JP2017140007A - 浮遊培養装置および大量培養システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
浮遊培養装置では、培養器内における培養液の流入口付近で流れが急拡大するので流れが乱れるという課題がある。よって、流量の制御で複数の細胞を上下方向で適切な位置に維持することが困難であり、また、速度の小さい個所で細胞同士が不用意に付着し合うという不具合がある。
【解決手段】培養液の循環流により培養対象物を浮遊させる浮遊培養装置であって、培養液および培養対象物を収容する培養器と、前記培養器に培養液が流入する流入口と、培養器から培養液が流出する流出口と、流入口と流出口との間に配置され、流入口から流入された培養液の循環流を均一化する整流板とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、浮遊培養装置および大量培養システムに関する。
再生医療の現場で利用される細胞を培養液中で浮遊させて培養する浮遊培養装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005−348672号公報
上記の浮遊培養装置では、培養器内における培養液の流入口付近で流れが急拡大するので流れが乱れる。よって、流量の制御で複数の細胞を上下方向で適切な位置に維持することが困難であり、また、速度の小さい個所で細胞同士が不用意に付着し合うという不具合がある。
本発明の一態様においては、培養液の循環流により培養対象物を浮遊させる浮遊培養装置であって、培養液および培養対象物を収容する培養器と、培養器に培養液が流入する流入口と、培養器から培養液が流出する流出口と、流入口と流出口との間に配置され、流入口から流入された培養液の循環流を均一化する整流板とを備える培養液供給装置が提供される。
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
メッシュ体120を備える浮遊培養装置100の模式斜視図である。 単一ユニット1100における培養液の流れを示す模式断面図である。 細胞10の径と疑似無重力状態に必要な上昇流の流速との関係を示すグラフである。 単一ユニット1100における培養液の流れを示す模式断面図である。 大量培養システム1000における培養液の流れを説明する説明図である。 リジェクト部1130における培養液の流れを示す模式断面図である。 大量培養システム1000を説明する説明図である。 メッシュ体2120の模式斜視図である。 メッシュ体2120の複数の部分における開口率の違いを示す模式図である。 メッシュ体2120における培養液の旋回流を示す模式水平断面図である。 メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流れを示す模式斜視図である。 メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流れを示す模式斜視図である。 メッシュ体3120を備える浮遊培養装置310における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図である。 メッシュ体120を備える浮遊培養装置100における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図である。 メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図である。 メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式水平断面図である。 アクティブ流量制御を説明する説明図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、メッシュ体120を備える浮遊培養装置100の模式斜視図である。浮遊培養装置100は、培養液の循環流により培養細胞を浮遊させた状態で培養する。浮遊培養装置100は、培養器下部110と、メッシュ体120と、循環用流入部130と、培養器上部140と、循環用流出部150と、移送用流出部160と、誘導部170と、誘導用流入部180とを備える。
培養器下部110は、略円筒形の容器である。培養器下部110は、側面111と、底面112と、上面114とを有する。上面114には、略中央に貫通穴113が形成されており、貫通穴113を介して、培養器下部110の内部と培養器上部140の内部とが連通する。底面112には、略中央に貫通穴133が形成されており、貫通穴133を介して、培養器下部110の内部と循環用流入部130の内部とが連通する。培養器下部110は、例えば、直径200mm×長さ300mmの円筒形状容器である。
メッシュ体120は、流入口と流出口との間に配置され、流入口から流入された培養液の循環流を流入直後よりも均一化する整流板の一例である。メッシュ体120は、培養器下部110の内径より小さな外径の略円筒形を有する。培養器下部110が外筒をなし、当該外筒の内部に内筒をなすメッシュ体120が配される。メッシュ体120は、側面121と、底面122とを有する。メッシュ体120の外径は上記貫通穴113の内径と一致し、メッシュ体120は貫通穴113に嵌合される。側面121は、貫通穴113を介して培養器上部140の内部に延在し、培養器上部140の上面144の内壁に密に固定されている。メッシュ体120の底面122と培養器下部110の底面112とは平行に配される。さらに、メッシュ体120と培養器下部110及び培養器上部140とは同軸上に配置される。メッシュ体120の内部は、当該開口している部分を介して、移送用流出部160の内部と連通する。
メッシュ体120は更に、側面121および底面122において複数の開口125を有する。複数の開口125の各々は、側面121および底面122において略等間隔に相互に離間する。複数の開口125の各々は、培養細胞の大きさが直径100μm程度である場合に、その大きさを示す特徴的な長さが1μmから1mmであり、好ましくは、50μmから200μmである。大きさを示す特徴的な長さは、例えば、円形状における円の直径、矩形における1辺、多角形状における対向する頂点間の距離等、であり、当該長さが大きいほど開口125の面積も大きくなるような長さである。また、この場合の複数の開口125の開口率は、30%から70%が好ましい。ここでいう開口率とは、メッシュ体の単位面積当たりの複数の開口の面積比率を意味する。
上記のメッシュ体120の複数の開口125の特徴的な長さは、流れが層流となる条件から考えると、下記の通りとなる。当該特徴的な長さをD(m)とし、複数の開口125の開口率をaとすると、D及びaは以下の関係式(1)を満たす。
D=(Re/(vel/a))×ν...関係式(1)
ここで、Reはレイノルズ数、velはメッシュ体120を通過後の流速(m/s)、νは動粘性係数(m/s)である。関係式(1)は、レイノルズ数の定義式に基づく。
円管内の流れでは、層流はReが概ね2000以下で実現できるが、ここではメッシュ体120を通過後の流速の均一性を高めるべく、Re=200と仮定する。水の動粘性係数νは、室温で1×10−6/sである。培養液の動粘性係数を水の動粘性係数と同じと仮定し、メッシュ体120によって均一層流を生成すべく、レイノルズ数Re=200、開口率a=0.5(50%)とした場合、上記関係式(1)から、以下の特徴的な長さDと流速velとの関係式(2)が導出される。
D=(200/(vel/0.5))×1×10−6=1×10−4/vel...関係式(2)
