JP2017128611A - 新規な抗生物質 - Google Patents

新規な抗生物質 Download PDF

Info

Publication number
JP2017128611A
JP2017128611A JP2017090681A JP2017090681A JP2017128611A JP 2017128611 A JP2017128611 A JP 2017128611A JP 2017090681 A JP2017090681 A JP 2017090681A JP 2017090681 A JP2017090681 A JP 2017090681A JP 2017128611 A JP2017128611 A JP 2017128611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
compound
compounds
alkyl
cycloalkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017090681A
Other languages
English (en)
Inventor
ピープルズ アーロン
Peoples Aaron
ピープルズ アーロン
ルーシー リン ロシー
Lucy Ling Losee
ルーシー リン ロシー
ルーイス キム
Kim Lewis
ルーイス キム
エス. エプスタイン スラバ
S Epstein Slava
エス. エプスタイン スラバ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novobiotic Pharmaceuticals LLC
Original Assignee
Novobiotic Pharmaceuticals LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=47217740&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2017128611(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Novobiotic Pharmaceuticals LLC filed Critical Novobiotic Pharmaceuticals LLC
Publication of JP2017128611A publication Critical patent/JP2017128611A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/22Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】一般に、新規な抗生物質およびそれらの類似体、これらの新規な抗生物質を調製するためのプロセス、該新規な抗生物質を含む薬学的組成物、ならびに様々な障害を処置または阻害するために該新規な抗生物質を使用する方法を提供すること。
【解決手段】本出願は、いくつかの障害および新生物疾患の処置および阻害に有用な新規な抗生物質化合物、ならびに該化合物を調製する方法を対象とする。本開示はまた、本明細書に記載の抗生物質化合物を含む薬学的組成物、および被験体における微生物、ウイルスもしくは真菌感染症、または新生物障害を処置または阻害する方法に関する。
【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本願は、「Novel Antibiotics」と題された、2011年5月26日に出願された米国仮特許出願第61/490,349号の利益を主張する。上述の出願の全体は、本明細書中に参考として援用される。
政府支援の研究または開発に関する陳述
本開示につながる研究の一部は、米国国立科学財団助成金番号5R44AI063616の下、合衆国政府の支援により実行された。したがって、合衆国政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、微生物化学の分野に属する。より具体的には、本発明は、新規な抗生物質化合物およびそれらの類似体を部分的に対象とする。本発明はさらに、障害を処置するためにこれらの化合物を使用する方法に関する。
発明の背景
近年の医薬品の大きな業績として、疾患を引き起こす微生物に対する抗菌剤の開発およびその使用の成功が挙げられる。抗菌剤は、多くの生命を救い、多くの疾患および感染症の合併症を低減してきた。しかし、現在利用可能な抗菌剤は、かつてほどは有効でなくなっている。
経時的に、多くの微生物が、公知の抗菌剤の抗菌作用を逃れるように発達してきており、近年、複数の抗菌剤に耐性がある微生物によって引き起こされる感染症が、世界的に増大している。世界旅行の利用率が増大し、容易になってきたため、世界中での薬物耐性微生物の急速な拡大が、深刻な問題になっている。地域社会においては、微生物の耐性は、薬物耐性病原体(例えば、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、バンコマイシン耐性Enterococci(VRE))の院内感染、地域社会における抗生物質の使用による耐性出現(例えば、ペニシリン(pencillin)耐性およびキノロン耐性Neisseria gonorrheae)、旅行の結果による耐性病原体(例えば、抗生剤耐性Shigella)への感染、または動物に抗菌剤を使用し、その後耐性病原体がヒトに伝染した結果による耐性病原体(例えば、抗生物質耐性Salmonella)への感染から生じる場合がある。院内の抗生物質耐性は、通常は抗生物質の過剰使用から生じ、MRSA、VREおよび多剤耐性のグラム陰性桿菌(MDR−GNB)(例えば、Enterobacter、Klebsiella、Serratia、Citrobacter、PseudomonasおよびE.coli)について深刻な問題となっている。特に、細菌によるカテーテルに関係する血流感染、ならびに皮膚および軟組織感染症(SSTI)は、大きな問題になりつつある。
細菌、ウイルス、真菌および寄生生物はすべて、公知の抗菌剤に対して耐性を発達させている。耐性は、通常は、(i)薬物の標的が変化し、その結果抗菌剤が結合しにくくなり、それによって感染症を制御する効果が低下すること、(ii)薬物浸透または該薬物の能動的流出が損なわれた結果として、該薬物がその標的に接近しにくくなること、および(iii)微生物によって産生される酵素によって、該薬物が酵素的に不活化されることの3つの機構から生じる。抗菌剤耐性によって微生物は生存しやすくなり、それにより身体から微生物感染症を排除しにくくなっている。このように微生物感染症との闘いが増々困難になっていることから、院内および他の実践場面における感染症発生の危険性が高まってきた。現在、結核、マラリア、淋病および小児期耳感染症などの疾患は、わずか数十年前よりも処置が困難になっている。薬物耐性は、抗生物質を利用しなければ感染症に罹患しやすくなっている重症疾患の患者を抱える病院にとっては、重大な問題である。残念ながら、こうした患者には、薬物耐性を生じる微生物を変化させるために、抗生物質を多量に使用することが選択される。これらの薬物耐性菌は、最も強力な抗生物質に対して耐性があり、感染しやすい入院患者が依然として犠牲になっている。入院患者の5〜10パーセントが入院中に感染症に罹患していること、およびこの危険性はここ数十年で確実に増大していることが報告されている。
こうした問題に関して、微生物感染症および薬物耐性増大の問題と闘うために、新規な抗菌剤の必要性が高まっている。利用可能な薬物に対して病原体が耐性を発達させているため、再度抗菌薬の発見に取り組むことは非常に重要である。
これまでに、合成化合物では天然抗生物質を置き換えることができず、組合せの合成、ハイスループットスクリーニング、先進医薬品化学、ゲノミクスおよびプロテオミクス、ならびに合理的薬物設計を組み合わせた研究でも、新規な種類の広域スペクトルの化合物を生成するには至っていない。新しい合成抗生物質を得る上での問題は、合成抗生物質が、多剤耐性ポンプ(MDR)によって細菌の外膜障壁を通して一様に送り出されるという事実に一部関連し得るということである。細菌の外膜は、両親媒性化合物に対する障壁であり(本質的にすべての薬物が両親媒性化合物である)、MDRは、この障壁を通して薬物を追い出す。進化により、この二重障壁/追い出し機構を大部分回避することができる抗生物質が生成されてはいるが、合成化合物は、ほとんどの場合、一様に成功に至っていない。今や、活性であり、かつ細菌に浸透できる化合物を創製する合理的手段が利用可能となった。
発明の要旨
本出願は、いくつかの障害および新生物疾患の処置および阻害に有用な新規な抗生物質化合物、ならびに該化合物を調製する方法を対象とする。本開示はまた、本明細書に記載の抗生物質化合物を含む薬学的組成物、および被験体における微生物、ウイルスもしくは真菌感染症、または新生物障害を処置または阻害する方法に関する。より具体的には、以下の通りである。
本開示は、式10.1の化合物
[式中、
〜Rは、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリール、(=O)、−ORa’OC(O)R、−SR、−S(O)d’、NR、ならびに糖基から選択され;RおよびRは、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;Rは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;RおよびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;Rは、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;X〜Xは、独立に、CH、NH、O、SおよびSeから選択され;破線(−−−)によって表される結合は、独立に、単結合および二重結合から選択されるが、ただし該破線が窒素からの単結合を表す場合、R10〜R14は、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;Rは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;RおよびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;Rは、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択される]、
ならびに薬学的に許容されるその塩、エステルおよび水和物を提供する。
本開示はまた、式10.2の化合物
[式中、
〜Rは、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリール、(=O)、−ORa’OC(O)R、−SR、−S(O)d’、NR、ならびに糖基から選択され;RおよびRは、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;Rは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;RおよびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;Rは、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;X〜Xは、独立に、CH、NH、O、SおよびSeから選択され;破線(−−−)によって表される結合は、独立に、単結合および二重結合から選択されるが、ただし該破線が窒素からの単結合を表す場合、R10〜R14は、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;Rは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;RおよびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;Rは、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択される]、
ならびに薬学的に許容されるその塩、エステルおよび水和物を提供する。
他の態様では、本開示は、式10−S1の化合物
および
式10−S2の化合物
を提供する。
本開示はまた、式10.1、10.2、10−S1および/または10−S2の化合物、ならびに薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む薬学的組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、被験体に、治療有効量の式10.1、10.2、10−S1および/または10−S2を有する化合物を含む薬学的組成物を投与するステップを含む、該被験体の障害を処置または予防する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、上記障害は、細菌感染症、真菌感染症またはウイルス感染症である。特定の実施形態では、上記障害は、グラム陽性菌の感染によって引き起こされる。
他の態様では、本開示は、式10.1、10.2、10−S1および/または10−S2の化合物を提供する方法であって、2012年5月17日にNRRL B−50752として寄託されたOerskovia pourometabolaからの化合物を単離するステップを含む、方法を提供する。
本開示はまた、スキーム1のステップを含む、式10.1の化合物を合成する方法を提供する。本開示はまた、スキーム2のステップを含む、式10.2の化合物を合成する方法を提供する。本開示はまた、スキーム3のステップを含む、式10−S1の化合物を合成する方法を提供する。本開示はまた、スキーム4のステップを含む、式10−S2の化合物を合成する方法を提供する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式10.1または10.2の化合物

[式中、
〜Rは、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリール、(=O)、−ORa’OC(O)R、−SR、−S(O)d’、NR、ならびに糖基から選択され;
およびRは、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;
は、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;
およびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;
は、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;
〜Xは、独立に、CH、NH、O、SおよびSeから選択され、
破線(−−−)によって表される結合は、独立に、単結合および二重結合から選択されるが、ただし該破線が窒素からの単結合を表す場合、
10〜R14は、独立に、水素、−NH、−OH、アルキルおよび置換アルキル、ならびにシクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択され;
は、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択され;
およびRは、出現するごとに独立に、水素、アルキルおよび置換アルキル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、複素環および置換複素環、アリールおよび置換アリールから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し;
は、出現するごとに独立に、アルキルおよび置換アルキル、アルケニルおよび置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、シクロアルキルおよび置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニル、複素環および置換複素環、ならびにアリールおよび置換アリールから選択される]、
ならびに薬学的に許容されるその塩、エステルおよび水和物。
(項目2)
式10−S1を有する、項目1に記載の化合物。

