JP2017135212A - 磁心部材の劣化診断装置、磁心部材の劣化診断方法 - Google Patents

磁心部材の劣化診断装置、磁心部材の劣化診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経年使用した磁心部材の劣化度の診断を正確に行うことができる磁心部材の劣化診断技術を提供する。【解決手段】磁心部材2に巻回された巻回コイル部3を電気的に閉じられたループ状のコイルとしたときに、このコイルに取り付け可能なクランプ式のカレントトランス部10と、カレントトランス部10に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振部23と、カレントトランス部10、巻回コイル部3、および磁心部材2の相互間で作用する電磁誘導現象が生じているときに、少なくともカレントトランス部10に流れる電流に基づく検出情報を取得する取得部40と、初期状態の磁心部材2に対応する検出情報に基づいて判定情報が設定され、この判定情報を記憶する記憶部44と、初期状態から経年使用した磁心部材2に対応する検出情報と判定情報とに基づいて、その劣化度を診断する診断部43と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、磁心部材の劣化診断技術に関する。
変圧器が有する鉄心の劣化を診断するために、クランプ式の高周波CTを変圧器の接地線に取り付けることで、変圧器から出力される部分放電電流を検出する装置がある。この装置では、高周波CTにより検出された部分放電電流信号と予め記憶された部分放電特性のデータとに基づいて、変圧器の劣化状態を診断している(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−326429号公報
しかしながら、変圧器から出力される部分放電電流は、微弱な電流であるため、SN比が悪く、ノイズの影響が大きくなるので、この部分放電電流を受動的に検出して鉄心(磁心部材)の劣化状態(劣化度)の診断を行うと、ノイズが発生した場合に部分放電電流の検出値を正確に取得できず、鉄心の劣化状態が誤って診断されてしまうという課題がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、経年使用した磁心部材の劣化度の診断を正確に行うことができる磁心部材の劣化診断技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る磁心部材の劣化診断装置は、磁心部材に巻回された巻回コイル部を電気的に閉じられたループ状のコイルとしたときに、このコイルに取り付け可能なクランプ式のカレントトランス部と、前記カレントトランス部に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振部と、前記カレントトランス部、前記巻回コイル部、および前記磁心部材の相互間で作用する電磁誘導現象が生じているときに、少なくとも前記カレントトランス部に流れる電流に基づく検出情報を取得する取得部と、初期状態の磁心部材に対応する検出情報に基づいて判定情報が設定され、この判定情報を記憶する記憶部と、前記初期状態から経年使用した磁心部材に対応する検出情報と前記判定情報とに基づいて、その劣化度を診断する診断部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る磁心部材の劣化診断方法は、磁心部材に巻回された巻回コイル部を電気的に閉じられたループ状のコイルとしたときに、このコイルにクランプ式のカレントトランス部を取り付ける取付ステップと、前記カレントトランス部に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振ステップと、前記カレントトランス部、前記巻回コイル部、および前記磁心部材の相互間で作用する電磁誘導現象が生じているときに、少なくとも前記カレントトランス部に流れる電流に基づく検出情報を取得する取得ステップと、初期状態の磁心部材に対応する検出情報に基づいて判定情報が設定され、この判定情報を記憶する記憶ステップと、前記初期状態から経年使用した磁心部材に対応する検出情報と前記判定情報とに基づいて、その劣化度を診断する診断ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態により、経年使用した磁心部材の劣化度の診断を正確に行うことができる磁心部材の劣化診断技術が提供される。
