JP2017135494A - 磁界送信装置及び磁界受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信エリアの境界を明確に設定可能で、且つ、通信エリアの境界内において磁界強度の小さな部分を生じさせ難くし、安定した均一な通信が可能な磁界送信装置及び磁界受信装置を提供する。【解決手段】磁界送信装置は、2n(nは自然数)個のループアンテナ11,12を有し、互いに隣接するループアンテナ11,12に流れる電流の周波数と振幅は同一であり、前記電流の同一タイミングにおける方向は相違し、前記電流の位相は相違する。磁界受信装置は、2n個のループアンテナの中心から第1の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きが第2の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも小さい磁界強度の範囲に含まれる磁界強度を受信可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、通信エリアの境界を明確に設定可能な磁界送信装置及び磁界受信装置に関する。
近年では、意図的に通信エリアを限定した無線通信(エリア限定無線)に対するニーズが高まっている。エリア限定無線を実現するための方法としては、主に、電界を用いる方法と磁界を用いる方法とがある。
電界通信では、アクセスポイント装置の近傍の電界分布が、設置環境や利用者の姿勢などに大きく依存するため、近傍のエリアを、電界によって明確に限定することが困難である。一方、低周波(およそ10MHz)の磁界は、人体や周囲環境との相互作用が電界と比べて著しく低いという特徴を有する。
そこで例えば、2つのループアンテナを同心円状に配置して、通信エリアの境界で磁界強度が急激に減衰する磁界分布を作り出すアンテナが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に開示されているアンテナでは、2個のループアンテナが近接する部分において、両アンテナから逆方向の磁界が生成されるため、特定の方向の磁界強度の距離減衰特性が、他の方向の距離減衰特性よりも急峻となる。その結果、特定の方向に磁界強度の小さなエリアができてしまう。つまり、特許文献1に開示された従来のアンテナでは、信号検知や通信ができないエリアを生じさせてしまう課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信エリアの境界を明確に設定可能で、且つ、通信エリアの境界内において磁界強度の小さな部分を生じさせ難くし、安定した均一な通信が可能な磁界送信装置及び磁界受信装置を提供することである。
本発明の磁界送信装置は、2n(nは自然数)個のループアンテナを有し、互いに隣接するループアンテナに流れる電流の周波数は同一であり。前記電流の振幅は同一であり、前記電流の同一タイミングにおける方向は相違し、前記電流の位相は相違することを要旨とする。
また、本発明の磁界受信装置は、上記の磁界送信装置と組み合わせて用いる磁界受信装置であって、前記2n個のループアンテナの中心から第1の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きが第2の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも小さい磁界強度の範囲が存在し、前記磁界受信装置は、少なくとも前記範囲に含まれる磁界強度を受信可能であることを要旨とする。
本発明によれば、通信エリアの境界を明確に設定可能で、且つ、通信エリアの境界内において磁界強度の小さな部分を生じさせ難くし、安定した均一な通信が可能な磁界送信装置及び磁界受信装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔第1実施形態〕
図1に、第1実施形態の磁界送信装置1の構成例を示す。本実施形態の磁界送信装置1は、絶縁体基板10と、ループアンテナ11と、ループアンテナ12と、第1給電点13a,13bと、第2給電点14a,14bとを具備する。絶縁体基板10の上に、ループアンテナ11と12が隣接して配置される。