上記関係式(2)によれば、例えば、流速vが0.01m/sの場合、特徴的な長さDは10mmとなり、流速vが0.1m/sの場合、特徴的な長さDは1mmとなり、流速vが1m/sの場合、特徴的な長さDは0.1mmとなる。しかしながら、本実施形態における浮遊培養装置100においては、これらの計算上の数値は特徴的な長さの上限を示しているに過ぎず、培養細胞の大きさと許容圧力損失とを考慮して、培養細胞の逆流を避けつつ、メッシュ体120の隅部を含む全面に均一流を生成する複数の開口125を形成すべく、当該特徴的な長さの最適値が決定されることが好ましい。それらを考慮すると、上述の通り、複数の開口125の各々の実際の特徴的な長さは、培養細胞の大きさが直径100μm程度である場合に、50μmから200μmであることが好ましい。
メッシュ体120は、例えば、上記開口125を有する単層シート又は複層シートである。また、メッシュ体120は、上記開口125を有するステンレス板であってもよく、針金で編まれた金網であってもよい。整流板は、メッシュ体120に代えて、セラミックス製の多孔質体であってもよい。整流板は、メッシュ体120に代えて、PVAスポンジ、ポリプロピレン、ポリエチレン、金属、活性炭などの様々な素材を使用する濾過材・フィルタ類といった液体フィルタであってもよい。
循環用流入部130は、培養器下部110の底面112に設けられる。循環用流入部130は、培養器下部110に培養液を流入させる外部の管の一端であって、培養器下部110内径より小さな内径の円管である。循環用流入部130は、一端側で貫通穴133を介して培養器下部110の内部と連通する。他端側には、開閉制御可能な流入部バルブ136が設けられる。
培養器上部140は、培養器下部110の内径より大きな内径の略円筒形を有する。培養器上部140は、側面141と、底面142と、上面144とを有する。培養器上部140は、底面142の略中央において、貫通穴113を介して培養器下部110の内部と連通する。また、上面144の略中央に形成された貫通穴143を介して、移送用流出部160の内部と連通する。また、側面141で循環用流出部150の内部と連通する。
循環用流出部150は、培養器上部140から培養液が流出する流出口の一例である。循環用流出部150は、培養器上部140の側面141の側、すなわち、培養器下部110の側面111の上部に設けられる。循環用流出部150は円管であって、一端側で貫通穴を介して培養器上部140の内部と連通する。他端側には開閉制御可能な流出部バルブ156が設けられる。循環用流出部150の内部は、流出部バルブ156を介して、外部と連通する。
移送用流出部160は、培養器上部140の上面144の側に設けられる。移送用流出部160は円錐管であって、略円錐形のテーパ部161を有する。テーパ部161は、幅広側で培養器上部140に接続され、幅狭側に貫通穴163を有する。移送用流出部160は、貫通穴163を介して、誘導部170の内部と連通する。
誘導部170は、培養液を浮遊培養装置100の外部に誘導する。誘導部170は円錐管の先端に細管を備える漏斗形状管であって、略円錐形のテーパ部171と、略円筒形の狭小部172とを有する。誘導部170は移送用流出部160の上にこれと略平行に配される。テーパ部171の底面かつ移送用流出部160の外側は閉じている。テーパ部171は、幅狭側で、狭小部172に連続的に接続される。狭小部172は、テーパ部171側の他端側に開閉制御可能な誘導部バルブ176を有する。誘導部170の内部は、誘導部バルブ176を介して、外部と連通する。テーパ部171は、外面の一部に形成された貫通穴を介して、誘導用流入部180の内部と連通する。
誘導用流入部180は円管であって、一端側で貫通穴を介して誘導部170の内部と連通し、他端側に開閉制御可能な流入部バルブ186を有する。誘導用流入部180の内部は、流入部バルブ186を介して、外部と連通する。
上記の培養器下部110、メッシュ体120、循環用流入部130、培養器上部140、循環用流出部150、移送用流出部160、誘導部170および誘導用流入部180は互いに液密に固定されており、流入部バルブ136、流出部バルブ156、誘導部バルブ176、及び、流入部バルブ186以外で機械的に可動する箇所はない。なお、浮遊培養装置100の上記の一部または全部を一体的に形成してもよい。
図2および図4は、単一ユニット1100における培養液の流れを示す模式断面図である。図3は、細胞10の径と疑似無重力状態に必要な上昇流の流速との関係を示すグラフである。先ず、図2を参照しつつ、単一ユニット1100の構成を説明する。
単一ユニット1100は、浮遊培養装置100と、単一ユニット1100を制御する制御部1101と、細胞10を観察する撮像部1102と、浮遊培養装置100内に光を投射する照明部1104と、培養液を供給する培養液供給装置1110と、細胞10の形状を計測する形状計測部1121と、細胞10の組成を計測する組成計測部1123と、不良細胞をリジェクトするリジェクト部1130およびリジェクト部1150とを備える。単一ユニット1100は更に、これらの各構成要素間を連結する、流路1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117を備える。培養液は、単一ユニット1100における、撮像部1102および照明部1104以外の部分を移動する。メッシュ体120内部には直径100μm程度の複数の細胞10が配される。
照明部1104は、浮遊培養装置100内に光を投射する。照明部1104は、浮遊培養装置100の培養器上部140の上面144に近接して設けられる。照明部1104から投射される光を浮遊培養装置100内に導入すべく、浮遊培養装置100の少なくとも一部は光透過性を有する。例えば、スリットを有する光吸収シートを上面144上に設けることで、スリット光のカーテンが形成される。これに加えて、又は、これに代えて、照明部1104としてスリットランプを用いてもよい。
撮像部1102は、浮遊培養装置100の培養器下部110内の細胞10を観察する観察部の一例である。撮像部1102は、培養器下部110の側面111に近接して設けられる。撮像部1102は、メッシュ体120の側面121に形成された観察穴127を通じて、照明部1104から投射される光によって形成されるスリット光のカーテンを通過する細胞10を撮像する。
制御部1101は、流入部バルブ136、流出部バルブ156、誘導部バルブ176、流入部バルブ186、照明部1104、撮像部1102、培養液供給装置1110、形状計測部1121および組成計測部1123を制御する。但し、図2および図4においては、制御部1101は、単に便宜上の目的で、培養液供給装置1110との接続線のみが描かれている。他の図面においては、制御部1101の図示を省略している。
培養液供給装置1110は、単一ユニット1100を流れる培養液を循環させるポンプである。培養液供給装置1110は、流路1113を介して外部と接続され、外部から供給される新しい培養液を浮遊培養装置100に供給できる。
形状計測部1121は、画像計測、スリット計測などの既知の技術を用いて、形状計測部1121を通過する細胞10の形状を計測する。組成計測部1123は、蛍光、マルチスペクトル、超音波などの既知の技術を用いて、組成計測部1123を通過する細胞10の組成を計測する。リジェクト部1130、1150は、通過する細胞10をリジェクトする。
図2以降の複数の図において、白抜きの矢印は培養液の流れを示す。説明の便宜上の目的で示されている一部の白抜きの矢印を除き、白抜きの矢印の長さは、概ね培養液の流速を示している。また、図2以降の複数の図において、複数の流路は、簡略化して黒塗りの矢印で図示されている。
浮遊培養装置100において培養液を循環する場合、制御部1101は、流入部バルブ136および流出部バルブ156を開状態とし、誘導部バルブ176および流入部バルブ186を閉状態とする。培養液供給装置1110は、流路1111、浮遊培養装置100、及び、流路1112内の培養液をこの順序で循環させる。
