用いている。
発振器の構成にPLL回路を用いた場合、周波数偏差は数PPMであるが、24GHz帯では1PPMが24kHzと比較的大きい値となる。
周波数でラインを確定する場合、各々の設定周波数範囲Fkを超える周波数変動はあってはならないため、装置の周波数安定度とチャンネル間隔Fs、更には受信機のIF帯域幅等を考慮する必要がある。また、周波数を安定化する手法としては、高安定度の温度制御型水晶発振器(OCXO:恒温槽付)を用いる方法もあるが、サイズやコストを考慮し、また限られたIF周波数帯域内に多くのラインを構成することを目的とし、温度補償型水晶発振器(TCXO)を用いた分数分周PLLを採用する。
この分数分周PLLによれば、細かなステップで周波数を設定することができ、24GHz帯で約百ヘルツのステップで周波数を制御することが可能である。
そして、実施例では、周波数の確度を上げるために、以下の周波数管理を行う。
即ち、監視用のセンサは、多くが屋外等に設置され、出荷又は設置以降は絶対周波数を管理することが困難であり、周波数補正を行うことで電波法に規定される帯域を逸脱することは許されないため、設定された初期周波数と予め判っている周波数補正値を管理する必要がある。そこで、実施例では、次のことを行っている。
1.工場出荷時の調整:各センサ部の周波数の偏差をゼロにするか、又はゼロに近づける。
即ち、マルチラインセンサの製造工程にて、校正された外部測定器を用いてセンサ周波数を絶対周波数に合わせ(ゼロ調整)、機差補正値をセンサに記憶する。
2.マルチラインセンサ運用時:周波数がずれてきた場合にPLLの周波数ステップを自動に更新して周波数がいつでも設定通りになるようにする(AFC)。
周波数の変更は、PLL部5における分数分周PLLの分子側変数を、周波数のずれに応じて信号処理回路20から変更指示を行うこととしている。
図7に、運用時の動作が示されており、図のステップ101では、信号処理回路20のFFT部にて受信周波数を解析し、ステップ102では、この解析された受信周波数と、設定・記憶された各センサ部F1 〜F10の各周波数とを確認し、ステップ103では、受信周波数が設定の周波数と同じであるかを判定し、周波数にずれがある場合は、設定の周波数になるように調整する。上記の動作は、信号処理回路20で行われ、この信号処理回路20から周波数補正値をPLL部5へ与える。即ち、出荷以降は相対周波数で判断し、温度条件や設置環境、経年変化で受信周波数が変化しても、それに合わせてPLL設定データを連動させることで、常に受信周波数が変動しないようにする。また、周波数補正値に制限(リミット)を設け、異常に変動量が多い場合は、機器の故障と判断する。
上記のPLL部5による周波数補正は、例えば信号処理回路20からの周波数補正値をDとすると、このDは、D=Δf/fsminで求められ、周波数補正が、fnum ±Dにより行われる。ここで、Δf:FFT部より求めた本来の周波数との差、fsmin=FTCXO/218[fsmin:1fnum 当りの変化量(fnum :PLL周波数分解能で、最小周波数ステップサイズを示す)]である。
このような周波数補正を行うことで、受信信号をFFT処理して得られる周波数を一定に保つことが可能となり、このような機能により、複数ある周波数とラインの相関が崩れ、ラインにおける物体有無検知の判断等に支障が生じないようにしている。
従って、本発明では、特別な周波数判定回路を設けず、PLLのレジスタ制御で信号処理側からの制御を行うことにより、良好な感度の下に高度な監視センサを実現することが可能となり、コスト面でも有利なセンサが得られるという利点がある。
なお、受信信号には、ミキサ14で生じるIQイメージの他に受信信号における混変調があるが、マルチラインセンサ自体、極小さな受信信号を扱うため、整数倍のスプリアス信号は、発生しない。但し、極近距離設置等の場合、理論上は起こりうる現象となるため、そのような設置条件においては送信電力を下げる等の別処置が必要となる。送受間距離10m〜100mを対象とする場合、上記の問題がないことを確認している。
更に、実施例では、図8に示されるように、センサF1 〜F10からなる構成(図5)をシステム1とし、システム2,3…と増やすことができる。