本実施形態の劣化診断装置を示す図。 劣化診断装置の構成を示す回路図。 劣化診断装置を構成するパソコンを示すブロック図。 劣化診断の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の劣化診断装置は、トランス1(変圧器)が有する磁心部材2の劣化度を診断するための装置である。磁心部材2は、四角形状(環状)を成す部材として形成されている。なお、磁心部材2は、軟磁性体で構成された金属部材である。この磁心部材2の図中左側には、外部の電源から所定電圧の交流電力が供給される1次コイルとしての第1巻回コイル部3が捲回されている。本実施形態では、所定周波数(例えば、50〜60Hz)の交流電力が第1巻回コイル部3に入力される。また、磁心部材2の図中右側には、第1巻回コイル部3に供給される電圧を変化させて出力する2次コイルとしての第2巻回コイル部4が捲回されている。なお、トランス1は、第1巻回コイル部3と第2巻回コイル部4との巻き線比に応じて電圧を変化させる機能を有する電気機器である。
また、トランス1は、メンテナンスを行うときなどに接地線15に接続可能になっている。例えば、トランス1のメンテナンス時には、第1巻回コイル部3の2本の配線16と、電源から延びる2本の電力供給線17との間のスイッチ14(遮断器)をOFFにする。さらに、第1巻回コイル部3の2本の配線16と、2本の接地線15との間のスイッチ13(遮断器)をONにする。この接地線15が第1巻回コイル部3に接続されることで、第1巻回コイル部3は、接地を介して電気的に閉じられたループ状のコイル(短絡ループコイル)となる(図2参照)。なお、電気的に閉じられることとは、電気回路において他の部分と電流の出入りがない状態と示す。
また、トランス1の磁心部材2は、磁束の通路(磁路)を形成するものであって、インダクタンスを増加させるために高透磁率材により作成される。この磁心部材2は、薄板状を成す鉄部材が複数積層により形成され、各層は渦電流を抑制するために絶縁されている。この磁心部材2は、長年の使用により劣化することがある。例えば、積層された鉄部材の間の絶縁が悪化することがある。すると、磁心部材2の渦電流損失(鉄損)が増加し、磁心部材2の温度が通常時よりも上昇する。
そこで、本実施形態では、経年使用された磁心部材2の劣化を診断する劣化診断装置(劣化診断システム)が設けられている。この劣化診断装置は、クランプ式のカレントトランス部10(クランプCT)と、各種処理を行うことで劣化の診断を行うパソコン11(PC)と、カレントトランス部10がケーブルを介して接続された測定装置12と、を含む。また、カレントトランス部10は、第1巻回コイル部3に接続された接地線15をクランプする(挟み込む)。
なお、一般的にクランプCTとは、センサコイル27が巻回された環状をなす磁気コア28を有し(図2参照)、この磁気コア28内に挿通された電線に流れる電流を測定する器具である。また、磁気コア28は、半分に分割された開閉可能な部材となっている。この磁気コア28が測定対象となる電線をクランプすることで、電線を分断することなく電流を測定することができる。本実施形態では、このクランプCTをカレントトランス部10として用いている。
図2に示すように、測定装置12は、カレントトランス部10に接続される電気回路を有している。なお、カレントトランス部10のセンサコイル27が磁気コア28に巻回されている。この磁気コア28が第1巻回コイル部3に接続された接地線15に取り付けられている。さらに、第1巻回コイル部3が磁心部材2の一部を取り囲んでいる。また、電気回路は、カレントトランス部10に所定(一定)の電圧振幅で1kHz以上の高周波数(特定の周波数)の交流電力を出力する発振部23を含む。
さらに、測定装置12は、カレントトランス部10の電圧値を測定する電圧計24と、電気回路の電流値を測定する電流計25と、が設けられる。また、発振部23とカレントトランス部10のセンサコイル27との間には、共振用のコンデンサ26が直列に設けられる。発振部23とカレントトランス部10のセンサコイル27とコンデンサ26とで共振回路が構成される。
本実施形態では、発振部23から電流が出力されると、カレントトランス部10のセンサコイル27と磁気コア28との相互間で作用する電磁誘導現象が生じる。そして、磁気コア28の電磁誘導現象により第1巻回コイル部3に電磁誘導現象が生じ、さらに、この第1巻回コイル部3を介して磁心部材2に電磁誘導現象が生じる。このときに、電圧計24の電圧値と電流計25の電流値とを解析することによって、カレントトランス部10(センサコイル27)の測定値(検出情報)を取得できる。なお、この測定値は、カレントトランス部10のリアクタンス値や抵抗値であっても良い。また、カレントトランス部10に流れる電流の周波数や位相が変化した値を測定値としても良い。そして、この取得した測定値をパソコン11で解析することで、磁心部材2の渦電流損失(鉄損)と比例して変化する値に相当する損失特性値を求めることができる。
