JP2017136103A - 撮像システム、表示装置、及び、撮像システムの制御方法 - Google Patents

撮像システム、表示装置、及び、撮像システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成によって、対象の状態を検出し、監視等を行える撮像システム、表示装置、及び、撮像システムの制御方法を提供する。【解決手段】観察対象OBに対応して配置されるマーカーMと、観察対象OBを観察する使用者が装着するHMD100と、を備え、HMD100は、撮像部と、撮像部の撮像画像を記憶する記憶部と、マーカーMに基づき、観察対象に対する撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部と、撮像部が撮像する撮像画像と、記憶部が記憶する過去の撮像画像とを比較する比較部と、を備えることを特徴とする撮像システム1。【選択図】図1

Description

本発明は、撮像システム、表示装置、及び、撮像システムの制御方法に関する。
従来、対象の人等の状態を管理する手法が種々提案されている。例えば、高齢者や被介護者の健康状態を管理する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の装置は、管理の対象である人の心拍、呼吸等を検出し、これらの生体データをもとに身体状態を把握する。
特開2008−206882号公報
特許文献1記載のように、生体の状態を検出するためには、個々の生体に対して測定用の装置を設置する必要があった。例えば、特許文献1記載の装置は、ベッドの上にエアマットを設置し、エアマットに接続される圧力センサーにより、対象の人の体動、心拍、呼吸を検出する。このように、状態を検出する対象である生体ごとに、大がかりな装置を必要とするため、例えば対象の数が多い場合は大規模なシステムを構築する必要があり、実現が困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、生体等を対象として、対象の状態を簡易な構成によって検出し、監視等を行える撮像システム、表示装置、及び、撮像システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、観察対象に対応して配置されるマーカーと、前記観察対象を観察する使用者が装着する表示装置と、を備え、前記表示装置は、撮像部と、前記撮像部の撮像画像を記憶する記憶部と、前記マーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部と、前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較する比較部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、観察対象を観察する使用者が装着する表示装置によって、観察対象を撮像することにより、観察対象の状態を観察あるいは監視等を行える。この構成では、観察対象に対応して設ける必要がある設備はマーカーであり、観察対象の数に関わらずシンプルな構成で実現できる。また、観察対象に対する撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出することにより、例えば、撮像部の撮像範囲または撮像方向が適切になるように、撮像部の向き等を調整することができる。この場合、表示装置は、観察対象の状態の検出に適した撮像画像を得ることができる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記比較部は、前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像との差分に基づき、前記観察対象の状態変化を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象を撮像した撮像画像を、その撮像時点よりも前に撮像した撮像画像と比較して、これらの画像の差分をもとに観察対象の状態変化を検出する。このため、観察対象の状態変化を容易に、的確に検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記比較部は、前記撮像部が撮像する撮像画像における前記マーカーの画像と前記観察対象の画像との相対位置と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像における前記マーカーの画像と前記観察対象の画像との相対位置と、を比較することにより、前記観察対象の状態変化を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、マーカーの位置を基準とすることにより、撮像画像を用いて、観察対象の動きや姿勢の変化等を、より正確に検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記比較部は、前記観察対象の動作による状態変化の有無を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象が動いたかどうかを検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記比較部は、前記観察対象の状態変化として、前記観察対象の姿勢の変化を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象の姿勢の変化を検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記比較部は、前記観察対象の状態変化が予め設定された条件に該当する場合に、報知を行うこと、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象の状態変化を表示装置が検出して報知を行うことで、観察対象を観察する使用者の負担を軽減できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記マーカーは画像コードであり、前記表示装置が備える前記撮像制御部は、前記撮像部の撮像画像から前記画像コードを検出することにより、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、撮像画像から画像コードを検出する簡易な処理によって、撮像部の撮像範囲または撮像方向を、的確に検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記マーカーは、前記観察対象を特定可能な情報をコード化した前記画像コードであること、を特徴とする。
この構成によれば、撮像画像から画像コードを検出してデコードすることで、撮像画像を用いて観察対象を特定できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記記憶部は、前記撮像部の撮像画像を前記観察対象に対応付けて記憶し、前記比較部は、前記撮像部の撮像画像に基づき前記観察対象を特定し、特定した前記観察対象に対応付けて前記記憶部が記憶する過去の撮像画像を、前記撮像部が撮像した撮像画像と比較すること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象ごとに、過去に撮像された撮像画像を使用して観察対象の状態変化を検出できる。これにより、例えば、観察対象が複数ある場合に、それぞれの観察対象について正確に状態変化を検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記撮像制御部は、前記撮像部の撮像画像から前記マーカーの画像を検出することにより、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出すること、を特徴とする。
この構成によれば、撮像部の撮像範囲または撮像方向を、撮像画像を利用して正確に検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記撮像制御部は、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向が、予め設定された撮像条件から逸脱する場合に、前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を前記撮像条件に適合させるための案内を実行すること、を特徴とする。
この構成によれば、使用者が、撮像部の撮像範囲または撮像方向を、適切な状態となるように調整できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示装置は、前記使用者が外景を視認可能に画像を表示する表示部を備え、前記撮像部は、前記使用者が前記外景として前記観察対象を視認する状態で、前記観察対象及び前記マーカーを含む撮像範囲を撮像すること、を特徴とする。
この構成によれば、使用者が観察対象を視認する状態で撮像部による撮像を実行し、観察対象の状態の変化を検出できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示部は、前記外景に重ねて画像を表示する表示領域を有し、前記撮像制御部は、前記表示領域における所定位置に、前記使用者が外景として視認する前記マーカーが重なる場合、前記撮像部により撮像を実行させること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象の状態の変化を検出する目的に適した撮像画像を、容易に得ることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、観察対象を観察する使用者が装着する表示装置であって、撮像部と、前記撮像部の撮像画像を記憶する記憶部と、前記観察対象に対応して配置されるマーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部と、前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較する比較部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、観察対象を観察する使用者が装着する表示装置によって、観察対象を撮像することにより、観察対象の状態を観察あるいは監視等を行える。この構成では、観察対象に対応して設ける必要がある設備はマーカーであり、観察対象の数に関わらずシンプルな構成で実現できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、観察対象に対応して配置されるマーカーと、前記観察対象を観察する使用者が装着する表示装置と、を備える撮像システムの制御方法において、前記表示装置により、撮像部で撮像した撮像画像を記憶部に記憶し、前記マーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出し、前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較すること、を特徴とする。
