JP2017146052A - 冷風乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギーの無駄を低減して乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置を提供する。【解決手段】本発明の冷風乾燥装置は、乾燥室内の乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置であって、乾燥室内に設置されて、乾燥室内の空気中の水分を、冷却によって除去する除湿用熱交換器と、除湿用熱交換器への冷媒循環を行う圧縮機と、圧縮機を制御する制御部と、を備え、制御部は、乾燥対象物の目標水分量に至るまでの制御関係式に基づいて、圧縮機を制御し目標水分量は、乾燥対象物の種類、量、個数、要求水分量および特性の少なくとも一つで定まる。【選択図】図1

Description

本発明は、必要な乾燥をさせる乾燥対象物に対して乾燥をおこなう冷風乾燥装置に関する。
必要に応じて室内の湿度を下げて除湿を行う除湿機がさまざまに利用されている。一般的なエアコンなどの空調機器においても、いわゆる「ドライ」と呼ばれる除湿機能が備わっている。このような除湿機能によって、室内の湿度を下げることが行われている。
家庭用、オフィス用、工場用などの除湿装置は、熱交換器によって室内の高い温度を下げることで、室内空気を露点に近づけて、室内空気に含まれる水分を取り除くことで、除湿を行う。このような家庭用やオフィス用の除湿装置は、室内の作業者等が不快に感じない程度の湿度に除湿することを目的としている。このため、除湿の程度や、除湿状態の維持などにおける精度への要求は高くない。
一方で、食品工場などにおいては、乾燥対象物を一定の水分量にまで乾燥させる必要がある。例えば、干物工場においては乾燥対象物である魚を、所定の水分量以下にまで乾燥させる必要がある。あるいは、食肉工場においても、乾燥対象物である食肉を所定の水分量以下にまで乾燥させる必要がある。
このような所定の水分量以下にまで乾燥させる必要がある乾燥対象物を乾燥させるには、室内に冷風を供給しつつ、十分な能力、精度、時間での乾燥を行うことが求められる。
乾燥対象物を、所定の水分量まで乾燥させるために、乾燥対象物の置かれた室内において、室内の空気を取り込んで熱交換器で冷却して除湿し、除湿した空気を室内に戻す、冷風乾燥装置が使用されている。熱交換器で空気を冷却することで、空気が露点に達して水蒸気が液化して水分が除去され、除湿された空気が、室内に戻ることが繰り返されることで、室内の湿度が低下する。
このように室内の湿度が低下することで、室内に置かれている乾燥対象物の水分量が低下する。この低下によって、冷風乾燥装置は、乾燥対象物を所定の水分量まで乾燥させることができる。
このような状況において、干物を乾燥させる冷風乾燥装置に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2011−185592号公報 特開2015−045476号公報
特許文献1は、乾燥室と乾燥室内へ吸入する空気量を調整するための吸入量調整手段を設けた吸入部と前記乾燥室内の空気を排出すると共に前記乾燥室内を減圧するための排気装置を設けた排気部とからなり、前記乾燥室内を大気圧から0.1〜3Kpa減圧した状態で被乾燥物を乾燥させることを特徴とした乾燥機を開示する。
特許文献1の乾燥器は、乾燥対象物を備える乾燥室を減圧することで、乾燥対象物の水分を低減させて乾燥させることを実現する。
しかしながら、特許文献1は、減圧による乾燥であり、その装置が大がかりとなってコストが高くなる問題がある。また、乾燥対象物を乾燥させる乾燥室内部の気圧が減圧されるので、乾燥室内部での人力による作業が難しくなる問題がある。
特許文献2は、乾燥室11にその内部の空気を循環させる送風ファン15とオゾン発生器16を備え、乾燥室11内に仕切板17aにより仕切られた通路17が形成され、その通路17内に、冷却器18、再熱器19、ヒータ20及び除湿ファン21が前方から後方に向かってこの順序で配置される。除湿ファン21により冷却器18及び再熱器19が有する複数枚のフィンの隙間に乾燥室11の空気を通過させる。乾燥室11内の空気中の水分にオゾン発生器16から発生するオゾンを溶解させて、乾燥室11内の空気がオゾン水を含むようにし、そのオゾン水を冷却器18のフィンに凝結、着霜させる除湿過程と、冷却器のフィンに着霜した霜を融かして排水する除霜過程との切り替えることで、オゾン水の酸化作用により、冷却器18のフィンを除菌、消臭するようにした乾燥機を開示する。
特許文献2は、冷風を乾燥室内部に送り込むことで、室内の湿度を低下させて、乾燥対象物の水分量を低減させていくことができる。すなわち、特許文献2は、冷風乾燥の機能によって、乾燥対象物を乾燥させる。
しかしながら、特許文献2の冷風乾燥装置は、乾燥室内部へ冷風を供給するためにコンプレッサーを使用する。このコンプレッサーは、乾燥室内部の空気と外部の空気とを交換するために動作する。特許文献2の冷風乾燥装置を始めとした一般的な冷風乾燥装置では、このコンプレッサーが、動作時間においては連続運転もしくは必要な能力での全力運転を行っている。
特許文献2であれば、乾燥室内部の乾燥対象物を乾燥させることを目的としている。このため、特許文献2の冷風乾燥装置は、冷風を供給するためのコンプレッサーを連続運転させる。あるいは、乾燥対象物の乾燥を想定した湿度となるレベルに設定された状態での全力運転を、コンプレッサーは行っている。
あるいは、家庭用やオフィス用の一般的な空調機器の冷風乾燥装置能を用いる場合でも、設定された状態での全力運転を、コンプレッサーは行うことになる。
