JP2017138233A - 香りの作成支援方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、香りから受ける印象を評価する用語を感覚評定用語と感情評定用語とに分類して香りの特性を正確に評価する方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献1は、香料組成物全体の香調や、香料組成物の含有成分である香料成分に関する評価方法を提示するものであって、キャラクターに対する評価方法を提示するものではない。
特許文献2は、固有のキャラクターを想起させる香り(レモン、ローズ等)を検体にしているが、キャラクターを個々に評価するに留まっており、どのようなキャラクターを選択、組み合わせて、調合香料とするのか、具体的な提示がない。
図1は、本実施形態に係る香料の作成支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係る香料の作成支援方法は新たな調合香料の作成を支援するものであって、既存の調合香料の官能評価に基づき決定された、被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果から、複数の評価言語を包含した統合言語または一の評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを、既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から抽出するキャラクター抽出工程を備える。本実施形態では図1に示す処理S5がキャラクター抽出工程に該当する。
評価言語とは、官能評価において被験者に提示される言語であり、本実施形態では後述する25種類の印象語と16種類の感情語とを評価言語として用いる実施例について説明する。なお、これは一具体例であって、本発明の実施に用いる評価言語の内容や数は特に制限されるものではない。
統合言語とは、複数の評価言語を包含する趣旨を表す言語であり、本実施形態では官能評価を解析する解析者によって定められる。特に、本実施形態では、複数の印象語を包含する趣旨を表す言語を「印象因子」と称する場合があるが、「印象因子」は統合言語の一具体例である。
処理S1は、製品に使用された調合香料のサンプル選定する工程である。
まず、既に市販製品に使用された調合香料のサンプルの中から、日用品に用いられている香りのバリエーションから香調表現が多様であるように選定した。日用品としては、シャンプー、石鹸、制汗スプレー、ボディローション等の身体に使用する製品や、柔軟剤、洗濯用洗剤、空間消臭剤等の衣服や住居用製品が挙げられる。これらに使用する香りのバリエーションから、嗜好性が偏らず、幅広い範囲から選択した。表1には、代表的な30種類の調合香料を例示する。予め評価用に用いる香りは30種類でなくてもよい。
処理S2は、感情語および香りを形容する印象語の中から調査に用いる評価言語を選択する工程である。本実施形態では評価言語として、表2に示す16種類の感情語、および表3に示す25種類の印象語を選択した。
ここで、印象語とは官能評価において被験者が想起する印象に係る言語であり、感情語とは官能評価において被験者が想起する感情に係る言語である。
処理S3では、処理S1で選択した調合香料と処理S2で選択した評価言語について、対象の調合香料の香りから被験者が得るイメージと、提示された評価言語(感情語および印象語)から被験者が得るイメージとの一致度について調査を行う。
選択した調合香料(表1)を嗅いだときに、表2、表3の評価言語で表される香りのイメージおよび感情を想起するか(当てはまり度)について、5段階評価とし、とてもそう思う、そう思う、ややそう思う、わずかにそう思う、全くそう思わない、に加え、更に、わからない、を項目に加え、この中から1項目を選択する回答を求めた。
なお、処理S3における消費者調査は、上述の通り、被験者である一般消費者の嗅覚による判断から評価結果を得るものであり、官能評価の一具体例である。
処理S4では、処理S3で得られた評価結果を元に共分散構造分析によって印象因子を抽出する工程である(統合言語抽出工程)。
より具体的には、処理S4では、印象評価を表す複数の観測変数(以下、第1観測変数群と称す)と、感情評価を表す複数の観測変数(以下、第2観測変数群と称す)との間を、一または複数の潜在変数で結んだモデルを共分散構造分析によって解析する。さらに、処理S4では、モデルが所定の基準を満たした場合に、第1観測変数群を構成する観測変数に対して有意な因果関係が認められる潜在変数に付された名称を印象因子(統合言語)として抽出する。
