JP2017144142A - 体外式気道確保用器具 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、また、気管、舌根、口腔内に対し刺激がなく、気道確保が必ず達成できる利点を有している。
以下、本発明に係る体外式気道確保用器具について実施形態を示して詳細に説明する。図1は本発明に係る体外式気道確保用器具(以下、「気道確保用器具」ともいう。)の第一の実施形態を示す正面図(片側については断面図で示す)、図2は図1の気道確保用器具の側面図、図3は図1の気道確保用器具の平面図である。
本発明に係る気道確保用器具1は、概略として、基台部2と、基台部2の両側から全体が湾曲するようにして延伸し、途中に関節部6を有して各先端部が患者の左右の顎の部分に位置する一対の腕部3,3と、腕部3,3の先端に取り付けられ、患者の下顎角部に当接して該部位を支持する顎当て部4,4と、脚部3,3と顎当て部4,4との間に設けられた角度調節機構5,5を備えて構成されている。
基台部2は、図3に示すように、概略として、患者の鼻及び口を覆うマスク10が装着される略円筒形状のマスクホルダ21と、マスクホルダ21の両側に左右対象に取り付けられて腕部3,3を個別に回転可能に支持するパイプ状の連結部材22を備えて構成されている。マスクホルダ21は、底面および上面が開口された開口部25を備えており、この部分にマスク10が装着される。開口部25は、例えば、手術の際等に使用される麻酔用マスクが取り付け可能となっており、麻酔用マスクや人工呼吸器用マスク等をマスク10として利用することができるようになっている。また、マスク10が装着される側とは反対側の開口部25には送気を行うためのバッグが取り付けられる。
腕部3は、概略として、合成樹脂等の材料によって略円弧状に形成され、その断面は、図1に示すように、略U字形或いは略コ字形とされている。そして、腕部3の途中には関節部6が設けられており、関節部6よりも先端側が可動部30とされている。そして、関節部6は、トーションバネ60によって可動部30を内側方向へ付勢している。また、腕部3の先端、すなわち、可動部30の先端には顎当て部4の角度を調整するための角度調節機構5が設けられている。
顎当て部4は、患者の下顎角部に当接して該部位を支持する部材であり、概略として、お碗形に形成されている。顎当て部4の基端側は角度調節機構5の基部50に連結されており、図1に仮想線で示した顎当て部4′に示すように、角度調整可能となっている。尚、顎当て部4は、ソフトで接触跡ができない素材、例えば、軟質な樹脂材やゴム材によって形成することが好ましい。
角度調節機構5は、概略として、腕部3を構成する可動部30の先端部に設けられており、軸54に回動可能に取り付けられた基部50を備えて構成されている。基部50の軸支部の約半周はピニオン51になっており、可動部30側にピニオン51に歯合する突起部52が設けられている。突起部52は可動部30の端部から延伸する舌片53の先端に一体成型によって設けられており、舌片53の自由端が突起部52をピニオン51方向へ付勢している。これにより、突起部52がピニオン51の1つの谷に嵌合して基部50及び顎当て部4の回動を規制する。従って、使用者が顎当て部4を手に持って上下動させることにより、任意の角度(但し、連続ではなくピニオン51の谷ごとの角度)、例えば図1の仮想線で示すような適宜の角度に顎当て部4,4を位置決めすることができる。
次に、気道確保用器具1の使用法について図4を参照して説明する。図4は気道確保用器具1の使用状態を示す斜視図である。基台部2のマスクホルダ21には予めマスク10が取り付けられている。患者100の処置や手術に関わる看護士、医師等は、まず可動部30を左右に広げた状態、即ち顎当て部4,4が顔に接触しない状態でマスク10を患者の口及び鼻を覆うように配置する。次いで、角度調節機構5によって左右の顎当て部4,4を手で患者100の下顎に接触するように適宜の角度に調整する。そして、可動部30に対する手の力を緩めれば、トーションバネ60の付勢力によって顎当て部4,4が患者100の下顎を持ち上げ、患者100の気道を確保した状態となる。そして、確保気道確保用器具1はこの状態を維持したまま患者100の顔の上に保持される。
