JP2017134459A - 効率的に数値制御データの受け渡しをする数値制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
このように、パソコン部を有する数値制御システムでは、数値制御装置が機械を制御するのに必要なデータは数値制御装置内のメモリ等で保持されていた。そして、パソコン部から数値制御装置内のデータに対しては、自由にアクセスすることができる。
数値制御装置1が備えるデータセット処理部11は、数値制御装置1がプログラムを解析して得られたデータや、制御対象となる機械の動作データなどを含む数値制御データを、直接バッファ10に、またはバス3を介してバッファ20にデータセット(書き込み)する。一方で、パソコン部2の上で動作しているアプリケーション21は、ユーザからのデータ処理や画面表示などの指令に基づいてAPI(アプリケーションプログラマブルインタフェース)22を呼び出して、データ処理や画面表示に必要な数値制御データを、バス3を介してバッファ10から、または直接バッファ20からデータリード(読み出し)する。
図1は、本発明の一実施形態による数値制御システムの概略構成図である。本実施形態の数値制御システム100は、従来技術の数値制御システムと同様に数値制御装置1とパソコン部2とがバス3を介して接続されて構成される。数値制御装置1が備えるデータセット処理部11は、数値制御データを、直接バッファ10に、またはバス3を介してバッファ20にデータセットし、また、パソコン部2の上で動作しているアプリケーション21は、ユーザからのデータ処理や画面表示などの指令に基づいてAPI22を呼び出して、データ処理や画面表示に必要な数値制御データを、バス3を介してバッファ10から、または直接バッファ20からデータリードする。なお、データセット処理部11によるデータセット処理は、数値制御装置1の処理周期毎に実行される。
本実施形態の数値制御装置1は、更に許容時間算出部12を備え、また、データセット処理部11は、バッファ決定部13、使用中バッファ情報設定部14を備える。また、本実施形態のパソコン部2は、優先順位設定部23を備える。
図2は、データ優先順位情報の例を示す図である。図2に示すように、データ優先順位情報は、数値制御データの種類ごとに、数値制御装置1のデータセット処理部11がパソコン部2のバッファ20に対して当該数値制御データをデータセットするのに必要な時間である必要データセット時間と、アプリケーション21からの当該数値制御データへのアクセス頻度とを関連付けた情報である。各数値制御データの種類ごとの必要データセット時間の初期値は、あらかじめ実験などを行って計測した値を登録する。また、各数値制御データの種類ごとのアクセス頻度の初期値は0としておく。
優先順位設定部23は、アプリケーション21がAPI22を介して通知した各数値制御データの種類ごとのアクセス頻度をデータ優先順位情報としてデータセットするようにしてもよい。また、アプリケーション21によるAPI22を介した数値制御データに対する過去の所定時間内のアクセスを監視して統計処理することで各数値制御データの種類ごとのアクセス頻度を求め、データ優先順位情報としてデータセットするようにしてもよい。また、これらを組み合わせるようにしてもよい。なお、アプリケーション21が複数動作している場合には、それぞれのアプリケーション21のアクセス頻度の合計値をデータ優先順位情報としてデータセットするようにすればよい。
バッファの決定方法の一例としては、データ優先順位情報で示されるアクセス頻度の高いデータ種類の数値制御データから順にデータ種類の組み合わせを考え、組み合わせたデータ種類の必要データセット時間を加算し、加算した必要データセット時間がデータセット許容時間を越えない範囲でアクセス頻度の高いデータ種類の数値制御データをバッファ20に対してデータセットするものとして決定し、それ以外のデータ種類の数値制御データをバッファ10に対してデータセットする方法が考えられる。この方法により、図2下に示した優先順位データが設定されている場合であってデータセット許容時間が100μsecである場合におけるそれぞれのデータ種類の数値制御データのデータセット先を決定すると、アクセス頻度の高い順序(優先順)はA→C→B→Dであり、この順で優先的な(すなわち、トータルで最もアクセス頻度が多くなる)データ種類の組み合わせを考えていくと[A,B,C]、[A,C]、[A,B]、[A]、[B,C]、[B],[C](Dはアクセス頻度が0なので除外する)という順序が考えられる。それぞれの組み合わせについて必要データセット時間を加算し、データセット許容時間内に収まる最も優先的なデータ種類の組み合わせを探索する。例えば、[A,B,C]の組み合わせでは150μsec、[A,C]の組合せでは110μsecとなっていずれもデータセット許容時間を越えてしまうが、[A,B]の組み合わせでは90μsecとなり、データセット許容時間を越えないので、データ種類がAとBの数値制御データをパソコン部2が備えるバッファ20へとデータセットし、残りのデータ種類がCとDの数値制御データを数値制御装置1が備えるバッファ10へとデータセットすると決定できる。
図3は、使用中バッファ情報の例を示す図である。図3に示すように、使用中バッファ情報は、数値制御データのデータ種類に対して当該データ種類の数値制御データが数値制御装置1が備えるバッファ10とパソコン部2が備えるバッファ20とのいずれに記憶されているのか(いずれを使用しているのか)を示す情報を関連付けた情報である。図3に例示する使用中バッファ情報は、データ種類がAとBの数値制御データはパソコン部2が備えるバッファ20に、データ種類がCとDの数値制御データは数値制御装置1が備えるバッファ10に、それぞれ記憶されていることを示している。
