JP2017134247A - 光学部材、光学部材の製造方法、表示装置及び車両 - Google Patents

光学部材、光学部材の製造方法、表示装置及び車両 Download PDF

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紘一 木下
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博 関口
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Masahiro Goto
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Abstract

【課題】より鮮明な映像を表示することができる光学部材を提供する。
【解決手段】光学部材2は、観察者側に配置される第1透明基板21と、第1透明基板21の積層される第1中間層22と、第1中間層22に積層され、観察者側から入射した励起光により発光する蛍光体層23と、蛍光体層23に積層され、観察者と反対側から照射される励起光を遮断する励起光遮断層24と、励起光遮断層24に積層される第2中間層25と、第2中間層25に積層される第2透明基板26と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材、光学部材の製造方法、表示装置及び車両に関する。
ヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」ともいう)は、映像源からガラス等に映像光を投射し、観察者に対して各種の映像を表示する表示装置である。HUDは、例えば、自動車のフロントウィンドウに映像を表示する表示装置として使用される。従来、自動車のフロントウィンドウに挟み込まれた飛散防止用の中間層に蛍光体の粒子を入れ、そこに紫外線の映像光を投影して映像を表示するHUDが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−24312号公報
蛍光体の粒子を入れたフロントウィンドウに紫外線を投射して映像を表示する方式のHUDでは、外光(太陽光)に含まれる紫外線により蛍光体が発光し、映像源から投射された紫外線の映像光により表示される映像が鮮明に見えなくなることが考えられる。そのため、蛍光体の発光を利用した従来のHUDにおいては、フロントウィンドウ等の光学部材に、より鮮明な映像を表示できるようにすることが求められている。
本発明の目的は、より鮮明な映像を表示することができる光学部材、光学部材の製造方法、表示装置及び車両を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
・第1の発明は、観察者側に配置される第1透明基板(21)と、前記第1透明基板に積層される第1中間層(22)と、前記第1中間層に積層され、観察者側から入射した励起光により発光する蛍光体層(23)と、前記蛍光体層に積層され、観察者と反対側から照射される励起光を遮断する励起光遮断層(24)と、前記励起光遮断層に積層される第2中間層(25)と、前記第2中間層に積層される第2透明基板(26)と、を備える光学部材(2)である。
・第2の発明は、第1の発明の光学部材(2)であって、前記蛍光体層と前記励起光遮断層との間に配置される支持体(27)を備え、前記支持体は、第1面に前記蛍光体層が積層され、前記第1面とは反対側の第2面に前記励起光遮断層が積層されることを特徴とする光学部材である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の光学部材(2)であって、前記蛍光体層は、それぞれ異なる色で発光する複数の蛍光体層(23B、23R、23G)を含むことを特徴とする光学部材である。
・第4の発明は、観察者側に配置される第1透明基板と、前記第1透明基板の積層される第1中間層と、前記第1中間層に積層され、観察者側から入射した励起光により発光する蛍光体層と、前記蛍光体層に積層され、観察者と反対側から照射される励起光を遮断する励起光遮断層と、前記励起光遮断層に積層される第2中間層と、前記第2中間層に積層される第2透明基板とを備えた光学部材の製造方法であって、基材(31)上に剥離層(32)を積層する第1工程と、前記剥離層上に前記蛍光体層を積層して、転写用の第1中間体(41)を得る第2工程と、前記第1中間体の前記蛍光体層上に前記第1中間層を積層する第3工程と、前記第1中間層上に前記第1透明基板を積層して、第2中間体(42)を得る第4工程と、前記第2中間体から前記基材及び前記剥離層を除去する第5工程と、前記蛍光体層上に前記励起光遮断層を積層する第6工程と、前記励起光遮断層上に前記第2中間体を積層する第7工程と、前記第2中間体上に前記第2透明基板を配置する第8工程とを備える光学部材の製造方法である。
・第5の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の光学部材(2)と、前記光学部材に映像光を投射する映像源(11)と、を備える表示装置(10)である。