なお、本実施形態では、電気回路の要素を最小限にして単純化したものを例示しているが、その他の要素が含まれる電気回路であっても良い。また、前述したカレントトランス部10を接地線15から取り外すと、カレントトランス部10および測定装置12を持ち運ぶことができる。このようにカレントトランス部10および測定装置12のハンディ化が実現される。また、測定装置12には、使用者が持ち運ぶときに使用する把持部を設けても良い。
さらに、測定装置12は、電気回路を制御する制御部20と、パソコン11とケーブルを用いて通信を行う通信部21と、電気回路から取得される各種情報を解析する解析部22と、を含む。なお、通信部21や解析部22は、制御部20にそれぞれ接続されて制御される。
発振部23の出力の電流値や電圧値や周波数値などは、制御部20により制御される。また、電圧計24の電圧値や、電流計25の電流値は、制御部20に入力される。また、解析部22は、FFT(高速フーリエ変換)などの解析を行うためのアナライザなどを含む。
例えば、制御部20は、解析部22に解析を行わせることで、電圧計24の電圧値と電流計25の電流値とに基づいて、カレントトランス部10(センサコイル27)に流れる電流の周波数や位相に関する情報を取得できる。なお、制御部20は、カレントトランス部10とコンデンサ26とにより生じる共振状態を最大化する自動チューニング機能を有する。
また、測定装置12の制御部20の各種制御内容は、通信部21を介して接続されたパソコン11により指示される。また、測定装置12の制御部20が取得した測定値(情報)は、通信部21を介してパソコン11に送信される。
図3に示すように、本実施形態のパソコン11は、CPU30やROM31やRAM32やHDD33などのハードウエア資源を有し、各種プログラムを実行して各種制御を行うコンピュータである。また、パソコン11は、ディスプレイなどの各種情報を出力可能な出力装置34や、キーボードなどの各種情報を入力可能な入力装置35や、測定装置12とケーブルを用いて通信を行う通信部36などを有する。
また、CPU30には、測定装置12から送信された情報に基づいてカレントトランス部10の測定値を取得する取得部40が設けられる。さらに、CPU30には、カレントトランス部10の測定値に基づいて磁心部材2の損失特性値を算出する算出部41が設けられる。さらに、CPU30には、劣化した磁心部材2、つまり、劣化度が既知の磁心部材2がシミュレート(推定)されるシミュレーション部42が設けられる。さらに、CPU30には、診断対象となる磁心部材2の損失特性値(検出情報)と所定の判定値(判定情報)とに基づいて劣化診断を行う劣化診断部43が設けられる。
また、HDD33は、各種情報を記憶する記憶装置である。このHDD33には、磁心部材2の劣化診断を行うときに用いる判定値を判定情報として記憶する判定情報記憶部44が設けられる。さらに、HDD33には、測定装置12から送信される測定値(情報)などの検出情報を記憶する検出情報記憶部45が設けられる。
次に、磁心部材2の劣化診断を行うときの手順について図4を用いて説明する(適宜図1から図3を参照)。本実施形態では、経年使用した磁心部材2、つまり劣化診断の対象となる磁心部材2の診断を行う前に、劣化診断に用いる判定値(閾値)を設定するようにしている。
まず、カレントトランス部10を初期状態のトランス1に取り付けた状態にする。つまり、初期状態の磁心部材2の周囲を囲んだ状態の第1巻回コイル部3に接続された接地線15に、カレントトランス部10(クランプCT)を取り付ける(S11:取付ステップ)。なお、本実施形態において、初期状態のトランス1とは、磁心部材2が劣化していない状態のトランス1のことである。例えば、初期状態のトランス1として、所定の使用場所に設置されたばかりの新品のトランス1を用いる。なお、製造工場から出荷される直前の状態のトランス1を用いても良い。また、使用を開始したトランス1であっても新品に近い状態であれば初期状態とする。
そして、測定装置12の制御部20は、発振部23から高周波数の交流を所定の電圧で出力させる。このとき、高周波数の交流(電流)がカレントトランス部10を流れる(S12:発振ステップ)。
さらに、制御部20の取得部40は、電圧計24の電圧値と電流計25の電流値とを解析することによって、カレントトランス部10(センサコイル27)の測定値を取得する(S13:取得ステップ)。このとき、発振部23から出力される電流(電力)がカレントトランス部10に流れると、カレントトランス部10と第1巻回コイル部3との相互間で作用する電磁誘導現象が生じる。さらに、第1巻回コイル部3と磁心部材2との相互間で作用する電磁誘導現象が生じる。そのため、カレントトランス部10の測定値は、磁心部材2の渦電流損失(鉄損)の影響を受ける。具体的には、カレントトランス部10は、第1巻回コイル部3を介して磁心部材2から生じる磁場の影響を受ける。
また、測定装置12の制御部20は、初期状態のトランス1に取り付けたカレントトランス部10の測定値をパソコン11に送信する。そして、パソコン11のCPU30は、受信した測定値を検出情報としてHDD33の検出情報記憶部45に記憶する。