ここで、印象評価とは、既存の調合香料を嗅いだ被験者の官能評価により決定された被験者が想起する印象の程度を表す評価結果であり、感情評価とは、当該被験者が想起する感情の程度を表す評価結果である。本実施形態における実施例における印象評価とは、処理S3において処理された印象語に係る6段階評価で選択された項目を数値化したデータであり、感情評価とは、処理S3において処理された感情語に係る6段階評価で選択された項目を数値化したデータである。例えば、印象語「爽やかな香り」について「とてもそう思う」が被験者によって選択されると5ポイントを与え、「全くそう思わない」が被験者によって選択されると1ポイントを与える処理を行い、「わからない」を0ポイントとして当該処理によって与えられたポイント数の平均値が印象語「爽やかな香り」に係る印象評価として処理できる。
この研究では、ヒトの香りに対するイメージを評価する際に、印象→感情の因果を前提として計算を行った。
まず、処理S3で得られた評価結果について、次に行う共分散構造分析の結果の偏りを回避するために、まず嗜好性を統制するため統計的処理を行った。具体的には、被験者の異なる一元配置の分散分析を統計解析ソフトウェアであるSPSS(登録商標)によって計算した。計算の結果、嗜好性が有意に異なる3品が見出されたので、これらをこの先の解析から除外した。
図2において図示される四角形のオブジェクトは観測変数を表している。ここで観測変数とは、実際に測定されたデータのことであり、ここでは印象評価または感情評価のいずれかである。例えば、「大人っぽい香り」と表記された観測変数は、印象語「大人っぽい香り」に係る印象評価である。また、「いとおしさを感じる気分」と表記された観測変数は、感情語「いとおしさを感じる気分」に係る感情評価である。
図2において図示される楕円形のオブジェクトは潜在変数を表している。ここで潜在変数とは、実際には観測されていない変数であり、理論的に仮定されるものである。なお、図2においては潜在変数の名称としてU1〜U8を表記しているが、この名称は解析者が任意に定めることができ、観測変数と同様に、有意な名称を付してもよい。
図2において図示される「eX(Xには数字が入る)」と表記されているオブジェクトは誤差変数を表している。なお、Xに入る数字の大小関係は、誤差変数の大小関係とは必ずしも一致しない。
図2において図示される単方向矢印は因果関係を表すものであり、矢印の元にある変数が、矢印の先にある変数に対して影響をおよぼすことを仮定する。なお、図2における図示を省略しているが、単方向矢印にはいずれにもパス係数が与えられており、各潜在変数から各観測係数に対する単方向矢印に与えられるパス係数はいずれも有意な値になっているものとする。すなわち、図2に図示される潜在変数から観測係数に対する因果関係はいずれも有意なものである。
図2において図示される双方向矢印は相関関係を表すものである。なお、図2における図示を省略しているが、双方向矢印にはいずれにも相関係数が与えられており、各相関関係の大小が判別できるようになっている。
また、U1〜U4の印象因子は、感情語に係る観測変数(第2観測変数群)や、感情語に係る観測変数に対して有意な因果関係が認められる潜在変数(U5〜U8)に対して直接的に、または間接的に因果関係が認められる。すなわち、図2に示すモデルは、U1〜U4の印象因子が特定の感情の喚起に寄与することを明示するものである。
処理S5では、処理S4で行った評価言語の解析結果に基づき調合香料を構成するキャラクターを抽出する。キャラクター抽出を行うため、予め、処理S1で選択した調合香料を構成する要素を解析するために、香りのキャラクター群を選択し、調合香料に対して香りのキャラクターを指標とした官能評価を行っておく。ここで、香りのキャラクターの種類は、従来調香師の用いている香調の分類表現、香水の表現、および特徴的な香りのキャラクターを有する代表的な香りの素材名の中から特に調香上重要なものを選択した。表4に、代表的な香りのキャラクター群50種類を例示する。香りを構成するキャラクター群は、香調表現が多様になるよう選択しればよく、50種類でなくてもよい。処理S1で選択した調合香料(表1)に対し、表4に示した香りのキャラクター群のすべてについて、6段階の強度尺度による匂い強度の評価(官能評価)を行った。
