JP2017128233A - 車両の重心位置推定装置および重心位置推定方法 - Google Patents

車両の重心位置推定装置および重心位置推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バネ上の重心位置をより高精度で推定できる車両の重心位置推定装置を提供すること。【解決手段】車両重心位置推定装置10は、エアサスペンションに対する荷重FL、FRを演算する後軸サスペンション荷重演算部41と、後軸のロールモーメントMxASを演算する後軸ロールモーメント演算部42と、後軸のロール角φ2を演算する後軸ロール角演算部43と、車高調整前後に亘る状態で、荷重Fz、後軸のロールモーメントMxAS、およびロール角φ2に基づいて、統合ロール剛性Kφ13を演算する統合ロール剛性演算部44と、荷重Fz、後軸のロールモーメントMxAS、ロール角φ2、および統合ロール剛性Kφ13に基づいて、左右重心位置ycgを演算する左右重心位置演算部45と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、商用車などの車両の重心位置推定装置に関する。
従来より、トラック等の商用車では、車両の横転を防ぐため、車両の重心位置を推定することが重要となっている。特に商用車では、積荷の状態によって車両全体の重心の位置が大きく変化するため、積荷を積載した状態での重心位置を推定することが重要となる。
車両の重心位置を推定する技術に関して、例えば、以下のような提案がされている(特許文献1参照)。
すなわち、商用車では、車高調整機能を備えている。車高調整とは、車両の後輪のエアサスペンションのエアスプリングに対する空気の給排を制御することで、このエアサスペンションよりも上側の部分(以降、バネ上と呼ぶ)の高さや水平面に対する角度を調整する機能である。
特許文献1では、この車高調整の前後において、車両の後軸のロールモーメントおよび後軸のロール角を演算する。そして、車高調整の前後でバネ上のロールモーメントが不変であるとし、これら後軸のロールモーメントおよび後軸のロール角に基づいて、車両の左右重心位置を演算する。
特開2015−96370号公報
特許文献1では、車高調整の前後でバネ上のロールモーメントが不変であるとしたが、実際には、車高調整の前後でロール角が変化するため、バネ上の重心位置が移動してしまう。そのため、バネ上の重心位置をより高精度で推定することが要請されている。
本発明は、バネ上の重心位置をより高精度で推定できる車両の重心位置推定装置および重心位置推定方法を提供することを目的とする。
本発明の車両重心位置推定装置(例えば、後述の車両重心位置推定装置10)は、後軸に左右一対のサスペンション(例えば、後述のエアサスペンション5L、5R)を備える車両(例えば、後述の車両1)の重心位置推定装置であって、前記サスペンションに対する荷重(例えば、後述の荷重F、F)を演算する荷重演算手段(例えば、後述の後軸サスペンション荷重演算部41)と、前記荷重演算手段で演算される荷重に基づいて、前記後軸のロールモーメント(例えば、後述の後軸のロールモーメントMxAS)を演算するロールモーメント演算手段(例えば、後述の後軸ロールモーメント演算部42)と、前記サスペンションの変位量(例えば、後述の変位量Z、Z)に基づいて、前記後軸のロール角(例えば、後述のロール角φ)を演算するロール角演算手段(例えば、後述の後軸ロール角演算部43)と、前記車両の車高を自動で調整する自動車高調整手段(例えば、後述の自動車高調整装置20)と、前記自動車高調整手段による車高調整前後に亘る状態で、前記荷重演算手段で演算される荷重(例えば、後述のバネ上荷重F)、前記車両の重心高さ(例えば、後述の重心高hcga)、前記ロールモーメント演算手段で演算されるロールモーメント、および前記ロール角演算手段で演算されるロール角に基づいて、前記車両の固有値である統合ロール剛性を演算する統合ロール剛性演算手段(例えば、後述の統合ロール剛性演算部44)と、前記荷重演算手段で演算される荷重、前記ロールモーメント演算手段で演算されるロールモーメント、前記ロール角演算手段で演算されるロール角、および前記統合ロール剛性演算手段で演算した前記車両の統合ロール剛性(例えば、後述の統合ロール剛性Kφ13)に基づいて、前記左右重心位置(例えば、後述の左右重心位置ycg)を演算する左右重心位置演算手段(例えば、後述の左右重心位置演算部45)と、を備えることを特徴とする。