・第6の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の前記光学部材(2)をウィンドウとして備える車両(1)である。
本発明によれば、より鮮明な映像を表示することができる光学部材、光学部材の製造方法、表示装置及び車両を提供することができる。
第1実施形態の表示装置10を搭載した自動車1を説明する図である。 第1実施形態の表示装置10を説明する図である。 フロントウィンドウ2の製造方法を説明する図である。 第2実施形態におけるフロントウィンドウ2Aを説明する図である。 第3実施形態におけるフロントウィンドウ2Bを説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。また、本実施形態の各図においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての例示であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含まれる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の表示装置10を搭載した自動車1を説明する図である。図1(a)は、自動車1の全体を説明する図である。図1(b)は、自動車1の運転席周辺を説明する図である。図1(b)は、自動車1の運転席からフロントウィンドウ2側(自動車1の進行方向)を見た状態を示している。図2は、第1実施形態の表示装置10を説明する図である。
なお、図1及び図2には、理解を容易にするために、フロントウィンドウ2の上下方向をZ方向とし、厚み方向をY方向とし、左右方向をX方向とする座標系を記載した。ここで、上下方向(Z方向)のうち−Z側を下側とし、+Z側を上側とする。また、厚み方向(Y方向)のうち+Y側を背面側(自動車1の進行方向側)とし、−Y側を運転者側とする。また、左右方向(X方向)のうち−X側を左側とし、+X側を右側とする。
第1実施形態の自動車(車両)1は、一般的な乗用車である。自動車1は、図1(a)に示すように、車外側から見て、フロントウィンドウ2、右サイドウィンドウW1、左サイドウィンドウW2(図1(b)参照)等を備えている。なお、自動車1の他のウィンドウについては説明を省略する。また、自動車1は、図1(b)に示すように、車内側から見て、フロントウィンドウ2の右側に運転席が設けられ、フロントウィンドウ2の下方側に内装パネル3が配置されている。内装パネル3は、フロントウィンドウ2の下方側に配置された化粧パネル(ダッシュボード)である。内装パネル3は、右側に操縦桿となるハンドル4、速度計等の計器類5が配置されている。本実施形態の表示装置10において、映像源11(後述)は、内装パネル3の上に配置されている。
自動車1は、フロントウィンドウ2の右側に、右サイドウィンドウW1及び右サイドミラーM1を備えている。右サイドウィンドウW1は、自動車1の右側に設けられたドアD1の内部に昇降可能に支持されている。右サイドミラーM1は、ドアD1の外側であって、運転者に視認可能な位置に配置されている。また、自動車1は、フロントウィンドウ2の左側(助手席側)に、左サイドウィンドウW2及び左サイドミラーM2を備えている。左サイドウィンドウW2は、自動車1の左側に設けられたドアD2の内部に昇降可能に支持されている。左サイドミラーM2は、ドアD2の外側であって、運転者に視認可能な位置に配置されている。
自動車1は、フロントウィンドウ2の上方側に、天井部6を備えている。天井部6は、自動車1に設けられた前後の座席(不図示)の上方を覆う部材である。自動車1は、天井部6のフロントウィンドウ2側に、バックミラー7等を備えている。
表示装置10は、走行している自動車1の進行方向に存在する歩行者、障害物、他の自動車等(以下、「対象物」ともいう)の接近を知らせる警告用のメッセージを、フロントウィンドウ2に表示する装置、いわゆるヘッドアップディスプレイである。運転者は、フロントウィンドウ2に表示されるメッセージ(例えば、「歩行者注意」)を見ることにより、進行方向から視線を大きく反らすことなしに、進行方向の前方に存在する対象物の接近等を把握することができる。なお、フロントウィンドウ2に表示される映像(情報)は、第1実施形態の例に限らず、他の映像(例えば、歩行者等の対象物を表すシンボルマーク等)であってもよいし、これらの映像とメッセージとの組み合わせであってもよい。
表示装置10は、映像源11と、フロントウィンドウ(光学部材)2とを備えている。表示装置10は、表示すべきメッセージの映像に対応して変調された紫外線の光(以下、「映像光」ともいう)を、映像源11からフロントウィンドウ2に投射させることにより、フロントウィンドウ2にメッセージを表示することができる。
映像源11は、励起光としての映像光をフロントウィンドウ2に投射する装置であり、例えば、LED、レーザー、ブラックライト等により構成される。第1実施形態において、映像源11は、内装パネル3の上に配置されている。そのため、映像源11は、図2に示すように、フロントウィンドウ2に対して上向きに映像光を投射する。なお、映像源11を配置する位置は、内装パネル3の上に限らず、例えば、天井部6のフロントウィンドウ2側に配置されていてもよい。その場合、映像光は、フロントウィンドウ2に対して下向きに投射される。
