JP2017142507A - 防眩性フィルムの製造方法、防眩性フィルム、塗工液、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

防眩性フィルムの製造方法、防眩性フィルム、塗工液、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子が有する凝集特性に依存せずとも、粒子の凝集状態をコントロールすることができ、それによって所望の表面凹凸形状を有する防眩層を形成することができる防眩性フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含み、かつ、下記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たす塗工液を、透光性基材に塗工し、せん断を生じさせ、硬化させる。(I)Ti値が1.2〜3.5での、前記チキソトロピー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率R2が0.95以上である。(II)Ti値が1.2〜3.5での、前記チキソトロピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax2+bx+cにおける二次の係数aが、負の値である。Ti値=β1/β2、β1:ずり速度20(1/s)における粘度、β2:ずり速度200(1/s)における粘度。【選択図】図1B

Description

本発明は、防眩性フィルムの製造方法、防眩性フィルム、塗工液、偏光板および画像表
示装置に関する。
防眩性フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)およびエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等
の、様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラストの低下
を防止するために、ディスプレイ表面に配置される。前記防眩性フィルムにおいて、適度
な防眩性と他の物性の向上とを実現すべく、様々な提案がされている。
例えば、防眩層を形成する微粒子含有塗料を基材上に塗工し、乾燥させる際に、溶媒の
揮発時に発生する対流により塗工層表面のベナードセル構造を形成させることで、表面形
状をなだらかなものに制御する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
また、微粒子により三次元立体構造凝集部を形成させることで、表示特性を向上させる
との提案がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、防眩層の凹凸形状をなだ
らかにするために、防眩層の表面に表面調整層を形成した2層構造となっている。
特開2008−257255号公報 特許第4641846号公報
上記した特許文献1では、微粒子が平面状に集合することを利用して、ベナードセルを
形成することにより防眩層表面をなだらかな凹凸構造とし、防眩性とコントラストとの両
立を図っている。しかし、ベナードセルを利用して所望の形状を作るためには、前記のと
おり、乾燥させる際に、溶媒の揮発時に発生する対流をコントロールする必要があるため
、塗工・乾燥工程において極めて緻密な生産条件の制御が必要となる。
一方、特許文献2では、防眩層表面をなだらかな凹凸構造とするために、粒子を凝集さ
せて形成した防眩層の表面に、さらに表面調整層を形成した2層構造となっている。この
ため、防眩層が1層構造のものと比べ、製造工程が多く、生産性が悪い。
そこで、本発明者らは、表面がなだらかな凹凸構造を有する防眩層を、粒子を凝集させ
て形成するとともに、生産性とコストを考慮して防眩層を2層構造ではなく、1層構成で
形成すべく、新規開発に着手した。鋭意開発を進めていたところ、粒子の凝集を利用して
形成した1層構成の防眩層では、外観検査(暗室における蛍光灯での目視による)で防眩
性フィルムの表面に欠点が見つかるという新たな課題に直面した。この外観欠点を有する
防眩性フィルムは、製品として使用できず廃棄することになる。さらに、例えば防眩性フ
ィルムを用いて枚葉状態の偏光板にしたものに外観欠点が見つかると、その外観欠点が1
箇所であっても偏光板自体を廃棄しなければならない。このため、特に大型の液晶パネル
用の偏光板ほど、外観欠点に対する廃棄面積が広くなり、歩留りが極めて悪くなる。
この外観欠点のメカニズムについて検討を重ねた結果、この原因が防眩層表面に発生す
る突起状物(「ブツ」とも言う)に起因することが分かった。この突起状物の外観欠点は
、なだらかな表面形状を有する防眩層を形成した場合に、特に顕著に現れると考えられる
。すなわち、防眩層表面の凹凸形状が粗く(算術平均表面粗さRaが高い)、防眩性が高
い防眩性フィルムでは、仮にこの突起状物を有するとしても、防眩効果による光の拡散に
よってそれほど顕著な外観欠点として現れなかったと考えられる。
本発明者らは、さらに検討を進めるべく、この突起状物を断面して走査型電子顕微鏡(
SEM)で観察したところ、複数の粒子が防眩層の厚み方向に重なりあって存在すること
が、この突起状物の発生要因であることを突き止めた。
この突起状物を防眩層から無くすためには、使用する粒子の部数を減らしたり、粒径の
小さな粒子を採用したりすることが考えられる。しかし、その場合、防眩性と、白ボケの
防止とを両立した所望するなだらかな表面凹凸形状を形成することは困難であった。さら
に、粒子に対して防眩層の厚みを厚くして、粒子の厚み方向の重なりを防止することも考
えられるが、その場合、フィルムにカールが発生する等の問題が生じてしまう。
なお、特許文献2では、凝集特性に優れた粒子を使用し、その粒子の凝集作用を利用す
ることにより、所望の表面形状を形成している。詳しくは、例えば溶剤の極性に応じて、
表面に疎水性基や親水性基を導入した粒子を採用している。このように、凝集特性に優れ
た粒子を使用すれば、その粒子の凝集を利用して表面形状を比較的容易に設計することは
可能である。しかしながら、上記したような粒子は、表面に疎水性基や親水性基を導入し
た設計であるため、同一特性を安定的に生産することが難しく、塗工液の組成にその凝集
状態が影響を受けやすい。したがって、塗工・乾燥工程において緻密な生産条件の制御を
行っていたとしても、安定して表面形状を形成することが難しい。
さらに、塗工液中の粒子は溶剤によって膨潤する。このため、粒子の凝集特性は経時的
に変化しており、塗工液を調整後、実際の製造工程に入るまでに時間によっては、塗工液
中の粒子の膨潤状態が変わり、その結果、凝集状態が影響を受け、表面形状を安定して形
成することが難しい。
本発明は、防眩性と白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有する防眩性フィルム
を、粒子の凝集を利用して形成するための製造方法であって、外観欠点となる防眩層表面
の突起状物の発生を防止できるとともに、粒子が有する凝集特性に依存せずとも、粒子の
凝集状態をコントロールすることができ、それによって所望の表面凹凸形状を有する防眩
層を形成することができる防眩性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の防眩性フィルムの製造方法は、透光性基材の少な
くとも一方の面に塗工液を塗工し、前記塗工液を硬化させて防眩層を形成する防眩性フィ
ルムの製造方法であって、前記塗工液として、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および
溶媒を含むとともに、下記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすものを用
い、前記透光性基材に塗工した前記塗工液にせん断を生じさせる工程を含むことを特徴と
する。

(I)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピ
ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95以上であ
る。
(II)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロ
ピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにお
ける二次の係数aが、負の値である。

Ti値=β1/β2 (A)

前記式(A)において、
β1:ずり速度20(1/s)における粘度
β2:ずり速度200(1/s)における粘度
である。
また、本発明の他の防眩性フィルムの製造方法は、透光性基材の少なくとも一方の面に
塗工液を塗工し、前記塗工液を硬化させて防眩層を形成する防眩性フィルムの製造方法で
あって、前記塗工液として、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含むものを
用い、前記透光性基材に塗工した前記塗工液にせん断を生じさせる工程を含んでおり、前
記せん断によって、前記粒子を偏在させて、前記防眩層の表面形状を形成することを特徴
とする。
本発明の防眩性フィルムは、前記本発明の防眩性フィルムの製造方法により製造された
防眩性フィルムであることを特徴とする。
本発明の塗工液は、透光性基材の少なくとも一方の面に防眩層を有する防眩性フィルム
における、前記防眩層を形成する塗工液であって、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤お
よび溶媒を含み、下記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすことを特徴と
する。
(I)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピ
ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95以上であ
る。
(II)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロ
ピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにお
ける二次の係数aが、負の値である。

Ti値=β1/β2 (A)