(項目3)
式10−S2を有する、項目1に記載の化合物。

(項目4)
項目1に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目5)
項目2に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目6)
項目3に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目7)
被験体に、治療有効量の項目4に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、該被験体の障害を処置する方法。
(項目8)
前記障害が、細菌感染症、真菌感染症またはウイルス感染症である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記障害が、グラム陽性菌の感染によって引き起こされる、項目8に記載の方法。
(項目10)
被験体に、治療有効量の項目5に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、該被験体の障害を処置する方法。
(項目11)
前記障害が、細菌感染症、真菌感染症またはウイルス感染症である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記障害が、グラム陽性菌の感染によって引き起こされる、項目11に記載の方法。
(項目13)
被験体に、治療有効量の項目6に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、該被験体の障害を処置する方法。
(項目14)
前記障害が、細菌感染症、真菌感染症またはウイルス感染症である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記障害が、グラム陽性菌の感染によって引き起こされる、項目14に記載の方法。
(項目16)
被験体に治療有効量の項目4に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、患者の新生物を処置する方法。
(項目17)
式10.1、10.2、10−S1または10−S2の化合物を生成する方法であって、Oerskovia pourometabola分離株P0651、NRRL_から該化合物を単離するステップを含む、方法。
(項目18)
スキーム1のステップを含む、項目1に記載の化合物を生成する方法。
(項目19)
スキーム2のステップを含む、項目1に記載の化合物を生成する方法。
(項目20)
スキーム3のステップを含む、項目2に記載の化合物を生成する方法。
(項目21)
スキーム4のステップを含む、項目3に記載の化合物を生成する方法。
本開示の上記および他の目的、その様々な特徴、ならびに本発明自体は、以下の記載を添付の図と一緒に読むことにより、より完全に理解され得る。
図1Aは、式10.1の化合物の概略図である。図1Bは、式10.2の化合物の概略図である。図1Cは、式10−S1の化合物の概略図である。図1Dは、式10−S2の化合物の概略図である。
発明の詳細な説明
本発明は、一般に、式10.1、10.2、10−S1および10−S2を有する新規な抗生物質、ならびにその類似体および誘導体、これらの化合物を調製するためのプロセス、上記新規な化合物を含む薬学的組成物、ならびに様々な障害を処置または阻害するために上記新規な化合物を使用する方法に関する。
本出願を通して、様々な特許、特許出願および刊行物を参照する。これらの特許、特許出願および刊行物の開示は、本明細書において記載し特許請求する本発明の日付における、現在の技術水準を当業者に公知のものとしてより完全に記載するために、本明細書によって、それら全体が参照により本出願に組み込まれる。上記特許、特許出願および刊行物と本開示との間に矛盾がある場合には、本開示が優先する。
定義
便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で用いられるいくつかの用語を、ここにまとめる。別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の基または用語に対して提供される最初の定義は、別段指定されない限り、本明細書を通して個々にまたは別の基の一部としてその基または用語に適用される。
用語「NOVO10.1」、「NOVO10.2」、「NOVO10−S1」および「NOVO10−S2」は、本明細書では、それぞれ図1A〜1Dに示した式10.1、10.2、10−S1および10−S2の化合物を指すために使用される。用語「NOVO10−S1/S2」は、式10−S1または10−S2を有する抗生物質化合物を指す。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書では、その冠詞の文法的な対象の1つまたは複数(すなわち少なくとも1つ)を指すために使用される。例えば、「1つの(an)要素」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
用語「または」は、本明細書では、文脈から別段明らかに示されない限り、用語「および/または」を指すために使用され、用語「および/または」と交換可能に使用される。
用語「約」は、本明細書では、所与の数値の−20%または+20%の値を意味するために使用される。したがって、約60%は、60%から60の20%を引いた値と、60%に60の20%を足した値の間(すなわち48%〜72%)を意味する。
用語「実質的に同じ」は、本明細書では、2つの比較対象が、少なくとも90%の共通の特徴を共有することを意味するために使用される。特定の実施形態では、上記共通の特徴は、少なくとも95%である。特定の他の実施形態では、上記共通の特徴は、少なくとも99%である。
用語「単離された」は、本明細書では、天然に存在する状態を超える状態まで精製することを意味するために使用される。例えば、単離された化合物は、該化合物が得られる細胞由来の細胞物質もしくは他の汚染物質を実質的に含まないものであってよく、または化学的に合成される場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、上記細胞由来の汚染物質または化学的前駆体を約50%未満(乾燥重量で)有する化合物の調製物は、実質的に純粋であるとみなされる。他の実施形態では、上記細胞由来の汚染物質または化学的前駆体を約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約1%未満(乾燥重量で)有する化合物の調製物は、実質的に純粋であるとみなされる。
用語「アルキル」および「アルカ(alk)」は、1〜12個の炭素原子、例えば1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または有枝鎖のアルカン(炭化水素)ラジカルを指す。例示的な「アルキル」基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が含まれる。
用語「C〜Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または有枝鎖のアルカン(炭化水素)ラジカル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびイソブチルを指す。「置換アルキル」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されているアルキル基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、以下の基の1つまたは複数が含まれる。水素、ハロゲン(例えば、単一のハロゲン置換基、または複数のハロ置換基であって、後者の場合、CF、またはCClを担持するアルキル基などの基を形成する)、シアノ、ニトロ、CF、OCF3、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)RまたはNRP(=O)(ここで、それぞれのRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環またはアリールであり;R、RおよびRは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリールであるか、または該RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、必要に応じて複素環もしくは置換複素環を形成し;それぞれのRは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環またはアリールである)。上記の例示的な置換基において、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、複素環およびアリールなどの基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「アルケニル」は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または有枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。例示的なこのような基には、エテニルまたはアリルが含まれる。「置換アルケニル」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されているアルケニル基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「アルキニル」は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖または有枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。例示的なこのような基には、エチニルが含まれる。「置換アルキニル」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されているアルキニル基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「シクロアルキル」は、1〜4個の環および環1個当たり3〜8個の炭素を含有する完全に飽和の環式炭化水素基を指す。例示的なこのような基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が含まれる。「置換シクロアルキル」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されているシクロアルキル基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。また、例示的な置換基には、スピロ結合環式置換基もしくは縮合環式置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環または縮合アリールが含まれ、ここで、上記のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環およびアリール置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「シクロアルケニル」は、1〜4個の環および環1個当たり3〜8個の炭素を含有する部分的に不飽和の環式炭化水素基を指す。例示的なこのような基には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が含まれる。「置換シクロアルケニル」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されているシクロアルケニル基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。また、例示的な置換基には、スピロ結合環式置換基もしくは縮合環式置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環または縮合アリールが含まれ、ここで、上記のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環およびアリール置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「アリール」は、1〜5個の芳香族環を有する環式の芳香族炭化水素基、特にフェニル、ビフェニルまたはナフチルなどの単環式または二環式基を指す。アリール基の芳香族環は、2つ以上の芳香族環を含有する場合(二環式等)、単一の点において連結していてもよく(例えば、ビフェニル)、または縮合していてもよい(例えば、ナフチル、フェナントレニル等)。「置換アリール」は、任意の結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜3個の置換基で置換されているアリール基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、ニトロ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。また、例示的な置換基には、縮合環式基、特に、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環または縮合アリールが含まれ、ここで、上記のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環およびアリール置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「複素環」および「複素環式」は、少なくとも1つの炭素原子含有環において少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族(すなわち「ヘテロアリール」)環式基(例えば、4〜7員の単環式、7〜11員の二環式、または8〜16員の三環式環系)を含む、完全に飽和の、または部分的もしくは完全に不飽和の環式基を指す。ヘテロ原子を含有する複素環式基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有することができ、ここで窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化されていてもよい。(用語「ヘテロアリーリウム(heteroarylium)」は、四級窒素原子を担持し、したがって正電荷を担持するヘテロアリール基を指す)。上記複素環式基は、その環または環系の任意のヘテロ原子または炭素原子において分子の残りに結合することができる。例示的な単環式複素環式基には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル(oxopyrrolodinyl)、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル等が含まれる。例示的な二環式複素環式基には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニルなど)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニル等が含まれる。例示的な三環式複素環式基には、カルバゾリル、ベンゾインドリル(benzidolyl)、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニル等が含まれる。