フロントウィンドウ2は、自動車1の前方を覆う光透過性の部材であり、後述するように、2枚のガラスの間に中間層を挟み込んだ合わせガラスとして構成されている。
図2に示すように、フロントウィンドウ2は、第1ガラス(第1透明基板)21、第1中間層22、蛍光体層23、紫外線吸収層(励起光遮断層)24、第2中間層25及び第2ガラス(第2透明基板)26を備えている。
第1ガラス21は、フロントウィンドウ2の最も運転者側(−Y側)に配置された透明な部材である。第1ガラス21として使用可能な材料は、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等である。また、第1ガラス21の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
第1中間層22は、第1ガラス21と蛍光体層23との間に配置された層である。第1ガラス21及び光学シート20は、第1中間層22により接合されている。第1中間層22は、フロントウィンドウ2の破損時に、第1ガラス21の破片が飛散するのを防止するために配置されている。第1中間層22として使用可能な材料は、例えば、PVB(ポリビニルブリラール)である。第1中間層22の厚みは、0.3〜0.8mmの範囲とすることが好ましい。また、第1中間層22の屈折率は、第1ガラス21と同等であることが望ましい。
蛍光体層23は、映像源11から投射された映像光(紫外線)を励起光として光を放出する層である。蛍光体層23の特定の領域に映像光が投射されると、その領域の蛍光体層23は、内部に含まれる蛍光体の粒子が励起する。励起した蛍光体の粒子は、基底状態に戻るときに光を放出する。そのため、蛍光体層23は、映像光の投射された領域が発光する。
図1(b)及び図2において、領域Aは、映像光の投射により発光した領域を模式的に示したものである。なお、図1(b)において、領域Aは、例えば、表示する映像が「歩行者注意」等のメッセージであれば、そのメッセージを構成する文字の形状となる。
蛍光体層23のベースとなる光透過性の部材として使用可能な材料は、例えば、アクリル樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂等である。蛍光体層23の厚みは、例えば、10〜100μmの範囲とすることが好ましい。また、蛍光体となる化合物として使用可能な材料は、例えば、ZnS:Ag、(ZnCd)S:Cu、(ZnCd)S:Ag、
ZnSiO:Mn、Cd:Mn、(SrMg)(PO:Mn、
YVO:En、CaWO、ZnS:Ag,Al、ZnS:Cu,Al、CaWO
S:Eu、(SrCaBaMg)(POCl:Eu、
LaPO:Ce,Tb、Y:Eu、
Ca10(POFCl:Sb,Mn、BaMgAl1017:Eu、
ZnSiO:Mn、(Y,Gd)BO:Eu、GdS:Tb、
(Y,Sr)TaO:Nb等である。蛍光体の粒子の粒径は、0.1〜15μmの範囲とすることが好ましい。また、蛍光体層23における蛍光体の粒子の含有量は、フロントウィンドウ2の光透過率を70%以上とする場合、例えば、10〜50wt%の範囲とすることが好ましい。
紫外線吸収層24は、フロントウィンドウ2の背面側から入射する太陽光に含まれる紫外線を吸収する層である。紫外線吸収層24のベースとなる光透過性の部材として使用可能な材料は、例えば、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂等である。紫外線吸収層24の厚みは、例えば、10〜100μmの範囲とすることが好ましい。また、吸収剤となる化合物として使用可能な材料は、例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、t−ブチルメトキシジベンソイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシジベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、メチレンビズベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等である。吸収剤の粒子の粒径は、例えば、50〜400nmの範囲とすることが好ましい。また、紫外線吸収層24における吸収剤の粒子の含有量は、フロントウィンドウ2の光透過率を70%以上とする場合、例えば、10〜50wt%の範囲とすることが好ましい。
第2中間層25は、第2ガラス26と紫外線吸収層24との間に配置された層である。第2ガラス26及び紫外線吸収層24は、第2中間層25により接合されている。第2中間層25は、フロントウィンドウ2の破損時に、第2ガラス26の破片が飛散するのを防止するために配置されている。第2中間層25として使用可能な材料は、第1中間層22と同じく、PVBである。第2中間層25の厚みは、0.3〜0.8mmの範囲とすることが好ましい。また、第2中間層25の屈折率は、第1ガラス21、第2ガラス26と同等であることが望ましい。
