JP2017142133A - 光検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査物に含まれている異物を精度良く発見することができる光検査装置を提供する。【解決手段】本発明の光検査装置は、被検査物を搬送する搬送部と、検査領域において、異物に蛍光を発生させるための励起光を被検査物に照射する励起光照射部と、検査領域において、蛍光を検出する光検出部と、光検出部から出力された信号に基づいて被検査物の画像を生成する処理部と、を備え、搬送部には、筐体が設置され、その筐体は、外部の可視光から検査領域を遮蔽する。【選択図】図3
Description
本発明は、被検査物に異物が含まれているか否かを検査するための光検査装置に関する。
特許文献1には、魚等の切り身に骨や寄生虫等が含まれているか否かを検査するために、紫外線等の励起光を切り身に照射し、骨や寄生虫等から発生した蛍光を検出する検出装置が記載されている。
特許文献1記載の検出装置では、切り身が配置される検査領域が外部の光(屋内の人口灯や自然光等)から遮蔽されていないため、微弱な蛍光を検出することが困難であり、骨や寄生虫等を見落とすおそれがある。
そこで、本発明は、被検査物に含まれている異物を精度良く発見することができる光検査装置を提供することを目的とする。
本発明の光検査装置は、被検査物を搬送する搬送部と、検査領域において、異物に蛍光を発生させるための励起光を被検査物に照射する励起光照射部と、検査領域において、蛍光を検出する光検出部と、光検出部から出力された信号に基づいて被検査物の画像を生成する処理部と、を備え、搬送部には、筐体が設置され、その筐体は、外部の可視光から検査領域を遮蔽する。
この光検査装置では、検査領域が搬送部上に設けられ、筐体によって外部の光から遮蔽される。そのため、異物から発生した蛍光が微弱であっても、そのような蛍光を検出することができる。以上により、この光検査装置によれば、被検査物に含まれている異物を精度良く発見することができる。
本発明の光検査装置では、筐体が、搬送方向上流から下流に向かって、右側面部、左側面部、中央部に分かれて、前記右側面部と前記左側面部が、それぞれ前記中央部からスライドして幅を調整する幅調整機構を有してもよい。これにより、検査領域の遮光状態を好適に調整することができる。
本発明の光検査装置では、筐体は、被検査物が出入りする開口部が設けられ、開口部の高さが、開口部から光検出部の視野端部までの長さの1/2以下であってもよい。これにより、検査領域を遮光することができる。
本発明の光検査装置では、開口部は、開口高さ、又は幅を調整する開口調整機構を有してもよい。
本発明の光検査装置では、筐体は、筐体内側に、筐体を搬送部に固定する固定板を有し、固定板は、筐体の高さを変更するための複数の固定位置を有してもよい。
本発明の光検査装置では、開口部には、被検査物に接触して開道する、検査領域への可視光の侵入を防止するノレン状の遮蔽部材を有してもよい。
本発明の光検査装置では、筐体は、外光を、前記光検出部のダイナミックレンジの1/10以下に遮光してもよい。このように遮光をすると、処理部において、異物から発生した蛍光が微弱であっても、外光に邪魔をされず、そのような蛍光を検出できる。
本発明の光検査装置では、処理部は、生成した画像に基づいて、被検査物に異物が含まれているか否かを検査してもよい。これにより、被検査物における異物の有無や異物の位置等を自動で特定することができる。
本発明によれば、被検査物に含まれている異物を精度良く発見することができる光検査装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
図1に示されるように、光検査装置1は、搬送部2と、筐体3と、励起光照射部4と、背景光照射部5と、光検出部6と、処理部7と、表示部8と、支柱9と、を備えている。光検査装置1は、被検査物Sに異物Fが含まれているか否かを検査するための装置である。被検査物Sは、主に、サバ、アジ、イカ、イワシ、サケ、サンマ、ホッケ等の魚介類の切り身であり、異物Fは、主に、アニサキス、ブリ線虫等の寄生虫である。