より具体的には、処理S4で求めた4つの印象因子に対して、各々が包含する観測変数のデータ(印象結果)を与えて、27種類の調合香料に対する各印象因子の得点(因子得点)を求めた。本実施形態では、印象因子は2つずつの観測変数から成り立っているため、この2点の平均値を因子得点とする。そして、27種類の調合香料を印象因子ごとに、因子得点が高いY1群と、因子得点が中間値のY2群と、因子得点が低いY3群と、に分類した。これは、後述するラフ集合計算において、各印象因子に特徴的に関連する香りのキャラクターを抽出しやすくするための処理である。
以下に示す表5は、27種類の調合香料に対する各印象因子の因子得点を示すものである。また、以下に示す表6は、27種類の調合香料を3つのグループに分類した結果を示すものである。なお、表5および表6に示す「No.」は各調合香料に付されている識別番号であり、表5と表6とでは一致するが、表1において各調合香料のサンプルに付されている「No.」とは必ずしも一致しない。また、表6に示すとおり、本実施形態に係る27種の調合香料は、重複なくいずれか一つのグループに属している。
より具体的には、分類した3つのグループについてラフ集合計算を行った。計算には専用の計算ソフト、(ホロンクリエイト社、「グレード付きラフ集合解析プログラム」)を用いた。
本ソフトは計算可能なデータセット数に制限があり、変数は17までである。従って、Y1群に含まれる調合香料を構成する50種類のキャラクターのうち、17種をトップノート、17種をミドルノート、16種をベースノートのように3分割して計算を行った。通常のラフ集合計算では、数値をカテゴリーデータとして扱うが、グレード付ラフ集合計算では、数値的な重みづけを計算に反映させて順序データとする事が可能である。従って、処理S1において得られていた6段階の匂い強度それぞれを0→0、1→0.2、2→0.4、3→0.6、4→0.8、5→1のように変換した。
この計算手法を用いれば、香りプロファイルに挙げた各キャラクターが、該当する特定の印象に寄与する事が求められる。従来の重回帰分析での考察と比較すると、仮にU1=a1(シトラス)X1+a2(ウッディ)X2+b(a1>0およびa2>0)という式が導かれた際、シトラスの量を増加させればU1に係る印象を増大させることができる。すなわち、このような式では、主要キャラクターの重みづけは議論できるが、主要キャラクター以外の要素が得られづらいという事とバランスの議論がしづらい。また、嗅覚の性質上、要素を増やしたからと言って直線的なU1の値の増加は望めない(嗅覚の飽和が生じる)。一方でラフ集合理論であれば、質的なデータに有効であり、計算の結果は、(シトラス)+(ウッディ)といったような組み合わせで議論することが出来る。また香料では一つの素材で考察するよりも、アコードで考察することで発展性が期待できるという事もラフ集合を利用する利点である。このような計算結果を用いれば、調香師とのコミュニケーションや香り開発の知見に有効になると予想される。更に、グレード付ラフ集合という発展系の理論では、要素の量に関する間隔尺度を導入することができ、要素の抽出と大体の量の両方を補える。
計算した結果、各印象因子についてトップノート(図3ではTと表示する)、ミドルノート(図3ではMと表示する)、ベースノート(図3ではBと表示する)のそれぞれに属するキャラクターの組み合わせが得られた。共通項目を有する計算結果については、その計算結果を更に集約した。例えば、U1に係るY1群においては、[>4 Minty]や[>3 Lemon, >2 Orange]等のように、複数の要素が抽出された。
ここでトップノートとは、揮発性が高く飛びやすいキャラクターであり、香りの嗅ぎ口を爽やかにする等の特徴を香料に与える役割を果たす。トップノートに該当するキャラクターには、例えば、シトラス、グリーン、フルーティ等が含まれる。
ここでミドルノートとは、中程度の揮発性、保留性を持っているキャラクターであり、その香料の中心となる特徴になっている場合が多い。ミドルノートに該当するキャラクターには、例えば、ローズ、ジャスミン、ミューゲ等が含まれる。
ここでベースノートとは、揮発性が低く、保留性が高いキャラクターであり、後残り(残香)の役割を担う。ベースノートに該当するキャラクターには、例えば、ウッディ、ムスキー等が含まれる。
図4は、U1に係るY1群の結果に基づいて作成されたキャラクターの構成表の一具体例を示す図である。すなわち、図4は、U1に係る印象を強める調合香料の元になるキャラクターの構成表を示す図である。また、図5は、U1に係るY3群の結果に基づいて作成されたキャラクターの構成表の一具体例を示す図である。すなわち、図5は、U1に係る印象を強めない調合香料の元になるキャラクターの構成表を示す図である。