図1に、第1実施形態の磁界送信装置1の構成例を示す。本実施形態の磁界送信装置1は、絶縁体基板10と、ループアンテナ11と、ループアンテナ12と、第1給電点13a,13bと、第2給電点14a,14bとを具備する。絶縁体基板10の上に、ループアンテナ11と12が隣接して配置される。
第1給電点13a,13bは、ループアンテナ11を給電する、第2給電点14a,14bは、ループアンテナ12を給電する。第1給電点13aと第2給電点14aとは正極(+)、第1給電点13bと第2給電点14bとは負極(−)である。
絶縁体基板10は、非磁性で且つ非導通の絶縁体の基板であり、例えばアクリル、テフロン(登録商標)、セラミック等を材料とする基板である。この例では、絶縁体基板10の形状を正方形で示すが、基板の形状はどのような形状で有ってもよい。
この例のループアンテナ11,12の形状は、それぞれが例えば半円形状である。ループアンテナ11を形成する導体パターンは、絶縁体基板10の中央付近に配置された第1給電点13a(+)から絶縁体基板10の外縁方向に延長されて半円形状の一方の底辺部分を形成する。そして、導体パターンは、外縁に近い部分から絶縁体基板10の他方の外縁に近い部分に向けて半円を描くように延長される。その後、導体パターンは、絶縁体基板10の中央付近に配置された第1給電点13b(−)に向けて半円形状の他方の底辺部分を描くように延長され、ループアンテナ11を形成する。ループアンテナ11は、絶縁体基板10をxy平面とした場合に、y方向に凸の半円形状である。
ループアンテナ12は、x軸を基準としたループアンテナ11と線対称の位置に形成される。ループアンテナ12は、x軸を基準とした第1給電点13a,13bと線対称の位置に配置される第2給電点14a,14bで給電され、ループアンテナ11と同形状の−y方向に凸の半円形状である。
第1給電点13a,13bと第2給電点14a,14bとは、2つのループアンテナ11及び12に、周波数と振幅が等しく位相差が数度ある交流電流を印加する。図2に、交流電流を概念的に示す。図2の横軸は時間、縦軸は振幅である。
実線で示す交流電流は、例えば第1給電点13aからループアンテナ11に供給する。破線で示す交流電流は、例えば第2給電点14aからループアンテナ12に供給する。なお、図2に示す交流電流の位相差は、本実施形態で用いる位相差よりも大きめに表記している。
交流電流は、電流の流れる方向が一方向ではない。よって、ループアンテナ11と12とに流れる電流は、同一タイミングにおける方向は相違し、周波数と振幅とは同一であり、位相が数度相違する電流である。以降において、電流の方向を述べる時に、同一タイミングの文言は省略して説明する。
一般に、電流ループが遠方に生成する磁界の振幅は、磁気双極子モーメントベクトルmの大きさに比例する。磁気双極子モーメントベクトルmの方向は、電流の方向に対して右ネジの方向である。なお、磁気双極子モーメントベクトルmは周知である。
同一基板(絶縁体基板10)上に隣接して配置された2つのループアンテナ11,12に、等量の電流を流すと、それぞれの磁気双極子モーメントベクトルmの向きは逆向になる。これは、ループアンテナ11を流れる電流の向きが時計方向、ループアンテナ12を流れる電流の向きが反時計方向であることによる。
この結果、2つのループアンテナ11と12の磁気双極子モーメントベクトルmの和は零になる。つまり、遠方での磁界は急速に減衰する特性を示す。したがって、このように形成した磁界送信装置1は、単一のループアンテナでは得ることのできないシャープな磁界分布を創り出すことができる。
図3に、第1実施形態の磁界送信装置1の磁界分布を示す。図3(a)は絶縁体基板10をxy平面とした時の磁界分布である。図3(b)はその時のxz面の磁界分布である。図3(c)は、その時のyz面の磁界分布である。図3の縦軸と横軸は、それぞれの軸方向の磁界の強さを表し、数値の単位はdBμA/mである。一本の等高線は、10dBμA/mの磁界の強さの差分を表す。
x軸とy軸の原点は、第1給電点13a,13bと第2給電点14a,14bとの間の中心である。図3に示すように、磁界送信装置1が発生する磁界強度は、原点を中心にして各軸方向で急激に低下する特性を示す。
磁界送信装置1の磁界分布は、80dBμA/mの等高線がx軸方向に広がった部分に特徴がある。この作用は、ループアンテナ11,12に、周波数と振幅が等しく位相差が数度ある交流電流を印加することで得られる。
