JP2017141002A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017141002A
JP2017141002A JP2016025166A JP2016025166A JP2017141002A JP 2017141002 A JP2017141002 A JP 2017141002A JP 2016025166 A JP2016025166 A JP 2016025166A JP 2016025166 A JP2016025166 A JP 2016025166A JP 2017141002 A JP2017141002 A JP 2017141002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dicarboxylic acid
acid
belt
tire
polyamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016025166A
Other languages
English (en)
Inventor
紳也 張替
Shinya Harikae
紳也 張替
雄一 竹中
Yuichi Takenaka
雄一 竹中
雅之 藤城
Masayuki Fujishiro
雅之 藤城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2016025166A priority Critical patent/JP2017141002A/ja
Publication of JP2017141002A publication Critical patent/JP2017141002A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

【課題】高速操縦安定性が優れ、タイヤユニフォミティーも高い空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。【解決手段】空気入りタイヤは少なくとも2層のベルト層とポリアミド繊維の有機繊維コードを有するベルト補助補強層を備える。ポリアミド繊維は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下である。温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比が0.6〜0.9、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト補助補強層を有する空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、特に、高速操縦安定性が優れ、ユニフォミティーが高い空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
従来から、乗用車用等の空気入りタイヤにおいて、高弾性特性を有する繊維コードを用いた高弾性ベルトカバー材を用いることにより、タイヤ回転に伴う遠心力によって生ずるクラウン部のせり上がり変形が抑制され、安定な接地形状が得られることが知られている。そして、安定した接地形状が実現されることから、高速耐久性及び高速操縦安定性の改善効果が得られることも知られている。高弾性特性を有する繊維コードとしては、種々のものが検討されている。例えば、特許文献1では、片撚りのナイロン6,6コードをセンター部ベルト補強層に用いることが記載されている。特許文献2には、ベルト補強層に、アラミドコード、ナイロンコード、又はアラミドとナイロンのハイブリッドコードを用いることが記載されている。
特開2007−196740号公報 特開2006−193093号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示されているようにベルト補助補強層の繊維コードにナイロンを用いた場合、走行時の発熱により、熱ダレを起こし、高速操縦安定性の低下を招く恐れがある。また、ベルト補助補強層の繊維コードに、特許文献2に示されているアラミドとナイロンのハイブリッドコードを用いた場合、上述のナイロンの問題点は改善されるものの、現状では更なる高速操縦安定性が求められている。これ以外にも、現在、ユニフォミティーが高いものも要求されている。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、高速操縦安定性が優れ、タイヤユニフォミティーも高い空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側に、補強コードを交差させた、少なくとも2層のベルト層と、前記ベルト層の前記タイヤ径方向の外側に1本又は複数本の有機繊維コードを引き揃えた帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成したタイヤ周方向のベルト補助補強層を有する空気入りタイヤであって、前記ベルト補助補強層の有機繊維コードはポリアミド繊維を含み、前記ポリアミド繊維は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する前記脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下であり、温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6〜0.9、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下であり、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下であることを特徴とする空気入りタイヤを提供するものである。
前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、前記ポリアミド繊維の束と、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束とを撚り合わせた複合コードであることが好ましい。
前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束2本と、前記ポリアミド繊維の束1本とを撚り合せた3本撚り構成の複合コードであることが好ましい。
また、前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束1本と、前記ポリアミド繊維の束1本とを撚り合せた2本撚り構成の複合コードであることが好ましい。
本発明の第2の態様は、トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側に、補強コードを交差させた、少なくとも2層のベルト層と、前記ベルト層の前記タイヤ径方向の外側に1本又は複数本の有機繊維コードを引き揃えた帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成したタイヤ周方向のベルト補助補強層を有する空気入りタイヤの製造方法であって、加硫時最高到達温度150℃〜170℃で加硫を行う加硫工程を有し、前記ベルト補助補強層の有機繊維コードはポリアミド繊維を含み、前記ポリアミド繊維は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する前記脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下であり、温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6〜0.9であり、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下であり、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下であることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法を提供するものである。