この構成によれば、観察対象を観察する使用者が装着する表示装置によって、観察対象を撮像することにより、観察対象の状態を観察あるいは監視等を行える。この構成では、観察対象に対応して設ける必要がある設備はマーカーであり、観察対象の数に関わらずシンプルな構成で実現できる。
本発明は、上述した撮像システムの制御方法を実現するためのプログラムとして実現することも可能である。また、例えば、上記のプログラムを記録した記録媒体、プログラムを配信するサーバー装置、上記プログラムを伝送する伝送媒体、上記プログラムを搬送波内に具現化したデータ信号等、種々の形態で実現できる。
撮像システムの適用例を示す図。 HMDの外観構成を示す説明図。 画像表示部の光学系の構成を示す図。 画像表示部の表示領域を示す説明図。 画像表示部の撮像範囲を示す説明図。 HMDを構成する各部のブロック図。 制御部および記憶部のブロック図。 HMDの動作を示すフローチャート。 HMDの表示例を示す図。 撮像画像を比較する動作の説明図。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る撮像システム1の適用例を示す図である。
撮像システム1は、HMD(Head Mounted Display:頭部装着型表示装置)100を備える。HMD100は、後述するように使用者(ユーザー)が頭部に装着して使用する。HMD100は、使用者の頭部に装着された状態で使用者に虚像を視認させる画像表示部20(表示部)と、画像表示部20を制御する制御装置10と、を備える表示装置である。
本実施形態では、一人の使用者が1台のHMD100を装着して使用する撮像システム1の構成例を示すが、複数の使用者がそれぞれHMD100を装着する構成としてもよい。
撮像システム1は、例えば図1に示す対象OBのように、生体の状態の観察や監視を行う目的で使用できる。図1の例は、高齢者や要介護者など、身体の健康状態の管理や監視を必要とする人を、対象OB(観察対象)とする。R1〜R4は、それぞれ、対象OBの居室である。この例では6人の対象OBを、それぞれ対象OB1〜OB6と表記し、対象OB1〜OB6を区別しない場合は対象OBと表記する。図1の例ではそれぞれの対象OBはベッドに寝た状態であり、ベッドサイドには、それぞれの対象OBに対応してマーカーMが設置される。例えば、対象OB1に対応して,マーカーM1が設置され、対象OB2に対応してマーカーM2が設置される。同様に対象OB3〜OB6に対応してマーカーM3〜M6が配置される。
なお、対象OB及びマーカーMの数は何ら制限されない。
マーカーM1〜M6は、一例として、対象OB1〜OB6が就寝するベッドのヘッドボードに貼付される。マーカーM1〜M6は、画像コードであり、例えば、バーコード、QR(登録商標)コード、或いはその他の画像コードである。マーカーM1は、対象OB1に関する情報を含む画像コードであり、本実施形態では、対象OB1〜OB6の中から対象OB1を特定できる情報を含む。例えば、対象OB1の居室R1の部屋番号、介護施設などが対象OB1に付与するID、対象OB1の氏名、電話番号、社会保険番号等が挙げられる。対象OB2〜OB6に対応するマーカーM2〜M6も同様である。
対象OB4〜OB6は同一の居室R4にいるため、マーカーM4〜M6は、例えば、居室R4内における各対象OBの位置を示す情報を含んでもよい。
マーカーMは、対象OBに対応付けて設置されればよいが、本実施形態では、通路WA側から対象OBを見た場合に、対象OBとともに視認できる位置に、マーカーMが設置される。
撮像システム1では、HMD100を装着した使用者が居室R1〜R4を巡回し、それぞれの対象OB1〜OB6の様子を見回りする。見回りの目的は、対象OB1〜OB6に対し必要な介助を行うため、対象OB1〜OB6の体動、姿勢の変化を観察することである。HMD100は、対象OB1〜OB6のそれぞれについて、後述するカメラ61(図2)の撮像画像を利用して、体動や姿勢の変化を検出する。
図2は、実施形態に係るHMD100の外観構成を示す説明図である。
制御装置10は、図3に示すように、平たい箱形のケース10Aを備え、ケース10Aに後述する各部を備える。ケース10Aの表面には、使用者の操作を受け付ける各種のボタン11、スイッチ、トラックパッド14等が設けられる。これらを使用者が操作することによって、制御装置10は、HMD100のコントローラーとして機能する。
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有する。画像表示部20は、右保持部21と、左保持部23と、前部フレーム27とを有する本体に、右表示ユニット22、左表示ユニット24、右導光板26、及び左導光板28を備える。
右保持部21及び左保持部23は、それぞれ、前部フレーム27の両端部から後方に延び、眼鏡のテンプル(つる)のように、使用者の頭部に画像表示部20を保持する。ここで、前部フレーム27の両端部のうち、画像表示部20の装着状態において使用者の右側に位置する端部を端部ERとし、使用者の左側に位置する端部を端部ELとする。右保持部21は、前部フレーム27の端部ERから、画像表示部20装着状態において使用者の右側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。左保持部23は、端部ELから、画像表示部20の装着状態において使用者の左側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。
右導光板26及び左導光板28は、前部フレーム27に設けられる。右導光板26は、画像表示部20の装着状態において使用者の右眼の眼前に位置し、右眼に画像を視認させる。左導光板28は、画像表示部20の装着状態において使用者の左眼の眼前に位置し、左眼に画像を視認させる。
前部フレーム27は、右導光板26の一端と左導光板28の一端とを互いに連結した形状を有し、この連結位置は、使用者が画像表示部20を装着する装着状態で、使用者の眉間に対応する。前部フレーム27は、右導光板26と左導光板28との連結位置において、画像表示部20の装着状態で使用者の鼻に当接する鼻当て部を設けてもよい。この場合、鼻当て部と右保持部21及び左保持部23とにより画像表示部20を使用者の頭部に保持できる。右保持部21及び左保持部23に、画像表示部20の装着状態において使用者の後頭部に接するベルト(図示略)を連結してもよく、この場合、ベルトによって画像表示部20を使用者の頭部に保持できる。
右表示ユニット22は、右導光板26による画像の表示に係るユニットであり、右保持部21に設けられ、装着状態において使用者の右側頭部の近傍に位置する。左表示ユニット24は、左導光板28による画像の表示に係るユニットであり、左保持部23に設けられ、装着状態において使用者の左側頭部の近傍に位置する。なお、右表示ユニット22及び左表示ユニット24を合わせて単に「表示駆動部」とも呼ぶ。
本実施形態の右導光板26及び左導光板28は、光透過性の樹脂等によって形成される光学部であり、例えばプリズムであり、右表示ユニット22及び左表示ユニット24が出力する画像光を、使用者の眼に導く。右導光板26及び左導光板28の表面に、調光板(図示略)を設けてもよい。この調光板により、右導光板26及び左導光板28を透過して使用者の眼に入射する外光を減衰させたり、特定の波長成分のみを透過または反射させたり、右導光板26及び左導光板28を保護したりすることができる。
カメラ61(撮像部)は、画像表示部20の前部フレーム27に設置される。カメラ61の位置および方向は、例えば、使用者が画像表示部20を装着した状態で視認する外景方向を撮像するように調整されることが好ましい。例えば、カメラ61は、前部フレーム27の前面において、右導光板26及び左導光板28を透過する外光を遮らない位置に設けられる。図2の例では、カメラ61が前部フレーム27の端部ER側に配置される。カメラ61の位置は、端部EL側であってもよく、右導光板26と左導光板28との連結部であってもよい。
カメラ61は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等の撮像素子を備えるデジタルカメラである。カメラ61は単眼カメラであってもよいし、ステレオカメラで構成してもよい。カメラ61は、HMD100の表側方向、換言すれば、HMD100を装着した状態における使用者の視界方向の少なくとも一部の外景(実空間)を撮像する。別の表現では、カメラ61は、使用者の視界と重なる範囲または方向を撮像し、使用者が注視する方向を撮像するということもできる。カメラ61の撮像範囲の広さは適宜設定可能であるが、本実施形態では、後述するように、使用者が右導光板26及び左導光板28を通して視認する外界を含む。より好ましくは、右導光板26及び左導光板28を透過して視認可能な使用者の視界の全体を撮像できるように、カメラ61の撮像範囲が設定される。
カメラ61は、制御部150(図7)が備える撮像制御部149の制御に従って撮像を実行し、撮像画像データを撮像制御部149に出力する。
HMD100は、予め設定された測定方向に位置する測定対象物までの距離を検出する距離センサー(図示略)を備えてもよい。距離センサーは、例えば、前部フレーム27において右導光板26と左導光板28との連結部分に配置できる。この場合、画像表示部20の装着状態において、距離センサーの位置は、水平方向では使用者の両眼のほぼ中間であり、鉛直方向では使用者の両眼より上である。距離センサーの測定方向は、例えば、前部フレーム27の表側方向とすることができ、言い換えればカメラ61の撮像方向と重複する方向である。距離センサーは、例えば、LEDやレーザーダイオード等の光源と、光源が発する光が測定対象物に反射する反射光を受光する受光部とを有する構成とすることができる。距離センサーは、制御部150の制御に従い、三角測距処理や時間差に基づく測距処理を実行すればよい。距離センサーは、超音波を発する音源と、測定対象物で反射する超音波を受信する検出部とを備える構成としてもよい。この場合、距離センサーは、制御部150の制御に従い、超音波の反射までの時間差に基づき測距処理を実行すればよい。
図3は、画像表示部20が備える光学系の構成を示す要部平面図である。図3には説明のため使用者の左眼LE及び右眼REを図示する。
図3に示すように、右表示ユニット22と左表示ユニット24とは、左右対称に構成される。使用者の右眼REに画像を視認させる構成として、右表示ユニット22は、画像光を発するOLED(Organic Light Emitting Diode)ユニット221と、OLEDユニット221が発する画像光Lを導く光学部材を備えた右光学系251とを備える。画像光Lは、右光学系251により右導光板26に導かれる。