「置換複素環」および「置換複素環式」(「置換ヘテロアリール」など)は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されている複素環または複素環式基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに例示的なアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。上記例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。また、例示的な置換基には、任意の利用可能な1つまたは複数の結合点においてスピロ結合環式置換基または縮合環式置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環または縮合アリールが含まれ、ここで、上記のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環およびアリール置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。
用語「炭素環式」は、1つまたは複数の環のすべての原子が炭素原子である芳香族または非芳香族の3〜7員の単環式および7〜11員の二環式基を指す。「置換炭素環式」は、任意の利用可能な結合点において1つまたは複数の置換基、例えば1〜4個の置換基で置換されている炭素環式基を指す。例示的な置換基には、それに限定されるものではないが、ニトロ、シアノ、OR(Rは、本明細書で上に定義の通りである)、ならびに例示的なシクロアルキル置換基として上に記載の基が含まれる。例示的な置換基は、それら自体、必要に応じて置換されていてもよい。
別段指定されない限り、未充足の原子価を有する任意のヘテロ原子は、該原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると推測される。
用語「加熱」には、それに限定されるものではないが、従来の加熱(例えば、電気加熱、蒸気加熱、ガス加熱等)、ならびにマイクロ波加熱による加温が含まれる。
用語「薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤」は、本明細書で使用される場合、対象医薬品を、身体のある臓器または一部から身体の別の臓器または一部に運搬または輸送することに関与する、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料(encapsulating material)などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。それぞれのキャリアは、製剤の他の成分と適合性があり、患者にとって有害でないという意味で、「許容される」ものでなければならない。
被験体に関する用語「処置すること」は、該被験体の障害の少なくとも1つの症状を改善することを指す。処置することは、障害または状態を治癒することまたはそれを改善することであり得る。
用語「阻害する」は、本明細書では、疾患または障害の症状の発症を停止させることに関して使用される。
用語「障害」は、本明細書では、文脈から別段明らかに示されない限り、疾患、状態または疾病という用語を示すために使用され、これらの用語と交換可能に使用される。
用語「微生物」は、本明細書では、細菌、ウイルス、原生動物または真菌などの生物、特に疾患を伝染させる生物を示すために使用される。
句「有効量」は、本明細書で使用される場合、動物においてある程度の所望の効果をもたらすのに有効な、本発明の1つまたは複数の薬剤(agent)を含む1つまたは複数の薬剤、材料または組成物の量を意味する。薬剤が、治療効果を達成するのに使用される場合、「有効量」を含む実際の用量は、それに限定されるものではないが、処置される特定の状態、疾患の重症度、患者の大きさおよび健康状態、投与経路を含むいくつかの条件に応じて変わることが認識されている。熟練した医療従事者であれば、医療分野で周知の方法を使用して、適切な用量を容易に決定することができる。
句「薬学的に許容される」は、本明細書では、良好な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒト、動物および植物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に相応した化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
本明細書を通して、その基および置換基は、安定な部分および化合物を提供するように選択することができる。
1.化合物
本開示は、下記のとおり、式10.1、10.2、10−S1および10−S2の抗生物質化合物を対象とする。
本開示はまた、本明細書に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む薬学的組成物に関する。上記薬学的組成物はさらに、抗悪性腫瘍剤、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗原生動物剤、駆虫剤およびその組合せからなる群から選択される薬剤を含むことができる。
式10.1および10.2の抗生物質化合物は、以下の構造の1つを有する。
これらは、それぞれ図1AおよびIBにも示されている。式10.1および10.2の化合物の2つの化学種は、それぞれ下記の式、ならびにそれぞれ図1Cおよび1Dに記載の式を有する化合物NOVO10−S1およびNOVO10−S2である。
式10.1および10.2の化合物では、R〜Rは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、OCF3、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリール、(=O)、ORa’OC(=O)R、SR、S(=O)2Rd’NRまたは糖基であってよく;R〜Rは、水素、NH2、−OH、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであってよく;それぞれのRは、独立に、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり;RおよびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリールであるか、または該RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、必要に応じて、複素環もしくは置換複素環を形成し;それぞれのRは、独立に、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、または置換アリールであり;X〜Xは、CH、NH、O、SまたはSeであってよく;「−−−−−」によって表される結合は、単結合または二重結合である。
「−−−−−」によって表される結合が、窒素からの単結合である場合、R10〜R14は、水素、NH2、−OH、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであってよく;それぞれのRaは、独立に、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり;RおよびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリールであるか、または該RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、必要に応じて、複素環もしくは置換複素環を形成し;それぞれのRは、独立に、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、または置換アリールである。
本発明の抗生物質化合物は、塩を形成することができ、これも本開示の範囲に含まれる。本明細書における本発明の化合物への参照は、別段指定されない限り、その化合物の塩への参照を含むと理解される。用語「塩(複数可)」は、本明細書で用いられる場合、無機酸および/もしくは有機酸ならびに無機塩基および/もしくは有機塩基を用いて形成される酸性塩および/または塩基性塩を指す。さらに、本発明の化合物が、それに限定されるものではないがピリジンまたはイミダゾールなどの塩基性部分と、それに限定されるものではないがカルボン酸などの酸性部分の両方を含有する場合、双性イオン(「内塩」)が形成される場合があり、それは、本明細書で使用される用語「塩(複数可)」に含まれる。薬学的に許容される(すなわち、非毒性の生理的に許容される)塩が有用であるが、例えば調製中に用いることができる単離または精製ステップにおいて、他の塩も有用である。本発明の化合物の塩は、例えば、塩が沈殿するものなどの媒体または水性媒体中で、化合物I、Ia、Ib、IIまたはIIaを、当量(equivalent amount)などの量の酸または塩基と反応させ、その後凍結乾燥させることによって形成することができる。
それに限定されるものではないが、アミン、またはピリジン環もしくはイミダゾール環などの塩基性部分を含有する本開示の抗生物質化合物は、様々な有機酸および無機酸と塩を形成することができる。例示的な酸付加塩には、酢酸塩(酢酸またはトリハロ酢酸、例えばトリフルオロ酢酸を用いて形成されるものなど)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩(例えば、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2−ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩(例えば、3−フェニルプロピオン酸塩)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(硫酸を用いて形成されるものなど)、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、例えばトシル酸塩、ウンデカン酸塩等が含まれる。
それに限定されるものではないが、カルボン酸などの酸性部分を含有する本開示の抗生物質化合物は、様々な有機塩基および無機塩基を用いて塩を形成することができる。例示的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、例えばベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンで形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グリカミド、t−ブチルアミン、ならびにアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩などが含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチルおよびヨウ化ステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などのような作用物質で四級化することができる。
本開示の抗生物質化合物の溶媒和物も、本明細書で企図される。本発明の化合物の溶媒和物には、例えば水和物が含まれる。
本開示の抗生物質化合物、ならびにその塩および溶媒和物は、それらの互変異性形態で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在することができる。このようなあらゆる互変異性形態が、本明細書において本発明の一部として企図される。
鏡像異性形態およびジアステレオマー形態を含む、本開示の抗生物質化合物のあらゆる立体異性体(例えば、様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るもの)が、本発明の範囲に含まれるものとする。本発明の抗生物質化合物の個々の立体異性体は、例えば他の異性体(例えば、特定の活性を有する純粋なまたは実質的に純粋な光学異性体として)を実質的に含まない場合があり、あるいは例えばラセミ体として、または他のすべてもしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974年推奨によって定義されたSまたはR配座を有することができる。上記ラセミ形態は、例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶化、分離もしくは結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィによる分離などの物理的方法によって分割することができる。個々の光学異性体は、例えば、それに限定されるものではないが光学的に活性な酸と塩を形成した後、結晶化によるなどの従来の方法を含む、任意の適切な方法によってラセミ体から得ることができる。
本開示の抗生物質化合物を調製した後に、それらを例えば単離または精製して、99%に等しいまたは99%を超える重量を含有する組成物(「実質的に純粋な」化合物)が得られ、次にそれを本明細書に記載の通り、使用または製剤化する。
本開示の化合物のあらゆる立体配置異性体が、混合物、または純粋なもしくは実質的に純粋な形態のいずれかで企図される。本発明の化合物の定義は、両方の、シス(Z)およびトランス(E)アルケン異性体、ならびに環式炭化水素または複素環式環のシスおよびトランス異性体を包含する。
2.調製方法
本開示は、本開示に従って上記抗生物質化合物を調製する方法を提供する。化合物は、これらを合成する細菌などの細胞から単離することができ、または化学的に合成することができる。
細菌から単離される場合、米国特許第7,011,957号に記載の「培養できない」微生物を単離するための方法論を使用する下記の技術に従うことができる。この技術ではグロースチャンバを使用するが、このチャンバは透過性であり、環境からの構成成分を拡散するが、微生物を拡散しない。上記グロースチャンバは、本発明の時点で「培養不可能な」微生物の増殖、純粋培養への単離、および特性決定を可能にするように設計される。この所望の結果は、上記チャンバ内の状態が上記微生物の自然環境と同一ではないとしても、かなり類似していることから、達成され得る。かかるチャンバの1つのバージョンは、固体基材、例えばガラスまたはシリコンスライドまたはステンレス鋼ワッシャーから形成され、この基材上には、2つの丈夫な膜、例えばポリカーボネートまたは他の不活性な材料に挟まれたオリフィスが接着されている。上記膜は、例えば0.025μm〜0.03μmの孔径を有し、この孔径は、上記チャンバ内にすべての微生物を保持するのに十分に小さいが、上記環境からの構成成分が該チャンバ内へと拡散し、廃棄産物が該チャンバから出て拡散できるのに十分大きい。1つの膜によって上記基材の底部上を封止した後、上記チャンバを、適切な増殖培地中の細胞懸濁液で部分的に充填する。
この方法を使用すると、NOVO10−S1/S2は、2012年5月17日にブダペスト条約の規定の下でUSDAにNRRL B−50752として寄託されたP0651 Oerskovia paurometabola分離株によって産生されることが判明した。このO.paurometabola種は、Gloucester、MAにある陸成土壌試料から単離したものである。
NOVO10−S1/S2の構造を、以下の実施例2に記載の通り、H、13C、COSY、DEPT−135、HSQCおよびHMBC NMR実験方法を含むNMR実験を使用して決定した。
あるいは、本開示の抗生物質化合物は、合成することもできる。例えば、以下の合成スキーム(スキーム1)は、NOVO10−S1を合成する非限定的な一方法を表す。
あるいは、以下の非限定的な合成スキーム(スキーム2)を使用して、式10−S2の化合物を生成することができる。
以下の非限定的なスキーム(スキーム3)によって、化合物NOVO10−S1のエチル誘導体化合物の生成方法を提供する。
あるいは、以下の非限定的なスキーム(スキーム4)に従って、NOVO10−S2のエチル誘導体を合成することができる。
3.処置の方法