また、前記左右重心位置が、前記車両の横転の可能性を示す所定の上限閾値(例えば、後述の上限閾値ymax)以上になると、ドライバに危険性を警報する警報手段(例えば、後述の警報制御部46)をさらに備えてもよい。
また、前記左右重心位置が、前記車両の横転の可能性を示す所定の上限閾値以上になると、前記車両の走行速度を制限する速度制限手段(例えば、後述の車速制御部47)をさらに備えてもよい。
本発明の車両重心位置推定後軸に左右一対のサスペンションを備える車両の重心位置推定方法であって、前記サスペンションに対する荷重を演算する荷重演算手順と、前記荷重演算手順で演算される荷重に基づいて、前記後軸のロールモーメントを演算するロールモーメント演算手順と、前記サスペンションの変位量に基づいて、前記後軸のロール角を演算するロール角演算手順と、前記車両の車高を自動で調整する車高調整前後に亘る状態で、前記荷重演算手段で演算される荷重、前記車両の重心高さ、前記ロールモーメント演算手順で演算されるロールモーメント、および前記ロール角演算手順で演算されるロール角に基づいて、前記車両の固有値である統合ロール剛性を演算する統合ロール剛性演算手順と、前記荷重演算手順で演算される荷重、前記ロールモーメント演算手順で演算されるロールモーメント、前記ロール角演算手順で演算されるロール角、および前記統合ロール剛性演算手順で演算した前記車両の統合ロール剛性に基づいて、前記左右重心位置を演算する左右重心位置演算手順と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、バネ上の重心位置をより高精度で推定して、特に車両の横転防止装置に用いるのに好適な車両の重心位置推定装置および重心位置推定方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る車両重心位置推定装置が設けられた車両を平面視した模式図である。 前記実施形態に係る車両を後方から視た模式図である。 前記実施形態に係る車両重心位置推定装置のコントロールユニットを示す機能ブロック図である。 前記実施形態に係る車両の車高調整前の状態を示す模式図である。 前記実施形態に係る車両の車高調整後の状態を示す模式図である。 前記実施形態に係る車両の重心高を演算する手順を説明する図(その1)である。 前記実施形態に係る車両の重心高を演算する手順を説明する図(その2)である。 前記実施形態に係る車両重心位置推定装置の制御内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両重心位置推定装置10が設けられた車両1を平面視した模式図である。図2は、車両1を後方から視た模式図である。
車両1は、リーフサスペンション4L、4Rを介して設けられた左前輪2Lおよび右前輪2Rと、エアサスペンション5L、5Rを介して設けられた左後輪3Lおよび右後輪3Rと、を備える。また、エアサスペンション5L、5Rは、積荷7が偏積されたバネ上6を支持している。
車両重心位置推定装置10は、エアサスペンション5L、5Rのエアスプリング8L、8R内の圧力(以下、単に圧力PL、PRと称する)を検出する左右一対の圧力センサ11L、11Rと、エアスプリング8L、8Rの変位量Z、Zを検出する左右一対の変位量センサ12L、12Rと、自動車高調整装置20と、コントロールユニット40と、を備えている。
自動車高調整装置20は、エアスプリング8L、8Rに対する空気の給排を制御することで、車両1の車高を水平に近づける自動車高調整を実行する。より詳しくは、自動車高調整装置20は、変位量センサ12L、12Rで検出した変位量Z、Zに基づいて現在のバネ上6の車高を求めるとともに、エアスプリング8L、8Rに空気を供給、若しくはエアスプリング8L、8Rから空気を排出することで、バネ上6を水平状態に近づける。