OLEDユニット221は、OLEDパネル223と、OLEDパネル223を駆動するOLED駆動回路225とを有する。OLEDパネル223は、有機エレクトロルミネッセンスにより発光してR(赤)、G(緑)、B(青)の色光をそれぞれ発する発光素子を、マトリクス状に配置して構成される、自発光型の表示パネルである。OLEDパネル223は、R、G、Bの素子を1個ずつ含む単位を1画素として、複数の画素を備え、マトリクス状に配置される画素により画像を形成する。OLED駆動回路225は、制御部150(図7)の制御に従って、OLEDパネル223が備える発光素子の選択及び発光素子への通電を実行して、OLEDパネル223の発光素子を発光させる。OLED駆動回路225は、OLEDパネル223の裏面すなわち発光面の裏側に、ボンディング等により固定される。OLED駆動回路225は、例えばOLEDパネル223を駆動する半導体デバイスで構成され、OLEDパネル223の裏面に固定される基板(図示略)に実装されてもよい。この基板には温度センサー217が実装される。
なお、OLEDパネル223は、白色に発光する発光素子をマトリクス状に配置し、R、G、Bの各色に対応するカラーフィルターを重ねて配置する構成であってもよい。また、R、G、Bの色光をそれぞれ放射する発光素子に加え、W(白)の光を発する発光素子を備えるWRGB構成のOLEDパネル223を用いてもよい。
右光学系251は、OLEDパネル223から射出された画像光Lを並行状態の光束にするコリメートレンズを有する。コリメートレンズにより並行状態の光束にされた画像光Lは、右導光板26に入射する。右導光板26の内部において光を導く光路には、画像光Lを反射する複数の反射面が形成される。画像光Lは、右導光板26の内部で複数回の反射を経て右眼RE側に導かれる。右導光板26には、右眼REの眼前に位置するハーフミラー261(反射面)が形成される。画像光Lは、ハーフミラー261で反射して右眼REに向けて右導光板26から射出され、この画像光Lが右眼REの網膜に像を結び、使用者に画像を視認させる。
使用者の左眼LEに画像を視認させる構成として、左表示ユニット24は、画像光を発するOLEDユニット241と、OLEDユニット241が発する画像光Lを導く光学部品を備えた左光学系252とを備える。画像光Lは、左光学系252により左導光板28に導かれる。
OLEDユニット241は、OLEDパネル243と、OLEDパネル243を駆動するOLED駆動回路245とを有する。OLEDパネル243は、OLEDパネル223と同様に構成される自発光型の表示パネルである。OLED駆動回路245は、制御部150の制御に従って、OLEDパネル243が備える発光素子の選択及び発光素子への通電を実行して、OLEDパネル243の発光素子を発光させる。OLED駆動回路245は、OLEDパネル243の裏面すなわち発光面の裏側に、ボンディング等により固定される。OLED駆動回路245は、例えばOLEDパネル243を駆動する半導体デバイスで構成され、OLEDパネル243の裏面に固定される基板(図示略)に実装されてもよい。この基板には、温度センサー239が実装される。
左光学系252は、OLEDパネル243から射出された画像光Lを並行状態の光束にするコリメートレンズを有する。コリメートレンズにより並行状態の光束にされた画像光Lは、左導光板28に入射する。左導光板28は、画像光Lを反射する複数の反射面が形成された光学素子であり、例えばプリズムである。画像光Lは、左導光板28の内部で複数回の反射を経て左眼LE側に導かれる。左導光板28には、左眼LEの眼前に位置するハーフミラー281(反射面)が形成される。画像光Lは、ハーフミラー281で反射して左眼LEに向けて左導光板28から射出され、この画像光Lが左眼LEの網膜に像を結び、使用者に画像を視認させる。
HMD100は、シースルー型の表示装置として機能する。すなわち、使用者の右眼REには、ハーフミラー261で反射した画像光Lと、右導光板26を透過した外光OLとが入射する。左眼LEには、ハーフミラー281で反射した画像光Lと、ハーフミラー281を透過した外光OLとが入射する。このように、HMD100は、内部で処理した画像の画像光Lと外光OLとを重ねて使用者の眼に入射させ、使用者にとっては、右導光板26及び左導光板28を透かして外景が見え、この外景に重ねて、画像光Lによる画像が視認される。
ハーフミラー261、281は、右表示ユニット22及び左表示ユニット24がそれぞれ出力する画像光を反射して画像を取り出す画像取り出し部であり、表示部ということができる。
なお、左光学系252と左導光板28とを合わせて「左導光部」とも呼び、右光学系251と右導光板26とを合わせて「右導光部」と呼ぶ。右導光部及び左導光部の構成は上記の例に限定されず、画像光を用いて使用者の眼前に虚像を形成する限りにおいて任意の方式を用いることができ、例えば、回折格子を用いても良いし、半透過反射膜を用いても良い。
図2に戻り、制御装置10と画像表示部20とは、接続ケーブル40により接続される。接続ケーブル40は、ケース10Aの下部に設けられるコネクター(図示略)に着脱可能に接続され、左保持部23の先端から、画像表示部20の内部に設けられる各種回路に接続する。接続ケーブル40は、デジタルデータを伝送するメタルケーブルまたは光ファイバーケーブルを有し、アナログ信号を伝送するメタルケーブルを有していてもよい。接続ケーブル40の途中には、コネクター46が設けられる。コネクター46は、ステレオミニプラグを接続するジャックであり、コネクター46と制御装置10とは、例えばアナログ音声信号を伝送するラインで接続される。図2に示す構成例では、ステレオヘッドホンを構成する右イヤホン32と左イヤホン34、及び、マイク63を有するヘッドセット30が、コネクター46に接続される。
マイク63は、例えば図2に示すように、マイク63の集音部が使用者の視線方向を向くように配置され、音声を集音して、音声信号を音声インターフェイス182(図6)に出力する。マイク63は、例えばモノラルマイクであってもステレオマイクであってもよく、指向性を有するマイクであってもよいし、無指向性のマイクであってもよい。
制御装置10は、使用者により操作される被操作部として、ボタン11、LEDインジケーター12、トラックパッド14、上下キー15、切替スイッチ16、及び電源スイッチ18を備える。これらの被操作部はケース10Aの表面に配置される。
ボタン11は、制御装置10を操作するためのキーやスイッチを備え、これらのキーやスイッチは押圧操作により変位する。例えば、ボタン11は、制御装置10が実行するオペレーティングシステム143(図7)等に関する操作を行うためのメニューキー、ホームキー、「戻る」キーを含む。
LEDインジケーター12は、HMD100の動作状態に対応して点灯し、或いは点滅する。上下キー15は、右イヤホン32及び左イヤホン34から出力する音量の増減の指示入力や、画像表示部20の表示の明るさの増減の指示入力に利用される。切替スイッチ16は、上下キー15の操作に対応する入力を切り替えるスイッチである。電源スイッチ18は、HMD100の電源のオン/オフを切り替えるスイッチであり、例えばスライドスイッチである。
トラックパッド14は、接触操作を検出する操作面を有し、操作面に対する操作に応じて操作信号を出力する。操作面における検出方式は限定されず、静電式、圧力検出式、光学式或いは他の方式を採用できる。トラックパッド14への接触(タッチ操作)は、後述するタッチセンサー13(図6)により検出される。トラックパッド14にはLED表示部17が設置される。LED表示部17は複数のLEDを備え、それぞれのLEDの光はトラックパッド14を透過して、操作用のアイコン等を表示する。このアイコン等はソフトウェアボタンとして機能する。
図4は、画像表示部20の表示領域を示す説明図であり、画像表示部20を使用者の頭部側から見た要部斜視図である。なお、図4では接続ケーブル40の図示を省略する。
図4は、画像表示部20の使用者の頭部に接する側、言い換えれば使用者の右眼RE及び左眼LEに見える側である。別の言い方をすれば、右導光板26及び左導光板28の裏側が見えている。
図4では、使用者の右眼REに画像光を照射するハーフミラー261、及び、左眼LEに画像光を照射するハーフミラー281が、略四角形の領域として見える。ハーフミラー261、281を含む右導光板26及び左導光板28の全体が、上述したように外光を透過する。このため、使用者には、右導光板26及び左導光板28の全体を透過して外景が視認され、ハーフミラー261、281の位置に矩形の表示画像が視認される。HMD100では、右導光板26及び左導光板28が使用者に画像を視認させる領域を表示領域と呼ぶことができる。表示領域は、図9に示すように実際に使用者が視覚で認識する領域を指してもよいが、HMD100の構造としてはハーフミラー261、281が表示領域を構成するということができる。
図5は、画像表示部20のカメラ61の撮像範囲(画角)の説明図である。図5には、カメラ61の位置を、使用者の右眼RE及び左眼LEとともに平面視で模式的に示す。図中、カメラ61の撮像範囲をCで示す。なお、図5には水平方向の撮像範囲Cを示すが、カメラ61の実際の撮像範囲は一般的なデジタルカメラと同様に上下方向にも拡がる。
カメラ61は、上記のように画像表示部20において右側の端部に配置され、使用者の両眼が向く方向、すなわち使用者にとって前方を撮像する。
カメラ61の光軸は、右眼RE及び左眼LEの視線方向を含む方向とされる。使用者がHMD100を装着した状態で視認できる外景は、無限遠とは限らない。例えば図5に示すように、使用者が両眼で対象OBを注視すると、使用者の視線は、図中符号RD、LDに示すように対象OBに向けられる。この場合、使用者から対象OBまでの距離は、30cm〜10m程度であることが多く、1m〜4m程度であることが、より多い。そこで、HMD100について、通常使用時における使用者から対象OBまでの距離の上限、及び下限の目安を定めてもよい。この目安は調査や実験により求めてもよいし使用者が設定してもよい。カメラ61の光軸、及び撮像範囲は、通常使用時における対象OBまでの距離が、設定された上限の目安に相当する場合、及び、下限の目安に相当する場合に、この対象OBが撮像範囲に含まれるように、設定されることが好ましい。
一般に、人間の視野角は水平方向におよそ200度、垂直方向におよそ125度とされ、そのうち情報受容能力に優れる有効視野は水平方向に30度、垂直方向に20度程度である。さらに、人間が注視する注視点が迅速に安定して見える安定注視野は、水平方向に60〜90度、垂直方向に45度〜70度程度とされている。この場合、注視点が、図5の対象OBであるとき、視線RD、LDを中心として水平方向に30度、垂直方向に20度程度が有効視野である。水平方向に60〜90度、垂直方向に45度〜70度程度が安定注視野であり、水平方向に約200度、垂直方向に約125度が視野角となる。さらに、使用者が画像表示部20を透過して右導光板26及び左導光板28を透過して視認する実際の視野を、実視野(FOV:Field Of View)と呼ぶことができる。図2〜図5に示す本実施形態の構成で、実視野は、右導光板26及び左導光板28を透過して使用者が視認する実際の視野に相当する。実視野は、視野角及び安定注視野より狭いが、有効視野より広い。
カメラ61の撮像範囲Cは、使用者の視野よりも広い範囲を撮像可能であることが好ましく、具体的には、撮像範囲Cが、少なくとも使用者の有効視野よりも広いことが好ましい。撮像範囲Cが、使用者の実視野よりも広いことが、より好ましい。さらに好ましくは、撮像範囲Cが、使用者の安定注視野よりも広く、最も好ましくは、撮像範囲Cが使用者の両眼の視野角よりも広い。