搬送部2は、隙間Cを介して並設された搬送コンベア21,22を有している。搬送部2は、隙間C上の検査領域Rにおいて、搬送方向Aに沿って被検査物Sを搬送する。筐体3は、外部の光(屋内の人口灯や自然光等)から検査領域Rを遮蔽する。
図3に示されるように、筐体3には、搬送コンベア21が検査領域Rに被検査物Sを搬入するための搬入口3a、及び搬送コンベア22が検査領域Rから被検査物Sを搬出するための搬出口3bが形成されている。筐体3内には搬入口3a及び搬出口3b等を介して外部の光が進入し得るが、それらの開口高さを検査領域Rの端部までの長さの1/2以下にすることで、検査領域Rを外部の光から十分に遮蔽している。
図4に示されるように、搬入口3a及び搬出口3bの近傍には開口高さや幅を調整できる調整板32、33が備えられており、調整板32、33をスライドさせることで被検査物の大きさや検査領域Rの遮光度合いに応じて、適宜調整できる開口調整機構を備えている。また、図5に示されるように、筐体3内側に取り付けられ、筐体3を搬送部2に固定するための固定板31の固定位置を調整することで、開口高さを調整してもよい。
励起光照射部4は、検査領域Rにおいて、搬送部2によって搬送される被検査物Sに励起光を照射する。励起光は、異物Fに蛍光を発生させるための光である。具体的には、励起光照射部4は、交流電源の周波数に依存して明滅する光源(例えば、グロー式、インバータ式のような周波数の低い点灯方式の光源、紫外線蛍光管、ブラックライト蛍光管等)であり、比較的ブロードな光を出力する。一例として、ブラックライト蛍光管は、紫外線及び短波長側の可視光を含むブロードな光(例えば、320nm〜420nmの波長を有する光)を出力する。励起光照射部4は、筐体3の天板に取り付けられており、検査領域Rの上側(後述する光検出部6側)から被検査物Sに励起光を照射する。なお、励起光照射部4としてLEDが用いられてもよい。
背景光照射部5は、検査領域Rにおいて、搬送部2によって搬送される被検査物Sに背景光を照射する。背景光は、励起光照射部4から出力される励起光の波長とも異なり且つ異物Fから発生する蛍光の波長とも異なる波長を有する光であって、被検査物Sに十分に吸収される波長及び強度を有する光である。具体的には、背景光照射部5は、近赤外光源であり、赤外領域の光(例えば、780nm〜900nmの波長を有する光)を出力する。背景光照射部5は、隙間Cの下側に位置するように支柱9に取り付けられており、検査領域Rの下側(後述する光検出部6の反対側)から隙間Cを介して被検査物Sに背景光を照射する。
なお、背景光の中心波長は、蛍光の中心波長に対してずれていればよい。つまり、背景光及び蛍光については、少なくとも互いの中心波長(ピーク波長)がずれていれば、互いの波長帯が完全にずれている必要はない。同様に、背景光の中心波長は、励起光の中心波長に対してずれていればよい。つまり、背景光及び励起光については、少なくとも互いの中心波長(ピーク波長)がずれていれば、互いの波長帯が完全にずれている必要はない。ただし、背景光の波長帯と蛍光の波長帯とは、完全にずれていることが好ましい。
光検出部6は、検査領域Rにおいて、異物Fから発生する蛍光、及び背景光照射部5から出力される背景光を検出する。光検出部6は、蛍光及び背景光に感度を有するラインセンサであり、搬送方向Aに交差する方向(ここでは、水平面に平行且つ搬送方向Aに垂直な方向)に沿って配列された複数の光検出素子6aを有している。光検出部6は、筐体3内において検査領域Rの上側に位置するように支柱9に取り付けられており、隙間Cを介して背景光照射部5と対向している。
処理部7は、光検出部6から出力された信号に基づいて被検査物Sの画像を生成し、当該画像を表示部8に表示させる(図2参照)。
また、処理部7では、画像を生成する際に基準となる光が最大値となるように、かつ画像処理しやすいように画像明度のレンジを調整している。例えば、12bit(0〜4095の階調)で画像を取得する場合、まず蛍光発光などの基準光の明度が3400であるとすると、上限値を基準光と同様の3400程度、下限値を基準光の1/10、つまり340程度に設定する。これにより、あまり暗い領域および明るい領域を識別することがなくなるので、検査のための画像処理が効率的に行われる。また、検査領域Rが、遮光され、かつ励起光及び背景光を点灯させていない時に、画像の明度が基準光の1/10、つまり340以下の値であれば、レンジを調整すると下限値に近い明度となるため、多少光が検査領域に侵入していたとしても、検査に影響はなく、十分に遮光されていることになる。
