(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
図1は、第1実施形態のカメラシステム1の外観を示す図である。図2は、第1実施形態のカメラシステム1を図1とは反対側から見た図である。
図1及び図2に示すカメラシステム1は、カメラ10(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー400を備える。本実施形態のアクセサリー400は、発光機能を有し、被写体を照らすことができる外付けの(カメラ10に着脱可能な)照明装置である。カメラ10は、アクセサリー400と通信して、アクセサリー400を制御することができる。カメラシステム1は、例えば、アクセサリー400によって被写体を照らしながら、カメラ10によって被写体の像を撮像することができる。
図1に示すように、カメラ10は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ10は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー400を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切替えるスイッチである。
本実施形態において、図1等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
アクセサリー400は、アクセサリー本体410、コネクター420、及び発光部425を備える。発光部425は、それぞれ光を射出する射出面を備えた閃光発光部430及び照明光発光部435を備える。アクセサリー本体410は、照明光発光部435及び各種電気部品などを収容している。コネクター420は、アクセサリー本体410の下方に設けられている。コネクター420は、カメラボディ100のシュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー400は、コネクター420がシュー座15に装着されることによって、カメラボディ100に装着されてカメラボディ100に対して固定される。閃光発光部430は、アクセサリー本体410に対してコネクター420とは反対側(上方)に設けられている。閃光発光部430は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で且つ閃光発光部430の射出面がカメラボディ100の正面12側(+Y方向側)の方向を向いている場合には、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に閃光照明光(Xe管からの閃光発光)を発することができる。閃光発光部430はその射出面の向き(姿勢)を、アクセサリー本体410に対して変化(姿勢変化)できるように設けられている。例えば、閃光発光部430の射出面を、アクセサリー本体410の上方(+Z側)に向けて閃光照明光を発することもできる。一方、照明光発光部435は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で、カメラボディ100の正面12側(+Y側)に向けて(撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に)連続照明光(例えばLED照明光)を発することができる。
図2に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー400の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ10とアクセサリー400の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
図2に示すように、アクセサリー400は、第1パイロットランプ455(パイロットランプ)、第2パイロットランプ460(パイロットランプ)、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。第1パイロットランプ455は、図1に示した閃光発光部430の動作状態に応じて発光する。第2パイロットランプ460は、図1に示した照明光発光部435の動作状態に応じて発光する。第1操作部424は、アクセサリー400をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第1操作部424は取外し操作部材である)。第2操作部471は、アクセサリー400の機能全体のオン状態とオフ状態とを切替えるために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第2操作部471はON/OFF操作スイッチである)。
図3は、本実施形態のシュー座15の外観を示す図である。図4は、シュー座15を図3の上から(図3の天板部22から−Z軸方向に)、部分的に透過して見た平面図である。
シュー座15は、底板部21、天板部22、底板部21と天板部22との間に配置された側板部23、底板部21と天板部22との間に配置された開口24、及び底板部21に配置された端子部25を備える。
底板部21は、図1に示したカメラボディ100の頂面13に取付けられている。底板部21は、カメラボディ100の頂面13に取付けるのに用いられる取り付け孔26と、アクセサリー400を係止するのに用いられる係止孔27とを有する。底板部21は、取り付け孔26の内側に配置されるネジ等によって、カメラボディ100の頂面13に固定される。本実施形態において、+Z軸方向を「上方」ということがある。
天板部22は、上方(Z軸方向)から見た平面形状がほぼU字形状である。天板部22は、上方(Z軸方向)から見て側板部23よりも内側に張出している。側板部23は、開口24から所定の方向(Y軸方向)に延びる一対の内壁を有する。側板部23の一対の内壁は、内壁の延在方向(Y軸方向)に直交する方向(X軸方向)にて、互いに向かい合って配置されている。
開口24は、底板部21から天板部22へ向かう方向(Z軸方向)に対して交差する方向に向って、開いている。開口24は、側板部23の内壁の延在方向(Y軸方向)にほぼ平行な方向に向って、開いている。開口24は、コネクター420を挿入することができるように、寸法及び形状が設定されている。
端子部25は、図4において符号Tp1からTp12で示される複数(12個)の端子を有する。端子部25の複数の端子は、それぞれ、側板部23の内壁の延在方向(Y軸方向)にほぼ平行な方向に、延びている。端子部25の複数の端子は、側板部23の内壁の延在方向に対して直交する方向(X軸方向)に並んで配設されている。端子部25の端子は、上方から見て、天板部22に一部重なる(覆われる)領域に配置されている。
複数の端子のうちの少なくとも1つの端子は、他の端子とY軸方向の長さが異なっていてもよい。例えば、本実施形態において、符号Tp1からTp12で示される12個の端子は全て、+Y側の端部の位置が揃っている。その一方で符号Tp1からTp3で示す3つの端子の長さは、符号Tp4からTp12で示される端子よりも−Y軸方向に長い。すなわち、本実施形態において、符号Tp1からTp3で示す3つの端子は、他の端子よりも−Y側に突出している。後述するようにTp1からTp3はいわゆるグランド端子となっている。これらグランド端子を他端子よりも長い端子構成にした理由は後述する。
アクセサリー400は、シュー座15の開口24にコネクター420を挿入して所定の方向(+Y軸方向)にスライド移動させることによって、シュー座15に取付けられる(図1参照)。
図5は、本実施形態のコネクター420の外観を示す図である。コネクター420は、底部421と、底部421からコネクター420の外部に向って突出する可動部材(以下、係止爪422という)と、底部421に設けられた端子部423とを備える。
底部421は、コネクター420がシュー座15に取付けられた状態で、シュー座15の底板部21と接触する。係止爪422は、所定の方向に進退(移動)できるように、設けられている。本実施形態において、係止爪422が進退する所定の方向は、係止爪422が底部421から突出する方向(Z軸方向)である。係止爪422は、底部421から突出する位置と、アクセサリー400の内部に収容される位置との間で、移動可能である。係止爪422は、底部421からコネクター420の外部へ突出する側(−Z側)に押されるように、バネ等で付勢されている。係止爪422は、コネクター420がシュー座15に取付けられる際にコネクター420がスライド移動されるにつれて、シュー座15の底板部21に押されて(力を受けて)+Z側に退避した後に、係止孔27の形成位置で係止孔27内に進出する。これにより、コネクター420は、係止爪422がシュー座15の係止孔27の内周面と係止され、スライド方向(Y軸方向)においてシュー座15に対する移動が規制される。
コネクター420は、開口24に挿入された状態で、底板部21と天板部22との間に配置され、底板部21から天板部22に向う方向においてシュー座15に対する移動が規制される。コネクター420は、開口24に挿入された状態で、側板部23の一対の内壁の間に配置され、側板部23の一方の内壁から他方の内壁に向う方向(X軸方向)においてシュー座15に対する移動が規制される。
第1操作部424(図2参照)は、係止爪422を所定の方向に移動させるために、ユーザーによって操作可能な操作部材である。本実施形態の第1操作部424は、アクセサリー本体410の背面側に設けられている。第1操作部424は、ユーザーの操作により受ける力を係止爪422に伝えるリンク機構を備える。係止爪422は、第1操作部424のリンク機構から受ける力によって、所定の方向(図5の+Z軸方向)に移動する。つまり係止爪422は、図3に示した係止孔27に係止されている状態で第1操作部424が操作された場合に、係止孔27の内側から退避するように+Z側に移動する。これにより、アクセサリー400は、カメラボディ100に対する位置の規制が解除され、カメラボディ100から取り外すことが可能な状態になる。
端子部423は、符号Ts1からTs12で示される複数(12個)の端子を有する。端子部423が有する端子の数は、シュー座15の端子部25が有する端子の数と同じである。端子部423が有する複数の端子は、それぞれ、シュー座15の端子部25が有する複数の端子のいずれかと1対1で対応している。端子部423が有する複数の端子は、それぞれ、コネクター420がシュー座15に接続された状態で、シュー座15の端子部25が有する複数の端子のうちの対応関係にある端子と接触して電気的に接続される。
図6は、本実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、撮影レンズ200は、光学系210、光学系駆動部220、及び光学系制御部230を含む。被写体から撮影レンズ200へ入射した光は、光学系210を通ってカメラボディ100の撮像素子121の受光面へ入射する。
光学系210は、レンズや絞り等の複数の光学部品、及び複数の光学部品を収容するレンズ鏡筒等を備える。光学系210は、カメラボディ100の外部から入射した光を結像させることができる。
光学系駆動部220は、光学系210を駆動するアクチュエータ、光学系210における光学部品の位置を検出するエンコーダ、及び手振れ等による光学系210の移動(併進移動と回転移動の少なくとも一方)を検出するセンサーを備える。光学系駆動部220のアクチュエータは、例えば、フォーカシング制御用モータ、パワーズーム制御用モータ、絞り開口制御用モータ、手ブレ補正(Vibration Reduction;VR)制御用モータ、伸筒・縮筒制御用モータを含む。
光学系駆動部220は、光学系制御部230からの制御指令に従って光学系駆動部220のアクチュエータを動作させることによって、フォーカシング制御、ズーミング制御、露出制御、VR制御、及び撮影レンズ200の伸縮制御を行うことができる。フォーカシング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをフォーカシング制御用モータによって光軸方向に移動して、光学系210の焦点を調整する制御である。ズーミング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをパワーズーム制御用モータによって光軸方向に移動して、撮像画角を変更する制御である。露出制御は、光学系210を構成する絞りを絞り開口制御用モータにより駆動して、絞りの開口サイズを変化させることによって、光学系210を通って撮像素子121へ入射する光の光量等を調整する制御である。VR制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをVR制御用モータによって光軸と交差する方向に移動して、手ブレによる像揺れを補正する制御である。伸縮制御は、伸筒・縮筒制御用モータを駆動することによって、撮影レンズ200を光軸方向に伸筒又は縮筒させる制御である。
光学系駆動部220は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220を構成するアクチュエータ、エンコーダ、及びセンサーは、電池BATから供給される電力によって動作する。
光学系制御部230は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、カメラボディ100のカメラ制御部170(後述する)と通信することができる。光学系制御部230は、光学系駆動部220のエンコーダの検出結果を示す情報及びセンサーの検出結果を示す情報を、カメラ制御部170に供給することができる。光学系制御部230からカメラ制御部170に供給される情報は、撮影レンズ200の種類を示すレンズ種類情報、レンズ焦点距離情報、露出制御によって設定された絞り値、フォーカシング制御により設定された被写体焦点距離情報、消費電力情報等を含む。消費電力情報は、駆動状態に消費する消費電力を示し、レンズ種類情報や、駆動されている状態に応じて変化する情報である。
アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、及び不揮発性メモリー445を含む。照明光発光部435、アクセサリー制御部440、及び不揮発性メモリー445は、例えば、図1及び図2に示したアクセサリー本体410に収容されている。アクセサリー400の詳細については、後述する。
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー400等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
撮像処理部120は、撮像素子121、撮像素子制御回路122、及び画像回路123を備える。撮像素子121は、二次元的に配列された複数の画素を備える。撮像素子121の各画素は、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の受光素子を備える。撮像素子121の受光素子は、光学系210から各画素へ入射した光の光量に応じた電荷を発生する。撮像素子121は、各画素に入射した光により受光素子に発生した電荷を信号に変換する。撮像素子121は、光学系210を介して撮像素子121の受光面に形成された像(光学像)に応じたアナログの画像信号を生成する。撮像素子121は、撮像素子制御回路122と画像回路123のそれぞれに接続されている。画像回路123は、撮像素子121から出力された画像信号を増幅し、アナログの画像信号をデジタル信号に変換する。撮像素子制御回路122は、撮像素子121を制御して、撮像素子121に像に応じた画像信号を生成させることや、生成した画像信号を出力させること等ができる。
シャッター駆動部130は、カメラボディ100に収容されているシャッターの開閉を制御する。このシャッターは、光学系210を通って撮像素子121の受光面へ入射してくる光を、シャッターが閉じた状態で遮光する。なお、カメラボディ100に露出制御用のシャッター機構が搭載されていない場合には、このシャッター駆動部130も不要である。
表示部制御回路135は、例えば、表示部102の点灯や明るさ調整、消灯等の表示制御や、カメラ制御部170から出力される画像データを表示部102に表示させる処理を行う。
メモリー140は、例えば、メモリーカード等のようにカメラボディ100から抜き差し可能な記憶媒体である。メモリー140は、例えば、カメラ制御部170によって生成される画像データ等を記憶する。メモリー制御回路145は、カメラ制御部170とメモリー140との間の情報の入出力を制御する。メモリー制御回路145は、例えば、カメラ制御部170によって生成された画像データ等の情報をメモリー140に記憶させる処理や、メモリー140に記憶されている画像データ等の情報を読み出してカメラ制御部170に出力する処理等を行う。
入力部150は、ユーザーが操作することが可能な設定スイッチ104及びレリーズ釦16を備える。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を検出する。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をカメラ制御部170に出力する。
記憶部158は、不揮発性メモリー160及びバッファメモリー165を備える。不揮発性メモリー160は、カメラ制御部170を動作させるプログラムや、撮像により生成された画像データ、装置の状態を示す情報、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報、ユーザーから入力された各種設定や撮像条件等の情報を記憶する。装置の状態を示す情報は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATの電圧情報(電池残量)、撮影レンズ200の各アクチュエータの制御状態を示す情報等を含む。カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報は、シャッター駆動部130で消費される(動作に必要な)電力、撮影レンズ200のアクチュエータで消費される(動作に必要な)電力、アクセサリー400で消費される(動作に必要な)電力等を含む。バッファメモリー165は、カメラ制御部170の制御処理に用いられる一時的な情報の記憶部である。カメラ制御部170は、例えば、撮像素子121から出力される画像信号や、画像信号に応じて生成された画像データ、アクセサリー600が出力する第2GPS情報(後述する)等をバッファメモリー165に一時的に記憶させる。
カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されたプログラムに基づいてカメラボディ100の構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品とを備える。カメラ制御部170は、例えば、操作検出回路155がカメラ制御部170に出力した操作情報に応じて、カメラボディ100への電源の投入や、光学系駆動部220を介した光学系210の駆動制御、撮像素子制御回路122を介した撮像素子121の駆動制御、表示部制御回路135を介した表示部102の表示制御、画像回路123に出力された画像信号に対する処理の制御等を行う。
カメラ制御部170は、画像処理部171、表示制御部172、撮像制御部173、操作検出処理部174、電力制御部175、及び通信部176を含む。
画像処理部171は、画像回路123から出力された画像信号に基づいて、画像データを生成する画像処理を行う。画像処理部171は、画像処理により生成した画像データをバッファメモリー165に記憶させる。
表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、読み出した画像データを表示部102に繰り返し表示させる。また、表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、動画形式のデータ(動画データ)としてメモリー140に記録させる。また、表示制御部172は、後述する電力制御部175の判定結果に応じて、電池BATの充電残量を表示部102に表示させる。
操作検出処理部174は、操作検出回路155が出力した操作情報に基づいて操作検出回路155が検出したユーザーの操作を判定し、判定した情報をバッファメモリー165に記憶させる。操作検出処理部174は、ユーザーからの操作に応じた各種処理の制御指令を、操作に対応する処理を実行する構成要素(機能部)に出力する。操作検出処理部174は、例えば撮像処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、撮像処理の実行を要求する制御指令を撮像制御部173に出力する。また、操作検出処理部174は、例えばオートフォーカス(AF)処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、AF処理の実行を要求する制御指令を出力する。AF処理において、光学系制御部230は、操作検出処理部174が出力した制御指令に基づいて、光学系210を介して撮像素子121で検出された画像を利用した測距結果を参照しつつ、光学系駆動部220のフォーカシング制御用モータを制御して、例えばユーザーが指定した被写体にピントが合うように、光学系210の焦点を調整する。
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。また、撮像制御部173は、必要に応じて、アクセサリー400を制御して、撮影タイミングに同期させてアクセサリー400から光を照射させる。
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。また、電力制御部175は、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報を収集し、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を監視する。
通信部176は、カメラボディ100の内部の各負荷部を制御する負荷制御部と通信可能に接続される。カメラボディ100の内部の負荷部は、例えば表示部102等であり、負荷制御部は、例えば表示部制御回路135等である。また、通信部176は、カメラシステム1のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー400は、外部装置の1つであり、アクセサリー制御部440が通信部176と通信可能に接続される。
図7は、本実施形態のアクセサリー400の構成、及びアクセサリー400とカメラ10(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)との接続関係を示す図である。
まず、カメラ10について説明する。カメラ10は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、及びアクセサリー電源制御部33を備える。
負荷部30は、既述のシャッター駆動部130や表示部102等のようにカメラボディ100の負荷部と、光学系駆動部220や光学系制御部230等のようにカメラボディ100の外部の負荷部とを含む。負荷部30は、消費電力が大きい重負荷部と、重負荷部よりも相対的に消費電力が小さい軽負荷部とを含む。重負荷部は、例えば光学系駆動部220やカメラボディ100におけるシャッター駆動部130等のように、アクチュエータを有する負荷部を含む。軽負荷部は、光学系制御部230や画像処理部171、各制御回路、表示部等を含む。
電源スイッチ31は、電池BATから負荷部30の重負荷部への電力の供給を遮断するスイッチである。
電源部32は、電池BATから供給される電力に基づいて、電池BATの出力電圧を安定化して負荷部30の軽負荷部及びカメラ制御部170に供給する。電源部32は、電池BATの出力電圧を検出する電圧検出センサーと、電池BATの出力電圧を安定化する定電圧回路とを備える。
アクセサリー電源制御部33は、第1端子、第2端子、及び制御端子を備える。アクセサリー電源制御部33は、制御端子に入力される制御信号に応じて、第1端子と第2端子の間を導通状態にするか否かを切替えるスイッチである。本実施形態の説明において、スイッチが自身の端子間を導通状態にすることを「回路を閉路する」と呼び、スイッチが自身の端子間を非導通状態にすることを「回路を遮断する」と呼ぶ。
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー400の端子部423と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図4参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
図4及び図7に示すように、カメラボディ100の端子部25における各端子は、次のように割り付けられる。
端子部25において、11番目の端子(以下、電源端子Tp11という)と12番目の端子(以下、電源端子Tp12という)は、それぞれ、カメラボディ100内の電池BATからの電力PWRをアクセサリー400側に供給する端子である。
1番目の端子(以下、接地端子Tp1という)と、2番目の端子(以下、接地端子Tp2という)は、それぞれ、電源端子Tp11及び電源端子Tp12に対応する接地端子である。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電位が電力PWRの基準電位になる端子である。また接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電力PWRを利用するカメラボディ100内の回路(負荷部30の重負荷部)用の接地端子である。
3番目の端子(以下、基準電位端子Tp3という)と5番目の端子(以下、基準電位端子Tp5という)は、それぞれ、電位が基準電位SGND(シグナルグランド)になる端子である(即ち、信号の授受を行うための基準となる電位となる端子である)。また基準電位端子Tp3及び基準電位端子Tp5は、カメラボディ100内の回路(カメラ制御部170、電源部32、負荷部30の軽負荷部)用の接地端子である。
4番目の端子(以下、同期信号端子Tp4という)は、アクセサリー400側で生成する通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKがアクセサリー400から入力される端子である。
6番目の端子(以下、通信信号端子Tp6という)は、カメラ側データ(各種コマンドを含む)を含む通信信号DATAをアクセサリー400側に出力する端子でもあり、且つその逆に、アクセサリー400側の各種情報(アクセサリー400の固有情報や設定情報など)を含む通信信号DATAがアクセサリー400側から入力される端子でもある。
7番目の端子(以下、起動状態検出端子Tp7という)は、シュー座15に対してコネクター420が装着された状態であり且つアクセサリー起動状態を示す(換言すれば、アクセサリー400が起動して機能できる起動状態(機能可能状態)を示す)起動検出レベル(電気的なLレベル)DETをアクセサリー400側が提供しているか否かを、カメラ制御部170が検出するための端子である(詳細は図9A及び9Bにて後述する)。
8番目の端子(以下、発光制御信号端子Tp8という)は、アクセサリー400の閃光発光部430と照明光発光部435の少なくとも一方の発光を制御する発光制御(発光指令)信号Xをアクセサリー400に対して出力する端子である。発光制御(発光指令)信号Xは、ひらたく言えば、閃光発光部430または照明光発光部435に対して発光開始を指示する制御指令である。
9番目の端子(以下、通信制御信号端子Tp9という)は、カメラ10からアクセサリー400に対して通信を始める際に通信制御(通信開始)信号Csをカメラ10からアクセサリー400に対して出力する端子である。この通信制御信号Csは、前述の通信信号端子Tp6を介したカメラ10とアクセサリー400との間のDATA通信の通信開始タイミングを定める信号である。
10番目の端子(以下、オープン端子Tp10という)は、電力と信号の双方が供給されない端子であり、いわゆるオープン端子である。このオープン端子Tp10は、システムの将来的な機能拡張のために予備的に設けられている端子である。
また、上記の端子配列において、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、一方側(−X側)に偏らせて配置されている。換言すると、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の12個の端子配列において、一方の端部に寄せて(まとめて)並んで配置されている。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、他方側(+X側)に偏らせて、配置されている。換言すると、接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の12個の端子配列において、他方の端部(電源端子Tp11及び電源端子Tp12の配置側とは反対側の端部)に寄せて(まとめて)並んで配置されている。換言すれば、接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、通信系の端子Tp3〜Tp9よりも、電源端子Ts11、Ts12から離れた位置(相対的に遠い位置)に配置されている。また上述の通信系の端子Tp3〜Tp9は、換言すれば、電源端子Tp11及びTp12に対して、前記一方側(−X側)とは反対の他方側(+X側)に配置されている。
また、上記の端子配列において、端子部25の12個の端子のうちでアクセサリー400に制御信号を出力する端子(通信信号端子Tp6、発光制御信号端子Tp8、通信制御信号端子Tp9)、アクセサリー400から制御信号が入力される端子(同期信号端子Tp4)、及びアクセサリー400が機能可能な状態かを識別する端子(起動状態検出端子Tp7)はいずれも、電源端子Tp11と接地端子Tp2との間に配置されている。
オープン端子Tp10は、端子部25の12個の端子配列において、電源端子Tp11と通信制御信号端子Tp9との間に配置されている。オープン端子Tp10をこの位置に配置することによって、信号通信系で使用する端子(Tp4、Tp6、Tp8、Tp9)やアクセサリー400の起動状態を検出する起動状態検出端子Tp7を、電源端子Tp11、Tp12から離間させることができる。
また、上記の端子配列において、通信制御信号端子Tp9の、オープン端子Tp10とは反対側の隣には、発光制御信号端子Tp8が配置されている。この発光制御信号端子Tp8の、通信制御信号端子Tp9とは反対側の隣には起動状態検出端子Tp7が配置されている。
すなわち、発光制御信号端子Tp8は、起動状態検出端子Tp7と通信制御信号端子Tp9とに挟まれるように配置されている。
また、上記の端子配列において、起動状態検出端子Tp7の、発光制御信号端子Tp8とは反対側の隣には、通信信号端子Tp6が配置されている。すなわち、起動状態検出端子Tp7は、通信信号端子Tp6と発光制御信号端子Tp8とに挟まれるように、配置されている。
また、上記の端子配列において、通信信号端子Tp6の、起動状態検出端子Tp7とは反対側の隣には、基準電位端子Tp5が配置されている。すなわち、通信信号端子Tp6は、基準電位端子Tp5と起動状態検出端子Tp7とに挟まれるように、配置されている。
上記の端子配列において、基準電位端子Tp5の、通信信号端子Tp6とは反対側の隣には、同期信号端子Tp4が配置されている。この同期信号端子Tp4の、基準電位端子Tp5とは反対側の隣にはもう一つの基準電位端子Tp3が配置されている。すなわち、同期信号端子Tp4は、2つの基準電位端子(Tp3とTp5)の間に挟まれるように、配置されている。
そして基準電位端子Tp3の、同期信号端子Tp4とは反対側の隣には、接地端子Tp2が配置されている。すなわちGND関係の3つの端子(基準電位端子Tp3と2つの接地端子Tp1,Tp2)が端子配列の一方の端部近傍において偏って配置されている。
なお、端子部25の各端子に入力される信号、各端子が出力する信号の詳細については、後述する。
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部423を介して、アクセサリー400と通信してアクセサリー400を制御するための制御信号を、アクセサリー400に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー400に供給する制御信号は、アクセサリー400における発光部425の発光を制御する発光制御信号X、通信信号DATA、及びカメラ10とアクセサリー400との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
カメラ制御部170は、図6に示した不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶されている情報を読み出して、読み出した情報をアクセサリー制御部440へ送信する。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報を不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶させる。
不揮発性メモリー160に記憶されている情報は、カメラ10の初期状態を示すカメラ初期状態情報、及びカメラの設定状態を示すカメラ設定状態情報を含む。カメラ制御部170は、カメラ初期状態情報又はカメラ設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
カメラ初期状態情報は、カメラ10の種類を示す情報、カメラ10が有する機能の種類を示す情報、カメラ10が有する各機能の特性を示す情報等を含む。カメラ10が有する機能の種類を示す情報は、例えば、AE制御を行うか否かを示す情報、AWB制御を行うか否かを示す情報等である。カメラ設定状態情報は、カメラ10が有する各機能を機能させるか否かを示す設定情報、カメラ10の撮影モードを示す情報等である。撮影モードを示す情報は、例えば、カメラ10が動画として画像を撮像する撮影モードに設定されているか否かを示す情報、カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されている否かを示す情報等である。カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されていることを示す情報は、例えば、単写と連写のいずれを行うモードに設定されているか否かを示す情報である。単写を行うモードは、例えば、レリーズ釦16が押下されるたびに1枚の画像を撮像する撮影モードである。連写を行うモードは、レリーズ釦16が押下されている間に、複数の画像を撮像する撮影モードである。
次に、図7を参照してカメラ10における各構成要素の接続関係について説明する。以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。
電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp3とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ10のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー400の装着前及びアクセサリー400との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。これについては図9A及び9Bを参照して後述する。
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
次に、図7を参照して、アクセサリー400側の構成について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、カメラ10から供給される電力PWRによって動作する。アクセサリー400は、アクセサリー400において消費される電力を供給する電源がアクセサリー400側に搭載されていない場合に、カメラ10から供給される電力PWRによってアクセサリー400の各構成要素を機能させることができる。
アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、不揮発性メモリー445、第1電源部(電源部1)450−1、第2電源部(電源部2)450−2、第2パイロットランプ460、第1パイロットランプ455、第1スイッチ部465、及び第2スイッチ部470を備える。本アクセサリー400は、電池を内蔵できないものとする。
閃光発光部430は、閃光光源431及び充電部432を備える。閃光光源431は、キセノン管など周知の閃光照明光源を備える。
充電部432は、カメラボディ100から供給された電圧を昇圧する昇圧回路部(昇圧部とも称す)と、その昇圧回路部で昇圧された電圧に基づいて閃光光源431を発光させるのに必要な電力を蓄積可能な蓄積回路部(蓄積部/コンデンサ/又はキャパシタ)とを備える。充電部432は、蓄積部(蓄積回路部)に蓄積された電力を閃光光源431に供給することによって、閃光光源431を発光させる。
充電部432は、アクセサリー制御部440から供給される信号に従って、充電部432の蓄積部への充電を開始又は停止する。充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中に蓄積部の電極間の電圧(充電電圧)を検出することによって、蓄積部が蓄積している充電量(蓄電量、電荷量)を検出することができる。充電部432は、検出した蓄積部の充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。
なお、充電部432は、周知の発光制御回路(例えば周知のIGBTのように発光の開始・停止を制御する回路)を備えており、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、閃光光源431を撮影タイミングに同期させて発光させること、及び閃光光源431の発光量を制御することができる。
照明光発光部435は、照明光光源駆動部436及び照明光光源437を備える。本実施形態の照明光光源437は、連続照明光を発光可能な発光ダイオード(LED)等の固体光源を備える。照明光光源駆動部436は、照明光光源437に電流を供給することによって、照明光光源437を発光させる。もちろん照明光光源437は、照明光光源駆動部436によって間欠的に電流が供給されることにより、連続照明光ばかりでなく照明光を間欠的に発光することも可能である。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440の制御により、照明光光源437を撮影タイミングに同期させて発光させる。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、照明光光源437を発光させる時間(点灯時間)を制御する。
なお、不図示ではあるが、アクセサリー400は、閃光発光部430の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第1導通スイッチと、照明光発光部435の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第2導通スイッチとを備えている。これら第1、第2導通スイッチは、アクセサリー制御部440によって制御される。よって、カメラシステム1が発光部425を機能させて撮像を行う場合において、アクセサリー400は、アクセサリー制御部440の第1、第2導通スイッチ及び閃光発光部430並びに照明光発光部435への制御によって、閃光発光部430又は照明光発光部435から択一的に、あるいは両発光部から光を発することができる。
本実施形態において、閃光発光部430の最大の発光量は、照明光発光部435の最大の発光量よりも多い。閃光発光部430は、例えば静止画の撮像時に点灯され、照明光発光部435の点灯時よりも被写体を明るく照らすことができる。本実施形態において、照明光発光部435の最長の点灯時間(最長点灯時間)は、閃光発光部430の最長の点灯時間よりも長い。照明光発光部435は、例えば動画の撮像時に点灯され、閃光発光部430の点灯時間よりも被写体を長時間にわたって照らすことができる。
本実施形態において、閃光発光部430が発する光を閃光と称し、閃光発光部430が閃光を発する機能を閃光発光機能と称すことがある。また、照明光発光部435が発する光を照明光と称し、照明光発光部435が照明光を発する機能を照明発光機能と称すことがある。
本実施形態において、第1パイロットランプ455(PL2)及び第2パイロットランプ460(PL1)は、それぞれ、LED等の固体光源を備える。第1パイロットランプ455は、アクセサリー制御部440の制御によって、閃光発光部430の状態に応じて点灯する。例えば、閃光発光部430を発光可能な状態(電荷蓄積部への充電が完了した状態)にある場合に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を点灯する。また閃光発光部430を発光できない状態にある場合(電荷蓄積部の充電量が不十分な場合)に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を消灯する。
第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、アクセサリー制御部440によって、照明光発光部435が点灯可能な状態(上述の第2導通スイッチがON状態)にあるか否かに応じて点灯又は消灯する。
本実施形態において、第1スイッチ部465(MSW)は、既述した係止爪422(図4参照)に機械的に連動している。第1スイッチ部465は、係止爪422が所定の方向(Z軸方向)に移動することによって、回路を閉路又は遮断する。第1スイッチ部465は、係止爪422の先端がコネクター420の底部421から予め設定される所定の距離以上に突出している場合に、回路を閉路する。すなわち、第1スイッチ部465は、アクセサリー400がカメラ10への装着が完了された場合に、回路を閉路する。その一方で第1スイッチ部465は、係止爪422がコネクター420の底部421に向って、予め設定される所定の移動量以上押込まれた場合に、回路を遮断する。
本実施形態において、第2スイッチ部470(PCSW)は、既述した第2操作部471(図2参照)に機械的に連動している。第2スイッチ部470は、第2操作部471が操作されることによって、回路を閉路又は遮断する。
第1電源部(電源部1)450−1は、カメラ10から供給された電力の電圧を安定化(定電圧制御)する定電圧回路を備える。第1電源部450−1は、定電圧回路によって電圧が安定化された電力を、第2電源部(電源部2)450−2及び照明光発光部435へ供給することができる。第1電源部450−1は、基準電位線480(SGND)に接続されている。第2電源部450−2は、第1電源部450−1から供給された電力から、アクセサリー制御部440用の電力を生成する。第2電源部450−2も、基準電位線480(SGND)に接続されている。
記憶部444は、不揮発性メモリー445を備える。不揮発性メモリー445は、アクセサリー400に電力が供給されない状態でも情報を保持しておくことができる。不揮発性メモリー445は、記憶しているデータを書き換え可能なメモリーと、記憶しているデータを書き換え不能なメモリー(例えばROM)の少なくとも一方を含む。不揮発性メモリー445は、アクセサリー制御部440を動作させるプログラムや、アクセサリー400の状態(初期状態及び、アクセサリー制御部440内のメモリーに現在設定されている様々なアクセサリーの設定状態)を示す情報、カメラ10から取得したカメラの状態(初期状態及び設定状態)を示す情報等の情報を記憶する。
アクセサリー制御部440は、不揮発性メモリー445に記憶されたプログラムに基づいてアクセサリー400の構成要素の動作を制御するCPUと、ASIC等の電子部品とを備える。アクセサリー制御部440は、端子部423及び端子部25を介して、カメラ制御部170と通信する。アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されているアクセサリー初期状態情報又はアクセサリー設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、カメラ制御部170へ送ることができる。また、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した情報を、記憶部444に記憶させる。
アクセサリー初期状態情報は、アクセサリー400の種類を示すアクセサリー種類情報を含む。アクセサリー種類情報は、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを示す電池有無情報、アクセサリー400が有する各機能の種類を示す機能種類情報、及びアクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報を含む。機能種類情報は、閃光発光機能の有無を示す情報、照明発光機能の有無を示す情報、及び拡張機能の有無を示す情報を含む。拡張機能は、閃光発光機能と照明発光機能のいずれにも該当しない他の機能であり、例えば多灯コマンダ機能、GPS(Global Positioning System)機能、カメラボディ100以外の装置との通信機能等である。閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。
アクセサリー設定状態情報は、閃光発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報、及び照明発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報を含む。
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された制御信号に基づいて、アクセサリー400の構成要素を制御する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された発光制御信号Xに従って、閃光発光部430又は照明光発光部435を発光させる発光制御を行う。閃光発光部430を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、閃光光源431がカメラ側の撮影タイミングと同期して発光するように、充電部432を制御する。照明光発光部435を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、照明光光源437が撮影タイミングと同期して発光するように、照明光光源駆動部436を制御する。
ここで、図8を参照して、アクセサリー制御部440による充電部432の制御方法について詳述する。
図8は、充電制御において各処理を行うタイミングを示す図である。本実施形態のアクセサリー400は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電するための電源(電池)を具備(内蔵)しておらず、カメラ10から供給される電力により充電を行う。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から、蓄積部(電荷蓄積部)への充電開始を指示する指令(以下、「充電指令」という)を受信すると、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)への充電を開始させる。
ここで、充電部432がアクセサリー制御部440の制御の下で行う充電動作には、大別して2種類ある。一つは「モニタ充電動作」と呼ばれるものである。充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電中に蓄積部における充電量(充電電圧)を検出できるように構成されている。しかしながら充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)への上記充電中を除くと、所望時点での蓄積部の充電量を検出できない。そこで、アクセサリー制御部440は、蓄積部の所望時点での充電量を検出するための特別な充電動作として、「モニタ充電動作」を行わせるようになっている。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間経過後にモニタ充電を停止する。このモニタ充電による充電時間は、ほんの僅か(例えば10ms程度)である。
もう一つの充電動作は、閃光光源431を発光させるのに必要な充電量を確保するために行われる本充電動作(以下、「本充電」という)である。通常、本充電動作の充電時間は、前述のモニタ充電動作の充電時間よりもはるかに長い。換言すると、通常、本充電動作時に蓄積部(電荷蓄積部)に蓄積される充電量はモニタ充電動作時に充電される量よりもはるかに多い。この本充電中において、充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量(充電電圧)を検出し、その充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。アクセサリー制御部440は、充電量が図8に示す所定量(後述する充電停止レベル)に達してなければ、その所定量(充電停止レベル)に達するまで充電動作を継続するよう充電部432を制御する。このアクセサリー制御部440による充電動作は、その充電動作を強制的に停止せしめる充電停止指令がカメラ制御部170からアクセサリー制御部440に対して送信されない限り、充電量が所定量(充電停止レベル)に達するまで継続される。
ところで、本実施形態において、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から上述の「充電指令」を受信していない状態では、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電動作(上述のモニタ充電動作及び本充電動作)を開始させないように構成されている。そのためアクセサリー制御部440は、カメラ制御部170に対して、「充電指令」を送信するよう要求(以下、「充電要求」という)を出す。この充電要求には上述のモニタ充電の指令をカメラ10に要求する場合の「モニタ充電要求」と、上述の本充電の指令をカメラ10に要求する場合の本充電要求とがある(本実施形態ではこれら2種類の充電要求を総称して「充電要求」と呼ぶ)。「モニタ充電要求」は、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で行われる初期通信シーケンス(詳細は後述)や、両者間で定期的(周期的に)に行われる定常通信シーケンス(詳細は後述)の中で、アクセサリー制御部440からカメラ制御部170に対して送信される。一方「本充電要求」は上述したモニタ充電の結果、充電量が図8に示す「充電要求レベル」を下回った場合や、発光動作の直後に行われた定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から出力される。
アクセサリー制御部440は、アクセサリー400側からの各「充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される各「充電指令」を受信することによって、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電することが可能になる。
ここで、図8を参照しつつ一般的な充電シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、充電部432が充電動作中でない場合(初期通信シーケンス時や定常通信シーケンス時)に、「モニタ充電要求」をカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力された「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を開始させる(図8中の時刻t1)。アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量(以下、「モニタ充電量」という)を示す情報を、充電部432から取得する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間(例えば10ms)経過後にモニタ充電を停止する。
アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電部432の充電状態に関する判定を行う。アクセサリー制御部440は、充電量が閃光光源431を発光させるのに最低限度必要な充電量(図8中の「発光許可レベル」)以上であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル以上であると判定した場合に、閃光発光部430が発光可能な状態(以下、「レディ状態」という)であると判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル未満であると判定した場合に、閃光発光部430が発光不能な状態であると判定する。アクセサリー制御部440は、閃光発光部430が「レディ状態」であるか否かを示す発光可否情報を、充電部432の充電状態を示す「充電状態情報」(詳細は後述)の1項目として、不揮発性メモリー445に記憶させる。
また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電量が予め定められている閾値(図8中の「充電要求レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電要求レベル」は、「発光許可レベル」よりも高いレベルに設定される。
アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、本充電を開始する指令(以下、本充電指令という)をカメラ10から送信してもらうために、カメラ制御部170に対して本充電要求を出力する。アクセサリー制御部440は、本充電要求に基づくカメラ制御部170からの本充電指令に応じて、本充電を開始させる(図8中の時刻t2)。なお、閃光発光機能を停止するように設定されている場合には、アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベルよりも少ないと判定した場合であっても本充電要求をカメラ制御部170に出力しない。
また、アクセサリー制御部440は、本充電中に充電部432が検出した本充電量を示す情報に基づいて、本充電量が予め設定された閾値(図8中の「充電停止レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電停止レベル」は、蓄積部(電荷蓄積部)に蓄積可能な蓄電量の最大値に応じて予め設定されているものであり、前述の「充電要求レベル」よりも高いレベルに設定されている。アクセサリー制御部440は、本充電量が充電完了レベル以上であると判定した場合に、カメラ制御部170の制御によらずに、充電部432を制御して蓄積部(電荷蓄積部)の本充電を停止する(図8中の時刻t3)。
なお、アクセサリー制御部440は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電の停止を要求する指令(以下、「充電停止指令」という)をカメラ制御部170から受けた場合には、その「充電停止指令」に従って、本充電量がたとえ充電停止レベル未満であったとして、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)の充電を停止させる。
このように本実施形態のアクセサリー400及びカメラ10のカメラシステムでは、アクセサリー400側からの「充電要求」に応じてカメラ10が充電指令を出力し、その指令を受けることによってアクセサリー400側はカメラ10から受ける電力を用いて充電を行うようになっている。このようにアクセサリー400側で充電を行うときには、必ず、カメラ10側に許可(充電の制御指令)を得るように伺い(充電許可)を出すシステム構成にしている。このため例えば、カメラ10側で重負荷動作(例えばレンズ駆動動作など)を行っているときに、アクセサリー400側が勝手に本充電動作を行ってしまって、システム全体として過大な電力消費を招いてしまうことにより、カメラ10側の動作に不都合(カメラ側の動作停止など)を招く虞を抑制することができる。またカメラ10側(カメラ制御部170)は、アクセサリー400側の蓄積部の蓄積電荷量をチェックする処理をせずとも、アクセサリー400側からの充電要求を待っていればよいので、カメラ制御部170の処理負担を減らすことができる。またアクセサリー400側(アクセサリー制御部440)においても、カメラ10側が充電できる状態か否か(重負荷動作中か否か)をチェックすることなく、蓄積部の蓄積電荷量の残量のみに応じて「充電要求」を出すだけでよいので(充電実行タイミングはカメラ10側で判断してくれるので)、カメラ10側での負荷状況をチェックしながら充電要求を出す必要がなく、その点でアクセサリー制御部440の処理負担を軽減することができる。
ところで、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、充電の停止後(図8中の時刻t3以降)に、リーク等によって時間経過とともに減少していく。アクセサリー制御部440は、充電を停止させた後に、「モニタ充電要求」を周期的にカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、その周期的な「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から周期的に出力される「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を周期的に行わせる。
また、アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量を示す情報に基づいて、モニタ充電量が充電要求レベル未満であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る(図8中の時刻t4)。そしてアクセサリー制御部440は、その「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t5)。
また、閃光発光部430が発光(図8中の時刻t6)した場合に、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、発光許可レベル未満に減少する場合がある。そこで、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る。
そしてアクセサリー制御部440は、その発光後の「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t7)。
なお、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後やアクセサリー400の起動後等のように、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル未満である場合に、カメラ制御部170の制御により充電部432に第1充電速度で充電動作を行わせる(図8中の時刻t7から時刻t8)。また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル以上になった場合(図8中のt8)には、(カメラ制御部170の制御により)充電部432に第2充電速度で充電を行わせる(図8中の時刻t8以降)。この第2充電速度は、前述の第1充電速度よりも遅い充電速度に予め設定されている。本実施形態において、第1充電速度で行われる本充電動作を「通常充電」と呼び、第2充電速度で行われる本充電動作を「スロー充電」と呼ぶことがある。
また、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す「充電状態情報」をカメラ制御部170に送る。充電状態情報は、記憶部444に記憶されるアクセサリー設定状態情報の一部である。
ここで、充電状態情報について説明する。充電状態情報には、「充電要求」があるか否かを示す「充電要求情報」、充電部432がその時点(現在)で充電中であるか否かを示す「充電経過情報」、充電部432が充電可能であるか否かを示す「充電可否情報」、及び閃光発光部430が発光可能な状態(既述のレディ状態)であるか否かを示す「発光可否情報」を含む。
ここで、上記「充電可否情報」について説明する。カメラ10から充電指令を受けていても、アクセサリー400側の状態によっては充電動作を行えない場合がある。例えばアクセサリー400側の閃光発光部430の発光による発熱によって閃光発光部430の温度が上昇すると、それ以上の発光動作による温度上昇を抑制するために、アクセサリー制御部440が充電動作を禁止させる場合がある。或いは充電部432内の昇圧回路などの回路部が発熱して規定の温度を超えると、アクセサリー制御部440が充電動作を禁止させる場合がある。あるいは充電部432による充電動作が規定時間内に終了できずに充電処理がタイムアウトすると、アクセサリー制御部440は充電部432に何らかの不具合が生じていると判断して充電動作を禁止させる場合がある。このようにアクセサリー制御部440が充電動作の禁止を判断している場合には「充電不可(禁止)」を示す情報を「充電可否情報」として、一方、充電動作を禁じていない場合は「充電可」を示す情報を「充電可否情報」として、アクセサリー制御部440はカメラ制御部170に送信する。なお、充電要求情報、充電経過情報、発光可否情報については、既述した通りである。
次に、アクセサリー400の端子部423について説明する。図5及び図7に示したように、端子部423は、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合に、カメラ10の端子部25と電気的に接続される。端子部423は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
なお、これら複数の端子Ts1〜Ts12は、それぞれ、カメラに装着される方向とほぼ平行な方向(+Y方向)に延びた線形状(ライン形状)の部分を含む(図5参照)。そして、これらライン形状の先端部近傍(+Y方向側)に形成された接触部(図9Bにおいて端子Tp7と接触している部分)おいて、カメラ側の対応する各端子(Tp1〜Tp12)に物理的に接触して且つ電気的接続するように形成されている(図9Bに示した端子Ts7と端子Tp7間の接触構造を参照)。これらの端子Ts1〜Ts12は、それぞれ、先端部近傍に形成された接触部が、図中の−Z方向(カメラ側の対応する各接点に対して押し付けられる方向)に付勢される板バネ構造となっている。
端子部423における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部423の各端子Ts1〜Ts12は、図3,4にて既述したカメラ10側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部423の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
端子部423において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ10から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ10に対して出力する端子である。
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ10側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ10に対して出力したりする端子である。
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ10に提供する端子である。
発光制御信号端子Ts8は、既述の発光制御信号(発光指令信号)Xがカメラ10から入力される端子である。
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ10から入力される端子である。
また、電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
これら12個の端子Ts1〜Ts12についての各端子の配列については、既述した端子部25の各端子Tp1〜Tp12にそれぞれ呼応するものであり、簡略的に説明する。
電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、端子部423の端子配列において、一方の端部に寄せて配置されている。接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、端子部423の端子配列において、他方の端部(電源端子Ts11及び電源端子Ts12の配置側とは反対側の端部)に寄せて配置されている。換言すれば、接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、通信系の端子Ts3〜Ts9(上述の各種信号を入力する信号入力端子Ts6、Ts8、及びTs9を含む)よりも、電源端子Ts11、Ts12から離れた位置(相対的に遠い位置)に配置されている。
オープン端子Ts10は、端子部423の端子配列において、電源端子Ts11と、通信制御信号端子Ts9との間に配置されている。
発光制御信号端子Ts8は、起動状態提供端子Ts7の隣に配置されており、且つ起動状態提供端子Ts7と通信制御信号端子Ts9との間に挟まれるように配置されている。
通信信号端子Ts6は、起動状態提供端子Ts7の隣に配置されている。よって起動状態提供端子Ts7は、通信信号端子Ts6と発光制御信号端子Ts8とに挟まれるように、配置されている。
基準電位端子Ts5は、通信信号端子Ts6の隣に配置されている。よって通信信号端子Ts6は、基準電位端子Ts5と起動状態提供端子Ts7とに挟まれるように配置されている。
同期信号端子Ts4は、基準電位端子Ts5の隣に配置されている。また、基準電位端子Ts3は、同期信号端子Ts4の隣に配置されている。よって同期信号端子Ts4は、基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5とに挟まれるように配置されている。基準電位端子Ts3の、同期信号端子Ts4とは反対側の隣には接地端子Ts2が配置されている。既述のように電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、端子部423の端子配列において一方の端部に寄せて配置されており、上述の通信系の端子Ts3〜Ts9(上述の各種信号を入力する信号入力端子Ts6、Ts8、及びTs9を含む)は、換言すれば、電源端子Ts11及びTs12に対して、前記一方側とは反対の他方側に配置されている。
次に、図7を参照して、アクセサリー400における各構成要素の接続関係について説明する。
接地端子Ts1と接地端子Ts2は、図7に示す接続パターンを介して接続されている。これら接地端子Ts1と接地端子Ts2は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、カメラ10側の端子Tp1,Tp2を介して、カメラ10側の接地線43に接続される。この接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、アクセサリー400側の、電力PWRを利用する回路(充電部432)用の接地端子であり、アクセサリー400側において、供給される電圧の基準電位となる端子であり、また充電電圧の基準電位となる端子である。
電源端子Ts11は、電源線481に接続されている。電源端子Ts12は、電源端子Ts11と並列に、電源線481に接続されている。この電源線481は、2つの電源端子(電源端子Ts11及びTs12)を介してカメラ10から供給された大電流を流せるよう、回路基板上において比較的太い配線パターン(Ts11に直接接続している配線パターンの線幅と、Ts12に直接接続している配線パターンの線幅とを足し合わせた線幅以上の線幅を持つ配線パターン)にする。なお、カメラ10側のアクセサリー電源制御部33に接続している配線パターンも、アクセサリー400側と同様に、比較的太い配線パターンにする。
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、図7に示すように接続用ラインを介して接続されている。そしてこれら基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、基準電位線480(SGND)に並列に接続されている。この基準電位線480は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、基準電位端子Ts3及びTs5と、カメラ10側の端子Tp3及びTp5とを介して、カメラ10側の接地線(SGND)42に接続される。
この基準電位端子Ts3、基準電位端子Ts5は、アクセサリー400内の各回路(MSW465、PCSW470、不揮発性メモリー445、第1電源部450−1、第2電源部450−2、アクセサリー制御部440、照明光発光部435)において、信号の授受を行うための基準電位となる端子である。
なお、この基準電位線480(SGND)に対しては、接地端子Ts1と接地端子Ts2も、接続ライン490を介して並列に接続されている。ただし接地端子Ts1と接地端子Ts2に接続している接続ライン(接続ライン490と接続しているライン)は、接続ライン490及び基準電位端子Ts3,Ts5に接続しているラインよりも抵抗(インピーダンス)が低いラインになっている。このため充電部432を流れた大電流はSGNDライン(基準電位端子Ts3,Ts5)には流れないようになっている。
なお、基準電位線480を流れる電流は、接続ライン490を介して接地端子Ts1,Ts2に流れるようになっており、接地端子Ts1,Ts2はアクセサリー400内の上記各回路に供給される電圧の基準となり得る。また、本実施形態のアクセサリー400のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
起動状態提供端子Ts7は、信号線を介して、第1スイッチ部465におけるスイッチ466(図9Bに示す)の第1端子に接続されている。第1スイッチ部465におけるスイッチ466の第2端子は、第2スイッチ部470におけるスイッチ472(図9Bに示す)第1端子に接続されている。第2スイッチ部470におけるスイッチ472の第2端子は、基準電位線480に接続されている。このように、第2スイッチ部470は、起動状態提供端子Ts7に接続された信号線に対して、第1スイッチ部465と直列に接続されている。
同期信号端子Ts4は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は第2電源部450−2の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
通信制御信号端子Ts9は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信制御信号端子Ts9に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は第2電源部450−2の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
発光制御信号端子Ts8は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。発光制御信号端子Ts8に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は第2電源部450−2の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
オープン端子Ts10は、電源系統と信号系統のいずれにも接続されていない所謂オープン端子である。オープン端子Ts10は、アクセサリー制御部440、電源線481、及び基準電位線480等の回路と絶縁されている。
閃光発光部430の閃光光源431における主放電用の第1の電極は充電部432に接続されている。主放電用の第2の電極は電源線481に接続されている。充電部432の電源端子は、電源線481に接続されている。充電部432の接地端子は、接地端子Ts1に接続する接地線に接続されている。
照明光光源駆動部436の電源端子は、第1電源部450−1に接続されている。照明光光源駆動部436の接地端子は、基準電位線480に接続されている。照明光光源駆動部436の制御端子は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
照明光光源437は、固体光源のアノードが照明光光源駆動部436に接続され、固体光源のカソードが、基準電位線480に接続されている。
