JP2017141692A - 廃熱回収装置 - Google Patents

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学 立野
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Abstract

【課題】内燃機関の廃熱をランキンサイクルにより回収する廃熱回収装置において、過熱器内部の気相流体を効率よく過熱することにより廃熱回収効率を向上させる。【解決手段】廃熱回収装置は、冷媒を蒸気化する沸騰器と、沸騰器から送出される気液二相の冷媒を気相流体と液相流体とに分離する気液分離器と、気液分離器から送出される気相流体を内燃機関の排気との熱交換によって過熱させる過熱器と、過熱器を通過した気相流体を膨張させて熱エネルギーを回収する膨張機と、膨張機を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器と、を備える。過熱器は、気相流体が通過する通路を内部に備え、内燃機関の排気マニホールドの外壁面が当該通路の内部に露出するように構成されている。そして、排気マニホールドの外壁面には、放熱フィンが設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、廃熱回収装置に係り、特にランキンサイクルシステムにより内燃機関の廃熱を回収する廃熱回収装置に関する。
特許文献1には、内燃機関の稼動に伴う廃熱を回収するランキンサイクルシステムに関する技術が開示されている。このランキンサイクルシステムでは、エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて蒸気(気相流体)に変化させ、気相流体を過熱器によって過熱し、過熱後の気相流体を膨張させることによって仕事を取り出し、膨張後の気相流体を凝縮させて液相流体に戻すことが行われる。また、上記特許文献1の技術では、廃熱回収効率の向上を目的として、排気ガスとの熱交換によって気相流体を過熱する過熱器を用いている。
特開2011−202584号公報
ところで、内燃機関の廃熱をランキンサイクルにより回収する廃熱回収装置では、過熱器における過熱効率を高めることにより、装置全体の廃熱回収効率を向上させることができる。過熱器内部の気相流体を効率よく過熱するためには、過熱器からの放熱を抑制するための構造や、より多くの熱を気相流体に伝達させるための構造の構築が求められる。しかしながら、上記特許文献1の技術では、このような観点から過熱器の構造の考察を行っておらず、廃熱回収効率の更なる向上に対して未だ改善の余地が残されている。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、内燃機関の廃熱をランキンサイクルにより回収する廃熱回収装置において、過熱器における過熱効率を高めることにより廃熱回収効率を向上させることのできる廃熱回収装置を提供することを目的とする。
本発明は、冷媒を蒸気化する沸騰器と、沸騰器から送出される気液二相の冷媒を気相流体と液相流体とに分離する気液分離器と、気液分離器から送出される気相流体を内燃機関の排気との熱交換によって過熱させる過熱器と、過熱器を通過した気相流体を膨張させて熱エネルギーを回収する膨張機と、膨張機を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器と、を備える廃熱回収装置を対象としている。この廃熱回収装置の過熱器は、気相流体が通過する通路を内部に備えている。そして、内燃機関の排気マニホールドの外壁面には放熱フィンが設けられ、当該過熱器の通路の内部に露出している。
本発明によれば、過熱器は、気相流体が通過する通路の内部に排気マニホールドの外壁面が露出するように構成されている。このような構成によれば、過熱器は、排気マニホールド周囲の高温雰囲気に配置されることとなるため、過熱器からの放熱が抑制される。また、排気マニホールドの外壁面には放熱フィンが設けられているため、排気マニホールドからの放熱が活発に行なわれる。これにより、過熱器を通過する気相流体への熱伝達量が増大する。このように、本発明によれば、過熱器の過熱効率を高めることができるので、廃熱回収装置の廃熱回収効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1のランキンサイクルシステムの構成を示す図である。 過熱器の内部構造を示す分解斜視図である。 過熱器の内部構造を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
実施の形態1.