循環用流入部130の開状態の流入部バルブ136から貫通穴133を介して培養器下部110の底面112へ流入する。この貫通穴133において、流路径が急に拡大するので、流れが乱れて速度が不均一となる。また、側面111での摩擦によって側面111に近いほど速度が遅くなる。
しかしながら、本実施形態において、底面112に流入した流れのうちの主流は、メッシュ体120の底面122にぶつかり、底面122の開口125からメッシュ体120の中央の側へと流入する。この場合、主流がメッシュ体120の底面122にぶつかってから内部に流入するので、水平面内でみて流れの速度が均一化される。
一方で、底面112に流入した流れのうちの副流は、培養器下部110の側面111とメッシュ体120の側面121との間に進み、側面121の開口125から中央の側へと、上記の主流に比べて流速が小さな微弱流として流入する。この場合も、副流がメッシュ体120の側面121にぶつかってから流入するので、速度が均一化され、副流は主流と合流して、メッシュ体120の内部の全体としての流れは上昇流となる。
メッシュ体120の内側の上昇流は、培養器上部140の底面142へ流入する。誘導部バルブ176および流入部バルブ186が閉状態で、流出部バルブ156が開状態なので、当該流れは、メッシュ体120の側面121のうち培養器上部140の内部に延在している部分を通過して培養器上部140の側面141の側へと進み、循環用流出部150の流出部バルブ156から流路1112へと流出する。
なお、本実施形態においては、培養器下部110の側面111とメッシュ体120の側面121との間の上端は、培養器下部110の上面114によって閉塞されている。従って、浮遊培養装置100に流入した流れは、全てメッシュ体120を通過する。
上記実施形態によれば、培養器下部110に流入した培養液の不均一な流れを、水平方向の断面でみて速度分布がより均一な流れにして培養器下部110内のメッシュ体120に流入させることができる。これにより、メッシュ体120の内部には水平方向の断面でみて速度分布がより均一な上昇流が生じ、当該上昇流によって細胞10が受ける流体抗力(または流体力ということもある)を重力と釣り合わせて、当該細胞10を疑似無重力状態にして浮遊させることができる。特に、速度分布が均一なので、細胞10同士を付着させるような流れが起きにくい。これらの作用は、培養器上部140の内部に流入する均一流が流路1112へと流出する循環用流出部150の付近にもメッシュ体120と同様の整流板を配置する、すなわち、流出しようとする培養液も整流板を通過させることによって、相乗的に発揮され、更に有利にこれらの効果を奏することができる。本実施形態においては、メッシュ体120の側面121が、貫通穴113を介して培養器上部140の内部に延在し、培養器上部140の上面144の内壁に密に固定されていることによって、更に有利にこれらの効果を奏することができる。
さらに、上記実施形態によれば、副流によってメッシュ体120の側面111から中央側への速度成分が存在する。これにより、メッシュ体120の側面111の内壁面に細胞10が固着することを防止できる。さらに、上記実施形態によればバルブ以外は機械的に可動する部材はないので、細胞10を傷つけることを防ぐことができる。
上記実施形態において、制御部1101は循環流の流量を下記の通り制御することが好ましい。複数の細胞10は、培養が進むに連れて成長し、徐々に大きくなる。これに伴い、複数の細胞10に働く重力も大きくなる。また、複数の細胞10は、各々、大きさ及び種類が異なり得る。
そこで、制御部1101は、撮像部1102により得られた画像情報から複数の細胞10の個々の動きを測定し、浮遊培養装置100内に流入する培養液の流量を決める。例えば、複数の細胞10のうちのある一定の割合が上昇していれば流量を減らし、下降していれば流量を増やす。一定の割合で判断することに代えて、動きの平均値が上昇を示すか下降を示すかで判断してもよい。さらに、制御部1101は、培養液の粘性、細胞10の表面粗さ等の様々なパラメータに基づいて、流量を制御してもよい。この場合、制御部1101は、流入部バルブ136、流出部バルブ156、誘導部バルブ176、及び、流入部バルブ186の開閉を制御することで、浮遊培養装置100内の培養液の流れを制御する。
なお、細胞10が疑似無重力状態となるような均一流の流速は、細胞の大きさが直径100μm程度である場合に、0.005m/sから0.1m/s程度になる。複数の細胞10は互いに質量および形状が異なるので、図2に示すように、メッシュ体120内で概ね均一に分散する。
ここで、図3は、計算上の細胞10の直径と疑似無重力状態に必要な上昇流の流速との関係を示している。当該関係は、以下のように求められる。先ず、細胞10の密度を1050kg/m、培養液の密度を水の密度1000kg/mと仮定し、細胞10の直径をDia(m)とした場合、培養液中で浮遊する細胞に働く重力(N)および浮力(N)は、細胞の体積V=(4/3)×(Dia/2)×πを用いて、それぞれV×1050×9.8およびV×1000×9.8で表される。細胞10が疑似無重力状態となる場合、細胞10が受ける流体抗力Fは、重力から浮力を減算した値と等しくなる。
流体抗力F(N)は、F=(1/2)×Cd×S×ρ×vで表される。ここで、Cdは抗力係数、S(m)は細胞10の前方投影面積(代表面積)、ρ(kg/m)は培養液の密度、v(m/s)は培養液の流速である。当該式を変形すると、v=((2×F)/(Cd×S×ρ))1/2である。Cd=0.3と仮定し、当該変形した式に、F=(重力−浮力)=4.5×10×V=6×10×(Dia/2)×π、S=(Dia/2)×π、ρ=1000を代入すると、v=((1.2×10×(Dia/2)×π)/(3×10×(Dia/2)×π))1/2=(2×Dia)1/2が導出される。当該関係によれば、計算上、Dia=100μm=1×10−4mである場合は、vは約0.014m/sとなる。
次に、図4を参照しつつ、浮遊培養装置100から外部へと細胞10を移送する際の培養液の流れを概略的に説明する。この場合、複数の細胞10の各々は、誘導流が外部から誘導部170へと流入されると同時に、メッシュ体120の内側から移送用流出部160へと移動し、先細りになるテーパ部161で徐々に一列に整列される。これは、一般的にハイドロダイナミックフォーカシング(Hydrodinamic Focusing)とも呼ばれる原理を利用している。
浮遊培養装置100から外部へと細胞10を移送する場合、制御部1101は、流入部バルブ136、誘導部バルブ176および流入部バルブ186を開状態とし、流出部バルブ156を閉状態とする。
培養液供給装置1110は、流路1113を経由して外部から供給される新たな培養液を、流路1111および流路1114に供給する。この場合に、少なくとも流路1111への流量を培養時よりも大きくする。これにより、メッシュ体120の内側の流れにおける流体抗力は細胞10の重力よりも大きくなり、細胞10は流れとともに上方に運ばれ、培養器上部140に流入する。
流出部バルブ156が閉状態なので、培養器上部140に流入した当該流れは、培養器上部140の側面141の側、及び、循環用流出部150の内部には流入しない。一方で、誘導部バルブ176および流入部バルブ186は開状態なので、当該流入した流れは、培養器上部140の貫通穴143を介して移送用流出部160の内部へと進み、移送用流出部160の貫通穴163を介して誘導部170の内部へと流入し、誘導用流入部180の流入部バルブ186から流入される誘導流と合流して誘導部170の誘導部バルブ176から流路1115へと流出する。
誘導部バルブ176からの流れは、流路1115を経由して、形状計測部1121を通過し、流路1116へと進む。その後、流路1116の途中に設けられたリジェクト部1130を経由して、組成計測部1123を通過し、流路1117へと進む。そして、流路1117の途中に設けられたリジェクト部1150を経由して、単一ユニット1100から別のユニットへの移動が完了する。
