JP2017128516A - 心臓疾患診断剤、心臓疾患診断用組合せ医薬及び心臓疾患診断用キット - Google Patents
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Abstract
【課題】放射性テクネチウム錯体による心臓描出能を早期に向上させる技術を提供する。
【解決手段】フロプロピオンと併用投与して用いられ、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】フロプロピオンと併用投与して用いられ、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、心臓疾患診断剤、心臓疾患診断用組合せ医薬及び心臓疾患診断用キットに関する。
核医学検査は、放射性同位元素で標識された薬剤を投与し、該薬剤から放出されたγ線を検出することによる診断方法である。核医学検査のうち目的とした臓器などへの放射能分布を3次元的に捉え、断層画像として表現する断層法として、単一光子放射断層撮影法(SPECT)と陽電子放射断層撮影法(PET)が知られている。SPECT検査では1方向の放射線を放出する放射性核種(例えば、99mTc、123I、201Tlなど)を用いるのに対し、PET検査では、ポジトロンを放出し、このポジトロンが消滅する際に2方向の放射線を同時に正反対の方向に放出する放射性核種(例えば、11C、18Fなど)が用いられる。
心臓核医学検査は、心筋血流イメージングが主たるものであるが、そのほかにも代謝、交感神経系、心機能、心筋障害、炎症等を評価できる放射性医薬品が知られている。
心筋血流イメージング剤としては、201Tc−塩化タリウムや、99mTc−MIBI(ヘキサキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム)、99mTc−テトロホスミンテクネチウムなどが挙げられる。99mTc心筋血流製剤は、201Tc−塩化タリウムに比べ物理学的半減期が短く低被曝のため大量投与が可能であり、またγカメラによる検出に適したエネルギーであるなどの理由により多用されている。
しかしながら、99mTc心筋血流製剤は、主に肝胆経路である肝胆道系へ集積する。それが目的部位である心臓に近いため、SPECT再構成画像にアーチファクトを生じ、画質を劣化させるため診断能低下の要因となる。これら改善策のため、牛乳摂取による前処置による胆汁排泄や撮像体位を検討すること等により、画質改善を図る報告(非特許文献1)などがある。
久野晴丘ら、日本放射線技術学会雑誌、第56巻、第8号、1044−1051
前述のとおり、99mTc心筋血流製剤は、肝胆道系に集積があり、これが撮影画像の画質の低下を招く。非特許文献1のような種々な改善策が検討されるものの、画質低下を改善できる有効手段は未だ見つかっていない。このため、99mTc心筋血流製剤を用いた心臓核医学検査では、投与後、放射能が肝胆道系から排泄されるまで一定時間を置いた後、ガンマカメラ(シンチグラフィーカメラ)による撮像を行うことが一般的になっている。
しかしながら、投与後撮像までに待機時間があることは、患者にとって負担であり、診断効率にも影響するなど、臨床現場において問題となっている。
99mTc心筋血流製剤の肝胆道系への集積は、有効成分であるテクネチウム錯体の分子サイズの大きさに起因するものであると考えられる。また、99mTc心筋血流製剤は、脂溶性の高いカチオンで、タンパクに結合しやすく、細胞内にも蓄積しやすいため、こうした99mTc心筋血流製剤の性質も肝胆道系に集積する要因の一つと考えられる。したがって、上記の待機時間の課題は、99mTc心筋血流製剤に限らず、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤に共通して生ずるものである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、放射性テクネチウム錯体による心臓描出能を早期に向上させる技術を提供するものである。
本発明の一態様は、フロプロピオンと併用投与して用いられ、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤である。
また、本発明の他の態様は、フロプロピオンと、放射性テクネチウム錯体とを含む、心臓疾患診断用組合せ医薬である。
さらに、本発明の他の態様は、フロプロピオンと、放射性テクネチウムと錯形成するためのキレート剤とを含む、心臓疾患診断用キットである。
本発明によれば、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤において、肝胆道系からの放射能排泄を促進できるため、放射性テクネチウム錯体による心臓描出能を早期に向上させることができる。
フロプロピオン(Flopropione)は、膵胆道・尿路系鎮痙剤であり、「コスパノン」の商品名でエーザイ株式会社から販売されている。
本発明において「放射性テクネチウム錯体」とは、心臓核医学検査に用いられるものであれば限定されず、放射性テクネチウムとキレート剤とを作用させて錯形成したものが用いられるが、例えば、放射性テトロホスミンテクネチウム又は放射性ヘキサキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウムが挙げられる。
