JP2017137664A - 引き戸用リニアモータ装置、及び、引き戸装置 - Google Patents

引き戸用リニアモータ装置、及び、引き戸装置 Download PDF

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稔博 秋山
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秀明 安倍
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Abstract

【課題】汎用性が高められた引き戸用リニアモータ装置を提供する。【解決手段】リニアモータ装置300は、構造物に配置された所定方向に延びるレール30に沿って引き戸を移動させる引き戸用リニアモータ装置である。リニアモータ装置300は、引き戸40の所定方向における一方の端部に取り付けられる第一取り付けユニット301と、引き戸40の所定方向における他方の端部に取り付けられる、第一取り付けユニット301と別体の第二取り付けユニット302とを備える。【選択図】図13

Description

本発明は、引き戸用リニアモータ装置、及び、引き戸装置に関する。
従来、モータにより引き戸を自動的に開閉する引き戸の開閉装置が知られている。このような引き戸の開閉装置として、ギアモータ式の開閉装置と、リニアモータ式の開閉装置とが知られている。特許文献1には、リニアモータ式の開閉装置として、リニア駆動サッシが開示されている。
特開2007−270535号公報
ところで、引き戸用リニアモータ装置は、大きさの異なる複数の引き戸に使用できるように汎用性が高められることが望ましい。
そこで、本発明は、汎用性が高められた引き戸用リニアモータ装置、及び、引き戸装置を提供する。
本発明の一態様に係る引き戸用リニアモータ装置は、構造物に配置された所定方向に延びるレールに沿って引き戸を移動させる引き戸用リニアモータ装置であって、前記引き戸の前記所定方向における一方の端部に取り付けられる第一取り付けユニットと、前記引き戸の前記所定方向における他方の端部に取り付けられる、前記第一取り付けユニットと別体の第二取り付けユニットとを備え、前記第一取り付けユニットは、前記第一取り付けユニットを前記一方の端部に取り付けるための第一取り付け部材と、前記レールの走行面を前記所定方向に転がる第一ローラーと、前記構造物に前記所定方向に沿って配置された複数の永久磁石の磁力を用いて前記引き戸を移動させるために、前記所定方向に沿って配置された複数の電磁石と、前記構造物に配置された非接触給電回路から供給される電力を用いて前記複数の電磁石を駆動する駆動回路とを有し、前記第二取り付けユニットは、前記第二取り付けユニットを前記他方の端部に取り付けるための第二取り付け部材と、前記レールの走行面を前記所定方向に転がる第二ローラーとを有する。
本発明の一態様に係る引き戸装置は、前記リニアモータ装置と、前記引き戸とを備える。
本発明によれば、汎用性が高められた引き戸用リニアモータ装置、及び、引き戸装置が実現できる。
図1は、実施の形態1に係るリニアモータ装置の外観斜視図である。 図2は、実施の形態1に係るリニアモータ装置の内部構造を示す図である。 図3Aは、実施の形態1に係るリニアモータ装置の動作の概要を説明するための第1の図である。 図3Bは、実施の形態1に係るリニアモータ装置の動作の概要を説明するための第2の図である。 図4は、実施の形態1に係るリニアモータ装置の機能構成を示すブロック図である。 図5は、実施の形態1に係るリニアモータ装置の、非接触給電回路及び駆動回路の回路図である。 図6は、比較例に係るリニアモータ装置を示す模式図である。 図7は、変形例1に係るリニアモータ装置の機能構成を示すブロック図である。 図8は、変形例1に係るリニアモータ装置の、非接触給電回路及び駆動回路を示す図である。 図9は、変形例1に係る第一制御部の詳細構成を示す図である。 図10は、変形例1に係る第一制御部の制御信号の生成方法を示す図である。 図11は、変形例2に係るリニアモータ装置の機能構成を示すブロック図である。 図12は、変形例2に係るリニアモータ装置の、非接触給電回路及び駆動回路を示す図である。 図13は、実施の形態3に係るリニアモータ装置の概略構成を示す模式図である。 図14は、実施の形態3に係るリニアモータ装置の内部構造を示す図である。 図15は、本体ユニットの構造を示す図である。 図16は、第一取り付けユニットの構造を示す図である。 図17は、第二取り付けユニットの構造を示す図である。
以下、実施の形態に係るリニアモータ装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、以下の実施の形態においては、天井側を「上」、床面側を「下」のように表現する場合がある。
(実施の形態1)
[リニアモータ装置の構成]
以下、実施の形態1に係るリニアモータ装置の構成について図面を用いて説明する。図1及び図2は、実施の形態1に係るリニアモータ装置の外観斜視図である。
図1に示されるように、実施の形態1に係るリニアモータ装置10は、上枠20(鴨居)に設けられたレール30に沿って引き戸40を移動させる装置である。レール30は、ガイドの一例であり、引き戸40は、移動対象物の一例である。なお、図2では、内部構造を詳細に示すために、上枠20の枠体と引き戸40の扉本体とについては図示を省略している。
リニアモータ装置10は、複数の永久磁石31と、複数の電磁石41と、駆動回路50と、非接触給電回路60とを備える。また、リニアモータ装置10は、ローラー42を備える。なお、図1及び図2に示されるピックアップコイル51は、駆動回路50に含まれ、ライン型コイル65は、非接触給電回路60に含まれる。
なお、図1及び図2では、リニアモータ装置10は、上枠20及び引き戸40に内蔵されているが、リニアモータ装置10は、既築の住戸の上枠20及び引き戸40に事後的に取り付けられる、外付けタイプの装置として実現されてもよい。
レール30は、ガイドの一例であって、引き戸の40の上方に引き戸40の移動方向に沿って延びるレールである。レール30は、上枠20に取り付けられている。レール30は、具体的には、2本の長尺状の部材からなり、2本の長尺状の部材の間には、軸体43が通される。レール30は、ステンレスなどの金属により形成されてもよいし、樹脂により形成されてもよい。
軸体43は、レール30の上方(天井側)に位置するピックアップコイル51及びローラー42と、レール30の下方(床面側)に位置する駆動回路50とを一体的に保持する部材であり、引き戸40に取り付けられる。軸体43は、後述する非接触給電の性能にさほど悪影響を与えない程度の大きさや長さで形成されている限りは、金属により形成されてもよい。また、後述する非接触給電の性能に悪影響を及ぼさないように配慮して設計したい場合であれば、軸体43は、樹脂により形成されてもよい。なお、軸体43の内部には、ピックアップコイル51と、駆動回路50とを電気的に接続する電気配線(例えば、リード線)が挿通される。
ローラー42は、レール30に対して引き戸40を滑らかに移動させるための車輪であり、引き戸40に取り付けられる。
複数の永久磁石31は、レール30に沿って上枠20にN極とS極とがそれぞれ一定の長さを有して交互に配置されるように取り付けられる。永久磁石31としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、または、ネオジム磁石などが採用されるが、永久磁石31を形成する磁性材料は、特に限定されない。なお、図面においてはN極は、「N」と記載され、S極は、「S」と記載される。また、以下の実施の形態においては1つの永久磁石31は、N極とS極とを有するものとする。つまり、図中では、「N」と「S」とで1つの永久磁石31が構成される。なお、永久磁石31の個数は、特に限定されない。
複数の電磁石41は、レール30に沿って引き戸40に取り付けられる(図2では、複数の電磁石41は、上枠20内に位置しているが、引き戸40に取り付けられている)。より具体的には、引き戸40の上方に、軸体43から枝分かれした構造である枝材が延びており(不図示)、その枝材の末端にカゴ(籠)が形成されており(これも不図示)、そのカゴ(籠)に、複数の電磁石41の全てが載せられて、軸体43、ローラー42、ピックアップコイル51らと共に、レール30の上を移動可能にされてある。
これら枝材(不図示)もカゴ(籠)(不図示)も、軸体43について上述した理由と同じ理由で、非接触給電に影響を及ぼしたくなければ、材質は樹脂であることが望ましく、非接触給電に影響を及ぼすほどの大きさではないと設計時点で判断されれば、耐久性の向上を狙うために、材質は金属であってもかまわない。カゴ(籠)(不図示)に載せられた状態における複数の電磁石41の全ては、複数の永久磁石31の一部と対向する位置に配置される。