本発明の空気入りタイヤによれば、高速操縦安定性が優れ、タイヤユニフォミティーも高い。また、本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、高速操縦安定性が優れ、タイヤユニフォミティーも高い空気入りタイヤを得ることができる。
本発明の実施形態の空気入りタイヤの断面形状を示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第1の例を示す模式的断面図であり、(b)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第2の例を示す模式的断面図であり、(c)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第3の例を示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の空気入りタイヤの断面形状を示す断面図である。
図1に示す空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。
更に、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわち、タイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。図1の符号CLは、タイヤ赤道面のことであり、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ10の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ10のタイヤ幅の中心を通る平面である。
タイヤ10は、カーカス層20と、ベルト層22と、ベルト補助補強層24と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、タイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38とを主に有する。
トレッド部12には、タイヤ外側のトレッド面12aを構成する陸部12bと、トレッド面12aに形成されるトレッド溝12cとが設けられ、陸部12bは、トレッド溝12cによって区画される。トレッド溝12cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)を有する。トレッド面12aには、トレッド溝12cと陸部12bとによりトレッドパターンが形成される。
タイヤ10のタイヤ幅方向における最大幅Wmは、タイヤサイド39のタイヤ幅方向における最大長さを示す位置である最大幅位置39a間の距離のことである。タイヤの最大幅位置39aを中心としてタイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±30(%)の範囲内にある領域をサイドトレッドという。
ビード部18には、カーカス層20を折り返し、タイヤ10をホイールに固定するために機能する左右一対のビードコア28と、ビードコア28に接するようにビードフィラー30が設けられている。そのため、ビードコア28及びにビードフィラー30は、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとで挟み込まれている。
カーカス層20は、タイヤ幅方向に、トレッド部12に対応する部分から、ショルダー部14及びサイドウォール部16に対応する部分を経てビード部18まで延在してタイヤ10の骨格をなすものである。
カーカス層20は、補強コードが配列され、コードコーティングゴムで被覆された構成である。カーカス層20は、左右一対のビードコア28にタイヤ内側からタイヤ外側に折り返され、サイドウォール部16の領域で端部Aを成しており、ビードコア28を境とする本体部20aと折り返し部20bとから構成されている。すなわち、本実施形態においては、カーカス層20が1層、左右一対のビード部18間に装架されている。カーカス層20の数は1層に限定されるものではなく、構造及び用途に応じて複数層あってもよい。カーカス層20は、軽量化の観点から1層構造(1プライ)であることが好ましい。
また、カーカス層20は、1つのシート材で構成されても、複数のシート材で構成されてもよい。複数のシート材で構成する場合、カーカス層20は継部(スプライス部)を有することになる。
カーカス層20の有機繊維コードは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、レーヨン又はナイロン等で形成されるものである。
カーカス層20のコードコーティングゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)から選ばれた1種類又は複数種類のゴムが好ましく用いられる。また、これらのゴムを窒素、酸素、フッ素、塩素、ケイ素、リン、又は硫黄等の元素を含む官能基、例えば、アミン、アミド、ヒドロキシル、エステル、ケトン、シロキシ、若しくはアルキルシリル等により末端変性したもの、又はエポキシにより末端変性したものを用いることができる。
これらゴムに配合するカーボンブラックとしては、例えば、ヨウ素吸着量が20〜100(g/kg)、好ましくは20〜50(g/kg)であり、DBP吸収量が50〜135(cm/100g)、好ましくは50〜100(cm/100g)であり、かつCTAB吸着比表面積が30〜90(m/g)、好ましくは30〜45(m/g)であるものが用いられる。
また、使用する硫黄の量は、例えば、ゴム100質量部に対して1.5〜4.0質量部であり、好ましくは2.0〜3.0質量部である。
ベルト層22は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層20を補強するための補強層である。ベルト層22はカーカス層20のタイヤ径方向の外側に設けられている。このベルト層22は、トレッド部12に対応する部分に設けられ、内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bを有する。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードが、例えば、スチールコードであり、上述のコードコーティングゴム等で被覆して構成されている。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が、例えば、24〜35°であり、好ましくは27〜33°である。これにより、高速耐久性を向上させることができる。
ベルト層22の内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、いずれも補強コードがスチールコードであることに限定されるものではなく、いずれか一方のみにスチールベルトを適用しても良いし、少なくとも一方を、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等からなる従来公知の補強コードとしても良い。
タイヤ10には、ベルト層22の最上層である外側ベルト層22b上に、すなわち、ベルト層22のタイヤ径方向の外側に、ベルト層22の補強を行うベルト補助補強層24がタイヤ周方向に配置されている。