このようなコンプレッサーの連続運転や全力運転(設定レベルでの全力運転)は、コンプレッサーを動作させる電力等のエネルギーの無駄を生じさせる。近年の環境意識の高まりにより、温度や湿度などの調整においても、消費するエネルギーを低減させることが求められている。このため、乾燥対象物を乾燥させる際に、コンプレッサーが、連続運転や設定湿度に対応する全力運転を行うことは好ましくない。
特に、従来技術の冷風乾燥装置は、設定された温度や湿度に対応して、コンプレッサーは全力運転を行う。このため、乾燥対象物の乾燥度合いに関係なく、設定された温度や湿度に対応した運転を、従来技術の冷風乾燥装置は継続させてしまう。このため、従来技術の冷風乾燥装置は、消費エネルギーの無駄を生じさせてしまう。
また、冷風乾燥装置は、乾燥室内部に熱交換器を備える。冷風乾燥装置は、この熱交換器を介して冷風を乾燥室に供給するが、熱交換器が熱交換での冷却によって、結露してしまうことがある。結露した水分は、凍結することもある。この凍結した結露が溶けると、熱交換器の外部である乾燥室に水分が供給されることになる。
すなわち、冷風乾燥装置が冷風を供給して乾燥室内部の湿度をさげる運転を行いながら、取り除いた乾燥室の水分による結露での水分を、再び乾燥室に戻すことを行ってしまう。
大きなエネルギーを消費しながら、結露によって除去した水分の一部を乾燥室内部に戻すことによる無駄も、従来技術の冷風乾燥装置では問題となっていた。
すなわち、従来技術の冷風乾燥装置は、連続運転等によるエネルギーの無駄と、水分の逆戻りによるエネルギーの無駄を生じさせる問題を有していた。
本発明は、上記課題に鑑み、エネルギーの無駄を低減して乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の冷風乾燥装置は、乾燥室内の乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置であって、
前記乾燥室内に設置されて、前記乾燥室内の空気中の水分を、冷却によって除去する除湿用熱交換器と、
除湿用熱交換器への冷媒循環を行う圧縮機と、
圧縮機を制御する制御部と、を備え、
制御部は、乾燥対象物の目標水分量に至るまでの制御関係式に基づいて、圧縮機を制御し
目標水分量は、乾燥対象物の種類、量、個数、要求水分量および特性の少なくとも一つで定まる。
本発明の冷風乾燥装置は、乾燥対象物の乾燥度合いに応じて最適な運転を行うことができる。乾燥対象物は、乾燥作業によって次第に乾燥度合いが上昇するので、本発明の冷風乾燥装置は、この乾燥度合いの上昇に合わせた運転で、消費エネルギーの無駄を低減できる。
また、本発明の冷風乾燥装置は、凍結した結露を、温度の高い冷媒で溶かした上で、下向きの送風により外部排出を容易化できる。この結果、除去した水分の再供給を生じさせない。
本発明の実施の形態1における冷風乾燥装置の設置状態の模式図である。 本発明の実施の形態1における冷風乾燥装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器3の周辺模式図である。 本発明の実施の形態1における制御関係式の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における制御関係式の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における冷風乾燥装置のブロック図である。 本発明の実施の形態3における乾燥モードでの動作状態を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3における解凍モードでの動作状態を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3における除湿用熱交換器の周辺の模式図である。
本発明の第1の発明に係る冷風乾燥装置は、乾燥室内の乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置であって、
乾燥室内に設置されて、乾燥室内の空気中の水分を、冷却によって除去する除湿用熱交換器と、
除湿用熱交換器への冷媒循環を行う圧縮機と、
圧縮機を制御する制御部と、を備え、
制御部は、乾燥対象物の目標水分量に至るまでの制御関係式に基づいて、圧縮機を制御し
目標水分量は、乾燥対象物の種類、量、個数、要求水分量および特性の少なくとも一つで定まる。
この構成により、無駄なエネルギーを低減しつつ、乾燥対象物に最適な制御によって、乾燥を行うことができる。
本発明の第2の発明に係る冷風乾燥装置では、第1の発明に加えて、制御関係式は、制御部に動作プログラムとして記憶される。
この構成により、制御部は、予め設定された動作プログラムで動作することができる。
本発明の第3の発明に係る冷風乾燥装置では、第1または第2の発明に加えて、制御関係式は、乾燥対象物の目標水分量に至るまでの時間の要素および乾燥室内部の湿度の要素を含む。
この構成により、乾燥対象物の経験的な乾燥手順に合わせた乾燥を実現できる。
本発明の第4の発明に係る冷風乾燥装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、制御部は、制御関係式に基づいて、圧縮機の運転期間および停止期間を制御する。
この構成により、エネルギーの無駄を低減できる。
本発明の第5の発明に係る冷風乾燥装置では、第4の発明に加えて、制御部は、乾燥対象物の目標水分量に近づくに従い、圧縮機の運転期間を減少させる。
この構成により、乾燥が進んだところでの過剰な乾燥を防止して、エネルギーの無駄を低減できる。
本発明の第6の発明に係る冷風乾燥装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、除湿用熱交換器を収容する筐体と、
乾燥室と筐体内部との空気を循環させるファンと、を更に備え、
制御部は、乾燥室内部の湿度に基づいて、ファンの回転数を制御する。