本実施形態に係る体外式気道確保用器具1によれば、基台部2、関節部6を有した腕部3、角度調節機構5を備えた顎当て部4といった簡単な構成により、熟練を要することなく簡単、確実且つ安定に装着でき、これにより睡眠時無呼吸症患者などの軽症患者から麻酔適用患者のように筋肉が完全に弛緩してしまっている患者まであらゆる種類の患者の気道を確保することができるという効果がある。
[体外式気道確保用器具の構成]
次に、本発明に係る体外式気道確保用器具の他の実施形態について説明する。図5は本発明に係る体外式気道確保用器具の第二の実施形態を示す斜視図である。尚、図5においてはマスク10を装着した状態を示している。図示された気道確保用器具7は、概略として、マスクホルダ21(図1参照)と、マスクホルダ21の両側に一体成形により延伸した角柱状の一対の軸部26,26によって構成される基台部8と、ネジ12,12によって軸部26,26に固定される第一の腕部9,9と、この第一の腕部9,9にネジ13,13によって連結された第二の腕部11,11と、この第二の腕部11,11に可動自在に連結された第三の腕部15,15と、この第三の腕部15,15の先端に装着された顎宛当て部16,16と、第一の腕部9,9のネジ12,12の近傍と第二の腕部11,11の第三の腕部15,15の近傍とに懸架された付勢手段としてのゴム部材17,17とを備えて構成されている。
次に、第二の実施形態の使用方法について説明する。第二の実施形態の使用方法は概ね第一の実施形態と同様であるが、第一の実施形態における基台部2と同様に看護士、医師等は基台部8を患者の口に装着した後、第三の腕部15,15の角度を調整しながら顎当て部16,16を患者の下顎に当接させ、その後に手を離す。これにより、顎当て部16,16はゴム部材17,17の付勢力によって適度な押圧力で下顎に密着し、麻酔用マスク10は患者の口に安定に位置決め及び保持される。
本実施形態に係る体外式気道確保用器具によれば、第一の実施形態と同様の効果を有するほか、患者の顔のサイズ、年齢等に応じてゴム部材17の使用数を適宜に変更することにより、顎当て部16,16の押圧力を調整することができるという効果がある。
2 基台部
3 腕部
4 顎当て部
5 角度調節機構
6 関節部
7 体外式気道確保用器具
8 基台部
9 第一の腕部
10 マスク
11 第二の腕部
12,13 ネジ
15 第三の腕部
16 顎当て部
17 ゴム輪
21 マスクホルダ
22 連結部材
23 リブ
24 キャップ
25 開口部
26 軸部
30 可動部
31 軸部
50 基部
51 ピニオン
52 突起部
53 舌片
54 軸
60 トーションバネ
100 患者
Claims (5)
- 気道の閉塞を防止するために下顎を挙上して気道を確保するための体外式気道確保用器具であって、
被装着者の顔面の少なくとも一部に配置される基台部と、
前記基台部から左右に伸びるようにして配置された左右一対の腕部であって、関節部によって折り曲げ可能に形成された腕部と、
前記腕部の先端にそれぞれ設けられ、前記使用者の左右の下顎角部にそれぞれ接触して該部位を支持する顎当て部と、
前記腕部を前記関節部で折り曲げるように付勢して前記顎当て部を被装着者の左右の下顎角部に押圧する付勢手段と、
を備えてなることを特徴とする体外式気道確保用器具。 - 請求項1に記載の体外式気道確保用具において、
前記基台部は、被装着者の鼻及び口を覆うマスクとされると共に、呼吸を確保するための開口部を備えていることを特徴とする体外式気道確保用器具。 - 請求項1又は2に記載の体外式気道確保用具において、
被装着者の顔面に配置された前記基台部が位置ずれを生じさせないようにするための固定部材を備えていることを特徴とする体外式気道確保用器具。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の体外式気道確保用器具において、
前記顎当て部を適正な状態で前記使用者の左右の下顎角部に位置させるための角度調整機構を備えていることを特徴とする体外式気道確保用器具。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の体外式軌道確保容器具において、
前記基台部が取り外し可能とされていることを特徴とする体外式気道確保用器具。
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