ベルト補助補強層24は、後に詳細に説明するが、補強コードとして、例えば、1本又は複数本の有機繊維コードが引き揃えられ、上述のコードコーティングゴム等で被覆された帯状部材である。ベルト補助補強層24は、帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成されたタイヤ周方向のベルト補助補強層である。ベルト補助補強層24は、タイヤ周方向に螺旋状に配置されている。
図1に示すベルト補助補強層24は、例えば、ベルト層22の端部22eを含め、ベルト層22をタイヤ幅方向に端から端まで覆う構成、いわゆるフルカバーと呼ばれるものである。なお、ベルト補助補強層24は、フルカバーを複数積層した構成でもよく、エッジショルダーと、フルカバーとを組み合わせた構成でもよい。
ベルト補助補強層24の有機繊維コードには、以下に説明するポリアミド繊維が用いられる。有機繊維コードとしては、ポリアミド繊維単体以外に、ポリアミド繊維を少なくとも1本含む複合コードを用いることもできる。ポリアミド繊維及び複合コードについては後に詳細に説明する。
次に、ベルト補助補強層24について詳細に説明する。図2(a)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第1の例を示す模式的断面図であり、(b)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第2の例を示す模式的断面図であり、(c)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのベルト補助補強層の第3の例を示す模式的断面図である。
ベルト補助補強層24は、図2(a)に示すように、ゴム層50と、複数本の有機繊維コード52を有し、複数本の有機繊維コード52が引き揃えて配列されてゴム層50に被覆された帯状部材である。例えば、ゴム層50は上述のコードコーティングゴムで構成される。有機繊維コード52は少なくとも1本あればよい。
有機繊維コード52は、上述のようにポリアミド繊維で構成される。有機繊維コード52の構成は、1本(単糸)のポリアミド繊維に限定されるものではなく、例えば、複数本のポリアミド繊維を撚ったものでもよい。
有機繊維コード52は、強度が4.0cN/dtex以上であることが好ましい。強度が4.0cN/dtex以上であれば、ベルト補助補強層24について十分な強度を確保することができる。
有機繊維コード52は、上撚り係数Kが1500〜2200であることが好ましい。上撚り係数Kを1500〜2200とすることで、有機繊維コード52の剛性を適度に確保することができる。
上撚り係数Kは、K=N×D1/2で表されるものである。ここで、Nは上撚り数(回/10cm)、Dは総繊度(dtex)である。
有機繊維コード52について、ポリアミド繊維ヤーンと、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維ヤーンとを撚り合わせた複合コードでもよい。以下、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維のことを、単に高強度繊維という。複合コードでは、ポリアミド繊維ヤーンと高強度繊維ヤーンとは撚られている。なお、繊維の束のことをヤーンという。
強度が10cN/dtex以上であれば、ベルト補助補強層24の薄ゲージ化、及び複合コードの形態の安定化を図ることができる。高強度繊維としては、例えば、アラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維が用いられる。
複合コードとしては、少なくとも1本、ポリアミド繊維ヤーンがあればよく、図2(b)に示すように、1本のポリアミド繊維ヤーン56と、1本の高強度繊維ヤーン58とを撚り合せた2本撚り構成の複合コード54でもよい。この場合、撚り方は、特に限定されるものではない。2本撚り構成の複合コード54とすることで、ベルト補助補強層24の薄ゲージ化が可能となり発熱を抑制することができ、高速操縦安定性を改善することができる。
また、図2(c)に示すように、1本のポリアミド繊維ヤーン56と、2本の高強度繊維ヤーン58とを撚り合せた3本撚り構成の複合コード55でもよい。この場合も、撚り方は、特に限定されるものではない。3本撚り構成の複合コード55とすることで、複合コードの形態が安定化され、複合コードの耐疲労性を改善することができる。これにより、タイヤ耐久性を高くすることができる。
なお、複合コードの構成は、ポリアミド繊維ヤーンを含む構成であればよく、図2(b)、(c)に示す構成に限定されるものではない。
次に、ベルト補助補強層24の有機繊維コードを構成するポリアミド繊維について詳細に説明する。
ポリアミド繊維は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上である。脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下である。ポリアミド繊維は、温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6〜0.9である。ポリアミド繊維は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下である。ポリアミド繊維は、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下である。
ポリアミド繊維は、上述のように、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上含むジカルボン酸とジアミンとが重縮合したポリアミドから成る。これにより、繊維のガラス転移温度(Tg)を高くすることができ、ナイロン66繊維の欠点である高温時の剛性低下を大幅に抑制することが可能となる。また、脂肪族ポリアミドでアミド結合を有しているため、ゴム接着性も非常に優れている。更に、耐熱ポリアミドとして一般的な芳香族由来の構造単位を含むポリアミドと比較して、良好な流動性を保ったままで高分子量化することができ、優れた繊維強度を有する糸を得ることができる。
ポリアミドとは、主鎖中にアミド(−NHCO−)結合を有する重合体を意味する。また、「ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上」とは、「原料モノマー成分由来の構造単位に対する脂環族ジカルボン酸由来の構造単位の比率が25モル%以上」を意味する。以下、ポリアミド繊維のモノマー成分について説明する。
[ジカルボン酸]
上述のジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が少なくとも50モル%以上であり、好ましくは60モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上であり、更に好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。脂環族ジカルボン酸由来の構造単位を少なくとも50モル%以上含むことにより、ガラス転移温度(Tg)が高く、繊維強度、紡糸性に優れるポリアミド繊維を得ることができる。
脂環族ジカルボン酸としては、例えば、脂環構造の炭素数が3〜10である脂環族ジカルボン酸、好ましくは脂環構造の炭素数が5〜10である脂環族ジカルボン酸が挙げられる。具体的には、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、ポリアミド繊維の耐熱性、寸法安定性、強度等の観点から、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