この場合に、上記のとおり複数の細胞10は培養液の流れに乗って培養器下部110から流出し、移送用流出部160のテーパ部161および誘導部170のテーパ部171におけるコーン状に徐々に絞り込まれる形状、及び、誘導用流入部180から誘導部170の誘導部バルブ176付近に連続的に流入する誘導流に起因して、誘導部170のテーパ部171で一列に整列する。これにより、複数の細胞10はほぼ一つずつ順番に別のユニットへ移送される。
以降の図においては、単に便宜上の目的で、撮像部1102および照明部1104の図示および説明を省略する。同様に、単一ユニット1100の他の幾つかの構成についても、同様の目的で、図示および説明を省略する。
図5は、大量培養システム1000における培養液の流れを説明する説明図である。大量培養システム1000は、少なくとも、単一ユニット1100、1200、1300を含む。単一ユニット1200、1300は、単一ユニット1100と同じ構成要素を有するので、各構成要素の重複する説明は省略する。
単一ユニット1100および単一ユニット1200は、単一ユニット1100の流路1117を介して互いに接続されている。細胞10の移送時において、複数の細胞10を含む培養液が、単一ユニット1100の浮遊培養装置100から、流路1117を経由して、単一ユニット1200へと進む。この場合、制御部1101は、単一ユニット1200の流入部バルブ236、流出部バルブ256および誘導部バルブ276を開状態とし、流入部バルブ286を閉状態とする。
培養液供給装置1210は、流路1211、浮遊培養装置200、及び、流路1212内の培養液をこの順に循環させる。複数の細胞10が単一ユニット1100から移送されるまでは、単一ユニット1200内には細胞10はないものとする。
浮遊培養装置200の内部で循環流が流れつつ、複数の細胞10を含む培養液が、単一ユニット1100の流路1117から誘導部バルブ276を介して浮遊培養装置200の内部へと流入する。当該流入した流れの中に含まれる複数の細胞10は、浮遊培養装置200内で生成されている均一流の中で重力と流体抗力とが釣り合い、浮遊培養装置100内での浮遊状態と同様に、浮遊培養装置200内で適宜分散しつつ浮遊する。
単一ユニット1200から単一ユニット1300へと細胞10を移送する場合も、同様である。すなわち、移送する時において、制御部1101は、流入部バルブ236、誘導部バルブ276および流入部バルブ286を開状態とし、流出部バルブ256を閉状態とする。さらに、培養液供給装置1210は、流路1213を経由して外部から供給される新たな培養液を、流路1211、1214、1215に供給する。この場合に、少なくとも流路1211への流量を培養時よりも大きくする。これにより、メッシュ体120の内側の流れにおける流体抗力は細胞10の重力よりも大きくなり、細胞10は流れとともに流路1215を経由して、形状計測部1221を通過し、流路1216へと進む。流路1216の途中に設けられたリジェクト部1230を経由して、組成計測部1223を通過し、流路1217へと進む。そして、流路1217の途中に設けられたリジェクト部1250を経由して、単一ユニット1200から単一ユニット1300への移動が完了する。
本実施形態においては、各浮遊培養装置間に1つの移送流路を設ける構成として説明した。これに代えて、各浮遊培養装置間に複数の移送流路を設けてもよい。これによって、移送時間を短縮でき、大量培養システム全体の細胞培養期間を短縮できる。
また、本実施形態においては、単一ユニットごとに培養液供給装置を設ける構成として説明した。これに代えて、大量培養システム全体に1つの培養液供給装置を設ける構成としてもよい。
図6は、リジェクト部1130における培養液の流れを示す模式断面図である。上記の通り、リジェクト部1130は、形状計測部1121と組成計測部1123との間の流路1116に設けられている。リジェクト部1130は、テーパ部1131と、調整用流入部1133と、誘導部1140と、誘導用流入部1145と、廃棄部1149とを備える。
テーパ部1131は円錐管であって、幅広側の一端を流路1116に固定され、幅狭側に貫通穴を有する。テーパ部1131は、幅広側で、貫通穴を介して流路1116の内部と連通する。
調整用流入部1133は円管である。調整用流入部1133は、一端を流路1116に固定され、他端に開閉制御自在の流入部バルブ1136を有する。調整用流入部1133は、貫通穴を介して流路1116の内部と連通する。調整用流入部1133およびテーパ部1131は、間に流路1116を介在させて、同軸上に位置する。調整用流入部1133の内部は、流入部バルブ1136を介して、培養液供給装置1110と連通する。
誘導部1140は、培養液を廃棄部1149に誘導する。誘導部1140は円錐管の先端に細管を備える漏斗形状管であって、略円錐形のテーパ部1141と、略円筒形の狭小部1142とを有する。誘導部1140は、テーパ部1131の外側に設けられ、テーパ部1141によってテーパ部1131の大部分を包囲する。誘導部1140は、テーパ部1141の幅広側の端部内面をテーパ部1131の外面に固定される。また、テーパ部1141は、幅狭側で、狭小部1142に連続的に接続される。狭小部1142は、テーパ部1141側の他端側に開閉制御可能な誘導部バルブ1143を有する。狭小部1142は、誘導部バルブ1143を介して、廃棄部1149に固定される。誘導部1140の内部は、誘導部バルブ1143を介して、廃棄部1149の内部と連通する。また、テーパ部1141の外面の一部に形成された貫通穴を介して、誘導用流入部1145の内部と連通する。
誘導用流入部1145は円管であって、一端側で貫通穴を介して誘導部1140の内部と連通し、他端側に開閉制御可能な流入部バルブ1146を有する。誘導用流入部1145の内部は、流入部バルブ1146を介して、培養液供給装置1110と連通する。誘導用流入部1145は、誘導部1140のテーパ部1141の外側に設けられ、貫通穴側の端部をテーパ部1141外面に固定される。
リジェクト部1130は、形状計測部1121から移送されてくる複数の細胞10の中から、形状計測部1121で不良と判断された不良細胞12をリジェクトし、良と判断された良細胞11をリジェクトせずに通過させ、組成計測部1123へと移送する。
具体的には、先ず、ある不良細胞12が形状計測部1121で不良と判断された場合、当該不良細胞12が流路1116を経由してリジェクト部1130を通過するタイミングで、制御部1101は、流入部バルブ1136、誘導部バルブ1143および流入部バルブ1146を開状態とし、誘導用流入部1145から誘導部1140へとパルス状の誘導噴流を流入する。当該タイミングは、例えば、流路1116を流れる培養液の流速に基づいて、予め定められている。
誘導部1140へと流入された誘導噴流は、テーパ部1141および狭小部1142を経由して、誘導部バルブ1143から廃棄部1149へと流出する。誘導部1140内の誘導噴流が通過した領域は、一瞬負圧となり、テーパ部1131の内部に連通している流路1116内の培養液が、不良細胞12ごとテーパ部1131内へと引き込まれ、廃棄部1149へと流出される。一方で、誘導噴流を流入するタイミングと同期させて、流入部バルブ1136から調整用流入部1133へと、テーパ部1131内へと引き込まれる流量と等価流量を流入する。制御部1101は、リジェクト部1130において不良細胞12が廃棄部1149へと流出されたタイミングで、再度、流入部バルブ1136、誘導部バルブ1143および流入部バルブ1146を閉状態とする。
以上の動作により、リジェクト部1130は、流路1116内の正常な流れに影響を与えずに、不良細胞12をピンポイントでリジェクトできる。また、本実施形態によれば、細胞を分別すべく従来用いられていた静電方式を利用しないので、リジェクトの際に細胞に損傷を与えることを防ぐことができる。