カメラ61が、撮像レンズとして、いわゆる広角レンズを備え、広い撮像範囲を撮像できる構成としてもよい。広角レンズには、超広角レンズ、準広角レンズと呼ばれるレンズを含んでもよいし、単焦点レンズであってもズームレンズであってもよく、複数のレンズからなるレンズ群をカメラ61が備える構成であってもよい。
カメラ61は画像表示部20に対し固定的に設けられるため、使用者が画像表示部20により視認する視野と、カメラ61の画角Cとはほぼ固定される。より具体的には、画像表示部20が右表示ユニット22及び左表示ユニット24により画像を表示する表示領域と、カメラ61の画角Cとは、固定されているといえる。従って、画像表示部20の表示領域における位置と、カメラ61の撮像画像における位置とを対応付けることが可能である。画像表示部20の表示領域における位置は、より具体的には、OLEDパネル223、243の画素の座標と、カメラ61の撮像画像における座標とを対応付けることができる。HMD100は、これらの対応付けに関するデータを、例えば設定データ123として記憶する。
図6は、HMD100を構成する各部の構成を示すブロック図である。
制御装置10は、プログラムを実行してHMD100を制御するメインプロセッサー140を備える。メインプロセッサー140には、メモリー118及び不揮発性記憶部121が接続される。メインプロセッサー140には、入力装置としてトラックパッド14及び操作部110が接続される。メインプロセッサー140には、センサー類として、6軸センサー111、磁気センサー113、及び、GPS115が接続される。メインプロセッサー140には、通信部117、音声コーデック180、外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186、USBコネクター188、センサーハブ192、及び、FPGA194が接続される。これらは外部とのインターフェイスとして機能する。
メインプロセッサー140は、制御装置10が内蔵するコントローラー基板120に実装される。コントローラー基板120には、メインプロセッサー140に加えて、メモリー118、不揮発性記憶部121等が実装されてもよい。本実施形態では、6軸センサー111、磁気センサー113、GPS115、通信部117、メモリー118、不揮発性記憶部121、音声コーデック180等がコントローラー基板120に実装される。外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186、USBコネクター188、センサーハブ192、FPGA194、及びインターフェイス196をコントローラー基板120に実装した構成であってもよい。
メモリー118は、メインプロセッサー140がプログラムを実行する場合に、実行されるプログラム、及び、処理されるデータを一時的に記憶するワークエリアを構成する。不揮発性記憶部121は、フラッシュメモリーやeMMC(embedded Multi Media Card)等の半導体記憶デバイス、或いはその他の不揮発性記憶デバイスで構成される。不揮発性記憶部121は、メインプロセッサー140が実行するプログラムや、メインプロセッサー140がプログラムを実行して処理する各種データを記憶する。
メインプロセッサー140は、トラックパッド14から入力される操作信号に基づいて、トラックパッド14の操作面に対する接触操作を検出し、操作位置を取得する。
操作部110は、ボタン11、タッチセンサー13、およびLED表示部17を含む。タッチセンサー13は、トラックパッド14へのタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作の操作位置を特定する。ボタン11の操作が行われた場合、及び、タッチセンサー13がタッチ操作を検出した場合、操作部110は、メインプロセッサー140に対して操作信号を出力する。
LED表示部17は、LED(図示略)、及び、このLEDを点灯させる駆動回路を含む。LED表示部17は、メインプロセッサー140の制御に従って、LEDを点灯、点滅、消灯させる。
6軸センサー111は、3軸加速度センサー、及び、3軸ジャイロ(角速度)センサーを備えるモーションセンサーである。6軸センサー111は、上記のセンサーをモジュール化したIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)であってもよい。
磁気センサー113は、例えば、3軸の地磁気センサーである。
GPS(Global Positioning System)115は、図示しないGPSアンテナを備え、GPS衛星から送信される無線信号を受信して、制御装置10の現在位置の座標を検出する。
6軸センサー111、磁気センサー113及びGPS115は、検出値を、予め指定されたサンプリング周期に従ってメインプロセッサー140に出力する。或いは、6軸センサー111、磁気センサー113及びGPS115は、メインプロセッサー140の要求に応じて、メインプロセッサー140により指定されたタイミングで、検出値をメインプロセッサー140に出力する。
通信部117は、外部の機器との間で無線通信を実行する。通信部117は、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Wi−Fi(登録商標)を含む)等の規格で無線通信を行う構成を具備してもよい。例えば、HMD100が、通信部117により、スマートフォンを含む携帯型電話機、パーソナルコンピューター、タブレット型コンピューター等とデータ通信を実行してもよい。
音声インターフェイス182は、音声信号を入出力するインターフェイスである。本実施形態では、音声インターフェイス182は、接続ケーブル40に設けられたコネクター46(図2)を含む。音声コーデック180は、音声インターフェイス182に接続され、音声インターフェイス182を介して入出力される音声信号のエンコード/デコードを行う。音声コーデック180はアナログ音声信号からデジタル音声データへの変換を行うA/Dコンバーター、及び、その逆の変換を行うD/Aコンバーターを備えてもよい。例えば、本実施形態のHMD100は、音声を右イヤホン32及び左イヤホン34により出力し、マイク63で集音する。音声コーデック180は、メインプロセッサー140が出力するデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して、音声インターフェイス182を介して出力する。音声コーデック180は、音声インターフェイス182に入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換してメインプロセッサー140に出力する。
外部コネクター184は、メインプロセッサー140と通信する外部の装置を接続するコネクターである。外部コネクター184は、例えば、外部の装置をメインプロセッサー140に接続して、メインプロセッサー140が実行するプログラムのデバッグや、HMD100の動作のログの収集を行う場合に、この外部の装置を接続するインターフェイスである。
外部メモリーインターフェイス186は、可搬型のメモリーデバイスを接続可能なインターフェイスであり、例えば、カード型記録媒体を装着してデータの読取が可能なメモリーカードスロットとインターフェイス回路とを含む。この場合のカード型記録媒体のサイズ、形状、規格は制限されず、適宜に変更可能である。
USB(Universal Serial Bus)コネクター188は、USB規格に準拠したコネクターとインターフェイス回路とを備え、USBメモリーデバイス、スマートフォン、コンピューター等を接続できる。USBコネクター188のサイズや形状、適合するUSB規格のバージョンは適宜に選択、変更可能である。
HMD100は、バイブレーター19を備える。バイブレーター19は、モーター(図示略)、偏心した回転子(図示略)を備え、その他の必要な構成を備えてもよい。バイブレーター19は、メインプロセッサー140の制御に従って上記モーターを回転させることにより、振動を発生する。HMD100は、例えば、操作部110に対する操作を検出した場合、HMD100の電源がオン/オフされる場合、或いはその他の場合に、所定の振動パターンでバイブレーター19により振動を発生する。
センサーハブ192及びFPGA194は、インターフェイス(I/F)196を介して、画像表示部20を接続される。センサーハブ192は、画像表示部20が備える各種センサーの検出値を取得してメインプロセッサー140に出力する。FPGA194は、メインプロセッサー140と画像表示部20の各部との間で送受信するデータの処理、及び、インターフェイス196を介した伝送を実行する。
画像表示部20の右表示ユニット22及び左表示ユニット24は、それぞれ、制御装置10に接続される。図2に示すように、HMD100では左保持部23に接続ケーブル40が接続され、この接続ケーブル40に繋がる配線が画像表示部20内部に敷設され、右表示ユニット22と左表示ユニット24のそれぞれが制御装置10に接続される。
右表示ユニット22は、表示ユニット基板210を有する。表示ユニット基板210には、インターフェイス196に接続されるインターフェイス(I/F)211、インターフェイス211を介して制御装置10から入力されるデータを受信する受信部(Rx)213、及び、EEPROM215(記憶部)が実装される。
インターフェイス211は、受信部213、EEPROM215、温度センサー217、カメラ61、照度センサー65、及びLEDインジケーター67を、制御装置10に接続する。
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)215は、各種のデータをメインプロセッサー140が読み取り可能に記憶する。EEPROM215は、例えば、画像表示部20が備えるOLEDユニット221、241の発光特性や表示特性に関するデータを記憶する。EEPROM215は、右表示ユニット22または左表示ユニット24が備えるセンサーの特性に関するデータ等を記憶する。これらのデータは、メインプロセッサー140がHMD100を制御する場合に参照される。これらのデータの具体例として、OLEDユニット221、241のガンマ補正に係るパラメーター、温度センサー217、239の検出値を補償するデータ等が挙げられる。これらのデータは、例えば、HMD100の工場出荷時の検査によって生成され、EEPROM215に書き込まれる。
カメラ61は、インターフェイス211を介して入力される信号に従って撮像を実行し、撮像画像データ、或いは、撮像結果を示す信号を制御装置10に出力する。
照度センサー65は、図2に示すように、前部フレーム27の端部ERに設けられ、画像表示部20を装着する使用者の前方からの外光を受光するよう配置される。照度センサー65は、受光量(受光強度)に対応する検出値を出力する。
LEDインジケーター67は、図2に示すように、前部フレーム27の端部ERにおいてカメラ61の近傍に配置される。LEDインジケーター67は、カメラ61による撮像を実行中に点灯して、撮像中であることを報知する。