図4または図5の構成表では、1以上を示す欄のうち網掛けされている欄の個数によって、そのキャラクターの強度を示している。また、0を示す欄のうち斜線が掛かっている欄は、そのキャラクターについては1未満の強度が許容される旨を示している。また、0を示す欄のうち黒塗りされている欄は、そのキャラクターを構成に含めない旨を示している。
上述した処理S5において得られるキャラクターの構成表を用いることにより、調香師は特定の印象を効果的に高めた調合香料(香料組成物)を効率よく作成する事ができる。
これを検証するため、U1〜U4の印象因子それぞれについて、調香師が各キャラクターに対応する香料素材を選択し、香料のベースを作成し、ベースの香調を整えるために変調剤や補助剤を追加して、製品用の調合香料を完成させた。そして、完成した製品用の調合香料を用いて消費者調査を行った。香りを嗅ぐ場面は「ボディケア品を嗅ぐ場面」と決定し(ボディケア品とは、洗い流さないアウトバス製品であり、ボディローション、ボディクリーム、ボディミルク等を含める事を明示)、被験者は直近3ヶ月以内でボディケアを週に2回以上行う、20〜50代の日本人女性106名を対象とした。質調査品は、香料のオイルを非通気性シート(4cm画)に担持したものをアルミピローに封入したものを用い、被験者には「アルミピローをしっかりと開き、鼻をアルミピローから5cmほど離した距離で、普段のボディケア品を使用する時間、場所で香りを評価してください」と教示した。質問項目の当てはまり度について、5段階評価とし、とてもそう思う、そう思う、ややそう思う、わずかにそう思う、全くそう思わない、に加え、更に、わからない、を質問項目に加え、この中から1項目を選択する回答を求めた。
なお、図中の縦軸は、「とてもそう思う」に対して5点、「そう思う」の回答に対して4点、「ややそう思う」の回答に対して3点、「わずかにそう思う」の回答に対して2点、「そう思わない」の回答に対して1点、「わからない」の回答に対して0点を与えた場合の、各項目の平均値を表す。また、図中のバーは標準偏差を表す。
消費者調査の結果、完成させた調合香料のうち、U1、U2およびU3に基づいて調合香料を作成した場合、Y1群のキャラクターを用いて調合した調合香料の方が、Y3群のキャラクターを用いて調合した調合香料に比べて有意に高く評価されている結果となった(ρ<0.05)。一方で、U4の印象因子については、2サンプル間で有意な差が見られなかった。
これにより、それらのキャラクターを用いる事によって、より効率的に強い印象を与える香りを設計することができる。
香料の作成支援システム10は、キャラクター抽出部11と、格納部12と、ネットワーク13と、情報処理端末14と、印刷装置15と、を備える。
キャラクター抽出部11は、既存の調合香料に対して被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果に基づき、既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から複数の評価言語を包含した統合言語または一の評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを抽出する。
格納部12は、少なくともキャラクター抽出部11によって抽出された一または複数のキャラクターを格納し、キャラクター抽出部11が処理する他のデータを格納してもよい。また、格納部12に格納されているキャラクターは、キャラクター抽出部11に入力される評価結果が蓄積されるほどに更新されて、そのキャラクターによって対応する評価言語または統合言語が想起される程度の精度が向上させることが好ましい。
ネットワーク13は、格納部12と外部装置(例えば、情報処理端末14や印刷装置15)とを通信可能に接続するものであり、格納部12に格納されているデータを広範囲に拡散可能とする役割を果たす。ネットワーク13は、具体的には、インターネット、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網等の情報通信回線および回線を構築するハードウェアである。