しかし、この場合は、他のマルチラインセンサ群との電波干渉が予想されるため、周波数を群分けして周波数管理を行う。例えば、システム1とシステム2を隣接させ設置した場合、電波は互いのライン範囲を超えて到達するため、システム2の受信機では、システム1の送信信号も受信してしまうので、システム1とシステム2においては、互いに周波数を変えて運用する。
そして、実施例では、各システム群における周波数の調整を行っている。
各々のセンサ部F1 〜F10には、それぞれ周波数調整機能があるため、対向する全てのセンサにて互いの周波数調整が行われると、無限ループに陥り周波数が定まらないことが生じる。そこで、システム群には、各々対向するいずれか一方を、他方に合わせて周波数調整するか、又は基準機(マスター)を決めてその基準機に合わせて周波数調整する機能を設けている。
図9(A)は、グループAをグループB(又はその逆)に合わせる周波数調整であり、例えばセンサ部F1 の周波数(送信周波数)f1 とセンサ部F6 の周波数(送信周波数)f6 の周波数を調整し(相対的関係を調整し)、同様にして、F2 とF7 、F3 とF8 、F4 とF9 、F5 とF10の周波数の相対的関係を調整するようにする。
図9(B)は、基準機を決めて周波数調整するもので、例えばセンサ部F1 を基準機とし、先にセンサ部F6 〜F10の周波数(送信周波数)とF1 の周波数(送信周波数)を調整し、その後、F2 〜F5 については対向するF7 〜F10の周波数と合わせている。これにより、システム内全てのセンサ部がF1 の周波数に対して調整されることになる。
上記実施例では、センサ部を5対向のラインとしたが、IF信号処理の周波数帯域の制限内(受信機のIF周波数帯域幅とIF処理用FFTサンプル、ナイキスト周波数等の制限内)であれば、対向するセンサ部のラインを更に増やすことが可能である。
1t,2t…送信機、 1r,2r…受信機、
4…温度補償型水晶発振器、 5…PLL部、
6…VCO、 10…LPF、
14…ミキサ、 20…信号処理回路、
F1 〜F10…センサ部。

Claims (5)

  1. 送信機と受信機が対向する複数対の送受信機を備え、
    この複数対の送受信機のそれぞれを高さの異なるライン上に配置すると共に、
    この各対の送受信機はそれぞれ異なる周波数の信号を送受信し、
    上記複数対の送受信機間で送信される信号を遮断する物体を監視するマルチラインセンサ。
  2. 同一高さのラインの上記送受信機に、送受信方向が逆となるもう1対の送受信機を配置し、この正逆各対の送受信機においても異なる周波数の信号を送受信することを特徴とする請求項1記載のマルチラインセンサ。
  3. 上記各対の送受信機において、受信信号とイメージ信号を区別するためライン毎に設定周波数範囲を設けることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチラインセンサ。
  4. 基準周波数を発振する発振器と、
    この発振器の出力に基づき各対の送受信機に使用する周波数信号を出力するPLL回路と、
    上記受信機からの受信信号と上記PLL回路に基づいて得られた局部発振信号とを混合するミキサと、
    このミキサの出力から受信周波数を解析する周波数解析回路とを備え、
    上記正方向送受信機の使用周波数と上記逆方向送受信機の使用周波数との間に、イメージ信号が上記ライン毎の設定周波数範囲に入らないようにするためのオフセット周波数を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマルチラインセンサ。
  5. 各対の送受信機では、上記周波数解析回路から得られた受信周波数を確認し、周波数のずれが生じた場合は、補正データを上記PLL回路へ出力することにより、各対の送受信機の送信周波数を補正・更新することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマルチラインセンサ。
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