温度センサー217は、温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。温度センサー217は、OLEDパネル223(図3)の裏面側に実装される。温度センサー217は、例えばOLED駆動回路225と同一の基板に実装されてもよい。この構成により、温度センサー217は、主としてOLEDパネル223の温度を検出する。
受信部213は、インターフェイス211を介してメインプロセッサー140が送信するデータを受信する。受信部213は、OLEDユニット221で表示する画像の画像データを受信した場合に、受信した画像データを、OLED駆動回路225に出力する。
左表示ユニット24は、表示ユニット基板210を有する。表示ユニット基板210には、インターフェイス196に接続されるインターフェイス(I/F)231、インターフェイス231を介して制御装置10から入力されるデータを受信する受信部(Rx)233が実装される。表示ユニット基板210には、6軸センサー235、及び、磁気センサー237が実装される。
インターフェイス231は、受信部233、6軸センサー235、磁気センサー237、及び温度センサー239を、制御装置10に接続する。
6軸センサー235は、3軸加速度センサー、及び、3軸ジャイロ(角速度)センサーを備えるモーションセンサー(慣性センサー)である。6軸センサー235は、上記のセンサーがモジュール化されたIMU(Inertial Measurement Unit)を採用してもよい。
磁気センサー237は、例えば、3軸の地磁気センサーである。
温度センサー239は、温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。温度センサー239は、OLEDパネル243の裏面側に実装される。温度センサー239は、例えばOLED駆動回路245と同一の基板に実装されてもよい。この構成により、温度センサー239は、主としてOLEDパネル243の温度を検出する。
温度センサー239が、OLEDパネル243或いはOLED駆動回路245に内蔵されてもよい。上記基板は半導体基板であってもよい。具体的には、OLEDパネル243が、Si−OLEDとして、OLED駆動回路245等とともに統合半導体チップ上の集積回路として実装される場合、この半導体チップに温度センサー239を実装してもよい。
右表示ユニット22が備えるカメラ61、照度センサー65、温度センサー217、及び、左表示ユニット24が備える6軸センサー235、磁気センサー237、温度センサー239は、センサーハブ192に接続される。センサーハブ192は、メインプロセッサー140の制御に従って各センサーのサンプリング周期の設定及び初期化を行う。センサーハブ192は、各センサーのサンプリング周期に合わせて、各センサーへの通電、制御データの送信、検出値の取得等を実行する。センサーハブ192は、予め設定されたタイミングで、右表示ユニット22及び左表示ユニット24が備える各センサーの検出値を、メインプロセッサー140に出力する。センサーハブ192は、各センサーの検出値を、メインプロセッサー140に対する出力のタイミングに合わせて一時的に保持する機能を備えてもよい。センサーハブ192は、各センサーの出力値の信号形式、或いはデータ形式の相違に対応し、統一されたデータ形式のデータに変換して、メインプロセッサー140に出力する機能を備えてもよい。
センサーハブ192は、メインプロセッサー140の制御に従ってLEDインジケーター67への通電を開始及び停止させ、カメラ61が撮像を開始及び終了するタイミングに合わせて、LEDインジケーター67を点灯または点滅させる。
制御装置10は、電源部130を備え、電源部130から供給される電力により動作する。電源部130は充電可能なバッテリー132、及び、バッテリー132の残容量の検出およびバッテリー132への充電の制御を行う電源制御回路134を備える。電源制御回路134はメインプロセッサー140に接続され、バッテリー132の残容量の検出値、或いは電圧の検出値をメインプロセッサー140に出力する。電源部130が供給する電力に基づき、制御装置10から画像表示部20に電力を供給してもよい。電源部130から制御装置10の各部及び画像表示部20への電力の供給状態を、メインプロセッサー140が制御可能な構成としてもよい。
図7は、制御装置10の制御系を構成する記憶部122、及び制御部150の機能ブロック図である。図7に示す記憶部122は、不揮発性記憶部121(図6)により構成される論理的な記憶部であり、EEPROM215を含んでもよい。制御部150、及び、制御部150が有する各種の機能部は、メインプロセッサー140がプログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により形成される。制御部150、及び制御部150を構成する各機能部は、例えば、メインプロセッサー140、メモリー118、及び不揮発性記憶部121により構成される。制御部150は、本発明の第2制御部、及び、判定部として機能する。
制御部150は、記憶部122が記憶するデータを利用して各種処理を実行し、HMD100を制御する。
記憶部122は、制御部150が処理する各種のデータを記憶する。記憶部122は、設定データ123、観察対象データ124、報知設定データ125、及び撮像画像データベース126を記憶する。設定データ123は、HMD100の動作に係る各種の設定値を含む。制御部150がHMD100を制御する際にパラメーター、行列式、演算式、LUT(LookUp Table)等を用いる場合、これらを設定データ123に含めてもよい。画像表示部20における表示態様を指定する情報を、設定データ123に含めてもよく、例えば、表示制御部147の制御によって画像等を表示する表示領域における配置やサイズを定める情報を含んでもよい。
観察対象データ124は、対象OBに関する情報を含む。例えば、観察対象データ124は、撮像システム1で観察対象とする全ての対象OB(この例では対象OB1〜OB6)について、それぞれの対象OB1〜OB6を特定する情報を含んでもよい。この情報は、例えば、マーカーM1〜M6をデコードして得られる情報を含んでも良い。あるいは、マーカーM1〜M6をデコードした情報と照合できる形態の情報を含んでもよい。観察対象データ124は、マーカーMに含まれる情報に限らず、対象OBの氏名、住所等の個人情報、性別や年齢等の属性に係る情報、健康状態に関する情報等を含んでもよい。観察対象データ124に含まれる情報の具体的態様は制限されず、テキスト、静止画像、動画像、音声等を含んでもよい。
報知設定データ125は、対象OBの状態に関して報知を行う条件を含む。例えば、後述する比較部153は、複数の撮像画像データの差分を検出し、検出した差分に基づき対象OBが動いたか否かを判定する。この場合、報知設定データ125は、対象OBが動いたと判定する基準となる撮像画像データの差分に関する情報を含んでもよい。報知設定データ125は、撮像画像データから差分を抽出する処理に関するパラメーター、演算式、関数、行列等を含んでもよい。報知設定データ125は、報知を実行する場合の報知の方法を設定する情報を含んでもよい。
撮像画像データベース126は、カメラ61の撮像画像データを格納するデータベースである。撮像画像データベース126は、撮像画像データを、撮像された被写体である対象OBに対応付けて格納する。すなわち、対象OB1〜OB6を区別し、或いは特定可能な情報に対応付けて、撮像画像データを格納する。対象OB1〜OB6を特定可能な情報は、例えば、対象OB1〜OB6の居室R1〜R4の部屋番号、介護施設などが対象OB1〜OB6の各々に付与するID、対象OB1〜OB6の氏名、電話番号、社会保険番号等が挙げられる。対象OB4〜OB6は同一の居室R4にいるため、対象OB4〜OB6に対して、居室R4内における各対象OBの位置を示す情報を含んでもよい。
撮像画像データベース126は、過去にカメラ61が撮像した撮像画像(過去の撮像画像)のデータを格納する。撮像画像データベース126に格納できる撮像画像データの数に制限はなく、例えば、一人の対象OBに対応付けて複数の撮像画像データを格納しても良い。この場合、撮像画像データベース126は、それぞれの撮像画像データの撮像日時を示す情報や、それぞれの撮像画像データの撮像順を示す情報を、撮像画像データに対応付けて格納する。
制御部150は、オペレーティングシステム(OS)143、画像処理部145、表示制御部147、撮像制御部149、及び、比較部153の機能を有する。オペレーティングシステム143の機能は、記憶部122が記憶する制御プログラムの機能であり、その他の各部は、オペレーティングシステム143上で実行されるアプリケーションプログラムの機能である。
画像処理部145は、画像表示部20により表示する画像または映像の画像データに基づいて、右表示ユニット22及び左表示ユニット24に送信する信号を生成する。画像処理部145が生成する信号は、垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号、アナログ画像信号等であってもよい。
画像処理部145は、必要に応じて、画像データの解像度を右表示ユニット22及び左表示ユニット24に適した解像度に変換する解像度変換処理を行ってもよい。画像処理部145は、画像データの輝度や彩度を調整する画像調整処理、3D画像データから2D画像データを作成し、或いは2D画像データから3D画像データを生成する2D/3D変換処理等を実行してもよい。画像処理部145は、これらの画像処理を実行した場合、処理後の画像データに基づき画像を表示するための信号を生成して、接続ケーブル40を介して画像表示部20に送信する。
画像処理部145は、メインプロセッサー140がプログラムを実行して実現される構成のほか、メインプロセッサー140とは別のハードウェア(例えば、DSP(Digital Signal Processor))で構成してもよい。
表示制御部147は、右表示ユニット22及び左表示ユニット24を制御する制御信号を生成し、この制御信号により、右表示ユニット22及び左表示ユニット24のそれぞれによる画像光の生成及び射出を制御する。具体的には、表示制御部147は、OLED駆動回路225、245を制御して、OLEDパネル223、243による画像の表示を実行させる。表示制御部147は、画像処理部145が出力する信号に基づきOLED駆動回路225、245がOLEDパネル223、243に描画するタイミングの制御、OLEDパネル223、243の輝度の制御やその他の処理を行う。
表示制御部147は、撮像制御部149が撮像を実行する場合に、マーカーMの位置を合わせるガイドを表示する。ガイドの表示位置、及び表示サイズは、例えば予め設定データ123に含まれる。表示制御部147は、撮像制御部149が画像コードを検出してデコードすることにより、画像コードに含まれる情報や、画像コードに含まれる情報に基づき観察対象データ124から取得されるデータ等を表示する。
表示制御部147は、比較部153が報知を実行すると判定した場合に、報知を行うためのテキストや画像を表示する。表示制御部147は、報知設定データ125に含まれる情報に従って、右表示ユニット22及び左表示ユニット24により報知用のテキストや画像の表示態様を決定する。