情報処理端末14は、ネットワーク13を介して格納部12に格納されているデータ(キャラクター抽出部11による抽出結果を含む)を取得し、取得したデータを表示出力することができる。また、印刷装置15は、ネットワーク13を介して格納部12に格納されているデータを取得し、取得したデータを印字出力することができる。すなわち、情報処理端末14と印刷装置15とは、キャラクター抽出部11によって抽出された一または複数のキャラクターを出力する出力部として機能しうる。情報処理端末14または印刷装置15によって出力される態様は特に制限されるものではなく、例えば、図3に示すようなキャラクターの組合せを示す一覧を出力してもよいし、図4や図5に示すような特定の印象因子に係る印象を強めるまたは強めないキャラクターの構成表を出力してもよい。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおいて上述の実施形態の内容は、変形、改良等なされてもよい。
例えば、処理S1、処理S2および処理S3によって得られる評価結果の代わりに既存の評価結果を用いてもよく、必ずしも香料の作成支援方法の工程に含めなくてもよい。
また、上述の実施形態では、被験者を複数人に設定したが、例えば、一人の著名な調香師の官能評価に基づく評価結果に対して同様の処理を行うことによって、本発明が実施されてもよい。
また、上述の実施形態に係る処理S5(キャラクター抽出工程)は、ラフ集合計算によってキャラクターの組合せを抽出する実施例を説明したが、キャラクター抽出工程の解析手法はこの例に限られない。例えば、重回帰分析を用いることによって処理してもキャラクターを導出しうる。
例えば、処理S5で抽出されるキャラクターには、処理S2で選択した一の評価言語(印象語または感情語)のみに対応する一または複数のキャラクターが含まれてもよい。このとき、処理S5で抽出される一または複数のキャラクターが処理S2で選択した一の評価言語に対応するものであるならば、必ずしも処理S4(統合言語抽出工程)は香料の作成支援方法の工程に含めなくてもよい。
(1)既存の調合香料の官能評価に基づき決定された、既存の調合香料に対して被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果に基づき、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から複数の前記評価言語を包含した統合言語または一の前記評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを抽出するキャラクター抽出工程を備える香料の作成支援方法。
(2)前記評価結果を解析して前記統合言語を抽出する統合言語抽出工程を備え、前記キャラクター抽出工程では、前記統合言語抽出工程において抽出された前記統合言語に対応する一または複数のキャラクターを、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から抽出する(1)に記載の香料の作成支援方法。
(3)前記評価言語には、被験者が想起する印象に係る印象語と、被験者が想起する感情に係る感情語と、が含まれており、前記統合言語抽出工程では、前記官能評価によって決定された被験者が前記印象語を想起する程度を表す印象評価と前記感情語を想起する程度を表す感情評価とを解析して、特定の感情の想起に寄与する程度が高い特定の印象を表し、かつ複数の前記印象語を包含した前記統合言語を抽出する(2)に記載の香料の作成支援方法。
(4)前記統合言語抽出工程では、前記印象評価を表す複数の観測変数である第1観測変数群と前記感情評価を表す複数の観測変数である第2観測変数群との間を、一または複数の潜在変数で結んだモデルが共分散構造分析によって解析され、前記モデルが所定の基準を満たした場合に、前記第1観測変数群を構成する観測変数に対して有意な因果関係が認められる潜在変数に付された名称を前記統合言語として抽出する(3)に記載の香料の作成支援方法。
(5)前記キャラクター抽出工程では、前記既存の調合香料ごとに与えられる前記評価言語に係る被験者の評価値の高低に基づいて、前記既存の調合香料を複数のグループに分類し、分類した前記グループのうち一の前記グループを構成する前記既存の調合香料を同じグレードとして扱うラフ集合計算によって、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から一または複数のキャラクターを抽出する(1)から(4)のいずれか一つに記載の香料の作成支援方法。
(6)新たな調合香料の作成を支援する香料の作成支援方法であって、既存の調合香料を嗅いだ被験者の官能評価により決定された被験者が想起する印象の程度を表す印象評価と感情の程度を表す感情評価とを解析して、特定の感情の想起に寄与する程度が高い特定の印象を表す統合言語を抽出する工程を備える香料の作成支援方法。