第2ガラス26は、光学シート20の最も背面側(+Z側)に配置された透明な部材である。第2ガラス26として使用可能な材料は、第1ガラス21と同じである。また、第2ガラス26の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
図2に示すように、第1実施形態の表示装置10において、映像源11から投射された映像光Lは、フロントウィンドウ2の蛍光体層23の領域Aに入射して、領域Aの蛍光体層23に含まれる蛍光体を励起する。励起した蛍光体の粒子は、基底状態に戻るときに光を放出するため、蛍光体層23の領域Aが発光する。観察者Eは、蛍光体層23の発光により形成された領域Aの映像を、自動車1の進行方向から透過する外光と重ね合わせて見ることができる。なお、第1実施形態の表示装置10において、フロントウィンドウ2に表示された映像は、運転者だけでなく、助手席、後部座席に座っている同乗者も見ることができる。したがって、第1実施形態における観察者Eは、自動車1の運転者又は同乗者のいずれであってもよい。
次に、フロントウィンドウ2の製造方法について説明する。
図3は、フロントウィンドウ2の製造方法を説明する図である。図3に示す各分図(a)〜(f)は、フロントウィンドウ2の製造過程を順に示している。
まず、図3(a)に示すように、基材31上に剥離層32を積層する(第1工程)。剥離層32は、後の工程において、蛍光体層23から基材31を除去する際に、基材31の剥離を助ける機能を有する。剥離層32としては、例えば、界面剥離型の剥離層、層間剥離型の剥離層、凝縮剥離型の剥離層等を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、剥離層32の表層側に、例えば、ダイコート法等により蛍光体層23を積層し、第1中間体41を作製する(第2工程)。
次に、図3(c)に示すように、第1中間体41に対して、蛍光体層23の表層側から、第1中間層22及び第1ガラス21を積層し、第1中間層22及び第1ガラス21を接合して第2中間体42を得る(第3工程、第4工程)。第2中間体42は、例えば、第1中間体41に第1中間層22及び第1ガラス21を積層した後、オートクレーブ装置において、第1中間体41、第1中間層22及び第1ガラス21を加熱・加圧することにより作製することができる。
次に、図3(d)に示すように、第1中間体41の基材31を、剥離層32を用いて蛍光体層23から剥離し、第2中間体42から除去する。
次に、図3(e)に示すように、第2中間体42の蛍光体層23の表層側に、例えば、ダイコート法等により紫外線吸収層24を積層する。
次に、図3(f)に示すように、第2中間体42に、紫外線吸収層24の表層側から、第2中間層25及び第2ガラス26を積層し、第2中間層25及び第2ガラス26を接合してフロントウィンドウ2を作製する。この接合は、上述した第2中間体42の作製と同様の工程で行うことができる。即ち、フロントウィンドウ2は、第2中間体42に第2中間層25及び第2ガラス26を積層した後、オートクレーブ装置において、第2中間体42、第2中間層25及び第2ガラス26を加熱・加圧することにより作製することができる。
以上説明したように、第1実施形態の表示装置10において、フロントウィンドウ2の蛍光体層23は、映像源11から投射された映像光により励起して発光する。そのため、観察者は、蛍光体層23の発光により形成された映像を、自動車1の進行方向から透過する外光と重ね合わせて見ることができる。その際、フロントウィンドウ2の背面側から照射される紫外線(外光に含まれる紫外線)は、蛍光体層23の背面側(+Y側)に配置された紫外線吸収層24に吸収される。これによれば、蛍光体層23に作用する紫外線は、主に映像源11から投射された映像光となるため、外光に含まれる紫外線により、フロントウィンドウ2の蛍光体層23が発光することがない。したがって、第1実施形態の表示装置10は、フロントウィンドウ2に、より鮮明な映像を表示することができる。
なお、第2中間層25又は第2ガラス26に紫外線吸収剤を添加した場合、フロントウィンドウ2は、これら透明部材の成分と紫外線吸収剤とが化学反応して着色された状態となることがある。その場合、フロントウィンドウ2は、外光に含まれる紫外線が照射されていない状態においても、表面に色が付いたように見えてしまう。これに対して、第1実施形態のフロントウィンドウ2は、紫外線吸収層24が第2中間層25及び第2ガラス26と別体で積層されるため、これら透明部材の成分と紫外線収集剤との化学反応を抑制することができる。したがって、第1実施形態の表示装置10は、フロントウィンドウ2の透明性を損なうことがない。