なお、基準光は、寄生虫の蛍光発光でも、背景光でも、励起光でもよい。
なお、基準光は、寄生虫の蛍光発光でも、背景光でも、励起光でもよい。
以上説明したように、光検査装置1では、筐体3によって外部の光から検査領域Rが遮蔽される。そのため、異物Fから発生した蛍光が微弱であっても、そのような蛍光を検出することができる。また、光検出部6の反対側から被検査物Sに背景光が照射される。そのため、筐体3によって外部の光から検査領域Rが遮蔽されても、生成した画像において被検査物Sの像を影として識別し、被検査物Sにおける異物Fの位置を特定することができる。しかも、背景光が蛍光の波長とは異なる波長を有する。そのため、背景光によって蛍光の検出が阻害されるのを抑制することができる。以上により、光検査装置1によれば、被検査物Sに含まれている異物Fを精度良く発見することができる。
一例として、作業者は、表示部8に表示された被検査物Sの画像を確認し、被検査物Sに異物Fが含まれているか否かを判断し、更に、被検査物Sに異物Fが含まれていた場合には被検査物Sにおける異物Fの位置を特定することができる。そして、作業者は、被検査物Sに異物Fが含まれていた場合には被検査物Sから異物Fを容易に且つ確実に除去することができる。なお、光検査装置1の後段に設けられた反転装置によって、被検査物Sの表裏を反転させて、被検査物Sの表裏を検査するようにしてもよい。
また、光検査装置1では、背景光が励起光の波長とは異なる波長を有する。これにより、励起光によって背景光の検出が阻害されるのを抑制することができる。つまり、生成した画像において被検査物Sの像を影としてより確実に識別し、被検査物Sにおける異物Fの位置をより確実に特定することができる。
また、光検査装置1では、背景光が赤外領域の波長を有する。これにより、背景光によって蛍光の検出が阻害されるのをより確実に抑制することができる。これは、異物Fから発生する蛍光は黄緑よりも短波長側の可視光であることが多いからである。
また、光検査装置1では、励起光照射部4が励起光を光検出部6側から被検査物Sに照射する。これにより、励起光によって蛍光及び背景光の検出が阻害されるのをより確実に抑制することができる。
また、光検査装置1では、搬送部2が検査領域Rにおいて被検査物Sを搬送する。これにより、被検査物Sの画像を自動で取得することができる。
また、光検査装置1では、筐体3の搬入口3a及び搬出口3bにノレン状の遮蔽部材34を設けてもよい。ノレンの材質は、SUSや樹脂製など、適宜選択できる。これにより、検査領域Rをより遮光することができる。
また、搬入口3a及び搬出口3bから検査領域Rまでの長さは、筐体3を搬送方向上流から下流に向かって、右側面部、左側面部、中央部に分け、右側面部と左側面部を、それぞれ中央部からスライドさせることで調整することができる幅調整機構を有していてもよい。これにより、検査領域Rの遮光状態を好適に調整可能になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、被検査物Sは、魚介類の切り身以外の食肉等であってもよく、また、異物Fは寄生虫以外の骨、鱗、内臓等であってもよい。
ここで、異物Fごとに、好適な励起光の波長の範囲、及びそれにより発生する蛍光の波長の範囲を例示する。
異物Fがアニサキスである場合、好適な励起光の波長の範囲は、300〜400nm(より好ましくは、330〜350nm)であり、それにより発生する蛍光の波長の範囲は、380〜500nm(より好ましくは、420〜450nm)である。
異物Fがブリ線虫である場合、好適な励起光の波長の範囲は、350〜450nm(より好ましくは、370〜390nm)であり、それにより発生する蛍光の波長の範囲は、420〜530nm(より好ましくは、440〜470nm)である。