放射性テクネチウムとしては、好ましくは、94mTc(半減期53分)や99mTc(半減期6時間)が用いられる。94mTcは、半減期53分のポジトロン放出核種であり、94Mo(p,n)反応によりサイクロトロンで製造することができる。また、99mTcは99Mo/99mTcジェネレータを用いて、99Moより得ることができる。
放射性テトロホスミンテクネチウムは、例えば、放射性過テクネチウム酸ナトリウムに対し、第一スズイオン(Sn(II))などの生体適合性還元剤存在下に、キレート剤としてテトロホスミンを作用させることで得ることができる。99mTcで標識されたテトロホスミンテクネチウム(99mTc−テトロホスミンテクネチウム)は、「マイオビュー」の商品名で日本メジフィジックス株式会社から販売されている。
放射性ヘキサキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウムは、例えば、放射性過テクネチウム酸ナトリウムに対し、第一スズイオン(Sn(II))などの生体適合性還元剤存在下に、キレート剤としてテトラキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)銅(I)四フッ化ホウ酸を作用させることで得ることができる。99mTcで標識されたヘキサキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc−MIBI)は、「カーディオライト第一」の商品名で富士フイルムRIファーマ株式会社から販売されている。
本発明の心臓疾患診断剤は、心筋血流診断剤であってもよい。
また、本発明は、フロプロピオンと、放射性テクネチウム錯体とを含む、組合せ医薬であってもよい。この組合せ医薬は、心臓疾患診断用であるが、好ましくは心筋血流診断に用いられる。
また、本発明は、フロプロピオンと、放射性テクネチウムと錯形成するためのキレート剤とを含むキットであってもよい。このキットは、キレート剤に放射性過テクネチウム酸ナトリウムを作用させることで、上述した本発明の一態様である心臓疾患診断剤を得ることができる。かかるキットは、還元剤として更に生体適合性還元剤(例えば、第一スズイオン(Sn(II)))を備えていてもよい。キレート剤としては、テトロホスミンやテトラキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)銅(I)四フッ化ホウ酸を例示することができる。
本発明の心臓疾患診断剤、組合せ医薬、及び、キットは、システインやアスコルビン酸などの放射線防護剤、酢酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、酒石酸塩、ホスホン酸塩、安息香酸塩、フェノレート又はEDTAなどの弱キレート剤、マンニトール、イノシトール、炭酸水素ナトリウム又は塩化ナトリウムなどの増量剤、その他、安定剤、pH調整剤、緩衝剤、可溶化剤など一般的な医薬品に用いられる種々の添加剤を更に含んでいても良い。
本発明において「併用投与」とは、放射性テクネチウム錯体とフロプロピオンとが生体内に共存するように投与することを意味するものであり、放射性テクネチウム錯体の投与前にフロプロピオンを投与すること、放射性テクネチウム錯体と同時にフロプロピオンを投与すること、放射性テクネチウム錯体の投与後にフロプロピオンを投与することを含むものである。本発明における併用投与の好ましい態様として、フロプロピオンの投与後、最高血漿中濃度に到達する前に放射性テクネチウム錯体が投与することが挙げられる。また、放射性テクネチウム錯体及びフロプロピオンの投与形態は、いずれも限定されるものではないが、一例として、放射性テクネチウム錯体を注射液として投与し、フロプロピオンを経口投与する態様が挙げられる。また、本発明において、心臓疾患診断剤及びフロプロピオンの投与量は、それぞれを単剤で投与する場合の量とすればよい。
以上説明した本発明の心臓疾患診断剤、組合せ医薬、及び、キットによれば、フロプロピオンにより肝胆道系からの放射能排泄を促進できるため、従来よりも心臓描出能を早期に向上させることができる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
使用した放射性医薬品として99mTc−テトロホスミンテクネチウム(99mTc−TF)はマイオビュー( 登録商標)「注射用」(日本メジフィジックス社製)を用いた。標識方法は添付マニュアルに記載されている方法に従い行った。99mTc−TFの標識は、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液370MBq(2mL)を加えて静かに振とうした後、常温で15分間放置した。また、純度検定は添付マニュアルに記載されている方法に従って、薄層クロマトグラフ用逆相シリカゲル板(Silica Gel RP-18 F254s TLC Plate、メルク社)用いて薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/アセトン混液(13:7))を行い、純度が95%以上であることを確認して以下の実験を行った。