例えば図5に示されるように、リジェクト部1150は、細胞10が組成計測部1123の後に経由する流路1117の途中に設けられる。リジェクト部1150は、図6を用いて説明したリジェクト部1130と同じ構成を有する。これにより、リジェクト部1150は、組成計測部1123から移送されてくる複数の細胞10の中から、組成計測部1123で不良と判断された不良細胞12をリジェクトし、良と判断された良細胞11をリジェクトせずに通過させ、単一ユニット1200へと移送する。同様に、単一ユニット1200のリジェクト部1230およびリジェクト部1250も、各々、上記の単一ユニット1100のリジェクト部1130およびリジェクト部1150と同じ構成を有し、同様に機能する。
なお、本実施形態においては、ある不良細胞が形状計測部で不良と判断された場合に、形状計測部を通過して流路内を移動する当該不良細胞を予め定められたタイミングでリジェクトする構成として説明した。これに代えて、ある不良細胞が形状計測部で不良と判断された場合に、当該不良細胞に細胞識別用の細胞IDを付与し、リジェクト部は当該細胞IDを読み取って、リジェクトのタイミングを決定してもよい。
図7は、大量培養システム1000を説明する説明図である。大量培養システム1000は、浮遊培養装置101から503を含む。これら浮遊培養装置101から浮遊培養装置503はいずれも、これまで説明した浮遊培養装置100と同じ構成を有する。
大量培養システム1000においては、細胞の成長期間に合わせて期間を分割して、分割の期間に対応した数の浮遊培養装置グループを設ける。例えば図7に示すように、期間を5段階に分割したことに対応して、浮遊培養装置グループを5つ設ける。第1期間の浮遊培養装置グループは、浮遊培養装置101、102、103を含む。同様に、第2期間の浮遊培養装置グループは、浮遊培養装置201、202、203を含み、第3期間の浮遊培養装置グループは、浮遊培養装置301、302、303を含み、第4期間の浮遊培養装置グループは、浮遊培養装置401、402、浮遊培養装置403を含み、第5期間の浮遊培養装置グループは、浮遊培養装置501、502、503を含む。各グループの浮遊培養装置の個数は、当該期間で一度に作りたい細胞塊数に基づいて決める。例えば、細胞塊が10×6個作りたい場合に、1つの浮遊培養装置で10×4個培養できるとすると、浮遊培養装置数は10×2=100個とする。図7に示すように5グループに分けると、全体の浮遊培養装置数は5×(10×2)=500個となる。
通常、細胞培養期間は1週間から2か月程度かかる。細胞の検査は、好ましくは毎日、少なくとも数日ごとに全数で行う。しかしながら、本実施形態では、複数の浮遊培養装置をシリアル、パラレルに連接し、ある成長期間から次の成長期間への浮遊培養装置間の移送時だけでなく、同一成長期間内における浮遊培養装置間の移送時にも、個々の細胞に対して、上記の形状計測、組成計測およびリジェクトを個別かつ連続的に、人手を使わず自動化作業で行う。更に、移送元となった浮遊培養装置グループは、移送完了後に次の細胞群の培養を速やかに開始して、大量培養システム1000内の全ての浮遊培養装置を常に稼働させる。これにより、例えば医療現場で大量に用いられる細胞の、無駄のない最適な大量生産システムを実現できる。
また、大量培養システム1000によれば、人手を使わず自動化作業で細胞培養を行うので、コンタミネーション、感染症などを防止できる。また、全ての浮遊培養装置の滅菌消毒についても、全自動で定期的に行うことができる。例えば、全ての浮遊培養装置は複数の流路を介して連接されているので、全ての培養細胞を退避させて、内部に消毒液を充満し、1つの超音波発生装置を用いて超音波で消毒液を振動させて大量培養システム1000全体を消毒できる。これと同時に、超音波振動によって、各浮遊培養装置内のメッシュ体の細かいメッシュ間の汚れを短時間で除去することもできる。但し、メッシュ体として多孔質体を用いる場合は、各浮遊培養装置に超音波発生装置を設けてもよい。
また、大量培養システム1000は、一の成長期間に対応する複数の浮遊培養装置のそれぞれの、培養環境、及び、細胞の成長を監視する監視部と、一の成長期間に対応する複数の浮遊培養装置における、培養環境、及び、細胞の成長に基づいて、次の成長期間に対応する複数の浮遊培養装置の培養環境を設定する環境設定部との両方の機能を兼ねる中央制御装置1001を更に備える。複数の浮遊培養装置のそれぞれには、各浮遊培養装置における培養環境の温度などを検知するセンサが設けられており、中央制御装置1001は、これら複数のセンサから無線又は有線で送信される複数の情報を収集して一元管理する。大量培養システム1000は、中央制御装置1001によって複数の浮遊培養装置を最適制御する。具体的には、培養システムのシーケンス制御、検査データ分析による最適制御、温度等の環境データ分析による最適制御、検査データと環境データとの分析結果に基づく全体システムの最適制御などを行う。これによって、培養液の最適交換サイクルを決定し、環境条件の最適化などを実行できる。
例えば、成長期間ごとに培養液成分の混合割合を変更し、各成長期間に適した細胞の培養環境を提供してもよい。また、同群内で培養環境を変えて、いずれの培養環境が最も細胞の成長に適していたかを細胞の検査結果から分析し、最適な培養環境を、次の成長期間の浮遊培養装置へと、又は、別の細胞群を培養する浮遊培養装置へとフィードバックしてもよい。
図8は、他のメッシュ体2120の模式斜視図である。図8のメッシュ体2120は、図1のメッシュ体120とは水平断面形状が異なる。メッシュ体120と同じ構成については、重複する説明を省略する。
メッシュ体2120は、側面2121と、底面2122とを有し、底面2122の反対側は全面開口している。側面2121は、4つの曲面部2123と、4つの平面部2124とを有する。
図9は、メッシュ体2120の複数の部分における開口率の違いを示す模式図である。図9には、図面に向かって左から順に、図8の各部分領域(A)、(B)および(C)が描かれている。部分領域(A)、(B)および(C)に示すように、底面2122、平面部2124および曲面部2123で、互いに開口率の異なる複数の開口2125を有する。具体的には、底面2122の開口率は、側面2121の開口率より高く、側面2121のうち、平面部2124の開口率は、曲面部2123の開口率より高い。なお、図9の例において、複数の開口2125の各々の大きさを示す特徴的な長さは一定である。当該開口率は、例えば板状のメッシュ体の積層枚数を異ならせることによって変化させてもよく、一枚の板状のメッシュ体における開口密度を異ならせることによって変化させてもよく、或いは、密度の異なる多孔質体を用いることによって変化させてもよい。
図10は、メッシュ体2120における培養液の旋回流を示す模式水平断面図である。図11は、メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流れを示す模式斜視図である。図10は、メッシュ体2120の底面2122に平行な水平面を切断した図を模式的に描いている。
曲面部2123および平面部2124は、周方向に交互に配されている。さらに、側面2121の接線方向に対して異なる角度で配されている。具体的には、曲面部2123の方が平面部2124よりも接線方向に近い、いいかえれば、平面部2124の方が径方向に近い角度で配されている。
なお、図9に示す例において側面2121における平面部2124の数は4つであるがこれに限られない。平面部2124の数は4から8とするのが好ましい。