コントロールユニット40は、車両1の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え構成されている。
また、コントロールユニット40は、図3に示すように、後軸サスペンション荷重演算部41と、後軸ロールモーメント演算部42と、後軸ロール角演算部43と、統合ロール剛性演算部44と、左右重心位置演算部45と、警報制御部46と、車速制御部47とを一部の機能要素として有する。
これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアであるコントロールユニット40に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
後軸サスペンション荷重演算部41は、圧力センサ11L、11Rから入力される圧力PL、PRに基づいて、エアスプリング8L、8Rに対する荷重F、Fを演算する。
より詳しくは、コントロールユニット40には、予め実験等により求めたエアスプリング8L、8Rに対する荷重Fとエアスプリング圧力Pとの関係を示す圧力−荷重特性マップが記憶されている。後軸サスペンション荷重演算部41は、この内圧−荷重特性マップから、圧力センサ11L、11Rで検出される圧力PL、PRに対応する値を読み取ることで、エアスプリング8L、8Rに対する荷重F、Fをリアルタイムで演算する。なお、荷重F、Fの演算は、マップに限定されず、近似式等から演算してもよい。
また、後軸サスペンション荷重演算部41は、エアスプリング8L、8Rに対するバネ上5の荷重Fzを演算する。具体的には、後軸サスペンション荷重演算部41で演算したエアスプリング8L、8Rに対する荷重F、Fの和をバネ上荷重Fzとする。
後軸ロールモーメント演算部42は、後軸サスペンション荷重演算部41で演算した荷重F、Fを以下の式(1)に代入することで、積荷の偏積によって生じる後軸のロールモーメントMxASを演算する。
なお、式(1)において、yは左後輪のエアスプリング8Lから車両の左右方向中央までの水平方向の距離、yは右後輪のエアスプリング8Rから車両の左右方向中央までの水平方向の距離を示している。
後軸ロール角演算部43は、変位量センサ12L,12Rで検出した変位量Z、Zを以下の式(2)に代入することで、左右のエアスプリング8L、8Rの変位差によって生じる後軸のロール角φを演算する。
統合ロール剛性演算部44は、車高調整前後の二つの状態量に基づいて、車両1に固有の統合ロール剛性Kφ13を演算する。統合ロール剛性Kφ13とは、前後軸のロール剛性や車体フレームの捻り剛性等を統合して、車両1のバネ上全体を一つの剛体と見なしたロール剛性であり、エアスプリング8L、8R以外の前後のサスペンションロール剛性の和である。
ここで、バネ上のロールモーメントMについて、以下の式(3)が成立する。
図4は、車高調整前の状態を示す模式図であり、図5は、車高調整後の状態を示す模式図である。
自動車高調整装置20による車高調整前の状態をa、車高調整後の状態をbとすると、車高調整前のバネ上のロールモーメントをMxa、車高調整後のバネ上のロールモーメントをMxbについて、以下の式(4)が成立する。
以上の式(4)を統合ロール剛性Kφ13について整理すると、以下の式(5)が得られる。
式(5)の第一項は、車高調整の前後における後軸ロール角に対するエアバネロールモーメントの傾きである。そこで、車高調整の前後に加えて、車高調整中についても、後軸ロール角φに対するロールモーメントMxASの比例係数を求めて、この比例係数の近似式(一次式)を最小二乗法により算出し、式(5)の第一項とする。この第一項をf(MxAS,φ)とすると、式(5)は、式(6)のようになる。
なお、後軸ロール角φおよびロールモーメントMxASのデータ数を増やすことで、近似式の精度をさらに向上できる。
また、バネ上のロールモーメントをMは、バネ上の総重量をFとし、バネ上の左右重心位置をycgとすると、以下の式(7)が成立する。
式(7)は、車高調整の前後においても成立するので、車高調整前を示す符号a、車高調整後を示す符号bを用いて、以下の式(8)が成立する。