前記式(A)において、
β1:ずり速度20(1/s)における粘度
β2:ずり速度200(1/s)における粘度
である。
本発明の偏光板は、偏光子、および、前記本発明の防眩性フィルムを有していることを
特徴とする。
本発明の画像表示装置は、前記本発明の防眩性フィルムを備えることを特徴とする。
または、本発明の画像表示装置は、偏光板を備える画像表示装置であって、前記偏光板
が、前記本発明の偏光板であることを特徴とする。
本発明は、防眩性と白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有する防眩性フィルム
を、粒子の凝集を利用して形成するための製造方法である。本発明によれば、外観欠点と
なる防眩層表面の突起状物の発生を防止できる。さらには、粒子が有する凝集特性に依存
せずとも、粒子の凝集状態をコントロールすることができ、それによって所望の表面凹凸
形状を有する防眩層を形成することができる。
詳しくは、本発明によれば、粒子を含む塗工液にチキソトロピー付与剤を含有させてい
るので、チキソトロピー付与剤の沈降防止効果によって、防眩層の厚み方向に粒子が過度
に凝集することを防ぎ、その結果、外観欠点となる防眩層表面の突起状物の発生を防止で
きる。さらに、本発明では、チキソトロピー付与剤を含有する塗工液を使用し、その塗工
液にせん断を生じさせることでチキソトロピー付与剤の凝集作用によって粒子を偏在させ
て、防眩層の表面形状を形成する。このように、本発明では、粒子を偏在させるために、
塗工液のせん断によるチキソトロピー付与剤の凝集作用を利用するので、粒子が有する凝
集特性に依存せずとも、粒子の凝集状態をコントロールすることができる。
図1Aは、チキソトロピー付与剤の添加量と、Ti値との関係を例示するグラフである。 図1Bは、チキソトロピー付与剤の添加量と、Ti値との関係の別の一例を示すグラフである。 図2は、チキソトロピー付与剤の添加量と、チキソトロピー付与剤の想定分布状態との関係を示す模式図である。 図3は、塗膜のせん断速度Vの算出方法を説明する模式図である。 図4(a)は、本発明の製造方法における塗膜のせん断速度Vの調整方法の一例を示す模式図であり、図4(b)は、本発明の製造方法における塗膜のせん断速度Vの調整方法のその他の例を示す模式図である。 図5は、せん断速度Vがせん断保持時間tに依存して変化する場合の一例を示す模式図である。 図6は、凸状部の高さの定義を説明する模式図である。 図7Aは、本発明の防眩性フィルムの一例の構成を示す模式図である。 図7Bは、本発明とは異なる、防眩層がチキソトロピー付与剤を含まない防眩性フィルムの一例の構成を示す模式図である。 図8Aは、本発明の防眩性フィルムにおける、粒子の凝集に関して推察されるメカニズムを模式的に説明する概略説明図である。 図8Bは、本発明とは異なる、防眩層がチキソトロピー付与剤を含まない防眩性フィルムにおける、粒子の凝集に関して推察されるメカニズムを模式的に説明する概略説明図である。 図9は、本発明の防眩性フィルムにおける、防眩層の厚み方向および面方向の定義の一例を説明する模式図である。 図10Aは、本発明の防眩性フィルムにおける、浸透層が形成される場合の粒子の凝集に関して推察されるメカニズムを模式的に説明する概略説明図である。 図10Bは、本発明とは異なる、防眩層がチキソトロピー付与剤を含まない防眩性フィルムにおける、浸透層が形成される場合の粒子の凝集に関して推察されるメカニズムを模式的に説明する概略説明図である。 図11は、実施例および比較例における、チキソトロピー付与剤の添加量と、Ti値との関係を示すグラフであり、前記チキソトロピー付与剤の添加量と、前記Ti値との線形近似直線を付与したものである。 図12は、実施例および比較例における、チキソトロピー付与剤の添加量と、Ti値との関係を示すグラフであり、前記チキソトロピー付与剤の添加量と、前記Ti値との二次の多項式近似曲線を付与したものである。 図13(a)は、実施例1における、防眩性フィルムの防眩層表面を観察した光学顕微鏡(半透過モード)写真である。図13(a)において、スケールは50μmである。図13(b)は、図13(a)の写真において観察される粒子の分布を示した模式図である。 図14(a)は、比較例4における、防眩性フィルムの防眩層表面を観察した光学顕微鏡(半透過モード)写真である。図14(a)において、スケールは50μmである。図14(b)は、図14(a)の写真において観察される粒子の分布を示した模式図である。
本発明は、透光性基材の少なくとも一方の面に塗工液を塗工し、前記塗工液を硬化させ
て防眩層を形成する防眩性フィルムの製造方法である。そして、以下に示す塗工液を用い
ると共に、前記透光性基材に塗工した塗工液にせん断を生じさせることによって、上記効
果を有する防眩性フィルムを製造することができる。
以下、(1)塗工液に含まれるチキソトロピー付与剤の作用、(2)使用する塗工液の
条件、(3)塗工液にせん断を生じさせる工程の順で、詳細に説明する。ただし、本発明
は、以下の記載により制限されない。
<(1)塗工液に含まれるチキソトロピー付与剤の作用>
本発明で使用する塗工液は、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含んでい
る。塗工液に、沈降防止効果を有するチキソトロピー付与剤が含まれていることで、外観
欠点となる防眩層表面の突起状物の発生を防止できる。
図7Aに、本発明の製造方法により得られる防眩性フィルムの一例の構成を模式的に示
す。図7Aの模式図に示すように、防眩層11において、粒子12およびチキソトロピー
付与剤13が凝集して防眩層11の表面に凸状部14が形成されている。粒子12および
チキソトロピー付与剤13の凝集状態は、特に限定されないが、粒子12の少なくとも周
りにチキソトロピー付与剤13が存在する傾向にある。凸状部14を形成する凝集部にお
いて、粒子12は、防眩層11の面方向に複数集まった状態で存在している。この結果、
凸状部14は、なだらかな形状となっている。一方、前記防眩層に前記チキソトロピー付
与剤が含まれていない場合、図7Bの模式図に示すように、防眩層11において、粒子1
2が、防眩層11の面方向だけでなく、その厚み方向にも複数凝集し、凸状部14aおよ
び14bが形成される。粒子12の面方向の凝集と厚み方向の凝集の度合いにより、例え
ば、防眩層11の表面に、凸状部14aおよび凸状部14bのような凸状部が形成される
ことにより外観欠点および白ボケが発生しやすくなる。
前述のような形状の凸状部は、以下のメカニズムにより形成されると推察される。ただ
し、本発明は、この推察により、なんら制限および限定されない。以下の推察は、溶媒を
含む前記塗工液(防眩層形成材料)を、透光性基材に塗工等して塗膜を形成することで、
前記防眩層を形成する場合を例にあげて説明する。
図8Aは、本発明の防眩性フィルムにおいて、防眩層における凝集状態のメカニズムを
説明するために、本発明の防眩性フィルムの厚み方向の断面を側面から見た状態を、模式
的に示す概略説明図である。図8Bは、本発明とは異なる粒子の凝集状態を、模式的に示
す概略説明図である。図8Aおよび図8Bにおいて、(a)は、溶媒を含む前記防眩層形
成材料を、透光性基材に塗工等して塗膜を形成した状態を示し、(b)は、塗膜から溶媒
を除去して防眩層を形成した状態を示す。
図8Aの場合では、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含む防眩層形成材
料を用いて防眩層を形成しているのに対し、図8Bの場合では、防眩層形成材料がチキソ
トロピー付与剤を含んでいない。なお、図8Aでは、図面の見易さを考慮して、前記チキ
ソトロピー付与剤の図示を省略している。
以下、図8Aを参照して、前述のような、なだらかな凸状部が形成されるメカニズムを
説明する。ただし、このメカニズムは推定であって、本発明を限定しない。すなわち、図
8A(a)および(b)に示すように、前記塗膜に含まれる溶媒を除去することで、塗膜
の膜厚は収縮(減少)する。塗膜の下面側(裏面側)は前記透光性基材でとまっているた
め、前記塗膜の収縮は、前記塗膜の上面側(表面側)から起こる。図8A(a)において
、前記塗膜の膜厚が減った部分に存在する粒子(例えば、粒子1、粒子4および粒子5)
は、この膜厚減少により、前記塗膜の下面側に移動しようとする。これに対し、膜厚変化
の影響を受けないか、影響を受けにくい下面寄りの比較的低い位置に存在する粒子(例え
ば、粒子2、粒子3および粒子6)は、防眩層形成材料に含まれるチキソトロピー付与剤
の沈降防止効果(チキソトロピー効果)により、下面側への移動が抑制されている(例え
ば、二点鎖線10より下面側には移動しない)。このため、前記塗膜の収縮が起こっても
、下面側の粒子(粒子2、粒子3および粒子6)は、表面側から移動しようとする粒子(
粒子1、粒子4および粒子5)により、下方(裏面側)へ押されず、ほぼその位置に留ま
っている。前記下面側の粒子(粒子2、粒子3および粒子6)がほぼその位置に留まるた
め、前記表面側から移動しようとする粒子(粒子1、粒子4および粒子5)は、前記下面
側の粒子が存在していない、前記下面側の粒子の隣(前記塗膜の面方向)に移動する。こ
のようにして、本発明の防眩性フィルムでは、前記防眩層において、前記粒子が前記防眩
層の面方向に複数集まった状態で存在(偏在)していると推察される。
以上のようにして、前記防眩層において、前記粒子が前記防眩層の面方向に凝集して、
前記防眩層の表面形状を形成する。また、前記防眩層に、沈降防止効果を有するチキソト
ロピー付与剤が含まれることで、前記粒子が防眩層の厚み方向に過度に凝集することが回
避される。これによって、外観欠点となる防眩層表面の突起状物の発生を防止できる。
一方、防眩層形成材料がチキソトロピー付与剤を含んでいない場合では、粒子にはチキ
ソトロピー付与剤の沈降防止効果が働かない。このため、前記膜厚の収縮により、図8B
(a)に示すように、下面側の粒子(粒子2、粒子3および粒子6)は、上面側の他の粒
子(粒子1、粒子4および粒子5)と共に、透光性基材面側に沈降して集まる(例えば、
二点鎖線10より下面側に移動して集まる)。このため、図8B(b)に示すように、前
記粒子が前記防眩層の厚み方向に過度に凝集する部分が発生する場合がある。そして、こ
の部分が外観欠点となる防眩層表面の突起状物になると推察される。
なお、本発明の防眩性フィルムは、前記凸状部が、前述のようななだらかな形状となり
、外観欠点となる防眩層表面の突起状物の発生を防止できるものであれば、例えば、防眩
層の厚み方向に直接または間接的に重なる位置で、前記粒子が多少存在していてもよい。
前記粒子の重なりを個数で表す場合に、前記防眩層の「厚み方向」とは、図9の模式図に
示すように、例えば、前記透光性基材の面方向(前記防眩層の面方向)とのなす角度が、
45〜135度の範囲内の方向を示す。そして、例えば、前記防眩層の厚み(d)が3〜
12μmの範囲内にあり、かつ、前記粒子の粒子径(D)が2.5〜10μmの範囲内に
あり、さらに前記厚み(d)と前記粒子径(D)との関係が、0.3≦D/d≦0.9の
範囲内にある場合に、例えば、前記防眩層の厚み方向に対する前記粒子の重なりは、4個
以下が好ましく、より好ましくは3個以下である。
つぎに、前述の推察されるメカニズムにおいて、前記透光性基材と前記防眩層との間に
、前述の浸透層が形成される場合について、図10Aおよび図10Bの概略説明図を参照
して説明する。図10Aは、図8Aを参照して説明したのと同様に、本発明の防眩性フィ
ルムについての概略説明図であり、図10Bは、図8Bを参照して説明したのと同様に、
本発明とは異なる防眩性フィルムについての概略説明図である。図10Aおよび図10B
において、(a)は、塗膜から溶媒を除去して防眩層が形成される途中の状態を示し、(
b)は、塗膜から溶媒を除去して防眩層を形成した状態を示す。図10Aおよび図10B
において、前記浸透層には、平行斜線を付している。なお、本発明は、以下の説明により
、なんら制限および限定されない。
図10Aを参照して、本発明の防眩性フィルムの場合について説明する。図10A(a
)および(b)に示すように、前記塗膜に含まれる溶媒を除去することで、前記塗膜の膜
厚が収縮(減少)して防眩層が形成される。さらに前記防眩層の形成とともに、前記防眩
層形成材料に含まれる樹脂が前記透光性基材に浸透することで、前記防眩層と透光性基材
との間に浸透層が形成される。図10A(a)に示すように、前記浸透層が形成される前
の状態では、前記チキソトロピー付与剤の沈降防止効果により、前記粒子は、前記透光性
基材と接さずに、離れた状態で存在する傾向にある。そして、前記浸透層が形成される際
には、前記透光性基材側に位置する樹脂、すなわち、前記粒子の下方(透光性基材側)に
位置する樹脂が主に前記浸透層に浸透していく。これにより、本発明では、前記透光性基
材への前記樹脂の浸透に追随して、前記防眩層の面方向に凝集した粒子群とそれを覆う樹
脂とが一緒になって、前記透光性基材側に移動する。すなわち、前記粒子は、図10A(
a)に示す凝集状態を維持しながら、図10A(b)に示すように、前記透光性基材側に
移動する。これにより、前記防眩層表面側の粒子群とそれを覆う前記樹脂がその表面形状
を維持しながら、全体としてあたかも前記透光性基材側へ落ち込むような状態をとる。こ
れにより、本発明の防眩性フィルムでは、前記防眩層の表面形状の変化を受けにくいと推
察される。
さらに、本発明では、前記チキソトロピー付与剤により、前記樹脂がチキソトロピー(
チキソ性)を有している。このため、前記浸透層を厚く形成した場合でも、前記粒子群の
表面を覆って凸状部を構成する樹脂は、前記透明性基材側へ移動しにくいと推察される。
このような効果も相まって、本発明の防眩性フィルムでは、前記防眩層の表面形状の変化
を受けにくいと推察される。
以上のように、本発明では、前記防眩層の厚さ方向における粒子と前記透光性基材との
位置関係と、前記チキソトロピー付与剤のチキソ性との相乗効果により、前記浸透層を有
するものであっても、防眩層の表面形状の変化を受けにくいと推察される。
図10Bを参照して、チキソトロピー付与剤を含まない、本発明とは異なる防眩性フィ
ルムの場合について説明する。チキソトロピー付与剤を含んでいない場合、前述のように
、粒子にはチキソトロピー付与剤の沈降防止効果が働かない。したがって、図10B(a
)に示すように、前記粒子は、前記透光性基材に接した位置で存在する傾向にある。さら
に、前記樹脂が前記透光性基材に浸透することで形成される浸透層に、前記粒子は移動す
ることができない。このため、前記浸透層が形成される際には、図10B(a)に示す粒
子群は、前記透光性基材に接した状態でその位置に留まり、前記粒子群の周りの樹脂だけ
が、前記透光性基材へ浸透していくことになる。その結果、図10B(b)に示すように
、その位置で留まる前記粒子群に対して前記防眩層表面の樹脂の量が減ることになるため
、前記防眩層の表面形状が変化しやすくなり、外観欠点となる防眩層表面の突起状物がよ
り一層目立ち易くなると推察される。
<(2)使用する塗工液の条件>
本発明の防眩フィルムの製造方法において、前記塗工液の組成は、前記透光性基材に塗
工した前記塗工液にせん断を生じさせることによって、前記粒子を偏在させることができ
れば、特に限定されない。
本発明では、前記塗工液として、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含む
とともに、下記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすものを用いても良い