メッシュ体2120の底面2122の側から中央の側へと流入する主流は、底面2122で均一化されて上昇流となる。図9で示した開口率の違いと図10で示した接線方向に対する角度の違いとによって、メッシュ体2120の側面2121の側から中央の側へと流入する培養液の流量は曲面部2123よりも平面部2124の方が多く、かつ、平面部2124の流れの方が径方向に対して大きな角度を有している。これにより、略円筒形のメッシュ体2120の中心軸の周りを回る培養液の旋回流が生成される。側面2121の曲面部2123および平面部2124の側から中央の側へと流入する副流は、曲面部2123と平面部2124で均一化されつつ、メッシュ体2120内で旋回流を生成して主流と合流する。
このように、メッシュ体2120内では、貫通穴113へと進む均一流が旋回しながら上昇する。当該流れは、旋回状態を保ちつつ、貫通穴113を介して培養器上部140内へと流入し、培養器上部140の側面141の側を周回しつつ、循環用流出部150の流出部バルブ156から外部へと流出する。これにより、複数の細胞10の各々は、メッシュ体120の内側において疑似無重力状態で浮遊し、互いに離間状態を保ちつつ、旋回する。
制御部1101は、撮像部による観察結果に基づいて、旋回流の中で細胞に加わる外力を釣り合わせ、細胞が一定の半径でメッシュ体2120内を旋回するようにフィードバック制御する。当該外力は主に、重力方向上向きの浮力及び流体力、重力方向下向きの重力、メッシュ体側面から中心軸に向かう方向の流体力、及び、当該流体力と対向する方向の遠心力である。
図12は、メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流れを示す模式斜視図である。図12を参照しつつ、浮遊培養装置210から外部へと細胞10を移送する際の培養液の流れを概略的に説明する。この場合に、図11の場合と同様に、メッシュ体2120の底面2122の側から中央の側へと流入する主流と、側面2121の曲面部2123および平面部2124の側から中央の側へと流入する副流とが合流し、貫通穴113へと旋回しながら進む旋回流が生成される。さらに、メッシュ体2120と同軸上に配置された誘導部バルブ176を開状態にすると、旋回流の回転中心は周辺に比べて低圧状態となり、旋回流の回転中心において底面2122の側から誘導部バルブ176に向かう急激な上昇流が生成される。従って、メッシュ体2120の底面2122の側から誘導部バルブ176に向かう流れは、周辺の旋回流と回転中心の急激な上昇流との合流となる。これにより、図4の移送に比べて、流速を高めることができる。
この場合、複数の細胞10の各々は、誘導流が外部から誘導部170へと流入されるに伴い、メッシュ体2120の内側から移送用流出部160へと旋回しながら移動し、先細りになるテーパ部161において徐々に一列に整列される。この際、上記の旋回流と急激な上昇流との合流によって、図4の移送に比べ移送時間をより短縮できる。
以上の通り、本実施形態によれば、複数の細胞同士が固着しないように分散させつつ安定して疑似無重力状態で浮遊させることができ、また、細胞の浮遊培養装置の内壁面への固着を防止できる。適宜、培養液を交換し、旋回流で培養液を撹拌することで、栄養、酸素などを各細胞に均一に供給できる。また、攪拌機などのメカニカルな機構を用いないので、細胞に損傷を与えること、及び、細胞に過度のストレスを与えることを防止できる。
図13は、メッシュ体3120を備える浮遊培養装置310における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図である。メッシュ体3120は、側面3121と、底面3122とを備え、底面3122の反対側は全面開口している。底面3122は複数の開口3125を有すが、側面3121は開口を有しない。流動シミュレーションは、培養液を非圧縮粘性流体として、有限要素法を用いた。底面3122における慣性抵抗係数は50とした。
図13に示すように、流入部バルブ136を介して貫通穴133から培養器下部110の底面112の側へと流入した流れは、貫通穴133からの流入領域において流路径が急に拡大するので、剥離が生じて流れが乱れる。培養器下部110からの流れは、メッシュ体3120の底面3122から中央の側へと流入する。当該流れは底面3122にぶつかることにより、メッシュ体3120の底面3122によって均一化されて開口3125から培養器下部110の貫通穴113に向かう上昇流となる。
培養器下部110の側面111とメッシュ体3120の側面3121との間の上端は、培養器下部110の上面114によって閉塞されている。よって、定常状態では側面111と側面3121との間には流れが生じない。
図13には、各部分領域(A)から(C)が描かれている。部分領域(A)は、流入部バルブ136を介して貫通穴133から培養器下部110の底面112の側へと流入した流れの部分領域を示す。部分領域(B)及び(C)は、メッシュ体3120の底面3122から中央の側へと流入した流れのうち、底面3122且つ側面3121辺りの部分領域と、底面3122の中央辺りの部分領域とをそれぞれ示す。流動シミュレーション結果によると、部分領域(A)から(C)における流速は、それぞれ、約0.026m/s、約0.019m/sおよび約0.010m/sである。
上記の流動シミュレーション結果からも理解されるように、メッシュ体3120の底面3122のみが複数の開口3125を有する構成とした場合も、メッシュ体3120の底面3122によって減速され、メッシュ体3120内に均一流を生成できる。これによって、複数の細胞10を疑似無重力状態で浮遊させることができる。また、メッシュ体3120の側面3121の内壁面近傍において、7mm程度の境界層が生じ、流速が0となる部分が発生するものの、上記部分領域(C)で示されるように、当該内壁面近傍から中央の側に僅かに離れた領域では流速が速まり、更に中央の側に僅かに離れた領域では流速が概ね一定となるので、上記の均一流に対して大きな影響を及ぼさない。
図14は、メッシュ体120を備える浮遊培養装置100における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図である。流動シミュレーションは、培養液を非圧縮粘性流体として、有限要素法を用いた。メッシュ体120の側面121および底面122における慣性抵抗係数は、いずれも50とした。
図14には、各部分領域(A)から(E)が描かれている。部分領域(A)は、流入部バルブ136を介して貫通穴133から培養器下部110の底面112の側へと流入した流れの部分領域を示す。部分領域(B)及び(C)は、メッシュ体120の底面122から中央の側へと流入した流れのうち、底面122辺りの部分領域と、貫通穴113辺りの部分領域とをそれぞれ示す。部分領域(D)及び(E)は、メッシュ体120の側面121から中央の側へと流入する前後の部分領域をそれぞれ示す。流動シミュレーション結果によると、部分領域(A)から(E)における流速は、それぞれ、約0.020m/s、約0.010m/s、約0.013m/s、約0.013m/sおよび約0.001m/sである。
図2を用いて説明したが、上記の流動シミュレーション結果からも理解されるように、メッシュ体120内では、底面122の側からの均一流に、側面121の側からの微弱流が合流し、貫通穴113へと進む。これによって、複数の細胞10を疑似無重力状態で浮遊させることができ、複数の細胞10がメッシュ体120の内壁面に固着することを防止できる。また、上記部分領域(B)と部分領域(C)との流動シミュレーション結果の比較から理解されるように、メッシュ体120内における貫通穴133辺りの領域では、側面121の側からの微弱流のエネルギーが加わることで、底面122辺りの領域に比べて流速が速まる。これにより、メッシュ体120内で浮遊する質量および形状の異なる様々な細胞塊は、メッシュ体120の軸方向に沿う各領域において、それぞれ、浮力および上昇流から受ける流体抗力と重力とが釣り合うように浮遊する。すなわち、質量および形状が大きい細胞塊は、メッシュ体120の上方で浮遊し、質量および形状が小さい細胞塊は、メッシュ体120の下方で浮遊し、その結果、互いに質量および形状が異なる複数の細胞塊は、メッシュ体120内で概ね均一に分散する。