第1パイロットランプ455及び第2パイロットランプ460は、それぞれ、一端が第2電源部(電源部2)450−2の出力側に電気的に接続されている。第1パイロットランプ(PL2)455の他端は、信号線を介してアクセサリー制御部440に接続されている。第2パイロットランプ(PL1)460の他端は、第1パイロットランプ455とは異なる信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
第1電源部(電源部1)450−1の入力端子は、電源線481に接続されている。第1電源部450−1の接地端子は、基準電位線480に接続されている。第1電源部450−1の出力端子は、第2電源部(電源部2)450−2の入力端子と、照明光光源駆動部436とに接続されている。第2電源部450−2の出力端子は、アクセサリー制御部440の電源端子に接続されている。第2電源部450−2の接地端子は、基準電位線480に接続されている。
次に、カメラ10とアクセサリー400との接続関係について説明する。アクセサリー400がカメラ10に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ10の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ10の接地端子Tp2に接続される。そしてこれらアクセサリー400側の接地端子Ts1,Ts2に接続している箇所(充電部432の接地端子)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源線481に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、電源線481を介してアクセサリー400内の各回路や電気部品に供給することができる。
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
図4に示したように、接地端子Tp1と接地端子Tp2と基準電位端子Tp3は、スライド移動方向(+Y軸方向)の寸法が他の端子よりも長い。そのため、本実施形態においてカメラ10にアクセサリー400を装着する際に、接地端子Tp1と接地端子Tp2と基準電位端子Tp3の3つの端子は、他の端子よりも先にアクセサリー400の端子部423の対応する各端子(接地端子Ts1、接地端子Ts2、基準電位端子Ts3)と接触する。
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラ10に装着された状態であって、かつ第2スイッチ部470が回路を閉路している状態(オン状態)において、基準電位線480を介して、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、第2スイッチ部470がオン状態で且つカメラ10に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、第2スイッチ部470がオフ状態で且つカメラ10に装着されている状態と、アクセサリー400がカメラ10に装着されていない状態とのいずれかの状態を含む。
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ10の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。また、カメラ制御部170は、アクセサリー400に下記のモニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
なお、モニタ発光は、本撮像に用いる本発光よりも前に行われる発光である。モニタ発光による撮像(モニタ撮像)の結果は、オートホワイトバランス(AWB)制御等のようなホワイトバランスの調整と、オート露光(AE)制御等のような露光制御の少なくとも一方に用いられる。
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ10の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ10側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー400に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ10に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー400側から出力されるデータとしては、アクセサリー400に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とアクセサリー制御部440が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー400側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からアクセサリー制御部440へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、アクセサリー制御部440に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をアクセサリー制御部440へ送信する。
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をアクセサリー制御部440からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、アクセサリー制御部440へ送信することができる。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ10の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。
そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、アクセサリー制御部440へ通信制御信号Csを供給することができる。
なお、アクセサリー400側から上述の「充電要求」などの情報をカメラ10側に送信したい場合には、アクセサリー制御部440は、上記の通信制御信号端子Ts9でカメラ10側から受信した通信制御信号Csをきっかけとして開始される定常通信シーケンス(後述)において、カメラ制御部170に情報を送信する。
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ10とアクセサリー400との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー400側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
発光制御信号端子Ts8は、装着状態において、カメラ10の発光制御信号端子Tp8に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、発光制御信号端子Tp8及び発光制御信号端子Ts8を介して、カメラ制御部170に接続される。
そのため、カメラ制御部170は、撮影タイミングと同期してアクセサリー400に発光(本発光)を実行させる発光制御信号Xを、発光制御信号端子Ts8及び発光制御信号端子Tp8を介して、アクセサリー制御部440へ供給することができる。アクセサリー制御部440は、発光制御信号Xに従って、発光制御を行う。
充電部432は、電源線481を介して供給される電力の電圧を昇圧する昇圧回路と、その昇圧回路で昇圧された電圧により充電される蓄積部(電荷蓄積部)とを備える。また、充電部432は、第1信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
アクセサリー制御部440は、第1信号線を介して、充電部432を制御する信号を充電部432に供給することができる。充電部432は、第2信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。充電部432は、充電部432の充電量を示す情報を、第2信号線を介してアクセサリー制御部440に供給することができる。
アクセサリー制御部440は、照明光光源駆動部436を制御する信号を、信号線を介して照明光光源駆動部436へ供給する。そのため、照明光光源437は、電源線481及び照明光光源駆動部436を介して供給される電力によって、発光することができる。
第1パイロットランプ455及び第2パイロットランプ460は、それぞれ、アクセサリー制御部440から信号線を介して供給される制御信号によって、点灯状態が制御される。第1パイロットランプ455は、例えば、閃光発光部430の発光がアクセサリー制御部440に許可されている状態で、点灯する。第1パイロットランプ455は、例えば閃光発光部430を発光させることができない状態で、消灯する。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、アクセサリー制御部440の制御によって、照明光発光部435の状態に応じて点灯又は消灯する。
第1電源部450−1は、電源線481から供給される電力に基づいて、第1電源部450−1の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。第2電源部450−2は第1電源部450−1から供給される電力に基づいて、第2電源部450−2の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。
次に、レベル切替部475について説明する。
図9Aおよび9Bは、起動状態検出端子Tp7とカメラ制御部170との接続関係を模式的に示す図である。図9Aには、起動状態検出端子Tp7とカメラ制御部170との接続関係が、シュー座15の断面図と関連付けて図示されている。図9Bには、レベル切替部475の構成及び接続関係が、コネクター420の断面図と関連付けて図示されている。
図9Aに示すように、カメラ制御部170に接続された起動状態検出端子Tp7には、プルアップ抵抗482を介して電圧が印加されている。起動状態検出端子Tp7がアクセサリー400の起動状態提供端子Ts7に接続されていない状態で、起動状態検出端子Tp7の電位すなわち起動検出レベルDETは、H(ハイ)レベルになっている。Hレベルは、例えば、接地線42の基準電位SGNDよりも高電位に設定される。
本実施形態のアクセサリー400は、レベル切替部475を備える。図9Bに示すように、レベル切替部475は、第1スイッチ部465、第2スイッチ部470、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。
第1スイッチ部465は、カメラボディ100とアクセサリー400との着脱に応じてその状態を切替える。第1スイッチ部465は、可動部材(係止爪422)、及び係止爪422の移動に連動するスイッチ466(電気スイッチ)を備える。係止爪422は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着される際にカメラボディ100から受ける力によって所定の方向(Z軸方向の+Z側)に移動する。スイッチ466は、係止爪422の移動に連動して、回路を閉路又は遮断する。コネクター420がシュー座15の所定の位置まで挿入されると、コネクター420の係止爪422がシュー座15の係止孔27内部に突出し、それにより第1スイッチ部465のスイッチ466が図9Bの回路を閉路する。また、係止爪422は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着されている場合に、カメラボディ100に係止されることによって、カメラボディ100に対するアクセサリー400の移動を規制する。
また、第1スイッチ部465は、第1操作部424に対して取外し操作(コネクター420をシュー座15から取り外すための操作)がなされると、その操作により係止爪422がZ軸方向に移動して係止孔27の内部からアクセサリー本体410側に向って押込まれ、それによりスイッチ466が図9Bの回路を遮断する(回路をオープンにする)。
第2スイッチ部470は、ユーザーに操作されることによって起動検出レベルDETのレベルを切替える。第2スイッチ部470は、第2操作部471、及びスイッチ472(電気スイッチ)を備える。
第2スイッチ部470は、ユーザーが第2操作部471に対して機能オン操作または機能オフ操作することに応じて、第2操作部471の移動に連動するスイッチ472によって図9Bの回路を閉路(クローズ)又は遮断(オープン)する(機能オン操作でクローズ、機能オフ操作でオープン)。
第1操作部424は、係止爪422を所定の方向に移動させるために、ユーザーによって操作される。第1操作部424は、ユーザーの操作により受ける力を係止爪422に伝えることによって、係止爪422を所定の方向(Z軸方向)に移動させる。アクセサリー400がカメラボディ100に装着されている状態で第1操作部424が操作された場合に、係止爪422は、Z軸方向に移動して係止孔27の内側からアクセサリー本体410に向って退去する。これにより、アクセサリー400は、カメラボディ100に対する固定が解除され、カメラボディ100から取り外すことが可能になるとともに、第1スイッチ部465が回路を遮断する。
アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7は、スイッチ466が回路を閉路した状態であって、且つ、スイッチ472が回路を閉路した状態(「オン」の位置)である場合に、スイッチ466及びスイッチ472を介して、上述の基準電位線480に接続される。基準電位線480は、コネクター420がシュー座15に接続された状態である場合には、既述の如くカメラボディ100の接地線(SGND/シグナルグランド)42と電気的に接続されている。
コネクター420がシュー座15に接続された状態(装着状態)で、アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7がカメラボディ100の接地線42と電気的に接続され、起動状態提供端子Ts7の電位は、L(ロー)レベルになる。コネクター420がシュー座15に接続された状態で、カメラボディ100の起動状態検出端子Tp7の電位がアクセサリー400の起動状態提供端子Ts7と短絡することによって、起動検出レベルDETはLレベルになる。Lレベルは、接地線42(基準電位SGND)と同じ電位に設定される。起動検出レベルDETは、コネクター420がシュー座15に接続された状態で第1操作部424が操作された場合には、第1スイッチ部465が回路を遮断するためHレベルになる。また、起動検出レベルDETは、コネクター420がシュー座15に接続された状態で第2スイッチ部470の第2操作部471が機能オフ操作された場合にも、スイッチ472が回路を遮断するためHレベルになる。すなわち、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合において、第1操作部424に対してコネクター420をシュー座15から取り外すための操作がなされても、或いは第2操作部471に対して機能オフ操作がなされても、そのいずれの操作の場合であっても起動検出レベルDETはHレベルになる。
ところで、一般的にカメラシステムは、アクセサリーあるいはカメラの端子部の端子間に埃等が付着して短絡が生じると、想定されていない電流が短絡した端子間に流れること等によって、カメラシステムが安定して動作しない可能性がある。また、カメラシステムは、カメラとアクセサリーとの間で端子を介して供給される信号がノイズ(電気的なノイズ)の影響を受けることによって、安定して動作しなくなる可能性がある。カメラシステムは、例えば安定に動作しないことによりユーザーの操作に応答しなくなったり、応答が遅くなったりして、利便性が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態のアクセサリー400は、図5及び図7に示したように、端子部423の端子配列が以下のようになっている。カメラ10から電力が供給される電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、11番目と12番目とにそれぞれ配置されている。電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、1番目と2番目とにそれぞれ配置されている。カメラ10とアクセサリー400との着脱に応じて変化する起動検出レベルDETをカメラ10に出力する起動状態提供端子Ts7は、7番目に配置されている。閃光発光部430又は照明光発光部435の発光状態を制御する発光制御信号Xがカメラ10から入力される発光制御信号端子Ts8は、8番目に配置されている。アクセサリー400を制御する制御信号がカメラ10と通信する通信信号DATAとして供給される通信信号端子Tp6は、6番目に配置されている。通信信号DATAに同期する同期信号CLKをカメラ10に出力する同期信号端子Ts4は、4番目に配置されている。カメラ10アクセサリー400との通信の通信タイミングを定める通信制御信号Csがカメラ10から入力される通信制御信号端子Ts9は、9番目に配置されている。基準電位端子Ts3及び基準電位端子Ts5は、電位が起動検出レベルDET、通信信号DATA、同期信号CLK、発光制御信号X、及び通信制御信号Csの基準電位になり、3番目と5番目とにそれぞれ配置されている。
すなわち、電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、端子の配列方向の一方側に偏らせて配置されており、接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、端子の配列方向の他方側に偏らせて配置されている。したがって、カメラシステム1は、電源端子(電源端子Ts11及び電源端子Ts12)と、接地端子(接地端子Ts1及び接地端子Ts2)とが大きく離間されているがゆえに両者間での短絡の発生が抑制され、電源端子と接地端子との短絡による応答停止等の不具合の発生を抑制することができ、電気的な安全性が保たれる。
また、アクセサリー400は、アクセサリー400の内部で電源端子Ts11及び電源端子Ts12に接続される電源線481、あるいは接地端子Ts1及び接地端子Ts2に接続される基準電位線480の設計の自由度が高くなる。また、複数端子の間に配置するのではなく、配列の端の方に寄せて配列することにより電源端子の多極化が容易になり、複数の電源端子を並べて設計することが可能となる。そしてその結果として、アクセサリー400は、例えば電源線481や基準電位線480の幅を広くすることが容易になり、電源線481や基準電位線480を低抵抗にすること、電源線481や基準電位線480を介して大電力を供給されること等が可能になる。なお、本実施形態においては、上述のように低抵抗にできることから明らかなように、接点部分における発熱を抑えることができ、この結果、接点部分の発熱による変形などの不具合発生を抑制することができる。
また、撮像に必要な情報を示す通信信号DATAが供給される通信信号端子Ts6は、基準電位が供給される基準電位端子Ts5と隣り合って配置されている。したがって、通信信号DATAは、基準電位端子Ts5に対して通信信号端子Ts6とは反対側からノイズを受けにくくなる。また、通信信号端子Ts6は、通信信号端子Ts6に対して基準電位端子Ts5とは反対側で起動状態提供端子Ts7と隣り合って配置されている。起動検出レベルDETは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態で、Lレベルに維持される。したがって、通信信号DATAは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態で、起動状態提供端子Ts7に対して通信信号端子Ts6とは反対側からノイズを受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、通信信号DATAがノイズの影響を受けにくくなるので、通信上の安全性が保たれ通信信号DATAがノイズの影響を受けることによる誤動作等の不具合の発生を抑制することができる。
また、発光制御信号端子Ts8は、起動状態提供端子Ts7と隣り合って配置されている。起動検出レベルDETは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態である場合に、Lレベルに維持される。したがって、発光制御信号Xは、発光制御信号端子Ts8に対して起動状態提供端子Ts7とは反対側からノイズを受けにくくなる。また、発光制御信号端子Ts8は、発光制御信号端子Ts8に対して起動状態提供端子Ts7とは反対側にて通信制御信号端子Ts9と隣り合っている。通信制御信号Csは、複数ビットのデータを同期信号CLKに同期して通信している期間にLレベルに維持されており、データの通信を終了してから次のデータの通信を開始するまでの期間においては、Hレベルに維持されている。このように、通信制御信号Csは、信号レベルの切替わりが同期信号CLKと通信信号DATAのいずれよりも低周波数である。これにより、発光制御信号Xは、発光制御信号端子Ts8に対して通信制御信号端子Ts9とは反対側からノイズの影響を受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、発光制御信号Xがノイズの影響を受けにくくなるので、通信上の安全性が保たれ、発光制御信号Xがノイズの影響を受けることによる誤動作(誤発光動作)等の不具合の発生を抑制することができる。
また、起動状態提供端子Ts7は、通信信号端子Ts6と隣り合って配置されている。通信信号DATAは、カメラ制御部170がデータを送受信していない状態において、Hレベルに維持されている。したがって、起動状態提供端子Ts7が通信信号端子Ts6と短絡した場合に、起動検出レベルDETはHレベルになり、カメラ制御部170はアクセサリー400が装着されていない状態であると判定する。よって、カメラシステム1は、アクセサリー400がオフ状態である場合に、アクセサリー400がオン状態であると検出して誤作動が発生することを抑制することができる。また、起動状態提供端子Ts7は、発光制御信号端子Ts8と隣り合って配置されている。発光制御信号Xは、カメラ制御部170が発光部425を発光させない状態においてHレベルに維持されており、カメラ制御部170が発光部425を発光させるときにLレベルになる。したがって、起動状態提供端子Ts7が発光制御信号端子Ts8と短絡した場合に、起動検出レベルはHレベルになり、カメラ制御部170はアクセサリー400が装着されていない状態であると判定する。よって、カメラシステム1は、アクセサリー400がオフ状態である場合に、アクセサリー400がオン状態であると検出して誤作動が発生することを抑制することができ、電気的な安全性が高い。また、アクセサリー400がカメラ10から取り外されている場合において、上述したようにカメラボディ100側においても端子Tp6はプルアップ抵抗によりHレベルに維持されており、また端子Tp8は通常(発光信号を送るとき以外)はHレベルである。このため、露出しているカメラボディ100側の端子Tp7が、例えゴミ等で隣の端子(Tp6或いはTp8)と短絡したとしても、カメラボディ100は誤判定(アクセサリーが装着され起動状態にあるという誤判定)をすることが無い。
本実施形態において、同期信号端子Ts4は、基準電位が供給される基準電位端子Ts5と隣り合って配置されている。したがって、同期信号CLKは、基準電位端子Ts5に対して同期信号端子Ts4とは反対側(端子Ts6側)からの外乱(ノイズなど)の影響を受けにくくなる。また、同期信号端子Ts4は、同期信号端子Ts4に対して基準電位端子Ts5とは反対側では、基準電位が供給される基準電位端子Ts3と隣り合って配置されている。したがって、同期信号CLKは、基準電位端子Ts3に対して同期信号端子Ts4とは反対側(接地端子Ts2側)からの外乱(ノイズなど)の影響を受けにくくなる。また、基準電位端子Ts3に対して同期信号端子Ts4とは反対側に配置されている端子は、接地端子Ts2であり、接地端子Ts2の電位はほぼ基準電位と同じ電位になるので、同期信号CLKは、ノイズを受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、同期信号CLKがノイズの影響を受けにくくなるので通信上の安全性が保たれ、通信の基準信号となる同期信号CLKがノイズの影響を受けることによる誤動作等の不具合の発生を抑制することができる。
また、レベル切替部475は、カメラ10からアクセサリー400を取り外す動作や機能オフ操作に応じて起動検出レベルDETの状態(電気的レベル)を切り替える。したがって、カメラ10は、アクセサリー400の取外し操作や機能オフ操作に応じてアクセサリー400を制御することができ、アクセサリー400を安定して制御することができる。また、カメラシステム1は、例えばアクセサリー400がカメラ10に装着されて且つ機能オン操作されたことをカメラ制御部170が検出して、その検出結果に基づいてカメラ制御部170がアクセサリー400の制御を開始することができるので、アクセサリー400が装着されてから機能させることができるまでの時間を短縮すること等ができる。
また、カメラシステム1は、オープン端子Ts10が電源端子群(Ts11、Ts12)と、通信や検出用の端子群(Ts4、Ts6〜Ts9/通信端子群とも称す)との間に配置されているので、電源からの電気的外乱(ノイズなど)が通信端子群に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。また、本実施形態ではあえてオープン端子Ts10を配置しているが、この端子Ts10を設けることによって、(オープン端子Ts10を配置せずにこの位置に端子が存在しない構成に比して)12個の端子全体において、それぞれ対応する相手側の各端子との間の接触力(接触圧)を均一にすることができる。なお、オープン端子Ts10は、上述したように、将来の機能拡張用に予備的に設けている端子であって回路的に接続されていない端子である。このため端子Ts10は、本実施形態においては動作的に何ら機能していない。このためアクセサリー400がオープン端子Ts10を備えていなくても、アクセサリー400、およびカメラシステムとして動作(機能)しなくなるものではない。このため、例えば部品点数を削減するために、アクセサリー400側において、このオープン端子Ts10が省略されていても構わない。このことは、カメラボディ100側においても同様である。
また、図4に示したように、シュー座15における端子部25の接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3は、コネクター420が取り付けられる際に進入してくる方向(−Y側)に向って符号Tp4からTp12で表される端子よりも突出している。
これにより、接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3は、符号Tp4からTp12で表されるどの端子よりも先に、コネクター420の接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3とそれぞれ接続されることになる。結果として、アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着された状態で、起動検出レベルDETを安定して出力することができる。
以上のように、アクセサリー400は、誤動作の発生を抑制すること等ができ、カメラシステム1の利便性を高めることができる。また、カメラ10、シュー座15、コネクター420は、いずれも、上述したような端子配列になっているので、カメラシステム1の利便性を高めることができる。
なお、電源端子Tp11と電源端子Tp12のうちの一方の端子は、省略されていてもよい。これにより、部品点数を削減することができる。また、電源端子Tp11と電源端子Tp12のうちの一方の端子の代わりに、例えばオープン端子が設けられていてもよい。電源端子Tp11と電源端子Tp12は、一体化されていてもよい。電源端子Tp11と電源端子Tp12と同様に、接地端子Tp1と接地端子Tp2のうちの一方の端子は、省略されていてもよい。これにより、部品点数を削減することができる。また、接地端子Tp1と接地端子Tp2のうちの一方の端子の代わりに、例えばオープン端子が配置されていてもよい。接地端子Tp1と接地端子Tp2は、一体化されていてもよい。また、電源端子Tp11と電源端子Tp12の少なくとも一方を含む電源端子と、接地端子Tp1と接地端子Tp2の少なくとも一方を含む接地端子との間に配置される端子は、符号Tp3から符号Tp10で示される端子のうちの1つでもよいし、2以上でもよく、全部でもよい。
なお、発光制御信号端子Tp8が起動状態検出端子Tp7と通信制御信号端子Tp9とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をLとして、端子部25の端子配列において、起動状態検出端子Tp7が(L−1)番目に配置されており、発光制御信号端子Tp8がL番目に配置されているとともに、通信制御信号端子Tp9が(L+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Lが6である場合に、端子部の端子配列において、起動状態検出端子Tp7は5番目に配置され、発光制御信号端子Tp8は6番目に配置され、通信制御信号端子Tp9は7番目に配置される。
なお、通信信号端子Tp6が起動状態検出端子Tp7と発光制御信号端子Tp8とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をMとして、端子部25の端子配列において、通信信号端子Tp6が(M−1)番目に配置されており、起動状態検出端子Tp7がM番目に配置されているとともに、発光制御信号端子Tp8が(M+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Mが4である場合に、端子部の端子配列において、通信信号端子Tp6は3番目に配置され、起動状態検出端子Tp7は4番目に配置され、発光制御信号端子Tp8は5番目に配置されることになる。
なお、通信信号端子Tp6が基準電位端子Tp5と起動状態検出端子Tp7とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をNとして、端子部25の端子配列において、基準電位端子Tp5が(N−1)番目に配置されており、通信信号端子Tp6がN番目に配置されているとともに、起動状態検出端子Tp7が(N+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Nが8である場合に、端子部の端子配列において、基準電位端子Tp5は7番目に配置され、通信信号端子Tp6は8番目に配置され、起動状態検出端子Tp7は9番目に配置されることになる。
なお、同期信号端子Tp4が基準電位端子Tp3と基準電位端子Tp5とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をPとして、端子部25の端子配列において、基準電位端子Tp3が(P−1)番目に配置されており、同期信号端子Tp4がP番目に配置されているとともに、基準電位端子Tp5が(P+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Pが6である場合に、端子部の端子配列において、基準電位端子Tp3は5番目に配置され、同期信号端子Tp4は6番目に配置され、基準電位端子Tp5は7番目に配置されることになる。
このように、カメラシステム1は、符号Tp1から符号Tp12で示される端子が上記のような条件で配置されていることにより、図5等を用いて既述した端子配列である場合と同様の理由により、利便性が高いシステムになる。
なお、本実施形態において、各端子の配置を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X)側に向って昇順する番号であるが、他方側(−X側)から一方側(+X)側に向って昇順する番号であってもよい。この場合に、端子部25の端子配列において、1番目と2番目の端子は、それぞれ、電源端子Tp12、電源端子Tp11となり、11番目と12番目の端子は、それぞれ、接地端子Tp2、接地端子Tp1となる。また、上記したようなカメラボディ100の端子部25における複数の端子の配列に関する変形は、アクセサリー400の端子部423における複数の端子の配列に適用することができる。
なお、本実施形態において、図1に示した撮影レンズ200は、カメラボディ100に対して着脱可能であるが、カメラボディ100に対して着脱不能であってカメラボディ100と一体になっていてもよい。撮影レンズ200の少なくとも一部は、カメラボディ100に収容可能でもよい。本実施形態においてカメラ10は、少なくともカメラボディ100を備えていればよく、撮影レンズ200を備えていなくてもよい。すなわち、撮影レンズ200は、カメラの外部装置(アクセサリー)であって、カメラシステム1の構成要素としてもよい。また、アクセサリー400は、コネクター420とシュー座15との間にケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置、例えば三脚等に保持されていてもよい。
なお、本実施形態において、図6に示した電池収納部110はカメラボディ100に内蔵されているが、電池収納部110は、カメラボディ100の外部の装置(アクセサリー)であってもよい。例えば、電池収納部110は、カメラボディ100に外付け可能であってもよい。また、カメラシステム1は、ACアダプター等を介してカメラボディ100の外部から供給された電力によって、カメラシステム1の構成要素を動作させることもできる。カメラシステム1は、外部からの電力を、電池収納部110に収納された電池BATから供給される電力と同様に、カメラシステム1の各構成要素に供給することができる。
なお、本実施形態において、図6に示したメモリー140は、カメラボディ100に内蔵されていてもよいし、カメラボディ100の外部の装置(アクセサリー)であってもよい。
なお、本実施形態において、図2に示した第1パイロットランプ455は、点灯又は消灯が切替わることによって、閃光発光部430における発光可能な状態を示すように、構成されていたが、発する光の波長あるいは点灯と消灯とを繰り返す周期等が変化することによって、閃光発光部430における発光可能な状態を示すように、構成されていてもよい。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、発する光の波長、点灯と消灯とを繰り返す周期等が変化することによって、照明光発光部435における発光可能な状態を示すように、構成されていてもよい。
次に、カメラシステムにおける処理の手順について、説明する。以下の説明において、同様の処理については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
図10は、カメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1は、アクセサリー400を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。カメラシステム1は、起動シーケンス(ステップS1)において、カメラ10とアクセサリー400との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う(ステップS2)。カメラシステム1は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う(ステップS3)。カメラシステム1は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う(ステップS4)。
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う(ステップS5)。カメラシステム1は、割込要求が無いとステップS5で判定した場合(ステップS5;No)に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。
カメラシステム1は、割込要求が有るとステップS5で判定した場合(ステップS5;Yes)に、割込処理(ステップS6)を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
次に、通信準備シーケンスについて説明する。カメラシステム1は、通信準備シーケンスにおいて、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されているか否かを検出する。カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されている場合に、アクセサリー400に電力の供給を開始し、また、カメラボディ100は、アクセサリー400に通信を許可することを通知する。以下、通信準備シーケンスにおける処理フローの一例を説明する。
図11は、通信準備シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
レベル切替部475(図9A及び9B参照)が出力する起動検出レベルDETの信号レベルは、カメラ10にアクセサリー400が装着され、かつ第2スイッチ部470が回路を閉路している(「オン」の位置)場合に、L(ロー)レベルになる(ステップS101)。カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かの判定する判定処理を行う(ステップS102)。カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルでないとステップS102で判定した場合(ステップS102;No)に、アクセサリー400がカメラ10に装着されていない状態であると判定して、ステップS102の判定処理を再度行う。
カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるとステップS102で判定した場合(ステップS102;Yes)に、カメラ10からアクセサリー400への電力供給を開始する制御を行う(ステップS103)。ステップS103において、カメラ制御部170は、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラ10からアクセサリー400への電力供給をアクセサリー電源制御部33に開始させる。アクセサリー制御部440は、カメラ10から電源部(第1電源部450−1と第2電源部450−2)を介して供給された電力によって、起動する。
カメラ制御部170は、ステップS103の制御の終了後に、アクセサリー制御部440に通信の許可を通知する(ステップS104)。カメラ10の通信制御信号端子Tp9の電位すなわち通信制御信号Csの信号レベルは、アクセサリー400がカメラ10に装着されていないとカメラ制御部170に判定されている状態で、Lレベルになっている。
アクセサリー制御部440は、通信制御信号端子Ts9の電位すなわち通信制御信号Csの信号レベルがHレベルであるか否かを判定する判定処理を行う(ステップS105)。アクセサリー制御部440は、通信制御信号CsがHレベルでないとステップS105で判定した場合(ステップS105;No)に、ステップS105の判定処理を再度行う。アクセサリー制御部440は、通信制御信号CsがHレベルであるとステップS105で判定した場合(ステップS105;Yes)に、カメラ制御部170との通信が許可されたと認識する。
通信準備シーケンスは、カメラ制御部170がステップS104で通信制御信号CsをHレベルに立ち上げて通信許可を通知し、アクセサリー制御部440がカメラ制御部170との通信が許可されたと認識した後に、終了する。
このように、カメラシステム1は、アクセサリー400から出力される起動検出レベルDETに基づいて、アクセサリー400への電力の供給を開始するので、アクセサリー400に電力の供給する制御の信頼性が高くなる。また、カメラシステム1は、カメラ制御部170がアクセサリー400への電力の供給を開始した後に通信許可の通知を行う。これにより、カメラシステム1は、アクセサリー400が起動している状態でアクセサリー制御部440が通信許可の通知を受けることになり、カメラ10とアクセサリー400との間における通信の開始を安定して制御することができる。このように、カメラシステム1は、アクセサリー400を安定して制御することができ、安定して動作するものとなるので、利便性が高いシステムである。
なお、カメラ10の起動検出レベルDETは、カメラ10に装着されているアクセサリー400の第2スイッチ部470が回路を遮断した状態(「オフ」の位置)である場合に、Hレベルになる。この場合に、カメラ制御部170は、アクセサリー400がカメラ10に装着されていないと判定することになる。すなわち、アクセサリー400は、第2スイッチ部470が「オフ」の位置である場合に、カメラ10からの電力供給を受けることができないので、起動しない(換言すれば「機能しない」)ことになる。このように、第2スイッチ部470は、実質的にアクセサリー400の電源スイッチ(機能オン/オフスイッチ)として機能する。
次に、初期通信シーケンスにおける処理について説明する。カメラシステム1は、初期通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。カメラ10とアクセサリー400は、初期通信シーケンスにおいて、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。初期通信シーケンスにおける処理の初期条件として、アクセサリー400の記憶部444には、アクセサリー種類を示すアクセサリー種類情報を含む情報(第1の応答情報、第1情報)が予め記憶されている。アクセサリー種類情報は、機能種類情報と電池有無情報を含む。
機能種類情報は、アクセサリー制御部440の制御対象の種類を示す情報(種類情報)である。アクセサリー制御部440の制御対象は、照明発光機能を機能させる照明光発光部435、閃光発光機能を機能させる閃光発光部430、GPS機能を機能させるGPS機能部、多灯コマンダ機能を機能させる多灯コマンダ機能部等である。複数の制御対象は、各制御対象の機能の種類に応じて、複数のグループに区分されている。発光機能に関する制御対象、すなわち閃光発光部430及び照明光発光部435は、第1グループに属している。発光機能以外の機能に関する制御対象、例えばGPS機能部及び多灯コマンダ機能部は、第2グループに属する。このように、種類情報は、アクセサリー400が有する機能の種類の一覧を示す情報である。
電池有無情報は、アクセサリー400側に、電池などの電源を備えているか否かを示す情報(換言すれば、アクセサリー400側で消費する電力をアクセサリー400側自身で賄えるか否かを示す情報)である。この電池有無情報は、カメラ10がアクセサリー400に電力を供給する制御(後述する)等に使われる情報である。この電池有無情報の詳細については、後述する。
また、記憶部444には、アクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報(第2の応答情報、第2情報)が予め記憶されている。特性情報は、アクセサリー400の各機能を担当する各機能部の特性を示す情報を含む。例えば、閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435(撮影照明用のLED)の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。最長点灯時間は、例えば、継続的な点灯時間の許容範囲の上限として、予め設定されている時間である。また、拡張機能の特性情報は、例えば拡張機能がGPS機能であれば、測位する対象の種類(緯度、経度、時刻など)を示す情報等を含む。また多灯コマンダ機能の特性情報は、例えば、何個の照明装置(ストロボ)に対して指令(コマンド)を送信可能であるかを示す情報等を含む。
カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440に送信を要求する複数の情報について、予め定められた順番(要求順番)に従って、各情報をアクセサリー制御部440に送信する。記憶部444には、アクセサリー制御部440が要求順番に従って順に情報を読み出すことができるように、情報が予め記憶されている。アクセサリー制御部440は、要求順番に従って、記憶部444から情報を読み出して、読み出した情報を示す通信信号DATAを、カメラ制御部170に送信する。また、カメラ制御部170は、要求順番に対して予め定められた順番で、カメラボディ100の初期状態を示すカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信する。初期状態情報は、カメラボディ100の記憶部158に予め記憶されている。カメラ初期状態情報は、モニタ充電許可情報等を含む。モニタ充電許可情報は、後に説明する充電制御に用いられる。以下、初期通信シーケンスにおける処理フローの一例を説明する。
図12は、初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図13は、図12から続く処理の手順を示す図である。図12、13においても図11と同様に、図中左側のフローがカメラボディ100のカメラ制御部170における処理内容であり、図中右側のフローがアクセサリー400のアクセサリー制御部440における処理内容である。
カメラ制御部170は、通信準備シーケンス(図9A,9B及び図10参照)が終了した後に、初期通信シーケンスが開始されると、アクセサリー初期状態情報に含まれる情報の送信を要求する送信要求コマンドC1を、アクセサリー制御部440へ送信し、アクセサリー初期状態情報を受信する準備をする(ステップS201)。送信要求コマンドC1は、アクセサリー初期状態情報のうちのアクセサリー種類情報の送信を、カメラ制御部170が要求していることを示す要求情報である。
アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC1を受信する(ステップS202)。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170からの要求情報(送信要求コマンドC1)に応じて応答する応答情報を、カメラ制御部170に送信するよりも前に、記憶部444に予め記憶させている。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、記憶部444に記憶されている応答情報を読み出してカメラ制御部170に送る(送信)する(ステップS203)。カメラ制御部170は、電池有無情報及び機能種類情報を受信する(ステップS204)。
カメラ制御部170は、既述した「カメラ初期状態情報」の送信を通知する送信通知コマンドC20をアクセサリー制御部440に送信し、カメラ初期状態情報を送信する準備をする(ステップS204A)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC20を受信し、カメラ初期状態情報を受信する準備をする(ステップS204B)。カメラ制御部170は、ステップS204Aで送信通知コマンドC20を送信した後に、カメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS204C)。アクセサリー制御部440は、カメラ初期状態情報を受信する(ステップS204D)。
カメラ制御部170は、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が拡張機能を有するか否かを判定する(ステップS205)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が拡張機能を有するとステップS205で判定した場合(ステップS205;Yes)に、拡張機能の詳細を示す特性情報の送信を要求する送信要求コマンドC2を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS206)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC2を受信して(ステップS207)、送信要求コマンドC2に従って、拡張機能の特性情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS208)。カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報を受信する(ステップS209)。
カメラ制御部170は、優先機能(例えばGPS機能)が拡張機能として含まれているとステップS205で判定した場合に、送信要求コマンドC2により優先機能を指定することによって、ステップS209で優先機能の特性情報を受信することができる。この優先機能は、アクセサリー400が有する機能のうち優先的にオン状態(有効)にすることが予め設定されている機能である。カメラ制御部170は、ステップS209で優先機能の特性情報を受信した場合に、アクセサリー400内における他の機能よりも優先させて処理をする。カメラ制御部170は、例えば優先機能を有効にさせるコマンドを、アクセサリー制御部440へ送信することができる(このため拡張機能の起動を早めることができる)。
カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報を受信終了後、又はアクセサリー400が拡張機能を有していないとステップS205で判定した場合(ステップS205;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有するか否かを判定する(ステップS210)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有するとステップS210で判定した場合(ステップS210;Yes)に、照明発光機能の初期状態情報(第3の応答情報、第3情報)の送信を要求する送信要求コマンドC3を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS211)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC3を受信して(ステップS212)、送信要求コマンドC3に従って、照明発光機能の初期状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS213)。カメラ制御部170は、照明発光機能の初期状態情報を受信する(ステップS214)。
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS210で判定した場合(ステップS210;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が閃光発光機能を有するか否かを判定する(ステップS215)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が閃光発光機能を有していないとステップS215で判定した場合(ステップS215;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能と閃光発光機能のいずれにも該当しない機能、例えば多灯コマンダ機能等を有しているか否かを判定する(ステップS216)。このように、アクセサリー400は、照明発光機能と閃光発光機能の双方を有していなくてもよい。アクセサリー制御部440が発光状態を制御する発光部425は、アクセサリー400とは別の装置に設けられていてもよい。
カメラ制御部170は、ステップS214の処理の終了後、又はアクセサリー400が閃光発光機能を有しているとステップS215で判定した場合(ステップS215;Yes)、又はステップS216の処理の終了後に、アクセサリー400の機能のうちで特性を設定可能な機能を示す設定可能情報の送信を要求する送信要求コマンドC4を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS217)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC4を受信(ステップS218)した後に、アクセサリー400の設定可能情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS219)。カメラ制御部170は、アクセサリー400の設定可能情報を受信する(ステップS220)。
カメラ制御部170は、アクセサリー400のプロファイルを示すプロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC5をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS221)。
本実施形態において、プロファイル情報は、閃光発光機能の特性を示す情報である。プロファイル情報は、例えば、閃光光源431の発光特性を示す情報を含む。閃光光源431の発光特性は、例えば、閃光光源431が発する光の光量(明るさ)と波長(色味)の少なくとも一方を含む。プロファイル情報は、例えば、閃光発光機能を機能させる撮影モードにおいて、AWB制御等に利用される。
アクセサリー400は、送信要求コマンドC5を受信(ステップS222)した後に、プロファイル情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS223)。カメラ制御部170は、プロファイル情報を受信する(ステップS224)。
カメラ制御部170は、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有するか否かを判定する(ステップS225)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有しているとステップS225で判定した場合(ステップS225;Yes)に、照明プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC6をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS226)。
本実施形態において、照明プロファイル情報は、照明発光機能の特性を示す情報である。照明プロファイル情報は、例えば、照明光光源437の発光特性を示す情報を含む。照明光光源437の発光特性は、例えば、閃光光源431が発する光の光量(明るさ)と波長(色味)の少なくとも一方を含む。照明プロファイル情報は、例えば、照明発光機能を機能させる撮影モードにおいて、AE制御、AWB制御等に利用される。
アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC6を受信(ステップS227)した後に、照明プロファイル情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS228)。カメラ制御部170は、照明プロファイル情報を受信する(ステップS229)。
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS225で判定した場合(ステップS225;No)、又はステップS229の処理の終了後に、アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC7を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS230)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC7を受信(ステップS231)した後に、アクセサリー設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS232)。カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報を受信する(ステップS233)。
カメラ制御部170は、既述した「カメラ設定状態情報」を送信することを通知する送信通知コマンドC8をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS234)。アクセサリー400は、送信通知コマンドC8を受信(ステップS235)する。カメラ制御部170は、カメラ設定状態情報をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS236)する。アクセサリー制御部440は、カメラ設定状態情報を受信する(ステップS237)。
アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC9を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS238)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC9を受信(ステップS239)した後に、アクセサリー設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS240)。カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報を受信する(ステップS241)。ステップS241の処理の終了後に、初期通信シーケンスは、終了される。
以上に示した初期通信シーケンスの手順に従って、カメラシステム1において以下の処理が行われる。初期通信シーケンスの手順に含まれる第1の処理として、アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されている情報を、カメラ制御部170からの送信要求に対して応答する処理がある。送信要求に対する応答処理は、例えば、以下に示される制御手順に従って行われる。
上述したように、記憶部444は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて応答する応答情報を予め記憶する。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報(ステップS203参照)に応じて、記憶部444に記憶された応答情報をカメラ制御部170に送る(ステップS204参照)。このような処理により、例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて、アクセサリー制御部440によって制御される制御対象の種類情報をカメラ制御部170に送信する。
また、記憶部444が、アクセサリー制御部440の制御対象の種類を示す種類情報を含む第1の応答情報を記憶する場合には、アクセサリー制御部440は、カメラから送られて来た要求情報に応じて、第1の応答情報をカメラ制御部170に送る。
また、記憶部444が、アクセサリー制御部440の制御対象の制御を行う上でのアクセサリー制御部440の制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報を第1の応答情報における種類情報と対応させて記憶する場合がある。この場合、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、第2の応答情報をカメラ制御部170に送る。
また、アクセサリー制御部440は、第1の応答情報を送るタイミング(ステップS203参照)と異なるタイミング(ステップS208参照)に第2の応答情報をカメラ制御部170に送るようにする。例えば、アクセサリー制御部440は、第1の応答情報をカメラ制御部170に送った(ステップS203参照)後に、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、第2の応答情報をカメラ10に送る(ステップS208参照)。
また、アクセサリー制御部440の制御対象が複数ある場合がある。このような場合には、記憶部444は、複数の制御対象のそれぞれについて、アクセサリー制御部440の制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報を、制御対象の種類情報に対応させて制御対象ごとに記憶する。アクセサリー制御部440は、複数の制御対象のうちカメラ制御部170から送られて来た要求情報により指定された制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報をカメラ制御部170に送る。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170の要求情報(ステップS207参照)に応じて、拡張機能(例えばGPS機能)の特性情報を送信する(ステップS208参照)。また、アクセサリー制御部440は、拡張機能の特性情報とは別の機能(例えば、照明発光機能)に関するカメラ制御部170の要求情報(ステップS212参照)に応じて、照明発光機能の特性情報を送信する(ステップS213参照)する。
また、複数の制御対象は、アクセサリー制御部440の制御対象の種類に応じて複数のグループに区分してもよい。本実施形態において、第1グループに属する制御対象は、発光機能を担当する閃光発光部430と照明光発光部435を含むものとする。第1グループに属する制御対象の機能は、アクセサリー400が備える基本機能としてもよい。また、第2グループに属する制御対象は、発光機能以外の機能を担当する例えばGPS機能部等とする。第2グループに属する制御対象の機能は、アクセサリー400が備える拡張機能としてもよい。
アクセサリー制御部440は、複数のグループのうちの第1グループに属する制御対象(例えば照明光発光部435)の詳細情報を含む第3の応答情報を、第2の応答情報としてカメラ制御部170に送る(ステップS213参照)。アクセサリー制御部440は、複数のグループのうちの第1グループとは異なる第2グループに属する制御対象がある場合に、第1の応答情報を送った(ステップS203参照)後であって、第3の応答情報を送る(ステップS213)前に、第2グループに属する制御対象の詳細情報を含む第4の応答情報を、第2の応答信号としてカメラ10に送る(ステップS208)。
このように、カメラシステム1は、カメラ制御部170からの送信要求に対してアクセサリー制御部440が応答する処理を行うことにより、例えば要求情報と応答情報が整合しないことによる通信の失敗等の発生が抑制される。また、カメラシステム1は、例えばアクセサリー400がカメラ制御部170に装着されてから、まず第1の応答情報に基づいて拡張機能の有無を判別し、アクセサリー400側に拡張機能「有り」ならば、カメラ10側はその拡張機能に関する情報(第4の応答情報、第4情報)を早期に取得するように構成しているので、カメラ10側でもその早期取得した拡張機能情報に基づいてその拡張機能のための準備作業を早めることができる。例えば拡張機能としてGPS機能を具備するアクセサリーであれば、早期にGPS測位情報の取得開始が可能となり、またカメラ10側への送信処理(カメラ10側の受信処理)を開始させることが可能となる。このように、カメラシステム1は、利便性が高いシステムである。
次に、アクセサリー400に電力を供給する制御(以下、給電制御という)における処理について説明する。カメラシステム1は、給電制御において、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を開始する。そして、カメラシステム1は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報に基づいて、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を制御する。以下、アクセサリー400に電力を供給する制御における処理フローの一例を説明する。
図14は、アクセサリーに電力を供給する制御における処理の手順を示す図である。図14に示す処理のうち、ステップS101からステップS105までの処理は、通信準備シーケンス(図11参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS101からステップS105までの処理により、カメラ制御部170は、通信準備シーケンスにおいて、起動検出レベルDETの信号レベルに基づいて、アクセサリー400への電力の供給を開始する(ステップS103参照)。
また、図14に示す処理のうち、ステップS201からステップS204までの処理は、初期通信シーケンス(図12参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS204の処理において、カメラ制御部170は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報として、例えば電池有無情報をアクセサリー制御部440から受信する。
カメラ制御部170は、ステップS204の処理の終了後に、ステップS204において受信した電池有無情報に基づいて、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを判定する(ステップS250)。カメラ制御部170は、ステップS250の判定処理でアクセサリー400に電池が搭載されていると判定した場合(ステップS250;Yes)に、通信準備シーケンスのステップS103で開始したアクセサリー400への電力供給を停止する制御を行う(ステップS251)。すなわち、カメラ制御部170ステップS251において、カメラ制御部170は、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラボディ100からアクセサリー400への電力の供給をアクセサリー電源制御部33に停止させる。カメラ制御部170は、ステップS250の判定処理でアクセサリー400に電池が搭載されていないと判定した場合(ステップS250;No)に、通信準備シーケンスのステップS103で開始したアクセサリー400への電力供給を維持する。
アクセサリー400への電力供給の制御は、アクセサリー400に電池が搭載されていないとカメラ制御部170が判定した後、又は、カメラ制御部170がアクセサリー400への電力供給を停止させた後に、終了される。
以上のように、カメラ制御部170は、電池有無情報に基づいてアクセサリー400に電池が搭載されていると判定した場合に、アクセサリー400における消費電力をアクセサリー400に搭載されている電池から供給するものと判定し、アクセサリー400への電力の供給を停止する。また、カメラ制御部170は、電池有無情報に基づいてアクセサリー400に電池が搭載されていないと判定した場合に、アクセサリー400における消費電力をアクセサリー400に搭載されている電池から供給しないものと判定し、アクセサリー400への電力の供給を継続する。このように、アクセサリー制御部440は、アクセサリー400内に電源を備えているか否か、換言すれば、アクセサリー400側での消費電力をアクセサリー400内に搭載されている電池から供給するか否か(カメラ10からの給電を必要とせず、アクセサリー400側だけで電力を賄えるか否か)、さらに換言すればアクセサリー400が消費する電力の供給をカメラ10に対して要請するか否か、を示す情報として、電池有無情報をカメラ制御部170に送る。本実施形態において、アクセサリー制御部440は、電池有無情報をカメラ制御部170からの要求(ステップS201参照)に応じて送る。
ところで、本実施形態のカメラシステム1は、カメラ10がアクセサリー400に電力を供給し、アクセサリー400には電源が搭載されていない。そのため、アクセサリー制御部440は、アクセサリー400に電源が搭載されていないことを示す電池有無情報(電池「無」情報)をカメラ10に送る。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から送られてきた電池有無情報(ステップS204参照)に基づいて、電池有無情報が送られてくるよりも前に開始していたアクセサリー400への電力の供給を継続する。このように、電源を備えていないアクセサリー400におけるアクセサリー制御部440は、アクセサリー400において消費される電力をカメラ10から供給させるために、電池有無情報(電池「無」情報)をカメラ10に送る。
なお、アクセサリー400としては、アクセサリー400側で消費する電力をカメラ10以外から供給される場合もありうる。例えばアクセサリー400内部に電源(電池など)を搭載している場合や、或いはアクセサリー400に対して外部から電源を供給する外部電源を備えている場合(例えばアクセサリー400に電源供給するバッテリーパックを装着するシステムや、或いはアクセサリー400にACアダプター等を介して家庭用(商用)電源を供給するシステム)などである。このような場合、例えばアクセサリー400内部に電池が搭載されている場合に、アクセサリー制御部440は、そのアクセサリー内部の電源からアクセサリー400が消費する電力の供給を受けるアクセサリーであることを示す電池有無情報(電池「有」情報)をカメラ10に送る。この場合のカメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から送られてきた電池有無情報(電池「有」情報)(ステップS204)に基づいて、その電池有無情報(電池「有」情報)を受信するよりも前に開始していたアクセサリー400への電力の供給を停止する(ステップS251参照)。
以上のような給電制御を行うことによって、カメラ10は、例えばアクセサリー400側に電源を搭載している場合には、アクセサリー400側に与える必要の無い電力を供給し続けることによるカメラ10の電力不足の発生を抑制することができる。このように、カメラシステム1は、例えばカメラ10の電力不足による動作停止等の不具合の発生を抑制することができ、利便性の高いシステムである。
なお、上記の説明において、電池有無情報は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電池有無情報は、カメラ10からの電力を受電することが可能であるか否かを示す情報、換言すれば、カメラ10からの電力を受電する受電能力をアクセサリー400側が備えるか否かを示す情報であってもよい。このように、電池有無情報が上記いずれの情報を示すものであっても、カメラシステム1は、カメラ10からアクセサリー400に給電しなければならないのか否かを(カメラ10からアクセサリー400への給電を継続しなければならないのか否か)を確実に判断でき、その給電によってアクセサリー400は動作を継続できるので、カメラ10からの給電停止によるアクセサリー400側の動作停止等の不具合の発生を抑制でき、利便性の高いシステムになる。
次に、定常通信シーケンスについて説明する。カメラシステム1は、定常通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。定常通信シーケンスは、図10に示したように割込要求が発生していない期間において、例えば周期が200ms程度の周期で繰り返し実行される。カメラ10とアクセサリー400は、繰り返し行われる定常通信シーケンスのそれぞれにおいて、正気通信シーケンスと同様に、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。
また、カメラ10とアクセサリー400は、それぞれ、前回の初期通信シーケンス又は前回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報を、必要に応じて、今回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報に更新する。また、カメラシステム1は、初期状態情報を更新する場合に、初期通信シーケンスをやり直すこと、又は更新が必要な項目を指定して初期状態情報を更新することができる。以下、定常通信シーケンスの処理フローの一例を説明する。
図15は、定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図16は、図15から続く処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスが開始されると、カメラ設定状態情報の送信を通知する送信通知コマンドC10をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS301)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10を受信して、カメラ設定状態情報を受信する準備をする(ステップS302)。カメラ制御部170は、送信通知コマンドC10で指定した項目の最新のカメラ設定状態情報を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS303)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10に指定された項目の最新のカメラ設定状態情報を、受信する(ステップS304)。