脂環族ジカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環族ジカルボン酸には、トランス体とシス体の幾何異性体が存在する。例えば、原料モノマーとしての1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、トランス体とシス体のどちらか一方を用いてもよく、トランス体とシス体の種々の比率の混合物として用いてもよい。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、高温で異性化し一定の比率になることやシス体の方がトランス体に比べて、ジアミンとの当量塩の水溶性が高いことから、原料モノマーとして、トランス異性体比率、すなわち、トランス体/シス体のモル比は、50/50〜0/100であり、好ましくは40/60〜10/90であり、より好ましくは35/65〜15/85である。トランス異性体比率は、50%以上100%以下であり、60%以上90%以下であることが好ましく、35%以上85%以下であることがより好ましい。
トランス異性体比率が上記範囲内にあることにより、ポリアミドは、高融点、靭性、及び強度に優れる特性をもつだけでなく、高いガラス転移温度と、通常では耐熱性と相反する性質である流動性と、高い結晶性とを同時に満足することができる。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス体/シス体のモル比は、液体クロマトグラフィー(HPLC)又は核磁気共鳴分光法(NMR)により求めることができる。
脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、ジグリコール酸等の炭素数3〜20の直鎖又は分岐状脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
また、ジカルボン酸に対する芳香族ジカルボン酸の比率が0モル%以上10モル%以下のポリアミドの流動性を阻害しない範囲で、上述のジカルボン酸に芳香族ジカルボン酸を加えてもよい。芳香族ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の無置換又は種々の置換基で置換された炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が少なくとも50モル%以上含まれていれば、所望の作用効果を損なわない限り、上述の以外のジカルボン酸を含んでいてもよい。
[ジアミン]
ポリアミド繊維は、紡糸安定性、耐熱性、低吸水性の観点から、ジアミン成分として、1,10−デカメチレンジアミンを含み、ジアミンに対する1,10−デカメチレンジアミンの比率が20モル%以上であることが好ましい。ジアミンに対する1,10−デカメチレンジアミンの比率は、好ましくは少なくとも20モル%以上、より好ましくは30モル%以上80モル%以下、更に好ましくは40モル%以上75モル%以下、より更に好ましくは45モル%以上70モル%以下である。
一般的にガラス転移温度(Tg)が高いポリマーは、融点も高くなる傾向がある。融点が高過ぎる場合、溶融時にポリアミドが熱分解し、分子量の低下、強度の低下、着色、分解ガスの混入が生じて紡糸性が悪化する。しかしながら、1,10−デカメチレンジアミンを20モル%以上80モル%以下含むことにより、高いガラス転移温度(Tg)を維持しながらも溶融紡糸に適した融点に抑えることが出来る。また、1,10−デカメチレンジアミンを含むポリアミドは溶融時の熱安定性が高いため、紡糸安定性に優れ、均一性の良いマルチフィラメント繊維を得ることができる。また、ポリアミド中のアミド基濃度が低下することにより、吸水時の寸法安定性に優れる糸を得ることができる。更に、1,10−デカメチレンジアミンは、バイオマス由来の原料であるという観点からも好ましい。
1,10−デカメチレンジアミン以外のジアミンとしては、特に限定されず、無置換の直鎖脂肪族ジアミンでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等の置換基を有する分岐状脂肪族ジアミンでも、脂環族ジアミンでもよい。
1,10−デカメチレンジアミン以外のジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、及び1,3−シクロペンタンジアミン等が挙げられる。
また、ジアミンに対する芳香族ジアミンの比率が0モル%以上10モル%以下のポリアミドの流動性を阻害しない範囲で、ジアミンに芳香族ジアミンを加えてもよい。芳香族ジアミンとは、芳香族を含有するジアミンであり、特に限定されるものではないが、例えば、メタキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられる。
1,10−デカメチレンジアミン以外のジアミンとして、炭素数5〜6のジアミンを含み、炭素数5〜6のジアミンの比率が20モル%以上であるものがより好ましい。1,10−デカメチレンジアミン以外に炭素数5〜6のジアミンを共重合させることで、紡糸に適した適度な融点を維持しつつも、結晶性の高いポリマーを得ることができる。炭素数5〜6のジアミンとしては、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等がある。
炭素数5〜6のジアミンの中でも紡糸性、流動性、強度の観点からは、2−メチルペンタメチレンジアミンが好ましい。2−メチルペンタメチレンジアミンの比率が高すぎると、2−メチルペンタメチレンジアミンが自己環化して、溶融時に分解し、分子量低下を引き起こすため、紡糸性又は強度が悪化する。ジアミン中の2−メチルペンタメチレンジアミンの比率としては、流動性を確保しつつも溶融時の分解が起こらない範囲に設定する必要があり、好ましくは20モル%以上70モル%以下、より好ましくは20モル%以上60モル%以下、更に好ましくは20モル%以上55モル%以下である。
また、炭素数5〜6のジアミンの中でもポリアミド繊維の耐熱性の観点からは、ヘキサメチレンジアミンが好ましい。ヘキサメチレンジアミンの比率が高すぎると、融点が高くなりすぎて、紡糸が困難になるため、ジアミン中のヘキサメチレンジアミンの比率として、好ましくは20モル%以上60モル%以下、より好ましくは20モル%以上50モル%以下、更に好ましくは20モル%以上45モル%以下である。
ジカルボン酸の添加量とジアミンの添加量は、高分子量化のため、同モル量付近であることが好ましい。重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1.00に対して、ジアミン全体のモル量は、0.90〜1.20であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.10であり、更に好ましくは0.98〜1.05である。
[ラクタム及び/又はアミノカルボン酸]
ポリアミド繊維は、所望の作用効果を損なわない範囲で、ラクタム及び/又はアミノカルボン酸由来の成分を含んでいてもよい。
上述のラクタムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε−カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ラウロラクタム(ドデカノラクタム)等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、ω位がアミノ基で置換された炭素数4〜14の直鎖又は分岐状飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましく、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられ、アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等が挙げられる。