この構成により、筐体に取り込む乾燥室内部の空気の量を調整して、乾燥の促進を変化させることができる。
本発明の第7の発明に係る冷風乾燥装置では、第6の発明に加えて、制御部は、乾燥室内部の湿度が所定値以上の場合には、ファンの回転数を増加させ、乾燥室内部の湿度が所定値未満の場合には、ファンの回転数を減少させる。
この構成により、湿度に合わせて、乾燥度合いを変えることができる。
本発明の第8の発明に係る冷風乾燥装置では、第6または第7の発明に加えて、筐体内部の内部空気を加熱する加熱用熱交換器を更に備え、
加熱用熱交換器は、圧縮機からの気化冷媒を受けて、内部空気を加熱する。
この構成により、冷却された空気による乾燥室内の温度低下を防止できる。
本発明の第9の発明に係る冷風乾燥装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、乾燥対象物の乾燥状態を検出する検出部を更に備え、
制御部は、乾燥状態に基づいて、圧縮機の運転期間および停止期間を制御する。
この構成により、実際の乾燥対象物の乾燥状態に合わせて、乾燥能力を制御できる。
本発明の第10の発明に係る冷風乾燥装置では、第9の発明に加えて、乾燥状態は、乾燥対象物の表面水分量および乾燥対象物の内部水分量の少なくとも一つを含む。
この構成により、乾燥対象物の乾燥状態を、正確に把握できる。
本発明の第11の発明に係る冷風乾燥装置では、第10の発明に加えて、制御部は、表面水分量および内部水分量の少なくとも一方が小さくなるのに従い、圧縮機の運転期間を減少させる。
この構成により、実際の乾燥対象物の乾燥状態に合わせて、乾燥能力を制御できる。
本発明の第12の発明に係る冷風乾燥装置では、第8から第11のいずれかの発明に加えて、圧縮機と加熱用熱交換器の間、加熱用熱交換器および除湿用熱交換器の間および除湿用熱交換器と圧縮機との間のそれぞれは、冷媒循環路で接続され、
乾燥対象物を乾燥させる乾燥モードにおいては、
圧縮機は、気化冷媒を加熱用熱交換器に送出すると共に、除湿用熱交換器からの気化冷媒を受ける循環方向で冷媒を循環させ、
除湿用熱交換器の凍結水分を除去する解凍モードにおいては、
圧縮機は、気化冷媒を除湿用熱交換器に送出すると共に、加熱用熱交換器からの気化冷媒を受ける循環方向で冷媒を循環させる。
この構成により、除湿用熱交換器に凍結した水分を解凍して除去できる。
本発明の第13の発明に係る冷風乾燥装置では、第12の発明に加えて、除湿用熱交換器の上方から下方に向けて風を供給する送風ファンを更に備え、
送風ファンは、解凍モードで解凍された除湿用熱交換器の結露水分を下方に落下させる。
この構成により、凍結水分を乾燥室に戻すことを防止できる。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
(全体概要)
まず、実施の形態1における冷風乾燥装置の全体概要について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における冷風乾燥装置の設置状態の模式図である。図2は、本発明の実施の形態1における冷風乾燥装置のブロック図である。
冷風乾燥装置1は、乾燥室10に設置されている。また、乾燥室10内部には、乾燥対象物20が載置されている。すなわち、冷風乾燥装置1は、乾燥室10内部の乾燥対象物20を乾燥させる。ここで、乾燥対象物20を乾燥させるとは、水分量を含んだ乾燥対象物20の水分量を、目標とする目標水分量に至るまで、乾燥対象物20の水分量を低減させることである。
冷風乾燥装置1は、筐体2、除湿用熱交換器3、圧縮機4、制御部6を備える。図1、図2には、これら以外の要素も示しているが、これらの要素を含んでもよい。これらの要素として、冷風乾燥装置1は、筐体2、冷媒循環路5、加熱用熱交換器7、ファン8を、備える。これらは、必要に応じて設けられれば良い。
冷風乾燥装置1は、筐体2内部に乾燥室10内部の空気を取り込む。筐体2によって、内部空間が形成され、乾燥室10に設置された冷風乾燥装置1は、この内部空間と乾燥室10との間で、空気の入れ替えを行える。この入れ替えの中で、乾燥室10の空気を、筐体2内部に取り込むことができる。
ファン8は、この乾燥室10と筐体2内部との空気の入れ替えを行う。
筐体2内部には、除湿用熱交換器3が設置されている。除湿用熱交換器3は、冷媒循環路5で圧縮機4と接続されている。圧縮機4は、除湿用熱交換器3に、冷媒循環路5を介して冷媒の供給と受け取りの循環を行う。この冷媒循環によって、除湿用熱交換器には、液化した液化冷媒が供給される。
液化冷媒は、除湿用熱交換器3に供給されると、除湿用熱交換器3と接する空気を冷却できる。除湿用熱交換器3は、筐体2内部に設けられる。筐体2には、乾燥室10の空気が流入する。除湿用熱交換器3は、筐体2内部に取り込まれた空気を、液化冷媒で冷却できる。
除湿用熱交換器3で筐体2内部の空気が冷却されると、この空気は露点に達する。露点に達することで、空気中の水蒸気が結露して液体の水分として除去される。除去された水分は、筐体2から乾燥室10の外部に排出される。このようにして、筐体2に取り込まれた乾燥室10の空気を除湿できる。
この除湿された空気が筐体2から乾燥室10に供給され、この空気の取り込み、除湿、供給が繰り返されることで、冷風乾燥装置1は、乾燥室10の空気を除湿できる。
乾燥室10の内部の空気が除湿されることで、湿度が低下する。乾燥室10の湿度が低下することで、乾燥室10に設置されている乾燥対象物20も乾燥され、乾燥対象物20が含む水分量が減少していく。乾燥対象物20の含む水分が、湿度の低下した乾燥室10の空気中に水蒸気として放出されるからである。
この乾燥対象物20の水分を含んだ乾燥室10の空気は、再び、筐体2内部に取り込まれて除湿用熱交換器3で除湿される。除湿されて再び乾燥室10に供給されることが繰り返される。この繰り返しの中で、乾燥対象物20は、次第にその水分量を減少させていく。