カメラ制御部170は、初期通信シーケンスのステップS204(図12参照)で取得した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有しているか否かを判定する(ステップS305)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有しているとステップS305で判定した場合(ステップS305;Yes)に、照明発光機能の設定状態を示す照明設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC11を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS306)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC11を受信(ステップS307)した後に、照明設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS308)。カメラ制御部170は、照明設定状態情報を受信する(ステップS309)。
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS305で判定した場合(ステップS305;No)、又はステップS309の処理の終了後に、アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC12を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS310)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC12を受信して(ステップS311)、送信要求コマンドC12に指定された項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、カメラ制御部170へ送信する(ステップS312)。カメラ制御部170は、送信要求コマンドC12によって指定した項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、受信する(ステップS313)。
カメラ制御部170は、ステップS313で取得したアクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているか否かを判定する(ステップS314)。初期化要求は、カメラ制御部170が初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を取得しなおすことを、アクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているとステップS314で判定した場合(ステップS314;Yes)に、初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を破棄する(ステップS315)。カメラ制御部170は、ステップS315の処理の終了後に、初期通信シーケンスを開始する(ステップS316)。
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれていないとステップS314で判定した場合(ステップS314;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS317)。このプロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明発光機能の特性情報のうちプロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
カメラ制御部170は、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれているとステップS317で判定した場合(ステップS317;Yes)に、プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC13を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS318)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC13を受信して(ステップS319)、プロファイル情報を送信する(ステップS320)。カメラ制御部170は、プロファイル情報を受信して(ステップS321)、ステップS321の処理前に保持していたプロファイル情報を、ステップS321で受信した照明発光機能の特性情報へ更新する。
カメラ制御部170は、ステップS321の処理の終了後、又はアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれていないとステップS317で判定した場合(ステップS317;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、照明プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS322)。プロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明プロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
カメラ制御部170は、ステップS313でアクセサリー設定状態情報に照明プロファイル更新要求情報が含まれているとステップS322で判定した場合(ステップS322;Yes)に、照明プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC14を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS323)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC14を受信して(ステップS324)、照明プロファイル情報を送信する(ステップS325)。カメラ制御部170は、照明プロファイル情報を受信して(ステップS326)、ステップS321の処理前に保持していた照明プロファイル情報を、ステップS321で受信した閃光発光機能の特性情報へ更新する。
定常通信シーケンスは、カメラ制御部170が照明プロファイル情報の受信を終了した後、又はカメラ制御部170がアクセサリー設定状態情報に閃光発光機能に関する更新要求情報が含まれていないとステップS322で判定した場合(ステップS322;No)に、終了される。
以上のように、記憶部444は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて応答する複数の応答情報を予め記憶する。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報(ステップS311参照)に応じて、記憶部444に記憶された複数の応答情報を予め設定される順にカメラ制御部170に送る(ステップS312)。これにより、カメラシステム1は、例えば要求情報と応答情報が整合しないことによる通信の失敗等の発生が抑制されるので、利便性が高いシステムである。
また、本実施形態によれば、カメラ10とアクセサリー400との最初の送信要求コマンドC1に対するアクセサリー400の応答において、拡張機能ありを示す応答が含まれていた場合には、カメラ10側は照明初期状態情報を要求(ステップS211参照)する前に、まず拡張機能の特性情報を要求(ステップS206参照)する。そしてアクセサリー400側はカメラ10からのそれらの要求手順に従って、まず拡張機能の起動を開始する。このように手順を構成することによって、拡張機能の起動を早めることができる。
ところで、カメラ制御部170は、上述の定常通信シーケンスで更新したアクセサリー設定状態情報又はアクセサリー初期状態情報によって、アクセサリー400に関する設定の変更が必要になる場合がある。アクセサリー制御部440は、今回の定常通信シーケンスで更新したカメラ設定状態情報によってカメラ10に関する設定の変更が必要になった場合に、その必要になった設定の変更を次回の定常通信シーケンスまでに完了する。例えば、アクセサリー制御部440は、照明発光機能と閃光発光機能のいずれを有効にするかの設定を行って、有効とされた発光機能を機能させるための制御を行う。
これに関する一例として、各発光機能を有効又は無効にする設定処理について説明する。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードに応じて行われる。カメラシステム1は、カメラ10の撮影モードに応じてアクセサリー400の発光部425を制御する。撮影モードは、例えばユーザーからの入力等に応じて設定される。撮影モードを動画撮影モードに設定したことを示す入力(動画の撮像を行うモードを設定する旨のユーザーからの入力)があった場合には、アクセサリー400側は照明発光機能を機能させる第1撮影モードに設定される。また撮影モードを静止画撮影モードに設定したことを示す入力(レリーズ釦16が全押しされる度に1枚の静止画の撮像を行うモードを設定する旨のユーザーからの入力)があった場合には、アクセサリー400側は閃光発光機能を機能させる第2撮影モードに設定される。また、撮影モードとして発光禁止撮影モード(発光機能を機能させないで撮影するモード)に設定したことを示すユーザーからの入力があった場合や、露光量を確保する上で発光機能を機能させなくてもよい場合には、アクセサリー400側は照明発光機能と閃光発光機能のいずれも機能させない第3撮影モードに設定される。
次に、図17のフローチャートを参照して、各発光機能を有効又は無効にする設定処理の処理フローについて説明する。
図17は、各発光機能を有効又は無効にする設定処理の手順を示す図である。図17に示す処理のうち、ステップS304の処理は、定常通信シーケンス(図12、図13参照)において説明した情報受信処理(例えばステップS204DやステップS237)と同様の処理である。
ステップS304において、アクセサリー制御部440は、カメラ10がいずれの撮影モード(動画モードまたは静止画モード)に設定されているかを示す撮影モード情報を含んだ、既述の「カメラ設定状態情報」を受信する。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、例えば、定常通信シーケンスのステップS304で受信したカメラ設定状態情報に含まれる撮影モード情報が更新された場合に、例えば次回の定常通信シーケンスが開始されるまでに完了する。
アクセサリー制御部440は、定常通信シーケンスのステップS304で受信したカメラ設定状態情報に含まれる撮影モード情報に基づいて、カメラ10の撮影モードが照明発光機能を機能させる第1撮影モード(照明撮像)に設定されているか否かを判定する(ステップS330)。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていると判定した場合(ステップS330;Yes)に、閃光発光機能をオフ状態(無効)に設定するとともに照明発光機能をオン状態(有効)に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS331)。
なお、閃光発光機能をオフ状態に設定し且つ照明発光機能をオン状態(有効)に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、既述の第1導通スイッチをOFF状態し且つ第2導通スイッチをON状態に設定する。また、閃光発光機能をオフ状態に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、閃光発光のための準備処理、すなわち上述した蓄積部への本充電処理や、蓄積部の充電量をモニタするモニタ充電処理を停止する。
アクセサリー制御部440は、ステップS331における処理に続いて、第1パイロットランプ455(PL2)を消灯に設定するとともに、第2パイロットランプ460(PL1)を点灯に設定する(ステップS332)。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されている場合に、ステップS332の処理の終了後に、終了される。
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていないと判定した場合(ステップS330;No)に、撮影モード情報に基づいて、カメラ10の撮影モードが閃光発光機能を機能させる第2撮影モード(閃光撮像)に設定されているか否かを判定する(ステップS333)。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されていると判定した場合(ステップS333;Yes)に、閃光発光機能を有効に設定するとともに照明発光機能を無効に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS334)。
なお、閃光発光機能を有効に設定し且つ照明発光機能を無効に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、既述の第1導通スイッチをON状態し且つ第2導通スイッチをOFF状態に設定する。また閃光発光機能を有効に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、閃光発光のための準備処理、すなわち上述した蓄積部への充電処理を行う。
アクセサリー制御部440は、ステップS334における処理によって閃光発光の準備処理(充電処理)が完了すると、それに続いて、第1パイロットランプ455を点灯に設定するとともに、第2パイロットランプ460を消灯に設定する(ステップS335)。
ユーザーは、この第1パイロットランプ455の点灯によって閃光発光部430が発光可能な状態(充電完了状態)にあることを知ることができる。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されている場合に、ステップS335の処理の終了後に、終了される。
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていないと判定し(ステップS330;No)、かつカメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されていないと判定した場合(ステップS333;No)に、カメラ10の撮影モードが発光機能を使用しない第3撮影モードに設定されていると判定して、閃光発光機能を無効に設定するとともに照明発光機能も無効に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS336)。アクセサリー制御部440は、ステップS336における処理に続いて、第1パイロットランプ455を消灯に設定するとともに、第2パイロットランプ460も消灯に設定する(ステップS337)。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第3撮影モードに設定されている場合に、ステップS337の処理の終了後に、終了される。
以上のような処理フローにおいて、アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードを示す撮影モード情報が入力される(ステップS304参照)。例えば、アクセサリー制御部440は、選択された撮影モードが第1撮影モードの場合には、第1撮影モード情報が入力される。アクセサリー制御部440は、選択された撮影モードが第2撮影モードの場合には、第2撮影モード情報が入力される。
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードに応じて、アクセサリー400における処理を制御する。例えば、アクセサリー制御部440は、撮影モードに応じて、閃光発光部430の発光処理、照明光発光部435の発光処理を制御する。アクセサリー制御部440は、例えば撮影モードが第1撮影モードに設定されている場合には、照明発光機能を有効に設定(ステップS331参照)して、照明光発光部435の発光処理を制御する。また、アクセサリー制御部440は、例えば撮影モードが第2撮影モードに設定されている場合には、閃光発光機能を有効に設定(ステップS334参照)して、閃光発光部430による発光処理を制御する。アクセサリー制御部440は、閃光発光機能を有効に設定した場合に、後に説明する充電制御等の制御を行う。
このように、カメラシステム1は、例えばユーザーが選択した撮影モードに応じて、アクセサリー制御部440が各発光機能の有効又は無効を自動的に設定する。そしてこのアクセサリー400側の自動設定に伴って、閃光発光部430を無効に設定した場合には、充電処理などの閃光発光部430での発光準備動作も自動的に停止するので、アクセサリー400内での無用な電力消費を抑制することができ、利便性が高いシステムである。
次に、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御について説明する。
図18は、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御の処理の手順を示す図である。カメラシステム1は、充電制御を開始すると、初期通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行し(ステップS7)、次いで定常通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS8)。カメラシステム1は、ステップS8の処理を終了した後に、撮像処理(割込処理)を実行するか否かを判定する(ステップS9)。カメラシステム1は、撮像処理を実行するとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;Yes)に、撮影シーケンスの各処理を実行する。
本実施形態において、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮像処理、AF制御、AE制御、AWE制御等を含む撮影処理を行う。また、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮影処理とともに撮影シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS10)。カメラシステム1は、撮影シーケンスにおける撮影処理と充電制御の各処理とが終了した後、又は撮像処理を実行しないとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;No)に、ステップS8に戻って定常通信シーケンスにおける充電制御を再度行う。
上記のように、定常通信シーケンスは、撮像処理を行わない期間において一定の周期(例えば200ms)で繰り返し行われる。また、撮影シーケンスに続く定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの直前に行った定常通信シーケンスから、撮影シーケンスの処理を行う期間の長さに応じた時間が経過した後に行われる。すなわち、定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われる。
各定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報を含んだ充電状態情報を、カメラ制御部170に送信する。定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われるので、アクセサリー制御部440は、充電状態情報を、一定又は不定の周期で繰り返しカメラ制御部170に送ることになる。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した充電状態情報に基づいて、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる。
ところで、撮像シーケンスを開始する場合に定常通信シーケンスが休止されるので、アクセサリー制御部440は、カメラ10が撮影処理を行う状態にある期間において、充電状態情報をカメラ制御部170に送信しないことになる。撮像シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信しなくとも、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる指令を、アクセサリー制御部440に送る。
以上のように、カメラシステム1において、閃光発光部430に対する充電制御は、各シーケンスに対応して行われる。以下、閃光発光部430に対する充電制御のうち、各シーケンスにおいて処理を、シーケンスごとに説明する。
まず、閃光発光部430に対する充電制御のうち、初期通信シーケンスにおける充電制御について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400の消費電力を供給する電源(電池)が搭載されていない。また、アクセサリー400の充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中を除くと蓄積部に蓄積されている蓄電量(充電量)を検出することができない。すなわち、本実施形態のアクセサリー400は、初期通信シーケンスが開始される時点における充電部432の充電量を示す情報を保持していない。そこで、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、設定情報としてアクセサリー400側(充電部432)におけるモニタ充電動作を許可することを示すモニタ充電情報を含んだカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信し、アクセサリー制御部440にモニタ充電を行わせる。モニタ充電情報は、カメラ制御部170がアクセサリー制御部440に対して、モニタ充電動作を許可するか否かを示す情報である。モニタ充電情報は、モニタ充電の「許可」及び「禁止」を“0(ゼロ)”及び“1”で表すモニタ充電許可フラグデータである。モニタ充電情報は、記憶部158に予め記憶される。以下、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理フローの一例を説明する。
図19は、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。図19に示す処理のうち、ステップS204AからステップS204Dの処理は、初期通信シーケンス(図12参照)において説明した処理と同様の処理である。カメラ制御部170は、ステップS204Aの処理によって送信通知コマンドC20をアクセサリー制御部440に送信した後、記憶部158に記憶されたカメラ初期状態情報を読み出す。このカメラ初期状態情報は、上述したモニタ充電「許可」情報を含む。次に、カメラ制御部170は、ステップS204Aで読み出したカメラ初期状態情報を、ステップS204Cの処理によってアクセサリー制御部440に送信する。
アクセサリー制御部440は、ステップS204Dの処理によってカメラ初期状態情報を受信すると、このカメラ初期状態情報を記憶部444に記憶させる。つまり、カメラボディ100から供給されたモニタ充電「許可」情報は、記憶部444に記憶される。アクセサリー制御部440は、モニタ充電「許可」情報に基づいて、充電部432の蓄積部を僅かに充電するモニタ充電処理を充電部432に開始させる(ステップS401)。充電部432は、モニタ充電処理によって充電部432に蓄積された蓄電量(モニタ充電量)を検出し、このモニタ充電量に基づいて現時点での蓄積部の充電電荷量を算出する。アクセサリー制御部440は、充電部432からこの充電電荷量を示す情報を取得する(ステップS402)。アクセサリー制御部440は、ステップS402において取得した蓄積電荷量を示す情報に基づいて、初期通信シーケンスに続く定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を生成し、生成した充電状態情報を記憶部444に記憶させる。初期通信シーケンスにおける充電制御は、アクセサリー制御部440が充電状態情報を記憶部444に記憶させた後に、終了される。
以上のように、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170との周期的な通信(定常通信シーケンス)を開始する前に、モニタ充電量を示す情報を取得する。また、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送ることなくモニタ充電を充電部432に行わせることができる。これにより、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスに続く初回の定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を、初期通信シーケンスにおいて準備することができる。結果として、カメラ制御部170は、初回の定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信し、受信した充電状態情報に基づいて充電制御を開始することができる。これにより、カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400が装着されてから充電制御が開始されるまでの時間を短縮することができる。結果として、カメラシステム1は、閃光発光機能を機能させる撮影を行うことができるまでの時間を短縮することができ、利便性が高いシステムになる。なお、上記の例において、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスにおいてモニタ充電要求をカメラ制御部170に送ることなく、カメラ制御部170から受信したモニタ充電「許可」情報に応じて、モニタ充電を行うが、これに限定されるものではない。例えば、アクセサリー制御部440は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着されてから初期通信シーケンスが開始されるまでの期間、あるいは初期通信シーケンス中において、カメラ制御部170にモニタ充電の指令を要求するモニタ充電要求を送信してもよい。この場合に、カメラ制御部170は、モニタ充電「許可」情報を送信しなくてもよい。
次に、閃光発光部430に対する充電制御のうち、定常通信シーケンスにおける充電制御について説明する。
本実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電部432の充電状態を示す複数の項目について、撮影処理に対する影響が大きい順に判定する。第1の処理において、カメラ制御部170は、今回の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報に含まれている充電状態情報に基づいて、充電部432の充電状態を判定する。アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報をカメラ制御部170に送る。なお、充電状態情報には、既述したように、充電要求があるか否かを示す充電要求情報、充電部432が充電中であるか否かを示す充電経過情報、充電部432が充電可能であるか否かを示す充電可否情報、及び閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)であるか否かを示す発光可否情報が含まれる。
また、本実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)になっていない場合に、カメラシステム1において行われる複数の処理のうち充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理を優先させて行う。
例えば、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、AF制御やパワーズーム制御等のカメラ10側の動作を中断(動作禁止状態に設定)し、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理をAF制御やパワーズーム制御よりも優先させる。カメラ制御部170は、動作禁止状態に設定した場合に、予め設定された第1充電速度で、充電部432に充電(通常充電)を行わせる。また、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態である場合に、第1充電速度よりも遅い第2充電側で、充電部432に充電(スロー充電)を行わせ、また動作禁止状態を解除する。
図20は、定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。図20に示す処理のうち、ステップS313の処理は、定常通信シーケンス(図15参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS313において、カメラ制御部170は、充電状態情報を含んだアクセサリー設定状態情報を受信する。カメラ制御部170は、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの既述した充電可否情報に基づいて、充電部432が充電可能であるか否かを判定する(ステップS430)。カメラ制御部170がステップS430において、充電部432が充電不可である、と判定した場合(ステップS430;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は、終了する。
カメラ制御部170は、充電部432が充電可能であるとステップS430で判定した場合(ステップS430;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、モニタ充電要求があるか否かを判定する(ステップS431)。カメラ制御部170は、モニタ充電要求があるとステップS431で判定した場合(ステップS431;Yes)に、アクセサリー制御部440にモニタ充電の開始を要求する指令(モニタ充電指令)をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS432)。この定常通信シーケンスにおける充電制御は、ステップS432の処理が終了した後に終了される。
カメラ制御部170は、モニタ充電要求がないとステップS431で判定した場合(ステップS431;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、本充電要求があるか否かを判定する(ステップS433)。カメラ制御部170は、本充電要求があるとステップS433で判定した場合(ステップS433;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS434)。
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態ではないとステップS434で判定した場合(ステップS434;No)に、負荷部30の一部の動作を制限(禁止)する動作禁止状態に設定する(ステップS435)。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で負荷部30のうち重負荷部の少なくとも一部の動作を制限する。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で光学系駆動部220の動作を制限(禁止)する。
カメラ制御部170は、ステップS435の処理の終了後に、通常充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に指令する通常充電指令を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS436)。通常充電指令は、予め設定された第1充電速度の本充電を行うことを要求する指令である。ステップS436の処理が終了した後、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
ところで、充電部432が蓄積部(電荷蓄積部)を充電するのに必要とされる時間は、AF制御を開始してから合焦するまでに要する時間よりも長い。本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光部430が発光不能である(レディ状態に無い)場合に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電の方を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。これにより、カメラ制御部170は、閃光発光を伴う本撮影を行うためにレリーズ釦16が全押し操作されてから、実際に閃光発光を伴う撮影が可能になるまでに要する時間を短縮できる。
一例として、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況において、AF制御を完了させて被写体にピントを合わせてから蓄積部の充電を開始すると、充電している間に被写体が動く等してシャッターチャンスを逃してしまう虞がある。本実施形態では、このような状況下において、AF制御等のカメラ10側の動作を禁止し、充電部432の蓄積部の充電を優先するので、シャッターチャンスを逃さずに撮影を行うことができる。
なお、本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させた撮影処理の直後にもステップS435と同様に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS434で判定した場合(ステップS434;Yes)に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS437)。カメラ制御部170は、負荷部30の動作禁止状態を解除した後に、スロー充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に対して指令するスロー充電指令を、アクセサリー制御部440に対して送信する(ステップS438)。スロー充電指令は、本充電を第1充電速度よりも遅い第2充電速度で行うことを要求する指令である。本実施形態において、第2充電速度は、予め設定された固定値(例えば、第1充電速度のほぼ半分)である。アクセサリー制御部440は、第2充電速度に指定して、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させる。ステップS438の処理が終了した後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
カメラ制御部170は、本充電要求がないとステップS433で判定した場合(ステップS433;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電経過情報に基づいて、充電部432が充電中であるか否かを判定する(ステップS439)。充電部432が充電中でないとカメラ制御部170がステップS439で判定した場合(ステップS439;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
カメラ制御部170は、充電部432が充電中であるとステップS439で判定した場合(ステップS439;Yes)に、S313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS440)。閃光発光部430がレディ状態ではないとカメラ制御部170がステップS440で判定した場合(ステップS440;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS440で判定した場合(ステップS440;Yes)に、ステップS437と同様にスロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS441)。カメラ制御部170は、スロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信した後に、ステップS438と同様に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS442)。ステップS442の処理の終了後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
以上のように、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電状態情報に基づいて、予め定められた優先度順に従って充電部432の充電状態を判定する。例えば、カメラ制御部170は、充電状態を示す項目のうち、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを最初に判定する(ステップS431参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを判定した後に、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定する(ステップS431、ステップS433参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定した後に、充電部432が充電中にあるか否かを判定する(ステップS439参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電中にあるか否かを判定した後に、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が予め定められた所定の充電量に達している状態(レディ状態)にあるか否かする(ステップS434参照)。充電状態を示す複数の項目の優先度順は、例えば、カメラ10の撮影処理に対する影響が大きくなる項目であるほど先に判定されるように、設定される。このように、カメラシステム1は、予め定められた優先度順に従ってアクセサリー400の充電状態を判定するので効率よく充電制御を行うことができ、利便性が高いシステムである。
また、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、充電状態情報に基づいて、制御対象を制御する処理のうちアクセサリー400において行われる充電処理についての優先度を制御する。例えば、カメラ制御部170は、充電部432の充電量が予め定められる閾値未満(発光許可レベル未満)である場合に、光学系210の駆動を制限(ステップS435参照)するように制御する。すなわち、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、重負荷部(例えば、光学系駆動部220)が行う処理よりも充電処理が優先して行われるように制御する。本実施形態のカメラシステム1は、上述の如く、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況においてもシャッターチャンスを逃さないので、利便性の高いシステムである。
次に、撮影シーケンスにおける処理について説明する。まず、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理を中心に説明する。
図21は、撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、ステップS4の定常通信シーケンスの終了によりレリーズ釦16が操作されたことが検出されると、カメラ10の撮影モードが閃光発光機能を機能させる第2撮影モード(閃光撮像)であるか否かを撮影モード情報に基づいて、判定する(ステップS500)。なお、カメラ制御部170は、ステップS4の定常通信シーケンスにおける処理中にレリーズ釦16が操作されたことが検出されると、レリーズ釦16が操作されたことに対する処理をステップS4の定常通信シーケンスの終了まで休止させる。
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードでないとステップS500で判定した場合に(ステップS500;No)、カメラ10の撮影モードが照明発光機能を機能させる第1撮影モード(照明撮像)であるか否かを判定する(ステップS501)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードであるとステップS501で判定した場合に(ステップS501;Yes)、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスを実行する(ステップS11)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードでないとステップS501で判定した場合に(ステップS501;No)、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない撮影シーケンスを実行する(ステップS12)。
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードであるとステップS500で判定した場合に(ステップS500;Yes)、ステップS4の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS502)。カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でないとステップS502で判定した場合に(ステップS502;No)、ステップS503でレリーズ釦の操作がなかった(レリーズボタンの操作結果解除)とする。ステップS503の処理の終了後に、次回の定常通信シーケンスが開始される。
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS502で判定した場合に(ステップS502;Yes)、次回の定常通信シーケンスの開始を撮影シーケンスの終了まで停止(遅延)することを示す定常通信停止通知を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS504)。カメラ制御部170は、ステップS504で送信した定常通信停止通知をアクセサリー制御部440が受信したことを検出した後に、アクセサリー制御部440とともに定常通信シーケンスを停止する(ステップS505)。ステップS505の処理の終了後に、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、開始される(ステップS13)。
カメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスが開始された後に、ユーザーが指定する被写体にピントが合うように、AF制御を実行する。また、カメラ制御部170は、既述のモニタ充電指令をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS510)し、アクセサリー制御部440に充電部432の充電を開始させる。充電部432による充電は、既述のように予め定められた所定時間だけ継続して行われる。
カメラ制御部170は、ステップS510の処理の終了後に、カメラ10の設定状態に応じて、被写体の反射率を測定するために周知のモニタ発光(プリ発光)制御を行う(ステップS511)。モニタ発光制御において、カメラ制御部170は、モニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、アクセサリー制御部440へ送信する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信したモニタ発光制御信号に従って、閃光発光部430を発光させる。カメラ制御部170は、カメラ10の設定状態に応じて、閃光発光部430がモニタ発光を実行したときに撮像(モニタ撮像)された結果を用いたAE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。なお、モニタ発光制御、AE制御、及びAWB制御のうちの少なくとも1つは、カメラ10の設定状態に応じて、省略されることがある。
カメラ制御部170は、撮像(本撮像)の実行を指令する旨のレリーズ釦16の操作情報(レリーズ釦16の全押し操作)が検出された場合に、発光制御(本発光制御)を行う(ステップS512)。カメラ制御部170は、レリーズ釦16の操作情報(全押し操作)が検出されたタイミングに応じて設定される撮影タイミングに同期して閃光発光部430の発光を要求する発光制御信号Xを、アクセサリー制御部440へ送信する。発光制御信号Xは、アクセサリー400内において、発光制御の実行前にHレベルに維持されており、カメラ制御部170は、発光制御信号XをLレベルに立ち下げることによって、撮影タイミングをアクセサリー制御部440へ通知する。アクセサリー制御部440は、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたことを検出した場合に、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたタイミングに応じて、閃光発光部430を発光させる。
カメラ制御部170は、閃光発光部430が発光するタイミングと同期して、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS513)。カメラ制御部170は、ステップS513で露光を開始してから、AE制御等によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了させる(ステップS514)。カメラ制御部170は、ステップS514の処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像を示す画像データを取り込む撮像処理を行う(ステップS515)。カメラ制御部170は、取り込んだ画像データを例えばメモリー140に記憶させる。ステップS515の処理の終了後に閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、終了される。
次回の定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの終了後に、開始される。上記のように、アクセサリー制御部440は、充電要求情報、充電経過情報、充電可否情報、及び発光可否情報を含む充電状態情報を、定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170へ送信する。しかしながら、カメラシステム1は、撮影シーケンスの処理を行っている間には定常通信シーケンスを休止させているので、アクセサリー制御部440が充電状態情報の送信を休止することになる。そこで、カメラ制御部170は、必要に応じて、アクセサリー制御部440に充電制御を実行させる指令をアクセサリー制御部440におくる(ステップS510参照)。このように、カメラ制御部170は、撮影シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電要求を受信することなく、アクセサリー制御部440に充電させることができる。また、アクセサリー制御部440は、撮影シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送信することなくカメラ制御部170からの指令を受けて、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させることができる。
なお、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない第3撮影モードの撮影シーケンス(ステップS12)における処理は、例えば、ステップS513からステップS515の処理を含む。第3撮影モードの撮影シーケンスは、発光制御を行わない点で閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと異なる。第3撮影モードの撮影シーケンスにおける処理は、発光制御を行わない点を除くと、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと同様であるので、その説明を省略するまた、カメラ制御部170は、第3撮影モードの撮影シーケンスを行う間に定常通信シーケンスの開始を停止し、第3撮影モードの撮影シーケンスの終了後に定常通信シーケンスを開始する。
次に、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モード(照明撮影)に設定されている場合に、照明光発光部435の発光処理を制御する。第1撮影モードは、例えば、予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モード、あるいは予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードのいずれかの撮影モードである。
アクセサリー400は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第1の処理として、カメラ10からの合焦完了情報を受信したタイミングで、照明光発光部435を点灯する。AE制御やAWB制御は、照明光発光部435が点灯している状態で行われる。
また、カメラボディ100は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第2の処理として、最長点灯時間の終了間際にレリーズ釦16が全押しされた場合に、最長点灯時間を超えて点灯時間を延長させる。最長点灯時間は、例えば、継続的な点灯時間の許容範囲の上限として、予め設定されている時間である。カメラボディ100は、第2の処理の初期条件として、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始する前(図22のフローチャートを実行開始する前)に行われた上述の定常通信シーケンス(例えば、図15のステップS309参照)において、アクセサリー制御部440から照明発光機能の特性情報を受信している。照明発光機能の特性情報は、最長点灯時間(照明光発光部435を連続点灯可能な期間(時間)を示す情報)を示す情報を含んでいる。
図22は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始した後に、撮像の準備を開始することを示すレリーズ釦16の操作(半押し)を検出(ステップS601)すると、AF制御を開始する(ステップS602)。カメラ制御部170は、AFセンサーによって合焦状態を検出してAF制御が終了(ステップS603)した後に、所望の被写体に対する合焦動作の完了(合焦状態に至ったこと)を示す合焦完了情報(合焦状態情報)をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS604)。アクセサリー制御部440は、この合焦状態情報を受信(ステップS605)した後に、照明光発光部435に点灯を開始させる(ステップS606)。撮影シーケンスが開始した時点において、アクセサリー制御部440が照明光発光部435を点灯させる時間(通常点灯時間)は、予め設定された所定の時間だけ照明光発光部435の最長点灯時間よりも短く設定されている。
カメラ制御部170は、ステップS604の処理の終了後に、AE制御及びAWB制御を開始(ステップS607)して、照明光発光部435が被写体を照らしている状態でAE制御及びAWB制御を行う。カメラ制御部170は、AE制御及びAWB制御が完了(ステップS608)し、撮像を要求することを示すレリーズ釦16の操作(全押し)を検出する(ステップS609)。ステップS609の処理の終了後に、カメラ制御部170は、最長点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する(ステップS610)。
カメラ制御部170は、ステップS610において、合焦完了(状態)情報を送信(ステップS604)したタイミングと、通常点灯時間と、ステップS609でレリーズ釦16の操作(全押し)を検出したタイミング(撮影開始時刻)とに基づいて、通常点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する。カメラ制御部170は、例えば、レリーズ釦16の操作(全押し)を検出した時点で照明光発光部435に残されている点灯時間を求め、撮像を完了するのに必要とされる時間とを比較することによって、通常点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する。
カメラ制御部170は、通常点灯時間内に撮像を完了可能であると判定した場合(ステップS610;Yes)に、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS615)。
カメラ制御部170は、通常点灯時間内に撮像を完了不能であると判定した場合(ステップS610;No)に、点灯時間を通常点灯時間から最長点灯時間以下の時間まで延長し、さらに撮像を完了可能であるか否かを判定する(ステップS611)。通常点灯時間よりも延長した時間内に撮像を完了不能であるとカメラ制御部170がステップS611で判定した場合(ステップS611;No)、撮影シーケンスは終了する。カメラ制御部170は、通常点灯時間よりも延長した時間内に撮像を完了可能であるとステップS611で判定した場合(ステップS611;Yes)に、点灯時間を延長することを示す延長情報をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS612)。アクセサリー制御部440は、延長情報を受信する(ステップS613)。カメラ制御部170は、ステップS612の処理の終了後に、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS615)。
カメラ制御部170は、ステップS615で露光開始してから、AE制御によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了させる(ステップS616)。カメラ制御部170は、ステップS616の処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像の画像データを生成させ、生成した画像データをメモリー140等に取り込んで記憶させる(ステップS617)。カメラ制御部170は、ステップS617の処理の終了後に、露光を終了したことを示す露光終了情報をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS618)。
アクセサリー制御部440は、ステップS606で照明光発光部435の点灯を開始した後に、カメラ制御部170から延長情報を受信したか否かを判定する(ステップS613)。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信したとステップS613で判定した場合(ステップS613;Yes)に、照明光発光部435の点灯時間が通常点灯時間を超えて照明光発光部435の点灯を継続するように照明光発光部435の延長条件を設定する。
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信していないとステップS613で判定した場合(ステップS613;No)に、照明光発光部435の点灯時間を変更しないで照明光発光部435を点灯状態に維持する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から露光終了情報を受信(ステップS619)した後、照明光発光部435を消灯させる(ステップS620)。
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信していない状態で、照明光発光部435の点灯時間が最長点灯時間になった場合には、照明光発光部435を消灯させる。ステップS618の処理とステップS620の処理が終了した後に、照明発光機能を用いた撮影シーケンスは終了する。
上記のような手順で行われた第1の処理において、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170が合焦状態を検出した場合に、カメラ制御部170の制御によって照明光発光部435を点灯させる(ステップS606)。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した合焦完了情報(ステップS605)に応じて照明光発光部435を点灯させる(ステップS606)。合焦完了情報は合焦状態を示す情報である。
また、カメラ制御部170は、照明光発光部435によって被写体が照明されている状態で、露光量を調整するAE制御と色調を調整するAWB制御との少なくとも一方を開始する(ステップS608)。AE制御とAWB制御は、照明光発光部435の発光特性を示す情報に基づいて行われる。これにより、カメラシステム1は、照明光発光部435から被写体に照射された光による露光量(明るさ)への影響や色調(色味)への影響が加味された状態で被写体を撮像することができる。また、カメラシステム1は、アクセサリー制御部440が合焦完了情報を受信した後に、照明光発光部435の点灯を開始する(発光開始タイミングをAF開始タイミングよりも遅らせる)よう構成しているので、AF開始タイミング(半押し操作時点)と同時に照明光を発光する場合に比して、本撮影期間中に本撮影動作と並行して照明光を発光(点灯)できる期間を長くすることができる。このため、撮影動作が完了する前に照明光発光部435の点灯が終了してしまって撮影期間中の後半の撮影が照明光量不足(露出不足)に陥ってしまうリスクを低減できる。このように、カメラシステム1は、利便性が高いシステムである。
また、上記のような手順で行われた第2の処理において、カメラ制御部170は、照明光発光部435の点灯時間を、撮影開始時刻に応じて通常点灯時間よりも延長させるように制御する。最長点灯時間は、例えば照明光光源437の発熱量に応じて予め設定されている。通常点灯時間は、最長点灯時間に応じて予め設定される。最長点灯時間は、例えば照明光光源437の発熱量に応じて、予め設定されている。アクセサリー制御部440は、予め設定された通常点灯時間内において、照明光発光部435を点灯させる。アクセサリー制御部440は、撮影開始時刻に応じて、照明光発光部435の点灯時間を、通常点灯時間よりも延長させるように制御する。以下、数値例を示して第2の処理を説明する。
図23Aおよび23Bは、点灯時間を延長する制御の各処理を行うタイミングを示す図である。図23Aには、通常点灯時間内に撮影が完了する場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図23Bには、点灯時間を最長点灯時間内に延長して撮影が完了する場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図23A及び図23Bにおいて、符号Tnは、撮影開始時刻から通常点灯時間(例えば6秒)の経過した時刻を示し、符号Tmは撮影開始時刻から最長点灯時間(例えば8秒)の経過した時刻を示す。撮影を行う時間(撮影時間)は、露光を開始(ステップS615)してから露光を終了(ステップS616)するまでの時間であり、予め設定される時間(例えば2秒)である。
本実施形態のカメラシステム1は、撮影時間の間に複数フレームの画像を撮像する。また、本実施形態のカメラシステム1は、撮影処理(図23Aおよび23B中に「撮影」と示す)を行う所望の期間に先立ち、プリキャプチャーを行う。プリキャプチャーは、レリーズ釦16が全押しされるよりも前に画像の取り込みを開始する処理である。ここでカメラシステム1は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した場合に、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻よりも前に撮像が開始されたものとする。すなわち、カメラシステム1は、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の前に続く所定の時間に取り込まれている画像と、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の後に続く所定の時間に取り込まれている画像とを、撮像処理において撮像された画像とする。
まず、点灯時間を延長させることなく撮影処理を完了させる例について説明する。図23Aに示すように、カメラ10は、時刻t10において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t10よりも後の時刻t11において、AF制御が完了した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t11において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。
本実施形態のカメラ10は、時刻t11よりも後の時刻t12において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。カメラ10は、時刻t12よりも後の時刻t13において、撮影処理を開始する。上記のように、カメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻よりも前に撮影を開始したものとする。すなわち、レリーズ釦16が全押しされたことをカメラ10が検出した時刻は、撮影処理が開始された時刻t13と撮影処理が終了される時刻t14との間のいずれかの時刻である。本例において、撮影開始時刻t13は、例えば点灯開始時刻(t11)から3秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から5秒経過した時刻t14(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t10から通常点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに終了することになる。このような場合に、カメラ10は、時刻t14において、撮影処理を終了するとともに照明光発光部435を消灯させる。
次に、通常点灯時間を延長させて撮影処理を完了させる例について説明する。図23Bに示すように、カメラ10は、時刻t20において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t20よりも後の時刻t21において、AF制御が完了した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t21において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。また、カメラ10は、時刻t21よりも後の時刻t22において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。
本実施形態のカメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻に至る撮影開始時刻t23からの時間と、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻から撮影処理を完了させるべき撮影終了時刻t24までの時間とが予め定められている。本例において、撮影開始時刻t23は、例えば点灯開始時刻(t21)から5秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から7秒経過した時刻t24(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t20から通常点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに完了させることができないが、点灯開始時刻t20から最長点灯時間(8秒)が経過する時刻Tmまでに完了させることはできる。このような場合に、カメラ10は、照明光発光部435の点灯時間を延長させて、撮影処理が完了するこのように、カメラシステム1は、撮影開始時刻に応じて点灯時間を延長させるので、利便性が高いシステムである。
次に、アクセサリー400における処理を終了する終了処理について説明する。カメラ10は、電力を供給する制御(図14参照)において、アクセサリー400への電力の供給を開始(ステップS103参照)している。また、カメラ10は、アクセサリー400の消費電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給しないと判定した場合(ステップS250参照)に、アクセサリー400への電力の供給を継続している。本実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400が行う処理を終了することを示す信号(起動検出レベルDET)をカメラ10に出力する。図9A及び9Bに示した起動検出レベルDETは、第1スイッチ部465が閉路しており、かつ第2スイッチ部470が閉路している場合に、Lレベルに維持される。起動検出レベルDETは、第1スイッチ部465と第2スイッチ部470の少なくとも一方が遮断されると、Hレベルになる。例えば、アクセサリー400は、ユーザーがアクセサリー400をカメラ10から取り外す際に、ユーザーがカメラ10に対するアクセサリー400の固定を解除すべく第1操作部424(図2及び図9A,9B参照)を操作すると、第1スイッチ部465が回路を遮断する。
これにより、起動検出レベルDETがHレベルになる。また、アクセサリー400は、ユーザーが第2スイッチ部470の第2操作部471(図2及び図9A,9B参照)に対して機能オフ操作すると、第2スイッチ部470が回路を遮断する。これによっても、起動検出レベルDETがHレベルになる。アクセサリー400のアクセサリー制御部440は、アクセサリー400の処理が終了されることを示す起動検出レベルDET(Hレベル)をカメラ10に提供した後に、終了処理を開始する。以下、終了処理の処理フローの一例を説明する。
図24は、アクセサリー400における処理を終了する処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、起動状態検出端子Tp7の電位を継続的に検出しており、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かを判定する判定処理を所定タイミング(所定周期)で繰り返し行っている。すなわち、カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かを判定する判定処理を行う(ステップS702)。また、カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるとステップS702において判定した場合(ステップS702;Yes)に、アクセサリー400がカメラ10に装着されている状態であると判定して、ステップS702の判定処理に戻る。
カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルでないとステップS702で判定した場合(ステップS702;No)に、カメラ10からアクセサリー400への電力供給を停止することを示す電力供給停止情報を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS703)。カメラ制御部170は、電力供給停止情報をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS703)した後であって、且つその電力供給停止情報の送信時点から予め設定された所定の給電期間が経過した後のタイミングで、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を停止させる(ステップS704)。すなわち、アクセサリー制御部440は、起動検出レベルDETをカメラ制御部170に提供すると同時に、あるいはカメラから電力供給停止情報を受信すると同時にカメラ10から給電が断たれるのでは無く、しばらく(前述の所定の給電期間)の間はカメラ10からの電力供給が維持されている。
アクセサリー制御部440は、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給が停止される前の僅かな時間(前述の所定の給電期間中)に、次に述べる終了処理を行う。アクセサリー制御部440は、カメラ10から電力供給停止情報を受信(ステップS705)すると、アクセサリー400の処理を終了するための終了処理を開始する(ステップS706)。この終了処理は、アクセサリー400内の記憶部444に一時的に記憶されている、その時点のアクセサリー400の各種状態を示す情報(例えば、発光回数などの発光履歴情報や、設定されている発光モード等のアクセサリー設定状態情報など)を不揮発性メモリー445(記憶部444)に記憶(保存)する処理である。アクセサリー制御部440は、ステップS706の後に、処理を終了する(ステップS707)。
このように、カメラシステム1は、例えばユーザーがアクセサリー400をカメラ10から取り外そうとした場合に、アクセサリー400の処理を終了するために必要な処理(上記終了処理)を行うので、アクセサリー400の設定や履歴が保存できて、利便性が高いシステムである。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した構成要素のうち少なくとも1つの構成要素は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各構成要素は、適宜、組み合わせることができる。上記実施形態では、アクセサリーとして、閃光発光機能を備えたアクセサリー(即ち閃光装置)、照明発光機能を備えたアクセサリー(即ち照明装置)、GPS機能を備えたアクセサリー(即ち測位装置)、多灯コマンダ機能を備えた装置(即ちコマンダー装置)を挙げたが、これ以外のアクセサリーであっても良い。例えばオープン端子Tp10,Ts10を、カメラからアクセサリーへ画像データを転送するための端子として機能させれば、上記アクセサリーを、電子ビューファインダー機能を備えたアクセサリー(即ちEVF)や、或いは画像データ等を外部のサーバ等に送信するためのトランスミッター機能を備えたアクセサリー(ワイヤレストランスミッター)にすることもできる。また、オープン端子Tp10,Ts10を、アクセサリーからカメラへ音声データを転送するための端子として機能させれば、上記アクセサリーを、マイク機能を備えたアクセサリー(即ちマイクロフォン)にすることもできる。
なお、図14を参照して説明したように、カメラ制御部170は、アクセサリー400に電池が搭載されていると判定した場合(ステップS250:Yes)に、アクセサリー400への電力供給を停止(ステップS251)するが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ制御部170は、アクセサリー400に電池が搭載されているか否か以外の所定の条件に基づいて、カメラ10(カメラボディ100)側からアクセサリー400側への電力供給を停止又は抑制する制御を行ってもよい。カメラ制御部170は、アクセサリー400側への電力の供給を停止又は制限することによって、カメラ10(カメラボディ100)側において予め想定されている動作以外の動作(想定外動作という)をアクセサリー400が行った場合に、アクセサリー400の動作の少なくとも一部を禁止又は制限することができる。以下、このような変形例について説明する。
[変形例1]
まず、変形例1について説明する。図25は、変形例1の初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。変形例1における一連の処理は、ステップS204の処理の後に、アクセサリー制御部440からの情報の受信が正常に行われたか否かをステップS260において判定する点で、図12を用いて説明した一連の処理と異なる。
変形例1において、カメラ制御部170は、例えばステップS204においてアクセサリー制御部440からアクセサリー初期状態情報を受信したのに続いて、アクセサリー制御部440からの情報の受信が正常に行われたか否かを判定する(ステップS260)。
詳しくは、ステップS260において、カメラ制御部170は、ステップS204において受信したアクセサリー初期状態情報がステップS201の送信要求コマンドC1で指定した項目の情報(例えば、電池有無情報、機能種類情報)を過不足なく含んでいる場合に、情報の受信が正常に行われたと判定する(ステップS260:Yes)。そして、カメラ制御部170は、図12及び図13を用いて説明したのと同様に、ステップS204A以降の処理を行う。