いくつかの態様では、本開示は、本開示の式10.1、10.2、10−S1または10−S2の抗生物質化合物を使用して病原体の増殖を阻害する方法に関する。上記方法は、上記病原体を、有効量の1つまたは複数の本発明の抗生物質化合物と接触させ、それによって本発明の化合物によって処理していない病原体の増殖と比較して、該病原体の増殖を阻害するステップを含む。特定の実施形態では、上記方法は、本発明の化合物によって処理していない病原体の増殖と比較して、該病原体の増殖を低減する。他の場合には、この処理は、上記病原体の死滅をもたらす。病原体の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、細菌、真菌、ウイルス、原生動物、蠕虫、寄生生物およびその組合せが含まれる。これらの方法は、インビボ、エクスビボまたはインビトロで実施することができる。
特定の細菌に対する本発明の抗生物質化合物の抗菌活性は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/196,714号に記載の阻害域のモニタリングおよび最小阻害濃度(MIC)アッセイなどのインビトロアッセイによって評価することができる。
本発明の抗生物質化合物の抗真菌活性は、例えばSanatiら(1997年)Antimicrob. Agents Chemother.、41巻(11号):2492〜2496頁に記載の通り、所望の真菌病原体(Candida albicansおよびAspergillus種など)の生存率を求めることによって決定することができる。本発明の抗生物質化合物の抗ウイルス特性は、例えばinfluenzae neuraminidaseの阻害をモニタすることによって、またはTisdale(2000年)Rev. Med. Virol.、10巻(1号):45〜55頁に記載の通りウイルス生存率をアッセイすることによって決定することができる。本発明の抗生物質化合物の抗原生動物活性は、Katiyarら(1994年)Antimicrob. Agents Chemother.、38巻(9号):2086〜2090頁に記載の通り、Trichomonas vaginalisおよびGiardia lambliaなどの寄生原生動物の生存率を求めることによって決定することができる。本発明の抗生物質化合物の駆虫活性は、例えばMolgaard P.ら、(1994年)J. Ethnopharmacol.、42巻(2号):125〜32頁に記載の通り、Schistosoma mansoni、Schistosoma cercariaeおよびCaenorhabditis elegansなどの線虫の生存率に対する上記化合物の効果を求めることによって決定することができる。
他の態様では、本開示は、被験体に、治療有効量の本明細書に記載の1つまたは複数の抗生物質化合物を投与するステップを含む、障害の処置を必要としている被験体の障害を処置する方法を対象とする。特定の実施形態では、上記障害は、それに限定されるものではないが、細菌、真菌、ウイルス、原生動物、蠕虫、寄生生物またはその組合せなどの病原体によって引き起こされる。
いくつかの実施形態では、上記障害は、細菌によって引き起こされる。本明細書に記載の抗生物質化合物は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に対して有用であり得る。グラム陽性菌の非限定的な例には、Streptococcus、Staphylococcus、Enterococcus、Corynebacteria、Listeria、Bacillus、ErysipelothrixおよびActinomycetesが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、以下の1種または複数種による感染症を処置するのに使用される。Helicobacter pylori、Legionella pneumophilia、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium avium、Mycobacterium intracellulare、Mycobacterium kansaii、Mycobacterium gordonae、Mycobacteriaスポロゾイト、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Listeria monocytogenes、化膿性Streptococcus(A群Streptococcus)、化膿性Streptococcus agalactiae(B群Streptococcus)、Streptococcus dysgalactia、Streptococcus faecalis、Streptococcus bovis、Streptococcus pneumoniae、病原性Campylobacterスポロゾイト、Enterococcusスポロゾイト、Haemophilus influenzae、Pseudomonas aeruginosa、Bacillus anthracis、Bacillus subtilis、Escherichia coli、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium jeikeium、Corynebacteriumスポロゾイト、Erysipelothrix rhusiopathiae、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Clostridium difficile、Enterobacter aerogenes、Klebsiella pneumoniae、Pasturella multocida、Bacteroides thetaiotamicron、Bacteroides uniformis、Bacteroides vulgatus、Fusobacterium nucleatum、Streptobacillus moniliformis、LeptospiraおよびActinomyces israelli。特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)またはバンコマイシン耐性Entercocci(VRE)による感染症を処置するのに有用である。MRSAにより、米国では年間およそ19,000人が死亡しており、これらの死亡のほとんどは、院内感染MRSA(HA−MRSA)に起因するが、実際には、市中感染MRSA(CA−MRSA)の方が病原性が高く、まだ健康な個体でも死に至ることが公知である。上記CA−MRSAの毒性(virulence)は、部分的に、フェノール可溶性モジュリンまたはPSMペプチドの発現に起因する。したがって、CA−MRSAを処置するには、本発明の化合物を、それに限定されるものではないがPSMペプチドなどの毒性因子の発現および/または活性をモジュレートする薬剤と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、Borelia burgdorferi、Treponema pallidiumおよびTreponema pertenueなどのスピロヘータを処置するのに使用することができる。
他の実施形態では、本明細書に記載の抗生物質化合物は、ウイルス障害を処置するのに有用であり得る。本発明の方法によって処置することができる感染性ウイルスの非限定的な例には、レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1(HTLV−III、LAVまたはHTLV−III/LAVとも呼ばれる)またはHIV−III;および他の分離株、例えばHIV−LP;ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カリシウイルス科(Calciviridae)(例えば、胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(Flaviridae)(例えば、デング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス);ラブドウイルス科(例えば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス);オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス);ブニヤウイルス科(Bungaviridae)(例えばハンタンウイルス、ブニヤ(bunga)ウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルス(orbiviurses)およびロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(例えば、B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(ほとんどのアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス);ポックスウイルス科(例えば、痘瘡ウイルス、ワクチニアウイルス、ポックスウイルス);ならびにイリドウイルス科(例えば、アフリカブタ熱ウイルス);ならびに未分類ウイルス(例えば、海綿状脳症の病原体、デルタ肝炎の病原体(B型肝炎ウイルスの欠損サテライトであると考えられる)、非A型、非B型肝炎の病原体(クラス1=内部伝播型、クラス2=非経口伝播型(すなわち、C型肝炎);ノーウォークおよび関連ウイルス、ならびにアストロウイルス)が挙げられる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルスおよび単純ヘルペスウイルスを処置するのに使用される。
いくつかの実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、真菌によって引き起こされる障害を処置するのに有用である。本発明の化合物によって阻害することができる真菌の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Blastomyces dermatitidis、Chlamydia trachomatis、Candida albicans、Candida tropicalis、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida dubliniensis、Candida lusitaniae、Epidermophyton floccosum、Microsporum audouinii、Microsporum canis、Microsporum canis var. distortum Microsporum cookei、Microsporum equinum、Microsporum ferrugineum、Microsporum fulvum、Microsporum gallinae、Microsporum gypseum、Microsporum nanum、Microsporum persicolor、Trichophyton ajelloi、Trichophyton concentricum、Trichophyton equinum、Trichophyton flavescens、Trichophyton gloriae、Trichophyton megnini、Trichophyton mentagrophytes var. erinacei、Trichophyton mentagrophytes var. interdigitale、Trichophyton phaseoliforme、Trichophyton rubrum、Trichophyton rubrum downy strain、Trichophyton rubrum granular strain、Trichophyton schoenleinii、Trichophyton simii、Trichophyton soudanense、Trichophyton terrestre、Trichophyton tonsurans、Trichophyton vanbreuseghemii、Trichophyton verrucosum、Trichophyton violaceum、Trichophyton yaoundei、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavusおよびAspergillus clavatusが挙げられる。
さらなる他の実施形態では、本明細書に記載の抗生物質化合物は、原生動物によって引き起こされる障害を処置するのに有用である。本発明の化合物によって阻害することができる原生動物の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、Trichomonas vaginalis、Giardia lamblia、Entamoeba histolytica、Balantidium coli、Cryptosporidium parvumおよびIsospora belli、Trypansoma cruzi、Trypanosoma gambiense、Leishmania donovaniおよびNaegleria fowleriが挙げられる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗生物質化合物は、蠕虫によって引き起こされる障害を処置するのに有用である。本発明の化合物によって阻害することができる蠕虫の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、Schistosoma mansoni、Schistosoma cercariae、Schistosoma japonicum、Schistosoma mekongi、Schistosoma hematobium、Ascaris lumbricoides、Strongyloides stercoralis、Echinococcus granulosus、Echinococcus multilocularis、Angiostrongylus cantonensis、Angiostrongylus constaricensis、Fasciolopis buski、Capillaria philippinensis、Paragonimus westermani、Ancylostoma dudodenale、Necator americanus、Trichinella spiralis、Wuchereria bancrofti、Brugia malayiおよびBrugia timori、Toxocara canis、Toxocara cati、Toxocara vitulorum、Caenorhabiditis elegansおよびAnisakis種が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗生物質化合物は、寄生生物によって引き起こされる障害を処置するのに有用である。本発明の化合物によって阻害することができる寄生生物の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、Plasmodium falciparum、Plasmodium yoelli、Hymenolepis nana、Clonorchis sinensis、Loa loa、Paragonimus westermani、Fasciola hepaticaおよびToxoplasma gondiiが挙げられる。特定の実施形態では、上記寄生生物は、マラリア原虫である。
本開示の抗生物質化合物はまた、それに限定されるものではないが、心血管疾患、心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、熱傷および糖尿病(例えば、糖尿病性足部潰瘍)における皮膚感染症を含む皮膚の感染症、耳感染症、上気道感染症、潰瘍、院内肺炎、市中肺炎、性行為感染症、尿路感染症、敗血症、毒素ショック症候群、破傷風、骨および関節の感染症、ライム病、炭疽菌胞子に曝露された被験体の処置、高コレステロール血症、炎症性障害、加齢性疾患、イオンチャネル疾患(channelopathy)、自己免疫疾患、移植片対宿主病、ならびにがんなどの他の障害の処置における使用を想定される。