(I)前記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピ
ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95以上であ
る。
(II)前記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロ
ピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにお
ける二次の係数aが、負の値である。
前記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たす塗工液を使用するとともに、
前記塗工液に後述のせん断を生じさせる工程をとることによって、防眩性と、白ボケの防
止とを両立した優れた表示特性を有する防眩性フィルムを製造することができる。以下、
使用する塗工液の条件((I)(II))について、詳しく説明する。
図1Aのグラフに、前記条件(I)を満たす塗工液の一例(条件(I)を満たす一例)
と、従来の製造方法で用いる塗工液の一例(従来例)における、前記チキソトロピー付与
剤の添加量と前記Ti値との関係を示す。同図において、「条件(I)を満たす一例」の
塗工液は、本発明の製造方法に使用可能であり、「従来例」の塗工液は、本発明の製造方
法には使用できない。本発明者らは、目的とする防眩性フィルムを得るべく、まずは樹脂
、粒子、チキソトロピー付与剤等の選定と、その添加量の調整を行った。そうして、鋭意
研究を進めた結果、本発明者らは、前記チキソトロピー付与剤の添加量と、前記Ti値と
が同程度の値を有する塗工液であっても、得られた防眩性フィルムの防眩性と白ボケの特
性に差が出るという新たな知見を得た。すなわち、前記チキソトロピー付与剤の添加量と
前記Ti値とが、所定の範囲にある塗工液を準備したとしても、所望の特性が得られない
場合があった。
そこで、良好な特性を有する防眩性フィルムが得られる場合の塗工液と、不十分な特性
の防眩性フィルムしか得られない場合の塗工液とを比較すると、Ti値が1.2〜3.5
の範囲での、前記チキソトロピー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式または二次
の多項式近似式において、有意な差異があることがわかった。
図1Aの「条件(I)を満たす一例」のグラフに示すように、前記チキソトロピー付与
剤の添加量と前記Ti値とが、直線に近い関係を有する場合は、前記添加量の増加に伴う
前記Ti値の立ち上がりが速くなり、良好な特性の防眩性フィルムが得られる。一方、図
1Aの「従来例」のグラフに示すように、前記チキソトロピー付与剤の添加量と前記Ti
値とが、直線状の関係になっておらず、前記添加量の増加に伴う前記Ti値の立ち上がり
が遅い場合は、不十分な特性の防眩性フィルムしか得られない。これを前記チキソトロピ
ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式で表した場合、寄与率Rが0.95以上
であり(前記条件(I))、また、前記チキソトロピー付与剤の添加量xと前記Ti値y
との二次の多項式近似式y=ax+bx+cにおける二次の係数aが、負の値であれば
(前記条件(II))、目的とする防眩性フィルムを得るための塗工液として使用できる
ことがわかった。前記寄与率Rは、0.96以上であることが好ましい。
図1Bのグラフに、チキソトロピー付与剤の添加量とTi値との関係の、図1Aと別の
一例を示す。同図は、図1Aと同じ「条件(I)を満たす一例」および「従来例」のグラ
フに、さらに、「条件(II)を満たす一例」のグラフ(曲線)を追記した以外は、図1
Aと同じである。「条件(II)を満たす一例」の曲線は、前記塗工液が、前記条件(I
I)すなわち、前記Ti値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピー付与剤の添
加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにおける二次の係数
aが、負の値であるという条件を満たす場合の一例である。図示のとおり、「条件(II
)を満たす一例」の曲線は、前記チキソトロピー付与剤の添加量が少ない領域で前記Ti
値が急激に立ち上がり、その後、前記Ti値の増加量がなだらかになる。本発明の製造方
法において、前記塗工液が、前記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすこ
とにより、防眩性と白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有する防眩性フィルムを
、粒子の凝集を利用して形成することができる。また、本発明において、前記塗工液は、
前記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすものでなくても、前述のとおり
、前記透光性基材に塗工した前記塗工液にせん断を生じさせることによって、前記粒子を
偏在させることができればよい。
図2の模式図に、チキソトロピー付与剤の添加量と、チキソトロピー付与剤の想定分布
状態との関係を示す。なお、図2に示すチキソトロピー付与剤の分布状態は、想定可能な
分布状態の一例であり、本発明は、この想定により、なんら制限および限定されない。
目的とする防眩性フィルムが得られる塗工液では、チキソトロピー付与剤の添加量が少
量であっても、図2(a)に示すように、チキソトロピー付与剤のネットワーク構造が形
成され、前記チキソトロピー付与剤が、前記塗工液中において、凝集して網目構造体を複
数形成し、前記網目構造体は、他の網目構造体と独立して存在していると考えられる。す
なわち、前記チキソトロピー付与剤は、粗密状態で分布している。
これに対して、不十分な特性の防眩性フィルムしか得られない塗工液の場合、図2にお
いて、(b)に示すように、チキソトロピー付与剤の添加量が少量では、チキソトロピー
付与剤のネットワーク構造が形成されず、ある一定量以上添加して、(c)に示すように
、初めて前記ネットワーク構造が形成されてチキソ性を示す。なお、前記(c)の状態で
は、前記粗密状態は形成されず、塗工液全体にわたって、前記網目構造体が形成される状
態となっていると考えられる。
<(3) 塗工液にせん断を生じさせる工程>
更に本発明らは、上記した条件(X)、または条件(I)および(II)の少なくとも
一方を満たす塗工液を用いた場合であっても、この塗工液にせん断を生じさせないと、目
的とする防眩性フィルムを得られないことを見出した。すなわち、本発明によれば、前記
せん断によって粒子を偏在させて前記防眩層の表面形状を形成することにより、防眩性と
、白ボケの防止とを両立した目的とする防眩性フィルムを製造できる。
図4(a)および(b)は、透光性基材に塗工した塗工液にせん断を生じさせる工程の
例を示す説明図である。図4(a)は、透光性基材を傾斜させることで、透光性基材に塗
工した塗工液にせん断を生じさせる工程の一例を示す説明図である。図4(b)は、透光
性基材に遠心力をかけることで、透光性基材に塗工した塗工液にせん断を生じさせる工程
の一例を示す説明図である。
前記防眩層の形成において、下記式(B)で定義される前記塗膜のせん断距離Sを、0
.005×10−9m〜120×10−9mの範囲内とすることが好ましい。前記せん断
距離Sは、より好ましくは、0.005×10−9m〜60×10−9mの範囲内であり
、さらに好ましくは0.01×10−9m〜15×10−9mの範囲内である。

