JP2017141558A - コンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法 - Google Patents

コンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】養生ハウス内における寒中養生を適正に実施することができるコンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法を提供する。
【解決手段】打設したコンクリート12が外気Aと直接触れないようにコンクリート12を覆って設置される養生ハウス14と、養生ハウス14内のコンクリート12に直接触れる空気Bを加熱する加熱手段16とを備えるコンクリートの寒中養生装置10であって、養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段18をさらに備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート打ち込み後の養生期間中に凍結するおそれのあるコンクリートを凍結しないように、かつ、所要の品質が得られるように養生するための寒中養生装置および寒中養生方法に関し、特に積雪寒冷地で冬季間に施工されるコンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法に関するものである。
一般に、北海道などの積雪寒冷地で冬季間にコンクリートを打設する場合は、打設しようとするコンクリートの周囲の気温を+5℃以上に保つ寒中養生を行わなければならない。
通常、寒中養生は、図3に例示するように、打設したコンクリート構造物1の外部に設けた足場の外面にシートを張って外壁2を設置するとともに、上方に屋根3を設置してコンクリート構造物1を収容する養生ハウス4を構築し、この養生ハウス4の内部をヒーター5等で採暖し、コンクリート周囲の気温を+5℃以上になるようにして行っている。
一方、従来の寒中コンクリートの養生技術として、例えば特許文献1〜6に示すようなものが知られている。特許文献1は、打設したコンクリートの型枠表面に、遮熱養生シートを被覆することによって、コンクリートの水和熱の放射を軽減し外気の冷気を遮断するものである。特許文献2、3は、フィルムに導電性のカーボン塗料を塗布した面状発熱体を使用し、発熱温度を制御することによって養生シート内を10℃前後に保ちながら養生を行うものである。特許文献4は、コンクリートの露出面を吸水性高分子からなる繊維シートで覆い、高分子繊維シートが凍結する際に保温効果のある凍結層や空気層を形成してコンクリートの凍結を防止するようにしたものである。特許文献5は、コンクリート打設領域にパイプを予め配設しておき、ここに耐寒剤が添加されたコンクリートを打ち込んだ後、パイプ内に冷媒を通してコンクリートを5℃以下に冷却するものである。特許文献6は、所定配合のセメント組成物の凝結表面を、断熱材あるいは空気層を間に設け被覆材で被覆し養生するものである。
他方、養生ハウスを用いる工種の一つとして土壌浄化の技術が知られている。一般に、土壌浄化の技術では、土壌からの汚染空気を外部に出さないようにするために、土壌汚染範囲に養生ハウスを設置し、この養生ハウス内を負圧に保持している。
特開2013−174047号公報 特開2003−64874号公報 特開2000−274075号公報 特開平10−81578号公報 特開平9−49325号公報 特開平1−96051号公報
ところで、上記の図3に例示したように、コンクリート構造物1を収容する養生ハウス4には通常、外壁2をなすシートの接続部や出入口などに隙間や開口がある。この隙間や開口を通じて冷たい外気が養生ハウス4内に流入すると、流入した外気によってコンクリートが局部的に冷却するおそれがある。
このため、隙間や開口から冷たい外気が流入することを防ぎ、養生ハウス内でコンクリートの寒中養生を適正に実施することのできる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、養生ハウス内における寒中養生を適正に実施することができるコンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置は、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを備えるコンクリートの寒中養生装置であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリートの寒中養生方法は、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを使用するコンクリートの寒中養生方法であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧し、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くした状態でコンクリートを養生することを特徴とする。
本発明に係るコンクリートの寒中養生装置によれば、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを備えるコンクリートの寒中養生装置であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段をさらに備えるので、仮に養生ハウスに接続部や出入口などによる隙間や開口がある場合であっても、加圧手段で養生ハウス内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気が養生ハウス内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス内のコンクリートが冷たい外気に冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス内でコンクリートの寒中養生をより適正に実施することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリートの寒中養生方法によれば、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを使用するコンクリートの寒中養生方法であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧し、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くした状態でコンクリートを養生するので、仮に養生ハウスに接続部や出入口などによる隙間や開口がある場合であっても、加圧手段で養生ハウス内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気が養生ハウス内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス内のコンクリートが冷たい外気に冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス内でコンクリートの寒中養生をより適正に実施することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置の実施の形態を示す側断面図である。 図2は、本発明に係るコンクリートの寒中養生方法の実施の形態を示すフローチャート図である。 図3は、従来のコンクリートの寒中養生方法の一例を示す側断面図である。
以下に、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[コンクリートの寒中養生装置]
まず、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置10は、地表面GL上に打設したコンクリート構造物12(コンクリート)が外気Aと直接触れないようにコンクリート構造物12を覆って設置される養生ハウス14と、養生ハウス14内のコンクリート構造物12に直接触れる空気Bを加熱する加熱手段16と、養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段18とを備えるものである。
養生ハウス14は、コンクリート構造物12を囲繞する態様でその側方周囲の地表面GL上に立設した外壁20と、外壁20の上端間に架け渡された屋根22とからなる。外壁20は図示しない足場の側面に張られた断熱性シートにより構成され、屋根22も同様の断熱性シートにより構成される。この断熱性シートは、加圧手段18による加圧に耐え得る強度を有する。養生ハウス14は、コンクリート構造物12の打設前、打設中、打設直後のいずれかのタイミングで設置することができる。養生ハウス14内に収容するコンクリート構造物12の表面と、養生ハウス14の外壁20、屋根22との間隔は、コンクリート構造物12の採暖養生を適正に行うのに十分な間隔に設定することが望ましい。
加熱手段16は、養生ハウス14内のコンクリート構造物12に直接触れる空気Bを加熱するためのものであり、例えばコンクリートの採暖養生に適した周知のヒーターなどを用いて構成することができる。寒中養生を適正に実施するために、コンクリート周囲の気温が例えば5℃以上になるように空気Bを加熱制御することが望ましい。加熱手段16を周知のヒーターで構成する場合には、例えば養生ハウス14内のコンクリート構造物12の表面、または表面から所定距離だけ離れた位置に設置し、ヒーターの運転を制御可能なようにする。ヒーターの出力、設置数、具体的な設置箇所等については、養生対象のコンクリート構造物12および養生ハウス14の規模、外気温などに応じて適宜設定することができる。
加圧手段18は、養生ハウス14内の気圧を養生ハウス14外の外気圧より高くなるように加圧するためのものであり、例えば室内空気の加圧に適した周知の加圧ファンやブロワー、エアーコンプレッサーなどで構成することができる。加圧手段18を周知のブロワーで構成する場合には、例えば養生ハウス14の外壁20に設置し、ブロワーの運転を制御可能なようにする。ブロワーの能力、設置数、具体的な設置箇所等については、養生対象のコンクリート構造物12および養生ハウス14の規模、外気温などに応じて適宜設定することができる。
また、加圧手段18は、加熱手段16により加熱された空気を加圧するようにしてもよい。これにより、外気圧より高く加圧・加熱した空気Bが養生ハウス14内のコンクリート構造物12を採暖養生するとともに、養生ハウス14内への外気Aの流入を防止してコンクリート構造物12の冷却を防ぐようにしてもよい。
上記構成の動作および作用について説明する。
養生ハウス14内の空気Bを加熱手段16で加熱制御するとともに、加圧手段18で常に外気圧より高い状態を保つように加圧制御する。これにより、養生ハウス14内のコンクリート構造物12は加熱された空気Bにより所期の周囲温度にて採暖養生される。一方、養生ハウス14内は外気圧より高く保持されているので、仮に養生ハウス14に接続部や出入口などによる隙間や開口が存在し、この隙間や開口から養生ハウス14内の加圧・加熱された空気Bが外部に漏れ出ることはあっても、冷たい外気Aがこの隙間や開口から養生ハウス14内に入り込むことはない。
したがって、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置10によれば、加圧手段18で養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気Aが養生ハウス14内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス14内のコンクリート構造物12が隙間や開口から流入した冷たい外気Aに冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス14内でコンクリート構造物12の採暖養生(寒中養生)をより適正かつ効果的に実施することができる。