なお、図1及び図2では、電磁石41の形状及び配置が模式的に図示されており、複数の電磁石41は、実際には、駆動回路50と電気的に接続されている。複数の電磁石41は、引き戸40に取り付けられていれば、引き戸40の開閉動作ができる範囲で、どのように配置されてもよい。
引き戸40の移動方向における、複数の電磁石41のひとつひとつどうしの配置間隔は、複数の永久磁石31の配置間隔に応じて、適宜設定される。複数の電磁石41の配置間隔は、例えば、1つの永久磁石31の半分(N極及びS極のいずれか1つ分)程度であるが、特に限定されない。また、実施の形態1では、複数の電磁石41の個数は、3つであるが、複数の電磁石41の個数は3つに限定されない。
電磁石41は、具体的には、磁性材料により形成された芯材に、通電電流量を制御可能な電線が巻きつけられることによって形成される。芯材は、例えば、鉄であり、電線は、例えば、銅の芯線がエナメルで絶縁被覆されたエナメル線であるが、芯材として採用される材料及び電線として採用される材料は、特に限定されない。また、芯材の形状なども特に限定されない。
なお、図1や図2では、3つの電磁石41が並べられる例が開示されているが、このような電磁石41の個数は、図5以降で説明する三相モータ制御を意識した個数である。
しかしながら、電磁石41の個数は、対向配置される永久磁石31のN極又はS極のひとつあたりの長さを超えるだけの範囲に配置されればよく、2個以上であればリニアモータ装置10は動作可能である。また、電磁石41の個数は、4個以上であってもよい。ただし、複数の電磁石41の個数を増やしていくと、コストアップになる。このため、電磁石41の個数は、永久磁石31のN極又はS極のひとつあたりの長さとの兼ね合いを図りながらできるだけ少なくされるとよい。
非接触給電回路60は、上枠20に取り付けられ、駆動回路50に非接触給電を行う回路である。非接触給電回路60は、具体的には、ライン型コイル65を有し、ライン型コイル65を通じて駆動回路50に非接触給電を行う。つまり、非接触給電回路60は、コイルを用いた電磁誘導方式の非接触給電を行う。非接触給電回路60の具体的な回路構成については後述する。
ライン型コイル65は、送電部の一例であって、交流電力を駆動回路50に非接触で送電する。ライン型コイル65は、レール30に沿う方向に長い長尺環状のコイルであり、ピックアップコイル51の上方にピックアップコイル51に接触しないように近接して配置される。ライン型コイル65は、複数の永久磁石31から発せられる磁界の影響を低減するために、複数の永久磁石31を避けて配置される。ライン型コイル65は、具体的には、鉛直方向においても水平方向においても複数の永久磁石31とは重ならない位置に配置される。これにより、電力の伝送効率の低下を抑制することができる。
ライン型コイル65は、例えば、銅の芯線がエナメルで絶縁被覆されたエナメル線により形成されるが、他の電線により形成されてもよい。なお、ライン型コイル65に供給される交流電力の周波数は、例えば、100kHz程度である。
ピックアップコイル51は、受電部の一例であって、ライン型コイル65によって送電された交流電力を受電する。ピックアップコイル51は、コイルボビン51aに電線51bが巻きつけられることによって形成される。コイルボビン51aは、例えば、樹脂により形成され、電線51bは、例えば、銅の芯線がエナメルで絶縁被覆されたエナメル線である。
ピックアップコイル51は、上方から見た場合に、電線51bの巻回軸の方向がライン型コイル65の長手方向(レール30が延びる方向)と垂直に交差するように配置される。このような配置により、ピックアップコイル51は、電磁誘導によってライン型コイル65から交流電力を受電することができる。
ピックアップコイル51は、軸体43を介して引き戸40に取り付けられているため、引き戸40の移動に伴って移動する。このときピックアップコイル51が、ライン型コイル65に沿って移動するため、引き戸40の移動により給電が途絶えることはない。
駆動回路50は、引き戸40に取り付けられ、非接触給電回路60から供給される電力を用いて複数の電磁石41を駆動する。駆動回路50は、具体的には、複数の電磁石41のそれぞれの極性を順次切り替える。駆動回路50の具体的構成については、後述する。
[リニアモータ装置の動作の概要]
リニアモータ装置10の動作の概要について説明する。図3A及び図3Bは、リニアモータ装置10の動作の概要を説明するための図である。なお、図3A及び図3Bは、模式図であり、複数の永久磁石31と、複数の電磁石41との位置関係が図1及び図2で説明された位置関係と異なる。
図3Aに示されるように、駆動回路50は、まず、各電磁石41の極性を当該電磁石41とほぼ対向する永久磁石31の極性と同じ極性にする。そうすると、図3Aにおいて矢印で示されるように、極性が異なる永久磁石31と電磁石41と間に吸引力が生じ、この吸引力により引き戸40が移動する。
ここで、図3Bに示されるように。引き戸40がある程度移動したところで、駆動回路50は、各電磁石41の極性の切り替えを行う。そうすると、図3Bにおいて矢印で示されるように、永久磁石31と電磁石41と間に吸引力が生じ、引き戸40の移動が継続される。
駆動回路50は、このような電磁石41の極性の切り替えの繰り返しにより、引き戸40を移動させることができる。
なお、リニアモータ装置10は、例えば、ユーザが引き戸40を開け始めたとき、または、ユーザが引き戸40を閉め始めたときに、ユーザの引き戸40の開閉をアシストするように上記の動作を開始する。ユーザが引き戸40を開け始めたとき、または、ユーザが引き戸40を閉め始めたときは、例えば、ドアセンサによって検出される。
しかしながら、リニアモータ装置10は、人感センサを備え、人感センサが人を検知すると自動的に引き戸40を開け、所定時間の経過後に閉じてもよい。つまり、リニアモータ装置10は、自動ドアに適用されてもよい。
なお、図3A及び図3Bの例においては、簡略化のため、複数の電磁石41の極性の切り替えタイミングが同時であるように説明された。しかしながら、後述されるように、3つの電磁石41は、例えば、120度ずつ位相がずれたタイミングで極性の切り替えが行われる。
[回路構成]
次に、非接触給電回路60及び駆動回路50の具体的な回路構成について、ブロック図と回路図とを用いて説明する。図4は、リニアモータ装置10の機能構成を示すブロック図である。図5は、非接触給電回路60及び駆動回路50の回路図である。なお、図4では、上枠20、引き戸40、複数の永久磁石31も模式的に図示されている。
まず、上枠20に設けられる非接触給電回路60について説明する。図4及び図5に示されるように、非接触給電回路60は、第一のAC−DC変換回路61と、第一のDC−DC変換回路62と、第一のインバータ回路63と、第一制御部64と、ライン型コイル65とを有する。図4及び図5では、非接触給電回路60に交流電力を供給する交流電源70も図示されている。交流電源70は、例えば、商用系統(電力系統)であり、交流電源70から得られる交流電力は、周波数が50Hzまたは60Hzであり、かつ、実効値が100Vである。
第一のAC−DC変換回路61は、交流電源70から得られる交流電力を直流電力に変換して出力する。第一のAC−DC変換回路61は、交流電力を全波整流して直流電圧を出力する4つのダイオードからなるブリッジ型の全波整流回路と、整流回路で整流された電力を平滑化する平滑コンデンサとからなる。なお、第一のAC−DC変換回路61の具体的な構成は、このような構成に限定されず、交流電力を直流電力に変換できるのであればどのような回路が用いられてもよい。
第一のDC−DC変換回路62は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を第一のインバータ回路63に適した直流電力に変換して出力する。第一のDC−DC変換回路62は、第一制御部64によってトランジスタS0が高速にオン及びオフされることにより、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を降圧させるチョッピング式のDC−DCコンバータである。
なお、第一のDC−DC変換回路62の具体的な構成は、このような構成に限定されず、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を第一のインバータ回路63に適した直流電力に変換できるのであればどのような回路が用いられてもよい。また、第一のDC−DC変換回路62は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を変換する必要がない場合は、省略されてもよい。
第一のインバータ回路63は、第一のAC−DC変換回路61から出力され、かつ、第一のDC−DC変換回路62によって変換された直流電力を交流電力にさらに変換して出力する。第一のインバータ回路63は、トランジスタS1及びトランジスタS2が第一制御部64によって交互にオン及びオフされるハーフブリッジ型のインバータ回路であるが、フルブリッジ型のインバータ回路であってもよく、特に限定されない。