S=∫Vdt (B)

前記式(B)において、
S:せん断距離(m)
V:せん断速度(m/s)
t:せん断保持時間(s)
である。ただし、せん断速度Vは、時間経過とともに変化してもよいし、一定でもよい。
図3を参照して、前記塗膜のせん断速度Vの算出方法について説明する。図3に示す流
体の質量をm(kg)、流体の厚みをh(m)、固定された平板と流体との接触面積をA
(m)とすれば、流体の上部の速度(せん断速度)V(m/s)は、式V=mah/A
ηで求められる。ここで、aは、加速度(m/s)、ηは、流体の粘度(Pa・s)で
ある。流体の比重k(kg/m)は、k=m/hAであるから、V=mah/Aη=k
ah/ηとなる。したがって、前述のとおり、前記透光性基材上に塗工した前記塗膜の
せん断速度Vは、下記式(C)で定義される。

V=kah/η (C)

前記式(C)において、
k:塗膜比重(kg/m
a:加速度(m/s
h:塗膜厚(m)
η:塗膜粘度(Pa・s)
である。ただし、加速度aは、時間経過とともに変化してもよいし、一定でもよい。なお
、加速度aおよびせん断速度Vが、時間経過とともに変化せず一定である場合は、せん断
距離Sは、下記式(B’)で表される。