図15および図16は、それぞれ、メッシュ体2120を備える浮遊培養装置210における培養液の流動シミュレーション結果を示す模式断面図および模式水平断面図である。流動シミュレーションは、培養液を非圧縮粘性流体として、有限要素法を用いた。メッシュ体2120の底面2122における慣性抵抗係数を100とし、側面2121の曲面部2123および平面部2124における慣性抵抗係数を、それぞれ200及び5とした。
図15には、各部分領域(A)から(G)が描かれている。図16には、図15の各部分領域(C)から(G)が平面視で描かれている。部分領域(A)は、流入部バルブ136を介して貫通穴133から培養器下部110の底面112の側へと流入した流れの部分領域を示す。部分領域(B)及び(C)は、メッシュ体2120の底面2122から中央の側へと流入した流れのうち、底面2122辺りの部分領域と、貫通穴113辺りの部分領域とをそれぞれ示す。部分領域(D)及び(E)は、メッシュ体2120の側面2121の曲面部2123から中央の側へと流入する前後の部分領域をそれぞれ示す。部分領域(F)及び(G)は、メッシュ体2120の側面2121の平面部2124から中央の側へと流入する前後の部分領域をそれぞれ示す。流動シミュレーション結果によると、部分領域(A)から(G)における流速は、それぞれ、約0.020m/s、約0.010m/s、約0.013m/s、約0.013m/s、約0.001m/s、約0.016m/sおよび約0.010m/sである。
図11などを用いて説明したが、上記の流動シミュレーション結果からも理解されるように、メッシュ体2120内では、底面2122の側からの均一流に、側面2121の曲面部2123の側からの微弱流と、旋回流を生成する、当該微弱流より流れの大きな平面部2124の側からの流れとが合流し、貫通穴113へと進む均一流が旋回しながら上昇する。これによって、複数の細胞10を疑似無重力状態で浮遊させ、複数の細胞10がメッシュ体2120の内壁面に固着することを防止しつつ、メッシュ体2120内の培養液を撹拌できる。また、メカニカルな機構を用いないので、培養する複数の細胞10に損傷を与えることを防止できる。そして、図14におけるメッシュ体120と同様の上記理由で、互いに質量および形状が異なる複数の細胞塊は、メッシュ体2120内で概ね均一に分散する。
図17は、アクティブ流量制御を説明する説明図である。単一ユニット4100は、これまで説明してきた複数の実施形態における単一ユニットと異なり、浮遊培養装置に流入させる培養液の流量をアクティブに制御する。図17を用いて、アクティブ流量制御の方法を概略的に説明する。
浮遊培養装置の培養器下部は、その底面及び側面において、各々に個別の循環用流入部が設けられた流入領域4201、4202、4203、4204、4205を有する。これらの流入領域は、互いに壁で隔離されている。流入領域4201、4202は、培養器下部の底面に位置する。流入領域4201は当該底面の中央に位置する円管であって、流入領域4202は当該流入領域4202の側面を包囲するバームクーヘン形状の円管である。流入領域4203、4204、4205は、培養器下部の側面に位置する。流入領域4203、4204、4205は、いずれもバームクーヘン形状の円管であって、この順に互いに隣接する。
流入領域4201、4202、4203、4204、4205はそれぞれ、流路4111、4112、4113、4114、4115から培養液を流入される。流路4111は、培養液供給装置4110に直接接続されている。流路4112は、流路4112から分岐した流路であり、その流路の途中に流量調整器4122が設けられている。流路4113は、流路4111から分岐した流路であり、その流路の途中に流量調整器4123が設けられている。流路4114は、流路4113から分岐した流路であり、その流路の途中に流量調整器4124が設けられている。流路4115は、流路4114から分岐した流路であり、その流路の途中に流量調整器4125が設けられている。
流量調整器4122、4123、4124、4125は、それぞれが設けられている流路を流れる培養液の流量を調整する。当該構成によって、流入領域4202に流入する培養液の流量は流量調整器4122によって調整され、流入領域4203に流入する培養液の流量は流量調整器4123によって調整され、流入領域4204に流入する培養液の流量は流量調整器4123、4124によって調整され、流入領域4203に流入する培養液の流量は流量調整器4123、4125によって調整される。
流入領域4201、4202に流入する培養液は、それぞれメッシュ体の底面から中央の側に直接流入し、流入領域4203、4204、4205に流入する培養液は、それぞれメッシュ体の側面から中央の側に直接流入する。当該構成によって、浮遊培養装置に供給される培養液は、5つの互いに隔離された流入領域4201、4202、4203、4204、4205から別個にメッシュ体の内部に流入する。また、メッシュ体の内部に流入した培養液は、流路4116を介して培養液供給装置4110へと戻る。
制御部4101は、培養液供給装置4110から流出させる培養液の流量を制御しつつ、流量調整器4122、4123、4124、4125を制御することによって、複数の流入領域に流入する培養液の流量を精密に制御する。このように、メッシュ体の底面においては半径方向の流量を複数に分けて制御し、側面においては軸方向の流量を複数に分けて制御することによって、メッシュ体の内側で浮遊する複数の細胞の位置を、軸方向および半径方向の2方向についてアクティブに制御することができる。
以上の複数の実施形態において、制御部は、浮遊培養装置のメッシュ体の内側で浮遊する複数の細胞のリアルタイム画像情報に基づいて、培養液供給流量を制御、すなわち、培養液供給流速を制御する。メッシュ体の内側で流動する培養液の流速に影響するパラメータには、少なくとも、メッシュ体の側面および底面の少なくとも一方に設けられる複数の開口の開口率、すなわち、複数の開口の相互の間隔の程度、及び、複数の開口の各々の大きさを示す特徴的な長さの両方が含まれる。そこで、制御部は、メッシュ体の内側を流れる流量を制御、すなわち、メッシュ体の開口率変動を制御することにより、浮遊培養装置内の循環流を制御してもよい。図1を用いて説明したように、メッシュ体は、例えば複数の細かい開口を有する単層シート又は複層シートによって形成され、メッシュ体が複層シートによって形成される場合、相互の開口位置関係を変更する機構を設けることによって、メッシュ体の側面および底面で任意の圧力抵抗値を設定することができる。
具体的には、メッシュ体を複数枚のメッシュ板で構成し、各メッシュ体を電動で微小量シフトさせ、側面および底面の少なくとも一方における複数の開口の開口率を変動させる。例えば、電動式の2枚板構造のメッシュ板を摺動させることで、メッシュ体の側面および底面の少なくとも一方における複数の開口の開口率を変動させる。この場合、例えば、上下に同軸で重なっている2つの上方開口型の板状メッシュ体を、中心軸周りで回動させることによって、底面及び側面の開口面積を可変とすることができる。また、均一流と旋回流の切り替えを側面の平面メッシュの開口率を、電動で変更することもできる。
以上の複数の実施形態において、メッシュ体の底面の複数の開口の圧力抵抗を場所によって輪帯状又はモザイク状に変化させるなど、底面の開口の細かさの分布を変えることによって、流出流速を場所によって変化させ、緩やかな上下方向の流速差を生成してもよい。また、メッシュ体の側面の上下において、複数の開口の開口率を異ならせてもよい。
以上の複数の実施形態においては、浮遊培養装置に流入した培養液の流れは、全てメッシュ体を通過する構成として説明した。これに代えて、浮遊培養装置に流入した培養液の流れの一部のみがメッシュ体を通過する構成としてもよい。