ラクタム及び/又はアミノカルボン酸由来の成分比率については、特に限定されるものではないが、原料モノマー成分由来の構造単位に対するラクタム及び/又はアミノカルボン酸成分由来の比率が、0モル%以上20モル%以下含まれていてもよく、より好ましくは2モル%以上15モル%以下である。ラクタム及び/又はアミノカルボン酸成分由来の比率が0モル%以上20モル%以下であることにより、耐熱性、紡糸性、強度に優れるポリアミド繊維とすることができる。
ジカルボン酸とジアミンからポリアミドを重合する際には、分子量調節のために公知の末端封止剤を更に添加することができる。末端封止剤としては、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられ、熱安定性の観点で、モノカルボン酸、モノアミンが好ましい。末端封止剤は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環族モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;等が挙げられる。
末端封止剤としてのモノカルボン酸は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;等が挙げられる。末端封止剤としてのモノアミンは、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高温、高湿の環境下での熱安定性のためには、ポリアミドに対して銅濃度が1〜500ppmとなるように銅化合物を添加するのが好ましく、より好ましくは30〜500ppmである。そうすることで、本発明品が高温、高湿の環境下に長時間置かれたり、オゾンが多く含まれる環境下に長期間暴露されたとしても、機械的性能の低下が極めて有効に抑制される。上述の銅含有率が30ppm未満では耐熱強度保持率が低下し、500ppmを超える添加量では強度が低下する。
銅化合物としては、その種類を特に制限するものではなく、例えば、酢酸銅等の有機銅塩、あるいは塩化第一銅、塩化第二銅等のハロゲン化銅等を好ましく用いることができる。銅化合物は、金属ハロゲン化合物と併用することがより好ましい。金属ハロゲン化合物としては、例えば、沃化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム等が挙げられる。本実施形態における好ましい組み合わせは、沃化第一銅と沃化カリウム、及び酢酸銅と沃化カリウムである。なお、ポリアミド中の銅含有量は、原子吸光法又は比色法等により測定することができる。
特に限定されないが、安定剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の有機系酸化防止剤又は熱安定剤、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系等の光安定剤又は紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は適切な量を選択すればよいが、ポリアミドに対して1〜1000ppm添加することができる。これら添加剤は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミド繊維の総繊度は100dtex以上3000dtex以下が好ましい。産業資材用途として用いるにあたり、100dtex以上で強力が十分となり、紡糸性及び後加工の観点から3000dtex以下が好ましい。
ポリアミド繊維の単糸数は30フィラメント以上500フィラメント以下が好ましい。単糸数が30フィラメント以上のマルチフィラメントであることにより、比表面積が増えること、外部からの応力に柔軟に対応できることから、ゴム接着性、耐疲労性が向上する。単糸数が500フィラメント以下であることで、紡糸時の糸揺れによる単糸の接触が抑えられ、紡糸性がよくなる。
ポリアミド繊維の単糸繊度は屈曲強度及び耐疲労性の観点から1dtex以上7.0dtex以下が好ましい。単糸繊度が1dtex以上であれば、糸の生産性に問題が生じ難く、また、単糸繊度が7.0dtex以下であれば、柔軟性の高い繊維が得られて、屈曲強度及び耐疲労性が向上する。
クロス比とは、マルチフィラメントの中の最大直径を最小直径で除した値であり、単糸間の均一性の尺度となる重要なパラメーターである。マルチフィラメントの強度は、単糸の強度分布の中でも低い物性に引っ張られるため、単糸間のバラつきが大きいと強度が発現しない。ポリアミド繊維のクロス比は1.7以下であり、好ましくは1.6以下であり、より好ましくは1.5以下である。クロス比が1.7以下であることで、単糸レベルでの延伸が均一に行われ、単糸強度のバラつきが少なく、マルチフィラメントとして優れた強度が発現する。クロス比の下限は1.0である。
所定の測定長(L)を選び、その区間内の糸太さの平均値(X)、−100%、起点(A)、終点(B)で囲われる面積をFとし、区間内の糸の太さの変動(むら曲線)と(X)で囲われる面積をfとすると、U(%)=(f/F)×100で表される。U(%)の値が小さいほど糸斑が少なく、糸質が良好であると判断される。ポリアミド繊維のU%は好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは2.0以下である。U%が3.0以下であることで、糸長方向の繊度斑が少なくなり、強度、耐摩耗性、耐疲労性が向上する。
Δnとは複屈折のことであり、繊維の配向度合を評価することができる。Δnは、0.04以上であることが好ましい。Δnが0.04以上であると、剛性の指標である貯蔵弾性率E’が大きくなる。
ガラス転移温度(Tg)とはガラス状態からゴム状態に転移するときの温度であり、DSCや動的粘弾性測定器等にて測定できる。ポリアミド繊維のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは90℃以上190℃以下である。ガラス転移温度(Tg)は、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは110℃以上である。また、ガラス転移温度(Tg)は、より好ましくは180℃以下であり、更に好ましくは170℃以下である。ポリアミド繊維のガラス転移温度(Tg)を90℃以上とすることにより、高温時の剛性や耐熱性に優れるポリアミド繊維とすることができる。また、ポリアミド繊維のガラス転移温度(Tg)を190℃以下とすることにより、延伸性の良い糸を得ることができる。
融点(Tm)とは固体が融解し、液体化する温度であり、DSC等で測定できる。ポリアミド繊維の融点(Tm)は、紡糸性及び耐熱性の観点から、270℃以上350℃以下である。融点(Tm)は、好ましくは275℃以上であり、より好ましくは280℃以上である。また、融点(Tm)は、好ましくは345℃以下であり、より好ましくは340℃以下である。ポリアミド繊維の融点(Tm)を270℃以上とすることにより、耐熱性に優れるポリアミド繊維とすることができる。また、ポリアミド繊維の融点(Tm)を350℃以下とすることにより、溶融温度を抑えて紡糸時の熱分解を低減することができる。
ポリアミド繊維の強度は産業資材用途として用いるにあたり、4cN/dtex以上であることが好ましい。より好ましくは5cN/dtex以上であり、更に好ましくは6cN/dtex以上である。
ポリアミド繊維の分子量分布はMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)で評価することができる。ポリアミド繊維のMw/Mnは、延伸性や繊維強度等の観点から、4.0以下が好ましく、より好ましくは1.5〜3.8であり、更に好ましくは1.5〜3.5である。Mw/Mnの下限は1.0である。