ここで、冷風乾燥装置1は、乾燥室10を除湿することが目的ではなく、乾燥対象物20を目標とする目標水分量にまで乾燥させることが目的である。従来技術では、冷風乾燥装置では、圧縮機が全力運転を続けており、エネルギーの無駄が生じていた。
実際には、乾燥対象物20の種類、量、特性などによって、目標水分量までの乾燥では、一本調子の全力乾燥が必要なわけではないことも多い。
制御部6は、圧縮機4の動作を制御する。制御部6は、乾燥対象物20の目標水分量に至るまでの制御関係式に基づいて、圧縮機4の動作を制御する。すなわち、乾燥対象物20が目標水分量に減じるまでに圧縮機の運転や停止を切り替える関係式に基づいて、圧縮機4を制御する。この制御によって、圧縮機4の連続的かつ一本調子の全力運転を抑制できる。この抑制によってエネルギーの無駄を低減できる。
ここで、目標水分量は、乾燥対象物20の種類、量、個数、要求水分量および特性の少なくとも一つに基づいて定められる。要求水分量は、乾燥対象物20の種類などによって要求される乾燥後の水分量である。
このように、乾燥対象物20の種類や特性に応じて定まる目標水分量と、これに至るまでの制御関係式に基づいて、制御部6は、圧縮機4を制御する。この制御においては、圧縮機4は、運転や停止を実行する。運転と停止が実行されることで、連続の全力運転よりも、エネルギーの無駄を防止できる。
特に、制御部6は、乾燥対象物20によって異なる目標水分量となるまでの制御関係式で制御するので、乾燥対象物20の目標とできる乾燥を実現できる。その中で、最適な能力での運転により、エネルギーも低減できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(乾燥室と乾燥対象物)
乾燥室10は、乾燥対象物20を収容する空間を持つ設備や施設である。あるいは、それらの一部であって、乾燥対象物20を収容する空間であればよい。
乾燥対象物20の種類や特性によって乾燥室10も異なる。例えば、乾燥対象物20が魚の干物であれば、乾燥室10は、干物工場であり、乾燥対象物20が肉製品であれば、乾燥室10は、食肉加工場である。あるいは、乾燥対象物20が工業製品である場合には、乾燥室10は、工場やその一部である。
乾燥室10は、乾燥対象物20を冷風乾燥装置1により乾燥させるので、一定の密閉を実現できることが好ましい。例えば、出入り口が閉鎖可能である。また、乾燥室10は、冷風乾燥装置1を設置可能であることも好ましい。例えば、壁や天井に設置するスペースが備わっていることが好ましい。
乾燥室10は、冷風乾燥装置1から供給される除湿された空気を、室内全体に循環させやすい構造を有していることも好適である。例えば、壁や天井の摩擦係数が低かったり、対流しやすいような面となっていたりすることが好適である。あるいは、対流を生じさせるファンを備えていたり、渦流を生じさせる突起物を壁などに備えていたりすることも好適である。
乾燥対象物20は、乾燥室10内部に設置される。ここで、図1のように、棚11に、複数の乾燥対象物20が設置されていることもよい。例えば、乾燥対象物20が、干物や食肉のような食材である場合には、複数の食材が乾燥させられることが必要である。このような目的に対応して、複数の乾燥対象物20を分離して設置できるように、棚11が用いられることが好適である。
乾燥対象物20は、干物や食肉などの食材、あるいは工業製品など、その完成までの工程で乾燥を必要とするモノである。この乾燥を必要とすることで、乾燥室10内に設置されて、冷風乾燥装置1での除湿により乾燥室10内部の湿度が下がる。この乾燥室10の湿度低下により、乾燥対象物20そのものも水分が減少して必要な乾燥が行われる。
ここで、乾燥対象物20は、一定の乾燥を非常に長期間にわたって継続しなければならないものではない。あるいは、水分量が極めてゼロに近づくまで乾燥させなければならないものではない。
例えば、乾燥対象物20が、魚の干物である場合には、所定の水分量までに減少させることが必要であるが、ゼロまで乾燥させる必要はない。また、最初の水分量から所定の水分量まで減少させることを必要としているのであって、半永久的に乾燥状態にさらす必要があるものでもない。例えば、乾燥対象物20の内部水分量を30%まで減少させることが必要である。
これは、食肉などの食材や工業製品でも同様である。
すなわち、実験室、オフィス、工場、施設などのように、内部に使用者が居る限りは、一定の湿度をずっと維持する必要がある場合とは異なる。
また、乾燥対象物20によって、最初からあるところまでは早期に乾燥させる必要があり、その後はゆっくりと乾燥させることが必要なものもある。
このように、乾燥対象物20の乾燥においては、乾燥対象物20の特性に応じて、目標水分量やその実行時間などがさまざまである。このため、冷風乾燥装置1の運転もこれに合わせて行われる必要がある。制御部6は、この乾燥対象物20の特性などに応じた目標水分量によって定まる制御関係式で、圧縮機4を制御する。
なお、乾燥対象物20は、図1のように棚11におかれてもよいし、吊るされてもよい。また、単一の乾燥対象物20でもよいし複数の乾燥対象物20でもよい。また、同一種類の乾燥対象物20が設置されてもよいし、複数種類の乾燥対象物20が設置されてもよい。
(筐体)
筐体2は、乾燥室10内部に設置されて、乾燥室10の空気の一部を取り込んで除湿する空間を形成する。また、冷風乾燥装置1の必要な要素を格納して、冷風乾燥装置1の外形を形成する。
筐体2内部は、内部空間を有し、取り込んだ乾燥室10の空気の除湿を行う空間を提供する。このため、筐体2内部に除湿用熱交換器3が設置される。また、冷風乾燥装置1が乾燥室10に設置できるよう、取付け具などが備わっていることも好適である。