特定の一実施形態では、本開示の抗生物質化合物は、炎症性疾患を処置するのに使用される。炎症性疾患の例には、それに限定されるものではないが、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、喘息、炎症性腸疾患、炎症性皮膚障害、多発性硬化症、骨粗鬆症、腱炎、アレルギー障害、宿主に対する傷害(insult)に応答した炎症、敗血症、および全身性紅斑性狼瘡が挙げられる。本発明の化合物の抗炎症活性は、例えば、Gタンパク質共役受容体のホルミルペプチド受容体(FPR)ファミリーへの上記化合物のリガンド結合能を測定することによって(Young S.M.ら、High−throughput screening with HyperCyt flow cytometry to detect small molecule formylpeptide receptor ligands、J Biomol Screen.、2005年6月;10巻(4号):374〜82頁参照)、またはリポ多糖刺激後のTHP−1細胞における炎症促進性サイトカインの分泌に対するこのような化合物の効果を測定することによって(Singhら、Development of an in vitro screening assay to test the anti−inflammatory properties of dietary supplements and pharmacologic agents、Clin. Chem.、2005年12月;51巻(12号):2252〜6頁)、評価することができる。特定の実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、結合組織および関節軟骨を破壊し、炎症関節を引き起こすコラゲナーゼなどの金属酵素を阻害する。一実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、関節リウマチを処置するのに使用される。いくつかの実施形態では、上記抗生物質化合物は、ミノサイクリンと組み合わせて(前に、同時にまたは後に、のいずれか)投与される。
別の特定の実施形態では、本開示の抗生物質化合物は、イオンチャネル疾患を処置するのに使用される。イオンチャネル疾患は、イオンチャネルサブユニットまたはこれらサブユニットを制御するタンパク質の機能撹乱によって引き起こされる疾患である。イオンチャネル疾患の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、小児期の交代性片麻痺、バーター症候群、ブルガダ症候群、先天性高インスリン症、嚢胞性線維症、発作性運動失調症、肢端紅痛症、熱性痙攣プラスを有する全身てんかん(generalized epilepsy with febrile seizures plus)、高カリウム血性周期性四肢麻痺、低カリウム血性周期性四肢麻痺、QT延長症候群、悪性高熱、片頭痛、重症筋無力症、先天性ミオトニア、ニューロミオトニア、非症候性難聴、先天性パラミオトニア、周期性四肢麻痺、網膜色素変性、ロマノ−ウォード症候群、QT短縮症候群、およびチモシー症候群が挙げられる。イオンチャネル疾患に対する本発明の化合物の効果は、例えば所望のイオンチャネル、例えば、嚢胞性線維症(CF)膜貫通コンダクタンス制御因子を利用するインビトロアッセイによってアッセイすることができる(Fulmerら(1995年)Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.、92巻(15号):6832〜6頁参照)。
さらに別の特定の実施形態では、上記抗生物質化合物は、加齢性疾患を処置するのに使用される。加齢性疾患の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、アルツハイマー病およびパーキンソン病が挙げられる。加齢性疾患を処置するための本発明の化合物の能力は、例えばNAD(+)依存性ヒストン/タンパク質脱アセチル化酵素であるサーチュインに対する上記化合物の活性をモニタするアッセイによって試験することができる(Borra(2004年)Biochem.、43巻(30号):9877〜87頁参照)。
いくつかの実施形態では、上記抗生物質化合物は、自己免疫疾患を処置するのに使用される。自己免疫疾患の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、妊娠性類天疱瘡、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症筋無力症、眼球クローヌスミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード(Ord)甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、およびウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。本発明の化合物の免疫抑制特性は、例えば混合リンパ球反応アッセイを利用することによって測定することができる(Itohら(1993年)J. Antibiot.(東京)、46巻(10号):1575〜81頁参照)。
いくつかの実施形態では、上記抗生物質化合物は、新生物またはがんを処置するのに使用される。特定の実施形態では、上記化合物は、がんまたは腫瘍細胞の増殖を阻害するのに使用される。他の特定の実施形態では、上記化合物は、がんまたは腫瘍細胞を死滅させるのに使用される。がんの例には、それに限定されるものではないが、乳がん、卵巣がん、結腸がん、前立腺がん、肝臓がん、肺がん、胃がん、食道がん、膀胱がん、黒色腫、白血病およびリンパ腫が挙げられる。本発明の化合物は、化学療法剤とともに投与することができる。化学療法剤の非限定的な例には、代謝拮抗剤、プリンまたはピリミジン類似体、アルキル化剤、架橋剤および挿入剤が挙げられる。上記化学療法剤は、本発明の化合物の投与前、投与後、または実質的にそれと同時に投与することができる。本発明の化合物の抗がん活性は、例えば、対象の上記化合物の、がん細胞および正常な(非がん性)哺乳動物細胞に対する細胞傷害性を比較する細胞傷害性アッセイを使用して決定することができ(Roomiら(2006年)Med. Oncol.、23巻(1号):105〜11頁参照)、または血管新生特性を測定することによって決定することができる(Ivanovら(2005年)Oncol. Rep.、14巻(6号):1399〜404頁参照)。
特定の実施形態では、上記抗生物質化合物を投与して、高コレステロール血症を処置する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、被験体に投与されると、該被験体に該化合物を投与する前の低密度リポタンパク質(LDL)レベルと比較して、LDLレベルを低減する。別の特定の実施形態では、本発明の化合物は、被験体に投与されると、該被験体に該化合物を投与する前の高密度リポタンパク質(HDL)レベルと比較して、HDLレベルを増大する。コレステロールを低下する本発明の化合物の活性は、例えば、3−ヒドロキシ−3メチルグルタリル−補酵素A還元酵素(HMGCR)および/またはHMGCRの下流のメバロン酸経路に関与する他の酵素に対する、対象の上記化合物の阻害能を決定することによってアッセイすることができる(Gerberら(2004年)Anal. Biochem.、329巻(1号):28〜34頁参照)。本発明の抗生物質化合物はまた、高親和性の高密度リポタンパク質(HDL)受容体であるスカベンジャー受容体クラスBタイプI(SR−BI)を上方制御する該化合物の能力を測定することによって、高密度リポタンパク質(「善玉」コレステロール)を増大する該化合物の潜在能力について評価することができる(Yangら(2007年)Biomol. Screen.、12巻(2号):211〜9頁参照)。
別の実施形態では、上記抗生物質化合物は、心血管疾患を処置するのに使用される。特定の実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患および脳卒中の合併症をもたらすChlamydia pneumoniae感染症を処置するのに使用される。一実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、心内膜炎を処置するのに使用される。
特定の実施形態では、上記抗生物質化合物は、上記の障害を処置するための補助療法として使用される。
他の実施形態では、上記抗生物質化合物は、本発明の化合物によって処置しない場合の感染体の増殖と比較して、該感染体の増殖を阻害するのに使用される。感染体の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、細菌、真菌、ウイルス、原生動物、蠕虫、寄生生物およびその組合せが挙げられる。上記抗生物質化合物は、上記感染体をインビボまたはインビトロで阻害するのに使用することができる。
4.抗生物質薬学的組成物
本開示はまた、本開示の抗生物質化合物の少なくとも1つ(またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物)、および薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物を提供する。これらの抗生物質組成物は、被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)への投与に適している。この薬学的組成物は、障害を処置するのに使用することができる。障害の非限定的な例は、上に提示されている。
任意の薬学的に許容される、当分野で公知のキャリアを使用することができる。上記薬剤を効率的に可溶化するキャリアが有用である。キャリアには、それに限定されるものではないが、固体、液体、または固体と液体の混合物が挙げられる。上記キャリアは、カプセル、錠、小球(pill)、粉末、ロゼンジ、懸濁液、乳濁液またはシロップの形態をとることができる。上記キャリアは、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、結合剤、安定剤、錠剤崩壊剤および封入材料として作用する物質を含むことができる。句「薬学的に許容される」は、本明細書では、良好な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に相応した化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
薬学的に許容されるキャリアとして働くことができる材料の非限定的な例には、以下が挙げられる。(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース、(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン、(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、(4)粉末化トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンガー溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、ならびに(21)医薬製剤で用いられる他の適合性のある非毒性の物質。
上記製剤は、好都合には単位剤形で提示することができ、薬学分野で周知の任意の方法によって調製することができる。単一剤形を生成するためにキャリア材料と組み合わせることができる活性成分の量は、中でも処置を受ける被験体、特定の投与モード、処置される特定の状態に応じて変わることになる。単一剤形を生成するためにキャリア材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般に治療効果をもたらす化合物の量である。一般にこの量は、100%のうち、活性成分が約1パーセント〜約99パーセント、約5パーセント〜約70パーセント、または約10パーセント〜約30パーセントの範囲である。
これらの製剤または組成物の調製方法は、本発明の化合物を、上記キャリアおよび必要に応じて1つまたは複数の補助成分と会合させるステップを含む。一般に、上記製剤は、本発明の抗生物質化合物を、液体キャリアまたは適時に分割される固体キャリアまたはその両方と、均一かつ十分に会合させ、次に必要な場合、その生成物を成形することによって調製される。
経口投与用の本発明の固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)では、上記活性成分は、1つまたは複数の追加の成分、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または以下の成分のいずれかと混合される:充填剤または増量剤、例えばそれに限定されるものではないが、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸;結合剤、例えばそれに限定されるものではないが、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアゴム;保湿剤、例えばそれに限定されるものではないが、グリセロール;崩壊剤、例えばそれに限定されるものではないが、寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム;溶解遅延剤、例えばそれに限定されるものではないが、パラフィン;吸収促進剤、例えばそれに限定されるものではないが、四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えばそれに限定されるものではないが、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート;吸収剤、例えばそれに限定されるものではないが、カオリンおよびベントナイト粘土;滑沢剤、例えばそれに限定されるものではないが、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物;ならびに着色剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記薬学的組成物は、緩衝剤を含むこともできる。軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤としては、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、類似のタイプの固体組成物を用いることもできる。
散剤では、上記キャリアは、微粉砕された固体であり、これは有効量の微粉砕した薬剤と混合される。散剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素などの通例の噴霧剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有することができる。
全身性経口投与用の錠剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール)、セルロース(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ガム(例えば、アラビアゴム、トラガント)などの当技術分野で公知の1つまたは複数の賦形剤を、1つまたは複数の崩壊剤(例えば、トウモロコシ、デンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えばゼラチン、コラーゲンまたはアカシアゴムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(disintegrant)(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム)、表面活性剤および/または分散剤と一緒に含むことができる。錠剤は、必要に応じて1つまたは複数の補助成分と共に圧縮または成型することによって生成され得る。