S=V×t (B’)
前記式(B)および(B’)から分かるように、(1)加速度aを大きくする、(2)
塗膜厚hを大きくする、または(3)塗膜粘度ηを低くすれば、前記塗膜のせん断速度V
を大きくできる。前記塗膜のせん断速度Vを大きくすれば、塗膜の厚み方向において、前
記樹脂および前記粒子の移動速度に差が生じ、前記粒子同士が接触する機会が増加する。
その結果、前記粒子の凝集(せん断凝集)が起こる。前記せん断凝集は、チキソトロピー
付与剤を含む塗工液を用いることで起こりやすくなる。前記塗膜のせん断速度Vは、0.
05×10−9m/s〜2.0×10−9m/sの範囲内とすることが好ましく、より好
ましくは、0.05×10−9m/s〜1.0×10−9m/sの範囲内である。
図4を参照して、前記塗膜のせん断速度Vの調整方法について説明する。図4において
、符号20は、透光性基材を、符号21は、塗膜を、符号12は、粒子を、符号13は、
チキソトロピー付与剤を示している。図4(a)は、前記透光性基材20を傾斜させて、
前記塗膜21のせん断速度Vを大きくしている例である。図4(a)に示すように、例え
ば、前記透光性基材20を傾斜させることで、重力加速度の前記傾斜方向に沿った成分が
加速度aとなり、前記塗膜21のせん断速度Vを大きくすることができる。図4(b)は
、水平に保った透光性基材20を回転体上で回転させて、前記塗膜21のせん断速度Vを
大きくしている例である。図4(b)に示すように、例えば、水平に保った透光性基材2
0を回転体上で回転させることで、遠心力により加速度aが大きくなり、前記塗膜21の
せん断速度Vを大きくすることができる。
なお、図5に、せん断速度Vが時間経過とともに変化する場合を例示する。同図は、前
記せん断速度Vが、せん断速度V(せん断保持時間t)から、せん断速度V(せん
断保持時間t)に変更され、さらに、せん断速度V(せん断保持時間t)に変更さ
れる場合を示す図である。この場合、前記せん断距離Sは、例えば、各せん断速度でのせ
ん断距離、すなわち、せん断距離S(V×t)、せん断距離S(V×t)お
よびせん断距離S(V×t)の和(S=S+S+S)で算出される。図5で
は、透光性基材20が、コーターラインにより図左側から右側に向かって搬送されるとと
もに、図左端で、塗工液22が、透光性基材20に塗工される。そして、透光性基材20
搬送時の傾斜角が、第1傾斜角θから第2傾斜角θに変化し、さらに第3傾斜角θ
に変化することで、加速度aが変化するため、せん断速度Vが前述のとおり変更される。
上記したように、本発明では、粒子の凝集を利用して防眩層の表面形状を形成している
が、前記塗工液を用いるとともに、透光性基材に塗工した塗工液にせん断を生じさせるこ
とによって、防眩性と白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有する防眩性フィルム
を製造することができる。その理由は定かではないが、以下のように推察できる。ただし
、本発明は、この推察により、なんら制限および限定されない。
前記透光性基材に塗工した塗工液にせん断を生じさせることによって、塗工液の状態は
、上記したように(図2(a)参照)、チキソトロピー付与剤のネットワーク構造が形成
され、前記チキソトロピー付与剤が、前記塗工液中において、凝集して網目構造体を複数
形成し、前記網目構造体は、他の網目構造体と独立して存在していると考えられる。すな
わち、前記チキソトロピー付与剤は、粗密状態で分布している。このようにチキソトロピ
ー付与剤が粗密状態で分布することで、粒子が偏在し、表面形状を形成すると考えられる
。この結果、図7Aで示すように、凸状部14はなだらかな形状になると思われる。
これに対し、図2(c)の状態では、上記したように、せん断を生じさせる、生じさせ
ないに関わらず、チキソトロピー付与剤は図2(a)に示すような粗密状態にはならず、
前記塗工液中全体で密に集まった状態となる。このため、塗工液中でチキソトロピー付与
剤は自由に動くことはできず、凝集することはない。よって、チキソトロピー付与剤の凝
集作用による粒子の偏在(凝集)も起こらない。その結果、図2(c)の状態の塗工液を
使用した場合では、なだらかな表面形状ではなく、細かい凹凸が形成されやすいと考えら
れる。
更に、チキソトロピー付与剤のネットワーク構造が形成されない図2(b)の状態では
、塗工液にせん断を生じさせても、チキソトロピー付与剤は凝集せず、防眩性に必要な凹
凸形状が殆ど形成されずに、防眩性が十分得られない。
以上説明したように、透光性基材に塗工した塗工液に、チキソトロピー付与剤が凝集す
るせん断を生じさせることにより、チキソトロピー付与剤の凝集作用によって粒子を偏在
させ、防眩層の表面形状(凸状部)を形成する。これにより、上記した外観欠点となる防
眩層表面の突起状物の発生を防止できることに加えて、粒子が有する凝集特性に依存せず
とも、粒子の凝集状態をコントロールすることができ、それによって所望の表面凹凸形状
を有する防眩層を形成することができる。
さらに、本発明では、例えば、表面に疎水性基や親水性基を導入した粒子のように、凝
集特性に優れた粒子を用いた塗工液も好適に使用できる。その理由は、以下の通りである
。すなわち、塗工液に含まれるチキソトロピー付与剤は、凝集特性に優れた粒子に対し、
その凝集性を抑制する作用(粒子を分散させる方向に働く作用)を有している。上記した
ように、例えば表面に疎水性基や親水性基を導入した粒子の場合、同一特性を安定的に生
産することが難しく、また塗工・乾燥工程において緻密な生産条件の制御を行っていたと
しても、安定して表面形状を形成することが難しかった。しかし、本発明の方法を用いる
ことで、前記粒子においても、安定して表面形状を形成することができる。また、上記し
たように、塗工液中の粒子は溶剤によって膨潤することがあり、前記膨潤により、前記粒
子の凝集特性は経時的に変化する。したがって、塗工液を調整後、実際の製造工程に入る
までの時間経過に起因して、塗工液中の粒子の凝集状態が影響を受け、安定して表面形状
を形成することが難しくなる、という問題がある。本発明によると、このような問題も防
止することができ、凝集特性に優れた粒子を用いた塗工液を用いても、せん断工程を採用
することにより、安定して表面形状を形成することができる。
前記せん断保持時間t(前記せん断距離Sを、0.005×10−9m〜120×10
−9mの範囲内とする時間)は、0.1〜60s(秒)の範囲内で調整することが好まし
く、生産性などを考慮して1〜10sの範囲内で調整することがより好ましい。
前記塗工液は、チキソ性を示していることが好ましく、前記Ti値が、1.3〜3.5
の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.4〜3.2の範囲であり、さらに好ま
しくは1.5〜3.0の範囲である。
Ti値が、1.3未満であると、外観欠点が生じやすくなり、防眩性、白ボケについて
の特性が悪化する場合がある。また、Ti値が、3.5を超えると、前記粒子が凝集しに
くく分散状態となりやすくなり、本発明の防眩性フィルムが得られにくくなる。
本発明の製造方法により得られる防眩性フィルムでは、前述のように、前記防眩層は、
前記粒子および前記チキソトロピー付与剤が凝集することによって、前記防眩層の表面に
凸状部を形成する凝集部を有しており、前記凸状部を形成する凝集部において、前記粒子
が、前記防眩層の面方向に、複数集まった状態で存在する。これにより、前記凸状部が、
なだらかな形状となっている。本発明の防眩性フィルムは、このような形状の凸状部を有
することで、防眩性を維持しつつ、かつ、白ボケを防止することができ、さらに、外観欠
点を生じにくくすることができる。
防眩層の表面形状は、防眩層形成材料に含まれる粒子の凝集状態を制御することで、任
意に設計することができる。前記粒子の凝集状態は、例えば、前記粒子の材質(例えば、
粒子表面の化学的修飾状態、溶媒や樹脂に対する親和性等)、樹脂(バインダー)または
溶媒の種類、組合せ等により制御できるが、前記Ti値が1.3〜3.5の範囲での、前
記チキソトロピー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0
.95以上であれば、好適な表面形状を得るための塗工液として使用することができる。
あるいは、前記Ti値が1.3〜3.5の範囲での、前記チキソトロピー付与剤の添加量
xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにおける二次の係数aが
、負の値であれば、好適な表面形状を得るための塗工液として使用することができる。こ
こで、本発明では、前記防眩層形成材料に含まれるチキソトロピー付与剤により、前記粒
子の凝集状態をコントロールすることができる。この結果、本発明では、前記粒子の凝集
状態を前述のようにすることができ、前記凸状部を、なだらかな形状とすることができる
以上のようにして、前記透光性基材の少なくとも一方の面に、前記防眩層を形成するこ
とにより、防眩性フィルムを製造することができる。
前述のとおり、本発明の防眩性フィルムにおいて、前記防眩層が、前記粒子が凝集する
ことによって、前記防眩層の表面に凸状部を形成する凝集部を有しており、前記凸状部を
形成する凝集部において、前記粒子が、前記防眩層の面方向に、複数集まった状態で存在
することが好ましい。これにより、前記凸状部を、よりなだらかな形状とすることができ
る。このような形状の凸状部を有すれば、防眩性フィルムの防眩性を維持しつつ、かつ、
白ボケを防止することができ、さらに、外観欠点を生じにくくすることができる。
本発明で用いる塗工液は、上記したように、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および
溶媒を含んでいる。
<樹脂>
前記樹脂は、例えば、熱硬化型樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化型樹脂があ
げられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可
能である。前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)
または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方
の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂
、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の
アクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これ
らは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基
を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開200
8−88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリ
レート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。
前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが
好ましい。これは、防眩層の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤
としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸
のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を
単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
<粒子>
前記防眩層を形成するための粒子は、形成される防眩層表面を凹凸形状にして防眩性を
付与し、また、前記防眩層のヘイズ値を制御することを主な機能とする。前記防眩層のヘ
イズ値は、前記粒子と前記樹脂との屈折率差を制御することで、設計することができる。
前記粒子としては、例えば、無機粒子と有機粒子とがある。前記無機粒子は、特に制限さ
れず、例えば、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子
、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子、硫
酸カルシウム粒子等があげられる。また、前記有機粒子は、特に制限されず、例えば、ポ
リメチルメタクリレート樹脂粉末(PMMA微粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレ
ン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン
樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリア
ミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末等があげられる。これ
らの無機粒子および有機粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用し
てもよい。
前記粒子の粒子径(D)(重量平均粒径)は、2.5〜10μmの範囲内にあることが
好ましい。前記粒子の重量平均粒径を、前記範囲とすることで、例えば、より防眩性に優
れ、かつ白ボケが防止できる防眩性フィルムとすることができる。前記粒子の重量平均粒
径は、より好ましくは、3〜7μmの範囲内である。なお、前記粒子の重量平均粒径は、
例えば、コールターカウント法により測定できる。例えば、細孔電気抵抗法を利用した粒
度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン・コールター社製)を
用い、粒子が前記細孔を通過する際の粒子の体積に相当する電解液の電気抵抗を測定する
ことにより、前記粒子の数と体積を測定し、重量平均粒径を算出する。
前記粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末
等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペ
クト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。
前記防眩層における前記粒子の割合は、前記樹脂100重量部に対し、0.2〜12重
量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.5〜12重量部の範囲であり、さらに好ま
しくは1〜7重量部の範囲である。前記範囲とすることで、例えば、より防眩性に優れ、
かつ白ボケが防止できる防眩性フィルムとすることができる。
<チキソトロピー付与剤>
前記防眩層を形成するためのチキソトロピー付与剤としては、例えば、有機粘土、酸化
ポリオレフィン、変性ウレア等があげられる。
前記有機粘土は、前記樹脂との親和性を改善するために、有機化処理した層状粘土であ
ることが好ましい。前記有機粘土は、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前
記市販品としては、例えば、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタ
イトSEN、ルーセンタイトSPN、ソマシフME−100、ソマシフMAE、ソマシフ
MTE、ソマシフMEE、ソマシフMPE(商品名、いずれもコープケミカル(株)製)
;エスベン、エスベンC、エスベンE、エスベンW、エスベンP、エスベンWX、エスベ
ンN−400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ
、エスベンNO12、エスベンNE、エスベンNZ、エスベンNZ70、オルガナイト、
オルガナイトD、オルガナイトT(商品名、いずれも(株)ホージュン製);クニピアF
、クニピアG、クニピアG4(商品名、いずれもクニミネ工業(株)製);チクソゲルV
Z、クレイトンHT、クレイトン40(商品名、いずれもロックウッド アディティブズ
社製)等があげられる。
前記酸化ポリオレフィンは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販
品としては、例えば、ディスパロン4200−20(商品名、楠本化成(株)製)、フロ
ーノンSA300(商品名、共栄社化学(株)製)等があげられる。
前記変性ウレアは、イソシアネート単量体あるいはそのアダクト体と有機アミンとの反
応物である。前記変性ウレアは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市
販品としては、例えば、BYK410(ビッグケミー社製)等があげられる。
前記塗工液における前記チキソトロピー付与剤の割合は、前記樹脂100重量部に対し
、0.2〜5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.4〜4重量部の範囲である
前記チキソトロピー付与剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用し
てもよい。
<溶媒>
前記溶媒は、特に制限されず、種々の溶媒を使用可能であり、一種類を単独で使用して
もよいし、二種類以上を併用してもよい。前記樹脂の組成、前記粒子および前記チキソト