筐体2は、乾燥室10と筐体2内部との空気を循環させるファン8を備えることも好適である。筐体2が、部分的に開口部分を有していれば、乾燥室10と筐体2内部とで空気を循環させる(空気を入れ替える)ことは可能である。これに、ファン8が加わることで、この空気循環が促進される。
ファン8が回転することで、空気の流れが生じ、この流れが筐体2内部と乾燥室10との空気循環を作る。空気循環によって、次々と空気が筐体2内部に流入する。結果として、除湿用熱交換器3で次々と除湿され、除湿された空気が次々と乾燥室10に供給される。
このように、ファン8の動作によって、乾燥室10の乾燥が進行しやすくなる。
(除湿用熱交換器)
除湿用熱交換器3は、筐体2内部に設けられると共に、圧縮機4からの液化冷媒を受けて、筐体2内部に取り込まれた空気を冷却する。液化冷媒との熱的な接触により、筐体2内部の空気を冷却できるからである。冷却されると、空気は露点に達する。露点に達すると、空気が含んでいる水蒸気が結露して、液化水分として除去される。
このように、除湿用熱交換器3は、筐体2内部に取り込まれた空気を、冷却により除湿できる。この除湿された空気が乾燥室10に再放出されることで、乾燥室10内部の湿度が低下していく。
また、図3のように、除湿用熱交換器3の下にドレンパン21が備わっていることも好適である。図3は、本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器3の周辺模式図である。
除湿用熱交換器3の下にドレンパン21が設けられている。ドレンパン21は、乾燥室10外部に繋がるダクトを備えており(図示せず)、除湿用熱交換器3で除湿されて結露した水分31を乾燥室10の外部に排出する。
圧縮機4の動作が制御されることで、除湿用熱交換器3は、液化冷媒を受けて除湿を行い、液化冷媒を受けない期間においては、除湿を行わない。制御部4の運転と停止に合わせて、除湿用熱交換器3の機能発揮が切り替わる。
(加熱用熱交換器)
冷風乾燥装置1は、加熱用熱交換器7を更に備えることも好適である。
加熱用熱交換器7は、筐体2内部に設けられ、筐体2内部の空気を加熱する。筐体2内部では、除湿用熱交換器3で空気が冷却・除湿される。この除湿された空気は冷却されているので、この冷却された空気がそのまま乾燥室10に供給され続けると、乾燥室10内部の温度が下がりすぎてしまうことがある。
このため、加熱用熱交換器7は、除湿用熱交換器3で冷却された筐体2内部の空気を加熱する。この加熱した空気を乾燥室10に送り出すことで、除湿による温度低下を低減できる。
ここで、加熱用熱交換器7は、冷媒管路51で圧縮機4と接続されている。この冷媒管路51は、気化している気化冷媒を、圧縮機4から加熱用熱交換器7に送出する。加熱用熱交換器7は、この気化冷媒を用いて、熱的に接触する空気を加熱する(温める)。
ファン8は、加熱された空気を筐体2から乾燥室10に送り出す。
また、加熱用熱交換器7と除湿用熱交換器3とは、冷媒管路52で接続されている。この冷媒管路52は、加熱用熱交換器7と除湿用熱交換器3との間の冷媒循環を実現する。除湿を行う除湿モードにおいては、加熱用熱交換器7で加熱に使用された気化冷媒は、冷たい空気との熱交換によって液化する。この液化した液化冷媒が、冷媒管路52を通じて、加熱用熱交換器7から除湿用熱交換器3に送出される。
除湿用熱交換器3は、この冷媒管路52を通じて送られる液化冷媒を受けて、筐体2内部の空気を冷却できる。この冷却での熱交換で、除湿用熱交換器3では、液化冷媒が、気化して気化冷媒になる。
除湿用熱交換器3と圧縮機4とは、冷媒管路53で接続されている。冷媒管路53は、気化冷媒を、除湿用熱交換器3から圧縮機4に送出する。圧縮機4には、このように再び気化冷媒が取り込まれ、この気化冷媒を、冷媒管路51を通じて、加熱用熱交換器7に送出する。
このように、冷媒循環を最適化して、加熱用熱交換器3は、除湿用熱交換器3で冷却された空気を暖めて、乾燥室10に送り出す。結果として、除湿を実現しつつ、乾燥室10の温度低下を防止できる。
(圧縮機)
圧縮機4は、冷媒を循環させて、除湿用熱交換器3や加熱用熱交換器7に、気化冷媒や液化冷媒を供給できる。
圧縮機4は、運転を行うことで動作を実現し、運転期間において冷媒の循環を実現する。逆に運転を停止している停止期間では、冷媒循環を停止する。この運転期間において、圧縮機4は、エネルギーを消費する。従来技術の冷風乾燥装置では、この圧縮機が連続運転されており、無駄なエネルギーを消費していた。
実施の形態1の冷風乾燥装置1は、制御部6によって圧縮機4の運転が制御される。ここで、制御関係式で制御されるので、圧縮機4の運転期間と停止期間が制御される。例えば、乾燥対象物20が目標水分量に達する最終的な乾燥までにおいて、制御部6は、圧縮機4が運転している期間(運転期間)と停止している期間(停止期間)のそれぞれを、切り替える。すなわち、最終的な乾燥までに、圧縮機4は、停止している停止期間を有するようになる。
この停止期間によって、圧縮機4は、エネルギーの無駄を防止できる。停止期間は、乾燥対象物20の最終的な乾燥までにおいて停止させても問題ない期間だからである。
また、制御部6は、圧縮機4の動作期間と停止期間のみではなく、圧縮機4の運転回転数や運転能力を低減するなどの制御を行うことでもよい。この場合でも、乾燥に必要でない圧縮機4の動作を行うことでの、無駄なエネルギーを防止できるからである。
(制御部)
(圧縮機の制御)
制御部6は、制御関係式に基づいて、圧縮機4の動作を制御する。制御関係式は、図4のように、目標水分量に至るまでの時間との関係式である。図4は、本発明の実施の形態1における制御関係式の一例を示すグラフである。
図4の曲線Aは、ある乾燥対象物20の目標水分量までの理想的な水分量の減少を示す水分量減少曲線である。乾燥対象物20の種類や特性によって、一定の減少ではなく、時間に対する変化曲線での減少が好ましい場合がある。この変化曲線が、曲線Aである。