式(8)を式(6)に代入すると、以下の式(9)が得られる。
式(9)の第2項のうち,未知の変数となるのが車高調整前後における左右重心位置の変化量(ycgb−ycga)である。よって、この車高調整の前後におけるバネ上の重心の左右位置の変化量(ycgb−ycga)が判れば、統合ロール剛性Kφ13を補正できることになる。
図4に示すように、車高調整により、左右重心位置ycga、重心高hcgaに位置する重心が、地上高hrcのロール中心RCを中心として回転角(φ2b−φ2a)だけ回転して、左右重心位置ycgb、重心高hcgbに移動するものとする。ここで、重心高hcgaは、ロール中心RCから重心までの高さである。すると、以下の式(10)が成立する。
この式(10)を展開すると、以下の式(11)となる。
式(11)を式(9)に代入すると、以下の式(12)が得られる。
式(12)中、cos(φ2b−φ2a)は、ほぼ1になるので、式(12)は、以下の式(13)のようになる。
ここで、重心高hcgaについては、車両重量に対して重心高hcgaの代表的な値を割り当てたマップを用いる。
なお、重心高hcgaについては、以下の手法を用いて演算してもよい。
すなわち、図6に示すように、車両1については、ロール中心RCまわりのモーメントについて、以下の式(14)が成立する。
式(14)中、Fは、バネ上5に作用する遠心力である。また、Mconstは積荷7が側方にずれて積載されることなどによる、バネ上6のロールモーメントのオフセット量である。
また、バネ上6に作用する遠心力Fyについて、以下の式(15)が成立する。
式(15)中、msmはバネ上6の質量であり、Gは、車両1の幅方向の加速度である横加速度である。上記の式(14)に式(15)を代入することで式(16)が得られる。
上記の式(16)の時刻pにおいて成立する式を、添え字pを付けて表し、上記の式(16)の時刻pとは異なる時刻qにおいて成立する式を、添え字qを付けて表すと、式(17)となる。ここで、物流拠点間の走行中であれば、積荷7の配置および質量は変化しないと考えられるので、重心高hcg、バネ上5の質量msm、バネ上5のロールモーメントのオフセット量Mconstは一定であると考えられる。
以上の式(17)の辺々差分をとり、hcgについて変形すると、以下の式(18)となり、ロール中心RCからバネ上5の重心までの高さhcgを求めることができる。式(18)中のDは、横加速度Gの変化量に対する車両1のロールモーメントMxの変化量で表される比例係数である。
そして、図7に示すように、横加速度Gyを横軸とし、ロールモーメントMxを縦軸とするグラフを生成し、このグラフ上に、時刻p、qなどで求めた値をプロットして、最小二乗法によりMx/Gyの近似直線を求める。この近似直線の傾きを比例係数Dとして、式(18)に代入する。
左右重心位置演算部45は、車両1の停車時において、以下の式(19)に、後軸ロールモーメント演算部42で演算したロールモーメントMxAS、後軸ロール角演算部43で演算したロール角φ、および後軸サスペンション荷重演算部41で演算したバネ上荷重Fを代入するとともに、統合ロール剛性演算部44で演算した統合ロール剛性Kφ13を代入することで、車両1の左右重心位置ycgを演算する。
警報制御部46は、左右重心位置演算部45で演算された左右重心位置ycgに基づいて、車両1に横転の可能性があるか否かをドライバに知らせる警報制御を実行する。より詳しくは、コントロールユニット40には、予め実験等により求めた車両1の旋回走行時に横転の可能性を生じさせる左右重心位置ycgの絶対値の上限閾値ymaxが記憶されている。警報制御部46は、左右重心位置演算部45で演算した左右重心位置ycgの絶対値が上限閾値ymax以上の場合に、図示しない運転室の表示装置51に横転の危険性を表示させる警告を実行する。なお、ドライバへの警告は、表示装置51に限定されず、例えば、運転室に設けられた図示しないスピーカから音声等で知らせるように構成してもよい。