撮像制御部149は、カメラ61を制御して撮像を実行させ、撮像画像データを生成し、記憶部122に一時的に記憶する。カメラ61が撮像画像データを生成する回路を含むカメラユニットとして構成される場合、撮像制御部149は撮像画像データをカメラ61から取得して、記憶部122に一時的に記憶する。
撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像から画像コードを検出する。撮像制御部149は、撮像画像から画像コードを検出した場合、検出した画像コードを認識して、デコードする。撮像制御部149は、デコードの処理により得られた情報を、表示制御部147に表示させる。撮像制御部149は、デコードの処理により得られた情報に基づいて、観察対象データ124からデータを取得し、取得したデータを表示制御部147により表示させる。
比較部153は、撮像制御部149の制御によりカメラ61が撮像した撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データを、撮像画像データベース126から取得した撮像画像データと比較することにより、対象OBの状態変化を検出する。比較部153が検出する状態変化は、例えば、対象OBの姿勢変化、或いは体の位置の変化である。比較部153は、カメラ61の撮像画像データと撮像画像データベース126から取得した撮像画像データとの差分を抽出することにより、対象OBの状態の変化を検出する。比較部153は、撮像画像データにおいてマーカーMの位置と、対象OBの画像との相対位置を求め、この相対位置を、カメラ61の撮像画像データと撮像画像データベース126から取得した撮像画像データとで比較してもよい。この場合、比較部153は、撮像画像データにおけるマーカーMを検出し、対象OBの画像の特徴点を検出し、各特徴点とマーカーMとの相対位置を求める。対象OBの画像の特徴点は、例えば、顔や身体の各部に相当する。撮像画像データベース126に格納される撮像画像データに、当該撮像画像データにおけるマーカーMと対象OBの画像の特徴点との相対位置を示すデータを対応付けて、撮像画像データベース126に格納してもよい。
比較部153は、カメラ61が撮像した撮像画像データと、撮像画像データベース126から取得した撮像画像データとを比較した結果、報知を行うか否かを判定する。報知を行う必要があると判定した場合、報知用のテキストや画像を、表示制御部147により表示させる。
HMD100は、コンテンツの供給元となる種々の外部機器を接続するインターフェイス(図示略)を備えてもよい。例えば、USBインターフェイス、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス等の有線接続に対応したインターフェイスであってもよく、無線通信インターフェイスで構成してもよい。この場合の外部機器は、HMD100に画像を供給する画像供給装置であり、パーソナルコンピューター(PC)、携帯電話端末、携帯型ゲーム機等が用いられる。この場合、HMD100は、これらの外部機器から入力されるコンテンツデータに基づく画像や音声を出力できる。
図8は、HMD100の動作を示すフローチャートである。図8には、図1に示したように、HMD100を装着した使用者が、撮像システム1が適用された居室R1〜R4を巡回して、対象OB1〜OB6の状態を観察する場合の動作を示す。
撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像データを取得する(ステップS1)。撮像制御部149は、カメラ61が動作を開始した後、カメラ61の撮像画像データを、予め設定された周期(サンプリング周期)で取得することが可能である。
撮像制御部149は、取得した撮像画像データを解析して、マーカーMの検出を試行する(ステップS2)。ここで、マーカーMが検出されない場合(ステップS3;No)、撮像制御部149はステップS1に戻る。撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像データにおいてマーカーMに相当する画像を検出した場合(ステップS3;Yes)、撮像画像データにおけるマーカーMの位置が適切な位置であるか否かを判定する(ステップS4)。カメラ61がズーム倍率を変化させない場合、撮像画像データにおけるマーカーMの位置は、マーカーMに対するカメラ61の光軸の方向、及びマーカーMとカメラ61の撮像面との距離により決まる。比較部153が撮像画像を比較する処理の負荷を軽減するため、撮像制御部149は、マーカーMに対してカメラ61が同じ方向、同じ距離から撮像を実行させる。このため、撮像制御部149は、撮像画像データにおけるマーカーMの位置が適切な位置でないと判定した場合(ステップS4;No)、カメラ61の撮像方向および位置を、適切な方向と位置にするように案内を実行する(ステップS5)。
図9は、HMD100における表示例を示す図であり、撮像制御部149が実行する撮像方向および撮像位置の案内を行う場合の表示例である。図中、VRは使用者の視野であり、Vは右表示ユニット22及び左表示ユニット24により画像を表示する表示領域である。
図9の例では、使用者の視野VRに、実空間の外景として対象OB1、及び、対象OB1に対応して設置されたマーカーM1が視認される。マーカーM1は、複数のマーカーM1−1〜M1−4を含む。マーカーM1が含むマーカーの数は制限されないが、複数のマーカーを含むことが好ましい。
撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像データからマーカーM1−1〜M1−4のそれぞれを検出する。マーカーM1−1〜M1−4の位置が、予め設定された適切な位置でない場合、マーカーM1−1〜M1−4の位置合わせ用のガイドT1〜T4を表示制御部147により表示させる。ガイドT1〜T4の表示位置は、撮像画像データにおけるマーカーM1−1〜M1−4の適切な位置に対応して、予め設定される。上述のように、画像表示部20の表示領域Vとカメラ61の画角C(図5)とは対応付けられるため、この対応によりガイドT1〜T4の表示位置を決めることができる。
使用者は、ガイドT1〜T4に、マーカーM1−1〜M1−4のそれぞれが重なるように、カメラ61の向き及び位置を調整すればよい。カメラ61は画像表示部20に固定されているので、実際には、使用者は自分の身体(特に頭部)の向きと、対象OB1と自分の身体との距離を調整すればよい。
なお、ガイドT1〜T4の数は、マーカーM1を構成するマーカーM1−1〜M1−4の数に合っていればよく、その数は制限されない。また、図9にはガイドT1〜T4を破線の枠で構成する例を示したが、ガイドT1〜T4の具体的な形状を含む表示形態は任意である。例えば、ガイドT1〜T4の形状は「+」字状であってもよいし円形や矩形等の幾何学的な図形であってもよい。また、ガイドT1〜T4の表示色は、外景に対して高い視認性を確保できる色であれば好ましいが、特に限定されない。また、ガイドT1〜T4を点滅表示させてもよい。また、HMD100は、ガイドT1〜T4に、マーカーM1−1〜M1−4を重ねるように案内するテキストや画像を、ガイドT1〜T4とともに表示してもよい。
図8に戻り、撮像制御部149は、ステップS5で撮像位置の案内を実行した後、ステップS1に戻る。
撮像画像データにおけるマーカーMの位置が適切な位置であると判定した場合(ステップS4;Yes)、撮像制御部149は、対象OBを特定する(ステップS6)。ステップS6で、比較部153は、検出したマーカーMをデコードすることにより撮像画像データに写る対象OBを特定する情報を取得して、対象OBを特定する。
比較部153は、撮像画像データベース126を参照し、撮像制御部149が特定した対象OBに対応する過去の撮像画像データが撮像画像データベース126に含まれるか否かを判定する(ステップS7)。該当する撮像画像データがない場合(ステップS7;No)、比較部153は後述するステップS13に移行する。
撮像制御部149が特定した対象OBに対応する過去の撮像画像データが撮像画像データベース126に含まれる場合(ステップS7;Yes)、比較部153は、該当する撮像画像データを取得する(ステップS8)。比較部153は、ステップS8で取得した過去の撮像画像データと、ステップS1で取得したカメラ61の撮像画像データ、すなわち最新の撮像画像データとを比較する(ステップS9)。比較部153は、比較の結果に基づき、異常を報知すべき状況か否かを判定する(ステップS10)。
図10は、比較部153の動作の説明図であり、2つの撮像画像を比較して対象OBの状態の変化を検出する動作の例を示す。
この例では、比較部153は、対象OB1を撮像した2つの撮像画像データを比較する。具体的には、カメラ61が撮像した最新の撮像画像PNと、撮像画像PNの撮像日時よりも前に撮像されて撮像画像データベース126に格納された撮像画像POとを比較する。撮像画像POは、例えば、撮像画像データベース126に格納された対象OB1の撮像画像データのうち、撮像日時が最近(最新)の撮像画像データである。
撮像画像PNは、ステップS1で取得された最新の撮像画像であり、撮像画像POは、撮像画像データベース126から取得された撮像画像データが示す画像である。撮像画像PN及び撮像画像POは、マーカーMに対してほぼ同じ方向、同じ距離から撮像された画像である。撮像画像PN、POにおけるマーカーM1−1〜M1−4の位置は、それぞれ、ほぼ同一位置にある。
比較部153が撮像画像PNと撮像画像POとを比較する処理は、例えば、次の(I)〜(III)である。
(I)比較部153は、撮像画像PNと撮像画像POとの差分を検出する。比較部153は、検出した差分の大きさが、報知設定データ125で設定された基準を超える場合に、報知をすべき異常(変化)があると判定する。報知をすべき異常は、例えば、対象OB1の体動による位置の変化、或いは、姿勢の変化であり、必ずしも対象OB1である人の健康状態の異常を意味しない。この例では、比較部153は、撮像画像PNと撮像画像POの全体の差分を求めてもよい。また、マーカーM1−1〜M1−4で囲まれた範囲内の差分を求めてもよい。また、マーカーM1−1〜M1−4の位置を基準として定められる所定範囲内の差分を求めてもよい。このようにマーカーM1−1〜M1−4を基準とする場合、実質的にマーカーM1−1〜M1−4を用いた位置合わせを行うので、より正確に対象OB1の状態の変化に相当する差分を検出できる。
(II)比較部153は、撮像画像PN、及び撮像画像POのそれぞれから対象OB1の画像を検出し、対象OB1の画像の位置及び/またはサイズを比較する。比較部153は、対象OB1の画像の位置及び/またはサイズの差が、報知設定データ125で設定された基準を超える場合に、報知をすべき異常があると判定する。図10の例では、撮像画像PNの幅方向(水平方向)における対象OB1の画像の位置をP1とし、撮像画像POの幅方向における対象OB1の画像の位置をP2とする。比較部153は、対象OB1の画像を撮像画像PN、POから検出し、位置P1、P2を求め、これらの差分を求める。例えば、対象OB1の画像の色や形状を示す特徴量のデータを利用することで、撮像画像PN、POから対象OB1の画像を抽出できる。この特徴量のデータは、観察対象データ124に含めて予め記憶すればよい。