また、カメラ制御部170は、ステップS260において、ステップS204においてアクセサリー制御部440からアクセサリー初期状態情報を受信できなかった場合、及びステップS204において受信したアクセサリー初期状態情報がステップS201の送信要求コマンドC1で指定した項目の少なくとも1項目の情報を含んでいない場合に、情報の受信が正常に行われなかったと判定する(ステップS260:No)。そして、カメラ制御部170は、アクセサリー400に対する電力の供給を停止する処理を行う(ステップS261)。この場合に、カメラ制御部170は、例えば、初期通信シーケンスを終了する。また、カメラ制御部170は、図24を用いて説明したように、アクセサリー400に電力の供給を停止することを通知し(ステップS703)、次いでアクセサリー電源制御部33(図7参照)を制御して電力の供給を停止する(ステップS704)。
変形例1に示す処理において、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、予め想定されている情報をアクセサリー400から受信できない場合に、アクセサリー400が想定外動作を行ったことを検出することができる。この検出結果に基づいて、カメラ制御部170は、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を停止するので、予測不能なアクセサリー400での誤動作等の発生を事前に抑制できる。
ところで、アクセサリー制御部440が送信すべき情報のバイト数(第1のバイト数)は、カメラ制御部170からの要求内容に応じて定まる。そこで、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報のバイト数(第2のバイト数)に基づいてステップS260の判定を行ってもよい。例えば、カメラ制御部170は、第2のバイト数が第1のバイト数と同じである場合に情報の受信が正常に行われたと判定し、第2のバイトが第1のバイト数と異なる場合に情報の受信が正常に行われなかったと判定してもよい。
また、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報の内容に基づいてステップS260の判定を行うこともできる。例えば、カメラ制御部170は、ステップS204においてカメラ制御部170が受信する情報が、送信要求コマンドC1で指定した項目の情報を含んでいない場合と、予め定められている形式と異なる場合と、送信要求コマンドC1で指定した項目以外の情報を含んでいる場合のうち少なくとも1つの場合において、情報の受信が正常に行われなかったと判定してもよい。例えば、カメラ制御部170は、ステップS204において、電池有無情報及び機能種類情報を受信することが想定されており、電池「有」情報及び電池「無」情報をいずれも受信しなかった場合、機能種類情報の少なくとも一部を受信しなかった場合等に、情報の受信が正常に行われなかったと判定してもよい。
なお、図25に示した変形例1において、カメラ制御部170は、受信するアクセサリー初期状態情報に関して情報の受信(ステップS204)が正常に行われたか否かの判定を行っているが、カメラ制御部170がアクセサリー初期状態情報以外の情報についても、情報の受信が正常に行われたか否かの判定を行ってもよい。例えば、図12に示したステップS209、S214の各処理、図13に示したステップS220、S224、S229、S233、ステップS241の各処理において、カメラ制御部170は、アクセサリー400から情報を受信している。カメラ制御部170は、これら情報を受信する処理のそれぞれにおいて各情報を受信するたびに、情報の受信が正常に行われたか否かの判定を行ってもよい。
また、カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報、照明発光機能の初期状態情報、設定可能情報、プロファイル情報、照明プロファイル情報、アクセサリー設定状態情報のうちカメラ制御部170が要求した情報の少なくとも1項目の情報を、アクセサリー制御部440から受信できなかった場合に、アクセサリー400が想定されている動作以外の動作(誤動作)を行っている状態にあると判定してもよい。
ここで、拡張機能の特性情報は、例えばGPS機能や多灯コマンダ機能等の拡張機能の特性を示す情報である。拡張機能の特性情報は、アクセサリー400が拡張機能を有するとステップS205で判定された場合に、ステップS209においてカメラ制御部170が受信する情報である。
照明発光機能の初期状態情報は、照明発光機能の特性を変更設定する前の初期状態を示す情報である。照明発光機能の初期状態情報は、アクセサリー400が照明発光機能を有するとステップS210において判定された場合に、ステップS214においてカメラ制御部170が受信する情報である。
設定可能情報は、アクセサリー400の機能のうちで特性を設定可能な機能を示す情報である。設定可能情報は、ステップS220においてカメラ制御部170が受信する情報である。
プロファイル情報は、アクセサリー400のプロファイル(閃光発光機能の特性)を示す情報である。プロファイル情報は、ステップS224においてカメラ制御部170が受信する情報である。
照明プロファイル情報は、照明光発光部435の発光特性を示す情報である。照明プロファイル情報は、アクセサリー400が照明発光機能を有するとステップS225において判定された場合に、ステップS229においてカメラ制御部170が受信する情報である。
アクセサリー設定状態情報は、閃光発光機能の設定状態を示す設定情報、照明発光機能の設定状態を示す設定情報、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報等を含む情報である。アクセサリー設定状態情報は、ステップS233とステップS241においてカメラ制御部170が受信する情報である。
これらの情報の少なくとも1つに関して、カメラ制御部170は、情報の受信が正常に行われなかったと判定した場合に、ステップS261と同様にアクセサリー400への電力の供給を停止してもよい。また、カメラ制御部170は、情報の受信が正常に行われなかったと判定されなかった場合に、情報の受信が正常に行われたとし、上記の実施形態と同様の後続の処理を行ってもよい。なお、カメラ制御部170は、上記の各種情報から選択される1項目以上の情報に関して情報の受信が正常に行われたか否かの判定を行わなくてもよい。
[変形例2]
次に、変形例2について説明する。図26は、変形例2の給電制御における処理の手順を示す図である。変形例2における一連の処理は、ステップS250の処理の後にアクセサリー制御部440からの情報の受信が正常に行われたか否かをステップS262において判定する点で、図14を用いて説明した一連の処理と異なる。
変形例2において、カメラ制御部170は、アクセサリー400が電池を有していないとステップS250において判定した場合(ステップS250:N0)に、電池「無」情報の受信が正常に行われたか否かをステップS262において判定する。ステップS262において、カメラ制御部170は、電池「無」情報をステップS204において受信している場合に、情報の受信が正常に行われたと判定し(ステップS262:Yes)、ステップS103において開始されたアクセサリー400への電力の供給を継続する。また、ステップS262において、カメラ制御部170は、ステップS204において電池「無」情報を受信していない場合又は予め設定された形式と異なる情報を受信した場合に、情報の受信が正常に行われなかったと判定し(ステップS262:No)、ステップS103において開始された電力の供給をステップS251において停止する。
このようにして、カメラ制御部170は、アクセサリー400が想定外動作を行ったことを検出することができる。この検出結果に基づいて、カメラ制御部170は、アクセサリー400への電力の供給を停止するので、アクセサリー400の誤動作等の発生を抑制することができる。なお、ステップS262の判定は、ステップS250の判定に先立ち、行うことができる。
[変形例3]
次に、変形例3について説明する。図27は、変形例3の充電制御の処理の手順を示す図である。変形例3における一連の処理は、ステップS430の処理の後に、アクセサリー制御部440からの情報の受信が正常に行われたか否かをステップS263において判定する点で、図20を用いて説明した一連の処理と異なる。
変形例3において、ステップS263の判定処理は、ステップS430において、充電部432が充電可能でないと充電可否情報に基づいて判定された場合(ステップS430:No)、ステップS431において、モニタ充電要求が無いと充電要求情報に基づいて判定された場合(ステップS431:No)、ステップS439において、充電部432が充電中でないと充電経過情報に基づいて判定された場合(ステップS439:No)、ステップS440において、閃光発光部430がレディ状態ではないと発光可否情報に基づいて判定された場合(ステップS440;No)の各場合において、実行される。
ステップS263において、カメラ制御部170は、ステップS313において受信したアクセサリー設定状態情報のうち充電状態情報に含まれている、充電可否情報、充電要求情報、充電経過情報、及び発光可否情報に関して、情報の受信が正常に行われたか否かを判定する。
変形例3において、カメラ制御部170は、充電可否情報、充電要求情報、充電経過情報、及び発光可否情報のそれぞれが示す内容の整合性に基づいて、正しい情報を受信しているか否か(アクセサリーが正常に動作しているか否か)を判定する。一例として、充電部432の充電量が上述した発光許可レベル未満であるケースの場合、通常(正常な状態)であれば発光可否情報において閃光発光部430がレディ状態でないことを示し、かつ、充電要求情報において本充電要求がなされていることを示す、という状態になることが想定される。しかしながら、このようなケースにおいて、発光可否情報においてレディ状態でないことが示されているにも関わらず、充電要求情報において本充電要求がなされていない場合には、カメラ制御部170は、正しい情報の受信が行われていない(アクセサリー400が想定外動作を行っている)と判定し(ステップS263:No)、ステップS264においてアクセサリー400への電力の供給を停止する。また、カメラ制御部170は、充電可否情報、充電要求情報、充電経過情報、及び発光可否情報のそれぞれが示す内容が整合性しているとステップS263において判定した場合(ステップS263:Yes)に、定常通信シーケンスにおける充電制御を終了する。
このようにして、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した複数の情報が整合しているか否かを判定することによって、アクセサリー400が想定外動作を行ったことを検出することができる。この検出結果に基づいて、カメラ制御部170は、アクセサリー400への電力の供給を停止するので、アクセサリー400側での誤動作等の発生を事前に抑制することができる。
なお、カメラ制御部170は、情報の受信が正常に行われたか否かの判定を、変形例1で説明したのと同様に、充電可否情報、充電要求情報、充電経過情報、及び発光可否情報のそれぞれについて、バイト数と内容の一方又は双方に基づいて行ってもよい。また、アクセサリー制御部440からカメラ制御部170に充電部432の充電量(充電率)を示す情報が供給される場合に、カメラ制御部170は、充電可否情報、充電要求情報、充電経過情報、及び発光可否情報の少なくとも1つについて、充電部432の充電率(充電量)との整合性を判定することによって、アクセサリー400が想定外動作を行っていることを検出してもよい。例えば、充電部432の充電率(充電量)が発光許可レベル以上(レディ状態)であるにも関わらず、充電可否情報がレディ状態でないことを示す場合に、カメラ制御部170は、正しい情報の受信が行われていないと判定してもよい。例えば、アクセサリー制御部440は、定常通信シーケンス(例えば図15、ステップS313)において、アクセサリー設定状態情報の一部として充電部432の充電率を示す充電率情報を、カメラ制御部170に送信する。そして、カメラ制御部170は、レディ状態であるか否かの判定処理(例えば、ステップS440、ステップS434)の後に、発光可否情報と充電率情報との整合性を判定してもよい。
[変形例4]
次に、変形例4について説明する。変形例4は、変形例3と同様に充電制御の処理に関する変形例であり、処理の手順については、図27に示した変形例3と同様である。変形例4は、充電可否情報及び充電要求情報に基づいて充電状態情報の整合性を評価(判定)する代わりに、カメラ10からアクセサリー400に供給される電力を示す情報と、充電状態情報との整合性を判定することによって、アクセサリー400が想定外動作を行っているか否かの判定を行う。
詳しくは、変形例4において、図7に示したカメラ10内のアクセサリー電源制御部33は、カメラ10からアクセサリー400に供給する電力(例えば、電流値)を検出し、その検出した電力を示す情報(以下、供給電力検出情報という)をカメラ制御部170に供給する。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した充電状態情報によって示されるアクセサリー400の動作状況(充電状態)と、供給電力検出情報が示す電力の供給量が整合しない場合に、アクセサリー400が想定外動作を行っていると判定する。例えば、カメラ制御部170は、充電部432が充電中では無いはずなのにアクセサリー400への供給電力が所定量(アクセサリー400側のアクセサリー制御部440が通常の動作(充電のための動作は含まない)を行うのに必要な通常の電力)より多い場合に、アクセサリー400が想定外動作を行っていると判定する。具体的には、充電状態情報の充電要求情報が「充電要求がなされていない」ことを示し、かつ供給電力検出情報が示す電力の供給量が充電中でない場合の電力の供給量の許容範囲を超えている場合に、カメラ制御部170は、アクセサリー400が想定外動作を行っていると判定する。カメラ制御部170は、アクセサリー400が想定外動作を行っていると判定した場合に、変形例1で説明したように、アクセサリー400への電力の供給を停止する。
このようにして、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報と供給電力検出情報との整合性を判定することによって、アクセサリー400が想定外動作を行ったことを検出する。この検出結果に基づいて、カメラ制御部170は、アクセサリー400への電力の供給を停止するので、アクセサリー400側での誤動作等の発生を事前に抑制することができる。
なお、上述の変形例1から4において、カメラ制御部170は、アクセサリー400が想定外動作を行っていると判定した場合に、アクセサリー400への電力の供給を停止するが、アクセサリー400へ供給する電力の上限値を予め設定された値に制限(減少)してもよいし、アクセサリー400の機能の少なくとも一部を禁止してもよい。例えば、カメラ制御部170は、図12を用いて説明した初期通信シーケンスにおいてアクセサリー400から受信した機能種類情報が示す機能に照明発光機能が含まれていない場合に、照明発光機能に関する指令をアクセサリー400に送信しないことによって、照明発光機能を無効にしてもよい。
なお、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440に要求した項目の情報を受信できなかった場合に、この情報の送信をアクセサリー制御部440に再度要求(リトライ)した上で要求した項目の情報が受信できなかった場合に、アクセサリー400への電力の供給を制限又は停止したり、アクセサリー400の機能の少なくとも一部を制限したりしてもよい。リトライの回数は、1回でもよいし、予め定められた複数回数でもよい。
なお、カメラ制御部170は、アクセサリー400が想定される動作以外の動作を行っていると判定した場合に、例えばアクセサリー400の動作(誤動作)を報知してもよい。また、カメラ制御部170は、アクセサリー400への電力の供給を制限又は停止したり、アクセサリー400の機能の少なくとも一部を制限したりする場合に、制限又は停止を行う旨を報知してもよい。上記の報知は、例えば、図2に示した表示部102に文字と画像の一方又は双方を表示することにより、行うことができる。
なお、アクセサリー400において、起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラ10に装着された状態において、基準電位線480を介して、接地線42に接続されるように、MSW465、PCSW470を介して基準電位線480に接続されていてもよい。
[GPS機能を備えるアクセサリーに関する説明]
次に、アクセサリー600の例について説明する。
図28及び図29に示すカメラシステム1aは、カメラ10a及びアクセサリー600を含む。本実施形態のアクセサリー600は、GPS機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。カメラ10aは、アクセサリー600と通信して、アクセサリー600を制御することができる。カメラシステム1aは、例えば、アクセサリー600によって撮像位置を測位し、カメラ10aによって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140(図6参照)に記憶させることができる。図28は、本実施形態のカメラシステム1aの外観を示す図である。図29は、本実施形態のカメラシステム1aを図28とは反対側から見た図である。
カメラ10aの外観は、図1及び図2に示されるカメラ10の外観と同様である。また、カメラ10a内部の構成要素も計時部34を有していることを除いて図7に記載されているカメラ10と同様である。したがって、以下の説明において、同様の構成要素については、同じ名称と符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
アクセサリー600は、各種部品を収容したアクセサリー本体610と、アクセサリー本体610に設けられた第2コネクター620とを含む。アクセサリー600は、シュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー600は、シュー座15に取り付けられて、カメラボディ100aに対して固定される。なお、アクセサリー600は、シュー座15とケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100aとは別の装置に保持されていてもよい。
アクセサリー600は、シュー座15の開口24に第2コネクター620を挿入して所定の方向(+Y方向)にスライドさせることによって、シュー座15に取付けられる(図28、29参照)。
図30は、本実施形態に係る本実施形態の第2コネクター620を示す図である。
図30に示すように、第2コネクター620は、底部621と、底部621に設けられた端子部623とを含む。端子部623は複数(12個)の端子Ts1〜Ts12を有している。
なお、第2コネクター620の構造は、アクセサリー400のコネクター420と同様の構造(図5参照)である。端子部623の構造は、端子部423と同様の構造(図5参照)である。したがって、以下の説明において、同様の構成要素については、同じ名称と符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
図31は、本実施形態のアクセサリー600の構成を示すブロック図である。図31に示すように、アクセサリー600は、端子部623(第2情報通信部)、操作部630、LED635、データ端子640(第1情報通信部)、GPSモジュール部650(受信部、測位部、または第1データ生成部)、GPS制御部660(第2データ生成部、制御部、またはアクセサリー制御部)、バッファメモリー663(第2記憶部)、充電部664、2次電池665、及び電源部670を含む。また、GPSモジュール部650は、アンテナ651、GPS演算部652、及びRTC653を含む。
本実施形態のアクセサリー600は、カメラ10aの端子部25を介して供給される電力PWRによって動作する。カメラ10aから電力PWRが供給されていない状態では、アクセサリー600は、2次電池665によりGPSモジュール部650の記憶部652a(第1記憶部)に記憶されているデータの保持とRTC653の動作のみを行う。
カメラ10aは、アクセサリー600が装着されている(装着状態)ことを検出すると、アクセサリー600への電力供給を、端子部25を介して開始する。カメラ10aのアクセサリー600の装着の検出については、アクセサリー400の装着状態の検出と同様であるので詳細な説明は省略する(図9A及び9Bを参照)。アクセサリー600がカメラ10aに装着されると、カメラ10aの起動状態検出端子Tp7が、アクセサリー600の起動状態提供端子Ts7と端子630bとを介して端子630aと電気的に接続される。端子630aはGND(基準電位)に接続されているため、カメラ10aの起動状態検出端子Tp7の電位が基準電位となり、カメラ10aはアクセサリー600の装着状態を検出する。アクセサリー600は、操作部630を操作することでカメラ10aから取り外すことができる。
操作部630は、シュー座15に固定(ロック)されているアクセサリー600のロックを解除するためのロック解除レバーである。操作部630は、機械式スイッチであり、端子630a、端子630b、及び端子630cを含む。アクセサリー600のロックが操作部630によって解除されるとともに、アクセサリー600がシュー座15から取り外されると、端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れる。端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れることで、起動状態検出端子Tp7と起動状態提供端子Ts7の電位が基準電位よりも高くなり、カメラ10aはアクセサリー600が取り外されたことを検出する。
また、GPS制御部660は、操作部630の状態(端子630aと端子630bとが電気的に接続されているか否か)を端子630cの電位の変化によって検出する。例えば、端子630cがプルアップ抵抗666を介して電源端子群(Ts11、Ts12)と接続されているため、操作部630の機械式スイッチが閉じていない(アクセサリー600がシュー座15に固定されていない)場合、端子630cの電位はHレベル(基準電位よりも高い)となる。一方、操作部630の機械式スイッチが閉じた(アクセサリー600がシュー座15に固定されている)場合、端子630cは接地されるため、端子630cの電位はLレベル(基準電位)となる。GPS制御部660は、端子630cの電位の変化を検出することで操作部630の状態を検出する。
次に、GPSモジュール部650について説明する。
GPS演算部652は、アンテナ651を介して測位や計時に必要なGPS情報(航法メッセージ)を測位衛星(GPS衛星)から受信する。GPS演算部652は、測位衛星から受信したGPS情報(航法メッセージ)からGPS時刻を示す情報(GPS時刻情報)を抽出する。GPS情報からGPS時刻情報が抽出できた場合、GPS演算部652は、RTC653の計時情報をGPS時刻に合わせる。GPS演算部652は、GPS情報を受信できない場合、またはGPS情報を受信できてもGPS時刻情報を抽出できない場合、RTC653の計時情報をGPS時刻情報の代わりに用いる。なお、記憶部652aは、フラッシュメモリーであってもよい。
また、GPS演算部652は、GPS情報から第1GPS情報(第1データ)を生成し、第1GPS情報をGPS制御部660に出力する。第1GPS情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association(米国会用電子協会))が規定したGP
S受信機などの通信プロトコルを有するNMEAデータである。GPS演算部652は、第1GPS情報を記憶部652aに記憶させる。
また、GPS演算部652は、GPSモジュール部650の測位動作状態(測位が完了しているか否か)を示す情報をGPS制御部660に出力する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位動作状態を、LED635を制御することで表示(点灯、もしくは点滅)する。
RTC(リアル・タイム・クロック)653は、例えば水晶発振器により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をGPS演算部652に出力する。RTC653は、アクセサリー600がカメラ10aに装着されていない場合、2次電池665から供給される電力を用いて計時を継続する。
LED635は、GPS制御部660の制御に基づき、GPSモジュール部650の測位動作状態を表示する。LED635は、例えば赤色、緑色のように複数の色の光を発光することができる。LED635は、例えば、アクセサリー600がカメラ10aに装着され、GPSモジュール部650による測位で3機の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、赤色で点滅する。GPSモジュール部650による測位で4機以上の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、緑色で点灯する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。アクセサリー600は、データ端子640に接続ケーブルを介してパソコン(PC)等の外部機器と接続することで、パソコンからコマンドやデータを取得することができる。また、アクセサリー600は、データ端子640を介してGPS制御部660が出力するコマンドやデータをパソコンに送信する。また、データ端子640は、接続ケーブルを介して外部から供給された電力を電源部670に供給する。
GPS制御部660は、端子部623及びカメラ10aの端子部25を介してカメラ制御部170と通信する。また、GPS制御部660は、アクセサリー600の各構成要素の制御を行う。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650(GPS演算部652)が出力する第1GPS情報から、カメラ10aに出力するデータを抽出する。カメラ10aに出力するデータとは、例えば、Exifファイルを生成するために必要なデータであり、緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時(UTC)を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報の各情報等である。
また、GPS制御部660は、第1GPS情報から、該第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグ(以下、第1GPS情報の有効/無効フラグという)、2D測位状態(経度と緯度が測位できている状態)か3D測位状態(経度と緯度と高度が測位できている状態)かを示すフラグ(以下、2D測位/3D測位フラグという)を生成する。
さらに、GPS制御部660は、後述するように第1GPS情報から、カメラ10aに出力するデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)の各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判定結果に基づき、該各情報が取得できているか否かを示すフラグ(以下、第1GPS取得情報フラグという)を生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、第1GPS取得情報フラグについては後で詳述する。
GPS制御部660は、カメラ10aに出力するデータに、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ及び第1GPS取得情報フラグを付加するとともに、第1GPS情報をカメラ10aに出力する第2GPS情報(第2データ)に変換する。
なお、第1GPS情報(NMEAデータ)は、例えばASCIIデータである。一方、第2GPS情報は、例えば1バイト単位のデータである。
なお、GPS制御部660は、第2GPS情報と、生成した情報取得可否フラグとを関連付けて第2GPS情報を生成するようにしてもよい。
バッファメモリー663には、GPS制御部660が変換した第2GPS情報が記憶されている。
充電部664は、電源部670の第2出力端子と接続されている。充電部664は、カメラ10aから端子Ts12及び端子Ts11を介して供給された電力を用いて2次電池665を充電する。
電源部670は、第1の入力端子が、端子部623の端子Ts11及びTs12と接続され、第2の入力端子が、データ端子640に接続されている。電源部670は、第1の出力端子が、GPS演算部652、及び充電部664に接続され、第2の出力端子が、GPS制御部660、バッファメモリー663及びプルアップ抵抗666の一方端に接続されている。
電源部670は、カメラ10aから端子部623を介して供給された電力をアクセサリー600内部で使用する電圧値に変換し、電圧値を変換した電力を第1と第2の出力端子から各部に供給する。
次に、カメラ10aについて図32を用いて説明する。図32は、本実施形態に係るカメラ10aとアクセサリー600との接続関係を説明する構成図である。
図32に示すように、カメラ10aは、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33、及び計時部34を備える。カメラ10との差異は、計時部34である。
計時部34は、水晶発振器等により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をカメラ制御部170に出力する。計時部34は、カメラ制御部170と同様に電源とGND(基準電位)とに接続されている。
次に、GPSの概要について説明する。
GPSは、位置測定、測量などに用いられている。現在、地球上空の6つの軌道を24機以上の測位衛星が周回している。各測位衛星は、航法メッセージ(GPS情報)を送信している。航法メッセージは、フレームを単位に送信している。1フレームの送信には、30秒を要する。1フレームは、5組のサブフレームで構成され、サブフレーム1から5が順番に送信される。また、サブフレーム1から3は、各測位衛星に固有の情報を含み、毎回同じ内容で構成される。サブフレーム4と5は、全測位衛星が同じ内容の情報で構成され、サブフレーム毎にページ1から25で構成されている。このため、サブフレーム4と5の全ての情報を送信するには、25フレームが必要である。このため、GPS受信機が航法メッセージの全情報を得るには、12分30秒の時間がかかる。
5組のサブフレームには、図33に示すような航法メッセージが収容されている。図33は、航法メッセージの構成を説明する図である。
サブフレーム1(g601)は、各測位衛星の状態(正常に動作しているか否か)、測位衛星が送信する測位衛星のクロック誤差を補正するための係数であるクロック補正係数などにより構成されている。
サブフレーム2(g602)は、各測位衛星の軌道情報(エフェメリス(Ephemeris)・データ)1/2で構成されている。
サブフレーム3(g603)は、各測位衛星の軌道情報(エフェメリス・データ)2/2で構成されている。
サブフレーム4(g604−1〜g604−25)は、GPS受信機が受信する信号が、電離層により遅延する量を補正するための係数である電離層遅延補正係数、GPS時刻とUTC(協定世界時間;Universal Time, Coordinated))との関係を表す情報である
UTC関係情報、全測位衛星の軌道情報(アルマナック(Almanac)・データ)1/2などで構成されている。
サブフレーム5(g605−1〜g605−25)は、全測位衛星の軌道情報(アルマナック・データ)2/2で構成されている。また、各サブフレームの先頭には、GPS時刻を示す情報が含まれている。なお、GPS時刻とは、1週間を単位として測位衛星側で管理されている時間であり、毎週、日曜日の0時からの経過時間で表される情報である。
また、サブフレーム2及び3によって送られるエフェメリス・データは、測位衛星の位置を計算するために必要な軌道の6要素(昇交点赤経、軌道傾斜角、近地点引数、軌道長半径、離心率、真近点角)のデータ、各補正値、及び軌道のエポック時刻toe(軌道の元期(ephemeris reference time))などにより構成されている。エフェメリス・データは、2時間毎に更新される。また、エフェメリス・データの有効期間は、2時間±2時間である。
アルマナック・データは、各測位衛星の軌道情報である。また、アルマナック・データは、約1日に1度の頻度で更新されている。また、アルマナック・データの有効期間は、エポック時刻±3日間である。
GPSモジュール部650は、受信したこれらのデータを記憶部652aに記憶する。記憶されているアルマナック・データ及びエフェメリス・データ共に有効な状態から測位を開始することをホットスタートという。また、エフェメリス・データが無効でありアルマナック・データのみ有効な状態から測位を開始することをウォームスタートという。アルマナック・データ及びエフェメリス・データ共に無効な状態から測位を開始することをコールドスタートという。
そして、ホットスタートの場合、GPSモジュール部650において、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、記憶されているエフェメリス・データを用いて測位できるので数秒程度である。
一方、ウォームスタートの場合、GPSモジュール部650は、エフェメリス・データを再取得する必要がある。このため、エフェメリス・データを再取得に30秒以上の時間がかかり、さらに取得したエフェメリス・データの検査にも時間がかかる。このため、ウォームスタート場合、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、30秒〜60秒程度である。
さらに、コールドスタートの場合、GPSモジュール部650は、全ての航法メッセージを取得する必要がある。このため、測位信号の捕獲と航法メッセージの取得に数分〜12分30秒かかる。従って、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、数分〜12分30秒程度である。
図34は、NMEAデータ(第1GPS情報)の一例である。
図34に示すように、NMEAデータは、航法メッセージ(GPS情報)から抽出されたデータが、規定されている内容に分類されたASCIIデータである。データは、センテンス毎に送信され、「$」文字とセンテンスの種類を示す文字列で始まり、改行コード「CR、LF」コードでセンテンスが終了する。図34では、RMCセンテンス、GGAセンテンス、RMFセンテンスの例を示している。センテンスg631は、RMC(Recommended Minimum Navigation Information)センテンスである。センテンスg631は、
センテンス名g611、測位時刻g612、データの有効性を示すステータスg613、緯度g614、経度g615、対地速度g616、進行方向g617、測位年月g618、磁気偏差g619、測位モードg620、チェックサムg621を含む。なお、測位モードとは、1台のGPSモジュール部による測位である単独測位か、2台のGPSモジュール部による測位である相対測位(DGPS(Differential GPS))等の測位の種類であ
る。
センテンスg632は、GGA(Global Positioning System Fix Data. Time, Positi
on and fix related data for a GPS receiver)センテンスである。センテンスg633
は、RMF(Position Fix Sentence)センテンスである。
図35は、本実施形態に係る第2GPS情報に含まれるデータの構成を説明する図である。図35に示すように、第2GPS情報は、11種類のデータを番号1から11まで順番に含んでいる。番号1から11の順は、例えば、Exifデータに書き込む際のデータの順番と一致するように構成している。
「GPSデータ有効/無効」データは、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、地磁気センサの有/無フラグを含んでいる。なお、第1GPS情報が有効とは、GPSモジュール部650によって位置情報が得られている状態(測位状態)を示している。一方、第1GPS情報が無効とは、GPSモジュール部650によって位置情報が得られていない状態(非測位状態)を示す。また、2D測位状態とは、3機の測位衛星からGPS情報を受信し位置情報を得ている状態である。3D測位状態とは、4機の測位衛星からGPS情報を受信し位置情報を得ている状態である。また、地磁気センサーの有/無フラグは、地磁気センサーがアクセサリー600に搭載されているか否かをフラグで示している。GPS制御部660は、第1GPS情報の有効か無効かの情報、2D測位か3D測位かの情報を第1GPS情報から抽出する。そして、GPS制御部660は、抽出した該各情報に基づき、1バイトデータである「GPSデータ有効/無効」データを生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグは、画像ファイルデータ(例えばExifファイルデータ)を生成するために必要なデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)が有効であるか否かを表している。すなわち、GPS情報が無効を示すフラグの場合、第1GPS情報に含まれる画像ファイルデータを生成するために必要なデータが無効であることを表している。データが無効である場合、データは画像ファイルデータに記憶しない。
「GPSデータ取得情報」データは、第1GPS取得情報フラグを含んでいる。第1GPS取得情報フラグとは、第1GPS情報に含まれる緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報を取得できているか否かを示す複数のフラグである。GPS制御部660は、該各情報を第1GPS情報から抽出する。そして、、GPS制御部660は、抽出した該各情報に基づき、該各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判別結果に基づき、1バイトデータである「GPSデータ取得情報」データを生成する。
具体的に例えば、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに無効を示す0が設定されている場合、GPSモジュール部650は、まだ測位ができていない状態(非測位状態)である。この場合、「GPSデータ取得情報」データの第1GPS取得情報フラグには、各々、データが取得できていないことを示す0が設定されている。
また、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに有効を示す1が設定されている場合、且つ2D測位/3D測位フラグに2D測位状態を示す0が設定され、緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報に対する複数のフラグのうち、いずれかのフラグに取得できていないことを示す0が設定されている。
さらに、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに有効を示す1が設定され、且つ2D測位/3D測位フラグに3D測位状態を示す1が設定されている場合、緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報に対する全てのフラグに取得できていることを示す1が設定されている場合がある。ただし、2D測位/3D測位フラグに3D測位状態を示す1が設定されている場合であっても、例えば、「対地速度」データが未取得であり、フラグに取得できていないことを示す0が設定されていない場合もある。
「緯度」データと「経度」データ及び「高度」データは、緯度と経度及び高度を示す情報である。GPS制御部660は、緯度、経度、及び高度の情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「緯度」データと「経度」データ及び「高度」データとする。
「UTC」データ及び「衛星信号」データは、UTC情報と測位に使用した測位衛星の個数を示す情報である。GPS制御部660は、UTCと衛星信号との情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「UTC」データ及び「衛星信号」データとする。
「測位の信頼性」データは、測位の信頼性を表す情報であり、PDOP(Position Dil
ution of Precision;位置精度劣化度)、HDOP(Horizontal Dilution of Precision
)VDOP(Vertical Dilution of Precision)などの値である。PDOPは、測位衛星
の幾何学的配置を指数化したものである。PDOP値が小さければ位置の精度が高く、大きければ位置の精度が低いことを示している。PDOPの水平成分、垂直成分だけを指数化したものが、それぞれHDOPとVDOPである。GPS制御部660は、PDOP、HDOP、及びVDOPの情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「測位の信頼性」データとする。
「進行方向」データ及び「対地速度」データは、測位衛星の進行方向情報と対地速度情報である。GPS制御部660は、進行方向と対地速度との情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「進行方向」データ及び「対地速度」データとする。
「方位」データは、図示しない地磁気センサーから取得した方位を示す情報である。GPS制御部660は、アクセサリー600に地磁気センサーが搭載されているか否かを判別する。地磁気センサーが搭載されていると判別した場合、GPS制御部660は、地磁気センサーから出力されたデータから方位を示す情報を抽出し、抽出した情報を「方位」データとする。
以上のように、GPS制御部660は、GPSモジュール部650から得られる第1GPS情報から第2GPS情報を生成する。そして、GPS制御部660は、第2GPS情報をカメラ10aに通信信号端子Ts6を介して送信する。
次に、「GPSデータ有効/無効」データのフラグの設定方法について説明する。
まずは、第1GPS情報の有効/無効フラグについて説明する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からGGAセンテンスを抽出し、抽出したGGAセンテンスの中からGPS Quality Indicator情報g622(図34参照。以下、情報g622という)を抽出する。情報g622の値が0の場合、受信不能を表している。情報g622の値が0の場合、GPS制御部660は、第1GPS情報が無効であるとして、第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグに無効を示す0を設定する。情報g622の値が1の場合、単独受信モードを表し、情報g622の値が2の場合、Differential GPS測位モードを表している。情報g622の値が1または2の場合、GPS制御部660は、GPSデータが有効であるとして、GPSデータが有効か無効かを示すフラグに有効を示す1を設定する。
2D測位/3D測位フラグについて説明する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からRMFセンテンスを抽出し、抽出したRMFセンテンスの中からFix type情報g623(図34参照。以下、情報g623という)を抽出する。情報g623の値が1の場合、3機の衛星からのGPS情報を利用できることを表している。このため、GPS制御部660は、2D測位状態であるとして、2D測位状態か3D測位状態かを示すフラグに、2D測位状態を示す0を設定する。情報g623の値が2の場合、4機以上の衛星からのGPS情報を利用できることを表している。このため、GPS制御部660は、3D測位状態であるとして、2D測位状態か3D測位状態かを示すフラグに、3D測位状態を示す1を設定する。
このように、「GPSデータ有効/無効」データのフラグは、第1GPS情報から抽出したセンテンスの情報の値に基づき設定されるフラグである。
次に、「GPSデータ取得情報」データのフラグの設定方法について説明する。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からUTCに関するデータを抽出する。UTCに関するデータとは、例えば、第1GPS情報のZDA(Time & Date - UTC, Day, Month, Year and Local Time Zone)データ、GGA(G
lobal Positioning System Fix Data. Time, Position and fix related data for a GPS
receiver)センテンス等である。GPS制御部660は、これらの抽出したデータのス
テータスが有効であるか否かを抽出し、さらにUTCデータを抽出する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータが予め定められている範囲の数値であるか否かを判定する。なお、UTCデータは、西暦、月、日、時刻(時、分、秒)により構成されている。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「月」を示すデータが、1月から12月を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「年」を示すデータが、例えば2000年から3000年を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「日」を示すデータが、1日から31日を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「時」を示すデータが、0時から23時を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「分」を示すデータが、0分から59分を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「秒」を示すデータが、0秒から59秒を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。以上の判定により全てのデータが有効であり、さらに抽出したデータのステータスが有効である場合、GPS制御部660は、UTCデータが取得できていると判定し、UTCデータ取得に対するフラグを1に設定する。
GPS制御部660は、西暦、月、日、時刻(時、分、秒)のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、または抽出したデータのステータスが無効である場合、UTCデータが取得できていないと判定し、UTCデータ取得に対するフラグを0に設定する。
このように、GPS制御部660は、第1GPS情報から1つ以上のセンテンスを抽出し、抽出したセンテンスの情報に基づき、GPSデータを取得できているか否かを判定する。そして、「GPSデータ取得情報」データのフラグは、該判定結果に基づき設定されるフラグである。
次に、カメラシステム1aにおける処理の手順について説明する。図36は、本実施形態に係るカメラシステム1aにおける処理の手順を示すフローチャートである。
(ステップS5001)カメラシステム1aは、アクセサリー600を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
(ステップS5002)カメラシステム1aは、起動シーケンスにおいて、カメラ10aとアクセサリー600との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う。
(ステップS5003)カメラシステム1aは、起動シーケンスにおいて、通信準備シーケンスの終了後に、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で撮像に必要な情報を相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う。
(ステップS5004)カメラシステム1aは、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変更された情報を更新できるように、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(第2定常通信シーケンス)を行う。第2定常通信シーケンスは、例えば、アクセサリー400とカメラ10とが行う周期Tの第1定常通信に対して、2倍の周期(2T)で行われる。第2定常通信シーケンスの周期は、例えば400msecである。第2定常通信シーケンスは、アクセサリー600がGPS機能を有する場合のみ行われる。
(ステップS5005)カメラ制御部170は、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う。割込要求が無いと判定された場合(ステップS5005;No)、ステップS5004に戻る。割込要求が有ると判定された場合(ステップS5005;Yes)、ステップS5006に進む。
(ステップS5006)カメラシステム1aは、第2定常通信シーケンスを停止して割込処理を行う。割込処理は、例えば、撮像処理に含まれる一連の処理(撮影シーケンス)である。カメラシステム1aは、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1aは、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。以降、アクセサリー600が起動している間は、ステップS5004からS5006の処理が繰り返される。
ステップS5002(図36)で行う通信準備シーケンスは、図11で説明したアクセサリー400の手順と同様に行う。
なお、アクセサリー600がカメラ10aのシュー座15に接続されていない状態(非装着状態)において、GPSモジュール部650内の記憶部652a及びRTC653は、2次電池665から電力が供給されている。このため、RTC653の計時情報は、生成され続けている。また、GPSモジュール部650は、過去に測位が行われている場合、過去に取得した第1GPS情報(航法メッセージ)の内、測位開始に必要な予め定められている情報を記憶部652aに保持している。
以下、アクセサリー600が、カメラ10aのシュー座15に接続された状態(装着状態)の場合について説明する。
次に、図37を参照して、ステップS5003(図36)で行う初期通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図37は、本実施形態に係るアクセサリー600における初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。この図37のシーケンスは、前述した図12における、アクセサリーとして照明装置(フラッシュ装置)400をカメラボディ100に装着した場合の初期通信のシーケンスと類似しているが、カメラ制御部170側の動作としてステップS5110〜ステップS5115の動作が追加されている点、そしてアクセサリー600(GPS装置)のGPS制御部660側の動作としてステップS5113〜ステップS5114の処理が追加されている点で相違する。
(ステップS5101)カメラ制御部170は、初期通信シーケンスが開始されると、電池有無情報及び機能種類情報を含んだアクセサリー初期状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC1(第2の機能問い合わせコマンド)を、GPS制御部660へ送信し、アクセサリー初期状態情報を受信する準備をする。
(ステップS5102)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC1を受信する。
(ステップS5103)GPS制御部660は、送信要求コマンドC1に従って、電池有無情報及び機能種類情報をカメラ制御部170へ送信する。この場合、アクセサリー600が拡張機能を有するため、GPS制御部660は、拡張機能を有することを示す機能種類情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5104)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの電池有無情報及び機能種類情報を受信する。
(ステップS5104A)カメラ制御部170は、カメラ初期状態情報の送信を通知する送信通知コマンドC20をGPS制御部660に送信し、カメラ初期状態情報を送信する準備をする
(ステップS5104B)GPS制御部660は、送信要求コマンドC20を受信する。
(ステップS5104C)GPS制御部660は、送信要求コマンドC20に従って、初期状態情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5104D)カメラ制御部170は、初期状態情報を受信する。
(ステップS5105)カメラ制御部170は、ステップS5104で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー600が拡張機能を有するか否かを判定する。アクセサリー600が拡張機能を有すると判定した場合(ステップS5105;Yes)、ステップS5106に進む。アクセサリー600が拡張機能を有していないと判定した場合(ステップS5105;No)、ステップS5110に進む。
(ステップS5106)カメラ制御部170は、「拡張機能の特性情報」の送信を要求する送信要求コマンドC2を、GPS制御部660へ送信する。なお、ここで「拡張機能の特性情報」とは、拡張機能を有するアクセサリー600における特有の制御情報などである。アクセサリー600の場合、「供給(給電)継続情報」が含まれている。「供給(給電)継続情報」とは、カメラ10a側においてユーザーによって電源スイッチ31をオフにする電源OFF操作がなされた場合(電源OFF状態)、あるいはカメラ10aがスリープ状態(所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態)に移行した場合であっても、カメラ10aからアクセサリー600への電力供給(給電)を維持してもらうこと、をアクセサリー側からカメラ10aに予め要求するための情報である。上述の電源OFF状態、スリープ状態とは何れも、カメラ10aが起動して各種のカメラ動作(例えば撮影動作などのカメラの持つ機能を発揮できる動作)を実行することが出来ない状態を示す。換言すれば、電源OFF状態、スリープ状態とは、カメラが起動してカメラ動作を実行するため起動状態とは異なる状態である。
なお、本実施形態におけるアクセサリー600は、この「供給継続情報」をカメラ10aに送信するように構成しているが、前述した実施形態で説明したアクセサリー400はこの「供給継続情報」をカメラ10aに対して送信しないようになっている(図12のシーケンスを参照)。
(ステップS5107)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC2(第1の機能問い合わせコマンド)を受信する。
(ステップS5108)GPS制御部660は、送信要求コマンドC2に従って、拡張機能の特性情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5109)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの拡張機能の特性情報を受信する。
(ステップS5110)カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報を受信終了後、ステップS5104で受信した初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー600が、GPS機能を有していると判定した場合(ステップS5110;Yes)、ステップS5111に進む。アクセサリー600が、GPS機能を有していないと判定した場合(ステップS5110;No)、ステップS5116に進む。
(ステップS5111)カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報から供給継続情報を抽出する。カメラ制御部170は、抽出した供給継続情報に基づき、アクセサリー600が供給継続する機能を有していることを示すフラグ(以下、電力供給継続のフラグという)を不揮発性メモリー160に設定する。カメラ制御部170は、この電力供給継続のフラグが設定されることによって、カメラ10aの電源OFF状態またはスリープ状態へ移行の際に、アクセサリー600に対して給電を継続する。
換言すれば、カメラ制御部170は、電力供給継続のフラグが設定されなければ、カメラ電源OFF状態またはスリープ状態において、アクセサリーへの給電を継続しない。このためカメラ制御部170は、前述の実施形態のアクセサリー(照明装置)400に対しては、電源OFF状態またはスリープ状態において給電を継続しないことになる。
(ステップS5112)カメラ制御部170は、フラグ設定後、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドC5001を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS5113)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信する。
(ステップS5114)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信したことを示す応答情報をカメラ制御部170へ送信する。GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信すると、GPSモジュール部650に測位を開始する指示を出力する。そして、GPSモジュール部650は、GPS制御部660からの測位開始の指示に応じて、測位衛星からのGPS情報(航法メッセージ)の受信を開始する。GPSモジュール部650は、受信したGPS情報から第1GPS情報(NMEAデータ)に変換する処理を開始する。
(ステップS5115)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信する。
(ステップS5116)カメラ制御部170は、ステップS5104で受信した初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー600が照明発光機能を有するか否かを判定する。照明発光機能を有すると判定した場合(ステップS5116;Yes)、ステップS5117からS5120を、ステップS211からS214(図12参照)と同様に行う。照明発光機能を有していないと判定した場合(ステップS5116;No)、ステップS5121に進む。
(ステップS5121)カメラ制御部170は、ステップS5104で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー600が閃光発光機能を有するか否かを判定する。
(ステップS5122)カメラ制御部170は、アクセサリー600が閃光発光機能を有していないと判定した場合(ステップS5121;No)、ステップS5104で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー600が照明発光機能と閃光発光機能のいずれにも該当しない機能、例えば多灯コマンダ機能等を有しているか否かを判定する(ステップS5122)。多灯コマンダ機能等を有していると判定した場合、ステップS217(図12)に進む。多灯コマンダ機能等を有していないと判定した場合、初期通信シーケンス処理を終了する。
以下、図13に示したステップS217からS240と同様に処理を行う。
上述の図37で説明したように、アクセサリー600はカメラ10aに装着された後の初期通信において、カメラが電源OFF状態またはスリープ状態に移行した場合にもカメラからの給電を継続してもらう要求(供給継続情報)をカメラ10aに対して出力し、カメラ10a側はその給電の継続要求に応えるように動作するので、カメラ電源OFF中またはスリープ中であってもアクセサリー600は定期的に位置計測を行うことができる。
このため、カメラシステム1aでは、計測間隔がある程度空いているとしても、継続的なGPS計測を実行可能に構成したことにより、次にカメラ電源がONされて起動状態になった場合でも比較的早く位置計測を完了することが可能となる。
また、カメラ10aは、装着されたアクセサリー側から「供給継続情報」があった場合には、電源OFFまたはスリープに移行してもアクセサリーに対して給電を継続するが、装着されたアクセサリーからその要求(供給継続情報)を受信しなければ電源OFFまたはスリープ時にアクセサリーに対して給電を継続しない。このため給電継続が不要なアクセサリーに対しては給電せずに済むので、無駄な電力消費を未然に防ぐことができる。
なお本実施形態では、アクセサリーが「供給継続情報」をカメラに送信し、カメラはその情報を受信すると、そのアクセサリーへの給電を継続するように構成した。しかしながら、アクセサリー側が、上記電源OFF時または上記スリープ時の給電継続の「禁止」を要求する情報をカメラに送信するように構成し、カメラ側はその情報を受信すると、そのアクセサリーへの給電を禁止するように構成しても良い。たとえば前述の実施形態のアクセサリー400から、「給電継続の禁止を要請する情報」を初期通信時に送信させるようにしても良い。この場合には給電継続を要望するアクセサリー600からは、給電継続に関する何らの情報も出さなくても良いことになる。
また本実施形態では、カメラ側の電源OFF状態への移行の際、およびスリープ状態への移行の際に、給電を継続するか否か判断して給電継続/給電禁止を制御しているが、何れか一方への移行の場合だけ、この給電継続/給電禁止を制御するようにしても良い(例えば供給継続情報をアクセサリーから受信している場合において、カメラ制御部170は、スリープ状態への移行の場合だけ給電継続を行い、電源OFF状態への移行の場合には給電禁止にする)。
次に、図38と図39を参照して、ステップS5004(図36)で行う第2定常通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図38は、アクセサリー600における第2定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図39は、カメラ10a内のGPSデータ更新における処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、ステップS5104で受信した初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー600が拡張機能を有する場合、以下の第2定常通信シーケンスを行う。
(ステップS5201)カメラ制御部170は、撮像中であるか否かを判定する。撮像中であると判定された場合(ステップS5201;Yes)、第2定常通信シーケンスを終了する。撮像中ではないと判定された場合(ステップS5201;No)、ステップS5202に進む。
(ステップS5202)カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS5203)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS5204)GPS制御部660は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に従って、第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5205)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの第2GPS情報を受信する。
(ステップS5206)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを抽出する。カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を抽出し、抽出結果に基づき第2GPS情報が有効か否かを判定する。
次に、カメラ制御部170は、判定結果に基づき、第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に書き込んで更新する。
第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS5206;Yes)、ステップS5207に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS5206;No)、ステップS5208に進む。
(ステップS5207)第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS5206;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ10a内のGPSデータ更新処理を行う。
カメラ10a内のGPSデータ更新処理終了後、第2定常通信シーケンスを終了する。
(ステップS5208)第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS5206;No)、カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続しているか否かを判定する。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS5208;Yes)、ステップS5209に進む。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していない、すなわち60秒以内に第2GPS情報が有効に変化した場合(ステップS5208;No)、ステップS5207に進む。
(ステップS5209)第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS5208;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ10a内のGPSデータの無効処理を行う。カメラ10a内のGPSデータの無効処理終了後、第2定常通信シーケンスは終了される。
次に、ステップS5209(図38)で行う第2GPS情報の無効処理について説明する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合、撮像された画像データが保存されている画像ファイルに対して、第2GPS情報に基づく情報を書き込まない。また、カメラ10aの表示部102に表示する位置情報に関する表示を無効表示にする。なお、無効表示とは、例えば、「――」(ハイフォン)である。
次に、図39を参照して、ステップS5207(図38)で行うカメラ10a内のGPSデータの更新処理について説明する。図39は、本実施形態に係る第2定常通信シーケンスにおけるカメラ10a内のGPSデータの更新処理の手順を示す図である。
(ステップS5301)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているデータ有効・無効状態データを書き換えて更新する。例えば、第2GPS情報が無効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“0”を記録する。第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“1”を記録する。
(ステップS5302)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから2D測位状態か3D測位状態かを示す情報を抽出し、抽出した結果に基づき不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態データを書き換えて更新する。例えば、2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、2D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“0”を記録する。2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、3D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“1”を記録する。
(ステップS5303)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データからUTCデータが取得できているか否かを示す情報を抽出する。UTCデータが取得できている場合、ステップS5304に進む。UTCデータが取得できていない場合、ステップS5308に進む。
(ステップS5304)カメラ制御部170は、UTC時刻にカメラ10aの計時部34で生成された時刻を合わせるか否かを、利用者の設定した情報に基づき判定する。なお、利用者の設定した情報は、不揮発性メモリー160またはバッファメモリー165に記憶されている。UTC時刻にカメラ10aの計時部34で生成された時刻を合わせるように設定されていると判定した場合(ステップS5304;Yes)、ステップS5305に進む。UTC時刻にカメラ10aの時刻を合わせるように設定されていないと判定した場合(ステップS5304;No)、ステップS5307に進む。
(ステップS5305)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「UTC」データを抽出し、カメラ10aの計時部34で生成された計時情報の日時を、抽出した「UTC」データに基づく日時に更新する。
(ステップS5306)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されているUTC時刻にカメラ10aの計時部34で生成された時刻を合わせる設定を、UTC時刻にカメラ10aの計時部34で生成された時刻を合わせない設定に書き換える。
(ステップS5307)ステップS5304、またはS5306終了後、カメラ制御部170は、抽出した「UTC」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているUTCデータを書き換えて更新する。
(ステップS5308)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから緯度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき緯度データを取得できているか否かを判定する。緯度データが取得できていると判定した場合(ステップS5308;Yes)、ステップS5309に進む。緯度データが取得できていないと判定した場合(ステップS5308;No)、ステップS5312に進む。
(ステップS5309)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから経度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき経度データを取得できているか否かを判定する。経度データが取得できていると判定した場合(ステップS5309;Yes)、ステップS5310に進む。経度データが取得できていないと判定した場合(ステップS5309;No)、ステップS5312に進む。
(ステップS5310)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「緯度」データを抽出し、抽出した「緯度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている緯度データを書き換えて更新する。
(ステップS5311)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「経度」データを抽出し、抽出した「経度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている経度データを書き換えて更新する。
(ステップS5312)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから高度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき高度データを取得できているか否かを判定する。高度データが取得できていると判定した場合(ステップS5312;Yes)、ステップS5313に進む。高度データが取得できていないと判定した場合(ステップS5312;No)、ステップS5315に進む。