また、第1実施形態のフロントウィンドウ2において、蛍光体層23は、蛍光体層23を積層した第1中間体41を、第1中間層22及び第1ガラス21に積層することにより第1中間層22及び第1ガラス21に転写される。そのため、図3に示す第1実施形態の製造方法によれば、支持体等を用いることなしに、蛍光体層23及び紫外線吸収層24が積層されたフロントウィンドウ2を作製することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の表示装置10Aについて説明する。
図4は、第2実施形態におけるフロントウィンドウ2Aを説明する図である。第2実施形態の表示装置10Aは、フロントウィンドウ2Aにおいて、蛍光体層23と紫外線吸収層24との間に支持体27を備える点が第1実施形態と相違する。第2実施形態の表示装置10Aにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、図4においては、フロントウィンドウ2Aのみを図示し、表示装置10Aの全体の図示を省略する。また、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態のフロントウィンドウ2Aは、蛍光体層23と紫外線吸収層24との間に支持体27を備えている。支持体27は、蛍光体層23及び紫外線吸収層24を積層するためのベース部材であり、光透過性を有する部材により構成される。支持体27として使用可能な材料は、例えば、PET、PEN、ポリカーボネート等である。また、支持体27の厚みは、例えば、50〜100μmの範囲とすることが好ましい。
支持体27は、フロントウィンドウ2Aにおいて、運転者側(−Y側)となる第1面に蛍光体層23が積層され、背面側(+Y側)となる第2面に紫外線吸収層24が積層されている。図4に示す積層体51は、支持体27の各面に蛍光体層23及び紫外線吸収層24をそれぞれ積層することにより得られる。
第2実施形態のフロントウィンドウ2Aは、支持体27、蛍光体層23及び紫外線吸収層24が一体化された積層体51を用いることにより、転写等の工程を経ることなしに作製することができる。即ち、図4に示すような積層構造のフロントウィンドウ2Aは、積層体51において、蛍光体層23の側に第1ガラス21及び第1中間層22を積層して接合すると共に、紫外線吸収層24の側に第2ガラス26及び第2中間層25を積層して接合することにより作製することができる。なお、上述した中間体とガラスの接合は、第1実施形態と同様に、積層後にオートクレーブ装置において加熱・加圧することにより行うことができる。
以上説明したように、第2実施形態のフロントウィンドウ2Aは、支持体27、蛍光体層23及び紫外線吸収層24が一体化された積層体51を用いることにより、容易に作製することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の表示装置10Bについて説明する。
図5は、第3実施形態におけるフロントウィンドウ2Bを説明する図である。第3実施形態の表示装置10Bは、蛍光体層230が、それぞれ異なる色で発光する複数の蛍光体層により構成される点が第1実施形態と相違する。第3実施形態の表示装置10Bにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、図5においては、フロントウィンドウ2Bのみを図示し、表示装置10Bの全体の図示を省略する。また、第3実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態のフロントウィンドウ2Bにおいて、蛍光体層230は、第1蛍光体層23B、第2蛍光体層23R及び第3蛍光体層23Gにより構成されている。第1蛍光体層23Bは、映像光が投射されると青色に発光する蛍光体層である。第2蛍光体層23Rは、映像光が投射されると赤色に発光する蛍光体層である。第3蛍光体層23Gは、映像光が投射されると緑色に発光する蛍光体層である。図示していないが、第3実施形態において、映像源11(図2参照)は、青、赤及び緑に対応した映像光を投射する。そのため、第3実施形態の表示装置10Bは、フロントウィンドウ2Bの各蛍光体層を個別に発光させることができる。
また、第3実施形態のフロントウィンドウ2Bは、例えば、第1実施形態のフロントウィンドウ2と同様の工程により作製することができる。即ち、蛍光体層230として、第1蛍光体層23B、第2蛍光体層23R及び第3蛍光体層23Gを備えた第1中間体41は、第1中間層22及び第1ガラス21に転写することができる。以後、フロントウィンドウ2Bは、第1実施形態と同じ工程を経ることにより作製することができる。なお、第3実施形態のフロントウィンドウ2Bにおいて、蛍光体層230は、第2実施形態と同様に、支持体27の第1面に積層された構成としてもよい。
第3実施形態の表示装置10Bにおいて、映像源11からフロントウィンドウ2Bに、青、赤及び緑に対応した映像光を投射すると、蛍光体層230は、青、赤及び緑にそれぞれ発光する。そのため、第3実施形態の表示装置10Bは、フロントウィンドウ2Bにカラーの映像を表示させることができる。
なお、第3実施形態のフロントウィンドウ2Bは、第2実施形態のように、蛍光体層23と紫外線吸収層24との間に支持体27を配置した構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