(実施例1)フロプロピオン併用投与による99mTc−TFの体内分布評価
日本SLCより購入したddYマウス(オス、6週齢)を各群3匹ずつ用いた。フロプロピオン(東京化成、以下同じ)を生理食塩水に4mg/15mLで溶解し、マウス用ディスポーザブル経口ゾンデ(フチガミ器械、以下同じ)を用いて経口投与し、その直後に99mTc−TF(150kBq、100μL)を尾静脈注射した。また、コントロールとして用いるマウスには、フロプロピオンに代えて生理食塩水(150μL)を経口投与した。一定時間(10、20、30、60、120分)後に、エーテル麻酔下にて心臓から200μL採血し、心臓、肝臓、小腸を摘出し、重量測定した。オートウェルγカウンタ(AccuFLEXγ7000、アロカ、以下同じ)血液および各臓器の放射能を計測し、重量集積率を算出して、心臓、肝臓、小腸それぞれにおける重量集積率及び肝臓/心臓の重量集積率比を評価した。統計解析に関して、Student’s t-testを用いて行った。また、コントロールに対する有意差の判定はP<0.05又はP<0.01とした。
日本SLCより購入したddYマウス(オス、6週齢)を各群3匹ずつ用いた。フロプロピオン(東京化成、以下同じ)を生理食塩水に4mg/15mLで溶解し、マウス用ディスポーザブル経口ゾンデ(フチガミ器械、以下同じ)を用いて経口投与し、その直後に99mTc−TF(150kBq、100μL)を尾静脈注射した。また、コントロールとして用いるマウスには、フロプロピオンに代えて生理食塩水(150μL)を経口投与した。一定時間(10、20、30、60、120分)後に、エーテル麻酔下にて心臓から200μL採血し、心臓、肝臓、小腸を摘出し、重量測定した。オートウェルγカウンタ(AccuFLEXγ7000、アロカ、以下同じ)血液および各臓器の放射能を計測し、重量集積率を算出して、心臓、肝臓、小腸それぞれにおける重量集積率及び肝臓/心臓の重量集積率比を評価した。統計解析に関して、Student’s t-testを用いて行った。また、コントロールに対する有意差の判定はP<0.05又はP<0.01とした。
図1に心臓、肝臓、小腸における重量集積率(%ID/g)を示す。図1aが心臓における重量集積率を示し、図1bが肝臓における重量集積率を示し、図1cが小腸における重量集積率を示す。図1中、**がP<0.01であり、*がP<0.05を示す。図1bで示すように、フロプロピオンの併用投与により、99mTc−TFの肝臓における重量集積率低減は見られなかったが、図1cで示すように、小腸における重量集積率の有意な増加が確認された。
また、肝臓/心臓の重量集積率比を図2に示す。図2に示すとおり、早期から肝臓/心臓の重量集積率比の減少が確認できた。
(比較例1)牛乳及び各種脂肪酸の併用投与による99mTc−TFの胆汁排泄評価
日本SLCより購入したSDラット(オス、250g)を各群5匹使用し、普通牛乳(森永乳業)及びそれに特に多く含まれるパルチミン酸(ナカライテスク)、オレイン酸(ナカライテスク)、ステアリン酸(ナカライテスク)、ミリスチン酸(ナカライテスク)の4種類の脂肪酸を用いた。なお、これら4種類の脂肪酸の普通牛乳100gあたりにおける含有量は、パルチミン酸が1000mg、オレイン酸が700mg、ステアリン酸が400mg、ミリスチン酸が360mgである。
日本SLCより購入したSDラット(オス、250g)を各群5匹使用し、普通牛乳(森永乳業)及びそれに特に多く含まれるパルチミン酸(ナカライテスク)、オレイン酸(ナカライテスク)、ステアリン酸(ナカライテスク)、ミリスチン酸(ナカライテスク)の4種類の脂肪酸を用いた。なお、これら4種類の脂肪酸の普通牛乳100gあたりにおける含有量は、パルチミン酸が1000mg、オレイン酸が700mg、ステアリン酸が400mg、ミリスチン酸が360mgである。
8時間絶食処置をしたラットをイソフルランにより一時的に寝かせた後、ソマノペンチル(200μg)を腹腔注射し、麻酔状態にした。その後、腹部を切開し胆管にヘパリン処理済のカテーテル(100ft)を挿入し、挿入部を縫合糸で固定した。99mTc−TF(150kBq、100μL)を尾静脈注射した後、ラット用ディスポーサブル経口ゾンデを用いて、普通牛乳(2mL)、又は、普通牛乳(2mL)当たりの含有量に相当する量の各脂肪酸をそれぞれ2mLの生理食塩水溶液として経口投与した。また、コントロールとして用いたラットには、生理食塩液(2mL)のみを経口投与した。投与後一定時間(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60分)ごとに胆汁をそれぞれ採収し、オートウェルγカウンタで放射能を測定した。各時間での放射能を合算し、60分までの99mTc−TFの胆汁排泄量とした。
結果を図3に示す。普通牛乳の併用投与により、99mTc−TFの胆汁排泄量の若干の増加傾向が認められたが、脂肪酸の併用投与については、全ての脂肪酸において、99mTc−TFの胆汁排泄量の増加は見られなかった。