ポリアミド繊維の分子量は、強伸度等の機械物性及び紡糸性等の観点から、JIS−K6810に従って測定した98%硫酸中濃度1%、25℃の硫酸相対粘度(ηr)は、1.5以上4.0以下であり、好ましくは1.7以上3.5以下であり、より好ましくは1.8以上3.3以下である。ηrが1.5以下であると産業資材用途として、十分な強度の繊維を得ることができず、また、ηrが4.0以上の繊維は、ポリマーの流動性が悪く紡糸困難であり、得ることができない。
200℃で乾熱エージングさせた後のポリアミド繊維の強度保持率は80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。200℃強度保持率が80%以上あれば、熱処理が必要な後加工での工程安定性が得られる。
ポリアミド繊維は、常温と高温での剛性差が小さいことが好ましい。この場合、動的粘弾性測定で求められるポリアミド繊維における、温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6以上0.9以下である。好ましくは0.7以上0.9以下である。E’(120℃)/E’(25℃)が0.6以上0.9以下であることで、高速操縦安定性を確保することができる。比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6未満では、タイヤが発熱した際に熱ダレが起こり、高速操縦安定性が悪化する。一方、比E’(120℃)/E’(25℃)が0.9を超えるものは製造が困難である。
ポリアミド繊維の、動的粘弾性測定で求められる損失正接(tanδ)のピーク温度は150℃以上200℃以下であることが好ましい。tanδのピーク温度が150℃以上であることで、非晶部もしくは無定形領域での分子鎖の運動が抑制されて、高温での耐疲労性が良くなる。
また、ピーク温度でのtanδの値は0.3以下が好ましい。繊維を延伸してtanδを小さくすることで、分子鎖が動きづらくなり、高温での剛性が維持される。また、繰り返し伸長の運動に対して、分子鎖が構造変化しないため、耐疲労性に優れた繊維となる。tanδの値は通常行われる延伸では0.01以上となる。
[ポリアミドの製造方法]
ポリアミドの製造方法としては、例えば、以下に例示する種々の方法がある。
ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」ともいう)。
熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」ともいう)。
ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーを更にニーダー等の押出機で再び溶融して重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・押出重合法」ともいう)。
ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱、析出したプレポリマーを更にポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・固相重合法」ともいう)。
ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(以下、「固相重合法」とも略称する)。
ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分を用いて重合させる方法「溶液法」。
ポリアミドの製造方法において、ポリアミドの流動性の観点から、脂環族ジカルボン酸のトランス異性体比率を85%以下に維持して重合することが好ましく、特に、80%以下に維持することにより、更に色調及び引張伸度に優れ、高融点のポリアミドが得られる。ポリアミドの製造方法において、重合度を上昇させてポリアミドの融点を上昇させるために、加熱の温度を上昇させたり、及び/又は加熱の時間を長くしたりする必要が生ずるが、その場合、加熱によるポリアミドの着色又は熱劣化による引張伸度の低下が起こる場合がある。また、分子量の上昇する速度が著しく低下する場合がある。ポリアミドの着色又は熱劣化による引張伸度の低下を防止することができるため、トランス異性体比率を80%以下に維持して重合することが好適である。
ポリアミドを製造する方法としては、トランス異性体比率を85%以下に維持することが容易であるため、また、得られるポリアミドの色調に優れるため、熱溶融重合法又は熱溶融重合・固相重合法によりポリアミドを製造することが好ましい。
ポリアミドの製造方法において、重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等が挙げられる。
ポリアミドの製造方法としては、以下に記載するバッチ式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造することができる。
バッチ式の熱溶融重合法としては、例えば、水を溶媒として、ポリアミド成分(ジカルボン酸、ジアミン、及び、必要に応じて、ラクタム及び/又はアミノカルボン酸)を含有する約40〜60質量%の溶液を、110〜180℃の温度及び約0.035〜0.6MPa(ゲージ圧)の圧力で操作される濃縮槽で、約65〜90質量%に濃縮して濃縮溶液を得る。次いで、濃縮溶液をオートクレーブに移し、容器における圧力が約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。その後、水及び/又はガス成分を抜きながら圧力を約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)に保ち、温度が約250〜350℃に達した時点で、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。大気圧に降圧後、必要に応じて減圧することにより、副生する水を効果的に除くことができる。その後、窒素等の不活性ガスで加圧し、ポリアミド溶融物をストランドとして押し出す。ストランドを、冷却、カッティングしてペレットを得る。
ポリアミドは、連続式の熱溶融重合法により製造することもできる。
連続式の熱溶融重合法としては、例えば、水を溶媒としてポリアミド成分を含有する約40〜60質量%の溶液を、予備装置の容器において約40〜100℃まで予備加熱し、次いで、濃縮層/反応器に移し、約0.1〜0.5MPa(ゲージ圧)の圧力及び約200〜270℃の温度で約70〜90%に濃縮して濃縮溶液を得る。濃縮溶液を約200〜350℃の温度に保ったフラッシャーに排出し、その後、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。大気圧に降圧後、必要に応じて減圧する。その後、ポリアミド溶融物は押し出されてストランドとなり、冷却、カッティングされペレットとなる。
上述の構成のタイヤ10の製造方法では、タイヤ10を製造する際に、加硫時最高到達温度150℃〜170℃で加硫を行う加硫工程を有する。加硫工程において、加硫時最高到達温度を150℃〜170℃とすることにより、有機繊維コードの収縮が抑制され,ユニフォミティー特性が改善される。
加硫時最高到達温度が170℃を超えると、製造されたタイヤのユニフォミティーが悪化する。一方、加硫時最高到達温度が150℃未満では、タイヤの製造に時間がかかり過ぎて生産性が悪くなる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の空気入りタイヤの実施例について、具体的に説明する。
本実施例においては、複数本の有機繊維コードが配置されたベルト補助補強層を有する、下記表1、2に示す構成の実施例1〜実施例8、並びに基準例及び比較例1〜比較例7の空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)を作製し、各タイヤについて、高速操縦安定性及びユニフォミティーを評価した。高速操縦安定性及びユニフォミティーの評価結果を下記表1、2に示す。