第一制御部64は、トランジスタS0、トランジスタS1、及び、トランジスタS2をオン及びオフするための制御信号を出力する制御部である。第一制御部64は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路などにより実現される。
ライン型コイル65は、第一のインバータ回路63から出力される交流電力を駆動回路50に非接触で送電する。なお、コンデンサ66は、ライン型コイル65と、ピックアップコイル51との共振周波数を調整し、電力の利用効率を高めるために挿入されており、必要でなければ省略されてよい。
次に、駆動回路50について説明する。駆動回路50は、ピックアップコイル51と、第二のAC−DC変換回路52と、第二のDC−DC変換回路53と、第二のインバータ回路54と、第二制御部55とを備える。
ピックアップコイル51は、ライン型コイル65によって送電された交流電力を受電する。なお、コンデンサ56は、ライン型コイル65と、ピックアップコイル51との共振周波数を調整し、電力の利用効率を高めるために挿入されており、必要でなければ省略されてよい。
第二のAC−DC変換回路52は、ピックアップコイル51によって受電された交流電力を直流電力に変換する。第二のAC−DC変換回路52は、交流電力を全波整流して直流電圧を出力する4つのダイオードからなるブリッジ型の全波整流回路と、整流回路で整流された電力を平滑化する平滑コンデンサとからなる。なお、第二のAC−DC変換回路52の具体的な構成は、このような構成に限定されず、交流電力を直流電力に変換できるのであればどのような回路が用いられてもよい。
第二のDC−DC変換回路53は、第二のAC−DC変換回路52から出力される直流電力を第二のインバータ回路54に適した直流電力に変換して出力する。第二のDC−DC変換回路53は、第二制御部55によってトランジスタが高速にオン及びオフされることにより、第二のAC−DC変換回路52から出力される直流電力を降圧させるチョッピング式のDC−DCコンバータである。
なお、第二のDC−DC変換回路53の具体的な構成は、このような構成に限定されず、第二のDC−DC変換回路53から出力される直流電力を第二のインバータ回路54に適した直流電力に変換できるのであればどのような回路が用いられてもよい。また、第二のDC−DC変換回路53は、第二のDC−DC変換回路53から出力される直流電力を変換する必要がない場合は、省略されてもよい。
第二のインバータ回路54は、第二のAC−DC変換回路52によって変換された直流電力であって、かつ、第二のDC−DC変換回路53によって変換された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を複数の電磁石41に与える。第二のインバータ回路54は、120度ずつ位相のずれた交流電力を出力する3相インバータ回路であるが、特に限定されない。第二のインバータ回路54から出力される3つの交流電力のそれぞれは、対応する1つの電磁石41に印加される。
なお、第二のインバータ回路54は、3つのハイサイドスイッチ(トランジスタ)と、3つのローサイドスイッチ(トランジスタ)とを有し、一のハイサイドスイッチと組になるローサイドスイッチには、当該一のハイサイドスイッチに印加される制御信号と位相が反転した制御信号が印加される。また、3つのハイサイドスイッチのそれぞれには、120度ずつ位相がずれた制御信号が印加される。3つのローサイドスイッチについても同様である。
第二制御部55は、第二のDC−DC変換回路53が有するトランジスタ、並びに、第二のインバータ回路54に含まれる、3つのハイサイドスイッチ及び3つのローサイドスイッチをオン及びオフするための制御信号を出力する制御部である。第二制御部55は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路などにより実現される。
[効果等]
以下、比較例を参照しながらリニアモータ装置10により得られる効果について説明する。図6は、比較例に係るリニアモータ装置を示す模式図である。
図6に示される比較例に係るリニアモータ装置100は、上枠120に取り付けられた複数の電磁石41と、引き戸140に取り付けられた複数の永久磁石31とを備える。
ここで、リニアモータ装置100においては、引き戸140が可動範囲内のどのような位置にあっても引き戸140を移動させることができるように、上枠120には、広範囲(例えば、図6に示される範囲A)に電磁石41を配置する必要がある。したがって、リニアモータ装置100では、電磁石41の個数が多くなるため、電磁石41を駆動する駆動回路の規模の増大、及び、部品コストの増加が課題となる。
これに対し、リニアモータ装置10は、上枠20に設けられたレール30に沿って引き戸40を移動させる。上枠20は、構造物の一例であり、レール30は、ガイドの一例であり、引き戸40は、移動対象物の一例である。リニアモータ装置10は、レール30に沿って上枠20に取り付けられる複数の永久磁石31と、レール30に沿って引き戸40に取り付けられる複数の電磁石41と、引き戸40に取り付けられ、複数の電磁石41を駆動する駆動回路50と、上枠に取り付けられ、駆動回路50に非接触給電を行う非接触給電回路60とを備える。
つまり、リニアモータ装置10では、複数の永久磁石31は、上枠20に取り付けられ、複数の電磁石41は、引き戸40に取り付けられる。複数の永久磁石31が引き戸40に取り付けられる場合には、引き戸40の幅を超えて複数の永久磁石31を数多く配置することができない。これに対し、複数の永久磁石31が上枠20に取り付けられる場合は、複数の永久磁石31を引き戸40の幅を超えて広範囲に多数配置できる。したがって、複数の永久磁石31の数を増やして上枠20に広範囲に配置すれば、リニアモータ装置10に使用される電磁石41の個数を減らすことができる。
一般に、永久磁石31は、電磁石41よりも部品コストが低い。したがって、リニアモータ装置10に使用される電磁石41の個数が減ることによって、部品コストを低減することができる。
また、永久磁石31には駆動回路は不要であるため、リニアモータ装置10に使用される電磁石41の個数が減ることによって、リニアモータ装置10における回路規模(制御コスト)を低減することができる。
また、引き戸40に電磁石41が取り付けられる場合、電磁石41の電源を引き戸40に配置することは、引き戸40が移動するために困難である。これに対し、リニアモータ装置10では、上枠20側から引き戸40側に非接触給電を行うことでこの課題が解決されている。
また、非接触給電回路60は、交流電源から得られる交流電力を直流電力に変換して出力する第一のAC−DC変換回路61と、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する第一のインバータ回路63と、第一のインバータ回路63から出力される交流電力を駆動回路50に非接触で送電するライン型コイル65とを有する。また、駆動回路50は、ライン型コイル65によって送電された交流電力を受電するピックアップコイル51と、ピックアップコイル51によって受電された交流電力を直流電力に変換する第二のAC−DC変換回路52と、第二のAC−DC変換回路52によって変換された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を複数の電磁石41に与える第二のインバータ回路54とを有する。
このような回路構成により、リニアモータ装置10は、電磁石41を駆動することができる。
また、ライン型コイル65は、送電部の一例であり、ピックアップコイル51は、受電部の一例である。言い換えれば、送電部は、レール30に沿って延びるライン型コイル65(レール30に沿って延びる形状のコイル)を含み、受電部は、ライン型コイル65から交流電力の供給を受けるコイル(ピックアップコイル)を含んでもよい。
これにより、リニアモータ装置10の非接触給電回路60は、電磁誘導方式で非接触給電を行うことができる。また、ライン型コイルが65がレール30に沿って延びているため、引き戸40がレール30に沿って移動しても、給電が途切れない。
なお、非接触給電回路60は、電磁共鳴結合器(電磁界共鳴結合器)を利用した電磁界共鳴方式で非接触給電を行ってもよいし、電力を電磁波に変換しアンテナを介して送受信する電波方式で非接触給電を行ってもよい。つまり、送電部及び受電部のそれぞれは、電磁共鳴結合器であってもよいし、アンテナであってもよい。
また、リニアモータ装置10においては、複数の電磁石41の数は、複数の永久磁石31の数よりも少なくてもよい。
これにより、上述の部品コストの低減効果と、回路規模の低減効果が得られる。
また、上述のように、引き戸40は、移動対象物の一例であり、上枠20は、構造物の一例である。言い換えれば、移動対象物は、引き戸40であり、構造物は、引き戸40の上枠20であってもよい。
これにより、リニアモータ装置10は、上枠20に対して引き戸40を移動させることができる。なお、移動対象物は、窓、カーテン、及びブラインドなどの室内(屋内)に設けられる移動対象物であってもよいし、屋外用のシャッターなどの屋外に設けられる移動対象物であってもよい。