1.ランキンサイクルシステムの構成
図1は、実施の形態1のランキンサイクルシステム100の構成を示す図である。実施の形態1のランキンサイクルシステム100は、内燃機関(エンジン)10を含み、エンジン10の廃熱を回収する廃熱回収装置として構成されている。エンジン10の種別や構造には限定はない。なお、図1では、シリンダブロックを含むエンジン10の一部の構成を省略して表している。エンジン10のシリンダブロック及びシリンダヘッド2には、エンジン10を循環する冷媒が流れる冷媒流路(図示省略)が形成されている。冷媒流路は、シリンダの周囲を囲むウォータージャケットを含む。エンジン10は、冷媒流路を流れる冷媒との熱交換によって冷却される。本実施の形態では、冷媒として水が用いられている。
エンジン10は、冷媒流路内を流通する冷媒をエンジン10の廃熱により沸騰させてその一部を蒸気化することにより冷却される。つまり、冷媒流路は、内部を流れる液相の冷媒をエンジン10の熱によって沸騰させる沸騰器として機能する。なお、冷媒流路は、エンジン10の内部を流通可能な通路であれば、その構成は特に限定されない。また、冷媒流路に流通させる冷媒は、常温では液相流体であり、エンジン10の熱により沸騰して気相流体に変化するものであればよく、水には限定されない。
エンジン10の冷媒流路は、冷媒管14を介して気液分離器16に接続されている。エンジン10の熱により冷媒が沸騰されると、冷媒流路からは気相流体とともに液相流体が吐出される。気液分離器16は、気液分離器16内に流入した気液二相の冷媒を液相流体と気相流体(蒸気)とに分離する。気液分離器16は、冷媒管18を介してエンジン冷媒流路ウォータポンプ(図示省略)に接続されている。気液分離器16で分離された液相流体は、冷媒管18を経由してエンジン冷媒流路ウォータポンプに流入し、エンジン冷媒流路ウォータポンプにより冷媒流路に送られる。
気液分離器16は、冷媒管28を介して過熱器30に接続されている。過熱器30は、排気マニホールド26の周囲を覆うように設けられ、排気マニホールド26と一体化されている。過熱器30の内壁面と排気マニホールド26の外壁面とで囲まれた空間が、気液分離器16から送られた気相流体が流れる流路となる。気液分離器16では気相流体と液相流体が共存しているため、気相流体は飽和蒸気となっている。過熱器30に入った気相流体は、排気マニホールド26の壁面から伝えられる排気熱を吸収することによって過熱蒸気となる。なお、過熱器30の内部構成については詳細を後述する。
過熱器30は、冷媒管32を介して膨張機であるタービン34に接続されている。タービン34では、過熱器30から送られた気相流体(過熱蒸気)を膨張させて熱エネルギーを回収することが行われる。冷媒管32とタービン34との接続部には、図示しない超音速ノズルが設けられている。気相流体は超音速ノズルからタービン34に噴きつけられ、タービン34を回転させる。タービン34の回転は、図示しない減速機を介してエンジン10の出力軸に伝えられる。つまり、タービン34で回収された熱エネルギーは、エンジン10のアシストに用いられる。ただし、タービン34により発電機を駆動し、発生した電気を蓄電池に蓄えるように構成することもできる。
タービン34で膨張した気相流体は、冷媒管36を介して図示しないコンデンサ(凝縮器)に送られる。なお、冷媒管36の途中において気相流体の凝縮により生じた液相流体は、冷媒管36の途中に設けられた凝縮水タンク38に一時的に貯留される。コンデンサに送られた気相流体は、コンデンサにより冷却されて凝縮し、液相流体に戻される。気相流体の凝縮により生じた液相流体は、コンデンサから冷媒管を経由して容積型ウォータポンプに流入し、容積型ウォータポンプにより冷媒管18に送られる。
2.過熱器の内部構造
図2は、過熱器の内部構造を示す分解斜視図である。この図に示すように、過熱器30は、エンジン10の排気側に固定される排気マニホールド26と、排気マニホールド26の上方を覆う外板301と、排気マニホールド26の下方を覆う外板302と、により構成されている。外板301,302は、排気マニホールド26の外部を覆う密閉構造の容器として構成される。排気マニホールド26は、各気筒の排気ポートに接続された複数の排気管により構成され、これらの排気管が合流した後に外板302から外部へと貫通している。