(ステップS5313)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態を示す情報を読み出し、読み出した2D・3D測位状態を示す情報が3D測位状態を示す情報であるか否かを判定する。3D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS5313;Yes)、ステップS5314に進む。3D測位状態を示す情報ではない、すなわち2D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS5313;No)、ステップS5315に進む。
(ステップS5314)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「高度」データを抽出し、抽出した「高度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている高度データを書き換えて更新する。
(ステップS5315)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから地磁気センサーが搭載されているかを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき地磁気センサーが搭載されているか否かを判定する。地磁気センサーが搭載されていると判定した場合(ステップS5315;Yes)、ステップS5316に進む。地磁気センサーが搭載されていないと判定した場合(ステップS5315;No)、ステップS5317に進む。
(ステップS5316)地磁気センサーが搭載されていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「方位」データを抽出し、抽出した「方位」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている方位データを書き換えて更新する。
(ステップS5317)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位衛星数を取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位衛星数を取得できているか否かを判定する。測位衛星数を取得できていると判定した場合(ステップS5317;Yes)、ステップS5318に進む。測位衛星数を取得できていないと判定した場合(ステップS5317;No)、ステップS5319に進む。
(ステップS5318)測位衛星数を取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「衛星信号」データを抽出し、抽出した「衛星信号」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位衛星数データを書き換えて更新する。
(ステップS5319)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位の信頼性データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位の信頼性データを取得できているか否かを判定する。測位の信頼性データを取得できていると判定した場合(ステップS5319;Yes)、ステップS5320に進む。測位の信頼性データを取得できていないと判定した場合(ステップS5319;No)、ステップS5321に進む。
(ステップS5320)測位の信頼性データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「測位の信頼性」データを抽出し、抽出した「測位の信頼性」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位の信頼性データを書き換えて更新する。
(ステップS5321)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから進行方向データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき進行方向データを取得できているか否かを判定する。進行方向データを取得できていると判定した場合(ステップS5321;Yes)、ステップS5322に進む。進行方向データを取得できていないと判定した場合(ステップS5321;No)、ステップS5323に進む。
(ステップS5322)進行方向データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「進行方向」データを抽出し、抽出した「進行方向」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている進行方向データを書き換えて更新する。
(ステップS5323)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから対地速度データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき対地速度データを取得できているか否かを判定する。対地速度データを取得できていると判定した場合(ステップS5323;Yes)、ステップS5324に進む。対地速度データを取得できていないと判定した場合(ステップS5323;No)、GPSデータ更新処理を終了する。
(ステップS5324)対地速度データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「対地速度」データを抽出し、抽出した「対地速度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている対地速度データを書き換えて更新する。
以上のように、本実施形態では、利用者によりカメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせる設定がされている場合、カメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせる。カメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせた後、カメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせる設定を解除する。
これは、例えば、第2GPS情報の更新が400msec毎に行われるとすると、一度、計時部34で生成された時刻をUTCと合わせたなら、カメラ10aは、400msec毎に計時部34で生成された時刻をUTCと合わせるようにする必要がないからである。
したがって、カメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせる処理は、再度、利用者によりカメラ10aの計時部34で生成された時刻をUTCに合わせる設定が行われたときに行う。その結果、カメラ制御部170の負荷を減らすことができる。
また、本実施形態では、ステップS5303、S5308、S5309、S5312、S5317、S5319、S5321、及びS5323のように、第2GPS情報から各データを読み出して更新する前に、各データが取得できているか否かを判定するようにした。このため、カメラ制御部170は、各データが正しく取得できている場合のみ、第2GPS情報から各データを読み出すことができるので、正しいデータでGPSデータの更新を行うことができる。換言すれば、正しく取得できていないデータによる更新を防ぐことができる。
次に、図40を参照して、静止画の撮影における処理について説明する。図40は、本実施形態に係る静止画撮影におけるカメラ10aとアクセサリー600の処理の手順を示す図である。
(ステップS5401)アクセサリー600は、GPS測位処理を行う。この場合、GPS制御部660は、生成した第2GPS情報をバッファメモリー663に記憶させる。
(ステップS5402)カメラ制御部170は、第2定常通信シーケンスを2T時間間隔毎に開始する。なお、周期Tは、アクセサリー400とカメラ10とが行う周期である。
(ステップS5403)カメラ制御部170は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011をGPS制御部660に送信する。
次に、GPS制御部660は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に応じて、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報をカメラ制御部170に送信する。
次に、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報に基づき、カメラ10a内のGPSデータ更新処理を行う。
(ステップS5404)カメラ制御部170は、撮影シーケンスによる割り込みがあるか否かを判定する。撮影シーケンスによる割り込みとは、例えばレリーズ釦16が押された時に発生する。撮影シーケンスによる割り込みがあると判定した場合(ステップS5404;Yes)、ステップS5405に進む。撮影シーケンスによる割り込みがないと判定した場合(ステップS5404;No)、ステップS5402に進む。
(ステップS5405)撮影シーケンスによる割り込みがあると判定した場合、カメラ制御部170は、第2定常通信シーケンス処理中であるか否かを判定する。第2定常通信シーケンス処理中であると判定した場合(ステップS5405;Yes)、ステップS5406に進む。第2定常通信シーケンス処理中ではないと判定した場合(ステップS5405;No)、ステップS5407に進む。
(ステップS5406)第2定常通信シーケンス処理中であると判定した場合、カメラ制御部170は、第2定常通信シーケンス処理を停止する。
(ステップS5407)カメラ制御部170は、静止画の撮影処理を行う。
(ステップS5408)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165から第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を読み出す。カメラ制御部170は、読み出した情報に基づき第2GPS情報が有効であるか否かを判定する。第2GPS情報が有効である場合(ステップS5408;Yes)、ステップS5409に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS5408;No)、ステップS5402に進む。
(ステップS5409)第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165から画像ファイルに必要な情報を読み出して画像ファイルを作成する。カメラ制御部170は、例えば、作成した画像ファイルを表示部102に表示し、撮像された画像データの画像ファイルとしてメモリー140に記憶する。すなわち、カメラ制御部170は、撮像開始前に不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている第2GPS情報を用いて画像ファイルを作成する。
以上のように、カメラ制御部170は、静止画の撮影シーケンスが発生した場合、GPS制御部660との第2定常通信シーケンスを停止する。
次に、図41を用いて、動画の撮影における処理について説明する。図41は、本実施形態に係る動画撮影におけるカメラ10aとアクセサリー600の処理の手順を示す図である。
ステップS5501からS5504は、静止画の撮影処理におけるステップS5401からS5404(図40)と同様に行う。
(ステップS5505)撮影シーケンスによる割り込みがあると判定した場合、カメラ制御部170は、第2定常通信シーケンス処理中であるか否かを判定する。第2定常通信シーケンス処理中であると判定した場合(ステップS5505;Yes)、ステップS5506に進む。第2定常通信シーケンス処理中ではないと判定した場合(ステップS5505;No)、ステップS5511に進む。
(ステップS5506)第2定常通信シーケンス処理中であると判定した場合、カメラ制御部170は、第2定常通信シーケンス処理を停止する。
(ステップS5507)カメラ制御部170は、スリープ開始コマンドC5021をGPS制御部660に送信する。
(ステップS5508)GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021を受信し、受信したスリープ開始コマンドC5021に基づいて、アクセサリー600をスリープ状態(省電力モード)に制御する。この場合、GPS制御部660は、GPSモジュール部650の動作(測位または第1GPS情報の生成)を停止するように制御する。また、GPS制御部660は、RTC653による計時情報の生成と、GPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶されているデータの保持とのみを行うように制御する。この場合、カメラ10aからモジュール部650への電力は、RTC653と記憶部652aとのみに供給される。
(ステップS5509)GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021への応答情報を、カメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5510)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信した後、通信制御信号Csを、HレベルからLレベルに切り替える。
(ステップS5511)カメラ制御部170は、動画撮影処理を行う。
(ステップS5512)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165から第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を読み出す。カメラ制御部170は、読み出した情報に基づき第2GPS情報が有効であるか否かを判定する。第2GPS情報が有効である場合(ステップS5512;Yes)、ステップS5513に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS5512;No)、ステップS5514に進む。
(ステップS5513)第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165から画像ファイルに必要な情報を読み出して画像ファイルを作成する。カメラ制御部170は、例えば、作成した画像ファイルを表示部102に表示し、撮像された画像データの画像ファイルとしてメモリー140に記憶する。すなわち、カメラ制御部170は、撮像開始前に不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている第2GPS情報を用いて画像ファイルを作成する。なお、本ステップで作成された画像ファイルに記録される第2GPS情報(位置情報)は、図41のフローチャートで示すように、ステップS5501のタイミングで取得された位置情報、即ち動画撮影を開始する直前に取得された第2GPS情報(位置情報)である。
(ステップS5514)撮影処理終了後、カメラ制御部170は、通信制御信号Csを、LレベルからHレベルに切り替える。
次に、カメラ制御部170は、スリープ解除コマンドC5022をGPS制御部660に送信する。なお、撮影処理の終了とは、レリーズ釦16が再び押されて動画撮影が終了した状態、あるいはメモリー140の空き容量が少なくなり、動画撮影を継続できない状態などである。
(ステップS5515)GPS制御部660は、カメラ10aからのスリープ解除コマンドC5022を受信し、受信したスリープ解除コマンドC5022に基づいて、GPSモジュール部650をスリープ状態から復帰するように制御する。
次に、GPS制御部660は、GPSモジュール部650に動作を再開するように制御する。
(ステップS5516)GPS制御部660は、スリープ解除コマンドC5022への応答情報を、カメラ制御部170へ送信する。
(ステップS5517)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信した後、ステップS5502に戻る。
以上のように、カメラ制御部170は、動画の撮影シーケンスが発生した場合、GPS制御部660との第2定常通信シーケンスを停止し、さらにGPS制御部660に対してスリープ処理を開始するコマンドを送信する。これにより、アクセサリー600は、動画の撮像中、GPSモジュール部650の動作状態をスリープ状態(省電力モード)に制御する。この結果、カメラ10aから供給を受ける電力を少なくすることができるため、カメラシステム1aにおける消費電力を少なくすることができる。なお、本実施形態において、GPSモジュール部650をスリープ状態とすることで、消費電力を抑制するようにしているが、GPS制御部660の動作を制限(スリープ処理)し、GPS制御部660への電力供給も併せて省電力化することで消費電力をさらに抑制するようにしてもよい。
(後述するスタンバイ状態。)
なお、カメラ制御部170が、GPS制御部660に対して上述のスリープ処理を開始させるコマンドを送信するのは(これによりGPS制御部660をスリープ状態に制御するのは)、カメラが上述の動画撮影シーケンスに入る場合に限られない。これ以外にも、例えば、カメラ10aが、撮影画像(静止画及び動画)を再生する画像再生モードで動作している場合や、静止画撮影だが1コマの露光時間が長い撮影(いわゆる長時間露光撮影)を行っている場合にも、カメラ10aは、GPS制御部660をスリープ状態に制御するようにしても良い。この他にも、カメラに装着されている撮影レンズが撮影可能な状態になっていない場合(撮影レンズが撮影不能な状態に縮む縮筒状態にある場合)や、あるいは撮影者がカメラ背面に設けられた液晶表示部にメニュー画面を開いて撮影条件などを設定するメニュー設定動作を行っている場合にも、カメラ10aは、GPS制御部660をスリープ状態(省電力モード)に制御するようにしても良い。このような場合、GPS制御部660は、カメラ10aから、各状態を示す状態情報を受信し、受信した状態情報に基づき、GPS制御部660をスリープ状態に制御するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、動画撮影時にアクセサリー600にスリープ処理を行う例を説明したが、カメラ10aは、動画撮影中にアクセサリー600をスリープ状態にさせずに測位を継続させるようにしてもよい。また、カメラ10aは、アクセサリー600に予め定めた時間間隔毎に測位を行わせるようにし、測位を行わない期間のみスリープ状態にさせるようにしてもよい。
次に、図42を参照して、カメラ10aによるアクセサリー600の電源制御について説明する。図42は、本実施形態に係るカメラ10aによるアクセサリー600の電源制御における処理を説明する図である。
まず、カメラ10aがスリープ状態になる場合について説明する。
(ステップS5601)カメラボディ100aのシュー座15にアクセサリー600が利用者により装着されると、起動検出レベルDETの信号レベルは、L(ロー)レベルになる。
(ステップS5602)カメラ制御部170は、起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであるか否かの判定する判定処理を行う。起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルでないと判定した場合(ステップS5602;No)、カメラ制御部170は、アクセサリー600がカメラ10aに装着されていない状態であると判定してステップS5602の判定処理を再度行う。起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであると判定した場合(ステップS5602;Yes)、ステップS5603に進む。
(ステップS5603)起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであると判定した場合、カメラ制御部170は、アクセサリー600に対してカメラ10aの端子部25及びアクセサリー600の端子部623を介して電力供給を開始する。
(ステップS5604)カメラ10aからの電力供給開始後、GPS制御部660は、各部への制御を開始する。
次に、アクセサリー600の充電部664は、2次電池665への充電を開始する。
(ステップS5605)カメラ制御部170は、電力供給継続のフラグ設定後、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドC5001をGPS制御部660へ送信する。
(ステップS5606)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信する。次に、GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001に従って、GPSモジュール部650に測位を開始する指示を出力する。次に、GPSモジュール部650は、GPS制御部660が出力する測位を開始する指示に応じて、測位衛星からの第1GPS情報(航法メッセージ)の受信を開始する。
(ステップS5607)アクセサリー600が測位開始後、カメラ制御部170は、利用者によってカメラ10aに対してスリープ処理を行う設定がされているか否かを判定する。なお、スリープ処理とは、カメラ10aが、予め定められている時間内に操作されなかった場合、カメラ10a及びアクセサリー600をスリープ状態に移行させる処理である。スリープ処理を行う設定がされていないと判定した場合(ステップS5607;No)、ステップS5602に戻る。スリープ処理を行う設定がされていると判定した場合(ステップS5607;Yes)、ステップS5608に進む。なお、カメラ10aにおけるスリープ状態は、例えば表示部102においての表示を非表示にする、カメラ制御部170の動作を制限するといった、アクセサリー600のスリープ処理とは異なる処理である。
(ステップS5608)スリープ処理を行う設定がされていると判定した場合、カメラ制御部170は、操作が行われていない状態(以下、無操作状態という)が、予め定められた期間、継続しているか否かを判定する。予め定められた期間は、利用者が設定スイッチ104により設定、または選択した期間(例えば5分間)である。無操作状態が予め定められた期間、継続していないと判定した場合(ステップS5608;No)、ステップS5608を繰り返す。無操作状態が予め定められた期間、継続していると判定した場合(ステップS5608;Yes)、ステップS5609に進む。
(ステップS5609)無操作状態が予め定められた期間、継続していると判定した場合、カメラ制御部170は、スリープ開始コマンドC5021をGPS制御部660に送信する。
(ステップS5610)GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021を受信する。
(ステップS5611)GPS制御部660は、受信したスリープ開始コマンドC5021に対する応答情報をカメラ制御部170に送信する。
(ステップS5612)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信する。
(ステップS5613)GPS制御部660は、受信したスリープ開始コマンドC5021に基づいて、GPSモジュール部650の動作(測位または第1GPS情報の生成)を停止するよう制御する。
(ステップS5614)GPS制御部660は、RTC653による計時情報の生成と、GPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶されているデータの保持とのみを行うように制御する。
(ステップS5615)カメラ制御部170は、カメラ10aからアクセサリー600への電力供給の停止を示す電力供給停止コマンドC5022をGPS制御部660に送信する。
(ステップS5616)GPS制御部660は、電力供給停止コマンドC5022を受信する。
(ステップS5617)GPS制御部660は、受信した電力供給停止コマンドC5022に対する応答情報をカメラ制御部170に送信する。
(ステップS5618)カメラ制御部170は、電力供給停止コマンドC5022に対する応答情報を受信する。
(ステップS5619)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されているか否かを判定する。電力供給継続のフラグが設定されていないと判定した場合(ステップS5619;No)、ステップS5620に進む。電力供給継続のフラグが設定されていると判定した場合(ステップS5619;Yes)、ステップS5621に進む。
(ステップS5620)電力供給継続のフラグが設定されていないと判定し、電力供給停止コマンドC5022に対する応答情報を受信した後、カメラ制御部170は、アクセサリー600への電力供給を停止する。すなわち、カメラ制御部170は、端子部25を介して供給していた電力PWRのアクセサリー600への供給を停止する。
(ステップS5621)カメラ制御部170は、カメラ10aをスリープ状態になるように制御する。ここで、ステップS5619において電力供給継続のフラグが設定されていると判定されていた場合(ステップS5619;Yes)、カメラ制御部170は、アクセサリー600への電力供給を停止せずに、カメラ10aをスリープ状態にする。
(ステップS5622)カメラ制御部170は、設定スイッチ104、またはレリーズ釦16等が操作されたか否かを、スリープ状態を維持しながら検出する。この場合、例えば、設定スイッチ104、またはレリーズ釦16等が操作されると、カメラ制御部170に割り込み信号が入力される。割り込み信号を検出することで、カメラ制御部170はスリープ状態から復帰する。設定スイッチ104、またはレリーズ釦16等が操作されたと判定した場合(ステップS5622;Yes)、ステップS5623に進む。設定スイッチ104、またはレリーズ釦16等が操作されていないと判定した場合(ステップS5622;No)、ステップS5622が繰り返される。
(ステップS5623)設定スイッチ104、またはレリーズ釦16等が操作されたと判定した場合、且つ不揮発性メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されている場合、カメラ制御部170は、シュー座15にアクセサリー600が装着されているか否かを起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであるか否かにより判定する。起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであると判定した場合、カメラ制御部170は、アクセサリー600との初期通信シーケンスを行う。
次に、GPS制御部660は、初期通信シーケンスにおいて、カメラ制御部170から送信されるGPS駆動要求情報の送信情報に基づき、GPSモジュール部650に対して測位を開始するように制御する。
以上のように、GPS機能を有するアクセサリー600は、カメラ10aがスリープ状態に移行する際、GPS制御部660がGPSモジュール部650による測位を停止するよう制御する。その後、GPS制御部660は、GPSモジュール部650をスリープ状態に移行するよう制御する。なお、本実施形態において、GPSモジュール部650をスリープ状態とすることで、消費電力を抑制するようにしているが、GPS制御部660の動作を制限(スリープ処理)し、GPS制御部660への電力供給も併せて省電力化することで消費電力をさらに抑制するようにしてもよい。(後述するスタンバイ状態。)
例えば、GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に基づき、GPSモジュール部650のみスリープ状態に制御する。そして、GPS制御部660は、RTC653が生成したクロックをカウントして、予め定められた時間が経過後、自部をカメラ10aのコマンドによらずスリープ状態にするように制御してもよい。あるいは、GPS制御部660は、カメラ10aから電力供給停止コマンドC5022を受信した後、RTC653が生成したクロックをカウントして、予め定められた時間が経過後、自部をスリープ状態にするように制御してもよい。
次に、図42を参照して、カメラ10aの電源がオフ状態になる場合について説明する。
カメラ10aは、利用者により電源スイッチ31が押されたとき以外にも、予め定められた期間、無操作状態が継続したとき、電源が自動的にオフ状態となる。(以下、カメラ10aの電源が自動的にオフ状態になることをオートパワーオフという。)カメラ10aの電源がオフ状態になると、アクセサリー600はスタンバイ状態へと移行する。アクセサリー600のスタンバイ状態とは、GPSモジュール部650をスリープ(省電力モード)状態とし、さらにGPS制御部660も併せてスリープ(省電力モード)状態にする動作状態である。
ステップS5601からS5606までは、スリープ状態へ移行するアクセサリー600の電源制御(図42)の場合と同様である。スリープ状態へ移行するアクセサリー600の電源制御の場合と異なる処理のみ説明する。
(ステップS5607)アクセサリー600が測位開始後、カメラ制御部170は、利用者によってカメラ10aに対してオートパワーオフ処理を行う設定がされているか否かを判定する。なお、オートパワーオフ処理とは、カメラ10aが、予め定められている時間内に操作されなかった場合、カメラ10a及びアクセサリー600の電源を自動的にオフ状態に制御する処理である。オートパワーオフ処理を行う設定がされていないと判定した場合(ステップS5607;No)、ステップS5602に戻る。オートパワーオフ処理を行う設定がされていると判定した場合(ステップS5607;Yes)、ステップS5608に進む。
オートパワーオフ処理を行う場合においても、カメラ10aは、予め定められた時間、無操作状態が継続していると判定した後、GPS制御部660にスリープ開始コマンドC5021を送信する(ステップS5609)。
GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に応じて、応答情報をカメラ制御部170に送信する。また、GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に応じて、GPSモジュール部650をスリープ状態となるよう制御し、その後、自部がスリープ状態となるよう制御する(ステップS5610〜S5614)。
そして、カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されている場合(ステップS5619;Yes)、カメラ10aがオートパワーオフした後も、アクセサリー600への電力供給を継続する。
このように、カメラ10aの電源が自動的にオフ状態になった後も、アクセサリー600に電力供給を継続する理由を説明する。
GPSモジュール部650は、測位衛星からのGPS情報(航法メッセージ)を受信し、受信したGPS情報に基づいて第1GPS情報(NMEAデータ)を生成する。また、GPS制御部660は、GPSモジュール部650により生成された第1GPS情報を変換して第2GPS情報を生成している。
GPS情報は、上述したように有効期間がある。エフェメリス・データの有効期間は、2時間±2時間である。また、アルマナック・データの有効期間は、エポック時刻±3日間である。これらのデータの有効期間が過ぎた後、GPSモジュール部650は、再度、GPS情報を受信し直す必要があるため、測位を開始するまでの時間が長くなる。したがって利用者は、カメラ10aの電源をオン状態にした直後に撮影を行っても、アクセサリー600から第2GPS情報が得られない。
このような事態を回避するため、アクセサリー600は、スタンバイ状態であっても、RTC653の計時情報を用いてカウントし、例えば30分間隔で起動し、GPS情報を取得する。そして、GPSモジュール部650は、取得したGPS情報に基づく第1GPS情報をGPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶させた後、再度、スタンバイ状態に移行する。
そして、カメラ10aの電源がオン状態になったとき、GPSモジュール部650内の記憶部652a記憶されている第1GPS情報を用いることで、GPS制御部660は、迅速に第2GPS情報を生成することができる。したがって、カメラ10aの電源をオン状態にした直後に撮影を行っても、カメラ10aは、アクセサリー600からすぐに第2GPS情報が得られる。
このような制御をアクセサリー600が行えるようにするために、カメラ制御部170は、カメラ10aの電源がオフ状態になった後も、アクセサリー600への電力供給を継続する。
なお、上記はオートパワーオフを例に挙げて説明したが、電源スイッチ31により電源がオフ状態になる場合にも、カメラ制御部170は、ステップS5609からS5619の処理を行う。すなわち、GPS制御部660にスリープ開始コマンドC5021を送信する(ステップS5609)。
GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に応じて、応答情報をカメラ制御部170に送信する。また、GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に応じてGPSモジュール部650をスリープ状態となるよう制御し、その後、自部がスリープ状態となるよう制御する(ステップS5610〜S5613)。
そして、カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されている場合(ステップS5619;Yes)、カメラ10aがパワーオフした後も、アクセサリー600への電力供給を継続する。
次に、図43を参照して、操作部630によるアクセサリー600の取り外し処理(パワーオフ処理)について説明する。図43は、本実施形態に係るアクセサリー600の取り外し処理(パワーオフ処理)の手順を示す図である。
(ステップS5701)GPS制御部660は、操作部630が利用者により操作(ロック解除の操作)されたか検出する。操作部630が操作されていない場合(ステップS5701;No)、ステップS5701を繰り返す。操作部630が操作された場合(ステップS5701;Yes)、ステップS5702に進む。
(ステップS5702)操作部630が操作(ロックを解除する操作)されたことを検出した場合、アクセサリー600の起動状態提供端子Ts7はGND(基準電位)との接続が切れ、起動状態提供端子Ts7の電位はH(ハイ)レベルになる。
(ステップS5703)カメラ制御部170は、起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであるか否かの判定する判定処理を行う。起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルであると判定した場合(ステップS5703;Yes)、カメラ制御部170は、アクセサリー600がカメラ10aに装着されていると判定して、ステップS5703の判定処理を再度行う。起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルでないと判定した場合(ステップS5703;No)、ステップS5704に進む。
(ステップS5704)Lレベルでない起動検出レベルDETの信号レベルを検出した場合、GPS制御部660は、GPSモジュール部650による測位を停止するよう制御する。
(ステップS5705)ステップS5703において起動検出レベルDETの信号レベルがLレベルでないと判定した場合、カメラ制御部170は、アクセサリー600への電力供給を停止する。
(ステップS5706)GPS制御部660は、パワーオフ処理を行う。パワーオフ処理において、アクセサリー600の電源部670から各部への電力の供給が遮断される。GPSモジュール部650内の記憶部652a及びRTC653には、2次電池665から電力が供給される。
これにより、GPSモジュール部650は、2次電池665の電力を用いて、RTC653による計時情報の生成と、GPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶されているデータの保持とのみ行う。
以上のように、アクセサリー600の操作部630により、カメラ10aからアクセサリー600が取り外された場合、カメラ10aからの電力供給が停止される。アクセサリー600は、カメラ10aからの電力供給の停止後、2次電池665の電力を用いてRTC653による計時情報の生成と、GPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶されているデータの保持とを行う。
次に、図44を参照して、アクセサリー600とパソコン等の外部機器とをデータ端子640を介して接続ケーブルで接続した場合の動作について説明する。図44は、本実施形態に係るデータ端子640に接続ケーブルが接続された場合の動作の例を示す図である。接続ケーブルは、例えば、USBケーブルである。
アクセサリー600がカメラ10aに装着されているとき、データ端子640を介して接続ケーブルで外部機器が接続された場合、アクセサリー600には、カメラ10aから電力が供給される。一方、アクセサリー600がカメラ10aから取り外され、データ端子640に接続ケーブル経由で外部機器が接続されている場合、アクセサリー600は、外部機器からデータ端子640を介して電力が供給される。
(ステップS5801)利用者は、アクセサリー600とパソコンとをデータ端子640を介して接続ケーブルで接続する。
(ステップS5802)パソコンが接続された場合、GPS制御部660は、パソコンが接続されたことを検出する。
パソコンが接続されたことを検出した場合、GPS制御部660は、第2GPS情報の「GPSデータ有効/無効」データにおいて、データが無効であることを示すフラグを設定する。また、GPS制御部660は、GPSモジュール部650に対して測位を停止するように制御する。
(ステップS5803)カメラ制御部170は、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS5804)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS5805)GPS制御部660は、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011に従って、第2GPS情報をカメラ10aに送信する。
(ステップS5806)カメラ制御部170は、GPS制御部660から第2GPS情報を受信する。
(ステップS5807)カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報の「GPSデータ有効/無効」データにおいて、データが無効であることを示すフラグが設定されているか否かを判定する。データが無効であることを示すフラグが設定されていると判定した場合、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報を無効扱いとするGPSデータ無効処理を行う。
第2GPS情報が無効であるため、カメラ制御部170は、この受信した第2GPS情報を用いた画像ファイルデータを生成しない。
GPS制御部660は、接続ケーブルを介した通信が終了するまで、データが無効であることを示すフラグを含む第2GPS情報の送信を行う。
あるいは、パソコン等と通信している際に、カメラ10aから各種のコマンドが送信された場合、GPS制御部660は、カメラ制御部170が送信したコマンドを無効と見なす。そして、カメラ10aが送信したコマンド等に対して、返答またはデータの送信を行わないようにしてもよい。この場合、カメラ制御部170は、GPS制御部660にコマンドを送信しても予め定めた期間内にGPS制御部660から返答やデータ送信が無いことに応じて、GPS制御部660へのコマンドが無効であると判定する。この場合、GPS制御部660は、受信したコマンドをバッファメモリー663に記憶させておくようにしてもよい。そして、GPS制御部660は、パソコン等と通信が終了した後に、送信されたコマンドに対応するデータを送信するようにしてもよい。
この場合、記憶させて保留するコマンドは、例えば、スリープ開始コマンド(図41、図42)、及び電力供給停止コマンド(図42)等である。そして、スリープ開始コマンドを保留した場合、GPS制御部660は、データ端子640を介してパソコンとの接続が解除された後、記憶さてあるスリープ開始コマンドを読み出してスリープ処理を行う。
次に、接続ケーブルで接続されている場合の、アクセサリー600とパソコンとの動作の一例について説明する。
パソコンは、接続ケーブルを介して、アクセサリー600にGPSデータ要求を示す指示を送信する。GPS制御部660は、GPSデータ要求を示す指示に応じて、第1GPS情報または第2GPS情報をパソコンに送信する。
また、パソコンから接続ケーブル経由で、アクセサリー600にアシストデータを送信する。アシストデータとは、位置情報の取得に必要な測位衛星の軌道情報で、アクセサリー600に このデータを記憶さえておくことでGPSモジュール部650が位置情報を
取得するまでの時間を短くすることができるデータである。この場合、パソコンは、図示しないネットワークを介して、このアシストデータを予め取得する。また、アシストデータの有効期間は、30日程度である。
以上のように、本実施形態では、GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報(NMEAデータ)から画像ファイル(Exifファイル)を生成するために必要な情報を抽出し、画像ファイル作成に不要なデータを削除して第2GPS情報を生成する。また、GPS制御部660は、第2GPS情報の生成に際してGPSモジュール部650からのデータを1バイト単位のデータに変換する。さらに、GPS制御部660は、情報取得可否を判定して、GPSデータ取得情報に対するフラグを生成し、生成した情報取得可否フラグを含めて第2GPS情報を生成する。また、GPS制御部660は、GPSデータが有効か無効かを示すフラグを生成し、2D測位状態か3D測位状態かを示すフラグを生成して、生成したGPSデータ取得情報に対する各フラグを含めて第2GPS情報を生成する。
このように、GPS制御部660は、第1GPS情報に基づき、カメラ10aに必要な第2GPS情報を生成するようにしたので、第1GPS情報をカメラに出力する場合と比較して、アクセサリー600からカメラ10aに送信するデータ量を削減することができる。結果、カメラ制御部170の負荷を軽減することができる。また、GPS制御部660は、画像ファイルを生成するために必要なデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)が各々取得できているか未所得かを示すフラグを判定して生成したフラグを含む第2GPS情報を生成するようにした。
この結果、アクセサリー600は、有効であるか無効であるか、各データが取得できているか未取得であるかを示す情報を付加して、カメラ10aにデータを送信することができる。
また、本実施形態では、カメラ10aは、アクセサリー600から受信した第2GPS情報から、画像ファイルの生成に必要なデータを抽出する処理が不要である。さらに、カメラ10aは、データが取得できているか未所得かを示すフラグを確認することで、画像ファイルの生成に必要な各々のデータが取得できたデータであるか否か、及びエラーデータであるか否かを判定できるので、データが適正であるか否かの判定を行わずにすむ。したがって、カメラ10aは、有効であるか無効であるか、各データが取得できているか未取得であるかを示す情報に基づいて、各データの有効性を判断できる。結果、カメラ制御部170の負荷を軽減することができる。また、カメラ10aは、アクセサリー600からエラーを含むデータを受信した場合でも、受信したデータを用いて画像ファイルを生成して表示部102に表示することを防ぐことができ、生成した画像ファイルを撮像された画像データと関連付けてメモリー140に記憶してしまうことを防ぐことができる。
また、カメラ10aは、アクセサリー600から受信した第2GPS情報に含まれるUTCを示す情報が取得できた場合、カメラ10aの設定に基づきUTCを示す情報を用いて、カメラ10aの時刻を合わせる。このため、カメラ10aは、利用者による時刻合わせがずれていた場合や、カメラ10aの電池が消耗し、一度設定した時刻がずれてしまった場合等においても、アクセサリー600が取得したUTCを示す情報に基づいて、時刻合わせを行うことができる。
また、本実施形態では、カメラ10aがスリープ状態、電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に遷移する前に、アクセサリー600にスリープ開始コマンドを送信する。
アクセサリー600は、受信したスリープ開始コマンドに対する応答を送信した後、GPSモジュール部650の動作を停止する。
また、本実施形態では、カメラ10aは、アクセサリー600からのスリープ開始コマンドに対する応答を受信後、電力供給停止コマンドをアクセサリー600に送信する。アクセサリー600は、電力供給停止コマンドに対する応答を送信する。そして、カメラ10aは、アクセサリー600からの電力供給停止コマンドに対する応答を受信後、不揮発性メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されていると判定した場合、カメラ10aから端子部25を介してアクセサリー600への電源供給を継続しつつ、カメラ10aをスリープ状態、電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に制御する。
すなわち、本実施形態のカメラ10aは、スリープ状態、または電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に遷移する前に、まずGPSモジュール部650の動作を停止させるためのスリープ開始コマンドを送信し、そのコマンドに対する応答を受信後、電力供給停止コマンドを送信するよう2段階の処理を行うようにした。
この結果、アクセサリー600は、動作を停止した後、測定したデータをスリープ処理により記憶部652aに記憶させて退避させることができる。また、アクセサリー600は、スリープ処理中も、RTC653の計時情報を用いてカウントし、例えば30分間隔で起動し、GPS情報を取得する。そして、アクセサリー600は、取得したGPS情報に基づく第1GPS情報をGPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶させているので、カメラ10aの電源がスリープ状態からオン状態になったとき、GPSモジュール部650内の記憶部652a記憶されている第1GPS情報を用いることで、GPS制御部660は、迅速に第2GPS情報を生成することができる。したがって、カメラ10aの電源をオン状態にした直後に撮影を行っても、カメラ10aは、アクセサリー600からすぐに第2GPS情報が得られる。
また、本実施形態では、アクセサリー600の操作部630のロックが解除された場合、アクセサリー600は、GPSモジュール部650による測位を停止するよう制御する。その後、アクセサリー600は、GPS制御部660はパワーオフ処理を行う。
また、アクセサリー600の操作部630のロックが解除された場合、カメラ10aは、起動検出レベル(DET)がLレベルからHレベルに変化したことを検出する。Hレベルに変化したことを検出した後、カメラ10aは、アクセサリー600への端子部25を介しての電力供給を停止する。
カメラ10aの端子部25からの電力供給が停止された後、アクセサリー600は、2次電池665からGPS演算部652内の記憶部652a及びRTC653に電力供給を行う。
この結果、アクセサリー600は、正常に動作を停止し、第1GPS情報をスリープ処理により記憶部652aに記憶させて退避させることができる。そして、アクセサリー600は、ロック解除後、2次電池665から供給される電力を用いて、GPSモジュール部650の記憶部652aに記憶されている第1GPS情報を保持し、RTC653の計時を継続する。この結果、再びカメラ10aにアクセサリー600が装着された場合にも、迅速に測位を開始することができる。
また、本実施形態において、アクセサリー600のGPS制御部660は、スタンバイ状態中、カメラ10aからの通信制御信号CsがLレベルからHレベルに変化したことを検出して、スタンバイ状態から復帰する。この結果、カメラ10aがスタンバイ状態から復帰した場合、アクセサリー600も迅速にスタンバイ状態から復帰でき、カメラ10aと通信可能な状態になる。
また、本実施形態において、カメラ10aは、静止画の撮像時に、アクセサリー600との第2定常通信を停止する。さらに、カメラ10aは、動画の撮像時に、アクセサリー600に対して、第2定常通信を停止した後、スリープ開始コマンドを送信する。この結果、カメラ10aは、動画の撮影時に、アクセサリー600に対してスリープ状態に遷移させることができるので、アクセサリー600の消費電力を削減することができる。
また、本実施形態において、アクセサリー600は、カメラ10aに対して、カメラ10aがスリープ状態中でも電力供給を継続する必要があるかを示す給電継続情報を含む拡張機能の特性情報をカメラ10aに送信する。カメラ10aは、アクセサリー600が送信する拡張機能の特性情報に基づき、カメラ10aがスリープ状態中でも供給継続情報を検出する。供給継続情報を検出した場合、カメラ10aがスリープ状態に遷移した後も、カメラ10aは、アクセサリー600に電力の供給を継続することができる。この結果、アクセサリー600は、カメラ10aがスリープ状態中であっても、測位を継続することができるため、カメラ10aがスリープ状態から復帰した後に、迅速に測位したデータをカメラ10aに送信することができる。
また、本実施形態において、アクセサリー600は、データ端子640を備えているようにした。アクセサリー600は、データ端子640に接続ケーブルが接され、パソコンとの通信が行われている場合、パソコンからアシストデータをアクセサリー600にアシストデータを送信、または書き込むことができる。この結果、GPS制御部660は、アシストデータを用いて、測位衛星からの受信データを受信することができるので、スリープ解除後や電源供給開始後に行う測位にかかる時間を短くできる。また、測位にかかる時間を短くできるため、アクセサリー600の消費電力を削減することができる。また、ネットワークから取得したアシストデータによっては、衛星軌道のデータの有効期間が最大で7日程度にできるため、測位衛星から航法メッセージを取得して更新する間隔を長くできる。
また、アクセサリー600は、データ端子640に接続ケーブルが接され、パソコンとの通信が行われている場合、カメラ10aから送信されるコマンドを無効とする。また、アクセサリー600は、パソコンと接続ケーブルを介して通信中にカメラ10aから送信されたコマンドに対する処理を保留し、パソコンとの通信終了後に保留したコマンドに対する処理を行うようにした。この結果、アクセサリー600は、パソコンと通信中に実行できなかったコマンドに対しても、パソコンとの通信完了後に通信することができる。
なお、本実施形態において、アクセサリー600は、GPS機能を備える例を説明した。アクセサリー600は、例えば他の機能をさらに備えていてもよい。このような場合、カメラ10aとアクセサリー600は、他の機能に関してアクセサリー400と同様に、200msec毎に第1定常通信シーケンスを行う。第1定常通信シーケンス終了後、カメラ10aとアクセサリー600は、400msec毎に第2定常通信シーケンスを行う。
また、図7に示したGPS機能を備えないアクセサリー400のような場合、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスでカメラ10a(または10)に拡張機能を備えないことを示す機能拡張種類情報を送信する。このため、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、拡張機能がないと判定するため、アクセサリー400に対して拡張機能の特性情報の送信要求を行わない。この結果、アクセサリー400は、カメラ制御部170に対して、スリープ状態やスタンバイ状態でも電力の供給継続を行う要求を行わない。
以上のように、本実施形態において、拡張機能を備えるアクセサリー600は、初期通信シーケンスで、スリープ状態やスタンバイ状態でも電力の供給を継続する情報をカメラ10aに送信する。あるいは、拡張機能を備えないアクセサリー400は、初期通信シーケンスで、スリープ状態や電源オフ状態でも電力の供給を継続する情報を10aに送信しない。カメラ10aは、この供給継続情報に基づき、スリープ状態やスタンバイ状態でも電力の供給を継続するか否かを制御するようにした。
このため、スリープ状態やスタンバイ状態でも処理を行うGPS機能部を備えるアクセサリー600では、スリープ状態やスタンバイ状態でもカメラ10aからの電力の供給がアクセサリー600に継続される。この結果、スリープ状態解除後またはスタンバイ状態解除後に、迅速に測位を開始することができる。
一方、スリープ状態やスタンバイ状態でも処理を行わないGPS機能部を備えないアクセサリー400では、スリープ状態やスタンバイ状態に電力の供給が、カメラ10aからアクセサリー400に継続されない。この結果、カメラ10aがスリープ状態の場合、アクセサリー400もスリープ状態に制御され、省電力を実現することができる。
なお、本実施形態のカメラシステム1aは、アクセサリー400における変形例1(図25)〜変形例3(図27)と同様に、初期通信シーケンスにおいてカメラ制御部170がGPS制御部660からの情報の受信が正常に行われたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、カメラ制御部170は、GPS制御部660からアクセサリー初期状態情報を受信できなかった場合、又は受信したアクセサリー初期状態情報が送信要求コマンドC1で指定した項目の少なくとも1項目の情報を含んでいない場合、情報の受信が正常に行われなかったと判定するようにしてもよい。そして、カメラ制御部170は、アクセサリー600に対して、電力の供給を停止することを通知した後、アクセサリー600に対して電力の供給を停止する処理を行うようにしてもよい。
[GPS機能を備えるカメラに関する説明]
次に、GPS機能を有するGPS部がカメラボディに内蔵されている例について説明する。
図45は、本実施形態のカメラシステム1bの外観を示す図である。図46は、本実施形態のカメラシステム1bを図45とは反対側から見た図である。
図45及び図46に示すカメラシステム1bは、カメラ10b内にGPS部600bを含んでいる。カメラ10bの外観は、LED635、データ端子640(第1情報通信部)を除いて図1及び図2に示されるカメラ10の外観、図28及び図29に示されるカメラ10aの外観と同様である。なお、側面17Aは、マウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち、正面12から見て左側の面である。側面17Bは、マウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち、正面12から見て右側の面である。
図46に示すように、カメラボディ100bは、背面14に配置された表示部102、背面14に配置された設定スイッチ104、背面14に配置されたLED635、及び側面17に配置されたデータ端子640を備える。LED635、及びデータ端子640は、図29に示したアクセサリー600と同等の機能を有する。なお、本実施形態では、LED635が背面14に配置されている例を示したが、LED635、及びデータ端子640は、無くてもよい。この場合、カメラ10bは、例えばLED634を消灯または点灯して示す情報を表示部102に表示するようにしてもよい。また、データ端子640は、例えば、側面17B、又は背面14に配置されていてもよい。
本実施形態のカメラ10bが有するGPS部600bは、アクセサリー600と同様にGPS機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。また、カメラ10bは、GPS部600bと通信して、GPS部600bを制御することができる。カメラ10bは、例えば、GPS部600bによって撮像位置を測位し、カメラ10bによって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140(図6参照)に記憶させることができる。
カメラ10b内部の構成要素は、GPS部600bを有していることを除いて図32に記載されているカメラ10aと同様である。したがって、以下の説明において、同様の構成要素については、同じ名称と符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
図47は、本実施形態に係るカメラ10bとGPS部600bとの接続関係を説明する構成図である。図47に示すように、カメラ10bは、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33b、計時部34、及びGPS部600bを備える。カメラ10bとの差異は、アクセサリー電源制御部33b、カメラ制御部170b、及びGPS部600bである。
アクセサリー電源制御部33bは、第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を備える。アクセサリー電源制御部33bの第3端子は、GPS部600bの電源(PWR)端子に接続されている。なお、GPS部600bの電源は、アクセサリー電源制御部33bを介さずに電源部32から供給されても良い。
カメラ制御部170bは、端子部25を介してアクセサリー400と通信してアクセサリー400を制御するための制御信号以外に、GPS部600bと通信してGPS部600bを制御するためのGPS制御信号が、GPS部600bと接続されている。本実施形態において、GPS制御信号は、通信信号DATA、及びカメラ10bとGPS部600bとの間の通信タイミングを定める通信制御信号Cs、及びGPS部600bが出力する通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKである。
GPS部600bは、端子部623(第2情報通信部)、操作部630を除いて図31に示したアクセサリー600と同様の機能部を有する。図示はしないが、GPS部600bは、GPSモジュール部650、GPS制御部660、バッファメモリー663等を有している。したがって、以下の説明において、同様の構成要素については、同じ名称と符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
GPS部600bの電源端子は、アクセサリー電源制御部33bの第3端子に接続されている。GPS部600bのGND端子は、カメラ10b側の接地線(SGND)42、及び接地線(GND)43に接続されている。また、GPS部600bは、カメラ制御部170bとの間で、通信制御信号Cs、通信信号DATA、及び同期信号CLKが接続されている。
なお、図47に示した例では、カメラ制御部170bとGPS部600bとが、シリアル通信により接続されている例を示したが、カメラ制御部170bとGPS部600bとの接続は、パラレル通信による接続であってもよい。
次に、カメラ10bのカメラ制御部170bと、GPS部600bのGPS制御部660(図31参照)とが行う処理について説明する。
カメラシステム1bは、図36と同様に、カメラシステム1bにおける処理を行う。なお、本実施形態のカメラシステム1bでは、カメラ10aのカメラ制御部170と、アクセサリー600のGPS制御部660とが行う通信の代わりに、カメラ10bのカメラ制御部170bと、GPS部600bのGPS制御部660との間で通信を行う。
従って、本実施形態のカメラシステム1bでは、初期通信シーケンス(図37、図12、及び図13)、第2定常通信シーケンス(図38)、GPSデータ更新(図39)、静止画の撮影における処理(図40)、動画の撮影における処理(図41)、カメラによる電源制御(図42)、GPS部600bと外部機器とのデータ通信処理(図44)において、図中左側のフローがカメラボディ100bのカメラ制御部170bにおける処理内容であり、図中右側のフローがGPS部600bのGPS制御部660における処理内容である。
なお、シュー座15に、例えばアクセサリー400が取り付けられた場合、本実施形態のカメラシステム1bは、GPS部600bとの初期通信シーケンスに加えて、図12及び図13に示したアクセサリー400との初期通信シーケンス、及び図15及び図16に示した定常通信シーケンスを行う。この場合、カメラ制御部170bは、アクセサリー400との定常通信を周期Tで行い、GPS機能部600bとの第1定常通信を周期2Tで行う。また、カメラ制御部170bは、GPS機能部600bのみと第2定常通信を行う。
次に、カメラ10bによるGPS部600bの電源制御について説明する。
本実施形態のカメラシステム1bは、カメラボディ100bにGPS部600bが内蔵されているため、図42に示した処理の内、ステップS5601、及びS5602の処理は行わず、ステップS5603の処理から開始する。以下、カメラ制御部170bとGPS制御部660は、ステップS5603〜S5622の処理を行う。
以上のように、GPS機能部600bは、カメラ10bがスリープ状態に移行する際、GPS制御部660がGPSモジュール部650による測位を停止するよう制御する。その後、GPS制御部660は、GPSモジュール部650をスリープ状態に移行するよう制御する。なお、本実施形態において、GPSモジュール部650をスリープ状態とすることで、消費電力を抑制するようにしているが、GPS制御部660の動作を制限(スリープ処理)し、GPS制御部660への電力供給も併せて省電力化することで消費電力をさらに抑制するようにしてもよい。
例えば、GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021に基づき、GPSモジュール部650のみスリープ状態に制御する。そして、GPS制御部660は、RTC653が生成したクロックをカウントして、予め定められた時間が経過後、自部をカメラ10bのコマンドによらずスリープ状態にするように制御してもよい。あるいは、GPS制御部660は、カメラ10bから電力供給停止コマンドC5022を受信した後、RTC653が生成したクロックをカウントして、予め定められた時間が経過後、自部をスリープ状態にするように制御してもよい。
なお、シュー座15に、例えばアクセサリー400が取り付けられた場合、本実施形態のカメラシステム1bは、GPS部600bの電源制御に加えて、アクセサリー400の電源制御を図11のように行うようにしてもよい。
以上のように、本実施形態におけるカメラシステム1bでは、GPS機能を有するアクセサリー600を含むカメラシステム1aと同様の効果が得られる。
例えば、本実施形態におけるカメラシステム1bでは、カメラ10bがスリープ状態、電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に遷移する前に、カメラ制御部170bは、GPS部600bにスリープ開始コマンドを送信する。GPS部600bは、受信したスリープ開始コマンドに対する応答を送信した後、GPSモジュール部650の動作を停止する。
また、本実施形態におけるカメラシステム1bでは、カメラ制御部170bは、GPS部600bからのスリープ開始コマンドに対する応答を受信後、電力供給停止コマンドをGPS部600bに送信する。GPS部600bのGPS制御部660は、電力供給停止コマンドに対する応答を送信する。そして、カメラ制御部170bは、GPS部600bからの電力供給停止コマンドに対する応答を受信後、不揮発メモリー160に電力供給継続のフラグが設定されていると判定した場合、GPS部600bへの電源供給を継続しつつ、カメラ10bをスリープ状態、電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に制御する。
すなわち、本実施形態のカメラ10bは、スリープ状態、または電源オフ状態、またはオートパワーオフ状態に遷移する前に、まずGPSモジュール部650の動作を停止させるためのスリープ開始コマンドを送信し、そのコマンドに対する応答を受信後、電力供給停止コマンドを送信するよう2段階の処理を行うようにした。
この結果、GPS部600bは、動作を停止した後、測定したデータをスリープ処理により記憶部652aに記憶させて退避させることができる。また、GPS部600bは、スリープ処理中も、RTC653の計時情報を用いてカウントし、例えば30分間隔で起動し、GPS情報を取得する。そして、GPS部600bは、取得したGPS情報に基づく第1GPS情報をGPSモジュール部650内の記憶部652aに記憶させているので、カメラ10bの電源がスリープ状態からオン状態になったとき、GPSモジュール部650内の記憶部652a記憶されている第1GPS情報を用いることで、GPS制御部660は、迅速に第2GPS情報を生成することができる。したがって、カメラ10bの電源をオン状態にした直後に撮影を行っても、カメラ10bは、GPS部600bからすぐに第2GPS情報が得られる。
また、本実施形態において、カメラ10aは、静止画の撮像時に、GPS部600bとの第2定常通信を停止する。さらに、カメラ10aは、動画の撮像時に、GPS部600bに対して、第2定常通信を停止した後、スリープ開始コマンドを送信する。この結果、カメラ10aは、動画の撮影時に、GPS部600bに対してスリープ状態に遷移させることができるので、GPS部600bによる消費電力を削減することができる。
また、本実施形態におけるカメラシステム1bにおいて、GPS部600bは、カメラ制御部170bに対して、カメラ10bがスリープ状態中でも電力供給を継続する必要があるかを示す給電継続情報を含む拡張機能の特性情報をカメラ制御部170bに送信する。カメラ制御部170bは、GPS部600bが送信する拡張機能の特性情報に基づき、カメラ10bがスリープ状態中でも供給継続情報を検出する。供給継続情報を検出した場合、カメラ10bがスリープ状態に遷移した後も、カメラ10bは、GPS部600bに電力の供給を継続することができる。この結果、GPS部600bは、カメラ10bがスリープ状態中であっても、測位を継続することができるため、カメラ10bがスリープ状態から復帰した後に、迅速に測位したデータをカメラ制御部170bに送信することができる。
なお、本実施形態のカメラシステム1bにおいて、カメラ制御部170bとGPS制御部660を備える例を説明したが、GPS制御部660は無くてもよい。この場合、カメラ制御部170bが、GPS部600bを制御するようにしてもよい。
なお、本実施形態のカメラシステム1bは、アクセサリー400における変形例1(図25)〜変形例3(図27)と同様に、初期通信シーケンスにおいてカメラ制御部170bがGPS制御部660bからの情報の受信が正常に行われたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、カメラ制御部170bは、GPS制御部660bからアクセサリー初期状態情報を受信できなかった場合、又は受信したアクセサリー初期状態情報が送信要求コマンドC1で指定した項目の少なくとも1項目の情報を含んでいない場合、情報の受信が正常に行われなかったと判定するようにしてもよい。そして、カメラ制御部170bは、GPS部600bに対して、電力の供給を停止することを通知した後、GPS部600bに対して電力の供給を停止する処理を行うようにしてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件のうち少なくとも1つの要件は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各要件は、適宜、組み合わせることができる。
例えば、本実施例ではGPSを用いて測位情報等を生成したが、これに限らず携帯電話等で用いられる周知の測位システムを用いるようにしてもよい。
また、外部機器と接続されるデータ端子640は、ワイヤレスで通信を行う構成であってもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。また、第2実施形態において、特別な説明がない限り、構成要素やそれらの説明に関しては、第1実施形態と同様であるものとする。
図48は、第2実施形態に係るカメラシステム1001の外観を示す図である。図49は、第2実施形態に係るカメラシステム1001を図48とは反対側から見た図である。
図48及び図49に示すカメラシステム1001は、カメラ1010(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー1600を備える。第2実施形態のアクセサリー1600は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。カメラ1010は、アクセサリー1600と通信して、アクセサリー1600を制御することができる。カメラシステム1001は、例えば、アクセサリー1600によって撮像位置を測位し、カメラ1010によって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140に記憶させることができる。
図48に示すように、カメラ1010は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ1010は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー1600を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチである。
本実施形態において、図48等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
アクセサリー1600は、各種部品を収容したアクセサリー本体610と、アクセサリー本体610に設けられたコネクター620とを含む。アクセサリー1600は、シュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー1600は、シュー座15に取り付けられて、カメラボディ100に対して固定される。なお、アクセサリー1600は、シュー座15とケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置に保持されていてもよい。アクセサリー1600は、シュー座15の開口24にコネクター620を挿入して所定の方向(+Y方向)にスライドさせることによって、シュー座15に取付けられる(図48参照)。
図49に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー1600の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ1010とアクセサリー1600の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
図49に示すように、アクセサリー1600は、操作部630、LED635、及びデータ端子640を備える。操作部630は、アクセサリー1600をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば操作部630は取外し操作部材である)。
LED635は、例えば、アクセサリー1600の測位動作状態を表示する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。
図50は、本実施形態に係るカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図50に示すように、カメラシステム1001は、カメラボディ100、撮影レンズ200、及びアクセサリー1600から構成される。
アクセサリー1600は、GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663を含む。GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663は、例えば、図48及び図49に示したアクセサリー本体610に収容されている。アクセサリー1600の詳細については、後述する。
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1001の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー1600等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1001の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1001の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。