ロピー付与剤の種類、含有量等に応じて、最適な溶媒種類や溶媒比率が存在する。前記溶
媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリ
コール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン
、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類
等があげられる。
また、溶媒を適宜選択することによって、チキソトロピー付与剤による防眩層形成材料
(塗工液)へのチキソトロピー(チキソ性)を良好に発現させることができる。例えば、
有機粘土を用いる場合には、トルエンおよびキシレンを好適に、単独使用または併用する
ことができ、例えば、酸化ポリオレフィンを用いる場合には、メチルエチルケトン、酢酸
エチル、プロピレングリコールモノメチルメーテルを好適に、単独使用または併用するこ
とができ、例えば、変性ウレアを用いる場合には、酢酸ブチルおよびメチルイソブチルケ
トンを好適に、単独使用または併用することができる。
<その他、添加剤>
前記塗工液には、各種レベリング剤を添加することができる。前記レベリング剤として
は、塗工ムラ防止(塗工面の均一化)を目的に、例えば、フッ素系またはシリコーン系の
レベリング剤を用いることができる。本発明では、防眩層表面に防汚性が求められる場合
、または、後述のように反射防止層(低屈折率層)や層間充填剤を含む層が防眩層上に形
成される場合などに応じて、適宜レベリング剤を選定することができる。本発明では、例
えば、前記チキソトロピー付与剤を含ませることで塗工液にチキソ性を発現させることが
できるため、塗工ムラが発生しにくい。このため、本発明は、例えば、前記レベリング剤
の選択肢を広げられるという優位点を有している。
前記レベリング剤の配合量は、前記樹脂100重量部に対して、例えば、5重量部以下
、好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
前記塗工液には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、分散剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防汚剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。これらの
添加剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上併用してもよい。
前記塗工液には、例えば、特開2008−88309号公報に記載されるような、従来
公知の光重合開始剤を用いることができる。
本発明では、前記塗工液を、前記透光性基材の少なくとも一方の面に塗工して塗膜を形
成し、前記塗工した塗工液のせん断距離Sを、0.005×10−9m〜120×10
mの範囲内とすることが好ましい。
前記塗工液を前記透光性基材上に塗工して塗膜を形成する方法としては、例えば、ファ
ンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法
、ロールコート法、バーコート法等の塗工法を用いることができる。
<透明プラスチックフィルム基材>
前記透明プラスチックフィルム基材は、特に制限されないが、可視光の光線透過率に優
れ(好ましくは光線透過率90%以上)、透明性に優れるもの(好ましくはヘイズ値1%
以下のもの)が好ましく、例えば、特開2008−90263号公報に記載の透明プラス
チックフィルム基材があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材としては、光学的
に複屈折の少ないものが好適に用いられる。本発明の防眩性フィルムは、例えば、保護フ
ィルムとして偏光板に使用することもでき、この場合には、前記透明プラスチックフィル
ム基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、アクリル系ポ
リマー、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン等から形成されたフィルム
が好ましい。また、本発明において、後述するように、前記透明プラスチックフィルム基
材は、偏光子自体であってもよい。このような構成であると、TAC等からなる保護層を
不要とし偏光板の構造を単純化できるので、偏光板若しくは画像表示装置の製造工程数を
減少させ、生産効率の向上が図れる。また、このような構成であれば、偏光板を、より薄
層化することができる。なお、前記透明プラスチックフィルム基材が偏光子である場合に
は、防眩層が、従来の保護層としての役割を果たすことになる。また、このような構成で
あれば、防眩性フィルムは、例えば、液晶セル表面に装着される場合、カバープレートと
しての機能を兼ねることになる。
本発明において、前記透明プラスチックフィルム基材の厚みは、特に制限されないが、
例えば、強度、取り扱い性などの作業性および薄層性などの点を考慮すると、10〜50
0μmの範囲が好ましく、より好ましくは20〜300μmの範囲であり、最適には、3
0〜200μmの範囲である。前記透明プラスチックフィルム基材の屈折率は、特に制限
されない。前記屈折率は、例えば、1.30〜1.80の範囲であり、好ましくは、1.
40〜1.70の範囲である。
<浸透層>
本発明の防眩性フィルムにおいて、透光性基材が樹脂等から形成されている場合、前記
透光性基材と防眩層との界面において、浸透層を有していることが好ましい。前記浸透層
は、前記防眩層の形成材料に含まれる樹脂成分が、前記透光性基材に浸透して形成される
。浸透層が形成されると、透光性基材と防眩層との密着性を向上させることができ、好ま
しい。前記浸透層は、厚みが0.2〜3μmの範囲であることが好ましく、より好ましく
は0.5〜2μmの範囲である。例えば、前記透光性基材がトリアセチルセルロースであ
り、前記防眩層に含まれる樹脂がアクリル樹脂である場合には、前記浸透層を形成させる
ことができる。前記浸透層は、例えば、防眩性フィルムの断面を、透過型電子顕微鏡(T
EM)で観察することで、確認することができ、厚みを測定することができる。
本発明の防眩性フィルムでは、このような浸透層を有する防眩性フィルムに適用した場
合であっても、防眩性と白ボケの防止とを両立した、所望するなだらかな表面凹凸形状を
容易に形成することができる。前記浸透層は、前記防眩層との密着性が乏しい透光性基材
であるほど、密着性の向上のため、厚く形成することが好ましい。
透光性基材として、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)を採用して浸透層を形
成する場合は、TACに対する良溶媒が好適に使用できる。その溶媒としては、例えば、
酢酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノンなどをあげることができる。
<防眩層>
防眩層は、前記塗膜を硬化させて形成される。前記硬化に先立ち、前記塗膜を乾燥させ
ることが好ましい。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でもよいし、風を吹きつけての風乾で
あってもよいし、加熱乾燥であってもよいし、これらを組み合わせた方法であってもよい
前記塗膜の硬化手段は、特に制限されないが、紫外線硬化が好ましい。エネルギー線源
の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜500mJ/cm
好ましい。照射量が、50mJ/cm以上であれば、硬化がより十分となり、形成され
る防眩層の硬度もより十分なものとなる。また、500mJ/cm以下であれば、形成
される防眩層の着色を防止することができる。
前記防眩層の厚み(d)は、特に制限されないが、3〜12μmの範囲内にあることが
好ましい。前記防眩層の厚み(d)を、前記範囲とすることで、例えば、防眩性フィルム
におけるカールの発生を防ぐことができ、搬送性不良等の生産性の低下の問題を回避でき
る。また、前記厚み(d)が前記範囲にある場合、前記粒子の重量平均粒径(D)は、前
述のように、2.5〜10μmの範囲内にあることが好ましい。前記防眩層の厚み(d)
と、前記粒子の重量平均粒径(D)とが、前述の組み合わせであることで、さらに防眩性
に優れる防眩性フィルムとすることができる。前記防眩層の厚み(d)は、より好ましく
は、3〜8μmの範囲内である。
前記防眩層の厚み(d)と前記粒子の重量平均粒径(D)との関係は、0.3≦D/d
≦0.9の範囲内にあることが好ましい。このような関係にあることにより、より防眩性
に優れ、かつ白ボケが防止でき、さらに、外観欠点のない防眩性フィルムを得ることがで
きる。
本発明の防眩性フィルムにおいて、前記凸状部の前記防眩層の粗さ平均線からの高さが
、前記防眩層の厚みの0.4倍未満であることが好ましい。より好ましくは、0.01倍
以上0.4倍未満の範囲であり、さらに好ましくは、0.01倍以上0.3倍未満の範囲
である。この範囲であれば、前記凸状部に外観欠点となる突起物が形成されることを、好
適に防止できる。本発明の防眩性フィルムは、このような高さの凸状部を有することで、
外観欠点を生じにくくすることができる。ここで、前記平均線からの高さについて、図6
を参照して説明する。図6は、前記防眩層の断面の二次元プロファイルの模式図であり、
直線Lは、前記二次元プロファイルにおける粗さ平均線(中心線)である。前記二次元プ
ロファイルにおける粗さ平均線からの頂部(凸状部)の高さHを、本発明における凸状部
高さとする。図6において、前記凸状部のうち、前記平均線を越えている部分には、平行
斜線を付している。また、前記防眩層の厚みは、防眩性フィルムの全体厚みを測定し、前
記全体厚みから、透光性基材の厚みを差し引くことにより算出される、防眩層の厚みであ
る。前記全体厚みおよび前記透光性基材の厚みは、例えば、マイクロゲージ式厚み計によ
って、測定することができる。
本発明の防眩性フィルムは、前記防眩層において、最大径が200μm以上の外観欠点
が前記防眩層の1mあたり1個以下であることが好ましい。より好ましくは、前記外観
欠点が無いことである。
本発明の防眩性フィルムは、へイズ値が0〜10%の範囲内であることが好ましい。前
記ヘイズ値とは、JIS K 7136(2000年版)に準じた防眩性フィルム全体の
ヘイズ値(曇度)である。前記ヘイズ値は、0〜5%の範囲がより好ましく、さらに好ま
しくは、0〜3%の範囲である。ヘイズ値を上記範囲とするためには、前記粒子と前記樹
脂との屈折率差が0.001〜0.02の範囲となるように、前記粒子と前記樹脂とを選
択することが好ましい。ヘイズ値が前記範囲であることにより、鮮明な画像が得られ、ま
た、暗所でのコントラストを向上させることができる。
本発明の防眩性フィルムは、前記防眩層表面の凹凸形状において、JIS B 060
1(1994年版)に規定される算術平均表面粗さRaが0.03〜0.45μmの範囲
であることが好ましく、より好ましくは0.04〜0.40μmの範囲である。防眩性フ
ィルムの表面における外光や像の映り込みを防ぐためには、ある程度の表面の荒れがある
ことが好ましいが、Raが0.03μm以上あることで前記映り込みを改善することがで
きる。前記Raが上記範囲にあると、画像表示装置等に使用したときに、斜め方向から見
た場合の反射光の散乱が抑えられ、白ボケが改善されるとともに、明所でのコントラスト
も向上させることができる。
前記凹凸形状は、JIS B 0601(1994年版)にしたがって測定した表面の
平均凹凸間距離Sm(mm)が0.05〜0.4の範囲であることが好ましく、より好ま
しくは0.08〜0.3の範囲である。前記範囲とすることで、例えば、より防眩性に優
れ、かつ白ボケが防止できる防眩性フィルムとすることができる。
本発明の防眩性フィルムは、前記防眩層表面の凹凸形状において、平均傾斜角θa(°
)が0.1〜1.5の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0の範囲
である。ここで、前記平均傾斜角θaは、下記数式(1)で定義される値である。前記平
均傾斜角θaは、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定される値である。
平均傾斜角θa=tan−1Δa (1)
前記数式(1)において、Δaは、下記数式(2)に示すように、JIS B 060
1(1994年度版)に規定される粗さ曲線の基準長さLにおいて、隣り合う山の頂点と
谷の最下点との差(高さh)の合計(h1+h2+h3・・・+hn)を前記基準長さL
で割った値である。前記粗さ曲線は、断面曲線から、所定の波長より長い表面うねり成分
を位相差補償形高域フィルタで除去した曲線である。また、前記断面曲線とは、対象面に
直角な平面で対象面を切断したときに、その切り口に現れる輪郭である。
Δa=(h1+h2+h3・・・+hn)/L (2)
Ra、Smおよびθaがすべて、上記範囲にあると、より防眩性に優れ、かつ白ボケが
防止できる防眩性フィルムとすることができる。
本発明の防眩性フィルムの硬度は、鉛筆硬度において、層の厚みにも影響されるが、2
H以上の硬度を有することが好ましい。
本発明の防眩性フィルムの一例としては、透明プラスチックフィルム基材の片方の面に
、防眩層が形成されているものをあげることができる。前記防眩層は、粒子を含んでおり
、これによって、防眩層の表面が凹凸形状となっている。なお、この例では、透明プラス
チックフィルム基材の片面に防眩層が形成されているが、本発明は、これに限定されず、
透明プラスチックフィルム基材の両面に防眩層が形成された防眩性フィルムであってもよ
い。また、この例の防眩層は、単層であるが、本発明は、これに制限されず、前記防眩層
は、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。
<反射防止層>
本発明の防眩性フィルムにおいて、前記防眩層の上に、反射防止層(低屈折率層)を配
置してもよい。例えば、画像表示装置に防眩性フィルムを装着した場合、画像の視認性を
低下させる要因のひとつに空気と防眩層界面での光の反射があげられる。反射防止層は、
その表面反射を低減させるものである。なお、防眩層および反射防止層は、透明プラスチ
ックフィルム基材等の両面に形成してもよい。また、防眩層および反射防止層は、それぞ
れ、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。
本発明において、前記反射防止層は、厚みおよび屈折率を厳密に制御した光学薄膜若し
くは前記光学薄膜を二層以上積層したものである。前記反射防止層は、光の干渉効果を利
用して入射光と反射光の逆転した位相を互いに打ち消し合わせることで反射防止機能を発
現する。反射防止機能を発現させる可視光線の波長領域は、例えば、380〜780nm
であり、特に視感度が高い波長領域は450〜650nmの範囲であり、その中心波長で
ある550nmの反射率を最小にするように反射防止層を設計することが好ましい。
光の干渉効果に基づく前記反射防止層の設計において、その干渉効果を向上させる手段
としては、例えば、前記反射防止層と前記防眩層の屈折率差を大きくする方法がある。一
般的に、二ないし五層の光学薄層(厚みおよび屈折率を厳密に制御した薄膜)を積層した
構造の多層反射防止層では、屈折率の異なる成分を所定の厚さだけ複数層形成することで
、反射防止層の光学設計の自由度が上がり、より反射防止効果を向上させることができ、
分光反射特性も可視光領域で均一(フラット)にすることが可能になる。前記光学薄膜に
おいて、高い厚み精度が要求されるため、一般的に、各層の形成は、ドライ方式である真
空蒸着、スパッタリング、CVD等で実施される。
また、汚染物の付着防止および付着した汚染物の除去容易性の向上のために、フッ素基
含有のシラン系化合物若しくはフッ素基含有の有機化合物等から形成される汚染防止層を
前記反射防止層上に積層することが好ましい。
本発明の防眩性フィルムにおいて、前記透光性基材および前記防眩層の少なくとも一方
に対し表面処理を行うことが好ましい。前記透光性基材表面を表面処理すれば、前記防眩
層または偏光子若しくは偏光板との密着性がさらに向上する。また、前記防眩層表面を表
面処理すれば、前記反射防止層または偏光子若しくは偏光板との密着性がさらに向上する
前記透光性基材の一方の面に前記防眩層が形成されている防眩性フィルムにおいて、カ
ール発生を防止するために、他方の面に対し溶剤処理を行ってもよい。また、前記透光性
基材等の一方の面に前記防眩層が形成されている防眩性フィルムにおいて、カール発生を
防止するために、他方の面に透明樹脂層を形成してもよい。
<光学部材>
本発明で得られる防眩性フィルムは、通常、前記透光性基材側を、粘着剤や接着剤を介
して、LCDに用いられている光学部材に貼り合せることができる。なお、この貼り合わ
せにあたり、前記透光性基材表面に対し、前述のような各種の表面処理を行ってもよい。
前記光学部材としては、例えば、偏光子または偏光板があげられる。偏光板は、偏光子
の片側または両側に透明保護フィルムを有するという構成が一般的である。偏光子の両面
に透明保護フィルムを設ける場合は、表裏の透明保護フィルムは、同じ材料であってもよ
いし、異なる材料であってもよい。偏光板は、通常、液晶セルの両側に配置される。また
、偏光板は、2枚の偏光板の吸収軸が互いに略直交するように配置される。
つぎに、前記防眩性フィルムを積層した光学部材について、偏光板を例にして説明する
。前記防眩性フィルムを、接着剤や粘着剤などを用いて偏光子または偏光板と積層するこ