なお、実施例1〜実施例8、並びに基準例及び比較例1〜比較例7では、タイヤサイズを245/40R18とし、ベルト補助補強層の有機繊維コードの配置は全て同じにした。
ポリアミド繊維は、下記表1、2に示す以外は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下であり、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下であるものとした。
下記表1、2の「有機繊維コード材質」の欄にベルト補助補強層の有機繊維コードの素材を示す。
下記表1、2の「有機繊維コード構造」の欄において、「/1」は単糸を示し、「/2」は2本撚ったものであることを示す。「/1」と「/2」が記載されているものは、その合計数3本撚ったものであることを示す。
下記表1に示す「PBO繊維」は、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維のことである。また、下記表1、2の「上撚り係数」は、上述の通りである。
高速操縦安定性は、以下のようにして測定して、評価した。
平坦な周回路を有するテストコースを100km/hで実車走行させ、レーンチェンジ時、及びコーナリング時の操舵性と直進時の安定性について、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行して官能評価を行った。
評価結果は、基準例1との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を除いた3名の平均点で表した。
判定基準
5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
タイヤのユニフォミティーは、以下のようにして測定して、評価した。
各試験タイヤをユニフォミティー試験機に取り付け、RFV(ラジアル・フォース・バリエーション)を測定した。その評価結果については基準例1を100とする指数値で評価した。この数値が大きい程、ユニフォミティーが優れていることを示す。
タイヤの高速耐久性は、以下のようにして測定して、評価した。
ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が1707mmであるドラム試験機を用い,周辺温度を38±3℃に制御し,リムサイズ18×8.5Jのリムに試験内圧220kPaで組み込んだ試験タイヤを,走行速度120km/h、荷重JATMA最大荷重の88%条件下で20分間走行させる.完走したら引き続き速度を10km/h上げて20分間走行させる.このようにして速度上昇と20分間走行を中断することなく繰返して,タイヤが破壊するまで試験を続ける.破壊までの総走行距離を基準例を100として指数表示した指数値の大きい方が高速耐久性に優れる。
上記表1に示す実施例1〜3は、高速操縦安定性、ユニフォミティー及び高速耐久性のいずれも良好な結果が得られた。実施例1、2は、加硫時最高到達温度が170℃以下でありユニフォミティーに関し、より良好な結果が得られた。
実施例4は、ポリアミド繊維ヤーンと、高強度繊維であるアラミド繊維ヤーンの2本撚り構成の複合コードであり、高い高速操縦安定性及び高速耐久性と良好なユニフォミティーが得られた。
実施例5は、ポリアミド繊維ヤーンと、高強度繊維であるPBO繊維ヤーンの2本撚り構成の複合コードであり、高い高速操縦安定性及び高速耐久性と良好なユニフォミティーが得られた。
実施例6は、ポリアミド繊維ヤーンと、PET繊維ヤーンの2本撚り構成の複合コードであり、PET繊維ヤーンを用いても高速操縦安定性、ユニフォミティー及び高速耐久性のいずれも良好な結果が得られた。
実施例7は、1本のポリアミド繊維ヤーンと、2本のアラミド繊維ヤーンの3本撚り構成の複合コードであり、より高い高速操縦安定性及び高速耐久性と良好なユニフォミティーが得られた。
基準例は、ナイロン66繊維を用いたものである。比較例1は、ナイロン66繊維を用いており、加硫時最高到達温度が180℃である。比較例1は熱ダレが生じ、高速操縦安定性、ユニフォミティー及び高速耐久性のいずれも良好な結果が得られなかった。
比較例2は、ナイロン66繊維ヤーンとアラミド繊維ヤーンの2本撚りの複合コードである。比較例2は複合コードの熱的安定性が悪く、ユニフォミティーについて良好な結果が得られなかった。
比較例3は、ナイロン66繊維ヤーンとアラミド繊維ヤーンの3本撚りの複合コードである。比較例3は複合コードの熱的安定性が悪く、ユニフォミティーについて良好な結果が得られなかった。
10 空気入りタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
22a 内側ベルト層
22b 外側ベルト層
24 ベルト補助補強層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
50 ゴム層
52 有機繊維コード
54、55 複合コード
56 ポリアミド繊維ヤーン
58 高強度繊維ヤーン

Claims (5)

  1. トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側に、補強コードを交差させた、少なくとも2層のベルト層と、前記ベルト層の前記タイヤ径方向の外側に1本又は複数本の有機繊維コードを引き揃えた帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成したタイヤ周方向のベルト補助補強層を有する空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補助補強層の有機繊維コードはポリアミド繊維を含み、
    前記ポリアミド繊維は、
    脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する前記脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、
    脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下であり、
    温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6〜0.9、
    ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下であり、
    単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、前記ポリアミド繊維の束と、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束とを撚り合わせた複合コードである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束2本と、前記ポリアミド繊維の束1本とを撚り合せた3本撚り構成の複合コードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト補助補強層の有機繊維コードは、強度が10cN/dtex以上の高強度繊維の束1本と、前記ポリアミド繊維の束1本とを撚り合せた2本撚り構成の複合コードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側に、補強コードを交差させた、少なくとも2層のベルト層と、前記ベルト層の前記タイヤ径方向の外側に1本又は複数本の有機繊維コードを引き揃えた帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成したタイヤ周方向のベルト補助補強層を有する空気入りタイヤの製造方法であって、