通信部176は、カメラシステム1001のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー1600は、外部装置の1つであり、GPS制御部660が通信部176と通信可能に接続される。
図51は、本実施形態に係るカメラ1010(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)とアクセサリー1600との接続関係を説明する構成図である。
図51に示すように、カメラ1010は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33、及び計時部34を備える。
アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に基づき、アクセサリー1600への電力の供給を制御する。
計時部34は、水晶発振器等により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をカメラ制御部170に出力する。計時部34は、カメラ制御部170と同様に電源とGND(基準電位)とに接続されている。
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー1600の端子部623と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図51参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部623を介して、アクセサリー1600と通信してアクセサリー1600を制御するための制御信号を、アクセサリー1600に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー1600に供給する制御信号は、通信信号DATA、及びカメラ1010とアクセサリー1600との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
次に、図51を参照して、カメラ1010における各構成要素の接続関係について説明する。
以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp5とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ1010のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー1600の装着前及びアクセサリー1600との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
次に、図52を参照して、アクセサリー1600側の構成について説明する。図52は、本実施形態のアクセサリー1600の構成を示すブロック図である。本実施形態のアクセサリー1600は、カメラ1010から供給される電力PWRによって動作する。
図52に示すように、アクセサリー1600は、端子部623(第1情報通信部)、操作部630、LED635、データ端子640(第2情報通信部)、GPSモジュール部650(受信部、測位部、または第1データ生成部)、GPS制御部660(第2データ生成部、アクセサリー制御部)、バッファメモリー663(第2記憶部)、充電部664、2次電池665、及び電源部670を含む。また、GPSモジュール部650は、アンテナ651、GPS演算部652、及びRTC653を含む。
本実施形態のアクセサリー1600は、カメラ1010の端子部25を介して供給される電力PWRによって動作する。カメラ1010から電力PWRが供給されていない状態では、アクセサリー1600は、2次電池665によりGPSモジュール部650の記憶部652a(第1記憶部)に記憶されているデータの保持とRTC653の動作のみを行う。
カメラ1010は、アクセサリー1600が装着されている(装着状態)ことを検出すると、アクセサリー1600への電力供給を、端子部25を介して開始する。アクセサリー1600がカメラ1010に装着されると、カメラ1010の起動状態検出端子Tp7が、アクセサリー1600の起動状態提供端子Ts7と端子630bとを介して端子630aと電気的に接続される。端子630aはGND(基準電位)に接続されているため、カメラ1010の起動状態検出端子Tp7の電位が基準電位となり、カメラ1010はアクセサリー1600の装着状態を検出する。アクセサリー1600は、操作部630を操作することでカメラ1010から取り外すことができる。
操作部630は、シュー座15に固定(ロック)されているアクセサリー1600のロックを解除するためのロック解除レバーである。操作部630は、機械式スイッチであり、端子630a、端子630b、及び端子630cを含む。アクセサリー1600のロックが操作部630によって解除されるとともに、アクセサリー1600がシュー座15から取り外されると、端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れる。端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れることで、起動状態検出端子Tp7と起動状態提供端子Ts7の電位が基準電位よりも高くなり、カメラ1010はアクセサリー1600が取り外されたことを検出する。
また、GPS制御部660は、操作部630の状態(端子630aと端子630bとが電気的に接続されているか否か)を端子630cの電位の変化によって検出する。例えば、端子630cが抵抗666を介して電源端子群(Ts11、Ts12)と接続されているため、操作部630の機械式スイッチが閉じていない(アクセサリー1600がシュー座15に固定されていない)場合、端子630cの電位はHレベル(基準電位よりも高い)となる。一方、操作部630の機械式スイッチが閉じた(アクセサリー1600がシュー座15に固定されている)場合、端子630cは接地されるため、端子630cの電位はLレベル(基準電位)となる。GPS制御部660は、端子630cの電位の変化を検出することで操作部630の状態を検出する。
次に、アクセサリー1600の端子部623について説明する。図51及び図52に示したように、端子部623は、アクセサリー1600がカメラ1010に装着されている場合に、カメラ1010の端子部25と電気的に接続される。端子部623は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
端子部623における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部623の各端子Ts1〜Ts12は、図51にて既述したカメラ1010側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部623の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
端子部623において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ1010から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ1010に対して出力する端子である。
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ1010側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ1010に対して出力したりする端子である。
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ1010に提供する端子である。
発光制御信号端子Ts8は、指令信号Xがカメラ1010から入力される端子であるが、GPS機能を有するアクセサリー1600では使用しない。
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ1010から入力される端子である。
電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
次に、カメラ1010とアクセサリー1600との接続関係について説明する。アクセサリー1600がカメラ1010に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ1010の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ1010の接地端子Tp2に接続される。そしてこれらアクセサリー1600側の接地端子Ts1、Ts2に接続している箇所(充電部664の接地端子など)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ1010の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ1010の電源端子Tp12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源部670に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、アクセサリー1600内の各回路や電気部品に供給することができる。
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ1010の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ1010の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー1600がカメラ1010に装着された状態であって、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、カメラ1010に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、アクセサリー1600がカメラ1010に装着されていない状態を含む。
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ1010の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、GPS制御部660は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ1010の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とGPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ1010側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー1600に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ1010に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー1600側から出力されるデータとしては、アクセサリー1600に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とGPS制御部660が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー1600側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からGPS制御部660へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、GPS制御部660に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をGPS制御部660へ送信する。
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をGPS制御部660からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信することができる。GPS制御部660は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ1010の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、GPS制御部660へ通信制御信号Csを供給することができる。
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ1010とアクセサリー1600との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー1600側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗(図示せず)が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
次に、GPSモジュール部650について説明する。
GPS演算部652は、アンテナ651を介して測位や計時に必要なGPS情報(航法メッセージ)を測位衛星(GPS衛星)から受信する。GPS演算部652は、測位衛星から受信したGPS情報(航法メッセージ)からGPS時刻を示す情報(GPS時刻情報)を抽出する。GPS情報からGPS時刻情報が抽出できた場合、RTC653の計時情報をGPS時刻に合わせる。GPS演算部652は、GPS情報を受信できない場合、またはGPS情報を受信できてもGPS時刻情報を抽出できない場合、RTC653の計時情報をGPS時刻情報の代わりに用いる。なお、記憶部652aは、フラッシュメモリーであってもよい。
また、GPS演算部652は、GPS情報から第1GPS情報(第1データ)を生成し、第1GPS情報をGPS制御部660に出力する。第1GPS情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association(米国会用電子協会))が規定したGP
S受信機などの通信プロトコルを有するNMEAデータ(第1のフォーマット)である。
GPS演算部652は、第1GPS情報を記憶部652aに記憶させる。
また、GPS演算部652は、GPSモジュール部650の測位動作状態(測位が完了しているか否か)を示す情報をGPS制御部660に出力する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位動作状態を、LED635を制御することで表示(点灯、もしくは点滅)する。
RTC(リアル・タイム・クロック)653は、例えば水晶発振器により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をGPS演算部652に出力する。RTC653は、アクセサリー1600がカメラ1010に装着されていない場合、2次電池665から供給される電力を用いて計時を継続する。
LED635は、GPS制御部660の制御に基づき、GPSモジュール部650の測位動作状態を表示する。LED635は、例えば赤色、緑色の複数の色の光を発光することができる。LED635は、例えば、アクセサリー1600がカメラ1010に装着され、GPSモジュール部650による測位で3機の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、赤色で点滅する。GPSモジュール部650による測位で4機以上の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、緑色で点灯する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。アクセサリー1600は、データ端子640を介して接続ケーブルでパソコン(PC)等の外部機器と接続することで、パソコンからコマンドやデータを取得することができる。また、アクセサリー1600は、データ端子640を介してGPS制御部660が出力するコマンドやデータをパソコンに送信する。また、データ端子640は、接続ケーブルを介して供給された電力を電源部670に供給する。
GPS制御部660は、端子部623及びカメラ1010の端子部25を介してカメラ制御部170と通信する。また、GPS制御部660は、アクセサリー1600の各構成要素の制御を行う。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650(GPS演算部652)が出力する第1GPS情報から、カメラ1010に出力するデータを抽出する。カメラ1010に出力するデータとは、例えば、Exifファイル(第2のフォーマット)を生成するために必要なデータであり、緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時(UTC(Universal Time, Coordinated))を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情
報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報の各情報等である。
また、GPS制御部660は、第1GPS情報から、該第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグ(以下、第1GPS情報の有効/無効フラグという)、2D測位状態(経度と緯度が測位できている状態)か3D測位状態(経度と緯度と高度が測位できている状態)かを示すフラグ(以下、2D測位/3D測位フラグという)を生成する。
さらに、GPS制御部660は、後述するように第1GPS情報から、カメラ1010に出力するデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)の各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判定結果に基づき、該各情報が取得できているか否かを示すフラグ(以下、第1GPS取得情報フラグという)を生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、第1GPS取得情報フラグについては後で詳述する。
GPS制御部660は、カメラ1010に出力するデータに、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ及び第1GPS取得情報フラグを付加するとともに、第1GPS情報をカメラ1010に出力する第2GPS情報(第2データ)に変換する。
なお、第1GPS情報(NMEAデータ)は、例えばASCIIデータである。一方、第2GPS情報は、例えば1バイト単位のデータである。なお、GPS制御部660は、第2GPS情報と、生成した情報取得可否フラグとを関連付けて第2GPS情報を生成するようにしてもよい。
バッファメモリー663には、GPS制御部660が変換した第2GPS情報が記憶されている。
充電部664は、電源部670の第2出力端子と接続されている。充電部664は、カメラ1010から端子Ts12及び端子Ts11を介して供給された電力を用いて2次電池665を充電する。
電源部670は、第1の入力端子が、端子部623の端子Ts11及びTs12と接続され、第2の入力端子が、データ端子640に接続されている。電源部670は、第1の出力端子が、GPS演算部652、及び充電部664に接続され、第2の出力端子が、GPS制御部660、バッファメモリー663及びプルアップ抵抗666の一方端に接続されている。
電源部670は、カメラ1010から端子部623を介して供給された電力をアクセサリー1600内部で使用する電圧値に変換し、電圧値を変換した電力を第1と第2の出力端子から各部に供給する。
次に、図53を参照して、カメラシステムにおける処理の手順について説明する。
図53は、本実施形態に係るカメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1001は、アクセサリー1600を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
(ステップS1001、S1002)カメラシステム1001は、起動シーケンス(ステップS1001)において、カメラ1010とアクセサリー1600との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う。カメラシステム1001は、通信準備シーケンスにおいて、カメラ1010の電源がオンの状態の時、アクセサリー1600がカメラ1010に装着されているか否かを検出する。カメラシステム1001は、アクセサリー1600がカメラ1010に装着されている場合、アクセサリー1600に電力の供給を開始し、また、カメラ1010は、アクセサリー1600に通信を許可する。
(ステップS1003)カメラシステム1001は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う。初期通信シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー1600が有する機能を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、測位開始要求をGPS制御部660へ送信する。
なお、カメラシステム1001は、ステップS1002の起動シーケンスに行う以外に、例えば、カメラ1010がスリープ状態から復帰後、初期通信シーケンスを行う。また、カメラシステム1001は、アクセサリー1600の状態が変化した場合等に、アクセサリー1600からカメラ1010に初期通信シーケンスを行う依頼を行った後、初期通信シーケンスを行う。なお、スリープ状態とは、所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態である。
(ステップS1004)カメラシステム1001は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う。
(ステップS1005)カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う。カメラシステム1001は、割込要求が無いとステップS1005で判定した場合(ステップS1005;No)、ステップS1004に戻り、定常通信シーケンスの処理を再度行う。
(ステップS1006)カメラシステム1001は、割込要求が有るとステップS1005で判定した場合(ステップS1005;Yes)、割込処理を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1001は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1001は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
次に、図54及び図55を参照して、ステップS1004(図53)で行う定常通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図54は、本実施形態に係るアクセサリー1600における定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図55は、本実施形態に係る定常通信シーケンスにおけるカメラ1010内のGPSデータの更新処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、初期通信シーケンスで受信した、アクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー1600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー1600が拡張機能を有する場合、以下の定常通信シーケンスを行う。
(ステップS1201)カメラ制御部170は、撮像中であるか否かを判定する。撮像中であると判定した場合(ステップS1201;Yes)、定常通信シーケンスを終了する。撮像中ではないと判定した場合(ステップS1201;No)、ステップS1202に進む。
(ステップS1202)カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS1203)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS1204)GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データ、及び「GPSデータ取得情報」データを読み出す。GPS制御部660は、「GPSデータ有効/無効」データから第1GPS情報の有効/無効フラグを抽出し、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効(フラグが1)であるか否かを判定する。第1GPS情報の有効/無効フラグが有効ではないと判定した場合、ステップS1205に進む。GPS制御部660は、「GPSデータ取得情報」データの全てのデータが取得できている(取得に対する各フラグが全て1)か否かを判定する。「GPSデータ取得情報」データのうち、取得できていないデータがあると判定した場合、ステップS1205に進む。
GPS制御部660は、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効であり、「GPSデータ取得情報」データの全てのデータが取得できていると判定した場合、ステップS1206に進む。
(ステップS1205)GPS制御部660は、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効ではないと判定した場合、第1GPS情報が無効であっても、第1GPS情報の有効/無効フラグに有効を示す1を設定する。次に、GPS制御部660は、2D測位/3D測位フラグに3D測位状態を示す2を設定する。
次に、GPS制御部660は、「GPSデータ取得情報」データのうち、取得できていないデータがあると判定した場合、取得できていないデータがあっても、取得できていないデータに対応するフラグに取得を示す1を設定する。この場合、GPS制御部660は、取得できていないデータに対応する第2GPS情報について、予め定められている値を挿入する。例えば、「GPSデータ取得情報」データのうち、緯度が取得できていない場合、GPS制御部660は、緯度に対応するフラグに取得を示す1を設定する。次に、GPS制御部660は、第2GPS情報の「緯度」データに予め定められている範囲外の値である北緯100度、または「FF」を挿入する。なお、「緯度」データに対して予め予め定められている範囲の値とは、北緯、南緯ともに0度から90度である。
(ステップS1206)GPS制御部660は、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効であり、「GPSデータ取得情報」データの全てのデータが取得できていると判定した場合(ステップS1204;Yes)、バッファメモリー663から読み出した第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
GPS制御部660は、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効ではないと判定した場合、または、「GPSデータ取得情報」データのうち、取得できていないデータがあると判定した場合(ステップS1204;No)、バッファメモリー663から読み出した第2GPS情報にステップS1205でデータ挿入した後の第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS1207)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの第2GPS情報を受信する。
(ステップS1208)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを抽出する。カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから第1GPS情報の有効/無効フラグを抽出し、抽出結果に基づき第2GPS情報が有効か否かを判定する。カメラ制御部170は、例えば、第2GPS情報から抽出した「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグが、有効を示す値の場合、第2GPS情報が有効であると判定する。
次に、カメラ制御部170は、判定結果に基づき、第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に書き込んで更新する。
第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS1208;Yes)、ステップS1209に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS1208;No)、ステップS1210に進む。
(ステップS1209)第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS1209;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ1010内のGPSデータ更新処理を行う。カメラ1010内のGPSデータ更新処理終了後、定常通信シーケンスを終了する。
(ステップS1210)第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS1208;No)、カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続しているか否かを判定する。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS1210;Yes)、ステップS1209に進む。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していない、すなわち60秒以内に第2GPS情報が有効に変化した場合(ステップS1210;No)、ステップS1209に進む。
(ステップS1211)第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS1210;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ1010内のGPSデータの無効処理を行う。カメラ1010内のGPSデータの無効処理終了後、定常通信シーケンスは終了される。
次に、ステップS1211(図54)で行う第2GPS情報の無効処理について説明する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合、撮像された画像データが保存されている画像ファイルに対して、第2GPS情報に基づく情報を書き込まない。また、カメラ1010の表示部102に表示する位置情報に関する表示を無効表示にする。なお、無効表示とは、例えば、「――」(ハイフォン)である。
次に、図55を参照して、ステップS1209(図54)で行うカメラ1010内のGPSデータの更新処理について説明する。
なお、以下の説明において、アクセサリー1600が出力する第2GPS情報の「GPSデータ有効/無効」データのフラグには有効を示す1が設定され、「GPSデータ取得情報」データの各フラグには有効を示す1が各々設定されている。
(ステップS1301)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されている第1GPS情報のデータ有効・無効状態データを書き換えて更新する。第2GPS情報が有効であるため、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“1”を不揮発性メモリー160に記録する。
(ステップS1302)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから2D測位状態か3D測位状態かを示す情報を抽出し、抽出した結果に基づき不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態データを書き換えて更新する。例えば、2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、2D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“0”を記録する。2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、3D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“1”を記録する。
(ステップS1303)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データからUTCデータが取得できているか否かを示す情報を抽出する。UTCデータが取得できていない場合、ステップS1308に進む。
UTCデータが取得できている場合、カメラ制御部170は、受信したUTCデータが有効であるか否かを判定する。具体的には、カメラ制御部170は、抽出したUTCデータの「年」を示すデータが、例えば2000年から3000年を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出したUTCデータの「日」を示すデータが、1日から31日を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出したUTCデータの「時」を示すデータが、0時から23時を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出したUTCデータの「分」を示すデータが、0分から59分を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出したUTCデータの「秒」を示すデータが、0秒から59秒を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。
カメラ制御部170は、受信したUTCデータ(西暦、月、日、時刻(時、分、秒))のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、UTCデータが有効ではないと判定し、UTC時刻にカメラ1010の計時部34で生成された時刻合わせを行わず、ステップS1308に進む。カメラ制御部170は、受信したUTCデータの全てのデータが予め定めた範囲内の値の場合、UTCデータが有効であると判定し、ステップS1304に進む。
(ステップS1304)受信したUTCデータの全てのデータが有効である場合(ステップS1303;Yes)、カメラ制御部170は、UTCデータを用いてUTC時刻にカメラ1010の計時部34で生成された時刻を合わせるか否かを、利用者の設定した情報に基づき判定する。なお、利用者の設定した情報は、不揮発性メモリー160またはバッファメモリー165に記憶されている。UTC時刻にカメラ1010の計時部34で生成された時刻を合わせるように設定されていると判定した場合(ステップS1304;Yes)、ステップS1305に進む。UTC時刻にカメラ1010の時刻を合わせるように設定されていないと判定した場合(ステップS1304;No)、ステップS1307に進む。
(ステップS1305)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「UTC」データを抽出し、カメラ1010の計時部34で生成された計時情報の日時を、抽出した「UTC」データに基づく日時に更新する。
(ステップS1306)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されているUTC時刻にカメラ1010の計時部34で生成された時刻を合わせる設定を、UTC時刻にカメラ1010の計時部34で生成された時刻を合わせない設定に書き換える。
(ステップS1307)ステップS1304、またはS1306終了後、カメラ制御部170は、抽出した「UTC」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているUTCデータを書き換えて更新する。
(ステップS1308)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「緯度」データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「緯度」データを取得できているか否かを判定する。「緯度」データが取得できていないと判定した場合(ステップS1308;No)、ステップS1312に進む。
「緯度」データが取得できていると判定した場合(ステップS1308;Yes)、カメラ制御部170は、抽出した「緯度」データが有効であるか否かを判定する。具体的には、カメラ制御部170は、抽出した「緯度」データの「北緯南緯」を示すデータが、北緯または南緯を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出した「緯度」データの「度」を示すデータが、0度から90度を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出した「緯度」データの「分」を示すデータが、0分から59分を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、北緯南緯、度、分のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、「緯度」データが有効ではないと判定して緯度データの更新を行わず、ステップS1312に進む。カメラ制御部170は、受信した「緯度」データ(北緯南緯、度、分)の全てのデータが予め定めた範囲内の値の場合、「緯度」データが有効であると判定し、ステップS1309に進む。
(ステップS1309)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「経度」データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「経度」データを取得できているか否かを判定する。「経度」データが取得できていないと判定した場合(ステップS1309;No)、ステップS1312に進む。
「経度」データが取得できていると判定した場合(ステップS1309;Yes)、カメラ制御部170は、抽出した「経度」データが有効であるか否かを、「緯度」データと同様に判定する。具体的には、カメラ制御部170は、東経西経、度、分のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、「経度」データが有効ではないと判定して経度データの更新を行わず、ステップS1312に進む。カメラ制御部170は、受信した「経度」データ(東経西経、度、分)の全てのデータが予め定めた範囲内の値の場合、「経度」データが有効であると判定し、ステップS1310に進む。
(ステップS1310)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「緯度」データを抽出し、抽出した「緯度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている緯度データを書き換えて更新する。
(ステップS1311)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「経度」データを抽出し、抽出した「経度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている経度データを書き換えて更新する。
(ステップS1312)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「高度」データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「高度」データを取得できているか否かを判定する。「高度」データが取得できていないと判定した場合(ステップS1312;No)、ステップS1315に進む。
「高度」データが取得できていると判定した場合(ステップS1312;Yes)、カメラ制御部170は、抽出した「高度」データが有効であるか否かを、正負の値が存在しているか否かに基づき判定する。カメラ制御部170は、正負の値が存在していない場合、「高度」データが有効ではないと判定して高度データの更新を行わず、ステップS1315に進む。カメラ制御部170は、正負の値が存在している場合、「高度」データが有効であると判定し、ステップS1313に進む。
(ステップS1313)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態を示す情報を読み出し、読み出した2D・3D測位状態を示す情報が3D測位状態を示す情報であるか否かを判定する。3D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS1313;Yes)、ステップS1314に進む。3D測位状態を示す情報ではない、すなわち2D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS1313;No)、ステップS1315に進む。
(ステップS1314)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「高度」データを抽出し、抽出した「高度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている高度データを書き換えて更新する。
(ステップS1315)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから地磁気センサーが搭載されているかを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき地磁気センサーが搭載されているか否かを判定する。地磁気センサーが搭載されていると判定した場合(ステップS1315;Yes)、ステップS1316に進む。地磁気センサーが搭載されていないと判定した場合(ステップS1315;No)、ステップS1317に進む。
(ステップS1316)地磁気センサーが搭載されていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「方位」データを抽出し、抽出した「方位」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている方位データを書き換えて更新する。
(ステップS1317)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「測位衛星数」を取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「測位衛星数」を取得できているか否かを判定する。「測位衛星数」を取得できていないと判定した場合(ステップS1317;No)、ステップS1319に進む。
「測位衛星数」を取得できていると判定した場合(ステップS1317;Yes)、カメラ制御部170は、抽出した「測位衛星数」が有効であるか否かを、「測位衛星数」が0から32であるか否かに基づき判定する。カメラ制御部170は、「測位衛星数」が0から32ではない場合、「測位衛星数」が有効ではないと判定して測位衛星数データの更新を行わず、ステップS1319に進む。カメラ制御部170は、「測位衛星数」が0から32である場合、「測位衛星数」が有効であると判定し、ステップS1318に進む。
(ステップS1318)「測位衛星数」を取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「衛星信号」データを抽出し、抽出した「衛星信号」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位衛星数データを書き換えて更新する。
(ステップS1319)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「測位の信頼性」データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「測位の信頼性」データを取得できているか否かを判定する。「測位の信頼性」データを取得できていると判定した場合(ステップS1319;Yes)、ステップS1320に進む。「測位の信頼性データ」を取得できていないと判定した場合(ステップS1319;No)、ステップS1321に進む。
(ステップS1320)「測位の信頼性」データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「測位の信頼性」データを抽出し、抽出した「測位の信頼性」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位の信頼性データを書き換えて更新する。
(ステップS1321)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから進行方向データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき進行方向データを取得できているか否かを判定する。進行方向データを取得できていないと判定した場合(ステップS1321;No)、ステップS1323に進む。
進行方向データを取得できていると判定した場合(ステップS1321;Yes)、カメラ制御部170は、抽出した「進行方向」データが有効であるか否かを判定する。具体的には、カメラ制御部170は、抽出した「進行方向」データの「真北に対する進行方向」を示すデータが、0度から359度を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、抽出した「進行方向」データの「磁北に対する進行方向」を示すデータが、0度から359度を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。カメラ制御部170は、「進行方向」データ(真北に対する進行方向、磁北に対する進行方向)のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、「進行方向」データが有効ではないと判定して進行方向データの更新を行わず、ステップS1323に進む。カメラ制御部170は、「進行方向」データの全てのデータが予め定めた範囲内の値の場合、「進行方向」データが有効であると判定し、ステップS1322に進む。
(ステップS1322)「進行方向データ」を取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「進行方向」データを抽出し、抽出した「進行方向」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている進行方向データを書き換えて更新する。
(ステップS1323)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから「対地速度」データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき「対地速度」データを取得できているか否かを判定する。「対地速度」データを取得できていると判定した場合(ステップS1323;Yes)、ステップS1324に進む。「対地速度」データを取得できていないと判定した場合(ステップS1323;No)、GPSデータ更新処理を終了する。
(ステップS1324)対地速度データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「対地速度」データを抽出し、抽出した「対地速度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている対地速度データを書き換えて更新する。
以上のように、本実施形態のアクセサリー1600は、第1GPS情報が有効な場合、第2GPS情報をそのままカメラ制御部170に送信する。一方、アクセサリー1600は、第1GPS情報が無効な場合や取得できていないデータがある場合、第1GPS情報が有効であるようにフラグを第2GPS情報に設定し、さらに取得できていないデータに対して予め定められている値(測定で得られる範囲外の値、または「FF」などの固定値)を第2GPS情報に挿入した後の第2GPS情報をカメラ1010に送信する。
そして、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報に含まれる「第1GPS情報の有効/無効フラグ」に有効を示す値が設定されていても、各データ(「緯度」データ、「経度」データ、「高度」データ、「UTC」データ、「衛星信号」データ、「進行方向」データ、「方位」データ)に対して、値が適切な範囲内であるか否かを判定する。カメラ1010は、判定の結果、値が適切な範囲内であるデータを更新し、値が適切な範囲外であるデータを更新しない。
この結果、カメラ制御部170は、アクセサリー1600が、例えば2D測位状態であっっても、第2GPS情報が有効であるとして、第2GPS情報のうち取得できているデータを取得して有効利用できる。例えば、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報のうち、「方位」データの値が範囲外の値であった場合、「方位」データを無効と判定する。しかしながら、カメラ制御部170は、「UTC」データに対して取得を示すフラグが設定され、且つ「UTC」データの値が取り得る範囲内の場合、「UTC」データを利用して、UTC時刻に計時部34で生成された時刻合わせを行うことができる。
なお、本実施形態では、GPS制御部660は、「緯度」データ、「経度」データ、「高度」データ、「UTC」データ、「衛星信号」データ、「進行方向」データ、「方位」データに対して、データが有効でない場合、またはデータを取得できていない場合、予め定められた値を挿入する例を説明したがこれに限られない。例えば、GPS制御部660は、「測位の信頼性」データに含まれるPDOP、HDOP、VDOPなどの値についても、データが有効でない場合、予め定められた値を挿入するようにしてもよい。また、GPS制御部660は、「対地速度」データが有効でない場合、予め定められた値を挿入するようにしてもよい。この場合、カメラ制御部170は、「測位の信頼性」データ、「対地速度」データに対して、値が適切な範囲であるか否かを判定することにより、各データが有効であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図54を参照して説明したように、取得できていないデータがあった場合でも、GPS制御部660が、「GPSデータ有効/無効」データに有効を設定した第2GPS情報を、カメラ制御部170へ送信する例を説明したがこれに限らない。
例えば、GPS制御部660は、全てのデータが取得できていないと判定した場合、「GPSデータ有効/無効」データに有効を設定し、「GPSデータ取得情報」データの各フラグに取得を示す値を設定した第2GPS情報をカメラ制御部170に送信する。ただし、GPS制御部660は、全てのデータが取得できていないと判定した場合、第2GPS情報に付加するチェックサムを誤った値に設定するようにしてもよい。この結果、カメラ制御部170は、GPS制御部660から受信した第2GPS情報が全て無効、未取得であることを、付加されているチャックサムからも判定することができる。
上述した第2GPS情報について、例えば、利用者がカメラ1010の設定スイッチ104により、測位された第2GPS情報の一部が有効な場合、有効なデータのみを用いるか否かを選択するようにしてもよい。そして、カメラ制御部170は、この設定に応じて、GPS制御部660から受信した第2GPS情報から有効なデータのみを抽出し、抽出したデータを用いて画像データに関連付けてもよい。
この結果、カメラシステム1001の利用者は、利用者の設定に応じて、測位されたデータにと画像データとの関連付けを優先するのか、測位に時間を要しても測位の正確さを優先するのかを選択することができるので、利用者への利便性が向上する。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件のうち少なくとも1つの要件は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各要件は、適宜、組み合わせることができる。
例えば、本実施例ではGPSを用いて測位情報等を生成したが、これに限らず携帯電話等で用いられる周知の測位システムを用いるようにしてもよい。
また、外部機器と接続されるデータ端子640は、ワイヤレスで通信を行う構成であってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。また、第3実施形態において、特別な説明がない限り、構成要素やそれらの説明に関しては、第1実施形態と同様であるものとする。
図56は、第3実施形態のカメラシステム2001の外観を示す図である。図57は、第3実施形態のカメラシステム2001を図56とは反対側から見た図である。
図56及び図57に示すカメラシステム2001は、カメラ2010(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー2600を備える。第3実施形態のアクセサリー2600は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。カメラ2010は、アクセサリー2600と通信して、アクセサリー2600を制御することができる。カメラシステム2001は、例えば、アクセサリー2600によって撮像位置を測位し、カメラ2010によって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140に記憶させることができる。
図56に示すように、カメラ2010は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ2010は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー2600を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチである。
本実施形態において、図56等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
アクセサリー2600は、各種部品を収容したアクセサリー本体610と、アクセサリー本体610に設けられたコネクター620(接続部)とを含む。アクセサリー2600は、シュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー2600は、シュー座15に取り付けられて、カメラボディ100に対して固定される。なお、アクセサリー2600は、シュー座15とケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置に保持されていてもよい。アクセサリー2600は、シュー座15の開口24にコネクター620を挿入して所定の方向(+Y方向)にスライドさせることによって、シュー座15に取付けられる(図56参照)。
図57に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー2600の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ2010とアクセサリー2600の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
図57に示すように、アクセサリー2600は、操作部630、LED635、及びデータ端子640を備える。操作部630は、アクセサリー2600をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば操作部630は取外し操作部材である)。
LED635は、例えば、アクセサリー2600の測位動作状態を表示する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。
図58は、本実施形態に係るカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図58に示すように、カメラシステム2001は、カメラボディ100、撮影レンズ200、及びアクセサリー2600から構成される。
アクセサリー2600は、GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663を含む。GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663は、例えば、図56及び図57に示したアクセサリー本体610に収容されている。アクセサリー2600の詳細については、後述する。
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム2001の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー2600等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム2001の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム2001の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。
通信部176は、カメラシステム2001のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー2600は、外部装置の1つであり、GPS制御部660が通信部176と通信可能に接続される。
図59は、本実施形態に係るカメラ2010(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)とアクセサリー2600との接続関係を説明する構成図である。
図59に示すように、カメラ2010は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33、及び計時部34を備える。
アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に基づき、アクセサリー2600への電力の供給を制御する。
計時部34は、水晶発振器等により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をカメラ制御部170に出力する。計時部34は、カメラ制御部170と同様に電源とGND(基準電位)とに接続されている。
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー2600の端子部623と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図59参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部623を介して、アクセサリー2600と通信してアクセサリー2600を制御するための制御信号を、アクセサリー2600に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー2600に供給する制御信号は、通信信号DATA、及びカメラ2010とアクセサリー2600との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
次に、図59を参照して、カメラ2010における各構成要素の接続関係について説明する。
以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp3とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ2010のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー2600の装着前及びアクセサリー2600との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
次に、図60を参照して、アクセサリー2600側の構成について説明する。図60は、本実施形態のアクセサリー2600の構成を示すブロック図である。本実施形態のアクセサリー2600は、カメラ2010から供給される電力PWRによって動作する。
図60に示すように、アクセサリー2600は、端子部623(第1情報通信部)、操作部630、LED635、データ端子640(第2情報通信部)、GPSモジュール部650(受信部、測位部、または第1データ生成部)、GPS制御部660(第2データ生成部、アクセサリー制御部)、バッファメモリー663(第2記憶部)、充電部664、2次電池665、及び電源部670を含む。また、GPSモジュール部650は、アンテナ651、GPS演算部652、及びRTC653を含む。
本実施形態のアクセサリー2600は、カメラ2010の端子部25を介して供給される電力PWRによって動作する。カメラ2010から電力PWRが供給されていない状態では、アクセサリー2600は、2次電池665によりGPSモジュール部650の記憶部652a(第1記憶部)に記憶されているデータの保持とRTC653の動作のみを行う。
カメラ2010は、アクセサリー2600が装着されている(装着状態)ことを検出すると、アクセサリー2600への電力供給を、端子部25を介して開始する。アクセサリー2600がカメラ2010に装着されると、カメラ2010の起動状態検出端子Tp7が、アクセサリー2600の起動状態提供端子Ts7と端子630bとを介して端子630aと電気的に接続される。端子630aはGND(基準電位)に接続されているため、カメラ2010の起動状態検出端子Tp7の電位が基準電位となり、カメラ2010はアクセサリー2600の装着状態を検出する。アクセサリー2600は、操作部630を操作することでカメラ2010から取り外すことができる。
操作部630は、シュー座15に固定(ロック)されているアクセサリー2600のロックを解除するためのロック解除レバーである。操作部630は、機械式スイッチであり、端子630a、端子630b、及び端子630cを含む。アクセサリー2600のロックが操作部630によって解除されるとともに、アクセサリー2600がシュー座15から取り外されると、端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れる。端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れることで、起動状態検出端子Tp7と起動状態提供端子Ts7の電位が基準電位よりも高くなり、カメラ2010はアクセサリー2600が取り外されたことを検出する。
また、GPS制御部660は、操作部630の状態(端子630aと端子630bとが電気的に接続されているか否か)を端子630cの電位の変化によって検出する。例えば、端子630cが抵抗666を介して電源端子群(Ts11、Ts12)と接続されているため、操作部630の機械式スイッチが閉じていない(アクセサリー2600がシュー座15に固定されていない)場合、端子630cの電位はHレベル(基準電位よりも高い)となる。一方、操作部630の機械式スイッチが閉じた(アクセサリー2600がシュー座15に固定されている)場合、端子630cは接地されるため、端子630cの電位はLレベル(基準電位)となる。GPS制御部660は、端子630cの電位の変化を検出することで操作部630の状態を検出する。
次に、アクセサリー2600の端子部623について説明する。図59及び図60に示したように、端子部623は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されている場合に、カメラ2010の端子部25と電気的に接続される。端子部623は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
端子部623における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部623の各端子Ts1〜Ts12は、図59にて既述したカメラ2010側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部623の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
端子部623において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ2010から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ2010に対して出力する端子である。
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ2010側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ2010に対して出力したりする端子である。
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ2010に提供する端子である。
発光制御信号端子Ts8は、指令信号Xがカメラ2010から入力される端子であるが、GPS機能を有するアクセサリー2600では使用しない。
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ2010から入力される端子である。
電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
次に、カメラ2010とアクセサリー2600との接続関係について説明する。アクセサリー2600がカメラ2010に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ2010の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ2010の接地端子Tp2に接続される。そしてこれらアクセサリー2600側の接地端子Ts1、Ts2に接続している箇所(充電部664の接地端子など)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ2010の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ2010の電源端子Tp12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源部670に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、アクセサリー2600内の各回路や電気部品に供給することができる。
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ2010の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ2010の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着された状態であって、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、カメラ2010に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されていない状態を含む。
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ2010の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、GPS制御部660は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ2010の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とGPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ2010側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー2600に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ2010に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー2600側から出力されるデータとしては、アクセサリー2600に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とGPS制御部660が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー2600側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からGPS制御部660へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、GPS制御部660に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をGPS制御部660へ送信する。
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をGPS制御部660からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信することができる。GPS制御部660は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ2010の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、GPS制御部660へ通信制御信号Csを供給することができる。
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ2010とアクセサリー2600との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー2600側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗(図示せず)が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
次に、GPSモジュール部650について説明する。
GPS演算部652は、アンテナ651を介して測位や計時に必要なGPS情報(航法メッセージ)を測位衛星(GPS衛星)から受信する。GPS演算部652は、測位衛星から受信したGPS情報(航法メッセージ)からGPS時刻を示す情報(GPS時刻情報)を抽出する。GPS情報からGPS時刻情報が抽出できた場合、RTC653の計時情報をGPS時刻に合わせる。GPS演算部652は、GPS情報を受信できない場合、またはGPS情報を受信できてもGPS時刻情報を抽出できない場合、RTC653の計時情報をGPS時刻情報の代わりに用いる。なお、記憶部652aは、フラッシュメモリーであってもよい。
また、GPS演算部652は、GPS情報から第1GPS情報(第1データ)を生成し、第1GPS情報をGPS制御部660に出力する。第1GPS情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association(米国会用電子協会))が規定したGP
S受信機などの通信プロトコルを有するNMEAデータ(第1のフォーマット)である。
GPS演算部652は、第1GPS情報を記憶部652aに記憶させる。
また、GPS演算部652は、GPSモジュール部650の測位動作状態(測位が完了しているか否か)を示す情報をGPS制御部660に出力する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位動作状態を、LED635を制御することで表示(点灯、もしくは点滅)する。
RTC(リアル・タイム・クロック)653は、例えば水晶発振器により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をGPS演算部652に出力する。RTC653は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されていない場合、2次電池665から供給される電力を用いて計時を継続する。