図4に、磁界強度の距離減衰特性を示す。図4の横軸は原点からの距離、縦軸は磁界の強さである。実線で示す特性は、第1実施形態の磁界送信装置1のx軸方向の距離減衰特性(x)である。実線の途中から破線で直線的に減衰する特性は、従来のアンテナのx軸方向の距離減衰特性である。
このように磁界送信装置1のx軸方向の距離減衰特性の傾きは、位相差を持たせた電流によって、従来のアンテナよりもなだらかになる(傾きが小さくなる)。二点鎖線は、一般的なループアンテナの各軸方向の磁界強度の距離減衰特性(j)である。磁界送信装置1のなだらかになったx軸方向の距離減衰特性の傾き(βで示す範囲)は、二点鎖線で示す特性の傾きと凡そ同じである。
一点鎖線は、磁界送信装置1のy軸とz軸方向の距離減衰特性(yz)である。一点鎖線の途中から破線で直線的に減衰する特性は、従来のアンテナのy軸とz軸方向の距離減衰特性である。
このように本実施形態の磁界送信装置1によれば、y軸とz軸方向の距離減衰特性は従来のアンテナと同じで、且つ、x軸方向の距離減衰特性をなだらかにした磁界強度のエリアを創りだすことができる(αで示す範囲)。このαで示す範囲は、x軸方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きが、y軸(z軸)方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも小さい磁界強度の範囲である。
磁界送信装置1と組み合わせて用いる磁界受信装置を、少なくともαで示す範囲に含まれる磁界強度を受信可能に構成する。そのように構成した磁界受信装置と磁界送信装置1とを組み合わせることで、y軸とz軸方向の通信エリアは従来のまま、x軸方向の通信エリアを拡大したエリア限定無線を実現できる。
以上説明したように第1実施形態の磁界送信装置1は、通信エリアの境界を明確に設定可能で、且つ、通信エリアの境界内において磁界強度の小さな部分を生じさせ難くする。つまり、磁界送信装置1は、従来、磁界強度の低いエリアを生じさせていた部分の磁界強度を強くし、通信エリアの境界内において安定した均一な通信を可能にする。
〔シミュレーション結果〕
次に、具体的な形状を基に磁界の距離減衰特性をシミュレーションした結果について説明する。図5に、長軸直径20cm、短軸直径10cmの楕円ループアンテナを2個配置して磁界送信装置1を構成した場合の距離減衰特性のシミュレーション結果を示す。
次に、具体的な形状を基に磁界の距離減衰特性をシミュレーションした結果について説明する。図5に、長軸直径20cm、短軸直径10cmの楕円ループアンテナを2個配置して磁界送信装置1を構成した場合の距離減衰特性のシミュレーション結果を示す。
図5の横軸は原点からの距離(m)を表し、縦軸は磁界の強さを表す。縦軸の横に表記している数値(-80,-100)は、磁界送信装置1と組み合わせる磁界受信装置の受信感度(dBμA/m)を表す。図5の横軸は対数軸である。なお、距離減衰特性(図4〜図6)は、作図の都合で0.6mまでの範囲を大きく描いている。
図5において、破線で示す特性x0は、電流の位相差=0度のx軸方向の磁界の距離減衰特性を示す。実線で示す特性x0.5は、電流の位相差=0.5度のx軸方向の磁界の距離減衰特性を示す。一点鎖線で示す特性x10は、電流の位相差=10度のx軸方向の磁界の距離減衰特性を示す。二点鎖線で示す特性jは、一般的なループアンテナの各軸方向の磁界強度の距離減衰特性である。受信感度-80dBμA/mと各特性との交点は、当該受信感度で感知・受信可能な磁界強度を表している。
磁界送信装置1のx軸方向の距離減衰特性は、一般的な単独のループアンテナの距離減衰特性よりも急峻である。つまり、磁界送信装置1は、x軸方向の通信エリアを狭い範囲に限定できることが分かる。
磁界送信装置1と組み合わせる磁界受信装置の受信感度を、例えば-80dBμA/mとする時、特性x0では0.6mまで感知・受信可能であるのに対して、特性x10では1.0mまで感知・受信可能になる。このようにループアンテナ11と12とにそれぞれ印加する交流電流の位相差を変えることで、磁界受信装置の受信信号を感知・受信可能な距離を制御することができる。
図5から、位相差が0.5度未満では、x軸方向の距離減衰特性の傾きが急峻(特性x0)なので、磁界の強度の小さいエリアが原点から近い距離に生じることが分かる。また、位相差が10度では、特性jの傾きよりもやや緩い程度でほとんど同じ傾きである。