異物Fがサバの骨である場合、好適な励起光の波長の範囲は、320〜380nm(より好ましくは、320〜340nm)であり、それにより発生する蛍光の波長の範囲は、380〜430nm(より好ましくは、380〜400nm)である。
異物Fがタイの鱗である場合、好適な励起光の波長の範囲は、300〜400nm(より好ましくは、320〜340nm)であり、それにより発生する蛍光の波長の範囲は、380〜500nm(より好ましくは、380〜400nm)である。
異物Fがタイの内臓である場合、好適な励起光の波長の範囲は、320〜500nm(より好ましくは、360〜380nm)であり、それにより発生する蛍光の波長の範囲は、480〜580nm(より好ましくは、510〜530nm)である。
また、励起光は、異物Fに蛍光を発生させ得る波長を有する光であればよい。また、背景光は、赤外領域の光に限定されず、少なくとも異物Fから発生する蛍光の波長とは異なる波長を有する光であって、被検査物Sに十分に吸収される波長及び強度を有する光であればよい。また、上記実施形態では、光検出部6及び励起光照射部4が検査領域Rに対して上側に位置し、背景光照射部5が検査領域Rに対して下側に位置していたが、光検出部6及び励起光照射部4が検査領域Rに対して下側に位置し、背景光照射部5が検査領域Rに対して上側に位置していてもよい。また、被検査物Sが吊り下げられているような場合には、励起光照射部4は、光検出部6と背景光照射部5とが対向する方向に対して側方に位置していてもよい。
また、処理部7は、生成した画像に基づいて、被検査物Sに異物Fが含まれているか否かを検査してもよい。これにより、被検査物Sにおける異物Fの有無や異物Fの位置等を自動で特定することができる。また、処理部7は、被検査物Sの像に現れる濃淡の縞によって異物Fの発見が阻害されないような場合には、平均化処理を実施しなくてもよい。
また、光検査装置1は、搬送部2を備えていなくてもよい。その場合、例えば、筐体3等を支柱9と共に移動させて、既設の搬送コンベアに対して、筐体3、励起光照射部4、背景光照射部5及び光検出部6等を設置することができる。
1…光検査装置、2…搬送部、3…筐体、4…励起光照射部、5…背景光照射部、6…光検出部、6a…光検出素子、7…処理部、R…検査領域、A…搬送方向、S…被検査物、F…異物。
Claims (7)
- 被検査物を搬送する搬送部と、
検査領域において、異物に蛍光を発生させるための励起光を被検査物に照射する励起光照射部と、
前記検査領域における、前記蛍光を検出する光検出部と、
前記光検出部から出力された信号に基づいて前記被検査物の画像を生成する処理部と、を備え、
前記搬送部には、筐体が設置され、
前記筐体は、外部の可視光から検査領域を遮蔽することを特徴とする光検査装置。 - 前記筐体は、搬送方向上流から下流に向かって、右側面部、左側面部、中央部に分かれており、前記右側面部と前記左側面部は、それぞれ前記中央部からスライドして幅を調整する幅調整機構を有することを特徴とする、請求項1に記載の光検査装置。
- 前記筐体は、前記被検査物が出入りする開口部が設けられ、
前記開口部の高さは、前記開口部から前記光検出部の視野端部までの長さの1/2以下であることを特徴とする、請求項1又は2記載の光検査装置。 - 前記開口部は、開口高さ、又は幅を調整する開口調整機構を有することを特徴とする、請求項3に記載の光検査装置。
- 前記筐体は、前記筐体内側に、前記筐体を前記搬送部に固定する固定板を有し、
前記固定板は、前記筐体の高さを変更するための複数の固定位置を有することを特徴とする、請求項4記載の光検査装置。 - 前記開口部には、被検査物に接触して開道する、検査領域への可視光の侵入を防止するノレン状の遮蔽部材を有する、請求項4又は5に記載の光検査装置。
- 前記筐体は、外光を、前記光検出部のダイナミックレンジの1/10以下に遮光することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の光検査装置。
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