そして、パソコン11のCPU30は、検出情報記憶部45に記憶された各測定値に基づいて、初期状態の磁心部材2の損失特性値を算出する(S14:算出ステップ)。具体的には、初期状態のトランス1に取り付けたカレントトランス部10の測定値から、トランス1に取り付けていない状態のカレントトランス部10の測定値を減算した値(差分)が、初期状態の磁心部材2の損失特性値に相当する値となる。なお、この損失特性値の算出は、CPU30の算出部41により実行される。また、パソコン11のCPU30は、算出した初期状態の磁心部材2の損失特性値を検出情報としてHDD33の検出情報記憶部45に記憶する。
次に、パソコン11のCPU30は、初期状態の磁心部材2の損失特性値に基づいて、経年使用して劣化した磁心部材2、つまり、劣化度が既知の磁心部材2の損失特性値をシミュレート(推定)する(S15:シミュレーションステップ)。なお、このシミュレーションは、CPU30のシミュレーション部42により実行される。また、パソコン11のCPU30は、算出した劣化度が既知の磁心部材2の損失特性値をHDD33の検出情報記憶部45に記憶する。このシミュレーションを行うことで、実際に経年使用した磁心部材2が入手できない状態であっても、劣化後の磁心部材2の損失特性値を取得できる。
なお、磁心部材2が劣化した状態では、積層された鉄部材の間の絶縁が一部悪化することで、磁心部材2の渦電流損失が増加する。そのため、劣化後の磁心部材2の損失特性値は、初期状態の磁心部材2の損失特性値よりも大きくなる。なお、シミュレートする磁心部材2は、初期状態から5年使用した状態を想定しても良いし、初期状態から10年使用した状態を想定しても良いし、初期状態から20年使用した状態を想定しても良い。また、経年使用した期間が長くなるに従って磁心部材2の損失特性値は大きくなるので、初期状態の磁心部材2の損失特性値を割り増した値を、劣化後の磁心部材2の損失特性値としても良い。
次に、CPU30は、シミュレートした劣化後の磁心部材2の損失特性値に基づいて、劣化診断に用いる判定値(閾値)を設定し、HDD33の判定情報記憶部44に記憶する(S16:記憶ステップ)。
なお、この判定値は常に一定の値でなくても良い。例えば、劣化診断の対象となるトランス1が置かれた室温に応じて判定値が変化するものでも良い。また、測定装置12の発振部23が出力する電流の電流値や電圧値や周波数値に応じて判定値が変化するものであっても良い。
次に、劣化度の診断対象のトランス1の劣化診断を行う。まず、カレントトランス部10を診断対象のトランス1に取り付けた状態にする。つまり、診断対象の磁心部材2の周囲を囲んだ状態の第1巻回コイル部3に接続された接地線15に、カレントトランス部10(クランプCT)を取り付ける(S17:取付ステップ)。
そして、測定装置12の制御部20は、発振部23から高周波数の交流を所定の電圧で出力させる。このとき、高周波数の交流(電流)がカレントトランス部10を流れる(S18:発振ステップ)。
さらに、制御部20の取得部40は、電圧計24の電圧値と電流計25の電流値とを解析することによって、カレントトランス部10(センサコイル27)の測定値を取得する(S19:取得ステップ)。このとき、発振部23から出力される電流(電力)がカレントトランス部10に流れると、カレントトランス部10と第1巻回コイル部3との相互間で作用する電磁誘導現象が生じる。さらに、第1巻回コイル部3と磁心部材2との相互間で作用する電磁誘導現象が生じる。そのため、カレントトランス部10の測定値は、磁心部材2の渦電流損失(鉄損)の影響を受ける。具体的には、カレントトランス部10は、磁心部材2から生じる磁場の影響を受ける。なお、診断対象の磁心部材2が劣化している場合には、初期状態の磁心部材2を巻回する第1巻回コイル部3に取り付けたカレントトランス部10の測定値との間で差分が生じるようになる。
また、測定装置12の制御部20は、診断対象のトランス1に取り付けたカレントトランス部10の測定値をパソコン11に送信する。そして、パソコン11のCPU30は、受信した測定値を検出情報としてHDD33の検出情報記憶部45に記憶する。
そして、パソコン11のCPU30は、検出情報記憶部45に記憶された各測定値に基づいて、診断対象の磁心部材2の損失特性値を算出する(S20:算出ステップ)。具体的には、診断対象のトランス1に取り付けたカレントトランス部10の測定値から、トランス1に取り付けていない状態のカレントトランス部10の測定値を減算した値(差分)が、診断対象の磁心部材2の損失特性値に相当する値となる。なお、この損失特性値の算出は、CPU30の算出部41により実行される。また、パソコン11のCPU30は、算出した診断対象の磁心部材2の損失特性値を検出情報としてHDD33の検出情報記憶部45に記憶する。