また、ガイドの一例であるレール30は、一部又は全部がカーブしていてもよい。つまり、リニアモータ装置10は、移動対象物を真っ直ぐ動かすだけでなく、カーブさせることもできる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、非接触給電回路及び駆動回路の構成が異なるリニアモータ装置の変形例について説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明した構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の符号が付されて詳細な説明が省略される。
[変形例1]
まず、変形例1に係るリニアモータ装置について図7及び図8を用いて説明する。図7は、変形例1に係るリニアモータ装置の機能構成を示すブロック図である。図8は、変形例1に係るリニアモータ装置の、非接触給電回路及び駆動回路の回路図である。
図7に示されるように、変形例1に係るリニアモータ装置110は、複数の永久磁石31と、複数の電磁石41と、駆動回路150と、非接触給電回路160とを備える。複数の永久磁石31及び非接触給電回路160は、上枠20に取り付けられ、複数の電磁石41及び駆動回路150は、引き戸40に取り付けられる。
まず、非接触給電回路160について説明する。図7及び図8に示されるように、非接触給電回路160は、第一のAC−DC変換回路61と、3相インバータ回路163と、第一制御部164と、3つのライン型コイル65とを備える。3つのライン型コイル65は、3相インバータ回路163の3つの出力に1対1で対応する。3つのライン型コイル65は、送電部の一例である。
3相インバータ回路163は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する。3相インバータ回路163は、具体的には、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、当該直流電力が所定の電圧波形に応じてパルス幅変調されたPWM(Pulse Width Modulation)信号に変換して出力する。所定の電圧波形は、例えば、正弦波であるが、電磁石41を駆動するための電圧波形であれば他の電圧波形であってもよい。3相インバータ回路163のより詳細な動作については、後述する。
第一制御部164は、3相インバータ回路163に含まれる、3つのハイサイドスイッチ及び3つのローサイドスイッチをオン及びオフするための制御信号を出力する。ここで第一制御部164の制御信号の生成方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、第一制御部164の詳細構成を示す図である。図10は、第一制御部164の制御信号の生成方法を示す図である。
図9に示されるように、第一制御部164は、信号出力部164aと、コンパレータ164bと、インバータ164cとを備える。なお、ここでのインバータは、上述のDC−ACインバータ回路ではなく、論理を反転させるインバータを意味する。
信号出力部164aは、正弦波と、正弦波よりも周期の短い三角波を出力する。正弦波は、所定の電圧波形の一例である。ここで、信号出力部164aから出力される正弦波と、信号出力部164aから出力される三角波とは、信号レベルのピークトゥピーク値が同一である。
コンパレータ164bは、正弦波と三角波の信号レベルを比較する。図10に示されるように、コンパレータ164bは、例えば、三角波82の信号レベルが正弦波81の信号レベルよりも大きいときには、制御信号83としてハイレベルを出力し、三角波82の信号レベルが正弦波81の信号レベル以下のときには、制御信号83としてローレベルを出力する。
コンパレータ164b出力される制御信号83は、そのまま第一の制御信号として、3相インバータ回路163のハイサイドスイッチの制御に用いられる。また、コンパレータ164bから出力される信号がインバータ164cによって反転されたものは、第二の制御信号として、3相インバータ回路163のローサイドスイッチの制御に用いられる。
なお、図9では図示されないが、図8に図示されるように第一制御部164からは、第一の制御信号と第二の制御信号の組(以下、制御信号の組と記載する)が、3組出力される。これら3組の制御信号は、位相が120度ずつずれている。
3相インバータ回路163においては、1組のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチが、1つの制御信号の組によって制御される。つまり、3組のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチのそれぞれの組には、互いに位相が異なる第一の制御信号及び第二の制御信号の組が印加される。この結果、3つのライン型コイル65のそれぞれには、3相インバータ回路163から互いに位相が異なるPWM信号が出力される。
以上説明したように、3相インバータ回路163は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、互いに位相の異なる3つのPWM信号に変換して出力する。言い換えれば、3相インバータ回路163は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、正弦波に応じてパルス幅変調して出力する。そして、3つのライン型コイル65は、3相インバータ回路163から出力される3つのPWM信号を駆動回路150に非接触で送電する。
次に、駆動回路150について説明する。図7及び図8に示されるように、駆動回路150は、3つのピックアップコイル51と、フィルタ回路151と、3つの電磁石41とを備える。3つのピックアップコイル51は、受電部の一例である。
3つのピックアップコイル51は、3つのライン型コイル65に1対1で対応する。1つのピックアップコイル51は、1つのライン型コイル65によって送電された交流電力を受電する。より詳細には、1つのピックアップコイル51は、1つのライン型コイルによって送電されたPWM信号を受電する。
フィルタ回路151は、ピックアップコイル51によって受電された交流電力をフィルタリングして電磁石41に与える。フィルタ回路151は、具体的には、LCフィルタであるが、その他のフィルタ回路であってもよい。フィルタ回路151は、3つのピックアップコイル51によって受電されたPWM信号をフィルタリングすることにより所定の電圧波形を有する交流電力を3つの電磁石41に与える。
フィルタ回路151は、言い換えれば、PWM信号を復調することで得られる正弦波を電磁石41に与える。このとき3つの電磁石41には、位相が120度ずつずれた正弦波(例えば、位相が0°、120°、及び240°の正弦波)がそれぞれ与えられる。
以上説明したように、3つのピックアップコイル51は、3つのライン型コイル65によって送電された3つのPWM信号を受電する。フィルタ回路151は、3つのピックアップコイル51によって受電された3つのPWM信号をフィルタリングすることにより、互いに位相の異なる3つの交流電力であって、それぞれが所定の電圧波形を有する交流電力を3つの電磁石41に与える。
なお、変形例1に係るリニアモータ装置110の構造については図示されないが、リニアモータ装置110は、図1及び図2で示されたライン型コイル65と、ピックアップコイル51との組が3組設けられる構造となる。その他の構造は、図1及び図2に示されるリニアモータ装置10とほぼ同様である。
[変形例1の効果等]
変形例1に係るリニアモータ装置110は、非接触給電回路160と、駆動回路150とを有する。非接触給電回路160は、交流電源70から得られる交流電力を直流電力に変換して出力する第一のAC−DC変換回路61と、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する3相インバータ回路163と、3相インバータ回路163から出力される交流電力を駆動回路に非接触で送電する送電部とを有する。送電部は、具体的には、3つのライン型コイル65である。
駆動回路150は、送電部によって送電された交流電力を受電する受電部と、受電部によって受電された交流電力をフィルタリングして複数の電磁石41に与えるフィルタ回路151とを有する。受電部は、具体的には、3つのピックアップコイル51であり、フィルタ回路151は、具体的には、LCフィルタを含む。
以上のような回路構成によれば、引き戸40に設けられるのは、フィルタ回路151と3つのピックアップコイルのみとなり、引き戸40側の回路構成を簡素化することができる。リニアモータ装置110を既築の住宅の引き戸40に適用するような場合、移動する引き戸40側の回路構成が簡素化されると、駆動回路50を引き戸40が有する戸車用の空間に収容することが容易となる。つまり、駆動回路50の引き戸40への組み込みが容易となり、上記空間に駆動回路50が収容できれば、引き戸40の加工を最小限に抑えることができる。また、引き戸40に取り付けられる部材を軽量化できる利点もある。