液剤、懸濁剤、乳剤またはシロップ剤では、有効量の上記抗生物質化合物を、滅菌水または有機溶媒、例えば水性プロピレングリコールなどのキャリアに溶解または懸濁させる。上記薬剤をデンプン水溶液もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液、または当技術分野で公知の適切な油に分散させることによって、他の組成物を生成することもできる。その液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、それに限定されるものではないが、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物などの、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有することができる。
経口組成物は、不活性希釈剤以外に、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、賦香剤、ならびに保存剤などのアジュバントを含むこともできる。
懸濁剤は、活性な上記化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにその混合物などの懸濁化剤を含有することができる。
直腸または膣投与のための薬学的組成物の製剤は、坐剤として提示することができ、その坐剤は、本発明の1つまたは複数の化合物を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含む1つまたは複数の適切な非刺激性の賦形剤またはキャリアと混合することによって調製することができ、その坐剤はまた、室温で固体であり、体温で液体になり、したがって上記直腸または膣腔内で融解し、上記薬剤を放出する。膣投与用に適した製剤には、当技術分野で適していることが公知のキャリアを含有する、ペッサリー製剤、タンポン製剤、クリーム製剤、ゲル製剤、ペースト製剤、発泡体製剤またはスプレー製剤も含まれる。
本発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、散剤、スプレー剤、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性な上記抗生物質化合物は、無菌条件下で薬学的に許容されるキャリアと、かつ必要な場合には任意の保存剤、緩衝剤または噴霧剤と混合することができる。
軟膏、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、活性な化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはその混合物などの賦形剤を含有することができる。
経皮パッチは、本発明の化合物を身体に制御送達するという追加の利点を有する。かかる剤形は、適切な媒体に上記薬剤を溶解または分散させることによって生成され得る。皮膚への上記薬剤流動を増大するために、吸収促進剤を使用することもできる。かかる流動の速度は、速度制御膜を提供するか、または上記抗生物質化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることによって制御することができる。
上記抗生物質化合物は、このような処置を必要としている患者に治療量で投与される。このような量は、患者の障害を処置するのに有効である。この量は、利用される上記薬剤の活性、上記障害の性質、および上記患者の健康状態に応じて変わり得る。用語「治療有効量」は、求められる治療結果を達成するのに有効な投与量での処置を指すのに使用される。さらに、上記抗生物質化合物の治療有効量は、微調整することによって、かつ/または2種以上の抗生物質化合物を投与することによって、または抗生物質化合物を第2の薬剤(例えば、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、NSAID、DMARDS、ステロイド等)と一緒に投与することによって低減または増大できることを、当業者は理解されよう。治療有効量は、例えば経験的に、相対的に少ない量で開始し、段階的に増分すると同時に有益な効果(例えば、症状の低減)を評価することによって、容易に決定することができる。実際の有効量は、当技術分野で標準的な方法を使用して、用量/応答アッセイによって確立される(Johnsonら(1993年)Diabetes、42巻:1179頁)。当業者に公知の通り、上記有効量は、上記抗生物質化合物の生体利用能、生物活性および生分解性に応じて決まる。
本開示による抗生物質化合物の治療有効量は、被験体の障害の症状を低減かつ/または阻害することができる量である。したがって、この量は、処置を受ける被験体ごとに変わる。上記抗生物質化合物の投与は、1時間ごと、毎日、毎週、毎月、毎年行うことができ、または1回だけ行うこともできる。例えば、上記抗生物質化合物の有効量は、体重1kg当たり約1μg〜約100mgを占めることができる。一実施形態では、上記化合物の有効量は、体重1kg当たり約1μg〜約50mgを占める。さらなる一実施形態では、上記化合物の有効量は、体重1kg当たり約10μg〜約10mgを占める。1つまたは複数の抗生物質化合物または薬剤は、キャリアと組み合わされる場合には、約1重量パーセント〜約99重量パーセントの量で存在することができ、その残りは薬学的に許容されるキャリアから構成される。
本開示はまた、少なくとも1つの本発明の抗生物質化合物を含むキットを提供する。上記キットは、少なくとも1つの容器を含有することができ、これらの材料の使用を指導する指示を含むこともできる。別の実施形態では、キットは、問題の障害を処置するために使用される薬剤を、被験体が炎症性疾患を有しているかどうかを決定するために存在し得る上記の材料と共に、またはそれなしに含むことができる。
5.医薬製剤の投与
本明細書に記載の本発明の抗生物質化合物を含む本開示の抗生物質製剤の投与方法は、当技術分野で周知のいくつかの方法のいずれかによって行うことができる。これらの方法には、局所投与または全身投与が含まれる。例示的な投与経路には、経口、非経口、経皮、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内(例えば、ネブライザー、吸入器、エアロゾルディスペンサ)、結腸直腸、直腸、膣内、およびその任意の組合せが挙げられる。さらに、中枢神経系には、脳室内および髄腔内注入を含む任意の適切な経路によって、本発明の薬学的組成物を導入することが望ましい場合がある。脳室内注入は、例えばOmmayaリザーバーなどのリザーバーに取り付けた脳室内カテーテルによって容易になる場合がある。導入方法は、再充填可能なまたは生分解性デバイス、例えばデポーによって提供することもできる。さらに投与は、デバイス、移植片、ステントまたは人工器官をコーティングすることによって行うこともできる。本発明の化合物はまた、カテーテルが体内に挿入される任意の状況で、カテーテルをコーティングするのに使用することができる。
別の実施形態では、対象の上記抗生物質化合物は、他の薬剤との併用療法の一部として投与することができる。併用療法とは、既に投与した治療化合物が体内でまだ有効である間に第2の化合物が投与されるように、2種以上の異なる治療用化合物を組み合わせる任意の投与形態を指す(例えば、2種の化合物が、患者において同時に有効であると、そこには、上記2種の化合物の相乗効果が含む場合がある)。例えば、異なる治療用化合物を、同じ製剤または別個の製剤のいずれかにより、同時または逐次的に投与することができる。したがって、このような処置を受ける個体は、異なる治療用化合物の複合(共同)効果を有することができる。
例えば、抗生物質化合物は、他の公知の抗生物質と併用することができる。本発明の抗生物質化合物は、逐次的に、または実質的に同時に投与することができる。薬物に対する耐性を生じる上記病原体の能力を低減するのに、抗生物質を変更することは有益であり得る。抗生物質の非限定的な例には、ペニシリン(例えば、天然ペニシリン、ペニシリナーゼ耐性ペニシリン、抗シュードモナスペニシリン、アミノペニシリン)、テトラサイクリン、マイクロライド(例えば、エリスロマイシン)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン)、ストレプトグラミン(例えば、Synercid)、アミノグリコシド、およびスルホンアミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、それに限定されるものではないが、フェノール可溶性モジュリンなどの毒性因子を標的にする化合物と併用して使用される。いくつかの実施形態では、本発明の抗生物質化合物は、上記病原体の排出ポンプを標的にする化合物と併用して使用される。
他の実施形態では、例えば炎症状態の場合、対象の上記抗生物質化合物は、炎症性疾患または状態の処置に有用な1つまたは複数の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。炎症性疾患または状態の処置に有用な薬剤には、それに限定されるものではないが、抗炎症剤または消炎剤が挙げられる。消炎剤には、例えば、グルココルチコイド、例えばコルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルオコルトロン(fluorcortolone)、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニリデン、パラメタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、フルプレドニリデン、デスオキシメタゾン、フルオシノロン、フルメタゾン(flunethasone)、ジフルコルトロン、クロコルトロン、クロベタゾールおよびフルオコルチンブチルエステル;免疫抑制剤、例えば抗TNF剤(例えば、エタネルセプト、インフリキシマブ)およびIL−1阻害剤;ペニシラミン;抗炎症薬、鎮痛剤および解熱薬を包含する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えばサリチル(salicyclic)酸、セレコキシブ、ジフルニサル(difunisal)および置換フェニル酢酸塩または2−フェニルプロピオン酸塩由来のもの、例えばアルクロフェナク、イブフェナク(ibutenac)、イブプロフェン、クリダナク(clindanac)、フェンクロラック、ケトプロフェン、フェノプロフェン、インドプロフェン、フェンクロフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ピルプロフェン(piprofen)、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、カルプロフェンおよびシクロプロフェン;オキシカム(oxican)誘導体、例えばピロキシカム(piroxican);アントラニル酸誘導体、例えばメフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸およびメクロフェナム酸、アニリノ置換ニコチン酸誘導体、例えばフェナム酸系、ニフルミン酸(miflumic acid)、クロニキシンおよびフルニキシン;ヘテロアリール酢酸(ここで、ヘテロアリールは、2−インドール−3−イルまたはピロール−2−イル基である)、例えばインドメタシン、オキサメタシン(oxmetacin)、イントラゾール、アセメタシン(acemetazin)、シンメタシン、ゾメピラック、トルメチン、クロピラク(colpirac)およびチアプロフェン酸;スリンダクタイプのインデニル酢酸(idenylacetic acid);鎮痛活性のあるヘテロアリールオキシ酢酸、例えばベンダザック(benzadac);フェニルブタゾン;エトドラク;ナブメトン(nabunetone);ならびに疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、例えばメトトレキサート、金塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、シクロスポリン、アザチオプリンおよびレフルノミドが挙げられる。炎症性疾患または状態の処置に有用な他の治療剤には、抗酸化剤が挙げられる。抗酸化剤は、天然であっても合成であってもよい。抗酸化剤は、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、21−アミノステロイド/アミノクロマン、ビタミンCまたはE等である。多くの他の抗酸化剤も、当業者に周知である。対象の上記化合物は、多くの異なる抗炎症剤を組み合わせることができる、炎症状態のための処置レジメンの一部として働くことができる。例えば、上記抗生物質化合物は、NSAID、DMARDまたは免疫抑制剤の1つまたは複数と組み合わせて投与することができる。その適用の一実施形態では、対象の上記化合物は、メトトレキサートと組み合わせて投与することができる。別の実施形態では、対象の抗体は、TNF−α阻害剤と組み合わせて投与することができる。
心血管疾患状態、特に実質的な炎症性成分を有すると考えられるアテローム性動脈硬化プラークから生じる状態の場合、対象の上記化合物は、心血管疾患の処置に有用な1つまたは複数の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。心血管疾患の処置に有用な薬剤には、それに限定されるものではないが、β−遮断薬、例えばカルベジロール、メトプロロール、ブシンドロール、ビソプロロール、アテノロール、プロプラノロール、ナドロール、チモロール、ピンドロールおよびラベタロール;抗血小板薬、例えばアスピリンおよびチクロピジン;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばカプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ベナゼプリル(benazopril)、ホシノプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリルおよびモエキシプリル;ならびに脂質低下剤、例えばメバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチンが含まれる。
がんの場合には、対象の上記抗生物質化合物は、1つまたは複数の抗血管新生因子、化学療法剤と組み合わせて投与することができ、または放射線療法のアジュバントとして投与することもできる。さらに、対象の上記化合物の投与は、多くの異なるがん治療剤を組み合わせることができるがん処置レジメンの一部として働くことも想定される。
ここで、本発明を例示する具体的な実施例を参照する。これらの実施例は、有用な実施形態を例示するために提供されるものであり、本発明の範囲は実施例によって制限されないことを理解されたい。
(実施例1)
NOVO10−S1/S2の調製方法
Gloucester、MA近くにある地域から、一定分量の陸成土壌を収集した。体積10mlのSMSブロス(0.01%カゼイン、0.01%バレイショデンプン0.5g/L、0.1%カザミノ酸、0.2%グリセロール、酵母抽出物100mg/L、400μM硫酸マグネシウム、20μM塩化カルシウム、1mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)を、利用する土壌1グラムごとに添加した。抗生物質(最終濃度50μg/mlのセフォタキシム、イミペネムおよびトブラマイシン)を、上記土壌の懸濁物10mlに添加し、穏やかに撹拌しながら室温で16時間インキュベートし、その後、該土壌の懸濁物1mlを、滅菌水9mlと混合した。体積100μlの一定分量のこの希釈物を、抗真菌剤(シクロヘキシミド100μg/ml、ニスタチン50μg/ml)を補充した1%SMS寒天(0.01%カゼイン、0.01%バレイショデンプン0.5g/L、0.1%カザミノ酸、1%bacto寒天)3mlに添加し、拡散チャンバに速やかに注いだ。