(実施例2)フロプロピオン併用投与によるSPECT画像の画質評価
日本SLCより購入したddYマウス(オス、6週齢)を各群3匹ずつ用いた。フロプロピオン(東京化成)を生理食塩水に4mg/15mLで溶解し、マウス用ディスポーザブル経口ゾンデを用いて経口投与し、その直後に99mTc−TF(37MBq)を尾静脈注射した。また、コントロールとして用いるマウスには、フロプロピオンに代えて生理食塩水(150μL)を経口投与した。99mTc−TF投与後、イソフルランを用いてddYマウスを麻酔状態にし、一定時間(10、20、30、60、120分)ごとに、小動物用SPECT/CT装置(eXplore speCZT CT120, GEヘルスケア・ジャパン)を使用し、CT及びSPECT撮像した。ここで、CTは管電圧32mAで撮像し、SPECTはstep-and-shoot modeで52ステップ(4秒/ステップ)撮像した。画像再構成には、分解能補正組込型ordered subset expectation maximization method(OSEM)を使用し、得られた画像を、医用画像処理用ツールAmide(Debian Project)を用いて解析した。統計解析に関して、Student’s t-testを用いて行った。また、コントロールに対する有意差の判定はP<0.05又はP<0.01とした。
日本SLCより購入したddYマウス(オス、6週齢)を各群3匹ずつ用いた。フロプロピオン(東京化成)を生理食塩水に4mg/15mLで溶解し、マウス用ディスポーザブル経口ゾンデを用いて経口投与し、その直後に99mTc−TF(37MBq)を尾静脈注射した。また、コントロールとして用いるマウスには、フロプロピオンに代えて生理食塩水(150μL)を経口投与した。99mTc−TF投与後、イソフルランを用いてddYマウスを麻酔状態にし、一定時間(10、20、30、60、120分)ごとに、小動物用SPECT/CT装置(eXplore speCZT CT120, GEヘルスケア・ジャパン)を使用し、CT及びSPECT撮像した。ここで、CTは管電圧32mAで撮像し、SPECTはstep-and-shoot modeで52ステップ(4秒/ステップ)撮像した。画像再構成には、分解能補正組込型ordered subset expectation maximization method(OSEM)を使用し、得られた画像を、医用画像処理用ツールAmide(Debian Project)を用いて解析した。統計解析に関して、Student’s t-testを用いて行った。また、コントロールに対する有意差の判定はP<0.05又はP<0.01とした。
最初に、SPECT画像上の心筋、肝臓、小腸描出部にそれぞれ関心領域(ROI)をとり、ROI中における99mTc−TFの集積(カウント数)を、コントロール時と、フロプロピオン投与時とでそれぞれ比較した。結果を図4に示す。図4aが心臓におけるカウント数を示し、図4bが肝臓におけるカウント数を示し、図4cが小腸におけるカウント数を示す。図示する通り、フロプロピオン併用投与により、99mTc−TFの肝集積の減少傾向及び小腸への集積の増加傾向が示された。また、フロプロピオン併用投与時の画像上における心筋への99mTc−TF集積は、コントロールと比較してほとんど変化が認められなかった。
次に、フロプロピオン投与による99mTc−TFの肝から小腸への排泄促進作用をSPECT画像上の肝臓と小腸との集積比で評価するために、SPECT画像上の肝臓及び小腸の描出部にROIをとり、ROI中における99mTc−TFの肝臓/小腸集積比を評価した。結果を図5に示す。図5中、*がP<0.05を示す。図5で図示するようにフロプロピオン併用投与による、99mTc−TFの肝臓/小腸集積比の減少傾向が早期から見られ、60分及び120分時点において有意な肝臓/小腸集積比が確認できた。
続いて、フロプロピオン投与による心筋描出部の画像コントラスト向上効果をSPECT画像上における肝臓と心筋との集積比で評価するために、SPECT画像上の肝臓及び心筋描出部にそれぞれROIをとり、肝臓/心臓集積比を評価した。結果を図6に示す。図示するように、フロプロピオン併用投与による、99mTc−TFの肝臓/心臓集積比の減少傾向が見られた。
以上の結果から、本発明によれば、放射性テクネチウム錯体による心臓描出能が早期に向上できることが示唆された。
Claims (5)
- フロプロピオンと併用投与して用いられ、放射性テクネチウム錯体を有効成分として含有する心臓疾患診断剤。
- 前記放射性テクネチウム錯体が、放射性テトロホスミンテクネチウム又は放射性ヘキサキス(2−メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウムである、請求項1に記載の心臓疾患診断剤。
- 該心臓疾患診断剤が心筋血流診断剤である、請求項1又は2に記載の心臓疾患診断剤。
- フロプロピオンと、放射性テクネチウム錯体とを含む、心臓疾患診断用組合せ医薬。
- フロプロピオンと、放射性テクネチウムと錯形成するためのキレート剤とを含む、心臓疾患診断用キット。
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