3相インバータ回路163は、具体的には、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、所定の電圧波形に応じてパルス幅変調したPWM信号に変換して出力する。さらに具体的には、3相インバータ回路163は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、互いに位相の異なる3つのPWM信号に変換して出力する。
送電部は、具体的には、3相インバータ回路163から出力されるPWM信号を駆動回路に非接触で送電する。送電部は、さらに具体的には、3相インバータ回路163から出力される3つのPWM信号を駆動回路50に非接触で送電する。
受電部は、具体的には、送電部によって送電されたPWM信号を受電する。受電部は、さらに具体的には、送電部によって送電された3つのPWM信号を受電する。
フィルタ回路151は、具体的には、受電部によって受電されたPWM信号をフィルタリングすることにより所定の電圧波形を有する交流電力を複数の電磁石41に与える。フィルタ回路151は、さらに具体的には、フィルタ回路151は、受電部によって受電された3つのPWM信号をフィルタリングすることにより、互いに位相の異なる3つの交流電力であって、それぞれが所定の電圧波形を有する3つの交流電力を複数の電磁石41に与える。
このような回路構成によれば、リニアモータ装置110は、PWM信号を用いて所定の電圧波形を有する交流電力を複数の電磁石41のそれぞれに与えることができる。
[変形例2]
次に、変形例2に係るリニアモータ装置について図11及び図12を用いて説明する。図11は、変形例2に係るリニアモータ装置の機能構成を示すブロック図である。図12は、変形例2に係るリニアモータ装置の、非接触給電回路及び駆動回路の回路図である。
図11に示されるように、変形例1に係るリニアモータ装置210は、複数の永久磁石31と、複数の電磁石41と、駆動回路250と、非接触給電回路260とを備える。複数の永久磁石31及び非接触給電回路260は、上枠20に取り付けられ、複数の電磁石41及び駆動回路250は、引き戸40に取り付けられる。
まず、非接触給電回路260について説明する。図11及び図12に示されるように、非接触給電回路260は、第一のAC−DC変換回路61と、第一のDC−DC変換回路62と、2相インバータ回路263と、第一制御部264と、2つのライン型コイル65とを備える。2つのライン型コイル65は、2相インバータ回路263の2つの出力に1対1で対応する。2つのライン型コイル65は、送電部の一例である。
2相インバータ回路263は、第一のAC−DC変換回路61から出力され、かつ、第一のDC−DC変換回路62によって変換された直流電力を、交流電力にさらに変換して出力する。2相インバータ回路263は、具体的には、第一のDC−DC変換回路62から出力される直流電力を、当該直流電力が所定の電圧波形に応じてパルス幅変調されたPWM信号に変換して出力する。所定の電圧波形は、例えば、正弦波であるが、電磁石41を駆動するための電圧波形であれば他の電圧波形であってもよい。なお、第一のDC−DC変換回路62が省略される場合、2相インバータ回路263は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、交流電力に変換して出力する。2相インバータ回路263のより詳細な動作については、後述する。
第一制御部264は、2相インバータ回路263に含まれる、2つのハイサイドスイッチ及び2つのローサイドスイッチをオン及びオフするための制御信号を出力する。ここで第一制御部264の制御信号の生成方法は、図9及び図10を用いて説明された第一制御部164の制御信号の生成方法とほぼ同一である。第一制御部264からは、ハイサイドスイッチを制御するための第一の制御信号とローサイドスイッチを制御するための第二の制御信号との組(以下、制御信号の組と記載する)が、2組出力される。これら2組の制御信号は、位相が90度ずれている。
2相インバータ回路263においては、1組のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチが、1つの制御信号の組によって制御される。つまり、2組のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチのそれぞれの組には、互いに位相が異なる第一の制御信号及び第二の制御信号の組が印加される。
そして、この結果、2つのライン型コイル65のそれぞれには、2相インバータ回路263から互いに位相が異なるPWM信号が出力される。
以上説明したように、2相インバータ回路263は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、互いに位相の異なる2つのPWM信号に変換して出力する。言い換えれば、2相インバータ回路263は、第一のAC−DC変換回路61から出力され、かつ、第一のDC−DC変換回路62によって変換された直流電力を、正弦波に応じてパルス幅変調して出力する。そして、2つのライン型コイル65は、2相インバータ回路263から出力される2つのPWM信号を駆動回路250に非接触で送電する。
次に、駆動回路250について説明する。図11及び図12に示されるように、駆動回路250は、2つのピックアップコイル51と、フィルタ回路251と、3つの電磁石41とを備える。2つのピックアップコイル51は、受電部の一例である。
2つのピックアップコイル51は、2つのライン型コイル65に1対1で対応する。1つのピックアップコイル51は、1つのライン型コイル65によって送電された交流電力を受電する。より詳細には、1つのピックアップコイル51は、1つのライン型コイルによって送電されたPWM信号を受電する。
フィルタ回路251は、ピックアップコイル51によって受電された交流電力をフィルタリングして電磁石41に与える。フィルタ回路251は、具体的には、LCフィルタであるが、その他のフィルタ回路であってもよい。
フィルタ回路251は、2つのピックアップコイル51によって受電されたPWM信号をフィルタリングすることにより所定の電圧波形を有する2つ交流電力を3つの電磁石41に与える。より詳細には、フィルタ回路251の2つの出力端子のうち一方の出力端子には、2つの電磁石41が、互いに極性が逆になるように接続され、フィルタ回路251の2つの出力端子のうち他方の出力端子には、電磁石41が1つ接続される。言い換えれば、フィルタ回路251から出力される2つの交流電力のうち少なくとも一方は、複数の電磁石41に含まれる2つの電磁石41によって共用される。
これにより、上記一方の出力端子に接続された2つの電磁石41には、位相0°の正弦波が与えられるが、2つの電磁石41の一方の電磁石41は、逆極性となるように接続されているため、当該電磁石41は、位相が180°の正弦波が与えられているに等しくなる。一方で、上記他方の出力端子に接続された電磁石41には、位相が90°の正弦波が与えられる。このように、リニアモータ装置210では、2相インバータ回路263が用いられるにも関わらず、3相分の電磁石41の駆動が可能である。
以上説明したように、2つのピックアップコイル51は、2つのライン型コイル65によって送電された2つのPWM信号を受電する。フィルタ回路251は、2つのピックアップコイル51によって受電された3つのPWM信号をフィルタリングすることにより、互いに位相の異なる2つの交流電力であって、それぞれが所定の電圧波形を有する交流電力を3つの電磁石41に与える。フィルタ回路251から出力される2つの交流電力のうち少なくとも一方は、複数の電磁石41に含まれる2つの電磁石41によって共用される。
なお、変形例2に係るリニアモータ装置210の構造については図示されないが、リニアモータ装置210は、図1及び図2で示されたライン型コイル65と、ピックアップコイル51との組が2組設けられる構造となる。その他の構造は、図1及び図2に示されるリニアモータ装置10とほぼ同様である。
[変形例2の効果等]
変形例2に係るリニアモータ装置210は、非接触給電回路260と、駆動回路250とを有する。非接触給電回路260が有する2相インバータ回路263は、第一のAC−DC変換回路61から出力される直流電力を、互いに位相の異なる2つのPWM信号に変換して出力する。送電部は、2相インバータ回路263から出力される2つのPWM信号を駆動回路250に非接触で送電する。受電部は、送電部によって送電された2つのPWM信号を受電する。フィルタ回路251は、受電部が受電した2つのPWM信号をフィルタリングすることにより、互いに位相の異なる2つの交流電力であって、それぞれが所定の電圧波形を有する2つの交流電力を複数の電磁石41に与える。そして、2つの交流電力のうち少なくとも一方は、複数の電磁石41に含まれる2つの電磁石によって共用される。