次に、パソコン11のCPU30は、診断対象の磁心部材2の損失特性値と判定情報記憶部44に記憶された判定値とに基づいて劣化診断を行う(S21:診断ステップ)。具体的には、診断対象の磁心部材2の損失特性値が判定値以上か否かを判定する。そして、この損失特性値が判定値以上であると判定された場合には、診断対象の磁心部材2が劣化していると判定される。また、判定値以上でないと判定された場合には、診断対象の磁心部材2が劣化していないと判定される。そして、パソコン11のCPU30は、診断結果を出力装置34により出力する。
このように、診断対象となるトランス1(対象装置)の軟磁性体の磁心部材2の劣化診断を行う際に、カレントトランス部10に能動的に電流(電力)を付与して測定値を取得するので、磁心部材2の劣化度の診断を正確に行うことができる。
さらに、劣化度の診断の対象となる磁心部材2を有するトランス1(電気機器)が設置されて稼働した後の期間であっても、トランス1のメンテナンス時などに、磁心部材2に巻かれている第1巻回コイル部3をループ状のコイルとし、カレントトランス部10を取り付けることで、劣化度の診断を容易に行うことができる。
また、接地線15からカレントトランス部10を取り外すと、カレントトランス部10および測定装置12の持ち運ぶことができる。そして、劣化度の対象となるトランス1に、接地線15を接続してカレントトランス部10を取り付けることで、劣化度の診断を容易に行うことができる。つまり、複数個のトランス1の劣化診断を行う場合には、1台のカレントトランス部10および1台の測定装置12があれば良く、カレントトランス部10をトランス1の接地線15に順次付け替えることができる。
また、シミュレートされた劣化度が既知の磁心部材2に基づいて判定値が設定されるので、診断対象の磁心部材2の損失特性値(検出情報)と判定値とを比較することで磁心部材の劣化度の診断処理を容易に行うことができる。
また、測定装置12の発振部23が出力(発振)する交流の周波数を1kHz以上の高周波数とすることで、小型のコンデンサ26を用いて測定装置12を製作することができる。そのため、測定装置12の小型化を図ることができる。なお、発振部23が出力する交流の周波数は、10kH以上、100kHz以上、1MHz以上、10MHz以上、または100MHz以上の高周波数であっても良い。
また、トランス1の第1巻回コイル部3に接地線15を接続することで、既存の第1巻回コイル部3を電気的に閉じられたループ状のコイルとする作業を容易に行える。なお、本実施形態では、第1巻回コイル部3に接地線15を接続しているが、第2巻回コイル部4に接地線15を接続しても良い。そして、既存の第2巻回コイル部4を電気的に閉じられたループ状のコイルとして、この接地線15にカレントトランス部10を取り付けることで、磁心部材2の劣化診断を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、初期状態のトランス1と診断対象となるトランス1とが別物として説明しているが、初期状態のトランス1と診断対象となるトランス1とが同一物であっても良い。つまり、トランス1の製造時に、その磁心部材2の損失特性値を取得して判定値を設定し、トランス1の経年使用後に、その磁心部材2の損失特性値を取得して判定値と比較することで、磁心部材2の劣化度(劣化状態)を診断しても良い。
なお、本実施形態では、初期状態の磁心部材2の損失特性値に基づいて判定値を設定し、劣化診断の対象の磁心部材2の損失特性値と判定値とに基づいて劣化診断を行っているが、劣化診断を行うために取得する検出情報は、損失特性値でなくても良い。例えば、測定装置12が取得した測定値に基づいて磁心部材2の温度を特定、または、損失特性値に基づいて磁心部材2の温度を特定するようにし、この温度に基づいて磁心部材2の劣化診断を行うようにしても良い。
なお、本実施形態では、磁心部材2の劣化診断に用いる測定値を、リアクタンス値や抵抗値や、或いは電流の周波数や位相が変化した値としているが、その他の値を測定値としても良い。例えば、カレントトランス部10(センサコイル27)の電流値の変化に基づいて、磁心部材2の劣化診断を行っても良い。また、カレントトランス部10の電圧値の変化に基づいて、磁心部材2の劣化診断を行っても良い。また、カレントトランス部10に流れる電流の周波数や位相が変化した値に基づいて、磁心部材2の劣化診断を行っても良い。