パソコン部2のAPI22は、このような使用中バッファ情報を参照して、アプリケーション21が要求する数値制御データがバッファ10に記憶されているのか、バッファ20に記憶されているのかを特定する。そして、特定したバッファへとアクセスすることでアプリケーション21が要求する数値制御データをデータリードして取得し、取得した数値制御データをアプリケーション21へと引き渡す。
●[ステップSA01]許容時間算出部12は、数値制御装置1の負荷を測定する。
●[ステップSA02]許容時間算出部12は、ステップSA01で測定された数値制御装置1の負荷に基づいて、データセット処理に許容される時間であるデータセット許容時間を算出する。
●[ステップSA04]許容時間算出部12は、ステップSA02で算出されたデータセット許容時間をデータセット許容時間記憶部15へと上書きして記憶する。
●[ステップSB01]バッファ決定部13は、アクセス頻度の最も高いデータ種類を優先したデータ種類の組み合わせを作成する。
●[ステップSB02]バッファ決定部13は、ステップSB01で作成したそれぞれのデータ種類の組み合わせについて、優先的な順(すなわち、トータルで最もアクセス頻度が多くなる順)でステップSB03〜ステップSB05を繰り返す。
●[ステップSB03]バッファ決定部13は、データ種類の組み合わせに含まれる各データ種類の必要データセット時間を加算する。
●[ステップSB05]バッファ決定部13は、ステップSB04で判定したデータ種類の組み合わせに含まれるデータ種類をパソコン部2のバッファ20へ保存するデータ種類として決定し、本処理を終了する。
●[ステップSB06]バッファ決定部13は、パソコン側のバッファへ保存するデータ種類は無いと決定し、本処理を終了する。
例えば、上記した実施形態では、バッファ決定部13は単純にアクセス頻度が多いものを優先順位が高いデータ種類とした処理を行っているが、データ種類ごとにアクセス頻度と必要データセット時間を乗算した値に基づいて優先順位を決めるようにしてもよい。必要データセット時間は専ら当該データ種類のデータ量に依存して大きくなるので、アクセス頻度と必要データセット時間を乗算した値に基づいた優先順位はパソコン部2が数値制御装置1から取得している実質的なデータ量に依存した数値となるので、より実態に即した優先順位として用いることができる。
2 パソコン部
3 バス
10,20 バッファ
11 データセット処理部
12 許容時間算出部
13 バッファ決定部
14 使用中バッファ情報設定部
15 データセット許容時間記憶部
16 データ優先順位情報記憶部
20 アプリケーション
21 アプリケーション
22 API
23 優先順位設定部
24 使用中バッファ情報記憶部
100 数値制御システム
Claims (3)
- 機械の制御に係るデータである数値制御データを記憶可能な第1のバッファを備えた数値制御装置と、前記数値制御装置とバスを介して接続され、前記数値制御データを記憶可能な第2のバッファを備えたパソコン部と、を有する数値制御システムにおいて、
前記数値制御装置は、
前記数値制御データのデータ種類毎の優先順位を示すデータ優先順位情報が記憶されたデータ優先順位情報記憶部と、
前記数値制御装置の負荷状態に基づいて、前記第2のバッファに対して前記数値制御データをセット処理に許容される時間であるデータセット許容時間を算出する許容時間算出部と、
前記データ優先順位情報記憶部に記憶されるデータ優先順位情報と、前記許容時間算出部が算出したデータセット許容時間とに基づいて、前記データセット許容時間内にデータセットすることができるように前記数値制御データのデータセット先となるバッファをデータ種類毎に決定するバッファ決定部と、
前記バッファ決定部が決定した前記数値制御データのデータ種類毎のデータセット先となるバッファの情報である使用中バッファ情報を前記パソコン部へと送信する使用中バッファ情報設定部と
を備え、
前記パソコン部は、
前記数値制御データのデータ種類毎の優先順位を示すデータ優先順位情報を前記データ優先順位情報記憶部へと設定する優先順位設定部と
を備え、
前記パソコン部の上で動作するアプリケーションは、前記使用中バッファ情報設定部から受信した前記使用中バッファ情報に基づいて、前記第1のバッファまたは前記第2のバッファの少なくともいずれか一方から前記数値制御データを取得する、
ことを特徴とする数値制御システム。 - 前記データ優先順位情報は、前記数値制御データのデータ種類毎のデータセット処理に必要となる処理時間である必要データセット時間と、当該データ種類毎のアクセス頻度とを関連付けたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御システム。 - 前記バッファ決定部は、前記数値制御データのデータ種類の内でアクセス頻度が高いデータ種類の数値制御データを優先して第2のバッファへとデータセットするように決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の数値制御システム。
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