これにより、フィルタ回路251の回路規模を、フィルタ回路151よりもさらに簡素化することができる。したがって、リニアモータ装置210を既築の住宅の引き戸40に適用するような場合に、駆動回路50を引き戸40が有する戸車用の空間に収容することがさらに容易となる。つまり、駆動回路50の引き戸40への組み込みがさらに容易となり、引き戸40の加工を最小限に抑えることができる。また、引き戸40に取り付けられる部材を軽量化できる利点もある。
また、2相インバータ回路263が用いられることにより、3相インバータ回路163よりもスイッチング素子(トランジスタ)の数を減らすことができる。同様に、リニアモータ装置110よりもライン型コイル65及びピックアップコイル51の数を減らすことができる。このため、部品コストを低減することができる。
なお、変形例1と変形例2とは組み合わされてもよく、変形例1のフィルタ回路151において、1つの出力端子に2つの電磁石41が互いに極性が逆になるように接続されてもよい。
(実施の形態3)
[概略構成]
実施の形態3では、リニアモータ装置の別の構成について説明する。なお、実施の形態3において、実施の形態1で説明した構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の符号が付されて詳細な説明が省略され、配置などの相違点を中心に説明が行われる。図13は、実施の形態3に係るリニアモータ装置の概略構成を示す模式図である。図14は、実施の形態3に係るリニアモータ装置の内部構造を示す図である。なお、以下の実施の形態3では、上記実施の形態1及び2で説明された引き戸40の移動方向を、所定方向とも記載する。
図13及び図14に示されるように、実施の形態3に係るリニアモータ装置300は、第一取り付けユニット301と、第二取り付けユニット302(図13に図示)と、本体ユニット303とを備える。なお、図14では、図13に示される筐体350の図示が省略されている。
リニアモータ装置300は、所定方向に延びるレール30に沿って引き戸40を移動させる装置である。引き戸40は、いわゆる上吊り式の引き戸であり、第一ローラー321及び第二ローラー322がレール30に引っかかることにより、レール30(上枠20)に吊り下げられる。
[本体ユニット]
まず、本体ユニット303について図13及び図14に加えて図15を参照しながら説明する。図15は、本体ユニットの構造を示す図である。
図15に示されるように、本体ユニット303は、レール30と、複数の永久磁石31と、非接触給電回路60と、筐体350(図13に図示)とを有する。非接触給電回路60には、ライン型コイル65が含まれる。
筐体350は、レール30、複数の永久磁石31、及び、非接触給電回路60を収容し、引き戸40の上方に位置する上枠20などの構造物に取り付けられる筐体である。筐体350は、上枠20に内蔵されてもよい。なお、リニアモータ装置300の完成状態においては、第一取り付けユニット301の一部(第一ローラー321、駆動回路50(ピックアップコイル51)、複数の電磁石41)、及び第二取り付けユニット302の一部(第二ローラー322)も筐体350に収容される。
筐体350は、所定方向に長い略直方体状である。図示されないが、筐体350の下面(底板)には、第一取り付けユニット301および第二取り付けユニット302を所定方向に移動させるために、所定方向に長いスリットが設けられている。
筐体350は、具体的には、アルミニウムなどの金属により形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。筐体350が金属により形成される場合、当該筐体350は、磁気シールドとしても機能する。
筐体350の内部には、非接触給電回路60と、複数の永久磁石31との間にスペーサ360(図13に図示)が設けられる。スペーサ360は、ライン型コイル65を固定するための構造部品であり、複数の永久磁石31及び非接触給電回路60の位置(境界)を定めるための板状部材である。スペーサ360は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。なお、スペーサ360は、筐体350と一体形成されてもよい。
レール30は、筐体350の底板の上面に設けられる、所定方向に延びるレールである。実施の形態3では、レール30は、2本設けられる。2本のレールの間には、軸体343a及び軸体343bが通される。レール30の上面は、走行面であり、第一ローラー321及び第二ローラー322は、当該走行面を所定方向に転がる。なお、レール30は、筐体350の一部として形成されてもよい。例えば、筐体350の底板がレール30として用いられてもよい。
複数の永久磁石31は、例えば、筐体350内の天板側に、所定方向に沿ってN極とS極とがそれぞれ一定の長さを有して交互に配置される。複数の永久磁石31は、本体ユニット303が上枠20に内蔵または外付けされることにより、当該上枠20に所定方向に沿って配置される。複数の永久磁石31は、筐体350内の、所定方向における中央部分にのみ設けられればよく、所定方向における端部には設けられなくてもよい。
非接触給電回路60は、筐体350内の、所定方向における端部に配置され、第一取り付けユニット301が有する駆動回路50に非接触給電を行う回路である。非接触給電回路60は、本体ユニット303が上枠20(図13〜図15では不図示)に内蔵または外付けされることにより、上枠20に配置される。図14及び図15に示されるように、非接触給電回路60は、レール30の上面に配置されてもよいが、第一ローラー321または第二ローラー322の走行を妨げないように、第一ローラー321及び第二ローラー322よりも上方に配置され、筐体350の一部等によって保持されていてもよい。
非接触給電回路60は、具体的には、ライン型コイル65を有し、ライン型コイル65を通じて駆動回路50に非接触給電を行う。ライン型コイル65のループの間(ループの中)には、ピックアップコイル51のみが配置され、駆動回路50及び電磁石41は配置されない。これにより、ライン型コイル65のループの間で生じる磁界(磁場)の、駆動回路50及び電磁石41に与える影響を低減できる。非接触給電回路60の具体的な回路構成は、実施の形態1で説明された通りである。なお、リニアモータ装置300には、非接触給電回路60に代えて、非接触給電回路160または非接触給電回路260が用いられてもよい。
[第一取り付けユニット]
次に、第一取り付けユニット301について、図13及び図14に加えて図16を参照しながら説明する。図16は、第一取り付けユニット301の構造を示す図である。
第一取り付けユニット301は、引き戸40をリニアモータ装置300に取り付けるためのユニットであり、第二取り付けユニット302とペアで使用されるユニットである。第一取り付けユニット301は、所定方向における、引き戸40の一方の端部に取り付けられる。第一取り付けユニット301は、具体的には、引き戸40の一方の端部において、上方に位置する角部に取り付けられる。第一取り付けユニット301は、第一取り付け部材311と、第一ローラー321と、軸受け部321aと、駆動回路50と、複数の電磁石41と、軸体343aと、接続部材330とを備える。また、駆動回路50には、ピックアップコイル51が含まれる。
第一取り付け部材311は、下面が湾曲した略直方体状の部材である。第一取り付け部材311は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。また、第一取り付け部材311の内部には、空間があってもよい。
第一取り付けユニット301は、第一取り付け部材311が引き戸40の一方の端部に設けられた第一凹部341に嵌まることにより引き戸40の一方の端部に取り付けられる。第一凹部341は、より具体的には、引き戸40の一方の端部において、上方に位置する角部に設けられる。第一取り付け部材311は、例えば、所定方向におけるスライド挿入によって第一凹部341に嵌まるが、下方へのスライド挿入によって第一凹部341に嵌まってもよい。
また、詳細については図示されないが、第一取り付け部材311は、例えば、爪などの抜け止め構造を有し、当該抜け止め構造により、第一取り付け部材311が第一凹部341に嵌まった状態が維持される。なお、第一取り付け部材311は、第一凹部341に嵌まった状態で接着されてもよいし、第一凹部341に嵌まった状態でねじ止めされてもよい。
第一ローラー321は、引き戸40をレール30に引っかけ、かつ、引き戸40をレール30に対して滑らかに移動させるための車輪であり、レール30の走行面を所定方向に転がる。第一ローラー321は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。
第一ローラー321の回転軸は、軸受け部321aによって回転可能に支持されている。実施の形態3では、第一取り付けユニット301は、第一ローラー321を複数備えるが、少なくとも1つ備えればよい。
