JP2017135298A - 変圧器 - Google Patents

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千絵 小林
Chie Kobayashi
千絵 小林
栗田 直幸
Naoyuki Kurita
直幸 栗田
佐藤 孝平
Kohei Sato
孝平 佐藤
賢治 中ノ上
Kenji Nakanoue
賢治 中ノ上
邦彦 安東
Kunihiko Ando
邦彦 安東
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Abstract

【課題】騒音を低減する変圧器を提供する。【解決手段】タンク1内に2つの鉄心2、3と、2つの鉄心2、3に巻きまわされた巻線7、8、9、10を有する変圧器であって、2つの鉄心2、3間の振動を伝達する振動伝達部材4と、一方の鉄心3に巻きまわされた巻線8と電源5の間に位相調整器6を有し、他方の鉄心2に巻きまわされた巻線7は電源5から直接励磁され、一方の鉄心3に巻きまわされた巻線8は位相調整器6を通して波長を電源5の波長から1/4波長ずらした電圧で励磁される。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄心の振動に起因して発生する騒音を低減した変圧器に関するものである。
近年、変電所の周辺環境保護の観点から、各設備に対する騒音規制が厳しくなっており、特に変圧器において、低騒音化が強く望まれている。この変圧器の騒音の一つに励磁騒音が挙げられ、励磁騒音の主な原因として鉄心の磁歪振動がある。磁歪は、鉄心を形成する鋼板内の磁束密度が変化したときに鋼板の形状がそれに従って変化するものである。この現象によって、鉄心が交流励磁されたときに鉄心が振動し、そのため騒音が発生する。磁歪によって発生した振動は、変圧器内部の油や鉄心の支持部材、タンク等を介在する過程で様々な周波数に変化し、伝達される。
そのため、例えば、特開平5−137341では、変圧器或いはリアクトル等の鉄心の振動や電磁力に起因して発生する騒音を低減するため、電磁機器を2組設け、その入力交流電圧の位相を互いに逆位相とし、かつ2組の電磁機器を同一の架台に並べて配置することで、低騒音化する方法が開示されている。
特開平5−137341号公報
静止誘導電器の騒音低減方法として、特許文献1では、電磁機器を2組設け、その入力交流電圧の位相を互いに逆位相とし、かつ2組の電磁機器を同一の架台に並べて配置することで、低騒音化する方法が提案されている。しかし、磁歪によって鉄心に発生する振動は電源周波数の2倍の周波数となるため、電源周波数の逆位相の電圧を一方の電磁機器に入力した場合、同位相の磁歪振動が重ね合わされることになり、結果として2倍の磁歪振動が発生し、磁歪振動に起因した騒音が増大する可能性があった。
上記課題を解決するため、本発明の変圧器は、タンク内に2つの鉄心(2、3)と、2つの鉄心(2、3)に巻きまわされた巻線(7、8、9、10)を有する変圧器であって、2つの鉄心(2、3)間の振動を伝達する振動伝達部材(4)と、一方の鉄心(3)に巻きまわされた巻線(8)と電源(5)の間に位相調整器(6)を有し、他方の鉄心(2)に巻きまわされた巻線(7)は電源(5)から直接励磁され、一方の鉄心(3)に巻きまわされた巻線(8)は位相調整器(6)を通して波長を電源(5)の波長から1/4波長ずらした電圧で励磁されることを特徴とする。
本発明は、変圧器の種類によらず励磁電圧を1/4波長ずらすという簡単な仕組みで低騒音化が可能となる。また、一般的な騒音対策である防音壁を用いるよりも、小型・低コスト化が可能となる。
本発明の実施例を示す変圧器の1形態の説明図。 各巻鉄心で発生する磁歪による振動波形の説明図。 各巻線に入力される電圧波形の説明図。 本発明の変圧器の1形態の説明図。 本発明の変圧器の1形態の説明図。 本発明の変圧器の1形態の説明図。 本発明の変圧器の1形態の説明図。
以下、本発明にかかる変圧器の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は本発明の一実施例を示す図である。図1は変圧器を横から見た図であり、タンク内の構成が明確になるようにタンク1の内部が見える構成としている。
図1に示されているように本発明は、鉄心2及び鉄心3とこれらの鉄心間に配置された鉄心振動を伝達する振動伝達部材4、電源5、電源5から位相調整器6を介さずに接続された一次巻線7、電源5から位相調整器6を介して接続された一次巻線8、電源5と一次巻線8の間に設置された位相調整器6、及びタンク1で概略構成される。
通常、変圧器から出力された電圧は一つの負荷に接続されるが、鉄心2に巻かれた二次巻線9から出力される電圧と鉄心3に巻かれた二次巻線10から出力される電圧は、以下の実施例で示す通り、1/4波長位相がずれているため、同じ負荷に接続できない。そのため、二次巻線9は負荷11、二次巻線10は負荷12と別々の負荷に接続する必要がある。
鉄心2は電源5から一次巻線7で直接励磁され、もう一方の鉄心3は位相調整器6で位相を約1/4波長ずらした電圧で励磁される。
また、製造の過程により、鉄心2及び3、一次巻線7および8には製造誤差が生じるため、位相調整器6を位相の微調整が可能な調整器とすることで製造誤差によるずれを補正する。
振動伝達部材4は、例えば、金属、高弾性率樹脂などの振動を伝達しやすい材料が望ましい。また、鉄心の電位は通常アース線に接続されているため0電位であるが、鉄心2と鉄心3の間に振動伝達部材4を設置することで2つの鉄心間に循環電流が流れる可能性がある。そのため、無機物や有機物の絶縁部材でコーティングしておくことが望ましい。図1の構成により、騒音の低減を図ることができる。