上記拡散チャンバは、0.03ミクロン孔径のポリカーボネート膜で片側を封止した鋼ワッシャーからなっていた(米国特許第7,011,957号参照)。寒天が凝固したら、該チャンバのオープンフェイスを、別の0.03ミクロン孔径のポリカーボネート膜で封止し、湿潤SRC000135土壌の最上部に該チャンバを置いて、そのチャンバの内容物と上記土壌が良好に接触するようにした。28日間インキュベーションした後、表面膜(上記土壌から離れた側)を剥がし、上記チャンバの内容物を無菌ペトリ皿に移した。コロニーを無菌28ゲージワイヤーで穿刺することによって、目に見えるそれぞれのコロニーを採取し、2%SMS寒天(無菌の10cmペトリ皿に2%SMS寒天10mlを入れた)の表面上に画線した。数個のコロニーを、このようにして採取した。1〜2週間かけて寒天表面上で増殖させた後、無菌2%SMS寒天皿上に画線することによって、コロニーをさらに精製した(必要な場合)。
NOVO10−S1/S2の産生株であるP0651は、上記拡散チャンバから直接採取したこれらのコロニーの1つであった。P0651のコロニーが、解剖顕微鏡下での視覚的試験によって純粋であることがわかったら、約10個の増殖細胞を、ビーズ(酸で洗浄したガラスビーズ、10ミクロン未満)の存在下でボルテックスすることによって破壊し、その上清1μlをPCRの鋳型として使用した。ユニバーサルプライマーBac8F(5’−AGR GTT TGA TCC TGG CTC AG−3’(配列番号:1))、および1492R(5’−TAC GGY TAC CTT GTT ACG ACT T−3’(配列番号:2))を使用して、16SrDNA領域を増幅させた。プライマー782R(5’−ACC AGG GTA TCT AAT CCT GT−3’(配列番号:3))を使用してPCR生成物を配列決定することに成功した。GenBankデータベースに対する最高のブラストヒットは、Oerskovia paurometabolaに対する100%であった。
P0651の発酵のための手順を、下記の通り実施した。P0651をシードブロス培地(溶液1L当たりグルコース(無水)15g、粒状麦芽抽出物10g、デンプン10g、粒状酵母抽出物2.5g、カザミノ酸5g、OmniPur(EMD)、CaCOチップ10g)に接種した。250mlのフラスコ1個当たりSB20mlを使用する。平底フラスコ/ビーカーに、水道水(tap water)を900mlの印まで充填する。CaCOマーブルチップ以外のすべての成分を添加し、継続的に混合しながら総体積を1Lにする。その溶液を混合しながら、250mlのフラスコ1個当たり20mlに分配する。CaCOのマーブルチップを、250mlの各フラスコに添加して撹拌の一助にし、SBのpHを緩衝化する。
このシード培地中、28℃および200rpmで上記株を4日間増殖させた後、次にこの細胞溶液5mlを、2000mlのバッフル付きエルレンマイヤーフラスコ中、産生培地(体積1L当たりグルコース20g、無水、有機大豆粉(Whole Foods)10g、pharmamedia10g、(NHSO1g、CaCO10g、グリセロール20g)500mlに接種した。P0651を28℃および200rpmで6日間かけて好気的に発酵させた後、NOVO10−S1/S2が産生された。
NOVO10−S1/S2を、以下の通り上記細菌から単離した。粗発酵ブロスを、10,000rpmで遠心分離機にかけ、その上清を廃棄した。ペレットをアセトンで抽出し、その抽出物を減圧下で蒸発させると、褐色残渣が残った。この残渣をDMSO中で再構成させ、H2O/ACN/0.1%TFAを用いる分取RP−HPLCシステムで分離した。NOVO10−S1/S2を含有する画分を、H2)/ACN/0.1%TFAを用いる2回の半分取RP−HPLCでさらに精製した。NOVO10−S1/S2を含有するこれらの画分を凍結乾燥させて、純粋物質の白色粉末を得た。
(実施例2)
NOVO10−S1/S2の構造決定
NOVO10−S1/S2の構造を、H、13C、COSY、DEPT−135、HSQCおよびHMBC実験を含むNMR実験を使用して決定した。
すべてのNMRスペクトルを、5mmのQNPプローブを備えたBruker−DRX−500分光計で得た。高分解能ESI−LC−MSデータを、Phenomenex Gemini−C18逆相カラム(50×2.0mm、粒径3μm)を使用する、Agilent 1100溶媒送達系を備えたMicroMass Q−Tof−2分光計およびDADで記録した。0.1%ギ酸を含む脱イオン水および0.1%ギ酸を含むアセトニトリルをそれぞれ溶媒AおよびBとして用い、流速0.2ml/分での直線勾配により、溶出を実施した。上記勾配を、20分かけて10%から100%の溶媒Bまで増大し、その後8分間、均一溶媒による溶出を100%溶媒Bで実施した。
NOVO10−S1/S2の式は、[MH]付加物520.1572(算出値520.1581)に基づいてC2421と決定された。構造情報に基づくと、上記抗生物質化合物の最終的な化学構造は、NOVO10−S1またはNOVO10−S2のいずれかである(図1Cおよび1D参照)。
(実施例3)
NOVO10−S1/S2の抗菌活性
異なる濃度のNOVO10−S1/S2がB.subtilis細菌細胞の増殖を阻害する能力を測定することによって、抗菌活性を実証した。これを、最初に固体寒天フォーマットで達成した。
固体寒天フォーマットでは、細胞を、最初に指数期まで(OD600<1.0)Mueller Hintonブロス(MHB)で増殖させた。次に、その細胞をMHB中OD600=0.02まで希釈して戻し、MHB寒天のプレート表面上に薄層として均一に塗布した(表面積100cm上に約0.1ml)。上記表面を乾燥させた後、一定分量5μlのNOVO10−S1/S2の一連の2倍連続希釈物(50%DMSO中)を、その寒天プレート表面上にスポットした。24時間インキュベーションした後、増殖阻害域の直径を測定した。
増殖細菌の菌叢上にスポットした一定分量5μlによって、増殖しなくなった観察可能な帯域が生じたNOVO10−S1/S2の最小濃度は、0.60μg/mlのNOVO10−S1/S2であった。これらの結果は、NOVO10−S1/S2が抗菌活性を有することを実証している。
(実施例4)
NOVO10−S1/S2細胞傷害性の決定
哺乳動物の細胞傷害性アッセイを、NIH3T3マウス胚線維芽細胞(ATCC CRL−1658)を使用して実施し、CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega、Madison、WI、Cat:G3582)を、製造者の推奨に従って使用して、細胞傷害性を測定した。
NOVO10−S1/S2のDMSO中での2倍連続希釈から100×使用原液を、96ウェルフォーマットで作製した。NIH/3T3マウス胚線維芽細胞の指数関数的に増殖する集団を、トリプシン処理して単一細胞懸濁物にし、無菌96ウェル平底プレートのウェルに100μl当たり細胞3,000個で播種した。37℃で空気中5%COに24時間置いた後、上清を除去し、プレートのすべてのウェルに対し、37℃で空気中5%COにおいてプレインキュベートした増殖培地(10%仔ウシ血清(ATCC(登録商標)Cat:30−2030)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(ATCC(登録商標)、Manassas、VA、Cat:30−2002))99μlで置き換えた。次に、16μg/mlから0.0001μg/mlまでの2倍連続希釈系列でNOVO10−S1/S2を添加した。DMSO対照も含まれていた。最高濃度(16μg/ml)の上記化合物単独からなる第2の対照も試験して、化合物単独が、最終的な測定シグナルに寄与しないことを確認した。そのプレートを、24時間シグナルのために37℃において空気中5%COでインキュベートした。
上記プレートを、解剖顕微鏡下で視覚的に検査し、Spectramax Plus分光光度計を使用して、490nmにおける吸光度を読み取った。化合物単独のシグナルは、この波長では吸光度に寄与しないことを確認した。次に、CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega、Madison、WI、Cat:G3582)20μlを各ウェルに添加し、そのプレートを3時間インキュベーションした後に読み取った。哺乳動物の細胞傷害性に対するNOVO10の効果を算出するために、NOVO10を含むウェルからのシグナル強度を、細胞だけを含有する対照からの平均したシグナルで割った。
NIH3T3細胞に対して、NOVO10−S1/S2のTC50または対照シグナルのわずか50%が存在するNOVO10−S1/S2の濃度は、0.0001μg/mlであった。
(実施例5)
Bacillus subtilisおよびEscherichia coliに対するNOVO10−S1/S2のMICの決定
試験株B.subtilis 1A1およびE.coliを、指数期(OD600<1.0)までMueller Hintonブロス(MHB)中で増殖させた。NOVO10−S1/S2の原液を、DMSO中10mg/mlで調製した。この原液を使用して、16μg/mlから0.0001μg/ml(最終濃度)まで、合計18の2倍連続希釈系列を作製した。DMSO対照も含まれていた。最高濃度の化合物単独からなる第2の対照も含まれていた。指数関数的に増殖する細菌細胞を、培地中OD600が0.001になるまで希釈した。バンコマイシン、エリスロマイシンおよびカナマイシンが、対照として含まれていた。そのプレートを、37℃で20時間インキュベートした。インキュベーション後、上記プレートを解剖顕微鏡によって視覚的に検査し、次にMolecular Devices SpectraMax Plusプレートリーダーを使用して600nmで読み取った。
細胞増殖が全くないNOVO10−S1/S2の最低濃度は、NOVO10−S1/S2の最小阻害濃度(MIC)となる。そのMICは、Mueller Hintonブロス(MHB)の存在下、または10%ウシ胎仔血清(FCS)を補充したMHBを用いた、様々な細菌試験株に対するNOVO10−S1/S2のMICである。
表1に示した結果は、NOVO10−S1/S2が、B.subtilisに対して抗菌活性を示したことを実証している。この化合物は、10%FCSの存在下でもE.coliに対して活性を示したが、このことは、該化合物のいくらかが、プラスチックウェルの側面に吸着され得ることを示唆している。
(実施例6)
MRSAおよびVREに対するNOVO10−S1/S2のMICの決定
MRSA(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)およびVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などの細菌細胞を、指数期(OD600<1.0)までMueller Hintonブロス(MHB)中で増殖させる。NOVO10−S1/S2のDMSO中での2倍連続希釈から100×使用原液を、96ウェルフォーマットで作製する。ウェルA02のDMSO0.68μlごとに対してNOVO10−S1/S2原液(10mg/ml)0.32μlを添加することによって、最高濃度の100×濃縮物(作業原液)を調製する。この100×原液0.5μlを、ウェルA03のDMSO0.5μlごとに対して添加して、1600μg/mlから0.025μg/mlまで(最高濃度のウェルA02からA09まで、次にB02から最低濃度のウェルB10まで)、合計18の2倍連続希釈系列を作製する。DMSO対照も含まれる(列1および12のウェル)。最高濃度(1600μg/ml)の化合物単独からなる第2の対照も、ウェルA11に設定する。指数関数的に増殖する細菌細胞を、上記試験細菌に適した培地(例えば、Staphylococcus aureusにはMueller Hintonブロス)中、OD600が0.001になるまで希釈する。プラスチック表面への上記化合物の潜在的な結合性を低減するために、ウシ血清アルブミン(Sigma A3059)などの補充物を上記増殖培地に添加することができる。
この希釈物99μlを、列11および12のウェル(培地99μlだけを有する)を除く細胞アッセイプレート(U底96ウェルプレート)のすべてのウェルに添加する。NOVO10−S1/S2の100×作業原液1μlを、上記細胞アッセイプレートに添加する。このようにして、例えば、ウェルA02中1600μg/mlのNOVO10−S1/S2 1μlは、最終体積100μlに添加すると16μg/mlのNOVO10−S1/S2に等しく、一方、次の最高濃度のもの1μlは、最終体積100μlに添加すると1ml当たり8μgの化合物に等しくなるなどである。ウェルA01、B01は、細胞を有するがNOVO10−S1/S2を有していない。ウェルA11は、16μg/mlのNOVO10−S1/S2を有するが細胞を有していない。一方、ウェルA12およびB12は培地を有するが、細胞を含まず、かつNOVO10−S1/S2を含まない。バンコマイシン、エリスロマイシンおよびカナマイシンなどの対照も、同様に取り扱う。化合物を添加した細胞アッセイプレートを、MRSAのために37℃で20時間インキュベートする。インキュベーション後、空試験のためにウェルA12、B12を使用して、上記プレートを解剖顕微鏡によって視覚的に検査し、次にMolecular Devices SpectraMax Plusプレートリーダーを使用して600nmで読み取る。
NOVO10−S1/S2の細胞増殖が全くないNOVO10−S1/S2の最低濃度を、Mueller Hintonブロス(MHB)の存在下で、または0.05%BSAを補充したMHBを用いて、様々な細菌試験株に対して算出する。このMICデータにより、NOVO10−S1/S2がグラム陽性菌に対して抗菌活性を示すことがわかると予測される。
(実施例7)
マウスにおけるNOVO10−S1/S2の急性毒性評価
単回用量による急性毒性実験を、雌性CD−1マウスで実施する。上記動物を3日間順応させ、7週齢で実験を開始する。マウスの体重は16g〜24gの範囲であった。
わずかに水溶性である化合物については、一般に皮下(SC)送達を使用して、懸濁物の形態でより高い用量を投与する。マウスにおいて、IV送達およびSC送達の両方によってNOVO10の急性毒性を試験する。
最大耐量を決定するために、3匹のマウスの1群に、合計4.9mg/kgのNOVO10−S1/S2(食塩水中10%DMSO)を2時間あけて投与し、2つの別個のIV用量として送達する。さらに、別の3匹のマウスには、0.5%メチルセルロース(methylocellulose)中合計150mg/kgのNOVO10−S1/S2を2時間あけて皮下投与し、各50mg/kgの3つの用量として送達する。次に、マウスを2日間経過観察する。
均等論
当業者は、通常の実験方法と同様の実験方法を使用して、本明細書に具体的に記載した特定の実施形態の数々の均等物を認識し、確認することができる。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
JP2017090681A 2011-05-26 2017-04-28 新規な抗生物質 Pending JP2017128611A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161490349P 2011-05-26 2011-05-26
US61/490,349 2011-05-26