軸体343aは、第一取り付け部材311と、第一ローラー321とを接続して一体的に保持するための部材である。軸体343aは、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。
軸体343aの一方の端部には、第一取り付け部材311が接続され、軸体343aの他方の端部には、第一ローラー321が接続される。軸体343aは、2本のレール30の間を通る。第一ローラー321は、レール30の上方(天井側)に位置し、第一取り付け部材311は、レール30の下方(床面側)に位置する。
接続部材330は、平面視形状が矩形の板状部材であり、第一ローラー321と、軸受け部321aと、駆動回路50(ピックアップコイル51)と、複数の電磁石41とを一体的に保持するための部材である。接続部材330は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。
接続部材330は、一方の主面(下面)がレール30と対向し、長手方向が所定方向に沿うように配置される。接続部材330の他方の主面(上面)には、複数の電磁石41及び駆動回路50(より詳細には、ピックアップコイル51を除いた駆動回路50)が、所定方向に並んで配置される。接続部材330の他方の主面においては、駆動回路50のほうが、複数の電磁石41よりも第一ローラー321(軸受け部321a)の近くに配置されている。複数の電磁石41は、接続部材330の上面に所定方向に並んで配置されている。
接続部材330の長手方向の一端に位置する側面(端面)には、第一ローラー321の軸受け部321aが接続される。接続部材330の短手方向の一端に位置する側面(端面)には、ピックアップコイル51のコイルボビン51aが接続されている。なお、接続部材330の長手方向の他端に位置する側面(端面)には、別のローラー(別のローラーの軸受け部)がさらに接続されてもよい。
なお、軸体343a及び接続部材330は、一例であり、第一取り付け部材311、第一ローラー321、駆動回路50、及び、複数の電磁石41を一体的に保持するためにその他の態様の部材が用いられてもよい。
複数の電磁石41は、複数の永久磁石31の磁力を用いて引き戸40を移動させるために、接続部材330の上面に所定方向に沿って配置される。実施の形態1と同様に、電磁石41の個数は、特に限定されない。また、電磁石41は、引き戸40の開閉動作ができる範囲で、どのように配置されてもよい。
駆動回路50は、非接触給電回路60から供給される電力を用いて複数の電磁石41を駆動する。駆動回路50は、具体的には、ピックアップコイル51を有し、ピックアップコイル51を介して得られる電力を用いて、複数の電磁石41のそれぞれの極性を順次切り替える。駆動回路50の具体的構成については、実施の形態1で説明された通りである。なお、リニアモータ装置300には、駆動回路50に代えて、駆動回路150または駆動回路250が用いられてもよい。
なお、駆動回路50は、一部または全部が第一取り付け部材311内の空間に収容されてもよい。この場合、駆動回路50と複数の電磁石41とは、例えば、リード線などで電気的に接続される。
[第二取り付けユニット]
次に、第二取り付けユニット302について、図13に加えて図17を参照しながら説明する。図17は、第二取り付けユニット302の構造を示す図である。
第二取り付けユニット302は、引き戸40をリニアモータ装置300に取り付けるためのユニットであり、第一取り付けユニット301とペアで使用されるユニットである。第二取り付けユニット302は、所定方向における、引き戸40の他方の端部に取り付けられる。第二取り付けユニット302は、具体的には、引き戸40の他方の端部において、上方に位置する角部に取り付けられる。第二取り付けユニット302は、第二取り付け部材312と、第二ローラー322と、軸受け部322aと、軸体343bとを備える。
第二取り付け部材312は、下面が湾曲した略直方体状の部材である。第二取り付け部材312は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。また、第二取り付け部材312の内部には、空間があってもよい。
第二取り付けユニット302は、第二取り付け部材312が引き戸40の他方の端部に設けられた第二凹部342に嵌まることにより引き戸40の他方の端部に取り付けられる。第二凹部342は、より具体的には、引き戸40の他方の端部において、上方に位置する角部に設けられる。第二取り付け部材312は、例えば、所定方向におけるスライド挿入によって第二凹部342に嵌まるが、下方へのスライド挿入によって第二凹部342に嵌まってもよい。
また、詳細については図示されないが、第二取り付け部材312は、例えば、爪などの抜け止め構造を有し、当該抜け止め構造により、第二取り付け部材312が第二凹部342に嵌まった状態が維持される。なお、第二取り付け部材312は、第二凹部342に嵌まった状態で接着されてもよいし、第二凹部342に嵌まった状態でねじ止めされてもよい。
第二ローラー322は、引き戸40をレール30に引っかけ、かつ、引き戸40をレール30に対して滑らかに移動させるための車輪であり、レール30の走行面を所定方向に転がる。第二ローラー322は、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。
第二ローラー322の回転軸は、軸受け部322aによって回転可能に支持されている。実施の形態3では、第二取り付けユニット302は、第二ローラー322を複数備えるが、少なくとも1つ備えればよい。
軸体343bは、第二取り付け部材312と、第二ローラー322とを接続して一体的に保持するための部材である。軸体343bは、樹脂により形成されてもよいし、金属により形成されてもよい。
軸体343bの一方の端部には、第二取り付け部材312が接続され、軸体343bの他方の端部には、第二ローラー322が接続される。軸体343bは、2本のレール30の間を通り、これにより、第二ローラー322がレール30の上方(天井側)に位置し、第二取り付け部材312がレール30の下方(床面側)に位置する。
[実施の形態3の効果等]
以上説明したように、リニアモータ装置300は、構造物に配置された所定方向に延びるレール30に沿って引き戸40を移動させる引き戸用リニアモータ装置である。構造物は、例えば、上枠20(鴨居)である。
リニアモータ装置300は、引き戸40の所定方向における一方の端部に取り付けられる第一取り付けユニット301と、引き戸40の所定方向における他方の端部に取り付けられる、第一取り付けユニット301と別体の第二取り付けユニット302とを備える。
第一取り付けユニット301は、第一取り付けユニットを一方の端部に取り付けるための第一取り付け部材311と、レール30の走行面を所定方向に転がる第一ローラー321とを備える。また、第一取り付けユニット301は、構造物に所定方向に沿って配置された複数の永久磁石31の磁力を用いて引き戸40を移動させるために、所定方向に沿って配置された複数の電磁石41を有する。また、第一取り付けユニット301は、構造物に配置された非接触給電回路60から供給される電力を用いて複数の電磁石41を駆動する駆動回路50を有する。
第二取り付けユニット302は、第二取り付けユニット302を他方の端部に取り付けるための第二取り付け部材312と、レール30の走行面を所定方向に転がる第二ローラー322とを有する。
例えば、棒状の部材などによって第一取り付けユニット301と第二取り付けユニット302との位置関係が固定されたリニアモータ装置は、一の引き戸40に使用可能であっても、(所定方向における)幅が異なる他の引き戸40には使用できないといった課題がある。特に、引き戸40に複数の永久磁石31が配置される場合、複数の永久磁石31を配置するためにも、第一取り付けユニット301と第二取り付けユニット302との位置関係を固定する部材が必要となる。
これに対し、リニアモータ装置300では、引き戸40に複数の電磁石41が配置され、リニアモータ装置300は、電磁石41の数を永久磁石31の数よりも少なくできる。電磁石41の数が少なければ、電磁石41が配置されるスペースは小さくてよい。したがって、第一取り付けユニット301と第二取り付けユニット302とを別体に構成することが可能となる。このように、第一取り付けユニット301と第二取り付けユニット302とが別体であり、位置関係が固定されないため、リニアモータ装置300は、(所定方向における)幅が異なる複数種類の引き戸40に使用可能である。つまり、リニアモータ装置300は、汎用性が向上されている。
また、第一取り付けユニット301は、第一取り付け部材311が一方の端部に設けられた第一凹部341に嵌まることにより一方の端部に取り付けられてもよい。また、第二取り付けユニットは302、第二取り付け部材312が他方の端部に設けられた第二凹部342に嵌まることにより他方の端部に取り付けられてもよい。