車速制御部47は、左右重心位置演算部45で演算した左右重心位置ycgの絶対値が上限閾値ymax以上の場合に、車両1の走行速度を制限して横転を回避させる車速制御を実行する。より詳しくは、コントロールユニット40には、予め実験等により求めた車両1の横転を回避させるリミッタ速度VLimと左右重心位置ycgの絶対値との関係を示す速度制限マップ(不図示)が記憶されている。車速制御部47は、左右重心位置演算部45で演算される左右重心位置ycgの絶対値が上限閾値ymax以上の場合に、速度制限マップから読み取ったリミッタ速度VLimをエンジンコントロールユニット(ECU)52に出力することで、車両1の走行速度を制限するように構成されている。
次に、図8に基づいて、本発明の車両重心位置推定装置10による制御フローを説明する。なお、本制御は、イグニッションキーのON操作と同時にスタートする。
ステップS1では、車高調整前の状態で、後軸ロールモーメント演算部42によるロールモーメントMxASaの演算が実行されると共に、後軸ロール角演算部43によるロール角φ2aの演算が実行される。
ステップS2では、自動車高調整装置20による車高調整が実行される。なお、この車高調整の実行中も、後軸ロールモーメント演算部42によるロールモーメントMxASの演算が実行されると共に、後軸ロール角演算部43によるロール角φの演算が実行される。
ステップS3では、車高調整後の状態で、後軸ロールモーメント演算部42によるロールモーメントMxASbの演算が実行されると共に、後軸ロール角演算部43によるロール角φ2bの演算が実行される。
ステップS4では、統合ロール剛性演算部44により、統合ロール剛性Kφ13の演算が実行される。すなわち、後軸ロール角φに対するロールモーメントMxASの比例係数を求めて、この比例係数の近似式(一次式)であるf(MxAS,φ)を最小二乗法により算出する。また、上述の式(13)に、このf(MxAS,φ)、バネ上荷重F、重心高hcga、S1で演算された車高調整前のロール角φ2a、およびS3で演算された車高調整後のロール角φ2bが代入される。
ステップS5では、左右重心位置演算部45による左右重心位置ycgの演算が実行される。すなわち、上述の式(19)に、ロールモーメントMxASおよびロール角φ、S4で演算された統合ロール剛性Kφ13、およびバネ上荷重Fが代入される。
ステップS6では、S5で演算された左右重心位置ycgの絶対値が車両1の横転の可能性を示す上限閾値ymax以上であるか否かが判定される。左右重心位置ycgの絶対値が上限閾値ymax以上の場合はS7に進み、左右重心位置ycgの絶対値が上限閾値ymax未満の場合はリターンされる。
ステップS7では、警報制御部46によって、表示装置51に横転の危険性を表示する警告が実行される。さらに、ステップS8では、車速制御部47によって、車両1の走行速度がリミッタ速度VLimで制限されてリターンされる。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態における車両重心位置推定装置10によれば、バネ上荷重F、重心高hcga、ロールモーメントMxAS、およびロール角φに基づいて、統合ロール剛性Kφ13を演算し、次に、バネ上荷重F、ロールモーメントMxAS、ロール角φ、およびこの統合ロール剛性Kφ13を入力値として含むモデル式(19)に基づいて、車両1の左右重心位置ycgを演算する。したがって、車高調整の前後に亘る状態量から統合ロール剛性Kφ13を従来に比べてより高精度に演算することが可能となり、車両1の左右重心位置ycgを高精度に推定することができる。
車両重心位置推定装置10は、左右重心位置ycgの絶対値が横転の可能性を生じさせる上限閾値ymax以上になると、表示装置51に横転の危険性を表示して警告を実行するように構成されている。したがって、左右重心位置ycgの移動による横転の危険性をドライバに確実に知らせることが可能となり、ドライバに横転を回避させる安全な走行を促すことができる。