位相差を10度より大きくすると、一般的な単独のループアンテナの距離減衰特性の傾きと同等になるので、通信エリアの境界が不明確になる。一方、位相差が0.5度未満では磁界強度の小さなエリアが生じてしまう。したがって、通信エリアの境界内において安定した均一な通信を可能にするには、位相差を、0.5度以上、10度以下の範囲に設定すれば良いことが分かる。
図5の距離1mにおける特性X10と特性X0との磁界強度の差分は、約20dBである。この位相差と磁界強度との関係を利用することで、磁界送信装置1と磁界受信装置とで形成する通信エリア、特にx軸方向の送受信可能な距離を制御することができる。
図6に、図5と同じシミュレーション条件における磁界送信装置1のy軸とz軸方向の距離減衰特性を示す。図6に示す特性yz0は、位相差=0度のy軸方向とz軸方向の距離減衰特性を示す。特性yz10は、位相差=10度のそれぞれの軸方向の距離減衰特性を示す。
図6において、磁界の距離減衰特性が一般的な単独のループアンテナと同等の傾きになる磁界強度は、磁界送信装置1と組み合わせる磁界受信装置の受信感度が-85 dBμA/mよりも高感度になる範囲である。つまり、磁界受信装置の受信感度を約-80 dBμA/mとすると、その受信感度に対応する磁界送信装置1のy軸及びz軸方向の距離減衰特性の傾きは急峻なままである。
磁界送信装置1と組み合わせて用いる磁界受信装置の受信感度は、x軸方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きがy軸(z軸)方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも小さい磁界強度の範囲に設定する。その磁界受信装置と磁界送信装置1とを組み合わせたエリア限定無線は、通信エリアの境界を明確に設定可能で、且つ、通信エリアの境界内において安定した均一な受信を可能にする。
〔変形例1〕
図7に、磁界送信装置1の変形例1を示す。図7(a)は、ループアンテナ11,12を、長方形の形状にした例を示す。図7(b)は、ループアンテナ11,12を、二等辺三角形の形状にした例を示す。
図7に、磁界送信装置1の変形例1を示す。図7(a)は、ループアンテナ11,12を、長方形の形状にした例を示す。図7(b)は、ループアンテナ11,12を、二等辺三角形の形状にした例を示す。
ループアンテナの形状は、上記の例に限定されない。ループアンテナ11,12の形状は、アンテナを構成する導体ループが形成するそれぞれの領域の面積が等しければ、ループアンテナ間で異なっていても構わない。
また、絶縁体基板10の縦横比(アスペクト比)は1である必要はない。絶縁体基板10の形状は、長方形でも良い。つまり、導体ループの形状は、絶縁体基板のy軸方向に圧縮し、x軸方向に延長しても構わない。
また、ループアンテナの形状は、図7に示す以外の形状であっても良い。例えば扇形であっても良い。
更に、ループアンテナの数は、図7(c)に示す様に2個以上あっても良い。図7(c)に示す磁界送信装置2は、ループアンテナ11,12に対して、ループアンテナ21と22との組みをx軸方向に隣接したものである。
ループアンテナ11にx軸方向で隣接するループアンテナ21は、第3給電点23a(+)と第3給電点23b(−)とで給電され、流れる電流の向きはループアンテナ11と同じ時計方向である。ループアンテナ12にx軸方向で隣接するループアンテナ22は、第4給電点24a(+)と第4給電点24b(−)とで給電され、流れる電流の向きはループアンテナ12と同じ反時計方向である。
磁界送信装置1と同様に、ループアンテナ21と22に印加される電流は、周波数と振幅が等しく位相差が数度ある交流電流である。この例では、ループアンテナ11と22に流す交流電流の位相は同じである。また、ループアンテナ12と21に流す交流電流の位相は同じである。但し、隣接するループアンテナ間の交流電流の位相は異なっている。
つまり、ループアンテナ11と22とに給電する信号源は、1台を共用しても良い。同様に、ループアンテナ12と21とに給電する信号源は、他の1台を共用しても良い。
図8に、磁界送信装置2(図7(c))の磁界分布を示す。この磁界分布は、ループアンテナ12と21とに一方の信号源、ループアンテナ11と22とに他方の信号源から交流電流を供給して得られた磁界分布である。この例では、信号源間の位相差は10度とした。