(7)新たな調合香料の作成を支援する香料の作成支援システムであって、既存の調合香料に対して被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果に基づき、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から複数の前記評価言語を包含した統合言語または一の前記評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを抽出するキャラクター抽出部と、前記キャラクター抽出部によって抽出された一または複数のキャラクターを出力する出力部と、を備える香料の作成支援システム。
11 キャラクター抽出部
12 格納部
13 ネットワーク
14 情報処理端末
15 印刷装置
Claims (7)
- 新たな調合香料の作成を支援する香料の作成支援方法であって、
既存の調合香料に対して被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果に基づき、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から複数の前記評価言語を包含した統合言語または一の前記評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを抽出するキャラクター抽出工程を備える香料の作成支援方法。 - 前記評価結果を解析して前記統合言語を抽出する統合言語抽出工程を備え、
前記キャラクター抽出工程では、前記統合言語抽出工程において抽出された前記統合言語に対応する一または複数のキャラクターを、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から抽出する請求項1に記載の香料の作成支援方法。 - 前記評価言語には、被験者が想起する印象に係る印象語と、被験者が想起する感情に係る感情語と、が含まれており、
前記統合言語抽出工程では、前記官能評価によって決定された被験者が前記印象語を想起する程度を表す印象評価と前記感情語を想起する程度を表す感情評価とを解析して、特定の感情の想起に寄与する程度が高い特定の印象を表し、かつ複数の前記印象語を包含した前記統合言語を抽出する請求項2に記載の香料の作成支援方法。 - 前記統合言語抽出工程では、
前記印象評価を表す複数の観測変数である第1観測変数群と前記感情評価を表す複数の観測変数である第2観測変数群との間を、一または複数の潜在変数で結んだモデルが共分散構造分析によって解析され、
前記モデルが所定の基準を満たした場合に、前記第1観測変数群を構成する観測変数に対して有意な因果関係が認められる潜在変数に付された名称を前記統合言語として抽出する請求項3に記載の香料の作成支援方法。 - 前記キャラクター抽出工程では、
前記既存の調合香料ごとに与えられる前記評価言語に係る被験者の評価値の高低に基づいて、前記既存の調合香料を複数のグループに分類し、
分類した前記グループのうち一の前記グループを構成する前記既存の調合香料を同じグレードとして扱うラフ集合計算によって、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から一または複数のキャラクターを抽出する請求項1から4のいずれか一項に記載の香料の作成支援方法。 - 新たな調合香料の作成を支援する香料の作成支援方法であって、
既存の調合香料を嗅いだ被験者の官能評価により決定された被験者が想起する印象の程度を表す印象評価と感情の程度を表す感情評価とを解析して、特定の感情の想起に寄与する程度が高い特定の印象を表す統合言語を抽出する工程を備える香料の作成支援方法。 - 新たな調合香料の作成を支援する香料の作成支援システムであって、
既存の調合香料に対して被験者が評価言語を想起する程度を示す評価結果に基づき、前記既存の調合香料を構成するキャラクター群の中から複数の前記評価言語を包含した統合言語または一の前記評価言語の少なくとも一方に対応する一または複数のキャラクターを抽出するキャラクター抽出部と、
前記キャラクター抽出部によって抽出された一または複数のキャラクターを出力する出力部と、を備える香料の作成支援システム。
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