本変形形態の説明において、「本実施形態」とは、第1〜第3実施形態又はそのいずれかに対応する。そのため、例えば、フロントウィンドウ2は、フロントウィンドウ2A又はフロントウィンドウ2Bであってもよい。
本実施形態では、図3に示すように、蛍光体層23と紫外線吸収層24とを別工程で積層する例について説明した。これに限らず、積層した蛍光体層23と紫外線吸収層24の周囲を透明な樹脂膜(例えば、PET等)で被覆し、一体化されたシート材として中間層等に積層してもよい。
本実施形態では、励起光遮断層を紫外線吸収層24とした例について説明した。これに限らず、励起光遮断層は、例えば、紫外線反射層でもよい。即ち、励起光遮断層は、フロントウィンドウ2等の背面側から入射する太陽光に含まれる紫外線等の励起光の通過を遮断することができれば、どのような部材、材料で構成されてもよい。
本実施形態では、光学部材を自動車1のフロントウィンドウ2に適用した例について説明した。これに限らず、光学部材は、自動車1のサイドウィンドウ、リアウィンドウ、サンルーフ等に適用してもよい。また、光学部材は、自動車以外の、鉄道車両、船舶、航空機等のウィンドウに適用してもよい。更に、光学部材は、乗物以外にも、例えば、ビル、店舗、従来等のウィンドウに適用することもできる。
例えば、表示装置10は、背景等の外界の光を透過する店舗のショーウィンドウに適用することができる。その場合、表示装置10は、客に店舗の外側からショーウィンドウに展示されている商品を見せると共に、ショーウィンドウに商品の情報(商品名、価格等)を表示することができる。
本実施形態において、映像源11は、表示する映像の大きさ、位置等に応じて、映像光の投射角度が自動的に変更されるように構成してもよい。また、映像源11は、自動車1の室内に複数配置してもよい。その場合、複数の映像源11は、表示装置10の制御部(不図示)により、表示する映像の大きさ、位置等に応じて切り替えられる。
1 自動車
2、2A、2B フロントウィンドウ
10、10A、10B 表示装置
11 映像源
21 第1ガラス
22 第1中間層
23、230 蛍光体層
23B 第1蛍光体層
23R 第2蛍光体層
23G 第3蛍光体層
24 紫外線吸収層
25 第2中間層
26 第2ガラス
27 支持体
31 基材
32 剥離層

Claims (6)

  1. 観察者側に配置される第1透明基板と、
    前記第1透明基板に積層される第1中間層と、
    前記第1中間層に積層され、観察者側から入射した励起光により発光する蛍光体層と、
    前記蛍光体層に積層され、観察者と反対側から照射される励起光を遮断する励起光遮断層と、
    前記励起光遮断層に積層される第2中間層と、
    前記第2中間層に積層される第2透明基板と、
    を備える光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材であって、
    前記蛍光体層と前記励起光遮断層との間に配置される支持体を備え、
    前記支持体は、第1面に前記蛍光体層が積層され、前記第1面とは反対側の第2面に前記励起光遮断層が積層されること、
    を特徴とする光学部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学部材であって、
    前記蛍光体層は、それぞれ異なる色で発光する複数の蛍光体層を含むこと、
    を特徴とする光学部材。
  4. 観察者側に配置される第1透明基板と、前記第1透明基板の積層される第1中間層と、前記第1中間層に積層され、観察者側から入射した励起光により発光する蛍光体層と、前記蛍光体層に積層され、観察者と反対側から照射される励起光を遮断する励起光遮断層と、前記励起光遮断層に積層される第2中間層と、前記第2中間層に積層される第2透明基板とを備えた光学部材の製造方法であって、
    基材上に剥離層を積層する第1工程と、
    前記剥離層上に前記蛍光体層を積層して、転写用の第1中間体を得る第2工程と、
    前記第1中間体の前記蛍光体層上に前記第1中間層を積層する第3工程と、
    前記第1中間層上に前記第1透明基板を積層して、第2中間体を得る第4工程と、
    前記第2中間体から前記基材及び前記剥離層を除去する第5工程と、
    前記蛍光体層上に前記励起光遮断層を積層する第6工程と、
    前記励起光遮断層上に前記第2中間体を積層する第7工程と、
    前記第2中間体上に前記第2透明基板を配置する第8工程と、
    を備える光学部材の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学部材と、
    前記光学部材に映像光を投射する映像源と、
    を備える表示装置。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の前記光学部材をウィンドウとして備える車両。
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