とによって、防眩性と、白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有するとともに、外
観欠点の発生が防止された偏光板を得ることができる。
前記偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。前記偏光子としては
、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系
フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィ
ルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニル
アルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等
があげられる。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムとしては、透明性、機械的
強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性などに優れるものが好ましい。前記透明
保護フィルムを形成する材料としては、例えば、前記透明プラスチックフィルム基材と同
様のものがあげられる。
前記、透明保護フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO01/3
7007)に記載の高分子フィルムがあげられる。前記高分子フィルムは、前記樹脂組成
物を、フィルム状に押出成型することにより製造できる。前記高分子フィルムは、位相差
が小さく、光弾性係数が小さいため、偏光板等の保護フィルムに適用した場合には、歪み
によるムラなどの不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に
優れる。
前記透明保護フィルムは、偏光特性や耐久性などの点から、トリアセチルセルロース等
のセルロース系樹脂製のフィルムおよびノルボルネン系樹脂製のフィルムが好ましい。前
記透明保護フィルムの市販品としては、例えば、商品名「フジタック」(富士フイルム社
製)、商品名「ゼオノア」(日本ゼオン社製)、商品名「アートン」(JSR社製)など
があげられる。前記透明保護フィルムの厚みは、特に制限されないが、強度、取扱性等の
作業性、薄層性等の点より、例えば、1〜500μmの範囲である。
前記防眩性フィルムを積層した偏光板の構成は、特に制限されないが、例えば、前記防
眩性フィルムの上に、透明保護フィルム、前記偏光子および前記透明保護フィルムを、こ
の順番で積層した構成でもよいし、前記防眩性フィルム上に、前記偏光子、前記透明保護
フィルムを、この順番で積層した構成でもよい。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の防眩性フィルムを用いる以外は、従来の画像表示装
置と同様の構成である。例えば、LCDの場合、液晶セル、偏光板等の光学部材、および
必要に応じ照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路
を組み込むこと等により製造できる。
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソ
コンモニター、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメ
ラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子
レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、
カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器
、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等
である。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下
の実施例および比較例により制限されない。なお、下記実施例および比較例における各種
特性は、下記の方法により評価または測定を行った。
(塗膜比重k(kg/m))
塗工液を100ml調整し、その重量を計量して塗膜の比重とした。
(加速度a(m/s))
傾斜角度をθとし、下記式で計算した。
a=重力加速度(9.8m/s)×sinθ
(塗膜厚h(m))
大塚電子社製「MCPD3750」を用い、非接触による干渉膜厚測定を行った。塗膜
屈折率は1.5とした。
(塗膜粘度η(Pa・s))
HAAKE社製レオストレスRS6000を用いて、ずり速度200(1/s)の条件
で測定される粘度を測定した。
(表面形状測定)
防眩性フィルムの防眩層が形成されていない面に、松浪ガラス工業(株)製のガラス板
(厚み1.3mm)を粘着剤で貼り合わせ、高精度微細形状測定器(商品名;サーフコー
ダET4000、(株)小坂研究所製)を用いて、カットオフ値0.8mmの条件で前記
防眩層の表面形状を測定し、算術平均表面粗さRa、平均凹凸間距離Smおよび平均傾斜
角θaを求めた。なお、前記高精度微細形状測定器は、前記算術平均表面粗さRaおよび
前記平均傾斜角θaを自動算出する。前記算術平均表面粗さRaおよび前記平均傾斜角θ
aは、JIS B 0601(1994年版)に基づくものである。前記平均凹凸間距離
Smは、JIS B 0601(1994年版)にしたがって測定した表面の平均凹凸間
距離(mm)である。
(外観評価)
1mの防眩性フィルムを用意し、暗室内で蛍光灯(1000Lx)を用いて、30c
mの距離から外観欠点について目視で確認した。確認された外観欠点について、目盛り付
きのルーペを用いて観察し、外観欠点の大きさ(最大径)を測定し、200μm以上であ
るものの個数をカウントした。
(防眩性評価)
(1)防眩性フィルムの防眩層が形成されていない面に、黒色アクリル板(三菱レイヨン
(株)製、厚み2.0mm)を粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射をなくしたサンプルを作
製した。
(2)一般的にディスプレイを用いるオフィス環境下(約1000Lx)において、サン
プルを蛍光灯(三波長光源)で照らし、上記で作製したサンプルの防眩性を、下記の基準
で目視にて判定した。
判定基準
G :防眩性に優れ、写り込む蛍光灯の輪郭の像を残さない。
NG:防眩性に劣り、蛍光灯の輪郭の像が写り込む。
(白ボケ評価)
(1)防眩性フィルムの防眩層が形成されていない面に、黒色アクリル板(日東樹脂工業
(株)製、厚み1.0mm)を粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射をなくしたサンプルを作
製した。
(2)一般的にディスプレイを用いるオフィス環境下(約1000Lx)にて、上記で作
製したサンプルの平面に対し垂直方向を基準(0°)として60°の方向から見て、白ボ
ケ現象を目視により観察し、下記の判定基準で評価した。
判定基準
AA:白ボケがほとんどない。
A :白ボケがあるが、視認性への影響は小さい。
B :白ボケが強く、視認性を著しく低下させる。
(微粒子の重量平均粒径)
コールターカウント法により、微粒子の重量平均粒径を測定した。具体的には、細孔電
気抵抗法を利用した粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン
・コールター社製)を用い、微粒子が細孔を通過する際の微粒子の体積に相当する電解液
の電気抵抗を測定することにより、微粒子の数と体積を測定し、重量平均粒径を算出した
(防眩層の厚み)
(株)ミツトヨ製のマイクロゲージ式厚み計を用い、防眩性フィルムの全体厚みを測定
し、前記全体厚みから、透光性基材の厚みを差し引くことにより、防眩層の厚みを算出し
た。
(実施例1)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学
工業(株)製、商品名「UV1700B」、固形分100%)100重量部を準備した。
前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、前記粒子としてアクリルとスチレンの共重合
粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクポリマー」、重量平均粒径:3.0μm、
屈折率:1.52)を2重量部、前記チキソトロピー付与剤として有機粘土である合成ス
メクタイト(コープケミカル(株)製、商品名「ルーセンタイトSAN」)を0.4重量
部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア907」)を3重量部、レベリ
ング剤(DIC(株)製、商品名「PC4100」、固形分10%)を0.5重量部混合
した。なお、前記有機粘土は、トルエンで固形分が6.0%になるよう希釈して用いた。
この混合物を、固形分濃度が35重量%となるように、トルエン/シクロペンタノン(C
PN)混合溶媒(重量比80/20)で希釈して、超音波分散機を用いて、塗工液を調製
した。
透光性基材として、透明プラスチックフィルム基材(トリアセチルセルロースフィルム
、富士フイルム(株)製、商品名「フジタック」、厚さ:60μm、屈折率:1.49)
を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、前記塗工液を、ワイヤーバー
を用いて塗布して塗膜を形成した。このとき、図4(a)に示すように前記透明プラスチ
ックフィルム基材を12°傾斜させて、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.20
×10−9m/s(せん断距離S=2.0×10−9m)とした。ついで、60℃で60
分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量3
00mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み7μmの防眩層を形成
し、実施例1の防眩性フィルムを得た。
(実施例2)
前記透明プラスチックフィルム基材を30°傾斜させて、前記塗膜のせん断速度Vを、
10秒間、0.40×10−9m/s(せん断距離S=4.0×10−9m)としたこと
以外は、実施例1と同様な方法にて、実施例2の防眩性フィルムを得た。
(実施例3)
前記チキソトロピー付与剤の添加量を0.8重量部とし、透明プラスチックフィルム基
材を30°傾斜させて、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.62×10−9m/
s(せん断距離S=6.2×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて
、実施例3の防眩性フィルムを得た。
(実施例4)
前記チキソトロピー付与剤の添加量を1.2重量部とし、透明プラスチックフィルム基
材を30°傾斜させて、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.28×10−9m/
s(せん断距離S=2.8×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて
、実施例4の防眩性フィルムを得た。
(実施例5)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型多官能アクリレート樹脂(新中村化学工業
(株)製、商品名「A−DPH」、固形分100%)を用いたこと以外は、実施例1と同
様な方法にて、実施例5の防眩性フィルムを得た。
(実施例6)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(東亜合成(株
)製、商品名「M1960」、固形分100%)を用い、透明プラスチックフィルム基材
を12°傾斜させて、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.26×10−9m/s
(せん断距離S=2.6×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて、
実施例6の防眩性フィルムを得た。
(比較例1)
前記透明プラスチックフィルム基材を傾斜させず(0°)、前記塗膜のせん断速度Vを
、10秒間、0m/s(せん断距離S=0×10−9m)としたこと以外は、実施例1と
同様な方法にて、比較例1の防眩性フィルムを得た。
(比較例2)
前記チキソトロピー付与剤を添加せず、透明プラスチックフィルム基材を30°傾斜さ
せて、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.35×10−9m/s(せん断距離S
=3.5×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて、比較例2の防眩
性フィルムを得た。
(比較例3)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC(株)
製、商品名「ユニディック17−806」、固形分80%)を用い、前記透明プラスチッ
クフィルム基材を傾斜させず(0°)、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0m/s
(せん断距離S=0×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて、比較
例3の防眩性フィルムを得た。
(比較例4)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC(株)
製、商品名「ユニディック17−806」、固形分80%)を用い、前記チキソトロピー
付与剤の添加量を0.8重量部とし、透明プラスチックフィルム基材を12°傾斜させて
、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.19×10−9m/s(せん断距離S=1
.9×10−9m)としたこと以外は、実施例1と同様な方法にて、比較例4の防眩性フ
ィルムを得た。
(比較例5)
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC(株)
製、商品名「ユニディック17−806」、固形分80%)を用い、前記チキソトロピー
付与剤の添加量を1.6重量部とし、透明プラスチックフィルム基材を30°傾斜させて
、前記塗膜のせん断速度Vを、10秒間、0.32×10−9m/sとしたこと以外は、
実施例1と同様な方法にて、比較例5の防眩性フィルムを得た。
このようにして得られた実施例および比較例の各防眩性フィルムについて、各種特性を
測定若しくは評価した。その結果を、下記表1に示す。また、各実施例および比較例で使
用した樹脂について、チキソトロピー付与剤の添加量とTi値との関係を示したグラフを
、図11および図12に示す。図11は、前記チキソトロピー付与剤の添加量と、前記T
i値との線形近似直線を付与したものであり、図12は、前記チキソトロピー付与剤の添
加量と、前記Ti値との二次の多項式近似曲線を付与したものである。
前記表1に示すように、実施例においては、防眩性および白ボケの両方について、良好
な結果が得られた。一方、前記塗膜のせん断速度Vが0m/sであり、塗膜にせん断が生
じていない比較例1、および、チキソトロピー付与剤を含んでいない比較例2においては
、上記のすべての特性について良好なものは得られなかった。また、樹脂として前記「ユ
ニディック17−806」を用いた比較例3〜5についても、上記のすべての特性につい
て良好なものは得られなかった。なお、比較例3〜5における塗工液の組成は、チキソト
ロピー付与剤(チキソ剤)添加量以外は同じである。比較例3〜5は、前記チキソトロピ
ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95未満であ
り前記条件(I)を満たさず、前記チキソトロピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの
二次の多項式近似式y=ax+bx+cにおける、二次の係数aが正の値であり前記条
件(II)を満たさない。さらに、チキソトロピー付与剤を添加していない比較例2では
、外観評価において、外観欠点が認められた。
図13(a)および図14(a)に、実施例1および比較例4で得られた防眩性フィル
ムの防眩層表面を観察した光学顕微鏡(半透過モード)写真を示す。図13(b)および
図14(b)は、それぞれ、図13(a)および図14(a)の写真において観察される
粒子の分布を示した模式図である。実施例1の防眩性フィルムでは、チキソトロピー付与
剤の凝集作用によって、粒子が凝集(偏在)していることがわかる。一方、比較例4の防
眩性フィルムでは、チキソトロピー付与剤の凝集作用によって、粒子が凝集(偏在)して
いないことがわかる。
本発明の防眩性フィルムの製造方法で得られた防眩性フィルムは、例えば、偏光板等の
光学部材、液晶パネル、および、LCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機ELディ
スプレイ)等の画像表示装置に好適に使用でき、その用途は制限されず、広い分野に適用
可能である。
1〜6、12 粒子
10 二点鎖線
11 防眩層
13 チキソトロピー付与剤
14 凸状部
20 透光性基材
21 塗膜
22 塗工液