LED635は、GPS制御部660の制御に基づき、GPSモジュール部650の測位動作状態を表示する。LED635は、例えば赤色、緑色の複数の色の光を発光することができる。LED635は、例えば、アクセサリー2600がカメラ2010に装着され、GPSモジュール部650による測位で3機の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、赤色で点滅する。GPSモジュール部650による測位で4機以上の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、緑色で点灯する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。アクセサリー2600は、データ端子640を介して接続ケーブルでパソコン(PC)等の外部機器と接続することで、パソコンからコマンドやデータを取得することができる。また、アクセサリー2600は、データ端子640を介してGPS制御部660が出力するコマンドやデータをパソコンに送信する。また、データ端子640は、接続ケーブルを介して供給された電力を電源部670に供給する。
GPS制御部660は、端子部623及びカメラ2010の端子部25を介してカメラ制御部170と通信する。また、GPS制御部660は、アクセサリー2600の各構成要素の制御を行う。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650(GPS演算部652)が出力する第1GPS情報から、カメラ2010に出力するデータを抽出する。カメラ2010に出力するデータとは、例えば、Exif(第2のフォーマット)ファイルを生成するために必要なデータであり、緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時(UTC)を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報の各情報等である。
また、GPS制御部660は、第1GPS情報から、該第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグ(以下、「第1GPS情報の有効/無効フラグ」という)、2D測位状態(経度と緯度が測位できている状態)か3D測位状態(経度と緯度と高度が測位できている状態)かを示すフラグ(以下、「2D測位/3D測位フラグ」という)を生成する。
さらに、GPS制御部660は、後述するように第1GPS情報から、カメラ2010に出力するデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)の各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判定結果に基づき、該各情報が取得できているか否かを示すフラグ(以下、「第1GPS取得情報フラグ」という)を生成する。「第1GPS情報の有効/無効フラグ」、「2D測位/3D測位フラグ」、「第1GPS取得情報フラグ」については後で詳述する。
GPS制御部660は、カメラ2010に出力するデータに、「第1GPS情報の有効/無効フラグ」、「2D測位/3D測位フラグ」及び「第1GPS取得情報フラグ」を付加するとともに、第1GPS情報をカメラ2010に出力する第2GPS情報(第2データ)に変換する。GPS制御部660は、バッファメモリー663のバンクを切り替えて、変換した第2GPS情報を一方のバンクに記憶させる。GPS制御部660は、カメラ制御部170からの要求に応じて、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報を読み出して送信する。または、GPS制御部660は、バッファメモリー663を、例えば2つの領域として扱い、変換した第2GPS情報を一方の領域に記憶させる。
なお、第1GPS情報(NMEAデータ)は、例えばASCIIデータである。一方、第2GPS情報は、例えば1バイト単位のデータである。なお、GPS制御部660は、第2GPS情報と、生成した情報取得可否フラグとを関連付けて第2GPS情報を生成するようにしてもよい。
バッファメモリー663には、GPS制御部660が変換した第2GPS情報が記憶されている。バッファメモリー663は、例えば2つのバンク、または2つの記憶領域を有している。
充電部664は、電源部670の第2出力端子と接続されている。充電部664は、カメラ2010から端子Ts12及び端子Ts11を介して供給された電力を用いて2次電池665を充電する。
電源部670は、第1の入力端子が、端子部623の端子Ts11及びTs12と接続され、第2の入力端子が、データ端子640に接続されている。電源部670は、第1の出力端子が、GPS演算部652、及び充電部664に接続され、第2の出力端子が、GPS制御部660、バッファメモリー663及びプルアップ抵抗666の一方端に接続されている。
電源部670は、カメラ2010から端子部623を介して供給された電力をアクセサリー2600内部で使用する電圧値に変換し、電圧値を変換した電力を第1と第2の出力端子から各部に供給する。
次に、図61を参照して、カメラシステムにおける処理の手順について説明する。
図61は、本実施形態に係るカメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム2001は、アクセサリー2600を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
(ステップS2001、S2002)カメラシステム2001は、起動シーケンス(ステップS2001)において、カメラ2010とアクセサリー2600との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う。カメラシステム2001は、通信準備シーケンスにおいて、カメラ2010の電源がオンの状態の時、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されているか否かを検出する。カメラシステム2001は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されている場合、アクセサリー2600に電力の供給を開始し、また、カメラ2010は、アクセサリー2600に通信を許可する。なお、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されている状態を接続状態といい、アクセサリー2600がカメラ2010に装着されていない状態を非接続状態という。
(ステップS2003)カメラシステム2001は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う。初期通信シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー2600が有する機能を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、測位開始要求をGPS制御部660へ送信する。
なお、カメラシステム2001は、ステップS2002の起動シーケンスに行う以外に、例えば、カメラ2010がスリープ状態から復帰後、初期通信シーケンスを行う。また、カメラシステム2001は、アクセサリー2600の状態が変化した場合等に、アクセサリー2600からカメラ2010に初期通信シーケンスを行う依頼を行った後、初期通信シーケンスを行う。なお、スリープ状態とは、所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態である。
(ステップS2004)カメラシステム2001は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う。
(ステップS2005)カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う。カメラシステム2001は、割込要求が無いとステップS2005で判定した場合(ステップS2005;No)、ステップS2004に戻り、定常通信シーケンスの処理を再度行う。
(ステップS2006)カメラシステム2001は、割込要求が有るとステップS2005で判定した場合(ステップS2005;Yes)、割込処理を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム2001は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム2001は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
次に、図62を参照して、ステップS2003(図61)で行う初期通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図62は、本実施形態に係る初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
(ステップS2101)カメラ制御部170は、初期通信シーケンスが開始されると、電池有無情報及び機能種類情報を含むアクセサリー初期状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC1を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS2102)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC1を受信する。
(ステップS2103)GPS制御部660は、送信要求コマンドC1に従って、アクセサリー初期状態情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS2104)カメラ制御部170は、GPS制御部660からのアクセサリー初期状態情報を受信する。
(ステップS2105)カメラ制御部170は、ステップS2104で受信したアクセサリー初期状態情報から電池有無情報及び機能種類情報を抽出する。次に、カメラ制御部170は、抽出した機能種類情報に基づいて、アクセサリー2600が拡張機能を有するか否かを判定する。アクセサリー2600が拡張機能を有すると判定した場合(ステップS2105;Yes)、ステップS2106に進む。アクセサリー2600が拡張機能を有していないと判定した場合(ステップS2105;No)、ステップS2110に進む。
(ステップS2106)カメラ制御部170は、「給電継続要求」の送信を要求する送信要求コマンドC2を、アクセサリー2600へ送信する。
なお、「給電継続要求情報」とは、カメラ2010側においてユーザーによって電源スイッチをオフにする電源OFF操作がなされた場合(電源OFF状態)、あるいはカメラ2010がスリープ状態(所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態)に移行した場合であっても、カメラ2010からアクセサリー2600への電力供給(給電)を維持してもらうか否かを、をアクセサリー2600側からカメラ2010に予め要求するための情報である。上述の電源OFF状態、スリープ状態とは何れも、カメラ2010が起動して各種のカメラ動作(例えば撮影動作などのカメラの持つ機能を発揮できる動作)を実行することが出来ない状態を示す。換言すれば、電源OFF状態、スリープ状態とは、カメラ2010が起動してカメラ動作を実行するため起動状態とは異なる状態である所定状態である。
なお、所定状態とは、カメラの電源がオフとなる電源オフ状態、およびカメラの消費電力が起動状態の場合の消費電力よりも少ない低消費電力状態(スリープ状態)のうち少なくとも1つの状態である。
(ステップS2107)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC2を受信する。
(ステップS2108)GPS制御部660は、送信要求コマンドC2に従って、当該GPS制御部660に記憶されている給電継続の要求をするか否かを示す情報である給電継続情報を読み出し、読み出した給電継続情報をカメラ制御部170へ送信する。すなわち、給電継続情報は、給電継続の要求有り、または給電継続の要求無しを含んでいる。
(ステップS2109)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの給電継続情報を受信する。
(ステップS2110)カメラ制御部170は、ステップS2104で受信したアクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー2600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー2600が、GPS機能を有していると判定した場合(ステップS2110;Yes)、ステップS2111に進む。アクセサリー2600が、GPS機能を有していないと判定した場合(ステップS2110;No)、または拡張機能を有していないと判定した場合(ステップS2105;No)、初期通信シーケンスを終了する。
(ステップS2111)カメラ制御部170は、ステップS2109で受信した給電継続情報が、給電継続の要求有りか否か給電継続の要求無しかを判定する。給電継続の要求有りと判定した場合、アクセサリー2600が供給継続する機能を有していることを示すフラグ(以下、電力供給継続のフラグという)を不揮発性メモリー160に設定する。
カメラ制御部170は、この電力供給継続のフラグが設定されることによって、カメラ2010の電源OFF状態またはスリープ状態へ移行の際に、アクセサリー2600に対して給電を継続する。
換言すれば、カメラ制御部170は、電力供給継続のフラグが設定されなければ、カメラ2010の電源がOFF状態またはスリープ状態において、アクセサリーへの給電を継続しない。
(ステップS2112)カメラ制御部170は、フラグ設定後、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドC5001を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS2113)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信する。
(ステップS2114)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信したことを示す応答情報をカメラ制御部170へ送信する。GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信すると、GPSモジュール部650に測位を開始する指示を出力する。そして、GPSモジュール部650は、GPS制御部660からの測位開始の指示に応じて、測位衛星からのGPS情報(航法メッセージ)の受信を開始する。GPSモジュール部650は、受信したGPS情報から第1GPS情報(NMEAデータ)に変換する処理を開始する。
次に、GPS制御部660は、GPSモジュール部650が変換した第1GPS情報に基づき、第2GPS情報を生成して第3GPS情報(第3データ)としてバッファメモリー663に記憶させる。
(ステップS2115)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信する。なお、第3GPS情報とは、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報に、後述する定常通信シーケンスで設定した「GPSデータ有効/無効」データと「GPSデータ取得情報」データを第2GPS情報に挿入した情報である。
以上で、初期通信シーケンスは終了される。
次に、図63及び図64を参照して、ステップS2004(図61)で行う定常通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図63は、本実施形態に係るアクセサリー2600における定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図64は、本実施形態に係る定常通信シーケンスにおけるカメラ2010内のGPSデータの更新処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、初期通信シーケンスで受信した、アクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー2600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー2600が拡張機能を有する場合、以下の定常通信シーケンスを行う。
(ステップS2201)カメラ制御部170は、撮像中であるか否かを判定する。撮像中であると判定した場合(ステップS2201;Yes)、定常通信シーケンスを終了する。撮像中ではないと判定した場合(ステップS2201;No)、ステップS2202に進む。
(ステップS2202)カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS2203)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS2204)GPS制御部660は、第1GPS情報から第2GPS情報を生成する。
次に、GPS制御部660は、カメラ2010が電源オン状態になった後、GPSモジュール部650から「GPSデータ有効/無効」データが有効な第1GPS情報を初めて受信したか否かを判定する。「GPSデータ有効/無効」データが有効な第1GPS情報を初めて受信したと判定した場合(ステップS2204;Yes)、ステップS2205に進む。
「GPSデータ有効/無効」データが有効な第1GPS情報を受信していないと判定した場合(ステップS2204;No)、ステップS2206に進む。
(ステップS2205)「GPSデータ有効/無効」データが有効な第1GPS情報を、初めて受信したと判定した場合、GPS制御部660は、GPS制御部660が有する内部フラグ(以下、「有効/無効フラグ」という)に有効な状態を示すフラグを設定する。
なお、内部フラグとは、後述するように、カメラ2010が電源オン状態になった後、「第1GPS情報の有効/無効フラグ」が有効な第1GPS情報が取得されるまで無効に設定される。また、内部フラグは、カメラ2010が電源オン状態になった後、「第1GPS情報の有効/無効フラグ」が有効な情報が初めて取得された後、有効に設定された状態を継続するフラグである。
次に、GPS制御部660は、設定した「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データを設定する。
例えば、GPS制御部660は、「GPSデータ有効/無効」データの「第1GPS情報の有効/無効フラグ」に有効を示す値を設定し、「2D測位/3D測位フラグ」に3D測位を示す値を設定する。
(ステップS2206)「GPSデータ有効/無効」データが有効な第1GPS情報を、まだ受信していないと判定した場合、GPS制御部660は、「有効/無効フラグ」に無効な状態を示すフラグを設定する。
次に、GPS制御部660は、設定した「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データに無効(有効ではない)ことを示すフラグを設定する。
例えば、GPS制御部660は、「GPSデータ有効/無効」データの「第1GPS情報の有効/無効フラグ」に無効を示す値を設定し、「2D測位/3D測位フラグ」に2D測位を示す値を設定する。
(ステップS2207)GPS制御部660は、ステップS2205またはS2206で設定した「GPSデータ有効/無効」データを、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報に挿入して第3GPS情報としてバッファメモリー663に記憶させる。
次に、GPS制御部660は、第3GPS情報をバッファメモリー663から読み出して、読み出した第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170に送信する。
すなわち、カメラ制御部170に送信される第2GPS情報に含まれる「第1GPS情報の有効/無効フラグ」(第1データ有効性情報)は、カメラ2010が電源オン状態になった後に初めて有効な測位されたデータが取得できたか否かに基づきGPS制御部660が生成して挿入したフラグである。
(ステップS2208)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの第2GPS情報を受信する。
(ステップS2209)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを抽出する。カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから「第1GPS情報の有効/無効フラグ」を抽出し、抽出結果に基づき第2GPS情報が有効か否かを判定する。カメラ制御部170は、例えば、第2GPS情報から抽出した「GPSデータ有効/無効」データの「第1GPS情報の有効/無効フラグ」が、有効を示す値の場合、第2GPS情報が有効であると判定する。
次に、カメラ制御部170は、判定結果に基づき、第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に書き込んで更新する。
第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS2209;Yes)、ステップS2210に進む。第2GPS情報が無効であると判定した場合(ステップS2209;No)、ステップS2211に進む。
(ステップS2210)第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS2209;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ2010内のGPSデータ更新処理を行う。カメラ2010内のGPSデータ更新処理終了後、定常通信シーケンスを終了する。
(ステップS2211)第2GPS情報が無効であると判定した場合(ステップS2209;No)、カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続しているか否かを判定する。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS2211;Yes)、ステップS2212に進む。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していない、すなわち60秒以内に第2GPS情報が有効に変化した場合(ステップS2211;No)、ステップS2210に進む。
(ステップS2211)第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS2212;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ2010内のGPSデータの無効処理を行う。カメラ2010内のGPSデータの無効処理終了後、定常通信シーケンスは終了される。
なお、GPS制御部660は、ステップS2205において、「GPSデータ有効/無効」データを設定し、ステップS2207において、設定した「GPSデータ有効/無効」データを第2GPS情報に挿入してバッファメモリー663に記憶させる例を説明したが、これに限られない。GPS制御部660は、ステップS2205において、「GPSデータ有効/無効」データに合わせて、「GPSデータ取得情報」データ(第1データ有効性情報)に各情報が取得できていることを示す値を設定し、ステップS2207において、設定した「GPSデータ有効/無効」データと「GPSデータ取得情報」データを第2GPS情報に挿入してバッファメモリー663に記憶させ、この第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170に送信するようにしてもよい。
次に、ステップS2212(図63)で行う第2GPS情報の無効処理について説明する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合、撮像された画像データが保存されている画像ファイルに対して、第2GPS情報に基づく情報を書き込まない。また、カメラ2010の表示部102に表示する位置情報に関する表示を無効表示にする。なお、無効表示とは、例えば、「――」(ハイフォン)である。
次に、図64を参照して、ステップS2004(図61)で行う定常通信シーケンスにおけるカメラ2010内のGPSデータ更新における処理の手順について説明する。図64は、本実施形態に係るカメラ2010内のGPSデータ更新における処理の手順を示す図である。
(ステップS2301)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているデータ有効・無効状態データを書き換えて更新する。例えば、第2GPS情報が無効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“0”を記録する。第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“1”を記録する。
(ステップS2302)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから2D測位状態か3D測位状態かを示す情報を抽出し、抽出した結果に基づき不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態データを書き換えて更新する。例えば、2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、2D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“0”を記録する。2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、3D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“1”を記録する。
(ステップS2303)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データからUTCデータが取得できているか否かを示す情報を抽出する。UTCデータが取得できている場合、ステップS2304に進む。UTCデータが取得できていない場合、ステップS2308に進む。
(ステップS2304)カメラ制御部170は、UTC時刻にカメラ2010の計時部34で生成された時刻を合わせるか否かを、ユーザーの設定した情報に基づき判定する。なお、ユーザーの設定した情報は、不揮発性メモリー160またはバッファメモリー165に記憶されている。UTC時刻にカメラ2010の計時部34で生成された時刻を合わせるように設定されていると判定した場合(ステップS2304;Yes)、ステップS2305に進む。
UTC時刻にカメラ2010の時刻を合わせるように設定されていないと判定した場合(ステップS2304;No)、ステップS2307に進む。
(ステップS2305)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「UTC」データを抽出し、カメラ2010の計時部34で生成された計時情報の日時を、抽出した「UTC」データに基づく日時に更新する。
(ステップS2306)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されているUTC時刻にカメラ2010の計時部34で生成された時刻を合わせる設定を、UTC時刻にカメラ2010の計時部34で生成された時刻を合わせない設定に書き換える。
(ステップS2307)ステップS2304、またはS2306終了後、カメラ制御部170は、抽出した「UTC」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているUTCデータを書き換えて更新する。
(ステップS2308)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから緯度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき緯度データを取得できているか否かを判定する。緯度データが取得できていると判定した場合(ステップS2308;Yes)、ステップS2309に進む。緯度データが取得できていないと判定した場合(ステップS2308;No)、ステップS2312に進む。
(ステップS2309)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから経度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき経度データを取得できているか否かを判定する。経度データが取得できていると判定した場合(ステップS2309;Yes)、ステップS2310に進む。経度データが取得できていないと判定した場合(ステップS2309;No)、ステップS2312に進む。
(ステップS2310)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「緯度」データを抽出し、抽出した「緯度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている緯度データを書き換えて更新する。
(ステップS2311)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「経度」データを抽出し、抽出した「経度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている経度データを書き換えて更新する。
(ステップS2312)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから高度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき高度データを取得できているか否かを判定する。高度データが取得できていると判定した場合(ステップS2312;Yes)、ステップS2313に進む。高度データが取得できていないと判定した場合(ステップS2312;No)、ステップS2315に進む。
(ステップS2313)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態を示す情報を読み出し、読み出した2D・3D測位状態を示す情報が3D測位状態を示す情報であるか否かを判定する。3D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS2313;Yes)、ステップS2314に進む。3D測位状態を示す情報ではない、すなわち2D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS2313;No)、ステップS2315に進む。
(ステップS2314)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「高度」データを抽出し、抽出した「高度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている高度データを書き換えて更新する。
(ステップS2315)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから地磁気センサーが搭載されているかを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき地磁気センサーが搭載されているか否かを判定する。地磁気センサーが搭載されていると判定した場合(ステップS2315;Yes)、ステップS2316に進む。地磁気センサーが搭載されていないと判定した場合(ステップS2315;No)、ステップS2317に進む。
(ステップS2316)地磁気センサーが搭載されていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「方位」データを抽出し、抽出した「方位」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている方位データを書き換えて更新する。
(ステップS2317)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位衛星数を取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位衛星数を取得できているか否かを判定する。測位衛星数を取得できていると判定した場合(ステップS2317;Yes)、ステップS2318に進む。測位衛星数を取得できていないと判定した場合(ステップS2317;No)、ステップS2319に進む。
(ステップS2318)測位衛星数を取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「衛星信号」データを抽出し、抽出した「衛星信号」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位衛星数データを書き換えて更新する。
(ステップS2319)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位の信頼性データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位の信頼性データを取得できているか否かを判定する。測位の信頼性データを取得できていると判定した場合(ステップS2319;Yes)、ステップS2320に進む。測位の信頼性データを取得できていないと判定した場合(ステップS2319;No)、ステップS2321に進む。
(ステップS2320)測位の信頼性データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「測位の信頼性」データを抽出し、抽出した「測位の信頼性」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位の信頼性データを書き換えて更新する。
(ステップS2321)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから進行方向データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき進行方向データを取得できているか否かを判定する。進行方向データを取得できていると判定した場合(ステップS2321;Yes)、ステップS2322に進む。進行方向データを取得できていないと判定した場合(ステップS2321;No)、ステップS2323に進む。
(ステップS2322)進行方向データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「進行方向」データを抽出し、抽出した「進行方向」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている進行方向データを書き換えて更新する。
(ステップS2323)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから対地速度データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき対地速度データを取得できているか否かを判定する。対地速度データを取得できていると判定した場合(ステップS2323;Yes)、ステップS2324に進む。対地速度データを取得できていないと判定した場合(ステップS2323;No)、GPSデータ更新処理を終了する。
(ステップS2324)対地速度データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「対地速度」データを抽出し、抽出した「対地速度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている対地速度データを書き換えて更新する。
次に、図65を参照して、カメラ2010にアクセサリー2600が装着された後に、カメラ2010の電源がオン状態になり、さらに所定の時間経過後にカメラ2010がスリープ状態になり、その後、カメラ2010がスリープ状態から復帰した場合についてのカメラ2010とアクセサリー2600の動作と、GPS制御部660が有する「有効/無効フラグ」の動作の一例を説明する。
図65は、本実施形態に係るカメラ2010の電源がオン状態になった後のカメラ2010とアクセサリー2600の動作と第1GPS情報の状態の一例を説明する図である。
図65において、横軸は時間を表す。符号g701は、カメラ2010の起動状態を模式的に表し、「H」が電源オン状態を表し、「L」が電源オフ状態を表している。また、符号g702は、アクセサリー2600の起動状態を模式的に表し、「H」がアクティブ状態を表し、「L」がスリープ状態を表している。符号g703は、アクセサリー2600における第1GPS情報が有効であるか無効であるかを模式的に表している。「H」は、第1GPS情報が有効である状態を表し、「L」は、第1GPS情報が無効である状態を表している。また、符号g704は、アクセサリー2600におけるカメラ2010へ送信するための第2GPS情報の「GPSデータ有効/無効」データの代わりに送信されるGPS制御部660が有する「有効/無効フラグ」の状態を模式的に表している。「H」は、有効である状態を表し、「L」は、無効である状態を表している。なお、アクセサリー2600におけるアクティブ状態とは通常の動作状態であり、スリープ状態とはアクティブ状態よりも消費電力の少ない省電力状態である。また、アクセサリー2600においてスリープ状態ではなく、電源オフ状態を「L」としてもよい。
時刻t0より以前に、アクセサリー2600は、カメラボディ100に装着される。
時刻t0において、カメラ2010の電源がオン状態になる。
時刻t1において、カメラ制御部170は、GPS制御部660と起動処理である通信準備シーケンスを行い、通信準備シーケンスの1処理としてカメラ制御部170からアクセサリー2600に電力の供給を開始する。これにより、アクセサリー2600は、アクティブ状態になる。この時点で、測位はまだ完了していないため、第1GPS情報は無効である。
電源が供給された後、GPS制御部660は、例えば、カメラ制御部170との間で通信準備シーケンスが行われたことに基づき、カメラ2010が電源オフ状態から電源オン状態になったと判定する。この判定結果に基づき、GPS制御部660は、「有効/無効フラグ」(g704)を、第1GPS情報が無効であることを示す値、例えばロー(L)レベルに設定する。
時刻t2において、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスの1つの処理として、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信する。GPS制御部660は、送信要求コマンドに従って、測位を開始する。時刻t2において、測位開始直後のため、第1GPS情報は無効である。また、「有効/無効フラグ」は、無効であることを示す値のままである。
時刻t3において、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの1つの処理として、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。アクセサリー2600は、コールドスタートで起動したため、測位信号の捕獲と航法メッセージの取得に数分〜12分30秒かかる。このため、時刻3において、GPSモジュール部650による測位が完了していないので、第1GPS情報は無効である。
このため、GPS制御部660は、測位が完了するまでの時刻t4まで、「有効/無効フラグ」に無効であることを示す値を継続する。
時刻t3において、GPS制御部660は、「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データに無効を示す値(0)を設定し、設定した「GPSデータ有効/無効」データをバッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報に挿入して第3GPS情報として記憶させる。
次に、GPS制御部660は、第3GPS情報をバッファメモリー663から読み出し、読み出した第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
時刻t4において、GPSモジュール部650による測位が完了し、第1GPS情報がカメラ2010の電源がオン状態後、初めて有効な状態になる(符号g703)。これを受け、GPS制御部660は、第1GPS情報が有効であることを示す値(例えばハイ(H)レベル)を「有効/無効フラグ」に設定する。
次に、GPS制御部660は、設定した「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データを設定する。次に、GPS制御部660は、設定した「GPSデータ有効/無効」データを、第2GPS情報に挿入して第3GPS情報としてバッファメモリー663に記憶させる。
時刻t5において、カメラ制御部170は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。次に、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第3GPS情報を読み出し、読み出した第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
すなわち、時刻t5より前にGPS制御部660からカメラ制御部170に送信される第2GPS情報は、「GPSデータ有効/無効」データに無効を示す値が設定されている。一方、時刻t5以後にGPS制御部660からカメラ制御部170に送信される第2GPS情報は、「GPSデータ有効/無効」データに有効を示す値が設定されている。
カメラ制御部170は、時刻t6において、カメラ2010が予め定められている期間、操作されなかった場合等に、スリープ処理を開始する。
次に、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの1つの処理として、スリープ開始コマンドC5021を、GPS制御部660へ送信する。初期通信シーケンスで給電継続要求情報がGPS制御部660から受信している場合、カメラ制御部170は、アクセサリー2600にスリープ状態の時刻t6〜t8の期間も電力の給電を継続する。
GPS制御部660は、スリープ開始コマンドC5021を受信し、受信したスリープ開始コマンドC5021に基づいて、アクセサリー2600をスリープ状態(省電力状態)に制御する。
また、カメラ制御部170は、スリープ開始コマンドC5021をGPS制御部660へ送信後、スリープ状態になるようにカメラ2010を制御する。
なお、時刻t6からt7の期間、GPS制御部660は、カメラ2010がスリープ状態であっても、予め定められている周期で、測位を行い、測位した航法メッセージに基づく第2GPS情報を第3GPS情報としてバッファメモリー663に書き込んで更新する。このため、時刻t7において測位された第1GPS情報は有効な状態であるとする。また、「有効/無効フラグ」は、有効を示す値が継続されている。
その後、時刻t7から、カメラ制御部170がスリープ状態から復帰して再び測位開始を要求する時刻t9まで、GPS制御部660は、GPSモジュール部650に対して測位を停止させる。
時刻t8において、カメラ制御部170は、ユーザーにより、設定スイッチ104またはレリーズ釦16が操作された場合、スリープ状態から復帰する制御を行う。
時刻t9において、カメラ制御部170は、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信する。次に、GPS制御部660は、送信要求コマンドに従って、測位を開始する。時刻t9において、測位が完了していないため、第1GPS情報は無効な状態である。しかしながら、「有効/無効フラグ」は、有効を示す値が継続されている。
時刻t10において、カメラ制御部170は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
この場合、ウォームスタートであるため、GPSモジュール部650によるエフェメリス・データの再取得等には、30秒〜60秒程度かかる。このため、時刻t10において、測位された第1GPS情報は、まだ無効な状態である(g703)。しかしながら、「有効/無効フラグ」は、有効を示す値が継続されている。
次に、GPS制御部660は、「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データに有効を示す値を設定する。
次に、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている時刻t7に測位された第3GPS情報を読み出し、設定した「GPSデータ有効/無効」データを読み出した第3GPS情報に挿入して第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
時刻11において、GPS制御部660は、測位が完了する。時刻t11以後、カメラ制御部170から第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信した場合、GPS制御部660は、順次、「有効/無効フラグ」に基づいて、「GPSデータ有効/無効」データに有効を示す値を設定する。次に、GPS制御部660は、設定した「GPSデータ有効/無効」データを、第2GPS情報に挿入して第3GPS情報として記憶させる。そして、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第3GPS情報を読み出して、読み出した第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
なお、図65において、時刻t4において、GPS制御部660は、GPSモジュール部650から受信した第1GPS情報から各情報を抽出する。そして、GPS制御部660は、抽出した該各情報に基づき、該各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、初めて「GPSデータ取得情報」データが全ての情報を取得状態である第1GPS情報を受信した後、「GPSデータ取得情報」データに各情報が取得できていることを示す情報(例えばハイ(H)レベル)を設定するようにしてもよい。
また、GPS制御部660は、「有効/無効フラグ」が有効に設定された後、「GPSデータ取得情報」データに各情報が取得できていることを示す情報を設定するようにしてもよい。GPS制御部660は、このように設定した「GPSデータ取得情報」データをバッファメモリー663に記憶されている第3GPS情報に挿入して記憶させ、記憶させた第3GPS情報を読み出して第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信するようにしてもよい。
上述したように、GPS制御部660が有する「有効/無効フラグ」は、カメラ2010の電源がオン状態になり、アクセサリー2600の測位が初めて完了するまでの期間、「GPSデータ有効/無効」データに無効を設定することを表すフラグである。また、この「有効/無効フラグ」は、アクセサリー2600が初めて測位を完了した以後、「GPSデータ有効/無効」データに有効を設定することを表すフラグである。すなわち、「有効/無効フラグ」は、カメラ2010の電源の状態と、GPSモジュール部650の測位が初めて完了したか否かとに基づき、「GPSデータ有効/無効」データに設定される情報である。
そして、GPS制御部660は、この「有効/無効フラグ」に基づき「GPSデータ有効/無効」データに有効であるか無効であるかを設定し、設定した有効または無効を示す情報が挿入された第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
また、カメラ制御部170から第2GPS情報送信要求コマンドを受信し、GPSモジュール部650が衛星を捕獲できていず測位が出来ていない場合(例えば、時刻t5からt6の期間)、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第3GPS情報のうち、第1GPS情報が有効かつ最新の情報(または、現在時刻に近い方の情報)を読み出す。そして、GPS制御部660は、読み出した第3GPS情報のGPSデータ有効/無効」データに、「有効/無効フラグ」に基づいて有効を示す情報設定し、有効を示す情報を挿入した第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
以上のように、本実施形態のGPS制御部660は、アクセサリー2600がカメラ2010に装着され、カメラ2010が電源オン状態になった後、カメラ制御部170から第2GPS情報送信要求コマンドを受信した場合、「有効/無効フラグ」に基づいて「GPSデータ有効/無効」データを設定する。そして、GPS制御部660は、設定した「GPSデータ有効/無効」データを第3GPS情報に挿入して第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
すなわち、GPS制御部660は、初めての測位が完了するまで、測位した第1GPS情報と、第1GPS情報が無効であることを示す「有効/無効フラグ」に基づいて「GPSデータ有効/無効」データに無効を示す値が挿入されている第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。
一方、GPS制御部660は、カメラ2010の電源がオン状態になって初めての測位が完了した以後、「有効/無効フラグ」に基づいて「GPSデータ有効/無効」データに有効が挿入されている第3GPS情報を第2GPS情報としてカメラ制御部170へ送信する。これ以後、GPS制御部660は、例えば衛星を捕獲できなくなった場合でも、バッファメモリー663に記憶されている第3GPS情報のうち、第1GPS情報が有効かつ最新の情報(または、現在時刻に近い方の情報)と、「有効/無効フラグ」に基づいて「GPSデータ有効/無効」データが有効を示す情報が挿入されている第3GPS情報を第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信するようにした。
この結果、カメラ制御部170は、アクセサリー2600の測位が完了した後、GPS制御部660から第1GPS情報が有効な情報を含む第2GPS情報を取得することができ、取得した第2GPS情報に基づき画像データと位置情報を関連付けることができる。
なお、図65において、GPS制御部660は、カメラ2010の電源がオン状態になった後の初め有効になった測位であるかをカメラ制御部170との通信準備シーケンスが行われたことに基づき判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、GPS制御部660は、アクセサリー2600が操作部630の操作によりカメラ2010から取り外されたことを検出し、バッファメモリー663にアクセサリー2600がカメラボディ100に非装着状態であることを示す情報を記憶させておくようにしてもよい。GPS制御部660は、カメラボディ100に装着され、電源がオン状態になった後、バッファメモリー663に記憶されている非装着状態であることを示す情報を読み出し、読み出した情報に基づき、カメラ2010が電源オン状態になったことを判定するようにしてもよい。この場合、GPS制御部660は、判定後、非装着状態であることを示す情報をリセットし、装着状態であることを示す情報に書き換えるようにしてもよい。
また、GPS制御部660は、測位が予め定められている時間行われていない場合、初めて有効になった測位であるかを判定するようにしてもよい。具体的には、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報が記憶された日時を示す情報と現在の日時とを比較して、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報が有効期限内のデータであるか否かを判定して使用するようにしてもよい。
なお、時刻t10において、GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報のうち、第1GPS情報が有効かつ最新の情報(または、現在時刻に近い方の情報)を読み出してカメラに送信する例を説明した。この場合、GPS制御部660は、例えば、RTC653が生成した計時情報を用いて、時刻t7から時刻t10までの時間をカウントする。そして、GPS制御部660は、カウントした値が予め定められている値より小さいか否かを判定する。そして、カウントした値が予め定められている値より小さいと判定した場合、時刻t7から時刻t10の期間が短いため、カメラシステム2001のユーザーの移動距離が短いことが想定される。このため、GPS制御部660は、カメラ2010がスリープ状態から復帰した後、測位が完了するまで、バッファメモリー663に記憶されている第1GPS情報が有効な第2GPS情報を送信するようにしてもよい。この結果、カメラ2010は、スリープ状態から復帰後であっても、アクセサリー2600からすぐに有効な第2GPS情報を取得し、取得した第2GPS情報と画像データとを関連付けることができる。
また、カウントした値が予め定められている値より小さくないと判定した場合、時刻t7から時刻t10の期間が長いため、カメラシステム2001のユーザーの移動距離が長いことが想定される。このため、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報を送信しても、ユーザーが時刻t10の時点でいる位置と時刻t7との位置が、大きく異なることが想定される。この場合、GPS制御部660は、現在測位中の第2GPS情報を送信するようにしてもよい。この場合、まだ測位が完了していないため、第1GPS情報は無効である。
このような場合、例えば、ユーザーがカメラ2010の設定スイッチ104により、スリープ状態から復帰した後に過去に測位された第2GPS情報を用いるか否かを選択するようにしてもよい。そして、カメラ制御部170は、この選択された情報をGPS制御部660へ送信する。そして、GPS制御部660は、選択された情報に従って、カメラ2010のスリープ状態から復帰後に送信する第2GPS情報を、バッファメモリー663から読み出して送信するか、現在測位中のデータを送信するか、またはバッファメモリー663から読み出した第3GPS情報に設定されている第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグを書き換えて、カメラ制御部170に送信するようにしてもよい。
この結果、カメラシステム2001のユーザーは、ユーザーが選択した設定に応じて、カメラ2010がスリープ状態から復帰した場合、測位情報と画像データとの関連付けを優先するのか、測位に時間を要しても測位情報の正確さを優先するのかを選択することができるので、ユーザーへの利便性が向上する。
なお、本実施形態では、時刻t6からt8の期間、カメラ2010がスリープ状態になる例を説明したが、この期間、カメラ2010が電源オフ状態の場合も同様である。この場合、GPS制御部660は、カメラ2010が起動状態のときに、カメラ2010へ給電継続情報を送信する。カメラ2010は、GPS制御部660から受信した給電継続情報に基づき、カメラ2010が電源オフ状態に、アクセサリー2600に給電を継続するか否かを判定する。給電継続情報が給電継続の要求有りの場合、カメラ制御部170は、アクセサリー2600へ給電を継続し、給電継続情報が給電継続の要求無しの場合、カメラ制御部170は、アクセサリー2600へ給電を継続しない。GPS制御部660は、図65の時刻t6からt7の期間、カメラ2010から給電が継続されている場合、給電された電力を用いて、カメラ2010が電源オフ状態であっても、GPSモジュール部650に定期的に測位を行わせる。この結果、カメラ2010がオフ状態からオン状態になった直後であっても、GPS制御部660は、カメラ2010が電源オフ状態に測位した第2GPS情報をカメラ制御部170に送信することができる。この第2GPS情報が有効な場合、カメラシステム2001は、受信した第2GPS情報と画像データとの関連付けを、すぐに行うことができる。
また、本実施形態では、時刻t3において、測位が完了していないため、「有効/無効フラグ」に基づいて「GPSデータ有効/無効」データに無効を設定して、無効を示す情報を含む第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する例を説明した。例えば、時刻t0以前にアクセサリー2600は、カメラボディ100に装着されていた場合について説明する。
この場合、時刻t0以前において、アクセサリー2600は、カメラ2010から給電を受け、測位を行う。そして、測位した情報に基づく第2GPS情報をバッファメモリー663に記憶させる。その後、カメラ2010からの電源オフ制御に応じて、GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位を停止するように制御する。
そして、図65の時刻t0において、カメラ2010が電源オン状態になった場合、アクセサリー2600は、バッファメモリー663に有効な第1GPS情報を含む第2GPS情報が記憶されている場合、時刻t3において、GPS制御部660は、バッファメモリー663から読み出した有効な第1GPS情報を含む第2GPS情報をカメラ制御部170に送信するようにしてもよい。
この結果、カメラ制御部170は、スリープ状態から復帰した後であっても、GPS制御部660から有効な第2GPS情報を取得することができ、取得した第2GPS情報に基づき画像データを生成することができる。
また、本実施形態では、バッファメモリー663には、GPSモジュール部650が測位した第1GPS情報から生成した第2GPS情報を記憶する例を説明したが、これに限られない。例えば、アクセサリー2600のデータ端子640を介してパソコン(不図示)から書き込まれた第2情報を記憶させるようにしてもよい。この場合、パソコンは、測位データを、例えばネットワークを介して取得し、取得した測位データが有効であるか、3D測位状態であるか、各種の測位情報が取得状態であるか等を判定し、さらに第2情報のフォーマットにデータを変換して、データ端子640を介してGPS制御部660に送信するようにしてもよい。または、パソコンは、データ端子640を介して測位データを送信し、GPS制御部660が、測位データを、例えばネットワークを介して取得し、取得した測位データが有効であるか、3D測位状態であるか、各種の測位情報が取得状態であるか等を判定し、さらに第2情報のフォーマットにデータを変換してバッファメモリー663に記憶させるようにしてもよい。
あるいは、アクセサリー2600が備える操作部(不図示)から、ユーザーが第2情報を設定して、設定された第2GPS情報をGPS制御部660がバッファメモリー663に記憶させるようにしてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件のうち少なくとも1つの要件は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各要件は、適宜、組み合わせることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。また、第4実施形態において、特別な説明がない限り、構成要素やそれらの説明に関しては、第1実施形態と同様であるものとする。
図66は、第4実施形態に係るカメラシステム3001の外観を示す図である。図67は、第4実施形態に係るカメラシステム3001を図66とは反対側から見た図である。
図66及び図67に示すカメラシステム3001は、カメラ3010(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー3600を備える。第4実施形態のアクセサリー3600は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。カメラ3010は、アクセサリー3600と通信して、アクセサリー3600を制御することができる。カメラシステム3001は、例えば、アクセサリー3600によって撮像位置を測位し、カメラ3010によって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140に記憶させることができる。
図66に示すように、カメラ3010は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ3010は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー3600を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチである。
本実施形態において、図66等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
アクセサリー3600は、各種部品を収容したアクセサリー本体610と、アクセサリー本体610に設けられたコネクター620とを含む。アクセサリー3600は、シュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー3600は、シュー座15に取り付けられて、カメラボディ100に対して固定される。なお、アクセサリー3600は、シュー座15とケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置に保持されていてもよい。アクセサリー3600は、シュー座15の開口24にコネクター620を挿入して所定の方向(+Y方向)にスライドさせることによって、シュー座15に取付けられる(図66参照)。
図67に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー3600の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ3010とアクセサリー3600の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
図67に示すように、アクセサリー3600は、操作部630、LED635、及びデータ端子640を備える。操作部630は、アクセサリー3600をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば操作部630は取外し操作部材である)。
LED635は、例えば、アクセサリー3600の測位動作状態を表示する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。
図68は、本実施形態に係るカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図68に示すように、カメラシステム3001は、カメラボディ100、撮影レンズ200、及びアクセサリー3600から構成される。
アクセサリー3600は、GPSモジュール部650、GPS制御部(アクセサリー制御部)660、及びバッファメモリー663を含む。GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663は、例えば、図66及び図67に示したアクセサリー本体610に収容されている。アクセサリー3600の詳細については、後述する。
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム3001の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー3600等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム3001の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム3001の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。
通信部176は、カメラシステム3001のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー3600は、外部装置の1つであり、GPS制御部660が通信部176と通信可能に接続される。
図69は、本実施形態に係るカメラ3010(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)とアクセサリー3600との接続関係を説明する構成図である。
図69に示すように、カメラ3010は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33、及び計時部34を備える。
アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に基づき、アクセサリー3600への電力の供給を制御する。
計時部34は、水晶発振器等により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をカメラ制御部170に出力する。計時部34は、カメラ制御部170と同様に電源とGND(基準電位)とに接続されている。
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー3600の端子部623と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図69参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部623を介して、アクセサリー3600と通信してアクセサリー3600を制御するための制御信号を、アクセサリー3600に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー3600に供給する制御信号は、通信信号DATA、及びカメラ3010とアクセサリー3600との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
次に、図69を参照して、カメラ3010における各構成要素の接続関係について説明する。
以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp5とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ3010のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー3600の装着前及びアクセサリー3600との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
次に、図70を参照して、アクセサリー3600側の構成について説明する。図70は、本実施形態のアクセサリー3600の構成を示すブロック図である。本実施形態のアクセサリー3600は、カメラ3010から供給される電力PWRによって動作する。
図70に示すように、アクセサリー3600は、端子部623、操作部630、LED635、データ端子640、GPSモジュール部650(第1データ生成部)、GPS制御部660(第2データ生成部)、バッファメモリー663、充電部664、2次電池665、及び電源部670を含む。また、GPSモジュール部650は、アンテナ651、GPS演算部652、及びRTC653を含む。
本実施形態のアクセサリー3600は、カメラ3010の端子部25を介して供給される電力PWRによって動作する。カメラ3010から電力PWRが供給されていない状態では、アクセサリー3600は、2次電池665によりGPSモジュール部650の記憶部652a(第1記憶部)に記憶されているデータの保持とRTC653の動作のみを行う。
カメラ3010は、アクセサリー3600が装着されている(装着状態)ことを検出すると、アクセサリー3600への電力供給を、端子部25を介して開始する。アクセサリー3600がカメラ3010に装着されると、カメラ3010の起動状態検出端子Tp7が、アクセサリー3600の起動状態提供端子Ts7と端子630bとを介して端子630aと電気的に接続される。端子630aはGND(基準電位)に接続されているため、カメラ3010の起動状態検出端子Tp7の電位が基準電位となり、カメラ3010はアクセサリー3600の装着状態を検出する。アクセサリー3600は、操作部630を操作することでカメラ3010から取り外すことができる。
操作部630は、シュー座15に固定(ロック)されているアクセサリー3600のロックを解除するためのロック解除レバーである。操作部630は、機械式スイッチであり、端子630a、端子630b、及び端子630cを含む。アクセサリー3600のロックが操作部630によって解除されるとともに、アクセサリー3600がシュー座15から取り外されると、端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れる。端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れることで、起動状態検出端子Tp7と起動状態提供端子Ts7の電位が基準電位よりも高くなり、カメラ3010はアクセサリー3600が取り外されたことを検出する。
また、GPS制御部660は、操作部630の状態(端子630aと端子630bとが電気的に接続されているか否か)を端子630cの電位の変化によって検出する。例えば、端子630cが抵抗666を介して電源端子群(Ts11、Ts12)と接続されているため、操作部630の機械式スイッチが閉じていない(アクセサリー3600がシュー座15に固定されていない)場合、端子630cの電位はHレベル(基準電位よりも高い)となる。一方、操作部630の機械式スイッチが閉じた(アクセサリー3600がシュー座15に固定されている)場合、端子630cは接地されるため、端子630cの電位はLレベル(基準電位)となる。GPS制御部660は、端子630cの電位の変化を検出することで操作部630の状態を検出する。
次に、アクセサリー3600の端子部623について説明する。図69及び図70に示したように、端子部623は、アクセサリー3600がカメラ3010に装着されている場合に、カメラ3010の端子部25と電気的に接続される。端子部623は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
端子部623における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部623の各端子Ts1〜Ts12は、図69にて既述したカメラ3010側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部623の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
端子部623において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ3010から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ3010に対して出力する端子である。
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ3010側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ3010に対して出力したりする端子である。
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ3010に提供する端子である。
発光制御信号端子Ts8は、指令信号Xがカメラ3010から入力される端子であるが、GPS機能を有するアクセサリー3600では使用しない。
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ3010から入力される端子である。
電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
次に、カメラ3010とアクセサリー3600との接続関係について説明する。アクセサリー3600がカメラ3010に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ3010の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ3010の接地端子Tp2に接続される。そしてこれらアクセサリー3600側の接地端子Ts1、Ts2に接続している箇所(充電部664の接地端子など)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ3010の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ3010の電源端子Tp12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源部670に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、アクセサリー3600内の各回路や電気部品に供給することができる。