以上の複数の実施形態においては、培養器下部は略円筒形の容器として説明した。これに代えて、培養器下部は、循環用流入部から滑らかに連続する、すなわち、流路が急に拡大する領域を有さない略円錐形の容器としてもよい。また、培養器下部およびメッシュ体はそれぞれが略円筒形である二重円筒形として説明したが、これに代えて、いずれもが下方先細り型の略逆円錐形である二重円筒形としてもよい。また、これに代えて、メッシュ体の側面における開口率を、軸方向で異ならせ、或いは、メッシュ体の側面における複数の開口を下部に限定してもよい。これにより、上昇流の流速を軸方向で異ならせ、又は、一定とすることができる。
また、以上の複数の実施形態においては、培養器下部の寸法を直径200mm×長さ300mmとして説明した。培養器下部の寸法は、培養する環境の規模に応じて、数cmから数mまでの幅広い範囲内で任意に変更してもよい。
以上の複数の実施形態においては、培養器下部とメッシュ体とを同軸上に配置する構成として説明した。複数の図面上においても、培養器下部及びメッシュ体の他、例えば、循環用流入部、移送用流出部および誘導部も当該同軸上に配置する構成として描かれている。また、リジェクト部における調整用流入部、テーパ部及び誘導部も、同軸上に配置する構成として描かれている。このように、流動する流体の円滑な流れを確保すべく各構成を同軸上に配置することが好ましいが、必ずしも同軸上に配置されなくても良い。
以上の複数の実施形態において、培養液に、例えば、細胞同士の固着を防ぐ高分子ポリマーメチルセルロース、細胞の沈殿を防ぐ高分子ポリマーGellan Gumなどの高分子ポリマーを添加してもよい。但し、この場合、細胞の検査を行う際は、高分子ポリマー固有の高粘性を考慮して、これら高分子ポリマーが添加された培養液を別の培養液と移し替えてもよい。
以上の複数の実施形態において、培養細胞の大きさは直径100μm程度として説明したが、これに限定されず、いずれの実施形態も、直径数μmから数百μmの細胞、或いは、心筋、軟骨など数mmレベルの大きさの培養細胞を用いることができ、様々なサイズの細胞に対応できる。また、いずれの実施形態も、略球形の細胞だけでなく、複雑な形状の細胞にも対応できる。
以上の複数の実施形態においては何れも、培養対象物として細胞を説明した。これに代えて、培養対象として、他に微生物を培養してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 細胞、11 良細胞、12 不良細胞、100、101、102、103、200、201、202、203、210、301、302、303、310、401、402、403、501、502、503 浮遊培養装置、110 培養器下部、111 側面、112 底面、113 貫通穴、114 上面、120 メッシュ体、121 側面、122 底面、125 開口、127 観察穴、130 循環用流入部、133 貫通穴、136 流入部バルブ、140 培養器上部、141 側面、142 底面、143 貫通穴、144 上面、150 循環用流出部、156 流出部バルブ、160 移送用流出部、161 テーパ部、163 貫通穴、170 誘導部、171 テーパ部、172 狭小部、176 誘導部バルブ、180 誘導用流入部、186 流入部バルブ、236 流入部バルブ、256 流出部バルブ、276 誘導部バルブ、286 流入部バルブ、1000 大量培養システム、1001 中央制御装置、1100 単一ユニット、1101 制御部、1102 撮像部、1104 照明部、1110 培養液供給装置、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117 流路、1121 形状計測部、1123 組成計測部、1130 リジェクト部、1131 テーパ部、1133 調整用流入部、1136 流入部バルブ、1140 誘導部、1141 テーパ部、1142 狭小部、1143 誘導部バルブ、1145 誘導用流入部、1146 流入部バルブ、1149 廃棄部、1150 リジェクト部、1200 単一ユニット、1210 培養液供給装置、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217 流路、1221 形状計測部、1223 組成計測部、1230 リジェクト部、1250 リジェクト部、1300 単一ユニット、2120 メッシュ体、2121 側面、2123 曲面部、2124 平面部、2122 底面、2125 開口、3120 メッシュ体、3121 側面、3122 底面、3125 開口、4100 単一ユニット、4101 制御部、4110 培養液供給装置、4111、4112、4113、4114、4115、4116 流路、4122、4123、4124、4125 流量調整器、4201、4202、4203、4204、4205 流入領域

Claims (12)

  1. 培養液の循環流により培養対象物を浮遊させる浮遊培養装置であって、
    培養液および培養対象物を収容する培養器と、
    前記培養器に培養液が流入する流入口と、
    前記培養器から培養液が流出する流出口と、
    前記流入口と前記流出口との間に配置され、前記流入口から流入された培養液の循環流を均一化する整流板と
    を備える浮遊培養装置。
  2. 前記培養器が外筒をなす円筒形であり、前記外筒の内部に内筒をなす円筒形の前記整流板が配され、
    前記流入口は前記外筒の底面の側に設けられており、
    前記内筒の底面は、前記外筒の前記底面の側からの流れを均一化した上昇流を作り、
    前記内筒の側面は、前記外筒の前記側面の側から中央の側への流れを作る
    請求項1に記載の浮遊培養装置。
  3. 前記内筒は、前記底面および前記側面において複数の開口を有し、
    前記側面の開口率は、前記底面の開口率よりも小さい請求項2に記載の浮遊培養装置。
  4. 前記複数の開口は、大きさを示す特徴的な長さが1μmから1mmである請求項3に記載の浮遊培養装置。
  5. 前記内筒の前記側面は、培養液が前記外筒の中心軸の周りを回る旋回流を生成する請求項2から4のいずれか一項に記載の浮遊培養装置。
  6. 前記内筒の前記側面には、開口率の異なる複数の部分が前記側面の接線方向に対して異なる角度で交互に配されている請求項5に記載の浮遊培養装置。
  7. 前記流出口は、前記外筒の前記側面の上部に設けられている請求項2から6のいずれか1項に記載の浮遊培養装置。
  8. 前記培養器内の培養対象物を観察する観察部をさらに備える請求項1から7のいずれか1項に記載の浮遊培養装置。
  9. 前記観察部による観察結果に基づいて循環流を制御する制御部をさらに備える請求項8に記載の浮遊培養装置。
  10. 前記制御部は、前記整流板を流れる流量を制御することにより、前記培養器内の循環流を制御する請求項9に記載の浮遊培養装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の浮遊培養装置を複数備え、
    複数の前記浮遊培養装置のいずれかから前記複数の浮遊培養装置の他のいずれかに、少なくとも培養対象物を移送する移送部を更に備える大量培養システム。
  12. 前記複数の浮遊培養装置は培養対象物の成長期間ごとにグループ化され、
    一の成長期間に対応する前記複数の浮遊培養装置のそれぞれの、培養環境、及び、培養対象物の成長を監視する監視部と、
    前記一の成長期間に対応する前記複数の浮遊培養装置における、前記培養環境、及び、前記培養対象物の成長に基づいて、次の成長期間に対応する前記複数の浮遊培養装置の培養環境を設定する環境設定部と
    を更に備える請求項11に記載の大量培養システム。
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