制御関係式は、この曲線Aに対応する曲線Bである。曲線Aを実現するための曲線Bが、制御関係式であり、制御部6は、この曲線Bで表される制御関係式で圧縮機4を制御する。曲線Bの傾きがなだらかな期間では、制御部6は、圧縮機4の停止期間を長くしたり、停止期間の発生数を多くしたりする。曲線Bの傾きが急な期間では、制御部6は、圧縮機4の運転期間を長くしたり、運転期間の発生数を多くしたりする。
このように、乾燥対象物20の目標水分量に至るまでの水分量減少曲線に基づく制御関係式(曲線B)で、制御部6が熱交換器4を制御する。この結果、最適な乾燥が実現されると共に、無駄なエネルギーを低減できる。特に、乾燥対象物20の特性に対応した乾燥により、最適な干物などの製造が実現できる。
このように制御関係式は、乾燥対象物20の目標水分量に至るまでの時間の要素を含む。あるいは、図5のように、乾燥室の湿度の要素を含む制御関係式でもよい。図5は、本発明の実施の形態1における制御関係式の一例を示すグラフである。
曲線Cは、乾燥室10の湿度と時間の関係での制御関係式である。この制御関係式は、乾燥対象物20の目標水分量までの経緯である曲線Aに基づいている。このとき、制御部6が参照するのが乾燥室10の湿度である制御関係式であり、この制御関係式で、制御部6は、熱交換器4を制御する。
この場合も、最適な乾燥が実現されると共に、無駄なエネルギーを低減できる。
なお、制御関係式は、制御部6が備える記憶部に、動作プログラムとして記憶されればよい。制御部6は、メモリなどの記憶部とプロセッサを備え、コンピュータープログラムを動作可能である。このコンピュータープログラムとしての動作プログラムとして、制御関係式が記憶部に記憶される。この記憶によって、制御部6は、制御関係式で、圧縮機4を制御する。上述のように、圧縮機4の運転期間と停止期間を制御する(それぞれの切り替え時刻、時間、回数など)。
また、制御部6は、乾燥対象物20の目標水分量に近づくに従い、圧縮機4の運転期間を減少させることも好適である。目標水分量に近づくに従い、乾燥に必要なエネルギーを小さくしてもよいからである。この結果、無駄なエネルギーの低減が更に進む。
なお、制御部6は、制御関係式を動作プログラムとして記憶してもよいし、外部の操作装置に記憶させてもよい。制御関係式は、関係式、グラフ、その他で定義されればよい。
(ファンの制御)
制御部6は、筐体2に設けられるファン8を制御することも好適である。ファン8は、筐体2に設けられ、筐体2と乾燥室10との間で空気の入れ替えを行う。この空気の入れ替えの度合いは、乾燥対象物20の乾燥度合いの進行に係る。このことから、制御部6は、ファン8の動作も制御することで、乾燥対象物20の乾燥進行を制御できる。
このとき、制御部6は、ファン8の回転数を制御する。特に、乾燥室10内部の湿度に基づいて、ファン8の回転数を制御する。制御部6は、乾燥室10内部の湿度が所定値以上の場合には、ファン8の回転数を増加させる。乾燥室10内部の湿度が高い場合には、乾燥対象物20の乾燥の進行が不十分になる。この場合には、乾燥室10内部の空気をより多くより速く筐体2内部に取り込んで、除湿用熱交換器3で除湿することが必要である。ファン8の回転数が増加することで、筐体2内部への空気の取り込み速度が速くなり、除湿用熱交換器3による除湿が促進される。
逆に、制御部6は、乾燥室10内部の湿度が所定値未満の場合には、ファン8の回転数を減少させる。乾燥室10内部の湿度が十分に低いことで、筐体2への空気の取り込み速度が遅くても問題ないからである。ファン8の回転数を、乾燥対象物20の乾燥において問題が無い程度に低下させることで、エネルギーの無駄を低減できるメリットもある。
以上のように、実施の形態1における冷風乾燥装置1は、エネルギーの無駄を低減しつつ、乾燥対象物20によって定まる最適な制御で、乾燥対象物20を乾燥させることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2における冷風乾燥装置のブロック図である。実施の形態2の冷風乾燥装置1は、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する検出部9を更に備える構成を有する。この検出部9によって、制御部6は、圧縮機4を制御する。
検出部9は、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。検出部9は、検出した乾燥状態の結果を、制御部6に出力する。制御部6は、この乾燥状態に基づいて、圧縮機4を制御する。すなわち、圧縮機4の運転期間および停止期間を制御する。
乾燥対象物20が魚介類の干物や食肉などであれば、検出部9は、乾燥対象物20の内部にセンサーを挿入して、その乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。
あるいは、検出部9は、乾燥対象物20の周囲の湿度を測定したり、乾燥対象物20と接触することでその湿度を測定したりする。このような湿度の測定によって、検出部4は、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。
あるいは、検出部9は、乾燥室10内部の湿度を検出することで、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。このとき、乾燥室10と乾燥対象物20(の種類や量、乾燥度合いの目標)との相関関係により、検出部9は、乾燥室10の湿度に基づいて、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。
このように、検出部9は、直接的あるいは間接的な手法で、乾燥対象物20の乾燥状態を検出する。このために、検出部9は、湿度計、温度計、水分センサーなどを備えている。