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014512106A Division JP2014516048A (ja) 2011-05-26 2012-05-24 新規な抗生物質

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017128611A true JP2017128611A (ja) 2017-07-27

Family

ID=47217740

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014512106A Withdrawn JP2014516048A (ja) 2011-05-26 2012-05-24 新規な抗生物質
JP2017090681A Pending JP2017128611A (ja) 2011-05-26 2017-04-28 新規な抗生物質

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014512106A Withdrawn JP2014516048A (ja) 2011-05-26 2012-05-24 新規な抗生物質

Country Status (9)

Country Link
US (2) US20120302613A1 (ja)
EP (1) EP2713728A4 (ja)
JP (2) JP2014516048A (ja)
CN (1) CN103717066A (ja)
BR (1) BR112013029927A2 (ja)
CA (1) CA2835648A1 (ja)
CL (1) CL2013003322A1 (ja)
MX (1) MX2013013863A (ja)
WO (1) WO2012162512A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016114958A1 (de) 2016-08-11 2018-02-15 B. Braun Avitum Ag Peristaltikpumpe mit modularem Gehäuse
CN113881618B (zh) * 2021-10-25 2023-10-03 长江大学 一种分泌乳酪蛋白的重组枯草芽孢杆菌及其构建方法和应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2368026A1 (en) * 1999-03-22 2000-09-28 Bi-Huang Hu Oxazole and thiazole combinatorial libraries
GB0314726D0 (en) * 2003-06-24 2003-07-30 Inst Biomar Sa New cytotoxic depsipeptides
US9365622B2 (en) * 2006-03-01 2016-06-14 University Of Utah Research Foundation Methods and compositions related to cyclic peptide synthesis
CA2665818A1 (en) * 2006-04-25 2007-11-08 Rutgers, The State University Of New Jersey Therapeutic compounds
MX2010001304A (es) * 2007-08-02 2010-09-07 Univ Rutgers Compuestos terapeuticos.

Also Published As

Publication number Publication date
MX2013013863A (es) 2014-01-20
EP2713728A4 (en) 2014-10-29
JP2014516048A (ja) 2014-07-07
CN103717066A (zh) 2014-04-09
BR112013029927A2 (pt) 2016-11-29
WO2012162512A1 (en) 2012-11-29
CA2835648A1 (en) 2012-11-29
CL2013003322A1 (es) 2014-10-10
US20160311835A1 (en) 2016-10-27
US20120302613A1 (en) 2012-11-29
EP2713728A1 (en) 2014-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6335185B2 (ja) 新規デプシペプチドおよびその使用
US20110136752A1 (en) Novel antibiotics
JP5661100B2 (ja) リファマイシン誘導体
JP7194115B2 (ja) 新規なデプシペプチドおよびその使用
JP2017128611A (ja) 新規な抗生物質
US7098186B2 (en) Depsipeptide compound
EP2010202B1 (en) Antibacterial compounds
US8097709B2 (en) Macrolactam compounds
US20090149395A1 (en) Novel macrocyclic polyene lactams
AU2012258684A1 (en) Novel antibiotics
WO2009085359A2 (en) Citreamicin antibiotic isolated from nocardia
JP2024522985A (ja) 環状ペプチド抗生物質
JP4833461B2 (ja) 新規血管新生阻害剤
WO2009085360A2 (en) Citreamicin antibiotic with a sugar residue
NZ571636A (en) Novel antibacterial compounds comprising multiple thiazole rings isolated from Kocuria

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180404

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180703