    加硫時最高到達温度150℃〜170℃で加硫を行う加硫工程を有し、
    前記ベルト補助補強層の有機繊維コードはポリアミド繊維を含み、
    前記ポリアミド繊維は、脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であり、ジカルボン酸に対する前記脂環族ジカルボン酸の比率が50モル%以上、
    脂環式ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に由来するトランス異性体比率が50%以上100%以下であり、温度120℃での貯蔵弾性率E’(120℃)と、温度25℃での貯蔵弾性率E’(25℃)の比E’(120℃)/E’(25℃)が0.6〜0.9であり、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上190℃以下、融点が270℃以上350℃以下であり、単糸数が30フィラメント以上、単糸繊度が7.0dtex以下であることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
JP2016025166A 2016-02-12 2016-02-12 空気入りタイヤ及びその製造方法 Pending JP2017141002A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025166A JP2017141002A (ja) 2016-02-12 2016-02-12 空気入りタイヤ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025166A JP2017141002A (ja) 2016-02-12 2016-02-12 空気入りタイヤ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017141002A true JP2017141002A (ja) 2017-08-17

Family

ID=59628246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016025166A Pending JP2017141002A (ja) 2016-02-12 2016-02-12 空気入りタイヤ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017141002A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020080447A1 (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 株式会社ブリヂストン タイヤ
JPWO2021124895A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24
US11833867B2 (en) 2018-10-17 2023-12-05 Bridgestone Corporation Tire
JP7464892B1 (ja) 2023-01-18 2024-04-10 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7560772B2 (ja) 2023-01-18 2024-10-03 横浜ゴム株式会社 タイヤ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020080447A1 (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN112867611A (zh) * 2018-10-17 2021-05-28 株式会社普利司通 轮胎
JPWO2020080447A1 (ja) * 2018-10-17 2021-09-30 株式会社ブリヂストン タイヤ
US11833867B2 (en) 2018-10-17 2023-12-05 Bridgestone Corporation Tire
JP7404260B2 (ja) 2018-10-17 2023-12-25 株式会社ブリヂストン タイヤ
JPWO2021124895A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24
JP7477531B2 (ja) 2019-12-16 2024-05-01 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP7464892B1 (ja) 2023-01-18 2024-04-10 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2024154440A1 (ja) * 2023-01-18 2024-07-25 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7560772B2 (ja) 2023-01-18 2024-10-03 横浜ゴム株式会社 タイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6340375B2 (ja) ポリアミドマルチフィラメント繊維、及び該繊維を含むタイヤコード
JP2017141002A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
WO2018038050A1 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2017141006A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2017141005A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP6456788B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP7404260B2 (ja) タイヤ
JP6538520B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2021094961A (ja) タイヤ
JP2016060343A (ja) 空気入りタイヤ
KR20170090689A (ko) 승용차용 래디얼 타이어
JP2016041571A (ja) 空気入りタイヤ
JP7477531B2 (ja) タイヤ
WO2021210349A1 (ja) タイヤ
JP2016203777A (ja) 空気入りタイヤ
JP6456784B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6510293B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2021169265A (ja) タイヤ
JP2021094963A (ja) タイヤ
JP2021094962A (ja) タイヤ
EP4085162B1 (en) Tyres for vehicle wheels with reinforcing elements comprising semi-aromatic polyamides
JP2016060341A (ja) 空気入りタイヤ
KR20180079238A (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥 코드의 캡플라이 층을 가진 고성능 래디얼 타이어
KR100894384B1 (ko) 하이브리드 딥코드의 제조 방법 및 이를 이용한 래디얼타이어
JP2019104426A (ja) 乗用車用タイヤ