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ3010の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ3010の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー3600がカメラ3010に装着された状態であって、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、カメラ3010に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、アクセサリー3600がカメラ3010に装着されていない状態を含む。
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ3010の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、GPS制御部660は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ3010の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とGPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ3010側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー3600に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ3010に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー3600側から出力されるデータとしては、アクセサリー3600に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とGPS制御部660が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー3600側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からGPS制御部660へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、GPS制御部660に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をGPS制御部660へ送信する。
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をGPS制御部660からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信することができる。GPS制御部660は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ3010の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、GPS制御部660へ通信制御信号Csを供給することができる。
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ3010とアクセサリー3600との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー3600側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗(図示せず)が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
次に、GPSモジュール部650について説明する。
GPS演算部652は、アンテナ651を介して測位や計時に必要なGPS情報(航法メッセージ)を測位衛星(GPS衛星)から受信する。GPS演算部652は、測位衛星から受信したGPS情報(航法メッセージ)からGPS時刻を示す情報(GPS時刻情報)を抽出する。GPS情報からGPS時刻情報が抽出できた場合、RTC653の計時情報をGPS時刻に合わせる。GPS演算部652は、GPS情報を受信できない場合、またはGPS情報を受信できてもGPS時刻情報を抽出できない場合、RTC653の計時情報をGPS時刻情報の代わりに用いる。なお、記憶部652aは、フラッシュメモリーであってもよい。
また、GPS演算部652は、GPS情報から第1GPS情報(第1データ)を生成し、第1GPS情報をGPS制御部660に出力する。第1GPS情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association(米国会用電子協会))が規定したGP
S受信機などの通信プロトコルを有するNMEAデータ(第1のフォーマット)である。
GPS演算部652は、第1GPS情報を記憶部652aに記憶させる。
また、GPS演算部652は、GPSモジュール部650の測位動作状態(測位が完了しているか否か)を示す情報をGPS制御部660に出力する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位動作状態を、LED635を制御することで表示(点灯、もしくは点滅)する。
RTC(リアル・タイム・クロック)653は、例えば水晶発振器により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をGPS演算部652に出力する。RTC653は、アクセサリー3600がカメラ3010に装着されていない場合、2次電池665から供給される電力を用いて計時を継続する。
LED635は、GPS制御部660の制御に基づき、GPSモジュール部650の測位動作状態を表示する。LED635は、例えば赤色、緑色の複数の色の光を発光することができる。LED635は、例えば、アクセサリー3600がカメラ3010に装着され、GPSモジュール部650による測位で3機の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、赤色で点滅する。GPSモジュール部650による測位で4機以上の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、緑色で点灯する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。アクセサリー3600は、データ端子640を介して接続ケーブルでパソコン(PC)等の外部機器と接続することで、パソコンからコマンドやデータを取得することができる。また、アクセサリー3600は、データ端子640を介してGPS制御部660が出力するコマンドやデータをパソコンに送信する。また、データ端子640は、接続ケーブルを介して供給された電力を電源部670に供給する。
GPS制御部660は、端子部623及びカメラ3010の端子部25を介してカメラ制御部170と通信する。また、GPS制御部660は、アクセサリー3600の各構成要素の制御を行う。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650(GPS演算部652)が出力する第1GPS情報から、カメラ3010に出力するデータを抽出する。カメラ3010に出力するデータとは、例えば、Exifファイル(第2のフォーマット)を生成するために必要なデータであり、緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時(UTC)を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報の各情報等である。
また、GPS制御部660は、第1GPS情報から、該第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグ(以下、「第1GPS情報の有効/無効フラグ」という)、2D測位状態(経度と緯度が測位できている状態)か3D測位状態(経度と緯度と高度が測位できている状態)かを示すフラグ(以下、2D測位/3D測位フラグという)を生成する。
さらに、GPS制御部660は、後述するように第1GPS情報から、カメラ3010に出力するデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)の各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判定結果に基づき、該各情報が取得できているか否かを示すフラグ(以下、第1GPS取得情報フラグという)を生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、第1GPS取得情報フラグについては後で詳述する。
GPS制御部660は、カメラ3010に出力するデータに、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ及び第1GPS取得情報フラグを付加するとともに、第1GPS情報をカメラ3010に出力する第2GPS情報(第2データ)に変換する。
なお、第1GPS情報(NMEAデータ)は、例えばASCIIデータである。一方、第2GPS情報は、例えば1バイト単位のデータである。なお、GPS制御部660は、第2GPS情報と、生成した情報取得可否フラグとを関連付けて第2GPS情報を生成するようにしてもよい。
バッファメモリー663には、GPS制御部660が変換した第2GPS情報が記憶されている。
充電部664は、電源部670の第2出力端子と接続されている。充電部664は、カメラ3010から端子Ts12及び端子Ts11を介して供給された電力を用いて2次電池665を充電する。
電源部670は、第1の入力端子が、端子部623の端子Ts11及びTs12と接続され、第2の入力端子が、データ端子640に接続されている。電源部670は、第1の出力端子が、GPS演算部652、及び充電部664に接続され、第2の出力端子が、GPS制御部660、バッファメモリー663及びプルアップ抵抗666の一方端に接続されている。
電源部670は、カメラ3010から端子部623を介して供給された電力をアクセサリー3600内部で使用する電圧値に変換し、電圧値を変換した電力を第1と第2の出力端子から各部に供給する。
次に、図71を参照して、カメラシステムにおける処理の手順について説明する。
図71は、本実施形態に係るカメラシステム3001における処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム3001は、アクセサリー3600を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
(ステップS3001、S3002)カメラシステム3001は、起動シーケンス(ステップS3001)において、カメラ3010とアクセサリー3600との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う。カメラシステム3001は、通信準備シーケンスにおいて、カメラ3010の電源がオンの状態の時、アクセサリー3600がカメラ3010に装着されているか否かを検出する。カメラシステム3001は、アクセサリー3600がカメラ3010に装着されている場合、アクセサリー3600に電力の供給を開始し、また、カメラ3010は、アクセサリー3600に通信を許可する。
(ステップS3003)カメラシステム3001は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う。
なお、カメラシステム3001は、ステップS3002の起動シーケンスに行う以外に、例えば、カメラ3010がスリープ状態から復帰後、初期通信シーケンスを行う。また、カメラシステム3001は、アクセサリー3600の状態が変化した場合等に、アクセサリー3600からカメラ3010に初期通信シーケンスを行う依頼を行った後、初期通信シーケンスを行う。
(ステップS3004)カメラシステム3001は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う。
(ステップS3005)カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う。カメラシステム3001は、割込要求が無いとステップS3005で判定した場合(ステップS3005;No)、ステップS3004に戻り、定常通信シーケンスの処理を再度行う。
(ステップS3006)カメラシステム3001は、割込要求が有るとステップS3005で判定した場合(ステップS3005;Yes)、割込処理を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム3001は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム3001は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
次に、図72を参照して、ステップS3003(図71)で行う初期通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図72は、本実施形態に係る初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
(ステップS3101)カメラ制御部170は、初期通信シーケンスが開始されると、電池有無情報及び機能種類情報を含むアクセサリー初期状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC1を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS3102)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC1を受信する。
(ステップS3103)GPS制御部660は、送信要求コマンドC1に従って、アクセサリー初期状態情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS3104)カメラ制御部170は、GPS制御部660からのアクセサリー初期状態情報を受信する。
(ステップS3105)カメラ制御部170は、ステップS3104で受信したアクセサリー初期状態情報から電池有無情報及び機能種類情報を抽出する。次に、カメラ制御部170は、抽出した機能種類情報に基づいて、アクセサリー3600が拡張機能を有するか否かを判定する。アクセサリー3600が拡張機能を有すると判定した場合(ステップS3105;Yes)、ステップS3106に進む。アクセサリー3600が拡張機能を有していないと判定した場合(ステップS3105;No)、ステップS3110に進む。
(ステップS3106)カメラ制御部170は、「給電継続要求」の送信を要求する送信要求コマンドC2を、アクセサリー3600へ送信する。
なお、「給電継続要求情報」とは、カメラ3010側においてユーザーによって電源スイッチをオフにする電源OFF操作がなされた場合(電源OFF状態)、あるいはカメラ3010がスリープ状態(所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態)に移行した場合であっても、カメラ3010からアクセサリー3600への電力供給(給電)を維持してもらうか否かを、をアクセサリー3600側からカメラ3010に予め要求するための情報である。上述の電源OFF状態、スリープ状態とは何れも、カメラ3010が起動して各種のカメラ動作(例えば撮影動作などのカメラの持つ機能を発揮できる動作)を実行することが出来ない状態を示す。換言すれば、電源OFF状態、スリープ状態とは、カメラ3010が起動してカメラ動作を実行するため起動状態とは異なる状態である所定状態である。
なお、所定状態とは、カメラの電源がオフとなる電源オフ状態、およびカメラの消費電力が起動状態の場合の消費電力よりも少ない低消費電力状態(スリープ状態)のうち少なくとも1つの状態である。
(ステップS3107)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの送信要求コマンドC2を受信する。
(ステップS3108)GPS制御部660は、送信要求コマンドC2に従って、当該GPS制御部660に記憶されている給電継続の要求をするか否かを示す情報である給電継続情報を読み出し、読み出した給電継続情報をカメラ制御部170へ送信する。すなわち、給電継続情報は、給電継続の要求有り、または給電継続の要求無しを含んでいる。
(ステップS3109)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの給電継続情報を受信する。
(ステップS3110)カメラ制御部170は、ステップS3104で受信したアクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー3600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー3600が、GPS機能を有していると判定した場合(ステップS3110;Yes)、ステップS3111に進む。アクセサリー3600が、GPS機能を有していないと判定した場合(ステップS3110;No)、または拡張機能を有していないと判定した場合(ステップS3105;No)、初期通信シーケンスを終了する。
(ステップS3111)カメラ制御部170は、ステップS3109で受信した給電継続情報が、給電継続の要求有りか否か給電継続の要求無しかを判定する。給電継続の要求有りと判定した場合、アクセサリー3600が供給継続する機能を有していることを示すフラグ(以下、電力供給継続のフラグという)を不揮発性メモリー160に設定する。
カメラ制御部170は、この電力供給継続のフラグが設定されることによって、カメラ3010の電源OFF状態またはスリープ状態へ移行の際に、アクセサリー3600に対して給電を継続する。
換言すれば、カメラ制御部170は、電力供給継続のフラグが設定されなければ、カメラ3010の電源がOFF状態またはスリープ状態において、アクセサリーへの給電を継続しない。
(ステップS3112)カメラ制御部170は、フラグ設定後、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドC5001を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS3113)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信する。
(ステップS3114)GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信したことを示す応答情報をカメラ制御部170へ送信する。GPS制御部660は、送信要求コマンドC5001を受信すると、GPSモジュール部650に測位を開始する指示を出力する。そして、GPSモジュール部650は、GPS制御部660からの測位開始の指示に応じて、測位衛星からのGPS情報(航法メッセージ)の受信を開始する。GPSモジュール部650は、受信したGPS情報から第1GPS情報(NMEAデータ)に変換する処理を開始する。
(ステップS3115)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの応答情報を受信する。
以上で、初期通信シーケンスは終了される。
次に、図73と図74を参照して、ステップS3004(図71)で行う定常通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図73は、本実施形態に係るアクセサリー3600における定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図74は、本実施形態に係る定常通信シーケンスにおけるカメラ3010内のGPSデータの更新処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、ステップS3104(図72)で受信したアクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー3600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー3600が拡張機能を有する場合、以下の定常通信シーケンスを行う。
(ステップS3201)カメラ制御部170は、撮像中であるか否かを判定する。撮像中であると判定した場合(ステップS3201;Yes)、定常通信シーケンスを終了する。撮像中ではないと判定した場合(ステップS3201;No)、ステップS3202に進む。
(ステップS3202)カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS3203)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS3204)GPS制御部660は、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報を読み出し、読み出した第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを読み出す。
次に、GPS制御部660は、「GPSデータ有効/無効」データから第1GPS情報の有効/無効フラグを抽出し、第1GPS情報の有効/無効フラグが有効(フラグが1)であるか否かを判定する。
読み出した第1GPS情報の有効/無効フラグが有効であると判定した場合(ステップS3204;Yes)、ステップS3205に進む。読み出した第1GPS情報の有効/無効フラグが有効ではないと判定した場合(ステップS3204;No)、ステップS3203に戻る。
(ステップS3205)読み出した第1GPS情報の有効/無効フラグが有効であると判定した場合(ステップS3204;Yes)、GPS制御部660は、バッファメモリー663から第2GPS情報を読み出し、読み出した第2GPS情報をカメラ制御部170に送信し、ステップS3203に戻る。
すなわち、GPS制御部660は、GPSモジュール部650により測位が完了していず、第1GPS情報が無効である場合、第1GPS情報が有効になるまで、カメラ制御部170に第2GPS情報を送信しない。
(ステップS3206)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの第2GPS情報を受信する。
(ステップS3207)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを抽出する。カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから第1GPS情報の有効/無効フラグを抽出し、抽出結果に基づき第2GPS情報が有効か否かを判定する。カメラ制御部170は、例えば、第2GPS情報から抽出した「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグが、有効を示す値の場合、第2GPS情報が有効であると判定する。
次に、カメラ制御部170は、判定結果に基づき、第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に書き込んで更新する。
第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS3207;Yes)、ステップS3208に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS3207;No)、ステップS3209に進む。
(ステップS3208)第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS3207;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ3010内のGPSデータ更新処理を行う。カメラ3010内のGPSデータ更新処理終了後、定常通信シーケンスを終了する。
(ステップS3209)第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS3207;No)、カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続しているか否かを判定する。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS3209;Yes)、ステップS3210に進む。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していない、すなわち60秒以内に第2GPS情報が有効に変化した場合(ステップS3209;No)、ステップS3210に進む。
(ステップS3210)第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS3209;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ3010内のGPSデータの無効処理を行う。カメラ3010内のGPSデータの無効処理終了後、定常通信シーケンスは終了される。
次に、ステップS3210(図73)で行う第2GPS情報の無効処理について説明する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合、撮像された画像データが保存されている画像ファイルに対して、第2GPS情報に基づく情報を書き込まない。また、カメラ3010の表示部102に表示する位置情報に関する表示を無効表示にする。なお、無効表示とは、例えば、「――」(ハイフォン)である。
次に、図74を参照して、ステップS3004(図71)で行う定常通信シーケンスにおけるカメラ3010内のGPSデータ更新における処理の手順について説明する。図74は、本実施形態に係るカメラ3010内のGPSデータ更新における処理の手順を示す図である。
(ステップS3301)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているデータ有効・無効状態データを書き換えて更新する。例えば、第2GPS情報が無効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“0”を記録する。第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“1”を記録する。
(ステップS3302)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから2D測位状態か3D測位状態かを示す情報を抽出し、抽出した結果に基づき不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態データを書き換えて更新する。例えば、2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、2D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“0”を記録する。2D測位状態か3D測位状態かを示す情報が、3D測位状態を示す情報の場合、カメラ制御部170は、2D・3D測位状態データとして“1”を記録する。
(ステップS3303)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データからUTCデータが取得できているか否かを示す情報を抽出する。UTCデータが取得できている場合、ステップS3304に進む。UTCデータが取得できていない場合、ステップS3308に進む。
(ステップS3304)カメラ制御部170は、UTC時刻にカメラ3010の計時部34で生成された時刻を合わせるか否かを、利用者の設定した情報に基づき判定する。なお、利用者の設定した情報は、不揮発性メモリー160またはバッファメモリー165に記憶されている。UTC時刻にカメラ3010の計時部34で生成された時刻を合わせるように設定されていると判定した場合(ステップS3304;Yes)、ステップS3305に進む。UTC時刻にカメラ3010の時刻を合わせるように設定されていないと判定した場合(ステップS3304;No)、ステップS3307に進む。
(ステップS3305)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「UTC」データを抽出し、カメラ3010の計時部34で生成された計時情報の日時を、抽出した「UTC」データに基づく日時に更新する。
(ステップS3306)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されているUTC時刻にカメラ3010の計時部34で生成された時刻を合わせる設定を、UTC時刻にカメラ3010の計時部34で生成された時刻を合わせない設定に書き換える。
(ステップS3307)ステップS3304、またはS3306終了後、カメラ制御部170は、抽出した「UTC」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているUTCデータを書き換えて更新する。
(ステップS3308)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから緯度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき緯度データを取得できているか否かを判定する。緯度データが取得できていると判定した場合(ステップS3308;Yes)、ステップS3309に進む。緯度データが取得できていないと判定した場合(ステップS3308;No)、ステップS3312に進む。
(ステップS3309)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから経度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき経度データを取得できているか否かを判定する。経度データが取得できていると判定した場合(ステップS3309;Yes)、ステップS3310に進む。経度データが取得できていないと判定した場合(ステップS3309;No)、ステップS3312に進む。
(ステップS3310)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「緯度」データを抽出し、抽出した「緯度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている緯度データを書き換えて更新する。
(ステップS3311)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「経度」データを抽出し、抽出した「経度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている経度データを書き換えて更新する。
(ステップS3312)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから高度データが取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき高度データを取得できているか否かを判定する。高度データが取得できていると判定した場合(ステップS3312;Yes)、ステップS3313に進む。高度データが取得できていないと判定した場合(ステップS3312;No)、ステップS3315に進む。
(ステップS3313)カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されている2D・3D測位状態を示す情報を読み出し、読み出した2D・3D測位状態を示す情報が3D測位状態を示す情報であるか否かを判定する。3D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS3313;Yes)、ステップS3314に進む。3D測位状態を示す情報ではない、すなわち2D測位状態を示す情報であると判定した場合(ステップS3313;No)、ステップS3315に進む。
(ステップS3314)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「高度」データを抽出し、抽出した「高度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている高度データを書き換えて更新する。
(ステップS3315)カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから地磁気センサーが搭載されているかを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき地磁気センサーが搭載されているか否かを判定する。地磁気センサーが搭載されていると判定した場合(ステップS3315;Yes)、ステップS3316に進む。地磁気センサーが搭載されていないと判定した場合(ステップS3315;No)、ステップS3317に進む。
(ステップS3316)地磁気センサーが搭載されていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「方位」データを抽出し、抽出した「方位」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている方位データを書き換えて更新する。
(ステップS3317)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位衛星数を取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位衛星数を取得できているか否かを判定する。測位衛星数を取得できていると判定した場合(ステップS3317;Yes)、ステップS3318に進む。測位衛星数を取得できていないと判定した場合(ステップS3317;No)、ステップS3319に進む。
(ステップS3318)測位衛星数を取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「衛星信号」データを抽出し、抽出した「衛星信号」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位衛星数データを書き換えて更新する。
(ステップS3319)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから測位の信頼性データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき測位の信頼性データを取得できているか否かを判定する。測位の信頼性データを取得できていると判定した場合(ステップS3319;Yes)、ステップS3320に進む。測位の信頼性データを取得できていないと判定した場合(ステップS3319;No)、ステップS3321に進む。
(ステップS3320)測位の信頼性データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「測位の信頼性」データを抽出し、抽出した「測位の信頼性」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている測位に使用した測位の信頼性データを書き換えて更新する。
(ステップS3321)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから進行方向データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき進行方向データを取得できているか否かを判定する。進行方向データを取得できていると判定した場合(ステップS3321;Yes)、ステップS3322に進む。進行方向データを取得できていないと判定した場合(ステップS3321;No)、ステップS3323に進む。
(ステップS3322)進行方向データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「進行方向」データを抽出し、抽出した「進行方向」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている進行方向データを書き換えて更新する。
(ステップS3323)カメラ制御部170は、「GPSデータ取得情報」データから対地速度データを取得できているか否かを示す情報を抽出し、抽出した情報に基づき対地速度データを取得できているか否かを判定する。対地速度データを取得できていると判定した場合(ステップS3323;Yes)、ステップS3324に進む。対地速度データを取得できていないと判定した場合(ステップS3323;No)、GPSデータ更新処理を終了する。
(ステップS3324)対地速度データを取得できていると判定した場合、カメラ制御部170は、第2GPS情報から「対地速度」データを抽出し、抽出した「対地速度」データに基づき、不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に記憶されている対地速度データを書き換えて更新する。
次に、図75を参照して、カメラ3010の電源がオン状態になった後のカメラ3010とアクセサリー3600の動作と第1GPS情報の状態について説明する。
図75は、本実施形態に係るカメラ3010の電源がオン状態になった後のカメラ3010とアクセサリー3600の動作と第1GPS情報の状態の一例を説明する図である。
図75において、横軸は時間を表す。また、符号g701は、カメラ3010の起動状態を模式的に表し、「H」が電源オン状態を表し、「L」が電源オフ状態を表している。また、符号g702は、アクセサリー3600の起動状態を模式的に表し、「H」がアクティブ状態を表し、「L」がスリープ状態を表している。また、符号g703は、アクセサリー3600における第1GPS情報が有効であるか無効であるかを模式的に表し、「H」が第2GPS情報が有効である状態を表し、「L」が第2GPS情報が無効である状態を表している。なお、アクセサリー3600におけるアクティブ状態とは通常の動作状態であり、スリープ状態とはアクティブ状態よりも消費電力の少ない省電力状態である。また、アクセサリー3600においてスリープ状態ではなく、電源オフ状態を「L」としてもよい。
時刻t0において、カメラ3010の電源がオン状態になる。
時刻t1において、カメラ制御部170は、GPS制御部660と起動処理である通信準備シーケンスを行い、通信準備シーケンスの1つの処理としてカメラ制御部170からアクセサリー3600に電力の供給を開始する。これにより、アクセサリー3600は、アクティブ状態になる。
時刻t2において、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスの1つの処理として、GPS駆動要求情報の送信を要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信する。GPS制御部660は、送信要求コマンドに従って、測位を開始する。図75に示したように、時刻t2において、測位開始直後のため、第1GPS情報が無効である。
時刻t3において、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの1つの処理として、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。アクセサリー3600は、時刻t1で起動した場合、コールドスタートであるため、測位信号の捕獲と航法メッセージの取得に数分〜12分30秒かかる。このため、時刻3において、GPSモジュール部650による測位が完了していないので、第1GPS情報は無効である。このため、GPS制御部660は、時刻t3から測位が完了するまでの時刻t4までの期間、第1GPS情報が無効であるフラグを設定した第2GPS情報をバッファメモリー663に記憶させる。
GPS制御部660は、時刻t3において、カメラ制御部170から受信した第2GPS情報送信要求コマンドC5011に対して応答しない。すなわち、第1GPS情報が無効の場合、GPS制御部660は、カメラ制御部170に第2GPS情報を送信しない。
カメラ制御部170は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に対する応答がGPS制御部660から送信されてこないため、予め定められている間隔で、第2GPS情報送信要求コマンドC5011を再送信する。
ここで、仮に、カメラ制御部170から第2GPS情報送信要求コマンドC5011がGPS制御部660へ再送信されている間に第1GPS情報が有効になったとする。この場合、第1GPS情報が有効であるため、GPS制御部660は、第1GPS情報が有効になった後の第2GPS情報を、カメラ制御部170へ送信する。
一方、ここで、仮に、カメラ制御部170から第2GPS情報送信要求コマンドC5011がGPS制御部660へ再送信されている間に第1GPS情報が有効にならなかったとする。この場合、第1GPS情報が無効であるため、GPS制御部660は、カメラ制御部170から受信した第2GPS情報送信要求コマンドC5011に対して応答しない。
カメラ制御部170は、予め定めた回数、第2GPS情報送信要求コマンドC5011を再送信しても、GPS制御部660から応答が無い場合、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に処理は行わない(タイムアウト処理)。
時刻t4において、GPSモジュール部650による測位が完了したため、第1GPS情報が有効になる(符号g703)。
時刻t5において、カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。GPS制御部660は、時刻t5において、第1GPS情報が有効であるフラグを設定する。GPS制御部660は、第1GPS情報が有効であるフラグを含む第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
なお、図73及び図75において、第1GPS情報が有効ではない場合、GPS制御部660は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に対して応答しない例を説明したが、これに限られない。例えば、GPS制御部660は、ステップS3205(図73)で第2GPS情報を送信するとき、チェックサムを付加するようにするようにしてもよい。
そして、第1GPS情報が有効ではない場合、GPS制御部660は、チェックサムに誤った値を設定してカメラ制御部170に送信するようにしてもよい。この場合、カメラ制御部170は、ステップS3206(図73)で受信した第2GPS情報に付加されているチャックサムの値を確認し、誤った値の場合は、第2GPS情報に含まれる第1GPS情報が無効であると判定し、GPSデータの更新処理を行わないようにしてもよい。
また、第1GPS情報が有効ではない場合、GPS制御部660は、カメラ制御部170に対して、端子Ts4から出力されるクロック信号CLKを出力しないようにしてもよい。この場合、カメラ制御部170とGPS制御部660との通信が成立しないため、結果的にカメラ制御部170は、第2GPS情報に対する処理を行わない。
以上のように、本実施形態のGPS制御部660は、測位が完了していない場合、第1GPS情報が有効になるまで、第2GPS情報をカメラ制御部170に送信しないようにした。
この結果、カメラ制御部170は、無効な情報が含まれる第2GPS情報を受信しない。そのため、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報が有効か否かを判定する処理を省くことができる。また、これにより、カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報が必ず有効であるため、受信した第2GPS情報を用いて画総データの生成を、すぐに行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件のうち少なくとも1つの要件は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各要件は、適宜、組み合わせることができる。
(第5実施形態)
以下、本発明に係るGPS受信装置4030を備えるカメラ4001の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図76は、本発明の第5実施形態のカメラ4001を説明する図である。図77は、記録I/F4021により記録されるEXIF形式のファイル構造を説明する図である。図78は、GPSデータのMNEA形式(第1のGPSデータ)のファイル構造を説明する図である。図79は、本発明の第5実施形態のカメラ4001におけるGPSデータに含まれる測位情報の抽出、並び替え及び送信を模式的に説明する図である。
第5実施形態におけるカメラ4001は、GPS受信装置4030を内蔵するカメラである。カメラ4001は、静止画及び動画撮影が可能なカメラであって、カメラ本体4010と、GPS受信装置4030と、を備える。
カメラ本体4010は、撮像光学系であるレンズ光学系4012と、撮像素子4013と、AFE(Analog front end)回路4014と、画像処理部4015と、操作部4016と、カメラ側CPU4011と、メモリ4017と、バッファメモリ4018と、記録I/F4021と、表示部4020と、フラッシュ部4019と、を備えている。
レンズ光学系4012は、複数の光学レンズ群Lにより構成され、被写体像を撮像素子4013の受光面に結像させる。図76では、複数の光学レンズ群Lを簡略化して、単レンズとして図示している。
撮像素子4013は、受光面に受光素子が二次元的に配列されたCCDやCMOS等のイメージセンサによって構成される。撮像素子4013は、レンズ光学系4012を通過した光束による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。
アナログ画像信号は、AFE回路4014に入力される。AFE回路4014は、アナログ画像信号に対するゲイン調整(ISO感度に応じた信号増幅)を行う。具体的には、カメラ側CPU4011からの感度設定指示に応じて、撮像感度を所定範囲内で変更する。AFE回路4014は、さらに、内蔵するA/D変換回路によってアナログ処理後の画像信号をデジタルデータに変換する。そのデジタルデータは、画像処理部4015に入力される。
画像処理部4015は、デジタル画像データに対して、各種の画像処理を行う。
バッファメモリ4018は、画像処理部4015による画像処理の前工程や後工程での画像データを一時的に記録する。
操作部4016は、モードダイヤル、十字キー、決定ボタンやレリーズボタンを示し、各操作に応じた操作信号をカメラ側CPU4011へ送出する。静止画撮影や動画撮影の設定は、操作部4016により設定される。
記録I/F(インターフェース)4021は、不図示のコネクタを有し、該コネクタにメモリカード4211等の記録媒体が接続されている。記録I/F4021のメモリカードスロット(不図示)には、規格に対応したメモリカード4211が着脱自在に装着される。
記録I/F4021は、撮影された画像データをメモリカード4211に記録する記録装置としての機能を有する。また、記録I/F4021は、GPSデータに含まれる複数の測位情報を所定の並び順で格納して、メモリカード4211に記録する。記録I/F4021は、画像データとGPSデータとを1つの画像ファイルとして記録する。例えば、EXIF形式(Exchangeable Image File Format)でGPSデータを記録する。EXIF形式については後述する。
記録I/F4021は、メモリカード4211に記録されている画像データを読み出す機能を有する。
メモリ4017は、画像処理した一連の画像データを記録する。本実施形態のカメラ4001においては、静止画及び動画に対応した画像を取り込む。また、撮影者が操作部を介して操作入力した設定情報などが記憶されるほか、カメラ4001の動作や制御に必要なプログラム、このプログラムの実行に必要な設定値などが記憶される。
表示部4020は、液晶パネルによって構成され、カメラ側CPU4011からの指示に応じて、操作メニュー、静止画像及び動画などを表示する。表示部4020には、撮影済み画像やメニュー画面のほか、シャッタスピードや絞り値などの撮影条件が表示される。また液晶モニタには、撮影時の被写体像や撮影条件などの情報がアイコン表示される。
フラッシュ部4019は、カメラ4001の正面に設けられた内蔵フラッシュ(又は、図示しないアクセサリシューに取り付けられた外部フラッシュ)により、被写体に対して閃光を照射する。
カメラ側CPU4011は、メモリ4017に格納されたプログラムを実行することによってカメラ4001が行う動作を統括的に制御する。例えば、AF(オートフォーカス)動作制御、AE(自動露出)動作制御、オートホワイトバランス制御などを行う。
カメラ側CPU4011は、カメラ側通信部4111を有する。カメラ側通信部4111は、後述するGPS受信装置4030のGPS側通信部4311との間で通信を行う。
カメラ側通信部4111は、GPS側通信部4311より送信された後述する第2のGPSデータを受信する受信部として機能する。また、カメラ側通信部4111は、GPS側通信部4311に向けて、画像ファイルの形式やコマンド等のデータ信号を送信する送信部としても機能する。カメラ側通信部4111は、操作部4016から入力された撮影モード(静止画モード又は動画モード)の画像ファイル形式に関する情報を、GPS側通信部4311に送信する。
カメラ側通信部4111は、GPS側通信部4311より送信されたGPSデータのフォーマットを変換する。例えば、カメラ側通信部4111は、データ量が2ビットで構成された記号化したGPSデータを、データ量が8ビットで構成された文字コードのGPSデータに変換する。
カメラ側CPU4011は、後述する第2のGPSデータに含まれる複数の測位情報を撮像時のGPSデータとして、撮像素子4013で撮像された画像に関連付ける。そして、カメラ側CPU4011は、GPSデータが関連付けられた画像ファイルを、記録I/Fによりメモリカード4211に記録する。
ここで、前述のとおり、画像ファイルのGPSデータは、所定の並び順で格納されて、記録I/Fによりメモリカード4211に記録される。画像ファイルのGPSデータの並び順は、画像ファイル形式により異なる。例えば、静止画や動画の違いによって画像ファイル形式が異なることでGPSデータの並び順が異なる。また、静止画であっても、画像ファイル形式が異なる場合には、GPSデータの並び順は異なる。さらに、画像ファイルに記憶されるGPSデータも画像ファイル形式により異なる。換言すれば、画像ファイルへの記憶時に必要となるGPSデータの測位情報も、画像ファイル形式により異なる。
次に、GPSデータが有する複数の測位情報の並び順に関して所定の画像ファイル形式について説明する。
静止画の画像ファイル形式として、例えば、EXIF形式(Exchangeable
Image File Format)の画像を、記録I/F4021によりメモリカード4211に記録する場合について説明する。本実施形態においては、画像ファイルは、EXIF形式のファイルフォーマットに準拠している。このEXIF形式は、電子カメラにより記録される画像ファイルの代表的なファイルフォーマットである。
EXIF形式のファイルは、図77に示すように、TIFFヘッダで始まる階層的な構造となっている。EXIF形式のファイルでは、TIFFヘッダに続いて、イメージファイルディレクトリ(IFD:Image File Directory)、サムネイル画像が配置される構造となっている。
IFD領域には、データブロックが複数含まれている。例えば、IFD領域は、主画像に対するデータを格納する領域、EXIFに関する固有のデータを格納する領域、GPSデータを格納する領域等のデータブロックを有している。
EXIF形式のファイルにおいて、GPSデータを格納する領域には、図77に示すように、様々な種類の測位情報を格納するための領域が確保されている。例えば、GPSデータの格納領域には、測位情報(緯度情報、経度情報、高度情報、時間情報(UTC時刻情報)、GPSの測位に使用した衛星信号、進行方向等)の様々な情報を格納するための領域等がある。また、このGPSデータを格納する領域においては、画像ファイルのGPSデータの測位情報は、所定の並び順で格納されるようになっている。
また、動画の画像ファイル形式として、所定の動画ファイル形式の画像を、記録I/F4021によりメモリカード4211に記録する場合には、前述の静止画におけるEXIF形式のファイルと同様に、GPSデータを格納する領域を有している。動画の画像ファイル形式のファイルにおいて、GPSデータの格納領域には、静止画におけるEXIF形式のファイルと同様に、様々な種類の測位情報がGPSデータとして格納されるようになっている。また、このGPSデータを格納する領域においては、画像ファイルのGPSデータの測位情報は、所定の並び順で格納されるようになっている。
次に、GPS受信装置4030について説明する。
GPS受信装置4030は、受信部4032と、GPS側CPU4031と、を備えている。受信部4032は、GPSアンテナ4033と、GPSモジュール4034と、を有する。
GPSアンテナ4033は、地球上空の周回軌道を飛んでいる複数のGPS衛星から発信されるGPS情報(航法メッセージ)を受信する。GPSアンテナ4033は、GPS受信装置4030が電源オンされた後、例えば、複数のGPS衛星からGPS情報を受信する受信動作を1秒間隔で周期的に行う。GPSアンテナ4033は、GPSモジュール4034に接続されている。GPSアンテナ4033により受信された複数のGPS衛星からのGPS情報は、GPSモジュール4034に入力される。なお、航法メッセージとは、GPS衛星から発信されるGPS衛星の予測暦であり、衛星位置を計算するために必要な軌道情報等を有するメッセージである。
GPSモジュール4034は、GPSアンテナ4033で受信したGPS情報を処理して測位情報を算出する。具体的には、GPSモジュール4034は、GPSアンテナ4033が受信した複数のGPS衛星からのGPS情報を用いて、例えば、NMEA形式(NMEA−0183フォーマット)等の第1のデータフォーマットを有する第1のGPSデータを生成する。
NMEA形式のデータフォーマットは、図78に示すように、センテンス(メッセージ)形式のデータにより構成される。NMEA形式のデータフォーマットのセンテンス(メッセージ)形式には、複数の形式がある。
具体的には、NMEA形式のデータフォーマットのセンテンス形式には、GGA,GLL,GSA,GSV,RMC,VTG,ZDAがある。例えば、GGAのセンテンスには、測位時刻(UTC)、緯度、経度、GPSのクオリティ等で構成される。また、NMEA形式のデータフォーマットにおいては、それぞれのセンテンス形式の内容が定義されている。各センテンス形式のGPSデータの測位情報それぞれは、所定の並び順で格納されている。複数のNMEA形式のデータフォーマットのセンテンス形式には、互いに重複したGPSデータも含まれている。
NMEA形式のデータフォーマットのGPSデータは、汎用性を考慮して、文字コードを主体に構成される。GPSデータにおける文字コードは、例えば、ASCIIデータ、いわゆる1文字が8ビット(1バイト)のデータで構成される。このように第1のGPSデータは、測位情報に関する複数の情報を有する。
GPS側CPU4031は、信号線を介してカメラ本体4010のカメラ側CPU4011に電気的に接続されている。カメラ側通信部4111からカメラ側CPU4011までの信号線の一部は、カメラ側CPU4011側において、フラッシュ部4019からカメラ側CPU4011までの信号線の一部と共通の信号線となっている。
GPS側CPU4031は、GPSモジュール4034の動作、及びGPS受信装置の各部の動作を制御する。また、GPS側CPU4031は、後述するように、受信部4032から第1のGPSデータ(NMEAデータ)を受け取り、第1のGPSデータから第2のデータフォーマットを有する第2のGPSデータを生成する。そして、第2のGPSデータをカメラ本体4010に送信する。本実施形態においては、GPS側CPU4031は、GPS側通信部4311及びカメラ側通信部4111を介して、第2のGPSデータをカメラ側CPU4011に送信する。
ここで、第2のデータフォーマットを有する第2のGPSデータの生成について説明する。前述したように第1のGPSデータは、測位情報に関する複数の情報を有する。しかし、画像ファイルに記録されるGPSデータは、格納されるGPSデータの測位情報の並び順が画像ファイル形式により異なる。また、画像ファイルに記憶されるGPSデータの測位情報は、第1のGPSデータが有する測位情報の全てではない。
そこで、GPS側CPU4031は、受信部4032から受け取った第1のGPSデータが有する複数の測位情報の並び順を、所定の並び順(画像ファイルに格納される順)に並び替える。
また、GPS側CPU4031は、受信部4032から受け取った第1のGPSデータが有する複数の測位情報の中から、記録I/F4021において記録されるGPSデータの測位情報を抽出する。換言すれば、第1のGPSデータの複数の測位情報の中から記録I/F4021において記録されない、GPSデータとして不必要な情報は抽出しないということである。
さらに、GPS側CPU4031は、データフォーマットを第1のGPSデータから第2のデータフォーマットに変換する。
すなわち、第1のGPSデータから第2のデータフォーマットを有する第2のGPSデータを生成する。
具体的には、図79に示すように、GPS側CPU4031は、GPSモジュール4034から受け取った第1のGPSデータの複数の測位情報を、EXIF形式のファイルに格納される順に測位情報を並べ替え、第1のGPSデータの複数の測位情報からEXIF形式のファイルに記憶される測位情報を抽出する。そして、データ量が8ビットで構成された文字コードのGPSデータを、データ量が2ビットで構成されたGPSデータに記号化する。
GPS側CPU4031は、GPS側通信部4311と、判定部4312とを備えている。GPS側通信部4311は、カメラ本体4010のカメラ側通信部4111との間で通信を行う。GPS側通信部4311は、カメラ側通信部4111より送信されるコマンド等のデータ信号を受信する受信部として機能するとともに、カメラ側通信部4111に向けて第2のGPSデータを送信する送信部としても機能する。
GPS側通信部4311は、GPS側CPU4031で生成された第2のGPSデータを記録I/F4021に送信する。
判定部4312は、ユーザにより撮影モードが設定されると、動画撮影モードの画像ファイル形式であるか、静止が撮影モードの画像ファイル形式であるかにより、カメラ本体4010の記録I/F4021に記録されるGPSデータの測位情報の並び順と必要な測位情報とを判定する。すなわち、GPS側CPU4031の判定部4312は、操作部4016で操作された撮影モードに関する情報に基づいて、記録I/F4021に記録される画像ファイル形式を判定する。
次に、第5実施形態のカメラ4001の動作について、フローチャートにより説明する。図80は、カメラ4001の動作を説明するフローチャートである。本実施形態においては、静止画ファイル形式(EXIF形式のファイル)又は動画ファイル形式のいずれかの画像ファイル形式で、記録I/F4021によりメモリカード4211に記録される。
カメラ本体4010側のステップS4101において、カメラ4001の電源が供給され、カメラ本体4010側からGPS受信装置4030への電源が供給される。これにより、GPS受信装置4030の電源がオン(ON)される。
電源がオンされたGPS受信装置4030は、GPS受信部側のステップS4201において、測位を開始する。
GPS受信装置4030側のステップS4202において、GPS受信装置4030は、受信部4032により、GPS衛星からGPS情報を受信する。
一方、カメラ本体4010側のステップS4102において、ユーザは、操作部4016を操作して、静止画撮影又は動画撮影のいずれかの撮影モードに選択する。本実施形態においては、静止画撮影の撮影モードを選択した場合について説明する。なお、動画撮影の撮影モードを選択した場合においても、画像ファイル形式が異なるのみで、静止画撮影の撮影モードを選択した場合と同様の動作が実行される。
カメラ本体4010側のステップS4103において、カメラ側CPU4011は、静止画撮影の撮影モードにおける画像ファイル形式の情報をGPS受信装置4030に送信する。本実施形態においては、静止画の撮影モードにおける画像ファイル形式は、EXIF形式である。
GPS受信装置4030側のステップS4203において、GPS側CPU4031の判定部4312は、送信された撮影モードに基づいて画像ファイル形式を判定する。本実施形態においては、GPS側CPU4031の判定部4312は、画像ファイル形式をEXIF形式の画像ファイル形式であると判定する。
GPS受信装置4030側のステップS4204において、GPS側CPU4031は、図79に示すように、EXIF形式の画像ファイル形式であることに基づいて、受信部4032から受け取った第1のデータフォーマットを有する第1のGPSデータの複数の測位情報を並び替える。例えば、測位時刻(UTC)緯度、経度、高度の情報を、EXIF形式の画像ファイルの並び順に並べ替える。
GPS受信装置4030側のステップS4205において、第1のGPSデータの複数の測位情報の中から記録I/F4021において記録される測位情報を抽出する。この抽出する測位情報は、GPSデータとして必要な情報である。例えば、GPSデータとして必要な情報として、GPS側CPU4031は、第1のGPSデータにおけるGGA部分において、緯度、経度、高度、測位時刻(UTC)の情報を抽出する。
そして、図79に示すように、例えば、上から順に、北緯(N)又は南緯(S)、緯度(数値)、東経(E)又は西経(W)、経度(数値)、高度の基準となる高さ、高度(数値)、UTC時刻(時分秒)と並んだ第1のデータフォーマットを有するGPSデータが生成される。
GPS受信装置4030側のステップS4206において、GPS側CPU4031は、ステップS4205において生成されたGPSデータのデータフォーマットを第1のデータフォーマットから第2のデータフォーマットに変換し、第2のGPSデータを生成する。例えば、ステップS4205において生成されたGPSデータのデータフォーマット(データ量が8ビットで構成された文字コード)を記号化(データ量が2ビットで構成されたデータに変換)する。
GPS受信装置4030側のステップS4207において、GPS側通信部4311は、第2のGPSデータをカメラ本体4010側のカメラ側通信部4111に送信する。ここで、GPSデータの記号化によりGPSデータが文字コードの場合に比べてデータ量が少なくなるため、通信処理によるカメラ側CPU4011の負荷を軽減することができる。また、通信時における通信ラインの負荷も軽減することができる。
一方、カメラ本体4010側のステップS4104において、カメラ側通信部4111は、GPS側通信部4311から第2のGPSデータを受信する。カメラ本体4010側のステップS4105において、カメラ側CPU4011は、受信した第2のGPSデータのデータフォーマットを第2のデータフォーマットから第1のデータフォーマットに再変換する。例えば、前述したように、記号化されたGPSデータを、文字コードに変換する。
カメラ本体4010側のステップS4106において、ステップS4106において変換したGPSデータを保持する。
カメラ本体4010側のステップS4107において、撮影が開始されたか否かを判定する。撮影が開始された場合には、処理は、ステップS4108へ進む。撮影が開始されない場合には、処理は、ステップS4104へ戻り、第2のGPSデータを再度受信する。
カメラ本体4010側のステップS4108において、ユーザは、静止画の撮影を開始する。
カメラ本体4010側のステップS4109において、カメラ側CPU4011は、ステップS4106において変換したGPSデータを、静止画の画像データが収容されたEXIF形式のファイルに付加する。ここで、前述したように、GPS受信装置4030により送信された第2のGPSデータの測位情報は、EXIF形式のファイルに格納される順に並び替えられている。また、EXIF形式のファイルに付加される測位情報を抽出した後に送信されている。換言すれば、EXIF形式のファイルに付加されない測位情報は送信されない。そのため、EXIF形式のファイルに格納される順に並べ替えられずに送信される場合と比べて、GPSデータ処理によるカメラ側CPU4011の負荷を軽減することができる。
また、EXIF形式のファイルに付加される必要な情報を抽出して送信している。そのため、GPSデータの全てを送信する場合と比べて、送信するデータ量が少なくなるため、GPSデータ処理によるカメラ側CPU4011の負荷を軽減することができる。また、通信時の通信ラインの負荷を軽減することができる。
カメラ本体4010側のステップS4110において、GPSデータが付加されたEXIF形式のファイルは、記録I/F4021においてメモリカード4211に記録される。
カメラ本体4010側のステップS4111及びGPS受信装置4030側のステップS4208において、ユーザによる撮影が継続されるか否かを判定する。撮影が継続された場合、処理は、カメラ本体4010側のフローにおいてはステップS4104へ進み、GPS受信装置4030側のフローにおいてはステップS4204に進む。撮影が継続されない場合、処理は終了する。
以上、第5実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)GPS側CPU4031は、受信部4032から受け取った第1のGPSデータが有する複数の測位情報の並び順を、所定の並び順に並び替えてから記録I/F4021に送信する。そのため、カメラ本体4010側においてGPSデータの測位情報を並び替えることなく、GPSデータを記録I/F4021を介してメモリカード4211に記録することができる。これにより、カメラ本体4010側におけるGPSデータの処理による負荷を軽減することができる。
(2)GPS側CPU4031は、受信部4032で受け取った第1のGPSデータが有する複数の測位情報の中から記録I/F4021において記録される測位情報を抽出して記録I/F4021に送信する。そのため、GPSデータの全てを送信する場合と比べて、送信するデータ量を少なくすることができる。従って、カメラ本体4010側におけるGPSデータの処理の負荷を軽減することができる。また、通信時の通信ラインの負荷を軽減することができる。特に、カメラ側通信部4111からカメラ側CPU4011までの信号線の一部と、フラッシュ部4019からカメラ側CPU4011までの信号線の一部とが共通の信号線となっている場合には、通信時の通信ラインの負荷をより軽減することができる。
(3)GPS側CPU4031は、GPSデータを記号化して、カメラ側CPU4011に送信する。そのため、記号化せずに文字コードで送信する場合と比べて、送信するデータ量を少なくすることができる。従って、カメラ本体4010側におけるGPSデータの処理の負荷を軽減することができる。また、通信時の通信ラインの負荷を軽減することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第6実施形態の説明にあたって、第5実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。図81は、本発明の第6実施形態のカメラ4001A及びGPS受信装置4030Aを説明するブロック図である。
第6実施形態においては、カメラ4001Aと、GPS受信装置4030Aと、が別体として構成されている。すなわち、第6実施形態のカメラ4001Aは、内蔵のGPS受信部を備えておらず、外部機器を構成する点において第5実施形態のカメラ4001とは主に異なる。また、第5実施形態におけるGPS受信装置4030は、外付のGPS受信装置4030Aとして構成される点において第5実施形態のカメラ4001とは主に異なる。
第6実施形態のGPS受信装置4030Aは、外付である点を除いて、第5実施形態のGPS受信装置4030と同様の構成である。そのため、第6実施形態のGPS受信装置4030Aにおいては、第5実施形態と同一の構成についての説明を省略する。
第6実施形態のGPS受信装置4030Aは、カメラ4001Aに接続可能に構成される。GPS受信装置4030Aをカメラ4001Aに接続した場合に、GPS側CPU4031は、コネクタ4040を介してカメラ側CPU4011に電気的に接続される。
第6実施形態のカメラ4001Aは、第5実施形態におけるカメラ4001と比べて、GPS受信装置4030を備えていない。第6実施形態のカメラ4001Aは、第5実施形態のカメラ4001と同様に、記録I/F4021を含んで構成される。
また、GPS側CPU4031の判定部4312は、GPS受信装置4030Aがカメラ4001Aに接続された場合に、カメラ4001の記録I/F4021によりメモリカード4211に記録されるGPSデータの測位情報の並び順を判定することができる。これにより、GPS受信装置4030Aが外部機器であるカメラ4001Aに接続された場合に、カメラ4001Aは、記録I/F4021により記録されるGPSデータの測位情報の並び順に並び替えてから、GPSデータを送信することができる。
以上、第6実施形態によると、第5実施形態と同様の効果を有するほか、以下の効果を有する。
(1)GPS側CPU4031の判定部4312は、GPS受信装置4030Aがカメラ4001Aに接続された場合に、カメラ4001Aの記録I/F4021によりメモリカード4211に記録されるGPSデータの測位情報の並び順を判定する。そのため、GPS受信装置4030Aが外部機器であるカメラ4001Aに接続された場合に、カメラ4001Aにより記録されるGPSデータの測位情報の並び順に並び替えてから、GPSデータを送信することができる。従って、画像ファイル形式が使用するカメラによって異なった場合においても、GPSデータを記録I/F4021を介してメモリカード4211に記録する際において、カメラ4001AにおけるGPSデータの処理の負荷を軽減することができる。また、通信時の通信ラインの負荷を軽減することができる。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)前述の実施形態では、GPSデータの測位情報を所定の並び順で格納して記録する記録装置を記録I/F4021により構成したがこれに制限されない。例えば、記録装置をメモリ4017により構成してもよい。
(2)前述の第5実施形態では、GPS側通信部4311は、GPSデータを記号化して、カメラ側通信部4111に送信しているが、これに制限されない。GPS側通信部4311は、GPSデータを文字コードのままで、カメラ側通信部4111に送信してもよい。この場合には、GPS側CPU4031において、GPSデータを記号化する処理の負荷が軽減される。
(3)また、前述の実施形態においては、静止画の画像ファイル形式をEXIF形式により説明したが、これに制限されない。また、動画の画像ファイル形式についても制限されない。例えば、静止画の画像ファイル形式として、Geo TIFF等であってもよく、動画の画像ファイル形式として、AMC等であってもよい。また、本実施例ではGPSデータを用いて測位情報等を説明したが、これに制限されない。例えば、携帯電話等で用いられる周知の測位システムを用いるようにしてもよい。
(4)図80におけるGPS受信装置4030側のステップS4204とステップS4205との処理の内容は入れ替わっても良い。すなわち、GPS側CPU4031(GPS側通信部4311)は、ステップS4204において、受信部4032から受け取った第1のデータフォーマットを有する第1のGPSデータの複数の測位情報の中から、記録I/F4021において記録される測位情報を抽出し、ステップS4205において、抽出された第1のGPSデータの複数の測位情報を並び替えても良い。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
また、上述のカメラボディ100(または100a、100b、カメラ本体4010)とアクセサリー400(または600,1600,2600,3600、GPS部600b、GPS受信装置4030,4030A)は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、各機能部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。