図8に示すようにループアンテナをx軸方向に増やして設けることで、x軸方向に通信エリアを拡大することができる。ループアンテナはy軸方向に増やしても良い。但し、y軸方向にループアンテナを増設する場合も、各々のループアンテナの間は上記の関係を満たす必要がある。
〔第2実施形態〕
図9に、第2実施形態の磁界送信装置の構成例を示す。図9(a)と(b)は、ループアンテナを平板状のスパイラルコイルで形成した例である。図9(c)は、ループアンテナを管状のソレノイドコイルで形成した例である。
図9に、第2実施形態の磁界送信装置の構成例を示す。図9(a)と(b)は、ループアンテナを平板状のスパイラルコイルで形成した例である。図9(c)は、ループアンテナを管状のソレノイドコイルで形成した例である。
図9(a)に示す磁界送信装置3は、スパイラルコイル形状のループアンテナ31と32とが隣接して構成される。ループアンテナ31は、第5給電点33b(−)から図示を省略している絶縁体基板の外縁方向に反時計まわりに第5給電点33a(+)までスパイラルコイルを巻いたものである。ループアンテナ32は、第5給電点34b(−)から絶縁体基板の外縁方向に時計まわりに第5給電点34a(+)までスパイラルコイルを巻いたものである。
ループアンテナ31に流す電流の方向は時計周り、ループアンテナ32に流す電流の方向は反時計周りであり、ループアンテナ間で逆方向である点で、上記の磁界送信装置1,2と同じである。電流の周波数と振幅と位相の関係も磁界送信装置1,2と同じである。なお、磁界送信装置3は、平面形状の通信エリアを形成するのに好適である。
図9(b)に示す磁界送信装置4は、スパイラルコイル形状のループアンテナ41と42とが隣接して構成される。磁界送信装置4は、ループアンテナ42のスパイラルコイルを巻く向きがループアンテナ32と逆方向である点で、磁界送信装置3と異なる。このようにコイルを巻く方向が逆向きであっても良い。但し、ループアンテナ41と42との間で、流れる電流の向きは逆方向である。
図9(c)に示す磁界送信装置5は、ソレノイド形状のループアンテナ51と52とが隣接して構成される。ループアンテナ51と52とは、z軸方向に延伸する筒状の形状であり、通信エリアをz軸方向に形成することができる。ループアンテナ51と52とに流す電流等の条件は、上記の磁界送信装置と同じである。よってその説明は省略する。
第2実施形態の磁界送信装置によれば、各々のループアンテナをコイルで形成するので、コイルの巻き数に応じた強い磁界を発生することができる。なお、巻き数は任意の数で良い。
〔変形例2〕
図10に、磁界送信装置3と5を変形した変形例を示す。図10(a)は、磁界送信装置3(図9(a))のループアンテナ31と32のスパイラルコイルの中心部分に磁性体のコア80と81をそれぞれ配置したものである。
図10に、磁界送信装置3と5を変形した変形例を示す。図10(a)は、磁界送信装置3(図9(a))のループアンテナ31と32のスパイラルコイルの中心部分に磁性体のコア80と81をそれぞれ配置したものである。
コア80と81とを配置したこと以外は、上記の磁界送信装置3と同じである。コアを配置することでループアンテナ31と32とで発生する磁界を強くすることができる。
図10(b)は、磁界送信装置5(図9(c))のループアンテナ51と52のソレノイドコイルの中心部分に磁性体のコア82と83をそれぞれ配置したものである。コアを配置することでループアンテナ31と32とで発生する磁界を強くすることができる。
磁性体の材質は、特に限定しないが保磁力が小さく透磁率が大きい軟磁性体を用いると良い。具体的には、フェライト、ケイ素鋼等が好適である。なお、コアの形状は任意のものを利用可能である。
〔位相差の生成〕
図11に、ループアンテナ11と12との間の電流に位相差を生じさせる具体例を示す。図11は、ループアンテナ11と12とに電流を給電する給電線15,16の長さが異なる例である。
図11に、ループアンテナ11と12との間の電流に位相差を生じさせる具体例を示す。図11は、ループアンテナ11と12とに電流を給電する給電線15,16の長さが異なる例である。
ループアンテナ11に電流を給電する給電線15の長さは、ループアンテナ12に電流を給電する給電線16よりも短い。例えば、電流の周波数を10MHzと仮定した場合、その電流信号の波長は約30mである。