(III)比較部153は、撮像画像PN、及び撮像画像POのそれぞれから対象OB1の画像を検出し、対象OB1の画像における特徴点を検出する。比較部153は、マーカーM1−1〜M1−4の少なくともいずれかと、特徴点との相対位置を求め、求めた相対位置を、撮像画像PN、POの間で比較する。図10の例で、比較部153は、撮像画像PN、POにおける対象OB1の画像のうち、対象OB1の頭頂部を特徴点として検出する。比較部153は、特徴点と、マーカーM1−1との間の距離D1を求める。そして、比較部153は、撮像画像PNにおける距離D1と、撮像画像POにおける距離D1との差を求め、その差が、報知設定データ125で設定された基準を超える場合に、報知をすべき異常があると判定する。なお、特徴点は、目、口、鼻等であってもよいし、腕や足など顔以外の身体の一部であってもよい。
上記の(I)〜(III)はあくまで一例であり、撮像画像PNと撮像画像POとを比較して対象OB1の位置や姿勢の変化を検出する方法として、他の方法を用いることも勿論可能である。
比較部153は、比較の結果に基づき、異常を報知すべき状況でないと判定した場合(ステップS10;No)、異常がないことを報知する(ステップS11)。例えば、表示制御部147が、異常がないことを示すテキストや画像を表示領域Vに表示する。また、例えば、表示領域Vにおいて、異常が無いことを示す色のマーク等を表示しても良い。また、ステップS11で、報知を省略してもよい。
一方、比較部153は、比較の結果に基づき、異常を報知すべき状況であると判定した場合(ステップS10;Yes)、異常を報知する(ステップS12)。例えば、表示制御部147が、異常を示すテキストや画像を表示領域Vに表示する。また、例えば、表示領域Vにおいて、異常を示す色のマーク等を表示しても良いし、表示領域Vの全体の背景色を、報知用の色に変更してもよい。
その後、比較部153は、ステップS6で特定した対象OBに対応付けて、ステップS1で取得した撮像画像データを、撮像画像データベース126に格納する(ステップS13)。
制御部150は、動作を終了するか否かを判定し(ステップS14)、動作を終了しない場合は(ステップS14;No)、ステップS1に戻る。また、例えば操作部110の操作により動作終了が指示された場合等には(ステップS14;Yes)、本処理を終了する。
この撮像システム1を、例えば病院や介護施設に適用する場合、病院において患者を看護し巡回監視する医療スタッフ、或いは、介護施設において被介護者を巡回監視する介護スタッフが、HMD100を装着する。この場合、HMD100により、患者や被介護者の様子を非接触で監視する方法を実現できる。病院の入院患者については、意識のある患者は時間の経過とともに寝返りを打つなど姿勢の変化があり、症状が重い患者は、寝返り等の動作を行わない状態となることがある。被介護者についても同種のことがいえる。従って、巡回を行うスタッフは、患者や被介護者の動きの有無を判断できることが望ましいが、一定時間毎の巡回の間に動きがあったかどうかを的確に判断するためには、前回の巡回時の様子を記憶しておく必要があるなど、容易でない。撮像システム1を適用することで、スタッフがHMD100を装着して巡回を行えば、同一患者について前回巡回時の状態と今回の巡回時の状態との差に基づき、動きの有無等を検出できる。これにより、スタッフの負担を軽減し、患者や被介護者等の対象OBの状態の変化を、正確に検出することができ、必要に応じて、すみやかに介護や医療面の対処をすることができる。また、スタッフが患者を観察しながら撮影を行うため、巡回時に敢えてカメラを取り出して撮影する場合のような圧迫感を、患者や被介護者に与えるおそれはない。さらに、患者や被介護者の全てのベッドに監視カメラを設置して集中管理するような大規模なシステムよりも、撮像システム1は、導入が容易であるという利点がある。
以上説明したように、本発明の撮像システム、撮像システムの制御方法を適用した実施形態の撮像システム1は、観察対象である対象OBに対応して配置されるマーカーMと、対象OBを観察する使用者が装着するHMD100と、を備える。本発明の表示装置を適用したHMD100は、カメラ61と、カメラ61の撮像画像を記憶する記憶部122と、マーカーMに基づき、対象OBに対するカメラ61の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部149とを備える。また、HMD100は、カメラ61の撮像画像と、記憶部122が記憶する過去の撮像画像とを比較する比較部153を備える。
この構成によれば、対象OBを観察する使用者が装着するHMD100によって、対象OBを撮像することにより、対象OBの状態を観察あるいは監視等を行える。対象OBに対応して設ける必要がある設備はマーカーMであり、対象OBの数に関わらずシンプルな構成で実現できる。また、対象OBに対するカメラ61の撮像範囲または撮像方向を検出することにより、例えば、カメラ61の撮像範囲または撮像方向が適切になるように、カメラ61の向き等を調整することができる。この場合、HMD100は、対象OBの状態の検出に適した撮像画像を得ることができる。
比較部153は、上述した(I)、(II)の方法により、カメラ61の撮像画像と、記憶部122が記憶する過去の撮像画像との差分に基づき、対象OBの状態変化を検出してもよい。これにより、対象OBを撮像した撮像画像を、その撮像時点よりも前に撮像した撮像画像と比較して、これらの画像の差分をもとに対象OBの状態変化を検出する。このため、対象OBの状態変化を容易に、的確に検出できる。
比較部153は、上述した(III)の方法により、カメラ61の撮像画像におけるマーカーMの画像と対象OBの画像との相対位置と、記憶部122が記憶する過去の撮像画像におけるマーカーMの画像と対象OBの画像との相対位置と、を比較する。これにより、比較部153は、対象OBの状態変化を検出してもよい。この構成によれば、マーカーMの位置を基準とすることにより、撮像画像を用いて、対象OBの動きや姿勢の変化等を、より正確に検出できる。
比較部153は、対象OBの動作による状態変化の有無を検出してもよく、この場合、対象OBが動いたかどうかを検出できる。また、比較部153は、対象OBの状態変化として、対象OBの姿勢の変化を検出してもよく、この場合、対象OBの姿勢の変化を検出できる。
また、比較部153は、対象OBの状態変化が予め設定された条件に該当する場合に、報知を行うので、対象OBを観察する使用者の負担を軽減できる。
また、マーカーMは画像コードであり、HMD100が備える撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像から画像コードを検出することにより、対象OBに対するカメラ61の撮像範囲または撮像方向を検出する。これにより、撮像画像から画像コードを検出する簡易な処理によって、カメラ61の撮像範囲または撮像方向を、的確に検出できる。
また、マーカーMは、対象OBを特定可能な情報をコード化した画像コードであってもよく、この場合、画像コードを検出してデコードすることで、撮像画像を用いて対象OBを特定できる。
また、記憶部122は、カメラ61の撮像画像を対象OBに対応付けて記憶する。比較部153は、カメラ61の撮像画像に基づき対象OBを特定し、特定した対象OBに対応付けて記憶部122が記憶する過去の撮像画像を、カメラ61が撮像した撮像画像と比較する。このため、対象OBごとに、過去に撮像された撮像画像を使用して対象OBの状態変化を検出できる。これにより、例えば、対象OBが複数ある場合に、それぞれの対象OBについて正確に状態変化を検出できる。
また、撮像制御部149は、カメラ61の撮像画像からマーカーMの画像を検出することにより、対象OBに対するカメラ61の撮像範囲または撮像方向を検出してもよい。この場合、カメラ61の撮像範囲または撮像方向を、撮像画像を利用して正確に検出できる。
また、撮像制御部149は、対象OBに対するカメラ61の撮像範囲または撮像方向が、予め設定された撮像条件から逸脱する場合に、カメラ61の撮像範囲または撮像方向を撮像条件に適合させるための案内を実行する。例えば、撮像制御部149は、表示領域VにガイドT1〜T4を表示させる。この構成によれば、使用者が、カメラ61の撮像範囲または撮像方向を、適切な状態となるように調整できる。
また、HMD100は、使用者が外景を視認可能に画像を表示する画像表示部20を備える。カメラ61は、使用者が外景として対象OBを視認する状態で、対象OB及びマーカーMを含む撮像範囲を撮像する。この構成によれば、使用者が対象OBを視認する状態でカメラ61による撮像を実行し、対象OBの状態の変化を検出できる。
また、画像表示部20は、外景に重ねて画像を表示する表示領域Vを有し、撮像制御部149は、表示領域Vにおける所定位置に、使用者が外景として視認するマーカーMが重なる場合、カメラ61により撮像を実行させる。このため、対象OBの状態の変化を検出する目的に適した撮像画像を、容易に得ることができる。
なお、この発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、カメラ61は、可視光による撮像を実行する構成であってもよいが、赤外カメラとして構成し、赤外光による撮像を行う構成であってもよい。この場合、カメラ61は暗所においても対象OBを撮像できる。また、対象OBが生体である場合、カメラ61の撮像画像に基づいて対象OBの体表面の温度を検出できる。この場合、例えば、比較部153が撮像画像PN、POの比較結果だけでなく、カメラ61の撮像画像から検出される対象OBの体表面温度に基づいて異常の有無を判定してもよい。また、カメラ61の撮像を補助するため、画像表示部20が、カメラ61の画角Cに赤外光を投射する投射部を備える構成としてもよい。
また、マーカーMは、赤外光を発する発光部で構成してもよい。また、再帰性反射材によりマーカーMを構成してもよい。
また、対象OBが寝ているベッドの脚や支柱、その他の居室R1〜R4内における設備、什器、備品等をマーカーMとして用いてもよい。
また、HMD100は、カメラ61の撮像画像データを、通信部117によって、外部のサーバー装置(図示略)に送信してもよい。この場合、図8を参照して説明した比較部153の動作を、サーバー装置が実行してもよい。また、撮像画像データベース126を、サーバー装置が有する構成としてもよい。この場合、HMD100における処理の負荷を、より軽減することができ、高精度の判定を行える。また、カメラ61の撮像画像を大量に、一元的に記憶できるので、複数のHMD100と1または複数のサーバー装置とを備える撮像システム1を構成してもよい。
また、上記実施形態において、HMD100は、画像表示部20の前部フレーム27に固定されるカメラ61を備える構成とした。本発明はこれに限定されず、例えば、画像表示部20に立設されたカメラ61を用いてもよいし、カメラ61を画像表示部20とは別体で構成してもよい。この場合、画像表示部20の表示領域Vとカメラ61の画角Cとを対応付けることが可能であればよい。