これにより、第一取り付けユニット301及び第二取り付けユニット302を引き戸40に嵌め込むことができる。なお、第一取り付けユニット301及び第二取り付けユニット302の取り付け方法は、嵌め込む方法に限定されず、例えば、第一取り付け部材311及び第二取り付け部材312のそれぞれが引き戸40を挟持してもよい。第一取り付け部材311は、第一取り付けユニット301を引き戸40に取り付けるための接着剤またはネジなどであってもよい。第二取り付け部材312についても同様である。
また、第一凹部341は、一方の端部に含まれる、引き戸40の角部に設けられ、第二凹部342は、他方の端部に含まれる、引き戸40の角部に設けられてもよい。
これにより、第一取り付けユニット301及び第二取り付けユニット302を引き戸40の角部に嵌め込むことができる。
また、リニアモータ装置300は、さらに、レール30と、複数の永久磁石31と、非接触給電回路60と、レール30、複数の永久磁石31、及び非接触給電回路60を収容し、構造物に取り付けられる筐体350とを備えてもよい。
これにより、施工者は、筐体350を構造物に取り付けることによって、レール30と、複数の永久磁石31と、非接触給電回路60とを構造物に一度に配置することができる。すなわち施工性を高めることができる。
また、非接触給電回路60は、筐体350内の、所定方向における端部に配置されてもよい。
これにより、筐体350内の空きスペースを確保することができ、複数の永久磁石31など、他の部品の配置の自由度を高めることができる。
(他の実施の形態)
以上、実施の形態に係るリニアモータ装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、複数の磁石及び非接触給電回路は、上枠に取り付けられたが、下枠(敷居)に取り付けられてもよい。つまり、複数の磁石及び非接触給電回路は、床下に埋め込まれてもよい。
また、上記実施の形態では、引き戸は、住宅内に設置されるものとして説明されたが、上記実施の形態に係るリニアモータ装置は、ビルのエントランスに設けられたスライドドアなど、その他の引き戸を移動対象物とすることもできる。また、上記実施の形態に係るリニアモータ装置は、窓、カーテン、ブラインド、またはシャッターなどを移動対象物としてもよい。また、移動対象物は、屋内に設けられてもよいし、屋外に設けられてもよい。また、ユーザによって手動で移動可能な物品が移動対象物とされてもよい。
また、移動対象物の移動方向は、特に限定されず、上記実施の形態に係るリニアモータ装置は、移動対象物を水平方向に移動させてもよいし、鉛直方向(垂直方向)に移動させてもよい。また、上記実施の形態に係るリニアモータ装置は、移動対象物を直線的に動かすだけでなく、カーブさせてもよい。
また、上記実施の形態で説明された回路構成は、一例であり、本発明は上記回路構成に限定されない。つまり、上記回路構成と同様に、本発明の特徴的な機能を実現できる回路も本発明に含まれる。例えば、上記回路構成と同様の機能を実現できる範囲で、ある素子に対して、直列又は並列に、スイッチング素子(トランジスタ)、抵抗素子、又は容量素子等の素子を接続したものも本発明に含まれる。言い換えれば、上記実施の形態における「接続される」とは、2つの端子(ノード)が直接接続される場合に限定されるものではなく、同様の機能が実現できる範囲において、当該2つの端子(ノード)が、素子を介して接続される場合も含む。
また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、第一制御部及び第二制御部)は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、本発明の全般的または具体的な態様は、他の装置またはシステムとして実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態に係るリニアモータ装置と、引き戸とを備える引き戸装置として実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10、100、110、210、300 リニアモータ装置(引き戸用リニアモータ装置)
20、120 上枠(構造物)
30 レール
31 永久磁石
40、140 引き戸
41 電磁石
50、150、250 駆動回路
51 ピックアップコイル(受電部)
60、160、260 非接触給電回路
61 第一のAC−DC変換回路(AC−DC変換回路)
63 第一のインバータ回路(インバータ回路)
65 ライン型コイル(送電部)
70 交流電源
151、251 フィルタ回路
301 第一取り付けユニット
302 第二取り付けユニット
311 第一取り付け部材
312 第二取り付け部材
321 第一ローラー
322 第二ローラー
341 第一凹部
342 第二凹部
350 筐体

Claims (9)

  1. 構造物に配置された所定方向に延びるレールに沿って引き戸を移動させる引き戸用リニアモータ装置であって、
    前記引き戸の前記所定方向における一方の端部に取り付けられる第一取り付けユニットと、
    前記引き戸の前記所定方向における他方の端部に取り付けられる、前記第一取り付けユニットと別体の第二取り付けユニットとを備え、
    前記第一取り付けユニットは、
    前記第一取り付けユニットを前記一方の端部に取り付けるための第一取り付け部材と、
    前記レールの走行面を前記所定方向に転がる第一ローラーと、
    前記構造物に前記所定方向に沿って配置された複数の永久磁石の磁力を用いて前記引き戸を移動させるために、前記所定方向に沿って配置された複数の電磁石と、
    前記構造物に配置された非接触給電回路から供給される電力を用いて前記複数の電磁石を駆動する駆動回路とを有し、
    前記第二取り付けユニットは、
    前記第二取り付けユニットを前記他方の端部に取り付けるための第二取り付け部材と、
    前記レールの走行面を前記所定方向に転がる第二ローラーとを有する
    引き戸用リニアモータ装置。
  2. 前記第一取り付けユニットは、前記第一取り付け部材が前記一方の端部に設けられた第一凹部に嵌まることにより前記一方の端部に取り付けられ、
    前記第二取り付けユニットは、前記第二取り付け部材が前記他方の端部に設けられた第二凹部に嵌まることにより前記他方の端部に取り付けられる
    請求項1に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  3. 前記第一凹部は、前記一方の端部に含まれる、前記引き戸の角部に設けられ、
    前記第二凹部は、前記他方の端部に含まれる、前記引き戸の角部に設けられる
    請求項2に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  4. さらに、
    前記レールと、
    前記複数の永久磁石と、
    前記非接触給電回路と、
    前記レール、前記複数の永久磁石、及び前記非接触給電回路を収容し、前記構造物に取り付けられる筐体とを備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  5. 前記非接触給電回路は、前記筐体内の、前記所定方向における端部に配置される
    請求項4に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  6. 前記非接触給電回路は、
    交流電源から得られる交流電力を直流電力に変換して出力するAC−DC変換回路と、
    前記AC−DC変換回路から出力される直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
    前記インバータ回路から出力される交流電力を前記駆動回路に非接触で送電する送電部とを有し、
    前記駆動回路は、
    前記送電部によって送電された交流電力を受電する受電部と、
    前記受電部によって受電された交流電力をフィルタリングして前記複数の電磁石に与えるフィルタ回路とを有する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  7. 前記送電部は、前記所定方向に沿って延びるライン型コイルを含み、
    前記受電部は、前記ライン型コイルから交流電力の供給を受けるコイルを含む
    請求項6に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  8. 前記複数の電磁石の数は、前記複数の永久磁石の数よりも少ない
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の引き戸用リニアモータ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の引き戸用リニアモータ装置と、
    前記引き戸とを備える
    引き戸装置。
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