Claims (19)

  1. 透光性基材の少なくとも一方の面に塗工液を塗工し、前記塗工液を硬化させて防眩層を形
    成する防眩性フィルムの製造方法であって、
    前記塗工液として、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含むとともに、下記
    条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすものを用い、
    前記透光性基材に塗工した前記塗工液にせん断を生じさせる工程を含むことを特徴とする
    防眩性フィルムの製造方法。

    (I)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピ
    ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95以上であ
    る。
    (II)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロ
    ピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにお
    ける二次の係数aが、負の値である。

    Ti値=β1/β2 (A)

    前記式(A)において、
    β1:ずり速度20(1/s)における粘度
    β2:ずり速度200(1/s)における粘度
    である。
  2. 透光性基材の少なくとも一方の面に塗工液を塗工し、前記塗工液を硬化させて防眩層を形
    成する防眩性フィルムの製造方法であって、
    前記塗工液として、樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含むものを用い、
    前記透光性基材に塗工した前記塗工液にせん断を生じさせる工程を含んでおり、前記せん
    断によって、前記粒子を偏在させて、前記防眩層の表面形状を形成することを特徴とする
    防眩性フィルムの製造方法。
  3. 前記防眩層の表面形状が、凹凸を有する形状であり、前記粒子を偏在させた部分に前記凹
    凸の凸部を形成することを特徴とする請求項2記載の防眩フィルムの製造方法。
  4. 前記せん断を生じさせる工程において、下記式(B)で定義される前記塗工した塗工液の
    せん断距離Sを、0.005×10−9m〜120×10−9mの範囲内とすることを特
    徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の防眩性フィルムの製造方法。

    S=∫Vdt (B)

    前記式(B)において、
    S:せん断距離(m)
    V:せん断速度(m/s)
    t:せん断保持時間(s)
    であり、
    せん断速度Vは、下記式(C)で定義され、

    V=kah/η (C)

    前記式(C)において、
    k:塗膜比重(kg/m
    a:加速度(m/s
    h:塗膜厚(m)
    η:塗膜粘度(Pa・s)
    である。ただし、加速度aは、時間経過とともに変化してもよいし、一定でもよい。
  5. 前記せん断速度Vを、0.05×10−9m/s〜2.0×10−9m/sの範囲内とす
    ることを特徴とする、請求項4記載の防眩性フィルムの製造方法。
  6. 前記せん断速度Vを、0.05×10−9m/s〜1.0×10−9m/sの範囲内とす
    ることを特徴とする、請求項5記載の防眩性フィルムの製造方法。
  7. 前記せん断保持時間tを、0.1〜60sの範囲内とすることを特徴とする、請求項4か
    ら6のいずれか一項に記載の防眩性フィルムの製造方法。
  8. 前記チキソトロピー付与剤が、有機粘土、酸化ポリオレフィンおよび変性ウレアからなる
    群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一
    項に記載の防眩性フィルムの製造方法。
  9. 前記防眩層の厚み(d)が3〜12μmの範囲内にあり、かつ、前記粒子の粒子径(D)
    が2.5〜10μmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に
    記載の防眩性フィルムの製造方法。
  10. 前記厚み(d)と前記粒子径(D)との関係が、0.3≦D/d≦0.9の範囲内にある
    ことを特徴とする、請求項9記載の防眩性フィルムの製造方法。
  11. 前記塗工液において、前記樹脂100重量部に対し、前記粒子が0.2〜12重量部の範
    囲で含まれ、前記チキソトロピー付与剤が0.2〜5重量部の範囲で含まれていることを
    特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の防眩性フィルムの製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の防眩性フィルムの製造方法により製造されたこ
    とを特徴とする防眩性フィルム。
  13. 前記防眩層表面において、下記算術平均表面粗さRaが、0.03〜0.45μmの範囲
    であることを特徴とする、請求項12記載の防眩性フィルム。
    Ra:JIS B 0601(1994年版)に規定される算術平均表面粗さ(μm)
  14. 透光性基材の少なくとも一方の面に防眩層を有する防眩性フィルムにおける、前記防眩層
    を形成する塗工液であって、
    樹脂、粒子、チキソトロピー付与剤および溶媒を含み、
    下記条件(I)および(II)の少なくとも一方を満たすことを特徴とする塗工液。
    (I)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロピ
    ー付与剤の添加量と前記Ti値との線形近似式において、寄与率Rが0.95以上であ
    る。
    (II)下記式(A)で定義されるTi値が1.2〜3.5の範囲での、前記チキソトロ
    ピー付与剤の添加量xと前記Ti値yとの二次の多項式近似式y=ax+bx+cにお
    ける二次の係数aが、負の値である。

    Ti値=β1/β2 (A)

    前記式(A)において、
    β1:ずり速度20(1/s)における粘度
    β2:ずり速度200(1/s)における粘度
    である。
  15. 前記チキソトロピー付与剤が、有機粘土、酸化ポリオレフィンおよび変性ウレアからなる
    群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項14記載の塗工液。
  16. 前記樹脂100重量部に対し、前記粒子が0.2〜12重量部の範囲で含まれ、前記チキ
    ソトロピー付与剤が0.2〜5重量部の範囲で含まれていることを特徴とする、請求項1
    4または15記載の塗工液。
  17. 偏光子、および、請求項12または13記載の防眩性フィルムを有していることを特徴と
    する偏光板。
  18. 請求項12または13記載の防眩性フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置。
  19. 請求項17記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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