排気マニホールド26が配置されるエンジン10の排気側は、エンジンコンパートメント内において相対的に高温となる領域に相当する。本実施の形態のランキンサイクルシステム100では、過熱器30がエンジン10の排気側の最近傍に配置されることとなるため、過熱器30から外部への放熱が抑制される。
また、図2に示すように、外板301には、気相流体(蒸気)の入口303と出口304が形成されている。また、過熱器30の内部には、入口303から出口304へと気相流体を通過させるための通路が形成されている。排気マニホールド26は当該通路内に配置されている。そして、排気マニホールド26の外壁面には、複数の放熱フィン261が設けられている。
このような過熱器30の構造によれば、放熱フィン261を含む排気マニホールド26の外壁面は、過熱器30の通路の内部に露出される。排気マニホールド26の放熱フィン261は、排気マニホールド26を通過する排気ガスの熱を放熱するヒートシンクとして機能する。このため、過熱器30の入口303から導入された気相流体は、過熱器30の内部の通路を通過する過程で放熱フィン261を含む排気マニホールド26の外壁面から放熱された熱を受熱し過熱される。排気マニホールド26との熱交換によって高温の過熱蒸気となった気相流体は、過熱器30の出口304からタービン34へと導かれる。このように、排気マニホールド26の放熱フィン261によって過熱器30における過熱効率が有効に高められるので、熱回収効率が向上する。
図3は、過熱器の内部構造を説明するための図であり、図中の(A)は過熱器の上方から内部を透視した図を、図中の(B)は過熱器の正面から内部を透視した図を、それぞれ示している。この図に示すように、過熱器30の入口303は、排気マニホールド26を構成する複数の配管のうち、排気管長が短い配管が配置されている側に設けられている。排気マニホールド26を構成する各排気管は、排気管長が長いほど(すなわち排気管面積が大きいほど)放熱量が増える傾向にある。このため、各排気管の温度は、排気管長が長いほど低くなる傾向となる。上述した過熱器30の構成によれば、排気管の温度が相対的に高い領域に入口303が設けられるので、低い温度の気相流体を効率よく過熱することができ、また各排気管の温度差を均一にすることができる。
また、図3に示すように、過熱器30は凝縮水排出口305を備えている。凝縮水排出口305は、排気マニホールド26の各排気管の集合部(最低部)に位置する外板302に形成された貫通孔として構成されている。このような凝縮水排出口305によれば、過熱器30の内部で凝縮した水の排水性を確保することができる。また、このような凝縮水排出口305の配置によれば、各排気管の集合した熱により蒸気の発生を促進して凝縮水の排出量を減らすことができる。
2 シリンダヘッド
10 エンジン
14,18,28,32,36 冷媒管
16 気液分離器
26 排気マニホールド
261 放熱フィン
30 過熱器
301,302 外板
303 入口
304 出口
305 凝縮水排出口
34 タービン(膨張機)
38 凝縮水タンク
100 ランキンサイクルシステム

Claims (1)

  1. 冷媒を蒸気化する沸騰器と、前記沸騰器から送出される気液二相の冷媒を気相流体と液相流体とに分離する気液分離器と、前記気液分離器から送出される気相流体を内燃機関の排気との熱交換によって過熱させる過熱器と、前記過熱器を通過した気相流体を膨張させて熱エネルギーを回収する膨張機と、前記膨張機を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器と、を備える廃熱回収装置において、
    前記過熱器は、気相流体が通過する通路を備え、前記通路の内部に前記内燃機関の排気マニホールドの外壁面が露出するように構成され、前記外壁面には放熱フィンが設けられていることを特徴とする廃熱回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020051398A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 いすゞ自動車株式会社 ランキンサイクルシステム
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