次に、図1の構成で磁歪を打ち消すことのできる原理について説明する。
図2(a)は一次巻線7に入力される電圧波形を、(b)は一次巻線8に入力される電圧波形を示している。図2(a)と(b)の波形は商用周波数(50Hzもしくは60Hz)で振動しており、1波長は20msとなる。図2(b)の波形は位相調整器6を介して(a)の波形に対して1/4波長ずれた波形である。
図3(a)は図2(a)の電圧波形に、図3(b)は図2(b)の電圧波形に応じて各々の巻鉄心に発生する磁歪の振動を示している。磁歪の振動は電源周波数の2倍の周波数で振動するため、図3の(a)と(b)は逆位相となる。逆位相となった磁歪振動を各々足し合わせると、波形の山と谷の部分が打ち消されて一定値となるため、振動は発生しなくなる。
例えば、図1の構成要素である鉄心2の磁歪振動の波形を図3(a)とした場合、鉄心3の磁歪振動の波形は図3(b)の波形となり、振動伝達部材4に各々の振動が伝達されることで、振動を打ち消すことができる。従って、磁歪振動による騒音を低減することが可能となる。
各鉄心からタンクへ伝達する振動が大きい方が、互いの振動をタンクで打ち消し合う効果も大きいため、鉄心2および鉄心3とタンク1は金属など振動を伝達しやすい材料で連結されることが望ましい。
図4は本発明の1実施例を示す図である。
本発明は実施例1の図1で説明した構成に加えて、一次巻線7および二次巻線9と一次巻線8および二次巻線10の間に、巻線からの漏れ磁界を防ぐ磁気シールド材13が配置されている。なお、磁気シールド材13を鉄心間に配置したため、振動伝達部材4は、例えば鉄心2及び鉄心3それぞれの上面に設ける構成としている。
磁気シールド材13は、例えば、電磁鋼板などの磁性材料が望ましい。図4の構成により、一方の鉄心がもう一方の鉄心の漏れ磁界の影響を受けることなく、騒音の低減を図ることができる。
図5は本発明の1実施例を示す図である。
本発明は実施例1の図1で説明した構成に対して、鉄心2に巻かれた二次巻線9の出力側に第2の位相調整器14を設けることで、鉄心3に巻かれた二次巻線10から出力される位相と同位相に調整できる構成とする。こうすることで、二次巻線9と10の出力側を同じ負荷12に接続可能となる。
尚、位相調整器14で調整する位相は、位相調整器6で調整した波長と同じ波長(1/4波長)とする。図5の構成により、同一の負荷に接続可能で、かつ騒音の低減を図ることができる。
図6は本発明の1実施例を示す図である。
実施例1の図1の構成は、一つのタンクの中に鉄心を2つ組み込み、鉄心間に振動伝達部材を配置することで、騒音を打ち消す構成であったが、本実施例の図6の構成は、2つの変圧器15、16と2つの変圧器を連結し振動を伝達する振動伝達部材17を変圧器底面部に配置することで、騒音を打ち消す変圧器システムの構成である。
変圧器に電圧を供給する電源5、電源5と変圧器15との間に接続された位相調整器6、変圧器15と変圧器16を連結する振動伝達部材17で構成され、一方の変圧器15は電源5から直接励磁され、もう一方の変圧器16は位相調整器6を介して波長を約1/4波長ずらした電圧で励磁される。
図1でも説明したが、通常、変圧器から出力された電圧は一つの負荷に接続されるが、変圧器15から出力される電圧と変圧器16から出力される電圧は1/4波長位相がずれているため、同じ負荷に接続できない。そのため、変圧器15は負荷11、変圧器16は負荷12と別々の負荷に接続する必要がある。この図6の構成により、騒音の低減を図ることができる。
図7は本発明の1実施例を示す図である。
本発明は実施例4の図6で説明した構成に対して、変圧器15の出力側に第2の位相調整器14を設けることで、変圧器16から出力される位相と同位相に調整できる構成とする。従って、変圧器15と16の出力側を同じ負荷12に接続可能な構成となる。
尚、位相調整器14で調整する位相は、位相調整器6で調整した波長と同じ波長(1/4波長)とする。図7の構成により、同一の負荷に接続可能で、かつ騒音の低減を図ることができる。
1・・・タンク、2・・・鉄心、3・・・鉄心、4・・・振動伝達部材、5・・・電源、6・・・位相調整器、7・・・一次巻線、8・・・一次巻線、9・・・二次巻線、10・・・二次巻線、11・・・負荷、12・・・負荷、13・・・磁気シールド材、14・・・位相調整器、15・・・変圧器、16・・・変圧器、17・・・振動伝達部材

Claims (4)

  1. タンク内に2つの鉄心と、前記2つの鉄心に巻きまわされた巻線を有する変圧器であって、前記2つの鉄心間の振動を伝達する振動伝達部材と、前記一方の鉄心に巻きまわされた巻線と電源の間に位相調整器を有し、他方の鉄心に巻きまわされた巻線は前記電源から直接励磁され、前記一方の鉄心に巻きまわされた巻線は前記位相調整器を通して波長を前記電源の波長から1/4波長ずらした電圧で励磁される変圧器。
  2. 請求項1記載の変圧器において、前記振動伝達部材を金属材料としたことを特徴とする変圧器。
  3. 請求項1記載の変圧器において、さらに、前記一方の鉄心と前記他方の鉄心の間に磁気シールド材を有することを特徴とする変圧器。
  4. 請求項1記載の変圧器において、前記他方の鉄心の出力側に位相調整器を設けたことを特徴とする変圧器。
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