ループアンテナ11と12との間で、電流の位相を例えば10度ずらすためには、給電線15と16の長さを40cm異ならせれば良い。このように、給電線の長さを変えることで位相差を生成する場合、ループアンテナの数が2個の場合は信号源の数は1個で済む。また、ループアンテナに接続された給電線の長さを相違することで位相差を生成する方法は、磁界送信装置の構成を簡単にする効果を奏する。
位相差は、図示しない送信回路で生成しても良い。送信回路で位相差を生成した場合は、給電線15と16とは同じ長さにする必要がある。
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。例えば、ソレノイドコイルでループアンテナを構成する例では、コイルの端面形状を長方形の例で説明したがこの例に限られない。ソレノイドコイルの断面形状は、円でも楕円等でも構わない。また、絶縁体基板10の形状は、四角形に限られない。
また、ループアンテナをx軸方向に並べる例を示したが、ループアンテナはy軸方向に並べても良い。また、x軸方向の磁界強度の距離減衰特性の傾きが、他の方向の磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも大きな例で説明したがこの例に限られない。
磁界強度の距離減衰特性の傾きに差を生じる方向は、ループアンテナの向きによって任意の方向に設定することが可能である。このように本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
1,2,3,4,5:磁界送信装置
10:絶縁体基板
11,12,21,22,31,32,41,42,51,52:ループアンテナ
13a,13b:第1給電点
14a,14b:第2給電点
15,16:給電線
23a,23b:第3給電点
24a,24b:第4給電点
33a,33b:第5給電点
34a,34b:第6給電点
80,81,82,83:コア
10:絶縁体基板
11,12,21,22,31,32,41,42,51,52:ループアンテナ
13a,13b:第1給電点
14a,14b:第2給電点
15,16:給電線
23a,23b:第3給電点
24a,24b:第4給電点
33a,33b:第5給電点
34a,34b:第6給電点
80,81,82,83:コア
本発明の磁界送信装置は、2n(nは自然数)個のループアンテナを有し、互いに隣接するループアンテナに流れる電流の周波数は同一であり。前記電流の振幅は同一であり、前記電流の同一タイミングにおける方向は相違し、前記電流の位相は相違し、前記位相は、0.5度以上、10度以下で相違することを要旨とする。
Claims (5)
- 2n(nは自然数)個のループアンテナを有し、互いに隣接するループアンテナに流れる電流の周波数は同一であり。前記電流の振幅は同一であり、前記電流の同一タイミングにおける方向は相違し、前記電流の位相は相違することを特徴とする磁界送信装置。
- 請求項1に記載した磁界送信装置において、
前記位相は、0.5度以上、10度以下で相違することを特徴とする磁界送信装置。 - 請求項1又は2に記載した磁界送信装置において、
隣接する前記ループアンテナに接続された給電線の長さが相違することを特徴とする磁界送信装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載した磁界送信装置において、
前記ループアンテナの形状は、正方形、円、長方形、楕円、扇形、三角形、半円、コイル状の何れかであることを特徴とする磁界送信装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載した磁界送信装置と組み合わせて用いる磁界受信装置であって、
前記2n個のループアンテナの中心から第1の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きが第2の方向への磁界強度の距離減衰特性の傾きよりも小さい磁界強度の範囲が存在し、
前記磁界受信装置は、少なくとも前記範囲に含まれる磁界強度を受信可能であることを特徴とする磁界受信装置。
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---|---|---|---|
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