また、車両重心位置推定装置10は、左右重心位置ycgの絶対値が横転の可能性を生じさせる上限閾値ymax以上になると、横転を回避させるリミッタ速度VLimで車両1の走行速度を制限するように構成されている。したがって、左右重心位置ycgの移動による車両1の横転を効果的に抑止することが可能になる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上述の車両重心位置推定装置10が適用可能な車両は、後輪にエアサスペンションを備えるものに限定されず、前後輪ともにエアサスペンションを備える車両や、前後輪ともにリーフサスペンションを備える車両であってもよい。前後輪ともにリーフサスペンションの場合は、各リーフサスペンションに荷重計を設ければよい。また、車両1はトラックに限定されず、乗用車等の他の車両であってもよい。
1 車両
2L、2R 左右前輪
3L、3R 左右後輪
4L、4R リーフサスペンション
5L、5R エアサスペンション
6 バネ上
7 積荷
8L、8R エアスプリング
10 車両重心位置推定装置
11L、11R 圧力センサ
12L、12R 変位量センサ
20 自動車高調整装置
40 コントロールユニット
41 後軸サスペンション荷重演算部(荷重演算手段)
42 後軸ロールモーメント演算部(ロールモーメント演算手段)
43 後軸ロール角演算部(ロール角演算手段)
44 統合ロール剛性演算部(統合ロール剛性演算手段)
45 左右重心位置演算部(重心位置演算手段)
46 警報制御部(警報手段)
47 車速制御部(車速制限手段)

Claims (4)

  1. 後軸に左右一対のサスペンションを備える車両の重心位置推定装置であって、
    前記サスペンションに対する荷重を演算する荷重演算手段と、
    前記荷重演算手段で演算される荷重に基づいて、前記後軸のロールモーメントを演算するロールモーメント演算手段と、
    前記サスペンションの変位量に基づいて、前記後軸のロール角を演算するロール角演算手段と、
    前記車両の車高を自動で調整する自動車高調整手段と、
    前記自動車高調整手段による車高調整前後に亘る状態で、前記荷重演算手段で演算される荷重、前記車両の重心高さ、前記ロールモーメント演算手段で演算されるロールモーメント、および前記ロール角演算手段で演算されるロール角に基づいて、前記車両の固有値である統合ロール剛性を演算する統合ロール剛性演算手段と、
    前記荷重演算手段で演算される荷重、前記ロールモーメント演算手段で演算されるロールモーメント、前記ロール角演算手段で演算されるロール角、および前記統合ロール剛性演算手段で演算した前記車両の統合ロール剛性に基づいて、前記左右重心位置を演算する左右重心位置演算手段と、を備えることを特徴とする車両の重心位置推定装置。
  2. 前記左右重心位置の絶対値が、前記車両の横転の可能性を示す所定の上限閾値以上になると、ドライバに危険性を警報する警報手段をさらに備える請求項1に記載の車両の重心位置推定装置。
  3. 前記左右重心位置の絶対値が、前記車両の横転の可能性を示す所定の上限閾値以上になると、前記車両の走行速度を制限する速度制限手段をさらに備える請求項1または2に記載の車両の重心位置推定装置。
  4. 後軸に左右一対のサスペンションを備える車両の重心位置推定方法であって、
    前記サスペンションに対する荷重を演算する荷重演算手順と、
    前記荷重演算手順で演算される荷重に基づいて、前記後軸のロールモーメントを演算するロールモーメント演算手順と、
    前記サスペンションの変位量に基づいて、前記後軸のロール角を演算するロール角演算手順と、
    前記車両の車高を自動で調整する車高調整前後に亘る状態で、前記荷重演算手段で演算される荷重、前記車両の重心高さ、前記ロールモーメント演算手順で演算されるロールモーメント、および前記ロール角演算手順で演算されるロール角に基づいて、前記車両の固有値である統合ロール剛性を演算する統合ロール剛性演算手順と、
    前記荷重演算手順で演算される荷重、前記ロールモーメント演算手順で演算されるロールモーメント、前記ロール角演算手順で演算されるロール角、および前記統合ロール剛性演算手順で演算した前記車両の統合ロール剛性に基づいて、前記左右重心位置を演算する左右重心位置演算手順と、を備えることを特徴とする車両の重心位置推定方法。
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