また、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置10は、冷たい外気Aの流入を防止し、外気Aによるコンクリート構造物12の急激な冷却を防ぐことができるので、特に外気温が−20℃以下の日が続くような厳寒地におけるコンクリートの寒中養生に有効である。
[コンクリートの寒中養生方法]
次に、本発明に係るコンクリートの寒中養生方法の実施の形態について説明する。本実施の形態のコンクリートの寒中養生方法は、上記のコンクリートの寒中養生装置10の構成を使用してコンクリートの寒中養生を実施する方法である。
図2のフローチャートおよび図1に示すように、まず、養生ハウス14を設置する(ステップS1)。次に、加熱手段16で養生ハウス14内を採暖する(ステップS2)。養生ハウス14内が5℃以上になった後にコンクリート構造物12を打設し(ステップS3)、続いて速やかに、採暖した加熱空気を加圧手段18で外気圧より高くなるように加圧する(ステップS4)。このステップS3とS4の処理は順序を入れ替えて実施してもよいし、同時並行的に実施してもよい。そして、予め設定した所定の養生期間が過ぎるまで上記のステップS2の加熱手段16による採暖養生と、ステップS4の加圧手段18による加圧とを連続的に行うことで寒中養生を実施する。所定の養生期間を経過したら(ステップS5でYes)、養生を終了する。養生終了後、養生ハウス14、加熱手段16、加圧手段18は撤去することができる。
このように、本実施の形態のコンクリートの寒中養生方法によれば、養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くなるように加圧し、養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くした状態でコンクリート構造物12を養生するので、仮に養生ハウス14に接続部や出入口などによる隙間や開口がある場合であっても、加圧手段18で養生ハウス14内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気Aが養生ハウス14内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス14内のコンクリート構造物12が冷たい外気Aに冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス14内でコンクリート構造物12の寒中養生をより適正に実施することができる。
以上説明したように、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置によれば、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを備えるコンクリートの寒中養生装置であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段をさらに備えるので、仮に養生ハウスに接続部や出入口などによる隙間や開口がある場合であっても、加圧手段で養生ハウス内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気が養生ハウス内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス内のコンクリートが冷たい外気に冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス内でコンクリートの寒中養生をより適正に実施することができる。
また、本発明に係るコンクリートの寒中養生方法によれば、打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを使用するコンクリートの寒中養生方法であって、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧し、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くした状態でコンクリートを養生するので、仮に養生ハウスに接続部や出入口などによる隙間や開口がある場合であっても、加圧手段で養生ハウス内の気圧を外気圧より高くすることで、隙間や開口から外気が養生ハウス内に流入することを防止できる。これにより、養生ハウス内のコンクリートが冷たい外気に冷却されるおそれがなくなるので、養生ハウス内でコンクリートの寒中養生をより適正に実施することができる。
以上のように、本発明に係るコンクリートの寒中養生装置および寒中養生方法は、コンクリート打ち込み後の養生期間中に凍結するおそれのあるコンクリートの寒中養生に有用であり、特に、積雪寒冷地で冬季間に施工される寒中コンクリートの養生に適している。
10 コンクリートの寒中養生装置
12 コンクリート構造物(コンクリート)
14 養生ハウス
16 加熱手段
18 加圧手段
20 外壁
22 屋根
A 外気
B 空気
GL 地表面

Claims (2)

  1. 打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを備えるコンクリートの寒中養生装置であって、
    前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧する加圧手段をさらに備えることを特徴とするコンクリートの寒中養生装置。
  2. 打設したコンクリートが外気と直接触れないように前記コンクリートを覆って設置される養生ハウスと、前記養生ハウス内の前記コンクリートに直接触れる空気を加熱する加熱手段とを使用するコンクリートの寒中養生方法であって、
    前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くなるように加圧し、前記養生ハウス内の気圧を外気圧より高くした状態でコンクリートを養生することを特徴とするコンクリートの寒中養生方法。
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