ここで、乾燥状態は、乾燥対象物20の表面水分量および乾燥対象物20の内部水分量の少なくとも一つを含む。これらのいずれかもしくは組み合わせについて検出することで、乾燥対象物20に必要となる乾燥目標に基づく、現在の乾燥状態を把握することができる。特に、乾燥対象物20の種類、量、特性によって、乾燥状態としてより把握の適切な方法で、乾燥状態を検出できる。
例えば、乾燥対象物が魚介類の干物である場合には、種類によって、表面の水分量が乾燥状態の把握として重要であることもある。あるいは、種類によっては、内部の水分量が乾燥状態の把握として重要であることもある。あるいは、表面と内部の両方の水分量が、乾燥状態の把握として重要であることもある。
これは、乾燥対象物が食肉である場合も、同様に、いくつかの指標によって乾燥状態を把握することが重要である。
検出部9は、このように複数の指標のいずれかまたは組み合わせによって、乾燥対象物20の乾燥状態をより高い精度で検出できる。
また、乾燥状態は、乾燥対象物20の目標水分量と現水分量の水分量差分であってもよい。乾燥対象物20は、その種類や特性によって、乾燥目標となる目標水分量が設定される。冷風乾燥装置1は、乾燥対象物20のこの目標水分量を前提に、乾燥対象物20の乾燥を実現しようとする。このため、乾燥状態として、目標水分量と現水分量との水分量差分が使用されることも好適である。
検出部9は、現在の水分量に基づく乾燥状態と、現在の水分量と目標水分量との差分による相対的な乾燥状態との両方を、乾燥状態として検出できる。検出部9は、検出した乾燥状態の結果を、制御部6に出力する。制御部6は、この結果に従って圧縮機4を制御する。
このように、検出部9によって乾燥対象物20の乾燥状態が検出され、この乾燥状態に応じて制御部6は、圧縮機4の動作を制御する。この制御によって、乾燥対象物20の実際の乾燥状態を反映して、除湿熱交換器3の動作能力が変化する。この変化によって、より実際の乾燥状態に基づいて、乾燥対象物20の乾燥を進行させることができる。
なお、制御部6は、乾燥対象物20の表面水分量および内部水分量の少なくとも一方が小さくなるのに従い、圧縮機4の運転期間を減少させることも好ましい。乾燥対象物20の乾燥が進んでいくのに合わせて、運転期間を減少させて、エネルギーの無駄を防止できるからである。
以上のように、実施の形態2の冷風乾燥装置1は、乾燥対象物20の実際の乾燥状態(乾燥度合い)に合わせて、エネルギーの無駄を低減しつつ乾燥対象物20を乾燥させることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態2では、除湿用熱交換器3に生じる結露による問題を解決する構成や機能について説明する。
除湿用熱交換器3は、液化冷媒の供給によって接触する空気を冷却し、除湿する。この動作を繰り返す中で、除湿用熱交換器3そのものも冷却されて、露点に達して生じる水分が、除湿用熱交換器3に結露してしまうことがある。更に、冷却により、結露した水分が凍結してしまうことがある。
この凍結した結露は、乾燥室10内部の温度変化や冷媒供給量の変化によってやがて溶ける。しかしながら、このような外部環境の変化によって溶ける場合には、溶けた水分が再び乾燥室10内部に水蒸気となって供給されてしまう。
このように凍結した結露が再び水蒸気となって乾燥室10内部に戻ることは、圧縮機4のエネルギーを用いて乾燥させたことに逆行し、無駄である。また、結露が凍結することは、除湿用熱交換器3の動作能力を下げることにもなり、好ましくない。凍結によって動作能力が下がってしまえば、やはり圧縮機4のエネルギー効率が悪くなる。
ここで、圧縮機4は、乾燥対象物20を乾燥させる乾燥モードと、除湿用熱交換器の凍結水分を除去する解凍モードの2つで、動作を切り替えることができる。後者の解凍モードにおいて、圧縮機4は、除湿用熱交換器3の凍結水分を解凍しつつ、乾燥室10内部に戻さない。
図7は、本発明の実施の形態3における乾燥モードでの動作状態を示すブロック図である。図8は、本発明の実施の形態3における解凍モードでの動作状態を示すブロック図である。
図7での乾燥モードでは、圧縮機4からの冷媒循環方向は、圧縮機4、加熱用熱交換器7、除湿用熱交換器3、圧縮機4の順序である。このとき、圧縮機4は、気化冷媒を冷媒管路51を介して、加熱用熱交換器7に送出する。
加熱用熱交換器7は、この気化冷媒を用いて、熱的に接触する筐体2内部の空気を加熱する。この加熱により、冷却された空気を再加熱して乾燥室10に送り出し、乾燥室10の温度低下を低減できる。
この加熱用熱交換器7では、気化冷媒が空気との接触により冷やされて、液化して液化冷媒となる。加熱用熱交換器7は、冷媒管路52を通じて、液化冷媒を、除湿用熱交換器3に送出する。
除湿用熱交換器3では、液化冷媒によって熱的に接触する筐体2内部の空気を冷却する。冷却により露点に達して、水分を除去する。
除湿用熱交換器3では、液化冷媒と空気の接触により液化冷媒が気化し、気化冷媒が、冷媒管路53を通じて、圧縮機4に還流する。
乾燥モードでは、図7の冷媒管路の矢印の方向で、冷媒が循環していく。
一方で、図8の解凍モードでは、冷媒循環方向が逆になる。すなわち、圧縮機4、除湿用熱交換器3、加熱用熱交換器7、圧縮機4の順序での冷媒循環方向が形成される。図8の冷媒管路の矢印は、この冷媒循環方向を示している。
圧縮機4から、冷媒管路53を通じて、気化冷媒を除湿用熱交換器3に送出する。この気化冷媒の送り込みにより、除湿用熱交換器3は、その温度を上げることができる。この温度上昇によって、凍結している凍結水分を解凍できる。
除湿用熱交換器3では、気化冷媒が液化して液化冷媒になる。この液化冷媒は、加熱用熱交換器7に送出され、加熱用熱交換器7で液化冷媒が気化されて、最終的に気化冷媒が、圧縮機4に戻される。