なお、本実施形態では、劣化度が既知の磁心部材2の損失特性値をシミュレートするようにしているが、その他の態様で劣化度が既知の磁心部材2の損失特性値を取得しても良い。例えば、実際に経年使用して劣化した磁心部材2を有するトランス1にカレントトランス部10を取り付けて測定値を取得し、この取得した測定値をパソコン11で解析することで、劣化度が既知の磁心部材2の損失特性値を取得するようにしても良い。このように、実際に経年使用した磁心部材2の損失特性値に基づいて、劣化診断に用いる判定値を設定しても良い。実際に経年使用した磁心部材2を用いることで、シミュレーションを行う手間を省くことができる。また、診断対象の磁心部材2の損失特性値(検出情報)を判定値と比較することで磁心部材の劣化度の診断処理を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、トランス1の磁心部材2の劣化診断を行う劣化診断装置を例示しているが、この劣化診断装置を用いてリアクトルの劣化診断を行っても良い。また、劣化診断装置は、磁心部材を有する電気機器であれば劣化診断を行うことができる。例えば、この劣化診断装置を用いて、電磁石などの磁心部材の劣化診断を行っても良いし、電流によって形成される磁場にエネルギーを蓄えることができるインダクタ(受動素子)などが有する磁心部材の劣化診断を行っても良い。
なお、本実施形態の所定の値と判定値との判定において「判定値以上か否か」の判定をしているが、この判定は、「判定値を超えているか否か」の判定でも良いし、「判定値以下か否か」の判定でも良いし、「判定値未満か否か」の判定でも良い。
以上説明した実施形態によれば、カレントトランス部10に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振部23を持つことにより、経年使用した磁心部材2の劣化度の診断を正確に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…トランス、2…磁心部材、3…第1巻回コイル部、4…第2巻回コイル部、10…カレントトランス部、11…パソコン、12…測定装置、13…スイッチ、14…スイッチ、15…接地線、16…配線、17…電力供給線、20…制御部、21…通信部、22…解析部、23…発振部、24…電圧計、25…電流計、26…コンデンサ、27…センサコイル、28…磁気コア、30…CPU、31…ROM、32…RAM、33…HDD、34…出力装置、35…入力装置、36…通信部、40…取得部、41…算出部、42…シミュレーション部、43…劣化診断部、44…判定情報記憶部、45…検出情報記憶部。

Claims (5)

  1. 磁心部材に巻回された巻回コイル部を電気的に閉じられたループ状のコイルとしたときに、このコイルに取り付け可能なクランプ式のカレントトランス部と、
    前記カレントトランス部に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振部と、
    前記カレントトランス部、前記巻回コイル部、および前記磁心部材の相互間で作用する電磁誘導現象が生じているときに、少なくとも前記カレントトランス部に流れる電流に基づく検出情報を取得する取得部と、
    初期状態の磁心部材に対応する検出情報に基づいて判定情報が設定され、この判定情報を記憶する記憶部と、
    前記初期状態から経年使用した磁心部材に対応する検出情報と前記判定情報とに基づいて、その劣化度を診断する診断部と、
    を備えることを特徴とする磁心部材の劣化診断装置。
  2. 前記判定情報は、前記初期状態の磁心部材に対応する検出情報と、前記劣化度が既知の磁心部材に対応する検出情報と、に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の磁心部材の劣化診断装置。
  3. 前記特定の周波数は、1kHz以上の高周波数であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁心部材の劣化診断装置。
  4. 前記巻回コイル部に接地線を接続することで前記ループ状のコイルとし、前記接地線に前記カレントトランス部が取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁心部材の劣化診断装置。
  5. 磁心部材に巻回された巻回コイル部を電気的に閉じられたループ状のコイルとしたときに、このコイルにクランプ式のカレントトランス部を取り付ける取付ステップと、
    前記カレントトランス部に特定の交流電圧を特定の周波数で付与する発振ステップと、
    前記カレントトランス部、前記巻回コイル部、および前記磁心部材の相互間で作用する電磁誘導現象が生じているときに、少なくとも前記カレントトランス部に流れる電流に基づく検出情報を取得する取得ステップと、
    初期状態の磁心部材に対応する検出情報に基づいて判定情報が設定され、この判定情報を記憶する記憶ステップと、
    前記初期状態から経年使用した磁心部材に対応する検出情報と前記判定情報とに基づいて、その劣化度を診断する診断ステップと、
    を含むことを特徴とする磁心部材の劣化診断方法。
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