また、例えば、上記実施形態において、使用者が表示部を透過して外景を視認する構成は、右導光板26及び左導光板28が外光を透過する構成に限定されない。例えば外景を視認できない状態で画像を表示する表示装置にも適用可能である。具体的には、カメラ61の撮像画像、この撮像画像に基づき生成される画像やCG、予め記憶された映像データや外部から入力される映像データに基づく映像等を表示する表示装置に、本発明を適用できる。この種の表示装置としては、外景を視認できない、いわゆるクローズ型の表示装置を含むことができる。また、上記実施形態で説明したように実空間に重ねて画像を表示するAR表示や、撮像した実空間の画像と仮想画像とを組み合わせるMR(Mixed Reality)表示、或いは仮想画像を表示するVR(Virtual Reality)表示といった処理を行わない表示装置にも適用できる。例えば、外部から入力される映像データまたはアナログ映像信号を表示する表示装置も、本発明の適用対象として勿論含まれる。
また、例えば、画像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部等の他の方式の画像表示部を採用してもよく、使用者の左眼に対応して画像を表示する表示部と、使用者の右眼に対応して画像を表示する表示部とを備えていればよい。また、本発明の表示装置は、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載されるヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵されたヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。この場合、使用者の身体に対する位置を位置決めする部分、及び、当該部分に対し位置決めされる部分を装着部とすることができる。
また、制御装置10として、ノート型コンピューター、タブレット型コンピューター又はデスクトップ型コンピューターを用いてもよい。また、制御装置10として、ゲーム機や携帯型電話機やスマートフォンや携帯型メディアプレーヤーを含む携帯型電子機器、その他の専用機器等を用いてもよい。また、制御装置10が画像表示部20と分離して構成され、制御装置10と画像表示部20との間で無線通信により各種信号を送受信する構成としてもよい。
また、画像光を使用者の眼に導く光学系として、右導光板26及び左導光板28の一部に、ハーフミラー261、281により虚像が形成される構成を例示した。本発明はこれに限定されず、右導光板26及び左導光板28の全面または大部分を占める面積を有する表示領域に、画像を表示する構成としてもよい。この場合、画像の表示位置を変化させる動作において、画像を縮小する処理を含めてもよい。
さらに、本発明の光学素子は、ハーフミラー261、281を有する右導光板26、左導光板28に限定されず、画像光を使用者の眼に入射させる光学部品であればよく、具体的には、回折格子、プリズム、ホログラフィー表示部を用いてもよい。
また、撮像システム1の適用対象は、上記実施形態で説明した例に限定されない。すなわち、対象OBは人に限定されず、生物及び無生物を問わず、直接または撮像画像により監視、観察が行われる対象であればよい。また、撮像システム1が対象とする対象OBの数は任意であり、カメラ61により撮像可能であればよい。
また、図6、図7等に示した各機能ブロックのうち少なくとも一部は、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよく、図に示した通りに独立したハードウェア資源を配置する構成に限定されない。また、制御部150が実行するプログラムは、不揮発性記憶部121または制御装置10内の他の記憶装置(図示略)に記憶されてもよい。また、外部の装置や記録媒体に記憶されたプログラムを通信部117、外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186等により取得して実行する構成としてもよい。また、制御装置10に形成された構成のうち、操作部110が使用者インターフェイス(UI)として形成されてもよい。また、制御装置10に形成された構成が重複して画像表示部20に形成されていてもよい。例えば、メインプロセッサー140と同様のプロセッサーが画像表示部20に配置されてもよいし、制御装置10が備えるメインプロセッサー140と画像表示部20のプロセッサーとが別々に分けられた機能を実行する構成としてもよい。
1…撮像システム、10…制御装置、14…トラックパッド、20…画像表示部(表示部)、22…右表示ユニット、24…左表示ユニット、26…右導光板、28…左導光板、61…カメラ(撮像部)、63…マイク、100…HMD(表示装置)、110…操作部、117…通信部、118…メモリー、120…コントローラー基板、121…不揮発性記憶部、122…記憶部、123…設定データ、124…観察対象データ、125…報知設定データ、126…撮像画像データベース、140…メインプロセッサー、143…オペレーティングシステム、145…画像処理部、147…表示制御部、149…撮像制御部、150…制御部、153…比較部、184…外部コネクター、186…外部メモリーインターフェイス、188…USBコネクター、M、M1〜M6…マーカー、OB、OB1〜OB6…対象(観察対象)、R1〜R4…居室、WA…通路。

Claims (15)

  1. 観察対象に対応して配置されるマーカーと、前記観察対象を観察する使用者が装着する表示装置と、を備え、
    前記表示装置は、
    撮像部と、
    前記撮像部の撮像画像を記憶する記憶部と、
    前記マーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部と、
    前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較する比較部と、
    を備えることを特徴とする撮像システム。
  2. 前記比較部は、前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像との差分に基づき、前記観察対象の状態変化を検出すること、
    を特徴とする請求項1記載の撮像システム。
  3. 前記比較部は、前記撮像部が撮像する撮像画像における前記マーカーの画像と前記観察対象の画像との相対位置と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像における前記マーカーの画像と前記観察対象の画像との相対位置と、を比較することにより、前記観察対象の状態変化を検出すること、
    を特徴とする請求項1または2記載の撮像システム。
  4. 前記比較部は、前記観察対象の動作による状態変化の有無を検出すること、
    を特徴とする請求項2または3記載の撮像システム。
  5. 前記比較部は、前記観察対象の状態変化として、前記観察対象の姿勢の変化を検出すること、
    を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の撮像システム。
  6. 前記比較部は、前記観察対象の状態変化が予め設定された条件に該当する場合に、報知を行うこと、
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の撮像システム。
  7. 前記マーカーは画像コードであり、
    前記表示装置が備える前記撮像制御部は、前記撮像部の撮像画像から前記画像コードを検出することにより、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出すること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の撮像システム。
  8. 前記マーカーは、前記観察対象を特定可能な情報をコード化した前記画像コードであること、
    を特徴とする請求項7記載の撮像システム。
  9. 前記記憶部は、前記撮像部の撮像画像を前記観察対象に対応付けて記憶し、
    前記比較部は、前記撮像部の撮像画像に基づき前記観察対象を特定し、特定した前記観察対象に対応付けて前記記憶部が記憶する過去の撮像画像を、前記撮像部が撮像した撮像画像と比較すること、
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の撮像システム。
  10. 前記撮像制御部は、前記撮像部の撮像画像から前記マーカーの画像を検出することにより、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出すること、
    を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の撮像システム。
  11. 前記撮像制御部は、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向が、予め設定された撮像条件から逸脱する場合に、前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を前記撮像条件に適合させるための案内を実行すること、
    を特徴とする請求項10記載の撮像システム。
  12. 前記表示装置は、前記使用者が外景を視認可能に画像を表示する表示部を備え、
    前記撮像部は、前記使用者が前記外景として前記観察対象を視認する状態で、前記観察対象及び前記マーカーを含む撮像範囲を撮像すること、
    を特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の撮像システム。
  13. 前記表示部は、前記外景に重ねて画像を表示する表示領域を有し、
    前記撮像制御部は、前記表示領域における所定位置に、前記使用者が外景として視認する前記マーカーが重なる場合、前記撮像部により撮像を実行させること、
    を特徴とする請求項12記載の撮像システム。
  14. 観察対象を観察する使用者が装着する表示装置であって、
    撮像部と、
    前記撮像部の撮像画像を記憶する記憶部と、
    前記観察対象に対応して配置されるマーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出する撮像制御部と、
    前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較する比較部と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  15. 観察対象に対応して配置されるマーカーと、前記観察対象を観察する使用者が装着する表示装置と、を備える撮像システムの制御方法において、
    前記表示装置により、
    撮像部で撮像した撮像画像を記憶部に記憶し、
    前記マーカーに基づき、前記観察対象に対する前記撮像部の撮像範囲または撮像方向を検出し、
    前記撮像部が撮像する撮像画像と、前記記憶部が記憶する過去の前記撮像画像とを比較すること、
    を特徴とする撮像システムの制御方法。
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