このように冷媒循環方向を逆にすることで、除湿用熱交換器3に凍結した水分を解凍することができる。
また、除湿用熱交換器3の上方から下方に向けて風を供給する送風ファンを更に備えることも好適である。図9は、本発明の実施の形態3における除湿用熱交換器の周辺の模式図である。
上述したように、解凍モードにおいて、除湿用熱交換器3に凍結した水分を解凍できる。この解凍によって、水滴31が発生する。この水滴31は、下方に落下して、ドレンパン21に受け止められる。ドレンパン21は、乾燥室10外部にダクトを繋げており、受け止めた水滴31を乾燥室10内部に戻すことなく、外部に排出できる。
このとき、送風ファン35が備わっていることで、除湿用熱交換器3に付着している解凍された水分を、水滴31として落下させやすくなる。落下させやすくなることで、解凍された水分を、効率的に除去することができる。
加えて、送風ファン35は、下方に落下させることで、ドレンパン21に水滴31を落下させて、外部への排出を促すことができる。
このように、凍結した水分は、乾燥室10内部に再び戻されることなく、乾燥室10外部に排出される。除湿用熱交換器3で凍結する結露は、冷却によって露点に達して取り除かれるはずの水分である。一旦取り除かれた水分が外部に排出できないことは、乾燥のためのエネルギーが無駄である。二重のエネルギーを必要としてしまう。
これに対して、解凍モードでの冷媒循環で凍結を解凍し、送風ファン35で解凍された水滴31をドレンパン21に集めることで、乾燥室10に再度戻すことなく、乾燥室10の外部に排出できることで、エネルギーの無駄が削減できる。
以上のように、実施の形態3の冷風乾燥装置1は、結露の凍結によるエネルギーの無駄を削減できる。
以上、実施の形態1〜3で説明された冷風乾燥装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 冷風乾燥装置
2 筐体
3 除湿用熱交換器
4 圧縮機
5 冷媒循環路
51、52,53 冷媒管路
6 制御部
7 加熱用熱交換器
8 ファン
9 検出部

Claims (13)

  1. 乾燥室内の乾燥対象物を乾燥させる冷風乾燥装置であって、
    前記乾燥室内に設置されて、前記乾燥室内の空気中の水分を、冷却によって除去する除湿用熱交換器と、
    前記除湿用熱交換器への冷媒循環を行う圧縮機と、
    前記圧縮機を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記乾燥対象物の目標水分量に至るまでの制御関係式に基づいて、前記圧縮機を制御し
    前記目標水分量は、前記乾燥対象物の種類、量、個数、要求水分量および特性の少なくとも一つで定まる、冷風乾燥装置。
  2. 前記制御関係式は、前記制御部に動作プログラムとして記憶される、請求項1記載の冷風乾燥装置。
  3. 前記制御関係式は、前記乾燥対象物の目標水分量に至るまでの時間の要素および前記乾燥室内部の湿度の要素を含む、請求項1または2記載の冷風乾燥装置。
  4. 前記制御部は、前記制御関係式に基づいて、前記圧縮機の運転期間および停止期間を制御する、請求項1から3のいずれか記載の冷風乾燥装置
  5. 前記制御部は、前記乾燥対象物の目標水分量に近づくに従い、前記圧縮機の運転期間を減少させる、請求項4記載の冷風乾燥装置。
  6. 前記除湿用熱交換器を収容する筐体と、
    前記乾燥室と前記筐体内部との空気を循環させるファンと、を更に備え、
    前記制御部は、前記乾燥室内部の湿度に基づいて、前記ファンの回転数を制御する、請求項1から5のいずれか記載の冷風乾燥装置。
  7. 前記制御部は、前記乾燥室内部の湿度が所定値以上の場合には、前記ファンの回転数を増加させ、前記乾燥室内部の湿度が所定値未満の場合には、前記ファンの回転数を減少させる、請求項6記載の冷風乾燥装置。
  8. 前記筐体内部の内部空気を加熱する加熱用熱交換器を更に備え、
    前記加熱用熱交換器は、前記圧縮機からの気化冷媒を受けて、前記内部空気を加熱する、請求項6または7記載の冷風乾燥装置。
  9. 前記乾燥対象物の乾燥状態を検出する検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記乾燥状態に基づいて、前記圧縮機の運転期間および停止期間を制御する、請求項1から8のいずれか記載の冷風乾燥装置。
  10. 前記乾燥状態は、前記乾燥対象物の表面水分量および前記乾燥対象物の内部水分量の少なくとも一つを含む、請求項9記載の冷風乾燥装置。
  11. 前記制御部は、前記表面水分量および前記内部水分量の少なくとも一方が小さくなるのに従い、前記圧縮機の運転期間を減少させる、請求項10記載の冷風乾燥装置。
  12. 前記圧縮機と前記加熱用熱交換器の間、前記加熱用熱交換器および前記除湿用熱交換器の間および前記除湿用熱交換器と前記圧縮機との間のそれぞれは、冷媒循環路で接続され、
    前記乾燥対象物を乾燥させる乾燥モードにおいては、
    前記圧縮機は、気化冷媒を前記加熱用熱交換器に送出すると共に、前記除湿用熱交換器からの気化冷媒を受ける循環方向で冷媒を循環させ、
    前記除湿用熱交換器の凍結水分を除去する解凍モードにおいては、
    前記圧縮機は、気化冷媒を前記除湿用熱交換器に送出すると共に、前記加熱用熱交換器からの気化冷媒を受ける循環方向で冷媒を循環させる、請求項8から11のいずれか記載の冷風乾燥装置。
  13. 前記除湿用熱交換器の上方から下方に向けて風を供給する送風ファンを更に備え、
    前記送風ファンは、前記解凍モードで解凍された前記除湿用熱交換器の結露水分を下方に落下させる、請求項12記載の冷風乾燥装置。
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